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1950-11-14 第8回国会 衆議院 考査特別委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十四日(火曜日)     午後一時二十七分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 島田 末信君 理事 塚原 俊郎君    理事 小松 勇次君 理事 横田甚太郎君       岡延右エ門君    鍛冶 良作君       黒澤富次郎君    佐々木秀世君       田嶋 好文君    田中不破三君       椎熊 三郎君    吉田  安君       久保田鶴松君    坂本 泰良君       梨木作次郎君    岡田 春夫君  委員外出席者         証     人         (前日本発送電         株式会社副総         裁)      櫻井 督三君         証     人         (電気事業経営         者会議事務局         長)      藤田友次郎君     ————————————— 十一月十四日  塚原俊郎君が理事に補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  電力編成問題     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。理事塚原俊郎君が十月三十日委員を辞任されましたので、その補欠選任を行わなければなりませんが、これは先例に従いまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なきものと認めます。それでは塚原俊郎君を理事に指名いたします。
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 昨日に引続き電力編成問題について調査を進めます。  ただいまお見えなつておる方は櫻井さんですね。
  5. 櫻井督三

    櫻井証人 さようでございます。
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまより電力編成問題につきまして証言を求むることになりますが、証言を求める前に、証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の因族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知なつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人櫻井督三君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  7. 篠田弘作

    篠田委員長 署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を超えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めるときはおかけになつていてよろしうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人の略歴についてお話しください。
  9. 櫻井督三

    櫻井証人 新潟県北魚沼郡に明治三十一年の十一月十四日に生まれました。慶応義塾を卒業いたしまして、すぐに九州水力電気株式会社に入り、昭和十七年の三月まで同社におりまして、十七年の四月から九州配電株式会社理事になりました。十九年の一月以来日本発送電に入社いたしまして、去る九月の十三日まで日本発送電に勤めておりました。以上の通りであります。
  10. 篠田弘作

    篠田委員長 電気事業の再編成に関し、日発はいろいろな動きをしているというふうに世間で見られておりますが、大体においてどういう動きをいたしましたか。
  11. 櫻井督三

    櫻井証人 日本発送電及び九つの配電会社集中排除法の対象になりまして、二十二年に指定されたのであります。その後それに附帶しまして再編成計画を出すように命ぜられたので、各社とも再編成計画を出したわけであります。日本発送電といたしましては、当時全国一社化という案を立てまして、答申をいたしたわけであります。各配電会社はめいめいそれぞれの地域で発送配電を一貫する会社を別々につくつて行くという答申をされたようであります。そういう答申を出したのでありますが、その後社会党内閣時代民主化委員会というものができまして、そこで審議されたわけであります。当時私ども会社総裁委員の一人として出まして、民主化委員会案一般大山案と言われていたものに賛成いたしたわけであります。しかるにその後GHQ内部から七分割という案も内々に私の方の森理事あたりに示された事実もございます。私どもといたしましては、どうしても本来の主張から申しますと、一社化がよろしいと考えたのでありますが、もし民主化委員会案が通れば、またそれに賛成するのに異議はなかつたわけであります。ところが民主化委員会案というものはうやむやのうちに消えてしまいまして、そしてさらに分割論というものが非常に盛んになつたわけでございます。発送電といたしましては、民主化案が通らなければ、やはり本来の考え方に帰らなければならぬと思いまして、主張いたしたわけでございます。但しその後二十三年だつたかと思いますが、配電会社は機構上に変更を加える必要がないという示達がアンチ・トラスト課よりありました。その後日本発送電といたしましても、そうでありますれば、われわれの方もしいて一社化としなくても、現状維持でよろしいという考えた方にかわりました。GHQに対して一社化案を出していたのについて、当時の進藤副総裁現状維持——配電会社が今申すようなことになりますならば、日本発送電現状維持が適当であるという考え方にかわりました。そこでその後引続いて、なぜ現状維持を適当とするかという点につきまして、一般産業界その他に対しまして理由説明を続けて参つたような次第であります。
  12. 篠田弘作

    篠田委員長 どういう運動をしましたか、具体的に。
  13. 櫻井督三

    櫻井証人 おもに統計的な数字をまとめたプリントを作成し、あるいはいろいろな理由を箇條書にした印刷物を作成して、そういう印刷物を各方面に配付しました。それが一番大きな説明の仕方であります。それからもう一つは私ども本店の中に中央給電指令所というのがありまして、その中央給電指令所をごらん願いますと、日本電気事業が毎日どのように運営されておるかという姿がよくわかるのであります。それで各方面の方から中央給電指令所をごらん願うというような運動方法をとりました。
  14. 篠田弘作

    篠田委員長 大体あなたもおわかりだと思いますが、あなたを考査委員会に来ていただきましたおもな理由は、日発土建業者から工事請負人の一〇%くらいのリベートをとつて、そうして分断反対をするためにこれを政治家あるいは政党方面にばらまいた、その費用が数千万ないし四億円くらいに上るであろうといような新聞記事が出まして、これが一般国民の間にも非常な疑惑を持たれた。それを調査するために実はこの委員会が活動しておるのであります。そこであなたにお聞きしたいことは、実際そういううわさのような分断反対のために政治献金がなされておつたかどうか、あるいは日発の会計の中からではなくて、土建業者からそういうリベートをとつてつたというような事実があるかどうか、そういう点を証言していただきたいと思います。
  15. 櫻井督三

    櫻井証人 今のお尋ねでございますが、実は先般来新聞やら雑誌やらにそういうことが書かれておつたことは、私どもとしては意外の感にたえないことでありまして、残念に思います。少くとも発送電土建業者もしくはそれらの関連産業からリベートをとるというようなことは絶対にないことをはつきり申し上げておきます。従いましてそういう金で政治的な使い方をしたというようなこともまたあり得ないのであります。
  16. 篠田弘作

    篠田委員長 日発では機密費労務対策費等の名目でいろいろな経費が支出されておりますが、前同様の運動費献金、そういうようなこともありませんか。
  17. 櫻井督三

    櫻井証人 機密費という科目は、日本発送電には現在ではございませんで、諸費というような形になつております。諸費のうちの雑費というような形になつております。しかしこれは何分にも非常に大きな事業を営んでおりますので、支店も支社もそういうものが数多くありますので、いろんな費用があります。しかしながらこれを單位当りに割つて見たら、おそらくよそに比べたら少いのではないかと思います。そういうもののうちから政治的な金の使い方をしたという事実はありません。  もう一つ労務対策費でございますが、これは長い間にわたつて相当金額が出ております。相当金額が出ておりますが、何に使つたかと申しますと、労務対策上の仕事会社の事務所内ででき得ない場合がしばしばございます。従いまして会社の外で適当な場所を見つけまして、そこに非組合員諸君をカン詰いたしたりして仕事をさせなければならないようなことがたくさんございます。それからそういう金並びに最近に至りましては、昨年以来実は電気事業者全体の間で計画をいたしました、不適当な人々を職場から拔いていただくという計画があつたのであります。その計画も実は最後的には今年の夏に実施いたしましたけれども、その前数回にわたつて時期的には計画をしたことがあつて延び延びなつていた次第であります。そういう計画を実施する上に、こつちで啓蒙運動と申しますか、たとえば後援会でございますとか、あるいは最後的には防衛手段の一部というような事柄に使われた金でございまして、それらの労務対策費の中から、また政治的に金が使われたというような事実はございません。
  18. 篠田弘作

    篠田委員長 電気事業経営者会議というものがありますね。証人はその事務局長をやつていらしたようですが、その在任された期間はどのくらいだつたですか。
  19. 櫻井督三

    櫻井証人 次の事務局長にかわりましたのは去年の八月だと思いますが、一番最初に事務局長として就任いたしましたのはちよつ覚えておりません。約一年余りの間と思います。
  20. 篠田弘作

    篠田委員長 自由党政調会参与として、政調会会費電気事業経営者会議から百万円支出されておりますね。そういう事実はありますか。
  21. 櫻井督三

    櫻井証人 ございます。
  22. 篠田弘作

    篠田委員長 そのいきさつをひとつお話願います。
  23. 櫻井督三

    櫻井証人 これは私が参つたわけではございませんが、たしか去年の五月の未か六月の初めごろと思いますが、総理官邸産業界の有力な代表者的な人々が六、七十名呼ばれて行つたことがあつたのであります。この話は私はあとで聞いた話でございますから、そのお含みでお聞きを願います。その節に自由党のおそらく政調会の人だろうと思いますが、政調会参与会員なつてくれというお話があつたそうであります。それは発送電としましては大西が出席いたしまして、あとでその話を聞いたのであります。そういう話を承つておりましたが、その後七月の初めごろかと思いますが、自由党事務局の方がお見えになりまして、先般からお話を申し上げておいたように、各産業界に呼びかけておるのだが、電気事業者としても参与会員なつてほしい、そうして何か申込みの書類をたくさんお持ちになりました。しかしその話は発送電だけでどうこうできる話でございませんので、ちようど事務局長をやめる直前のころでありますが、経営者会議に諮りまして、その結果電気事業全体として、自由党参与会員費として百万円だけ出そうという決定に相なり、二回にわたつて払込みをいたしました。以上でございます。
  24. 篠田弘作

    篠田委員長 それはあなた方の方としては、もちろん政調会参与会費としてお払い込みになつたものと思いますが、その点は政治献金思つてお払いになりましたか。それとも会費としてお払いなりましたか。
  25. 櫻井督三

    櫻井証人 これはもうはつきりと今まで申し上げました径路がありますので、参与会員なつてくれということであつて、申し上げますように参与会員になる趣意書とか、それから申込書とかを持つておいでになりまして、それを皆さんに配付をいたしまして、協議をした上で決定したのでありますから、明瞭に参与会員費として払い込んだものであります。
  26. 篠田弘作

    篠田委員長 社会党から百万円の寄附をしてくれということを同じく電気事業経営者会議申込れをしたという事実はありますか。
  27. 櫻井督三

    櫻井証人 これは私の次の事務局長なつ時代でございまして、今年の夏、少くとも私のやめる前でございますから、やはり七、八月ごろと記憶いたしますが、社会党事務局の方がお見えになりまして、やはりこれも同じように印刷をされた資金カンパ印刷物を持つておいでになりました。百万円というようなことはおつしやいませんでした。金目はおつしやいませんが、とにかく今度の資金カンパに何らかの資金を支出してほしいという話がございました。私の方にも参りましたし、経営者会議事務局の方にも行つたそうでございます。私といたしましてはこれは発送電だけの問題でないから、その方にも事務局に行つてお話なさいということを申しました。それで私も経営者会議のメンバーとして始終出席いたしておりますから、その話は確かに経営者会議議題になりました。議題にはなりましたけれども、実は決定をしないままになつておるというのが実情でございます。
  28. 篠田弘作

    篠田委員長 その寄付を申し込みにあなたのところにおいでになつた社会党の党員の方は何という方ですか。
  29. 櫻井督三

    櫻井証人 若い方が二人お見えになりました。
  30. 篠田弘作

    篠田委員長 名前はわかりませんか。
  31. 櫻井督三

    櫻井証人 一人の方は覚えておりますが、加藤さん、名前はわかりませんが、姓は加藤さんとおつしやいます。
  32. 篠田弘作

    篠田委員長 加藤宣幸君ですね。
  33. 櫻井督三

    櫻井証人 名前は覚えません。
  34. 篠田弘作

    篠田委員長 そうですか。それから証人日発の副総裁を辞任されたときの模様についてお話ください。
  35. 櫻井督三

    櫻井証人 九月の六日の午前中、十一時ごろだつたと思いますが、通産大臣多分祕書だろと思いますけれども、私の方の祕書に、午後二時に正副総裁は高輪の官邸の方に来てくれ、こういう御通知がありました。大西と私と前後して官邸に伺いました。通産大臣事務次官電力局長とお三人でいらつしやいまして、そこで通産大臣から、友人としてお話をいたしますが、いずれ電気事業の再編成もそう長くかからぬうちにきまると思う。そのきまり方は必ず君たちが今まで主張して来たところとは違うものになる。そういうことのはつきりきまるぎりぎりまでおられたのではかえつておもしろくない。非常にいいチヤンスだと思うから、この際善処を願いたい。こういうふうなお話でございました。なお人員整理もまつたく済んだというわけでもないけれどもちようど段落のついたところでもあるし、そういう点からいつても時期としては非常によくないかと思う。早急にひとつ辞職をしていただきたい。こういうふうなお話がありました。それに対しまして二、三の御質問等もいたしましたのですが、私、大西、二人ともとにかく、じや、なるべく早く御返事を申し上げますということで退席をいたしました。そういうお話でございますから、翌七日の朝、日発本店におきます幹部諸君を集めまして、大西から今のようなお話があつたという報告をいたしたわけでございます。そういたしましたら在京の役員諸君等から、事は非常に重大であるから、やはり一応役員会に諮つたらよかろうという強い御意見がございました。それで私七日の午後通産省通産大臣をおたずねしまして、実はけさ本店幹部に話をいたしましたら、役員会を開いたらよかろという話でございますから、それまでお待ちを願いたいということを申し上げたのでございます。つきましては、ちようどその月は九月の十一日に重役会を開くことになつておりました。ところがそれを九日に繰上げて開きました。その上で何分の御返事を申し上げますと言つたら、通産大臣も了とされ、そのまま帰つたのであります。それでさつそく全国各地に散らばつておる役員各位に電報を打ちまして、九日に集まつてもらつたわけであります。それで午前中役員会を開きましたけれども、午後電産の組合からぜひ会いたいというようなことがありましたので、一応役員会を休憩して組合と会いました。そんな事情でなかなかすぐにも御返事ができかねるように思いましたので、私午後のたしか二時だつたと思いますが、通産省におたずねいたしまして、きようもあるいは御返事ができないかもしれないという趣旨のことを申したいと思つて参つたのであります。大臣はお見えになりませんで、事務次官おいでになりました。そのうちに間もなく政務次官がおいでになりまして、お二人に今のような事情お話し申し上げたわけでございます。そう延び延びなつては困るし、ぜひひとつ今日は何とか御返事をもらいたいというお話がございました。それで帰つて大西とよく相談をいたしまして、理事諸公のお集まりになつているところに参りまして、この際はわれわれの自由意思にしてほしいということを申し上げたのであります。その結果理事諸公も私どもの意を了とされましたので、その日の夕方二人で辞表を持つて通産大臣をおたずねいたしたようなわけでございます。
  36. 篠田弘作

    篠田委員長 あなた方が政府勧告を受けられて、大西総裁、並びにあなた櫻井総裁辞職をされたといういきさつはよくわかつておりますが、大西さんの問題は別といたしまして、あなたが辞職勧告をされたときにどういうふうにお感じなつたか、あるいは今日非常に政府の圧力によつて自分たちはやめさせられたのである、あるいは非常に不愉快であるというような感じをお持ちになつているかどうか。あるいは政府のやめさせたその理由をお聞きになつて、お互いの立場においてそれが当然であるとお思いになつているかどうか、そういう点につきましてあなたのお考えをひとつお話願いたい。
  37. 櫻井督三

    櫻井証人 多分大西も同様と思いますが、強制的にやめさせられたという印象はさらに持つておりませんでした。見返り資金問題等が非常に見わけがつかなくなつてしまいましたので、私ども非常に焦慮をいたしまして、関係筋なり政府に懇請をいたしていたようなわけであります。このことにつきましては、通産大臣は、今度の勧告は決して見返り資金関係のあることではないということをはつきり申されてはおりましたものの、やはり私どもがやめることによつて電気事業運営上よくなるということを自分勝手に期待したわけではございません。何と申しましても私ども政府に任命された者なのであります。これは御承知とも思いますけれども日本発送電会社法によりまして、一般理事株主総会で選挙いたしまして、そのうち半分を任命されることになつております。正副総裁に関しましては一向株主総会に諮ることなく政府からいきなり任免される。それで政府から任命されている者が政府から勧告されたということになるのであります。むしろそういう勧告されておるような者のいない方が、会社事業のためにはよろしいというふうに考えております。ただ私遺憾に思いますのは、辞令をもらつたとたんに政治献金云々といつたようなことを言われた点がどうもちよつとおもしろくございませんけれども、やめたこと自体につきましては、何ら強制されたとかあるいは不愉快だというようなことは考えておりません。
  38. 篠田弘作

    篠田委員長 おやめになつたとたんに政治献金云々ということを言われたと言われるのは、要するに新聞その他においてそういう問題が起つたということですか。
  39. 櫻井督三

    櫻井証人 さようでございます。
  40. 篠田弘作

    篠田委員長 私の質問はこれで終ります。
  41. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 証人お尋ねいたしますが、今回の委員会で各証人を喚問いたしておりますことは、申し上げるまでもなく、日発あるいは配電会社等によるところの今回の電力編成にからみます政治献金、いわる政治献金のスキヤンダル問題を取上げているのであります。先ほど委員長からお尋ねがございまして、日発土建業者並びにその他のメーカーからリベートをとつて相当の金がばらまかれていないかというお尋ねに対しまして、証人は、そういうことは考えられないということを証言されたのでありますが、この土建業者というものに対する、自発等工事請負等に関するその方法について、一度御説明を願いたいと思います。
  42. 櫻井督三

    櫻井証人 私は根が事務屋なものでございまして、その方のことは、詳しくはもつと適当な人があると思いますが、私の知つている限りを申し上げたいと思います。  戰争中はたしか非常に大きな土建業者の十何社かが日発協力会というものをつくつていたらしいのでございます。当時は日発仕事なんかをやつてくれる人は少くて、みんな軍の仕事をやつていたらしいのであります。今度工事を再開するに際しましては、ほとんど全国の大小、強弱非常にたくさんの業者から履歴書が出、工事指名願いと申しますか、そういうものが出て参りました。これを土木部並び経理部等、でその社の持つている技術の内容、その社の過去の経歴、つまり工事経歴、それからその社の資金的な内容というようなものを調査いたしまして、そして何十社か百何十社かよく存じませんが、まあこの程度業者であれば、それぞれの仕事にも大きい小さい、あるいは難易はございますけれども、それぞれに応じた仕事はできるであろうというような業者のリストが土木部にできておるのであります。それらのうちから、たとえば九州の小さな発電所でございますと、地元というようなことも考慮し、それから工事力、それぞれの工事にふさわしいようなものを一つ工事についいて五ないし七くらいの程度に選びまして、そして競争見積りをさせるという形でやつております。それにつきましては、なお支店からもあるいは支店を経て現場からかもしれませんが、要するに直接には支店からもこの業者が適当と思うというような推薦もまたあるわけであります。ただ支店のみの推薦ですぐに決定するわけでございませんで、本店でやはり審査をした結果、この工区はこれこれの事業者に見積らせるというとになつております。念のために申し上げておきますが、見返り資金が出まして工事をやるようになりました際に、私の方の当時の総裁大西がその筋へ行きまして御相談もいたしたわけであります。それで私の聞いておりますところでは、公入札をしたのではとんでもない業者が入つて来るおそれもある、といつて特定業者を指名したら、これはまたよろしくない。だから日本発送電が、何と申しますか、信頼できる一番適当と思う方法でやるよりしようがないのじやないか。ただどうしろというようなことはさしずをしないけれども発送電が最も確実であり、最も信頼できるという方法をやつたらよかろうというようなことを言われておるはずであります。
  43. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいまの証言によりますと、全国に百数社の土建業者を登録しておるが、あるいは日発指名社として選んでおるかはしれませんが、そういう中から、たとえば北海道なら北海道の蘭越とか、久保内とかいうような水力発電所をつくるという場合に、できるだけ地元業者を、地元というものを勘案して、七社ないし八社に指名入札をさせるというような御証言のごとく、私は承つたのですが、その場合、たとえば北海道なら北海道土建業者の二、三の者がそれに加わるというようなことは当然考えられますが、その中に内地からあるいはまた四社なり三社なりが指名入札社として、七、八社においてこれを最後的な決定をやるというような状態になつているということを私は聞いているのでありますが、そういうような地元以外の業者をきめるという場合には、どういう方法でおきめになられるのか、それともまた最後的な決定はどこの部がやるのか、土木部長がやるのか、それともその責任者はだれであるかということをお聞きしたいのであります。
  44. 櫻井督三

    櫻井証人 必ずしも地元業者にやらせるということには限りませんで、やはり工事に一番適当したものを選ぶ。それについては地元にもし適当したものがあればそれも参加させるというような意味でございます。  それから見積りをするものをだれにするかという最後的の決定土木部長一人でもございません。経理部長一人でもございません。あるいは総裁、私、総務理事、担当部長、こういうものが集まりまして大体決定するというのが普通のやり方でございます。
  45. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 戰争中あるいは戰前ですと、日発仕事をやる土建業者も少かつた。戰争が終つてからは日発仕事をやりたいという希望者が非常にふえたということになりますと、指名入札社になろうとする運動が猛烈に行われるじやないかと思われますが、たとえば見返り資金による発電所がどこそこへきまつたというような場合に、あなたなり、あるいは総裁なり、あるいは土木部長なりに業者から相当猛烈なる運動が行われるのじやないかと想像されますが、そういうことがやはりあるでしようか、ないでしようか、お伺いしたいと思います。
  46. 櫻井督三

    櫻井証人 運動と申しますか、あるいは願書を持つて参り、そしてぜひ参加さしてほしいというようなことはしばしば聞きます。
  47. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 その場合、もちろん業者としてはいろいろな願いあるいは運動をするでしようが、それに政治家が関連して、そしていろいろな手をもつて政治家の力をもつてその指名入札社の指名をさせようとするような運動があつたかどうかということを承りたい。
  48. 櫻井督三

    櫻井証人 少くとも何らかの力をもつて、圧力を加えて、これを加えろというようなことを私ども言われたことはありません。
  49. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 そうすると、土建業者から出た四億円等の政治献金に対しては、あなたとしてはごうも考えられなかつたという結論に解釈してよろしゆうございますか。
  50. 櫻井督三

    櫻井証人 日発が出したか出さないかというお問いじやないのですね。
  51. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ええ。
  52. 櫻井督三

    櫻井証人 土建業者から出したか出さないか……。
  53. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ええ。
  54. 櫻井督三

    櫻井証人 私どもといたしましてはわかりません。わかりませんが、おそらく今の日本発送電の予算あるいは見積り決定方法等、それからまた代金の支払い方等によりますと、とうてい土建業者がそういう金を出す余裕はないものと想像いたします。
  55. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それでは次に移ります。電気事業経営者会議において、自由党政務調査会員の会員としての百万円を出したという問題でありますが、これについてはいろいろな誤解もあるようでありますが、私たちとしてはその点を日発スキヤンダルとどういう関係かあるかということをはつきりしたいという気持からお尋ねしたいのであります。先ほどの証言によつて総理官邸に経営者の方々が集つて、その席上自由党政調会の方々あるいは幹部からいろいろと自由党のあり方に対してのお話があり、その後自由党からいろいろな趣意書を持つて来て、いわゆる政務調査会の参与としての勧誘を受けて、参与なつてその会費を納めたということでございますが、しからばその参与になられた方々が何名であつて、どれくらいずつの割合で百万円の金額に達したかどうかということを承りたいのであります。
  56. 櫻井督三

    櫻井証人 実はいよいよ参与会員電気事業から何名ぐらい出そうかということになつたわけでございますが、そのはつきりきまつた人数等は私が事務局長をやめたあとでございまして、人数の点は私よく存じません。多分十五、六人か二十人足らず程度の人数と思います。ただ覚えておることは、日本発送電では大西と私と秘書役と、その三人が名簿を出しました。
  57. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 そうしますと、自由党政調会参与会費を出したということは、日発だけでなく、電気事業経営者会議というものは、日発並びに配電会社その他の電気関係事業者も加わつておると思うのですが、そのメンバー、経営者会議の構成というものがどういう形でなされているか承りたい。
  58. 櫻井督三

    櫻井証人 今のお尋ねのうちで、日発配電会社その他というお話でありますが、その他は加わつていないのであります。電気事業経営者会議というものは、日発と配電だけでできておるのであります。正式の会議の構成員は、日発の正副総裁と、配電会社の社長でございますから、配電九つ、日発二人、合計十一人が経営者会議のメンバーでございます。事務局を置きまして、事務局には総務、労務、業務に各社から適当な事務局員を派遣いたしまして事務をとつております。主たる仕事はやはり委託された範囲の労務問題が一番大きな仕事でございますが、そのほかに業務上の統計、資料、それから電気事業に共通する、たとえば料金の問題でございますとか、そういう事柄の仕事をやつておるわけであります。
  59. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 電気事業経営者会議日発並びに発電会社合せて十一の代表者によつてなされておるということでありますが、そういたしますと、先ほど自由党への政調会参与としての会費を出した百万円に対しては十五名ないし二十名以下のものがその参与なつておるであろうということを証言されたのですが、しからば電気事業経営者会議の代表者がまとまつてつたということでなしに、電気事業経営者会議があつせんして自由党参与になる人たちをきめたというように解していいのですか。それとも電気事業経営者会議が全体として自由党参与なつたということでありますか、その点はつきりしていただきたいと思います。
  60. 櫻井督三

    櫻井証人 そこまで突き詰めた考え方は実は当時はいたしておりませんでしたが、とにかく経営者会議で決議をして、電気事業の中から代表を出そう、こういうふうに決議をいたしたと存じます。
  61. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 そこでこの百万円の問題は、たまたま今度再編成に対しての政治献金として誤解される点があるのでありますが、私たちの考え方では再編成に対して賛成の配電会社、あるいは反対の日発、両方の人たちが自由党参与なつ会費を出したということでありますので、この百万円というのは、どこまでも今度のいわゆる再編成に対しての関連した金の出し方ではないというふうに考えてよろしゆうございますか。
  62. 櫻井督三

    櫻井証人 お話の通り分断反対発送電も分断賛成の配電も一緒に出した金でございまして、これはもう再編成問題とはまつたく縁のないものであります。
  63. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 次は、社会党から寄付の申込みがあつたということでありますが、それに対してはいまだその実行に至つていないということでありますけれども社会党から資金カンパ申込みがあつたとき、一応出してやつてもいいとか、あるいは悪いとかいう結論に達しなかつたのか、それとも出してもいいということになつていたが、いろいろな問題が起きたので出す時期に至つていなかつたのか、その点をどちらがほんとうなのか承りたい。
  64. 櫻井督三

    櫻井証人 御質問の前の方でございまして、出してもいいとか、出して悪いとかいうどつちにも結論に達していない。そのために出していないということであります。
  65. 篠田弘作

  66. 椎熊三郎

    椎熊委員 証人並びに前総裁は電気の再分配の政府原案に反対のようでありますが、そもそも電気事業を再編成しようといる問題は、御承知集中排除法がありまして、どうしても独占的にああいうものを日本全国統一して一つにやつてはいけないという法律上の至上命令に基いたものであつたと、私どもは信じておるのだが、それにもかかわらずあなた方は反対して、この反対運動が効を奏すれば、この法律案にもかかわらず、旧来のごとき経営状態でやつて行けると信じられたのでありましたか。
  67. 櫻井督三

    櫻井証人 私どもの反対いたしましたのは、再編成そのものではないのであります。たとえて申しますと、私どもはこの前の民主化委員会案には賛意を表したわけであります。そういう点からお考えくださいましても、再編成そのものに反対したわけではないのでありまして、そのわけ方いかんの問題で反対をいたしたのであります。たとえば九分割というようなことになりましたならば、これはもう非常な不幸であるということを私ども確信をいたしております。そういう意味において反対をいたしたのでありまして、再編成そのもの、いかなる再編成にも反対だということを申しておるわけではないのであります。  それから今まで発送電現状維持論を唱えて参りましたが、それはおそらくいろいろな法規上の点、その他業務の改善を要する点は多々あろうと思いますが、業務上としては現状維持で十分やつて行けるということを確信いたしております。
  68. 椎熊三郎

    椎熊委員 そうすると再編成そのものには反対でなくて、分割方法内容についての反対意見であつたと解釈いたします。そうすると、あなた方が賛成せられた当時の案は、三分割案、すなわち本州、九州北海道、四国を分離する、こういう案のようであつたと思いますが、現在もあなた自身はその方がいいとお考えになりますか。
  69. 櫻井督三

    櫻井証人 私どもはベストを望めばもつとベストもあると思います。それから今のお話でもう一つ委員の方の御質問で拔けているという点があるのは、あの案は北海道と四国を離すという案でございますが、その離す時期については條件がついておるわけであります。そういう意味合いにおきまして、私どもはベストにあらずんば、あの程度の案ならば賛成できる。こういう考え方であつたのであります。
  70. 椎熊三郎

    椎熊委員 当初この問題が政界の問題になりました当時、一部には公共企業体として経営さして行くのがいいのではないか、すなわち政府が一旦現在の日発の持つておる事業全体を買い上げて、そうしてたとえば郵便、電信の経営のごとく、あるいは鉄道の経営のごとくにコーポレーシヨン式なやり方でやつた方がいいという意見も一部にあつたのありますが、そういうことは日発当事者においては考えられたことはなかつたですか。
  71. 櫻井督三

    櫻井証人 最初の全国一社化案というものを出す前段におきまして、そういうことも一応は考えたことはございました。考えた上で、全国一社化案というものを出したのであります。その後やつと経済が安定期に向つたときに、わざわざ非常な混乱を起すことよりも、むしろ私たちは現状維持がいいということで、あと現状維持説に変更いたしたわけであります。
  72. 椎熊三郎

    椎熊委員 本質的の問題、根本的な分割め問題はこの程度にとどめておきます。今度世間にいわゆる日発問題として喧伝されておるスキヤンダルの問題ですが、当委員会におきまして、先般来調査しておる重点は、請負業者から四億円の金を受取つて、それが政治的に、あるいは分割反対の方面に使われたというようなことが世間のうわさになつておるので証言を煩わしておる次第ですが、この問題の陰の人物で、世間から最も注目を浴びておる人間に三浦義一という人間がおりますが、櫻井さんはその人物を御承知でございましようか。
  73. 櫻井督三

    櫻井証人 前段のお話のうわさとか、そういつたことについては私は存じませんが、三浦義一という人間を知つているかというお問いに対しては、存じております。
  74. 椎熊三郎

    椎熊委員 この三浦義一と日発関係はどういうのであるか、たとえば世間に伝わつておる、これは單なるうわさでございましようけれども、そのうわさによると、日発が請負者の氏名を決定するときなどには、かなり重大なるあつせんをして、発言権が強い。そういうことによつて多くの場合、請負契約者との中間に立つて、今日世間にうわさされるようなことがかもし出された。こういうことが新聞等に伝つておるのですが、そういう事実をあなたが知つている範囲で——日発と三浦義一との関係日発とあなたの関係日発がこの三浦義一をいかに利用したか、あるいは指名請負契約上におけるこの人の立場、あつせんした程度等について、あなたの御記憶の範囲でお答え願いたい。
  75. 櫻井督三

    櫻井証人 御質問でございますが、日本発送電は、三浦義一君を業務上利用するというようなことはございません。それからまた三浦さんが日発の請負者を決定する上に、何といいますか、今影響があるようなお話でございますが、そういうこともございません。
  76. 椎熊三郎

    椎熊委員 あなたが個人的に三浦義一を知つておるだけで、業務関係では何らの関係もないという御証言のように受取つてよろしゆうございますか。
  77. 櫻井督三

    櫻井証人 個人的には三浦さんをよく知つておりますが、業務上に三浦さんとの関連はございません。
  78. 椎熊三郎

    椎熊委員 三浦義一という人の紹介状等を持つて日発関係の本社でなくとも、他の関係しておる事業場等において、金品を三浦君が紹介した人に渡したという事実は御記憶ありませんか。
  79. 櫻井督三

    櫻井証人 私の知つておる限りでは、三浦さんの紹介状を持つて来た人にお金か品物を渡したといいうようなことは絶対にございません。
  80. 椎熊三郎

    椎熊委員 三浦さんとの関係はこの程度にしておきます。すなわち私はこういうふうに承知します。三浦君はこの請負い関係関係なかつたのだ。日発事業関係には容喙しておらなかつた、この人の紹介による金品の授受はなかつた。そういう証言承知しておきます。  次に日発労務対策費のために多額の金を使つております。その使つた金は日発自体が使つたのではなくて、日発外部の人を利用したというふうに承知しておりますが、労務関係では田中清玄君をお願いしたか委託したか、そういう関係でこの人に何がしかの金を渡して労務対策の行動をとつてもらつたという事実があるかどうか。
  81. 櫻井督三

    櫻井証人 労務対策といたしまして、田中清玄さんの協力を求めたということは確かにございます。但し今の御質問について少しく申し上げておきたいことは、あらかじめ田中氏に金を渡してそれで田中氏が自由に駆使したというわけではございませんので、田中氏にいろいろな仕事をこつちから頼みまして、その実費をあとで払うというふうな形式で払つたのでありますから、これはやはり日発が使つたという形になると思います。
  82. 椎熊三郎

    椎熊委員 やはり労務対策のためには田中君が活動したということは明らかになりました。それに日発が金を渡したという事実も明らかになつたようです。その金額はおよそどの程度でございますか。
  83. 櫻井督三

    櫻井証人 何箇月にわたりましたか、相当長い期間にわたりまして、大体千万円ちよつとだと記憶いたします。
  84. 椎熊三郎

    椎熊委員 一個人たる田中君に一千万円ちよつと、それ以上の金を渡したという事実が明らかになりましたが、田中君は受取つた金で主としてどういうようなことをなされたのでございますか。
  85. 櫻井督三

    櫻井証人 これは私どもの方でお願いをして働いていただいたことなんでございまして、非常に重要な職場、たとえて申しますと猪苗代地帶から東北方面、群馬地帶から関東、あるいは千曲川方面、あるいは木曽川から岐阜の水利というような重要な職場地帶で発電所、配電所が非常に数多くございますが、そこに適当な方々をお選びいただきまして、二百七、八十回、これはもう時間は申すと非常に長い間にわたるわけでありますが、そういうような講演会、さらに各種のポスターと申しますか、宣伝ビラあるいは印刷物というようなものを作成いたすというような仕事、それから場合によつては防衛でございます。そういつた仕事が大部分でございます。
  86. 椎熊三郎

    椎熊委員 その問題はその程度にしておきます。  今の自由党に対する百万円献金なんですが、当時の幹事長、現在の農林大臣廣川さんは、その金を自由党に対する政治献金として届出ておるのだそうでございます。あなた方は会費だとあくまでおつしやいますが、電気事業経営者がそういう会費を納めて参与——まあ名目は勧められて、大した金でないから出したのでございましようが、それが政治献金でないといつても同じことなんであります。政党に金を出し、それで反対給付も何にもあなた方は要求してないのですから、それは献金たるには違いないと思いますが、あなたの解釈はどうですか。受取つた方は、献金として承知して届けているのです。
  87. 櫻井督三

    櫻井証人 どうもその辺のことは実はそれが献金であるか、私どもの方としましては政調会参与会員として納め、たしかそういうふうな領收書をもらつたはずでございますので、そう考えております。今の委員の方のお話で、それが献金かとおつしやつても、私どもとしては実はよく見当がつかないのでありまして、あくまで参与会費として考えております。     〔委員長退席、島田委員長代理着席〕
  88. 椎熊三郎

    椎熊委員 政党や政治家献金を受けてはならないという法律も何もないので、献金を受けたつてよいのです。ひとり日本の政界だけではなく、全世界の政界においても、正当なる献金は正しくこれは認められておる。あなた方もそれを何も卑屈に考えて、百万円くらいの金を何かりくつをつけて考えたりする必要はないと思う。けれども世間では日発分割に反対のために何がしかの政治献金をした。反対のためにということがついておるために、非常な疑惑深めておる。われわれは政党は違いますけれども日本の政界における政治家の一人として、それがいかなる政党であつても、たとえ自由党でなくてわが党であつても、どの政党でも、世間にいわれるがごとく反対給付をやるための金の授受であるならば、日本の政界の名誉のために、断固としてそれを糾彈しなければならない。しかしそれが單なる献金であつても、諸君は何ら求むるところがなかつたという事実が明瞭になりましたならば、むしろ日本の政界のために喜ぶべきことであると思う。その点奥歯に何かはさまつておるような答弁をされると、一般の人には疑惑が深められて、政界の刷新にはならないのです。それですから献金なら献金で一向さしつかえない。自由党はすでにこれを献金として届け出ておる。もらつている方は献金だと思つておる。それならばあなた方としては何もそれをひがんで、あえて会費だという必要も何もないのだと私は思う。そういうところに世間の疑惑をかもす原因が生じますから、諸君もみずからの潔白を証明するとともに、日本の政界にも迷惑をかけないという建前から、堂々たる御証言を願いたいと思います。あらためてもう一度あなたのお考えを吐露していただきたい。
  89. 櫻井督三

    櫻井証人 御質問の中にありました再編成に関連がありやいなやという点については、再編成に関連がないということははつきりいたしております。それから政治献金というものはどういうものか、政調会費というものはどういうものか、私はその区別はよく——今のお話ではないというようなお話でありましたけれども経営者会議といたしましてはたしかに政調会参与会員なつてくれという要請をされ、そのなるについて会費を納めたということがはつきりいたしておりますので、これだけはもう何べん申し上げましても、電気事業全体から政調会参与会員としての会費を納めたということだけは繰返して申し上げます。
  90. 島田末信

    ○島田委員長代理 小松君。
  91. 小松勇次

    ○小松委員 先ほど委員長から証人に対しまして、辞職勧告せられたことについて、強制的にやめさせられたという印象は受けておらなかつたという問に対して、さような印象は受けていないという御証言があつたのであります。これにつきまして重ねてお尋ねいたしたいのでありますが、およそあなた方が辞職勧告を受けるというのには、勧告を受けるだけの理由はつきりしておらなければならないと思うのであります。先ほど証言の中において承つたのでありますが、政府電力編成案と日発の考えておる案とは相違しておる。日発の思うようにはいかないであろうから、あなた方はこの辺がやめる時期であろうということによつてやめたというように伺つたのであります。單なるそういう理由だけでやめる必要があるか、これが私どもはどうしても妥当な措置だとは思われないのであります。ことに集中排除によるところの再編成の目的が、御承知のごとく、国民経済を合理的に再編成することによつて、民主的で健全な国民経済再建の基礎をつくることにある。そういう見地よりいたしまして、この再編成政府分割案によつて、はたして電力が現在より、豊富になるか、あるいは料金が現在より安くなるか、こういうような点を考えましたときに、あなた方の政府案に対する反対論というものは、私は当然の御意見だと思うのであります。にもかかわらず、あなた方がこれを政府のおつしやる通りに唯々諾々と聞いて、そうして辞表をすみやかに提出したということについては、あなた方は今まであなた方がとつて来たところの反対論というものは、まつたく誤りである、政府のそういう勧告が当然のことであるということによつてやめたかどうか、政府辞職勧告が妥当な措置であるということであなた方はやめたかどうか、この点をまず伺いたい。
  92. 櫻井督三

    櫻井証人 私といたしましては、先ほどもお答え申しましたように、とにかく私ども政府から任命された者でございまして、理由はともかくも、政府から任命された者が、その政府からやめてくれと言われるようなことでありましたら、そういう者がとどまつて仕事をするよりは、もつと別の人がやつた方が一層業務の運用がよくなり得るというような考え方もございました。そのほかに、大西総裁と私は一心同体とでも申しますか、ここ数年女房役を務めて参つたのでございまして、総裁がおやめになる、そうすれば私も一緒についてやめたい、あまりじたばたしないで、散りぎわだけはきれいにさせていただきたいというような心持もまたあつたのでございます。
  93. 小松勇次

    ○小松委員 私がこの問題をまず冒頭に伺う理由は、もちろんあなた方は政府から任命されたお方であるけれども、承るところによると、二十四年のたしか十二月と記憶しておりますが、司令部の方から、メモランダムによつて日発の首脳部は再編成の完了までは人事異動しないというようなことが出ておるということを承つておるのです。しかるにもかかわらず、突如としてあなた方が解任されたということは、私はそこに、ただ表面のあなた方の反対論だけでなく、まだほかに隠れたるところのいろいろの問題がひそんでおるのではないかということを思うがゆえに、この問題を伺うのであります。表面の、さような先ほど来御証言なつ運動以外において、今この考査委員会がこの問題を取上げて調査しなければならなくなつたところのいろいろな政治運動、ことに政界、あるいは政界人に、反対論を通すために、金銭がばらまかれたというような、こういう問題がないという御証言であつて、われわれは大いに安心いたしたのでありますけれども、実際に政党への献金は、自由党参与としての会費だけであるか、そのほか政界人にあなた方で献金したことはありませんか。この問題を重ねて伺いたい。
  94. 櫻井督三

    櫻井証人 政界人に献金をいたしたというようなことは、絶対にございません。
  95. 小松勇次

    ○小松委員 参議院の選挙の際に古池信三さん、田倉八郎さん、石川芳次郎さんに、あなた方の方から何か選挙費用が出ておるそうでありますが、こういう費用は政界人への献金とは別物でありますか、またこの費用は、会社のどういう費目から出ておるのでありますか。
  96. 櫻井督三

    櫻井証人 私の記憶では、それは必ずしも選挙に関連があるものとばかりは考えません。それから金の出場所は、日本発送電ではございません。これは電気事業経営者会議でございます。
  97. 小松勇次

    ○小松委員 さらにお尋ねしたいのは、先ほど来も、労務対策費の問題で話があつたのでありますが、この問題も、重複するようですけれども、私はなお疑問を持ちますから、重ねてお尋ねしたいのであります。当委員会日発会計を調査いたしましたところが、労務対策費として三千六百六十七万円支出されておるそうであります。これは本社からの支出である。そのほか支店から支出したものもあるやに承つておりますが、これらの費用の中で、千九十三万円というものが電力防衛費として出ておる。さらにまた二千四百七十四万円というものが、何に使われたということがはつきりいたしておらないのであります。そのために私は、先ごろ来もこの委員会を通じて、この使途の内容をあなた方の方から報告を願うように、調査を要求してあるのでありますが、まだその報告がありませんから、この問題を伺いたいのであります。これらの費用は何に使われたか。御記憶がありましたならば、御証言を願いたい。
  98. 櫻井督三

    櫻井証人 三千五、六百万円の金が労務対策費として出ておりますことは確かでありまして、千百万円ばかりのものは主として講演会費と記憶いたします。あとの二千数百万円というものは、先ほどどなた様かの質問にお答え申し上げましたように、労務対策上の社外にアジトをつくる費用でございますとか、そこで非組合員たちを働かせるための費用でございますとか、あるいは印刷代でございますとか、それから旅費等も含んでおる。こういうふうに御理解願いたいと思います。
  99. 島田末信

    ○島田委員長代理 ちよつと委員各位に申し上げます。本日は御承知のように、午後三時から電気事業経営者会議事務局長藤田友次郎君の証言を求めることになつておりますので、櫻井証人に対する尋問は、でき得ればそれまでに終るよう、なるべく簡單にお願いいたしたいと思います。
  100. 小松勇次

    ○小松委員 それでは演説会等、そういうことを実際に主催しておつたのはどなたですか。
  101. 櫻井督三

    櫻井証人 主催いたしましたのは、日本発送電自身の主催のこともありますし、あるいは先ほどお話申し上げましたように田中清玄さんが来て主催したというようなこともございます。
  102. 小松勇次

    ○小松委員 先ほどの御証言によりましては、この防衛費というものは、使つた費用に対してあとから会社からお支払いになつた、まとめて払つたものではないというような御証言でありましたが、しかしながらおよそこれらの仕事をするのには、このくらいの予算を要するという見通しをつけて仕事に着手されたものだと思いますが、そういうあらかじめの予算は会社でお立てになつたのか、あるいはそういう仕事を主催する人がその予算を立てて、そうして会社と御相談の上で仕事をしたのかどうか。
  103. 櫻井督三

    櫻井証人 各現場におきまして会社計画を立てまして、その上で協力をしてくださる方に御相談をいたした。こういう形でございます。
  104. 小松勇次

    ○小松委員 ただいまの御証言では、各現場において予算を立てた。しかしこれを総括しておる人は田中清玄さんですか、その点がはつきりいたしませんから、重ねて伺います。
  105. 櫻井督三

    櫻井証人 各現場では、どこの発電所でどういうふうな講演をする。その翌日はどういうふうにするという計画を立てまして、それを田中清玄さんにお願いして、その計画従つて行動していただく。それで総括的な計画は、各現場から来る計画本店でちやんと総合いたしまして、全体をつかんでおりました。
  106. 小松勇次

    ○小松委員 「産業と貿易」という十一月号の雑誌でありますが、これに田中清玄さんの日発に対する話が出ております。その中にこういうことを書いてあります。「電源防衛費も、日発の経費は厳重且つスローモーシヨンで、大概二、三ヶ月遅れてやつとポツリポツリと払つてくれるために、総て立て替えでした。私は三島の自分の邸宅を六月に売りましたが、七月—八月の電源防衛鬪争の真最中には、現場から金を送れと矢のとく促だ。ビタ一文なくなつて、友人吉田首相の甥御さん竹内謙吉君から数十万円借りて、やつと防衛を続けたものです。現にただいま、日発から八月末までの計算で約四百万円の立替えによる取り前があります。」こういうことを言つておりますが、まだあなたの方ではこういう防衛費を未払いになつておるのでありますか。
  107. 櫻井督三

    櫻井証人 先ほどもほかの委員の方の御質問に対しまして、大体経費のあと払いをしているということをお話申し上げた次第でございますが、あるいはまだ田中さんの方に払わなければならない金が残つているかとも存じます。正確なことは、私存じません。
  108. 小松勇次

    ○小松委員 この電源防衛の問題については、こういう仕事の担当重役さんはどなたですか。
  109. 櫻井督三

    櫻井証人 担当重役と申しましても本店では、私ももとより関与いたしております。それから常務理事も関与いたしております。労務部長も関与いたしております。現場では、支店長あるいはその下にいます支社長、こういうものが関与いたしております。
  110. 小松勇次

    ○小松委員 その際のこの仕事に対する責任者はだれですか。
  111. 櫻井督三

    櫻井証人 それぞれの段階がございまして、支店長の権限範囲のものは支店長が責任を負います。それから労務部長は労務部長としての責任を持ちます。しかしまた最終的の責任といえば正副総裁にある。こういうかつこうになります。
  112. 小松勇次

    ○小松委員 田中清玄さんのこの雑誌に出ております話によりますと、あなた方の会社仕事をしておられないで、田中清玄さんが一切この仕事をしておるようにこれでは承知できるのであります。全然さようなことはなくて、会社が実際に仕事を直接しておるのですか。重ねてこの点を伺います。
  113. 櫻井督三

    櫻井証人 田中清玄さんがどういうようにお書きになつて、どういうようにお話なつておるかは存じませんが、事は会社がやるべき仕事でございます。
  114. 島田末信

    ○島田委員長代理 小松君にちよつと御注意申し上げますが、三時までで櫻井証人証言は終りたいと思いますので、他の方の質問もあるようですから、この辺で整理したいと思います。ごく簡單に……。
  115. 小松勇次

    ○小松委員 それでは電源防衛の問題はまだ伺いたいのでありますが、これは別の証人に伺うことにいたします。  あなたは自由党参与になるについて、電力協議会の席上において、あなたが自由党参与になることを皆さんにお諮りになつたということを私どもは承つたのでありますが、この自由党参与というのは一体自由党内におけるどういう立場を持つているか、またどういう目的であなたが参与になられたか、ちよつとこれを伺います。
  116. 櫻井督三

    櫻井証人 自由党参与ではございませんで、自由党政調会の中に参与員というものがあるのであります。その政調会参与員という形で、政調会のお手伝いなんか——たとえば何か私どもの意見を徴されれば申し上げるというようなことに了解しております。
  117. 小松勇次

    ○小松委員 私の質問は制限されているから、きわめて簡單に切り上げます。あなた方が百万円お納めになりましたこの会費は、幾年度の会費であります。何年分の会費であるか。これを重ねて伺います。
  118. 櫻井督三

    櫻井証人 おそらく二年か二年半分の会費にあたると存じます。
  119. 島田末信

    ○島田委員長代理 岡田君。
  120. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 まず第一に、ほかの委員からの質問の中でまだ落ちているように思いますから補足的に伺つておきますが、先ほどの三千六百万円の労務対策費、この経費は日発の会計の費目としてはどういう費目からお出しになつたのですか。
  121. 櫻井督三

    櫻井証人 遺憾ながら費目を記憶いたしておりません。
  122. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 私の方で調べている関係では、先ほどあなたのお話諸費の中の経費の中で幾つかわけてあるようであります。大体労務対策費というのは、総務課扱いの経費としてお出しになつているようでありますが、御記憶ございませんか。
  123. 櫻井督三

    櫻井証人 私も大体は諸費だろうと思つていましたけれども、正確にわからないのでそう申し上げたのでありますが、扱いといたしましては総務で扱つた分もございましようし、人事で扱つた分もあると思います。労務で扱つた分もあります。
  124. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではわれわれの調査とやや食い違いができて参つたわけでありますが、あなたの額三千六百六十万円に誤りがないとするならば、われわれの調査では総務課に三千六百万円という額があるわけであります。それ以外に人事その他の課で扱つたものがあるというお話でありましたが、それ以外に経費が出ているというように解釈いたして間違いないと思いますが、その点もう一度伺いたい。
  125. 櫻井督三

    櫻井証人 実は私は会計の末端の扱いは、伝票を切る課はどうなつているかわからないのであります。伝票をどこで切つているかわかりませんので、あるいは総務でまとめて切つているのかもしれません。
  126. 島田末信

    ○島田委員長代理 ちよつと御了解を得たいのですが、櫻井さんは非常にタバコを吸われるそうで、あそこで今長くタバコを吸わぬとやはり頭も多少悪くなるというような何が見えるので、吸つていけないという前例もないようですが、よろしゆうございますか——どうぞ。
  127. 櫻井督三

    櫻井証人 それが前例になるといけませんから遠慮いたします。
  128. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 今の点非常に記憶がないと言つて最後をぼかしておられますけれども、人事課の扱い分として経費を出された記憶は、経理の扱いはともかくとして、人事課の分としてお出しになつたことは事実であるということだけは記憶されておるわけですか。
  129. 櫻井督三

    櫻井証人 伝票の切り方は存じませんが、しかも労務対策費として出たものの中には、人事で扱つたもの、あるいは労務で扱つたもの、そういうものがあることは事実でございます。
  130. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 少し問題をほかに移して行きたいと思いますが、先ほど分断反対のために印刷その他をされた、そういう運動をされたということをお話なつておりますが、その経費は大体どれくらいかかつておりますか。
  131. 櫻井督三

    櫻井証人 これははなはだ申訳のない次第でございますが、相当かかつていると思いますが、金は私はわかりません。かなりたくさんの印刷でありましたから、相当の金はかかつていると思います。
  132. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 額をおわかりにならないとすれば、その日発内の担当といいますか、その責任の人、あるいは課ですか、あるいは部ですか、そういう関係を御存じならばお話願いたい。
  133. 櫻井督三

    櫻井証人 総務部であろうと考えております。
  134. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 日発の中に再編成協議会という職制で何か再編成の機関がありませんですか、どうですか。
  135. 櫻井督三

    櫻井証人 再編成審議会と申しましたか、集中排除法の適用を受けまして、再編成答申をつくるという時代からつくりました審議機関がありました。
  136. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その審議会は今のお話で行きますと総務課の所管になるというわけでございますか。
  137. 櫻井督三

    櫻井証人 審議会と申しますのは必ずしも総務課に所属はいたしません。しかし審議会でやつた仕事の連絡と申しますか、そういうものについての扱いは総務課でやるということになります。
  138. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 審議会はたしかわれわれの調査では調査部がこれを担当しておるというように聞いておるのでありますが、調査部次長に藤田という人がおりますね。この人は審議会の委員じやありませんか。
  139. 櫻井督三

    櫻井証人 審議会はたしか副総裁が審議会の委員長つたと思います。そのほかにその下に各部課から適当なメンバーを集めまして審議を担当いたしました。それに事務局を付属いたしまして、事務局長はときどきかわつております。     〔島田委員長代理退席、委員長着席〕
  140. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではあなたが——副総裁が審議会の委員長なつておるならば、そこでかかつた経費は大体御承知だろうと思いますが、これは大体どれくらいかかつておるか御存じありませんか。
  141. 櫻井督三

    櫻井証人 審議会の委員長ではありますけれども、その経費はどのくらいかかつておるかということを遺憾ながら存じません。
  142. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじやこの問題はあとにまわして参りますが、電力経営者協議会に対して分担金を今までお出しになつておるということでありますが、これは大体どれくらい——特にあなたは先ほど事務局長であるというお話であつたのですが、今度は事務局長の立場ならば経営者協議会の内容がある程度わからなければならない。どのくらいお出しになつたか、それから電力経営者協議会の年間の経費は、各配電等もあわせてどのくらいですか、この点もお伺いいたします。
  143. 櫻井督三

    櫻井証人 経営者会議事務局長をいたしておりましたから大体わかります。分担は必要に応じて各社から出しておりまして、各社の分担の仕方は、たとえば一千万円集めるときは三分の一は平等割、三分の一は資本金割、三分の一は收入割というようなふうに日発、関東配電、何配電こういうふうに分担いたしました。大体の費用は月に二百万円程度が普通であると考えます。
  144. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 年間大体どのくらいになりますか。
  145. 櫻井督三

    櫻井証人 月に二百万円としましたら年に二千四百万円……。
  146. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは日発だけですか。
  147. 櫻井督三

    櫻井証人 全部です。
  148. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その中の日発のを伺つたのです。
  149. 櫻井督三

    櫻井証人 分担の方法で申しましたように、一千万円集めますときには、その三分の一は資本金割、三分の一は収入割、三分の一は平等割、こういうふうに複合でやりますので、おおむね日発の負担になるのは全体の二五%くらいになりましよう。
  150. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 大体二百万円で二千四百万円、われわれの調べおる限りでは、大体八千万くらいになると思うのですが、あなたは二千四百万円と今証言なつておられるのですが、この点は食い違いがあるようですがいかがですか。
  151. 櫻井督三

    櫻井証人 経営者会議費用が年に八千万円というようなことは私は信じられません。大体私のやつておりました当時は月二百万円程度あればやつて行けたと記憶しております。
  152. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと岡田君に申し上げますが、八千万円は昭和二十二年から二十五年までで八千万円ですから、さよう御承知を願います。
  153. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 話が他の方に参りますけれども、先ほどの経歴についてお話のところでは、九州配電に入社されて、日発の方にお見えなつたようですが、現在の自由党の代議士をやつておる麻生太賀吉さんを御存じですか、どうですか。
  154. 櫻井督三

    櫻井証人 麻生太賀吉さんは存じ上げております。
  155. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 麻生太賀吉さんは九州配電の時代から御懇意なのですか、どうですか。
  156. 櫻井督三

    櫻井証人 私は九州配電に参ります前に、九州水力におりました。麻生さんのおじいさんが九州水力の社長でございました。でございますから麻生さんは御幼小のごろからお見知りはいたしております。
  157. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは相当御懇意なので、いろいろなことも御相談なつておるだろうと思いますが、今年の春ごろにも再三頻繁にお会いになつた御記憶はありませんか、どうですか。二月、三月ごろ……。
  158. 櫻井督三

    櫻井証人 麻生さんとは、存じ上げておりますことは今申し上げるように昔から存じていますけれども、必ずしも頻繁に行き来をした、もしくは非常に御懇意にしておるということは私からは申し上げかねます。してはおりませんということであります。今年の二、三月ごろにもお目にかかつた記憶はございません。
  159. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ことしの二、三月というふうに限定するといけないと思うのですが、一月から三月ごろまでの間にほんとうにお会いになつた御記憶はないかどうか。この点もう一度はつきり伺いたいと思います。
  160. 櫻井督三

    櫻井証人 麻生さんとときどき会うのでございまして、一体二、三月に会つたのか四、五月に会つたのか……。
  161. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ことしになつてどうですか。
  162. 櫻井督三

    櫻井証人 ことしになつてお会いしたことはあると思います。
  163. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ことしになつてお会いになつたときに、麻生さんの紹介で大磯の吉田さんのところへ行つて相談をされた御記憶はありませんかどうですか。
  164. 櫻井督三

    櫻井証人 大磯の吉田さんという方は私は記憶ございません。
  165. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一度はつきり申し上げます。あなたも相当有名な方ですから、また副総裁もやつておられたから、私はそれだけ申し上げればおわかりになるだろうと思つたのですが、吉田さんというのは吉田ワンマン、吉田茂であります。
  166. 櫻井督三

    櫻井証人 ございません。
  167. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 吉田ワンマン、ワンマンが悪ければ吉田総理大臣ですが、吉田首相にあなたが麻生さんを通じてお会いになつこという話が実はわれわれの方に相当伝わつている。この点はぜひはつきりしていただきたいのですが、それを契機にしてあなたは表面は分断反対をやりながら、内幕は実は反対が逆になつて来ている。少くとも表面のそういう態度というものは今まで通りでしようが、反対をくつがえすというまでに行かないにしても、何かしつつあるというような情勢があつたように聞いております。その点についてもう少し詳しくお話を願いたいと思います。
  168. 櫻井督三

    櫻井証人 それは私は非常に残念でございます。これはあなたもおそらくよそからお話をお聞きになつたと思いますが、私はこれははつきりデマだと言いたいのであります。私は麻生さんを経て吉田さんに二、三月ごろ会つて、それ以外に会つたということは絶対にございません。
  169. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それからもう一つ、人の問題が出ましたから……。廣川さんにはお会いになつたことがありますか、どうですか。ちよつとその点を伺いたい。
  170. 櫻井督三

    櫻井証人 廣川さんには数回お目にかかつたことがございます。
  171. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 大体その時期を伺いたいと思います。最初の時期と最後の時期を……。
  172. 櫻井督三

    櫻井証人 たしか自由党の幹事長をされていたので、いつごろでございますか、そのころ初めてお目にかかつたことがございます。
  173. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 廣川さんにはどういう経緯でお会いになつたか。直接お会いになりましたか、あるいにあなたが非常に懇意だと言われている森直次という人を介してお会いになつたのですか。
  174. 櫻井督三

    櫻井証人 会社の業務上のことか何かで陳情か何かに行つた。そういうようなことでお目にかかつたのではないかと思いますが……。
  175. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 先ほどの社会党の百万円の問題でありますが、社会党から申入れがあつたということですが、日発に申入れがあつたのかどうか。そのときには日発の方では副総裁のあなたがお会いになつたのですか、どうですか。
  176. 櫻井督三

    櫻井証人 初めは私でなく、だれかが私のところへ御案内をして参つたように記憶をいたします。
  177. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 社会党には、これはきまつておらないとお話になりましたが、その当時たしか事務局長をあなたがやつておられたと思うのです。電力経営者協議会としては、実はあなた以外の証人からもこういうような話が出たという証言があるわけです。そこで社会党には、これは結局出さなかつたわけなんでしようが、そういう話を事務局長として経営者協議会におかけになつたことがありますか、どうですか。
  178. 櫻井督三

    櫻井証人 今の委員の御質問は少し違つておりまして、これはことしの話でございますから、私が事務局長をやめたあとでございます。今の事務局長から経営者会議にその話を議題にかけたという事実はございます。
  179. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 先ほどの自由党の金も日発としては出さないで、経営者協議会で出そうというお話で出されたようですが、社会党の場合に対しても、日発としては出せないから、経営者協議会で出そう、こういうお考えであつたような証言を聞いたわけであります。その場合に、日発側の立場として、櫻井さんは、自由党にも出しているから、社会党にも出さねばなるまいだろうというようなお考えで、経営者協議会の話の場合にお考えになられたんではないかと思いますが、どうですか。
  180. 櫻井督三

    櫻井証人 両方の場合とも問題は日発だけの問題でなくて、やはり全体としての問題と考えなければならぬ。そういう建前から経営者会議にはかるということになるわけであります。
  181. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それで櫻井さんといいますか、日発としては、社会党にも出さなくちやなるまいというお考えであつたのではなかつたですかということを伺つたのです。
  182. 櫻井督三

    櫻井証人 これは私のところに来たようなふうのお話でございますけれども、私のところにもおいでになりましたけれども経営者会議事務局の方にもやはり同じ問題を持つてつております。私の次の事務局長がおりますが、これは日発に来たとか経営者会議に来たというようなわけでなく、とにかく資金カンパをしているということでありましたから、これは日発とか各社の問題でなく、そういう問題がありますと経営者会議が全体で協議して取上げるというような形に従来もなつておるのであります。
  183. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと岡田君に御注意申し上げます。ただいまの問題でしたら藤田友次郎という事務局長を三時から喚問することになつておりますし、そのほかにもまだ共産党、社会党からも質問の通告があります。従つてあなたの質問は簡單に願いたいと思います。
  184. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 私のお伺いしたいのは、社会党から日発の方にも献金をしてくれと言つたときに、日発の方から電力経営者協議会にはかつてもらいたいという——電力経営者協議会から社会党が出してもらいたいというのではなくして、日発からも資金カンパをしてくれと言つて来たんでしよう。そうではないですか。
  185. 櫻井督三

    櫻井証人 その点は、私は実ははつきり存じません。日発から出せとおつしやつたのか、経営者会議からまとめて出せと言つたのか……。私は会いましたが、こういう資金カンパをするから心配してほしいというお話でございまして、向うは日発から出せとかあるいは経営者会議から出せとはおつしやいませんでした。
  186. 篠田弘作

    篠田委員長 まだ長くかかりますか。
  187. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう長くかかりません。実は自由党献金の話が出ておりますが、自由党事務局のだれが参つてお会いになりましたか。
  188. 櫻井督三

    櫻井証人 一番最初にお見えなつたのは事務局長であつたと思います。
  189. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 先ほどほかの委員からも参与の問題がありましたが、参与になるということは、やはりその党の主張に共鳴をしなければ参与名前を連ねるということはあり得ないと思うのですが、どうですか。
  190. 櫻井督三

    櫻井証人 私どもは必ずしもそうは考えておりません。意見があればやはり自分の意見の通りを申し上ぐべきだと思います。
  191. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 これは自由党に限つたことではないと思いますが、どの政党にしても、参与なつて自分の意見を通させようというのが参与なりそういうものの地位じやないのですか、どうですか。
  192. 櫻井督三

    櫻井証人 私どもは必ずしもそういうふうな積極的なものとは考えておりません。
  193. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではあなた方は日発のこういう金、特に政府からも相当出ている金、こういう金も積極的な役割も果さないで、ただおつき合いのために、参与というようなことで総理官邸に呼ばれたから、そこへ行つて、おつき合いにこういうふうに百万円も金を出そう、こういうおつもりでお出しになつたのですか。
  194. 櫻井督三

    櫻井証人 今の御質問の中に政府から金が出ているというふうにおつしやいましたが、日発政府から金は出ていないのでございます。それからおつき合いというようなお話でございますけれども、要するに当時配付されました趣意書は賛意を表するということでございます。
  195. 篠田弘作

    篠田委員長 久保田君。
  196. 久保田鶴松

    ○久保田委員 時間の関係上簡單に要点だけ伺いたいと思います。櫻井元副総裁のあなたの弟さんでいらつしやいますが、この方は日発鹿瀬支社の事務課長をしていらつしやいますか。
  197. 櫻井督三

    櫻井証人 私の弟であり、法律上の子供である欽司というものが鹿瀬支社の事務課長をしております。
  198. 久保田鶴松

    ○久保田委員 日発から渉外費としてどのくらい出されておりますか。
  199. 櫻井督三

    櫻井証人 渉外費として出されているものは、実は私はよく存じないのでございますが、うろ覚えでもよければ、二十四年度に千万円近く出ているのじやないかと思いますけれども、実はこれははつきり覚えません。
  200. 久保田鶴松

    ○久保田委員 それではその渉外費を今一千万円近くと言われましたが、その中で日本人が使用いたしました金額でございますが、これはおわかりでございましようか。
  201. 櫻井督三

    櫻井証人 わかりません。
  202. 久保田鶴松

    ○久保田委員 そうすると大体この渉外費の中で半分以上は電源地の視察等と称して、また櫻井さんもそれに同行されて芸者遊びとか、あるいは魚つり等の催しをされたことがありますか。
  203. 櫻井督三

    櫻井証人 遺憾ながら私は外人の方の旅行にお伴をしたことがございません。
  204. 久保田鶴松

    ○久保田委員 それは渉外関係でございまして、外人とは違いまして、日本人ばかりの人たちが寄つてでございますが……。
  205. 櫻井督三

    櫻井証人 私は最近日本の方とも御一緒にいたしたことは、少くとも二十四年以来は一度もございません。
  206. 久保田鶴松

    ○久保田委員 次にお伺いしたいのは、日発の近畿支社で電話器具購入をされます際に、それを安く買い入れられながら、その領收書、これを高く書かせられたというような事実はございませんか。
  207. 櫻井督三

    櫻井証人 存じません。
  208. 久保田鶴松

    ○久保田委員 日発鹿瀬発電所においての堤防工事でありますが、これを請負われた請負人は地元土建業者で、県会議員でございますが、この人たちに請負わせられましたその工事については、相当不正があつたというようなことは事実でございますか。
  209. 櫻井督三

    櫻井証人 工事によりましては支社限りでやる工事もあり、支店限りでやる工事もありまして、私実はそこまで詳しいことは存じませんでございます。
  210. 久保田鶴松

    ○久保田委員 詳しいことは知らぬと言つてお逃げになりますが、こうした工事を請負わせられるときには、いろいろそういう問題について、副総裁としてそういうことは相談に乘らなかつたわけですか。
  211. 櫻井督三

    櫻井証人 今鹿瀬支社の何か工事らしいのでございますが、ただいまも申し上げますように、支社長には支社長の権限がございます。支店長には支店長の権限がございます。権限以上に越えて私どものところに決済を求めなければならない事柄でありましたならば、当然私どもは知つていなければならないことでございますけれども、そうでない事柄につきましてはわからないのが一般でございまして、今委員の方の御質問には私何も逃げるという意味でございませんで、実は存じないのでございます。
  212. 久保田鶴松

    ○久保田委員 次に群馬県の佐久発電所の問題でございますが、この工事につきまして数億円出されておりますが、その工事が実際になされていないというようなことを御存じでございますか。
  213. 櫻井督三

    櫻井証人 佐久は水害がありましたので、水害の復旧工事がございまして、その金はおそらく億という台に上ると思います。しかしそういう工事が、金だけ出してなされないということは、あるはずがありません。
  214. 久保田鶴松

    ○久保田委員 ところが実際になされていないというような情報をわれわれ調査いたしました範囲において得ておるのであります。ところがこれを請負われました人たちは清水組、鹿島組、熊谷組、この組の人たちである。こういうふうに私どもは知つておるのでありますが、いかがでございますか。
  215. 櫻井督三

    櫻井証人 私は佐久の工事をどの請負者が請負つたか存じません。
  216. 久保田鶴松

    ○久保田委員 大体今数億円というその工事をやつたことの記憶、金を出したことの記憶といいますか、あるということを申されましたが、しかし実際においてそういうようなこまかい点はよくわからないということを申されますが、どうなんですか。
  217. 櫻井督三

    櫻井証人 佐久は台風の影響で水路が決壞いたしまして、修繕工事をやつたことだけは記憶しております。しかしおそらく一億内外の金だろうと考えます。従つて億台の金であろうということを申し上げたのであります。しかしその請負工事者がだれであつて、その請負金が幾らであつたかというようなことは、私は記憶しないのでなくて、初めからそういうことを知らないのであります。
  218. 久保田鶴松

    ○久保田委員 このときの工事の問題につきまして、特殊セメントとかまたその他のいろいろの資材の問題につきまして、一昨年の九月澁川警察署が手入れされたということがございますが、さようことも御存じございませんか。
  219. 櫻井督三

    櫻井証人 私の仕事は今御質問いただいたところまでやつていたら、おそらくとてもからだが幾つあつても足りないだろうと思います。それで特殊セメントの問題なんかも今初めて伺うようなわけであります。
  220. 久保田鶴松

    ○久保田委員 からだが幾つあつても足りないというようなお言葉がございましたが、それでは副総裁として、今申しましたようなことは、これは日発としても相当重大な問題だと思いますが、さようなことをちつともお聞きになつたことはなかつたのでありますか。
  221. 櫻井督三

    櫻井証人 特殊セメントで不正があつたとか、あるいは金だけ払われて工事ができていなかつたというようなことはちつとも承つておりません。
  222. 久保田鶴松

    ○久保田委員 次にお伺いしたいと思います問題は、東京都内配電線の修理のために、十八億円見返り資金が出されているということでございますが、いかがでございましようか。
  223. 櫻井督三

    櫻井証人 配電会社も二十四年度の見返り資金を各社ともいずれもいくらかずつはもらつたはずでございますが、東京都内の配電線にそれがいくら割当てられたかというようなことは私は存じ上げません。
  224. 久保田鶴松

    ○久保田委員 そうすると櫻井さんは、私がいろいろお尋ねする点につきましてはあまり知らない、わからないということを申されるのでありますが、この中部配電所の問題につきまして、副社長の井上五郎さんという方がおられまして、この方が電気事業経営者会議において、あなたにいろいろ有力な報告をされておるというようなことを伺つておるのでございますが、さようなことがございますか。
  225. 櫻井督三

    櫻井証人 御質問の趣旨がよくわかりませんが中部配電の副社長の井上五郎さんが経営者会議で、そのあとちよつと……。
  226. 久保田鶴松

    ○久保田委員 井上五郎さんが、電気事業経営者会議においてあなたの立場というものを、非常に日発としての有力なようなことを発言しておられるのであります。そのことについて……。
  227. 櫻井督三

    櫻井証人 そのことは存じませんが、あべこべに私は中部配電の井上副社長は、非常にりつぱな、有力な人だと考えております。
  228. 久保田鶴松

    ○久保田委員 そこであなたと松永さんとが中部財閥関係と強い結託をされまして、中部地方に対しての電力事情を非常によくするというような相談がされたということございますが、さようなことはございませんか。
  229. 櫻井督三

    櫻井証人 先ほどほかの委員の方から質問されました、私が吉田総理に会つて云々という話と同じように、私は松永さんと最近お目にかかつたこともございませんし、いわんや私が松永さんと結託して、中部の電力を云々というような事実は毛頭ないことを、はつきり申し上げておきます。
  230. 久保田鶴松

    ○久保田委員 大体中部にその電力を集中されまして、そのために北陸とか、関西方面に対する工事の施設等を取消すような指令をあなたが出されたというようなことをやつたというのでありますが、そういうことはございませんか。
  231. 櫻井督三

    櫻井証人 そのようなことは毛頭ございません。大体そういうようなことは私は考えません。
  232. 久保田鶴松

    ○久保田委員 昨日山岡さんの証言にかあつたのでございますが、伺つておりますと、はつきりしない点がある。それは山岡さんの言うことにもいろいろ四億の金の出し方等々と、そうして新聞に出ましたその内容等について、さようなことが事実であるか、あるいは事実でないのかというようなことに対して、いろいろ他の委員質問しておられたのであります。あなたが出されました金に対して、あるいは新聞記事等に対して、局長さんにその報告をいたしますと、そうか、それではお前の言うようなこともあり得るなあというような話を昨日伺つたのであります。そうするといろいろ問題になつております政治資金等については、これは單にデマではない。われわれ聞いておりますと、これは事実であるかのごとくに昨日は伺つたのであります。本日また櫻井さんにいろいろ伺いますと、不利な点はうまく逃げられるのでございますが、私こういうことからいたしまして、いろいろお伺いしたい点がたくさんあるのでございますが、時間の関係もございますので、これは後日また伺うことにいたしたいと思います。  そこで最後に伺つておきたいのは、本年三月三十一日の決算におきまして、日発は七十七億以上の利潤を持つておられる。そうしてこの七十七億の中から相当政治資金等に使われておるというようなことをわれわれは聞いておるのでございますが、その点はいかがでありましよう。
  233. 櫻井督三

    櫻井証人 日発は三月締切りに七十億程度の預金があつたかもしれません。それは見返り資金が最後に出ましたのが三月に二回出ておるわけでありまして、まだ工事資金の方にまわらないで、七十億程度の預金はあつたと思います。しかし今お話のように、それが政治資金に使われたというようなことは絶対にございません。
  234. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 私は今のと関連したことを三点だけ伺いたいのです。先ほど久保田委員が申されました鹿瀬工事の問題群馬県の佐久工事の問題について副総裁は、何ら御存じないとおつしやいますが、少くとも佐久工事などのように一億円以上の工事について何ら知らないということは、それは副総裁として知らぬでもよい権限であるかどうか、その点を承つておきます。
  235. 櫻井督三

    櫻井証人 私の申し上げますのは、佐久工事が数億円の金が出て、工事ができていないというようなことについては存じ上げません。こういうふうに申し上げたのであります。
  236. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そういたしますと、どの程度にその工事ができておるか。あるいはこの工事の過程において、セメントの問題について刑事問題が起きておる。こういうようなことを副総裁として、権限外として知らないとおつしやるか。それとも報告を聞いておられるか。その点をはつきりしてもらいたい。
  237. 櫻井督三

    櫻井証人 佐久の修繕工事は、もう完成いたしております。それから、その途中で特殊セメントについて、横流しがあつたというような事実については、報告を受けておりません。
  238. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 それから次は、これは確認になるかとも思いますが、自由党献金問題ですが自由党政調会参与になられたのは、日発では総裁、副総裁、秘書、その他配電を入れて二十名。この会費を経営者協議会の積み金から五十万円ずつ二回出した。言いかえれば、政調会参与なつてその会費を出すべきものは三十名である各個人である。しかしながらこの会費は経営者協議会の積み金から五十万円ずつ二度出した。こういうふうに了解していいかどうか。
  239. 櫻井督三

    櫻井証人 経営者会議で各社の社長が集まつて決議をいたしましたのは、電気事業全体として代表者を何人か選ぼう、こういう決議でございまして、その電気事業全体の機関が、今の経営者会議電気事業全体として何人かの代表を出そうこういう建前で参りましたものですから、経費は電気事業経営者会議が負担いたしました。
  240. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 次は社会党献金の問題ですが、副総裁のところに申し込んで来たのは、先ほど二人だとおつしやいましたのですが、その二人の名前がわかつておればその名前、並びにその際金額について幾らくらい資金カンパにしてくれと言つたかどうか。そういう金額についてのお話もあつたかどうか。
  241. 櫻井督三

    櫻井証人 お名前は先ほど申し上げましたように、若い方が二人お見えになりまして、一人の方は姓が加藤とおつしやることだけは記憶しておりますが、もう一人の方は全然存じません。金目については幾らということは申されませんでした。
  242. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 金額についてはつきりしていないというのは、金額の点は言わずに、ただ資金カンパしてくれという申込みつたと了解していいですか。
  243. 櫻井督三

    櫻井証人 さようでございます。
  244. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 副総裁は二人に面会されましたが、加藤というのはたくさんいますが、社会党で一番有名なのは加藤勘十君ですが、その人ですか、それ以外の人ですか。
  245. 櫻井督三

    櫻井証人 加藤勘十君なら私よく存じ上げておりますので、もつとずつと若い方で事務局に勤めておる方であります。
  246. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、社会党事務局におる事務員の若い者だ。こういうふうに了承していいですか。
  247. 篠田弘作

    篠田委員長 それは前から申し上げておる通り、加藤君という人は加藤宣幸君と申しまして、加藤勘十君の御子息でありますから、その点はつきりしております。御参考までに申し上げます。あなたは遅れて来られまして何回も何回も証人に同じことを聞いているから御注意したのです。
  248. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 若い人かどうか、事務員かどうかということを聞いておる。
  249. 篠田弘作

    篠田委員長 だから加藤宣幸君であるということを申し上げておる。
  250. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 証人証言を言う前に、加藤宣幸君だなどと委員長は言う必要はない。若い者は事務員かどうかという点の証人の観察を聞きたいのです。
  251. 櫻井督三

    櫻井証人 先ほど申し上げましたように、まだおそらく三十にもならない方じやないかと思いましたが、とにかく事務局の若い方でありまして、若い方が二人でお見えになりまして、一人は覚えませんが、一人は加藤さんということはわかつております。
  252. 横田甚太郎

    ○横田委員 元副総裁ですから大きなことは御存じでしようが、私の聞きたいのは具体的の詳しいことです。そういうふうなことは往々にして事実に属するのですから……。そんなことを一々言つたら体が足らぬとか権限外だと言われるのですが、特にあなたが副総裁として最も得意とされるところの担当部門は何ですか、これを承りたい。
  253. 櫻井督三

    櫻井証人 私は副総裁でございますから、会社の業務は大体全体にわたつて見なければなりませんですけれども、今お話のように、何にも得意とするところがないので、何をやらしても非常に不手際であるので、まことに恥しい次第であります。
  254. 横田甚太郎

    ○横田委員 お引きになつても十月二十九日、三十日になつて猪苗代湖まで行つておられるあなたですから、相当政治工作が得意ではないのですか。これが担当部分じやないですか。
  255. 櫻井督三

    櫻井証人 私は決して政治工作の方は得意でございません。
  256. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは伺いますが、後ほど名前を出してもいいのですが、あなたは日発本店の従業員に対しまして、日発としても実彈を飛ばしてもいいんだが、日発には金がないからそれができない。こういうふうに残念そうに言われたという事実を御記憶でしようか。
  257. 櫻井督三

    櫻井証人 そういうことを私は申したことはございません。
  258. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、栗山という人を御存じですね。栗山参議院議員。
  259. 櫻井督三

    櫻井証人 存じ上げております。
  260. 横田甚太郎

    ○横田委員 この栗山参議院議員が「国会の窓」というところの本を出しておられますね。これを御存じですか。
  261. 櫻井督三

    櫻井証人 栗山さんが本を出されたという記憶はございますが、その本の名前は記憶しておりません。
  262. 横田甚太郎

    ○横田委員 名前を知らないところの本を、特にあなたが副総裁をしておられるところの日発が、選挙当時にお買いになつたということは御存じありませんか。
  263. 櫻井督三

    櫻井証人 栗山さんの御本を選挙当時お買いしたかどうか記憶ございません。
  264. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、これは大西総裁が買うたと言つておられる証言内容の中に、この本は従業員のために必要であつたために買うたということを言つておられますが、私がこう申しましても、これはやはりあなたの権限外であつて(笑声)あなたの担当部門でないのですから御存じありませんか。
  265. 櫻井督三

    櫻井証人 もし私がそういことについて相談を受けておれば存じていなければならぬはずなんでございますけれども、実は栗山さんの御本を買うことについて相談を受けておりませんので、買つたか買わぬかもわかりません。
  266. 横田甚太郎

    ○横田委員 時間が非常に少いので飛び飛びになりますが、今度は土木関係のことを少し承りたいのです。本社で土木工事関係のために間違いを起して首を切つた、いわゆる醜聞が生じた。こういうような事件は大体あなたの耳に入つておりますか。
  267. 櫻井督三

    櫻井証人 もう少し具体的に言つてくだされば、何かそういう事実があつたかどうか思い出すかもしれませんけれども、土木工事のためにだれか首を切つたということでは記憶ございません。
  268. 横田甚太郎

    ○横田委員 日発にいろいろ資材を納めておりますね。あるいは土木工事をやつておりますね。こういうようなことをやつておる人たちで、またこれと関係しているところの従業員で、醜聞を起してしまつた。間違いを起してしまつた。これが世間的にやかましくなつた。しかたがないからこの人たちは気の毒だが、依願解雇の形で解決しておるというような事件が相当あるのじやないのですか。
  269. 櫻井督三

    櫻井証人 たとえば社員の間で不正と申しますか、があつた。そういう場合には考査委員会が現場にあり、本店にもありまして、その考査委員会にかけまして処罰をいたします。
  270. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではその考査委員会にかかつたということはございますか。いわゆる考査委員会が動いたということはございますか。
  271. 櫻井督三

    櫻井証人 しよつちゆうではございませんが、各支店からいろいろな事故があります。たとえば火事の責任者ができますし、あるいは会社で不正事実があつたという事実がはつきりして来ますと、やはり委員会にかけて、たとえば減給いたしますとか、あるいは懲戒の譴責をいたしますとか、あるいは解職をいたしますとか、そういうことをやることはときどきございます。
  272. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、そういうような場合には損害があつた額並びに人の処分はどういうふうにしていますかということが一つ。それから考査委員会を責任をもつてつておられる中心人物はどなたか、このことを聞きたい。
  273. 櫻井督三

    櫻井証人 考査委員会本店にも支店にもございまして、本店考査委員会は職責上副総裁委員長をやつております。それから支店にも考査委員会がございまして、これは支店長がやつておるはずでございます。それから今のお話でございますが、従業員間にいろいろな不始末が起りましたときに、その度合に応じましてみなの意見を総合して、たとえば譴責をいたしますとか、減給をいたしますとか、休職の場合もありまして、はなはだしくなれば解職を命ずるというようなことがございます。
  274. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではその考査委員会にかけなければならないことが全然ないということは言つておられないから、これにかかつたおもなるものを列挙していただきたい。
  275. 櫻井督三

    櫻井証人 これは私おもなるものを列挙と申されましてもちよつとできかねます。
  276. 横田甚太郎

    ○横田委員 言いかねるのですか。覚えておりませんか。
  277. 櫻井督三

    櫻井証人 さようでございます。
  278. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはだれに聞いたらわかりますか。
  279. 櫻井督三

    櫻井証人 だれに聞きましても、ある程度調べさせてくださらなければ、即座にはわかりかねます。
  280. 横田甚太郎

    ○横田委員 ちよつと待つてください。しばしばあつたのですよ。そのしばしばあつたことの形が書類として本社にあるのですね。
  281. 櫻井督三

    櫻井証人 たとえば考査委員会の記録というものはございます。
  282. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは一体どういう方法によつて調べられますか。
  283. 櫻井督三

    櫻井証人 これは事実によつて、たとえば不正があつたということでありますと、その不正の事実によつて調査をいたします。
  284. 横田甚太郎

    ○横田委員 考査委員会がもらいに行くように要請するつもりですが、そのときわれわれが聞いおりますところの件数と非常に食違いがあると困るので、一応あなたに承つておきたいが、大体こういうふうな考査委員会にかかつたような事件はどれくらいありますか。
  285. 櫻井督三

    櫻井証人 いつからいつまでということでなければ、数は数えられないと思いますし、なお私何件くらいあるというようなことははつきりここで申し上げかねます。
  286. 横田甚太郎

    ○横田委員 いつからいつまでということを言われるのだつたら、あなたが在京中ということをはつきり申しましよう。しかもあなたはこの責任者であつて……。
  287. 櫻井督三

    櫻井証人 私が責任者でございますけれども、件数等についは、調べた上でなければ即座には申上げかねます。
  288. 横田甚太郎

    ○横田委員 もう一回念を押しておきますが、これは全然なかつたのじやない、あるんですね。不正の事実は…。
  289. 篠田弘作

    篠田委員長 あると言つている。時間がありませんから、同じ質問を何回も繰返さないでください。
  290. 横田甚太郎

    ○横田委員 この考査委員会はいつごろ始まつたのですか。
  291. 櫻井督三

    櫻井証人 そういう賞罰に関する機関は、おそらく私が入つて来たときにはすでにありましたから、日発創立以来のことだと存じます。
  292. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではもう一回工事のことをお尋ねいたしますが、たとえば工事をやられる場合に、それは社内工事でやれる、こういう認定、あるいは社外工事だという認定の基準は、一体どこにあるのですか。
  293. 櫻井督三

    櫻井証人 私は実は技術者でございませんので、そういう工事を認定する基準というようなものを心得えておりません。
  294. 横田甚太郎

    ○横田委員 この点について非常に疑問があるのでもう一回聞いておきたいから、簡單に答えていただきたい。あなたが御存じないとすれば、どなたに聞いたらいいのか、現在の職制で言つてもらいたい。
  295. 櫻井督三

    櫻井証人 電気工事も土木工事もありますから、電気工事についてはやはり電気部長、土木については土木部長、名前で申し上げるよりもやはり職責で申し上げた方がよかろうと思う。
  296. 横田甚太郎

    ○横田委員 職責はかわつておりますよ。
  297. 櫻井督三

    櫻井証人 いや、土木部長は土木部長がありますし、工務部長は工務部長というものが人がかわつてもちやんとおります。
  298. 横田甚太郎

    ○横田委員 この考査委員で聞くことが何名も何名もでは御迷惑になるから人が呼べない。だから土木部長を呼びましたところが、三日前にかわられたから、三日前のことは知つておられない。だから私は聞くのですが、その問題が起つたときのあなたの頭で考えておられる土木部長の名前と電気部長の名前を言つてください。
  299. 櫻井督三

    櫻井証人 たしかうちの前土木部長がここへ証人として出るような御都合になつていはしないかと存じますが、もしそういうことでございましたならば、土木工事に関しましてはおそらく前土木部長がここへまかり出ますれば、その人が十分にお話ができると思います。
  300. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、今度は工事を請負われたその契約單価において工事が終つた。それはいいのですが、ところが契約單価において工事が終らなかつた、たとえば奬励金のような形で出した、あるいは單価が切れたからこれは出さねばならぬというようなことでお出しになつた、こういうようなことについて御存じありませんでしようか。
  301. 櫻井督三

    櫻井証人 ただいまの工事は二種類ございます。一つはもうその最初の値段でどんなことがあつても單価の更正はやれないという契約の仕方があります。もう一つ相当長期にわたるものにつきましては、これはたとえば資料等が上がつた場合には、契約上に一定の基準を設けて、そうして單価の更正をするというような契約をする場合と、両種類ございます。
  302. 横田甚太郎

    ○横田委員 單価の更正はやれない、そう言つておられますが、單価の更正の内容でございます。たとえて申しますと、これは尾去沢、この工事のときには請負で工事をやつたところが、期限までにはやれない。これはやつてもらわねばならぬというので、それまでの日にちにやるために別に奬励金というような形で出しておられるのも、その内容に入るのですか。
  303. 櫻井督三

    櫻井証人 尾張沢の具体的の例は私存じませんけれども、やり方の抽象的な、こういうやり方もあるという形で申し上げますれば、もしかりにある工事が竣工期限がきまつておりまして、そしてその通りできる、もしくはそれ以上に切り詰められてでき上つたというような場合には、奬勧金とか、あるいは賞与というようなものを出すこともございます。
  304. 横田甚太郎

    ○横田委員 尾去沢のときにはお出しになつたのですか、出しませんか。
  305. 櫻井督三

    櫻井証人 尾去沢の具体的の事例は私存じません。
  306. 横田甚太郎

    ○横田委員 どこかでこういうような形で出たことを御存じございませんか。
  307. 櫻井督三

    櫻井証人 まことに申訳ありませんけれども、具体的にどこに出た——出たことは確かにございます。たとえばこの工事はいつまでにやれといつたところが、工事が繰上げてもつと早くできたというような場合に、奬励金でありますとか、あるいは成功賞でありますとか、そういうものを出した事例はございますが、その事例がどことどこであつたかということは今記憶にございません。
  308. 横田甚太郎

    ○横田委員 その事例は單数ですか、複数ですか、いわゆるしばしばですか。
  309. 櫻井督三

    櫻井証人 まれにあると思います。
  310. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしますと、今度は大体これは社内なら社内で工事がやれる。それを社内でやらしてくれという要望を無視して、社外に工事を請負した事例はございませんか。
  311. 櫻井督三

    櫻井証人 具体的には私はわかりませんが、そういうことはあり得ると思います。
  312. 横田甚太郎

    ○横田委員 あるのですか、あり得るのですか。
  313. 櫻井督三

    櫻井証人 あり得ると思います。
  314. 横田甚太郎

    ○横田委員 あつたことはございませんか。
  315. 櫻井督三

    櫻井証人 それは私はわかりません。
  316. 横田甚太郎

    ○横田委員 どなたに聞いたらいいのですか。
  317. 櫻井督三

    櫻井証人 なぜかと申しますと、必ずしも要望がどこから出ておるか、たとえば従業員のある団体から出たとか何とかという要望の出方もあります。要望の出所というようなこともありますから、要望があるからといつて、必ずしもその通りには行われないことはあり得ると思います。
  318. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは今度は工事を施工される場合に、その工事にかかるいわゆる起工式といいますか、その始工式、それからまた竣工の場合に相当盛んな宴会をやつておられますね、その一例といたしましては、尾瀬沼の工事なんかは実にたくさんの宴会をやつた。こうわれわれは記憶しておるのですが、こういうようなやつは大体どのくらいのパーセンテージを見込んでおられるのですか、工事費の……。
  319. 櫻井督三

    櫻井証人 たとえば東北で今まで十万ボルトの送電線がなかつたのに、十万ボルトの送電線を新たに起工するというような場合に、やはり起工式をやつてお客さんをお招きするというようなこともございます。それからまた変電所関係ではありませんが、発電所の送電線ができ上りましたとき竣工式をやつてお客様をお招きするという事例もございます。それは工事費の何パーセントというものにはおよそ当らぬと思います。ほんのわずかなものであつたに違いありません。
  320. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、日発のおもなる収入は一体何々ですか。
  321. 櫻井督三

    櫻井証人 日発のおもなる収入と申しましても、日発はもう配電会社から入る電力料、それと直売する工場以外にはほとんどないと申してよろしいかと思います。またたとえばこういうものはございます。預金がございますれば預金の利息でございますとか、わずかばかりの雑収入、そういうものはございますけれども、これは何と申しましてもほとんど九牛の一毛にも及ばないくらいのものでございまして、ほとんど大部分が配電並びに直売の工場からの電力料の収入がございます。
  322. 横田甚太郎

    ○横田委員 その雑収入と払下げ代金とはどういう関係なつておりましようか。
  323. 櫻井督三

    櫻井証人 もし不用品の払い下げがありまして、それが帳簿価格以上に売れた場合は、その差額というものは雑収入にあがつておるはずであります。
  324. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと払い下げの内容は、品目はどんなものでありましようか。
  325. 櫻井督三

    櫻井証人 一々の品目については覚えておりませんけれども、貯蔵品等で不用品になつたもの、不用品になつたものに限つて処分いたしております。
  326. 横田甚太郎

    ○横田委員 払い下げについて当方においては非常に収入があるというように記憶しております。それについてあなたに聞きたいのでありますが、何分副総裁は御存じないから、どなたに聞いたらいいのですか。
  327. 櫻井督三

    櫻井証人 これも私承つておりますと、前経理部長が当委員会証人として出席するやに聞いておりますが、それが出て参りましたならば経理部長は心得ておると存じます。
  328. 横田甚太郎

    ○横田委員 次におもなる支出先、これを承りたい。一体品目はどんなものがありますか。
  329. 櫻井督三

    櫻井証人 支出の種目と申しますと、発電費、変電費というようにわかれておるのであります。業務ごとにわかれております。
  330. 横田甚太郎

    ○横田委員 日発は山を持つておるようなことはございませんか。木のはえた山……。
  331. 櫻井督三

    櫻井証人 木のはえた山も持つております。
  332. 横田甚太郎

    ○横田委員 正式にはこの山はあなたの方ではどういうふうに言うのですか。
  333. 櫻井督三

    櫻井証人 不動産に入つておるのもありましようし、発電所の土地の中に入つておるのもありましようし、発電所といたしましても敷地だけあつて、附属地は少しもないわけではございませんから、やはり設備がありますと木のはえた山もまたございます。
  334. 横田甚太郎

    ○横田委員 こういうようないわゆる水源培養林、防衛林が収入の單価になるような場合はございませんか。
  335. 櫻井督三

    櫻井証人 まだ今のところ日本発送電では植林を切つてそれを収入項目にするというところまで行つたことはございません。
  336. 横田甚太郎

    ○横田委員 ではいいです。
  337. 篠田弘作

    篠田委員長 梨木君。
  338. 梨木作次郎

    ○梨木委員 二十四年の十二月に日発幹部をかえてはいけないというメモランダムが出ておるのでありますが、この事実を御承知でしようか。
  339. 櫻井督三

    櫻井証人 少し御内容が違うようでございまして、日発幹部をやめさせてはいけないということではないかと思います。電気事業なりあるいは電気事業に関連したものの——私内容はよく存じませんが、今お話のような趣旨のメモが出ておつたということは伺つたことがございます。
  340. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこであなたが政府からやめてもらいたいという申入れがあつたときには、このメモランダムとの関係において不都合だとはお考えにならなかつたでしようか。
  341. 櫻井督三

    櫻井証人 不都合だとは考えませんでした。
  342. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その理由をお伺いしたいのです。
  343. 櫻井督三

    櫻井証人 政府でああいうふうに御勧告になりますからには、そういう点はすでに御了解のついておるものと私どもは想像いたしました。
  344. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると、あなたはその点についてメモランダムとの関連におきまして、不都合だとは思うけれども政府の方ではその点について了解があつたものだと想像して辞職を承諾した、こういうように了解してよろしゆうございますか。
  345. 櫻井督三

    櫻井証人 今の御趣旨と私の先ほど申し上げました趣旨とには食い違いがあるように思います。私は不都合があるというふうには考えないのでございます。政府はおそらく御了解を得た上でわれわれにそういうお話をなさつておるのであろう。こういうふうに考えておるのでございまして、決して不都合だとは考えておりません。
  346. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その次に伺いますが、電源防衛費の点でありますが、これは田中清玄氏の方から実際これこれこれだけに使つたからということで請求書が出て、それに対して払つたのだ。こういうように述べられたように私は受取つておるのでありますが、そうだとすれば、何か本人から明細書のようなものがあなたの方へ出ておるかどうか、これを伺いたい。
  347. 櫻井督三

    櫻井証人 私の手元には出ておりませんけれども、もつと下の方には出ておるはずでございます。
  348. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その明細書は今保存されておるかどうかもおわかりにならないのかどうか、この点と、それから下の方でそういうものを受取つておるとすれば、どなたが受取なておるのか。
  349. 櫻井督三

    櫻井証人 保存されているかいないかということは私によくわかりません。わかりませんが、山本総務理事も何か証人として当委員会にお呼び出しになつておるようでありますから、山本総務理事にお聞きくださつたならば、もう少し明白にお答ができるのではないかと思つております。
  350. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは実費だけでか、それとも協力したことについての謝礼もその中に入つているのかどうか。謝礼が入つているとすれば、あなたの方で払う意思があるのかどうか、また払つた事実があるのかどうか。
  351. 櫻井督三

    櫻井証人 私の承知している限りにおきましては実費主義で参つております。
  352. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは先ほどのビラだとか講演会というもの、これは日発でたとえばビラだとかポスターを出すとすれば、日発の名義で出ておるのかどうか、これを伺いたい。
  353. 櫻井督三

    櫻井証人 ビラを一々私は見ておりません。ビラを出しているという事実は知つておりますけれども、各地でどういうビラを出したかということは存じません。ビラの見本を見たことはございます。全部ではございませんが見たことはあります。それがどういう名義で出されているかというようなことははつきりわかりません。
  354. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたがこらんになつたビラの見本というのはどういうものか覚えていらつしやるかどうか。
  355. 櫻井督三

    櫻井証人 電源を防衛せよというようなビラで、何も別に署名のないようなビラ、そういう種類のものを見た記憶はあります。
  356. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その中に「北鮮軍の南鮮侵入を機に日本共産党は重要産業破壊を狙つて居る、ソ連の犬を監視せよ、民族の産業を守れ」こういうようなビラが出ている事実はあなた知りませんか。
  357. 櫻井督三

    櫻井証人 どうも一々ビラの内容を覚えません。
  358. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたは田中清玄さんという人はどういう経歴と思想傾向と政治傾向を持つた人と考えておられるのですか。
  359. 櫻井督三

    櫻井証人 どうもちよつとお答えしにくいことですが、私はやつぱり田中清玄さんを一応知つているつもりでございます。
  360. 梨木作次郎

    ○梨木委員 「産業と貿易」の一九五〇年十一月号に田中清玄さんが談話を発表しております。この中でこういうことを書いておる。「今日の共産党はソ連の赤軍を日本に導入し、かれらの軍政権を樹立させるための第五列だという点が本質でしよう。」こういうような考え方を持つておる人なんです。こういう考え方を持つておるということをあなたは御承知なんですかどうですか。
  361. 櫻井督三

    櫻井証人 言い現わし方は違いますが、田中清玄氏が共産党を排除しようという努力をしていることだけは存じております。
  362. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そういう人に電源防衛を手伝つてもらつて金を出すということは、明かに政治運動じやありませんか。あなたはそう考えないですか。
  363. 櫻井督三

    櫻井証人 これは私どもの業務上の必要でございまして、政治とは考えておりません。
  364. 梨木作次郎

    ○梨木委員 業務上の必要とおつしやるが、こういうことが業務上の必要になるのですか。ソ連の犬を監視せよということが、どういう関係から業務上の必要があるのか、それを伺いたい。
  365. 櫻井督三

    櫻井証人 先ほども申し上げますように、具体的のビラの一々にどういうことが書かれてあるかというようなことは、私は存じていないのであります。
  366. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ビラとか印刷物がこの実費の中の相当重要な内容を占めているということは十分推察することができる。そのビラも見ないで、あなたはこの電源防衛の厖大な金を出されたわけになるが、その通り了解してよろしいですか。
  367. 櫻井督三

    櫻井証人 私どもは少くとも信頼し得る部下を下に持つております。その部下のやることを一々私どもが監督することはないのでございます、その通りを私どもが承認してやるのであります。
  368. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたが信頼し得る部下を下に持つているという、その信頼し得る部下というのはどなたですか。
  369. 櫻井督三

    櫻井証人 それは会社に組織がございまして、やはりその組織のポストポストには信頼する者が配置してあるわけであります。特にだれと言わなくとも……。
  370. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ではその組織を言つてもらいたい。
  371. 櫻井督三

    櫻井証人 組織と申しますれば、日発の職制表でもごらん願いたいと思います。
  372. 梨木作次郎

    ○梨木委員 わからぬから聞いておるのです。言つてください。
  373. 櫻井督三

    櫻井証人 申し上げます。正副総裁がありまして、部が九部ございます。支店が九支店で、支店のもとに四十五ほどの支社があります。そういうような組織を日発は持つております。その責任者には十分りつぱな人たちを配置してあるのでございます。
  374. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そういうでたらめを言つてはだめです。電源防衛のこういうビラを出すについての責任者を言つてくれと言つておるのです。こういうビラを出して、このために金を出している。これは政治資金ではないか、政治運動をやつているのではないか君らは…(「それは共産党防衛論だよ。」と呼ぶ者あり)防衛論じやない。こういう独占企業において、こういう政治的な金を出してよいということがどこにあるか、その点を聞きたいのだ。あなたは信頼し得る部下と言つておるが、あなたの今あげたのは、自分の一般の職制上の部下ではありませんか。こういうビラを出すために金を出させることについて、あなたは信頼し得る部下を持つていると信じておるなら、それを言つてもらいたいというのです。
  375. 櫻井督三

    櫻井証人 要するに、そういうものを出すにつきましても、その現場々々に責任者がおりまして判断を下しております。
  376. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではその一千九十六万円とかいうこの金は、一体だれからどういう順序を経て田中清玄氏に行つておりますか。
  377. 櫻井督三

    櫻井証人 会社の経理から払つて、会計から出たものが、取扱いをする人を経て田中氏もしくは田中氏の代理人、そういうところに出ております。
  378. 梨木作次郎

    ○梨木委員 こういう種類の電源防衛費を出すについての最高の責任者はあなただと聞いておるのですが、その通りでありますか。
  379. 櫻井督三

    櫻井証人 最高の責任者は総裁でございます。私はその手伝いをいたす者であります。
  380. 梨木作次郎

    ○梨木委員 私の言い方はちよつと間違つておりましたが、それでは実際上これを出す元締めですな、それはあなただと聞いておるのですが、どうですか。
  381. 櫻井督三

    櫻井証人 会社の業務としてやりますときは、私もそういう仕事にタツチしていることは確かであります。しかし最後の責任者といえば総裁であります。これは間違いありません。
  382. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この電源防衛の講演などに、外務省の役人なども出ておるということをこの前大西総裁も言われたのでありますが、その外務省の役人というのはどなたとどなたが出ておるのか、御承知つたら言つてもらいたい。
  383. 櫻井督三

    櫻井証人 お役所の方もおられたということは聞きますけれども、私は一ぺんもお会いしたこともございませんし、お名前も伺つておりません。
  384. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これでよろしいです。
  385. 篠田弘作

    篠田委員長 櫻井証人に対する尋問はこれをもつて終りといたします。証人には長い間どうも御苦労さんでした。  藤田友次郎さんですね。
  386. 藤田友次郎

    ○藤田証人 そうです。
  387. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまより電力編成問題について証言を求めるのであります。  証言を求める前に、証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときには、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知なつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。     〔証人藤田友次郎君〕    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  388. 篠田弘作

    篠田委員長 では宣誓書署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  389. 篠田弘作

    篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際はその都度委員長の許可を得てなされるよう希望いたします。なおこちらから証言を求めているときにはおかけになつていてよろしいですが、お答えの際は御起立を願います。  証人の略歴について述べてください。
  390. 藤田友次郎

    ○藤田証人 お答えいたします。私は現在関西配電株式会社の取締役をいたしております。また昨年八月以降は電気事経業営者会議事務局長を兼務しております。また本年四月以降は、中央労働委員会委員を兼務いたしております。
  391. 篠田弘作

    篠田委員長 中央労働委員会委員は……。
  392. 藤田友次郎

    ○藤田証人 使用者側の委員であります。
  393. 篠田弘作

    篠田委員長 電気事業経営者会議はいつごろ、いかなる目的をもつてつくつたものであるか。またその構成員及び経費の支出はどういうふうにしておるか、御説明を願います。
  394. 藤田友次郎

    ○藤田証人 電気事業経営者会議は、昭和二十二年に組織されまして、日本発送電株式会社の正副総裁並びに各地区の配電会社の社長——これは九つございますが、この社長をもつて組織しております。そうして事業の目的は、会員と申しますか。各事業者の相互間の連絡を緊密にし、電気事業の健全なる発展を期する。こういうことになつております。経費は必要の都度会員が醵出することになつております。
  395. 篠田弘作

    篠田委員長 大体一年幾らぐらいですか。
  396. 藤田友次郎

    ○藤田証人 昭和二十二年発足以来現在までで約八千六百万円程度を醵出いたしております。最近では一箇月約二百四、五十万円を使つております。
  397. 篠田弘作

    篠田委員長 自由党の政務調査会参与会の会費の支出、並びに社会党の寄付金の申込み等について、その間の事情を御説明ください。
  398. 藤田友次郎

    ○藤田証人 まず最初自由党の方をお答えいたしますが、この件の交渉をいたしましたのは、私の事務局長就任以前でありますので、折衝の詳しいことは申し上げかねますが、引継ぎました範囲で申し上げますると、昨年の七月ごろと思いますが、自由党の方で政務調査会の参与制度を設定されまして、電気事業の者もその参与にならぬかというような呼びかけがあつたそうでございます。そこで電気事業経営者会議で諮りました結果、数名がその参与となろうということになりまして、十五名の者が参与を承諾いたしました。その結果、参与には参与会費というものがありまして、その会費といたしまして、たしか昨年八月の末に五十万円、九月の初めに五十万円、合計百万円を出しております。  次の社会党の問題でございますが、これは本年七月ごろと思いますが、社会党本部から、二名の方が私のところへ参られまして、今般社会党は二千万円の資金カンパをすることになりました。ついては、電気事業の方もこのカンパに応じてもらいたい。こういう申出がございました。そこで八月の経営者会議にかけましたのであります。そのときにいろいろ審議はいたしましたが、まだどういたしますか、何らの決定をいたしていないのが実情でございます。
  399. 篠田弘作

    篠田委員長 社会党の寄付金については、これに單なる寄付ですね。
  400. 藤田友次郎

    ○藤田証人 これは寄付金と申しますか、社会党の方では例の資金カンパ趣意書を持つて来られまして、全国から二千万円の資金を集めるのだから、経営者会議の方からもこのカンパに応じてもらいたい。こういうことですから、寄付金と申しますか、カンパに応ずると申しますか、詳しいことはわれわれは考えておりません。
  401. 篠田弘作

    篠田委員長 要するに会員になるとか、ならぬとかいうこととは違いますね。ただ金を出すだけですね。
  402. 藤田友次郎

    ○藤田証人 そうです。
  403. 篠田弘作

    篠田委員長 だれか委員諸君質問ありませんか。
  404. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 自由党の政調参与なんですが、これは十五名でございますか。二十名じやありませんか。
  405. 藤田友次郎

    ○藤田証人 参与なつておりますのは十五名でございます。
  406. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、参与に十五名になつて、その十五名の会費を出すということでありますと、その会費は幾らであるか、その点をもつと詳しく……。
  407. 藤田友次郎

    ○藤田証人 これはたしかそのときの参与会費は一口二万円と記憶いたしておりますが、ある者は三口出し、ある者は四口出し、合計百万円になつておるのであります。
  408. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そこでお聞きしたいのは、ある者は一口であり、ある者は三口であり、ある者は四口である。その会員によつて口数が違うし、口数が違えば金額も違うのですが、その各人出すべき違う会費を経営者協議会がら五十万円二度にわたつて出された、それはどういう理由ですか。
  409. 藤田友次郎

    ○藤田証人 今のはちよつと誤解があるようですから釈明をいたします。ただいまの御質問の中で、ある者は一口、ある者は三口とかおつしやいましたが、私の申し上げたのは、一口が二万円だと記憶している。そこで十五名のうち、ある者は三口、ある者は四口、こういうふうに申し上げたのであります。
  410. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そこでちよつと注釈しますが、そうしますと、三口の人は六万円出さなければならないわけですね。それを各人が出さずに、経営者協議会の会費の中から五十万円ずつ二度出したのはどういうわけか、こうお聞きするわけです。
  411. 藤田友次郎

    ○藤田証人 これは最初電気事業者の中から参与なつてもらえないか、こういうようなお話合いがありましたので、これに賛成するものは参与になる、その会費電気事業経営者会議で負担するというような申合せをいたしまして、全員一致で出しておるのでございます。
  412. 小松勇次

    ○小松委員 一点伺いますが、この自由党参与に加入する当時はあなたはここの事務局長さんではなかつたのでございますね。その後金をお支払いになつた当時はあなたは事務局長さんでいらしたのですね。そうすると、そのお金を支払うときには領収書をとつてございますか。
  413. 藤田友次郎

    ○藤田証人 御指示の通り、これの折衝をし、決定いたしますときには私は事務局長でなかつたのでございまして、私が事務局長になりましてから、その決定従つて金の支出をしたのであります。それで領収書は当時、自由党の幹事長である廣川弘禪氏の領収書を受取つております。
  414. 小松勇次

    ○小松委員 もちろんその領収書には日付が明らかになつておると思いますが、日付はちやんとはつきりしておりますか。
  415. 藤田友次郎

    ○藤田証人 日付ははつきり入つております。
  416. 小松勇次

    ○小松委員 うわさでありますけれども、その領収書の日付の訂正をあなたの方へ無心に出たというふうなことを耳にしておりますが、さようなことはございませんですか。
  417. 藤田友次郎

    ○藤田証人 そういう事実はございません。
  418. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この百万円を出したについて、どの参与が幾口分という、その内訳をおつしやつていただきたい。どなたが幾口、どなたが幾口を負担することにして支出したか。
  419. 藤田友次郎

    ○藤田証人 それは各人調べればわかりますが、今ちよつと全部は記憶しておりません。
  420. 梨木作次郎

    ○梨木委員 記憶されておる範囲で……。
  421. 藤田友次郎

    ○藤田証人 現在ははつきり記憶しておりません。大体一、二の者はわかりますが……。
  422. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは、それは何かあなたの方で控えのようなものがあつて、それを見ればわかりますか。もしあればそれを出していただきたいのですが、その点をお伺いいたします。
  423. 藤田友次郎

    ○藤田証人 調ればわかります。しかし今は持つておりませんから……。
  424. 篠田弘作

    篠田委員長 梨木君に申し上げますが、全部出ております。
  425. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこでこの一口二万円というのは、一口二万円出せばもうずつと引続き政調会参与なつたということになるのでありましようか。それを伺いたい。
  426. 藤田友次郎

    ○藤田証人 その点は私政調会の規定はあまり詳しく知りませんので、はつきり申し上げかねます。
  427. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではこれはいつからいつまでの会費かということを伺いたい。
  428. 藤田友次郎

    ○藤田証人 たしか半期分か一年分かと思いますが、その点ははつきり今申し上げたような理由で覚えておりません。
  429. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたの方で当時これを申し込まれて来たときの、自由党参与制に関する規約というものがありますか。あつたらそれを出してもらいたい。
  430. 藤田友次郎

    ○藤田証人 今事務局にはございません。
  431. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではこの百万円というものは、これはとにもかくにも半期分か一年分かわからないが、払つたときの当該の期間のものであつて、その先のものを前払いしたというようなことはあり得ないわけですね。その点はどうですか。
  432. 藤田友次郎

    ○藤田証人 これは先ほども申し上げたように、前局長が折衝に当つたので、そのときにそういう話があつたかと思いますが、私の方はそういう経営者会議決定従つて金を支出した程度であつて、御質問の点ははつきり私は覚えておりません。
  433. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではことしお出しになつたかどうか。あなたは今現にやられておるから、ことしの分はお出しになつたかどうか。それはどうなつているのですか。
  434. 藤田友次郎

    ○藤田証人 先ほど申しましたように、昨年の八月と九月の二回出したばかりでありまして、それ以後は出しておりません。
  435. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この前大西さんではなかつたかと思うのでありますが、大西さんの話では、二年分くらいを前渡しをして百万円にして出した。こういう趣旨のことを言われたのでありますが、あなたの今のお話だと、二万円ずつを一口負担したり、三口負担してあつた、こういうことになると会費の前渡しということは考えられないように思うのでありますが、そこのところはどういうことになるのですか、もう少しおわかりでしたらはつきり答えてもらいたいのですが。
  436. 藤田友次郎

    ○藤田証人 大西さんはどういう証言をなさつたか知りませんが、今私が申し上げたように、自由党の規約も参与会の規約も見ておりませんので、詳しいことは存じません。ただ私といたしましてはたしかそれは半期分か一年分かと思つておる程度でございまして、はつきりお答えはいたしかねます。
  437. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではこういうぐあいに伺いましよう。政調会参与とおつしやるが、実際は参与というものは政調会でどんな仕事をすることになつているのか、その後どんな仕事をされたか、それをひとつ伺いたい。
  438. 藤田友次郎

    ○藤田証人 これは私先ほど申し上げたような事情であり、かつ私自身は参与なつておりませんのでわかりませんから、お答えいたしかねます。
  439. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではあなたの観察を聞きたいのでありますが、一口分の会員、二口分の会員というと、参与というのはどうも金を出すための参与であると思いますがあなたはそう思いませんか。
  440. 藤田友次郎

    ○藤田証人 今またちよつと錯誤があるようですが、三口の分と四口の分だけでございまして、一口の分はございませんから……。その点ははつきりお答えいたしかねます。
  441. 島田末信

    ○島田委員 ちよつと関連いたしておりますが、自由党参与制が続く限り、その会費は引続き払つてもらいたいと思うのでありますが、よく参与制の規定もお調べになつあとなお払込みすべきものがあればお払いになつていただきたいと思いますが、そういう御意思がありますか。
  442. 藤田友次郎

    ○藤田証人 これは規定もありますし、また私一個ではなりませんので、そういう御趣旨ならば幹事会に諮りましてお答えをいたしたいと思います。
  443. 島田末信

    ○島田委員 それでは電気事業者関係だけでなく、参与制というものは、一般産業界、財界といいますか、そういう方面からも広く参与制をその当時つくつたというふうに私は記憶しておるのですが、そういうことはあなた御存じでありますか。
  444. 藤田友次郎

    ○藤田証人 それは私の聞いております範囲では、單に電気事業界でなしに。他の業界からもそういう方が出られておるとか出るとか承つておりますが、どういう方が出られておるかということは存じません。
  445. 篠田弘作

    篠田委員長 これにて藤田証人に対する尋問は終りました。証人にはたいへん長くお待たせして御苦労さまでございました。  次会は明後十六日午後一時から、元日発経理部長水岡平一郎君、同じく日発総務理事の山本善次君の両名について尋問を行うことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十分散会