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1950-11-18 第8回国会 衆議院 考査特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十八日(土曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 島田 末信君 理事 塚原 俊郎君    理事 内藤  隆君 理事 小松 勇次君    理事 猪俣 浩三君 理事 横田甚太郎君       安部 俊吾君    井手 光治君       岡西 明貞君    鍛冶 良作君       小玉 治行君    佐々木秀世君       田中不破三君    西村 直己君      橋本登美三郎君    柳澤 義男君       石田 一松君    椎熊 三郎君       吉田  安君    梨木作次郎君       岡田 春夫君  委員外出席者         証     人         (日本発送電株         式会社建設局次         長)      平井彌之助君     ————————————— 十一月十八日  委員尾関義一君辞任につき、その補欠として岡  西明貞君が議長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  電力編成問題     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 会議を開きます。前会に引続き、電力編成問題について調査を進めます。さつそく証人より証言を求むることといたします。ただいまお見えになつておる方は平井彌之助さんですね。
  3. 平井彌之助

    平井証人 はあ。
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 これより電力編成問題について証言を求むることになりますが、証言を求むる前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのに、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人平井彌之助君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を超えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。証人略歴について述べてください。
  7. 平井彌之助

    平井証人 大正十五年に東京帝国大学工学部土木工学科を卒業いたしまして、ただちに元の東邦電力株式会社に入りました。昭和十六年五月日本発送電に入社いたしまして、ただちに栗山水力並びに川俣水力建設所長を勤めまして、十七年の七月には建設局調査部西部調査課長、十八年の十二月に建設局大阪出張所土木部長、十九年一月建設局土木部第二課長、二十年四月土木部土木課長、二十二年七月本店土木部長、二十三年七月理事、二十四年十月建設局次長、以上でございます。
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 日発土木部及び建設局所管事務の概要について述べてください。
  9. 平井彌之助

    平井証人 まず土木部所管事項を申し上げます。本店土木部といたしましては、新規水力開発一般調査並びに計画の諸事項新規開発規模工事担当並びに施設水力火力補修維持建物関係一般事項でございます。建設局といたしましては、一般建設に伴う受付と申しますが、一般事務を処理いたしまして、業務には直接あずからない立場にございます。以上でございます。
  10. 篠田弘作

    篠田委員長 日発では工事請負契約を締結するまでにどういうような手続をとるか、また工事予算の作成あるいは入札方法等はどういう方法でやつておりますか。
  11. 平井彌之助

    平井証人 まず工事を始めますには、その工事そのもの本店において計画され、それが決裁になりますと各支店にその事項が流されます。各支店におきましては、それに基いて実施計画を立てまして、それが本店に回付されます。本店においてそれを審査いたしまして決裁を受けます。ここにおいて初めて工事実施がなし得る状態に相なります。  次にこれを請負にかけます場合について申し上げます。この請負仕事自体につきましては、本店の分と支店の分と一応の制限がございます。支店におきましては今年八月前におきましては一般工事は五百万円、当時特回、特收と称せられたものにつきましては千万円以下、こういうふうに相なつております。建築はこの二分の一でございます。  請負にかけます段階といたしましては、まず工事担当箇所におきまして請負予算なるものを作成いたします。これは地元状態、たとえて申しますと労務の募集の状況とか、地元資材値段とか、そういうものを十分に検討いたしまして予算を立てます。これが支店に回付されまして、支店がまた支店立場からこれを再検討いたす次第でございます。支店の分はこれで終了いたしまして請負に付託いたします。本店になりますと、支店で否定されましたものが本店に回付されます。本店におきましては全的な視野に立ちまして、これを十分に技術的に、また工事力その他の動向、そういうものにつきまして検討いたしまして、予算編成されます、この予算技術者のみによつて作成されまして、他の容喙は一切入れないことになつておる。その編成されました予算につきましては、経理部長に渡されます。経理部長に渡される場合には、規模によりましては私が直接経理部長に御説明いたしまして、その上で嚴封いたしまして経理部長に渡します。  次に請負人選定でございますが、当社におきましては、元来から指名競爭入札制度をとつております。しかし工事内容工事を非常に急ぐ場合、あるいは特殊工事につきましては、またその請負人工事力の不足の状態、やむを得ざる場合におきましは、特に特名にいたす場合がございますが、これはきわめてまれな状態でございます。本店請負指名いたします場合には、元来本店でも、支店にいたしましても、水力関係火力関係におきまして、十分な経験を有しております業者を主体にいたしましてそのほかまず工事力について信用十分だと考えられます業者につきまして、リストがつくつてございます。支店においても同様でございまして、本店請負の場合には、支店から支店見解本店に伝えられす。本店におきましては、そのリストと対応し、また選定される業者の現在の業態について支店の副申を参考にいたしまして、そこで土木部で起案いたしまして、経理部と十分な打合せをいたしまして、そこで内定いたしたものにつきまして稟議決裁を受けます。稟議決裁を受けました指名業者に対しまして、指名競爭入札に付する次第でございます。
  12. 篠田弘作

    篠田委員長 そうしますと、予算編成の際には、技術者だけでもつて、ほかの者はその会議には入れない。でき上つたものを経理部長に渡して稟議決裁を受けるのだが、稟議決裁を受けるのは、請負業者がきまつてから稟議決裁を受けるのですか。
  13. 平井彌之助

    平井証人 ただいまの言葉は足りませんでした。今は指名までを申し上げました。先ほど申し上げました請負予算につきましては、請負見積書が提出される時分に、予算書経理部長のものに渡されます。
  14. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、土木でも建築でもそうだが、予算ができると、できたときにその予算書経理部長に渡すのですか。
  15. 平井彌之助

    平井証人 さようであります。その時期は請負見積書が提出される時分に渡されます。
  16. 篠田弘作

    篠田委員長 請負見積書ができたとき、予算ができたとき、それとも……。
  17. 平井彌之助

    平井証人 いやいや請負見積書本店経理部に到達する時期において渡されます。
  18. 篠田弘作

    篠田委員長 入札したあとですか。
  19. 平井彌之助

    平井証人 見積書業者が出して参ります。その時分に出すということを申し上げておるわけです。
  20. 篠田弘作

    篠田委員長 そうしますと、見積書というのは、業者は一軒でないから方方から見積書を出すでしよう。その見積書を全部経理部長に渡すのですか。
  21. 平井彌之助

    平井証人 請負の見積りにつきましては、何日の何時までに提出すべしということで見積つてもらつておりますから、その日取りは正確にわかつております。
  22. 篠田弘作

    篠田委員長 いや、こちらの聞いていることは、あなたの方では、たとえばこの工事なら工事は何千万円、この工事は何億円ということ、技術者だけが集つて会議を開いて、最も合理的なる数字が出ておるわけでしよう——それから今度見積書を出させるわけですか。
  23. 平井彌之助

    平井証人 いえいえ、そうではございません。
  24. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたのところの入札というのは、向うの値段入札させるわけでしよう。しかしあなたの方の値段は、また別のものがあるのでしよう
  25. 平井彌之助

    平井証人 そうです。
  26. 篠田弘作

    篠田委員長 その間のいきさつをもう一ぺんおつしやつてください。
  27. 平井彌之助

    平井証人 見積書が各業者に渡されます。業者見積書の提出につきましては……。
  28. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと待つてください。見積書業者に渡されるということは、どういうわけですか。
  29. 平井彌之助

    平井証人 こういう内容でするということを業者に渡すわけです。その渡した前後から土木部といたしましては、請負予算編成にとりかかるわけです。それで見積書が期限までに出される時分に、土木請負書というものを経理部に渡すわけです。
  30. 篠田弘作

    篠田委員長 その間に関係があるのですか、ないのですか。
  31. 平井彌之助

    平井証人 何の関係ですか。
  32. 篠田弘作

    篠田委員長 請負事者の持つて来た見積書とあなたの方の予算と……。
  33. 平井彌之助

    平井証人 絶対にございません。
  34. 篠田弘作

    篠田委員長 そうしますと、あなた方の予算というものは、技術者だけでつくられる予算で、そうして時期は見積書が出て来る時分に渡すわけだが、それまでに一体その予算に対して稟議決裁を受けると言われるが、稟議決裁を受けるまでは、総裁、副総裁はその予算には全然関係はないわけですか。
  35. 平井彌之助

    平井証人 さようでございます。請負につきましては、開封するまでは絶対に接触しておりません。
  36. 篠田弘作

    篠田委員長 技術者が自分で予算をつくるのですね。
  37. 平井彌之助

    平井証人 土木部が所管いたしまして、経理部がそれを扱つておるわけです。
  38. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると土木請負予算につきましては、土木部技術者だけが知つておる。また扱つてつて、ほかの事務の者、その他の総裁、副総裁もあずからないわけですね。
  39. 平井彌之助

    平井証人 さようでございます。
  40. 篠田弘作

    篠田委員長 わかりました。それでは工事施行監督、あるいは工事代金の、支払い方法はどういうようにしておりますか。
  41. 平井彌之助

    平井証人 現場工事監督から申します。ただいまのやり方といたしましては、業者工事施行に関する一切のものをやりまして、当初の現場監督人はその業態とか、その工事施行書に合つているものがつくられておるかどうかという問題、それから施行順序施行方法について適当かどうか、それから工事出来高につきまして、毎月これを測定いたします、その月の出来高量をきめるということになつております。工事支払いにつきましては、契約書に明示してあるものに対しましては、支店においてこれを支払つております。特に本店支払いの分に対しましては、明確にきめてございまして、本店でその分だけは処理いたしております。
  42. 篠田弘作

    篠田委員長 支店支払うものと、本店支払うものとの区別は、どういうふうになつておりますか。
  43. 平井彌之助

    平井証人 本店支払うべき性質のものは、主として契約書にございますように、補償の問題あるいは契約書による融資問題等、要するに全国的な視野に立つて取扱わなければならないもので、それについては本店支払つております。
  44. 篠田弘作

    篠田委員長 日発工事関係入札に際して、談合がしばしば行われているというような評判があるのですが、そういう点については、あなたは土木部長としてどういう見解を持つていますか。
  45. 平井彌之助

    平井証人 土木工事そのものは一応製品の取引にはなつておりますが、実質的におきましては、その製品に至る過程の請負にならざるを得ないわけでありますから、業者に対しましてはきわめてきつい契約書が在来実施されておつたわけです。これをまともな正常な形にいたしますには、やはり発注者請負人というものは、対等の位置に立つて交渉すべきであるという前提に立ちまして、契約書内容見積書内容につきましていろいろ検討いたしまして、非常に合理的なものが作成されているというふうに私は思います。また請負予算に対しましては、技術者が真劍にこれを考え、適正妥当と決定いたしました進言に対しましては、いかなる事態が起りましても冷嚴に今までこれを実施して参りましたし、請負人におきましてもまたまじめにその交渉に応じて来たよう状態でございます。一方業者の方を見ておりますと、非常な金融の逼迫がございまして、あるところでは給料も払えなかつたというよう状態でございます。また今回の工事につきましては融資ということはいたしておりませんが、これが着工につきましては、私自身といたしましても非常に安心はしておつたもののやはり一抹の不安が去らなかつたという状態でございます。談合の事実はないと私は考えております。
  46. 篠田弘作

    篠田委員長 融資をしてないという意味は、請負入札させて、その工事の何割かという前渡金をしていないという意味ですか。
  47. 平井彌之助

    平井証人 さようでございます。
  48. 篠田弘作

    篠田委員長 それであなたが立合つて談合するわけはもちろんないのだが、要するにこの工事請負金額というものは、昔は実際安いところに入札させたが、今は一定の幅があつて、かなり安くても——安過ぎてもいけないし高過ぎてもいけないが、だれが見てもその工事にふさわしい金額の幅の中で許すわけですね。そういう場合、たとえばあなたのところで一億から一億二千万円なら、二千万円の幅を持つて予算をつくつているというような場合に、一億円から一億二千万円くらいまでの間に、たとえば三人くらいの入札者があるとすると、そのうちのどういうところに落すのですか。
  49. 平井彌之助

    平井証人 ちよつと御質問いたしますが、今の数字的な例でございますが、わずかしか違わない場合にはどういうような処置をとるかということでございますか。
  50. 篠田弘作

    篠田委員長 そうです。
  51. 平井彌之助

    平井証人 私どもといたしましては、大規模仕事につきましては、ただ金だけで見積書をとつているわけではございません。業者の施工に対する一つの構想につきましても、見積書添付書類として徴收しております。その内容につきましても十分に検討しております。従いまして、きわめて差が少いという場合におきましても、今までの経験から申しますと、発送電出入り業者はいずれも優秀な業者が多いのでございますから、結局少しでも安いものに落されるのじやないか、さように考えます。
  52. 篠田弘作

    篠田委員長 落されるのじやないかと言うけれども、あなたは責任者じやないか。
  53. 平井彌之助

    平井証人 その状態が下層的に行つているのであります。
  54. 篠田弘作

    篠田委員長 日発関係工事についてあなた方が、予算を見積るときにも、多少の利益見積つておるわけでしよう。大体どのくらい見積つておるのですか。
  55. 平井彌之助

    平井証人 利潤の問題につきましては、経済界の情勢というものもあるだろうと考えます。また業者工事力工事量の比率の問題もあると思います。大体戰爭後におきましては、利潤というものについてはあまり考えておりません。要するに企業努力によつてこれを補うべきだと考えております。従いまして今回の工事につきましても、まず三分程度の企業努力は生み出せるのではないかと考えて請負予算を作成いたしました。
  56. 篠田弘作

    篠田委員長 それからその入札の問題ですが、これは架空のことを聞いているのではありません。今まであなた方は何回か入札をして来ているわけです。その場合、昔は一番安いものに落してあつたそうだが、今は一番安いから必ずしも落すというわけではなく、たとえば一定工事にふさわしい幅がある。その幅の中で落すことになつているということを聞いておるのですが、これは事実ですか。
  57. 平井彌之助

    平井証人 見積書内容の問題から申し上げます。
  58. 篠田弘作

    篠田委員長 それはどうかということを言つてもらえばいい。安いところへ落すのか、あるいは一定の幅をつくつて落すのか。
  59. 平井彌之助

    平井証人 適正であつて妥当の範囲にしか落さない。
  60. 篠田弘作

    篠田委員長 その一番安いものに落すのですね。
  61. 平井彌之助

    平井証人 適正にして妥当な最低なところに落しております。
  62. 篠田弘作

    篠田委員長 わかりました。それから企業努力利益見積つておらないとあなたは今証言されたけれども、大体仕事をするのに利益を全然見積らないで請負いする者はないのだが、やはり労銀幾ら資材幾ら運搬費幾らというようなことを全部見積つて、その上に何分か何割かの利益をつけてやらなければ、企業努力といつても、ものがきまつておるのだから、うまく行かないと思うが、その企業努力というものはどういう意味ですか、それを説明してください。
  63. 平井彌之助

    平井証人 企業努力と申しますのは、普通の状態で考えられる適正にして妥当な工事をやればそのくらいの利益がある、こういうことです。だから努力しなければ損をします、
  64. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、やはり利益見積つておるわけですね。三分ぐらいの利益を見てやつているのだね。
  65. 平井彌之助

    平井証人 適当な工事方法によつて、適当な労務者の使役をすれば、そのくらいの利益はある。さように考えております。
  66. 篠田弘作

    篠田委員長 もちろん下手をすれば切りがない。それはどんなに利益見積つてもだめだが、結局三分くらいの利益見積つてつていると解してよろしいでしようか。
  67. 平井彌之助

    平井証人 さようでございます。それも相当な努力をしなければ、なかなかむずかしいのではないか、さように考えております。
  68. 篠田弘作

    篠田委員長 その相当な努力というところに、たとえば安いものを買うとか、労銀を下げるという意味も含まれているのですか。
  69. 平井彌之助

    平井証人 いわゆる労銀自体の問題につきましては、契約書にそれの修正がはつきり記載してございます。その心配はないはずでございます。
  70. 篠田弘作

    篠田委員長 結局において、三分の利益見積つてつておるということでございますね。
  71. 平井彌之助

    平井証人 努力すればそのくらいある。なまければ最限がない問題でございます。
  72. 篠田弘作

    篠田委員長 なまけるということは、初めから前提にしているわけではないから、結局資材値段がきまつているでしよう労銀がきまつているでしよう運搬費がきまつているでしよう。そういうものを全部総合して、三分くらいの利益見積つておるのですか。
  73. 平井彌之助

    平井証人 そのくらいは出ると思います。
  74. 篠田弘作

    篠田委員長 まあいいでしよう日発工事請負業者からリベートをとつておる。今度問題になつたのも。リベートをとつておるかおらぬか、新聞なんかの伝えるところによると、大体一〇%ぐらいのリベートをとつておる。それが今度の再編成について政治献金に使われたというが、この考査委員会が活動し始めた原因になつておるのは、あなたの御承知通りなのです。今までの証人はもちろんそういうものはないと言つているけれども、あなたは実際工事の中心にタツチしておるのだから、そういうことはよくおわかりだと思うが、リベートをとつておる事実があるかないか、もしとつておるとすれば何分ぐらいのリベートをとつておるか。あるいはとつておるリベートによつて政治献金をしたことがあるかないか。その三つについて証言をしてください。
  75. 平井彌之助

    平井証人 ただいままで申し上げました通り土木部といたしましては、適正妥当な請負予算盛つて、嚴重に交渉を進めております。また業者の方におきましても、そんなゆとりは私は全然ないと思います。従いまして、かかる風評は絶対にありません。
  76. 篠田弘作

    篠田委員長 風評はあるのだ。(笑声)
  77. 平井彌之助

    平井証人 風評ような事実は絶対にございません。
  78. 篠田弘作

    篠田委員長 従つて政治献金もしておらぬということですね。
  79. 平井彌之助

    平井証人 そういうこともございません。
  80. 篠田弘作

    篠田委員長 工事請負関係して、何か政治家方面から、あなた方に非常にたつての、たとえばお願いをするとか、あるいはまたある程度の圧迫を加えるというようなことはありませんか。
  81. 平井彌之助

    平井証人 発送電本店土木部長の地位と申しますのは、あらゆる問題につきまして、公平にして妥当適正な運営をする以外にはやつて行けないところでございます。従つて私が在職中におきましてもこのことは大分世間でもわかつているのではないかと思いますが、そういう事実は全然ございませんでした。
  82. 篠田弘作

    篠田委員長 もう一度お伺いしますが、あなたの土木部長としての在任はまだわずかのようだけれども、この土木関係されたのは、一番初めから今まで何年ぐらいになりますか。
  83. 平井彌之助

    平井証人 私が工事関係いたしましたのは、当初の略歴で申し上げました、昭和十九年一月から工事関係いたしております。そのときには建設局土木部第二課長の役におりました。
  84. 篠田弘作

    篠田委員長 それ以来そういうことはないと、こう言われるのですか。
  85. 平井彌之助

    平井証人 さようでございます。
  86. 篠田弘作

    篠田委員長 だれか委員各位の中から御質問ございませんか。
  87. 小松勇次

    小松委員 あなたの方の工事受渡しにつきましては、入札制度で実行しておるというようなお話でありました。特殊のものに対しましては、特名によるということもあるということですが、特名というのはどういう方法で行われるのでございますか。これは世にいうところの随意契約というような形で、この工事を受渡すのでありますか、その点をちよつと……。
  88. 平井彌之助

    平井証人 その例はきわめてまれなんでございまして、ただいまちよつと記憶を呼び起し得ないのでございますが、その場合におきましては、かりにありましても、妥当な値段をもつて契約する。こういうことになります。     〔委員長退席内藤(隆)委員長代理着席
  89. 小松勇次

    小松委員 現在はこういう契約工事はないのでございますね。
  90. 平井彌之助

    平井証人 現在はないと記憶しております。
  91. 小松勇次

    小松委員 あなたの方で現在工事しております箇所は、二十四年度からこちらに、新しく入札した工事が何箇所ぐらいあるか、そうしてその額がどのくらいか。
  92. 平井彌之助

    平井証人 新規工事で今度やるのが全部で……。
  93. 小松勇次

    小松委員 おおよそでよろしいです。
  94. 平井彌之助

    平井証人 おおよそ十九箇地点と記憶しております。これはあるいは正鵠を失しておるかもしれません。その点ひとつ御了承を願います。
  95. 小松勇次

    小松委員 総額で……。
  96. 平井彌之助

    平井証人 現在の請負箇所は十二箇地点でございますが、これが四十二億七千万円くらいと記憶しております。
  97. 小松勇次

    小松委員 これらの工事はみな競爭入札によつて行われたものでありますか。
  98. 平井彌之助

    平井証人 今申し上げました新規開発は、全部指名競爭入札になつております。
  99. 小松勇次

    小松委員 この指名競爭入札を行うにあたりまして、請負業者指名、人選することは、どなたがこれを人選なさるのですか。
  100. 平井彌之助

    平井証人 指名につきましては、当初支店から支店の意向を聞いております。それに基きまして、本店側におきまして、全国的にこれを調整いたします。それで案を立案しております。その案の立案者は私と経理部長でございます。
  101. 小松勇次

    小松委員 私はその立案者を聞いているのではないので、人選するのにはどなたが請負業者を人選するのか。いわゆる支店から申請して来て、それを本店でまた選考するのですか。
  102. 平井彌之助

    平井証人 支店の副申に基いて、本店でなお検討いたしまして、立案いたします。
  103. 小松勇次

    小松委員 そうすると、最後の決定は本店でなさるのですか。
  104. 平井彌之助

    平井証人 最後の決定は本店でいたします。それは権限問題といたしまして、本店が所管することになつておるからでございます。
  105. 小松勇次

    小松委員 そうすると、人選は、最後の決定は本店がなさる。工事の請渡しについては、その支店々々において入札を行うのですか。本店で行うのですか。
  106. 平井彌之助

    平井証人 これは当初申し上げました通り支店長の権限がございまして、支店におきましては、八月前は一般工事が五百万円、それから特別の改良工事につきましては一千万円となつております。建築がその二分の一、こういうふうなことになつております。それに基いてやるわけでございます。
  107. 小松勇次

    小松委員 私は途中から来てよく最初のことを知らなかつたのでありますが、今の五百万円と一千万円、建築は二分の一、これだけの工事、こういう工事額は支店だけで、これが契約ができる、こういうわけですな。
  108. 平井彌之助

    平井証人 それは支店長の権限に属しておりますから、支店で運営いたしております。
  109. 小松勇次

    小松委員 この程度の工事支店で運営する。そうするとこれらの工事請負人は、やはり本店の指揮を受けずして支店で適宜に人選して、そうして工事入札方法をとつているのかどうか。
  110. 平井彌之助

    平井証人 第一にお間違いのないようにお願いいたしますのは、ただいま申し上げました支店長の権限につきましては、八月前でございますから御了承願います。その運営につきましては支店長に一任してございまして、請負人の選定につきましては支店長が権限を持つております。本店側はそれに対して何らのさしずもいたしておりません。
  111. 小松勇次

    小松委員 重ねてお伺いしますが、これらの工事でなく、その他の工事でも、その支店関係の改良工事その他の大工事につきましても、入札をなさる場所は支店の所在地でなさるのか、そうして決定は支店長がなさるのか、本店がそれに加わつてその決定をするのか、これを重ねてはつきり伺いたい。
  112. 平井彌之助

    平井証人 支店長の権限に属するものは支店長がきめます。本店といたしましては監査はいたしますけれども、それに対しては相談のない限り何ら発言をしておりません。ただ支店といたしましてきわめて重大な問題につきましては、一応本店に連絡してきめる。こういうことはまれにはございました。
  113. 小松勇次

    小松委員 それでは大きな工事は大体本店において入札を行つて本店で決定すると承知してよろしいですな。
  114. 平井彌之助

    平井証人 先ほど申し上げました八月前の五百万円の一般工事、それから特回、特收の千万円、それから建築が二分の一、これを越えた金額に対しましては本店で処理することになつております。しかし運営から参りますと、支店長に権限をまかせまして、本店が相談にあずかつた上で決定する條件で支店長にまかせる場合もございます。
  115. 小松勇次

    小松委員 その支店長にまかせる場合もあるというのですが、それは入札の決定をまかせるのでしような。
  116. 平井彌之助

    平井証人 その問題につきましては、その適正の状態にあるかどうかということだけを本店が見てあげるだけでございます。要するに相談にあずかるだけであります。
  117. 小松勇次

    小松委員 そうすると、この工事の設計は本店においてなさるのでしよう。そうしてその設計書は、先ほどのお話によると技術部でこれを設計して、そうして経理部に嚴封して渡してある。そういう関係になつておる入札工事設計書を、やはり支店長には渡してあるわけですな。
  118. 平井彌之助

    平井証人 ただいまの点につきまして、あるいは少し長くなるかもしれませんが申し上げます。元来本店といたしましては、企画とか統制とか指導とか、そういうのが主体でございます。工事の構造物の設計とか、それに伴う設計書というものは全部支店で作成いたします。その作成いたされましたものが、権限を越えるものは本店で処理いたしまして、支店長の権限内のものは支店でそのまま処理する。さようになつております。
  119. 小松勇次

    小松委員 あなたの方のこの工事を古くからなさつておる方もあるでしようが、最近、二十四年度以来新しく工事人に加わつた人はどういう業者がありますか。
  120. 平井彌之助

    平井証人 ただいまその点につきまして、一々名前は記憶がないのでございますが、一応区切りをつけての御発言なんですけれども、その点が今のところははつきりした記憶を持ち合せておらない次第であります。ただものの考え方といたしまして、私といたしましては、特に見返り資金の問題につきましては、その性質から考えましても、経済的に支障がない限りは、これを皆さんにやつてもらうというふうな考えでおつたわけでございます。そういう関係もありまして新しい業者幾らか入つておると思います。ちよつと記憶を呼び起せません。
  121. 小松勇次

    小松委員 御関係責任者でありますが、大よそ御記憶ありませんですか。数だけでもよろしいのです。——それでは伺いますが、飛島組とか間組とか郷組、こういうものは古くから入つておるのですか。そうして池田組とか西本組、佐藤工業、こういうものも古くから入つておるのか、新しく入つた仲間か、お伺いしたい。
  122. 平井彌之助

    平井証人 今御発言の業者は、二十四年前から当社の仕事をやつております。
  123. 小松勇次

    小松委員 三建工業というのは古くからやつておりますか。
  124. 平井彌之助

    平井証人 これは私の記憶だけですから正鵠を得ないかもしれません。その点あらかじめ御了承願います。三建工業は、これは何年でしたか、前に西本さんと合併したのですかどうですか、その点はちよつとわかりませんが、その組が主体になつて三建工業というものができたと思つております。それが現在になりましてまた元の通りにもどりまして、三建工業とそれから西本組、こういうふうになつたと思つております。
  125. 小松勇次

    小松委員 三建工業とあらたまつたのはいつごろからですか。あなたの方の仕事をなさつておるのですか。
  126. 平井彌之助

    平井証人 その西本さんの方との関係もございますから、それを考えると大分古くから出入りしております。
  127. 小松勇次

    小松委員 あなた方のこの工事請負人の資格については一定の基準があつてなされておるようなお話でありましたが、やはりそういう内規みたようなものがきまつておるのでしようか。
  128. 平井彌之助

    平井証人 当社といたしましてはそういうふうな内規はございません。実力のある業者に対しましては考慮するように配意しております。
  129. 小松勇次

    小松委員 それではあなたの方の工事に対して、各方面の業者から非常に請負わしてくれという申込みがたくさんあると思うのです。どのくらいそういう申込みがありますか。そしてそれらの中からおよそ何人くらいをよつて工事の受渡しをなして来たか。
  130. 平井彌之助

    平井証人 ただいまの記憶では百二、三十あると記憶しております。あるいはそれをちよつと越えておるかもしれません。その中から最も適正な業者を選定して指名競爭入札に付しております。
  131. 小松勇次

    小松委員 もちろん適正な業者指名されて入札しておるでありましようが、あなたの方の会社と特に縁故の深い人のみを御選定になるようなきらいがないでしようか。
  132. 平井彌之助

    平井証人 さような点につきましては当社といたしましては全然ございません。
  133. 小松勇次

    小松委員 私どもの伺つております範囲によると、あなたの方の工事を以前からなさつておる業者は、どうもあなたの方の首脳部と非常に関係の深い人ばかりのようであります。たとえば池田組の取締役はあなたの方の大西前総裁の実弟の勉さんという人がやつておる。西本組も同じように大西総裁の女婿がやはりここの幹部をしておる。佐藤工業も元日発工事部長の藤波さん、その人の夫人の縁故の方である。それから日発の最大の請負業者の熊谷組ですか、これも総裁の近親の方がやつておられる。こういう人ばかりあなたの方の工事を独占しておるように、こう世間で悪く解せば解せるのですが、そういうことはないのですか。
  134. 平井彌之助

    平井証人 ただいまの御発言につきましては、私はそういう関係があることはよく存じております。しかし先ほどから申し上げております通り、首脳者はその最終段階におきまして、適正妥当の決裁をする立場でございまして、すべて土木経理という部門がこれを処理いたします。これも決して経理部長が專制的に仕事をやつておるのでございません。あらゆる関係者の意見を聞いて事を運んで参ります点、もう一つはかかる状態が偶然にできただけのものでございまして、そのために首脳者からそれについての何らの話もございません。従つて土木部経理部が正常な運転をしておりますので、世間がかように考えられることは私といたしましては非常にお気の毒に思つておる次第であります。絶対にございません。
  135. 小松勇次

    小松委員 そういう縁故関係にとらわれず、その業者の実力によつて工事を受け渡したいというお話でありましたが、そうなくてはならぬと私も思うのであります。しかしながら世間は非常な疑惑を持つておる。ことにあなたの方の工事に対しては有力な人からの紹介があれば、その人を指名する。実力問題ももちろん考慮しなければならぬでしようけれども、有力な人の推薦ならば実力を越えた工事でも、その指名人に対して工事を受渡させるという話を伺つておるのですが、実際ないのですか。
  136. 平井彌之助

    平井証人 私はかような場合に遭遇したことはございません。
  137. 小松勇次

    小松委員 あなたは三浦義一さんという方は御存じでしようか。
  138. 平井彌之助

    平井証人 三浦さんにつきましては新聞でスキヤンダルが飛んだときに、初めて三浦さんという人がおられるのだということを存じ上げただけであります。それまでは私は少しも知らないでおつたよう状態であります。もちろんお会いしたこともございません。
  139. 小松勇次

    小松委員 ほんとうにあなたは知らないのですね。
  140. 平井彌之助

    平井証人 全然存じておりません。
  141. 小松勇次

    小松委員 存じてなければお尋ねすることも控えなければなりませんが、三建工業のごときは、三浦義一さんの紹介によつてあなたの方の工事をしておるというようなことが世間でうわさされておる。あなたの方の会社と三浦義一さんとは非常に深い関係を持つておる。その他資材の購入についても、三浦さんの紹介によつて相当の資材を納入しておるものもあるということであります。そこに三浦さんを介していろいろの政治方面に活動したというような疑惑が生じておるのであります。  そこで私は別にほかの方面で伺いますが、先ほども委員長からお尋ねがあつたんですが、あなたの方の工事請負業者談合が行われておりはしなかつたか、こういう話と、それから請負業者利益はどのくらいだというようらお問があつたのですが、私はそれに関連して伺いたいのですが、あなたの方の工事請負つている請負業者の方たちの中で、あるグループがあつて、そうして新しい工事請負つた人たちから何割かをはねて、それをあなたの方にこの人たちが積立てておる。それをいろいろ政治方面にも献金しておるといううわさがあるのであります。こういうことをあなたはお聞きになつたことはないか。またうわさでは、あなたの方の理事に清水さんという理事がおりますか、その清水さんがこういう仕事をしておるというような、これもうわさですが、そういううわさもあるのです。こういうことはあなたはお耳にしたことはないか。
  142. 平井彌之助

    平井証人 さような事実は私は少しも耳にしておりません。また清水理事業者とは何らの関係のない立場でございまして、業者の顔もよく知らない地位におります。事実は知らないと私は思つております。
  143. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 田中清玄という人が社長をしております三幸建設というのは何か日発工事関係しておりますか。
  144. 平井彌之助

    平井証人 本店所管の仕事はやつておりません。支店はあるいはあるかもしれませんが、それは支店の分でございますから私は存じておりません。
  145. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 田中清玄という人をあなたは知つておりますか。
  146. 平井彌之助

    平井証人 三幸の社長さんでございますからほんのまれには来られることはございます。それくらいの程度でございます。
  147. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 田中清玄氏があなたの会社に行つてそれにあなたは会つておる。しかも支店工事をさしておるという場合に、この支店工事というのは猪苗代ですか、そういうことくらいあなたは知つておるはずだが、どこの工事をやつておるのか承りたい。
  148. 平井彌之助

    平井証人 先ほども申し上げたと思いますが、支店長所管の工事につきましては、一々本店といたしましてはその情報はとつておりません。存じておりません。
  149. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると三幸建設が猪苗代の発電工事をやつているか、いないかをあなたは知らぬのですか。そういうことをあなたは知つておるか、知つておらぬかということを聞いておる。あなたが責任でそれをやらしたかどうかというような問題ではない。三幸建設が猪苗代の発電工事をやつておるかいなかということをあなたは知らぬのですか。
  150. 平井彌之助

    平井証人 存じておりません。
  151. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 現在でも知らぬのですか。そんな土木部長がどこにあるか。
  152. 平井彌之助

    平井証人 それは支店長の権限の仕事の小さい工事ですから、私としては全然存じておりません。
  153. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 あなたの認識を聞いているのだ。あなたの責任、権限を聞いているのじやないのだ。三幸建設の田中清玄という人が、猪苗代湖の発電工事を何かやつておるということを、あなたは聞いておるかどうかということを質問しておるのです。それを全然知らぬというなら、知らぬでよろしいのだが……。
  154. 平井彌之助

    平井証人 その点は存じておりませんと申し上げております。
  155. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それでは田中清玄なる人物が、あなたの会社へ来たのは何の用事で来たのか、あなたはそれもわからぬわけですか。
  156. 平井彌之助

    平井証人 それは三幸建設の社長として見えただけでございます。
  157. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 三幸建設は建築会社でしよう土木会社なんです。それが何の用事であなたのところへ行つたかどうかということを聞いておる。
  158. 平井彌之助

    平井証人 それは業者ですから、仕事があればひとつ考えてくれ、こういうことだけでございます。
  159. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、三幸建設の田中清玄が、仕事があつたら考えてくれと言うて、あなたのところへ行つたのですか、行かぬのですか。
  160. 平井彌之助

    平井証人 私のところに参ります業者はみな仕事がある場合には考えてくれ、これ一本で来るのでございます。田中社長も同じよう状態で参つただけでございます。それ以外は別に話も何もいたしておりません。
  161. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 くどいようであるが、どうも常識上否認しないでもいいようなことをあなたは否認しておるのでお尋ねするのだが、仕事があつたらまわしてくれというので三幸建設の田中が会つておる。その田中は現に猪苗代湖の工事をやつておるにかかわらず、あなたは現在でもそれを知らぬということが、ちよつと私にもぴんと来ない。おかしいじやないか。なぜそんなふうに否認するのかわからない。そういうことは重要でも何でもない。
  162. 平井彌之助

    平井証人 発送電仕事は大から小に至ります数が非常にございますので、一々だれかどの仕事をやつておるかということを調べるのが本店の職務ではございませんで、そういうふうな細部のことは支店に行つて聞かなければわからない状態でございます。
  163. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それはそれでいい。これはあなたの答弁の信憑力の問題だ。あなたの会社の前副総裁の櫻井督三氏と三浦義一氏という人が、非常に懇意の間柄であるということをあなたは認識しておつたかどうか。
  164. 平井彌之助

    平井証人 私は全然存じておりません。
  165. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 日発関係請負業者で秋島組というのがありますか、ありませんか。あつたとするならば、それはどういう工事をやつておるかどうか。
  166. 平井彌之助

    平井証人 秋島建設は現在北海道の久保内発電と第三工事仕事をやつております。
  167. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 この秋島組は二十四年度以後の新しい日発関係請負業者でございますか、終戰前からの業者でございますか。
  168. 平井彌之助

    平井証人 秋島建設は引揚者の建設だと記憶しておりますが、これは比較的新しく発送電に入つた、さように思いますが年度については今記憶がありません。
  169. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 熊谷組という請負業者があるわけですが、これは今の俗に言うアプレ・ゲール会社ですか、どうですか。
  170. 平井彌之助

    平井証人 熊谷組はたしか元飛島組におりました方が分離したものと記憶しておりますが、相当古い業者に属すると思います。
  171. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 元飛島組にいたのが分離したというのであるが、分離してから日発関係請負事業をやるようなつたのは、終戰前の話か終戰後の話ですか。
  172. 平井彌之助

    平井証人 それは終戰前からでございます。
  173. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 日発出入りの土建業者が土建協議会とか何か組織しておるそうですが、そういう会があるかないか。そうしてその会の現在幹事といいますか、責任者になつておるのはたれであるか。
  174. 平井彌之助

    平井証人 その土建業者の会はいろいろあるだろうと思いますが、私の知つておるだけ申し上げます。発送電といたしましては、土建業者のグループというものを認めないのを原則にしております。しかし戰後資材の割当関係がございまして、これは電力局からのお話もありまして、要するに資材に関する協議会をつくりまして、そこで公平に分配し、またそれが横に流れないように自粛する一つの協議会が生れました。これに発送電仕事がある場合には自動的に入会し、なくなれば自動的に資格を失う、こういうような会がございました。委員長はおそらくかわり番にやつておるじやないかと思います。
  175. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 今たれですか。
  176. 平井彌之助

    平井証人 幹事は大体熊谷さんの方で受けておるじやないかと、こう記憶しております。
  177. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、土建業者の土建協議会というような名前の会があつて、飛島組からわかれて出た熊谷組が今その委員長をやつておる。こういうわけですね。
  178. 平井彌之助

    平井証人 その会長は持ちまわりかと思いますので、現在たれがなつておるか記憶がございません。と申しますのは、私としましてはそれほどこの問題については現在では関心を持つておらないのであります。と申しますのは、大分資材の制限が緩和されておりますので、それほど重要な立場にもないものですから、そこの点は確かめておりません。で、はつきり申し上げかねます。
  179. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、熊谷組だと思うけれども、現在たれがやつておるかはつきりせぬ。こういうわけですか。
  180. 平井彌之助

    平井証人 さようでございます。
  181. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それから門屋盛一という人が社長をしておる星野組というのは日発工事関係しておりますか。
  182. 平井彌之助

    平井証人 星野組は現在九州の甲佐地点の第一工区を受持つております。
  183. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 これは本店でやはり指名した工事請負ですか。
  184. 平井彌之助

    平井証人 その通りでございます。
  185. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 この門屋氏は談合金の存在を認めておるのであるが、あなたは全然その談合金ということを知らぬのですか。世間でほとんど言わざる者なしという状態で、知らぬのは亭主ばかりなんというかつこうにあるんだが……。
  186. 平井彌之助

    平井証人 その点は何と言われましても、私は存じておりません。
  187. 石田一松

    ○石田(一)委員 私は今までの委員諸君並びに委員長からの御質問に関して証人の答弁に何かふに落ちないところが二、三ありましたので、もう一ぺん念のためにお聞きしておきたいと思うのです。業者にある一つの工事請負い見積らせるという場合の順序ですが、証人証言によりますと、先ほどあらかじめ工事内容業者に示して見積らせる。それから土木部でその工事予算編成にかかる、こうおつしやいましたけれども、これに間違いはございませんでしようか。
  188. 平井彌之助

    平井証人 その点少し技術的な内容を含みますものですから、もう一ぺん御説明申し上げたいと思います。請負人に渡されまする見積書内容と申しますのは、こういうことになつております。第一に請負契約書なるものが渡されます。それに伴う工事仕様書、それから設計図面、その設計に付属します設計内訳書、これはコンクリート何ぼとか、練積石垣が何平米とか、そういうものが記載してございます。これを渡しまして、その見積書をつくつてもらうわけなのです。それでその見積書は何月何日何時までに提出すべし、こういう注意書をもつて渡されます。それで請負の会社予算の作成なのですが、これは前につくつておいても、あとでつくつてもよいことなのですけれども、ただ現在におきましては、その見積書を渡したものから請負予算なるものを作成されて、ちようど請負人が出される時分経理部に届けられる。ただ実際の運行を御説明申し上げただけであります。
  189. 石田一松

    ○石田(一)委員 最近のような物価の変動のあるときにはもちろんそれも考えられるのですが、ただいま証人証言なさいました設計図面であるとか、請負仕様書であるとか、あるいはそれに使用されるところの資材等の分量等が請負人に話されて、これこれのものについて何日までに幾ら請負えるか見積れと、日限を切つてこういう工事内容をお示しになり、それから後に今度は仕事をさせる方の、請負わせる方の日発関係土木部がこれについて幾ら幾らという計算をして予算を立てるというのでは、あるいはその間に業者側が見積る金額に近いものを要するに土木部編成をするということの疑いをはさまれてもこれはやむを得ないのではないかと思う。私はこうした大きな国家的な工事というものは、すでに予算編成というものがあつて、しかもその中にもちろん、物価の値上り等が考えられるかどうかそれは存じませんが、その後にその自分が持つておる予算書に基いて見積りをさせてみて、それに近いか、また一致するか、またそれ以上オーバーするかどうか、こういうことが見積書によつて検討されるものだと思いますが、これでは何らか請負業者予算編成との間に関連性があるように思いますけれども、そういうことはございませんか。
  190. 平井彌之助

    平井証人 もともと一般から申しますと、実施予算なるものがございます。しかしその実施予算なるものは時期的な変動がございまして、また技術者と申しますものは、事の決定する直前までそれを検討しておるのが常なのでございます。これの修正をその機関でやることを申し上げてある。これがほんとうの予算になるわけです。ですから実施予算が必ずしも請負予算にはならないのです。そのときの情勢で判断し検討して、念には念を入れて決定しておるということを証言しておるだけです。それから物価の変動の問題が出ましたが、この問題につきましては機械的に運営できるように仕組んでございます。これは契約書に明記してございまして、どなたでもわかるようになつている。
  191. 石田一松

    ○石田(一)委員 ただいまの証言幾らかはつきりした。要するに基本となる予算はあつて、そのあらゆる條件等を見合せ最も新しい、いわゆる合理的な適正妥当な予算土木部でおやりになるとおつしやればわかるが、何か初めから予算は何もなくて、業者にこれこれの仕事幾らだということを言つておいて、後にかわるというように私ども聞いたので御質問申し上げた。  次に先ほどの委員長の御質問の中での御答弁なのですが、どうもはつきりしてなかつたところがある。それは入札された見積り金額の高低の差が一億あるいは一億二千万円くらいまでの幅、この幅の中においては日発側で自由に三人なら三人、四人なら四人、そうした業者があつて、この中のいずれでも落札をする。要するに高い方にでも落すことがあるのかどうかということを尋ねました。そうしたところが、あなたの証言によりますと、見積りというものは、私たちはその金額だけを見るのじやないということをおつしやいまして、その内容等をいろいろと検討するのであるというようにおつしやつたので、金額がほかのものよりも安いからといつて内容の悪いものに落札するより、少々それよりか内容がいいから高い方に落札した方が有利な場合があるのだということを御証言なされたのだと思つたら、そうしたらずつと続けて行きまして、きわめて見積りの金額の差が少い場合には、とこうおつしやつて最後の結論があいまいになりまして、いずれも日発関係請負業者はまことに優秀な正しい方ばかりでありますので安いものに落札することはある。結局安いものに落札するのだという結論が出てしまつた。初めにあなたのおつしやつたことと、あとあなたのおつしやつたことと、全然食い違いになつてしまうのですが、途中でお考えがかわつたよう証言じやないかと思いますが、どうですか。
  192. 平井彌之助

    平井証人 先ほどの委員長の御質問でございますが、失礼な話ですが非常に答弁しにくかつた状態で、一つの仮想に基いておるのですからその仮想の仕方が、幅の問題にちよつと触れた点がございます。私の申し上げているのはこういうことなのです。要するに見積り金額の最低であるのは前提條件だ。しかし最低でありましても、それが合理的に組立ててなければ採用しないのだ。こう申し上げました。と申しますのは、要するに業界においてたたくと称しておりますが、実際できない金額で一応出してしまうということが往々ございます。そういうものはとらないのだ。こう申し上げたのです。
  193. 石田一松

    ○石田(一)委員 先ほどはその言葉がなかつたのですが、とにかく安いものの方に落札するのだ。ただこういう御証言であつたので、私はちよつとわからなかつた。どうもありがとうございました。  それでもう一つお聞きしたいことは、先ほど小松委員からお尋ねしました請負業者のいわゆる西本組、池田組、佐藤工業、これらの取締役あるいは会長という責任者が、前総裁あるいは前副総裁あるいは前土木工務部長等と縁故関係にあつた方だ、そういうことは業者日発との縁故関係によるところの請負関係が結ばれるじやないかという御質問に対して、証人はそういう事実は私は知つておる、知つてつたけれども、そういうものに支配されたり、また上層部から、そういうことについての話をされたこともなければ、そういうものに支配されて請負業者を指定し、あるいは選定したのではない。土木部としては適正妥当な、まつたくだれにも制肘されない正しい考えでやつた、とこうおつしやいましたが、私が聞きたいことは、あなたがこれらの縁故関係を知つているとおつしいますが、知つていてこれらの業者を正しくお選びになつたのか、お選びになつたときには、この縁故関係は御存じなかつたのであつて、選んだ後になつて縁故関係があるということがおわかりになつたのか、どちらかという点であります。あなたは先ほどそういうことは知つていたが、私はそういうものに左右されたのではないとおつしやいますが、そうすると土木業者を選定になるときに、事実どういう縁故関係にあるということは御存じであつたのだけれども、そういうものには左右されなかつたとおつしやるのかどうか、この点をはつきりお聞きしたい。
  194. 平井彌之助

    平井証人 私は先ほど証言いたしました通り、相当長い期間工事担当しておりましたので、そういうことはだんだんにうすうすわかつて来た状態でございます。そういう結果でわかつたんで、どことなくわかつて来たということが実際問題なんです。またそういうために縁故関係を云々いたしまするが、今度は反対に、それじやお前とだれか友達でないかとか、あるいはお前はあれにせわになつたのではないか、こういうことも言い得るわけなんですが、発送電土木経理におきましては、そういう点は少しも問題になりません。冷嚴そのものでものを判断して行くようにやつて来たわけでございます。少しも疑いの余地はないと私は確信を持つておるわけであります。
  195. 石田一松

    ○石田(一)委員 実はあなたの証言自体についてですたいへん確信を持つて断言なさつておるのですが、いくらあなたが断言なすつても、確信なさつても、断言すべきでないことを断言なされ、しかもそういう事実なしとかありとかというべきでないところに、あなたは特にそれを強調していらつしやるということの事実が、ただいままでの証言にあるのであります。そうだとしますと、あなたのおつしやるところの縁故関係は知つていた、だれにおせわになつたとか、友達関係があるかないかということは、少くとも日発の問題に関してはないのだと、あなたが神様のようにいかにここで証言なさいましても、われわれ受取る側として、あなたのいわゆる断言、あるいは確信がどれほどわれわれに響くかということは、われわれの判断にあることであります。なぜかと申しますと、あなたは先ほどこういうことをおつしやつておる。日発工事請負人からのリベートの問題、それからそれらによつて政治献金がなされたかどうか、こういう問題に対して、あなたは政治献金の事実はなしとはつきり言い切られましたが、あなたの最初の証言の冒頭には、私は技術者であつて土木関係の技術面のみを要するにこの日発でやつておるのであつて、経理の方面とか、その他の方面のことについては一切私は関知しないものであるという前提のもとに証言なさつた。その証言にもかかわらず、委員長から尋ねられて、政治献金の有無等を聞かれたら、実際その事実はまつたくなしと…(「平井個人としてはそうではないか」と呼ぶ者あり)委員長のおつしやつたのは、日発請負業者からリベートの問題でどうこう……(発言する者多し)日発の問題を聞いておる、政治献金したかどうかということは、一土木部長がやつたかどうかということを聞いておるのではありません。にもかかわらず、あなたは政治献金の事実なしと断言しておる。それですからわれわれも一応聞いておるのです。この点についてあなたはこういう事実を御存じなのですか。     〔発言する者多し〕
  196. 内藤隆

    内藤(隆)委員長代理 靜粛に。
  197. 石田一松

    ○石田(一)委員 証人日発政治献金をしたことはない、事実なしと断言なさいましたが、経理面のことも全部御存じなんですか。そうだとすると、あなたは技術者じやない、経営の面にも参加しておる。最初あなたのおつしやつた前提というものはうそだと、こういうことになりますが、どうですか。
  198. 平井彌之助

    平井証人 私に証言を求められましたから、私はそういうことはないと考えます。ありませんということを申し上げただけです。
  199. 石田一松

    ○石田(一)委員 私はそういうことはないと思います。最初の前提がそういう経営方面には関係しないのだから、私はわかりませんからそういうことはないと信じます。こうであつたら私たちも一応納得できるのです。しかしあなたは最後にわれわれは日発に関する限りはそういうことはないと確信すると、こうたいへんはつきりなさつたので、そうだとすると前の断言なすつた言葉と関連して、私はこういうことを聞かなければならぬ。こういうわけなんですが、そうするとこれは政治献金なんという事実はないと思う。こういう意味なんですね。
  200. 平井彌之助

    平井証人 その点は私は発送電を代表して来ているのではないと思います。平井個人として証人に呼ばれていると思つておるのであります。その点いかがですか。
  201. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたはそれだとすると、平井個人だから猪苗代の工事請負人を御存じないのですか。あなたは日発土木部長だというので聞いておるのです。平井個人に何の用があるかというのです。平井個人の土木部長なんですか。個人ということでは私はないと思う、少くとも土木部長でしよう
  202. 平井彌之助

    平井証人 私はやはり技術者ですから、ものを正確に言うようにできておるわけなんです。
  203. 内藤隆

    内藤(隆)委員長代理 横田君。
  204. 横田甚太郎

    ○横田委員 談合入札のことについて私たちの考えとあなたたちの考えとは、大分開きがあるように考えます。簡單に申しましたら、談合入札とは一体どういうものと考えておるかということをお聞きしたい。なぜかというと、談合入札業者の常識になつておる。その常識になつておる場合に、かりに日発工事請負わすときに、請負わした日発側と、請負つた業者側との間に、これは一億で請負つてくれ、そのうち何割くれという内容のものがあつたらいけない、こういう談合ですかと聞いたら、談合じやありません、こう言えばすつきりする。ところが日発の人に談合入札ですかとお聞きしましたら、そうじやありませんと言つて逃げておられる。その点がわからないのです。だから談合入札についてのあなたのお考えを述べてください。
  205. 平井彌之助

    平井証人 談合という定義の問題だと思いますが私は法律もよく存じないわけで、談合のいけないということはよく存じておりますが、これは刑事問題から来る問題だと思います。私が談合というものはないのだという証言を申し上げておりますのは、私どもの作成いたしました請負予算について交渉いたしました場合に、談合がありましたら必ず圧力が来るものなんです。私はそう考えます。しかし発送電工事に対しましては、やはり業者は誠実に交渉に応じております。また誠実にものを検討してくれております。従いまして、私どもの作成いたしました予算というものは、ほとんど絶対的の最終段階では快く認めていただく、これは施工能力とかいろいろ問題がございますので、見解の相違はやむを得ないのですが、結局のところはそれは治まつて来る。別に圧力とかその談合の影響というものは全然感じない。そこにおいて私は談合ということはないと確信しております。と申し上げたのです。
  206. 横田甚太郎

    ○横田委員 もう一回聞きますとこうなんです。かりに日発工事を出す、それを請負業者請負う、この日発請負業者との間に何の話合いもない、いわゆる談合がない、ところが請負業者はあなたたちの目から査定された場合においては、二割なら二割、三割なら三割のもうけによつて請負うたけれども、その人の解釈によつて、あるいは物価の変動とかいろいろの形によつてもうけになつたとする。その場合にこの請負業者が政治家に献金しようと、ほかに献金しようと、その受けた政治家並びに政党と業者間との関係であつて日発とは関係ないでしよう。私はそう思う。その点はあなたのお考えはどうですかということをお聞きしたい。
  207. 平井彌之助

    平井証人 その点は先ほども申し上げたと思いますが、政治献金の問題につきましても、私どもの折衝の問題、請負いの財政の問題といたしまして、そういうことはないと信じておりますと、こう申し上げたのであります。
  208. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたは工事のことはよく御存じですが、政治献金ということはよく御承知ないということを私自身に押しつけになりますが、私としては日発工事の特殊性を聞きたいのです。談合の形において、政治献金の形において、あるいはまたそれ以外の指名入札の形において、そのことについてあなたは逃げられるけれども、私の聞きたいのはあなたは日発にさえ責任がなかつたならば、工事業者が何をやつておろうと知りませんということを証言しておられるのですか。それとも日発工事請負つておるよう業者は、絶対に政党献金をしませんという業者の言までも含めての証言でございますか、その点を聞きたい。
  209. 平井彌之助

    平井証人 私の証言しておりますのは、発送電に関する工事の責任についてしておるので、一般については何ら申し上げておらないのであります。
  210. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、請負業者内容のことは御存じではありませんね。日発工事請負業者にそういう政党献金をしてくれ、あるいはリベート前提にした話合いはしなかつたという証言でございますね。
  211. 平井彌之助

    平井証人 発送電仕事についてだけ発言をしております。
  212. 横田甚太郎

    ○横田委員 発送電仕事内容なんです。発送電仕事内容というものは、一億で仕事をやらしたならば、一億の仕事請負つた請負業者請負つた結果として、もうけた金に対してはこういうようにしなくちやならないという責任まで持つて、その責任通り正しくやつている業者でございますという証言も含まれているのでありますかというのです。
  213. 平井彌之助

    平井証人 私といたしましては、業者の営業内容とか経理内容まではタツチしておりません。
  214. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでいいです。
  215. 石田一松

    ○石田(一)委員 ちよつと関連して……。今のお言葉はおかしいと思いますね。業者内容、いわゆる経理内容、営業内容というものについては全然タツチしない、関知しないとおつしやいますが、それを関知なさらないで、実力がある業者であるということがわかるわけもありませんし、そういうことは十分関知していらつしやるのではありませんか。もう一つは、あなたの方で立てられたその予算額の方が、業者の見積額よりか多額であつたというようなことは今までになかつたかどうか、こういうことをちよつとお聞きしたい。
  216. 平井彌之助

    平井証人 ただいまの御発言はちよつとふに落ちないのです。業者の経理状態につきましての査定はございます。しかしこれは私の方としましては、業者の資金繰りが潤沢であればそれでさしつかえないのでございます。しかしそれからもう一歩進んでお前の方の雑費はどうだ、これはどうだというふうな調べ方は、私の方にはできる権利も権限も何ら持合せはございません。
  217. 石田一松

    ○石田(一)委員 予算額の方が多額であつたということ……。
  218. 平井彌之助

    平井証人 そういうことがございますが、全部会社予算において快く請負ができておる。
  219. 石田一松

    ○石田(一)委員 違うのです。あなたの方で立てられた予算額の方が入札した見積額よりか多額である。要するにあなたの方で一億と立てられたものが、業者の方では九千五百万、こういうふうな日発側の見積りの方が額が多かつたということは、今までの工事にはなかつたかというのです。
  220. 平井彌之助

    平井証人 それはプラスもあればマイナスもあるという状態です。
  221. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、業者の見積額よりかあなたたちが設計された設計額というか、その額の方が多額であつたということもあるのですね。
  222. 平井彌之助

    平井証人 それはプラスの方でございましたらあります。しかしその内容につきましては、どこに誤差があるかという内容の査定ができるよう見積書になつておりますから、判然としておる状態でございます。
  223. 石田一松

    ○石田(一)委員 そういたしますと、その場合にはあなたたちが立てられた予算の多額であつた金額だけを削減して、土木業者が見積つた額にこれをお下げになるのか、それとも初めての予算通りに見積り額を引上げになるのか、どつちなんですか。
  224. 平井彌之助

    平井証人 その内容が適正妥当である限りは、その方と、その金額契約しております。
  225. 石田一松

    ○石田(一)委員 そういたしますと、土木業者の見積り額があなたたちの設計額よりか少額である場合に、その見積り内容をよく検討なさいまして——検討なさるのも、設計額を算出したのもあなたたちであつて業者の出した見積り額というものは、この点において合法性を欠いておるから、それではやれないはずだから、われわれの見積り額までに引上げろといつて、その見積り額を増額させるのですか。
  226. 平井彌之助

    平井証人 さようなことはいたしません。それが不適当と認めた場合には、第二番目の札に対して交渉を開始いたします。
  227. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると第二番目というのは最初にやつたのよりか高い方へ相談なさるわけですか。     〔「頭がどうかしているぞ」と呼ぶ者あり〕
  228. 平井彌之助

    平井証人 一番札が不適当なんですから、二番札の高い方に交渉になるのは当然でございます。
  229. 石田一松

    ○石田(一)委員 頭がどうかしているとおつしやいますけれども、私は土建屋でもなければ土木屋でもないのですから。知つていればこんなことは聞きません。そこで今の見積りが合理的であるか、適正であるかという判断をして決定をする権利は、土木部長のあなたにあるのですか。
  230. 平井彌之助

    平井証人 その合理性、不合理性の査定をする権限は私が持つております。これは担当経理部長とよく相談の上、なお決裁を受けましてやつておるわけでございます。
  231. 石田一松

    ○石田(一)委員 判断をなさるのはあなたの権限だが、やはり最後の決定というものはそれを経理している経理部長とか最高の責任の地位にある総裁、副総裁がするのではありませんか。そのときにそれをあなたたちが自由にやれますか。
  232. 平井彌之助

    平井証人 原案をつくるのを私が持つておりますということを申し上げただけであります。それはやはり上の方がやつているので、あなたのおつしやる通りと申し上げておきます。
  233. 石田一松

    ○石田(一)委員 先ほど、われわれ予算編成にあたつて土木部のみが、技術者面のみがやるのであつて、その他のものの介入を許さぬということをおつしやいましたが、究極においては、請負業者があなたたちの見積られたより少額の見積書を出した場合には、少くともそれを多額の入札者請負わしめる。順次に交渉していらつしやる段階に立至つた場合に、合理性を欠いているとかあるいは適性でないという判断をあなたがなすつた場合には、総裁、副総裁あるいは最高の責任者が、これに対して、それではそうしろという最後の裁定をお与えになるのですか。
  234. 平井彌之助

    平井証人 その問題につきましては見解の相違がございます。かくかくのよう交渉したいという決裁を受けるだけでございまして、業者にもよく検討していただきまして、業者が辞退していただくというような形になつておるわけでございます。こちらからやめろということは徳義上申し上げておりません。必ず時間をかけまして、業者の考えにつきまして再検討に再検討を加えていただくような操作をしているわけでございます。
  235. 井手光治

    ○井手委員 ちよつと関連して……。あなたのおつしやるのは、予算額というものはあるが、それは見積りをとつて入札額を決定する金額ではない、つまり設計仕様書、見積書というものが整えられて、それが指名された業者に引渡される間に技術的に検討されて、そうして技術的に検討されたいわゆる官庁方面でいうところの入札予定価格というものがきめられるが、あなた方がそれをきめるのである。こういうことだと思うのですがどうですか。
  236. 平井彌之助

    平井証人 大体さようでございます。
  237. 井手光治

    ○井手委員 そこでは、その入札予定価格というものは技術的に検討されて適正妥当なものであるから、入札をした結果、その入札予定価格よりも著く下まわつておる札がかりにある、最低の札があつても、それには落ちないのだ。つまり技術的に検討された入札予定価格、あなたの言葉をかりて言うならば、適正なる入札予定価格に近い金額、あるいはそれを下まわつた場合もあり、上まわつた場合もあるが、それを検討して、あなた方が納得する、会社側が納得する、技術的に検討された、適正妥当なる入札予定価格に近い金額の札元と契約するのだ。こういうことに承知していいですかどうですか。
  238. 平井彌之助

    平井証人 その点につきまして申し上げます。もちろん私どもの考え方というものは絶対的とは決してうぬぼれは持つておりません。しかして最低の札が出た場合には、要するに見解の著しい相違が出た場合には、必ず業者の意見を十分に聞きまして、その上でそれに対する対策を立てるわけでございます。それで了承ができますればそれで決定いたしまするけれども、こちらのふに落ちない限りは、あくまで話合いをいたしまして、こちらが了承するか、あるいは業者が辞退をなさるかというふうな方法でやつております。
  239. 井手光治

    ○井手委員 そうしますと、最低の入札価格が入札になつても、それは技術的に検討されて、そうして双方話合いがつけば最低の場合もあり得る。また技術的に検討して納得が行かなければ、その札は辞退してもらつて、いわゆる予定価格に近いものを、さらに第二段の交渉をして、そうしてそれとの合理的な話合いがつけばそれにきめるということですが、私の聞きたいのは、入札した場合に、入札予定価格を中心として話合いのつくものと契約するのであつて、特定の土建業者と、あらかじめ最低入札なら最低入札のものと契約をする建前をとつておらないのでありますから、それらについて談合を与う余地がない。言いかえれば、初めからつまり土建業者談合しておつて、今度はおれがとつて、それの何割の利益を出そうという話合いのもとにするのであるならば、それは特定の業者が最低の安い入札をとるという形で札入れをする。そういう余地がないからだれに与えるかわからぬ。予定価格というものがわかつておらない限りはそうですが、そういう建前のもとで、談合の余地がないというふうな気持で、あなたはああいう確言をされておるのか、どうか、そういう点をひとつはつきりしていただきたいと思います。
  240. 平井彌之助

    平井証人 当社の土木予算については、私はうぬぼれかもしれませんが、予算の漏洩というものは絶対にございません。これは予算の作成は、特定な、きわめて信用のあるものに限つて、この予算を作成させてありますから、予算の漏洩ということはないと私は確信をもつてつておる次第であります。事実ないようでございます。従いまして、予算の漏洩のない以上、業者談合というものは成立しないものでございますから、そういう事実は私はないと思う。こう申し上げます。
  241. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたが先ほどおつしやつた予算よりか入札額の方が少額であつた、しかもその少額の方に落札されたということも、事実專門調査員の調査によつて、数字をもつてどこそこの工事幾ら幾らと、ちよつと見ただけでも二、三箇所そういう事実があるのですが、先ほどおつしやつた合理性がない、あるいは妥当でないという見積書、それに対してその業者は辞退をするという話でありますが、私はこの業者が当然、自分が第三位の者よりか有位にあるのであるからたとえば久保内発電所の新設工事にしても、予算が七千五百万円である、菅原組は五千六百六十七万七千円というふうに請負つておる。地崎組は六千三百十二万何がしで請負つておる。この際は菅原建設は辞退をしております。そうしてそれよりか一千万円ばかり上まわつた入札をしておる地崎組に落札しておるのであります。しかも予算は七千五百万円であるところを地崎組は七千万円以下の六千三百何十万円でこれを請負つております。その際にわれわれの言うのは、当然請けべきところの菅原組、それからその次に位する地崎組、この間に辞退するには何かの話合いがあるに違いない。要するに一千万円から違うのです。日発は五千幾百万円でできるものをなぜ六千三百万円で請負わせられたのか、幾らあなたの方で合理性がある、われわれの権限であると言われても、落札する権利を持つておる業者、この際でいえば菅原組は当然主張し得る。その主張し得るものが辞退をするということには、みずからがこの仕事をやらないで、次の順位のものに辞退して讓ることによつて相当の収入がある。これをあなたは先ほどから全然ないというふうに証言されておるのですが、私はこの点を特にお聞きしたいのですが、この点だけはこういう事実が上つておるのですが、これは総裁が裁定をして最後におやりになるのですか、あなたがおやりになるのですか。
  242. 平井彌之助

    平井証人 今例をもつて御質問を受けたわけでございますが、どなたかが仕事請負いましても、仕事請負うた業者が非常な赤字が出るものをみすみす請負わせるということは徳義上私は反することだと思つております。また発送電といたしましては、業者から何らサービスをしてもらう必要もございません。従いましてその内容につきましていろいろ先方と話し合いました結果、私の方といたしましてはその誤差ははつきりわかつておるわけでありますから、従いましてその方に辞退していただいただけでございます。次の二番札の問題なのですが、この札につきましても相当の問題があつたと記憶しております。しかし発送電はサービスを絶対受けないというわけではないのでございます。たとえば業者の経理面で操作のできる範囲というものがございます。たとえて申しますと、工事用機械損料費、これなどは業者の帳簿の運営によつて、償却しなければそのままになつておるわけでございます。動いておる機械を活用して幾らでも現金化すればそれは業者のためになる。それから仮設備なんですが、これもどこそこの工事の古材を使うからこれだけ安く行くのだ、あるいは技術者が現在遊んでおるのだ。これに食わせるのにも困るのだから、これの五割でも六割でもこれにもらつてやれば、会社の経理面が非常によくなるのだというふうな帳簿上の運営のできて、会社経営にさまで支障を来さないという点までは、私としては業者の真意というものをありがたく頂戴しておるわけであります。その範囲の越えたものにつきましては、熟考に熟考を重ねまして、辞退していただくような手段を講じておる次第でおります。
  243. 椎熊三郎

    椎熊委員 今のに関連した問題ですが、原則としては安い札が一番になるわけです。それを査定した結果、札が不当に安い、この見積りは違つておるということで、二番札へ行くというのですね。その際一番札を遠慮せしめる方法というのは、業者の道義心に訴えるのですが、あるいは何か話合いがあるのですか。
  244. 平井彌之助

    平井証人 見積り提出書の中にその條項がうたつてあります。当社は最低であるのが必要なんだが、最低は必ずしも引き合いはしないので、内容が合理化されていなければ、それは交渉の対象にはなりませんよ、それをよくのみ込んで見積書を出してください。それがいやだつたら辞退をしてください。こういう意味を含めて津意書を出しております。その見積り心得書を直接に適用してもいいわけなんです。これは私どもの間違いの点もあるし、業者のいろいろ経営上から来るサービスの問題もございますので、やはり業者の考え方をよく聞きましていろいろ折衝をするわけでございます。そのためにこういう問題が起りますと、大体二箇月くらいの日にちを費してやつておるわけで、特に大西前総裁からはその点はよほど注意して、業者と対等の立場交渉して、よく検討した上で辞退していただくなり、打切りなりせよ、こういう内意もありましたので、たいてい二箇月くらいかかつております。
  245. 椎熊三郎

    椎熊委員 その二箇月の期間は一番札と二番札との業者の間に、古い時代なら談合——世にいわゆる談合とはそれなんですが、そういうようなことがこの菅原組と地崎組との間に、二箇月もかかつておるのだから話し合わしたのじやないのですか、
  246. 平井彌之助

    平井証人 その点に関しましては、二番札の地崎さんには何ら発言をしておりません。請負わせるとか、二番札と交渉はしないとは絶対に申し上げておりません。そういうことはなかつたろうと私は信じております。
  247. 椎熊三郎

    椎熊委員 会社との間に直接ないが、業者間にはそういうことは古い時代なら慣例的にはあつたことですが、現今はそういうことはないのですか。
  248. 平井彌之助

    平井証人 現在当時の業者の財政面から考えまして、そういうことはちよつとあり得ないことではないかと思います。
  249. 内藤隆

    内藤(隆)委員長代理 横田君。なるべく簡單にお願いします。
  250. 横田甚太郎

    ○横田委員 簡單にやります。やはり一つの工事に対して請負單価が非常に接近した場合をいろいろ聞きたかつたのですが、これは今聞かれたので時間の都合でやめておきます。  次は日発工事は損害率というものは見込まれておるのかおらないのかということを聞いておきたい。見込まれておるのだつたら、何ぼくらいを業者が見込んでおるかを見定めておられるか。
  251. 平井彌之助

    平井証人 請負の最も難関な問題は不可抗力の今御質問の点だと思います。これが理論的に解明されますれば一段と土建業というものが信用を博する段階になると思います。労銀とか、木材とか、鉄鋼とかいうものは、これは機械的に上げ下げできるようになつておりますが、天然現象から来る問題、この点が非常にむずかしいものであります。しかし水害の一定基準というものは技術者の施工上から判定できますので、その点は線を引いてございます。要するに河川のこの点が何ぼ以上になつた場合には補償いたします、こういうことは記載してございます。その以下は損害もほとんどないと思いますので、その点は考えません。そういうふうに限界をきめてあります。
  252. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、工事に際しまして、いわゆる仮設備をやつたときに、その仮設備が流出した例がありますね。たとえば佐久発電所のごとく、あるいは新潟の鹿瀬の護岸工事のごとき場合は、大分できたやつが雨も降らぬのに流れてしまつたのですが、そういうような場合に、流出したその率、あるいは流出したということの事実を認定するために日発はどういうところでこれをきめているのですか、業者がかつてに申請すればそれでいいのですか。
  253. 平井彌之助

    平井証人 そういう場合につきましては、現地の査定書を支店に送る。支店でさらに査定し、本店がさらに査定をいたしまして、その責任の限界をきめておるよう状態であります。
  254. 横田甚太郎

    ○横田委員 具体的に佐久の場合には二回も災害にあつておられますが、これはどういうふうな査定の率になつておりますか。
  255. 平井彌之助

    平井証人 ただいまその記憶はありません、要するにその状態が、業者として適正な手段を講じたかどうかという点と、それから洪水の出方、引き方、そういう点からその責任限界をきめることになります。
  256. 横田甚太郎

    ○横田委員 今もそうなんですが、具体的に佐久なら佐久と申しますと、記憶がありませんとおつしやいますし、たとえば工事費が非常に接近した場合はどうするかということも、その実例はあげられない。あなたの証言の中には、何か日発としてはこうあらねばならないという一つの概念があつて、それに立つてつておるので、実際の事実に基いた証言ではないのだ。そういうふうに私は受取るのですが、その点は一体どうなんですか。
  257. 平井彌之助

    平井証人 佐久の問題にしろ、鹿瀬の問題にしろ、二十二年、二十三年の問題でございます。三年も経過していることにつきまして、どうも私の頭脳の足りなさもございましようが、それまではとうてい一々記憶しておられないよう状態でございます。
  258. 横田甚太郎

    ○横田委員 佐久はついこの間ですよ、去年でしよう、三年じやないでしよう。しかもあなたは土木事業を最も公平で妥当な方法で処理しておられたのでしよう。長い間それに従事しておられたのでしよう。だからそういうようないやな証言をなさいますと、ついいやなことも言わなくてはならないことになりますから、もつと気楽な気持でやつてほしい。  それから大体工事に着手しますと、それが竣工してから、新しくできた設備を事務的に処理しますね。これは大体半年から長いものは一年以上かかつておられるように思うのですが、どうしてこんなに長くかかるのですか。
  259. 平井彌之助

    平井証人 御発言は清算事務について申されておると思います。その清算につきましては、直接担当でありませんから……。
  260. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはどなたに聞いたらわかりますか。
  261. 平井彌之助

    平井証人 それは所管が経理部になつております。
  262. 横田甚太郎

    ○横田委員 それから六番目ですが、日発ではどのような程度のものまで社内で工事をし、これから向うは社内で工事をしないというけじめを、どこにつけておられるのですか。
  263. 平井彌之助

    平井証人 土木部門につきましては、原則といたしまして、私どもの方においては、労務資材の調達ということは、現地の調達はなかなかむずかしいので、請負に付託するのが原則になつておりまして、直営でやるのはほんの特殊だと存じますが、私といたしましては、その直営をどこでやつたかということについては、私は全然関知しておりません。これは土木部門だけのことについて申し上げているわけでございます。その点御了承願います。
  264. 横田甚太郎

    ○横田委員 土木工事を直営でやるときはないのですか。
  265. 平井彌之助

    平井証人 私ども技術者調査設計施工の方法についての技術者でありまして、直接労務者を使い、機械を使う技能を持つているように訓練されておらないのでございます。従いまして直営というものができる資格を持つておりません。
  266. 横田甚太郎

    ○横田委員 直営というものはやつたことがないという意味ですか。日発のことを聞いておるのですよ。
  267. 平井彌之助

    平井証人 土木部門においては、そういう直営というものは私には記憶がございませんと申し上げておるのであります。
  268. 横田甚太郎

    ○横田委員 もつと簡單に聞きます。日発の直営の工事をやつているかどうかということが一つ。もしそれをやる場合があるとしたら、それをやるやらないをきめる場合があれば、どこできめておるかということを聞きたい。なぜこれを聞くかといえば、田中清玄君のいはわゆる暴力団の屯所のようなものをこしらえている電源防衛費にからむ問題ですから聞いておるのです。     〔内藤(隆)委員長代理退席、島田委員長代理着席
  269. 平井彌之助

    平井証人 御質問はきわめて微妙な問題だと思いますが、私といたしましては直営をやつている事実を今のところ存じておりません。
  270. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはだれに聞いたらわかると思いますか。
  271. 平井彌之助

    平井証人 それはおそらく支店の方だと思います。
  272. 横田甚太郎

    ○横田委員 建設局土木局、いわゆるあなたの所管なさつている部において金がいる場合に、どういうような形で請求なさいますか。それをひとつ御説明願いたいと思います。
  273. 平井彌之助

    平井証人 今の御発言の内容についてちよつとよくわかりませんでしたから、失礼ですがもう一ぺんお願いいたします。
  274. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたが受持つておられる土木部でもお金のいるときがありますね。これはわかるでしよう。これについてひとつ伺いたいのです。
  275. 平井彌之助

    平井証人 土木部は金の取扱いはいたしません。
  276. 横田甚太郎

    ○横田委員 取扱わないとしても土木部でいろいろなものがいるときがありますね。
  277. 平井彌之助

    平井証人 印刷をいたしましたり、青写真を燒いたりするときは金がいりますが、それは経理からいただいております。
  278. 横田甚太郎

    ○横田委員 経理からおもらいになるその形式を伺いたい。たとえば青写真を本社で買う場合に、それが一枚百円といたしますれば十枚買うたら千円かかるが、その請求書の内容の形式を承りたい。
  279. 平井彌之助

    平井証人 どうもお恥ずかしい次第でありますが、その点までは私は存じておりません。
  280. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなた個人の金ではないのですよ。日発仕事をしている場合に、あなたの所管について金がいる場合には、だれが金の請求をやるのですか。
  281. 平井彌之助

    平井証人 これもお恥ずかしい次第ですが、直接私金を使うような事態はございませんし、そういうような金をふところにしたことはありませんので、お答えができないのでございます。
  282. 横田甚太郎

    ○横田委員 ふところにしたのではない。日発の金を使う場合に、どういう形式がいるかは御存じでしよう
  283. 平井彌之助

    平井証人 私の金ということに御質問を受けましたから、私直接そういう金を取扱つたことはございませんということを申し上げておるのであります。
  284. 横田甚太郎

    ○横田委員 はつきり申しますが、日発土木部長平井さんは、担当部門においてお金がいる場合、たとえば何何を買うたから、その金を日発からいただかなければならぬというときに、そのお金を請求するのにどういうふうにしてやつておられますか。やはり一応あなたが判を押されて、たとえば金一万円也として、この一万円は何の品目をどうこうだということを書いてお出しになるのかならないのか、そういうようなものがあなたの手元に行つたことがあるかないか、土木部において金がいるときには、あなたの判がなくても、土木部責任者はあなたを拔きにして直接会計の責任者のところに行つて金をもらつておられるのかということを聞いておるのです。
  285. 平井彌之助

    平井証人 もちろん私の判がいるわけなんでありますが、その手続を聞かれますと、どうもお恥ずかしいのでありますが、お答えするだけの頭が全然ございません。これは一般経理と同じ性質を持つておりますから経理方面に属します。
  286. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたの判がいるわけですね。そのあなたの判がいつた場合があるかないかということです。
  287. 平井彌之助

    平井証人 それは判がついてございます。
  288. 横田甚太郎

    ○横田委員 その判をおつきになつた書類は一体どんなものでございましたか。まわりくどい質問を長い聞いたしましたが、そういうことになるのです。
  289. 平井彌之助

    平井証人 私の判をついて金が出ますのは、青写真を燒いたり、それからパンフレツトをつくりましたり、技術的な……。
  290. 横田甚太郎

    ○横田委員 そんなことを聞いているのではない。私の聞いているのは、判をついた書類はどんなものでございましたかということです。
  291. 平井彌之助

    平井証人 今申し上げましたように、土木部というものはそういうところです。経理部の所管でございまして、土木部はそういうようなことは……。
  292. 横田甚太郎

    ○横田委員 伝票があるでしよう
  293. 平井彌之助

    平井証人 伝票はございます。
  294. 横田甚太郎

    ○横田委員 その伝票の内容を聞いておるのです。
  295. 平井彌之助

    平井証人 その点は私は説明するだけの……。
  296. 横田甚太郎

    ○横田委員 忘れたのですね。
  297. 平井彌之助

    平井証人 忘れてしまいました。
  298. 横田甚太郎

    ○横田委員 あることはあるのですね。
  299. 平井彌之助

    平井証人 あります。
  300. 横田甚太郎

    ○横田委員 現在でも請求書が参りましたときには、形式が必要であるから何でも判を押すのか——ところが判を押す基準は日発にあるべきはずであります。日発はかたいところであつて、帳面をごまかしたり、政党献金などはしない、談合入札もせぬ、がつちりしている。しかもあなたは公平にして妥当な方だ。だから一つのわくがある。あなたは、あなたの下から来たところの金銭の伝票を金にかえる場合は、当面の責任者として、そのわくにのつとつて判を押すはずだ。その伝票を書いて出すときに金額が書いてあつて、その金額の内訳としていわゆる添付書類——請求書の説明書がついておりますか、ついておりませんか。
  301. 平井彌之助

    平井証人 どうも御質問の内容が非常に漠としておりまして、技術者の私にとつて返事がしにくいのでございますが、金を支払う場合には向うの請求書がついておるのは当然でございます。それに基きまして、現金支出か、あるいは振りかえてもらうか、その書類に私が判をついております。
  302. 横田甚太郎

    ○横田委員 請求書がついておりますね。
  303. 島田末信

    ○島田委員長代理 横田君にちよつと御注意を申し上げます。不規則発言は遠慮してください。
  304. 横田甚太郎

    ○横田委員 わかりました。それでは請求書がついておりますね。その請求書というものは何月何日、それから何何の品目、そうして金はこれだけということと、それ以外になお別紙として、この金は、たとえば青写真の原料をなんぼ買うて、あるいはそれを燒くところのわくをどれくらい買うたとか、こういうようなものが書いてあるかないかということです。これはあなたにとつては重大な証言ではないから、簡單に言つてもらつたらよいのです。
  305. 平井彌之助

    平井証人 それは経理で定められました書類一式がついているとしか説明するほかはないと思います。
  306. 横田甚太郎

    ○横田委員 ついておるのですか。
  307. 平井彌之助

    平井証人 ついております。私は土木のことを申し上げておるのです。
  308. 横田甚太郎

    ○横田委員 土木というものと経理というものと人事というものと各部において日発は違うのですか。やり方は一緒でしよう。きのうの経理の担当者にこれを質問した場合に、金額を出した場合には添付書類はついておらぬと言われたが、私たちが日発の従業員から聞きますと、必ずその添付書類がついているという事実がある。そこに非常な食い違いがあるから、あなたに聞いたのです。
  309. 平井彌之助

    平井証人 御質問の点をよく承つてみますと、私の答弁外で部門が違うように思いますから、これはこれだけで打切りをお願いいたします。
  310. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは次にセメントのことだけ聞いておきたい。セメントが倉庫にあるとかないとかいうことはあなたの担当外のことですか。それだけ……。
  311. 平井彌之助

    平井証人 セメントの問題につきましては、これは私の所管でございませんから、私は答辯する資格がございません。
  312. 島田末信

    ○島田委員長代理 梨木君。
  313. 梨木作次郎

    ○梨木委員 富山県の成出発電所のことを聞きたいのですが、これは工事が再開されているわけですが、再開前の工事請負人がだれか、それを聞きたいのです。
  314. 平井彌之助

    平井証人 再開前は佐藤工業株式会社です。
  315. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは再開後も佐藤工業がやつておるようでありますが、同じ会社がやつておると承つてよろしゆうございますか。前の佐藤と今の佐藤と違うのですか。
  316. 平井彌之助

    平井証人 それは同一でございます。
  317. 梨木作次郎

    ○梨木委員 現在の再開後の工事では、いろいろの資材の運搬にあたつておるのに塩川運輸株式会社というのが索道を使つて資材の運搬をやつておる事実を御承知ですか。
  318. 平井彌之助

    平井証人 もう一ぺんお願いします。はなはだ失礼でございますが……。
  319. 梨木作次郎

    ○梨木委員 こういうことです。現在の成出の発電所の建設工事資材の運搬にあたつておるのは、塩川運輸株式会社というのがこれにあたつておるかどうか。しかもその会社は前の建設当時の索道を使つておるわけでありますが、そういう事実があるかどうかということです。
  320. 平井彌之助

    平井証人 私の頭にあるだけを申し上げますが、現在の索道の運搬は、工事担当者の佐藤工業株式会社と契約しておると思つております。
  321. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この成出発電所は工事再開後におきましては、設計の変更が行われておるわけなのでありますが、この設計の変更の内容ですね。それでその変更になつた結果、前の工事とどれくらい請負い価格が変更になつておるか、この点を聞きたいのです。
  322. 平井彌之助

    平井証人 工事内容としましては、堰堤に門扉を設けたり、許可があれば第二号機を設けたい。要するに発電機は二台かかるわけです。それから仮排水路が洪水のために相当いたみまして、その部分がふえた。それから堰堤を洪水が数年間どんどんオーバーしたために相当損耗をしてしまつた。それから高圧変電所の切取り工事がふえた。そういうこともあると記憶しております。
  323. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そういたしますと、前の建設工事が打切り当時にどれくらい工事が進行しておつたかということはおわかりになりますか。
  324. 平井彌之助

    平井証人 確実な記憶がございませんが、大体五十五、六パーセントでなかつたかと考えるのであります。前の設計に対して申上げておるのでございますから、御了承願います。
  325. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そのあなたのおつしやる五十五、六パーセントというのは現場工事を基準としてされたものか、それともそれは現実にそれを見てそれから来た率なんですか。それとも請負金額を払つたその金額から推定したものなんですか、どちらですか。
  326. 平井彌之助

    平井証人 数字について申し上げておるのは今記憶を申し上げたのでございますが、内容的に申し上げますと、成出の停止当時の出来高に対して申し上げておるのでございます。もちろんこの出来高は詳細な測量の上できめられた数量に基いてやつておるわけでございます。
  327. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは打切り当時のこと、ところが工事再開当時には、今あなたもおつしやつたように、水害で流されたところもあつたわけでありますから、その引継ぎの場合、前の進行程度の限度というものは変更になつておるとわれわれしろうとには思われるのですが、その点は打切り当時の進行程度と、それから再開当時との間には大分期間がありますね。その間に相当な損耗があつたように思うのですが、それをどのくらいに見ておるのですか。
  328. 平井彌之助

    平井証人 その点はあまり詳細になるものですから、ただいま頭にございませんで、失礼ですが、ちよつと御返答いたしかねる状態でございます。
  329. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは今すぐにもおわかりにならないかもしれませんが、大体そういう事実があつたということだけはおわかりになりますか。その間にいろいろ損耗があつて従つて工事再開当時には、以前と同じような進行で引継がせるということは事実上できなかつた事情にあつたということだけは、おわかりになりますか。
  330. 平井彌之助

    平井証人 中止以後の構造物の変化損耗については大体わかると思います。
  331. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこで今度工事を再開させる場合に、どの程度工事が進行しておつたかということを前提に引継がせたのかどうか。先ほどあなたは、工事中止当時は五十五、六パーセントと記憶しておると言われた。ところが引継がせるときにはどのくらいのパーセントで引継がせたか、これを伺いたいと思います。
  332. 平井彌之助

    平井証人 それは設計当時におきまして、詳細な測量をいたしましてきめた数量と、新設計によるものとの間には差額があります。もちろんその中には損耗した部分の補強工事が入つておることは当然であります。
  333. 梨木作次郎

    ○梨木委員 前の工事の仮設物があるわけですが、こういうものは全部なくなつたわけではありますまいから、その点の引継ぎ、仮設工事に必要な仮設建築物、こういうものの引継ぎは、どういうぐあいに行われておりますか。
  334. 平井彌之助

    平井証人 当時の打切り原則は、一切白紙に還元するという建前をとりました。ですからあらゆるものが、たとえば事務所でも、飯場でも、あらゆるものが解決されておつたのです。その解決方法は当然発送電に有利な形で解決をしたわけでございます。
  335. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ところが私の手元に、佐藤工業の実施予算書というものがありますが、この中には仮設備費というものが相当厖大に見積つてあるわけです。四千二百二十一万円ばかり見積つてあるわけでありますが、これは前のものが全然なくなつているわけじやないのだから、これは何を基礎にしてこういう大きなものが見積られるのですか。この点がちよつとわかりにくいのですが、あなたの方はどういう基準でやつておりますか。
  336. 平井彌之助

    平井証人 御質問の点は、請負予算の立て方の原則に入つて来るのではないかと思うわけなのでありますが、簡單に申し上げますと、請負に対しまして、これもあるのじやないか、あれもあるのじやないかということは、これは程度があると思います。それでは請負が成り立たなくなると思います。従いまして、もちろん佐藤さんが一番最低だつたのですが、その上になおこちらの交渉によりまして、相当に引下げられて決定されたような事情になつております。
  337. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは、こういうように伺いましよう。この再開後の工事請負わせるにつきましては、佐藤工業は、再見積りの際は四億四千七百五十万円。ところが第二番目は、間組の四億六千五百万円になつておるわけです。ところが佐藤工業のときには、前に工事請負つておるのだから、仮建設物やいろいろなものを利用できるので、もつとこれは安くならなければならぬはずだと私は思うのです。この点について私は査定に非常な疑惑をさしはさまれるものがあると思います。もつと会社側がうんと切り下げてやつていただくことになるのじやないかと思うのですが、その辺の考慮がどういうふうに払われておつたかということを伺いたいのです。
  338. 平井彌之助

    平井証人 御質問は、やはり請負予算の立て方の原則の問題になりがちなのですが、要は、先ほど申し上げました通りに、打切り清算というものは相当に合理的にされまして、向うはほとんど別に利潤がなかつた状態じやないかと思います。それは、よく交渉ができましたのは、終戰直後でございまして、社会情勢からしましてもうまく行つたわけです。しかし業者がそこに飯場も持つているし何も持つているのだから、全部サービスしてくれというふうな考え方もございましようが、それはある程度しんしやくもしてやらなければならない点があると思います。そういうことを勘案しまして予算を組んだわけでございます。
  339. 梨木作次郎

    ○梨木委員 次にお伺いしますが、私の手元にある佐藤工業の実施予算書によりますと、索道維持費とかそれから既設索條張りかえ工事というものの予算見積つてあるのでありますが、これは先ほどちよつと伺つはのについてあなたの御証言がありましたが、この点もう一ぺん念を押しておくのでありますが、私の聞いたところでは、今まで佐藤工業が……。(「話がこまいな」と呼ぶ者あり)それではこれはやめておきます。もう一点伺いますが、この成出発電所の、現地の日発側の工事監督を直接担当しておる人はどなたですか。
  340. 平井彌之助

    平井証人 佐藤というのが所長でございまして、吉田というのが土木課長になつております。
  341. 梨木作次郎

    ○梨木委員 やはり同じ名前の佐藤さんですか。佐藤何という人ですか。
  342. 平井彌之助

    平井証人 佐藤何といいましたか、ちよつと忘れました。
  343. 梨木作次郎

    ○梨木委員 日発北陸支店の次長兼建設部長という荒井武治さんという人は、この工事関係ありませんか。
  344. 平井彌之助

    平井証人 工事の直接担当は、支店が持つておりますので、支店の次長であります方は、もちろん責任を持つておるわけでございます。
  345. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この荒井武治さんという人がおるかどうか。日発北陸支店次長兼建設部長で、こういう方がおるかどうか、この点をひとつお伺いしたい。
  346. 平井彌之助

    平井証人 現在現職におります。
  347. 島田末信

    ○島田委員長代理 岡田君。但し岡田君に申し上げますが、時間が大分経過しておりますので、お気の毒ですが、率直簡明にやつていただきたいと思います。
  348. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 まず伺いますが、今の成出の関係ですけれども、成出の請負を受けたのは佐藤工業だけですか。再開後……。
  349. 平井彌之助

    平井証人 本店関係は、佐藤工業だけでございますが、今度は水圧鉄管とか電気メーターが入りますから、その辺にも業者が入ると思います。
  350. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 これは先ほど梨木君も伺つたのですが、大体四億四千余万円の土木費になつておりますが、成出の場合には、見返り資金で一億八千万円だけは出ておるようですが、その残額は一体どういうふうになつておりますか。
  351. 平井彌之助

    平井証人 この点は、まだ見返り資金の二十五年度分の放出許可を受けておりませんので、現在のところは辛うじて継続しているよう状態であります。
  352. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 辛うじてやつておるといいますが、差額の分については大体どういう方法をとつておりますか。自己資金を充当しておるとか、あるいはまた別途の方法をとつておられるのですか。
  353. 平井彌之助

    平井証人 私の部門でございませんで、明確な答弁はいたしかねますが、これはおそらく自己資金でまかなつておると思います。
  354. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 最近、平井さんが土木部長を辞められる直前の成出は、どの程度進捗しておつたかどうですか。
  355. 平井彌之助

    平井証人 残念なことには、はつきりしたそのパーセンテージは存じておりません。ただその工事内容につきまして、堰堤のコンクリートが相当に打つてあるとか、そういうことについては存じておりますが、パーセンテージまではちよつと存じておりません。忘れております。
  356. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それで、成出の関係はまだあるのですが、省略します。群馬県の岩本、ここの工事は一体どういうふうになつておりますか。見返り資金を充てているのですかどうですか。
  357. 平井彌之助

    平井証人 岩本は、見返り資金が入つておらないと思つております。
  358. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 完成しておりますか。
  359. 平井彌之助

    平井証人 完成しております。完成しておりますが、取水用の赤谷川工事は現在やつております。
  360. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それから北海道の然別第二と、それから丸山、これは岐阜県の丸山ですが、この二つは今やつておりますかどうですか。
  361. 平井彌之助

    平井証人 資金上の問題がございまして、現存のところは調査所あるいは建設所という看板を掲げておりますが、現在作業はいつ何どき工事に着工しても支障のないように、いろいろの調査研究を進めておる状態でございます。     〔島田委員長代理退席、委員長着席〕
  362. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そうすると然別第二の場合は、これは現在建設なり、具体的に請負師に請負わすとか、こういうようなことは進んでおるのですか。
  363. 平井彌之助

    平井証人 まだその段階には参つておりません。
  364. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 丸山の場合はどうですか。
  365. 平井彌之助

    平井証人 同様でございます。
  366. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 丸山はどういうような程度まで進んでおるか、もし御存じであれば伺いたい。
  367. 平井彌之助

    平井証人 丸山につきましては、やはり先ほど申し上げました通り、技術的な検討をさらに加えておる状態でございます。
  368. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 技術的な検討といいますと、どういうわけですか。具体的に請負師に請負わして、そうして建設を進めるというようなことですか、あるいは丸山の発電所の計画を立てておるという程度ですか。どういう意味ですか。
  369. 平井彌之助

    平井証人 その調査内容につきましては種々ございますが、第一に設計そのものについて再検討を加える。これは技術者としてしよつちゆうやつておることです。またそれに関連しまして、いつ何どき請負付託をしてもさしつかえない準備を万端整えつつあるところでございます。
  370. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 業者請負わしておるわけではないのですね。この点もう一度はつきり伺いたい。
  371. 平井彌之助

    平井証人 その見積りを出す前提のいろいろの書類の作成とか検討を加えておるにすぎません。
  372. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その程度ですね。  それでは少しかわつて参りますが、先ほどちよつと質問があつたのですが、三建工業は本社の指名入札業者になつておりますか、どうですか。
  373. 平井彌之助

    平井証人 御質問の点ちよつとふに落ちない点がございますのですが、発送電といたしましては、その指名になつておるということはございません。自由選択なんです。しかしこの前は三建が指名になりまして、現在も仕事をやつております。
  374. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではここで三建工業の社長の星野という人は——先ほど田中請玄氏の場合にいろいろ話が出たのですが、星野という人は御存じですかどうですか。
  375. 平井彌之助

    平井証人 三建の社長として一回か二回あいさつに見えられたことがございます。その程度でございます。
  376. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 現在やつておられる工事というのは大体いつごろ契約をされた事業ですか。それでどこの事業ですか。
  377. 平井彌之助

    平井証人 これは福島県の只見川筋の尾瀬沼発電所の第二工区にあたつております。
  378. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 いつごろですか。
  379. 平井彌之助

    平井証人 どうもその点になりますと——大体三月だと思つております。
  380. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ことしですか。
  381. 平井彌之助

    平井証人 はあ。
  382. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 二十三年ごろ——さつきもよく記憶がないというお話もあつたようですが、二十三年の十月ごろに三建工業で工事を受けたことがあるかどうか、御記憶ありませんですかどうですか。
  383. 平井彌之助

    平井証人 どうも年が二年前でございますから、よく記憶しておりません。あまり件数が多いものでございますから……。
  384. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 三建工業というのは、相当継続的に工事請負いをやつておりますかどうですか。
  385. 平井彌之助

    平井証人 現在では発送電自体の本店工事件数はきわめて少いのでございます。連続ということはございません。
  386. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それについては、昭和二十三年の十月ごろに工事請負つておるという事実をわれわれの方で調べておるのですが、その工事を今これからお帰りになつてお調べになつたならば、どういう工事で、それから額にして大体二千五百万円ばかりの額になつておるはずですが、この工事をお調べ願うとはつきりわかると思うのですが、それはわかりませんでしようかどうでしようか。
  387. 平井彌之助

    平井証人 それは必要がございますれば、調べることについては少しもやぶさかでございませんが、どこの工事がおわかりになつておるのですか。
  388. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 まああまり三建工業が請負つておらないということがはつきりしておるわけでありますし、十月の工事、しかも大体額としては二千五百万円程度の額のものですから、この点はお調べ願つて事務局の方に御報告願いたいと思うのです。
  389. 平井彌之助

    平井証人 私の申しておりますのは本店関係を申し上げておるので、支店の方は状態がわかりませんが、必要がありましたら……。
  390. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 いや、あなたはさつき五百万円あるいは一千万円以下のものは支店関係だというお話ですから、二千五百万円なら当然本店関係だと思います。ですから本店でおわかりになると思います。
  391. 平井彌之助

    平井証人 それでは私は聞き違えたのでありまして、三建工業を全部調なるというふうに聞いたものですから……。
  392. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 二十三年十月の二千五百万円の契約の問題です。もう一つ最後に今年の三月ごろに、九州の地検の関係で、日発の向うの方の出先と土建業者の間にいろいろな事件が起つたということをお聞きになつたことがありますか、どうですか。
  393. 平井彌之助

    平井証人 そういうことは耳にしておりません。
  394. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 この問題は御存じないとお話になりますが、日発の本社の方からこの関係で調べを受けておられる事実があるのではありませんか、どうですか。
  395. 平井彌之助

    平井証人 そういうことは聞いておりません。
  396. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 では最後にもう一点。あなたの方の本社関係の土建業者として、林組というのが土建の請負業者になつておるかどうか、御存じありませんか。
  397. 平井彌之助

    平井証人 林組というのは現在頭には思い出せません。
  398. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 林健次郎という人が社長なんですが、御存じですかどうですか。
  399. 平井彌之助

    平井証人 林健次郎さんは存じません。
  400. 篠田弘作

    篠田委員長 平井証人に対する本日の尋問はこれにて終了いたしました。証人には長時間御苦労さまでした。なお理事会は晝食の関係もありますので、二時半よりこの部屋において開催いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十八分散会