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1950-11-16 第8回国会 衆議院 考査特別委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十六日(木曜日)     午後一時三十五分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 島田 末信君 理事 塚原 俊郎君    理事 小松 勇次君 理事 猪俣 浩三君    理事 横田甚太郎君       青木  正君    尾関 義一君       佐々木秀世君    田中不破三君       永井 要造君    西村 直己君       椎熊 三郎君    吉田  安君       梨木作次郎君    岡田 春夫君  委員外出席者         証     人         (日本発送電株         式会社総務理         事)      水岡平一郎君         証     人         (日本発送電株         式会社総務理         事)      山本 善次君 十一月十六日  委員黒澤富次郎君、田渕光一君及び南好雄君辞  任につき、その補欠として永井要造君、尾関義  一君及び青木正君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  電力編成問題     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 会議を開きます。  前会に引続き電力編成問題について調査を進めます。さつそく証人より証言求むることといたしますが、ただいまお見えになつておる方は水岡平一郎さんですね。
  3. 水岡平一郎

    水岡証人 さようでございます。
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 これより電力編成問題につきまして証人を求むることになりますが、証言を求める前に、証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて默秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知なつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立願います。     〔証人水岡平一郎君朗読〕    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めているときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えのときには御起立を願います。  それでは証人の略歴について述べてください。
  7. 水岡平一郎

    水岡証人 姓名は水岡平一郎と申します。生年月日は明治二十八年一月十一日でございます。経歴を簡單に申し上げます。大正六年東京高等商業学校を卒業いたしまして、電力事業に入りましたのは大正十年でございまして、東邦電力の前身の名古屋電燈に入社いたしました。昭和十四年に日本発送電株式会社が設立いたしますと同時に入社いたしまして、昭和二十一年八月理事に任ぜられました。二十五年八月理事に再任されまして、本年の十月三十日に総務理事を命ぜられて今日に及んでおります。その間の担当職務といたしましては、資材関係を除きました経理業務を担当して今日に及んでおります。
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると理事経理部長をやつたわけですか。
  9. 水岡平一郎

    水岡証人 そうでございます。
  10. 篠田弘作

    篠田委員長 日発経理の概況を、昭和二十四年度及び二十五年度決算書または資産表によつて簡單でよろしいですから、説明してください。
  11. 水岡平一郎

    水岡証人 数字のことでございますから、持つて参りました資料で御説明してよろしゆうございますか。
  12. 篠田弘作

    篠田委員長 よろしゆうございます。
  13. 水岡平一郎

    水岡証人 当社は二十四年度におきましては、一年間の決算なつたわけでございまして、当社事業年度は四月から翌年の三月をもつて終ることになつておる次第でございます。従つて二十四年度はお手元に差上げておると思いますが、これは一年間でございます。それから二十五年度の分は仮の決算でございまして、二十五年の九月において、かりに決算いたしましたならば、こういう数字になるであろうという数字でございまして、これは仮の決算だということを御了承願いたいと思います。  そこで二十四年度貸借対照表の方を申し上げますと、二十五年の三月三十一日現在というところが、これが二十四年度資産負債の現在になつておるわけでございます。資本金が三十億でございます。それから長期負債は、社債長期借入金を含めまして二百四十八億何がし、短期負債短期借入金その他を含めまして七十二億三千万円、それから引当金退職手当納税引当金、そういうふうなものを含めて、十三億六千万円、それから利益金でございますが、利益金としては二億四千七百万円というかつこうになつておるわけであります。  それから資産の方へ参りますと、未拂込みが七千五百万円ございまして、固定資産が百八十九億三千四百万円あるのでございます。それから投資資産として、関係会社出資を含めまして、三千六百万円でございます。流動資産貯蔵品その他を含めまして百七十七億一千万円ということになつておるわけでございます。それからこの貸借対照表面には現われておりませんが、私の方で見返り資金を拜借いたしまして工事をいたしておるわけでございます。これがこの中に含まれておるわけでございまして、この固定資産の中には八十三億の関係のものが含まれておるわけでございます。それから流動資産の中の現金預金の中には、見返り資金の三月三十一日現在における残高三十五億が含まれておるわけでございます。それから長期負債の中をごらんくださいますと、百九十九億八千万円ばかりございますが、この中には対日援助見返り資金として借りました金が七十九億、そのほか復金の金が百十億八千万円ばかり含まれておるわけでございます。貸借対照表の方は大体その程度で御説明を終りまして、損益計算書の方へ参りますと、これは四月から三月の一年間の方でございまして、私の方の收入は、ごく簡單收入でございまして、主として電力料が大きな收入なつておるわけでございます。これは配電会社への卸売、それから私の方で直接に配給しております直配の電力を含めまして、ここで年間において二百七十八億の收入を上げておるわけでございます。その他は供給雑益投資收益雑收益等を含めまして、二十四年度の総收入が二百七十九億三千万円という收入を上げておるわけでございます。  これに対しまして支出の方は発電に要しました費用は百六十五億になつておりますが、この中に石炭費が九十一億何がしか含まれておるわけでございます。それから購入電力送電線に要しました費用変電所費用業務費、これは支店本店その他支社の費用が含まれておるようでございます。それから退職者に対する給與金、それから二十四年度におきまして初めてこの石炭準備金というものを四億引当てておるわけであります。それから減価償却、これは設備に対する減価償却費であります。諸税金、これは法人税を七億三千万円ばかり含めておるわけであります。その他過去の事業税とでも申しましようか、古い営業税の分でございます。それを含めております。  それから支拂い利息、これは借入金、その他社債に対しまして拂いました支拂い利息であります。社債発行差金償却社債を発行した差金償却でございます。固定資産除却費、これは五千万円ばかりでございますが、これは撤去に伴う経費でございます。雑損失一億六千二百万円ございます。この中には二十四年度で私の方で増資をいたしました増資費用が含まれておるわけでございます。それから政府補給金が二億九千七百万円、これは当社の設立のときに配当補償というふうなかつこうで政府から補償金をいただいておるわけでございますが、これは昭和二十年の終戰と同時に、政府のあらゆる補償が打切られましたために、私の方の政府補給金も打切られたわけであります。それで昭和十四年度以来政府からいただいておりました政府補給金総額二億九千七百万円あつたわけでございます。これは私の方の会社法によりまして、拂込み資本に対して年六朱以上でございましたか、六朱以上の配当のできるような利益があつた場合には、その差額は補給金を返さなければいかないという規定がございます。それに伴いまして、当社といたしまして、この年度において利益がございましたので、全額二億九千七百万円という補給金を返すということで計上したわけでございます。以上によりまして、当期利益が二億四千五百万となつたわけであります。大体これは年八朱の割合で配当するというところで、この利益が計上されておるわけでございます。大体二十四年度の経過はその通りでございます。  それから二十五年度の、ただいま申し上げます仮決算でございますが、仮決算で申し上げますと、固定資産の方では、二百四十二億円でございます。この中で見返り資金でやつております金が、七十四億七千万円という現状なつておるわけであります。そのほか投資資産、それから流動資産その他については大して御説明申し上げることもないと思いますが、その現金預金の四十四億円の中には、見返り資金として九月末現在におきましては八億九千八百万円、約九億円の金が残つておるというかつこうになつております。それから負債の方につきましては大した動きもございませんので、別段御説明申し上げることもございません。  それから損益計算書の方へ参りまして、これは半年間の收益でございます。電力料が百六十五億四千万円でございます。その他の收入を合せまして百六十七億円の收入をあげておるわけでございます。それに対しまして支出といたしましては、発電費百億円、この中には約四十五億円の石炭費が含まれておるわけでございます。その他の費用先ほど申し上げましたような正常の費用でございまして、総額におきまして、百六十四億円、差引きまして大体二億八千七百万円の利益なつておりますが、これは当期においては年約一割の配当ができるであろうという予想の利益が計上されておるわけでございます。  以上をもちまして簡單でございますが……。
  14. 篠田弘作

    篠田委員長 各種機密費労務対策費電源防衛費は、本、支店を合せて幾らぐらい支出しているか。またその経理方法及び使途に対する監督はどういうようにしておるか、その点を説明してください。
  15. 水岡平一郎

    水岡証人 労務対策費といたしましては、二十四年度におきまして、御承知通り整理準備費とでも申しましようか、それと、講演会費というふうなものもございまして、整理準備費としては千八百万円出しておるわけでございます。それから二十五年の方になりまして、四月から八月かの間、約五箇月間でございますが、これが七百七十四万円出しておるわけでございます。それから講演会費用といたしましては、千九十三万円ばかりのものを、ことしの三月から八月にかけて支出いたしておるわけでございます。この費用はただいま説明申し上げました業務費の中の諸費雑費の中に含まれておるわけでございます。  それから社用雑費でございますが、これは二十四年度においては本、支店を通じまして七千四十八万二千円の支出をいたしております。この社用雑費もやはりただいま申し上げました業務費の中の諸費雑費の中に含まれて経理されております。  それからこの労務対策費支出方法でございますが、これは整理準備費につきましては、各支店長にわけまして、支店長責任を持つてこの支出をしたわけでございます。それから講演会費支出につきましては、あの当時の状況から大体東北関係におきます猪苗代地区、関東におきまして群馬地区、それから東海地区におきましては木曽川、そういう方面の比較的に思想的危險分子の多いところの地方におきまして、思想の善導とでもいうか、そういうふうな意味で、いろいろ講演会を開いたわけでございます。それは各地におきまして催しました。その経費を各支店長が査定をいたしまして、そうして本店に持つて参り、本店の方においてそれをさらに査定いたしまして、支拂いをしておる次第でございます。  以上でございます。
  16. 篠田弘作

    篠田委員長 工事請負金代金及び資材購入代金支拂い額はどうなつておるか。またその支拂い方法はどういうふうにしておつたか。
  17. 水岡平一郎

    水岡証人 お答えいたします。工事請負金代金支拂い幾らなつておるかということの問い合せでございますが、ちよつと今手元資料を持つておりまんので、お答えできないと思いますが、支拂い方法といたしましては、この工事金はでき高拂いを原則といしております。そうしてしかもそれは支拂い支店の、要するに建設現場から出て参りますでき高報告によりまして、月末に支拂うというかつこうになつておるわけであります。
  18. 篠田弘作

    篠田委員長 見返り資金の受拂い額、その使途、あるいは経理方法、それについてはどういう方法とつておるか、またいかなる監督を受けておるか。
  19. 水岡平一郎

    水岡証人 お答えいたします。見返り資金は二十四年におきまして先ほども申し上げましたように七十九億円何がしかの金を拜借しておるわけでございます。はつきり申し上げますと七十九億四百二十一万円という金を拜借いたしたわけでございます。これは許可を得ましたのが三回にわつておるわけでございまして、第一次におきましては二十四年の十二月の十三日と記憶いたしておりますが、第二次においては二十四年の十二月三十一日、第三次においては昭和二十五年の三月二十三日でございましたか、その三次にわたつて放出の許可があつたわけでございます。この七十九億四百万円に対して五回にわたつて金が出たのでございますが、これは日銀から私の方の取引銀行へ振り込んでいただくことになつております。しかもこれは一般資金とは別口の口座を設けて支出する。それから小切手もすべて一般のものと区別いたしまして支出をするという経理をいたしております。二十四年度におきましては大体この七十九億の中から四十四億弱の金を支拂つておる次第でございます。  それから経理方法と申しますと貸借対照表の中には別段区分がしておらないわけなんでございます。社内の整理といたしましては、別途の一般と離れました帳簿をもちまして整理をいたしておるわけでございます。この発表の方法については、監督を受けます大蔵省、それから日銀当局のお許しを得まして、外部へ発表する場合にはこういうぐあいの形式でよろしい。内部においては帳簿截然と区別して整理しておつてよろしい。こういう許可を得てやつておる次第でございます。
  20. 篠田弘作

    篠田委員長 日発電気事業の再編成問題に対し、特に分割問題に対しては反対の態度をとられたことは天下周知の事実だが、それに対してはいろいろの運動をされたと思います。たとえばパンフレツトを出すとか、あるいはまたその他の方法でやられたと思うが、その費用は一体どのくらいになつておりますか。
  21. 水岡平一郎

    水岡証人 特に今委員長お話のように反対したとは何でございますか……。
  22. 篠田弘作

    篠田委員長 いや九分割反対したという……。
  23. 水岡平一郎

    水岡証人 分割に対して反対したということは何でございますが、いろいろ周知——現在の状況というものをお話申し上げるために、いろいろのパンフレツトを配つたことは事実でございます。これはどのくらいの金といつて、どうもそれに使つた金というものは、特に区分しておりませんし、はつきりしておりませんのですが、大体印刷物だとか、あるいは消耗品だとか、あるいは現地へ出ていろいろお話した場合には旅費のようなものは正常な旅費と、こういうふうなもので整理しておるのでありますが、どうも全部でいくらかかつたということは、截然と区別しておらない。
  24. 篠田弘作

    篠田委員長 それから日発工事関係業者あるいはメーカーというものからリベートを受けて、そのリベートによつて政治献金をしたというのが今度の考査委員会の動き出した原動力になつておる。それで工事請負額が大体四十億であるから、一〇%のリベートとしても、四億円くらいの金が日発にもどつて来ておる。それを日発政治家にまく、あるいは政党方面にばらまいて、この再編成日発に有利に導こうとしているという評判が立つて、いかにもそういう事実があつたように、非常に広く流布されたということが、考査委員会の動いた原因でありますが、あなたの方としては——あなたは特に経理部長であるから、責任をもつて説明してもらいたいのであります。関係請負業者、あるいはメーカーから、リベートとつた事実があるかどうか。あるいはまたかりにとつたとすれば、そういうものを政治家個人なり、あるいは政党方面に献金した事実があるかどうか。この二点を責任をもつて答弁してもらいたい。
  25. 水岡平一郎

    水岡証人 お答えいたします。リベートとつたという事実はございません。かつメーカーあたりからも、そういうものをとつたという事実は全然ございません。従いまして、そういうふうな金が、反対資金として政党方面に流れたという事実はございません。
  26. 篠田弘作

    篠田委員長 メーカー、もしくは請負業者から、一度もリベートとつたことはないのですか。
  27. 水岡平一郎

    水岡証人 絶対ございません。
  28. 篠田弘作

    篠田委員長 そうですか。それでは委員の各位から御質問がありましたら……。
  29. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 証人にお尋ねいたします。先ほど委員長からの質問に対して、日発電力編成に対して特別の反対というのではなかつたと言われたが、何かそこに言いたそうな空気を私は感じたのです。要するに、日発としての現状維持というようなことが、当時の日発の行き方であろうということは、今までの証人からいろいろ聞いたのですが、そういう点からみましても、今度の九分割案というものに対して、早急にやられては困るというのが、日発のほんとうの腹ではなかつたか、こう思うのであります。それで、日発の、いわゆる再編成には反対ではないが、九分割ということに対しては、ただちに賛成できない。そういう意味から、日発現状を知らしめるなり、あるいは九分割に対するところの再考をさせるというような立場から、わかりやすくいえば、反対という運動が熾烈になつたということだけは、われわれは知ることができるのであります。それに対しまして、方法はいろいろありましようけれども、今までの証人を喚問いたしましたところが、相当な金額には上つている。しかしその金額はわからないということでありましたが、パンフレツトを全国にばらまく、あるいは議会方面にも代議士や、あるいは関係方面にいろいろパンフレツト等によつて運動をやつたということは事実でありますが、ただいま委員長からの質問に対しまして、幾らぐらいかかつたかわからないというお話でありましたが、少くとも日発が全国的にそうした立場を周知徹底せしめるということにおいては、かずかな金ではないとわれわれは考えるのであります。あるいは五十万や百万の金じやない。まあ一億か二億というようなことも考えられませんが、ある程度の金がそれに使われているのじやないか。それが何かの費用支出の流用になつているのか。あるいはこの貸借対照表あるいはこの二十五年度決算の中のどういう項目からそれを使つたのか。ひとつ承りたいのであります。
  30. 水岡平一郎

    水岡証人 ただいまの委員の御質問に対しましてお答えいたします。反対と申しますと何でございますが、ただいまの状況として、われわれの方として再編成がただちにやられると、産業方面に影響するところが非常に多いのだということで、いろいろ現状説明はいたしました。それがただいまの委員のおつしやるように、あるいは反対とおとりになつているかもしれないのでありますが、私の方の立場といたしまして、現状をよく説明して御判断を願いたいということで説明を申し上げた次第であります。それに伴いましての費用なのでございますが、なるほど幾らかかつたかということについては、先ほど委員長からもお尋ねございましたが、的確な数字は実は持つておりません。ただその費目などというものは、先ほど申し上げましたように、印刷物消耗費であるとか、出張しました旅費旅費、こういうふうな正常な科目でやつているわけでありますから、大体業務費の中にそういうふうなものが含まれていると御了承願いたい。こう思います。
  31. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それだけの証言ではわれわれは納得できないのであります。たとえば消耗費にいたしましても、毎年計上される、いわゆる日発予算というものが一応編成されるじやないか。しからば、そうした運動をやつたために、その他の消耗費も当然いるであろうと思われますから、しからばこの問題が起きた当時の消耗費というものが、例年の何倍くらいになつたか。あるいは何割増しなつたかということくらいはおわかりになるじやないかと思いますが、その点についてひとつ証言を願いたい。ことにまた旅費にいたしましてもその通り例年旅費幾らかかるかくらいのことは、大体当初予算において、こういう莫大な金を扱つている大会社としては当然あるだろうと考えられます。またこうした運動を展開するにいたしましても、その旅費例年予算中から使つたとするならば、それだけの旅費というものが他の部面において削減されることは当然であります。そうすれば、いわゆる日発全体の業務運営に対して障害になることは、私から申し上げるまでもないのであります。そうしたら、この日発の再編成に対しての旅費は、通常旅費の中から使つた雑費は今までの通常予算の中から使つたということになれば、そういう方面の、通常例年つておるところの仕事に支障を来たしたであろうと想像されます。しからばそういう方面旅費あるいは雑費は、いずれの方面から流用したかと考えることは、当然だろうと思いますので、もう少し具体的に、何割増しぐらいになつているのか。倍か、三倍かというようなところを、ひとつ説明願いたいと思います。
  32. 水岡平一郎

    水岡証人 正常の旅費、正常の消耗費とおつしやるのでございますけれども、そのために何割増しというのは、今ちよつと手元資料がございませんので、お答えしかねるわけでございますが、まあ倍になるとか三倍になるとかいうふうな、大きなものではないと私は信じております。
  33. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 そうしますと、そういうふうな、はつきりしない使い方をするというところにおいても、一つの疑問が生ずるわけであります。この点は今資料がないから、ただちにお答えができないということでありますが、社にお帰りになりまして、調べればわかるかどうかということだけ、ひとつ証言願いたいと思います。
  34. 水岡平一郎

    水岡証人 先ほども申し上げましたように、どうもこの費用として特定に別途の整理をしておりませんものでございますから、必ずしもそのふえたものが、そのものであるということはわかりませんでございます。ただ、しかし二十四年度において、どれだけの旅費を使い、どれだけの消耗費があつたということぐらいはお答えできると思います。
  35. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 私はそれを聞いているのではないのです。要するに九分割反対するために、パンフレツトをつくつたのであろうと思います。九分割反対するための旅費というものがあるのだろうと思います。それはわずかな金ではないと私は想像する。想像ではありますが、あるいは何百方円となつているのではないか。あるいは何千万円になつているのではないか。そうした大きな金をただ旅費雑費というものの中から、わけもわからずに使われていたというようなことでは、経理部長をなされたあなたとしては、あまりにも無責任ではないかと思う。いわゆる末端の支出でありましても、伝票が出ているわけです。調べればわかるということであれば、納得できるのですが、調べてもわからぬということならば、われわれとしても納得できない。だからもう一回お尋ねいたしますが、末端までの支出を調べればわかるかどうかということを御証言願いたいと思います。
  36. 水岡平一郎

    水岡証人 末端までを調べてわかるかということについては、私今ここでお答えしかねるわけなのでございます。どうも今の申し上げ方が無責任だというお言葉があつたわけでございますけれども、事実この旅費が一体そのために行つたものであるか、あるいはまた消耗費がそういうふうなものであるかということについては、お調べは相当困難だと思います。従いまして消耗費がそのために幾らであるのか、旅費幾らであるのかということは、的確にお答えすることはできかねると私は思います。
  37. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それでは旅費のことは拔きにいたしまして、あの九分割がやかましくなつた当時、われわれの手元にまでも、日発の実情あるいはいろいろな日発の考え方というもののパンフレツトが配られたのでありますが、あれの印刷代がどのくらいか、それだけでもおわかりになりませんか。
  38. 水岡平一郎

    水岡証人 その程度のものでしたら、あるいは調べてお答えできるかと思います。
  39. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それに対して資料がないのを追究したところでしようがありませんから、そのパンフレツトの印刷代ぐらいはひとつ事務局の方に出していただきたいと思うのであります。  次は労務対策費でありますが、あれは電源防衛費と一緒にやつたものか、労務対策費労務対策費電源防衛費電源防衛費としてこれを別個に取扱つたものかどうか、お答え願いたい。
  40. 水岡平一郎

    水岡証人 労務対策費先ほど申し上げましたように整理準備費講演会費とにわかれております。整理備準費は先ほど申し上げましたように、これは約一年有半にわたる準備の費用であります。それから講演費は、先ほど申し上げましたようなぐあいに五箇月間にわたつて各地の講演会——これは大体二百数十回の講演を開いておるわけであります。それから電源防衛費と申しますのはこれとはまた別個に支出しておる次第であります。
  41. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 この電源防衛の方でありますか、労務対策の方でありますか、日発におきましては田中清玄という人を使いまして、各地で講演会を開いたということを今まで証人から証言されているのですが、田中清玄氏に対してどのくらいの金をあなたは経理部長として今までお出しになつたか。御記憶があるかどうか御証言願いたいと思います。
  42. 水岡平一郎

    水岡証人 この講演会費というのを先ほど申し上げましたのが千九十三万円ございます。これは先ほど申し上げましたように本年の三月から八月の間で支出しておる金でございまして、大体各地の講演会をあつせんしていただきましたのは田中清玄氏なのであります。従いまして、この各地における講演費が結局田中清玄氏の方に支拂われな金であります。
  43. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 その金額は今おわかりになりませんか。
  44. 水岡平一郎

    水岡証人 それはただいま申し上げましたように、千九十三万円でございます。
  45. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 千九十三万円で田中清玄氏とのいわゆる講演会費用が全部終つたのですか。まだ田中清玄氏に拂う金があるのかどうか承りたいと思います。
  46. 水岡平一郎

    水岡証人 これは八月まででございますので、九月に入りまして、多少清算的なものが少し支拂われたと思つております。
  47. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 そこで田中清玄氏の講演をやられたということは、田中清玄氏がいろいろな講演会の計画を立ててやつたのか、それとも今までの証人に聞きますと、日発の一つの仕事として日発が田中清玄氏を使つたのか、もちろん金が出ているのですから日発が田中清玄氏に委嘱したことは間違いないと思いますが、そういう企画が田中清玄氏の発案によつてなされたか、それとも全然日発が独自で、あるいは本部なりあるいは支部において計画されたのか、その点について御証言が願いたい。
  48. 水岡平一郎

    水岡証人 これは当社業務として田中清玄氏に依頼したものでありまして、いろいろこれについて講演の方法その他講師等についても田中清玄氏の協力を得まして各地に催したものでございます。
  49. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それでは、次は二十四年度の損益計算あるいは二十五年度の中間でありましようか、その貸借表等を見まして、いわゆる発電費といたしまして相当な金額が計上せられ、その中の大部分、いわゆる二十四年度においては九十一億円に余る石炭購入費というものがあるのだという御説明を承つたのですが、この九十一億円という莫大なる石炭を購入なさる場合においては、どういう方法で購入なさつておられるかどうか。もちろん二十四年度当時は統制中であつたろうと思われます。おもに九州、北海道というようなこともありましようが、大体簡單でよろしゆうございますから御説明願いたい。
  50. 水岡平一郎

    水岡証人 これは先ほど身分のところで申し上げましたように、当社経理部は資材関係を除いているわけでございまして、はつきりしたことは申し上げかねるのであります。これは二十四年度においては配炭公団の廃止以来は、各炭鉱の方と直接に取引をしておると申し上げていいと思います。
  51. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 その配炭公団の廃止前後において、配炭公団がいわゆる清算事務取扱いとなつて、相当な石炭があすこで公入札になつたのですが、ああいう石炭も日発においてはお買いになつた記憶がありますか。あなたの方は資材関係じやございませんからあるいは御答弁できないかもしれませんが、そういう配炭公団がやめるそのあとの、清算人の処分しておる石炭をお買いになつた御記憶があるかどうか御証言願いたい。
  52. 水岡平一郎

    水岡証人 どうも資材のことは私直接関係しておりませんので、ちよつと今記憶にないのです。
  53. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 もう一つ承りたいのは、二十四年度雑損失の中に一億六千二百万円—一億六千万円の雑損失というのは、大会社でありますからいろいろありましようが、われわれとしても相当多いなという感じをしましたところ、あなたから注釈がありまして、その中には増資費用というものが使われておるのだということでありましたが、この一億六千二百万円のうちの増資に使われた費用は大体どのくらいあつたかということを承りたい。
  54. 水岡平一郎

    水岡証人 この一億六千万円の中には、約一億一千七百万円の増資費用が含まれている。
  55. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 一億一千万円程度のいわゆる増資に対する費用が使われた。その一億一千万円の中からいろいろな増資をするために政治家等に依頼して政治家方面に金が流れたんじやないかという世間の疑惑があるのですが、そういうことがあつたのかどうか。あるいはそういううわさなり、あるいはあなた方の方で実際に一億一千万円の中に、政治家あるいは政党という方面にこの中から何かの費用で出したという御記憶がありますかどうか承りたい。
  56. 水岡平一郎

    水岡証人 ただいまの委員の御質問に対しては、私の方としても絶対そういうふうな金は費用としては出ておりません。
  57. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 終りました。
  58. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 ちよつと先ほど委員長からもお尋ねがあつたのですけれども、はつきりしなかつたのでいま一ぺん繰返したいのです。労務対策費という中に整理準備費講演会費というものがあるのですか。
  59. 水岡平一郎

    水岡証人 労務対策費としては整理準備費講演会費と両方含まれておるわけです。
  60. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうするとそのほかに電源防衛費というものがまた別口にある。こういうことに相なるわけですね。
  61. 水岡平一郎

    水岡証人 電源防衛費はこの整理準備費以外に支出しております。
  62. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そこで昭和二十四年度整理準備費幾らであつたか、いま一度お聞かせ願いたいと思います。
  63. 水岡平一郎

    水岡証人 二十四年度においては一千八百万円を支出しております。
  64. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 次にやはり二十四年度講演会費
  65. 水岡平一郎

    水岡証人 二十四年度としては講演会費はほとんどないのでありまして、二十五年度において出ておるものでございます。
  66. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 二十四年度電源防衛費
  67. 水岡平一郎

    水岡証人 これは手元に今持つて参りませんので数字ちよつと覚えておりません。
  68. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 しからば二十五年度整理準備費講演会費電源防衛費をもう一ぺんおつしやつていただきたい。
  69. 水岡平一郎

    水岡証人 二十五年度においては、整理準備費としては、七百七十四万円を四月から八月の間に支出しております。それから講演会費は千九十三万円を支出しておるわけであります。
  70. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 もう一つ、電源防衛費は。
  71. 水岡平一郎

    水岡証人 電源防衛費は今手元に控えておりませんのでお答えいたしかねます。
  72. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 あなたは経理の最高責任者でありながら、この大きな別口の、一つの口座になつている電源防衛費を全然知らぬということは、これはどういうわけか。それは知らぬものは責めたつてしようがないのだが、しからば二十四年度及び二十五年度電源防衛費を即刻調べて委員長まで報告してもらいたい。  そこでなおお尋ねいたしますが、今御答弁になりました整理準備費というものは、これは各地の支店長に渡したというふうにお聞きいたしましたが、さようでございますか。
  73. 水岡平一郎

    水岡証人 さようであります。
  74. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると支店長からどういうふうに流れておるかは、あなたの手元ではわからぬのですか。
  75. 水岡平一郎

    水岡証人 これは各支店長責任において支出しておりますので、私の手元ではわかりません。
  76. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうするとそれは支店長の方から、こういう金がかかつたと言つて来るのじやなくて、あなたの方から各支店に何ぼとわけて、そして支店長に渡しておる金ねんですか。
  77. 水岡平一郎

    水岡証人 大体その形式で渡しております。
  78. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると本店としては、その渡した金がどういうふうに使われようが、全然それは支店長責任で、本店としてはあずかり知らぬ、こういうこうに相なるわけですね。念のためになおお聞きいたします。
  79. 水岡平一郎

    水岡証人 支店長責任において支出しておりますから、本店の方としては支店長に一任しております。
  80. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 しからば今度は講演会費というものはどういう形式で出ているか。
  81. 水岡平一郎

    水岡証人 講演会費は、先ほど申しましたように、支店の方で大体相すみますと、その費用支店長の方で査定いたしまして、その査定をもちまして本店へ参ります。本店へ参りまして、さらにそれを査定いたしまして、それに対して支拂いをするというかつこうになつております。
  82. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると講演会費というのは、まず講演会をやつて、しかる後にやつたその支店の方から本店費用を請求して来る、こういう形でありますか。
  83. 水岡平一郎

    水岡証人 仰せの通りでございます。
  84. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 二百七十回ばかり講演会をやつたというのに千九十三万円、一回七、八万円かかつているようですが、これは一体どこでやつたのでございますか。この講演会というのは主としてどこでやつたのでございますか。
  85. 水岡平一郎

    水岡証人 東北方面では猪苗代地区、関東方面では群馬地区、東海方面では木曽川地区が主としたところでございます。
  86. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そこでこれは主として田中清玄氏に金が渡されたという御答弁でありましたが、やはり田中清玄氏は、今あなたが申された三つの地区に関係しておつたわけになりますか。
  87. 水岡平一郎

    水岡証人 大体そういうような方面に田中氏に依頼して、この講演会を持つていただいた次第でございます。
  88. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうするとこの千九十三万円という金は田中氏に渡したのではなくて、支店から請求されて支店長に渡したわけなんですか。
  89. 水岡平一郎

    水岡証人 これは先ほど申し上げましたように、支店本店に請求して参りますから本店によつてそれを査定した結果山中氏の方に支拂つておるわけでございます。支店長には渡しておりません。
  90. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると日発としてはこの講演会費というものは、大体において田中清玄氏に請負つてもらつたような形でやつて来たわけですね。
  91. 水岡平一郎

    水岡証人 業務上依頼してやつた次第でございます。請負と申せば請負のようなかつこうになりますが、大体依頼してやつた次第でございます。
  92. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それからなおお尋ねいたしますが、今労務対策費と称せられるもの及び電源防衛費と称せられるものは、その会計の種目は何になつておるのでございますか。
  93. 水岡平一郎

    水岡証人 業務費の中の諸費雑費の中で整理されております。
  94. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 業務費の中の諸費のまた雑費という種目になつておるということでありますが、この諸費社用雑費の中には秘書課扱いの金、秘書役扱いの金、総務課扱いの金の三つがあるということになつておりますが、この秘書課扱いの金というのはどういう方面の金でありますか。
  95. 水岡平一郎

    水岡証人 秘書課扱いの金と申しますのは、大体これは渉外費に使つておるわけであります、
  96. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それは一体幾らぐらいになつておりますか。
  97. 水岡平一郎

    水岡証人 今猪俣委員のお問いは二十四年度でございましようか。
  98. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 二十四年度分と二十五年度分とがわかりましたら、両方お聞かせ願いたい。
  99. 水岡平一郎

    水岡証人 二十四年度として秘書課扱い分が、約九百三十万円ばかりの金が使われておるわけでございます。それから二十五年度におきましては、四月から八月までの間でございますが、これが約五百万円ばかりのものが支出してございます。従いまして一年五箇月でございますが、千四百万円ばかりのものが秘書課扱い分として支出されておるのであります。
  100. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 なお秘書役扱いというのはどういう金額ですか。その使途金及び金額をおつしやつていただきたいと思います。
  101. 水岡平一郎

    水岡証人 秘書役扱いの分は、二十四年度におきましては四百五十万円ばかり支出しております。二十五年度におきましては、八月までで二百六十万円ばかりを支出しておりまして、これを合せまして七百万ちよつとになるわけでございますが、これは総裁以下役員関係費用が取扱われておるわけであります。
  102. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 もう一つ総務課扱いというもの、これもその使途及び金額をおつしやつてください。
  103. 水岡平一郎

    水岡証人 総務課扱いといたしましては、二十四年度においては千八百六十万円ばかりのものが出ておりますが、二十五年のものは、八月までで四百三十万円ばかりのものが出ていて、合せて二千三百万円でございます。この使途は大体社内的の会合費とか、研究会合費、それから事務連絡費、あるいは緊急事務処理費、そういうものが含まれておりますが、多少の接待費というようなものも含まれて支出されておるわけであります。
  104. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 この秘書課扱いというのは渉外費だ、こういうのであるが、なお一口に言うと、すき燒の費用だというようなことでありますが、なお秘書役扱いというのは、この前大西さんの証言でも、これは何か官庁の接待費のように私ども聞いておるのですが、一体渉外関係の接待費といつても、あるいは日本の官庁の接待費といつても、何だかこれは相手かわれど主かわらざるような費用ではないかと思うのでございますが、これは日発会社としては、一体この程度のものは多過ぎるというお考えはないのですか。
  105. 水岡平一郎

    水岡証人 ただいま猪俣委員のお問合せの秘書役扱いの方が官庁とおつしやいましたが、これは官庁ではないのでございまして、先ほど申し上げましたように、総裁以下役員の費用でございます。それから社用雑費につきましては、大体二十四年度一年間において七千万円でございまして、総支出から見ましても、わずかに〇、二五%と、いうふうな、ごくわずかなものでございます。全国的に運営をしておりますこのような大規模な会社といたしましては、むしろ少いのじやないかと私思つておる次第であります。
  106. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 この秘書役の扱いの七百何十万円というものは、官庁の接待費ではない、これは社長以下役員の雑費のようなお話ですが、しからばこれは一体具体的にどういうお金になるのです。こういう金は、社長以下月給をとつている方々が、何に使うのですか。官庁の接待費といえば、多少了解できるが、一体個人的に何に使うのですか。
  107. 水岡平一郎

    水岡証人 それは官庁というわけじやないのでございますが、やはり総裁以下それぞれの役員の動きといたしましても、多少こういうふうな費用もいりますのでございますから……。
  108. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 多少こういう費用がいるところに疑惑が出るのです。月給をもらい、旅費をもらい、手当をもらつてつて、それ以外に七百万も八百万もの金を、官庁の接待費でないとするならば、何に使うか、総裁なり役員がいかなる個人的の費用に使うのですか。役人と折衝するために飲んだり食つたり金がかかつたということは常識上わかるのだが、そうじやないのだということになれば、何で使つたことになるのですか。
  109. 水岡平一郎

    水岡証人 役員の人としても、多少なりともそういうふうな方面の動きもしなければなりませんので、全体としては、それが全部とは申し上げることはできないと思いますが。役員としてのいろいろの関係方面、あるいはいろいろの動きをいたしまするについても、多少の費用がいりますから、そういう方面に使われております。
  110. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 関係方面ということが、もしGHQの方面ならば、渉外費として千四、五百万円出ておる。そうすると、それは日本の内地の関係方面だというならば、結局官庁との費用だということになる。それをあなたはそうじやないと言うから、私は質問しておるのです。はつきりしなさい。
  111. 水岡平一郎

    水岡証人 関係方面と申しますと、すぐ官庁とおとりになるのも何だと思いますが、それぞれの役員が動きます関係上におきまして、いろいろ対外的の問題もございますから、そういう方面に使われたということを御了承願いたいと思います。
  112. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それは関係方面というのを官庁と私が解釈したのは、好意で申し上げたことだ。その関係方面の中に政党人なんかおるというようなことがうわさされるから、あなたに念を押しておる。その関係方面の中に、政党人があるのですかないのですか。あなたがはつきり言わぬというと、その疑いが出て来るじやないですか。
  113. 水岡平一郎

    水岡証人 これはどうも私の立場から申し上げるのは何でございますが、そうした費用整理につきましては、秘書役が取扱つておるわけでございまして、どの方面にどういうぐあいに使われたということについては、私は証言がいたしかねるわけであります。
  114. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 すると、あなたはわからぬのですか。何百万円の金が出ても、秘書役まかせですか。
  115. 水岡平一郎

    水岡証人 当社におきましては、こういうふうな費用は秘書役が取扱うことになつております。
  116. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、かりにこの金の中から政党人に献金があつたとしても、あなたは知らぬということになるわけですか。
  117. 水岡平一郎

    水岡証人 それは秘書役に一任されておりますので、私としては存じません。
  118. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 はなはだぼくは無責任な答弁だと思う。それだから、そんな間違いができて来る。しかし、それは仕方がない。どうも無責任な答弁じやないか。そうすると、秘書役は、名前は何という人ですか。
  119. 水岡平一郎

    水岡証人 当時の秘書役は、矢萩と申します。
  120. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そこで、なおお尋ねいたしますが、日発では一昨年、相当の失権株が出たはずでありますが、この失権株はいかに処理されたのでありますか、お聞かせ願いたい。
  121. 水岡平一郎

    水岡証人 この失権株につきましては、当方といたしまして、公募に加えまして市場で売却いたしたわけであります。
  122. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 失権株はどのくらいあつて、どの程度で売りさばかれたのであるか、その收入というものはどの種目に入つておるのか、御説明願いたい。
  123. 水岡平一郎

    水岡証人 これは増資の問題でございますから、拂込みとしていただきました金でございますので、先ほど申し上げましたように、二十五年度においては十五億三千二百万円の増資をしたわけでありますから、その増資の金として入つているわけであります。
  124. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 ぼくらしろうとのものだから、説明がよくわからない。一昨年あたり多数の失権株が出て、それが会社の手持になつた、ところが昨年あたりこれが高値を呼んで、二百二十円から二百八十円までになつて、目先は厖大な利得をしておるということを、私は兜町の人から聞いておる。だからこの質問をしたのであるが、増資の中に織り込まれておるという説明でありますが、ぼくらしろうとでよくそこがわからないのだ、もう少し納得の行くように説明願いたい。
  125. 水岡平一郎

    水岡証人 会社としまして株式の市場で株価が上りまして、厖大なる利益が出るということは、実はそんなことは関係ないわけであります。それから増資費用として入るわけだとおつしやるのですが、これは御承知通り株式を発行いたしまして増資をするわけでございますから、三十億の拂込みの資本に達しますために、十五億三千二百万円という増資をしたわけであります。これが御承知通り一株五十円ということで売出しをやつたわけでございます。
  126. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 今あなたの説明は專門家としろうとだから私の質問も権威のあるものじやないとは思うのですが、しかし会社が失業株を持つてつて、そいつが値が上れば会社がもうからぬというのはどういうわけですか。あなたの経済理論はぼくらしろうとにはちよつとぴんと来ない。失業株というものを会社が手持にして、その株がさつと上つて来れば会社はもうかるわけじやないか。それをもうからぬというのはどういうわけですか。
  127. 水岡平一郎

    水岡証人 これは猪俣委員お話ちよつとわかりかねるのでございますが、失権株をうんと持つてつて、そいつを売却して、あるいは値上りしたときに何かもうけたのじやないかというようなお問いのように私は思うのですが、増資はともかくも十二月一日に拂込みが完了したわけでありまして、結局失権株を持つて値上りしたものを売却して利益を得たという事実はないのであります。
  128. 小松勇次

    ○小松委員 ちよつと私聞き漏らした点がありますから、重複するかもしれませんが、お許しを願いたいのですが、二十四年度労務対策費の中ですが、千八百万円、それから二十五年度に七百七十四万円お支拂いなつた。これはどなたにお支拂いになつたのでありますか。
  129. 水岡平一郎

    水岡証人 これは先ほどから御説明申し上げましたように、各地の支店長に渡しております。
  130. 小松勇次

    ○小松委員 私は支店長に渡したことを伺うのではないのであります。支店長支拂うその内容を伺いたいのであります。
  131. 水岡平一郎

    水岡証人 これはたびたび申し上げましたように、支店長責任において拂つておるわけでございまして、それぞれ支店長が必要の方面に渡しておる次第でございますから、私の手元としてそれがどこへ流れたということにはちよつとお答えしかねるわけであります。
  132. 小松勇次

    ○小松委員 それでは少し具体的に伺いますが、これは労組にお支払いになつたでしようか。
  133. 水岡平一郎

    水岡証人 これは労組の方へは絶対に渡つておりません。
  134. 小松勇次

    ○小松委員 いやしくも経理を担当される最高の責任者として支店長から申請があればそのまま金を支出して、その内容を検討しないということはないと私どもは思うのであります。日発はそういうような経理方法支出しておるのでございますか。
  135. 水岡平一郎

    水岡証人 これは内容については支店長責任を持つて支出をさせたわけでございまして、こういうふうな費用でございますから、とりたててどういうふうなものに使つたというところまでは調べておりません。これは支店長がそれぞれの責任において支出いたしましたことだけを御了承願いたい。
  136. 小松勇次

    ○小松委員 内容をお調べになつておらないとおつしやりながら、先ほど労組へ支拂つておるのではないかと聞けば、絶対にさようなことはないとあなたはお答えになりました。すこぶる私どもはふに落ちないのであります。相当御承知なつておるのではないですか。こういう点に非常な疑いをわれわれはますます深めなければならぬのであります。はつきりとしたお答えを願いたい。
  137. 水岡平一郎

    水岡証人 これは労組の方に渡つておることはもう私絶対にないと申し上げることができると思います。それからその他について支店長の方で拂いましたお金についての責任先ほど申し上げますように、支店長はそれぞれ現場その他に対しての費用でございますから、向うの責任において支拂つておるものでございます。
  138. 小松勇次

    ○小松委員 いやしくも二千四百余万円になるお金であります。これは各支店長、何社の支店長にこれだけの金が支拂われたか……。
  139. 水岡平一郎

    水岡証人 御承知通り私の支店は九つでございます。九つの支店に渡つておるわけでございます。
  140. 小松勇次

    ○小松委員 おわかりにならないというものを追究してものれんと腕押しでありますから、差控えます。重ねて申し上げますけれども、九つの支店に二千四百万円の金が渡つた、莫大なものであります。この内容をお調べにならないで、支店長を絶対に御信任になつておる。そういうことでよいかどうか、よく御考慮願いたい。だからあなたの方の支店においていろいろな不正が私はあるのではないかと思う。尼崎の支店において資材購入のために不正があつたということを聞いておる。こういう点もあなた方が支店長に権限をまかせて、その範囲において支店長のすることは決して本店では干渉しない、そのためにこういう不正が起きたか、ついでに伺つておきます。
  141. 水岡平一郎

    水岡証人 これは支店長その他がそれぞれ責任を持つておることは先ほど申し上げました通りでございます。そのために不正が起きたということについてのお問い合せでございますが、ことに尼崎など例にとられておられるようでございますが、尼崎の購入資材の問題につきましては、一時そういうふうなうわさが流布されておつたようでございますが、問題としては片づいておるわけでございます。不正の事実はそこになかつたと私思つております。
  142. 小松勇次

    ○小松委員 尼崎の問題はもちろん片づいておるでしよう。そのために支店長は首を切られておるでしよう。不正がなかつたとは、私はどうしてもこの事実をもつて見られないのであります。経理責任者であるあなたは、不正がなかつたということをここで御証言なさるのですか。いま一応はつきりしておいてもらいたい。
  143. 水岡平一郎

    水岡証人 経理責任者と申しますけれども、資材の問題についてはどうも先ほど申し上げますように、私の直接の管掌ではないわけでございます。同時に支店長がそのために首を切られたという意味でなしに、聞くところによりますと、係の中に多少個人的の不正をしたということで、これは処分されておるわけでございます。監督責任をとりまして、支店長はやめたという事実でございます。
  144. 小松勇次

    ○小松委員 その問題はその程度にしておきますが、この支店長の申請によつてお金をお支拂いなつて、その内容については本社では知らない、支店長責任を持つのだというお話でありますが、もしこの金の使途が誤つた方面に使用されておつた場合の最高の責任者はどなたでありますか。
  145. 水岡平一郎

    水岡証人 これは当社は全部総裁が責任をとることになつて、総裁が最高責任者になつております。総裁の信任においてやつております。支店長支出でございますから、勢い最後の責任は総裁がおとりになるということになつております。
  146. 小松勇次

    ○小松委員 よくわかりました。なおこの電源防衛費については別に支出してあるが、ここであなたはその金額がおわかりにならないというようなお話でありましたが、事実金額は御記憶ありませんか。およそでよろしいのですが……。
  147. 水岡平一郎

    水岡証人 数字のことでございますから、どうもうろ覚えのことを申し上げるわけにも行きませんので、どのくらい出ておるかということは申し上げかねるかと思います。
  148. 小松勇次

    ○小松委員 はつきりしたことでなくてよろしいのです。およそ何千万円ぐらい出ているであろう、何百万円ぐらい出ているであろうという程度でよろしいのです。また重ねて伺いますが、講演会費はこの電源防衛費のうちに含まれておるのではないか。あなたは別だとおつしやつたけれども、この点も重ねて、この二つを伺います。
  149. 水岡平一郎

    水岡証人 どうも何百万円、何千万円というお問合せでありますが、今ちよつと記憶にないのでお答えできません。それから講演会費は、先ほど申し上げましたように、電源防衛費と別途でございます。
  150. 小松勇次

    ○小松委員 それでは、金額は御承知でなければやむを得ません。後にその明細を御提出願いたい。委員長に要求しておきます。しかし電源防衛とは、それならばどういう仕事をすることなんですか、おわかりになりませんか。
  151. 水岡平一郎

    水岡証人 これは、現場が御承知通り水力発電所でも三百何十箇所、火力でも四十箇所というふうな厖大なる設備を持つておりますことと、それからそのほかに送電線その他の現場を考えますと、現場でも約八百ばかりの現場があるわけであります。そういうふうなものの電源の方面を担当しております関係上、これのいろいろの防衛をするということでございますが、この防衛は夜分において巡視をするとか、何とか、そういうような方面に使われる費用だと思います。
  152. 小松勇次

    ○小松委員 この電源防衛をしなければならないとうようなことになつたのは、どういう動機からそういうことになつたのでしよう、あなたおわかりでしたらひとつお話を願いたい。
  153. 水岡平一郎

    水岡証人 これは私の方は労務部というものがございまして、そこが主管しておるわけでございます。それが大体この方面の担当をいたしております。
  154. 小松勇次

    ○小松委員 あなたにおわかりになければこれもやむを得ない。しかもこの電源防衛はあなたの方の会社の方が、この任に当つたのですか、それとも局外の人がこの防衛の任に当つたのですか。
  155. 水岡平一郎

    水岡証人 それは先ほども申し上げましたように、労務部が、全部担当しておりますので、どういう方法でやりましたという具体的なことについては私存じておりません。
  156. 小松勇次

    ○小松委員 それでは労務部のどなたに伺つたら一番よくわかるでしよう。
  157. 水岡平一郎

    水岡証人 労務関係としては労務部長の竹村というのがおります。
  158. 小松勇次

    ○小松委員 どうもさつぱりいくら伺つてもわからない。あなたは労務部長に聞かなければよくわからないと言つたけれども、先ほどどなたからかのお問いに対して、田中清玄君に金を支拂つたということを御証言なつた。田中清玄君は会社の人ではないでしよう、この人に電源防衛を依頼したのはどういう理由があつて依頼したか。
  159. 水岡平一郎

    水岡証人 田中清玄氏に電源防衛を依頼したとは私申しておりませんので、講演会を催すために依頼したと申し上げておるわけであります。それから先ほど申し上げましたように、支拂いは本社でいたしましたから、田中氏に拂つたということだけは、私記憶しておるわけであります。
  160. 小松勇次

    ○小松委員 それは私の聞き違いだつたかしれぬけれども、田中清玄君は、この雑誌に電源防衛を自分はやつたと書いておる。これは田中清玄君の書いたものです。実際田中清玄君は電源防衛の任に当らなかつたか、重ねて伺いたい。
  161. 水岡平一郎

    水岡証人 今小松委員のお問合せは、どの雑誌か存じませんけれでも、ただいま申しましたように、田中清玄氏は今の講演の方面を担当していただいたということに記憶しております。
  162. 小松勇次

    ○小松委員 講演の方だけを担当したのだから電源防衛の方の仕事はしなかつた、かように解釈してよろしいのですね。
  163. 水岡平一郎

    水岡証人 私の記憶する限りにおいては講演会費のみと存じております。
  164. 小松勇次

    ○小松委員 あなたにはおわかりにならないでしようか。田中清玄君より、そのほかに講演会の方へお手伝いをした方はないのでしよか、会社の方以外で……。
  165. 水岡平一郎

    水岡証人 この講演について、私ちよつと記憶がないのでございますが、講師として、それは田中清玄氏に依頼したわけでありますから、多少そういうふうな方面で社外の方が講師としてお立ちになつたこともあると思います。
  166. 小松勇次

    ○小松委員 役所の方でこのお手伝いをした方はありませんか。
  167. 水岡平一郎

    水岡証人 その方の方面については私存じておりません。
  168. 小松勇次

    ○小松委員 どなたに伺つたらわかるでしよう。そういうことはやはり労務部長さんですか。
  169. 水岡平一郎

    水岡証人 労務部長が担当でございますから、労務部でお聞きくだされば大体わかると思います。
  170. 小松勇次

    ○小松委員 しかしあなたは講演の方は田中清玄君にまかせてあるでしうよ。そうすると労務部長さんでもそれがわかるでしようか。田中清玄君に聞いた方が内容がよくわかるでしよう。いずれか。
  171. 水岡平一郎

    水岡証人 詳細な点はむしろ田中清玄氏にお聞きくださればわかるにはわかると思いますが、荒筋の問題その他につきましては、担当部がございますから、そこでお聞きくださればおわかりになると思います。
  172. 梨木作次郎

    ○梨木委員 日発收入先ほどの御説明損益計算書で大体承知いたしましたが、この電力料金の中には、配置電会社への売つた分と、それか直接配給しておる分とあるわけだろうと思いますが、その内容を聞きたい。
  173. 水岡平一郎

    水岡証人 梨木委員のお問合せは二十四年度でございますか。二十五年度と両方でございますか。
  174. 梨木作次郎

    ○梨木委員 もし両方がおわかりでありますれば、二十四年度と二十五年度を……。
  175. 水岡平一郎

    水岡証人 二十四年度收入といたしまして、先ほど申し上げました二百七十八億五千万の内訳でございますが、配電会社へ売りましたのが二百六十億五千万円ばかりでございます。それから直配、つまり直接に売りましたのが十七億九千万円ばかりでございます。それから二十五年度におきまして、この四月から九月までに売りましたものが、配電会社へ売りましたのが百五十三億二千万、それから直接に配給いたしました直配の分が十二億二千万円でございます。
  176. 梨木作次郎

    ○梨木委員 直配の分の大口はどういう会社でしようか。大体大きなところだけを聞かしてもらいたい。
  177. 水岡平一郎

    水岡証人 直配分はごくわずかでございまして大体昭和電工のようなものが一番大きなものだと記憶しております。その他はごく小さなものでございます。
  178. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それから雑收益の中で拂下品の收入というようなものがあると思うのでありますが、その拂下品の中で大口のものを聞かせてもらいたいと思います。
  179. 水岡平一郎

    水岡証人 拂下品と申しましても大したものはないのでございますが、二十四年度で三千九百万円あつたのでございますけれども、ちよつと内訳はここへ持つて参りませんですが、拂下品関係としては大したものはないと私は思います。ことにこれは拂下品……。
  180. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それじやこういうぐあいに伺いましよう。電線なんかを取りかえてこれを拂い下げるのじやないかと思いますが、そういうものについての收支関係ですね。
  181. 水岡平一郎

    水岡証人 今の梨木委員のお問合せなんでございますが、これは資材関係のことでございますので、経郡部直接としては今はつきり覚えておりません。
  182. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうですが、それではよろしゆうございますが、水源の培養林を伐採した收入というものはありませんですか。
  183. 水岡平一郎

    水岡証人 不動産の方としては私の方でここに載つておりますのが、水源涵養林なんかでございますが、そういうふうなものを売つた記憶は今まではありません。
  184. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ないのですね。
  185. 水岡平一郎

    水岡証人 ありません。
  186. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それから自由党へ百万円の献金がなされておるわけなんですが、そのうち日発から出されている分はどういう支出項目になつておるわけですか。
  187. 水岡平一郎

    水岡証人 それは日発から直接には出しておらないのでございます。梨木委員の御質問でありましたが、これは経営者会議という方面から出ておるわけであります。これは私の方から直接は出ておりません。
  188. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それをお聞きするのです。
  189. 水岡平一郎

    水岡証人 経営者会議としては百万円を出しておつたということはお聞き及びだと思いますが……。
  190. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だから経営者会議へ出すについてどういう費目になつておるかということを……。
  191. 水岡平一郎

    水岡証人 これは経営者会議の負担費用として私の方から出ておるわけでございますが、これは雑費として出ております。
  192. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではあなたの方で支拂いをされる場合には、どういうような書類に基いて支拂いをされるか。つまり伝票だけによるのか。伝票に何か支拂い請求についての内訳というのが入つて来るのか。そういう実務的な取引の実情を聞かせてもらいたいと思います。
  193. 水岡平一郎

    水岡証人 それは主として伝票を記帳するわけでございます。伝票によつて支拂うわけでございます。
  194. 梨木作次郎

    ○梨木委員 伝票はわかりますが、伝票にさらに何か附箋のようなものがついて来るようなことはないのですか。
  195. 水岡平一郎

    水岡証人 別に附箋はついておらないのです。伝票にはいろいろ摘要が書いてございます。
  196. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではたとえば渉外費のようなものには、内訳としてその何か摘要という欄に、だれとだれとだれがそこに参加して、相手方はだれとだれとだれを招待したとかいうようなことが書いてあるのだろうと思いますが、まずそれらのことが書いてあるかどうかを聞きたい。
  197. 水岡平一郎

    水岡証人 今の梨木委員お話でございますが、伝票にはだれとだれというふうなそんな具体的なことは書いてないのです。ただ渉外費と書いてあります。
  198. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではあなたのところへまわつて来るのは渉外費としてだけ書いてあるとしても、下の方ではだれとだれとだれが参加するというようなことは決定されておるのだろと思うのでありますが、そういうことはどこで聞けばよくわかるのですか。
  199. 水岡平一郎

    水岡証人 これはこういうふうな大きな組織を持つておる会社でございますから、それぞれの担当部課がございまして、その担当部課の責任者がこの支出を鑑査いたしまして、正当だということで会計へ参りますと、それによつて支拂うのでございます。
  200. 梨木作次郎

    ○梨木委員 先ほどからも質問がありましたが、講演費でありますが、この講演費は田中清玄氏がどこそこでどれだけの実費を支出した。その請求書を日発の方へ出しておる。こういうように聞いておるのでありますが、そういう請求書はあなたの手元へ行つておりますか。
  201. 水岡平一郎

    水岡証人 その請求書につきましては、相当部課で鑑査いたしまして、その請求書は多分その担当部課で保管しておると思います。ちよつと今その点ははつきりしておりませんが、担当部課で鑑査いたしまして、それを支拂いをするわけでございますから、多分担当部課で持つておるのじやないかと私は思つております。
  202. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その担部課の名前を聞かしてください。
  203. 水岡平一郎

    水岡証人 担当部課ですから、多分労務部だと私は思つております。
  204. 梨木作次郎

    ○梨木委員 労務部のどなたかわかりませんか。
  205. 水岡平一郎

    水岡証人 労務部ですから部長の主管にはなつておると思います。
  206. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ところで先ほどあなたは支拂いがまだ残つておる分がある。それを九月になつて精算したというような趣旨のことをおつしやつたように聞いておるのでありますが、まだ未拂い分はどれくらいあるかは、どういうように記憶されておりますか。
  207. 水岡平一郎

    水岡証人 未拂い額はどうも今確かに憶えておりませんのですが、多少精算的なものはあつたと記憶しておるのですが…。
  208. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと梨木君に御注意いたします。三時から労務担当の山本総務理事を呼んでおりますから、同じことをお聞きになるならば山本総務理事にお聞きになつた方がいいと思いますから、そのときお願いいたします。
  209. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あといくらもありませんから、簡單にやります。  ところで田中清玄氏は八月末現在で四百万円くらいまだ未拂いになつておるということでこぼしておるという話が一九五〇年の、十一月号の「産業と貿易」という雑誌に談話として載つておるのでありますが、そういうたくさんのものはまだ残つておるのでありましようか。
  210. 水岡平一郎

    水岡証人 先ほど多少の清算は残つておると申し上げたのですが、それが四百万であるか何であるかということは私存じておりませんですが、それはいずれ担当の者が参りましてお話し申し上げるかもしれませんが、幾らなつておるかということはまだ存じておりません。
  211. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたは先ほど委員長質問に対しまして、日発関係請負業者メーカーリベートを渡した事実はないということを証言されましたが、一体リベート日発がとるということはいいことなのですか、悪いことなのですか。
  212. 水岡平一郎

    水岡証人 そんなリベートを渡しはしないのでございます。また受取りもしません。これは当然そんなものをとるということは考えておりません。あり得ないことです。
  213. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あり得ないとということを聞いているのではなくて、いいか悪いかということを聞いているのだ。
  214. 水岡平一郎

    水岡証人 そんなことはわれわれの方としては全然考えてもおりませんから、どうもお答えする限りではないと思います。
  215. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だからあなたはこのリベートとつた事実はないというから、これは悪いことにきまつているのだ。悪いことを会社の方の張簿に載つけるようなことはあり得ない。あなたはリベートとつておらぬということをここで証言するが、どうしてそういうことをここで証言することができるのですか。あなた、そういうことを一一見たのですか。私はそこを聞くのです。あなたはさつき自分が経験のないことをリベートとつた事実はないと言われるが、そんなことはどうしてわかるのですか。
  216. 水岡平一郎

    水岡証人 どうも梨木委員の御質問ちよつとわからないのですか……。
  217. 梨木作次郎

    ○梨木委員 でたらめなことを言うから……。自分の経験していないことをどうして証言できるか。
  218. 水岡平一郎

    水岡証人 とつておりませんから、とつておらないと申し上げたのであります。
  219. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だからとつておらないということは、あなたは自分がとつておらないということならばそれは証言できる。しかし人がとつておるかおらないかどうしてわかる。日発関係の人がとつておらないということはどうして証言できるか。
  220. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと梨木委員に御注意申し上げますが、あなたは日発関係としておつしやつておるから、経理部長としてとつておらぬと思うからそう言ているので、そこを明瞭に言つてください。
  221. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではこう聞きましよう。日発のあなた以外の理事者あるいはその関係の係だとか、それがとつておらないということはどうしてあなたは証言できるか。
  222. 篠田弘作

    篠田委員長 それは証言する必要はない——それでは椎熊君に発言を許します。
  223. 椎熊三郎

    椎熊委員 証人にお伺いしますが、日発は二十四年度に火力発電その他に使う石炭は、価格にしてどのくらい購入しましたか。
  224. 水岡平一郎

    水岡証人 資材関係でございますからはつきり存じません。
  225. 椎熊三郎

    椎熊委員 支拂いはあなたの方で……。資材の支拂いは別ですか。
  226. 水岡平一郎

    水岡証人 支拂いは私の方でいたしますが、資材取扱いのあれは直接に私はやつておりません。それから二十四年度中使いました金は九十一億という支拂いをしている。
  227. 椎熊三郎

    椎熊委員 その次は日発が直接に石炭山を経営しておるようなのはございますか。
  228. 水岡平一郎

    水岡証人 ございません。
  229. 椎熊三郎

    椎熊委員 特に日発の発足以来、ずつと年々同じ山から買つておるというような山はありますか。
  230. 水岡平一郎

    水岡証人 引続きということはちよつと私資材関係でございませんから、その点はわからないのであります。まあ大手筋は引続いてやつておると私は思つております。どことどこだという点については、資材関係でございますから、私はちよつと覚えておりません。
  231. 椎熊三郎

    椎熊委員 購入の方法もあなたはわかりませんか。
  232. 水岡平一郎

    水岡証人 それは資材が全部担当しておるわけであります。
  233. 椎熊三郎

    椎熊委員 支拂いだけですか。
  234. 水岡平一郎

    水岡証人 支拂いだけです。支拂い支店の方で実は拂うので、ことに発電所は支店々々の管轄になつている。支店々々で支拂いますから……。
  235. 椎熊三郎

    椎熊委員 その会社全体としての総じりのようなものは、本店貸借対照表をつくるときに集まるでしよう。その全体としてはあなたはわからないか。
  236. 水岡平一郎

    水岡証人 それは今申し上げましたように、二十四年度においては九十一億円という金を拂つている。
  237. 椎熊三郎

    椎熊委員 石炭をだれから買うという点については、あなたは全然関與しませんか。
  238. 水岡平一郎

    水岡証人 資材が関係しておりますので、経理としては直接の担当でございません。
  239. 椎熊三郎

    椎熊委員 あなたにお伺いしますが、日発関係で世間に喧伝されておる陰の人物、三浦義一という人を御存じですか。
  240. 水岡平一郎

    水岡証人 私は存じ上げておりません。
  241. 椎熊三郎

    椎熊委員 会つたこともありませんか。
  242. 水岡平一郎

    水岡証人 ございません。
  243. 椎熊三郎

    椎熊委員 その人の名刺等によつて経理の方から金が出たというような事実はございませんか。
  244. 水岡平一郎

    水岡証人 ございません。
  245. 椎熊三郎

    椎熊委員 全然知りませんか。聞いたこともございませんか。
  246. 水岡平一郎

    水岡証人 三浦という人は、全然存じ上げておりません。
  247. 椎熊三郎

    椎熊委員 そういう人が存在するということも聞いておりませんか。
  248. 水岡平一郎

    水岡証人 先ほどいろいろな話で存じたというだけで、本人は存じ上げておりません。
  249. 椎熊三郎

    椎熊委員 石炭の購入費について、経理の方は全然関係がなくて、支拂い支店の方で支拂う、その総計だけがあなたの方に集まつて来るだけですか。
  250. 水岡平一郎

    水岡証人 さようでございます。
  251. 椎熊三郎

    椎熊委員 別のことを聞きますが、日発の重役の交際費はどういうふうになつておりますか。金額はどの程度でどういうふうな使い方をされておるか。
  252. 水岡平一郎

    水岡証人 それは先ほど申し上げましたように、雑扱いの中に入つておるわけであります。
  253. 椎熊三郎

    椎熊委員 その中の秘書課扱いと秘書役扱いというのがあるそうでありますが、内容はどういうことになつておりますか。
  254. 水岡平一郎

    水岡証人 それは先ほど申し上げたのでありますが、繰返して申し上げます。秘書課の方は渉外労務を扱つておる。秘書役扱いは先ほど申し上げましたように、総裁以下の役員の費用を扱つておる、こう申し上げました。
  255. 椎熊三郎

    椎熊委員 日発の総裁副総裁等の旅費はどのくらいですか。何か規定がありますか。
  256. 水岡平一郎

    水岡証人 これは規定としては役員関係旅費の規定はございますが、一体幾ら使うかというようなことについての何はきまつておらない。
  257. 椎熊三郎

    椎熊委員 実費支給ですか。
  258. 水岡平一郎

    水岡証人 そうでございます。大体役員の規定によりまして車なら車の日当実費、宿泊料は幾らという規定があるので、その規定によつて……。
  259. 椎熊三郎

    椎熊委員 総裁がたとえば九州まで出張して往復一週間かかるという場合には普通幾らですか。
  260. 水岡平一郎

    水岡証人 その点を覚えておりませんが、要するに車馬賃その他の費用を一切含めます。
  261. 椎熊三郎

    椎熊委員 実はこういうことを聞くのは、昨年九州旅行の際にはごく短い期間であつたが数百万円を使つたといううわさがある。それがその地方における関係官庁の主として饗応費に使つたといううわさです。はたしてそういう事実があるかどうかと思いまして、そういう金はどういうことで出て行きますか。
  262. 水岡平一郎

    水岡証人 ただいま椎熊委員お話でございまするが、そういう大きな金は使われておりません。
  263. 椎熊三郎

    椎熊委員 東京都内等で接待費などは現金で拂うのではなく、会社に請求書が来てあなたの方で拂うか、あるいは秘書課、祕書役の方で拂うのですか。
  264. 水岡平一郎

    水岡証人 取扱いとしては秘書課ないし総務部、そういうような取扱いの部がございます。そこから支拂うことにいたしております。
  265. 椎熊三郎

    椎熊委員 通商産業省関係の役人との間にしばしば飲食を共にしておるということを聞くのでありますが、そういう事実がありますか。
  266. 水岡平一郎

    水岡証人 飲食を共にするという事実は私は存じておりません。
  267. 椎熊三郎

    椎熊委員 あなたはそういう宴会に出席されたこともございませんか。
  268. 水岡平一郎

    水岡証人 会社に参られまして、いろいろ会合を催されたり何かして打合せなどがございます。そういう場合は晝飯程度のものとか、あるいはまた六時ぐらいになれば、夕飯くらいの程度のごく簡單なものを差上げたことはあると思います。会社で会食したということは私覚えておりません。
  269. 椎熊三郎

    椎熊委員 実はなぜこういうことを聞くかというと、通産省の電力関係の役人が築地の有名な某待合に出入りしておつて、その支拂い金額は相当のものに上る。役所の実際費あるいは役人の收入等ではまかない切れない厖大なものである。それはほとんど全部日発が跡始末をやつておるといううわさがありますから、そういう事実があつたかどうか。
  270. 水岡平一郎

    水岡証人 そういう事実は私は存じません。
  271. 横田甚太郎

    ○横田委員 当委員会の証人としましては、あとで山本さんと平井さんが来られるように決定しておるわけでございます。この人たちにも聞くのでありますが、今あなた一人おられますから、まずあなたに聞きたいことは、日発が日々使います諸雑品の買入れ状況、それから水源培養林、あるいは七百七十万円——一時おもによく言われた考査委員会の官庁関係その他の接待に使つた金の内容、あるいは労務対策費三千余万円あるいは七百七十余万円の渉外費、こういうことはだれが一番よく知つておられますか。あなたは知つておられないことがあまり多いのでちよつと伺つてきおきたい。
  272. 水岡平一郎

    水岡証人 これはそれぞれ先ほど説明申したところで、担当部課が取扱つておるわけでございます。担当部のところでわかります。労務対策費については先ほど委員長から申し上げられましたように、次に出て参ります山本総務理事お話申し上げると思つております。
  273. 横田甚太郎

    ○横田委員 担当の内容なんですが、その担当というのはこのあとに来られる三人の方で大体わかるという意味ですか。それとも直接それに携わつておる係長とか、あるいは現場の方に聞かなければわからぬということを証言されるといふ意味ですか。
  274. 水岡平一郎

    水岡証人 本店でわかります分はその担当部長がわかつておるわけです。
  275. 横田甚太郎

    ○横田委員 その担当部長に尋ね合せ、担当部長にきのう答弁をいただいた。そうして問い合せましたところの答弁といふものが非常に不満足なんです。一例を申し上げますと、考査委員会のことですが、この考査委員会は当委員会のことではないのでありまして、日発にできておりますところの考査委員会のことですが、当方ではこの考査委員会があるということはきのう初めてわかつたのでございます。その考査委員会は一体どういうことをやつておられますかということをすぐに事務局の人に尋ね合せに行つてもらつた。そういたしますと、読んでもいいのですが、ここに来ておりますところの報告は子供にさえも笑われるような実にでたらめしごくの報告である。だから日発経理は非常に疑わしい点がある。担当の内容は具体的にいわゆる三人の方でわかるのですか。それとも現場まで行かなければわからないのですか。こういうことをただしてみると、これは言うていることはみなうそです。もつともつとほんとうの帳簿はほかにあるんだ。今の帳簿は非常にごまかしがある。ごまかした内容をわからなくしたのが今の帳簿である。こう認定する。それで担当の内容を聞きたい。
  276. 水岡平一郎

    水岡証人 今横田委員の御質問でございますが、二重帳簿というふうなものは私の方は絶対に持つておりません。このような大きな組織を持つております会計においては二重帳簿というものは絶対にできないと思います。  それから担当部課と申しましても、問題は私の方としても相当広範囲の仕事をしておるわけでございますから、それぞれやはり労務関係は労務部長が担当するとか、あるいは総務関係のことは総務部長が担当するということになつております。その方面でお聞き合せくだされば大体所管事項はわかると思います。
  277. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体では満足できないのです。秘密書類を持つておるかと聞けば秘密書類は持つておらないと言うのはあたりまえです。秘密書類を持つておると言つたら秘密書類ではない。そういうばかげた質問や答弁ばかりしておる。私は考査委員会の事務局の調べそれ自体に対して疑問を持つておるのです。  それから疑わなければならないようなこういう一例があるのです。たとえば日発の仕事自体に疑わしい点がある。先ほど梨木委員質問にもございましたように、日発昭和電工に対しまして直接にいわゆる送電をしておる。これは事実ですね。その送電の場合は、たしか私の調査によりますと、これは当衆議院の農林委員会の連中も行つて来たのですが、その人たちの調査によりますと、ここでは大口電力割当の場合一キロ五十九銭、これが過剩電力という名前がつけられますと、一キロ三十九銭になつておる。こうなると二十銭安くなる。これは深夜に送電されるらしいのです。これは事実であるか、事実でないか、簡單に答えていただきたい。
  278. 水岡平一郎

    水岡証人 それは業務の担当でございまして、経理としては直接そういうことは存じません。ことに業務は関東支店の方が直接担当になつておるわけであります。
  279. 横田甚太郎

    ○横田委員 業務はどなたですか。
  280. 水岡平一郎

    水岡証人 業務本店業務部長がやつております。直接の取引の関係としては関東支店が取扱つておるわけであります。
  281. 横田甚太郎

    ○横田委員 こういうように一キロについて二十銭安いところの電力はふしぎにも夜間に送電されておる。そうして昭和電工は夜間にどんどん使う。農林委員会の連中が参りますと、これでやりますと非常に硫安が安くできるのでございますが、これでやつておるうちにときどき電話がかかるのです。なぜかというと、神奈川全体が電圧が非常に低くなる。電燈が暗くなるからちよつとやめてくださいというと、やめるのです。そうすると神奈川全体の電気が明るくなる。そういような奇々怪々な送電と料金方法等がやられておるのです。こういうことを徹底的に掘り下げて調べない限りは、あなた方のように帳簿と小切手の中にうずくまつて、そうして人の答弁をごまかすことばかり考えておる人相手ではとても問題の本質がわかりつこない。それでこの事件にまつわる……。
  282. 篠田弘作

    篠田委員長 横田君に御注意いたしますが、あなたは意見を述べておるのであつて証言を求めておることにはなりません。あなたの意見を聞くために委員会を開いておるのではありません。
  283. 横田甚太郎

    ○横田委員 委員長、あなたの説明もまたあまり多いのです。だから考査委員会の事務局が一体どう調査しておりますか。大体たくさんの人員を使つて帳簿を調べたりしたけれども、取上げるものは何もございませんといつて、これが常に、あなたの前提になつておる。私のは意見以上の意見にはならない。
  284. 篠田弘作

    篠田委員長 本日は証人を喚問して証言を求めておるのであつて考査委員会の事務局がどうであるとか、あなたの意見を聞くというのではないのでありますから、あなたの意見がまだ続くなら発言を中止させます——もつと上手に聞いてもらいたい。
  285. 横田甚太郎

    ○横田委員 上手に言うことをけいこ中なのです。
  286. 篠田弘作

    篠田委員長 それではかわつてもらいましよう。
  287. 横田甚太郎

    ○横田委員 まだ五分間もやつていない……。
  288. 篠田弘作

    篠田委員長 もうやつております。とにかくあなたの意見を吐くためにやるのではない。
  289. 横田甚太郎

    ○横田委員 百五十万円やつておりますかと聞けば、もらいませんというのはあたりまえです。そんなばかなことばかり聞いておれますか、やつたというのにはずつと根本からあげて来なければ——それでは他のことを聞きますよ。
  290. 篠田弘作

    篠田委員長 君が言うのではなく、聞いてもらいたい。
  291. 横田甚太郎

    ○横田委員 星野安之助という人を御存じですか。
  292. 水岡平一郎

    水岡証人 何か請負関係の方でございますか。
  293. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういう概念は入れません。
  294. 水岡平一郎

    水岡証人 星野安之助さんという方は直接知つておりません。
  295. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしますと三建工業は御存じですか。
  296. 水岡平一郎

    水岡証人 三建工業というのは私の方の請負いをやつておりますから知つております。
  297. 横田甚太郎

    ○横田委員 その三建工業の星野安之助さんと言つたら御存じでしよう。
  298. 水岡平一郎

    水岡証人 そういう言えば名前は承つたことがありますが、本人については私直接よく存じておる方じやないのです。
  299. 横田甚太郎

    ○横田委員 この方が昭和二十三年十月に協和銀行から二千五百万円の金を引出しておる、その中の一千万円を三浦君に貸しておるという、私の聞きたいのはこの二千五百万円は日発工事とか器材購入に関係があつたかなかつたか、これを聞きたい。
  300. 水岡平一郎

    水岡証人 その三建工業に対して幾らつたかというお問いですが、私としては今その点はちよつとわかりません。
  301. 横田甚太郎

    ○横田委員 だれに聞いたらわかりますか。経理じやないのですね、経理は一体何をやつているんですか。
  302. 水岡平一郎

    水岡証人 どうも三建工業に対して幾らつたかということを言われてもちよつとここで申し上げられません。
  303. 横田甚太郎

    ○横田委員 二千五百万円を聞いておるのではない、拂つた覚えがあるかないか。
  304. 水岡平一郎

    水岡証人 今二千五百万円拂つたかとおつしやつても、事実いつ拂つたのか、どの期間に拂つたのかということについてはお答えすることはできません。
  305. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすれば二千五百万円を拂つたか拂つていないかということは、後ほどになつてあなたに調べてもらつたらわかるのですか。それともあなたではわからないが、他の人ならばわかるというのですか。
  306. 水岡平一郎

    水岡証人 金額のことについてはわかりませんが、三建工業に対してはもちろんこれは請負付託をしておりますから、出来高に対して支拂つておるということはあると思います。
  307. 横田甚太郎

    ○横田委員 あると思うことを具体的に現わすためにだれに聞いたらわかりますか。二千五百万円というはした金は経理の中ではないのですか。
  308. 水岡平一郎

    水岡証人 支拂つた事実については、それは出来高の支拂いでございますから、何月から何月までに三建工業に対してどれだけの支拂いをしたかということについては調べればわかります。
  309. 横田甚太郎

    ○横田委員 それはいつごろ知らしていただけますか。
  310. 水岡平一郎

    水岡証人 私の調べますのは、二千五百万円という金額に相当するのが何月から何月ということでおつしやつていただきませんと……。
  311. 横田甚太郎

    ○横田委員 さきに申しましたように二十三年の十月からですよ。
  312. 水岡平一郎

    水岡証人 十月に拂つた金ですか——ちよつと覚えておりませんが、帰つて調べればわかると思います。
  313. 横田甚太郎

    ○横田委員 それから梨木君も尋ねましたが、請求書に附箋というものが前にはついておつたようと思いますが、これはいつごろからあなたが言われましたように請求書の摘要欄に書くようになつて、附箋というようなものをつけなくなつたのですか。
  314. 水岡平一郎

    水岡証人 附箋という意味がわからないのですが……。
  315. 横田甚太郎

    ○横田委員 注意書ですね。
  316. 水岡平一郎

    水岡証人 そんなものは伝票には最初からついておりません。
  317. 横田甚太郎

    ○横田委員 ついておつたと言つた人はうそを言つてつたのですか。
  318. 水岡平一郎

    水岡証人 附箋というのはちよつと覚えておりません。
  319. 横田甚太郎

    ○横田委員 お宅ではずいぶん薄情に従業員の首をお切りになつたが、その中には附箋を書かされた人もありますが、その人を証人に呼んで、書いておつたということがわかつても、うそだと言い切れますか。
  320. 水岡平一郎

    水岡証人 どうもその点はつきりしないのですが、伝票に附箋をつけてまわすというふうなことはないと思います。
  321. 横田甚太郎

    ○横田委員 附箋というのは問題ではない、内容が問題なのですが、これを調べて行かないと、七百七十余万円というものもわからないし、先に出ました千四百五十万円の内容もわからぬのです。こんな質問をしたらまたあなた方は笑うでしようが、しかしこれをはつきりして行かないと、次に質問するようなばかげたことを言わなければならぬ。千四百五十万円はおもに渉外関係使つたと報告されておる。しかし渉外関係の内容の一端を見ますと、占領軍の人たちとともに、あるいは民間の外人とともに、電源地の視察に行つておることは事実であります。その行つておるときに、芸者を買うて遊んでおる。そうして必要以上に滯在をして、ばかげた金を使つて、これは渉外関係の金に便つたと報告されておる。行つておる外人の数は少く、日本の人の方が多い。これの内容は、大体三分の二は日本人が使つたということを、あなた方が首を切つたところの従業員が告白しておるのであります。ここでこれを言うと、また共産党の宣伝だと思われますから言いませんが、千四百五十万円を渉外関係使つた、そうして日本人がこれに便乘して使つておる。そうした不正な、使わぬでもいい金を使つておる。そうしてわれわれは長い間統制経済のもとに苦しめられて来た。そこで聞きたいのは、千四百五十万円のこの問題を聞くためには、お使いになつた内容を説明するところのものが、請求書の中にこまかく書いてあるか書いてないかということをもう一回答えてもらいたい。
  322. 水岡平一郎

    水岡証人 どうも伝票面については、そういうふうなどういうふうにしてどういうような人が行つたということは書いてありません。それは明らかに渉外費として書いてありますが、別段その内容については書いてございません。
  323. 横田甚太郎

    ○横田委員 渉外費といえば何でも金を出してくれるのですか。渉外費には渉外費のおそらくわくがあるでしよう。何がためにあなた方は日発考査委員会を設けてほめる人とほめない人をきめておるのですか。その考査委員会の規定を見せていただけませんがというと、ふしぎなことには罰則の規定がみな燒けてしまつてその規定はございませんと言う。そういうようなばかなことを言つておるあなたにはもう聞きませんが、とにかく、あなた方がこういうふうなルーズな経理をやつておるために、日本の電燈は消えてしまつて、われわれ国民大衆は困らせられるのです。私はもうこれ以上聞きません。
  324. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 社用雑費関係先ほど皆さんから聞かれただろうと思いますけれども、重複を避けて、秘書役扱いというものが社用雑費の中にありますが、この秘書役扱い七百七十二万円というのですが、これは一体どういう方法——先ほどの猪俣君に対する証言では、役人関係ではない、重役関係経費として使われておる、こういう証言があつたようでありますけれども、これはどういう方法でお出しになつておるのですか伺いたい。
  325. 水岡平一郎

    水岡証人 これは今秘書役扱いが七百七十万円とおつしやつておりますが、七百七万円だと思います。これは秘書役が責任をもつて使つておるわけでございまして、その内容にいては先ほども申しましたように秘書役がその請求をしておるわけであります。担当としては先ほど申し上げました前秘書役がそれを取扱つておるわけであります。
  326. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは秘書役の方でそれを扱つておるとすれば、経理部長のところからこの金を持つて行くときには、どういう方法で持つて行くのですか。
  327. 水岡平一郎

    水岡証人 秘書役から請求されました金を、秘書役の領收書で出しておるわけでございます。
  328. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そうすると秘書役がその経費が必要である場合、そのたびごとに領收書とか、その他のものを持つてつて、あなたの方に請求をするのですか。あるいは定期的にでもするのですか。どういうような方法ですか。
  329. 水岡平一郎

    水岡証人 定期的に渡しております。
  330. 篠田弘作

    篠田委員長 今あなたは七百七万円と証言されましたが、これは七百十七万円ですね、
  331. 水岡平一郎

    水岡証人 七百十七万円であります。
  332. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 定期的にというと、毎月に一ぺんですか。いろいろ定期的にもあれがあると思うのですが、どういうようになつておりますか。
  333. 水岡平一郎

    水岡証人 定期的と申し上げましても、そのはつきりした定期というほどのものでもございません。たとえば二箇月に一ぺんとかなんとかいうことで出しておるわけであります。必ずしもそれは二箇月に一ぺんだとかいうことになつておりませんが、ある区間を区切つて出しておるということでございます。
  334. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そういたしますと、あなたの方に秘書役扱いから、定期的か何かわからないが幾らの金を出してくれといつて請求があると思うのですが、秘書役扱いの方で請求して来た場合には、無制限に出すのですか。何か具体的にこういう分にかかるから、定期的に出してくれとか、一月何万円なら何万円出してくれ、こういうことなら具体的にどういうものにかかるということがわからないにしても、あなた方でお出しになられるのでしようか。定期的ではない、やや半不定期的であるというあなたの証言ですが、何かほんとうに必要であるという根拠があなた方におわかりにならないと、お出しになれないじやないかと思います。これはわれわれの常識だと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
  335. 水岡平一郎

    水岡証人 これは無制限に出すということではないのでございまして、もちろん予算というようなものも見ているわけでありますから、その範囲内において秘書役の請求するものを出しているわけであります。
  336. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それで先ほど二月とか三月とかいろいろ言われましたが、大体の基準予算というものがあれば、一箇月に秘書役扱いにはどれだけの限度をマキシマムとして出さなければならないという見当があると思いますが、月額としてどういうようになつておりますか。あるいはその基準はどういうようになつているか。この点をもう少し明確にお話を願いたい。
  337. 水岡平一郎

    水岡証人 二十四年度で出しました金は四百五十万と先ほど申し上げましたが、二十五年度は五箇月で二百五十万ということで、七百十万くらいの金が出ていると先ほど申し上げたわけであります。大体二十四年度に出しましたこの金が秘書役扱いとしての金になつているわけであります。
  338. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 あなたはいつから日発経理部長か知りませんが、二十四年度が秘書役扱いの基準であつて、二十三年度、二十二年度は秘書役扱いの金はなかつた。それはあつたとしても二十四年度が基準になつている。こういうことにあなたの御証言だとなるわけですが……。
  339. 水岡平一郎

    水岡証人 そういう意味ではないのでございます。大体二十四年度の扱いとしましてはその金が出たというのであります。二十三年度は二十三年度予算がありましたから、その予算で出したということであります。二十四年度に出しました金が大体その程度である。こういうことを申し上げているのであります。
  340. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 私の調べたところによると、二十三年度は三百六十二万円、二十二年度は百八十一万円、こういう数字が出ているのですが、二十四年度を基準にしてやつたというようなことで、先ほど私の伺つたことをあいまいにされているわけですが、使途不明の秘書役扱いの金を出すならば大体毎月どれくらい出すというような基準がなければならないと思う。あなたは二箇月に一ぺん拂つた場合もあるというようなお話であるが、年額四百六十万円の予算の中で、月額幾らであるからどうなつている。こういうような形になつて来なければ、二箇月分一ぺんに拂つたとか、あるいは使つたときに出すのだというようなあいまいな話しか証言できないことになると思うのであります。もう少しその点をはつきり、二十四年度なり二十五年度の分としては、月額としてどういうようになるのか。基準はどういう点に置いているのか。秘書役扱いという名目だけで、使途のわからない、秘書役に一任された金を出している限り、経理部長として、そういう何か基準があるだろうと思うのですが、この点はどうなんですか。
  341. 水岡平一郎

    水岡証人 基準は先ほど申し上げましたように、もちろん予算の範囲内が一つの基準になつているわけでございますが、二箇月に一ぺん出すとか三箇月に一ぺん出す金の金額はきまつておらないわけであります。もちろんこの予算の範囲内で秘書役の請求します金を出しております。支出につきましては秘書役が全部責任をもつて管理しているわけであります。そういうところで出しております。
  342. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじやこの点は秘書役を呼んだら明らかになるだろうと思うのですが……。その秘書役が預かつた金をどれに使つたかという点は、もちろん秘書役に証言を求めれば明らかになると思うのですが、この点はどうですか。
  343. 水岡平一郎

    水岡証人 秘書役が全部それはわかつていることと思います。
  344. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一つ、社用雑費関係で伺います。総務課扱いというのがあるように伺つておりますが、この総務課扱いというものは二十四年、二十五年は大体どれくらいになつておりますか。
  345. 水岡平一郎

    水岡証人 総務課扱いは先ほど申し上げてありますが、二十四年度では千八百六十万円ばかり出ております。二十五年度におきましては、四月から八月でございますが、四百三十万円ばかり出ております。合せまして今まで二千三百万ばかり出ているわけであります。
  346. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 二十四年度は千八百万円ですか。われわれの調査によれば千五百八十万円のはずですが、どうですか。御証言願います。
  347. 篠田弘作

    篠田委員長 岡田君、事務局の調査と大西総裁の証言は千八百六十万となつております。
  348. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そうですか。それでは額はよろしいです。それではこの総務課の金は、どういう形で使われて行つているのか。これは先ほどあるいは御証言があつたかもしれませんが、証言があつたとすれば簡單に願いたいと思います。
  349. 水岡平一郎

    水岡証人 これは先ほど申し上げたわけでありますが、その内容と申しますのは、社内会合費とか、あるいは研究会合費とか、あるいは事務連絡費、緊急事務処理費、そういうものを含めました金が取扱われておるのでございまして、主管部は総務課が取扱つております。
  350. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 これは秘書役扱いの場合と同じように、使途不明の予算を立てて、そのうち二箇月に一ぺんとか、月に一ぺんとかいうようにして、お渡しになつているのですか、どうですか。
  351. 水岡平一郎

    水岡証人 これは秘書役扱いの場合と違いまして、その都度支拂つております。
  352. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではその関係の伝票——そういう請求をして参りました場合、あなたの方へそういう経費がかかつたというものを持つて参りまして、それによつて決裁するということになつておるのですか。
  353. 水岡平一郎

    水岡証人 主管部課で監査いたしまして、正当な支出であるということで請求して参ります。それによつて拂うのであります。
  354. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それから先ほど委員長から証言を求められたときに、不明確な答弁をされたようでありますが、運動費の内容であります。これは櫻井副総裁その他の証言もあるのですが、日発の内部に職制として再編成審議会というのがあるはずなのですが、この再編成審議会の経費は、経理部の担当としてお出しになつておるのかどうか、この点を伺いたいと思います。
  355. 水岡平一郎

    水岡証人 再編成審議会のあれは職制としてあつたわけでございますが、それを担当しておりますのは、それぞれの所管部課がございます。たとえば調査部だとか総務部だとかいうもので、いろいろ関係しておつたのでございます。その費用の取扱いについては大体総務の方で取扱つておるわけであります。
  356. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 総務で扱つているというと、総務課の経費の中に入つているというお話でありますか、どうなんですか。
  357. 水岡平一郎

    水岡証人 パンフレツト代というようなものについても、先ほど申し上げましたように、消耗品とか何とかいうふうな費目で出ております。それからその他の費用につきましても、総務が担当しているからそれぞれの当該費目で整理されておるということであります。
  358. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 総務課の中の経費を費目別にわけて、その中から再編成審議会にかかる経費を、その中で費目別にわけて支出しているというような今の証言つたと思うのでありますが、しかも職制が設けられて、再編成審議会の委員長は副総裁であるということを櫻井副総裁自身が証言されておりますし、再編成審議会だけの経費というのが総務課の中にはあるのではありませんか。
  359. 水岡平一郎

    水岡証人 特に再編成審議会としての経費は別途に支出はしておりません。全体として総務課の中で処理されておるわけです。
  360. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは再編成審議会の経費がどれだけかかつたという概数は総務課の方で調べればわかるはずだと思うのですが、それはどうでございますか。
  361. 水岡平一郎

    水岡証人 先ほど委員長からもそのお問合せがあつたわけなのでございますが、再編成審議会としての費用は別途に経理はしておりませんから、それが幾らであるかということはわかりかねます。
  362. 篠田弘作

    篠田委員長 これにて証人水岡平一郎君に対する尋問は終了いたしました。証人には長時間御苦労さまでありました。  次に、日本発送電株式会社総務理事山太善次君より証言を求めることにいたします。ただいまお見えになつていらつしやるのは山本善次さんですね。
  363. 山本善次

    ○山本証人 さようでございます。
  364. 篠田弘作

    篠田委員長 これより電力編成問題について証言を求めることになりますが、証言を求むる前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて默秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陣述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知なつていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人山本善次君朗読〕    宣 誓 書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  365. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  366. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。なおこれから証言を求められておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人の略歴について述べてください。
  367. 山本善次

    ○山本証人 大正八年東京帝国大学工学部電気工学科卒業、ただちに宇治川電気株式会社に入社、十九年勤務をいたしまして、昭和十三年十月日本発送電株式会社設立事務所に入所いたしました。昭和十四年四月一日日本発送電株式会社創立と同時に日本発送電株式会社に入社いたしました。引続き勤務いたしております。ただいまの仕事は日本発送電株式会社総務理事でございます。
  368. 篠田弘作

    篠田委員長 日発は多額の労務対策費及び電源防衛費支出しておるようでありますが、これを支出するに至つた事情、あるいはその支出方法金額支出先等について証言を願います。
  369. 山本善次

    ○山本証人 電気事業は約二年ほど前から会社の仕事に協力していただけない危險な考えを持つておる方々の排除を考えておりましたが、この整理をいたします場合、どうしても電力の供給を停止することはできませず、何か現場におきまして不注意が起つたりいたしまして、事故が起るということは非常に重大なことの起る原因になると考えまして、また世間からも強くかかる事故の発生しないことを要請されておつたわけでございます。この職場を守つて行く、発電所、送電線変電所を守つて行く、事故のないようにするということはまず非常に大切だと思いまして……。
  370. 梨木作次郎

    ○梨木委員 委員長、今一々メモを見ては発言しておりますが、それでは証言になりません。
  371. 篠田弘作

    篠田委員長 資料を見ることは許してあります。     〔「それじや証言になりやせぬ」と呼ぶ者あり〕
  372. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そんなものは証言にならぬ。朗読じやないか。
  373. 篠田弘作

    篠田委員長 そんなことはかまわず、見てやつてください。
  374. 山本善次

    ○山本証人 電源の事故の起らないことを非常に念願いたしました。また世間一般からも、その事故の起らぬことの要求が非常に強かつたのでございます。ところが、終戰後職場の人たちの中には、職場を愛する、大切にするという心持ちがだんだんと薄らいでおつたとわれわれは考えまして、これらの考え方を是正しなければならぬと考えました。それらのために、またどういうふうにして整理をするかということの事務手続、あるいは研究、これらの対策をとるために、支店あるいはその下部の支社、あるいは現場、これらに対しましていろいろと連絡をする、協議をする、対策を立てる、ときには印刷物をつくる、会合をするというようなために、相当の費用がいるのでございまして、これらは本店から直接に支給する方がいいと考えまして、本店から直接に支店長へそれらの金を渡しまして、整理に必要ないろいろの準備のための費用として使つたのでございます。金額は二十四年度に一千八百万円、二十五年度に七百七十万円、合計二千五百七十万円ほど使用されております。これは期間が十七箇月間でございまして、非常に長期にわたつております。一箇月に平均しますと非常に少いのでございまして、全日発百五十万円ほどの月当りの金額でございます。支店がまた九つでございますから、十箇所の店と考えますと、一店あたり一箇月十五万円になつておると思います。支店の下に支社がありますが、支社と申しますと支店より小さいのでございまして、支店の下に四支社、あるいは五つ、平均いたしますと四・五ぐらいになりますから、一支社一箇月三万円か四万円の金額になるのでございますが、これらの費用は、先ほど申し上げました通り印刷物あるいは通信、交通費、対策の打合せの費用、情報の收集のため、あるいは作業場の費用、その他に使つたものでございまして、決して従業員の方に金を渡したり組合の方に金を渡しておるものではございません。発送電の現場といたしますと、小石川に本店がございまして、支店が九つございます。研究所が一箇所ございます。支店の直接の機関といたしまして、現業の工事機関が百十四ございます。支店の下におります支社が三十九ございまして、支社の管轄いたしております現場が、千九百二十一ございます。これは散宿所とか、あるいは保線の詰所とか、保線区とかいつたようなもの、もちろん変電所発電所、これらを全部ひつくるめての職場の数でございますが、大なり小なりいろいろたくさんありますが、千九百二十一ございます。これらを合計いたしますと、二千、以上の職場の数になりまして、この二千以上の職場は日本全国にばらまかれております。それらを対象とする費用でございますので、その職場一單位当りは非常に少い金になるだろうと思つております。これは本店から支店長に渡されまして、そうして支店長がそれぞれの機関を通じて準備をしたために使つたお金でございます。  一方労務対策のもう一つの費用といたしまして、思想の啓蒙のために使つた費用がございます。これはそれらの間違つた考えを持つておる人たちに、何とかして正しい考えを持つて、われわれの考えと同様な考えで働いていただきたい、こういう気持でまず啓蒙をやるということを考えましたのでございまして、主としてお願いしましたのは田中清玄氏にお願いしまして、そうして講演会をやつていただいたのでございます。講演会をやりましたところは、福島県の猪苗代地区が最初に取上げられまして、また東北の仙台、秋田その他においても講演会をしていたださました。それから関東におきましては、群馬県の利根川の上流にございます発電所、これを対象として講演会をしていただいた次第でございます。それから長野県の木曽川、ここにもたくさんの発電所がございまして、その発電所を対象として講演会をしたのであります。なお名古屋の市には二つの大事な火力発電所がございまして、そこでも講演会をいたしました。その職場の地域は非常に広うございまして、職場の数も非常にたくさんございます。発電所の数で八十箇所気力電力がございますし、発電所の全出力を考えますと、百六十万キロほどに相なります。職員の数全体を調べますと、四千二百人からになつております。そういうわけで、個々の講演会は、昨年の夏ごろから講演の準備をいたしました。そうして暦年の昭和二十四年中に田中清玄氏が使用しましたそれらの講演の準備、あるいは昨年中の講演の回数は覚えておりませんが、それらの費用につきましては田中氏は請求はしませんでした。昭和二十五年に入りまして、いよいよ整理も間近くやらなければならぬというふうに考えますし、また講演会の度数もいよいよ重つて参りました、それで田中清玄氏が負担することはとうていできないとわれわれも考えまして、どうしても会社から負担すべき金であると考えましたので、その講演会費用昭和二十五年から会社で支出することにいたしました。それでこの講演会の計画は、私どもの支店関係支店は関東支店、それから東北支店、東海支店でございますが、それらの支店において講演会の立案をいたしました。予算もつくりました。これを本店に持参いたしまして、協議を支店から求めて参ります。本店では関係の部の者が集まりましてこれを調べまして、田中氏の方及び支店の方へ、この計画でやつていただきたいということを通知したわけでございます。支拂い方法でございますが、請求書つまり精算書でございますが、いろいろの方面使つた金の精算書を持つて見せに参りました。これは支店長がよく調べまして、査閲いたしまして、これを本店に持参いたしまして本店で、これをさらに先ほど申し上げました関係の部で調べまして、それの支拂の手続をして、その都度支拂つたわけでございます。予算を立つたり計画を立てているうちに、実際の現場の講演会というものは相当進まなければならぬのでございまして、金の支拂いはかなり遅れまして、相当遅れたときには二箇月ぐらいあとでお拂いしたと思います。それで田中氏もずいぶん費用の点で困つたことだと思いますが、できるだけわれわれも精査し、そうして支拂いをしたわけであります。この金は、本年の八月で一千九十万円ほど支出いたしておるわけでございます。それで講演会費用は、多額のように思われるかもしれませんけれども、これは決して不当に支出したものでございません。関係支店長はもとより、関係の部でこれを調べ、私も見まして、そうして支拂つていいと判断したときは、副総裁の櫻井さんの承認を得まして、その都度支拂いをいたしました。領收書をとりましたが、領收書は田中氏の指名によりまして、その人の会社の常務の伏見二郎さんの名前で領收書をもらつて支拂つておる次第でございます。長期にわたつた講演会でございまして、三百回近く講演会をいたしました。講演会と申しましても、單なる講演会でございませんで、ずいぶんいなかの発電所にもたずねて行つたわけでございます。それから時間も相当長時間にわたつて講演をやつております。また講演会のあとには懇談会までやつたというようなわけでございまして相当の費用がかかつたことはいたしかたなかつたと思います。大体そういうことにお拂いしました。
  375. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたの方から労務対策費というものが出ておる。講演会の田中清玄君に渡された千九十余万円の、いわゆる電力防衛講演会費用というものは、受取人もはつきりしておるけれども、そのほか二千何百万円からの労務対策資は、支店長まで渡されたことは伝票もあるけれども、支店長がそれから先に使つたものについてはどこへ使われているかわからない。しかるにあなたの今の御説明を聞いてみると、職場だけでも千九百二十一ある。そうすればたとい二千数百万円の金を使つたとしても、一職場あたり一万円ぐらいのものであつて、大したものではない。しかもそれが印刷費であるとか、正当なものに使われておるならば、なぜそれを伝票なり何なりにして、受取人をはつきりしておかないのであるか。何かそういう支店長から先に伝票もない、領收書もないというところに、その労務対策費というものの使途が非常に不明確であるということで、いろいろなうわさも立ち、迷惑も受けておるわけなんである。何のために、そういうあなたが説明されたような明確なる使途のもとに、しかも千九百二十一箇所もある職場に印刷費やその他の懇談費にしてもいい、渡されておる。しかも一職場あたりがわずか一万円そこそこだ。そういうようなものに対して、なぜ受取をとらないでおかれるのか、なぜ伝票を作成されないのかということについて、御説明願いたい。
  376. 山本善次

    ○山本証人 職場の数を申し上げましたのは、その職場にまんべんなく印刷費をわけたとか、集会の費用をわけたいということではございませんので、ただ対象になる職場がどれほどあつて、そしてそれが全国に散らばつておるということを申し上げた次第であります。支店長が金を受取りまして、そしていろいろのこの整理の作業は非常にひそかにやらなければならぬ仕事だと私ども判断いたしました。いろいろ現場に不安なことがあつてもいけませんし、その整理をやるいうことを打ち明けて調査をするわけでございません。これらの仕事はきわめて緊密にやらなければならぬということでございまして、直接支店長がいろいろ仕事をいたします場合に、一々領收書をとるとか何とかということも、できたものもあるかもしれませんが、そういうことをする必要もないと私どもも考えまして、それらの証拠書類は残してない次第でございます。拂い切りと申しますか、これでひとつ間違いなく金を支出して大切に使つてやるように、こういうことで、支店長責任において使用するように申し伝えておつたわけでございまして、決して支店長はこれを乱費したとか、不当なところに使つておるとは考えておらぬのでございまして、支店長以下を信じてわれわれは渡したのでございます。
  377. 篠田弘作

    篠田委員長 そういう労務対策費の中から、政党献金あるいは政治家に対する献金なんというものはないでしようね。ありますか。
  378. 山本善次

    ○山本証人 先ほど申しました二千五万円の金は、金額にして一束に申しますと、非常に大金でございます。しかしながら全国にわたる職場を持ちまして、非常に大きな仕事をやつており、しかも一年七箇月間のこの準備期間、及び最後の瞬間まで使われておる金でございますから、それらの金は決して政治献金のごときに使うことはできない、また使うほどのゆとりはないとも考えますし、また私どもの信ずる支店長及びそれ以下の人たちは、かかることをすることのない人ばかりだと考えて信じておりますので、そういうことはないと思います。
  379. 篠田弘作

    篠田委員長 日発社用雑費の名目で機密費、交際費を支出しておる。昭和二十四年度、二十五年度、最近までの分で、一体どのくらいその機密費というものが支出されておりますか。特にあなたは総務理事ですから、総務関係の分についてよく言つていただきたい。
  380. 山本善次

    ○山本証人 先ほど申し落したわけでございますが、総務理事は実は二人おりまして、総務課の仕事はもう一人の、ただいま副総裁になりました森総務理事の範囲でございまして、私は総務部の方の仕事は、所管といいますか、分担いたしておりませんでございますから、私の聞いておるところを申し上げます。総務部の例の機密費は、実は機密費という名前で会計処理はしておりませんので、雑費として処理しております。社用雑費でございます。これらは、会社の役員でない者の会合の費用、緊急な用事のある場合の費用、あるいは多少の交際の場合の金、それから社内的の会合、事務連絡の費用、緊急に処理しなければならぬ場合の費用、あるいは用地補償の場合の折衝のための費用とか、あるいは社外へ出します慶弔見舞金、あるいは現場に御案内する場合の費用、あるいは少額の賛助金とか、来客の接待、あるいは渉外の費用は総務で扱つておりませんが、大体そういうふうな費用支拂いまして、役員以外の者の使つた場合の費用を、総務課で伝票を切つて支出しておるわけであります。
  381. 篠田弘作

    篠田委員長 その場合、そういう総務課で支出された社用雑費の証票書類というか、そういうものはやはりないのですか。
  382. 山本善次

    ○山本証人 これは私どもの会社のしきりといたしまして、請求書はもちろん出して参りますから、その請求者に基きまして、その請求書が真実な請求書であるかどうかということを調べまして——たとえばあるところからの請求書があるならば、それを係の者が調べまして、これは適当な請求であると見ましたならば、当該課長である総務課長が、それらの雑費金額の請求をいたしまして、そうして証票をつけて総理へ請求をいたします。その会計処理の道程におきまして、雑費の証票はついてまわります。そして会計の金が出まして向うに渡るわけであります。会計の処理上の受取人は、支出した当該課の課長の判でございます。爾後それらの証票書類は会社では捨ててしまうということに、長年の習慣としてやつておるわけでございまして、その証票書類はございません。
  383. 篠田弘作

    篠田委員長 請求するときは請求書が来るのですね。
  384. 山本善次

    ○山本証人 そうです。
  385. 篠田弘作

    篠田委員長 受取つたときには、受取りは渡さないで、課長の受取りにしておいて……。
  386. 山本善次

    ○山本証人 受取りも取ります。請求書が来まして請求をする。そうして受取りももらいます。それを会計処理として手続を終えたあとは捨ててしまう。
  387. 篠田弘作

    篠田委員長 その捨てたところに問題があるわけです。捨てなければ問題がないのだけれども、それをなぜ捨てなければならぬかというところに、いろいろな問題があると思う。長年の習慣であるから何ともなくやつておるとかいうことであれば、それまでであるけれども、向うから金を請求する場合には請求書をつけさせる、また拂う場合には受取りも出させる、そこまではあたりまえであるが、それをあとで捨ててしまうというところに、何か世間から見ると非常に暗いような、あるいはそういうところから政治献金でもしているのではないかと見られて、捨てられておるお蔭で政治家もいろいろ迷惑をする場合もあるし、おそらくそういうところからうわさが立つて委員会も動き出さなければならなくなつただろうと思うのだが、なぜそれを捨てなければならぬかという点について、あなたはどういうふうに考えますか。
  388. 山本善次

    ○山本証人 最初の習慣として起りましたときの理由は私は存じませんが、とにかく現在やつている事情を私は御説明申し上げたわけでございます。その支出をいたします場合に、大きな金であれば、もちろん部長も見ますし、課長も見るわけでございまして、私どもの会社としましては、絶対にそういうふうな御心配の政治献金、それらに出すことをしないのでございます。また請求書と領收書は、適正な請求書であり、領收書であると見ましたならば、会計の手続をしたあとで、あえて残しておく必要がないのじやないか、こういうように考えております。
  389. 篠田弘作

    篠田委員長 それではあなたにお尋ねしますが、ほかの会計の領收書というようなものは残してあるでしよう。
  390. 山本善次

    ○山本証人 ほかの会計の領收書を仰せになりますと……。
  391. 篠田弘作

    篠田委員長 たとえば工事を請負わせたとか、品物を買つたとかいうようなものは、全部残してありますね。
  392. 山本善次

    ○山本証人 あると思います。
  393. 篠田弘作

    篠田委員長 ただそれを機密費であるから捨てるというのなら話はわかるが、別に機密なところで使つていないのだ、だけど捨てるのだというところに疑惑がある。これは機密であつていろいろなさしさわりもある、あとでいろいろ御迷惑をよそへ及ぼしてもいけないし、自分らも迷惑してはいかぬから捨てるというのならわかるけれども、機密なところに使われていないのに捨てるというのがわからないが、そういうところからいろいろうわさが立つ。機密費だから捨てるというなら話はわかるが、機密でないのに捨てるというから話がよくわからぬ。それをあなたはどう思う。
  394. 山本善次

    ○山本証人 長い間の習慣でございまして、私どもとしては必要がないというように考えております。機密費という名前では整理はしておりません。社用雑費として整理をしております。
  395. 篠田弘作

    篠田委員長 社用雑費として整理はしているけれども、受取つた伝票とか領牧書は捨てるでしよう。
  396. 山本善次

    ○山本証人 さようでございます。
  397. 篠田弘作

    篠田委員長 ただ全体の費目は幾ら使つたかということはわかつているが、だれがどういうふうに使つたかということもわからぬ。そうであなたの会社から見れば、何千万円はきわめて小さなものであるかもしれぬが、世間的に見れば大きなものだ。その何千万円が使途不明ということになるから、そこに問題が起つて来る。あなたは最高幹部の一人だから、長い習慣というてもあなたには古い習慣だ。またそれを疑惑のないようにやるということもひとつあると思うが、そういう点についてあなたはどういうふうに考えているか。
  398. 山本善次

    ○山本証人 よく考えてお答えいたしたいと思います。
  399. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは委員の方から御質問ありますか。
  400. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 今の問題に関連してですが、受取りは捨てたということはわかつているのですが、それでは請求書はどうなつておりますか。
  401. 山本善次

    ○山本証人 請求書も受取りも破棄しております。
  402. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そうすると、およそ証票書類になるべきものは一切捨ててある。こういうように解釈してよろしゆうございますか。
  403. 山本善次

    ○山本証人 およそただいまの御質問通り社用雑費の証票は捨ててございます。
  404. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 およそ捨ててあるならば、先ほどあなたはこれは間違いないと確認して出したのだというようにお話になりましたけれども、第三者が見て、全体のわくは、たとえば二千五百万円、こういう場合に、あなたのお話のように、これこれには七百万円、あれには何百万円という内訳で拂つたかどうかを、第三者が判断する基準が全然ないわけですね。何か別な基準でそういうものを明確にするものがありますか。
  405. 山本善次

    ○山本証人 第三者のためにその整理をいたしておるわけではございませんが、とにかくそれが適正な請求書であり、また領收書であるならば、会社としての会計処理は適正である。こう考えて会計処理をしているわけであります。
  406. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 しかし会社としてはそれでよろしいのですけれども、あなたの会社を一般会社と違います。政府から監督を受ける。たしか日発法ですか名前は忘れましたが、経理関係で半期ごとに監査をするわけであります。その監査のときには証票書類なしでどういうふうにして監査するのですか。
  407. 山本善次

    ○山本証人 日発ができまして十年以上たちますが、前には、つい先ごろまでは、年二回の決算でございました。その都度十分な監査がございます。また日発創立早々におきましては、国家から多額の補給金さえ頂戴しておりまして、会計検査院も見えて監査をされておるのでございまして、国家においても十分なる御監査がなされてございます。伝票はもちろん、いろいろな御調査がございましたときに、これらの点はそのままお通しになつておるところを見ますと、私といたしましては会社の会計の規定は御当局におかれましてもそれでいいというお認めであつたと考えておるのでありますが、会社として適正に請求し、支出したものであるならば、その証票は捨ててさしつかえないもの、かように考えておるのであります。
  408. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一つのそれに関連して伺つておきますが、先ほどお話のように、社用雑費あるいは労務対策の経費は年額幾ら、たとえば二十四年には千八百万円、これだけの額は当初予算として組まれて、そのうちから請求書を出され、証票書類を一切棄却される、こういう形で予算額の限度内だけ支出して行くというような方法をおとりになつているのですかどうですか。
  409. 山本善次

    ○山本証人 お説のように予算も立てますが、社用の雑費というものはなるべく圧縮して、会社を経営して行く上においては出すのを少くしたいのが念願であります。決して予算をたくさん盛り込むということはいたしかねるのでありまして、従いまして予算を越えるような場合がございましても、これは事業の経営上いたし方がない、かように考えまして支出いたしておるわけでございます。その結果において非常に大きければ、また会社の経営上において御批難を加えられることはあると思いますけれども、予算が超過したからといつて支出できないわけではないと思います。予算はなるべく内輪に立てておる次第でございます。
  410. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは総務課関係経費として社用雑費があるというお話、もう一つは労務対策費関係先ほど説明通りだと思いますが、先ほど総額としての金額お話になりましたが、この額は請求書、証票書類その他がなくてどういうところから出て来るのですか。
  411. 山本善次

    ○山本証人 請求書、領收書が整いますと、支出すべき課長かその金額に相当する支出伝票を切りまして会計にまわします。何月何日、何万円の金を拂つた社用雑費のどういうところから拂つた。そういうようにいたしまして会計勘定の手をすつかり打ちまして、会計へまわし、金を支出いたしますから、あとでその証票がございませんでも、経理社用雑費支出されたことはすつかり帳簿に載りますから、その帳簿の累計でわかるのでございます。
  412. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 話はかわりますが、労務対策費先ほどお話の千八百万円と七百七十万円、それから思想啓蒙の関係で千九十万円、これ以外には全然対策費の関係としてはございませんか。
  413. 山本善次

    ○山本証人 八月締り切りを申し上げたのでございますが、田中清玄氏の後援会の費用といしまして、九月になりまして清算をいたしましたその金額が三百四十万円であつたと記憶いたします。
  414. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは千九十万円以外にですか。
  415. 山本善次

    ○山本証人 さようでございます。詳しい数字は、ちよつと今調べないとわかりません。     〔委員長退席、島田委員長代理着席〕
  416. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは拂つたのでございますか。
  417. 山本善次

    ○山本証人 はい。田中清玄氏の後援会の費用金額はそれで清算されたわけでありまして、借りがなくなつたのであります。
  418. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは先ほどお話労務対策費の中から、われわれの調査で申しますと二十四年、二十五年を通じて三千六百六十七万円の金が出されたことになつておるわけですが、先ほどのあなたのお話では、後援会の経費として一千九十三万円のほか、いわゆる支店長に渡した金が大体二千五百七十四万円ある。この二つだけ出されて説明されたわけです。この費目と同じ費目の中から別途に出されたもの、こういうわけなんですか。
  419. 山本善次

    ○山本証人 ただいま申し上げましたのは、その費目に追加すべき九月度の支出でございます。
  420. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それ以外には、全然労務対策費は出されておりませんか。
  421. 山本善次

    ○山本証人 私はここに資料がございませんので、お答えはできかねます。
  422. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 しかしあなたは労務担当の理事として、そのほかに費用が出ておるかどうかおわかりにならないのですか。
  423. 山本善次

    ○山本証人 資料を持つておりませんので申し上げられないのです。
  424. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それ以外には労務対策費は出されるべきものであるのか、出さないものであるか。
  425. 山本善次

    ○山本証人 ほかのものから出されてはおりません。
  426. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではあなたは資料をお持ちにならないそうですから、私の方で調べたものを申し上げます。労務対策費として別途に出されたものが二十四年度で百三十五万円、二十五年度で百二十五万円出されているのであります。この経費がどこに使われているかあなたは御存じないですか。
  427. 山本善次

    ○山本証人 お示しの金はただいま申し上げました労務対策費三千六百六十七万円のほかでございますか。
  428. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ほかです。
  429. 山本善次

    ○山本証人 私、記憶がございませんし、存じておりません。
  430. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 あなたは労務担当の理事として直接の責任があると思いますが、労務課の中でこういう経費が出されておるのです。この経費は一体どういうふうに使われておるわけですか。
  431. 山本善次

    ○山本証人 ただいま申し上げましたように、私それを存じておりませんので、御必要があれば調べてお答えしたいと思います。
  432. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではもう一つ伺いますが、先ほど田中清玄氏の講演会経費として証言があつたわけですが、電源防衛のために担当金がかかつておるようですが、これについてはあなたのお話の第一の関係支店長に渡した一千七百七十万円の方からお出しになつたのですか、どうですか。
  433. 山本善次

    ○山本証人 電源防衛と申しますのは、労務対策費講演会費用でございまして……。
  434. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 設備費はどうですか。
  435. 山本善次

    ○山本証人 設備費の方はこれらの費用に含んでいないと存じております。
  436. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではどの経費の中に含んでおるのですか。
  437. 山本善次

    ○山本証人 ただいま私どれで設備費を出しておるか覚えておりません。
  438. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじや電源防衛あるいはこういう労務対策は、あなた御自身の関係以外にそういう担当者があるわけですか、どうですか。最高の責任者として……。
  439. 山本善次

    ○山本証人 私は二人の総務理事のうちの一人でございまして、日ごろの仕事は労務部長が労務の方をやつております。総務理事二人は、いろいろと総裁、副総裁の直命の仕事を処理するのが建前でございますけれども、大体において二つの仕事を二人でわけて見ておつたのでございますが、日常の業務支店の現場の仕事までは、大体において支店長手元で処理しております。それらに使いました金は適正に会計処理がしてございますけれども、たとえば何か屋外が暗いものですから照明燈を設置した金がどの費目から幾ら出ておるかというようなことは、ただいま存じておりません。
  440. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじや具体的な話をいたしましよう。電源防衛として発電所その他において、あなたが先ほど言われたような二千箇所に近いところの職場の重要なところ、特にあなた方から言われると非常に危險なところと言われるようなところにおいては、ポリス・ボツクスをずいぶんつくられたはずです。あのポリス・ボツクスの施設はあなたは全然御存じなくて全国的にお建てになつたのですか、どうですか。
  441. 山本善次

    ○山本証人 ポリス・ボツクスというと……。
  442. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 警備所みたいなものですね。巡査が入るとは限つておりませんが……。
  443. 山本善次

    ○山本証人 警備の小屋と申しますか、そういうものは建てたと存じます。しかしその費目は幾らであつて、どの勘定科目から出ておるかは、ただいま資料を持つておりませんので……
  444. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは全国的にお建てになつておるのですが、全国的に建てられたのをあなたは御存じないのですか。全国というわけではないにしても、重要なところには……。
  445. 山本善次

    ○山本証人 重要なところにはかかるものはできたと思います。
  446. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員長 それを建てた場合に、相当大規模に日発の本社の方から、これは発注をして建てているのです。これは御承知あるかどうですか。
  447. 山本善次

    ○山本証人 全国の支店に監視所、箱番でございますが、それらのものをつくるのに、本店で大規模に発注をして建てるということはないと私は思います。それは支店よりも、むしろ支店の下部組織である支社が適宜現場と打合せまして、つくつたと存じます。
  448. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その施設について三幸建設が請負つて、それの施設をしたという事実をわれわれ聞いておりますが、御存じありませんか。
  449. 山本善次

    ○山本証人 特に三幸建設にそのボツクスを請負わしたとは聞いておりません。
  450. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 三幸建設を御存じないということならば、あとで私具体的に調べて参りますが、もう一つ、三浦義一という人も御存じですか、どうですか。
  451. 山本善次

    ○山本証人 三浦義一氏は存じております。
  452. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 三浦義一氏には何度ぐらいお会いになりましたか。
  453. 山本善次

    ○山本証人 一、二度お目にかかつたと思います。
  454. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 三浦義一氏とお会いになつたことは、労務対策の関係で御相談になつたのではございませんか。
  455. 山本善次

    ○山本証人 三浦義一氏とお目にかかつたのは、何らそういう会社の仕事でお目にかかつたのではございません。ただ三浦義一氏であるということをあとで知つたくらいの場合なんです。それからただ世間話と申しますか、そういうようなところで会つただけでございます。
  456. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そのお会いになつたときに、日発関係の人がだれと御一緒であつたか、場所はどこであつたか。
  457. 山本善次

    ○山本証人 場所はよく覚えておりませんが、日発関係の者は、最初のときは、櫻井副総裁に御紹介されました。その次はやはり御一緒だつたかと思います。
  458. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 場所はおわかりにならないそうですが、それは飲食をともにされた場所ではございませんか、どうですか。
  459. 山本善次

    ○山本証人 飲食をしたと思つております。
  460. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは飲食をともにされたならば、どこか料理屋とか待合とか、そういうところと思いますが、三浦さんの場所ならば、大体われわれの方も見当がつくのですが、あなたの御記憶があろうと思いますが、もし記憶されておるならば、お話願いたい。
  461. 山本善次

    ○山本証人 どこで会つたかは、はつきり覚えておりません。
  462. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 では最後に、三浦さんに対して相当の金が日発から出ているという話をわれわれ聞いておりますが。そういううわさを聞かれたことはありませんか、どうですか。
  463. 山本善次

    ○山本証人 日発から金が出ておるとは思いません。
  464. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 この電源防衛講演会の仕事は、われわれは田中清玄と言うのですが、あなたは「きよはく」とおつしやいましたが、普通世間のいう清玄のことでしようね。
  465. 山本善次

    ○山本証人 普通言う清玄でございます。
  466. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 その田中清玄氏が、詳しくどういう人間を連れて来て、どういう内容の活動をやつたかを知つてつて、あなた方は具体的には御存じないのでしよう。
  467. 山本善次

    ○山本証人 もう一度お話願いたい。
  468. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 電源防衛の講演会の具体的な実施のやり方、たとえばどういう人が講演会に来たとか、どのくらいの聽衆が集まつたとか、どんな話をしたとか、あるいはどんな意味において金がかかつたというような具体的なことは、田中氏がよく知つておるので、あなた方は具体的なことは御存じなかつたのでしようという質問です。
  469. 山本善次

    ○山本証人 田中氏の講演会は具体的に、先ほど申し上げましたように、支社長が計画いたしまして本店に持つて来たわけでございますが、計画も承知しております。見たわけでございます。それからまたあとで全額支拂いの場合にその実績も見ましたから、大体の回数が三百回近いというようなことは存じております。それから講師その他につきましては、全部田中清玄氏におまかせをしてございますので、詳しい状況は存じておりませんが、各現場で熱心にやつてくれたことを承知しております。非常にまた現場でも感動した。こう承知しております。
  470. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 外務省の役人なんかがやはり講師として頼まれて行つて旅費、日当を日発からもらつてつたというようなことを聞くのですが、さようなことはあなた御存じですか。
  471. 山本善次

    ○山本証人 外務省の方が参加されておることはわれわれも存じておりました。それらに対してもどういう謝礼をされたかは田中氏の方でないと、私よくわかりません。
  472. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 ちよつとこれは話が違いますけれども、九月の九日、この総裁、副総裁のやめるやめないという問題があつたときに、日発では理事会を開かれましたね。その理事会においては、総裁、副総裁がやめるとかやめないとかいう問題についてはどういうふうな相談に決定されたのでありますか。
  473. 山本善次

    ○山本証人 九月九日に、理事会というほどの形式ばつたものではございませんが、集まりました理事が、ぜひとも両総裁にお残り願いたいということを希望したのは、部下の情として当然であつたのでございまして、そういうようにお願いをいたしましたけれども、どうしても今やめるべき時期だというふうに考えるというお話でございましたので、理事会としても御承知を申し上げた次第でございます。
  474. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 その日の午後二時過ぎに、あなたは櫻井さんと一緒に首藤政務次官にお会いにならなかつたですか。
  475. 山本善次

    ○山本証人 ひる過ぎであつたと思いますが、通産大臣を四人の理事がお尋ねいたしまして、そのときに首藤さんがおいでになつたのでありまして、私は櫻井さんと一緒に首藤さんに御面会しておりません。
  476. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 よろしゆうございます。
  477. 梨木作次郎

    ○梨木委員 先ほど証言の中で、ちよつとわからない点があるのですが、あなたの話だと、電源防衛のために講演をやつたというふうに受けているのでありますが、危險分子をなくし、また啓蒙するために講演をやつたという、その講演費のほかに、電源防衛費というものが別にあつたわけなんですか、どうなんですか。
  478. 山本善次

    ○山本証人 非常にごつちやになつておりまして、電源防衛ということは、最初のほどは、結局電源を大切にするということ、それから会社のためになる考えを持つていただきたいということのために、田中清玄氏の講演をお願いしたわけでありまして、決して電源防衛費というものを田中氏に別に出している次第ではございません。
  479. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ところが先ほど経理課長の話によると、講演費というものははつきり出しているが、そのほかに電源防衛費というものが確かに出ている、こう言うのです。それはあなたが一番詳しい——あなたが一番詳しいということは言いませんでしたが、あなたが大体知つておられるようなことなんですが、それはどうですか。
  480. 山本善次

    ○山本証人 何か水岡総務理事の考え違いでないかと思いますが、一口に申しますと、電源防衛のための講演会費用ということになるのでありまして、最初のほどは、どうぞ私どものためになる思想にかわつていただきたいという希望をもつて講演会をやつた。それからなお電源を大切にしていただきたいという気持も含んでいる。それからいよいよ会社が整理を決意せられた場合には、何とかしてかかるときに電気の事故が起らないようにという希望をもつて講演会でございましたが、非常にこんがらがつた名前になつているかもしれませんが、決して電源防衛のための講演会というわけではございませんで、思想を啓蒙するために、結果において電源が防衛されるであろう、また職場が規律正しくなるだろう、こういう考えで講演会をお願いした次第でございます。
  481. 梨木作次郎

    ○梨木委員 田中清玄氏の方から請求書が出ているということは、大体先ほどわかりましたが、それもやはり社用雑費ということで、領收書の方はみな破棄してあるのですか。それはどうなつておりますか。
  482. 山本善次

    ○山本証人 その分の領收書は会社に保存してございます。
  483. 梨木作次郎

    ○梨木委員 領收書のほかに明細書というものは御存じでありますか。
  484. 山本善次

    ○山本証人 先ほども申し上げましたが、明細書と申しますと、講演会をやつたあとに、その実績に伴つていろいろいつた費用を明細に書いて請求し、たとえば六月分なら六月分というふうな明細ができまして、それに金額の合計が出るわけでございますが、その合計金額を領收書を頂戴いしまして支拂うわけでございます。明細書は支店において十分にこれを精査し、本店にまわしますと、関係の部が十分に調査いたしまして、その当該金額経理手続をして出しまして、領收書を頂戴します。そしてその明細書は査閲といいますか、調べましたあとは田中清玄氏にお返しいたしました。領收書だけは持つておる次第であります。
  485. 梨木作次郎

    ○梨木委員 出した明細書を返してしまつて、おなたの方には單に領收書だけしかない、こういうわけでありますか。
  486. 山本善次

    ○山本証人 仰せの通りでございます。
  487. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この講演の費用のうちにポスターだとかそういうものの費用も入つておられますか。
  488. 山本善次

    ○山本証人 ポスターの費用も入つておると思います。
  489. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そのポスターはあなたごらんになりましたか。
  490. 山本善次

    ○山本証人 現場から送つて来ましたのを見ました。
  491. 梨木作次郎

    ○梨木委員 こういうポスターですか。
  492. 山本善次

    ○山本証人 それが田中氏が出したものであるとは確認のしようがございませんが、大体そういうふうなものだと思つております。
  493. 梨木作次郎

    ○梨木委員 こういう内容のものを書いてあつたのですか。
  494. 山本善次

    ○山本証人 内容は忘れました。
  495. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それじやちよつと読んで見ましよう。こういうことを書いてあるのだ。名義は電産木曽川同志会という名義で「日本共産党は木曽川発電所の破壞を策謀しておる。ソ連の犬をたたき出せ。民族の産業はわれわれの手で守れ」こういうポスターなんです。これはあなたの言われる電源防衛のためだとか、啓蒙のためにこういうポスターが張つてあるわけなのです。大体こういう内容のものを送つて来た事実をあなたは御承知ですか。
  496. 山本善次

    ○山本証人 そのポスターは私は記憶しておりません。
  497. 梨木作次郎

    ○梨木委員 このポスターでなくとも、こういう趣旨のポスターが張られたという事実を御承知か。
  498. 山本善次

    ○山本証人 電源を守るようにというポスターであつたと思います。
  499. 梨木作次郎

    ○梨木委員 電源を守るためにソ連の犬を監視せよというようなことが必要なのですか。こういうことを書いてやるということは、これは一種の政治的な活動になりはしませんか。それをあなたはどういうぐあいに理解したのですか。
  500. 山本善次

    ○山本証人 私それがどういう影響があるかは判断いたしかねるのでございます。
  501. 梨木作次郎

    ○梨木委員 日発総務理事ともあろうあなたが、ソ連の犬を監視せよというような、こういうポスターを張つて、それがどういう影響があるかということをおわかりにならない。そういう御答弁なのですか。
  502. 山本善次

    ○山本証人 さようでございます。
  503. 島田末信

    ○島田委員長代理 梨木君にちよつと御注意申し上げます。あとで理事会を開く予定もありますから、ごく簡單に願います。
  504. 梨木作次郎

    ○梨木委員 わかりました。それでは一九五〇年の十一月号の産業と貿易という雑誌に田中清玄氏が談話を発表しております。その中でこういうことを言つておる。大体電源における赤の牙城の壞滅こそ産業の防衛であり、ソ連の攻勢に対する民族防衛である。こういうことを発表しておるわけです。こういう田中氏自身の考え方は、ソ連の攻勢に対して民族を防衛するために電源を防衛しなければならぬ。そのためにお前さんのところに協力して、そうして金を出せ、これでは明らかに反ソ的な宣伝と活動をするために、日発は田中清玄氏に金を出しておるということになるわけです。あなたは田中氏がこういう考えを持ち、こういうことを行動に移しておるということを知らなかつたのですか。
  505. 山本善次

    ○山本証人 会社は田中清玄氏に社員、従業員のためになる思想、ためになるように啓蒙講演をお願いした次第でございまして、どういうふうに講演をされたか、あるいは国際情勢を伝え、そうしていろいろの思想について批判を加えて講演をしたことと思いますが、決して会社はそれ以外の大きな政治的な目的を田中清玄氏にお願いした次第でございません。ひたすら日本の産業のために電源がりつぱに従業員の手で守られることを念願してお願いした次第でございまして、田中清玄氏がどういうわけでかかることをされたかは、私、一技術者でございましてよくわからぬのでございます。
  506. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたは自分の会社の従業員に思想宣伝をし、思想啓蒙をする場合に、それを頼む相手がどんな考えを持つてどんなことを言うというようなことを知らないで、あなたは頼んだのですか。
  507. 山本善次

    ○山本証人 田中清玄氏の考え方は、私ども電気事業にためになる思想を持つておると判断して頼んだのでございます。
  508. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではあなたは反ソ宣伝をするということが日本の産業の防衛になる、こう考えておつたわけですか。
  509. 山本善次

    ○山本証人 日発が反ソ宣伝を田中清玄氏にお願いしたことは毛頭ございません。
  510. 梨木作次郎

    ○梨木委員 頼んであるじやないか、現実にそういうことを言つているじやないか。そういうでたらめを言つてはだめだ。  それでは次にもう一つ聞きます。あなたは先ほど労務対策費は労働組合員には渡つておらない。こういう証言をされたが、そんなことはどうしてわかるのですか。     〔島田委員長代理退席、委員長着席〕
  511. 山本善次

    ○山本証人 決しは労働組合にやらないように支店長にも申し伝えましたし、また支店長はその趣意を遵奉してやつておると信じております。
  512. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたはただそう信じておるだけで、現実にそれが労働組合なり労働組合員に渡つておらないという事実を別に確認したわけではないでしよう。あなたがそう想像しただけにすぎないのだね。そういうぐあい聞いてよろしいね。
  513. 山本善次

    ○山本証人 私はさよう信じております。
  514. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは想像だね。——よろしゆございます。
  515. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体関東支店長時代もあなたの金使いが荒かつたということは有名であると総務時代もまたあなたの人当りのいいということは、田中清玄君なんかもきわめて感心しておる。それで私がこのことを申しますというのは、あなたは今の総務というだけじやなしに、関東支店長時代から支店長事務にもよく精通しておられるだろうと思いますが、その点はどうですか。
  516. 山本善次

    ○山本証人 支店長として長い間関東支店、東海支店におりましたから、支店のことはほぼわかつております。
  517. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、日発におられるところの勤務年限が非常に長い。その長い年限を基礎にしてお聞きするのですが、先ほどあなたの証言の中においても、金額請求書のいわゆる内容を示すものが妥当であり、正当であると認められた場合には捨ててしまつておる。こう言つておられましたね。そうしてこれをやりかけたというところの時期はわからない、理由もわからない。ただ現在やつておる現状はこうだから言つたのだ、こう言われまたね。これは関東支店長時代にあつたことか、それともまたあなたのお入りにならない時代に、電気事業関係者がやつてつたことか、この点を承りたいことが一つと、あなたがおわかりでないのだつたら、この点はだれが知つておるかということを聞きたい。
  518. 山本善次

    ○山本証人 発送電全体のしきたりといたしまして、創業以来からのやり方だと思います。
  519. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしてあなたのやりかけた理由はわからぬというのは、創立時代からこうあつたから、やりかけた理由がわからぬという意味ですね。中途でわかつたという意味ではないのですね。
  520. 山本善次

    ○山本証人 私はさように思つております。
  521. 横田甚太郎

    ○横田委員 私の調査によりますと、日本発送電は非常に下の者には不正をやらすのをいやがつて、上の人は不正がやりよいようにできておるところの会社である。従つてタバコ一箱、酒一本を礼に出す場合においても、必ずこれには先ほど申しました附箋、社内のいわゆる通称語で申しますと、これは添付書類、そういうような形において、これが必ず出ておる。こうなつておるのですね。だから以前に必ずこれが出ておつたはずなんです。これは忘れておられるのですか、それとも言われないのですか。
  522. 山本善次

    ○山本証人 ちよつと御質問をもう一度お願いしたいと思いますが……。
  523. 横田甚太郎

    ○横田委員 簡單に申しますと、あなたの答弁のうちには、日発としてこういうふうな請求書の内容を示すような、ややこしいことをするやつはおりませんから、もうじきに捨ててしまつております、これは創立以来こうなんですと、こういう意見なんです。結論づけると、こうなります。それに対しまして私たちの調査によりますと、実はさにあらずして、日発というところは、必ず一つのものを出すについては、やかましい規定があつて、それを明示しなければ出さない。だからそれを書いた人があるのだ。こう言うのです。そのどちらがほんとうなんですか。
  524. 山本善次

    ○山本証人 私先ほど創立以来と申しましたが、私が今そう思つておるわけでありまして、いつからそういうしきたりになつておるかは、私の判断が間違つておるかもしれません。とにかく長い間そういうしきたりでやつております。先ほどお言葉の中に、非常に上の者が使いやすいようになつているというふうに私とりましたが、そういうことは絶対にありません。
  525. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは大体具体的に、簡單に申します。田中清玄君がもらいました千九十三万円という額は、下からずつと使つて来て千九十三万円になつた金か、それとも千九十三万円でみなやつてしまえ、これでやれてもやれなくてもやつてしまえという金かということを聞きたい。なぜこれを聞くかと申しますと、下から上つて来たものであれば、田中清玄君の性格から見まして、これはまだ上る理由がある。また延びて行く理由がある。清玄君を私は知つております。知つておりますから、これは必ずそうなるであろうことを私は予想するのです。だから聞いておるのでが、それをはつきりしてください。
  526. 山本善次

    ○山本証人 千九十三万円で引受けてくれと頼んだ覚えはありません。いる金はお拂いしよう、できるだけ節約してやつしいただきたい……。月々のお拂いはずいぶん延び延びになりまして御迷惑をかけたことと存じます。初めからこれだけでやつてくれとお願いしたわけではありません。いくら金がいつても頼んだ以上は拂わなければならないと思います。
  527. 横田甚太郎

    ○横田委員 それからセメントのことをお聞きしますが、日発でセメントをいろいろお使いになりますね。いろいろお使いになるセメントの品目のうちで簡單に入手できるものはいいのです。簡單に入手できないで、特別に許可をもらわなければ配給してもらえない、これは一体どういう種類のセメントですか。
  528. 山本善次

    ○山本証人 まことに申訳ありませんが、その特別配給を申請しなければもらえないセメントがどういうものであるかということは、私今覚えておりません。
  529. 横田甚太郎

    ○横田委員 私の記憶ではあなたは土木部長になつているのですが、土木部長じやないのですか。
  530. 山本善次

    ○山本証人 土木の仕事も総務理事として見ております。部長が九人おりまして、その上といつてはおかしいのですが、総務理事が二人おりまして、大体九つの部を仲よく二つにわけて、仕事を見ているわけであります。
  531. 横田甚太郎

    ○横田委員 セメントには非常に不正が多い、疑わしい点があるのですが、このセメントをよく御存じの方は一体どなたですか。
  532. 山本善次

    ○山本証人 セメントのことをよく知つておりますのは、資材部長、資材課長でございます。
  533. 横田甚太郎

    ○横田委員 名前はどなたですか。
  534. 山本善次

    ○山本証人 先ごろ九州支店長に転勤しました安藤君でございます。
  535. 横田甚太郎

    ○横田委員 この人はよく御存じですね。
  536. 山本善次

    ○山本証人 と思います。それからその下の課長がおりますから。
  537. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、セメントのことはこれ以上聞いてもわからないから安藤さんに承るといたしまして、ほかのことなんですが、戰争が終りまして直後に、日発がたくさんの塩をおつくりになつたですね。こんな事実はございますか。
  538. 山本善次

    ○山本証人 戰争直後に塩がなくなつたことは御記憶であろうと思います。電気が余つておりました。余つた電気で足りない塩をつくろうということで大蔵省がら非常に頼まれました。電気ででも塩をつくらなかつたら塩はできない。国民の血液の中の塩がなくなるから大急ぎでつくつてくれということを奬励されました。それで一生懸命塩をつくつたのです。
  539. 横田甚太郎

    ○横田委員 そんな不必要なことを親切に言つてもらわんでもよろしい。塩はつつた、つくらんでよい。聞きたいことは親切に言わないで聞きたくないこととを親切に言うことはいらぬ。  それからこの塩と日発に必要なものと——このうちには、いわゆる労働者の給料も含まれておるでしようが、それとバーター制によつて取引されたことはございますね。
  540. 山本善次

    ○山本証人 塩と何とバーターしたのですか。
  541. 横田甚太郎

    ○横田委員 いろいろのものです。
  542. 山本善次

    ○山本証人 かかることはないと思います。
  543. 横田甚太郎

    ○横田委員 ありませんか。
  544. 山本善次

    ○山本証人 ないと思います。
  545. 横田甚太郎

    ○横田委員 塩をつくることについて発案されたのはあなたでしよう。しかもバーター制がずいぶん続いて、その間にいろいろの積り積つた金が出ている。それが一つの疑惑にもなつております。その疑惑が今日の政党献金の時代まで続いておらぬのであればいいのです。ところが私はこれが続いているのじやなかろうかと思うので、本事件に関係あると思つて聞いておるのです。それでこの塩を製造してそれで物をかえられて、かえられた物が残つた。そして日発の今日を構成しているものに、どんなものがございますか。
  546. 山本善次

    ○山本証人 とにかく塩をつくつたのでございますが、その塩は全部大蔵省へ所定の代金で納入させられたのであります。
  547. 横田甚太郎

    ○横田委員 そう開き直られると申しますが、現に吹田でも私たちがその摘発をやつたときに、日発が塩のやみをやつたのであつて、警察があげた結果が、結局は日発がこしらえて日発がわけておつたのです。これを大蔵省に納めておらぬですよ。そんな事実があるのです。だからあなたに初めに言つているように、あなたは支店長の事務を御存じでしようと聞いておる。そうでないと、私は、総務理事だからこまかいことは知るかと言われるので、だめを押したのです。どうです。それを言つてください。
  548. 山本善次

    ○山本証人 日発が塩の横流しを当時やつたとは絶対に思つておりません。
  549. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたは知らぬ範囲でそう言つているのです。吹田の警察へ行つて書類を見てごらんなさい。現に私が塩のやみをあげた。これはニユース映画にも出ております。それだけ言つておきます。
  550. 篠田弘作

    篠田委員長 これにて証人山本善次君に対する尋問は終了いたしました。証人には長時間にわたり御苦労様でした。  次会は明後十八日午前十時より引続き電力編成問題について日発建設局次長平井彌之助君より証言を求めることにいたします。なお委員会散会後理事会を開き、今後の運営につき協議いたしたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時十八分散会