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1950-08-03 第8回国会 衆議院 考査特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年八月三日(木曜日)     午後一時十七分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 塚原 俊郎君 理事 内藤  隆君    理事 小松 勇次君 理事 久保田鶴松君    理事 横田甚太郎君       安部 俊吾君    岡延右エ門君       佐々木秀世君    田渕 光一君       西村 直己君   橋本登美三郎君       稻葉  修君    猪俣 浩三君       坂本 泰良君    松本六太郎君       岡田 春夫君  委員外出席者         証     人         (元配炭公団業         務局長)    馬屋原隆志君     ————————————— 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件配炭公団関係)     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き配炭公団をめぐる不正事件について調査を進めます。本件につきましてさつそく馬屋証人証言を求めることにいたします。  馬屋原隆志さんですね。
  3. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようです。
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまより配炭公団をめぐる不正事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書朗読をしてください。     〔証人馬屋原隆志朗読〕    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 では宣誓書署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 馬屋原さんですね。
  7. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際は、その都度委員長に許可を得てなさるようお願いいたします。  なお特にこの際御注意いたしますが、証人の過去三回の証言は、はなはだあいまいであつて、あたかも証言を拒否しておるかのように印象を與えておることは、まことに遺憾しごくであります。本委員会調査目的は、公団赤字のよつて来る原因を探求し、これが対策を樹立して、国立の負担をでき得る限り軽減せんとするところにあるのであります。従つて証人がこの国家的目的を十分に理解し、これに協力する意味において、虚心坦懐に真実を述べてもらいたいと存じます。重ねて証人に注意しておきますが、証人はこの点をよく反省了解し、前回のような態度を一擲して、証言拒否とか、偽証などという疑いを持たれないように特に御注意いたしておきます。  それから委員長尋問事項は大体終つておりますので、直接各委員の方々から証人に向つて、疑問の点をお尋ね願いたいと思います。     〔委員長退席内藤(隆)委員長代理着席
  9. 田渕光一

    田渕委員 証人貯炭最終処分価格裁定委員会会議が開かれましたときに、御関係ありましたか、どうですか。
  10. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そのお答えの前に、一言お断り申し上げます。前回まで私の準備不十分のため、皆様方に十分なるお答えができませなんだことにつきまして、まことに汗顔にたえないのであります。深く陳謝する次第であります。  ただいまの貯炭裁定準備委員会には、私は関係しておりません。
  11. 田渕光一

    田渕委員 証人は以前業務局長をされておつたのでありまするが、業務局長はいつまでやつておられましたか。
  12. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私は昨年七月二日に公団を退職いたしました。それまで就職しておつた次第であります。
  13. 田渕光一

    田渕委員 七月二日まで業務局長でおられたのですか。
  14. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  15. 田渕光一

    田渕委員 ずつと資源庁の方を尋ねて参りましたところが、資源庁中島証人は、不良炭を出した責任は持つ、たしかに責任はありました、こう言つて、結局山元生産炭監督が不十分であつたということを率直に認めたのでありますが、証人配炭公団業務局長として、配炭公団法によつて粗悪炭を十分拒否できる地位にありながら、何がゆえにこれだけ悪い炭を受取つたかということを伺いたいのです。
  16. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団公団法によりまして、石炭生産業者から石炭及びコークスの一手買取り、販売の義務を命ぜられております関係上、生産業者からの積出しに対して、これを買い取ることを拒否することのできないというような関係から、一切の石炭受取つております。これが受取りの方法最善を盡すために、検量検炭につきまして、まず検量の面につきましては、何分にも銘柄は二千、三千に近い銘柄もありますし、受渡し場所も数千箇所の受渡し場所でやりますので、なかなかこれが正量受渡し完遂ということは容易でない、御案内通り石炭重量物でありまして、この点から見ましてもなかなか容易でない。従いましてこれらの正量荷渡しをするために、大部分貨車積みになつております関係上、貨車の一貨車炭価ということはとうていできませんので、これを荷がさ秤量をきめまして、この荷がさ秤量生産業者と協定しまして、この秤量器によつて山元駐在員を駐在せしめまして、できる限り正量受渡しをはかつて来たわけであります。  なお検炭の面につきましては、日本標準規格に基きますところの分析法によりまして、一銘柄ごとに月三回目標で、最少二回分析資料標準法に基いて採取いたしまして、これを分析所分析しました結果をそれぞれ格付いたしまして、値段を算定して来たわけでありまして、こういうようにできる限りの方法で、正量受渡し、並びに質の面につきましても最善努力を盡して来たわけであります。  以上のような次第で参つたのでありますが、公団末期におきましては、何分にも公団はそれ以前に廃止することにきまりました関係上、予算の関係などによりまして漸次人数を減して行きましたために、山駐等もだんだん減つて行くとか、その他人員不足を来しまして、こういう方面についての十分な措置ができなかつたということについては、われわれといたしましてもはなはだ遺憾であると同時に、責任の重大を感じたわけであります。  以上のような次第で、公団末期におきまして十分な成果を得なかつた、十分な努力はしたのでありますが、機構とかいろいろな関係で十分の成果を得なかつたことにつきましては、厚くおわびする次第であります。
  17. 田渕光一

    田渕委員 量の不足については、貨車積みにおきましては、石炭はみな山元に引込線があるのですから、たとえば十五トン、十八トン貨車は、もう目分量でも行きますけれども、大体貨車のままのトン数はわかつておるわけであります。ことに他の物資と違いまして、たとえば無蓋車の積込み方法におきましても、石炭は非常に積み込みよかつたことは、われわれは認めております。量の不足ということは、この点においては、公団末期拂下げをするときに、約半分も減じておりますけれども、そういうことはできるものでない、量の点においては、幾分か、たとえば一%か二%ぐらいものは減るといたしましても、現在公団処分したような欠斤検量というものは、われわれは認められないのであります。ことに粗悪炭に対しては、なるほど配炭公団法の十六條には、公団は全部の石炭、亜炭を買い取らなければならないという規定はありますけれども、買取り規程という規程がありまして、たとえば一級炭は何カロリーで灰分何%ということは、はつきりされておる、それを標準規格分析法によつてつてつた。たしかに標準規格分析法を励行しておつたならば、それほど悪い炭は入つておらないわけです。個人で石炭営業をやつておるときには、おそらくこういうことはやらなかつたであろう。手がまわらなかつたと言うけれども、業務局長の重責にあつた者がそれだけの指揮監督ができなかつたということは、職務上の責任を免れないと私は思うのであります。ことに公団最後処分におきまして、価格裁定委員会というものを形式的につくつて、初めてこの資料をとつてよく調査してみると、まるつきり売手買手と結託しておる。それはなぜかというと、売手買手も同一人である。公団におつたところの次長である大西次長——たとえば大阪に例をとりますと、前に支局長であつた小沢君が売手、その次長であつた協同組合をつくつた者買手、そこで安本あるいは資源庁物価庁の何もわからない小僧にひとしいような官僚を立ち会わしておいて、構成は生産局長安本動力局長、こういうようなものをつくつておるけれども、実地に立ち会つている者はみな小僧ばかり、しかもこれが国会の最も忙しいときに裏面で行われておる。われわれは旅館の調査までしなければならぬということになる。会議をしておつて、その調査をしておると、休憩時間にいかに談合が行われたか、あるいは昨日に引続いた翌日の会議がどうなつておるかということは、この会議録を見れば十分わかります。七月二日に退職をしておるのであるから、その処分についてはあなたの責任追究は一応保留しておきますけれども、少くともあなたが業務局長時代に、いわゆるこれだけの検量検炭分析が完全にできて、しつかり励行しておつたならば、こういうクレームがつくわけがない。少くとも、売れないようなものばかりだという調書がみな入つている。売れないようなものをなぜ受取つたかという責任を、どうしてもあなたに追究しなければならないのであります。そこであなたが買い取つたところの、今度はこの最も悪いものを——あなたの責任を全うしておらなかつたということは、数日前炭政局長中島証人が、よくあの値段で犠牲的に買つてくれたと思つて感謝しておりますと言つている。よほど悪いものを取つたのだ。この悪いものをよくあの値段で買つてくれたと感謝しておりますというようなことを言つておる。これはいずれもみな一連の関係があるからこういうことを言つているのですが、これを見ても、いかに品物が悪かつたかということがわかるのであります。ことに私たちが現地調査をいたしましたところが決して売れないものではない、十分売れる。それを九万トンも廃棄炭として減つている。少くとも大阪では三十万トンからの廃棄炭が出ておりますが、これは小沢証人を調べたときにわかりますから保留しておきますが、廃棄になるような、捨てるような炭を受取つたということは、少くともあなたの責任であります。そこであなたの責任はその程度にしておきまして、今度はあなたが拂い下げた石炭をいかように処分されたかという先日の質問に対して証言を拒否されておりまするが、たとえばあなたが拂い下げた石炭糸崎吉江という者に千九百円で売渡しをしておる。百二十八円で拂下げを受けたものを、ぬれ手あわのつかみどりだ。何ら選炭をするものでもなく、トラック運賃を出すのでもなく、貨車積込費を出すのでもなく、沖場渡しでこれを千九百円に売り、また衞藤商事に持つて行つて、百二十八円で買つた炭を一千三百円で、七月八月に渡しておる、こういうようなぐあいで、大体七十一万何千円というものは、ぬれ手あわのつかみどりをしておる。これだけ現地で売れるものを、どうして百二十八円やそこらで拂下げたかということを、あなたに伺いたい。
  18. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団当時の正量受出し並びに品質の問題につきましては、先ほど申し述べたような事情で、極力努力したわけでありまするが、何分にも石炭地下資源であつて、天産物であるということと、これを地上に出しまして、日にさらした場合には、炭質の変化を来し、なお石炭は坑内から掘りまして、市場に渡すまでは、輸送に次ぐ輸送でありますので、その途中等の荷こぼれも相当あるということの最も悪い点が重なつて、今日の情勢になつたように私想像しておるのであります。ことに昨年のたしか五、六月ごろから、需給アンバランスになりまして、いわゆる供給過多になりましたために、公団といたしましては、需要者からの供給希望がないために、やむなくこれを貯炭しなければならぬというようなことが、五、六月ごろから起りまして、これが最後には数百万トンの貯炭をしなければならぬというような情勢になつたのであります。つきましては、これらの費用が非常に重なつて、大部分赤字になつたように承知しておるのでありまして、貯炭の問題も、なるべくならば費用のかからない地元貯炭することが最も経済的であるのでありまするが、地元貯炭も一ぱいになりますし、自然これを揚地の方に運ばざるを得ない。そうしないといわゆる生産を阻害する。こういうような関係上、やむを得ず運賃諸掛をかけまして、揚地にもこれを送炭いたしまして、これを貯炭する。なおその揚地貯炭も充満いたしましたために、いわゆる普通の貯炭場としてはなかなか不経済な箇所までも、貯炭場を物色いたしまして、これを荷揚げしてやる。自然当初は海岸とか、いわゆる荷揚げ場所に近いところに多くの貯炭をしたのでありますが、だんだんこれが奥地に入りまするに従いまして、諸経費がかさみました関係上、莫大な諸経費がかかつた。これが当初から普通のルートで行つたならば、そんな経費はかからないのでありますが、今言つたような事情やむを得ないような情勢公団が押し込まれまして、これらの大量の貯炭をやむなく不適当な場所にまで貯炭をしたために、石炭炭質によりましては発火いたしまするし、また炭質がよくても風化するとか、いろいろなことがここ一年間に起つた貯炭が現在残つておるのでありまして、従いましてこれらにつきましては、いわゆる全然使えない廃棄炭もありましようし、またこれをふるいわけまして売る場合におきましては、これらのふるいわけ賃とか、いろいろな諸費用がかさむものですから、こういうような点からおおむね公団赤字が出たように私は承知しておるわけであります。なおその後、私が公団を退社いたしまして約一年になるのでありますが、その後の炭界情勢は、皆さんも御承知通りに、一年前と今日とは非常な需給アンバランスと申しますか、経済界の変動によりまして、いわゆる需要がないために、炭価はだんだん下り坂になつて行く。従いまして買手がなかなかないというようなこともございまして、現在の市場炭価というものは非常に値下りしておるわけであります。以前私配炭公団業務局長をしておりましたが、公団の廃止に伴いまして、私も食えないために、現在当社にごやつかいになりまして、長年の経験を生かすべく、現在努力しておるわけであります。従いましてわれわれも商売なものですから、商売本位に、できるだけ有利にわれわれも商売して行きたいというようなことから——しかしながらこの点につきましても、いろいろ考えまして、公団といたしましても、貯炭の荷さばきに苦心しておられるわけでありますから、おこがましいのでありまするが、われわれといたしましても、やはりこれに協力して、荷さばきしなければならぬという点も考えまして、これが買取りにつきましては、いろいろそういうような点、なお採算点を詳細に公団側に提出いたしまして、これで拂い下げていただけるならばひとつお願いしたいというようなことで、公団内部事情は最近は存じませんものですから、われわれの商売上から見ましたいわゆる売値から逆算いたしまして採算したものを、御当局に出しまして、御査定願つて、それならばよろしかろう、こういうことで実は拂い下げていただいたわけでありまして、そのうち私のところのおもなるものは、若松の煽石が、前回も申しましたように、二万トン弱の一万九千幾らと、中国の三ツ子島と、その他二箇所にありますところの六万トンが一括処分の大きなものであるわけでございます。まず順序といたしまして煽石の買取りの値段及びこれの販売値段を取調べて参りましたから、これをひとつお聞き願いまして、御判断を願いたいと思います。若松港の公団当時の煽石の貯炭重は約六万トンございまして、それをわれわれも商売になる値段で拂い下げていただけるならば、ひとつお願いしたいということでお願いしました結果、私の方が二万トン弱の一万九千五百トン、地元日本石炭が七千トン、中央石炭が一万四千トン、製鉄原料が一万九千五百トン、こういうふうな拂下げ内容の結果になつたわけであります。私の方の煽石の値段採算を出しました内容を申し上げますれば、御案内通り煽石の向け先はおおむね石灰業者であるわけでありまして、この需要先は大体栃木、群馬の関東地区岐阜赤阪を中心といたしますところの東海市場需要先といたしましての大宗であるわけであります。そのほかには山口県とか四国方面に若干の需要家があるわけであります。従いまして、われわれといたしましては、まずこれらの大きい市場ではどのくらいでこの煽石を買つていただけるだろうかということを調査したわけであります。この二つ市場調査の結果が、大体関東地区におきましては、葛生ORで二千百円見当なら買つてもらえそうだ、また東海市場におきましては、岐阜赤阪ORで二千円見当なら買つてやれる、こういうふうなお話合いの目途が大体ついたものですから、これを逆算いたしましては、中間費用が幾らかかるだろうか、こういうふうな点を取調べました結果、中間費用は、大体若松貯炭場からEOBまでで四百円、それから若松川崎間または芝浦間の船賃が六百八円、この船賃の六百八円は、大体今は統制運賃になつておりませんが、マル公の八百四十円に対しまして、そのときのいわゆる市況を勘案しまして、大体二割八分引き見当ならば運んでもらえるだろう、こういうことも取調べまして、大体二割八分引き運賃採算したわけであります。そのほか保險料が五円、揚地荷揚賃が四百七十八円二十銭、これの内訳は、船内が九十七円六十銭、艀賃が百十一円、沿岸荷役料、いわゆる揚賃が百二十四円六十銭、それに貯炭場料が十円、なおこれを貨車に積み込みますから、貨車積込賃が百三十五円、それに市場に参りました以後の川崎から葛生着までの貨車運賃が二百七十円、それに欠斥を約三パーセント見込みまして、これが約三十六円六十七銭、それにいわゆる市場で普通計算しますところの金利の二銭八厘を百二十五日分六十六円六十銭見込みまして、そのほか店費口銭といたしまして二百円をいただきたい、こういうふうな採算でお出ししました結果が、先ほど申しました、市場がこれなら買つてくれるという値段の二千百円から今の諸費用を差引きますと三十四円七十三銭になるのであります。なおこれと同等の市場といたしましての東海地区値段は、約二千円見当でありますので、今いつたような運賃その他をずつと引いて行きますと、四十六円八十七銭となつたわけです。これを大体関東地区が六割、東海地区が四割といういうな市場需要高割合等を見まして、プールいたしました結果が三十九円八十銭、これで私の方のトン数総額にいたしまして、七十七万七千百円という計算が出たものですから、これならば商売になるからひとつこういう程度にお願いしたい——それまでにいろいろと折衝が重ねられたのでありますが、われわれといたしましては、市場値段の逆算でないとどうにも荷さばきできない、先行きの市況等も勘案いたしまして、これ以上なら拂い下げていただいてもどうにもならぬというので、いろいろ御懇談、お願いをしました結果、公団側におかれましても、他の貯炭との振合いとかいろいろな條件を御考慮願いまして、最後にこの値段で拂い下げていただくことに決定したような次第であります。これが当時の査定事情でございまして、しからば現在どういうふうな値段でこれを売つておるかという点を取調べて参つたわけであります。販売先は二十数箇所あるわけでありますが、これはいわゆる山口方面四国方面とか、いろんな近距離にもさばいておるわけでありますが、トン数内容から見まして、大部分東海地区関東地区になつておるわけであります。東海地区を代表した一番大きなものは、上田石灰、それから北陸におきましては富山石灰とか、こういうものが数量といたしましては何百トンというような大量になつておるわけであります。こういうものをずつと総覽いたしましての、いわゆる終局の先方への沖渡し値段が、一番高いのが東海で二千百五十円であります。それから安いのは二千円、それから地元におきましては、運賃諸掛というような諸費がかかりませんので、七百円、四百円とかいうのもあるわけであります。先ほど採算の基礎にいたしましたところの東海地区その他から見ました場合において、これを二千百五十円の採算内訳は大体積込み諸掛及び輸送費が千四百七十四円、それにさらにその他の諸掛を加えまして千八百八十六円、この残りを引きましたところの普通の利益という面が二百六十六円、もちろんこれから今後決算によりますれば税金とか営業費とか、そういうものを差引いた場合には、これでぺイするかせぬか、決算内容によるのでありますが、一応の、いわゆる常識的の利益といたしまして二百六十六円、トン数少い分でいいのは六百円以上のものも、わずかな三十トン四十トンの所にはあるわけであります。現在まで売りましたところの総平均の差益金は二百十六円というようなことになつておる次第であります。今後残つておりますところの煽石は、大体今まで七級以上のものが大部分出ておりましたが、あとは十ばかり残つておりますので、むしろこれは廃棄炭に近いものが大部分であるわけで、なおこの残つたものも、大体六級の採算にいたしましても、そう莫大な手数量をいただいておるようには現在まではなつておらなかつたのであります。なお今後残つたものもそう莫大になつておりません。むしろ今後の分につきましては、もう少し利益を出すように販売方面努力してみたい。こういうふうに考えておるわけであります。  次に中国地区であります。中国の先ほどより御尋問になりましたところの三ツ子糸崎方面貯炭を約六万トン拂い下げていただいて買いつけておるわけでありますが、これも採算内容を一応御説明申し上げまして御了解を得たいと思います。私の方で拂い下げていただきました数量は、広島地区におきまして合計六万五百九十五トン五分ということになつております。貯炭場所糸崎地区を大体二つにわけまして、第一が三千三百三十八トン、第二が千二百二トン、木原に三千六百四十二トン、仁方に千七百二十一トン、尼鉄に九千七百十二トン、三ツ子に四万九百四十五トン五分、これを合計いたしまして先ほどの六万五百九十五トン五分ということになつております。現在これをどういうふうに荷さばきしているかと申しますと二万九千九百七トン五分、こういうものが一応の販売の口約になつております。実際の荷渡しは二、三千トンしかまだ渡つていない次第であります。しからばこの公団の買取り価格につきましては、広島地区におきましては、当初話がありましたのは三月ころの話でありましたので、公団が四月以降は一切三月末で全部の貯炭をさばけ、こういう最高司令部の指示によつて公団はやむなくこの貯炭を急速に荷さばきしなければならないから、ひとつ君の方でも協力してくれというお話がありましたので、いろいろわれわれの方といたしましても貯炭等をお尋ねいたしまして、実地にこれを調査いたしまして、大体残つているものを物色した結果が、ここに述べました三ツ子尼鉄その他の残つておることを承知したものでありますから、現地の広島支店の方で交渉したわけであります。当初は値段等が煽石のごとく使用先がはつきりしておりませんので、私の方といたしましては大体市場大阪、名古屋を中心に販売を開拓しておりますものですから、この方面値段等もいろいろ調査したのでありますが、何分にも大阪には公団貯炭が七十万トンもある。名古屋方面にも相当の量があるというようなことで、まだ大阪、名古屋方面公団貯炭値段がはつきりしないので、これと競争と申しましてはおかしいのですが、見合う値段でないととうてい売れないというようなことから、われわれといたしましては、まず他社の買付値段と均衡のとれたもので拂い下げていただきたい。従いまして、そういう値段にしていただければ、私の方はこの数量はお引受けいたしましよう。こういう話で当初は話を進めて来たのであります。その後大阪市場値段、名古屋市場値段、いわゆる値段の決定というものが遷延されて来たわけでありますが、その後公団方面大阪、名古屋、四国方面、また当社以外の中国方面の大量一括買付の拂下げ値段がきまつたものですから、いわゆるその値段の振合いを示されまして、公団からこういうような値段ならばどうか、こういうような話になつたのであります。その値段が、大体四国とかその他の市場の、こちらが取調べた値段よりも高くなるように勘定が出たものですから、それではとても売れないから、七割くらいにしていただけないだろうかという話もしたのであります。そういうことはとうていできない。しからば、ぎりぎりどのくらいの値段で拂い下げていただけるだろうかということで、公団の方にいろいろ御研究願い、一括拂い下げの値段等を勘案されまして、最後にこれでなくては絶対売れない。これ以下ならもう売らぬと、こういう値段が出たものですから、われわれといたしましてその値段をいろいろ研究しました結果、当時の市況といたしましては、これでは実際の売る見込みがつくかつかぬかわかりませんから、これくらいの値段ならば何とか商売になるだろうというような採算を立てましてお願いしたのが、例のトン当り百二十八円、総額におきまして七百七十四万五千二百二十円、こういうようなことになつたわけであります。以上はなはだ簡單でありますが、私の方の中国地区の買いつけた成行きであるのでありまして、私どもの方といたしましては、あくまでもよそより安く買おうと申しておらないと思います。他社との振合いを失しない範囲において私どもお願いしたいということは、公団においても一貫してお話を申し上げているのであります。
  19. 内藤隆

    内藤(隆)委員長代理 委員諸君にちよつと申し上げますが、この数字はすこぶる重要性を持つておりますから、速記にとめる意味において、多少長くなつても聞いておるのです。  それからもう一点、証人にちよつと聞きますが、今るる述べておられる数字は相当重要なものでありますが、その数字は間違いはありませんね。
  20. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私の現在調べたことで、詳細調査して持つて来ていますから……。
  21. 内藤隆

    内藤(隆)委員長代理 もし間違つていると、ひよつとすると偽証というような忌まわしいことになりますから、重ねて注意しておきます。
  22. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 事務の方で資料に基いて再三やつているので、その資料が間違つていなければ間違つていないと思います。  しからばこれをどういうふうに売つておるかと申しますると、これも先ほど申したように、教十箇所に現在売つておるわけでありまして、先ほど御質問の五十トン、百トン、二、三百トンという少量のものは相当の値段で、マージンも事実出ているわけでありますが、われわれといたしましては、全体のしりがどうなんであるかということを常に見まして、いわゆる損にならないように、相当の販買益が出るようにということで苦心しておるわけでありますが、広島の全体の買入れ数量の六万五百九十五トン五分、これが七百七十四万五千二百二十円ということになつておるわけであります。現在まで売れておりますものの販売総金額が千七百七十七万八千三百七十円、こういうふうになつておるわけであります。これから運賃諸掛総額が約千百四万九千五百五十円ということで、この差引のトン当りの平均は百三十八円、こういうふうになつておるわけであります。この内訳につきましては詳細な表もできておりますので、御都合によりましてはいつでもごらんになれますし、また差上げてもけつこうだと思います。
  23. 内藤隆

    内藤(隆)委員長代理 それはこちらへ提出してください。
  24. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 委員会の方へは提出することになつておりますので、提出いたします。  中には先ほど申したように、販売利益の相当多額のものもありますが、大きいものにつきましても、むしろ手一ぱいとか、またはマイナスのものもあるわけでございまして、売先の内容を一切詳細に御報告申し上げることにしておりますから、時間もございますので申し上げてもよろしいのですが、一応省略さしていただきます。
  25. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 隠退蔵関係あるいは考査特別委員会が国会に設けられましてから、今日まで相当の証人にこの場において証言を求めているのでありますが、本日おいでになりました馬屋原証人は、御承知のごとく過去三回、これで四回目というような、この委員会始まつて以来というはなはだ遺憾な結果になつておるわけであります。それはあなたの証言というものが委員長初め委員の納得でき得なかつたという結果に基いているのであります。当委員会は決して検事局でも裁判所でもございません。国民の前に公団のなし来つたことを公にして、その真相を糾明するというのがこの委員会の建前であることは証人承知通りであります。そこで私が申し上げたいことは、どうか証人をして証言拒否とか、あるいはまた偽証ということへ持つて行くということは本意ではない。でき得るだけそういうことのないようにわれわれは願つているのであります。しかしながら不幸にして今日までのところのあなたの証言というものは、われわれ委員の納得し得ざるものが多々あるのであります。そういう点をひとつよくお考え願つて、ことに公団をめぐる不正事件というものは、この配炭公団一つを見ましても、百億ないし百二十億の赤字になるであろうというような厖大な数字になつております。それを穴埋めするのはだれかというと、決してあなた方でもなければこれに携わつたお役人でもない、みんな国民の血のにじむような税金によつてこれをまかなわなければならない。今この重大な問題の真相の糾明に当つているのであります。先ほどから田渕委員からあなたに対していろいろとお尋ねがありました。その中で若松市とか、あるいは中国地方における石炭拂下げ問題にかかる不正の疑問に対してのお尋ねがあつたのですが、あなたの説明を聞いておりますと、あなた御自身がはたして配炭公団業務局長としての立場からお話願つているのか、あるいはまた日本海陸運輸株式会社專務取締役としての証言を願つているのか、われわれには納得し得ざるものがあるのであります。なぜかと申しますと、この百億ないし百二十億の赤字を出したということは、いわゆる公団責任であります。しかもあなたはその公団業務局長であります。そのあなたが拂下げを受けるにあたつて価格裁定委員会等においてつくつた価格を、決してむりな価格ではないということをいまだに頭においていられる。そうしたらそのことがすでに間違つている。あなた方の責任によつて厖大なる赤字を出した、この跡始末をいかに少くするかということがあなた方の責任でなければならない。しかるに今まで聞いておりますと、すべてあなたの証言というものは、いかにしたならば商売になるか、ことにまた相当に販売利益の出るように苦心をして、その価格をきめたということを現にあなたが証言せられておる。先ほどの価格の問題にいたしましても、若松において一万九千五百トンの拂下げを受けた。その算定はどうかというと、いわゆる船賃その他を入れた運賃諸掛が四百円と六百八円ですから一千八円、保險料が五円、荷揚げが四百七十八円、これらを加算して、そして利益を二百円見積つて算定したというようなことを言つて、その販売価格が二千円になつた二千百円になつたと言いますが、そういうような逆算をもつて、相当の国家の経費を使つて掘り出された石炭の原価価格を滅却して、まず利益二百円ということを頭に置いて算定したその考え方にわれわれは納得できないものがある。そこであなたにお尋ねいたしますが、あなたは業務局長としての責任を感じてこのことをおつしやつておられるのか、それともいわゆる日本海陸運輸株式会社專務として何らかの利益を得んとしての御証言であるかをお尋ねしたいのであります。
  26. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私は配炭公団業務局長を勤めておりました関係上、いろいろこれに関連して、出て以後も商売もやるのに、局長としての感情も持て、こういうふうにお叱りをこうむつたように思うのでありますが、公団にはそれぞれ清算人その他練達の方がいて、内容的に御検討願つて公団の許す範囲内においていわゆる処置するということを当然やつておられるものと思いますので、私は公団を退職させていただきまして、すでにいわゆる商売人に返つておるわけでありますので、なお会社も相当の人員を養つて行かなくてはならぬので、こういう点についてやはり養つて行けるような方面に一応努力しなくてはならぬという観点でやつたのであります。しかしながら他社より特に安くするとか、いろいろなむりをしてどうするとか、こういうことは十分気をつけて拂下げをしていただいておるような次第でございます。
  27. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 根本的にあなたの考えは間違つておる。公団が廃止になつたから、公団のいわゆる清算人がおるから、その人たちによつて公団の跡始末をしておるのだ、あなたは今拂下げを受けた会社の立場において、相当の人員を擁しておるから、その人たちの生活を考えながらいわゆる商売をして行かなくてはならないのだと言われる。しからば安く拂い下げたというそのことが、一営利会社の品物を安く拂い下げたというのならば私は何も言いません。ただその原価価格を非常に引下げて、しかもただのごとく一トン四十円なり百四十円の価格で拂い下げるということは、勢い国民の血税をあなた方がしぼつて生活をし、またあなたの会社の経営をやるということになるのではないですか。そうあなたはお考えになりませんか。
  28. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは私の方ばかりではなくて、そうしなくては貯炭の荷さばきができないというので、公団側に協力してくれということでわれわれも協力させていただいておるわけでありまして、かつて公団に非常に御迷惑をかけておることはなく、孜々としてわれわれは商売させていただいておるのだと思います。その点ひとつあしからず……。
  29. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 証人と私とは見解の相違ですから、これ以上証人に私の考えを押つけることはどうかと思いますが、しからばお尋ねいたします。現在まだ未販売のものもございましよう。しかしあなたの会社が今日まで拂下げを受けて、現在のところどのくらいの黒字になつておるか、大体おわかりでしたらお知らせ願いたい。
  30. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在のところ決算はまだ中途でございまして、出ておりませす。またおしかりをこうむるかも存じませんが、はつきり承知しておりません。
  31. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたはその会社の專務取締役ですから、現在まだはつきりわからないとおつしやられても、大体の見通しとして、利益を上げることができるか、赤字になるかくらいの見通しはあるだろうと思います。相当の黒字になるという見通しはつきますか。
  32. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先般会社としての経理の内容につきまして、いろいろ打合せたところによりますと、大体期末におきましてはパーになるか、または多少赤字になるか、むしろ赤字になる方を心配しておるような現在の状態であります。
  33. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 こういう国家が損失をこうむるようなものを処分する場合においては、その拂下げを受けた会社の気持の持ちようで、相当な赤字を黒字にまわすこともできる。また黒字を赤字にすることもできると思うのです。それには会社のいわゆる諸経費等の節約もあるでありましよう。その他販売価格の交渉にもよるでありましよう。  相当な人員を擁しているといわれておりますが、あなたの会社は社長以下どのくらいの人員を擁しておりますか、お聞かせ願います。
  34. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大体三百五十人ばかりおります。
  35. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 三百五十人の大体の給與ベースはどの程度でありますか。
  36. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これもはつきり覚えておりませんが、一体一万五、六千円のところではないかと思つております。
  37. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなた方は赤字になるとか黒字になるとか言いますけれども、公務員その他の方々は生活に困つて、賃金を値上げしてくれと全国至るところで叫ばれている。しかもこれは六千三百円べースなのです。しかるにあなたの会社の三百五十人の人たちは一万五千円の給與ベースというに至つては、根本から国民のいわゆる税金を食つていると言われてもしかたがないと思う。もちろん一万五千円べースで私はぜいたくな生活をしているとは思わない。しかし戰争に負けた日本の公務員を初めとして、その他の方々は非常な苦しい生活をしている。たとえばわれわれ代議士にしても手取り一万五、六千円しかもらつていない。そのわれわれが東京での生活と選挙区での生活、二つの生活を持ちながら手取り一万五、六千円。代議士の生活のそれ自体が二つであればそれを半分にしたくらいでやつているのです。しかるに平均べースが一万五千円というに至つては、先ほど申し上げた通り、あなた方の考え方というものが根本的に違つている。そのことをいまさらくどくど申してもしかたがありませんが、しからばあなた御自身の会社から受ける待遇をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  38. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 月四万円、そのうち税金等を引きまして、手取り二万九千円であります。
  39. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 本俸四万円、税金を差引くことはわかりますが、その他いわゆる手当、あるいはまた專務としての交際費等のことがおわかりでしたら、大体でよろしいのでありますが、お聞かせ願いたいと思います。
  40. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そのほかには、交際費と申しましても特に重役には出ておりません。いわゆる得意先の接待費その他は一般の社員と同じような方法でやつておるわけであります。賞與といたしましては、利益のあつた場合には——この前は七万円くらいの賞與だつたと思つております。
  41. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 重役としての個人の交際費はないということでありますが、本俸が四万円、あるいはまた賞與が七万円ということから考えまして、会社全体としては相当な交際費を使われていると私は思うのです。しかしそういうものは決してあなたの会社の利益からの諸経費ではありません。そういう点から考えても、これは重大な問題です。清算人たちは少しでも赤字を少くしようと努力しているのでありますから、できるならば会社の交際費とかその他の費用がどれくらい使われているかを、ひとつ調査部の方に御提出願いたいと思います。そういうことを言うのは、決してあなたの会社の内容を暴露しようというのではない。国民の血税をあなた方がいかに浪費しているかということの材料にしなければ、われわれの任務は済みません。そういう意味から、会社の経費内容を御提出願いたい。  先ほどあなたは、拂下げされる石炭を希望する需要者がなかつたと言われました。ところが、私たちの耳に入つておるところでは、公団拂下げると言われた当時、相当な希望者があつたと聞いておるのですが、全然希望者がなかつたのか、それともあつたが受付けなかつたのか、この点をお聞かせ願いたい。
  42. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 他に希望者がなかつたとは申し上げられないように思うのであります。他にもあつたように思います。しかしながら、公団が呼びまして査定をされまして、これでよかろうということでおとりきめになつて拂下げつたことと推察するのであります。
  43. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 その当時は公入札にするのが私は至当であつたろうと思いますが、公入札というようなことは全然やらなかつたのですか、それをお聞かせ願います。
  44. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公入札の話も先方であつたそうですが、そうした場合に——これは公団側のお話でありますが、相手方の信用状態等も勘案しないと、相当な額になるので、ただ高いというだけでこれを拂下げするというわけに行かないから、目星をつけてそういう先を随意契約と申しまするか、他の方面もいろいろ勘案しておとりきめになつた、こういうふうに聞いておるわけであります。
  45. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたは公団業務局長であるということをすでに忘れているのですね。公団においておとりきめ願つたとか何とかと言つておりますが、あなたは公団業務局長であつたのです。そういう点からいつても、あなたの自主性のある考え、業務局長として公団の問題に対して責任を負つた御答弁を願いたいと思うのであります。ただ公団がおとりきめになつたとか、公団がこうしているというように、公団を全然他人扱いにしている態度は、私は非常に遺憾に思うのであります。公団が相当厖大な赤字を出したのは公団の非能率、非採算性ということがその原因だろうと思う。今まで証人から公団の非能率、非採算ということをたまたま聞いたのですが、うなずける証言をわれわれは得ておりません。そこであなたは業務局長として、この公団の非能率、非採算性はどういうところにあつたと思うか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  46. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いろいろ御調査になつて御了承のことと思いますが、公団は毎年々々の打切りになつておりまして、一年ごとにいつ首になるかわからぬ、いつ事業がやめになるかわからぬというような関係上、とかく従業員も先行きに対して不安を持つということが大きな欠点だつたと思うのであります。なお公団法が設定されまして、急速に一万数千人という大量の人員を集めなくちやならぬというような関係上、未経験者等も相当入つており、運営上十分効果があがらなかつた。その他予算制度——これは商売行為をするのにかかわらず、政府機関としてあてがいぶちの取引で——統制だからやむを得ぬといいますけれども、経済というものは生きものを食つて、これを食つたものでうまく運用せよ、こういうような機構の欠陷から十分な機能が発揮できなかつた。それにわれわれ従業員並びに責任者といたしましても、人員の内容等についても十分でなかつた。その他多々欠陷があつたように思いますが、今言つたような事情が大きな原因で、公団としては非常にうまく行かなかつた。これは当公団のみならず、機構的に同じくする全公団が同じような道をたどつたのではないかと思う次第であります。私といたしましても、再びこういうような公団組織というものはつくつてはいけないというふうに感じておるわけであります。
  47. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私は公団法が国会に提出されたときに、公団というものをつくることそれ自体が国民に大きな迷惑を及ぼすというので、当時の安本長官でありまする和田博雄君と私とが数日にわたつて、この公団設置法に関しての議論を重ねたのでありますが、ただいまあなたは、公団の人的構成あるいは機構において非常に欠陷があつたということをあなた御自身認められておりますが、それがはたして末期においてそういう欠陷をお認めになつたのか。それとも公団に入つてただちにこの機構ではうまく行かぬ、これでは国民に迷惑をかけるということを考えて悪おられたのか。もし公団の機構がいということがおわかりになつたとするならば、こういう機構ではだめだということを上部あるいは政府に向つて、あなたは業務局長という相当な地位にある方ですから、進言をしたことがありますかどうか、承りたいのであります。
  48. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ただいま御質問の点は、業務局長としてではございませんが、それ以前、私は関東石炭の社長を勤めさしていただいておりました関係上、いわゆる石炭販売方面事情等につきましては、多少存じておりましたので、当初日本石炭、地方石炭等、政府の方とかいわゆる学識経験者その他を網羅しましたところの委員会が政府において設けられまして、石炭の統制機構といいまするか、販売、配給機構をいかにしたらよろしいか、こういうような委員会がありまして、不肖私もその一員として出席さしていただいたのであります。その際にもわれわれといたしましては、こういう高度の管理統制をして一元的に持つて行くということは決してよろしくない。従つて最も高度にいたしましても、政府によるところの指示、日本石炭という中間帶と、その下に実際の実務をやるもの、この三つ、言いかえれば二つの機関を政府が指導してやつたならば、まあやや行くのではなかろうか、こういうような主張を極力やつたのでありますが、その結果は政府の方のお打合せによりまして、さる方面の御指示によつて、こういう機構によつてやらざるを得ないというような結果になつたのであります。
  49. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それではそのことは論が盡きませんから、その程度にしておきまして、次は公団末期において貯炭が非常に激増したということでありますが、これはいよいよ公団が廃止になるのだ、今のうちに山元にある石炭は、どんな炭でも全部買つてもらうのだということで手持がふえたのですか、それとも何か別のことから貯炭がふえたのですか。
  50. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはいわゆる政府の方におきまして、安本方面需給調査をせられまして、当時の物動等によつて査定されました結果、石炭はやはり最後には四千万トンいるのだ、需要もあるのだ、そういうことであるから、生産業者に対されましては、四千万トンの目標でどんどん掘れというような御指示並びに御督励があつた関係上、生産業者方面におかれましては、その目標に努力されておつたのであります。しかるに実際の需要面が逆にだんだん減退したために、その差が出て来まして、出て来たものは公団としては買い取らなくてはならず、またその措置をしなければならぬということになつた結果が、こういうふうになつたように承知しております。
  51. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 最後に一つお聞きいたしますが、私は北海道ですが、北海道の留萠という港に相当の炭を貯炭したのでありますが、それが自然発火をした、それで地元民におきましてはこのままにしておいたのでは全部燒けてしまう。これをいち早く手配をすれば——町の人たちも相当そのときは炭がほしかつた、それを何かの方法を講じてその市民あるいはその地方の需要者に急速に処分を願いたいということを、再三公団等にも電報を打ち、連絡したが何らの指示がなかつた。それで燒けたままほつたらかしておいて、一週間十日と燒け続けて、何万トンという石炭が燒けてしまつた。この事実が北海道の留萠港にあつたのであります。こうしたことは、ひとり北海道の留萠のみならず、各地においても多少にかかわらず私はあつたのではないかと思う。そういう非常処置に対して、公団が急速な手配をしないために莫大な損失を出したというように私は考えておるのでありますが、そうした応急処置に対してのあなた方の責任と申しますか、それともどうしても応急処置がいろいろな手続でとれなかつたのかというようなことを、ひとつお聞かせ願いたい。     〔内藤(隆)委員長代理退席、委員長着席〕
  52. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 留萠とか釧路方面にそういう事実があつたことは承知しておるわけであります。当時現地からもいろいろお話もありましたし、そういうことについては現地処置として、支団長なり配炭局長なり、それぞれ経験なりまたそれだけの権限を持つた者がおりますので、そういう面について適切な方法を講ずるように指示して、最大の努力をしたと思うのでありますが、結果がお話のようにうまく行かなかつたということにつきましては、おわびする次第であります。
  53. 田渕光一

    田渕委員 関連して……。先刻佐々木委員の質問に対して、証人はもうかつておらぬ、会社の最近の経理面においては赤字であるという証言でありましたが、現にわれわれの調査によりますと、八百万円もうかつておるのであります。たとえば公団受拂い及び收支総括表、広島管内の分といたしまして、拂下げ金額は七百七十四万五千二百二十円、これに運送諸掛費が百六十四万九千五百五十五円、支出合計が九百三十九万四千七百七十五円、これに対しまして販売代金が一千七百七十七万八千三百七十四円、合計八百三十八万三千五百九十九円という利益を得ておるのであります。また九州の方におきましては大体合計一万九千三百九十四トン、これが大体総じりにおきまして四百十九万七千九百八十四円。合計八百万円もうかつた。そのほかにまた五千トンという九州物の手持貯炭がある。これが浮いておるのでありますが、この食い違いがどうかと思うのでお調べ願いたい。もうかつておらないのでなく、もうかつておるのです。それから今私が伺いますのは、佐々木委員の減耗欠斤の質問に対しましてあなたはいろいろお話でありましたが、大体貯炭場における処分の際の欠斤減耗というものは何パーセントぐらいが常識でありますか。
  54. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大体三%ないし場合によつては五%、なお煽石におきましては、大体一割ないし一割五分と見るのが常識になつておると思います。
  55. 田渕光一

    田渕委員 公団であなたが業務局長として買い取つている時代は、大体欠斤減耗三%と見ておりますが、今回の拂下げに対しては一〇%の欠斤、減耗を見込んでおつて、七%ないし五%の食い違いがあるのは、これはどういう計算でありますか。
  56. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは煽石というものを先ほど御説明したように、今一割五分くらいの欠斤が常識であるのみならず、今までの実績もそういうふうに出ておりますので、そういう点を勘案して積数的に見たわけであります。
  57. 田渕光一

    田渕委員 大体証人は、そういう意味でまず最高限度の減耗欠斤は一〇%と見ればいい。そうして今回の公団貯炭の一括拂下げに対して最高限度一〇%と見ておるのが、あなたの常識としてはまず行けるという数字であります。今おつしやるのをもう一度申し上げますが、あなたが今おつしやつたのは、買うときには三%か五%しか見ておらない。煽石に対して五%か一〇%、総じて一〇%の欠斤減耗を見れば大丈夫だというのが、今回の貯炭一括処分のあなたの常識であり、またあなた方石炭屋の立場から見れば、一割だけ欠斤減耗を見ておけば大丈夫だろうという、これは常識ですか。
  58. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 常識は先ほど申し上げたように、一般炭については三%ないし五%くらい、煽石については一割ないし一割五分くらいが常識になつておると思います。
  59. 田渕光一

    田渕委員 しかとそう伺うてよろしゆうございますか。
  60. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私はそう考えております。
  61. 田渕光一

    田渕委員 それではここで後日大阪証人を呼ぶ関係があるのではつきりしておきますが、大阪小沢支局長はこう言つておるのであります。そこで大づかみな考え方で、三十五万トンぐらいはどうしても右処分ができず、廃棄または欠斤になるものと見、四十万トンが五百円で処分されたとすれば、需要家に渡すまでの経費諸掛は、約九百五十円かかると見られるので云云とあるが、大体七十五万トンの貯炭を三十五万トンの欠斤減耗と見ておるのであります。これはあまりひどいとあなたはお思いになりませんか。
  62. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大阪市場は私も実地に見ておりませんので、これに対して批判することが当らない場合があると思うのでありますが、これは單なる私の経験による推量としてお聞き取り願わぬと、誤解が起ると思いますが、七十五万トンの石炭内容と申しますか、これがどういうようなものであるか。たとえば宇部炭であるとか、九州炭であるとか、または煽石であるとか、無煙炭であるとか、あるいはこれがいつからの貯炭で、日数がかかつて古いものであるとか、新しいものであるとか、またこれが燒けておるぐあいとか、いろいろな面を勘案して小沢支局長が査定したと思うのでありますが、いわゆる山口炭につきましては、相当燒け足の早い炭であることは御承知通りであります。また相当古い貯炭になりますと、同時に貯炭のかさが高いと、石炭は発火しやすいものでありまして、従つて発火すれば石炭としての価値がないから、自然廃炭にしなくてはならぬ。ことに低カロリーのものは、なかなか現在においては需要がないから、これはどろ同様にむしろこれを捨てる費用を見なくてはならぬじやないかというようなことは、常識的には考えられると思うのであります。
  63. 田渕光一

    田渕委員 大阪の弁明を聞かなくてもよろしい。ここに数字にはつきり現われておるから申し上げるのであります。それから先ほど証人がこれこれということをずつと申された数字について一応私は伺うのですが、あなたの方の日本海陸運輸株式会社の関口という人は、あなたの方の会社の取締役ですか。
  64. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 石炭部の次長をしております。
  65. 田渕光一

    田渕委員 元配炭公団におつた人ですか。
  66. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 配炭公団におりました。
  67. 田渕光一

    田渕委員 何職をしておりましたか
  68. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 石炭局におりました。
  69. 田渕光一

    田渕委員 そうすると、この間呼びました証人の小野田君の下の次長ですか。
  70. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようです。
  71. 田渕光一

    田渕委員 わかりました。そこで先ほど証人がずつとおつしやいましたその数字というものが、この貯炭処理委員会でプリントにちやんとあるのですが、その通りなのです。それをあなたはどこから……。先ほどされました説明の資料というものは、あなたはこの会議に出席しておらぬ、日本海陸運輸株式会社の專務として関口という元配炭公団石炭局の次長をしておつた者を、この貯炭処理委員会に出席さしておる。あなたはこの貯炭処理委員会に出席しなかつたとおつしやつているのですが、その資料はどこから手に入れましたか。
  72. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時関口君がその衝に当りまして、委員会なり、その他公団に折衝しておりました採算を私が申し上げたわけでありまして、それが公団側において記録に載つておるのだと思います。
  73. 田渕光一

    田渕委員 考査特別委員会がこの記録を早く出せというのに、ようやく三日前かに提出したのでありますが、相当このプリントを刷るのに日子を要しておると思うのです。これは謄写でできておりますが、一々あなたの方へも配布されておるのですか。
  74. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私の方には配給されておりません。
  75. 田渕光一

    田渕委員 それでは私が読んであげましよう。そこで先ほど速記ができてありますから、これとあなたがおつしやるのと一字一句かわりがない。たとえば野村という製鉄原料の場合が出ておりますが、これははつきり記録に残しておいて、速記と証人の言つたことと対照いたしましよう。「製鉄原料は日本海陸とともに買うのであるが、その分は若松、藤の木貯炭の三万八千五百三十一トンである。これは五級切りから格外A粉までで、大部分は七級切りである。ほかに二切り以下は品質劣悪でほとんど商品価値はない。煽石は石灰業者が主たる需要先であり、栃木、群馬の関東市場岐阜赤阪を中心とする東海市場が二大需要地である。現在の市況から見たその地区の価格は、関東市場葛生OR二千百円、赤阪OR二千円見当であるので、それから諸掛を控除し、逆算して買取り希望価格を算出した。諸掛の内容関東地区向はFOBまでの諸掛四百円、若松川崎の船運賃は旧丸公は八百四十円であるが、統制撤廃後の船運賃の低下を見込んで二割八分引きの六百八円とした。」この通りあなたはおつしやつておる。「保險料五円、船内荷役賃九十七円六十銭、はしけ賃百十一円、沿岸荷役料百二十四円六十銭、貯炭場使用料十円、貨車積込み賃百三十五円、川崎、葛生間の鉄道運賃二百七十円、欠斤は三%を見込み、そのトン当り三十六円六十七銭、金利は二銭八厘百二十五日分を運賃諸掛に対してのみ見込み六十六円六十銭、店費口銭はトン当り二百円と見込んだが品位の低下した貯炭のことで、販売の結果はとうていこの店費は出ないだろう。われわれはむしろ処理費がかかり損失になることを予想しているが、店費が実際はゼロになつてもというくらいの考え方で、公団貯炭処分に協力しているのである。以上で関東地区向は二千六十五円二十七銭となり、これを二千百円から控除すると、炭価は三十四円七十三銭になる。」この通りはつきりあなたは言われておる。「次に東海地区向は同様の方式で計算し、諸掛計千九百五十三円十三銭となり、これを二千円から控除した炭価は四十六円八十七銭になる。販売予想を関東地区六〇%東海地区四〇%と見、プールするとトン当り單価三十九円八十銭」これもきつちり合つておる。「総額百五十三万三千五百三十三円八十銭であるが、百五十万円で一括引受けたい。こういうことをあなたの会社の関口君が言つておる。その通りの数字でふしぎにこれは合つておる。だからあなたがこのデーターを書かれたか、あるいはあなたの計算を関口君が代理をして裁定委員会で述べたかということを伺いたい。
  76. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは係の方でいろいろな調査をいたしまして算定したものを、私資料として持つてつて御説明したわけでありまして、従つて私の方といたしましては、委員会へこれを資料として同様なことを申し上げたのだと思うのが、議事録に載つておるようなことだと思います。
  77. 田渕光一

    田渕委員 そうするとあなたの資料を関口君が持つてつて、これを主張した。そうしたら杉田君でもだれでも、公団はつとめてこれに協力したような発言をみなしておる。でありますから、結局元配炭公団業務局長であるあなたと、同じ公団の下におつた小野田君と、その部下のあなたの会社の関口君はまつたく同一だ。最初私が言つた通り買手の方もあなたの公団におつた人、売手もこういうふうなぐあいの人、それからこれにタッチしたところの安本資源庁も一人も出ないで、何らこれは発言していない。そうしてこれを五時までくだくだやつて、五時に終つて、三十分の休憩に談合して、五時半に裁定委員会に御異議ございませんか、異議ございませんというので決定した。私はあなたの命を受けたこの関口君の言つたことは同様に思いますが、裁定委員会へ出すときに、あなたの今おつしやられたようなぐあいに、国家に損をかけるのはいかぬからなるべく遠慮なく高く買おう、われわれは公団がこれだけの悪いものを引取つたという責任があるから、ひとつほんとうの無給奉仕をしてでも国家に損失をかけないために、なるべくこれを高い値段で売つて国家へ協力しようじやないかというような御意思でなかつたことだけは事実であります。なるたけたたけるだけたたく、はなはだしいのは、大阪小沢君などは、七十五万トンの石炭を三十五万トン天引きに引いてしまつた。あなたの方では一割引いておる。これは石炭山から買うときは三%しか引かないのに、自分が買うときは一〇%引いておる。あなたがいかに国家に迷惑をかけまいと思つて協力したと言つても、そういう言葉はわれわれは受取れないのであります。そこで私はここまで言いたい。要するに旧公団理事者である役職員は、公団一括処分に対してこれくらいたたこうじやないかということで、国会に百二十何億の石炭公団赤字が出た、余剰金から七十何億出すから、帰するところ四十三億七千万円という数字が出るから、この五百九万トンという公団の帳簿上の貯炭をこの数字に合わすべく、この四十三億七千万円を控除したただみたいな値段で落すことになつたということは、五分の一の——つまり百五万トンの大阪貯炭、そのうちの三十万トンを処分した、あとの七十五万トンに対する三十五万トンを天引きして大幅に切り捨ててしまつた、そうすると大阪がたとえば百二十八円にして、一割下げたところの値段で加算されるから、原価はもつと安くなる、決してあなたが先ほどおつしやるような見解からこれを処分したということは、断じてわれわれは受取れないのであります。
  78. 篠田弘作

    篠田委員長 今のには証人お答えはいりませんか。田渕君。
  79. 田渕光一

    田渕委員 言わなければ言わないでよろしい。また伺います。
  80. 篠田弘作

    篠田委員長 それは質問ですか。
  81. 田渕光一

    田渕委員 今のは、私はこの八百万円もうけているということが質問です。私は食い違いを発見した。それから自分らが公団で買うときには、三%しか山元に引いてやらないのに、四国、九州、広島、この方面処分するときには一割引いた。大阪では少くとも五〇%引かれておる。こういうことに対してあなたはどうですか。大阪のやり方をかばう必要はありません。率直に大阪のやり方はめちやだということをお考えになりませんか。
  82. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 前言を繰返すだけで、私も実地を見ておりませんので、抽象的には先ほど申したように見えるわけであります。
  83. 田渕光一

    田渕委員 これは各委員に御参考までに申し上げます。これは各委員にまわらないから私はかりに読むのであります。貯炭最終処分価格裁定委員会の議事録というものに出ておる思想というものは、北海道も、大阪も、東京も、四国も、九州も、広島も終始一貫した思想の根本の流れから出ておるのであります。そこで最も参考になるのに、証人が先ほど言うた数字がこれと同じ数字になつておるのですが、大阪でもこの通りの数字、四国でもこの通りの数字であります。一律に出ておるのであります。参考に読んでみますとこういうふうになつておる。岡崎というのがこの処理委員会の会長であります。岡崎眞推というのは証人とどういう関係でありますか。
  84. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 岡崎というのは承知いたしませんが、何かの間違いではありませんか。
  85. 田渕光一

    田渕委員 国崎であります。
  86. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 国崎氏は日本石炭株式会社の副社長であつた方であります。
  87. 田渕光一

    田渕委員 それから山本定次というのは……。
  88. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 山本定次氏は元三井物産の重役でありまして、最後には日本石炭の社長になつた方であります。
  89. 田渕光一

    田渕委員 日本石炭というのは総動員法が施行されたときの日本石炭の残りでありますか、新たにできた日本石炭でありますか。
  90. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 総動員法と申しますか、何か法律であるけれども、指示を受けた会社であります。
  91. 田渕光一

    田渕委員 この日本石炭というのは先ほど伺いました昭和十六年にできた日本石炭株式会社でありましようか。
  92. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようであります。
  93. 田渕光一

    田渕委員 そこで日本石炭株式会社というのは、大阪の安治川の石炭屋、あるいはその他の連中、たとえば若林氏が五十万トン、杉田が三十万トン、宗像が百万トン扱つておれば、五円ずつもらつてつても五百万円というような、いわゆるのれん料と申しますか老舗料と申しますか、相当の金をもらつて日本石炭株式会社になつた、これであります。しかもこの日本石炭株式会社が三菱二十八号館にある現在の公団も事務所であります。それで終戰後公社システムで行くか、公団システムで行くかという際に、公団法に切りかえたときに、看板だけかえて人間は一緒であつたの配炭公団であります。でありますから日本石炭式会社というものと配炭公団というものとは、まつたく卵のきみと白みみたいで切り離せない、同じようなものであります。そのものを裁定委員会に入れて公平なるものができるかというのが一点、それから国崎にしても山本にしても同穴のむじなと同じようなものであります。ただ学識経験者とか中立とかいう名目で、うまく加藤君をだましてこういうメンバーを構成したのであります。しかも安本の元の動力局長であり、今の産業局長である、この間見えた増岡君が一つも出ないで、青柳忠一君が四月二十八日からずつと会議を開いておる、資源庁では島津というものを出しておる。この間呼んだ中島炭政局長は一回も出ておらぬ、物価庁からは和田勝美という者が出ておる、大蔵省からは高橋謙二という者が出ておる、こういう者で、買手側の代表として出たのは大阪石炭協同組合とか、あなた方みたいな元公団業務局長をしておつた日本海陸運輸株式会社というようなもの、こういうようなメンバー、たとえば大阪のごときは、大西傳四郎というのは小沢が局長をしておつた、ちようどそのときの石炭局の次長、今のあなたの方の買手行つた時期と同じものであります。こういうような組織であつて、今度は売手側と来たら清算人の加藤八郎——加藤が仏様みたいに何にもわからない、これに向つて経理局長の高柳、あなたの言つた業務局長の水井、大阪支部長の小沢、この思想が一貫しておるのでありますから、私は参考に読むのであります。「小沢、議案の細部に入る前にまず大阪の実情を大づかみに申し上げたい。昨年九月配炭公団が改組した当時、大阪には百二十万瓲の貯炭が二百二十三個所、二十六万三千坪の貯炭場に残つてつた、この貯炭を何とか一日も早く処分しようと急いだのであるが、三月末現在に尚二十四万坪という広い貯炭場に七十五万瓲を残すこととなつたのである。この残炭は国鉄、進駐軍、日発、一般販売業者等え売れるだけは売り捌いて行つた残りのもので、謂はば食い荒したものであるため、」石炭は宇部炭、九北炭ある常磐炭とはつきり貯炭場にあるから、食い荒しはできないのであります。「実質は非常に悪いものになつている。これを三月末には何とかせねばならぬこととなつたので、種々検討したが、最早公団職員の手で限られた日時以内には、これ以上の処理はできない、」限られた日時内というと、一昨年の八月二十四日に安本長官の回答によつて、七箇月間の期間があるのに、これを三月末まで放つておいて、四月、五月、六月へ来て処分したのだから、わざと処分しなかつたことははつきりしておるのであります。     〔委員長退席、塚原委員長代理着席〕  「そこで三月末貯炭一括処分の交渉を進めることとなり、大阪の有力な販売業者に呼びかけ、この処分に助力を求めたところ、販売業者としても正直なところ、この石炭にはほとんど魅力がない。」こういつております。けれどもあとで会員に入れてくれといつて石炭業者がどんどんこの組合に入つておることは事実であり、先ほど佐々木委員が言つたごとく、公入札にすべきものを公入札にしなかつたという点は、あなた方は疑われてもしかたがない。しかしここに書いてあるところを読みまするが、「しかし、これを下手に処分されたのでは経済界石炭界また国家的にも非常にまずいことになるというところから、販売業者も、これを何とか引受けようということになつたのである。引受けの方法としては、最初会社案を持つていたが、独占禁止法の関係もあり、門戸開放の協同組合で行くこととなつた。」こういつておるのであります。ところが証人に伺いますが、証人の会社はこの日本海陸運輸株式会社でありますが、かりにこの証人の会社が買いましたときに、あなたの会社が経費を持つという公団側との約束はなかつたでありましようか。それを伺いたいのであります。
  94. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは大阪の話でしようか。
  95. 田渕光一

    田渕委員 いやあなたの会社と関連して伺うのです。
  96. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私の方で経費を持つということは、言われるべき言葉でもないし、そういうふうに承知しておりません。
  97. 田渕光一

    田渕委員 そうあるべきだ。ところが大阪では協同組合をつくつた費用は、皆公団の方に持たしておるのです。「しかし、問題がこの財炭の価格となると、実炭がどういうものか、適確な検討をつけることは容易でなく、さりとて業者に不当にもうけられても困る。近畿地方の現在の需給は月に約三十二万瓲の需要に対し、出石のみで約三十五万瓲は優に入着がある状況で、供給過剰が明かな状態のところえ持つて来て更に七十五万瓲の貯炭は、既に全量が過剰と云つて過言ではない。就中、宇部炭の貯炭は一昨年からのもので、最も新しいものでも山元で相当時期を経過したものもあり、ほとんど腐りかけて居る状態である。」石炭は腐りますかどうかを証人に伺います。
  98. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 腐るという言葉は通常よく使うのですが、いわゆる風化するとかいうようなことを通称悪口を言つた場合に、おそらくそういうふうにも言います。
  99. 田渕光一

    田渕委員 腐るという言葉を石炭業者が使つておりますか。
  100. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ときどきそういうようなことを使うこともございます。
  101. 田渕光一

    田渕委員 そういうことはありませんよ。それはまあよろしい。これからがあなたの思想と、今あなたの言つた西石炭の四国、九州、どこもここもこれに全部一致している。これをひとつ速記に残しておきたいのであります。「そこで大ずかみな考え方で、三十五万瓲位はどうしても処分出来ず廃棄又は欠斤になるものと見、四十万瓲が五百円で処分されたとすれば、需要家渡までの経費諸掛は約九百五十円かかると見られるので、需要家価格は、平均一千五百円となるわけである。然るに市況から見ると、平均三千七百カロリー程度のものが一千五百円では到底売れない。従つて公団処分価格はもつと安いものにならなければならぬ。例えばざつとこんな考え方で出て来た総額が一億一千万円程度となつたわけである。」こういうふうで、ここでもう結論を出しておるのであります。少くとも七十五万トンの石炭を一億一千万でやろう、それから引けるだけ引いて一億七百万円で処分したのでありますが、そこで公団側の水井という者が、こういうことを言つておる。「公団で作成した議案の順序に従つて説明する。三月末推定実在数量五十四万瓲は、公団に於て現場調査行つた結果推定したもので、従来、国鉄、進駐軍等え拂出した際の実績から推定しても十三万瓲程度の欠斤は已むを得ず、」五十四万トンで十三万トンの欠斤が出る。こういうことであります。もうここで三割出て来ているのであります。「また廃棄数量についても、九月十五日棚卸査定時廃棄炭を一万三千七百六十瓲(総数量の一・三%)しか見込まれなかつたに対し、其の後の風化、自然発火から推定して八万瓲程度の見込はこれまた已むを得ないところと考える。」売る方の公団の水井君が——ここで八万トンですから、最初十三万トン引いて、そのあとで五十四万トンの一三%を引いて、さらにまた一三%を引いて来ている。落せるだけ落して来ているのであります。  「次にこの貯炭処分期間中の欠斤としては、どうしても上級炭程多くこれを見込む必要がある。上級炭には盗炭も多く、」配炭公団がりつぱな番人をつけてさくをしてあるのに、盗まれる炭が多いというようなことを言つている。「廃棄炭は出ない代りに、振替による欠斤、貯炭場地めり等による欠斤があるわけで結局、総額五万四千瓲、三月末推定実在数量の約一〇パーセントは已むを得ない」またここで一〇%引いている。  「次にこの貯炭処分期間中に新に風化、自然発火等により生ずる廃棄炭は中級以下についてはどうしても相当量が見込まれる。」七十五万トンで三十五万トン引いても、まだ将来引けるかもわからぬと言つておる。これが公団側の話だからけしからぬと思います。「組合が想定しておる処分期間十八ヶ月間に処分できる数量が、最初は多いとしても次第に減少し、これを近畿市場の月三十二万瓲の需要中、この程度石炭需要を十二万瓲と見、毎月この需要に食い込める数量を二万瓲程度と見れば、今から一年半後に売れ残つたものは廃棄炭に等しいものと見る必要がある。従つてここに見込んだ十万瓲程度廃棄炭もまた已むを得ないところと考える。」と公団側も結論をつけて言つておる。売る方が言つておる。「欠斤及廃棄をこう見ると、差引残は三十八万六千二百六十二瓲、」結局七十五万トンの石炭が三十八万六千二百六十二トンまで減らされて来ている、約半分に減らされている。「これに現在までの一般的質的低下と一般的市況を見込んだ標準価格を当てはめれば、総金額は、三千八百九十三万七千五百三十円となり、瓲当一千八円となる。然るに組合のこの貯炭処分期間中には更に品質低下を見込む必要があり、また大阪が特に多量の貯炭をかかえて居る上に、従来からもダンピング市場という性格があり、将来市況低落見込みを更に見る必要があるので、結局三十八万瓲の貯炭の標準価格を修正した価格による総額は、二億八千六百二十九万四千七百四十一円、すなわちトン当り七百四十一円となる。」こうなつておる。「公団としてはこの貯炭処分の特殊性を考えて、さらにこの金額より次の諸掛を考慮することとした。」これは馬屋原証人がさつき言つた通りになつておるのであります。「すなわち、貯炭場の地料は保管料を含めて三月末現在百十三万円であるが、組合の処分期間十八箇月間には順次逓減するものと見て、八百四十万円に査定し、廃棄炭廃棄費用としては、廃棄炭数量十七万八千トンの約三分の二は廃棄費用と」ここで活字を消しておるのでありますが、「相殺できるものと見、残りの六万トンがトン当り二百円はかかるものとして一千二百万円とし、」そこで捨てる炭を六万トン——六万トン捨てなければならない。その捨てるのに運賃が二百円かかるから、千二百万円の金をとつておる。「発火炭またはその危險あるものの繰りかえ費用は八万一千トンにつきトン当り三百円と見て二千四百三十万円とし、通常出石に比較して、搬出に要する余分費用は従来の実績トン当り百二十円の五割増し、百八十円と見て六千九百五十二万七千百六十円とし、貯炭場整理ないし貯炭場整地の費用として二万トンにつきトン当り三百七十七円として七百五十四万円を見ることとした。また協同組合の金利としては、詳細な收支計算の上日歩二銭八厘を見て二百五十九万四千円を見ることとした。」これはさつきあなたが言つた二銭八厘の計算と同じになります。
  102. 塚原俊郎

    ○塚原委員長代理 田渕君に申し上げますが、御質問になるべく限定してください。
  103. 田渕光一

    田渕委員 これを参考に速記に載せておきたいと思うので……。
  104. 塚原俊郎

    ○塚原委員長代理 速記に載せるなら、チエツクしてあとで提出していただきます。
  105. 田渕光一

    田渕委員 そこで「さらに協同組合経費としては、月当り九十五名の人件費百九十万円、」大阪であれだけ多くても月当り九十五名しか見ていないのに、証人のあなたは月当り三百名を見ておる。「月九十五名の人件費百九十万円。」一万円べースで見ている。「旅費二十万円、通信費十万円、備消耗品費二十万円、会議交際費二十万円、雑費四十万二千円、(組合申出の七十五万円を四十万二千円に査定)一箇月計三百万二千円と見てその十八箇月分を見込むこととした。右のような諸掛経費総額一億七千八百四十万三千七百円を二億八千六百二十九万四千七百四十一円から差引処分価格一億七百八十九万一千四十一円を得たわけである。」この数字が先ほど証人が言つた数字と同じにずつと来ておる。だから、決して中国や四国や九州だけで売つたものじやない。大阪も九州のようにきちつと来ておる。ただ違うのは、あなたの方の海陸運輸会社が十八箇月かかる経費公団からとつていないことだけである。あとはみな公団が組合の費用まで拂つておる、こういうことでありますが、これをあなたは妥当と見るかどうか。次の小沢証人関係から私は今馬屋原君を呼んだのです。
  106. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どうも先ほど来申し上げましたように、大阪事情を実地に見ておりませんので、従つてここで妥当であるかどうかを判断する資料はないものですから、はなはだ遺憾でありますが、これに対して断定することをお許し願いたいと思います。
  107. 田渕光一

    田渕委員 そこで私の言うのは、この価格裁定委員会の構成がなつちよらんし、無能なやつばかりを入れた日本石炭株式会社のやつたこと、また裁定委員会はわれわれはまつたく認めるわけにいかぬ。ところが、この裁定委員会の前に貯炭処理委員会ができた。けれども、経済調査庁あるいは財務局、地方通産局、それから会計検査院の連中は十月十一日から二十四日までの二週間の間に、これをちつとも調べることができなかつた。はなはだしいのは、近畿地区においては二週間では全貯炭場二百六十何箇所のうち二〇%しか見ることができなかつた。特に大阪の経済調査庁は、われわれがタッチしなかつたならば、公団にごまかし通されてしまつただろうということをはつきり報告している。こういうような貯炭処理委員会が開かれて、しかも数字は大ざつぱにごまかしてしもうて、数字は減らせるだけ減らして来たものを持つて来て、価格裁定委員会で百四十円見当のプール計算でみなやつてしまつたということに対して、あなたは先ほど佐々木委員が言つたごとく、国家的に済まぬことをしたと感じているかおらぬか、伺いたい。
  108. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 何分大阪のことでありますので、私の方の先ほど来おしかりをこうむつた点につきましては、極力留意して今後も努力したいと思いますので、さよう御承知願います。
  109. 田渕光一

    田渕委員 実はわれわれが現地調査いたしましたときに、名古屋の煉炭組合が八十円で拂い下げた石炭が相当儲かるために、これを何と思うかと言いましたら、まことに相済みませんでした。国家へ献金しようと思いました、こういうことでありました。ところが、こういうふうなぬれ手あわのつかみどりのようなことをして、この利益——大阪のような七万トンもの貯炭を処理したところが九十五名しか使つておらぬのに、あなたの方は三百名も使つている。これは運送の関係もあるからでしようが、こういうような他面において赤字を出すところへ、国民の税金で買つた石炭をただで納入するような値段でやることは、私ははつきり共同謀議だと言う。官僚の無能と公団清算人のお人よしとにつけ込んで処分をした配炭公団のやり方は、石炭どろぼうと言いたい。これらと組んで、こういうような不正の利得をして、これを国家へ返そうという気がないのかどうか。
  110. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私の方は先ほど申したように、暴利をとつてやろうという観念もございません。結論的にはそんなに暴利にならぬような考えでやつたと思つているのであります。
  111. 田渕光一

    田渕委員 国家へ返す意思なしとすれば、相済まぬと思うか、思わぬか。
  112. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 決して私は悪いことをしたように考えていないのでありまして、先ほど来言つたように、よその振合いとか、いろいろな例を見まして、現在のところは、個々の少数量のものにつきましては、あとの分を勘案しまして、最初こういうものはできるだけ元をとつておいて、あとがどうなるかという不安な点を解消する意味においての考慮の点もありますが、現在までも先ほど申したように、平均しますと、そう暴利をとつていないのでありますから、ひとつあしからず御了承願いたいと思います。
  113. 田渕光一

    田渕委員 相済まぬとも考えない。暴利もとつていないと考えるならば、あなたが配炭公団理事として、業務局長として昭和二十四年の七月二日までおつた。その七月二日まであつた責任において、七十万トンの石炭をほとんど廃棄にひとしいもので、捨てなければならぬ石炭だというようなことを言つて大阪が三十五万トン処分したことはあなたの責任だが、配炭公団業務局長として完全に職責を果したと思うかどうか。
  114. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 完全に職責を果したとは思いませんが、先ほど来申したように、公団の機構とかいろいろな面におきまして不十分で、私が十分の職責を果さなかつたことについては深くおわびするわけであります。
  115. 田渕光一

    田渕委員 これはおわびだけでは済まぬ。われわれも実際ここまで調査して、これだけの資料調査しているのに、相済まぬの一言ぐらいで軽く証人を手放すわけに行きませぬ。少くとも国会に対する責任をとつてもらわなければならぬということを申し上げて、私の質問を打切ります。
  116. 横田甚太郎

    ○横田委員 馬屋原証人に伺いますが、田渕委員の御質問にもありましたように、考査委員会調査によりますと、馬尾原証人は、配炭公団が持つておると赤字になる石炭が、会社が持つておる場合には大もうけになるというのですが、これは一体どういうわけですか。しかもこれだけもうけられるのに、あなたが配炭公団におられたときには赤字を出す。この関係がわからないので、ちよつと伺いたいのです。
  117. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 前回も申し上げたように、全然赤字がないとは申せませんが、今回の赤字の出た成行きは、公団末期におきます需給アンバランスによつて厖大な貯炭をしなければならぬ。従つてこの貯炭のエキステンシヨンが重なつて赤字になつた公団が常態のもとにやつております当時におきましては、そんなに赤字は出ていなかつたように記憶しておるのであります。大分時日も経ちますので、はつきり数字等につきましては記憶しておりませんが、以上のような次第だと思います。
  118. 横田甚太郎

    ○横田委員 そのお答えは、本年二月十五日にここに来られまして、鍛冶委員長時代に、鍛冶委員長と質疑応答なさつたことそのままです。二月のとき鍛冶委員長は、前から赤字があつたのだ、それを押し繰り押し繰りやつていたために出なかつた赤字であろうと言つておりますね。これに横道になりますが、私は速記録を見てあきれたのです。これを見ますと、公団の人とは思えぬような運営をやつておるのです。そのことについて今とやかく言うのではありませんが、さしあたり今日いただきましたこの資料、これによりますと、先ほども申しましたように七百七十四円のものをお買いになりまして、これを売つて、結局八十三万八千円のもうけになる見込みだそうですが、実際は四百十三万円もうけてしまつておられる。これらの石炭は、配炭公団をあなたがやめられて後、日本海陸何とか会社にお入りになりまして、そこでお買いになつたのでしよう。これは配炭公団としては見込みのない石炭であつた。それをあなたがお買いになり、売りさばいて上手におもうけになつた、そういう意味ですか。
  119. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 利益の点は、買つた値段と売つた値段の差益がこういうふうになるというのではなく、業者におきましても、運転資金として相当の金を銀行から利子を拂いまして借りておるわけであります。従つて運賃とか諸掛とかいろいろ多額の費用を拂つております関係上、営業関係の出資等に相当なものがありまして、全体的には先ほど申したように大した金額にはなつていないように思うのであります。
  120. 横田甚太郎

    ○横田委員 なるほどこの計算には利子は書いておらないのですね。書いておらないけれども、輸送の諸掛は書いてあります。一例を申しますと、買入代金として三百八十二万八千百六十円のものを買うておられる。輸送諸掛のために八十二万一千百十四円拂つておられる。合計いたしまして四百六十四万九千二百七十四円拂つておられる。これは利子が入つているのかいないのか明らかになつていない。販売代金としては八百七十八万八千二百五十五円とつておられる。差引き四百十三万八千九百八十一円もうけておる。こうなつておるのであります。大体諸掛りも出ておるのですが、運転資金は銀行でお借りになつたのですから、銀行にお拂いになつた利子を引いただけおもうけになつたということになるではありませんか。
  121. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ここに出た差額は、一応販売利益ということで御報告申し上げたのであります。税金、店費と申しますのは営業費、給料、交際費その他一切の費用をまかなわなければならぬので、それを差引いた場合には幾らになるか決算で見なければわかりませんが、普通の差引の利益におきましては、先ほど申したようにトン当り平均二百何円というようなもので、石炭商売としてはそう大した利益だとは考えていないのです。その点ひとつ御考慮されまして御了承を願いたいと思います。
  122. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたはえらい業務局長ですから、こまかい数字のことを言うてはだめでしようが、とにかくそんなに大きいものはもうかつておらないが、幾分もうかつているのですね。
  123. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 もうかつていることはもうかつているのです。
  124. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこが問題なんです。公団が持つていると損して売らなければならぬが、あなたが売るともうかる。しかもあなたが公団におる間はあまり芳ばしい成績ではなかつたので、その原因をはつきりさしておきたいのです。
  125. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはもうかる程度にもよるわけでしようが、商売としては、常識的にこの程度のものならば、そう暴利というふうには考えていないものですから、そういうことで御了承を願いたいと思います。
  126. 横田甚太郎

    ○横田委員 もうけられたのを怒つているのではないのです。経済の事情さえはつきりさしてもらえばよいのです。商売をやつているからには少しはもうけるのが当り前だが、公団商売ではない、だから損をしてもかまわない、こういう方針だつたのですか。
  127. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の側が損をしてもよいとは決して考えてはおりませんが、公団の側はいろいろ予算があつたりして、やむなくこういう処分のほかはないというので、それぞれ担当の部局が熱心に忠実にやつておられますから、私の方の現在の立場におきまして、まず常識的に考えてもこの程度利益はあげさしていただいてもよいのではないか、こういうふうに考えてやつたわけであります。
  128. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、公団におられた時分の公団に対するあなたの責任と今勤めておられる個人の会社に対する責任とではどちらが重いのですか。
  129. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はなはだむずかしい御質問で当惑するのですが、公団におります当時は公団に大いに忠実にやり、また現在におきましては現在の会社に大いに忠実でなくては相済まぬと考えております。なお販売口銭につきましては、公団末期におきまして、公団の一手買取り一手販売の機構を一部変更して、将来公団を廃止する一段階として、公団の一手買取りはそのままにして、販売の面を民間に移すというような措置が講ぜられまして、その際民間の販売口銭としてはどの程度がまず妥当であろうかというようなことを、資源庁を中心として物価庁等におきましてもいろいろ御調査せられた結果、大体二百五十円ないし三百円見当のものならば、そういう商売においてはまず認めざるを得ぬだろうというようなことで、たしか二百三十円から五十円見当でお認めになつたように記憶しております。これは経済の変動その他によりましてしよつちゆう一律にいつまでもそうあるというわけではありませんし、また常識的にそういうような例もありますので、そういう点を御勘案願いまして御了承くださつたならば、はなはだ幸いだと存じます。
  130. 横田甚太郎

    ○横田委員 私の言葉ではたくさん、あなたの言葉ではごく少しもうけられたことを非常に気にして言い訳をしているようですが、別にむずかしいことを言つているわけではない。あなたは今の会社におきましても、前の公団時代におきましても、忠実にやつておられると言つておられますが、大体公団が欠損になりましたら、だれが損をするのですか。なお今おられる会社が欠損になつた場合には、だれが損をするのですか、その点を承りたい。
  131. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団は結局政府全額出資のいわゆる政府機関でありますので、従つて政府が国民の代表としてやつておるわけでありますから、おのずからおわかりになられることであります。なお会社は株主によつて構成されておるのでありまして、従つて株主に対してやはりわれわれ重役といたしましては、忠実にやらなくちやならぬと考えております。
  132. 横田甚太郎

    ○横田委員 国の建前といたしましては、配炭公団法なんかを適用するということは、資本主義国なんですから、よほど思い切つたときでなければしないのですね。おそらく今申したような形でやるのでしよう。もつと自由な形でやるのでしよう。それがやれないというのは、物資が不足する、それに対していろいろな需給計画を満たさなければならぬという必要からやるのでしよう。そういたしますと、私の考えといたしましては、今おられるところの会社における責任よりか公団時代におけるところの責任の方がずつと重いんじやないですか。そういう観点からいろいろこれから聞きたいのですが、その点はどうですか。
  133. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時、われわれは本来販売業者で、また販売の経験者であつたわけでありまして、先ほども申したように、できれば従来の形でわれわれといたしましてはやつて行きたかつたのでありますが、これは国家統制を政府において考えられ、その筋の指令によつてそういうことになつたので、むしろわれわれは徴用を受けたような気持でやつたわけであります。
  134. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこが問題なんですが、とにかく公団におけるところの責任と今の会社における責任というものはすぐ識別できない。そういうような考えから、公団が持つてつて赤字になつてどうも始末に負えない石炭を、あなたがお持ちになつて商行為をやられ、営利事業をやられるともうかるのだ。われわれはこう考える。この考えであるがゆえに、いわゆる廃棄炭がたくさん出るのではないか。欠斤がたくさん出るのではないか。こう思うのです。これはおそらくあなたは知らぬと言われるかもしれませんが、たとえば留萌なら留萌におきまして何万トンという石炭が燃えましたが、その燃えました石炭は消されたのです。それは消されたにもかかわらず、その付近にありました他の何万トンという石炭に対しましては、消防法第二十九條を適用して廃棄炭にしておられる。しかしこれは廃棄炭じやないと思う。十分もうかるやつである。現にその留萌では廃棄炭にせられたところの石炭を町の人たちが拾つて、これは二十三年に配給せられた石炭よりもずつといいということを言つておる。だから、そういうような意味合いにおきまして、もう一回念を押しますが、あなたが今わずかながらももうけられたというところの石炭は、公団で持つておれば全然赤字になつて、始末に負えない、もつと意地悪く申したならば、貯炭場に積み込まれて、だれもとる者もなしに、そうしてその上に新しい会社が買うた石炭を頭からかぶせられて行方不明になつてしまうような情ない石炭なんですか。それを承りたい。
  135. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 何分公団といたしましては、当時としては大した貯炭はなかつたのですが、その後大量の貯炭ができた結果、これはいわゆるひとつの物品価値があるものでありますから、これを長く持つことは、公団といたしましてもそれだけの費用もかかることであるし、それを処分して多少の損は起つても、ここで処分した方が、公団のためになるというような判断で、それぞれの機関なり、それぞれの御当局と打合せられて決定されたように承知しておるわけであります。これは経済界その他の実情を勘案せられてやつておられるように聞いておるわけであります。
  136. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこが非常にふしぎなんです。あなたは公団が解散までにやめておられる。しかもやめておられる事情は、ここにも出ておりますように、鍛冶委員長と論議しておられる。今まで石灰のことについては非常に明るい業者であつた。そこでおやめになつた。おやめになつた前後に、非常にたくさん貯炭ができておる、山積みになつておる、発煙炭も出ておる、廃棄炭も出ておる、こういうようなときに、あなたはすでにやめておられる。そうしてどうにもしようがないという口実のもとに、石炭をあなたが買うておられる。これは荷後炭と配炭公団石炭協会の関係と一つもかわりないところの思想から出ておると思うのです。だからあなたは山の事情をよく知つておるし、石炭事情も知つておるし、また石炭需給の鉱業界の現状も知つておられるので、この辺で馬屋原君をやめさせておいて貯炭をうんとこしらえて、これを配布した方が、おそらくうまく行くのじやないか、こういうような何でやめられたのじやないか、そういうような事情で、貯炭事情を十分知りつつやられたがために、赤字になるものも、あなたがお持ちになると黒字になつて大もうけになる、こういうのじやないかと聞いておるのです。どうなんですか、それは。
  137. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 お話のように貯炭を多くしようということは、私一人の思想でそういうことになるものでも決してございませんで、先ほど来申しましたいわゆる経済界の現象によつて起るので、微力の私の一人の意見で大量の貯炭をふやすとか減すとかいうようなことは、絶対に私はできないものだと確信するのであります。なおやめたあと、自分がそれを買つてうまくやるとかいうようなことは、私個人といたしましても、当時業務局長をしておつて、しかも渡したというのなら、おしかりの点もありましようが、そういうことでなくて、やめまして、それぞれ責任者があとにおられるのでありますから……。(「そう言つて逃げるのじやないか」と呼ぶ者あり)それは決して逃げるということではなくて、それが実情であるわけであります。
  138. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではちよつと話をかえます。あなたがおやめになつた、またおられる時分に発煙をした、煙を出しておる、こういうようなことを聞いたときに、どうお考えになりましたか。ちようど今と同じように、おれは業務局長ではない、燃えておるのはよその石炭だ、おれは何も関係がないのだ、こうお考えになりましたか。
  139. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうようなきわどいことを何も私は考えていないのでありまして、いわゆる公団のあとにつきましては、公団のうまく処理せられることについては念願しておるわけであります。
  140. 横田甚太郎

    ○横田委員 うまく処理するとは何ですか。結局は公団が上手にさばく、そうして民間に行つておるところの、公団から来た人たちにうまくもうけさせる、こういうのをうまくさばくというのですか、それともまた国に損をさせないことがうまくさばくというのですか。どうなんですか。
  141. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは公団といたしましては、なるべく国家に損害をかけないようにさばくということが当然だと私は考えております。
  142. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたのやられたことに対しましては、終始一貫国には損をかけておるが、個人はもうけるというような形になつておるのですが、これは一体どこから来ておるのですか。
  143. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはやめた以後までいかにも関連があるごとくおしかり願つても、これは私といたしましてはなはだお答えに窮するような次第でありまして、この点はひとつ常識上の観点で御判断願いたいと思います。
  144. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはだめを押しますが、こうなんですね。貯炭がふえた、減つた、あるいはそれを買うてもうかつた、こういうような経済の事情は、あなた一人の経済の現象といいますか、事情といいますか——こういうようなことは、あなた一人ではできないということを言つておられます。それはよくわかります。しかしこういうような経済の現象をつかむ、それを利用する、それを運用する、これは個人の判断においてそれをつかみもし、運用もし、利用もできるのだ、こういう点についてはどうお考えですか。
  145. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 個人ではなかなか容易でないと私は考えて、先ほど来申し上げたのであります。
  146. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、今度は航海訓練所のことをお尋ねいたします。航海訓練所は御存じですね。この間から論議になつておるのですが……。
  147. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 存じ上げております。
  148. 横田甚太郎

    ○横田委員 知つておられるといたしますと、どの程度御存じでしようか、知つておられるだけ聞きますから……。馬屋原さんは必要なことを知らぬことが多いですから、知つておられるだけおつしやつてください。
  149. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 航海訓練所を存じ上げましたのは、航海訓練所の練習船を公団が使つたという問題でございますか。
  150. 横田甚太郎

    ○横田委員 それはいつごろから御存じですか。
  151. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはたしか昨年の三月ごろではなかつたかと存じます。
  152. 横田甚太郎

    ○横田委員 昨年といいますと、二十四年の三月ですね。
  153. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうです。
  154. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、航海訓練所というものは、私はこういうことをするところだと思つておりましたが、それと違つたので、こんなへまな聞き方をするのですが、何をするところですか。何がために船を持つているのですか。この二点を伺いたい。
  155. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは私が聞きましたところでは、もとは商船学校の練習船で、生徒を乗せて航海の訓練をして行く船だ、こういうふうに聞いております。
  156. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすると、商船学校の練習船であつた時代に石炭を何回も運搬して練習をやつた例があるのですか。
  157. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 二十航海ぐらいしたように調査しております。
  158. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうじやないのです。その以前に、商船学校の練習船であつた時代に、石炭を何回も運んだような記録があるのですか。
  159. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は存じ上げません。
  160. 横田甚太郎

    ○横田委員 今度は、練習船は人間に練習させるのを従にいたしまして、石炭を運ぶようになつたのですか。
  161. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは当時聞きましたところによりますと、当時は非常に海上輸送が逼迫しておりまして、ことに機帆船等が逼迫した時代という当時に、西日本の方からこの航海訓練船を使つたらどうか、なおそれについては海運総局の方で、そういうような希望があつたかにも聞いておるのでありますが、それによつて西日本から、これを使つてひとつ公団の炭を運んでもらいたい、こういうようなことになつたように聞いておるのであります。
  162. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、西日本からそういうような話が出たときに、これは航海訓練所の船だということは御存じだつたのですね。
  163. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 前回も申し上げましたように、決して私責任の回避をするわけではありませんが、石炭局の方で配船の実施、配船の計画とか、そういつたものをやつております関係上、その方面で打合せまして配船したように聞いております。
  164. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、今言われましたことはいつごろお聞きになつたのですか。
  165. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは先ほど言つたように、昨年三月ごろだつたと思います。
  166. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは二十二年十二月から運んでおるのでしよう。そうして二十四年六月に終つておるのでしよう。ところが聞かれたのは二十四年の三月ごろ、こういう意味なんですか。
  167. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。これは大体公団におきまして石炭局に不祥事件が起りまして、その結果こういうことが現われて、初めてわれわれが承知したのです。こういうことからこの問題が起つたように記憶しております。
  168. 横田甚太郎

    ○横田委員 不祥事件というのは何ですか。どことどこで、何をやつたのですか。
  169. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはじかに調べたわけではありませんが、石炭局の長坂という係員が、練習船を使つた際に、その方面関係者から收賄したという事件が起つてから、初めてこういう練習船を使つてつておるということを私は承知したわけであります。
  170. 横田甚太郎

    ○横田委員 それはいつごろのことですか。
  171. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはたしか三月ごろではなかつたかと思うのであります。
  172. 横田甚太郎

    ○横田委員 私たちの調査によりますと、この航海訓練所の船が配炭公団石炭を運んだおつたというのは二十三年の春ごろです、昨年ではなくて一昨年の春ですよ。一昨年の春ごろには、もう公団内部で機帆船の運賃を適用するかどうか、このことについて論議があつたはずですよ。それは九州に参りまして聞いておるのです。その点はどうなんですか。
  173. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これが問題になりましたのは、先ほど言つたように長坂事件が起りまして、初えてそういうものに対してどうするかというようなことが石炭局の方から起つたように記憶しているわけであります。
  174. 横田甚太郎

    ○横田委員 それに間違いありませんね。私は確信を持つて言うことができるんですよ。これは二十三年の春に航海訓練所の船がこういうものを運んでおる。このことについて機帆船の運賃を適用することがよいか悪いかということで、公団内部で問題があつたのでしよう。その点どうですか。
  175. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団内部で問題があつたのは、はつきりしませんが、たしか昨年の二、三月ごろだつたと思います。
  176. 横田甚太郎

    ○横田委員 その期日をそういうふうにお逃げになるのでしたら、それならば運賃のことについてあなたは責任がありますね。
  177. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運賃は契約しております。
  178. 横田甚太郎

    ○横田委員 その点だけは速記録と合いますが、この航海訓練所の船というものは何隻ありましたか。
  179. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 七隻のように聞いております。
  180. 横田甚太郎

    ○横田委員 その七隻のうち、船の種類はどうなつておりますか。
  181. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 船の種類は特殊船のように聞いております。
  182. 横田甚太郎

    ○横田委員 何に対しての特殊船ですか。
  183. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 汽船でもなし、機帆船でもないという……。
  184. 横田甚太郎

    ○横田委員 特殊船運賃というものがありますか。
  185. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ありません。
  186. 横田甚太郎

    ○横田委員 石炭を運ぶ運賃の種類はどのくらいありますか。
  187. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運賃は、海上におきましては機帆船運賃と汽船運賃、汽船運賃におきましても大型、小型の二つにわかれておるのであります。それと陸上におきましては、国鉄の汽車賃と、その他トラックとか荷車その他の運賃になつております。
  188. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは私の考えとちようど一致しましたが、そういたしますと、運賃は大体海上の場合におきましては三種類と考えてよいのですね。
  189. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  190. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしますと、三種類のこの運賃を特殊船に適用する場合には、よほど考えなければなりませんね。特殊船というものはこのうちのどれかを適用すればよいのでしよう。
  191. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは先ほど申したように、当時運賃は、機帆船運賃につきましては西日本を窓口にいたしまして、数十社が一丸となつて、西日本と半期ごとに、公定価格を基礎といたしまして、公団が一括契約しておるのであります。なお汽船につきましては、運営会がこれを一括しておる。従つて公団がこれを配船する場合においては、汽船の場合には運営会の運賃を、その他機帆船の場合においては西日本、こういうことで運賃を自動的に拂つておるわけであります。この特殊船は、当時西日本から公団石炭局に対しまして、こういうふうな船であつて、こういうことなんだが、ひとつお願いしたいということを話されたときに、当時船が非常に足りないからということで、運営会の方でも、これは自分の方で扱わないというようなことで西日本の窓口とした関係上、機帆船運賃で拂つたというような関係になつております。
  192. 横田甚太郎

    ○横田委員 それだつたら、皮肉なことを言いますが、西日本運賃ではありませんか。西日本においても、汽船と機帆船とは、運ぶ性質によつて違うでしよう。なぜ機帆船運賃と汽船運賃の相違をこさえてあるのですか。これをよく御存じなんでしよう。
  193. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 機帆船運賃と汽船運賃は、以前のようなあれではつきりして、いわゆる物価庁できめられておるわけでありまして、ただ遺憾の点は、ここにこれがどちらにもつかないような船であるというような関係上、これを使つたところにいろいろな問題が起つたように思うのであります。がこの際には、先ほど言つたように公団といたしましては、いわゆる配給の実施という点に非常に重点を置いておつたために、運営会の方でも受付けず、やれば結局機帆船のわくが少くて、その方面輸送を完遂するためにやむを得ぬのじやなかろうか、こういうようなことで、最後に検討した結果、機帆船運賃ということもやむを得ぬのじやなかろうか、こういうようないわゆる運営上の操作において勘案したように記憶しております。
  194. 塚原俊郎

    ○塚原委員長代理 横田君にちよつと申し上げますが、本事件については、前回前々回におきまして、再三尋問して事情も判明しておりまするから、なるべく簡單にお願いいたします。
  195. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、これでもう二、三聞いておきますが、大体汽船であつた分には、八百八十トンのものがあつたんですね。これは御存じですか。
  196. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その総トン数はちよつと調べておりませんが、石炭を一番多く積んでいたのは、六百五十六トン積んだのが一番多いように記憶しております。これは練習船であります関係上、普通の汽船のごとく炭が積めるわけでなくて、いわゆるバラストがわりにこれを積むのであるというような関係から、従つてこの用途が減少しておるようにも聞いておるのであります。
  197. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、こういうことを聞いておきます。この船の形において、これは汽船でいい、これは機帆船でいいということが、あなたは知らなかつたと言われればおしまいなんですが、おそらく公団の運輸に関係のある、輸送関係のあるあなたといたしましては、あの船は船足が早いとか、あるいはよけいに積めるとかいうことは御存じなんでしよう。こういうふうにこれは汽船で運んでいいか、あるいは機帆船で運んでいいか、石炭輸送の現状から見れば、こういうことはおわかりでしよう。
  198. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはえらいくどいようですが、事件が起りまして以後、問題になつたものですからわれわれのところにおきまして、石炭局と協同いたしまして、海運総局とかその他関係方面を取調べましたところが、これはいろいろな点から見ても、どうも汽船でもないし機帆船でもないというようなことから、いわゆる輸送の完遂ということを重点的に考えました結果、そういうことになつたように記憶しておるわけでありまして、お取調べ願えれば、われわれの取調べたところで大体おわかり願つたと思うのでありますが、海運総局等におきましても、そういうような御見解であり、その他の方面におかれましても、そういうに聞いておるのであります。
  199. 横田甚太郎

    ○横田委員 これが今日になりまして、あなたの考えを聞くのですが、その航海訓練所の船の中に汽船があつた配炭公団の船は石炭を運ぶ場合においても、汽船運賃と機帆船運賃とは違う。汽船は安くて機帆船の方が高い。あなたは汽船で運んでおるときに機帆船の運賃を適用しておられる。これが今国会において論議されておる。こういうことが今日すべてわかつた情勢のもとにおきまして、この運賃の支拂いは正しかつたと思われますか、不当であつたと思われますか。どうですか。
  200. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは先ほど申したように、いわゆるどつちつかずの船でありますので、ことにたびたび申し上げますように、公団は配給の適正ということが重大なる使命であるわけでありますので、これを完遂することを重大使命といたしまして、当時このような処置をとつたように記憶しております。
  201. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはもう打ち切るつもりなんですが、そう言われますと、よけいややつこしくなるのです。どつちつかずの船であるならば、どうして安い方の、しかも先ほどから聞いておりますように、国に損をさせてはならない公団組織のもとにおいて石炭を運送しておられるのですから、安い方をお使いにならなかつたのですか。どつちつかずの船を、どうして高い方でおやりになつたんですか、しかものちほど伺いたいのは、これが目的ではない。いわゆる運賃が不当に行方不明になつている。こういう問題になつているから、さきの石炭の場合と同じように、公団に持たせておけば赤字で損をしておるやつを、あなたがやつたらもうけられる。この場合もそうであつたと思う。どつちつかずの船であるにかかわらず、高い方の運賃をおとりになつて公団からたくさんの金を出させておきながら、しかも、航海訓練所にはあまりその金が入つておらない。行方不明になつておる。こういう証言まで出ているから、そこを聞いておるのです。
  202. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 たびたび繰返すようですが、以上のような理由で、承知したのは、いわゆる運賃を拂つてもう半年もしたような——最近の分もありましたが、それ以後は配船してないように思うのでありまして、従つて当時におきましても、その運賃をどういうふうに処分したか、しかも莫大な利益を得たということは、最近になりましてこういつたような話でありまして、この点ひとつ御了承願いまして、御了解を得たいと思います。
  203. 横田甚太郎

    ○横田委員 ただいまになりましても、あの運賃をお拂いになつたのは、そのままで正しいと思つておられますか。
  204. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは当時のいわゆる適正配給といいますか、配炭重点主義という意味合いにおきまして、当時といたしましても、どうもやむを得ぬ措置ではなかろうか、そういうふうに考えておるわけです。
  205. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは当時としてやむを得ないのですか。今日もやむを得ないと思つておられるのですか。
  206. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 やめました以後のことはどうですか、当時といたしましては職責上……。
  207. 横田甚太郎

    ○横田委員 いやいや当時じやない、ただいまの判断を聞いておるのです。
  208. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ただいまにおきましては、今言つたような不祥事件の点は非常に遺憾に思いまするが……。
  209. 横田甚太郎

    ○横田委員 不祥事件とは何が不祥なんです。
  210. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 不祥というのは長坂事件で、長坂君がいわゆる收賄をしたというような事件につきましては、はなはだ遺憾に思つておるわけであります。
  211. 横田甚太郎

    ○横田委員 私の聞いておるのは、長坂君のことを聞いておるのじやないのでありまして、そういうふうな高い方の運賃をお拂いになつて公団に損をさせ、しかも船を出したところはあまり金をもらつておらない、こういうような結果になつておるのを、どう思われますかと聞いておるのです。
  212. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在の経済情勢から見て勘案すると、なるほどおつしやるように、はなはだ遺憾な結果になつたように思われます。
  213. 横田甚太郎

    ○横田委員 遺憾な結果になつておりましたが、この金はわれわれの方から返してもらうというような手続がとれるのですか。
  214. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在西日本の方は解散しているように聞いておりますし、その後の処置が、なかなか検事局の方でもまだ御判断になつていないようなふうにも聞いておるのでございます。公団といたしましても、そういうものを返せる場合においては、当然処置するように思うのです。
  215. 横田甚太郎

    ○横田委員 これで金額の点だけでもうやめます。大体私たちが調べたのとあなたが今証言しておられるのとは、事実が大分食い違つておるのですが、それ以上言つたところがしかたがないので、最後にこれの金銭的なことだけ言つておきます。公団といたしましては、西日本に対しまして二千二百三十二万四千三百十七円お拂いになつたのですね。その金が極東海運には千六百七十万円入つておる。そのうちの六十六万円が西日本に入るべき金だ。こうなつておるのですね。ところが実際は五百六十二万円入つてつて、四百九十六万円が行方不明になつてつて、どこに行つておるかわからない。これについてただ一つ証言から引き出せることは、いろいろ西日本の方で、積込みあるいは諸施設というようなことをやつたがために、三%以上もらつているのですと、こう言つておる。西日本がそんなことをする理由がない。しかも船を出したところの、仕事を探しておつた航海訓練所に対しては、石炭を運ばしておきながら、百九十九万円しか渡しておらない。ここはそれだけしか受取つた言つておらない。要約いたしまして千四百七十一万円の金は一体どこに行つたかわからない。こういうわけなんですね。これは御存じですか。
  216. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 金額の点は存じませんが、相当多額のものが不明瞭になつているということは知つております。
  217. 横田甚太郎

    ○横田委員 あまり一人で時間をとつてもいけないので、今度は荷後炭のことを聞きますが……     〔塚原委員長代理退席、委員長着席〕
  218. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 ちよつと今の問題に関連して一点だけ……。特殊船であるから、汽船の運賃でなくて、帆船の運賃を拂つたということになつておるから、特殊船だということはおわかりになつているのでしようが、その際、この訓練所の船は八百八十トンの大型汽船と同じようなものである。その点について存じておられたかどうか。
  219. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど申したように、昨年の二、三月ごろに問題が起りまして、初めて業務局といたしましては話を聞いて……。
  220. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 いや、それを聞いておるのじやない。最初あなたが業務局長として運賃を拂うとき、特殊船だから帆船の値段で拂つた証言しておるから、そのとき八百八十トンの大型汽船であつたということを知つて、特殊船として取扱つたかどうか、その点をお聞きしたい。
  221. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は業務局としては存じなかつたわけであります。
  222. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 業務局長として運輸の任にあるあなたが、それを知らずにやつたとすると、だれが責任を持つて特殊船ということにきめて帆船の賃料を拂つたのですか。
  223. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 前に申し上げましたように、配給計画並びに実施は、石炭局が……。
  224. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そんなことはわかつておる。石炭局がきめて、そうして汽船について運営会、それから帆船については西日本が運賃をきめたことはわかつている。そういうことは説明せんでもいい。要は特殊船としての扱いをして、帆船の運賃を拂つたのは、いろいろ意見を聞いたと言つているんだが、この八百八十トンの大型汽船が六隻あつたということを知つて、その六隻についての運賃を、特殊船として帆船の賃料を拂つておる。だからその六隻の汽船は、E型鉄船の八百八十トンのものであるということを知つていたかどうかということです。その点だけを聞いているのです。
  225. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはまたおしかりをこうむるかも存じませんが、問題が起つて承知して、初めて……。
  226. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 問題が起つて承知したんじやないんだ。あなたは業務局長として運輸の任にあるんだろう。だから特殊船の扱いをして運賃を拂つたのは、問題が起る前じやないか。だから特殊船としたのはどういう判断でやつたかということです。
  227. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 業務局の方ではたびたび申し上げましたように、西日本と半期に機帆船の運賃の一括契約をするだけでありまして、あとは石炭局で配給計画を実施し、石炭局がそういうことをやるのであつて、業務局は実施しないから、汽船なら汽船ということを石炭局できめて、まわしたものを自動的に経理局の方へ伝票を入れて運賃を拂うのでありまして、汽船か機帆船かということの判定は、これが配船計画を実施する前に打合せして配船する。従つて運送契約をするから、当然お前は知つておらなければならぬというような組織にはなつていないのであります。
  228. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、こういうふうに了承していいのですか。特殊船として運費を拂つたという点は、運賃を拂う業務局長としての責任があるから、これはしていなければならぬ。そこで当時船もなかつたから、特殊船を帆船として扱つたというのが、さつきからの証人証言だと思つておりますが、特殊船をどうして帆船扱いたしたか。それは單に石炭局だけではなくて、やはり業務局長である公団側のあなたもそれには参加しておられると私は思つておるのですが、その点をお聞きしたい。
  229. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはいわゆる機帆船として配船し、機帆船として運賃を拂つて、あとからまた同じことですが問題が起つて、初めてわかつたために、石炭局の方から、こういうようなことでどうも少しあいまいな点があるから、ひとつ共同で調べてはつきりしようじやないかというようなことになり、先ほど申したように、それぞれ調べました結果が、そういうことになつたのであります。配給の実施上、石炭局の方とも共同打合せをした結果、これをやむを得ぬのではなからうか、こういうことになつたように記憶しております。
  230. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 あとから調べたんじやないので、機帆船を特殊船として認めて、帆船の賃料を拂つておるから、その特殊船として認めたのは運賃を拂う前だ。その点について、そうするとあなたは全然知らぬとおつしやるのですか。私の聞きたいところはそれなんです。
  231. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時最初から特殊船として認めたように聞いていないのでありまして、機帆船して配船しておつたのであります。従つて、当時としてはかれこれ一年近くであつたかもしれませんが、過去配船した当時は何らわれわれの耳に入つておりませんので、そういう問題が起らなかつたのに、先ほど来申したような事件が起つて、初めてどうもこれは疑問だということで、先ほど来申したようないろいろの件を調査いたしまして、措置した結果になつております。
  232. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうすると、航海訓練所の船は、配船当時は全部帆船であるとあなたは思つていたわけですね。
  233. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど申したように、配船当時は業務局はタッチしておりませんから、運賃だけを運営会、西日本その他と一括契約して、あとは自動的に配船したものを、汽船の場合には汽船の運賃を拂い、機帆船の場合には……。
  234. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 それはわかつている。
  235. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は業務局としては承知しておらなかつたのであります。
  236. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 こつちの言うことをお答えしてくれないから、何べんも聞かなければならないのですが、運賃をきめるには、帆船については西日本ときめてやつたということは、何べんも聞かないでもわかつている。ところがあなたの言う帆船でないところの特殊船を西日本が扱つて、その特殊船に対して帆船の賃料、運賃を拂つておるが、その点、運賃を拂うときに認識していたかどうかを聞いておるのであります。
  237. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 業務局といたしましては認識しておりません。
  238. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうすると、航海訓練所の船は、業務局の局長のあなたとしては、帆船であるというふうに最初思つていたわけですね。
  239. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 訓練所の船がまわされておつたということも承知しておらなかつたわけであります。従つてこれがそういう疑似的な船であるということも承知していなかつたのであります。
  240. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体速記録を読んで承知していることもあるので、その点は触れません。ほかのことを聞きます。  簡單に申しますと、荷後炭が公団のものではない、石炭協会のものになつた、この点あなたは説明しておられますけれども、非常にあいまいでありますから、もう一度明確にしてください。
  241. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭協会の歴史をお話申し上げるとおわかり願えるのではないかと思うのでありますが、最初はいわゆる石炭生産業者販売業者が取引上の権利を取得するために組合をつくりまして、そこで自分らの扱つた炭の——船積みとか、貨車積みとか、そういうものの残つた炭を配炭さして、その自分らの権利を取得したというのが最初の起りであつたのでありますが、その後政府の取締規則ができ、なお機構が変革しまして、日本石炭及び地方石炭の方へそういう権利が移り、次いで最後には公団がこれを一手に買取り販売をすることになり、公団がこれを引継いでやつた関係上、いわゆる公団の配給の適正をはかるために、公団理事をこれに派遣して、そうしてこういう面において公団の使命の達成をはかるというような順序で、石炭協会が最後の段階において運営されておつたように思うのであります。
  242. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体今までの速記録を見てもわかるのでありますが、配炭公団が扱つてつた石炭は、所有権は国のものでしよう。そういたしますと、配炭公団法第十三條によりますと、「配炭公団の役員及び職員は、石炭、コークス又は亜炭の生産、選別、保管、加工、売買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に従事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。」とあります。と同時に、配炭公団業規程の第八章、附帶事業、第三十四條には、「本公団は必要があると認めるときには配炭公団法第十三條第一号及び第二号の事業に附帶する事業を行うことができる。」こうなつております。この関係がわからぬのですが、どういうわけで配炭公団石炭石炭協会にやつてしまつたか。しかもその石炭協会のえらい人たちが、配炭公団責任者であつたが、その点がどうもわからないのですが、その点をはつきりしてください。
  243. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど歴史をお話申し上げて御理解を得たいと思つたのでありますが、つまり配炭公団石炭等の国内におけるところの一手買取り、一手販売を統制する関係上、これらの荷後炭につきましても、公団が一手に買い取つてやるわけであります。従つてそういう機関が、公団が買つた以後の荷こぼれ等によつて生じたものを適正なる方法によつて買い取るとか、また公団に売り渡すとかいうような点が、スムースに行くように理事者を入れまして監督せしめたような次第であります。
  244. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは簡單に伺いますが、一手買取りをするというのは生産者から買取りするということになつておるのでしよう。
  245. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 生産者以外の場合においては、安本長官の指示したものは、これを買い取ることになつておりまして、安本長官の指示に基きまして、これを買つたように記憶しております。
  246. 横田甚太郎

    ○横田委員 その安本長官の指示を求める前に、あなた方はいろいろな答申をするでしよう。そのいきさつがややこしい。しかもそういうような形において、石炭事情が窮迫しているときに、石炭さえあればもうかる。石炭を買うために一週間に一度は必ずわいろを持つて行かなければならない。こういう時代に荷こぼれ炭やどろぼう炭、こういうものをたくさんこしらえて、しかもそれは公団にあずけましたならば国家のためになるが、同じ配炭公団の人たちが石炭協会のえらい人たちになつて、国に石炭を売つてつた、こういうことは非常に遺憾に考えるのですが、これはあなたどう考えられますか。
  247. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 協会では販売していないのでありまして、協会ではいわゆるそれらの荷こぼれ炭、廃棄炭を採集しまして物価庁公団の買取り価格をきめまして、それを全部公団が買い取つて、横流しとか、そういうことをしないような方法をとつたわけであります。
  248. 横田甚太郎

    ○横田委員 その買取り価格の問題でありますが、その場合におきまして、これを拾うための、集めるための費用があつたらいいのでしよう。それの作業費だけあればいいのでしよう。それをなぜえらい高い炭価で買つたのか。その炭価で買うということを條件として荷後炭をこしらえたのでしよう。その関係です。
  249. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは物価庁価格を決定されるのであります。公団はそれの資料を提出しておるだけでありまして、その物価庁の定められた値段公団は買つておるわけであります。
  250. 横田甚太郎

    ○横田委員 運営のことだけちよつと聞きます。配炭公団法ができまして、石炭の統制は何のためにやられておつたのでありますか。配炭計画は何の必要からとられておつたのですか。この点についてどうお考えでした。
  251. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは石炭が非常に不足になつて来たために、これを公平に、言いかえれば適正に配給するということの時勢に至つたために、公団法を設けられまして、これが事務に当るということになつたわけであります。
  252. 横田甚太郎

    ○横田委員 適正にやる、そういう意味合い、観点からやられて、あなたは公団時代に特にこれは能率の上るいいことをやつたとか、あるいは特にこれはこうやつて悪かつたということがありますか。この点だけを伺つて私の質疑を終ります。
  253. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 この問題につきましては、先ほど来申しましたように、公団の機構上、一箇年々々々で打切つて、あとはどうなるかわからぬというような機構になつておりますし、また突然こういうような強力な、最高度の国家統制をいたします上におきましては、厖大な人員を要する。しかもこういうような石炭のごとき非常にむずかしい配給でありますのみならず、これの買取り場所も数千箇所、配給場所も何万箇所、こういう非常にむずかしい機関である。しかもこれはいわゆる商取引をする機関にもかかわらず、いわゆる当てはめられた予算でこれを運営しなくてはならぬというような、いろいろな欠点もありまして、なおこれに従事しますところの従業員も、急速に各方面から集めなくてはならぬということで、十全な陳容も整えられないというようなことから、ずいぶんわれわれといたしましては苦労して、良心的にやつたのでございますが、結果といたしましては、はなはだ遺憾な点が多かつたことを深くおわびするわけであります。
  254. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 価格裁定委員会の点で、買手側である証人の会社から出された資料について何かお願いしたのですが、その内容はわかりませんか。
  255. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど申し上げたのを資料として出したのでございます、採算内容を……。
  256. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 もう一つの点は、梨木君が来ておりませんが、梨木君が主としてこの前説明しました東京倶楽部の点ですが、その点はおわかりになりましたか。
  257. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 東京倶楽部はこの前申し上げましたように、当初公団は九百何人の本団の人員を予定しておりましたために、当時おりました二十八号館とか、丸ビルではどうしても仕事にならぬから、急速にどこでもいいから場所があれば事務所を探せというようなことで、総務局と打合せをいたしまして、たまたま石炭庁の横の方にこういうような焼ビルがあるから、それを修理したら相当人員が入れるということかう始まりまして、前会申し上げましたように、千三百五十万円の権利金を出して、事務所を建てて、向うで建てたものに対して入つて、以後公団が家賃を拂つて——その権利金は五箇年間はその権利があるというようなことで契約いたしまして、進行したのであります。ところがその後事情等も多少かわりました。というよりも、人員等も所定の人員が集まりませんで、当時といたしましては数箇所に、しかも遠隔の地に分散するということは、かえつて人数も足らぬ上に能率があがらぬから、できたら現在やつておる三箇所でがまんしてやらざるを得ないのじやないかというようなことが起つて、たまたまこういう契約もありますので——この契約は公団側がこの契約を破棄した場合においては、この権利金を全部向うにやる。そのかわり向うにおいてこの契約に違反した場合においては、権利金の倍額をこちらに支拂うというようなことの契約があります関係上、この権利金が莫大なために、またいわゆる改修工事もやらなくてはならぬというので、先方と話したところが、東京倶楽部の方でも、快く乘りかえ先を私の方でもあつせんしましようということで、先方でもいろいろあつせんしました関係上、適当な先があつてそこに乗りかえて、最後に千三百五十万円を全部向うから公団の方に拂いもどしてくれた、こういうようなことなのであります。  なお前会御質問でありました、公団は家賃の二重拂いをしたのじやないか、こういうことにつきまして今回調査してみましたところ、公団としては別に家賃の二重拂いはしておらぬのでありまして、いわゆる千三百五十万円の権利金があります関係上、こつちの都合で入らずに家賃を拂わぬということは、いわゆる権利放棄とも見られる、違反ともなるということで、家賃を拂つて、いわゆる千三百五十万円の回收の一助としたように聞いているのでありまして、公団として二重拂いをしたということはないように調査いたしました。
  258. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、先方の名前と、それから賃料、権利がなくならないように拂つた賃料というのは、その金額は幾らですか。
  259. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 千三百五十万円であります。
  260. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 いやそうではない。この千三百五十万円の権利を維持するために賃料を拂つたとおつしやいましたその拂つた賃料の額と、それから先方の相手方というのはだれですか。
  261. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先方の相手方は東京偵楽部の理事の向井忠晴さんであります。それから家賃の額はちよつと調査して参りませんでございましたが……。
  262. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 何箇月くらいですか。
  263. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団側としてはひとつ至急に調べまして御報告申し上げます。
  264. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 われわれが疑問を持つているのは、今の証人証言は一つの理論づけであつて、最初からこの向井という人が使うということにきまつているのを、その金を公団が千三百五十万円出して、そして家賃は拂つて、そして形式上は千三百五十万円の金が返つていることになるけれども、最初から公団はこれを使う意思がないのに、それの行為を証人がやつたのではないかという疑念をかけているのですが、間違いないですか。
  265. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことは絶対間違いございませんです。私一人でできることでもありませず、これは当事理事会とか、総裁、副総裁等とも打合せましてやつたことでございまして、内容等におきましても、御調査願えれば十分おわかり願えると思います。
  266. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 今の証言は、これは形式上の証言ですが、賃料を何箇月分拂つたか、その点を書面でよろしいから報告することを求めて、私の質問は打切ります。
  267. 篠田弘作

    篠田委員長 もう一回簡單に聞いておきますが、航海訓練所、大体この航海訓練所の船を使うたこの者に対して、西日本石炭輸送株式会社の方から来たからといつて、機帆船運賃を拂つておられるが、海運総局ではこの点についてどういうふうな見解を持つているか、相談されたことがありますか。
  268. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時われわれは海運総局の方に、これは機帆船であるか汽船であるかという点について取調べましたときに、海運総局では、これはいわゆる汽船でもない、機帆船でもないという御返事があつただけでありまして、聞いたところによりますと、海運総局の方でも、これをひとつ適当に使つたらどうかというお話もあつたように漏れ聞いております。
  269. 篠田弘作

    篠田委員 海運総局はいつごろ行つたかということが一つ。それから海運総局としては私たちに対する回答として、たとえば汽船運賃を適用すべきであるということを言つているのですが、このことがもし事実であり、それであなたがこれを調べた場合においては、今まであなたが言つておられたことが、間違いないと思われますか。その点だけはつきり聞いておきたいと思います。
  270. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 海運総局では、当時汽船であるということは申しておられませんでした。
  271. 篠田弘作

    篠田委員 日にちは……。
  272. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 期日はちよつと記憶ございません。
  273. 篠田弘作

    篠田委員 よろしゆうございます。
  274. 田渕光一

    田渕委員 証人に伺いますが、証人業務局長をよしたのは二十四年七月二日と先ほど証言があつたのですが、就任はいつでありますか。
  275. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 二十二年の六月四日に理事に就任したわけです、
  276. 田渕光一

    田渕委員 そうすると、二十二年の六月四日に配炭公団ができましてから、ずつと二十四年の七月二日まで業務局長として一貫しておられましたか。
  277. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当初は総裁付の理事でありまして、同年の十一月八日に業務局長に就任いたしまして、二十四年の七月二日に退職するまで業務局長であつたわけであります。
  278. 田渕光一

    田渕委員 この配炭公団の損出補填のうちで最も大きいものが、この最後の三月末で処分するという一括貯炭の損失が一番大きいのであります。そこで先日来ました小野田石炭局長に、そういうつまり品質の悪いもの、検量の少いものを公団法の買取り規定によつてなぜしつかりやらなかつたかと言つたら、これは業務局長責任でありませんと言い、また本日一切の責任業務局長にあるといつて数回責任は認められたのであります。しかしながら、この貯炭五百何十万トンのうち三百万トンが大略そこそこの値段処分されましたが、プール計算で一トン三千三百八十八円につくところの石炭を、プール計算で一トン百四十円で処分しているのであります。要するに〇・五%で処分しているのであります。結論といたしまして、プール計算三千三百八十八円ならば六十七億七千六百万円の石炭を二億八千万円で処分いたしておるということになるのであります。結局これらにおいて国家に損失を與えたものは六十五億、しかもその五%で拂下げしたものを、さらに千円近くの利益をとつて処分し、すでに売れつつあるのであります。これを見ると約十五億、国家に六十五億も損失を與えて、なおかつそれを拂い下げた公団——つまり私はあえてやからと言います。公団のやからが十五億からの利益を得ております。ことに私は証人に一つ伺いたのは、たとえば大阪大西次長大阪配炭支局の次長であります。それからあなたの方の会社も、これもあなたの方の石炭局の次長をしておつた者。もう一つ証人に伺いたいのは、四国の戸山徳二郎というのは公団の何をしておつたのですか。
  279. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 戸山徳二郎というのはよく存じませんが、おそらく公団人ではないと思います。
  280. 田渕光一

    田渕委員 広島の津脇勘市というのは公団の何をしておつたのですか。
  281. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは広島の配炭局長であります。
  282. 田渕光一

    田渕委員 そこで、加越の米倉外二郎というのは公団の何をしておつたのですか。
  283. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 米倉某氏は私ちよつと存じません。
  284. 田渕光一

    田渕委員 九州の江角正義という者は何をしておつたのですか。支局長だと思うのですけれども、御存じありませんか。
  285. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 よく存じません。
  286. 田渕光一

    田渕委員 御存じなければよろしゆうございます。  この配炭公団法案が第七国会の大蔵委員会に付託になつたのは三月の二日であります。そうして修正可決になりましたのが四月八日で、衆議院の本会議を通過したのが四月の十一日、それから参議院に同日送付されまして、参議院でこの法案が五月二日に可決されて、五月十一日に公布されておるのであります。ところがこの証人を初め、旧公団のやからたちが会議を開きましたのが二十五年の四月二十七日、二十八日、五月一日、二日、衆参両院の可決するところをはからつてこれをやつているということは、はつきり日付において疑われないのであります。ところがこの公団法の国庫へ納付すべき二十三年以降の剩余金の未拂金というものが大体七十五億八千八百万円を入れて、配炭公団は結局百十九億四千五百万円の損失を出しておるのであります。食糧公団においては一億六千五百万円しか出しておらぬ、あるいは飼料公団においては五千百九十八万より出しておらぬのに、配炭公団は少くともこの余剩金を入れて百十九億四千五百万円、そこで最後に足らぬところの四十三億五千七百万円というものを第七国会で衆参両院が可決した。その四十三億五千七百万円を可決していながら、先日のこの委員会で加藤証人が三十億円の金をもらつて一応食いとめられると言つた。あとの十三億五千七百万円というものは、加藤証人努力と良心的な仕方によつて、この公団の連中が食おうとしたことを食いとめたことは事実です。それにいたしましても、結局余剩金を入れて三十億というと、百五億八千八百万円というものを、あなたが業務局長時代に完全に職責を果さないから、悪いものを買つてクレームをつけられて、こういう損失を来したということになるのであります。私はここでどこまでもあなたの責任を追究いたしますが、あなたが業務局長を七月二日によしたのだから、その後のことは知らなぬと言つても、七月四日にこうなることはちやんとわかつている、七月十一日に経済科学局長のマーカツトに対して、公団を廃止するこれの手続をするのだということで行つて、自分がすわつている業務局長の席にうまく水野を入れて、海陸運会社をつくろう、そうして拂下げの準備をしたことは事実であります。こういうことに対してほんとうにこれは共同謀議が行われた。旧公団の連中ことごとくがあらゆる日本石炭の……。大阪の安治川の石炭をどろぼう通りにやつたことがはつきり言える。ことに安本動力局長増岡、物価庁第三部長川上、経済調査部長司波、石炭石炭管理局長、今の生産局長中島、大蔵主計局長河野、管財局長吉田などは一回もこの席に出ないで、こつぱ役人を出して。会議がクライマックスになると休憩あるいは翌日に繰越して、いかに待合で悪いことが行われたかということがはつきりするのであります。かようなことをしている、これを本員は黙つておられぬ。これに対してあなたは、ほんとうに今日余つているところの貯炭を、持つているものを国家に返すという良心の一端でも出ませんか。
  287. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私一人のみによつて……。会社としても相当重役もおりますので……。今買つた炭を返せとおつしやつても、これはやはり公団等におかれましてもお困りになるような点もあろうし、われわれといたしましても、公団の炭の荷さばきはいわゆる一部の協力だと考えているのであります。
  288. 田渕光一

    田渕委員 おそらく証人たち旧公団のやからは、こういうものを買つたと思つておりますが、これが第三者に指名入札のように一括処分されて、諸君が地位から離れておつたら、諸君も黙つていないでありましよう。私ははつきり言える。どこまでも責任がないとおつしやれば私には考えがありますから……。
  289. 篠田弘作

    篠田委員長 他に馬屋原証人に対する質問はございませんか。——なければこれにて本日の証人尋問を終ります。
  290. 久保田鶴松

    ○久保田委員 一昨々日の理事会におきまして、本委員会は八月中休んではどうかということの話がございました。それで八月中休もうというような申合せをされたのであります。ところが御承知通り公団の不正が次々と随所に摘発されているし、なお肥料公団のごときは総裁の摘発すら見ているのでありまして、これは以外に船舶その他ずいぶんございます。こういうような意味によりまして、この八月中休むと申合せされましたが、私がいろいろ申しましたような事件について調査課の方で調査をされておりまするがために、この調査ができましたなら、そこは適当に委員長の方で委員会を招集してもらうというようなことを、本委員会においてきめておいていただきたい。かように思うのであります。
  291. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま久保田君の御発言がありましたが、その後の情勢の変化によりまして、委員長におきましてもごもつともと考えますので、極力事務局をして調査を進めさせ、八月中におきましても、適当なる時期におきまして御意思に沿うようにとりはからいたいと思います。
  292. 田渕光一

    田渕委員 私はどこまでも証人の良心的なお考えを促したのでありますが、やむを得ません。馬屋原証人に対しましては、本委員会が再三御出頭を願つて証言を求めました理由は、その証言がきわめてあいまいであり、信憑性がないためであります。今日の証言を求めますに際しまして、委員長より特にその態度につきまして注意のありましたことは諸君御承知通りであります。しかもなお本日の証言も、その内容におきまして偽証もしくは証言拒否の疑いが相当濃厚なるものがあるのであります。先ほども委員長より数字の点について御注意があつたほどであります。従つて私は本日委員会散会後、緊急理事会を開きまして、偽証あるいは証言拒否の告発について、委員会の態度を明確にいたすことを要求するのであります。
  293. 篠田弘作

    篠田委員長 田渕委員より馬屋原証人告発の緊急理事会開会の要求がありますが、本日委員会散会後、緊急理事会を開くことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  294. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十八分散会