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1950-07-31 第8回国会 衆議院 考査特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月三十一日(月曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 島田 末信君 理事 塚原 俊郎君    理事 内藤  隆君 理事 久保田鶴松君    理事 横田甚太郎君       岡延右エ門君    鍛冶 良作君       黒澤富次郎君    田渕 光一君       西村 直己君   橋本登美三郎君       柳澤 義男君    大森 玉木君       猪俣 浩三君    坂本 泰良君       梨木作次郎君    松本六太郎君       岡田 春夫君  委員外出席者         証     人         (経済安定本部         産業局長)   増岡 尚士君         証     人         (資源庁炭政局         長)      中島 征帆君         証     人         (極東海運株式         会社取締役)  峰尾 好郎君         証     人         (元配炭公団石         炭局長)    小野田有年君         証     人         (元配炭公団業         務局長)    馬屋原隆志君 七月三十一日  委員福田一君辞任につき、その補欠として安部  俊吾君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件配炭公団関係)  委員会報告書に関する件     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。去る七月二十七日に本委員会証人として出頭した配炭公団清算人加藤八郎君の証言中、田渕委員貯炭処理協議会設置に関する質問に対し、大蔵政務次官と述べたのは、大蔵事務次官の誤りであるから訂正を願いたいとの申出が本人よりありましたが、これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なければ、さよう決します。     —————————————
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 次にお諮りいたします。考査委員会設置の決議によりまして、少くとも月一回意見を付した調査報告書議院に提出いたすことになつておりますが、今月はまだ結論的報告書を提出いたす段階にはなつておりませんので、七月中における簡單なる調査経過報告書委員長において作成の上提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいいたします。     —————————————
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 次に配炭公団をめぐる不正事件について調査を進めます。証人より証言を求むることといたします。ただいまお見えになつておる証人は、増岡さん、中島さんですね。  これより配炭公団不正事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  増岡さん、代表して宣誓書朗読を願います。     〔証人増岡尚士君各証人代表して朗読〕    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  7. 篠田弘作

    篠田委員長 では宣誓書署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 では増岡さん、中島さんの順序で御証言を求めることになりますから、中島さんはしばらく元の控室でお待ち願います。  増岡さんは、先だつて委員会で一応証言を求めましたが、まだまだ不十分の点があるというので、きようおいで願つたわけですが、貯炭処理協議会について、設置の時期、目的構成、法的な性格協議事項、そういうものについてお話を願いたいと思います。
  9. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団貯炭処理協議会は、配炭公団清算に入りまして、清算人大蔵大臣監督を受けまして貯炭処分をいたすことになつたのでありますが、相当多量の貯炭でありますから、これを適正に処分するということのためには、大体どういう方針処分をして行くか、あるいはその処分の先をどういうふうに考えるか、あるいは処分価格をどういうふうにするかという問題がありますので、大蔵省において、それらの問題について関係者意見を徴する、大蔵大臣の諮問に応ぜしめるというために設置されたものであります。構成は、会長大蔵省事務次官でありまして、官庁側からは大蔵省経済安定本部資源庁が入つておりますし、それから炭鉱経営者炭鉱労務者、あるいは石炭販売業者、あるいは需要者、それに公団清算人というものが入つて設置されたものであります。第一回は二十四年の十月十九日に開催されております。
  10. 篠田弘作

    篠田委員長 この協議会には、だれが出席してどんな意見を述べたか、御記憶にありますか。
  11. 増岡尚士

    増岡証人 第一回は、今申しましたように、十月十九日に開かれまして、会長である次官のあいさつがあつた後、公団清算人から、その当時は多分まだ正確な貯炭がどれだけあるかということは計算中だつたと思いますが、概略の貯炭の状況、それからこれを大口のものに大体処分する計画があるということについて説明がありまして、それから先ほど申しましたように、どういうような方針貯炭を売りさばいて行くかというようなことについて、主として民間側炭鉱石炭生産業者、あるいは需要者の側、あるいはその当時は販売業者では必ずしもなかつたのでありますが、昔販売をやつてつたという人、そういうような人から意見が述べられたのであります。なおそのときに販売価格をどういうふうにするかというようなことも話が出まして、おそらくそのときの意見では、炭鉱側においてもできるだけ高く処分してほしいというような意見がありましたし、またわれわれといたしましても、貯炭をできるだけ高くして、国家的な損失をできるだけ少くするということで、あまり売り急ぐというようなことがなくて、できるだけ総体としては有利な條件で行くというようなことについて意見を述べたように記憶しております。
  12. 篠田弘作

    篠田委員長 価格裁定委員会について、その設置の時期、設立の事情構成、法的な性格について一応述べてください。
  13. 増岡尚士

    増岡証人 貯炭最終処分価格裁定委員会目的は、配炭公団清算公団は三月末までに貯炭処分するということで急がれておりましたので、その最終における貯炭処分の際に、その処分価格が適正であるようにということを裁定するという建前で設けられたものでありますが、構成売手買手側から同数の委員と、それから中立側から若干の委員ということになつております。売手としては公団清算人その他の者で、買手としては、その当該買手から代表委員に出ている。中立側といたしましては、私と物価庁第三部長経済調査庁物資調査部長資源庁石炭管理局長大蔵省主計局長理財局長、そのほかに学識経験者として三名、販売業者及び炭鉱側代表する方が出ております。今委員長から法的性格ということについて申し述べるようにお話がありましたが、その運用においては、すでに配炭公団は相当のものを処分してしまつて最後のものを三月末までにぜひ処分しなければならぬということで、一括処分という形をきめておりまして、その場合に、一括処分するについては適当な価格を求めなければならぬということで、清算人において、こういうものを大蔵大臣認可を得て設置されたものであります。その運用については、大体この間もいろいろお話がございましたが、現場についてやるということは、時間の切迫の関係上できなかつたということのために、委員会としては大体売手買手話合いということによつて運用して行くということで、売手買手が話がつけば、その価格によつて、また話がつかぬ場合においては、讓り合つて適当な価格で売るということについて調停するという建前をとつてつたというふうに私は報告を受けております。
  14. 篠田弘作

    篠田委員長 裁定委員会のできた日時はいつですか。
  15. 増岡尚士

    増岡証人 昭和二十五年四月二十七日に最初会議行つたのであります。
  16. 篠田弘作

    篠田委員長 それでこの前問題になつたのですが、あなたは安本の代表として大蔵省資源庁代表とともにその会議に出られることになつたのだが、あなたは一回も出られなかつたのですね。
  17. 増岡尚士

    増岡証人 一回も出ておりません。
  18. 篠田弘作

    篠田委員長 その理由をひとつ説明してください。
  19. 増岡尚士

    増岡証人 二十七日、二十八日、五月一日、二日、四日、五日というふうに、会議が連続して行われておりますが、その当日について、どういう関係で出られなかつたかということについては、実は正確な記録を私は持つておらないのでありますが、一応調べましたところでは、二十七日には、前にこれに出てくれるようにという話があつて、通知を受けて約束いたしましたけれども、急に出れなくなつて代理者を出したということに、二十七日についてははつきり覚えておるのであります。おそらくこの日は、これも正確ではありませんけれども衆議院通産委員会において電力編成に関する会議がありまして、出席を求められて急に出たというような気がいたします。その他の日については、内部において会議があつた日がありますし、それからなお参議院大蔵委員会で、やはり配炭公団補給金の件で、大分会期のおしまいのころで、出席を求められて出ておりましたが、ただそれだけで、全部行かなかつたかどうだつたかということは大して正確でありませんが、いずれにしても大体ほかの業務に追われておつたということで、第一回のときに大体代理者を出して説明を聞きまして、その方針に従つてやるならば、あるいは代理者でもさしつかえないではないかということで出席をいたしませんでした。
  20. 篠田弘作

    篠田委員長 今あなたの説明された通り、四月二十七日にはあなたは電力編成の問題で衆議院通産委員会に出ておられます。二十八日は経本会議、三十日は参議院大蔵委員会、一日、二日もやはりそういうふうに出ておりますが、四日と六日はあなたは庁内にいたことになつておる。それで結局一日も出なかつたということは、そういう参議院とか衆議院に呼ばれない日でも出なかつたということは、代理でもつてもう十分であるという認識によつたものであるかどうか。言いかえれば、局長は出て行かなくても、課長か事務官でたくさんだという考え方でそれをやられたかどうか、もう一ぺんそこを説明してください。
  21. 増岡尚士

    増岡証人 大体先ほど申し上げましたような趣旨によつて会議が運営されて、ほかの官庁代表においてもおおむね出席されておらない。代理者でやつておられるという話も報告を受けておりましたので、方針に特にかわりがなければ、代理者でさしつかえないというふうに考えて出なかつたのであります。
  22. 篠田弘作

    篠田委員長 だれかほかの委員——大森君。
  23. 大森玉木

    大森委員 その裁定委員会に一日もお出ましなかつたということについて、私はこれは事実であるかどうか存じませんが、何かそうした問題は待合でも会議が開かれる。それで待合会議に行くことがきまつているから、晝の会議は出なくてもよろしいというようなことで出なかつたのではないか、そういうふうなことが事実かどうかお尋ねいたしたいと思います。
  24. 増岡尚士

    増岡証人 ちよつと最初の方が聞き取れなかつたのですが……。
  25. 大森玉木

    大森委員 裁定委員会に一日も出なかつたということは、いろいろな事務のために出られなかつたと仰せられるが、私どものこれは流言か存じませんが、大体聞くところによると、待合なんぞでそうした会議が行われて、大方そこできまつてしまう。こういう話を聞くので、晝の会議ではなく、晩の待合会議できまるから、それで晝の会議には出なくてもよかつたんじやないかというふうに私は考えるので、その点そういうことがなかつたかどうかということを伺うのです。この間ももう一人の局長あたりにも聞いたらやはり出ていない。出ていないとするならば、責任ある局長として、設備資金が五百億も出ておるという配炭の大きな問題である、その大きな配炭の問題を何ら気にかけずにいるということは、いかなる重要な問題があつたとしてもわれわれは承服できない。一体何かそれ以上に大きなものがあつたか。二十三年には剩余金が七十二億あつたという。その剩余金を入れて今日それを計算いたしますると、百二十億になんなんとするところの赤字を出しておる。その赤字は何の結果であるかというと、最後配炭の取扱いが非常にずさんであつたということでありまする以上は、その責任はあなた方裁定委員会が負わなければならぬのじやないか。これが今申し上げたように、もしも待合において行われておつたというがごときことがあるならば、これは許すことのできない問題であると同時に、委員長からもいろいろ尋ねられましたけれども、出ていなかつたことが、あるいは何か職務のために出られなかつた、こう言つておる。またこの間の中島局長あたりもやはり出ていない。しかもそうしてどうかというと、代理を出して、代理がどういうことを言つてつた報告も聞いていない。これほど役人として怠慢であるということ、またこの配炭公団裁定価格に対しては何らそれを監督をいたしていない、きめていない。属官のなすがままに、またそれを要求しておる者の要求のままになしておつたということが、この事実によつてもはつきりいたすのであります。そういたしますると、先ほどお話のように、大蔵大臣認可を得てつくつたという価格裁定委員会というものは一体何のためにつくつたのであるか、あなた方が出てこれをきめなければならない。しかるに代理を出して、その代理報告も聞いていないというがごときことは、まことに遺憾でありますので、今お尋ねいたすことは、そういう待合などできめられたのではないかということをお尋ねいたすのであります。
  26. 増岡尚士

    増岡証人 そういうことはなかつたと思います。
  27. 篠田弘作

    篠田委員長 なかつたと思うのですか、なかつたのですか、どつちですか。
  28. 増岡尚士

    増岡証人 私自身はそういうものには関係しておりません。  それから売手買手で先ほど申しましたように価格は一応話合いをして、それを調停するという建前をとつておりましたし、売手としては配炭公団一本でありますから、おそらく配炭公団清算人においても、そういう場所でそういう取引をしたというふうには私は考えられないのでございます。
  29. 大森玉木

    大森委員 そこであなた方の職務は、それで完全に全うしておられるかどうかということもお尋ねいたしたい。さらにまたその清算人であるところの、今日の各地における支部長はいかなる人がやつておるのであるか。私はこの点を、あなたは主管ではないでありましようが、あなたに特にお尋ねをいたし、さらにあなた方はそこまで考えてこの問題に携わるべきでなかつたかということを申し上げたい。それはなぜであるかと申しますと、いろいろな問題が出て来ておりまするが、肥料におきましても、書類は燒いてしまつた。あるいは何々公団においても書類は燒いてしまつた。こういうような立場におられる公団局長が、支部長なり整理人となつておる。そうしてそれがいわゆる申請人幾らに売ろうかということをいつて、この価格裁定委員会価格の相談に来ておる、こういう事実があるのでありまするが、これらに対して局長はどういうふうにお考えになりますか。この人たちにまかせてこういうふうにやらしたことがよかつたと思われるでありましようかどうか。現在の立場から考えてどういうふうに考えられますか。私どもはこうした人たち——公団は伏魔殿だと今言われておる、その公団局長がただちに整理人となつてそれを扱つて行つて、正しい仕事ができるのであるかどうか、こういうようなことを私は伺うのであります。そういたしまするならば、そのためにできた価格裁定委員会であるならば、あなた方は万難を排して国家のために、価格等に対しましては真劍に検討せねばならなかつたのではないか。しかるに各局長が一日も出なくて、それで職責が足りておつたというようなことの結果、こうした赤字がたくさん出て来た。その赤字のできた責任はだれが負うのであるかということを、この間からのたくさんの証人に聞いておりまするが、われわれに責任あるというような感じを持つた人が一人もない。これは実にいかぬ。今日の役人は、国家に損害を多く與えておいても、何らわれわれに責任がないというがごとき考えを持つておられるから、こうした問題が至るところに——公団という公団は全部これであると申し上げて今でははばからぬのである。そういう結果を招来いたしても、まだあなた方は責任がないと思われるかどうか、この点をお尋ねいたしたい。
  30. 増岡尚士

    増岡証人 最後の場合の価格裁定につきましては、先ほど申し上げましたように、大体公団の側でいろいろの書類というようなもので計算した結果の、いわゆる公団として売りたい価格というものを出しまして、それに対して買手側でそれより安い価格を出した場合に、これを折り合せるということが価格裁定委員会の大体の運用のやり方でありまして、価格裁定委員会において、公団側が出した価格よりも高い価格でなければならぬというふうに運用をして行かなかつた点に、あるいは問題があるのかもしれませんが、その点については、委員会としては現地調査ができなかつたということのために、そういう運用をせざるを得なかつたということで、従いまして結果的に見れば、非常に安過ぎたというような感じがいたす点は、われわれとしても遺憾でありまして、私は各会議ごと報告を聞いて、公団としてこういう価格を出しているが、結局売手買手と話をした結果、公団もこの値段で治まつたというような報告を聞いた際に、もう少し高くとも売れそうなものではなかつたかというようなことを話をした記憶があるのでありまして、結局一番上としては、公団が出した価格以上に出なかつたという点については、実際問題として現地調査ができなかつたという点に欠陷があつたんだというふうに思います。委員会としてほんとうにしかるべき値段を出すということであれば、一々について現地調査をすべきであつた。そういう点についてまだ手続としては、あるいは足りなかつた点があつたというふうに感じております。なお最後的にこういう欠損が生じたについて、役人として責任を負うという感じを持つておる者はいないという点についてのお尋ねでありますが、私はその点については、十分責任感じております。ただ処分の点につきましては、なるほどこういう委員等にもなりましたけれども、そういう実際に処分するについては、公団価格が最高であつたという点について、直接自分の担当ではなかつたけれども、われわれが一番公団処理がうまく行かなかつた点について責任がありとすれば、それはこの点にあると思うのであります。すなわちこれだけの貯炭清算人の方に持ち込ましたという点が問題であろうと思います。悪い炭をたくさん清算人に持ち込まして、処分が非常にむずかしくなつたということで、公団清算に入る前にやつた業務については、十分われわれは担当上の責任感じなければならぬと思つております。配炭公団の末期におきましては、御承知のように二十四年度になつて需要大分減つて参りましたために、石炭生産がオーバーするということ、特に下級炭については売れ口が悪いということで、できるだけ早く配炭公団を解消することが、一番貯炭を持越さないでよかつたろうと思うのであります。われわれとしては四月ころからすでに下級炭については買いどめをする、ひいては配炭公団の廃止をできるだけ早くやるという考え方で進めて参りましたが、諸般の事情からついに九月十五日まで延びた。そのためにその間において売れない貯炭が相当たまつた。これが十五日でも一箇月でも早く見通しがついて、できれば貯炭を持ち込まないことが清算人としては楽に処分ができたのだという点に問題があるとすれば、その点についてはわれわれは直接の責任者でありますから、責任感じなければならないというように考えております。
  31. 大森玉木

    大森委員 大体あなたは赤字に対しては責任を感ずるということで、了承できるのだが、しかしながらまだ言葉の中に、そうした安かつたということは、現場を見なかつたことが災いをなしているのだというように言つておられるのでありますが、その点を私は強くあなたにお尋ねしたいのであります。それはなぜかというと、あなたの言われるように、安かつた高かつたということは、一つの標準があつて、大体その軌道に乘つている場合に言う言葉である。今の場合は、一トン少くも二千円なにがし、いいものは四千八百円あたりくらいまで行つた、しかるに今販売されたものは幾らであるか、百四十円である。それをあなた方が安かつた感じておられるくらいのことでは、まだあなた方はこの問題に対しての責任感を持つておられない。私から申し上げるのは、その点今申し上げましたように、安いとか高いとかいうのは何割とかいうことで、何十分の一に売買していては、それが安いとか高いとかいう標準にならない。これには何らかの関係がなければかくのごとき問題はあり得ない。そこであなたが価格裁定委員会に出なかつたということは、先ほど申し上げたように、私ははつきりした確証を持つておりませんから申し上げませんが、大体どうであるかというと、こういう問題は委員会に出てかれこれ言うことはあなた方の責任になる。それよりもどこかほかの方面において何か約束ができておつたのじやないか、そういうのであるから、ほんとう委員会というものは責任ある者が出ていないで、属官が出ておつた。しかも属官報告も聞いていないということでありまするならば、今申し上げた通り、どこかほかで価格がきまつていた。そういうことでこの配炭処分というものができたのだ。第二会社というがごときものは非常にいいことをしたというように中島局長あたり言つておるのでありますが、私どもつて見て来たところによりますと、おそらく数億の金もうけをしている。この御準備ができている。こういうことはしろうとが見てもわかるのでありますが、あなたが物価庁におり、また監督をしておられるのに、これがわからなかつたということであるならば、職務の怠慢、無能者であつたというように言わざるを得ない。この点に対してあなたはどう考えておるか。これは十分に役人として責任をとるべきであると私は考えるのでありますが、この点あなたはどう考えられますか。今の赤字の問題に対しては責任を感ずると言うのでありますから、この点で大体私は了承いたします。しかしながらこの安く売つたことに対しては、まだあなたは責任感じておられない。それは現地調査等ができなかつたのが原因であるというように申しておられるから、この点を重ねてお尋ねを申し上げた。くどいようでありますが、あなた方がもしもこれがわからなくて——どんな者が見たところで、話に聞いただけでも、石炭一トンが四十円で売れるとか、百四十円で買えるとかいうことは想像にもないことであるということを、常識的にあなた方は判断しなければならなかつたのではないか。それをせられなかつたというところに何か存在しておるのではないか、あるいは忌まわしき問題があるのではないかということまで、ここに極論をいたさなければならないことに相なるのであります。この点をあなたにお尋ねをいたすのであります。
  32. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと申し上げますが、報告を受けなかつたというのは中島君で、増岡君はその都度報告を受けておるというのです。
  33. 大森玉木

    大森委員 それではその点はわかりました。報告説明は何かあつたのですか。
  34. 篠田弘作

    篠田委員長 この間から報告を受けておるということは言つておりますね。
  35. 増岡尚士

    増岡証人 ただいまの点でありますが、私は非常に足りなかつた、無能と言われれば、あるいはそういう点はあつたかもしれませんが、一応公団が書面上審理をいたしまして、この石炭値段は大体このくらいになるということから、置場がどの辺にあつて、それを積み出し地まで持つて来るにはどれだけの費用がかかる。それからさらにこれが売れる時期までの金利なりあるいは品いたみというようなものを計算的に見ますると、そういう価格になつたというような説明を一応信用いたしたのであります。
  36. 篠田弘作

    篠田委員長 この問題はさつきから繰返されておりますから、別な問題でひとつ……。
  37. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 四月から五月にかけて数回ブロツク別の会議が開かれて、全部青柳事務官代理出席しておる。そこでこの青柳事務官報告の件についてお聞きしたいのですが、このブロツク別に行われた会議は、今大森委員は、あるいは待合か料理屋あたりで開かれたのではないかという疑念を持つておられたのですが、どういう場所で開かれたというようなことは報告は受けられませんでしたか。
  38. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団事務所で行われたわけであります。
  39. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そこでひとつお聞きしたいのは、一括処分の点でありますが、その前に一点お聞きしたいのは、公団販売価格は三千三百四十四円であつた。それがだんだん処分されて最終は千六百円だつた、この点は御存じかどうか。
  40. 増岡尚士

    増岡証人 最終といいますと……。
  41. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 最終といいますと、部分的に処分された、一括処分の前の段階までの価格です。
  42. 増岡尚士

    増岡証人 その点は正確に聞いておりません。
  43. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そういたしますと、価格裁定委員会については青柳事務官から報告は聞いておられませんでしたか。もちろん四月、五月のは一括処分の会合だと思うのですが、その前に指定処分が行われておるわけですが、その点についての報告に基く価格の了承はないのですか。
  44. 増岡尚士

    増岡証人 その点はちよつと今記憶がありません。
  45. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 記憶がなかつたらしかたがありませんが、そこで一括処分の点なんですが、これがブロツク別に行われまして、トン四十円のところもあり、百四十円のところもある。この一括処分報告を受けられた場合に、公団価格が三千三百四十四円もしていたのを、いかに捨値で売つても四十円、百四十円というのは、しろうとが考えてもべらぼうだと思われるし、埋立て地に使う土を買うにしても二百円ないし五百円の価格で買い入れておるようなこの大阪において、百四十円という、この土よりも安い価格処分をされておる。かような点について、あまりこれは安過ぎたのではないか。どういう点でこういう価格が出たかということを青柳事務官報告の際に確かめたり、あるいはそういうわけには行かぬから、もう少し調査をしたらどうかという方策を講ぜられたことがあるかないか。
  46. 増岡尚士

    増岡証人 先ほど御説明をいたしましたように、最終的には非常に安い価格になつたという感じを受けましたけれども、書面の上で、ある場所、あるいは従来の金額、品質、それから値下り、運送賃、それから買い受けてからの貯炭上の危險負担、利子というようなものを漸次差引いて行けば、こういう価格になるという計算でありましたし、一応公団で計算をしたものでありますから、それを信頼したということであります。
  47. 篠田弘作

    篠田委員長 午前中にもう一人証人を呼んであるのですから、できるだけ質問を重複しないようにお願いします。
  48. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、ただ青柳事務官報告を聞いて、それを全部信頼して、まるのみにしたというふうに了承してよろしゆうございますか。
  49. 増岡尚士

    増岡証人 一応公団の書面による査定を信頼したということであります。
  50. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 もう一点だけ。そうすると、問題が少し違いますが、公団末期において貯炭が激増されたということは、あなた方は口を開けば生産が増した、需要が少くなつたと言われますが、八月の十五日山元フアイナル制を廃止して、その監督がなかつたから、いい炭は全部山元が買い受けて、そして悪い炭を公団の所有としてどんどん送り出したということが調査の上明らかになつておりますが、その点についてお気づきになりませんでしたか。
  51. 増岡尚士

    増岡証人 その後調べました結果について申し上げますと、いわゆる山元フアイナル制というのは、山元で責任が山から公団に移るという制度を言つておるものと存じますが、その制度は八月十五日以後必すしも廃止しておらないのであります。ただ検量関係が従来は非常にこまかくやつておりましたのを、八月十五日からはややそれを簡略にしたという点でかわつておりますが、山元フアイナル制を廃止したから悪い炭が公団にたくさん入つたという事実はないというふうに考えております。
  52. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、昭和二十四年八月十五日に山元フアイナル制はやめろと指示されたか、公団でやめたか、その点は問いませんが、八月十五日に山元フアイナル制が中止になつた。その点ははつきり御存じないのですか。
  53. 増岡尚士

    増岡証人 私は山元フアイナル制は八月十五日以降においても廃止になつておらないと承知いたしております。ただ八月十五日以降については検量の方法がやや簡略になつたと思つております。
  54. 横田甚太郎

    ○横田委員 配炭公団関係官庁側から出る証人証言によつては、私は満足できないのです。それで大体公団を中心として関係官庁の人に聞きたい。ことにあなたもその一人なんですが、あなたは先ほどから公団関係の会合に出ておらなかつた言つておられるが、これは責任をのがれるためのことですか、監督する意思がなかつたということなんですか、その点をまず伺いたい。
  55. 増岡尚士

    増岡証人 いずれでもありません。責任のある場合については責任感じますし、また監督する意思があつたかどうかという点については、できるだけ自分の能力の許す範囲で監督する意思はあつたのであります。
  56. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしますと、出なくても監督ができるはずですね。そうするがために配炭公団法の定款ができておるはずです。その定款を基礎にしてあなたたちは配炭公団を動かしておられる。その配炭公団の定款の十二條から十三條、十四條に一体何が書いてあるか、よく御存じですか。その点を伺いたいのです。
  57. 増岡尚士

    増岡証人 手元に條文を持つて来ておりませんから、その該当條文にどういうことが書いてあつたか今正確に覚えがありません。
  58. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、関係官庁の人が出ておられない形においてやられた会合におきましては、だれがどういう形において配炭公団の決議事項をつかんで行くのですか。
  59. 篠田弘作

    篠田委員長 常に代理を出しているわけでしよう。あなたが出られない場合は代理を出して……。
  60. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  61. 篠田弘作

    篠田委員長 だから今横田君の質問は、関係官庁が出ていない場合だけれども関係官庁が出ていないということはないのはないですか。
  62. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団内部のどの会議にも必ず出るという建前はとつておりませんが、重要なもので、出席の必要があるものについては、自分で出るか代理者を出しております。
  63. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは官庁の中で、配炭公団に一番責任を負わねばならない官庁はどこなんですか。
  64. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団については、この前の委員会においても申し上げましたが、公団全体について最終責任経済安定本部総務長官にありますが、一般的に見て、日常の業務については主務大臣が監督する。それから会計等については、さらに会計検査院が監督をするという建前になつております。
  65. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、さつきの定款の十二條ですが、これには「本公団業務に関する重要事項は、理事会の議決を経てこれを行う。」と書いてあります。ここであなたに言つておきたいのですが、ここに出て来る証人局長であつても、総裁であつても、ばらばらの意見を持つておる。ほとんど統一した意見を持つておらない。東京倶楽部の問題を、馬屋原君は私は知らなかつたと言うし、あるいは係の人に聞くと、その人も知らなかつたと言うし、一人々々ばらばらになつておる。これには一応理事会の議決ということが書いてあるのですが、そういうようなことをやつておられなかつた。これは輸送賃においてもそうなんです。こういうような乱脈なことをやつている。実態をつかめなかつたということは、公団の方で配炭公団法の趣旨に沿うておられなかつたのじやないかと思うのです。この十三條にはこう書いてある。「定時理事会は、毎月一回、臨時理事会は、必要ある毎に、これを開く。理事会は、総裁がこれを招集し、その議長となる。理事会の議事は、総裁、副総裁及び理事全員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、総裁の決するところによる。」十四條は「理事会の議事については、議事録を作成し総裁、副総裁及び理事全員がこれに署名捺印しなければならない」。こういうことがちやんと書いてある。しかも「この議事録は、これを保存し、経済安定本部、主務官庁又は会計検査院の要求があるときは、これを提出するものとする。」と書いてある。だから会合では聞かなかつたが、ただちに報告に来ているはずです。にもかかわらず、不可解しごくな運用をやつておる。こういう点から見てあなたに聞きたいのですが、配炭公団法によつて石炭を管理されておつた間は、その責任経済安定本部総務長官のところにあつたのですね。それはどうなんです。
  66. 増岡尚士

    増岡証人 割当計画については経済安定本部総務長官に一切の責任があります。
  67. 横田甚太郎

    ○横田委員 割当だけじやないでしよう。よく思い出していただきたいのは、配炭公団法の一條、四條、七條、十五條、十六條、十七條、十八條、あるいは二十二條は一体何を書いているのです。そこであなたに聞きたいのですが、配炭公団法というものは一体何を規定しているのです。この責任はだれが持つのか、どこの機関によつて監督しているのです。
  68. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団配炭公団法によつて設立されたもので、監督権限についてはこの前も触れましたが、相当その業務について監督権限がありまして、ただいまも申しましたように、最終権限については安本長官が持ち、そのほかに具体的な業務の内容につきましては主務大臣がやり、また会計あるいは事業計画その他については大蔵大臣に安本長官が諮問をするという場合もありますし、直接会計検査院が経理について監督するという場合もありまして、監督の権限は最終的には安本長官が持つておりますが、個別的な事項等につきましては関係の大臣、あるいは会計検査院が持つております。
  69. 横田甚太郎

    ○横田委員 時間がないようですから、もう一点だけお聞きしておきますが、言葉の言いのがればかりで困るので、はつきりしていただきたいのは、荷後炭が石炭協会の所有になつた。このことも当時から、あなたは御存じのはずである。荷後炭がどうして石炭協会の持物になり、公団にもう一回売渡されるか。このことについては一体どう解釈したらいいのですか。
  70. 増岡尚士

    増岡証人 いわゆる荷後炭の処分については、私はよく存じておりません。
  71. 横田甚太郎

    ○横田委員 しかし買入れるためには、山から生産されたものを買入れるのでしよう。それからコークスというようなもの以外に、配炭公団が拂うべき金があるはずだから、当然あなたのところに行つているはずじやないですか。
  72. 増岡尚士

    増岡証人 荷後炭等についても、いわゆる特殊炭として、山から生産されるもののほかに、選別炭、あるいは海から沈船などに入つていた石炭、そういうようなものを特殊炭として配給の対象にしておつたのであります。そういうものの買上げの問題はあつたかと思います。
  73. 横田甚太郎

    ○横田委員 選別炭とか、あるいは海沒炭というものがどうして買上げの対象になつたのですか。これをはつきりしていただきたい。
  74. 増岡尚士

    増岡証人 当時の配給計画としては、山から出るものだけでなく、そういう選別炭あるいは海沒炭についても、配給計画の中に入れて処理していたと記憶しております。
  75. 横田甚太郎

    ○横田委員 それがどうして配給計画の中に入つたのですかということを聞いておる。石炭がどうしてそういうようなところから出て来るものだということ、それがわからないのです。
  76. 篠田弘作

    篠田委員長 荷後炭が貨車の中に残つてつたり、あるいはどつかでこぼれたりして、そういうものが出る。そういうものをなぜ配給するかということを聞いておるので、その説明をすればいいのです。それがまた非常に大きな量に上つてしまつて、捨てるところもおそらくないだろうが、どういうわけでそれを配給したかということです。
  77. 増岡尚士

    増岡証人 私の承知しておる範囲では、いわゆる選別炭が一番多いものだつたと思いますが、これはボタと一緒に捨てられておつたものを、いわゆる選別業者が選別して、一応使える石炭の形にしたもので、当時石炭の需給関係が非常に逼迫しておりました関係もあつて、配給計画に入れる。それから海沒炭についても、もちろん生産炭ではありませんが、需給関係が逼迫しておる折に、かえつてそういうようなことで逃げ道をつくつておくということは配給を混乱させるもとでありますから、海沒炭等についても配給計画の中に入れて処理しておつたのであります。
  78. 横田甚太郎

    ○横田委員 石炭の需給状況が非常に逼迫しておつた。だからどろ炭、どろぼう炭、こういうようなものを配給計画に入れたと言われるが、石炭事情が逼迫しておつたがために、どろ炭を生んだんでしよう、そして金にしたのでしよう。山から来たものに対しては、品質あるいは検量、こういうようなことを嚴重にやつておるはずである。配給計画のある限りにおいて、何千カロリーの石炭をどこの工場に何ぼ入れるということはちやんと通知しておるはずである。それをみな検査すべきはずである。そうしたら受取るところがどこだということはわかるはずである。山から出た以外の石炭が出る。こぼれてしまう、盗まれてしまう、こういうようなことがあるならば、必ず公団に苦情が行つておるはずである。苦情が行つておる件数も出ている。だからあなたの言われるのは、石炭事情が非常に逼迫しておつたがために、いわゆる出所の知れない石炭までも配給計画に入れたと言われるが、それは逆なんであつて石炭事情が逼迫して、みんな石炭がほしいほしいというときに、正規に配給しなければならないところの石炭をこういうような形でごまかした……。
  79. 篠田弘作

    篠田委員長 横田君に申し上げますが、証人は荷後炭というものの重要部分は選別炭、すなわちどろ炭を請負師が選別して持つて来たものであるということを言つておる。あなたはこぼれた炭とか、そういうものに重きを置いておるので、いくら話をしても食い違つておる。それを繰返されてもしようがないから打切つていただきたい。午前中に二人、午後は三人証人を呼んでいる。しかも国会はきようで終るのですから、重複した質問を何回も何回もやつては実際困る……。
  80. 横田甚太郎

    ○横田委員 言い方が逆だ。横着なことばかり言つておる……。
  81. 篠田弘作

    篠田委員長 ほかに何か質問はありませんか。
  82. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 配給が足らないし、配給するためにこういう荷後炭を配給計画の中に入れたとおつしやるが、二十四年の八月、九月には、すでにあなた方がおつしやる生産がふえて、買う人が少くなつた。八月、九月の数量を申し上げると、二十四年の九月は八千七百八十四トンという今までにないたくさんな荷後炭が出ておるのですが、それはあなたの言われるのと逆に数量が出ておるのです。その点についてはどうお考えですか。
  83. 増岡尚士

    増岡証人 二十四年九月にどれだけ荷後炭があつたかということは存じておりません。最後に行つてたくさん出るというのはおかしいと思います。
  84. 田渕光一

    田渕委員 私の伺いたいのは、価格裁定委員会が二十五年の四月二十一日から開始された、こういう話でありますが、これは二十四年と違いますか、本年の四月からでございましようか。
  85. 増岡尚士

    増岡証人 貯炭最終処分価格裁定委員会は二十五年であります。
  86. 田渕光一

    田渕委員 ところで価格査定委員会の問題については、本日ではとうてい片づかないと思うのでありますが、二十四年九月十五日に公団が廃止になるに伴つて、その年の十月十一日から十月二十四日まで、全国の公団支団に貯炭処理委員会というものができております。ところが私が現地調査をいたしました大阪配炭局、名古屋配炭局におきまして、名古屋支団関係、いわゆる近畿、東海におけるこの会議を最も熱心にやつた名古屋経済調査局、あるいは大阪経済調査局、ことに大阪財務局、近畿財務局と関東財務局の調査が出ておるのであります。それらはいずれもこの貯炭の査定委員会は、われわれはしろうとであつて、わからなかつた言つておる。十月の十一日から二十四日までわずか二週間に、非常に広汎な貯炭場を調べるために調べられなかつたけれども、結局日がないためにいたし方なく現認書を與えた。こう言つて財務局は自分の責任をのがれておるのであります。経済調査庁の方の角度から調べた点、財務局から調べて行つた点、ことに途中で名古屋などは会計検査院がこれに共同参加しておる。そうしていずれもこの貯炭査定というものは不完全であるが、時間がないためにいたし方なく現認書を與えたという報告が安本に行つておるわけであります。そうすると、その後にできた価格裁定委員会はもちろんいけませんけれども、すでに価格をきめる前に、価格は物があつて価格をきめるのでありますから、この物の数量というものが完全でなかつたという財務局、経済調査庁、あるいは会計検査院等から報告が安本にあつたわけでございますが、それがあつたか、なかつたかを伺つておきたい。
  87. 増岡尚士

    増岡証人 私の記憶では、そういう時間の関係できわめて不正確だけれども、こういう現認をしたというような報告は聞いておりません。
  88. 田渕光一

    田渕委員 こういう報告があるのです。本年の六月二十五日に近畿財務局から提出されました私の方への報告によりますとこういうことが書いてあります。「貯炭の査定確認について、昭和二十四年九月十五日公団廃止に伴い厖大な貯炭、貯骸の一齊棚卸の査定が行われる事となり公団清算機関内に貯炭査定委員会を設けて実施することとなつたのである。政府機関は別命によつて通産局、地方財務部、経済調査庁がこの査定に当り立会し嚴正なる査定を監視すると共に現認書を付することとしたのであるが、何分にも大阪配炭局管内に散在する約百万トンと称せられる貯炭をわずか十四日間(自十月十一日至十月二十四日)に査定することの不合理と困難性はともかくとして、この厖大な貯炭の査定を強行した結果、一応左のような数字が出たのである。」こう書いてある。財務局はこれではつきり責任をのがれておる。かような財務局の石炭知識のないものを参画せしめ、あるいは経済調査庁——それは魚のやみやあるいは米のやみの現行犯といつたようなわかつたものはともかくとして、こういう大きな数字に知識のないものを立ち会わせることはむりだということを財務局が報告しておる。このときにすでに安本としては気づかなければならぬ。これは物の価格をきめる前に、つまり数をきめる。その数をきめること自体がすでに不自然であるということから、これはやり直せということでなければならぬ。価格裁定委員会できめる半年も前に、すでに数において矛盾があつたのだ。こういう報告が来ておるのに、これに対してなぜ安本が処置をとらなかつたかを伺いたい。
  89. 増岡尚士

    増岡証人 非常に数量の見積りがむずかしかつたということは大体想像されるところでありますが、私としては、そういう関係者が一応みんなでできるだけの手はずをとつて調べた数量については、こまかい点ではあるいはいろいろあつたかもしれませんが、おおむね正確であつたというふうに信頼をしておつたわけであります。
  90. 田渕光一

    田渕委員 そうすると伺いますが、この二十四年八月二十四日、マーカツト覚書に対して安本が起案し、閣議の決定をとつて司令部に回答しておるのに、四月一日までに適当な——いわゆる四月一日を見通しとして適当な処分をする。こういうようなことを言うておるのに、その期間において、八月以降の十月に調査をさせて、調査させた結果、最も信頼すべき財務局あるいは経済調査庁がわずか十四日の間ではできないのです。しかしまあ強硬にやれというから、いたし方なくこの不合理というものを認めながら、現認書を交付したということから、ここに大きな数字の間違いが起きておるのであります。しかしあなたがその当時の責任者として責任をとらなかつたということに対して、私はこれ以上の追究はいたしません。それから後に今度は価格になつて来た。そうすると価格裁定委員会はほとんど局長が出ないで、属官によつてまるきりにんじんやごぼうのごとく売られてしまつたという結果になつております。そのときからインチキが行われておつた公団側公団を廃止しろという指令が出たとたん、とれるだけとつておけというので、今までごまかしただけのものはごまかしてしまつた。そんなことは、安本の局長としても御想像がつかなかつたかということをもう一度伺つて私の質問を終ります。
  91. 増岡尚士

    増岡証人 公団が廃止になる直前あるいはその後の業務のやり方について、何か計画的な悪意に気がつかなかつたかどうかというお話でありますが、私どもといたしましては、公団の職員は身分が保障されておらぬきわめて臨時的なものでありますから、その業務については、おしまいのころ、あるいは解散後については十分に注意をしなければならぬという点は感じておつたのでありますが、その点については、公団存続中も廃止後も、われわれとしてはできるだけそういうことがないように努力をいたしたつもりであります。その点についてあるいは欠ける点があつたかと思いますけれども、われわれが計画的な何か非常にごまかしというな点を気がついていて見のがしておつたというようなことは、私どもとしては決してありません。
  92. 田渕光一

    田渕委員 これで終ります。ただ私と大森委員と調べましたときに、経済調査庁も大阪財務局、名古屋財務局も、いずれも私どもはしろうとでわかりませんでした。ただ十四日の間に調べろというので、ただ立会いで調べただけであります。そう言つて責任をのがれておりますことを一応申し上げておきます。
  93. 篠田弘作

    篠田委員長 増岡証人の尋問はこれをもつて打切ります。御苦労さんでした。  中島さんですね。貯炭処理協議会について、設置の時期、目的構成法的性格並びにその協議事項について御説明願います。
  94. 中島征帆

    中島証人 貯炭処理協議会は、配炭公団清算に入りまして、その貯炭処理をどういうふうな方針のもとでやるかということを協議するために置かれた協議会でありまして、これは大蔵省設置されております。この設置の経緯につきましては、先般も申し上げておりますが、資源庁の方面からもその設置を要望しております。これは公団解散前後に開かれました国管法に基く全国炭鉱管理委員会、いわゆる全管と申しますが、その全管の席上でも決議をいたしまして、ぜひともこの貯炭処理に関しては協議会的なものをつくりまして、各方面の意見をいれて適正に処分をしてもらいたいというような意見がありまして、その意見が通産大臣にも提出されております。その経緯に基きまして、われわれもこれを希望してつくつていただいたのでありますが、大蔵省といたしましても、やはり厖大な貯炭処理について、関係方面と十分なる連絡の上で案を立てた方がよろしいということでつくつたわけであります。その構成大蔵省、安本、資源庁それから公団、こういう当事者のほかに石炭鉱業の経営者、それから販売業者関係、それから第三者、こういうようなものが集まつてつくつておりました。御参考までに委員の名前を申し上げますと、会長大蔵事務次官委員官庁側といたしまして大蔵省の管財局長主計局長、安本の動力局長資源庁石炭生産局長と管理局長炭鉱経営者側といたしまして、三菱側から新居幸一、中小炭鉱代表者として東京石炭協会の專務理事長岡孝、炭鉱労働者の代表として炭労会長の武藤氏、販売業者のエキスパートとして全国石炭倶楽部の会長の山本氏、需要者代表として日本発送電の資材部長の安藤氏、日産化学、これは肥料関係でありますが、日産化学の資材部付重松氏、日本国有鉄道の資材局長の吉次氏、これだけのメンバーで協議会を開いております。これは第一回と第二回と二回開いておりますが、第一回目は私は出張中でありまして出席しておりません。第二回目は出席しておりました。第一回目は大体この貯炭処理をどういうようにしてやるか、つまりその当時できるだけこれは大口に、たとえば日発でありますとか、鉄道でありますとか、そういうようなところにすみやかに買取つてもらうということによつて、まず多量にさしあたり処分をしたいということで、日発ないし鉄道側にどのくらい引受けられるかという点が一点、それからここには炭鉱の経営者側が出ておりますが、つまり山側といたしまして、自分の掘つた炭が相当たまつておる。これを公団でむやみに拂い下げられまして、市場を混乱するということは山としても困るわけでありますから、山としてもしこれを買取りたいという希望があれば、またこれも多量に売りもどしができるということを考えられまして、そういつた点につきまして、どの程度のことがそれぞれ大口需要者ないし炭鉱経営者にとつて行い得るかということを打合したわけであります。これは第一回だけではその点の結論が出ませんので、第二回に至りまして、私が出ましたときも、大体同じような問題が提出されております。特に炭労側からは、これをむやみに早く拂い下げを急いだために、価格をくずすことは困るというような意見もありました。それから当時国鉄に五十五万トン、日発に二十一万トンでありましたか、それから進駐軍に五十万トン、こういう大口の拂い下げの計画を立てまして、これをすみやかに引渡すようにいたしておりましたが、その日発ないしは鉄道に、それだけの予定数量が行けるかどうかという点につきましては、そのときに懇談を重ねております。そのときの日発の方のお答えでは、産地の関係から計画通りのものを全部引受けるということは、今のところむずかしいというような話がありました。鉄道でも非常に粉炭が多くてむずかしいけれども、できるだけ引受けるということでありました。結果においては鉄道では五十万トン、ほとんど計画通り引取つております。それから日発は二十一万トンの契約のうち、十八万トンでありましたか、多少下まわつた数字を引取つておるようであります。大体そういうような貯炭処理につきまして二度の協議会で協議いたしましたが、その後残りましたものをどういうふうに計画的にやるかということに関しまして、さらに協議会が開かれることと予想しておりましたが、第二回以後は全然開かれておりません。
  95. 篠田弘作

    篠田委員長 価格裁定委員会について、その設立の時期、事情構成法的性格等について一応説明していただきたい。
  96. 中島征帆

    中島証人 価格裁定委員会は、今年の四月になりまして、三月までに処理いたしました三百三十万トンの残り百六十数万トン貯炭を拂い下げるために、できるだけ処分を急ぎますために、一括して希望者に拂下げしたい。それでその一括拂下げの値段をどうするかというような具体的な価格裁定をやる委員会であります。これは公団において委員の内容等は全部選定いたしまして、こちらにも通知があつたわけでありますけれども会長が國崎氏、この人はかつて石炭協会の会長をやられたそうであります。それから三菱の顧問をやつておる山本氏、日本石炭協会專務理事の天日氏、それから安本の動力局長物価庁第三部長経済調査庁物資調査部長資源庁石炭管理局長大蔵省主計局長及び管財局長、これだけの者がメンバーになつております。最初会議のときに、大体百六十万トンの貯炭が各地に分散しておりまして、その実情を見ないでこういつたような中央の関係の者が集つても、実際の査定はなかなかむずかしい。現地に出張りまして査定をすれば別でありますけれども、そういう余裕もないということで、委員の方から発言がありまして、これは公団側から出して来た書面審査を本則として行う了解をいたしました。この委員会はもともとこの炭が具体的に幾らかということを自発的にきめるということではなくて、本来は清算公団とそれから買手側との折衝によつて値段をきめるべきものであつて、それがもし合意でもつて成立すればその値はそのままとる。それからその間に開きがある場合は、そのときに初めてこの貯炭処理価格裁定委員会でもつて裁定を行う、こういう趣旨の委員会だという了解事項を聞いております。そのときには私は出ておりませんでしたが、先般申し上げましたように、七月二十七日、二十八日、それから五月の一日、二日、四日、六日、二十七日、この七日間にわたつてこの貯炭処理価格裁定委員会が開かれておりますが、最初の二十七日、二十八日……。
  97. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたがそのとき何をやつたかということはわかつておりますから、聞かれたことだけ答えてください。右の委員会の決定に対して、資源庁はこれを妥当の値段であると認めたのですか。
  98. 中島征帆

    中島証人 資源庁としてこれを認めたというふうな行為は別にございませんが、出席しております委員代理は、これを妥当だと認めて賛成しております。
  99. 篠田弘作

    篠田委員長 その報告をあなたは認めておりますか。
  100. 中島征帆

    中島証人 これはあとから聞いたのでありまして、そのときその都度は聞いておりません。
  101. 篠田弘作

    篠田委員長 常磐炭の海上輸送についてお聞きいたしますが、試験輸送というのはどんなことを言うのですか。
  102. 篠田弘作

    篠田委員長 試験輸送という言葉は、どうも私まだはつきり調べがついておりませんが、常磐炭の海上輸送につきまして、その後調べてみましたところが、これは二十三年の四月から二十四年の九月まで輸送を行われておる。その中で二十三年の四月から九月まで、これがいわゆる試験輸送と称せられておるものではないかと思いますが、それからその年の十二月と二十四年の一月、これはそのときに送られました公団の残りの炭を送つておる。こういう性質のものであります。それから六月以降のものはまた別途の目的を持つて行われておりまして、結局において最初の試験輸送と称せられております四月から九月までの分につきましては、当時輸送力の関係から、常磐から名古屋に炭を毎月二万トンほど送らなければいけない。ところが当時の輸送力といたしまして、鉄道では一万五千トン以上はむりだということで、五千トンほどのものをむりにも海上から送るということで、これは安本、資源庁と相談の上で、公団の方では難色もあつたようでありますけれども、炭繰りの関係でどうしても送らなければいけませんので、そういうような手段を講じたわけです。もちろんこれによつて値段は多少上つておりますが、その実績は、毎月五千トン送る予定でありましたけれども、四月には千三百トン、五月には千三百五十トン、六月が六百トン、七月が二千トン、八月が二千五百トン、九月が二千トン足らず、こういう程度で計画通りには輸送いたしておりません。この輸送はいずれも小型の機帆船でやつております。送り先は名古屋と清水であります。それから九月には一応輸送力が回復しましたので打切りましたが、その残炭を十一月、十二月にそれぞれ六百トンと千二百トン、清水あてに送つております。それから二十四年六月以降の分は、いずれも名古屋港と半田へ毎月千五百トンないし三千トン送つております。これは公団石炭が累増いたしましたあとの分につきまして、地場におきまして非常に貯炭場に狹隘を感じて、これ以上積めば山元自体がつまるというような事情によつて公団自体で名古屋の方の支局と相談しまして、名古屋の方では、もしこれを機帆船で送つて来れば、貯炭場の関係からいつて引取つてもよろしいという話合いがつきまして、その話を官庁側に持つて参りまして、了解を得た上で送つております。これは機帆船と一部汽船であります。
  103. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたはただいま六月以降は別途の目的をもつてつたということを言つておられるが、別途の目的とはどういうことですか。
  104. 中島征帆

    中島証人 最初のころは名古屋にどうしても送らなければならないが、鉄道の輸送力が足りないので、その不足分として送つた。これが初めの目的であります。第二番目の六月以降のものは、名古屋の貯炭場を利用するために送つた。つまり常磐地区にそのまま置けば山元の生産が糞づまりになるので、できるだけこれを需要地に持つて行こう。それで名古屋の方から、船で運べば、貯炭場の関係から多少引受けるという趣旨で送つたのです。
  105. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは貨車事情が非常に切迫しておつたということを言つておられるが、二十三年の半ばごろから後は、貨車輸送は非常に緩和されておつて、海上輸送の必要はなくなつたというのじやないのですか。
  106. 中島征帆

    中島証人 お説の通りでありまして、従つて最初のものは、二十三年の九月で打切つております。それからあとの分は、汽車で送ればいいじやないかという御意見がありましたが、貯炭場の関係からして、汽車でも送れるけれども、船で送れば貯炭場の都合がいい、こういうような趣旨であります。
  107. 篠田弘作

    篠田委員長 それを九月で打切つたとあなたは言つておられるが、実際問題としては、昭和二十四年一月まで継続しておるのだけれども、その継続の理由はどうですか。
  108. 中島征帆

    中島証人 これは十二月と一月を合せて千八百トン送つておりますが、これは船積場に残りました残炭を向うに送つたものでありまして、これをまた鉄道で持つて行くより、船で送つた方が楽だというわけで、残炭処理目的で送つたわけです。
  109. 篠田弘作

    篠田委員長 ところが実際に炭繰り会議などで、現地の声は、船で送つてもらつては非能率、非生産的で困る、反対だということを言つてつたにもかかわらず、送つたのはだれの申請に基いて送つたのですか。
  110. 中島征帆

    中島証人 これは当初の計画を立てるとき、四月ころそういう意見があつたと思いますが、この常磐炭をどうしても名古屋に送らなければならないということは、実際炭種の調整の関係からいいまして、やはり高品位の炭と低品位の炭とを適当に配合して、カロリーの調整をやるという意味で、常磐炭を名古屋まで送るという計画が、安本、資源庁公団の三者の炭繰り会議で一応きめられております。それで常磐から送るものは、すべて鉄道輸送でやるのが適当でありましたが、当時の鉄道輸送力の関係から、鉄道ではそれ以上引受けられない、従つてやむを得ずある程度のものは船で送らざるを得ないというような結論に達したわけであります。
  111. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると鉄道が引受けておるにかかわらず、引受けることはできないと言つたのですね。
  112. 中島征帆

    中島証人 鉄道は二十三年の半ばごろには大体輸送力は回復しております。従つてそれの時期と合せてこちらの方もやめております。
  113. 篠田弘作

    篠田委員長 しかし実際は今あなたが言つた通り、四月から九月まで第一次にやつておる。それから二十四年の一月までそれを継続しておる。そうすると、ただ当初そういう計画を立てた事から、行きがかりでそれをずつとやつて、高い運賃でも何でも拂つてつたということより受取れないのだけれども、その点の説明はどうですか。
  114. 中島征帆

    中島証人 九月までは鉄道輸送力が回復しておりませんので、当初の計画通りつております。九月になりまして鉄道が復旧したのでこれをやめておりますが、その際に港まで出ておつた炭をそのまま收置するのはもつたないということで、十二月、一月にさらに残りのものだけを送つたということに聞いております。
  115. 篠田弘作

    篠田委員長 現地はどういうわけで反対したのですか。
  116. 中島征帆

    中島証人 現地というよりも、むしろ配炭公団の方で反対したのではないかと思います。つまり公団が受取つた炭を送る場合に、公団としてはできるだけ安い運賃で運びたいわけでありますから、高い運賃をかけてわざわざ船で運ぶということは困るという意味で反対があつたのではないかと思つております。
  117. 篠田弘作

    篠田委員長 公団の意思であつたのですか。
  118. 中島征帆

    中島証人 公団がどの程度反対したか知りませんが、一応そういう意味で難色があつたということを聞いております。
  119. 篠田弘作

    篠田委員長 どなたかこの問題について……、島田君。
  120. 島田末信

    ○島田委員 私は、私が現地調査をした事実に関連して二、三簡單にお尋ねしたいと思います。公団末期の貯炭処分は、最初処理委員会ができて、日発なり鉄道なり、まず大口の処分考え、ある程度これを処分して、残つた貯炭に対しては、品質が悪いとか、その他いろいろな條件が悪いために、一般市場ではまず不向きである。これを一般業者に買わせるということはなかなか困難であるという理由で、公団の役職員が設立したところの第二会社にまずこれを拂い下げるという計画を立てて、その方針で進んで行つたということをお聞きしましたが、これは相違ありませんか。
  121. 中島征帆

    中島証人 特に第二会社にまず売り渡すということは全然考えておりません。たまたま公団の性質上、初めのうちは、相当こちらからむりにでも持つて行かなければ引受けてくれない、希望者があまり出ませんでしたので、今のような大口についてもかなり強硬にこちらで引受けるような交渉を進めております。従つて当時公団に炭を買いに来たものに対しては、相手方の選択をいたしませんで、いずれにでも売るような基本方針になつておりました。特に第二会社を優先したというようなことはないと思います。
  122. 島田末信

    ○島田委員 ただいまのお話では、いろいろと一般に拂下げ方の選択もせぬし、あるいは一般に拂下げてもよろしいというつもりで、何かと手配をしてみたところが、思うようにならなかつたので、第二会社に拂い下げるようになつたというような御説明つたと思いますが、私の聞いておる範囲では、全国的に相当この貯炭に対しては拂下げ希望者は多かつたように聞いておるし、また拂下げを受けるべき実力を持つたものもかなりあつたように聞いておりますが、その点はどういう模様ですか。
  123. 中島征帆

    中島証人 買取りの申出は、初期において相当出て来たように思いますが、ただ清算公団といたしまして、実際の貯炭調査しないでこれを簡單に売渡すと、あとで売渡しの條件等について問題が起るといけないから、十月末にかけまして調査をいたしまして、現実に炭がどのくらいあるか、その価格はどうだということを各方面にわたつて調査をいたしました。それまでは、調査の済まないものに対しては、たとい申出があつてもちよつと持つてくれということで、売ることを差控えたということはあつたかと思います。その点で初めに申出た者に全部売つたということにはなつていないと思います。
  124. 島田末信

    ○島田委員 買取りについて、相手方の調査を進めた結果、あまり思わしくないということで、第二会社に今度は拂下げをしたという順序になつたのですか。
  125. 中島征帆

    中島証人 調査いたしましたのは貯炭そのものでありまして、相手方の調査は、一般の契約の相手方としてやつてつたと思いますが、その間時間を延ばしたのは、貯炭そのものがどういうようになつておるかについて調べたからであります。
  126. 島田末信

    ○島田委員 そうすると拂下げについては、一般業者に売つてもよろしいというふうなつもりはあつたが、事実上なかなかそれが成立しないという関係から、第二会社にこれを一括的に拂い下げて行こうという方針を樹立したということになるわけですね。
  127. 中島征帆

    中島証人 第二会社に拂い下げるということを方針としてきめたことは私存じませんが、最後に残つたものについて、いわゆる協同組合をつくりまして、その中に第二会社もおそらく入つておりますが、地区別に協同組合をつくつて、その協同組合に拂い下げるという方法を原則的にとつたわけであります。
  128. 島田末信

    ○島田委員 ところが事実上第二会社が相当拂下げを受けておりますが、その第二会社が拂下げを受ける以上は、その間に有利な拂下げをしてやるような方針があつたかなかつたかということは別として、この拂下げを受けるべき第二会社がよほど堅実であつて、拂下げを受けた債務に対して、十分完済できるという堅実な内容を持つておるということも必要だつたかと思うのであります。ところが第二会社というものは、われわれが調査した範囲内では、何でもかんでも拂下げを受けて、ひとついい利潤でもあげてみようかというにおいが非常に強かつたと思われる。しかもそのために、こしらえた会社というものはあまり内容が堅実ではなかつたのではないか。また設立自体についても、十分な資金面をまかなうだけの実力があつたように思えないのであります。そこでいろいろな問題が出て来ております。もし一般に拂い下げることがなかなか困難であり、第二会社をしてこれを引取らせるというふうなお考えがあつたとすれば、この第二会社の設立自体についても、やはり拂下げのあとの処理ができるだけの実力を持つ第二会社をつくるべきではなかつたかと考えるのでありますが、それに対しまして第二会社設立の資金や運転資金のむり算段のために、私の関係した方面でも不正行為が行われておるのであります。この場合あなた方は、そういうあとの処理をも考え合せ、また第二会社に実際に貯炭処理させるというようなお考えがあつたとすれば、設立自体についてもいま少し融資を円滑にしてやるとか、あるいは助成するとか、何らかもう少し堅実な設立の方法があつたのではないかと考えておるのですが、その間の事情はどんなものですか。
  129. 中島征帆

    中島証人 第二会社の設立につきましては、私ども全然ノータツチでありまして、要するに公団の職員が職を離れまして、石炭をやるという場合に、いわゆる第二会社と称しておりますが、それがどの程度の実力があるかという点までは見ておりません。ただ一般的に申しまして、販売業者に運転資金が円滑にまわらない限りは、貯炭の拂下げ処分に関しても、石炭の受渡しが十分にいかないという意味から、生産業者に対して、金融がつかない限りは、少くとも販売業者に対する運転資金について認めてくれということで、私ども大分努力したわけでありますが、結局これは政府の措置として具体化いたしておりません。従つて第二会社がかりにでき上りましても、これに対して資金のあつせんをするというようなことも事実上不可能でありましたが、これはそれぞれ適宜に任意につくりまして、実力のあるものから公団と交渉して炭を引取るという状況でありまして、その点の信用状態は、清算公団自体として見ておるわけでありまして、私どもとしてはそこまでタツチしておらぬわけであります。またその後の引取つたあとの支拂い状況、資金の回收状況等を聞きますと、第二会社必ずしも悪くないわけでありまして、ほかのものと同じような回收状況である。こういうように聞いております。
  130. 島田末信

    ○島田委員 それでは第二会社に拂下げの計画を一応立ててそれを実行したということは、今日から考えてみても妥当な措置であつたというふうにお考えになりますか。
  131. 中島征帆

    中島証人 第二会社をつくつて拂下げたというふうな計画は立てておりませんが、ほかに引取手のない炭をこういう会社が買うということがかりにあつたとすれば、それは妥当だと思います。かりにこれを不当な値段で買うとか何とかいうことがあれば別問題でありますけれども、第二会社をつくつた制度そのものは、積極的に勧めたわけではありませんから、決していいとも申し上げられませんし、悪いとも申し上げられないと思います。
  132. 島田末信

    ○島田委員 第二会社を設立させたことはいいとも悪いとも考えておらぬというお説でありましたが、先般のお話では、一般には不向きでありますから、どうしても第二会社をつくりまして、それに拂下げをやる以外に大した名案がなかつたようなお話つたと思います。そうすると、あらかじめ貯炭処理する上において、まず大口の鉄道とか、日発とか、そういう処理が行われたあとの分に対しては、一般に熱望があろうが、あるいは買取りについていろいろな猛運動があろうが、そういうものはひとまずよそにのけておいて、役職員によつて組織する第二会社にこの貯炭というものをある程度一括して拂下げてやろうじやないかという、内輪で一つの協議というか、あるいは暗黙のうちにそういつた計画が進んでおつたのではないか、こう思うのであります。しかもその結果は、今言つた設立自体についてもむりが行われて、われわれの方でも歪事件として取扱つておるのでありますが、これらにそれくらいな心組みがもしあつたとすれば、設立自体についてももう少し堅実な会社をつくつておくべきではなかつたかということが一応われわれにも考えられるのであります。それからまた爾後における完済、いわゆる拂下げを受けた代金に対する決済の事情についても、私はそれほど第二会社というものが信頼するほどの実力を示しておるようにも思えない。こういう点について、あなた方は先般のお話では、一応第二会社に拂い下げるということを先決條件として認めておつたようでありますが、きようのお話だと多少それが相違しておるのじやないかと思う。この点はどんなぐあいですか。
  133. 中島征帆

    中島証人 この前も、私は決して第二会社に対して優先的に拂下げをして、これで積極的に貯炭処理をはかろうというような、そういう意図を持つてつたというようなことは全然申し上げておりません。この前多少表現がまずうございまして、第二会社が大いに働いてくれたから、貯炭もうまく行つたということを申し上げましたが、これは少し私の表現の誤りでありまして、要するにこちらで申し上げたかつたことは、第二会社と申しますのは新しくつくつた会社でありまして、山と直接の関連を今まで持つておらぬ会社であります。従つてうしろの根がありませんので、どうしても公団貯炭あたりでも買わぬ限りは商売が始められない。そういうふうな弱味がありますから、従つてほかの方のいわゆる石炭の專業者、あるいは山元の特約販売店というものが扱えないような炭でもなければ、ほかにこれを供給してくれる炭がありませんから、第二会社としては、どうしても公団貯炭を買う以外に方法がない。そういう意味において、第二会社に対して売り渡すということをある程度期待しておつたわけであります。従つてそういう関係からも、第二会社の実績を見ましても、公団の炭を最もよけいに取扱つておるという結果になつておるわけでございまして、必ずしも初めから計画的にこういうものをつくつて、ここに炭を持つて行こうというふうな考え方は、公団としても私どもの方としても考えておらぬのであります。
  134. 島田末信

    ○島田委員 先般のお話では、第二会社はその後なかなか経営が困難で、しかも石炭事情からいつて、どちらかと申せばあまり一般の業者と競争するだけの実力は少いのだ。そのために今後よほどこの会社自体を当局においてもいささかめんどうをみないと、拂い下げた石炭の代金の処理もなかなか困難な見通しだというふうなお説があつたと思う。そうすると、大体公団末期の貯炭を拂い下げてやつて、それをもつて一時商売をするという以上は、一般業者と比較して十分能力がなかつたように考えられる。そういうことならば、われわれが考えると、もう第二会社公団末期における貯炭処理させて、一時もうけさせるという以外に大した能力を持つていないと思う。もしわれわれが公平に考るならば、あとあととも事業を十分やつて行ける能力を持つた一般業者を相手に、あるいは公入札でやるとか、あるいはその間拂い下げにむりのないような方法をとつた方が、実際上だれでも納得できる拂い下げ方法じやなかつたかと考える。今まで実行した方法からながめてみますと、要は第二会社をつくつて公団貯炭を一時処理させて、それで商売をさせる。それ以外は一般の業者と十分競争するだけの能力のない会社である。それだから今からも十分めんどうを見ないと代金の取立ても困難である。下手をすると未回收に終るかもしれぬというように先般も認めておつたように思う。そういう結果からながめて、第二会社をつくつて公団末期の貯炭を拂い下げたという方針自体にもいささか見当違いがありはせぬか。またそういうことの含みでやつたから、今日また何かとめんどうが多いのじやないか、かように考えておりますが、この点いかがですか。
  135. 中島征帆

    中島証人 私は第二会社は弱体であるから、多少めんどうを見なければならぬというふうな趣旨のことは、全然申したことはないと思つておりますが、もしございましたら、その点は取消します。この前も申し上げましたように、第二会社の初期におきましていろいろ風評がありましたので、つまりその風評と申しますのは、かつて公団の炭をどんどん引取つて独占してしまうという声もあり、また非常に安く引取つて、そこで相当なもうけを企てているという声もちよいちよい聞きましたので、公団の末期時代、まだ公団の存続中だつたと思いますが、当時の総裁にそういうことは絶体にないようにしてもらいたいと言いましたところ、総裁も、もちろん自分らの方としても再三注意はしておるけれども、さらにお話によつて各支部の方にその旨を伝えましよう。それから最近会議もあるから、その席でも十分伝えるからということで、そういう点は、特に第二会社を優先扱いするようなことはやめてもらいたいということをはつきり私からも申しておりますし、また公団総裁の意見として伝わつておるわけであります。従つてこれにつきまして、その後におきましても特にこれを助けてやろうというような趣旨はこちらにはもちろんございません。結果においてどうなつておりますか存じませんが、少くとも清算公団として販売の相手方をきめる場合に、やはりこれが選択にのぼつたというだけでありまして、この間何か特にいろいろな操作が行われたかどうかというところまで、私どもとしては存じておりません。
  136. 篠田弘作

    篠田委員長 この問題につきましてどなたか御質問がありますか。
  137. 田渕光一

    田渕委員 委員長にちよつと伺いますが、今日は証人は幾人ありますか。
  138. 篠田弘作

    篠田委員長 あと三人残つております。そこで一時までくらいに中島証人は打切つていただきたいと思います。
  139. 田渕光一

    田渕委員 そこでお願いしたいのは、先ほど証人が、委員会構成メンバーは、第一回は自分は出なかつたが、第二回は大蔵省事務次官、財務局、安本の局長資源庁局長、経営者側から三菱、中小炭鉱から長岡氏、炭労の武藤氏が出られたということですが、これは何委員会でありましたか。
  140. 中島征帆

  141. 田渕光一

    田渕委員 それから価格裁定委員会は、会長の國崎、それと山本、日協の天日、これに安本、物価庁経済調査庁、資源局、大蔵省主計局、管財局、こういうようなぐあいに伺いましたが、この会議が四月二十七、二十八日、五月一日、二日、四日、六日、七日と七回開かれておりまして、この会議録があると思いますから、午後の委員会までに委員長のお手元にこれを至急取寄せていただけないでしようか。電話で配炭公団に持つて来いと言えば持つて来ると思います。
  142. 篠田弘作

    篠田委員長 これはまた問題になりますが、こちらの委員会事務局としては、その会議録を提出するように求めておるそうですが、出席者の確認を求める判を求めるのに八月四日までかかるそうです。これはまた田渕あたりは、五月に終つたのを八月までもかかつて確認を求めるのだからと言われるが、その確認を求めるために向うは出せないと言つております。
  143. 田渕光一

    田渕委員 私の聞きたいのはそこなんです。この貯炭処理委員会価格裁定委員会にほとんど課長が出ておらぬ。要するに属官だけ出して、石炭屋とぐるでつくつてしまつた会議録であつて、この会議録によつて何百億という石炭処分したのであるから、この会議録が取寄せられないということであつては、事務局は一体何をしておつたか。事務局は何のために今日まであるのか。それが一番大事な証拠じやないか。ただちにこの貯炭処理委員会価格裁定委員会会議録を、午後再び開かれるまでに取寄せられんことを委員長に要望いたしておきます。
  144. 篠田弘作

    篠田委員長 事務局ですぐとつてください。
  145. 田渕光一

    田渕委員 そこで証人に伺いたいのであります。大体昨年の十月の十日から二十四日までに全国の貯炭のあり高を調べろという指令を出して、これに対して大阪経済調査庁、あるいは名古屋経済調査庁あるいは大阪財務局が立ち会つて調査をしておるのであります。それを証人にちよつと申し上げますが、最も私が信憑すべき、この大阪地方経済調査庁というのがはつきりしておつたのであります。こういうことを言つておるのであります。「配炭公団たなおろし調査の結果について。首題の件昭和二十四年十月十日より同月末日までの間調査した結果次の通りである。」これは十月の十日から十月の二十四日までやつたのですが、大阪に限つて二週間でなく、末日までやらしております。御参考までに申し上げておきます。こう言つております。「一、調査の結果に対する意見調査の結果は必ずしも満足し得るものではなかつたことは残念である。当管下においても、福井地方庁管内のごとく公団当局をして再たなおろしを納得せしめ得ず、認証事項皆無の結果を生じ、大阪地方庁管内のごとく調査期間嚴守の念にかられ、実測率低きに過ぎ、全般を推測する資料としては不十分なるうらみある結果を生じた点はあるが、左記諸点を明らかにすることができたことは本調査の成果であると思われる。」そこで一番大事なことはこういうことを言つております。「本調査の結論として、調査庁の行う在庫確認は最も嚴格なものであることが関係機関に周知徹底されたとともに、その反面他の機関の行う在庫確認が常に便宜的であつたであろうことは、今次の立会い態度で立証し得たと思える。今次たなおろしに調査庁が関與しなかつたならば、公団自体のたなおろしはほとんど帳簿面のたなおろしに終つていたであろう。」こう言つておる。いかにだらしがなかつたか、公団が放漫であつたか、あらゆることをあげておるが、もしも経済調査庁がこれに立ち会わなかつたらだめであつたろうと言つておる。これが大阪の経済調査庁であります。それから財務局の方では、ことごとくわれわれはしろうとでわかりませんでした。はなはだしろうとで遺憾であつた。ことに十月十日から二十四日まで二週間で調べるということはまことにできませんでしたということを財務局と経済調査庁言つているのであります。そこで私があなたに伺いたいのは、こういう結果になつたというのは、価格裁定委員会はまず第二であります。この貯炭査定委員会が少くとも根本において数量の実質を把握しておらぬ。大阪においては百二万トンの貯炭に対して、大体二十二万トンぐらいしか公団あるいは財務局、経済調査庁、これらが立ち会つておらない。全般で二〇%しか見ておらない。あとの八〇%は調査の期間がなかつた、こう言つておるのであります。こういうような報告が来ておるときに、あなたはあなたの所管である生産局長としてどういう態度をとられたか、ひとつ伺いたい。
  146. 中島征帆

    中島証人 当時の報告を私どもは見ておりますが、その報告によりますと、われわれれが常識的に想像しておつた以上に欠斤あるいは自然発火等によつて消耗しておるものが少かつたわけであります。この点はむしろ意外といたしております。ところが一層これを精密な調査をすればどうなるかということにつきましては、これは調査に当つている者もおそらく確信がないと思いますが、もしさらにこれを精密にやるとすれば、相当な日時と莫大な費用がかかる。山積みになつているものをきれいにならすとか、あるいはよそへ一ぺん積みかえるとかしなければ正確な数字が出ないと思いますが、そういうことを全般的にやつてつたのでは、その年一ぱいかかつても結論は出ないかもしれない。しかし貯炭は片一方燃えつつあるし、処分は急がれておつたといつたような関係から、一応各方面のそういう算定をもつて認定いたしました結果をそのまま認めるよりしかたがなかろうということで、その報告はそのまま受取つたのであります。
  147. 田渕光一

    田渕委員 貯炭の発火というものは大体夏場に起るのでありまして、十月十日から十月の下旬までに、実際において大阪経済調査庁調査をした点において、燃えているのは福井の貯炭だけであります。また大阪の方の貯炭に燃えた箇所があるが、これは実際は調てはおらぬが、あなたが今どんどん燃えて来るから調査ができなかつたとおつしやいますけれども、少くとも八月の二十四日の司令部の覚書、二十七日までに返事をしなくちやならぬものを、閣議決定によつて三十日に司令部に返事をしておる。それには来年の四月を目途とするという返事を安本がしておる。これはあなたは生産局長として御存じです。配炭公団の持つておるものは明年四月一日を目途として処理する。それで先ほどおつしやつたところでは、三百二、三十万トンというものは日発あるいは官庁あるいは国鉄に、あとの百六十万トンというものは四月一日まで、また六箇月ある。六箇月あるのに、わずか十四日くらいで調べて、まだやろうとすれば相当日がかかるという。一箇月もあればあるいは調べられたであろう。どうもつじつまが合わぬのですが、少くとも十月二十四日までにこの近畿財務局はタツチして調べております。名古屋もそうであります。二週間という日を切つたことが、何かここに貯炭査定委員会が日を急いだわけがある。四月一日の一歩前、三月三十一日までに司令部に報告しますと言つてつて、十分調査すればよかつたのをなぜ調査しなかつたか、なぜ資料だけの調査よりしなかつたかということを伺いたい。
  148. 中島征帆

    中島証人 百六十万トンの貯炭は、これは三月末の貯炭でありまして、三月までに三百三十万トン処分しておりまして、九月、十月にはそれぞれ二十四、五万トン処分しておりますが、これは主として進駐軍関係であります。それから十月におきましては国鉄が七千トンほどとつておりますが、それだけであります。それ以外のものに対しましては、今の貯炭の確認をしない以上は売渡しはできないというような公団側の態度でありまして、そのためにその前から貯炭調査ということは急がしておりましたが、特に急がしてやつと十月一ぱいかかつたので、十一月以降三十万トン、四十万トンというように比較的処分数量が上昇して、三月までに三百三十万トンということになつております。
  149. 田渕光一

    田渕委員 中央の貯炭処理協議会が地方の各局に価格査定委員会をつくらせて、それらの資料がいわゆる貯炭処理協議会報告があるわけですから、価格裁定委員会もその通りだろうと思うのですが、まず私は貯炭査定委員会から聞いて行く。そうすると、その報告があつたときに、少くともこの資料面から見ると、われわれは一見しただけでもこれは不完全だということがわかりますから、十月二十四日までに調査したものが、少くとも十月末日もしくは十一月上旬に報告されたときに、なぜ生産局長としてあなたは、去年の五月から資源庁石炭管理局長として、それから今日資源庁のいわゆる炭政局長として、ずつと継続されてそのいすにすわつておられるのだから、この石炭に対して最も重大なものは、配炭公団貯炭と、あとあとできて来るところの生産と需要の面、消費の面の調査であつたろうと思う。この二つの大きな問題に対し大阪、名古屋各経済調査庁、財務局あるいは会計検査院でも不完全だという資料が出ているのに、なぜ再調査しなかつたか、あるいはそういうことが思い浮かばなかつたかということを伺います。
  150. 中島征帆

    中島証人 公団貯炭調査ないしはその確認ということにつきましては、そのときの調査には会計検査院、調査庁その他全部参加いたしておりますけれども、これは権限的に申しますと、公団清算人責任であり、またその直接の監督者である大蔵省責任であります。従つてこの調査団が一応報告しましたものをどうとるかということは、最終的には大蔵省の問題でありまして、私どもはただそばからいろいろな意見は申し上げられる立場にございます。従つてこの貯炭の数字が案外多かつたというふうなことにつきまして、多少の疑問は持ちましても、実際問題として先ほど申しましたように、経費と日時の関係からむりだろうということで、こちらは積極的に再調査のことは申し出なかつたというふうな状況であります。
  151. 田渕光一

    田渕委員 それこでの貯炭処理協議会並びに価格裁定委員会に、結局あなたは何回御出席になつてつたわけでありますか。
  152. 中島征帆

    中島証人 処理協議会の方には一回出ております。それから価格裁定委員会の方には、七回のうち一回も出ておりません。
  153. 篠田弘作

    篠田委員長 ここに書類がありますから、田渕委員にちよつとこちらから申し上げますと、四月二十七日、二十八日、五月一日、二日、それは特別鉱害、国管廃止等について午前、午後国会本会議及び通産委員会証人出席しております。五月の四日は、午前は省議であり、午後はガス料金の件について協議をしておる。五月六日だけが庁内におりまして、五月二十七日に北海道に出張しております。証人の行動はそういうふうになつております。
  154. 田渕光一

    田渕委員 この配炭公団の損失補てんのための交付金等に関する法律案というものを起案されるときに、あなたは関與されましたか。
  155. 中島征帆

    中島証人 それはいつですか。
  156. 田渕光一

    田渕委員 四月一日からですから、あれが通つたのは第七国会だつたと思うのです。それで第七国会でこれが通るということを、すでに炭政局で局長は知つてつたわけなんだ。大体この四十三億五千七百万円という赤字補填が通つてしまうという見通しはついておる。そこでことしの五月以降の価格裁定委員会というものが非常に粗漏に扱われたというような結果になつていやしませんか。
  157. 中島征帆

    中島証人 今の法律は、たしか前通常国会だと思いますが、ちようどやはり四月の下旬に、その関係大蔵委員会に私しばしば呼び出れております。従つてその法律最後的に成立したのは、やはり四月末期に近いころではなかつたかと思います。従つて裁定委員会とほとんど時を同じうしておるころではないかと思います。
  158. 田渕光一

    田渕委員 大体国会の様子を通産委員会あるいは大蔵委員会を通じて——これは政府の提案だつたと思いますが、大体これが通りそうだというような意味で、とにかく四十三億五千万円の損失ができたから、それに合すようなぐあいにこの数字を割出しておる。数字でも何でもそうだ。そうして結局百四十円、四十円という値で売つてしまつておるのですが、それを加藤清算人の努力によつて、少くとも三十億一応もらつた。その金でこの跡始末がつくようにしておるのですが、ここに不純なものがある。当時国会でこの配炭公団の損失補填の法律案が審議されておるときに、同時にこの処理されるところの委員会を継続してやつておる。何か国会と連絡をとつて、知つてつたに違いない。だからいいかげんな値段で売つてしまおうというふうな気持を持つてつたのではないかと思うが、局長はそういうことに対してどう考えるか。
  159. 中島征帆

    中島証人 私はその辺の連絡がどうなつておりますか存じませんが、そういう事実はおそらくなかつたと思います。ただ四十三億という赤字の見込みは、以前から公団で計算しておつた数字であります。従つてこれは国会に出す前から、四十三億はどうしてもこうしてもらわなければ穴は埋まらないということでずつと来ておりますので、価格裁定委員会に出されました資料も、やはり同じような関連から出て来ておりますので、その間その数字が合うということも起り得るわけであります。
  160. 田渕光一

    田渕委員 たとえば大阪の配炭公団のあの帳簿上の七十五万トン、実質は三十何万トン、こう食つてしまつたとして、その三十何万トンを一億何千万円で処分したというようなこと、これらはみなこの四十三億五千万円というものを目当にして、百四十円というもの、四十円というものを価格裁定委員会に出しておるのです。ですからこの法案を出すときには、少くとも三月ごろです。これとても私は公団あたりの策動によつて、大体こういう百何十億の赤字を、肥料配給公団あるいは食糧配給公団その他と一緒に、この損失に対して余剩金を持つて来て、百何十億のうち七十何億というものを埋めて、あとは国会が承認してくれるという空気が見えておるから、これに合うように裁定委員会がきめたことは、これは事実なんだ。あなたが何とおつしやつても、事実結果がそうなつておる。ただ私あなたにもう一つ伺いたいのは、これは答弁はなくてもよろしい。今度の問題で、配炭公団の、つまり役職員がつくつたところの組合が、よくもあれだけの値段で犠牲的に買つてくれたと思つて感謝しておりますというようなことを、この間あなたはおつしやつたのですが、よくもあれだけ悪いものをそれだけ掘らしたということを、あなたは前の局長責任を転嫁しますか。それともあなたは、自分が局長在職中にこういう粗悪炭を掘らしたがために、こういう粗悪炭として値段がたたかれたというふうにお感じになりますか。その点をはつきり伺いたい。
  161. 中島征帆

    中島証人 いわゆる粗悪炭が公団の末期に出て来たことは事実であります。従つて末期と申しますと、つまり配炭公団貯炭がたまり始めたころから、公団自体の存立があぶないというので、相当乱暴な掘り方をやつて食い込んだという事実はおそらくあつたと思いますが、その時期はやはり四月から九月の間にかけて、当然私の在職中の責任もそこに含まれております。
  162. 田渕光一

    田渕委員 つまり山元に対する検炭、検量、あるいはその監督が、自分は完全でなかつたということをお感じになつておりますか。
  163. 中島征帆

    中島証人 感じます。
  164. 田渕光一

    田渕委員 よろしゆうございます。
  165. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 大体田渕委員が今聞かれた点ですが、一般会計から四十三億の補助をもらうときの政府の考えは、公団が持つておる石炭六十七億を予想して、四十三億の赤字について政府から補助をするという予算で国会に出された。それが国会で通過しまして、四十三億が公団赤字補填として出たわけです。そこでこの四十三億は国家から出たから、これはもう全部使つていいというので、五百万トン並びにコークスの処分がすでに六十七億にも達したから、残りの一括処分については、これは極端に言えばでたらめな値段処分してもさしつかえない。大体一ぱい一ぱいに行くように公団側でやつたとわれわれは思つているのですが、監督の地位にいた証人は、この一括処分が当時いわゆるトン四十円とか百四十円というでたらめな値段で売つているという点について、気づかれておつたかどうか。またそういう今の質問の内容の点なんかを了承して、四十三億あるから、それはもうもらつておるから、大体こういう値で一括処分してもいいというお考えであつたかどうか。この二つの点です。
  166. 中島征帆

    中島証人 四月になりまして一括処分をしましたのは、三月三十一日までに全部の貯炭処理しろという根本方針が定まつておりまして、それに百六十万トンの残りを公団は九月末までに処理するということ、これも方針としてきまつておりますので、百六十万トンをできるだけ早くさばくためには、名歩むりがあつても一括してやらねばならないという判断を公団でやつたと思います。その間の事情は、私も始終連絡を受けていないのでありますが、大体そういうような空気でありました。それから価格裁定委員会には出ることができませんでしたけれども、もちろんこれは各方面の意見が入つております。特に公団といたしましても、また責任者大蔵省側といたしましても、これはできるだけ高く売らなければ赤字が出るということははつきりしておりました。その意味におきましては、生産関係立場にあるわれわれよりか強いわけである。そのために価格裁定委員会できめられる値段というものは、もちろん低過ぎることはあるまいという確信を私どもは持つておりました。ただその後聞きまして、百四十円とかいう数字が出ましたときに、これは私どもももちろん常識として非常に安いという感じを受けております。ただその値段がもつとそれ以上に売れなかつたかということにつきましては、これは具体的に資料を調べた上でなければ意見は申し上げられませんけれども感じとして安いなという感じを持つたということは否定しておりません。
  167. 田渕光一

    田渕委員 予定の時間だからこれだけ聞いておきます。国会で配炭公団の損失補填法が通過するという予定のもとに、いかに価格裁定委員会がやつたかということを裏づけるものがここにある。たとえば大阪で七十万トンの石炭を一億七百八十九万一千円にぶつきつた。いわゆるネツト百四十円に出すためにこういうむりなことをしている。これはひとつ速記録にとどめておいてもらいたい。というのは協同組合がこの処分をやるためにつくつた第二会社、すなわち大阪配炭会社の次長であつた大西君が入つているこの協同組合が、一箇月三百五十万円の組合費が十八箇月分かかりますといつて五千四百万円という数字を出して来ているのです。それからこの石炭を拂い下げて、金をまだ拂い込んでいないのに、日歩二銭六厘といたしまして一億八千万円という数字を出している。また貯炭場整理費として二万五千トンに対してトン三百円で七百五十万円という苦しい勘定を出して来ておるのであります。また貯炭の搬出費用としてトン百八十円で六千九百五十二万円、それから操替費として八万一千トンをネツト三百円で二千四百三十万円、それから廃棄費——廃炭六万トンを捨てなければなるまいとしてトン二百円で一千二百万円、貯炭場の費用が八百四十万円、一箇月百十七万円の貯炭費用を拂つている。この廃炭は、われわれが見たところでは百トンの廃炭もない。しかるに大阪では六万トン廃棄するのにトン二百円かかる、捨てるためにトン二百円かかるとして一千二百万円、こういうようなぐあいで、トン百四十円で処分をしようという構想のもとにずつと苦しい計算をして、結局追い込んだところがトン百四十円で売つた。だから四十三億五千万円という配炭公団の損失補填が通るという国会の様子を見ておつて、同時にそれと並行審議されておつた価格裁定委員会に持ち込んでおることははつきりしておる。これを私はあなたによく考えてもらいたいと思う。いかにむりをやつたかということがわかるのであります。
  168. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは中島証人に対する尋問はこれで打切りまして、午後二時に委員会を再開いたします。  それでは休憩いたします。     午後一時五分休憩      ————◇—————     午後二時四十六分開議
  169. 篠田弘作

    篠田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  ただいまお見えになりました証人は、峰尾好郎さん、小野田有年さん、馬屋原隆志さんですが、これより配炭公団をめぐる不正事件について証言を求めることにいたします。  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  峰尾さん代表して宣誓書朗読願います。     〔証人峰尾好郎君各証人代表して朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  170. 篠田弘作

    篠田委員長 では宣誓書に署名、捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  171. 篠田弘作

    篠田委員長 峰尾さん、小野田さん、馬屋原さんの順序で証言を求むることになりますから、小野田さん、馬屋原さんはしばらく元の控室でお待ち願います。  峰尾さんですね。
  172. 峰尾好郎

    峰尾証人 はい。
  173. 篠田弘作

    篠田委員長 峰尾さんは今何をやつておられますか。
  174. 峰尾好郎

    峰尾証人 ただいまは丸ノ内にあります極東海運株式会社の取締役に就任しております。
  175. 篠田弘作

    篠田委員長 常務ですか。
  176. 峰尾好郎

    峰尾証人 目下は取締役です。
  177. 篠田弘作

    篠田委員長 以前は何をやつておられましたか。
  178. 峰尾好郎

    峰尾証人 以前は常務取締役をやつておりました。
  179. 篠田弘作

    篠田委員長 会社設立の時期、資本金、目的、事業、所有船舶数、役職員数について説明してください。
  180. 峰尾好郎

    峰尾証人 会社設立は昭和二十二年三月と記憶しております。それから会社目的は海運業を目的としております。資本金は最初十八万五千円で発足いたしまして、途中増資しまして、現在は二百二十万円になつております。
  181. 篠田弘作

    篠田委員長 どういう事業をやつておりますか。
  182. 峰尾好郎

    峰尾証人 海上輸送業です。
  183. 篠田弘作

    篠田委員長 船舶数は。
  184. 峰尾好郎

    峰尾証人 船舶数は目下改E型一隻です。
  185. 篠田弘作

    篠田委員長 何トンぐらいの船。
  186. 峰尾好郎

    峰尾証人 総トン約九百トン。積載トン千四百トン。
  187. 篠田弘作

    篠田委員長 役職員の数は。
  188. 峰尾好郎

    峰尾証人 役員は現在のところ四名、職員は海上勤務員、陸上勤務員全部総括しまして約七十三名と記憶しております。
  189. 篠田弘作

    篠田委員長 運輸省海運総局所轄の航海訓練所の練習船をもつて配炭公団石炭を輸送したことにつき説明を願います。まず第一に練習船を利用するに至つた事情はどういう事情ですか。
  190. 峰尾好郎

    峰尾証人 第一番に練習船を利用するに至りました事情は、会社設立当時担当取締役が三名おりました。そのうち船舶の方を取扱いましたのは稻井俊明と申します。私は庶務関係の方を担当しておりました。業務担当しておりましたのは清水勇と申します取締役、従つてどういうふうな経路で訓練船を使用することになつたかは、はつきり私にはわかつておりません。
  191. 篠田弘作

    篠田委員長 だれに聞いたらわかるのですか。
  192. 峰尾好郎

    峰尾証人 稻井俊明です。
  193. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると公団のだれと折衝したかということもわかつておりませんか。
  194. 峰尾好郎

    峰尾証人 公団とは直接折衝した事実はありません。私の方では公団石炭を輸送します場合に、当時八重州口に西日本石炭輸送株式会社というのがございました。そこを私がよく知つておりました関係から、その西日本石炭輸送株式会社へ訓練船を使うことを依頼しました。
  195. 篠田弘作

    篠田委員長 西日本から受取つた運賃は幾らですか。
  196. 峰尾好郎

    峰尾証人 西日本から現在手元に入りました金額でございますか。
  197. 篠田弘作

    篠田委員長 とにかく受取つた運賃。
  198. 峰尾好郎

    峰尾証人 千三百何がしと記憶しております。
  199. 篠田弘作

    篠田委員長 千三百円。
  200. 峰尾好郎

    峰尾証人 いや、千三百万円です。つまりそれは帳簿上におきましては千六百七十万ほどになつておりますが、そのうちから西日本の手数料を向うへ返しましたから、差引千三百五十万ほどと記憶しております。
  201. 篠田弘作

    篠田委員長 帳簿上は千六百何ぼになつておる。
  202. 峰尾好郎

    峰尾証人 千六百七十万と記憶しております。
  203. 篠田弘作

    篠田委員長 そのうち、千三百万円というと、三百七十万円ばかり返したわけだな。
  204. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうでございます。西日本石炭の手数料として向うに出しました。
  205. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、西日本石炭というものは、自分では何もしないで、ただ窓口を通すトンネル会社つたわけですか。
  206. 峰尾好郎

    峰尾証人 いわばトンネル会社とも申せますし、また統制会社のようなかつこうのものだと記憶しております。つまり山口、九州炭を阪神並びに東京地区へ持つて参ります場合に、一般海上輸送業者は、公団から直接輸送業務を受託することができないような状態にありました。汽船を使います場合には船舶運営会、機帆船を使用します場合には西日本石炭株式会社と、判然と二つにわかれておりました。
  207. 篠田弘作

    篠田委員長 それはだれがそういうことにわけたかわかりませんか。
  208. 峰尾好郎

    峰尾証人 そこまでは存じません。
  209. 篠田弘作

    篠田委員長 それであなたは航海訓練所へ幾らつたのですか。
  210. 峰尾好郎

    峰尾証人 はつきりした資料が手元にありませんので概算で申し上げますが、大体二百八十万円ほどと記憶しております。
  211. 篠田弘作

    篠田委員長 どうしてはつきりした資料が手元にないのですか。
  212. 峰尾好郎

    峰尾証人 いや現在ここにないわけです。
  213. 篠田弘作

    篠田委員長 そうしますと、あなたの方は、西日本から千六百七十万円受取つておるというのですね。二千百八十万円受取つたのではないのですか。
  214. 峰尾好郎

    峰尾証人 千六百七十万円と記憶しております。
  215. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると二百八十万円を航海訓練所に拂つて三百七十万円を西日本に拂つて、あなたの手元には幾らつたですか。
  216. 峰尾好郎

    峰尾証人 約一千万ほどと記憶しております。しかしこれは記憶ですから、正確のものを御希望でしたら、後ほど書類にいたしまして提示いたしてもよろしいと思います。
  217. 篠田弘作

    篠田委員長 あなた、きようはここに呼ばれるときに、書類も、それから何も——大体どういうことを聞かれるかということもわからずにここに来ましたか。
  218. 峰尾好郎

    峰尾証人 大体この件とは承知いたしておりましたが、ずつと休んでおりまして……。
  219. 篠田弘作

    篠田委員長 いつまで休んでおつた……。
  220. 峰尾好郎

    峰尾証人 昨日まで……。御通知がありましたのは二十八日、ずつと扁桃腺で休んでおりました。
  221. 篠田弘作

    篠田委員長 しかしそのくらいのものは、考査委員会へ呼ばれていたら調べて来るのがあたりまえじやないですか。ただ漫然とここへ来て何をしやべるつもりでしたか。それであなたのところでは帳簿を燒いておるのではないですか。
  222. 峰尾好郎

    峰尾証人 処分したことはあります。
  223. 篠田弘作

    篠田委員長 処分とはどういうことですか。
  224. 峰尾好郎

    峰尾証人 燒きました。
  225. 篠田弘作

    篠田委員長 帳簿を燒いて、どうしてこれから調べることができますか。
  226. 峰尾好郎

    峰尾証人 それは西日本の帳簿を基礎といたしまして……。
  227. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは君の方の帳簿を燒いて、西日本の方の帳簿にばつを合すということになる……。
  228. 峰尾好郎

    峰尾証人 西日本の方で全部明細な支拂い金額が記載してありますから……。
  229. 篠田弘作

    篠田委員長 その明細な支拂い金額が、実際君らが受取つた金額と違うから考査委員会が調べるのに、自分の方の帳簿を燒いてしまつて、西日本の方の帳簿でそういうことをやつても、正確なものは出て来ないのじやないですか。なぜ帳簿を燒いたの。あなたは常務取締役であるから、なぜ帳簿を燒いたかということは返答できるだろう。常務取締役に断りなしに、まさか小使が帳簿を燒くわけはあるまい。どういうわけで帳簿を燒かなければならなかつたか、そのいきさつについて述べてください。
  230. 峰尾好郎

    峰尾証人 当時それは航海訓練所の方へ寄付金を出したわけであります。それから配炭公団に私の友人がおりまして、そこの第二係をやつておりました長坂に小づかいを出した。
  231. 篠田弘作

    篠田委員長 なんぼ出したのですか。
  232. 峰尾好郎

    峰尾証人 二十七万円です。その後長坂がほかの事件で警視庁の捜査二課へ連行されました事実がありましたので、その際処分いたしました。
  233. 篠田弘作

    篠田委員長 その二十七万円を出しているということがわかつては困ると思つて処分したのですか。
  234. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです。
  235. 篠田弘作

    篠田委員長 二十七万円を隠すために、あとの全部の正確な資料を燒いたわけですか。
  236. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです。
  237. 篠田弘作

    篠田委員長 だれが燒いたのですか。
  238. 峰尾好郎

    峰尾証人 それは私も一応話は聞きましたが、実際には私は燒いておりません。
  239. 篠田弘作

    篠田委員長 だから、だれが燒かせたのですか。
  240. 峰尾好郎

    峰尾証人 稻井常務が知つていると思います。
  241. 篠田弘作

    篠田委員長 その人は今いるのですか。
  242. 峰尾好郎

    峰尾証人 はあ、おります。
  243. 篠田弘作

    篠田委員長 單に長坂君の二十七万円だけではなしに、公団とか官庁とか、そういう方面にいろいろ不正な金がばらまかれているのじやないですか。
  244. 峰尾好郎

    峰尾証人 公団関係は長坂君ともう一人係長をやつております小泉と申します者、この二名以外は全然存じ上げておりません。
  245. 篠田弘作

    篠田委員長 小泉係長には幾らつているのですか。
  246. 峰尾好郎

    峰尾証人 小泉はやつておりません。
  247. 篠田弘作

    篠田委員長 それであなたのところは航海訓練所に二百八十万円拂つた言つておるが、これは一体幾らの運賃に対して二百八十万円を拂つたのですか。
  248. 峰尾好郎

    峰尾証人 運賃は、当時公定運賃の約三分の二を運賃とみなして支拂つたらどうか、こういう話がありまして、公定運賃の三分の二を基準としまして支拂いました。
  249. 篠田弘作

    篠田委員長 公定運賃にも機帆船の運賃と汽船の運賃があるが……。
  250. 峰尾好郎

    峰尾証人 汽船公定運賃の三分の二です。
  251. 篠田弘作

    篠田委員長 ところが実際は、機帆船の運賃を公団からとつておるのじやないですか。
  252. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうであります。
  253. 篠田弘作

    篠田委員長 なぜ公団から機帆船の運賃をとつて、汽船の運賃を拂つたのですか。
  254. 峰尾好郎

    峰尾証人 当時のその間の詳しい事情は私にもわかりませんが、西日本石炭輸送株式会社で取扱います輸送船は、全部機帆船運賃を領收しておりましたように記憶しております。
  255. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると西日本からあなたの方へ拂つたのは、汽船の運賃で拂つたのですか。
  256. 峰尾好郎

    峰尾証人 機帆船運賃でいただきました。
  257. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは君の方で機帆船運賃でもらつて、汽船運賃で拂つておれば、それだけの差額というものはどうしたのですか。
  258. 峰尾好郎

    峰尾証人 会社自身が利得いたしました。
  259. 篠田弘作

    篠田委員長 なんぼですか。
  260. 峰尾好郎

    峰尾証人 その差額が約一千万円ほどになります。
  261. 篠田弘作

    篠田委員長 これが今の一千万円だね。
  262. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうであります。
  263. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると君のところは要するにトンネル会社なんだな。
  264. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうであります。
  265. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると自分のところに船を持たないで、よそのうちの船を借りて来て、それに運ばせて、そして運賃は機帆船の運賃で千六百七十万円くらいとつて、実際は二百八十万円きり渡さないで、トンネル料として千万円とつたわけですね。
  266. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです。
  267. 篠田弘作

    篠田委員長 証人は航海訓練所所長名古屋松太郎及び元配炭公団西部配給課員長坂に金を貸したというけれども、実際はこれは貸したのじやなくて、贈賄をしたのじやないですか。
  268. 峰尾好郎

    峰尾証人 いや、この点はただいま裁判所側でもお調べになつておられますが、私と長坂とは、この仕事が始まります以前から友人関係であります。
  269. 篠田弘作

    篠田委員長 何年くらい前から……。
  270. 峰尾好郎

    峰尾証人 昭和二十一年から。
  271. 篠田弘作

    篠田委員長 それではその名古屋松太郎に百万円ほどやつたというのはどういうわけですか。
  272. 峰尾好郎

    峰尾証人 名古屋松太郎氏にやりましたのは、名古屋氏の方から、当時航海訓練所が丸の内の運輸省の八階にありまして、それが今の厚生省の方へ移転しましたため、いろいろな設備費がかかるというような話から、寄付しないか、寄付しましようか、こういう話が出まして、出しましたわけであります。従つて申越しのありました百万円と申しますのも、百万円出し得ないからというような数々の折衝がありまして、現実には八十万円を出しました。その後に不要になつたからといつて、五十万円返済を受けています。
  273. 篠田弘作

    篠田委員長 それは航海訓練所に寄付したのであつて、名古屋松太郎個人に寄付したのじやないのですね。
  274. 峰尾好郎

    峰尾証人 私の方の記録には航海訓練所に寄付いたしましたことになつております。
  275. 篠田弘作

    篠田委員長 受取りか何かとつてあるのですか。
  276. 峰尾好郎

    峰尾証人 受取りはとつておりません。金を渡したときは稻井氏が渡しております。
  277. 篠田弘作

    篠田委員長 さつきの稻井常務ですか。
  278. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです、稻井俊明です。
  279. 篠田弘作

    篠田委員長 稻井という人はここに来ておりますか。
  280. 峰尾好郎

    峰尾証人 ここには来ておりません。
  281. 篠田弘作

    篠田委員長 どこに来ておりますか。
  282. 峰尾好郎

    峰尾証人 会社には来ております。先ほど一緒に参りましたが、何かいけないとかいうお話で帰りました。
  283. 篠田弘作

    篠田委員長 委員諸君の中に、以上の点について御質問はありませんか。
  284. 島田末信

    ○島田委員 極東海運株式会社の社長は……。
  285. 峰尾好郎

    峰尾証人 極東海運株式会社の社長は、峰尾公嵩と申します。
  286. 島田末信

    ○島田委員 この社長の峰尾さんとあなたとはどんな関係ですか。
  287. 峰尾好郎

    峰尾証人 兄弟です。
  288. 島田末信

    ○島田委員 あなたが弟ですね。
  289. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです。
  290. 島田末信

    ○島田委員 それから今の百万円は、実際は八十万円しか渡していない、ところがあとから五十万円いらないから……。
  291. 峰尾好郎

    峰尾証人 返済を受けました。
  292. 島田末信

    ○島田委員 これはやはり最初は名古屋松太郎個人か、航海訓練所へ寄付したつもりか。
  293. 峰尾好郎

    峰尾証人 私の方では航海訓練所へ寄付申し上げましたが、名古屋氏がその金を受取りましたときに、何かの問題で自宅へ持つてつたらしいのです。それから贈收賄というような問題が出たわけであります。
  294. 島田末信

    ○島田委員 これは名古屋氏が受取つた八十万円のうち、実際にさらにまた五十万円返しておるから三十万とつたことになりますね。その三十万円というのは、何か航海訓練所のいろいろな修繕とか、そういつた公的なものに使つておりますか。
  295. 峰尾好郎

    峰尾証人 そういうものに使つておると聞いております。
  296. 島田末信

    ○島田委員 聞いておるが、実際はどうです。
  297. 峰尾好郎

    峰尾証人 私はそこまではわかりません。
  298. 島田末信

    ○島田委員 個人で費消したというような形跡はありますか。
  299. 峰尾好郎

    峰尾証人 私たちが知つている範囲では、全然ありません。
  300. 横田甚太郎

    ○横田委員 簡單に数字だけ聞きます。運賃ですが、これは公団の拂つているのは二千二百三十二万四千三百十七円になつておりますね。
  301. 峰尾好郎

    峰尾証人 公団が支拂いました金額ですか、私の方は公団からの支拂いは受けておりません。
  302. 横田甚太郎

    ○横田委員 そのうちの三%西日本がとつておるでしよう。そういたしますと、六十六万九千七百二十九円ですか、これが西日本がとつておるわけですね。そうするとあなたがお受取りになりましたのは、二千百六十五万四千五百八十七円になるのですが、その点ちよつと食い違つておるのはどうなつておりますか。
  303. 峰尾好郎

    峰尾証人 それは私たちの会社公団から直接代金を受領いたしませんで、西日本から受領することになつております。
  304. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたもう一回幾ら受取つた言つてください。
  305. 峰尾好郎

    峰尾証人 千六百七十万円です。
  306. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすると、ずいぶん差額がありますね。
  307. 峰尾好郎

    峰尾証人 今御質問のありました三%に間違いがあると思います。
  308. 横田甚太郎

    ○横田委員 これよりもつとよけいに西日本がとつておるのですか、どういうわけか。
  309. 峰尾好郎

    峰尾証人 これは現地の積込み諸費用、それに要します資材費、そういうふうなものを全部加算しまして、差引きされております。三%と申しますのは、実際に会社の手元に入る純粋の金額だけを申し上げるのだと思います。積込みに要します実費、資材の点などは別計算になるのじやないかと思います。
  310. 横田甚太郎

    ○横田委員 それじや三%以外に、四百九十五万円ですか、これだけのものがよけいとられておるのは、今あなたの言われる積込みの諸費用、それから資材費、こんなものですね。
  311. 峰尾好郎

    峰尾証人 それもありますし、現地の出張員に対するこちら側の謝礼も入つております。たとえば九州若松から京浜に石炭を運びますときに、若松に西日本石炭の支店がございます。その支店の人たちに対する謝礼なんかも私の方では拂い出しております。
  312. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしたら、積込費ですね、これは公団持ちになつておるのを、どうしてあなたのところが肩がわりするのですか。
  313. 峰尾好郎

    峰尾証人 私の方はその点は存じ上げません。
  314. 横田甚太郎

    ○横田委員 私たちが九州に調査行つたときは、西日本で三%以外はもらつておらないということを言つております。
  315. 峰尾好郎

    峰尾証人 今一ぺん西日本の関係者の方をお調べ願いたいと思います。
  316. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたの方はもらつてないのですね、三%以外は。
  317. 峰尾好郎

    峰尾証人 私の方は三%以外は……。
  318. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすると、西日本はあなたの方から三%とつた以外に、四百九十五万円、これだけの金を積込み諸費用とか、資材費用、こういうものにかかつたといつてつておるのですね。間違いないですね。
  319. 峰尾好郎

    峰尾証人 はい。
  320. 横田甚太郎

    ○横田委員 私たちが調査行つた結果は、西日本としては三%以上はとつておらない。こういうことになつておりますが、いいですか。
  321. 峰尾好郎

    峰尾証人 そのお調べになりましたのは、現地の支店でございますか、本社でございますか。
  322. 横田甚太郎

    ○横田委員 現地です。
  323. 峰尾好郎

    峰尾証人 私たちの受領しました代金は、東京支店を経由していただいておりますから……。
  324. 横田甚太郎

    ○横田委員 人的関係はどうなつておりますか。
  325. 峰尾好郎

    峰尾証人 当時会計課長をやつておりました下青木課長を通じて支拂いを受けております。下青木氏が検察庁に提出した書類も、千六百七十万円となつておるように記憶しております。
  326. 横田甚太郎

    ○横田委員 間違いないですね。
  327. 峰尾好郎

    峰尾証人 はい。
  328. 篠田弘作

    篠田委員長 それから今聞くと、実際において西日本は積込みも何もしておらぬ会社なんでしよう。
  329. 峰尾好郎

    峰尾証人 さあ、積込みはしていると思います。私もそれははつきり断言いたしかねます。
  330. 篠田弘作

    篠田委員長 実際しておらない。それで積込料もとつておる。手数料もとつておる。また、あなた方はその下におつて、積込みもおろしも何もしないで、名前を貸しただけで一千万円もうけておる。そういううまいことをだれが考え出したか。あなた方の方はよほど知惠者が多いのだね。船も持つていなければ積込みもしないで、何にもしないで、ただまん中にあなた方の極東海運という名前を貸しただけで、一千万円ずつとにかく入つて来る、そういう組織というものは一体だれが考え出したか、あなたが考え出したのじやないか。兄さんが考えたか。
  331. 峰尾好郎

    峰尾証人 いや、社長は全然関知しておりません。大体私と稻井です。
  332. 篠田弘作

    篠田委員長 それはだれに話合つてそういうものをつくつたのか。だれが西日本に話をつけたのか。
  333. 峰尾好郎

    峰尾証人 西日本に話をつけましたのは、当時西日本の業務担当しておりました神戸徳治という方がありました。その人と話合いました。
  334. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたはそういうことは非常にいいことだと思つておるか、正しい営業だと思つておりますか、どうですか。
  335. 峰尾好郎

    峰尾証人 正しい営業だと思つておりません。
  336. 篠田弘作

    篠田委員長 それを全部承知の上でトンネルをやつたわけだな。
  337. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです。
  338. 田渕光一

    田渕委員 長坂へ二十七万やつたというのは、大体元配炭公団の西部の配給課員であつた長坂と証人はお知合いだから、そこでたくらんだのじやないか、こういうことをやつてトンネル会社をやれば、石炭を扱わすからというようなことじやないですか。
  339. 峰尾好郎

    峰尾証人 いや、違います。私たちと公団と直結してやることができない機構になつております。私たちの会社公団のものをそういう契約のもとに輸送するということは、全然不可能の状態にあります。
  340. 田渕光一

    田渕委員 今委員長から尋ねられたときに、あなたは正しいことじやないと思つたと言う。ところが配炭公団の品物、結局国民の税金ですね、そういうものを一銭でも安くしなければ国家が再建しないのに、こういうことをしたら悪いと思つておりますということをあつさり口先で言うが、つまり国民の税金を一千万円ごまかしたということになる。機構はうまくつくつたけれども、トンネル会社をつくつてつたのは悪いということはわかつておると言うだけで済むと思いますか。国民の税金の金ですよ。一万とか十万とかいうことならともかく、一千万円からのものを拔いて、国民に対してどういう御感想ですか。
  341. 峰尾好郎

    峰尾証人 申訳ないと思つております。
  342. 田渕光一

    田渕委員 そういう不当な利益をされたものを、社会事業に使うとか、国家再建にお使いになるとか、少しそういう方面にお使いになりましたか。やはりこの会社の資金の中に利益として蓄積されておりますか。
  343. 峰尾好郎

    峰尾証人 蓄積されておりません。
  344. 田渕光一

    田渕委員 どういう方面に処理されましたか。参考までに伺いたい。ここは検事局でありませんけれども、心証上やはり伺いたい。
  345. 峰尾好郎

    峰尾証人 大体の使途は、二十三年から二十四年にかけましての会社の経費、それから当時会社で伊予丸という改E型の戰標船を修理しておりましたが、その修理費。残余のものは、私と稻井と二人で使いました。
  346. 島田末信

    ○島田委員 証人はその使い道に対してはなおいろいろ言いたいこともあるだろうと思うが、みな二人で使つてしまつたと言うから、それ以上追究しませんが、この運輸省海運総局所管の航海訓練所の練習船をもつて輸送したのでありますが、もしほかの業者が持つておる機帆船でこれだけの量を輸送した場合の運賃は大体どのくらいになりますか。
  347. 峰尾好郎

    峰尾証人 その利益金でございますか、総收入でございますか。
  348. 島田末信

    ○島田委員 いわゆる総水揚げです。
  349. 峰尾好郎

    峰尾証人 総水揚高は、機帆船を使用したときも同様でございます。
  350. 島田末信

    ○島田委員 そうすると、練習船を使つたために非常な利益が上つたというわけですね。そうすると練習船自体が結局だしに使われたというだけですね。
  351. 峰尾好郎

    峰尾証人 そうです。
  352. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは峰尾証人に対する尋問はこれで一応打切ります。  小野田有年さんですか。
  353. 小野田有年

    ○小野田証人 はい。
  354. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは今何をやつておりますか。
  355. 小野田有年

    ○小野田証人 日本石炭協会の調査部長をやつております。
  356. 篠田弘作

    篠田委員長 その前は何をやつておりましたか。
  357. 小野田有年

    ○小野田証人 配炭公団の石炭局長をやつておりました。
  358. 篠田弘作

    篠田委員長 証人はいつからいつまで配炭公団の石炭局長をやつておりましたか。
  359. 小野田有年

    ○小野田証人 二十三年の六月からと思います。二十四年の十月半ばまでやつておりました。
  360. 篠田弘作

    篠田委員長 その前は何をやつておりましたか。
  361. 小野田有年

    ○小野田証人 その前は配炭公団の監理局長をしておりました。
  362. 篠田弘作

    篠田委員長 その前は。
  363. 小野田有年

    ○小野田証人 その前は日本石炭の広島支店長をしておりました。
  364. 篠田弘作

    篠田委員長 常磐炭の海上輸送についてお尋ねしますが、いつからいつごろまで輸送しましたか。
  365. 小野田有年

    ○小野田証人 お答えいたします。常磐炭の海上輸送の問題は二期にわたつて、二つの事情があつたのですが、二十三年の四月から二十四年の一月まで、これが第一回の問題、第二回の問題が二十四年の六月から九月までの問題、こういうふうにわかれております。
  366. 篠田弘作

    篠田委員長 なぜ海上輸送をやつたか、その理由説明してください。
  367. 小野田有年

    ○小野田証人 第一回の問題と第二回の問題とは事情を全然異にいたしておるのですが、まず第一回の事情からお答えをいたしたいと思います。第一回の事情といたしましては、先ほどお話いたしましたように、二十三年四月以降の問題でありまして、一例として申し上げたいと思うのですが、資料が少し古うございますけれども、二十三年三月の配炭につきまして申し上げますと、当時は輸送力の制約がありましたものですから、政府から配当のわくがありますと、なるたけ全国的に平均的な品位のものをわける方針でありますが、九州炭を東北に持つて行くわけにも行かず、北海道炭を宇部地方に持つて行くわけにも行かず、そういうような事情のために、各地方別の配炭の品位が非常にむらがありました。二十三年三月の例で申し上げますと、小樽が五千七百四十九カロリー、仙台……。
  368. 篠田弘作

    篠田委員長 そういうことは聞いてないのです。何カロリーという説明は聞いていない。
  369. 小野田有年

    ○小野田証人 関連して申し上げたいと思います。
  370. 篠田弘作

    篠田委員長 そういうカロリーまで言う必要はありません。
  371. 小野田有年

    ○小野田証人 そういうような品位の差が産出地の制約のためにありますので、東京方面が名古屋方面に比べまして配炭品位が総平均で非常に悪かつたわけであります。しかも東京方面は御存じのように、東京瓦斯とか日本鋼管とか重要工場がありまして、配炭される炭の中から特にいいやつが優先的にとられる、そういう事情のために、ほかの工場が名古屋方面に比べますと非常に配炭品位が低くなるわけなのです。その問題で、当時公団に対しまして需要家の方面から、こういう品位の地方別の偏差を極力訂正してもらいたいという要請が強かつたのです。それで私が就任いたしましたのが二十三年の六月ごろと思いますが、その後輸送事情も大分改善されて参りましたものですから、この際多少の犠牲は忍んでも、同じ産業は名古屋でも東京でも似たような品位のものを配炭されるようにという、各需要家の要請にひとつこたえようじやないかということになり、この問題をわれわれの石炭局内部で取上げたのであります。もちろん公団の最高方針として、最高機関にかけて実施に移すことになつたのでありますが、その方針に即してやつた場合に、従来の配炭のままでは常磐炭などはどうしても東京方面に流れる。常磐炭で東京方面が埋まると、優良な北海道炭を名古屋の方に配炭することになる。その間の調整をするためには、常磐を多少むりしてでも名古屋方面に向ける。そうすれば北海道炭を従来より以上に京浜方面に向け得る。その結果両地域の配炭上の品位の偏差の調整ができるという見解から、第一回の常磐炭の名古屋方面への海送をやりました。これが第一の事情であります。
  372. 篠田弘作

    篠田委員長 品位の地方差を少くするために、常磐炭を海上輸送したとあなたは言つておるが、それはどういうわけで汽車でできなかつたのですか。
  373. 小野田有年

    ○小野田証人 それは当時常磐炭を名古屋方面に向ける場合、貨車で向け得る最高の数字を向けた上は、それ以上の数量を名古屋に持つて行くことは、貨車輸送力に制約されてできぬという事情にありましたから、それ以上のものは海送でやるより仕方がないというので、海上輸送をしたわけです。
  374. 篠田弘作

    篠田委員長 貨車輸送をするには制限があるから船でやつたということですか。
  375. 小野田有年

    ○小野田証人 そういうことです。
  376. 篠田弘作

    篠田委員長 それはいつごろですか。
  377. 小野田有年

    ○小野田証人 それはこの問題が取上げられました二十三年四月ないし二十四年一月ごろの間の事情考えております。
  378. 篠田弘作

    篠田委員長 二十三年九月ごろから貨車輸送は非常に緩和して来たということを官庁その他の方面の証人は述べておる、また実際二十三年九月ごろからは貨車輸送は緩和して来ておるのに、どういうわけで三倍も高い運賃を拂つてそういうことを継続したのですか。
  379. 小野田有年

    ○小野田証人 これは概括的に申しますと、大分前のことですから、今私は正確な記憶はありませんが、二十三年の夏に就任いたしまして、一番問題として取上げましたのは、二十三年の下期の貨車なり、機帆船なりの輸送力を、どういうふうにして万全を期するかという問題を大きな問題として取上げて来たのであります。そういう点から考えまして、概括的に、まだ二十三年下期程度において、貨車が非常に潤沢になつた——改善はされておりましたでしようけれども、自由な状態になつたということは考えておりません。なお常磐から名古屋方面へ送るにつきましては、これは技術的なことを私は承知しておりませんけれども、あの地域の特殊な輸送上の制約もあつたように心得ております。
  380. 篠田弘作

    篠田委員長 この海上輸送の点については、公団内部に非常な非能率であり、非採算的であるということで反対があつた。そこでさつき資源庁中島炭政局長証言によると、これは初め安本と資源庁とで公団にそれを勧告したものであつて公団の内部には反対があつたということを認めておるのだけれども、あなたの今の証言によると、公団の内部からこれを持ち出して行つたというふうに聞えるが、その点の食い違いはどうですか。
  381. 小野田有年

    ○小野田証人 私の記憶では、先ほどお話しましたように、二回の問題がありまして、第一回の問題は、地域別カロリー偏差を調整するという公団配炭実施当局の考え方をもとにして、公団内部の意見もまとめて、もちろんその実施の問題の根本方針は、いずれも安本なり、資源庁なりの了解を得ましたから、了解を得た上、実施したことは間違いございません。
  382. 篠田弘作

    篠田委員長 この問題について何か馬屋原さんとあなたは話し合つたことはありますか。
  383. 小野田有年

    ○小野田証人 この問題は一昨日ですか、馬屋原氏が前回ここで証言に立ちまして、こういう問題があつたというお話配炭公団で伺つております。配炭公団局長ですから、そういうようなことはすべてを伺つております。
  384. 篠田弘作

    篠田委員長 二、三日前のことを聞いたのではなくて、この常磐炭の海上輸送をするについて、何か馬屋原さんと話し合つたことはありませんか。
  385. 小野田有年

    ○小野田証人 それは、馬屋原さんと当時どういう話をしたかということは、よく覚えておりませんが、機構上の問題として考えられますのは、こういうルートを実施する場合は、御存じのように、プールの收支の問題と関連いたしますものですから、そのルートが大きく改められる問題におきましては、当然石炭局が当時業務局と連繋をとつて進めたものだと信じております。また石炭局だけがこういうルートの著しい変更を独断でやるというような場合があれば、当然業務局から、これはプールの收支操作上問題ではないかという問題が提起されるわけでありますから、その問題はいつ、どういうふうに打合せたという記憶はありませんが、公団内部の機構上からいつて、当然そういう連絡は保たれた上に実施されたものだと考えております。
  386. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは今最高の機関に諮つて決定したと言つておりますが、最高の機関とはどういう機関ですか。
  387. 小野田有年

    ○小野田証人 最高の機関と申しますのは、当時配炭公団の役員会もしくは局長会議でございます。そういう石炭局の運営の根本問題は、そういう会議に付議した上決定いたしまして、石炭局だけで実施することはございません。
  388. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、そのとき馬屋原さんは局長をしておつたから、当然このことは知らなければならないというわけですね。
  389. 小野田有年

    ○小野田証人 それはただいまお話しましたように、機構的には連絡のあつたことと信じております。
  390. 篠田弘作

    篠田委員長 機構上……。
  391. 小野田有年

    ○小野田証人 はい。
  392. 篠田弘作

    篠田委員長 ですから、二十三年五月ごろに練習船で海上輸送をすることについては、最初非常に反対論があつたということをわれわれは聞いておるのですが、公団内部にも、現地にも……。
  393. 小野田有年

    ○小野田証人 それは承知しておりません。
  394. 篠田弘作

    篠田委員長 反対論は知らない……。
  395. 小野田有年

    ○小野田証人 はい。
  396. 篠田弘作

    篠田委員長 あとでも知らなかつたのですか。
  397. 小野田有年

    ○小野田証人 こういう問題はあとでも存じておりません。
  398. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは一番初めからしまいまで、海上輸送について公団の内部なり、現地に反対論があつたということは承知しておりませんね。
  399. 小野田有年

    ○小野田証人 承知しておりません。ただ念のために申し上げたいと思いますのは、現地的な考え方からですが、後ほど申し上げます二十四年六月から九月までの送炭の場合で申し上げたいと思いますが、現地当局と中央の公団方針というものは、いつでもマツチする場合のみではないわけでございます。
  400. 篠田弘作

    篠田委員長 現地の声と公団の方式がマッチするかしないか聞いておるのではない。現地にそういう反対論があつたかどうかということを聞いておる。
  401. 小野田有年

    ○小野田証人 存じておりません。
  402. 篠田弘作

    篠田委員長 これは馬屋原氏は初めは知らないが、後ではそういうことを知つておるということを言つておるけれども、同じ局長でありながら、あなたは知らない、片一方は知つておるのですね。
  403. 小野田有年

    ○小野田証人 存じておりません。
  404. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたはそのときまだ石炭局長になつておらなかつたわけですね。
  405. 小野田有年

    ○小野田証人 私がなりましたのは中間でございます。
  406. 篠田弘作

    篠田委員長 始まつたときのいきさつはあなたはわからないのですね。
  407. 小野田有年

    ○小野田証人 そうです。継続中の作業を私が担当したわけです。
  408. 篠田弘作

    篠田委員長 継続作業を担当したが、一番初め海上輸送するかどうかということの相談には、あずからなかつたわけですね。
  409. 小野田有年

    ○小野田証人 そうです。
  410. 篠田弘作

    篠田委員長 先ほど中島炭政局長は、安本と資源庁がこの問題について指導的立場をとつておるということを言つておりますが、それはうそですか。
  411. 小野田有年

    ○小野田証人 それは特に安本と資源庁から最初に指令があつて公団が実施したというふうに考えておりません。そういう調整上の問題は、——政府の方針は大まかに申しまして、配当のわくの指示でございますから、どういう炭をどういうところに配るかという計画、プランは、公団自身が立案して、両者の承認を求めるという建前でやつております。
  412. 篠田弘作

    篠田委員長 それは建前であつて、実際問題としては、あなたは一番最初から関係しておらないのでしよう。それだからわからないわけではないですか。中島炭政局長は、資源庁と安本が指示してやつたとさつき証言しておる。あなたは機構の建前上そういうことはないはずだという一つのあなたの説を言つておるのだね、今ここで。
  413. 小野田有年

    ○小野田証人 実は私もこの席でこの問題が出たということを伺いまして、大分古いことでありますから、担当者にいろいろ当時の事情を思い起してもらいまして、そうして私の記憶も思い起して、担当者といろいろ何した結論は、そういうところに落ちついたものでありますから……。
  414. 篠田弘作

    篠田委員長 担当者はだれですか。
  415. 小野田有年

    ○小野田証人 担当者は今石炭協会におります三上という男、それから三井鉱山におります江波戸君、もしくは明治鉱業に行つております土屋、そういう人々が当時の実施の担当者だつたものですから、そういう人々に聞きますし、私の記憶も思い出して、それぞれ意見が一致した問題でありますから、そういうように申し上げたわけであります。
  416. 篠田弘作

    篠田委員長 航海訓練所の練習船で石炭を輸送したことについて、どういう必要があつて練習船を使つたかという点について、何か知つていることがありますか。
  417. 小野田有年

    ○小野田証人 存じております。
  418. 篠田弘作

    篠田委員長 どういうことですか。
  419. 小野田有年

    ○小野田証人 練習船の問題は、二十四年の五月ごろに私の担当しておる局の長坂君がこの問題で検察当局に呼ばれ、さらにその上の主任も呼ばれたことがございます。長坂君はその前にガラス屋の配炭の問題でも呼ばれておつたのですが、その上の主任は、この練習船の問題だけで呼ばれたのです。これも二十三年の五、六月から始められた問題でありましたが、主任が検察当局にあげられ、長坂君もあげられましたので、そのときになりまして、実はどういう問題があつたのかということを当時の課長なり、課長代理を集めましていきさつを確めたことがございます。その間私としては職務上はなはだ残念ではありましたが、初めから終りまでの経過は存じておりませんでしたが、その当時の担当課長なり課長代理——これは私が人間的にきわめて信頼している人でありますが、そういう人々からさかのぼつていろいろな事情を聞きました。それはまだ当時の事情といたしましては、機帆船の輸送力の問題、油の問題、これが依然として問題でございましたから、配炭公団といたしますれば、当時極力機帆船は西日本に、汽船は運営会を駆使いたしまして、計画のわくを運んでもらうように慫慂せざるを得ぬような事情にあつた次第でございます。そういうときに西日本から、計画に対して不足がちな輸送力に置かれておる事情のもとで、練習船を西日本扱いとして、提供するからという話があつた。それは当時の情勢から見て、西日本の輸送力をカバーし、もしくは増大する方法であるから、公団としてはその申出を受けて、当然ではないかというような見解で、この問題を扱つてつたという委細の報告を受けまして、私自身としても前後の事情から、やむを得なかつたものと解釈したような次第であります。
  420. 篠田弘作

    篠田委員長 しかし輸送力の増大とか、あるいはその不足をカバーするという意味で練習船を使うことはいいけれども、事実上は機帆船でないところの練習船を使つて、汽船の三倍の機帆船の運賃を拂つたということが当然だと思えるのですか、思えないのですか。
  421. 小野田有年

    ○小野田証人 その問題は今お話しましたように、公団の主脳部としましては、長坂事件が起きたときにこの問題を初めて振り返つて認識したわけなんです。それからあとこの支拂い運賃の当否につきましては、公団当局も検討されまして、要するに公団石炭局と業務局がもちろん主管になるわけですが、当時この問題を業務局として全然知らないままに過したということは、西日本扱いとして船をまわすということは石炭局の仕事であり、運賃を拂うのは現地の問題でありますので、業務局としては全然ノー・タッチに経過したわけですが、その問題が起きてから以後、この問題をあらためて俎上に上せて公団当局で検討した結果は、練習船は関係方面で聞きましても、必ずしも汽船であるということは断定できぬ。中間的な船であるということは関係方面の意見でも言われましたので、そういうことであれば、当時この船を使つた事情が輸送力の増強という一点にあつて、その点から見て何ら難ぜられる点もないし、船型自体も当然汽船であるということは必ずしも断定できぬということで、それならばあらためてこの運賃の問題を遡及して訂正するまでのことはないという結論に落ちつきまして、この問題はあとから追認という形になりまして、公団当局としても処理をしておる次第でございます。
  422. 篠田弘作

    篠田委員長 必ずしも汽船であるということが認定できなかつたというけれども、機帆船と汽船というものとの間には判然とした区別があるのじやないのですか。
  423. 小野田有年

    ○小野田証人 私も技術的なことは明確に存じておりませんので……。
  424. 篠田弘作

    篠田委員長 常識的にどうですか。
  425. 小野田有年

    ○小野田証人 この船は何といいますか、帆柱もありますし、それから船体を改造したものだということも言われますし、必ずしも一ぱいではありませんで、いろいろな船体を改造したもので……。
  426. 篠田弘作

    篠田委員長 練習船がですか。練習船は八百トンの鉄船だということになつておるけれども、それは違うか。
  427. 小野田有年

    ○小野田証人 一ぱいだけの船じやないそうです。
  428. 篠田弘作

    篠田委員長 ないそうですと言つたつて、あなたその当事者でしよう。
  429. 小野田有年

    ○小野田証人 ないと記憶しております。
  430. 篠田弘作

    篠田委員長 それほど船が不足していて、どうしても輸送力を増大しなければならぬということで、そういうふうに一生懸命に船をまわして常磐から名古屋方面にはやつておりながら、一方二十三年の下期に、北海道でもつて滯船料を千七百万円も拂つておる事実があるけれども、それは一体あなたの方でやつているのではないですか。
  431. 小野田有年

    ○小野田証人 二十三年の下期の問題——金額的には、……。
  432. 篠田弘作

    篠田委員長 一千七百万円も滯船料があるということは船が余つておる。
  433. 小野田有年

    ○小野田証人 金額は明確に覚えておりませんけれども、当時たしか私も現地に行つておりまして、要するに積地の積込み事情と船の配船の手順のまずさのために、言いかえますれば、荷役量が百のところへ同時に三百の船を持つて来るというような操作の不円滑から、非常に大きい滯船料を使つておる、同時に反面ある期間非常に港を流しておるという事態は、公団の配給の担当機関としてもつと適切な考慮をしてくれということは、私自身も現地で強い要請を受けたように思います。
  434. 篠田弘作

    篠田委員長 それはだれがやるのですか。
  435. 小野田有年

    ○小野田証人 配船の問題は私の担当でございます。
  436. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたの責任じやないか。
  437. 小野田有年

    ○小野田証人 私の責任でございます。
  438. 篠田弘作

    篠田委員長 片一方で輸送力を増大するために、あるいはそれをカバーするために、当然これはやつたというように言つておりながら、片一方において同じ局において、北海道でもつて手段のまずさから千七百万円も滯船料を拂つておるということであれば、結局あなたの今説明しておることが理論が通らないのじやないですか。
  439. 小野田有年

    ○小野田証人 それは今お話しましたように、必ずしも輸送力が余つているということでなしに、配船事情が荷役量が百しかないというときには、百の船繰りを順繰りにやればいいのに、積地との連絡も密を欠き、運営会との連絡も適切でなかつたために、百の荷役量のときに三百の船を注ぎ込んだ、しかも港の積込み能力があるにもかかわらず、配船がうまく行かなかつたということが、船腹過剩の問題でなしに、率直に申し上げますが、われわれの方のいろいろな事務的な操作のまずさ、さらに当時の船型のいろいろな拘束といつたものが、今お話のような問題を招いたことと記憶しております。
  440. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたの方としては今言つたように、輸送力を増大するという立場から機帆船を使つたという、そのあなたの答弁は一応認めるとしても、その機帆船というものは西日本の窓口から配船されたものであつて、あなた方の方からの輸送料は機帆船の輸送料を拂つておる。しかるにその西日本がさらに極東海運というトンネル会社をつくつて、実際はぬれ手にあわで、一千万円以上の利得をしている。その意味は、機帆船の運賃を公団から受けながら、実際に航海訓練所に拂つた運賃は、鉄船の運賃二百八十万円きりしか拂つていないという事実をあなたは知つておりましたか。
  441. 小野田有年

    ○小野田証人 それは先ほどお話申し上げましたように、長坂問題が起きましたときに、当時主任も一緒に呼ばれましたが、主任は放免の処置で何らの問題なく帰つて参りました。帰つて参りましたときに、当時の問題のいきさつを一切聞いたことがあります。そのときに極東海運と西日本との間に何か問題があつたやに聞きましたが、それ以上私の介入すべき問題ではありませんし、立入つたことは存じておりません。
  442. 篠田弘作

    篠田委員長 この問題につきまして、委員の方から御質問はありませんか。
  443. 田渕光一

    田渕委員 二十三年の六月から証人が石炭局長になられた。その以前は監理局長つたとおつしやつておられますが、そういたしますと、二十三年の六月は二十三年の第一・四半期の末期であります。私は当時業者でありまして、安本の運輸局長と陸上輸送について嚴談をしたので記憶がありますが、第二・四半期からは貨車がまわるという見通しがついたのであります。すなわち第二・四半期は七、八、九の夏枯れどきでありますから、そう急いでこの七、八、九に船で運ばなければならぬという状況でない。ことに第二・四半期の七、八、九には、少くともこの計画を立て直して、貨車輸送がよくなつて来たのだから、第三・四半期の十、十一、十二、第四・四半期の一、二、三の最需要期にかけて陸運が十分できたと私は思うのであります。かりに証人のおつしやる通りとすれば、これは当時安本の運輸局の貨車計画表というものができておるわけでありますから、証人に聞くと同時に、事務局にお願いすることは、二十三年の第一・四半期ないし第四・四半期、いわゆる二十三年度の貨車輸送計画というものを、安本からお取寄せ願えばわかるのであります。この安本の運輸局の貨車繰り計画と、配炭公団の炭繰り輸送計画がマツチしなければ、陸上輸送はできない。これをお取寄せ願うことが一つと、同時に海上輸送の計画も、いわゆる安本の運輸局の貨車繰り計画と、公団の炭繰り計画の陸上輸送が間に合わないものは配船計画に行かなければならぬから、この数字が出て来ると思います。それで事務局は今言つた資料を至急取寄せていただきたい。証人の方で七、八、九、つまりあなたが石炭局長になられた第二・四半期に、なぜこの計画をお立て直しにならなかつたかということを、ひとつお伺いいたします。
  444. 小野田有年

    ○小野田証人 ただいまお尋ねの問題は、私自身全然記憶にない問題でございますから、あるいは私が調査不十分のために失礼をすることになつておるかもしれませんが、先ほどお話しましたように、この問題がこの考査委員会お話になつておるということで、私としては当時の実務に関係した人に記憶を思い出していただくよりしかたがないと考えまして、先ほどのようないろいろな連絡を急拠とつた結果、そういうことに間違いないと考えましたので、申し上げたわけでありますが、それ以外の判断材料は持つておりません。
  445. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 若松から大阪までの輸送の関係でありますが、極東海運が実際やつておるのに対して、さらに西日本を中に入れた関係で、結局、極東海運が実際は二千万円近くの收益があつたのに、事実は一千万円内外になつておる。結局。西日本が一千万円という金をげたをはいておる。そういうことは証人は全然知らなかつたのですか。
  446. 小野田有年

    ○小野田証人 先ほど委員長お尋ねにお答え申し上げました通り、私としては長坂事件がありまして、初めて……。
  447. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 知らぬなら、知らぬと言つて下さい。
  448. 小野田有年

    ○小野田証人 知りません。
  449. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そういたしますと、西日本の会社の幹部の内容を御存じですか。いわゆる幹部の取締役とか社長のことを……。
  450. 小野田有年

    ○小野田証人 西日本会社は従来の自由経済時代の機帆船の会社が、統制時代とともにだんだん固まつて行つたものです。そういつた機帆船会社の人々によつて幹部の席が固められておりました。最後の社長さんは野村さんと心得ております。
  451. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 この野村という人が、若松方面におけるこういう方面の非常なボスということを聞いておるが、その点御存じですか。
  452. 小野田有年

    ○小野田証人 ボスという問題は存じておりません。人柄は、社長でありますから、数回お目にかかつたことがありますが、私は事務上で接しただけでありまして、それ以外の知識はございません。
  453. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうすると、極東海運の幹部連中を知つておるのは、やはり事務上だけですか。
  454. 小野田有年

    ○小野田証人 極東海運の問題は、公団関係しておりましたのは、西日本がその船を提供して来て、これを使うという面だけ関係していたので、極東海運と配炭公団との関係はございません。
  455. 大森玉木

    大森委員 輸送をすべて汽船会社に委託したという原因は、こういうことでなかつたかということをお尋ね申し上げたい。どういうことかというと、運賃が三倍以上である船に輸送を委託したということは、その船の設備において、二重、三重の底をつくつて、そうしてその二重のところへ落したものは荷後炭、こういうふうにして汽船会社がそれを扱つておる。そうしてその割もどしをその関係の方々がとつてつたというようなことをわれわれいろいろな方面から聞くのでありまするが、こうしたことはあなたお聞きになられたか。
  456. 小野田有年

    ○小野田証人 ただいまのお尋ねは汽船の輸送についてのお尋ねと思いますが、汽船の輸送についてそういう問題が起きたことは存じておりませんのです。
  457. 大森玉木

    大森委員 これはどんなことであつたかと申しますると、北海道の留萌の炭鉱において、何かこうした問題を調査行つたときに、いろいろ調査員の方々が調べて来たようであります。そこでその後非常にこれが問題となつておるのであります。大体二割、三割は減つておる。積み出した石炭は、山から持つて来たものは大体百トンであつた。受取つたときは百トンであつた。それがいよいよ売渡しをするときは八十トンになり七十トンになつておる。そういう点から赤字が生じたのであるというふうに私ども聞いておるのでありますけれども、こういうふうなことはどうでしようか。
  458. 小野田有年

    ○小野田証人 今お話のような汽船の問題、それが公団赤字をかもすまでに行われたというようなことは、私この汽船に関する限り全然記憶はございません。
  459. 横田甚太郎

    ○横田委員 簡單に聞きますが、一つの局の関係のことを他の局長に聞くと、知らぬ知らぬと言うのですが、一体公団の運営というものは何を基礎にやつてつたのですか。
  460. 小野田有年

    ○小野田証人 お尋ねの趣旨が必ずしも明確でない点がございますが、局間の問題は、おのずから事務の分掌がありますから、事務の分掌の線に沿うて、事務の分掌を越えて他の局にまたがる問題は、機構的に当然他局と協議連繋の上問題を処理する。ほかの局にまたがる問題が、まま間違つてわれわれの局だけで処置されたような場合には、必ず他の局から、事務の分担、分掌のわく内を出ているということで、あとからのチエツクもありますし、そういうふうな関係で、局間の仕事は運営されております。
  461. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体配炭公団に集まつておられる方は、石炭事情に明るい方である。ほんとうを言つたら、業界の雄である方たちがこういう公団組織で行かれたのだから、今日問題が起つているような乱脈な公団の運営になつてはいけないというので、いろいろ規定があつたわけです。その規定のうちには、たしか配炭公団業務規程というようなものがありましたね。その業務規程の十一條には、本公団業務運営の円滑をはかるため連絡委員会を設けることができる。前記の連絡委員会構成は別にこれを定めるとなつておりますが、こういう連絡委員会というものはあつたのですか。
  462. 小野田有年

    ○小野田証人 連絡委員会という常置的な名称のものが常時設置されておつたというふうには私の記憶にございませんが、事務の運営の問題といたしましては、先ほどお返事をいたしましたように、おのずから局々の分担の分野がありますし、やつている間に他局と連繋する問題は他局と連繋しながら処理する。こういう実際上の運営には大体遺漏なく運んだものと心得ております。
  463. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体片一方では石炭が燃えている、片一方ではべら棒に高いところの船で、必要以上の運賃で石炭を運んでいる。片一方では悪い石炭をどんどん掘つている。こういうことがあつてはいけないのでしよう。こういうことがあつてはいけないがために、各局部の人々が一つの連絡委員会を持つて、あるいは一つの会合を持つて会議録をつくつてやれ、こういうことなんです。連絡委員会を持つに至らないほど緊密なる状態で業務が行われているのだつたら、私が尋ねることに対して、それは私の係じやないから知りませんということは言えないわけです。これはどういうふうになつているのですか。都合の悪いときだけは知らぬ、そうでない場合には、そうじやないという逃げ口上ですか。
  464. 小野田有年

    ○小野田証人 今のお尋ねで具体的な問題にお答えしたいと思いますが、一方では石炭が燃えている、一方では高い運賃を拂つて運ぶという問題を御指摘になつたようでありまするが、その問題に限定いたしましてお答えをしたいと思います。当時——二十四年の四、五月ごろは、常時月に三百万トンないし三百十万トン、二十万トンの需要があつたのであります。それが急激に落ちまして、二百万トンそこそこの需要になつたのです。そういう状態は、直接お扱いにならぬとお感じ願えぬかもしれませんが、月に五十万トン、六十万トンと余る数字の処置という問題は、非常に苦労を要する問題で、しかも当時のわれわれの考え方は、炭鉱は国管法の名のもとにありますし、炭鉱生産態勢に公団配炭によつて何らかのチエツクをするというようなことがあつてはいかぬと考えまして、まず炭鉱の送出炭については万全の処置をとる。従つて五十万トン、六十万トンと毎月余る炭は、相当なむりをしてでも各地に貯炭をせねばならぬという状態にあつたものですから、そのむりのたまつた時期におきましては、御指摘のような貯炭に相当火を持たしたというような問題がございましたが、輸送力の足りなかつた時期とは時期の違つた問題でございますから、その辺をよろしく御判断にあずかりたいと思います。
  465. 横田甚太郎

    ○横田委員 私が聞きたいのは、配炭公団には会議録というものがあるのですか。
  466. 小野田有年

    ○小野田証人 ございます。
  467. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしたら各局の人はみんな知つているわけですね。ほかの部局で行われていることがわかつているわけですね。
  468. 小野田有年

    ○小野田証人 今のお話にお答えいたしますが、議事録の問題は、あらゆる問題が、あらゆる議事が、全部議事録にとられて、正確な記録にとられるというようなことでは実際はございませんでした。重要な会議とか、重要な問題をそういうことで処理するということにはなつておりました。     〔委員長退席、島田委員長代理着席〕
  469. 横田甚太郎

    ○横田委員 重要であるか、重要でないかということは、だれがきめるのですか。
  470. 小野田有年

    ○小野田証人 それは御存じのように、配炭上、輸送上の問題はもう多種多岐にわかれておりますものですから、その一々の問題は、あの船をこうした、この船の運賃はどうしたというところまでは、一々の議事録には載るという性質のものではない。またそこまでの事務処理というものは、実際問題としていたずらに事務を澁滯させるのみでありますから、そこまではやつておりません。やはり政府の方針に実施上多少の修正をせなければならぬとか、プールの運営をこういうふうにして実施をしたら相当な問題を起すじやないかというような、そういつた意味の根本的な問題は議事に載せて、各担当局でそれぞれ交換して、担当局の責任を果すような処置をいたしておりました。
  471. 横田甚太郎

    ○横田委員 証人は何に確信を持つておられるのか知りませんが、非常にへんちくりんなことを言われるのですが、私の聞きたい要点は、配炭公団法を配炭公団関係の方が一つも守つておられぬのでこういうふうな赤字が出た。あるいはこの公団法を十分に守つたけれども、この公団法の内容が赤字が出るようにできているのか、このことを知りたいのが中心なんです。それで聞いているのですが、そういうふうにあなたが言われるのだつたら、ここにこんな一例がある。二十三年度のこの前後のことなんですが、石炭が北海道の留萠でずいぶん燃えておりますね。そして燃えておる石炭のぐるりにある石炭に対しては、消防法第二十九條をもつて廃棄炭にしております。こういうようなことが起つたときには、たとえばあなたのところでは、局なら局でこれを扱つているのだつたら、いつごろこれがわかるか。そうしてこういうような大きなものは、やはり配炭公団なら配炭公団の首脳者が集つて一つの会議を持たれるならば、その会議において石炭のことを論議したことが議事録に残つているかいないか。こういうことを聞きたい。
  472. 小野田有年

    ○小野田証人 今のお話の問題も、公団の修理上の問題としては重要な問題と思いますが、留萠の実例は私は記憶にございません。そういう実例がかりにありといたしますれば、これはどういう費用をかけてどういうところへ移転させねばならぬかという問題でございますので、その問題の処置は、業務局の担当として、おそらく業務局の範囲内で処理される程度の問題だと考えております。
  473. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではこういうような問題が起きましたら、業務局だけでかつてに処置して、ほかの局の方は文句を言わぬのですね。意見もないのですね。
  474. 小野田有年

    ○小野田証人 それを例として全般の問題を推されますと困るのですが、今留萠の例をおとりになりましたから、留萠の例としては、どのくらいのトン数であつたか存じませんが、おそらく全国的にそういう事態が起きているという問題ではないと考えましたので、先ほどのような御返事をいたしましたが、そういうふうな問題が、二十四年の夏ごろでしたか、全国的に起きているような当時には、そういう問題の処置については業務局が立案をいたしまして、それを局長会議にかけて問題を協議するということは当然やつております。
  475. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、こういうようなことがあつたということは、あなたはいつごろお知りになりました。
  476. 小野田有年

    ○小野田証人 留萠の問題は私は今存じておりません。
  477. 横田甚太郎

    ○横田委員 今まで御存じなかつたのですか。
  478. 小野田有年

    ○小野田証人 はい。
  479. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、こういうふうに解釈していいのですか。たとえば留萠の問題は、あなたの局には関係がない。しかし留萠のようなことがあつてはならないがために公団法があるのですが、こういうようなことがあつた。しかもあなたが配炭公団の一つの局長でありながら知らない。それと同時に、あなたの局においてこんな不当のことがあつても、ほかの局では知らない。そういうような乱脈な、公団法を無視したところの連絡のないばらばらな、局長々々のかつて気ままな運用であるというふうに解釈してもいいのですか。
  480. 小野田有年

    ○小野田証人 そのお言葉通り受取れる問題とは、必ずしも考えておりません。
  481. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたは一般的なことを尋ねると、具体的なことを言えというし、具体的なことを言えば、ここのところは私に関係がないというのだから、何を聞いていいかわからぬ。結局言葉を構えて逃げているだけではないですか。あなたの配炭公団というものは、何を目的にどんな事業をやつていたものかよく御存じでしよう。その趣旨でやつてつて、しかも公団がその趣旨通り行つたか行かぬかということは、よく御存じでしよう。公団は所期の目的を達したのですか。
  482. 小野田有年

    ○小野田証人 公団の運営の結果をあとから見てどうであるかというお尋ねのようでありますが、公団のあの機構というものは、現在あらためて考えてみた場合に、はなはだ率直ではありますが、二度とああいうふうな機構で全国的な配炭を管掌させるということは、相当考えねばいかぬ問題だと考えております。
  483. 横田甚太郎

    ○横田委員 それがわかつておるのだつたら、ここは裁判所でないということをどの委員もここで言つているのですから、国民的良心を持つて、こういうような大きな赤字を生み、しかもこの赤字の結果として、国民がたくさんの税金をかけられるのです。御存じのように手数料は高いのです。こういう高い熱源として生産された石炭を結局国民が買わされるのです。そういたしますと、国民は高い製品を買わされなければならぬ。しかも公団の運営が乱脈であつて石炭を燃やされている、あるいは成規の規格において送らねばならぬところの石炭が、品質を落されたり、あるいは量をごまかざれたり、いろいろな形において非常に高いものがよけいに高くなつている。しかも使いにくくなつている。国民はそういうふうな形において二重も三重もの負担を背負つているのです。こういうようなことがあつてはならない。あなたもああいうような形において石炭を統制してもらつては困るというような考えがあるのでしよう。だからそういうことがないように、議会で一切あなたたちのことを考査して、国の記録に残しておこうと思うのです。だから私たちは聞くのですが、公団から来た人たちは一々言わない。あなたもそうなんだ。先ほどから言つているが、公団法の運営から見たら知らねばならないことなんだ。知らねばならないことだが、知らぬ知らぬと言うて、知らねばならぬことを知らぬと言つて逃げている。この点が私たちの心証を害する。だから最後に私があなたに聞きたいのは、いわゆる公団法並びにその関係諸法規というものは、どうして守れなかつたか、守れなかつた一番最大の欠陥はどこにあるか、それを簡單に言つていただきたいのです。
  484. 小野田有年

    ○小野田証人 非常に広汎な問題でございますから、即座に私はお答えができないのですが、ああいうふうに早急に多くの人間をかき集めて、しかもあの厖大な機構でピンからキリまで扱うというあの機構に問題があつたのだと根本的には考えております。
  485. 横田甚太郎

    ○横田委員 広汎だと言われるので、もう一ぺん聞きますが、それは広汎でない具体的なこと、一つの事実なら事実について、これは悪かつたなら悪かつたということを、あなたは考査委員会で一つのみやげとしてでも言うておかなければならぬと思う。これでこういう赤字を生んだのだ、これだつたから悪かつたのだという例を知らぬですか。私のところでは相当資料があがつているのですが、そのいろいろな資料を基礎として事件を追つて行くと、それは私の関係ではございません、これは地区が違うので、どうにもわかりませんと言われては何にもわからない。だからあなたの方で、こういう実例でこういうような赤字が出た、それが万と数えます、千と数えますということを言つてもらえないのですか。
  486. 小野田有年

    ○小野田証人 適切なお答えができませんが、要するにああいうふうな一時にかき集めた機構でピンからキリまでやるということになりますと、責任態勢というものは非常に弛緩される。そうすると一番石炭で問題がございますのは、公団の機構は山から積んだものを需要家へ届けるわけなんですが、山から積む場合に、山が直接需要家と結びついておりませんので、量なり質なりの面で——これは個人的な悪さという意味ではなしに、どうしても機構上の欠陷のために、需要家の顔を見ていないだけに、量及び質がどうしても少く積まれたり、もしくは看板より落されるという問題が機構的な問題として避けがたくなると思います。この問題が金額とすればどの程度になるか、見積りもちよつとむずかしい問題でありますが、公団の一つの大きい組織的な重要点として考えて行かねばならぬ問題だと私は考えております。
  487. 横田甚太郎

    ○横田委員 石炭の検質、検量——おそらくあなたの仲間ではこういうように言うのだろうと思いますが、検質、検量はどういう形でやられておりますか。たとえて言いますと、四百種に近い石炭の規格をどういうふうにしてきめておつたか。そしてそれをきめた後において、そのおのおのに対しまして、どういうふうな検質、検量をやつてつたか。これは一ぺん言つていたたきたい。あなたに関係がなかつたらどこに関係があるか。
  488. 小野田有年

    ○小野田証人 今の検質、検量の問題は業務局の所管でございます。だから業務局からお聞き願いましたらと思いますが……。
  489. 島田末信

    ○島田委員長代理 ちよつと証人お尋ねしますが、常磐炭の海上輸送につきまして、馬屋原君と話し合つたことがありますね。
  490. 小野田有年

    ○小野田証人 今のお尋ねは常磐炭の海上輸送をやる当時、馬屋原氏と話をしたかということでございますか。
  491. 島田末信

    ○島田委員長代理 そうです。
  492. 小野田有年

    ○小野田証人 それは先ほど委員長にもお答えしましたが、こういう問題はプールの收支に重大なる影響がある問題でありますから、いつだれにどういう機会で話したかということは、私としては覚えておりませんが、機構的に当然連絡のあつたものと確信しております。
  493. 田渕光一

    田渕委員 実は業務局長ということでお呼びしたところが、証人は石炭局長つたのですが、証人の石炭局長時代の業務局長は馬屋原さんですか。
  494. 小野田有年

    ○小野田証人 私は公団では最初監理局長をしておりまして、それから二十三年の六月に石炭局長を命ぜられたのであります。業務局を担当したことはございません。
  495. 田渕光一

    田渕委員 あなたが石炭局長なのですから伺いますが、あなたが石炭局長時代の業務局長というのは、やはり馬屋原さんでしたか。
  496. 小野田有年

    ○小野田証人 任期は、初まりは正確には——一緒だつたかどうか知りませんが、大半は一緒にやつておりました。
  497. 田渕光一

    田渕委員 しまいまで業務局長をやつておられた……。
  498. 小野田有年

    ○小野田証人 馬屋原さんの方が先にやられたと思います。
  499. 田渕光一

    田渕委員 それで石炭局長は、配炭公団公団法の規定によつて石炭の買取りその他に対しての責任はない。業務局長にあるとおつしやいましたね。
  500. 小野田有年

    ○小野田証人 買取りの問題でございますね。それは業務局長の所管でございます。
  501. 田渕光一

    田渕委員 実は資源庁の炭政局長生産面の責任をただしたのですが、買取りの責任をただすのは結局業務局長に聞かなければわからないわけですか。
  502. 小野田有年

    ○小野田証人 その問題は、実情をちよつと述べさせていただいた方が御了解を得るのじやないかと思います。先ほどどなたかのお尋ねでもお答えいたしましたが、われわれが在職中は、公団廃止が決定するまでは、要するに炭鉱生産面が——私は国管法のことは詳しく存じませんが、国管法の法律化によつて四千二百万トンのべースで走つておりましたから、それが配炭面で支障があつてはいかぬという立場から、とにかく出るものは、あとの山の操業に何ら支障のないように、どんどんわれわれの方で引取るということに重点を置いて操作いたしました。その操作の仕事は私がやるわけであります。それでその出た炭を幾らで買うかという問題が業務局長の所管でございます。一応御了承願いたいと思います。
  503. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 簡單にお伺いしますが、小野田さんはよく御存じだろうと思いますが、巷間よく問題になりました三染三合事件といいますか、三井合成と三池染料の問題ですね、この点について何か御存じですか。
  504. 小野田有年

    ○小野田証人 それは実は私正確に覚えておりませんが、三池の港頭に貯炭した問題でございますか、そうではないのですか。
  505. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 何か港頭に貯炭した問題も関係しておると思うのですが。
  506. 小野田有年

    ○小野田証人 その問題は私直接処理したもので、明確に記憶しておりますからお答えいたします。日時は明確に存じておりませんが、二十四年の三月ごろからあとじやないかと思つております。再三皆さんのお尋ねにお答えしましたように、当時公団石炭局として、山の出炭に支障を来してはいかぬという見解に終始しておつたわけであります。従来は三池の炭が朝鮮に毎月数万トン輸出されて来ておりましたが、それが朝鮮の事情が、当時みなGHQを通じて来るものですから、明確にわからなかつたのです。どういうものか、今月休んでくれ、来月期待していると、また来月もとらぬ、こういう問題が起きたわけであります。そのために三池にだんだん貯炭ができたわけであります。われわれはほかの炭鉱全部に対しましては、山の操業に支障を来さぬという方針を徹底しておつたのでありますが、朝鮮輸出の予定が狂つたために、三池に貯炭ができたという問題は、この炭を買い取つて、三池の山の操業面に支障なからしむるという方針を徹底しなければならぬというわけで、公団局長会議にもかけて、それを実施したことは明確に記憶しております。
  507. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そうしますと、その公団の港頭貯炭が相当山積して、これを処理しなければならぬ、今の御証言によれば、大体三月ごろ以降というお話ですが、大体いつごろにこのような処理が決定されましたか。
  508. 小野田有年

    ○小野田証人 三池の港頭貯炭の問題は、三月ごろか四月ごろからたまりまして、今お話のように朝鮮輸出が今月もとまつた、来月もとまるというぐあいで重なつて参りましたから、それが三箇月ぐらい続いたのではないかと、これは思い起す記憶だけでございます。
  509. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 大体三箇月と推定をすると、あなたの証言によれば、三月から三箇月なら六月ないし七月ですね。それで九月ごろに港頭貯炭の相当数量を、三池染料、三井合成に売渡した御記憶はありますか。
  510. 小野田有年

    ○小野田証人 その問題は、業務局と仕事をわかつてつても、当然連携のもとに責任を負う性質のものなんですけれども、実はそういつた問題は、補給金の問題と関連しての問題ではないかと思うのです。私の考えで、末端の方に指示をしておきましたのは、炭は御存じのように、たとえば十五日で補給金がはずれますと、配船の都合でその月の分がどつと半月の間に行つてしまう会社と、ずれて後半月に行つてしまうというような、配船の操作でむらがありますから、そういうむらは補給金の問題で、配炭の操作によつて負担のびつこのないようにしろというような問題を指示した記憶はありますが、個々の例につきましては、どれがどういうふうになつたという問題は明確に記憶しておりませんですから……。
  511. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そうしますと、ただいまの証言で非常にはつきりして来ているのですが、補給金の問題に関連してそういう操作があつたような記憶がある。かようなお話になつて参りますと、私たちの記憶では、特産向けの補給金の問題は、八月十五日以前にはあり得なかつた。むしろ十五日以降の問題で、たとえば船の荷役の関係、あるいは船の出入りの関係で、そのようなただいま証人が言われたような証言を必要とすることがあつたことを記憶されておるか。なお八月十五日から九月十五日まで——おやめになつたのは九月十五日ですから、それまでの間にこのようなことがあつた記憶があるという御証言だと承知してよろしゆうございますか。
  512. 小野田有年

    ○小野田証人 それはなお明確な事実その他を記憶しておりませんのを、本席で御回答申し上げて事実を誤らせるといけませんから、何でございましたら、私も当時の関係者、私の局におつた者、それから業務局の担当者で連絡のつく者、そういう人と当時の事情を調べた上、本委員会事務局なら事務局なりへお答えしてもけつこうと存じますが……。
  513. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 念のためにもう一度はつきり伺つておきますが、先ほどから私三染三合事件というようにお伺いしているのに、大分私の察する限りでは記憶があるように感じられる。というのは、特産向けの補給金の問題に関連があるかどうか、むしろこういう質問であつたのですが、まさにその通りだ、こういう関係でこの前に中島という人がやはり公団の中から証言に見えたのですが、この方ははつきりと三染三合事件というものがあつたといつたようなうわさを聞いておる。しかもこれは貯炭関係に関連をしている問題云云という話があつた。しかも石炭局長の職責というものは、先ほどから再三お話がありましたように、生産に阻害をさせないために、貯炭の問題を整理して行くということが非常に大きな一つの仕事である。かようにお話になつてつたわけでありますが、おそらく証人は三染三合の事件を御存じないはずはないと思いますが、御存じないと重ねて御証言になるかどうか、この点を再度はつきりお願いしたい。
  514. 小野田有年

    ○小野田証人 三染三合という問題をその言葉で私自身明確には存じておりませんが、ありていに申しますと、私たしか当時九州へ出張しておつたことがある。その留守にその問題が起きて、経過の報告のあらましを聞いたことがあるのですが、その問題はどこの工場でいつどういうふうにした問題だということは、先ほどお話しましたように、私自身今記憶がございません。ですからこれは先ほど私が希望申し上げましたような方法で、調査の結果をお答えすることをお許し願いたいと思います。
  515. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは三井染料と三池合成ですが、この二つのコークス関係の工場でありますが、この工場に九月十日ごろ約一万トンばかりの港頭貯炭を動かされた事実があるはずなのであります。これは考査委員会調査の資料ですでにもうはつきりしている。こういう事実を九州にまでおいでになつて全然御存じがないとあくまでもお話になるのかどうか、こういうような具体的な事実で私伺つて参りたいと思います。
  516. 小野田有年

    ○小野田証人 私は私の頭にある問題をないと偽ることは絶対ございません。
  517. 島田末信

    ○島田委員長代理 小野田証人に対する証言はこれをもつて終ります。御苦労さまでした。  馬屋原さんですね。
  518. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 ええ。
  519. 島田末信

    ○島田委員長代理 常磐炭の海上輸送について前回はあなたは知らないと言われましたね。
  520. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 海上輸送については知らないとは申し上げません。記憶にないと申し上げたのは、陳情があつた問題について記憶がない。こういうように申し上げたと思います。
  521. 島田末信

    ○島田委員長代理 常磐炭を海上輸送をさせたその当時の事情については、いろいろ知つておられるのですか。
  522. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 よく知つておるというより、そういうことがあつたということを承知しておつたわけであります。しかし何ゆえにそういう措置をとつたかについては承知していない。
  523. 島田末信

    ○島田委員長代理 小野田元石炭局長は、そういうことは機構上知つておるはずだというようにはつきり言つておりますが、それに違いありませんか。
  524. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 要するに運賃問題にからみまして承知しているはずであります。
  525. 島田末信

    ○島田委員長代理 公団では、そういう問題は局長会議でいつも合議しておつたですね。
  526. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 局長会議で合議する場合と、そのまま運営して行く場合と、いろいろな場合があるわけであります。必ず合議するということにはなつておりません。
  527. 島田末信

    ○島田委員長代理 常磐炭の海上輸送については合議した記憶がありますか。
  528. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 常磐炭の問題につきましては、特異の面でありますので、話を聞いた記憶はあります。
  529. 島田末信

    ○島田委員長代理 あなたは協議には加わつておりませんか。
  530. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 協議より、配船の問題につきましては前回申し上げましたように、石炭局で汽船を配船するか、機帆船を配船するか、貨車で送るか、こういうことはきめるわけであります。その際に業務局としましてはプールの関係がありますので、なるべく公団赤字の出ないような意味合いで、余分な費用のかかるところを業務局においてなるべく黒字にするためにチエツクする、こういう意味合いで干渉する場合がある。
  531. 島田末信

    ○島田委員長代理 それでは先般証言になつた知らないというようなことは取消しになるのですね。
  532. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 知らないと申し上げませんが、ただ陳情のことについては記憶がない。こういうように申し上げたように思うのでありますが……。
  533. 島田末信

    ○島田委員長代理 どうも先般の証言と今日はお違いになるようだから、それではこういう重要問題は局長会議で必ず合議せられるはずだ。その合議にあなたは加わつて、そのときの事情はよく知つているはずだと私は思いますが、それをはつきり言つてください。
  534. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 局長会議があつたようには記憶いたしておりませんが、初めは先ほど申し上げましたような理由で、むしろ業務局でそういう場合はチエツクするし、ことに九州の山持ち炭につきましては、半年分の一箇月契約をしておりますから、自動的に石炭局なりコークス局で計画を立ててそれを実施しますが、本土炭につきましては、一一運送契約をいたしますので、ツリツプで運送契約しますので、承知いたしておるわけであります。
  535. 島田末信

    ○島田委員長代理 次に例の練習船を使つて海上輸送をやつたということに対しては、先般あなたは初めは知らないとおつしやつてつたが、あとで知つてつたというふうに証言しておつたように私は聞いておるのだが、その点は今の小野田証人は、やはりこれも機構上必ず連絡がある問題で、知らぬはずはないというふうに言つておりますが……。
  536. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 知らないとは、私は申し上げないように思いますが、ほとんど配船が済んで、問題が起つて以後は配船してないわけです。その最後の問題が起つたときに話を聞いたということを申し上げたわけです。
  537. 島田末信

    ○島田委員長代理 あなたは今の小野田君と、この問題についてその当時話合つたことはありますか。
  538. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 あります。その不詳事件と申しますのは、石炭局の係員がこれに関連して不祥を起したという話を聞いたきつかけに、その際にその船自体が多少あいまいであつたというような程度の話があつたわけであります。
  539. 島田末信

    ○島田委員長代理 石炭局と業務局とは事務上常に連絡はあるのでしようね。
  540. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 常にと申しますか、関連した先ほどのような場合については連絡いたしております。
  541. 島田末信

    ○島田委員長代理 こういう問題についてはいつも連絡をとり合つているのですか。
  542. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 普通の場合にはいたしませんが、特殊の場合には、運賃のからむ場合には相談があります。
  543. 島田末信

    ○島田委員長代理 公団貯炭を買われたことの調査はできておりますか。きよう持つて来ましたか。
  544. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 大体の調査はできておりますが、何分私のところは九箇所に支店を持つておりますし、各場所々々にわかれておるものですから、詳細な調査はまだできておりません。
  545. 島田末信

    ○島田委員長代理 それは速急に出せますね。この前出す約束ではありませんでしたか。
  546. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 出すように別にお聞きしてなかつたものですから……。
  547. 島田末信

    ○島田委員長代理 何かお尋ねはありませんか。
  548. 梨木作次郎

    ○梨木委員 配炭公団が、東京倶楽部が持つてつた千代田区霞関三丁目にあるれんがづくりの二階建ての建物を、借りる約束をしたことはありますか。
  549. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その話は前回も御質問ございました通りに、当時私は総裁室付の理事でありました関係上、ことに総務局関係を応援してくれというようなお話でありましたので、総務局の関係事務所が足らないというようなことから、今のお話の点については応援したことがあります。
  550. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたがこの建物を借りる折衝に当つた事実があるわけですね。
  551. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 関係したことはございます。
  552. 梨木作次郎

    ○梨木委員 折衝の相手になつた人はどなたでしようか。
  553. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 それは全部総務局でやつたものですから、だれとだれということははつきり今記憶しおておりません。
  554. 梨木作次郎

    ○梨木委員 東京倶楽部側の交渉に当つた方はどなたですかということを聞いているのであります。配炭公団側ではないのです。
  555. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 配炭公団の総務局に私が応援したわけであります。
  556. 梨木作次郎

    ○梨木委員 東京倶楽部の相手は……。
  557. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 東京倶楽部はたしか向井さんだつたと思います。
  558. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これはどういう約束で借りられたわけですか。
  559. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 内容はちよつとはつきり覚えておりませんが、先ほど言つたように、当時事務所が足りないものでしたから、それを修理して入るということで、権利金と申しますか、名目ははつきりいたしませんが、先方へ渡して、それによつて向うが修理なり、またそれにつけ加えて建設したものを公団が借りて入る、こういうような約束であつたと思います。
  560. 梨木作次郎

    ○梨木委員 千三百五十万円をその補修費として拂われたそうですが、これは事実でありますか。
  561. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 たしかその見当の金だつたと思います。
  562. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これはビルの修繕費として拂つたのですか。権利金として拂つたのですか。どちらなんでしようか。
  563. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その点が今ちよつとはつきり覚えておりませんですが、公団をお調べ願えば、契約書もできておりますからはつきりすると思います。
  564. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ところで、当時この千三百五十万円を拂つて、東京倶楽部の方は修繕を完成してくれましたですか。
  565. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 私は一箇月ばかり契約の当時関係しただけでありまして、あとは業務局長をやりました関係上、賃金の支拂いとか進行状態については詳しく承知しておりません。従つて今のお尋ねに対してはつきりお答えができないのです。
  566. 梨木作次郎

    ○梨木委員 しかしこのビルへ配炭公団は入つて、ここを使うようになりましたか。
  567. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 入らなかつた結果になつております。
  568. 梨木作次郎

    ○梨木委員 なぜ千三百五十万円も拂つて入らなかつたのでありますか。
  569. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 それは先ほど申し上げたように、担当いたしておりませんので、詳しい事情は存じませんが、あとで聞きましたところによりますれば、その後二、三箇所できた関係と、非常に分散するために、事務上支障を来すというようなことから、いろいろ総務局で打合せた結果、移らないことになつたように聞いております。なおその後石炭局の方でそれを御希望せられたような関係もからまつて、そういうことならちようど肩がわりしていいじやないかというようなことで入らなかつたように聞いております。
  570. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この東京倶楽部のビルを借りる約束をする当時、配炭公団事務所を幾つ持つてつたんですか。
  571. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 二箇所だつたと思いますが……。
  572. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは記憶違いで三箇所ではありませんか。
  573. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 当時は二箇所だつたと思います。二十七号館と丸ビルと二箇所であつたように思う。
  574. 梨木作次郎

    ○梨木委員 二箇所だつた、まアあなたのおつしやる通り聞いておきましようが、このビルを借りて、ここに全部配炭公団は入れるという程度の広さのビルなんでありますか。
  575. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 当時計画といたしましては、大体そのビルに大部分入れる、二十七号館とその二つに入れる、こういうようなことで計画を進めたように思います。
  576. 梨木作次郎

    ○梨木委員 しかし二十七号館とこのビルとやはりわかれるわけですね。そうするならば、このビルで全部收容できるものでないとすれば、初めから事務所は二つなり三つなりにわかれるということを予定して借りたことは間違いないことになつていると思いますが、その点はどうですか。
  577. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 実は先ほど申したように、あつせんしたという程度でありまして、そういうものは一切総務局の方でつくりまして、その事情に基いて進めたと思います。
  578. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だから先ほど千三百五十万円を拂つておきながら、なぜ使わなくなつたのかということを聞いたところが、事務所が分散するからだというような理由で使わなくなつたとあなたはおつしやるから、そういうことは初めからわかつてつたじやないかということを聞いたのです。ところがそういう詳しいことについては、自分はあまり知らないとおつしやるのであります。しかしこまかいことはともかくも、大まかな千三百五十万円というものは拂つてあるのでありますから、これを使うか使わないかについての大きなさしずとか指揮は、あなたがする立場にあつたのではないですか。
  579. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 それは先ほども申したように、総務局長責任において——当時私は総裁付だつたために応援をしたという程度であつて、私の記憶によりますれば、いよいよ実施に移る以後の問題については、一切総務局長が遂行せられたという結果になつてつたと思います。
  580. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この千三百五十万円はその後回收したかどうか、知つておりますか。
  581. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 回收したように聞きました。
  582. 梨木作次郎

    ○梨木委員 いつ、だれから回收したか、それをひとつ伺いたい。
  583. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 それは先ほど申したように私は担当しておりませんので、だれからということでなくて、あとから聞きまして、回收したという話を承知しておるという程度であります。
  584. 梨木作次郎

    ○梨木委員 私の方の調査によると、これはあなたがみな知つているはずなんです。あなたが全部初めから終りまでやつたというように聞いておりますが、間違いありませんか。
  585. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 絶対間違いありません。
  586. 塚原俊郎

    ○塚原委員 ほんとうですか。
  587. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 最後まではやりません。最初応援だけいたしまして、その後はタツチしておりません。
  588. 島田末信

    ○島田委員長代理 証人は総裁付の理事で、本件の処置については、あなたは何でもよく知つておると思うのですが、実際にそれはその程度のお答えでよいのですか。
  589. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 最初は私はあつせんいたしましたが……。
  590. 塚原俊郎

    ○塚原委員 あつせんというのは、どの程度のあつせんですか。
  591. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 契約とか、そういうものについてです。
  592. 塚原俊郎

    ○塚原委員 つまり責任者になつたという意味ですか。
  593. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 責任者はあくまで総務局長でございます。
  594. 塚原俊郎

    ○塚原委員 実質的な責任者はだれですか。
  595. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 実質的な責任者も総務局長であります。
  596. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この東京倶楽部の持つているビルヘ、その後だれが入つたかは知つておりますか。
  597. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 先ほど申し上げたように、あとについては詳しく存じないのでありますが、漏れ聞いだところによると、エンプレスさんとかなんとかいう人が入つたということも伝え聞いております。
  598. 梨木作次郎

    ○梨木委員 東京倶楽部へはその後エンプレス貿易株式会社というものが、配炭公団の賃借権を引継いだという形で入つたということが調査によつて明らかになつておりますが、こういう点はあなたはよく知らないのですか。
  599. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 存じません。
  600. 梨木作次郎

    ○梨木委員 東京倶楽部ではエンプレス貿易株式会社からも家賃をとつておるというし、配炭公団も家賃を拂つておる、二重に拂つてつたことになつておるのでありますが、その間の事情をあなたは存じないのですか。
  601. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 存じませんでございます。
  602. 梨木作次郎

    ○梨木委員 とにかく千三百五十万円の金を拂つて、そうしてそのビルへ配炭公団が引越して行くということになつてつて配炭公団として非常に重要な地位にあるあなたが、その後この賃貸借の問題がどうなつたかということを知らないはずがない。この問題については、千三百五十万円の権利金が拂われて、その後この権利金の行方については非常に疑惑を持たれておるということは、この前あなたが考査委員会に出られたときもすでに質問が出ておるのであります。でありますから、今日ここに出て来られるにつきましても、だれかにこういう点を聞いて来られませんでしたか。
  603. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 先ほど述べたことは、大体総務局長に概略聞いた点を申し上げたわけであります。
  604. 梨木作次郎

    ○梨木委員 東京倶楽部では、エンプレス貿易株式会社からも家賃をとつており、配炭公団からも家賃をとつてつたということは明らかになつておるが、あなたは総務局長に聞いたのならば、この点は聞きませんでしたか。
  605. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その点は存じませんでございます。
  606. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたはここへ出て来る前に、総務局長から、こういう点で質問があるかもしれぬということで、会つて聞いたわけでありましよう。家賃の点は聞いておらないのですか。家賃は幾らか知つておるのですか。
  607. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 はなはだ遺憾でありますが、存じません。
  608. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたはこのビルを借りるについて、千三百五十万円の権利金を拂つて、家賃を幾らにするということをきめておらないのですか。
  609. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 当初の家賃は承知しておりますが、先ほどおつしやつたエンプレスとか、そういうふうなものについては一向存じません。二重どりというようなことについては承知していないのであります。
  610. 梨木作次郎

    ○梨木委員 当初の家賃は幾らです。
  611. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 五、六十円だつたと思います。
  612. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ビルを一つ借りるのに、一箇月の家賃が五、六十円。
  613. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 坪五、六十円であります。
  614. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あまり人を愚弄してはいかぬですよ。私がビルの家賃は幾らかと聞くと、あなたは五、六十円だと言う。そういうばかなことはないだろうと言うと、坪だと言う。それでは坪五、六十円として、幾らになるのですか。
  615. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 千百坪見当だと思います。
  616. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると坪五、六十円で、全部で幾らになりますか。
  617. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 六、七万円だと思います。
  618. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうするとあなたは、家賃は六、七万円と覚えているのですか。
  619. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 はあ。
  620. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたの記憶によれば六、七万円。そして千三百五十万円拂つてあるのでありますから、これは配炭公団に権利があるわけですね。このビルの賃借金はその後どうなつたかということについて、今日あなたがこちらへ見える前に、総務局長にどういう程度のことを聞いておられたのですか。これをもう一ぺん筋道を立てて話していただきたい。
  621. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その模様を総務局長から聞きましたのでは、先ほど申した東京倶楽部の方へ千三百五十万円やりましたが、そういう都合で拂えなくなつたし、東京倶楽部からも、その他への転向もできるというような話もあつたからということで、エンプレス貿易会社がこれに肩がわりすることになつた。ところがエンプレスの方も東京倶楽部の方と契約はしたが、なかなか拂わないということで、遷延したのが、最後に東京倶楽部の努力でそれを返還することになつて公団に千三百五十万円全部返還ができた。こういうふうに聞いております。
  622. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでエンプレス貿易株式会社が入つた後において、エンプレスの方も家賃を拂う、そのことを知りながら、公団の方も家賃を拂つてつたという事実を聞いておりますが、その点はどうなのです。
  623. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その点は承知しておりません。
  624. 島田末信

    ○島田委員長代理 ちよつと証人にお聞きしますが、エンプレスと東京倶楽部の契約はすでに事前に大体できておつた。ところが家を直さなければとても入れない、公団の方は金がダブついておるから、一時立てかえてやるというような含みで、一種の浮貸しをやつたのじやないですか。
  625. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 最初から申し上げるように、私は最初のあつせんだけいたしたものでありますから、その後の遂行は一切総務局長がやつている関係上、詳しいことを承知していないのであります。
  626. 島田末信

    ○島田委員長代理 あなたがあつせんした当時、改修工事費を立てかえてやろうという建前から、ダブついている金を一応貸してやろうという含みでやつたのじやないですか。
  627. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 そういうことは絶対ありません。
  628. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたは応援したとおつしやるが、実際は総務局長の上にあなたがおるのでしよう、その地位は。だから実際あなたの決済でこれは決定しているものだと私は思う。
  629. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 地位は同等でありまして、総務局長理事であるし、私も理事であるので、決して総務局長を私が支配するということはないわけであります。
  630. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると、今の証言によりますと、あなたは家賃をいつまで拂つたかということを総務局長から聞いて来ておらないのですか。
  631. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その点は聞いておりません。
  632. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その点がかんじんなんです。いつまで家賃を拂つたか、その点を調べることによつて、その間、エンプレスが入つた後においてもまだ拂つておる。これは二重拂いになつておる。ここに明らかにあなた方は国家の金を二重に拂つている。刑事的にいえば背任的な行為があつた。こういうことは、こうして当委員会で調べられるのは初めからわかつておるのに、なぜあなたは聞いて来なかつたか。その点、あなたのところに調査に行つて、そういう疑惑を持たれておるのはわかつておるはずなのに、これはどうなんですか。
  633. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 私はそういう点に疑惑を受けておることを承知しておりませんし、別に向うからもそういう話をしておりませんから、承知していないのであります。はなはだおこがましいのですが、最初から申し上げるように、最初の契約についてのあつせんをしただけでありまして、その後においては総務局長じきじき担当してやつております関係上、はなはだ十分なお答えのできないのを遺憾とするものでございます。
  634. 梨木作次郎

    ○梨木委員 今のあなたの証言によりますと、総務局長理事、あなたも理事だから、どちらが上とか下とかいうことはないと言うが、それならなぜこの問題に最初あなたがタッチされたか。
  635. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 これは公団当初でありまして、総務局長も忙しいし、私はたまたま総裁付で、その当時はこれというきまつた任務がなかつたものですから、どれこれとなく、そういう問題についての応援をするときには、総裁付として応援したわけであります。
  636. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だから、総務局長が忙しいので、あなたが割合とひまだつたからというのだから、あなたが実際やつたのじやないですか。そうでしよう。総務局長が忙しくて、あなたは総裁付であまり忙しくなかつたからやつたというなら、あなたが主としてやつたんじやないですか。どうですか。
  637. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 先ほど申したように、あくまでも総務局長責任において、私が応援したことは間違いないのであります。
  638. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではあなたはどういうことをやつたのです、応援したというのは……。
  639. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 応援といいますと、言葉があやふやかもしれませんが、事務所が足らないから、今まで事務所の問題について、そういう必要な箇所が起れば、それに対してどういう措置をするか、そういう方が出た場合においては、それをよいじやないかとか、悪いじやないかとかいうことについて、事務当局と総務局長と打合せまして、進行したわけであります。
  640. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そんなことではわからないのです。あなたは応援したと言うのならば、相手方の向井さんに会つて話をするとか、それから契約に立ち合うとか、そういうことについてどの程度タッチしたのかということを聞きたい。
  641. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 向井さんにも会つております。会つて、その契約の進行については立ち会つております。
  642. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その当時の局長というのはどなたですか。
  643. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その当時はたしか波枝野君だつたと思います。
  644. 梨木作次郎

    ○梨木委員 先ほど委員長からも質問がありましたが、これはいろいろな口実をつけられますが、結果的には千三百五十万円の補修費を出してやつて、そしてあなた方はこれを使わないで、しかも権利金の回收には、あとでエンプレス貿易株式会社が入つていながら、その権利金をあなたの方ですぐに回收しないで、一年かそこら権利金をもらわないでおつた。こういうことになつているのであります。結果的に見れば、東京倶楽部に対して千三百五十万円の補修費を融通してやつたということになつているとあなたはお認めになつておりますか。
  645. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 当時の事情としては、ただいまおつしやつたようなことを考えて何にもやつたわけではないのであります。結果的に入らなかつたからおつしやるようなことが起つたのだと思います。
  646. 島田末信

    ○島田委員長代理 梨木君どうですか、これは水かけ論のようですが……。
  647. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ではこの辺でやめます。
  648. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 証人は日本海陸運輸株式会社に総裁の推薦で入社されたということはこの前の証言ではつきりしておりますが、入社されて專務取締役に就任されましたが、この会社の資本金、それからこの資本金の大部分の持主、この点についてお述べを願いたい。
  649. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 資本金は二千万円でありまして、株主は、鉄道の弘済会が半額であります。それからあとの半額の半額は海運業者で、残りの半額は社員並びに重役、このような株主の構成になつているように思います。
  650. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そうしますと、二千万円のうち千万円は鉄道弘済会が持つており、その残りの半分が運輸会社で、残りの半分が社員、幹部が持つている。こう思つてよろしゆうございますか。
  651. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 はい。
  652. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 この会社は鉄道弘済会から半分の資本金を出していて、その関係で鉄道輸送の関係をやつていると聞いているのですが、その通りですか。
  653. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 鉄道の石炭の海上輸送の任務に当つている会社であります。
  654. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そこでこの配炭公団が解散になりまして、証人がこの会社に入社されて專務取締役になつて、定款を変更して、石炭販売業をやることになつたわけですか。
  655. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 さようであります。
  656. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そこで先般もお聞きした問題ですが、九州の一万九千トンを四十円、広島の六万トンを百四十円、大阪の七十万トンを百四十円で買い受けられた点はその通りですか。
  657. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 若松の一万九千トンと中国の六万トンはそのように記憶しておりますが、大阪の七十万トンというのは承知しておりません。
  658. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 このトン四十円あるいはトン百四十円という安い価格は、価格裁定委員会にかかつたのであるけれども、大体この委員会においては安本その他官庁方面の委員事務官などの代理者を出して、大体売手買手の間で値段がきめられたということを証言しているのですが、この四十円、百四十円という値段買手側のあなたの日本海陸運の方から立てられたのですか、それとも公団の方から立てられたのですか。その点お伺いします。
  659. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 私の方からも資料を出しまして、その資料に基いて、公団の方でも検討しておられたように聞いております。
  660. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 そういたしますと、トン三千三百四十四円もするのです。それをわずか四十円または百四十円の安い値段を立てたというのですが、証人配炭公団の業務局長もしているいわゆる売手側の方の前業務局長であり、また今度は買手側の日本海陸運の專務取締役であるのですが、一トン四十円とか百四十円とかいうのはどういう資料に基いて、どういうぐあいによつてこんな安い値段を立てられたのですか、その点を承りたい。
  661. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 抽象的になつて参りますが、前回申したように、地元の方は煽石でありまして、煽石は御承知通り多くは肥料方面の原料に使うために、これの金の入るのは年二期にしか入らないのであります。なお煽石は時期的に積出しが、今言つたようなことで、年二回を月々送つて回收するようなこともありますし、またあの煽石は非常に悪い煽石が大部分でありまして、大部分は廃炭になつて、むしろそれを主として捨てなくちやならぬというような費用もありますし、貯炭場の費用もありますし、商売といたしましては相当危險性のある商売でありますので、そういうようないろいろなデーターを出しまして、お話を願つたわけであります。
  662. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 大阪の方は知らないとおつしやるのですが、九州の一万九千トン、広島の六万トン、この買い受けた石炭は、あなたの会社では幾らで、どういうふうにして処分されましたか、この点をお聞きしたい。
  663. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 中国の分は大部分まだ残つておりまして、六万トンのうちまだ九千トンくらいしか契約しておりません。しかもそれは契約しただけでありまして、拂出しはしてないような情勢にあるわけであります。広島はそういうわけであります。九州の分は半分くらい積み出したように思つております。
  664. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 それでは九州の方は半分ですと約一万トンですが、この一万トンは幾らに売つて、どれくらいの收入がありましたか。
  665. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 前回お尋ねがありましたので調べておりますが、まだ九州の方からの報告がないものですから、現在承知しておりません。
  666. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 一トン、二トンと違つて、一万トンというのは相当の金額であるし、專務取締役がそれを知らないということはないと思うのですが、どうですか、知つて知らないと言うと偽証になりますが……。
  667. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 建前としては知らないことはないのですが、現在調べているわけであります。
  668. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 契約書その他、本店の方には何も資料はありませんか。
  669. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 契約書その他はございます。
  670. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 契約書にはわかつておりませんか。
  671. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 契約書といいますか、これは名古屋方面とか、四国とか、関東地区とか、各地区で販売しているわけでありまして、その各地区からの報告をとつて総合しませんと全体はわからぬものですから、ただいま申し上げましたようなことを申し上げたわけであります。
  672. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 わかつている範囲でお尋ねしているのです。わかつている範囲をここで証言してください。
  673. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 現在何トン幾らであるということをちよつと承知していないものですから、取調べて御報告します。
  674. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 考査委員会はここで証言を求めている。あなたの知つている範囲で——知つて言わなければ偽証になります。
  675. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 現在私としてはここには持つていませんから——集めていないものですから……。
  676. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 この配炭公団の問題が起きましてから、一括拂下げ、それから販売の点については、あなたの方の会社の日本海陸運では関係の帳簿を燒いたということを聞いておるのですが、そういう事実があつたかどうか。
  677. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 絶対にそういうことはないと思います。
  678. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 思いますだけでわからぬのですか。
  679. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 燒くことについては承知しておりません。
  680. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 少くとも專務取締役のあなたのところにはそういう関係書類が来ておるはずですが、そういう書類は全部あるというふうに了解してよろしゆうございますか。
  681. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 契約書は各支店で持つておりまして、報告は受けておるわけであります。
  682. 島田末信

    ○島田委員長代理 報告書類で受けておりますか。
  683. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 いわゆる表にいたしまして、売炭報告といいますか、そういうものが来る建前になつております。
  684. 島田末信

    ○島田委員長代理 そういう書類は全部残つておりますか。
  685. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 そういう書類は燒かないと思います。
  686. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ただいまの点ですが、それでは契約書の写しはこちらに来ておるのですかどうですか。もう少しはつきりしてください。
  687. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 個々の契約書の写しは来る場合と来ない場合があります。いわゆる売炭報告といつて別の報告が来るわけであります。
  688. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 契約書として来ておるものもあることは事実ですね。
  689. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 中には来るわけであります。
  690. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それではその契約書の中には、売買契約の価格をきめない契約書が来ておるわけですか、どうなんですか。
  691. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 値段のきめない売買契約はないと思います。
  692. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 売買価格のついてない契約書はないということをはつきりされたのですが、それでは売買契約のついておる契約書が来ておるはずですが、その契約書はどういう契約書か御記憶ありませんか。
  693. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 各支店で契約しておりますから、その写しが来るのは、またそういう報告が来るのは、相当時日を要するものですから、一括調べますのにはそれをとりまとめなければならぬような情勢にあります。
  694. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 来ておることが事実だということはさつきお認めになつたじやないですか。その来ておる契約書に売買契約がついておることはさつきお認めになつたでしよう。その来ておるものの契約価格幾らということを、先ほどから坂本議員も聞いておるし、私もさつきから聞いておる。この点をおわかりになつておるかおらないかということをお伺いしておるのではなく、来ておるものはどうなつておるかということを私は伺つておる。
  695. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 来るのが非常におそいものですから、今取調べ中であるわけであります。
  696. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 これは委員長から特に注意を証人に喚起していただきたいのですが、来ておるものはどうなつておるかということに対する証言に対して、来てないものについてはわからないという、ことさらなる証言の拒否をやつておる。こういう形ではこの証人の今までの証言も、その信憑性についてわれわれとして多分に疑問を持つので、委員長として嚴重に信憑性を持ち得るような証言をさせるように、特にこの機会に要求をしていただきたいと思います。
  697. 島田末信

    ○島田委員長代理 証人に申しますが、証人の先日来の証言の信憑性に対しては、いろいろ疑念を持たれておるようなことが相当多かつたと思うので、それで再尋問ということで今日また御苦労をお願いしたのであります。ただいまの証言におきましても、契約書にすべて価格を示したものが相当本社の方へ報告を受けておるということを一応認めておきながら、これに対する確実なお答えができないということで、委員も非常に憤慨しておるようですから、この点をはつきりお答えになつたらどうですか。
  698. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 準備して来なかつたものですから、今言つたようなあいまいなお答えになつたと思つて恐縮しております。
  699. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 この問題につきましては、今回が初めてじやない。前回からこの点を明確にしろということを、私からではありませんが、ほかの委員から再三にわたつて言つており、時間的な余裕も與えてあるにもかかわらず、証人がことさらにこれに証言をしないというのは、何らかの理由がおありになるのですかどうですか。
  700. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 何にも底意はありません。
  701. 梨木作次郎

    ○梨木委員 関連して伺いますが、この日本海陸運輸というあなたが專務取締役になつておる会社は、一体何を目的会社ですか。
  702. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 会社目的石炭の回送、荷役業並びに石炭、コークスの販売、こういうふうになつております。
  703. 梨木作次郎

    ○梨木委員 帳簿を燒いたという情報が入つておるのでありますが、あなたは帳簿を燒いたという情報を耳にはしておりませんか。
  704. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 帳簿を燒いたという情報は、公団へ参りましたときにお話を聞きましたが、取調べましたら、どこにもそういうことはないということがわかつたわけであります。
  705. 梨木作次郎

    ○梨木委員 たれを調べたらそういう燒いた事実がないということがわかりましたか。
  706. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 これは漏れ聞いたところでは、九州でそういうことがあつたというので、私の方の九州の支社に電話で照会しまして聞いたわけであります。
  707. 梨木作次郎

    ○梨木委員 支社のたれに承りましたか。
  708. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 私にかわりまして責任者から調べたのでありますから、相手方の名前は承知しておりませんが、調べたことは確かに調べました。
  709. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたが入つてから石炭、買入れを会社目的の中に挿入したというように聞いておるのでありますが、現在この日本海陸運輸では石炭の買入れをどの程度にやつておりますか。月にどれくらい買入れ並びに販売をやつておりますか。
  710. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 大体二万トンから三万トン見当月に扱つております。
  711. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなたの方で扱つておる石炭は、大体月に二万ないし三万のものを扱つておるというのですが、平均してカロリーはどれくらいのもので、値段はトン当りどれくらいでありますか。
  712. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 平均はちよつとはつきりわかりませんが、五千五百から六千カロリー前後のものが多いように思います。
  713. 梨木作次郎

    ○梨木委員 トン当り幾らで売つておるのですか。
  714. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 これは平均單価は出しておりませんので、はつきりいたしておりませんが、二千七、八百円から三千二、三百円というようなところで、六千カロリー程度のものを出しております。
  715. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると、あなたの方が配炭公団から買つた石炭も、やはり大体その程度で売つておるだろうと思うのですが、その点はどうですか。
  716. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 配炭公団から買つたものにつきましては、先ほど言つたように、まだはつきり握つておりませんが、いいものは高く売つておりますし、悪いものは安くということでやつております。
  717. 梨木作次郎

    ○梨木委員 配炭公団から買い受けた石炭と、その後あなた方が買い入れておる石炭とを区別しておりますか。それは一緒になつておるではありませんか、どうです。
  718. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 大体別々になつております。
  719. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこでお伺いしますが、今の話だと、配炭公団から買つたもののうち、よいものは高く売つて悪いものは安く売つているというのですが、その内容は答えられませんか。
  720. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 はなはだ遺憾でありますが、現在はつきりしたことはお答えできないのであります。相場といたしましては、先ほど言つたように、六千カロリー前後のものは二千八百円から三千二、三百円、こういうふうになつております。
  721. 梨木作次郎

    ○梨木委員 たとえば九州で一万九千トンを一括してトン当り四十円で買つたと言いますが、この一万九千トンの中にはよいものもあるし悪いものもあつたと思います。よいものはどれくらいあつたか、その銘柄と量はどういうことになつておりますか。
  722. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 きよう実は調べて来ておりません。
  723. 梨木作次郎

    ○梨木委員 調べて来ておらないとおつしやつても、大体の見当はついておるのでありましよう。あなたは公団業務部長をやつていたので、大体のことはわかつているでしよう。
  724. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 どうも相済まぬのでありますが、はつきりしたお答えができないのです。
  725. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そんなことで証言になると思つているのかね。あなたは先ほど資料をこちらから出して公団の方で値段をきめたと言うたろう。その資料とは何です。銘柄及び品種がわからぬで資料が出るのですか。
  726. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 資料を出したのではなく、実はきよう持つて参らなかつたのですから……。
  727. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 出したと先ほど言つたでしよう。
  728. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 覚えておりますが、内容をちよつと記憶しておらぬのです。
  729. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 覚えている限りを言つてください。何もかも知らぬではないでしよう。
  730. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 いかがでしようか。ここでは覚えていないから言えないが、あとからでは……。
  731. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 言わないなら言わないでよろしい。われわれにも考えがある。それでは今言われないね。言われないならしかたがない。  もう一つ、先ほど売つた値段報告があつたと言つたでしよう。その内容を言いなさい——。どうしても言われないのですか。
  732. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 言われないのではなくて、ちよつと記憶がないのです。
  733. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 あなたは先ほどから報告が全部ないから答えられないと言つているが、全部を答えろというのではありません。
  734. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 弁解になるようですが、組織をお考えになるとわかりますが、各般にわたつてつており、石炭部長もおりますし、それぞれの課長もおりまして担当しておりますので、総括的なものだけ見ているものですから、今みたようなお話は……。
  735. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 覚えているだけ言いなさい。すべてを言わぬということはけしからぬ。
  736. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 結局は、一万九千トンとか、そういうものについては……。
  737. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そんなことではない。売つた方の報告を言いなさい。
  738. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 今記憶がないのです。
  739. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 報告があつたでしよう。一つも覚えがないのですか。
  740. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 売つたことは確かです。
  741. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その報告があつたでしよう。それは答えられませんか。
  742. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 ちよつと記憶がありません。
  743. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そんなことで通りますか。自分で資料を出したと言いながら、今度は資料はどういうものを出したか覚えていない。報告があつたというが、どんな報告か覚えていない。そんなことで通りますか。あなた方は石炭に対してはオーソリテイーだ。どこへどれだけ売れているとか、これはどれだけに売れそうだということはわかつてつているに違いない。わからずにやれますか。答えられぬというのはどういうわけです。
  744. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 資料を持つて来れば逐一申し上げられますが、資料がないものですから。
  745. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 一つも答えられないですね。答えられないとすればやむを得ません。  もう一つついでに。九州及び広島であなたの方が買われた石炭は、あなたが公団の業務局長時代のものに間違いないでしよう。
  746. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その時代もあるし、その以後もあると思います。
  747. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 以後もあるが、大体はあなたの時代でしようね。
  748. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 さようでございます。
  749. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それならば承りたい。さつきてんで問題にならぬ石炭だとおつしやつたが、あなたは業務局長時代にそういうものをどれだけに買いましたか。
  750. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 規格に基いて買つているわけであります。炭の等級によつてそれぞれ値段がきまつているので、その値段で買つているわけであります。
  751. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 大体トン幾らですか。それはわかるでしよう。
  752. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 全体の平均炭価ですか。
  753. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 九州の若松の炭及び広島の炭。
  754. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 その原価は承知していないのです。
  755. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 広島炭なら幾らで買うことになつている、九州炭なら幾らで買つているということを、あなたは業務局長で知つておらないのですか。
  756. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 それは先ほど申しました通り、規格によつてきまるので……。
  757. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 だからその規格は幾らというのです。
  758. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 何級炭何円ということは今ちよつと記憶がないのです。
  759. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 あなたは業務局長ですよ。そういうことを言うてよいのですか。そういうことで一体証言になるのかね。
  760. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 ちよつと平均炭価のしつかりしたところを覚えていないのですから……。
  761. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 公団の業務局長が知らぬでほかに知つている者がおるのですか。
  762. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 ……。
  763. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 先ほどの九州で一万トン売つたという話に関連してですが、売買契約書は一部だけは来ているが、全部は来ていない、来ているものの中でもその価格については知らない、こういうお話です。それはいつまでもそういうふうに言い張られるならばやむを得ないと思います。それじや別な話をお伺いしたい。先ほどのあなたのお話では、銘柄は大体はつきりしておる。トン四十円で買われた公団石炭は煽石として売つたということですが、煽石で売つたならば、最近の売買価格で、一般の煽石の値段は大体どれくらいですか。
  764. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 一般は二千円見当だと思います。
  765. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 先ほどの証言の中で、広島と九州の方で、九州の方は半分しか売れていない。広島の方も非常に少ししか売れていないということですが、常識的にわれわれが感ずる限りでは、べらぼうに安い値段であるならば、そんなに残つておるはずはないと思う。今煽石の値段が二千円見当であるとするならば、商取引の常識としても、あなたの海陸運会社では、配炭公団から受取つた四十円の石炭を大体二千円見当で売つているのであろうと思います。それがまた会社の経理として当然のことだろうと思いますが、その点についてはどのように考えられますか。
  766. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 二千円と申し上げたのは市場値段でありまして、それから輸送費、積込賃、いろいろなものを引くと、いわゆる貯炭場における値段はわずかな金額になるように思います。
  767. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その輸送賃その他は大体どれくらいになりますか、そんなに千円も二千円もしないと思う。
  768. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 輸送賃、荷役賃等を引きますと、貯炭場においてはやはり百数十円ぐらいになるような計算だと思います。
  769. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その百数十円というのは、輸送賃諸掛が百数十円という意味ですか。
  770. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 貯炭場に還元した場合であります。
  771. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは逆に申しますと、運賃諸掛が手数百円もするのですか、その点あまり常識にはずれているので……。
  772. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 千円見当になると思います。
  773. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは先ほどの二千円見当から千円を差引いたら千円ぐらいのものになりませんか、やはり百数十円になるのですか。
  774. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 今申し上げましたように、場所々々によつて違うものですから……。(「九州のものを聞いているのだ。」と呼ぶ者あり)九州の分はおもに関東地区、名古屋地区に行つてつたように記憶しております。
  775. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ただいまのお話ではつきりして来ましたが、大体百数十円見当であつたという点、これはただいま証言があつたとして、これを再確認願いたいこと。それからもう一つは先ほど帳簿を燒いてしまつた記憶はない。自分が前任者から引継いだときに調べたが、そのときには帳簿を燒いたという事実はなかつた。またあなたが就任されてから現在に至るまで帳簿を燒いたという事実はないかどうか、この点をはつきり願いたい。
  776. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 帳簿を燒いたという事実については聞いておりません。今回九州で帳簿を燒いたということについて特に聞きましたので調べましたが、そういうことはないという報告が参つております。
  777. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 先ほどあなたが大体百数十円の値段だと言われましたね、この点を再確認しておきたいのです。  それからもう一つの点で、帳簿を燒いた記憶はないと思いますというようなことでなく、あなたはやはり会社代表する專務取締役なんだから、その立場で、そういう重大な問題はないとか、あるとかはつきり言つたらどうですか。そういう点があなたの誤解される一つになつているから、その二つの点でもつとはつきり確認願いたい。
  778. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 燒いたという事実につきましては、取調べましたところが、ないという報告を受けたことをはつきり申し上げたのです。
  779. 島田末信

    ○島田委員長代理 証人に申し上げますが、取引契約に関する支店その他出張所から本社に到着する分については、明日さつそくこちらに届けるようにしてもらいたい。
  780. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 百数十円の点を確認しておいてください。
  781. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 ……。
  782. 島田末信

    ○島田委員長代理 ちよつと証人に申し上げますが、あなたが、いろいろな資料の要求に対して、こちらに持つて来るのが非常に遅れがちであること、さらに先日来のあなたの証言が、委員各位からは証言拒否として十分疑われやすいような信憑性しか現在持つていないわけです。そこでこの委員会証言拒否として扱つて行くかどうかということをきめなければならぬ最終の段階に入つておるわけでありますが、あなたの心境をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  783. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 私は誠心誠意お答えしておるつもりでありますが、はなはだ遺憾でありますが、御満足なお答えができないのでありまして、値段関係につきましては、詳細調べたものを御提出いたしますから、それでひとつ承知願えればたいへん仕合せと思います。
  784. 島田末信

    ○島田委員長代理 皆さんにちよつとお諮りいたします。いろいろと証拠書類については至急にとりまとめてこちらに持つて来たいという証人のただいまのお答え、同時に今後なお証言自体について、われわれが証言拒否として扱うかどうかということは、またいろいろ検討してみなければならないし、なお委員会は継続されるのですから、本日はこの辺で打切つたらどうかと思いますが……。
  785. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ただいまのお話もあつたのですが、しかしただいまの証言等を聞きましても、提出される書類等について十分われわれは審査をしなければならないように、信憑性についても相当感じられるような節もありますので、私は單に委員長がただいまお話のように、証拠書類を收集することだけで問題が解決するのではなくて、その証拠書類によつて、また進んで馬屋原証人出席を求めるなり、徹底的に問題の究明を願いたい。ことさらなる偽証罪に証人を追い込んで窮地に陷れるということばかりが考査委員会の任務じやないだけに、問題の事実を究明する意味においても、むしろこの際、われわれの感じとしては、証言を拒否するかのごとき態度に対しては、その証拠書類を集めた上で、馬屋原証人出席を要求して、徹底的に究明されるような措置が委員会としてとられるように、特に私は希望しておきます。
  786. 島田末信

    ○島田委員長代理 ただいまの岡田君の御趣旨を尊重して、委員会は今後進みたいと思いまするが……。     〔島田委員長代理退席、委員長着席〕
  787. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 委員長、この航海訓練所の所属の船舶の輸送費の点につきましても、これは当時の業務局長として、輸送費諸掛関係業務課の係である。この点についてもまだはつきりしていない。だから極東海運の関係、西日本の関係、この関係がはつきりしていないし、そして極東海運と西日本との間に一千万円のげたをはいている点がまだはつきりしていない。そういう点については單に資料の收集だけではいかんから、この点まだ一、二点聞きたいと思うのですが、いかがですか。
  788. 篠田弘作

    篠田委員長 委員の発言はもちろん認めますけれども、今のような証言であれば、なんぼ聞き返しても同じであるし、それからこの前にも一度この証人は呼んでありますし、そしてそのときに、今度はいろいろな資料を持つて来るということになつている。にもかかわらず、ほとんど資料らしい資料も持つて来ておらないというのでありますから、今岡田春夫君の言われましたように、資料を集めて、また速記録について、どういう点において証言拒否の態度があるかということもよく愼重に調べて、本人にさらに反省を促して、次の委員会にもう一度尋問した方が、結論を得るのにいいのじやないか。この間から、今もいろいろ言われておりますけれども証人の態度は依然としてかわつておりませんし、証言らしい証言というものは一つも得ることができない。これ以上夜遅くまで続けて行きましてもむだだと思いますから、きようはこの辺でどうですか……。
  789. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 それに関連してちよつと……。証人は前回にもそうだし、きようもそうであつたし、資料も持つて来ない。ただいま委員長の言われた通りですから、現段階においては、われわれは証人証言を拒否しておるという認定を下しておるから、本日のこの証人の取調べの委員会は、証言を拒否しておるという委員の総意であるということを私はここに附加しておきたいと思います。そうでないと、この次にかつてな資料をつくり、そうして偽証をさらにやるおそれがあるということを、さらにつけ加えておきます。
  790. 横田甚太郎

    ○横田委員 馬屋原君はもう一回来るのですね。来るときに注文しておきたいのですが、今度は知らぬということを言わぬように、私の聞きたいことはこれだけです。検質と検量の問題、それから配炭公団と荷後炭と石炭協会、それから航海訓練所、それから配炭公団運営の問題、これは徹底的に聞かしていただきますから、十分用意をして来ていただきたい。
  791. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 もう一つつけ加えます。日本海陸運輸が配炭公団石炭の一括拂下げの問題について、九州四十円、広島百四十円、大阪百四十円という安い炭価で買つておるが、これはいかなる資料に基いてこの価格を出したかという点、それからこの公団からの一括拂下げに対する明細。それからこの拂下げた石炭を、九州においては約半分だから一万トンの買却をしておるのでありますが、公団からの一括拂下げについての全部の石炭に対する販売について、数量価格、それから販売先を詳細に調査をして来てもらいたい。
  792. 篠田弘作

    篠田委員長 それでよいですか、横田君——それでは証人に申し上げますが、あなたは先ほど宣誓をされておりますね。
  793. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 はあ。
  794. 篠田弘作

    篠田委員長 宣誓をされたときにはつきりこちらで申し上げてある通りでありますが、これは法律の名によつて証言を求めておるのでありますから、それに対してあなたが誠意を示さない、そして証言を拒否するような態度に出たり、あるいはまた知つていることを知らないと言つたり、わかつていることを偽証したりされれば、法律の処罰を受けるということはあなたがさつき宣誓されたことではつきりわかつておるのです。われわれは別に検察庁でありませんから、犯罪の捜査をしているわけでもなければ、刑事上の問題をここで取扱おうとしておるのではありません。ただ国会として、四十数億円に上る配炭公団赤字というものの相当部分が、不正によつて出ておるということ、国民の税金によつてこの赤字を埋めなければならない関係上、その実情を調査しておる。それに対してあなたが宣誓をしておきながら協力されないということになれば、委員会はそれ相当の処置をとらなければならない。あなたが今何か自分で言いたくないような問題があつて、そのために言われないのかもしれませんが、結果はもつともつと大きな結果になるということをよくお考え願いたい。この前も資料を持つてここに出て来るということであなたを呼んだ。しかるに何にも資料を持つて来ない。質問に対してもほとんど知らない。そういうことで公団局長が勤まるものではないということがわれわれの常識であります。この次までにおひまをあげますから、十分に考えて、今度そういう態度に出られるならば、委員会としては相当の覚悟をしなければならないということをつけ加えておきます。
  795. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 今度態度を改めて出られるのですかどういうのですか。今と同じような考えを持つて来られるならば、何べん呼んでもしようがないと思う。どうです。
  796. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 この次は十分資料をそろえてお答え申し上げます。
  797. 篠田弘作

    篠田委員長 間違いないですね。
  798. 馬屋原隆志

    ○馬屋原証人 はあ。
  799. 梨木作次郎

    ○梨木委員 東京倶楽部関係もよく調べて来ていただきたい。
  800. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは今申した通り、十分に資料を持つて誠意ある答弁をこの次の委員会において希望します。  それでは他に御質疑がなければ、これにて馬屋原証人に対する本日の証人尋問を終ります。  次会は、理事諸君と協議の結果、八月中は委員会を開かず、九月に人つてから開く予定でありますので、その際は電報もしくは公報をもつて御通知いたすことにいたしますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  801. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体この考査委員会の次の事件はどういうようなものを扱うか、どういう調査ができているか、ひとつおしらせ願いたい。
  802. 久保田鶴松

    ○久保田委員 いろいろ各委員から尋ねられたのに対し、証人はぬらりくらり逃げて、ちつともほんとうのことを申しておりません。そこでこれはこの前の理事会におきまして、八月中は休んで、九月からということでありましたが、選挙区に帰られる日にちをもうちよつと辛抱してもらい、それまでに一応証人の方にいろいろごまかす期間を與えることは私悪いと思う。数日後にもう一度この証人を呼んで、いろいろ資料も出してもらつて、この委員会を持つてもらいたい、かように思います。
  803. 篠田弘作

    篠田委員長 それではただいま久保田君から御発言がありましたが、大体馬屋原証人の尋問をもつて今国会における結末を一応つけたいと思つたのでありますけれども、馬屋原証人が現在のような状態では、これを一箇月延ばすということもまたどうかと思われますので、できれば二、三日中にもう一回委員会を開くということに大体了承を願つて、明日十一時半から理事会を開いて、馬屋原証人の喚問の期日その他をきめます。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二分散会