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1950-07-26 第8回国会 衆議院 考査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月十九日  篠田弘作君が委員長に、島田末信君、塚原俊郎  君、内藤隆君、吉武惠市君、小松勇次君、久保  田鶴松君及び横田甚太郎君が理事に当選した。     ――――――――――――― 昭和二十五年七月二十六日(水曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 島田 末信君 理事 塚原 俊郎君    理事 内藤  隆君 理事 横田甚太郎君       岡延右エ門君    鍛冶 良作君       黒澤富次郎君    小玉 治行君       佐々木秀世君    田嶋 好文君       田中不破三君    田渕 光一君       福井  勇君    福田  一君       柳澤 義男君    稻葉  修君       大森 玉木君    平川 篤雄君       猪俣 浩三君    坂本 泰良君       梨木作次郎君    岡田 春夫君  委員外出席者         証     人         (元配炭公団業         務局長)    馬屋原隆志君         証     人         (経済安定本部         産業局長)   増岡 尚士君         証     人         (資源庁炭政局         長)      中島 征帆君     ――――――――――――― 七月二十日  委員菅家喜六君及び中川俊思君辞任につき、そ  の補欠として田中不破三君及び福田一君が議長  の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員の選任に関する件  資料要求に関する件  証人出頭要求に関する件  公団をめぐる不正事件配炭公団関係)     ―――――――――――――
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。前国会において調査未了の案件は、今国会も引続き調査を続行いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なきものと認めます。それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 なお調査の必要上事務的資料要求につきましては、前例に従いまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 それではさよういたします。     ―――――――――――――
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 次に篤農家表彰の件についてお諮りいたします。本件につきましては、前国会通り委員会を設置いたしまして調査をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 篠田弘作

    篠田委員長 異議なきものと認めます。それではさよう決定いたします。  なお小委員委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 異議なきものと認めます。それでは    岡延右エ門君  黒澤富次郎君    大森 玉木君  坂本 泰良君    松本六太郎君 以上五名を篤農家表彰の件に関する調査小委員に指名いたします。     ―――――――――――――
  9. 篠田弘作

    篠田委員長 先般より調査を進めて参りました公団をめぐる不正事件のうち、配炭公団関係並びに薪炭需給調節特別会計赤字問題につきましては、理事諸君の御承認を得まして、本日元配炭公団業務局長馬屋原隆志君、経済安定本部産業局長増岡尚士君、資源庁炭政局長中島征帆君、二十七日に配炭公団清算事務所経理局次長中島祐吉君、配炭公団清算人加藤八郎君、二十八日に東京燃料株式会社取締役社長廣瀬與兵衞君、東京木炭事務所長内藤信行君、林野庁薪炭課長濱田正君、以上八名の諸君にそれぞれ本委員会出頭を求める手続をいたしておきましたのでありますが、以上の諸君を本委員会証人として決定いたすことに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なしと認めます。それでは証人として決定いたします。     ―――――――――――――
  11. 篠田弘作

    篠田委員長 それではこれから配炭公団をめぐる不正事件につき調査を進めます。証人より証言を求めることにいたします。ただいまお見えになつている方は馬屋原さん、増岡さん、中島さん。あらかじめ文書をもつて承知通り、本日正式に証人として証言を求むることに決定いたしましたから、さよう御承知ください。  ではただいまより配炭公団をめぐる不正事件につきまして皆様方証言を求むることにいたします。  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。     〔証人馬屋原隆志君各証人を代表して朗読〕    宣誓書   良心に從つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  12. 篠田弘作

    篠田委員長 では宣誓書署名捺印を願います。  それでは馬屋原さん、増岡さん、中島さんの順序で証言を求めることになつておりますから、増岡さんと中島さんはしばらく元の控室でお待ち願いたいと思います。  馬屋原さんですね。
  13. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  14. 篠田弘作

    篠田委員長 これり証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、議事の整理上、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なおこれから質問をしておるときにはおかけになつてつてよろしゆうございますが、お答えの際には起立を願います。  それから上着はおとりになつてよろしいです。  馬屋原さんは現在何をやつておられますか。
  15. 馬屋原隆志

  16. 篠田弘作

    篠田委員長 それ以前は。
  17. 馬屋原隆志

  18. 篠田弘作

    篠田委員長 山元フアイナル制というものがあるそうですが、その意味、あるいはそれを始められた時期、目的、方法、現在廃止されておるとすればその廃止理由について、一言述べてください。
  19. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大分時日がたちますので、御明答はできないかも存じませんが、配炭公団が設置されまして、石炭の一手買取り、一手販売業務を執行いたします上におきまして、山元で買い取るというようなことになつた関係上、取引の方法が、主として山元最後公団のものになるというのを称して、山元フアイナルというふうに言つておるように承知しております。
  20. 篠田弘作

    篠田委員長 その山元フアイナルというのは、石炭生産者公団との石炭受渡しについて、山元駐在員というものがおつて、検査及び検量をして受取るということが、結局山元フアイナルということになるわけですね。
  21. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  22. 篠田弘作

    篠田委員長 それはもちろん正確を期するためにやるのでしようけれども、それをやめた理由はどこにあるのですか。
  23. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団廃止ということがきまつてからやめたように記憶しております。私は昨年の七月当初におきまして、公団を退職したものですから、その後のことにつきましては詳しく承知しておりません。当初の記憶としてはそういうふうに思つております。
  24. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、廃止した後は、受渡しについてはいわゆる立会人がなかつたわけですか。
  25. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 立会人はおつたと思います。
  26. 篠田弘作

    篠田委員長 山元駐在員というものが立会いをするということがフアイナル制でしよう。
  27. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  28. 篠田弘作

    篠田委員長 ところがそれを廃止すれば、山元駐在員は立会いをしないということになるのじやないでしようか。
  29. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 山元駐在員のおるところといないところがあるわけでございます。そこに生産業者のそういう面の代行といいますか、そういうような面もあるわけでございます。最後までいわゆる山元駐在員がおつたところと、当初から全然いないところと、二様あつたわけです。これは人員と経費の都合その他から、逐次拡充してやるということが、最後まで十分なそういう面の手当もできなかつたというような情勢もありますので、全面的に駐在員がおつたわけではなく、何割かの必要な個所に駐在員がおつた。こういうことになつております。
  30. 篠田弘作

    篠田委員長 駐在員のいないところでは、受渡しは必ずしも数量品質ともに適正なる受渡しが行われたということは言えないのじやないですか。
  31. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは昔鉄道貨車で出しましたので、鉄道貨車につきましては、鉄道当局におきましても、輸送上の面から見まして、港頭で検量しておりましたから、その点については、万全とは言えませんけれども、不都合はなかつたように記憶しております。
  32. 篠田弘作

    篠田委員長 数量の問題については、鉄道貨車でやるから、鉄道係員が立ち会えば大体間違いがないということが言えるけれども、品質の点については、鉄道係員にはわからないのだから……。
  33. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 品質の点は、公団に研究所がございまして、分析所が各要所要所に配置してあるわけでございます。それに一品につきまして三回の分析をやることになりまして、その平均品位において銘柄を査定して格づけをする。こういうふうなきわめて合理的といいますか、なるべく合理的にやつてつたわけでございます。
  34. 篠田弘作

    篠田委員長 それでその廃止後、急に不良炭がたくさん公団に渡された。これは一般の常識であり、またそういう評判なんですが、そういうことはなかつたのですか。
  35. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 廃止後につきましては、先ほど申し上げましたように、当時私在職しなかつたものですから、はつきり存じておりません。
  36. 篠田弘作

    篠田委員長 それではその次に、常磐炭海上輸送という面について、あなた御存じですか。
  37. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どういう点か存じませんが、海上輸送という面につきましては、輸送面は大体石炭局方面で担当しておりましたので、私の担当した業務局というものは、主として価格操作関係上、運賃のとりきめとか諸掛のとりきめというものを半期に一回とりきめまして、それの運営は、実務運営いたしますところの石炭局なり、コークス局関係当局とも打合せまして、その計画に基いて実施する。こういうようなやり方をしておつたわけであります。
  38. 篠田弘作

    篠田委員長 大体石炭局関係で、あなたの方の関係でないと言われるけれども、昭和二十三年の四月六日から二十四年一月二十九日までの間に、二十四回にわたつて清水、名古屋、その他へ三千十トンの海上輸送を試みた。これは試験輸送だと思いますが、その後もその輸送を続けておつた。その結果として陸上輸送よりも三倍の運賃をそこで払つておるというような事実があつたということは御存じですか。
  39. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 三倍の輸送料か何倍か存じませんが、これは計画輸送をやるために石炭庁なり、運輸につきましては海運総局なりと打合せまして、大体どこからどこへ送るというわくができるわけです。そのわくに從つてやるわけでありますので、公団はその後、いわゆる計画されたものを実施する上においてやりました関係上、鉄道運賃よりは海上運賃の方が高いということはわかつておりますが、これは輸送力関係上そういう計画を策定されてやつたわけでありますので、それに基いて公団は実施したという結果にほかならないのであります。
  40. 篠田弘作

    篠田委員長 輸送力だけですか。
  41. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 輸送力その他の関係を勘案せられたのだろうと思いますが、海運につきましては海運総局陸運につきましては当時の鉄道総局、こういう方面と打合せまして計画ができまして、その計画に基いて配船する、こういうことになつております。
  42. 篠田弘作

    篠田委員長 ところが実際輸送に従事した船のうち、航海訓練所所属船の、実際は大型汽船であつたものまでを機帆船わくの中に入れて、大型汽船よりも高い機帆船運賃を払つておる。あるいはまた西日本という一つの会社に対してそういうものを請負わす。西日本はまた、船も何も持つておらないような、極東海運というような影の会社にそれを請負わせて、そして非常にトン当り高い運賃を払つておる。そういうようなことは、全然あなた方が知らないでそれをやられたかどうか。
  43. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その問題はあとから承知いたしましたが、大体のやり方を御説明申し上げれば御了解を得るのではないかと思います。先ほども申したように、業務局といたしましては、汽船運賃につきましては運営会半期ごとに一括契約いたしまして、その契約内容物価庁のきめられた海運賃、その他の要綱に基いて契約する、つまりその他の要綱を加えたもので契約するわけであります。なお機帆船につきましては、山口、九州炭につきましては西日本が一本の窓口になつております。北海道につきましては、中央機帆船というのが窓口になつておりまして、それと半期ごとにいわゆる公定価格に基いて契約する、こういう業務兼務局はやりまして、これに基いて、今度は別に配船計画をそれぞれ先ほども申したような関係当局と打合せて、最後にGHQで決出したものに基いて公団は実施するわけであります。その際に、先ほどお話になつた問題は特殊船であるわけでありまして、あとから聞きましたが、石炭局の方の報告によりますれば、当時特殊船であるがために、汽船にするか、機帆船配船するがということにつきましては、話が出たそうでありますが、運営会の方では、それは使用することができない、スカジヤツプ・ナンバーもないからというようなことで、打合せた結果が、西日本の方で配船してやつたらどうか、こういうことになつた関係上、西日本窓口であるところの機帆船として、西日本から配船してやつたわけであります。
  44. 篠田弘作

    篠田委員長 それで機帆船運賃の方が高いということがわかつておりながら、大型汽船をわざわざ西日本わくの中に入れて、機帆船として高い運賃をとらした、こうういうことになるわけですね。
  45. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは結果で、当時私どもはそういう内容は知らなかつたわけであります。今言つたように、特殊船という意味合いにおきまして、どちらにするかということで、機帆船窓口の方にやつたという結果になつたわけであります。従つてその下請がどういうことをやつたかというようなことは、われわれといたしましても、ずいぶん、半年も一年もたつたあとで、検察当局の方のいろいろな御調査の結果が、そういうふうになつたようにその後聞いたわけでありまして、当時におきましては、そういうことはわれわれといたしましても承知しておらなかつたのであります。一言申し上げたいことは、現在の経済情勢と違いまして、当時は非常に船腹の不足した際でありまして、いわゆる価格におきましても、マル公をいかにして維持するか、やみ運賃をいかにして削除するか、こういう点について、公団におきましても非常に苦心した次第でありまして、船腹も足らないからというので、機帆船方面窓口としても、計画配船ができない。こういうようなことがあるために、石炭局の方におきまして関係当局と打合せて、西日本配船としてこれを配船した。こういうふうな報告を受けておるわけであります。
  46. 篠田弘作

    篠田委員 報告はそう受けたかもしらぬが、事実昭和二十三年の末から二十四年の六月というから、年の半ばだけれども、その時分になれば実際において、貨車まわりも相当よくなつて来ておるし、それから事実問題として、機帆船などというものは、もうそれを使う人がほとんど減つて来ておるような時代つたと思います。
  47. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきりした事実を覚えておりませんが、あの問題が起つたのは、おそらく二十三年の後半期じやないかと思うのであります。当時の情勢は、先ほど申したような船舶の逼迫した時代であつたように承知しております。その後いわゆるドツジ・ラインによりまして、いろいろな経済界の変動が起つて委員長のおつしやるような方面に変化したために、配炭公団といたしましても、それに即応して運賃の引下げその他についても、最大の努力を払つたことは前回にも申し上げた通りであります。
  48. 篠田弘作

    篠田委員長 西日本幾ら運賃を払つたか、覚えておりませんか。
  49. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 承知しておりません。
  50. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは西日本に大体二千二百三十二万円を払つた。ところがあなたは、西日本一本でやると言つておられるけれども、その西日本のとつた手数料は、わずか三%の六十八万円であつてあとの部分はそのうしろに控えておる極東海運というものに払われておる。ところがその極東海運というものも、実際にもらつた運賃は一千万円だということを言つておるので、その間に約一千万円の金がどこへ行つたかわからなくなつておる。この問題について……。
  51. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団といたしましては、先ほど申したように契約相手西日本以外にないわけでありまして、西日本機帆船類に対しては一切責任を持つて配船するという契約になつておるわけですから、西日本がそれをまたチヤーターしようが、いかなる方法をもつてつて来ようが、その先まで公団としては調査するとかいうようなことは、当時はなかつたわけであります。
  52. 篠田弘作

    篠田委員長 しかし西日本契約する以上は、西日本にそういう能力があると見なければ公団契約しないわけですね。
  53. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 能力があるものと官庁側も認められて、そういう機構になつていたわけであります。
  54. 篠田弘作

    篠田委員長 この問題について、稻葉さんが調査されているようですから、何かありましたら……。
  55. 稻葉修

    稻葉委員 証人ちよつと不適当と思いますけれども、一応念のためにお知りになつているかどうかをお聞きします。ただいま委員長からいろいろお尋ねがあつて、これに対してあなたは、配炭公団業務局長としては、そういう点については当時はあまりタツチしていなかつた、こういう御返答でしたが、タツチしておられて、そうして御存じのような点だけをお答え願えばいい。それから知らない点は知らないとおつしやれば、それでようございます。  常磐炭海上輸送のことについてお尋ねいたしますが、海上試験輸送ということを当時お聞きになつておりましたか。当時は全然聞いておりませんでしたか。
  56. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 聞いておりました。
  57. 稻葉修

    稻葉委員 それではいつからいつごろまでやつたか、御存じでありますか。
  58. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大分以前のことで、はつきり期間のことについては記憶がございません。
  59. 稻葉修

    稻葉委員 それではこちらからお尋ねいたしますが、期間の点について、二十三年四月六日から二十四年一月二十九日までに間に試験輸送が行われたというふうに現地調査の結果は報告されております。その点について御記憶はいかがですか。
  60. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 期間についてははつきり記憶はございませんが、先ほど申したように、一切の運営石炭局なりコークス局の方で配船なりそれぞれの実務をやつたものですから、従つて例特殊船不祥事件が起つたということも、半年ないしそれ以後に承知しておるような関係上、具体的な数字その他につきましては承知しておりません。
  61. 稻葉修

    稻葉委員 これから聞くこともたいてい承知ないだろうと思いますが、念のためにそれでは全部お聞きします。この試験輸送はどの方面向け輸送されたかということも御存じなかつたのですか。
  62. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は記憶しておつたかもしれませんが、現在はつきり覚えておりません。
  63. 稻葉修

    稻葉委員 それじや相当タツチしてはおられたのですね。
  64. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 タツチといいますか、いわゆる一ぺん配船したあと報告を受けるものですから、その報告に基いて聽取しておるというような結果でございます。
  65. 稻葉修

    稻葉委員 この海上輸送陸上輸送と比較して経済的に非常に不利であるということを当時お聞きになつておりましたか、お聞きになつておりませんか。
  66. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は御説明申し上げればよくわかつていただけると思うのですが、いわゆる価格政策上から言いましたら、汽車賃が一番安いわけであります。
  67. 稻葉修

    稻葉委員 それでよろしいです。経済的には不利であるけれども、輸送が大事だから、経済的不利を忍んで、陸上輸送量をカバーするためにやつた、こういうわけですな。
  68. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうなると思います。
  69. 稻葉修

    稻葉委員 それならば次にお尋ねいたしますが、陸上輸送の量と、昭和二十三年四月六日から昭和二十四年一月二十九日までの間に海上輸送された量とを比較いたしまして、陸上輸送をカバーするだけの量を海上輸送でなされましたか。
  70. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ちよつとはつきり記憶しておりません。
  71. 稻葉修

    稻葉委員 記憶を呼び起すためにこちらで申し上げますが、わずか六%にすぎなかつたそうです。そういう点はどこから来たかというと、海上輸送発送港である小名濱港というのは、非常に水深が淺くて六メートルにすぎない。そのために大型船を横づけるわけに行かないので、非常に能率上悪かつた。そういう能率の悪い港を海上輸送使つて、経済的に非常に不利であるけれども、陸上運送をカバーするためにはやむを得ないと思いましたか、その当時思いませんでしたか。
  72. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大体政策的には、われわれは価格政策を主としてやつてつたものですから、なるべく迂回するものとか、賃金の高いものにつきましては、業務局としてもチエツクしておつたわけですが、実際の輸送上やむを得ないといいような場合には、その方面輸送料がむしろ高くても、配給計画の実施という面を尊重するために認めておつたわけであります。
  73. 稻葉修

    稻葉委員 今のお答えで、価格政策上は非常に不利であるけれども、なるべく輸送量を多くするという必要のためにやむを得なかつたと言いますけれども、ただいま私がお聞きしたように、非常に能率的にもなつちやいない港である。そういうことを知りながらこれをやつておりましたか、どうですか。
  74. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど申したように、私配給方面実務をやつていないものですから、そのお尋ねに対して御満足の行くようなお答えはできないと思います。
  75. 稻葉修

    稻葉委員 それではさらに次にお尋ねしたいことは、当時現地におきましても陸運一方にやるべきことであつて常磐炭海上輸送はやめてもらいたいという反対の声を大にしておつたという点について、あなたは当時御承知になつておりましたか。それとも全然そういうことはお耳にされませんでしたか。
  76. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 反対の声は別に聞いておりませんでした。
  77. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと馬屋原君に御注意申し上げますが、あなたは配炭公団業務局長として、いわば無任所理事の席におられたので、こういうものについて、いやしくも業務局長という性質上、すべてタツチされておると思つて呼んだのでありますが、あなたの今のお話を聞いてみると、何も御存じないというふうに聞える。ほかの証人を呼んで、もし知つてつてあなたが隠されたということになりますと、さつきの宣誓に違反しますから、御存じのことだけは全部お話になつた方がいいと思います。一言御注意申し上げます。
  78. 稻葉修

    稻葉委員 現地において海上輸送に対する反対意見を強く表明したということは、現地調査によつて明らかになつておりますが、その点についてあなたは業務局長として、当時全然耳にいたされなかつたという返答でありましたが、その通りですね。
  79. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ただいま申し上げたのは記憶がないということを申し上げたので、当時のことを調べてみませんと、はつきりいたしておらないわけであります。
  80. 稻葉修

    稻葉委員 それでは当時聞いていたかどうかも不明だというわけですね。――全然耳にいたしていなかつたという証言ではないですな。
  81. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在記憶にないという意味であります。
  82. 稻葉修

    稻葉委員 それじやそういう点について、あまりあなたは業務局長として職務に熱心じやなかつた……。どうですか
  83. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 自分では業務に熱心にやつたつもりですが、今言つたように相当時日がたつておりますので……。
  84. 稻葉修

    稻葉委員 輸送量をどうやつてカバーするか、海上輸送で非常に価格政策上不利だけれども、この程度ならばやむを得ぬのだ、どうしても増産上やむを得ぬというようなせつぱ詰まつた状況であつたならば、あなたは業務局長として、その点について相当つつ込んだ記憶があるべきだと私は思うのですが、あなたは全然記憶はありませんか。
  85. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 全然ということは、今言つたように現在記憶はつきりしていませんので……。
  86. 稻葉修

    稻葉委員 聞いたような気はいたしますか。
  87. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきりいたしません。
  88. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは経済査察庁の監査の際に、そういう問題は指摘されなかつたですか。
  89. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 受けていないように思いますが、これもはつきりいたしません。
  90. 稻葉修

    稻葉委員 証人は非常に不適当であると思うのでして、当時の石炭庁――今日資源庁になつておりますが、資源庁の当該官吏を呼んだ場合に、もう一度この点を明白にしたいと思います。
  91. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいまの証人は、全部知らぬということを言われておりますが、はたして証人として不適当であるかどうかということは、あとのこれに関連した証人を呼んでみないとわからないわけです。ですからもしあと証人を呼びまして、そして現在の証人が、わかつてつて隠しておる、いわゆる証言を拒否しておるのだというようなことがわかつた場合には、それはそのときにまた皆さん方と協議をいたしたいと思います。まだ適当であるか不適当であるかを決定するには、この証人証言だけではきめられない。こういうように思います。
  92. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 一言申し上げておきますが、記憶がないと申し上げたのであつて承知しないということは申し上げておらぬわけですから……。
  93. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 ちよつと議事進行になりますか、それともそれに当てはまらないかもしれませんが、こういうふうに記憶がないということ一点張りでやられたのでは、ちよつとも要点がつかめないので、しばらく休んでもらつて、そうして別な証人を喚問している間に記憶を呼び起してもらつて、そうしてまた本日続行してやるというぐあいにしたらどんなものでしよう。このまま継続しても、記憶がない一点張りでは、議事が進行しないと思います。
  94. 篠田弘作

    篠田委員長 わかりました。それではその前に証人に申し上げます。配炭公団の職制及び業務規程によりますとその第十三條に、業務局においては石炭、コークス(半成コークスを含む、以下同じ)及び亜炭(亜炭コークスを含む、以下同じ)の規格、買取り価格及び売渡し価格、買取り及び売渡し、輸出及び輸入、検量及び検炭、運賃諸掛、輸送証明及び荷役施設の運用に関する事項をつかさどるということが、あなたの方の職務規程の中にはつきりうたわれておるのに、その局長であるところのあなたが、それが全然記憶にない。少くも今日これだけ配炭公団問題が世間の視聽を浴びて、しかも国会の考査委員会にあなたが呼ばれるという段階になつて、何らの資料も持たず、何らの調査もぜずしてあなたがここに来て、記憶がない一点張りで、それであなたは証人としての責任が果せるかどうかということを、一度控室へ帰つてゆつくりお考え願いたいと思います。
  95. 田渕光一

    ○田渕委員 一応控室へ行く前に…。私は途中で入りましたのでわかりませんが、証人の、この配炭公団業務局長の前の経歴をお聞きくだいましたか。業務局長の前に何をされておつたかということを伺いたいのであります。
  96. 篠田弘作

    篠田委員長 それを証言してください。
  97. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の前は、関東石炭販売会社の社長をやつておりました。
  98. 田渕光一

    ○田渕委員 関東石炭販売会社の社長をされておつたとおつしやいますが、関東石炭販売会社の前に何をなさつておられましたか。
  99. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 関東石炭の前は日本石炭株式会社の社員でありました。
  100. 田渕光一

    ○田渕委員 それを伺いたいのであります。日本石炭株式会社は、ほとんど石炭屋をもつてこれを構成しておるのであります。それで日本石炭株式会社の前に何をされておつたか伺いたい。昭和十六年でありますから記憶がありましよう。
  101. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 日本石炭の前は昭和石炭会社の社員です。
  102. 田渕光一

    ○田渕委員 ほとんどこの配炭公団の重要な理事あるいは局長級は、日本石炭株式会社配炭公団にかわつたときに、同じ部屋で、同じビルで、同じ人的構成で、看板だけ塗りかえてやつたたのあります。でありますから昭和十六年大東亜戰争へ突入のときに、日本石炭株式会社になつたときに、三井あるいは三菱、こういうような大阪で石炭をやつてつた人たちが、みんなそののれん代をとつて日本石炭株式会社へ入つたのであります。でありますから三菱鉱業の石炭部に入つておられたかどうか、あるいは大阪、あるいは東京の石炭販売、あるいは石炭の経理等に関係されておつたのかどうかということを伺いたいのであります。
  103. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 三菱鉱業時代は九州、北海道方面におりまして、石炭の販売の方をやつておりました。
  104. 田渕光一

    ○田渕委員 それだけ石炭に二十年近い長い経歴を持つている人が、ことごとく記憶がない、記憶がないの一点張りでは――少くとも三菱ともあろうものが、馬屋原さんのような人を採用しはしまい。休憩時間中に良心に十分問うてみて、知つていることはやはり知つていると言わなければ、われわれは追究する手をやめられないのであります。
  105. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 一言お願いしたいのですが、先ほど記憶がないと申し上げたのは、常磐炭の一つの問題だけでありまして、その他の問題につきましては記憶はつきりしないということは申し上げてないのであります。從いましてその点はひとつ御考慮願いたいと思います。
  106. 篠田弘作

    篠田委員長 それではあなたの御存知のところだけ一応聞きましよう。  あなたは現在日本海陸運輸株式会社の專務取締役をやつておられるのですね。
  107. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はあ。
  108. 篠田弘作

    篠田委員長 この海陸運輸という会社が大阪、広島、九州等において公団の貯炭を多量に買いつけておるようでありますが、その買付の時期、数量価格について一応御説明願いたい。
  109. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 数量、金額等は今はつきりいたしませんが、御質問があればいつでも調べまして出します。日本海陸運輸は、御承知かもしれませんが、国鉄の海上輸送を担任しておりまして、各場所に貯炭場なりその他の荷役設備を全国的に持つておるものですから、公団が民間に販売を移す際に、私が総裁の推薦で入社いたしましてやつております関係上、そういう設備を生かすために、全国的な商売によつて公団の貯炭につきましても、それぞれの手続を経まして入手させていただいておるわけであります。從つて数量その他につきましては、今ここでどこが何トンということはちよつと記憶しておりませんから、これはいつでも後刻御報告申し上げます。
  110. 篠田弘作

    篠田委員長 この問題につきまして岡委員、田渕委員調査されておると思いますが……。
  111. 田渕光一

    ○田渕委員 大阪で一月から三月までに一万三千九百三十九トン、廣島で三月に六万トン、九州で三月に一万九千トンというものを買い取つておるのであります。会社の專務でありまするから、少くともこの点についてはまだ記憶も新しいだろうと思いますが、このときの廣島の六万トンは、一括処分として百四十円で買つておる。それから九州の一万九千トンは四十円で一括処分いたしております。少くとも公団の帳簿価格は千九百四十円であります。これは赤字融資あるいは価格補助をしておりまするから、大体四千円くらいで購入しておつた石炭であります。それをわずか百四十円、七%で一括処分をしてこれを買い受けておるという御記憶はどうか、伺いたいのであります
  112. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大体その見当だと思います。
  113. 田渕光一

    ○田渕委員 私ども調査班は現地に参りまして――あまりにも中央では知らぬ存ぜぬの一点張りで逃げまするので、調査班が全国に五個班にわかれて調査いたしたのであります。現地に行きますと、今度は中央の指令によつてつておるということであります。ところが地方は何で中央の指令に從つたかといいますと、幾らでもいいから処分しろという司令部の命令であつたと言つております。そこで経済安定本部長官にあてた一九四九年八月二十四日のマーカツト経済科学局長の指令でありますが、それによりまするとこう言つております。いろいろありまするけれども、第七番目に「経済安定本部長官は上記対策実施に関する計画を作成し、おそくも八月二十七日までに提出されたい」というマーカツトの指令が出ております。それに対しまして、政府は閣議を開きまして、去年の八月三十日の閣議決定に基いて、これを経済安定本部にまわし、経済安定本部は、配炭公団の手持貯炭は明年四月一日を目途としてこれを処分するという回答を司令部へ与えておるのであります。要するに幾らでもいいから売つてしまえというような指令は絶対出ていないのであります。しかるにこれに対する書類の資料はありませんが、何でも聞くところによりますると、私的に寄り合いましたときに、司令部のある人が幾らでもいいから売つてしまえと言うから売つてしまつたと言つておるのであります。たとえば大阪の配炭支局におきましては、九十四万トンの石炭のうち大体二十万トンを処分いたしまして、あとの七十万トンはやはりこの百四十円で処分いたしております。こういつた損失が大体三十二億であります。とにかくわれわれが国会議員として衆参両院で一箇月一万円の税金を一箇年払うても八千万円であります。三十何箇年も国会議員が働いて払わなければならないような税金を、一大阪配炭支局でもつて損をしておる。こういうことを業務局長として知らぬ存ぜぬということはまことにふかしぎなことであります。経済科学局長からは幾らでもいいから売つてしまえという指令は出しておりません。また経済安定本部も経済科学局長にあてて、適当に四月一日までに処分すると言つておるのです。そうすると八月二十四日の指令であり、二十七日の回答によつて、かりに九月から実施いたしましても、九、十、十一、十二、一、二、三と七箇月間の十分処分する期間があつたのに、これをわざと処分しないで一括して売つてしまつた。しかも配炭公団におつた業務局長がつくつたこの会社に対して百四十円で売つておるのでありますから、まことにもつて私はけしからぬ問題だと思う。これを知らぬ存ぜぬで通して行くというならば、相当考えなければなりません。この点について地方ではどうだというと、中央の指令だと言つておる。中央に行くと地方でやつたことだから知らぬと言つて逃げておりますけれども、ここにはつきり資料が出て来たのであります。この点に対して業務局長としてどういう御記憶があるか承りたい。
  114. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今のお話はおそらく公団解散の決定後の処置として起つた問題だと思うのでありまして、当時私が就任したころには、貯炭の点が多少増高しておるというようなことで、まだただいまのような状況になつていないときでございますので、業務局長としての私としては、時期が違うのではないかと存じます。
  115. 篠田弘作

    篠田委員長 業務局長としての立場から聞いておるのではありません。あなたが日本海陸運輸の專務をやつておりますから、前に業務局長であつたあなたが、帳簿価格千九百四十円のものを六万トンも百四十円で買い付けておる、あるいは一万九千トンを四十円で買い付けておる。その間のいきさつを聞いておるのであつて業務局長としてのあなたが払い下げたとか何とかいうことではない。どういういきさつで、帳簿価格が千九百四十円もする石炭をたつた百四十円で六万トンもあなたの方で買い付けたかということを、田渕委員は聞いておるのです。
  116. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 詳細なことは調べないとわかりませんが、大体買い付けた炭は宇部炭とか、下級炭が大多数でありまして、雨季を控えてほとんど廃炭になる炭が相当量ある。なお廃炭になればそれも捨てるとか、いろいろな費用がかかります。そういう点を計算いたしまして、公団当局の方に提出いたしまして、御査定、御決定を願つた額でございます。
  117. 田渕光一

    ○田渕委員 この価格裁定委員会というのも調べました。たとえば名古屋におきましては名古屋財務局、あるいは名古屋経済調査局、あるいは名古屋の通商局の鉱山部というものもタツチされております。けれどもこれらは石炭のせの字も知らない、こういう計数、知識の何らないものをわざとその構成員に入れて、結局これは昭和十六年にもどした形である。昭和十六年石炭屋が日本石炭になり、日本石炭配炭公団になり、配炭公団が今度は廃止になるについて、こういう海陸運輸会社をつくつてそれを落して来た。こういうふうにまつた計画的に来ておる。ことに石炭については三菱鉱業におられ、相当に知識のある方が、千九百四十円、それに赤字融資、設備融資、価格補償金というものを入れるとほとんど四千円近くにもなる。これを百四十円で買つて、あなたは良心に恥じなかつたかどうか、これを私は伺いたい。
  118. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど申したように、相当実地の調査をいたしまして、費用のかかる点を調査した結果を出しまして御決定願つたわけでありまして、われわれといたしましてはその価格が適当だと、こう考えております。
  119. 篠田弘作

    篠田委員長 その百四十円の石炭を幾らで売りましたか。
  120. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在まだ大多数残つておりますので、一部そのうちの優良炭だけを販売したように記憶しております。從つてこれも調査してみませんと、ここで幾らということもお答えできないような次第であります。
  121. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは衆議院の考査委員会証人として呼ばれる場合に、そういう自分の業務上、職責上の問題を何ら調べることなしに、ただぽかつと来られたのですか。
  122. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の問題につきましては調査して参つたのでございますが自分の事業上の問題につきましては、先ほども申したように全国的になつておりますので……。
  123. 田渕光一

    ○田渕委員 それではひとつ例をもつて証人記憶を呼び起すために伺います。たとえば和歌山県の熊野炭田、松沢炭鉱の炭を、本員がこの調査のときに尼崎貯炭場を調べたことがあるのでありますが、その石炭をわずか八十円で大阪で処分をいたしまして、これを和歌山県の由良港に揚げておつた。その五千トンのうち七百何十トンというものが扶桑金属であります。これに二千二百円で売つておるのであります。こういうようなことで、決して幾らで買つて幾らで売つたか知らぬというようななまやさしいものじやありません。少くとも今日まで石炭で立つて来られたあなた方が、日本の国民の血税によつて出た石炭を、こんな価格で売つて良心に恥じないかどうか。私は名古屋、大阪の調べにおいて財務局で言つております。一部の不正者が不正な利得をして、大衆の血税、たとえばわずか三千円か四千円しかとらぬ女事務員が何百円という税金を払つておる。これらの大衆の税金をもつて何十億というようなものを処分して、あなた方ははずかしいと思わぬか、はずかしいと思うかと言つた。そうしたらこう言いました。もうかれば献金いたそうと思いました。これは幾らか良心があるけれども、あなたは献金する意思もないようである。何ら記憶もない。まつたくあなたの精神がどこにあるかを疑いたい。いかに道義が地に落ちたとはいえ、四千円に近い石炭を、石炭を本職とする証人がわずか百四十円で一括買つて、なるほどあなた方の会社はもうかるでありましよう。けれども、われわれ国民は一体どこに税金を払つているかということになつて、税金を払う思想がなくなることがこわい。そこらをよく考えて、ほんとうにあなたははずかしくないと思うか、それを聞きたい。
  124. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今のお話は、なるほどとてつもないことをやつておるという点において、事実とすればはずかしいのでありますが、先ほど申したように、配炭とかいろいろな面もまだ今後に残つた問題でありまして、実際どれだけの利益が出るかということは、全部処分してみないと出ませんから、從つてただいまのお言葉は、まだ結果がそこに行つていないのじやないか、こういうふうに思います。
  125. 田渕光一

    ○田渕委員 今日最も悲惨な中小企業の亜炭産業でも、どんなにしてもトン八百円とか七百五十円という計算は出ないのであります。いわんや常磐、宇部のように大きな設備をしたものが、どんなことをしても今日千円や千二、三百円で出ないことははつきりしております。また今日鉄道運賃が八割上り、相当高くなつておるのに、わずか百四十円やそこらでどうしてこの生産ができるか。たとえば壁土一車買いましても、馬方が今日三百円や五百円はとります。それを石炭を都会に持つて来て処分するのに、四十円や百四十円で処分するということは、これは馬方が売つてくれる土でもこんな安いものはありません。あなたは石炭で立つて来た人であるから、これらの石炭が幾らで掘られるかわかつているはずである。今日この国際間の情勢の変化にあたつて、朝鮮にどんどん輸出しなければならぬということになつて来て、今あなた方はその石炭は値打がないと言つておるが、大阪の貯炭場にあるものは、少くとも三千五百カロリー、あるいは三千七、八百カロリーを保持しております。決して使えないものではない。私も亜炭屋ですからはつきりわかつております。この点に対して一体百四十円はどこから算定したか、これを伺いたい。
  126. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 算定の根拠は、先ほど申したような抽象論ですから、それぞれ公団の方へ出しておりますので、公団側の方をお調べ願えればわかるんじやないかと思います。
  127. 篠田弘作

    篠田委員長 証人お尋ねしますが、この百四十円は入札によつたものでありますか。
  128. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 入札の場合もありますし、それから指名入札の場合もあります。
  129. 篠田弘作

    篠田委員長 六万トンを一括百四十円で買い取つておられるのは入札じやないのですか。
  130. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 指名だろうと思います。
  131. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたの方で指名して百四十円で買わしたのですか。
  132. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうです。
  133. 篠田弘作

    篠田委員長 大分時間がたちましたが、先ほど証人証言の中に、委員長から、あなたはここへ呼ばれる場合に、何も準備しないで来たのかと申し上げましたところ、公団の問題では準備して来たが、日本海陸運輸の問題については準備して来ないというお話でありました。公団の問題で準備して来られたとすれば、先ほどお尋ねしました、いわゆる常磐炭の東海地区向け海上輸送の問題、あるいは航海訓練所所属船による石炭輸送の問題、その他西日本あるいは航海訓練所に払つた運賃極東海運との関係というものもあなたは調査して来られたものと思うが、記憶はどうですか。
  134. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど申し上げたように大体聞いて参りました。先ほど記憶がないと言つたのは、陳情の問題であつたわけでありまして、常磐の輸送反対運動をしたが、その陳情を承知しておるかというようなお話がございましたから、それについては全然記憶がないと申し上げたのであります。
  135. 篠田弘作

    篠田委員長 証人に申し上げておきますが、この委員会はちやんとあなたの目の前に速記がついておつてつておるので、どういう問題についてあなたが記憶がないと言つたかということは、速記録を調べればすぐわかります。ただ普通に問答のやりとりをしておるのではないですから、その点を十分注意して御証言をしていただきたい。
  136. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 今証人が專務をしておられる日本海陸運輸株式会社はいつ創立されたものでありますか。
  137. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私昨年入つたばかりではつきり記憶ございませんが、五、六年前に創立せられたように記憶しております。
  138. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 五、六年前にできたものだと思つておられるのですか。
  139. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  140. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 この日本海陸運輸株式会社というものと、配炭公団というものとの事業上の連絡はどういうところでありますか。
  141. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 従来何にも関係ございません。先ほど御説明したように、当社の今までの事業は、国鉄の海上輸送を担任しており、それ以外は何もやつておりません。
  142. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、石炭の売買なんということはこの会社の目的じやないのですか。
  143. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時はそうでございます。
  144. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 今はどうなんですか。
  145. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在は公団の販売業務が民間に移ることになりまして、その販売業を開始することに定款を変更して始めたわけです。
  146. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それはいつから……。
  147. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 昨年の七月からであります。
  148. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それはあなたが入つてからですか。
  149. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  150. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、あなたは配炭公団業務局長という重要な地位にあつた。それが廃止になるというので、今度はこの会社へ飛び込んで、そうして今までやらざることを、定款まで変更して石炭の売買に乗り出して、そうして今まで自分が全責任を負つてつてつた公団から、驚くべき低廉な価格で買入れておる。こういうことで娑婆は治まると思つておるか。世の正義の人が憤激を感じないと思つておるかどうか。それに対して答弁しなさい。
  151. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 何も計画的に私が入つたわけでございませんので、当社に入りましたのは、総裁の推薦に基きまして、二、三選考があつた、その中の一名に私が指名されたわけでありまして、これは偶然そういう結果になつたのであります。
  152. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 入つたのは偶然といえば偶然でしよう。それは総裁の責任かもしれません。しかしそんなことはそれでよろしい。そんなものは聞く者が聞けばちやんとわかる。前々からそういう心がけでやつておられたということは、あなたが欺負したつてだめだ。そんなことはよろしいが、定款を変更して、今までやらざる石炭の販売業をやつたのは、あなたが入つてからでしよう。
  153. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  154. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、今までそういう目的のない会社の定款をわざわざ変更して、そういう業務に携わろうと決意したその動機、原因いかん。
  155. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは社内的の問題になるのでありますが、御承知かも存じませんが、当社の前身の事業がいわゆる陸上転移になりまして、ほとんど事業を半分以下に縮小しなければならぬというようなことから、多数の人員を擁しておる関係上、たまたま石炭輸送なり、荷役なりをやつておる関係上本事業を始めたならば、そういう面において会社のいわゆる衰微を防ぐことができるのじやなかろうか、こういうような関係で始めたように話を聞いております。
  156. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 あなたはすぐ話を聞いたというふうに言われるのですが、あなたは專務だろう。しかも自分が入つてから定款を変更したのだろう。話を聞いたといつて、だれから聞いたのだ。
  157. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 定款変更は私が入る前にやつたのです。
  158. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 あなたが正式に入つたのは法律上から言えばそうなるかもしれませんが、あなたを入れるために、定款を変更してあなたをお迎え申したことはわかります。そんなことはきまりきつたことだ。そんなことを強弁すると、ますますあなたはおかしい。あなたにその仕事をやらそうというので、この会社が定款を変更してあなたをお迎え申した。あなたは会社にとつてははなはだ忠実なことをやつたが、国民に対してどういうことをやつた。事業が不振だ、あるいは株式の配当をふやさなければならぬ、そういうことのために、二千円近くのものを百四十円で――しかも今までは売る方の、公務員としての重要な立場にあつた人だ。それがうらはらに今度は買う方にまわつて、たたいたもたたいたり、百四十円というのは……(「夜店のバナナ売りみたいだ」と呼ぶ者あり)これはバナナ以上じやないか。そういうことをやつてあなたは国民の前に良心的に恥じないか。さつきから聞いておるのですが、どういう感想です。そう強弁をたくましゆうしないで、悪かつたら悪かつたと言いなさい。事理はなはだ明らかじやないですか。定款を変更してあなたが入つて来て、そうして今まで売り方の重要責任者であつたあなたが買い方にまわつて、しかも夜店のバナナ以上の大見切りをしてどんどん買つてしまつた公団というものは国民の血税によつて維持せられておるものであつて、国民に対する非常な損害である。二千円近くのものを百四十円で買つては、国民に対して非常な損をかけるということが頭にあつたか、なかつたか、それを聞きましよう。
  159. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 国家に損害をかけようと思つてそういうことをやつたとは決して考えておりません。
  160. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと猪俣君に申し上げます。先ほど佐々木委員からの動議がありまして、証人記憶違いがあつたり、いろいろのことがありますので、ほかに証人が二人待つておりますし、あまり長く待たせるのは気の毒でありますから、この証人にしばらく休憩してもらいまして、次の証人にやつていただきたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは馬屋原証人は一旦控室に下つて休憩をしてもらいたいと思います。  増岡さんですか。――配炭公団業務に関しまして、いろいろ不正な事実が伝えられておることは、御存じ通りだと思いますが、経済安定本部のこれに対する権限、指導、監督、助成、その他いろいろの点があつたと思いますが、あなたは経済安定本部産業局長として、そういう点に携わられたか、あるいはどういう方向でそういう監督とか、助成とかをおやりになつたかということをひとつ御説明願いたい。
  162. 増岡尚士

    増岡証人 申し上げるまでもなく、配炭公団配炭公団法に基いて設立されたものでありまして、その業務は、簡單に申せば、石炭の一手買取、一手販売業務を行つてつたわけでありますが、石炭配給は、配炭公団の設立中は、いわゆる指定生産資材として割当配給をされておりました関係上、経済安定本部といたしましては、総括的な割当計画及び配給手続等に関しましてこれを決定するというのが中心の業務であります。なお配炭公団法に基きましていろいろ監督、助成の権限はあるわけでありますが、それらの点を一々申し上げますと、今申しました割当計画及び配給手続については、これを決定して直接監督をするということになりますが、そのほかに事業計画あるいは資金計画については、これを認可する。あるいは財産目録あるいは貸借対照表、損益計算書につきましては承認をする。剩余金の国庫納付等についてこれを承認する。そのほか売渡し先の指定、荷渡し場所等について承認をするというようなこまかい点について、法規に定められている通りの監督権があるわけでありますが、最初に申しましたように、大体配給の割当計画及び配給の手続に関しまして直接監督するというのが、業務の中心になつてつたわけであります。なおさらに毎期の事業計画なり、資金計画及び財産目録、貸借対照表、損益計算等については承認をするというのが、事前及び事後の監督ということになつておるわけでありまして、私といたしましては、当時経済安定本部の動力局長として、それらの係官を監督指揮いたしまして、それらの業務に直接当つていたわけであります。
  163. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま証人は、あなたの責任として割当計画あるいは生産計画、そういうものに從事したというお話でありましたが、生産計画、割当計画はどういうふうにしてつくられるか、それをちよつと御説明願いたい。
  164. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団に関するものといたしましては、もちろん関連はありますが、一応割当計画の分は、各地方から当時の石炭庁に集まつて来たところの大体の出炭見込みというものからその期において割当が可能であろうというふうに想定される数量並びに輸入炭については、その期において輸入されるであろうというふうに考えられるところの想定数量について、これを各需要部門別に割当をいたしまして、これを各需要官庁に対して指示するとともに、配炭公団に対して、その需要部門別の配当によつてこれを配炭するということについて指示をいたしたわけであります。各需要部門を監督する官庁においては、その割当範囲内において、各個の需要者に対して割当切符を発行し、配炭公団はその計画に基いて、割当計画が円滑に行くように送炭のこまかい計画を立てまして、それによつて割当切符が現物化されるようになるというのが、割当計画の立案及び実行の過程であります。
  165. 篠田弘作

    篠田委員長 生産割当と配船計画とを聞いたわけでありますが、配船計画がやはりあなたの方で立てられるわけですわ。
  166. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  167. 篠田弘作

    篠田委員長 それが実際の実需とマツチしないという苦情が非常に多かつた。たとえばいらないところに石炭がどんどん行つて、あるいはどうしてもいるところに行つていない、そういう実需の実際の状態と、あなたの方で立てておる計画とがマツチしないという苦情が相当あつたようにわれわれも聞いておるのでありますが、あなた方はそういうことは御存じですか。
  168. 増岡尚士

    増岡証人 お話配給が実需といいますか、それとぴつたり合わなかつたという点は、あるいは一部あつたかもしれませんが、これも石炭の生産量あるいは配給量というものがだんだん推移して来た状況によつてよほどかわつて来ると思うのでありますが、非常に石炭の足りなかつた場合においては、おそらく石炭がいらないところへ行つたというようなことはほとんどなかつただろうと思うのであります。ただその場合には石炭が非常に足りなかつたというこということのために、需要家が希望するような品種が入手できなかつたという事実は非常に多かつたのではないかと思います。それから石炭大分つて来たういうと言葉が過ぎるかもしれませんが、よほど楽になつて来たという場合については、需要がないところに割当が行つたということがあるいはあるかもしれませんが、それも一応われわれといたしましては、需要者の割当を希望する申請書に基いて割当の総数量を決定しております。從いまして割当がないにかかわらず石炭がそこに運び込まれたというようなことはないはずであります。ただよほど石炭の需給関係が楽になつて来た場合には、やはり最初に申しましたように、石炭の需要者側においては、注文がめんどうになつて来たということのために、おそらく数量の点ではなくて、大体品質の点であまり好ましくない炭が持ち込まれたこいうことが多く言われたということはあつたと思うのであります。繰返しますが、大体われわれの計画といたしましては、申請する数量に基いて割当計画を立てておつて石炭が相当供給力を上まわつた場合であつても、割当のない人のところに配給をするということはないのであつて、余つた場合においても、足りないところ、困つておる人にはさらに追加割当をして配当をしたということはやつておりますけれども、割当がないところに炭を持ち込むということはなかつたと思います。
  169. 篠田弘作

    篠田委員長 それから公団に剰余金ができた場合には国庫に納入されるということになつておるのでございますが、この監督はあなたの方でやつておるわけですか。
  170. 増岡尚士

    増岡証人 それは公団法のたしか二十條だつたと思いますが、それによつて承認を受けて、国庫に剩余金は納付する。その監督はわれわれの方でやつておるわけであります。
  171. 篠田弘作

    篠田委員長 それは実際において納付し、また納付させましたか、どうですか。
  172. 増岡尚士

    増岡証人 この点は御承知のように、計算上は出ましても、実際上剩余金の形においては、現実には資金繰りの関係、特に公団末期においては滯納といいますか、売掛金の回収ということが円滑に行われておらなかつた事実から考えまして、剰余金は実際上納められなかつたということのために、これはたしか二十三年度の下期と二十四年度の上期においては、納付が延期されておるというふうに覚えております。
  173. 篠田弘作

    篠田委員長 それから役職員に対し、成規以外の諸手当、たとえば突破資金であるとか越冬資金の類が支給されておる。これに対してあなたの方に何らか認可の申請がありましたか。
  174. 増岡尚士

    増岡証人 これも特別の報酬か何かをやる場合においては、安本長官の承認を受けるという規定がありますが、それについて私どもの方では承認した覚えは、私の記憶にはありません。
  175. 篠田弘作

    篠田委員長 公団が千代田商業という保險会社の代理店を通じて保險料の割もどしを受けた。そういうことは監督者としてあなた方御存じですかどうですか。
  176. 増岡尚士

    増岡証人 その点は実は最初に申しましたように、もとよりこまかい業務についてもいろいろ随時報告を受け、あるいは臨検、検査をするというようなことも可能でありますし、監督権はあるわけであります。最初に申しましたように、中心の業務としては、そういう配給計画を中心としてやつておりましたし、またそれらの通常の業務につきましては、一応現場の官庁である通商産業省、当時の商工省当局の担当の部局においてこれを執行するというようなかつこうにもなつておりました関係上、私どもの方ではどういう保險のあれをやつて割もどしをしておるかということは、実は承知いたしておりません。
  177. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは保險の問題は通産省の関係として、あなたは御存じない。しかし先ほどつた役職員に対する成規以外の諸手当というようなものは、あなたの方の関係ですね。
  178. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。從いましてその点については、もしやつた事実があれば、われわれの方に報酬の承認を受けるというような手続がいるわけですが、その点については聞いておりません。
  179. 篠田弘作

    篠田委員長 これは事実やつておるし、またそのやつた金というものが、ほとんど水増し運賃とか、そういつたような不正な金でやられておるわけです。そういうことは今までお聞きになつたことはありませんか。
  180. 増岡尚士

    増岡証人 私は聞いておりません。
  181. 篠田弘作

    篠田委員長 それから荷後炭を石炭協会に取扱わせることに対して、安本はどういう見解を持ちますか。どういうふうな関係を持つておられますか。
  182. 増岡尚士

    増岡証人 その点については、私あまり詳細に記憶を持つておりません。
  183. 篠田弘作

    篠田委員長 大体荷後炭というものを石炭協会に取扱わせる。ところがその石炭協会というものは、公団の役員が入つてつて、要するに売人と買人というものは同じ人格のものが二重にこれを使つて、自分で売つて自分で買入れておる。しかもその数量は大体二十一万トンに上つておる。この額は四千二百万円にも上つておるというようなことは、あなたは監督官庁として御存じですか。
  184. 増岡尚士

    増岡証人 それらの数字については私は承知しておりません。
  185. 篠田弘作

    篠田委員長 まだ質問したいことはあるのですが、委員の方々で何か御質問がありましたら、どうぞ。
  186. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 これは配炭公団のみならず、あらゆる公団に関することでありまして、あなたが御存じのところはお数え願いたいと思うのだが、近ごろ各種公団の綱紀紊乱というものは、ほとんど言語に絶する状態である。こういう経理の正不正についての監督と申しますか、たとえばこの配炭公団については、第一次的にはどういう官庁が監督をされておりますか。
  187. 増岡尚士

    増岡証人 こまかい條文を私手元に持つておりませんし、記憶があるいは間違つておるかもしれませんが、私の記憶といたしましては、経理検査は主務大臣と安定本部長官と会計検査院がそれぞれできるような――それぞれ監督権を持つておるというふうに解釈しております。
  188. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、あなたの役所である安本も経理に対する監査権があるわけですね。
  189. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  190. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そこで、たとえば配炭公団その他の公団について刑事上不正なことがあるという場合には、どういうふうな監督権を具体的に発動されるわけですか。
  191. 増岡尚士

    増岡証人 もし不正があるというか、経理上不審があるということであれば、現場について帳簿書類の検査ということもできるわけでありますし、もしそれが間違つておるということであれば、結局主務大臣なり安本長官の責任といたしましては、役員に対して必要なる監督の命令を発する。すなわちもし法令あるいは定款、命令に違反した場合においては、主務大臣が役員の解任をすることになりましようし、不適当と認めた場合には、安本長官が解任をするというようなことになつて結局役員を改めることによつてそれを監督して行く。それからこれは必ずしも法規にあることではありませんけれども、法律上非常に間違つた、あるいは具体的にいえば、刑事的に間違つたことがあつたとすれば、これはしかるべき機関に通報することが、監督としてやるべき手続ではないかというふうに考えております。
  192. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、ここに経理の不正があつて、法令違反その他の妥当ならざる処置があつたとすると、第一次的にはその役員の責任を追求する。そうして場合によつては人事権を発動してこれを罷免する、あるいはこれが刑事犯になるような場合には、それぞれの捜査機関にこれを告発するというわけですか。
  193. 増岡尚士

    増岡証人 一応法令に規定しておる場合としては、役員の解任ということが問題になるわけでありまして、もし刑事的な事件があつた場合に、関係の機関にこれを通報し、あるいは告発というか、成規の手続をとるということは、必ずしも法規に基いた監督の仕方ではありませんけれども、もし発見して、それがしかるべきものであるというふうに考える場合には、行政的な考え方として、そういう方法も考えられるのではないかというふうに思います。
  194. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 たとえば配炭公団につきましても、大阪の配炭公団の支部が海陸運ですか、その会社に千九百何ぼの値段のついておる石炭六万トンを百四十円で売買したというようなことが発覚した場合にはどういうことを安本では監督するのですか。そういう場合に処してどういう態度をおとりになるわけですか。
  195. 増岡尚士

    増岡証人 それはやはり最後の監督権としては役員の責任という問題で始末をしなければならないと考えます。
  196. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうしますと、配炭公団のみならず、ほかの公団もそうであります。たとえば鉱工品公団のごとく、ああいう実に驚嘆に値することが起きて来ておる。しかし今までこれを告発した、あるいは藤澤総裁が女中のつまみ食いなどということを放言しておつても、この人事についても、何らのあれを発動しておるということを聞いておらぬが、一体これは安本では調査をしても、ああいう新聞に今度新たに発表されたような事実は御存じなかつたのか。あるいはわかつてつても、あんまり監督権の発動をなさらなかつたのは、どういうふうにわれわれ心得たらいいわけですか。
  197. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団関係でありますか。
  198. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それは配炭公団関係にもありますし、今明らかになりました鉱工品貿易公団の問題なんかに例をとりましても、安本では一体どの程度調査をやつておるのであるか。その調査がわかつた場合にどういう毅然たる態度をとつてつて来ておるかということの御説明が願いたい。
  199. 増岡尚士

    増岡証人 鉱工品貿易公団の場合については、私、直接の担当でございませんので、お答えいたしかねるのでありますが、おそらく必要な調査がまだ完了しないということのためにか、あるいは調査が完了した結果が、それまで行かなくともいいという見解でありましようか、私は存じませんが、一応私の考えといたしましては、やはり非常にまずい事態が、しかも法律においては違法な場合――違法というか、法令、定款、命令に違反したとき、あるいは不適当な場合とを区別いたしまして、その解任というようなことをやれるということになつておりますから、そういう事実があつた場合には、おそらく上司においてもそういう手続をとられることだろうというように私は考えております。
  200. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 鉱工品公団のことはあなたはおわかりないとすれば、配炭公団ですね。どうもこの委員会で調べたけれども、相当の不正があると思うのですが、それに対しては安本は相当調査なさつておるのでありますか、ありませんか。
  201. 増岡尚士

    増岡証人 先ほど申しましたように業務の重点をそういうところに置いておつたという関係から、委員会でお調べになつたというところまであるいは調べがついておらないかもしれませんが、一応通常の業務については、常に報告を徴してやつておりまして、今までそういうような非常に不当な事実があつたということを、実は監督が不十分かもしれませんが、私どもとしては承知をしておらなかつたわけであります。
  202. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、今までのあなた方の調査によつては、配炭公団の職員に対して人事権を発動して解職するような事実はなかつたということになるわけですか。
  203. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団につきましては、役員の解任というところまで行くというようなことについては、その事実を認めなかつたわけであります。
  204. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 公団末期のいわゆる公団に解散を命じた際において、公団の貯炭量その他について調査をなさいましたか。調査をなさいましたら大体大きく九州、若松、大阪、こういうふうに大体の計数でようございますから、その点をお聞きしたい。
  205. 増岡尚士

    増岡証人 配炭公団を解散したときの貯炭の状況については、清算人が引継ぎの資料といたしまして、確実に数量を算定しておるはずであります。私はその数量をもちろん聞いたと思うのでありますが、地域別に今覚えておりません。大体五百万トンをやや出る数字が配炭公団の解散時の貯炭であつたように承知しております。
  206. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで公団が清算に入りまして、その五百万トンの貯炭の処分について安本は計画をされましたか。されましたならば、その内容をお聞きしたい。
  207. 増岡尚士

    増岡証人 解散後の貯炭の整理は、清算人の独立の権限でありまして、先ほど御説明を申し上げましたような、割当計画を立てるというようなふうな安定本部としては関連がないわけであります。ただ貯炭処理協議会――名前は不正確かもしれませんが、貯炭処理協議会というので、清算人を大蔵省として指導――あるいは監督をしておるところの管理局において、管理局長が関係者を集めて、配炭公団の貯炭をどういうふうに処理しようかという相談を一、二回したことがありますが、そのときは抽象的にどういう方法で処分をした方がよいかというような話が出ましたけれども、どこにどれだけの炭を売るかというようなことについては、安本としてはまつたく清算に入るとともに手を離れたというような形であります。
  208. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうしますと、清算に入れば一切清算人まかせで、安本は監督するばかりで一切関与しない、こういうふうに承知してよろしゆうございますか。
  209. 増岡尚士

    増岡証人 貯炭の処分についてはその通りであります。
  210. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 配炭公団の監督権の問題に付随しますが、相当配炭公団も赤字が出ているのですが、この赤字をどういうふうにしてけりをつけるか。そういうことも清算人まかせであつて、安本は一切これに関与しないということですか、その点をお伺いしたい。
  211. 増岡尚士

    増岡証人 一応法律的には関与しないということでありますが、赤字が生ずるであろうということは、清算に入る際にも相当の貯炭をかかえて、また石炭の市況というものが非常に弱かつたという関係から、貯炭も売りにくいであろう、そういうことで相当の赤字が出るであろうということを考え、しかも配炭公団をさらに存続する場合においてはもつと赤字が多くなる危險があるということで、私その当時の実務者としては、一日も早く配炭公団を整理するという形で努力したのであります。結局その当時の見積りとしては、約四十数億の赤字が出るという結果に大体予測されましたので、その当時の打合せといたしましては、大体その赤字につきましては、一般会計からこれを補填する建前を政府としてきめていただきまして、解散の手続をとつたわけであります。そしてその後、すでに御承知のように、直接清算をやつております大蔵省から、配炭公団の赤字の補填に関して一般会計から補填する法律案を提出されまして、すでにこの前の国会で御決定になつておるように私は承知しておるのであります。その範囲内においてどういうふうに赤字を補填するかということは、結局最後に四十三億になるか、あるいはその額より少くて済むかという問題でありますが、私が今聞いておるところでは、四十三億までは行かないで、もう少し少い範囲で赤字補填を一般会計から願うことになるのではないかというふうに考えております。
  212. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこでその四十三億という額を一般会計から補填されるという問題が起つたのですが、その四十億あるいは四十三億という点は、安本の調査によつて出た数字ですか。
  213. 増岡尚士

    増岡証人 四十三億と今申しましたのは、最初に私どもが配炭公団を解散して清算に入る前に、どれだけの貯炭になつて、予測される期間内に大体どの程度の処分ができて、しかも当時の売掛金がどういうふうに回収されるかということを大体予定して見当をつけた数字が、たしか四十三億だつたと思うのでありますが、その後実際に大蔵省から赤字補填の法律として出されて御決定になつた際には、大蔵省としてはすでに清算過程に入りまして、その見込みが、われわれが最初につけた場合とあるいは違つてつた点もあつたと思いますので、そういう点を考慮の上でさらに予測を立てまして、われわれが立てたときよりもさらに正確な資料に基いて予測を立て、その額をおおむね見当をつけて、一般会計から補填される額を算出されたものと私は承知しております。
  214. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで聞きたいのは、清算に入る当時の五百万トンの貯炭、この五百万トンの貯炭は大体一トンどれくらいで処分し、そうしてその残りの赤字が四十億か四十三億かということになるわけですが、この五百万トンの貯炭についての処分は、どういう処分をするという予測で四十億というものが出たのですか。その五百万トンの処分について……。
  215. 増岡尚士

    増岡証人 その当時はきわめてラフな予測しか立てておりませんで、どこへどれだけどういうような価格で処分するというふうなことは、必ずしも計算はしておりません。從いましておそらく、石炭については非常に大ざつぱにわけまして、粘結炭と発生炉用炭とそれから一般炭については、たしか上級、中級、下級ともう一級ぐらいの区別にわけまして、その当時の上級炭、中級炭、下級淡、その次の級の炭というものについて、込みにしてその当時の市場価格というものを算定し、そしてそれから大体どれだけの額が下るだろう、あるいは値段として市場価格はどれだけ下るだろうというきわめて大ざつぱな計算を立てて、大体損失はこのぐらいになるだろうということを出したのでありまして、その当時として、それをどこへどれだけの価格でどれだけの数量を売るというような、非常にこまかい計画を立てて、おおむねどれだけの損失になるというふうな算定はしたのではないのであります。
  216. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 今申されたような四つの種類にわかれておりますが、それは総合的に価格を立てた。それは幾らぐらいにお立てになりましたか。
  217. 増岡尚士

    増岡証人 その点は、私今覚えておりません。必要に応じてその当時の資料を提出いたします。
  218. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 大体一トン幾らぐらいと立てたかわかりませんか。それも今申しましたように、少くとも階級を出す以上は、一トン幾らというものを出さなければ……。
  219. 増岡尚士

    増岡証人 込みで出したと申しましても、各級ごとに無煙炭なり発生炉用炭、一般炭を四級にわけておりますから、それぞれの価格について申し上げなければならないので、その点は私現在覚えておりませんから、ただちにその当時の記録を繰りまして提出いたします。おそらく当時の見積りでは、ほんとうに込みにしたらば、当時の平均の価格は――公団の市場における配給価格が、全体のプールとして、運賃も入れましてたしか三千三百八十八円でありましたから、それより相当低い値段で見積つておるというふうに考えております。
  220. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 大体市場価格が込みで三千三百八十八円だ。そこでその五百万トンについて総合的にやつたならばどうです。五割くらいの程度ですか、あるいは価格がわからなかつたら半分ぐらいにでも行くか、あるいは八割五分に行くか。そういう点について御記憶はありませんか。
  221. 増岡尚士

    増岡証人 今記憶しておりませんが、半分というような数字は、これにはあげなかつたと思います。
  222. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そうすると、半分よりは高かつたという数字ですか。
  223. 増岡尚士

    増岡証人 多分そうだつたと思います。
  224. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 今おつしやつた四十三億ですが、それは赤字の全体ではないのじやないのですか。剩余金があつたので、それと差引してというのではないですか。
  225. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  226. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そうすると、その剩余金はどうして残つてつたのですか。これは先ほど何か延期と言われたが…。
  227. 増岡尚士

    増岡証人 剩余金が残つたということは、結局公団業務について収支計算をした際の根拠になつたものより比較的いい炭が出た。これがために売値がよくなつたということ、それからやはり諸掛等について、当時価格の計算の際に計算した基礎よりは、かかりが少なかつたということ、それらが積り積つて剩余金となつておるわけでありますが、この点が現に先ほど申し上げましたように、金が払えないで延期になつてつたという点は、計算上はそういう数字は出ますけれども、一方の売掛代金が相当たまつてつたということのために、現実には公団の資金繰りとしては納めるような現金がなかつたということのために、延期せざるを得ないということになるわけでございます。しかし公団最後の帳面を締める場合には、それらについては、一方売掛金の方に回収不能のものが立つと同時に、それは収入として計算されますから、一応それだけの剩余金が帳簿上出て来ることは考えられます。
  228. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そうすると帳簿上は剩余金が出たが、現金はなかつたのだ、こういうことですね。
  229. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  230. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 但し実際は、ある程度あつたのではないのですか。そこに変なものが起つて来ているのではないかというような気がするが、その点十分お調べになりましたか。
  231. 増岡尚士

    増岡証人 私の承知しておる点では、そういう資金繰りはきわめて困難で、公団末期においては、御承知のように認証手形の運用によりまして、公団の資金をまかなつてつたのでありますが、一方において出炭の状況は、公団の末期では、どちらかといえば比較的順調であつたということのために、公団の末期における資金繰りはきわめて困難でありまして、実はあるいは拔けておつたことはあるかもしれませんが、われわれ事務をやつてつた者としては、いかにして買取り資金に困らぬようにやるかというようなことで、毎日奔走をしておつたような状況でありまして、実際において資金繰り上、公団は剩余金を寝かせておいて、国に納めるのをサボつてつたということではないと私は思つております。
  232. 福井勇

    ○福井委員 配炭公団の買取りその他について、部下の者などに石炭の買取り現場その他を、長い年月の間に見にやられたことがあるかどうか。あるいはあなた自身が監督のために、幾たびくらい行かれたことがあるか、それを伺います。
  233. 増岡尚士

    増岡証人 私自身についてまず申しますと、配炭公団業務運営について、現場に行つたことは一度もありません。しかし係の者につきましては、当時の配炭課の者をして、現場について見させたことはあります。ただ配炭関係をやつております者といいましても、率直に申しまして人員は数名でありますし、具体的に配炭公団の細部にわたる業務はともかくといたしまして、経理面について、現場において帳面までをひつくり返して検査をさせたことはございません。
  234. 福井勇

    ○福井委員 私が今ちよつとお尋ねしようと思いますのは、経理の面でなくて、実は先の証人などにも尋ねたところ、さつぱりわからないのですが、相当安い値段で買上げて、高い値段で配炭公団が取扱つてつた疑いが濃厚であります。実は山の石炭について、配炭公団自体がおそらくその山自体に価格づけに行く場合が当然起る。その場合――船で受取る場合あるいは山で受取る場合に、上級、下級あるいは中級、あるいは無煙炭について、カロリーの試験をするのです。その場合に、配淡公団でどういうふうな技術的な監督をしておつたであろうかということをあなたは知つておられるかどうか。
  235. 増岡尚士

    増岡証人 非常にこまかい点については私知らないのでありますが、御承知のように配炭公団が山で買う場合には、配炭公団の職員としていわゆる山駐――山元駐在員がおりまして、数量及び品質について一応検査をする建前になつておるわけであります。從いまして大体一つの山から出る炭でありますので、そう品質が時々刻々かわるというものではありませんから、一つ一つのものについて一々きわめて精密なる検査をするということはやつておらなかつたと思うのであります。配炭公団は研究所も持つておりましたので、もし品質上の疑問があるという場合には、これはいつでも必要な検査をして、格位について上げ下げするということが可能である建前になつてつたというふうに私は承知いたしております。
  236. 福井勇

    ○福井委員 山の炭というのは、実はそう簡単なものではないのでありまして、一つの鉱脈はほとんど全部、たとえば大カロリーについては六千カロリーとか八千カロリーとか――無煙炭の火力が八千カロリーというのは一キロについてですが、たとえば十キロの火力発電所なら火力発電所で受取る場合には、一つの船についても御承知のごとく試験をして受取るのです。ある火力発電所で使う場合には、それを山から買う場合にも、一度試験しておけばそれでいいのでなくて、なお船に積み込む場合にも非常に不正が入つて来る、あるいは船からおろすときにもいろいろな不正が起る場合も多いのです。これは今まででは相当習慣になつてつたわけですが、その点について業務局長に、今日でなくても、一度会社でどういう試験をしておつたかということを調べてもらいたいと思うのです。というのは、私のお尋ねが徹底しないと悪いから、これはあなたに御依頼しておきますが、悪い価格づけをして、たとえば五千カロリーだと技術者が目で見てやるのではなくて、これは大体アソーブス式の試験器だとかいろいろ二、三の種類の試験の方法がありますが、一万トンの船がかりに入つて来る。そうすると数十箇所からとつて来て、その平均価値を出して受取るのが習慣です。それくらいですから、一つの山で初め価格づけをして、ほとんどあと試験をしないということは大体ないのです。ですから配炭公団の試験方法について、どのくらいこまかくやつてつたかということを知りたい理由は、もし悪いことをしようとする者がかりにあつたとしたら、非常にカロリーを安くつけておいて、売るときには実は七千カロリーあるのですと言うことも、技術的にはごまかす精神があればできるのです。というのは私たちが目で見て、この石炭に非常にカロリーを多くつけようと思えば、とる場所によつて高いカロリーのものを出すことも技術的にできるのです。その経験から悪いカロリーを出そうとすれば、悪い面を調べて、そいつを試験にかけると悪く出る。あるものは一つの船で七千カロリー出るものもあれば三千五百カロリーのものも出て来る。ですからカロリーの相違が非常にそこにあつて、繰返し申し上げると、かりに悪いことをしようとするならば、そういうことができる可能性がある。そこで私は今技術的にどういう試験をしておつたでしようかということを、一応この次までにでも、あるいは他の機会にでも、何らかの機会にひとつ調べられて、何か文書でもいいですからひとつ教えていただきたい。こういうわけで尋ねたのです。
  237. 増岡尚士

    増岡証人 その点は私今承知いたしておりませんので、調べましてお答え申し上げます。  今申されました点はきわめてごもつともでありまして、おそらく検査の点では必ずしも十分でなかつた。自由取引の場合に比べると、一番問題になつた点はやはりその点で、いわゆる銘柄売炭を早くやらなければいけない。ああいう統制的な売買の場合には、どうしても似たようなものが入つているということでありますが、その似たようなものの幅が非常に広くなつて、いいものと悪いものが入るということで、最初に委員長からお尋ねがありましたように、どうも希望の炭が入らぬというような苦情が、配炭公団における配給の際に最も問題になつた点でありますので、われわれとしてはできるだけ早く銘柄売炭ということをやりたいということで、今関係の私初め私どもの方の担当者としては、そういうかつこうに持つて行きたいということで一生懸命やつてつたのでありますが、さてその公団時代においてどれだけの検査をしておつたかということになると、率直に申して銘柄売炭のときと比べれば、何といつても粗漏であつたということが言えるのではないかというふうに考えますけれども、しかしああいう制度でやつております場合には、中にはその当時の状況に照してやむを得ないということで、がまんもしなければならないことがあつたこともお認めいただかねばならぬと思うのであります。從つてその当時の検査方法がどの程度で、それがきわめて不適当なものであつたが、その当時の状況としてはこの程度でやむを得なかつたものじやないかということについては、御批判に待つといたしまして、その事実については取調べてお答えを申し上げます。
  238. 福井勇

    ○福井委員 ついでに後ほど調査していただく資料として、なおつけ加えていただきたいのは、検査設備の点と分析をする試験技術者というものについて、配炭公団がどういうふうにやつてつたかということを、ひとつ詳細に調べてもらいたい。というのは、技術者を買収すればとんでもないエラーも起させることができるし、またその反対のこともできるわけです。これは先ほど繰返して申したように、もし悪いことをしようという気持があつた場合にはということを一応付言しておきますが、私は疑いたくはありませんが、配炭公団のよつて来るところの結果によりまして、若干疑いを持つ場合もあるし、またこのごろ経済調査庁その他を調べたときにも、こういう分析の上のエラーということも耳に入つた私の経験上、その点について詳細に知りたいと思いましたから希望しておきます。
  239. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 さつきの続きですが、清算後に入つてからの五百万トンの処分については、何ら安本としては報告公団側あるいは清算人側から受けておられないか、どうでありますか。
  240. 増岡尚士

    増岡証人 報告は受けております。先ほど申しましたのは、計画的にやるという建前にはなつておらぬということで、報告は受けております。
  241. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで証人先ほど申されました一トン込みの市場価格が三千三百八十八円、少くも半分以上の値段を踏んでおられたわけですが、その一部が大阪では九十四万トンのうち七十万トンが一括百四十円で処分された。廣島の六万トンが一括百四十円で処分された。九州の一万九千トンが一括わずか四十円で処分されております。この点についての報告は受けられましたかどうか。
  242. 増岡尚士

    増岡証人 最後の一括処分の点についても、報告を受けております。
  243. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 その際このべらぼうに安い一括処分の点の報告を受けられて、監督官庁である安本は何らかの処置をされたかどうか。
  244. 増岡尚士

    増岡証人 先ほど申しましたように、解散後における貯炭の処分は清算人の権限でありまして、それの監督は大蔵大臣がやつておるわけであります。これについておそらく清算人は大蔵大臣の承認を受けて、その価格で処分をしておると思います。現実の値段の批判になりますが、この点については私現場を一々見ておるわけではありませんから、何とも安いとも高いとも申されませんが、私どもの感じといたしましては、なるべく高く売つてもらいたいというのが、国の損失を少くするということから考え、また新しい炭を出しておるところの炭鉱業者の立場から考えても、あまり安売りをして、政府が炭鉱業者に過度の負担を与えるということは好ましくないことでありまして、われわれとしては、先ほど申しました貯炭処理協議会におきましても、できるだけこれを安売りというような形で売つてもらいたくないということはるる述べておるのでありまして、清算人においても、おそらく清算を担当した者といたしましては、できるだけ損失を少くするということの建前で処分をしたものだと思いますので、個々のケースについてどうこうということは申し上げられませんけれども、私の感じといたしましては、おそらくいい炭は比較的早くところを得て売られて行つた最後に残つた炭については、これはどうにも始末に困るというような炭になつてしまつたんではないか。一方非常に早く清算をしなければならぬという要求があり、またちようど不需要期にも入りますので、これを貯炭しておく場合においては、さらにその品質が低減して、価格も低落するということを予想して、ある程度見切りをつけたという事実はあると思うのでありますが、そう安く売つてしまつたということは私はないのじやないか、これは一々のケースについて調べたわけではありませんから、私の意見として申し上げるわけであります。具体的にこれを安本が、安過ぎたからどうしろという権限は、最初に申し上げましたように、清算人の監督は大蔵大臣の單独の権限でありますので、安本はこれに口を出すという立場には立つておりません。
  245. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 まことに官僚的な解釈と思うのですが、少くとも安本の監督当時において五百万トンの貯炭を持つていた。それが百四十円という安い値段で売られたという報告を受けているのであります。これが法律的解釈は、あなたの監督当時のものの処分であり、相当の額に上るものであり、また四十三億円を一般会計から補償しなければならないという地位に立つているならば、少くとも監督権のある当時のものであるから、そのときの延長としても、これは現在の法律で考えても決して解釈上むりはないと思う。ただべらぼうに安く売られて、そうしてこれは大蔵大臣の権限だから自分は知らぬというのでは、経済安定本部は国民の経済の指導機関としての官庁として、しかも産業局長として、はたしてそれが公平に国民の公僕としてやつたかどうかという点を非常に疑う。やはりこういう点は、計数については知らないけれども、こんなに安く売られたならば、これはたいへんだといつて調査するのが、この役所の任務ではないかと思う。そうして総会なんかで追究する、あるいは民事上の損害賠償などもあるのに、何らそういう方法を講じない。ただ権限がなくなつたからそれでおしまいというのは非常に遺憾だと思う。しかしながら何ら手を打たなかつたという証言だから、これ以上証人に追究しません。
  246. 田渕光一

    ○田渕委員 増岡さんは産業局長の前は動力局長であられたのですね。
  247. 増岡尚士

    増岡証人 動力局長のままで、当時の機構として生産局というのがありましたから、生産局長を兼務いたしまして、六月一日から安本の機構がかわつて、動力局と産業局が一本になつたので、私が産業局長を拜命いたしました。
  248. 田渕光一

    ○田渕委員 今坂本委員からも質問がありましたが、昨年の八月三十日、動力局が閣議決定をとる起草をされておるのであります。大体閣議決定の起案というものをとるについては、官庁の今までのしきたりとして、動力局長あるいは動力局の下の機関が起案したものを安本長官に移し、安本長官が閣議で決定を受けているのであります。そういたしますと、閣議決定から逆算しまして、八月二十九日の経本動力局が経済科学局長へ回答を与えておりまする事項の中に、配炭公団手持貯炭は、明年四月一日を目途としてこれを処分すると回答をいたしております。またこれを閣議決定されております。ところがこういうことがあるだろうということを経済科学局の方でもう看破しておつたから、八月二十四日のいわゆるマーカツトの覚書に、経本長官は上記対策実施に関する計画を作成し、おそくも八月二十七日までに提出されたいということになつておる。計画が提出されてその計画が実施されないうちに、情勢の変化によつて安くなるということなら、これは局長が今坂本委員に答えられた通り、清算人の監督権は大蔵大臣にあるのだから、いかようになるとしても、安本の責任ではないということは言いのがれでありましようけれども、あなたの方でこういうことがあるだろうということは、もう当時関係筋の方で感づいておつた。だからいろいろな対策も持つてつたけれども、それならばその公団廃止することに同意しよう、同意するについては、今のところの貯炭はどんなふうに処分するか計画をせよと言つているのに、計画をせずに配炭公団手持貯炭は明年四月一日を目途として処分する、いわゆる抽象的な政治的なことをした、これが原因で、要するに配炭公団の清算人の管轄に属したところの、たとえば大阪でありますと、大阪配炭公団の支局は百五万トンの貯炭のうち、鉄道あるいは日発、官公庁へ入れた残りの七十五万トンという石炭を一億七百万円で処分した、コストにしますと百四十円であります。こういうように立案し監督をやつて行くのが安本の責務であるとするならば、八月二十四日の覚書に対して八月二十七、八日までに出しでおる閣議決定をとる起案のときに、はつきりした計画ができていなければならない。それができていないのは、要するにそこに何か価格調整委員の態度が、当時の配炭公団はそういうことはせぬでもよろしいという考えでもあつたのか。これはそういう数字なんか出したところで数字通り行けるものではありません、配炭公団は九月十五日の午前零時を期して廃止になつているのですから、そのずつと前の七月からこう行かなければならない、こういうことに対して関係方面に伺いを立てた。関係方面では計画を持つて来い、これは確かにそう言つたに違いない。これを出さないから非常なダンピングをした。それがあらゆる方面に影響して、いわゆる中小炭鉱は参つてしまつたのであります。七月一日に計画を出せというのになぜ計画を出さなかつたか、まずひとつ伺いたいのであります。
  249. 増岡尚士

    増岡証人 われわれは経済科学局長からの覚書の際に、計画とあるのは必ずしも非常にこまかい計画というふうには解釈しておらなかつたのでありまして同様にこの配炭公団廃止については、どういうような手順でそのことを処理して行くかというようなことで、今田渕さんのお手元にあるようですが、そういう手はずで法令の改正をやるということを順次書いて行つたことを、大体計画というふうに考えておつたのであります。貯炭の処理については、もとよりある程度の見通しというようなことを立てたことは立てましたけれども、それがその通り行われるような計画を立てることはとうてい困難であつた。しかも正直に言つて、われわれの考え方としては、五百万トンに及ぶ貯炭の処理を三月末日までにやれというようなことは相当むりだというふうに考えておりましたので、そういう意味合いで三月三十一日までに何トンのものをどこへ売るというような計画は立てない。しかももう三月三十一日ということは非常に困難であるから、三月末日をもつて目途とするというようなことでひとつ了解をしてもらおうということで、あの文章をつくりまして、覚書に対する返答としたわけであります。その当時一応月別にどういうふうな処分をしようかというようなプランをいろいろ立てましたけれども、それで縛られることは、主として生産業者に対して不当に圧迫を加えることになるという考え方から、特に清算に入るまでの間にこの通りつてくれということは立てなかつたし、またそれを立てたところで、やはり清算人としてはまたお考えもあつて、別な考えで処分する場合もあるだろうということで、貯炭の処分については、その当時は確固たる計画を立てなかつたというのが、その当事の事情であります。
  250. 田渕光一

    ○田渕委員 少くとも七箇月の期間がありますから、たとえば一箇月七十万トンずつ四百九十万トンを、こういうぐあいに地域的に、あるいは品質的にというような案を立てられて行けたのじやないかと思う。と申しますのは、少くとも夏枯れどきが過ぎて、ちようど九月、十月、そろそろ需要期に入る時期に来て、これを処分さすのに、一ぺんに公団の手持五百万トンをダンピングしたのでは、とにかく市場価格が下ることは御想象がつくだろうと思う。特に五千カロリー以下のものを撤廃することになれば、それ以上の優良炭の生産の計画を安本は立てて行かなければならぬ。たとえば九州炭はこれだけ、宇部炭はこれだけ――宇部炭は五千以下でけられておりますが――九、北炭に対してはおよそこれくらいの生産で行くという、総合的な対策がなければならぬ。ところが一方九月以降、四千二百万トンという計画はあつても、どんどん出て来て、山元に貯炭ができているのに、九州ではまだ増産をやつてつたというような、反対のことをしておつた。そういう手持なり貯炭が相当あるのに、どんどん生産をして行けば、これは国家に迷惑をかけることははつきりしている。だから当時の生産局長として、これらの方面に対しては、四千二百万トンの生産のわくはあつても、九月十五日以前において五百万トンという貯炭ができているのだから、少くとも一箇月七十万トンずつ処分するような案を立て、また一面生産面においてそれとマツチするような対策を立てて行くのが、安本当局として当然じやないか。あるいは安本ではそうなつていないかもしれませんが、少くとも計画を立てるべきであつて、四月一日を目途として処分するように返事しろというような覚書ではありません。これは関係方面にお聞きしたいことでありますが、一応関係方面の方針としては、なるべく業界に摩擦を生ぜず、消費面については価格を維持できるように、あらゆる対策と計画を立てるようにというのであつて、それをあなたとは私は申しませんが、あなたの下僚が、少くとも公団にあまり詳しいことを聞いてくれるな――大体公団はよしたくない。その当時の真相として、公団の職員はほとんど赤であつた。これが公団をよしてはいかぬと言うのだから、なるべく公団を置こうとする。ところが配炭公団の十六條の規定によつて公団が全部山元石炭を買取らなければならないという規定のもとに、粗悪炭をどんどん掘つて公団に売りつける。こういうことではたまらない。これはあなたが亜炭局長時代に、われわれが公団は撤廃しなければならぬということを申し上げたので御存じのはずである。ことに常盤炭、宇部炭はほとんどボタにひとしいものを送つていることは、われわれ実地に調査しているのであります。そうすると、この計画に対してあなたの下僚が、私はそんなことはなからうと思うけれども、配炭公団は四月一日までに処分をするといういいかげんな返事をしてくれというような、何か配炭公団と政府の間に協議をして、経済科学局の方へ回答を出すというようなことがなかつたかどうか。また閣議決定の線に持つて行くときに、そういうような公団と安本の間の連絡がなかつたかどうか。それを御記憶があれば、ひとつ伺つておきたいと思います。
  251. 増岡尚士

    増岡証人 その点は別に公団と連絡したのではなくて、そのときに、月に何トンというような計画を立てることは、かえつて生産業者に圧迫を加えるという感じを持ちまして、私ども石炭庁の管理局長とも話をいたしてやつたことでありまして、別に公団からどうこうあつたから計画を立てなかつたということではありません。
  252. 田渕光一

    ○田渕委員 そうすると、この価格裁定委員会といいましようが、その構成は、財務部の経済安定局、経済調査庁、あなたの方の安本動力局、資源庁の生産局というふうにタツチされておりますが、こういう委員会で大体この値段で売ろうという価格を決定したと地方では言つておりますが、これを御報告を受けたことはございますか。またあなたがその価格裁定委員会の席に御列席なさつたことがございますか。
  253. 増岡尚士

    増岡証人 今のお話は、先ほどお話になつた最終処理、一括処分のときの問題だと思いますが、これは結局日発とか国鉄とか、そのほかの主要な需要者に対しては、漸次まとまつたものを処分して行きました結果、相当悪い炭が残つてしまつたというような事実と、それから三月三十一日までに貯炭を処分してしまわなければならぬという要求とがありました結果、何とかしてこれを処分しようということを清算人の方で考えられまして、これを各地区ごとに販売業者の団体に一括処分をするという、計画を立てられたのであります。その際に、どういう価格でその残つた炭を売るかという問題につきまして、いろいろ意見を聞くということのために、今お話の裁定委員会というものを、清算人の諮問機関としてつくつたのでありまして、そのときにそのメンバーに私も入つているのであります。さてそれならばその委員会に出席したかということになりますと、実は私一回も出席はいたしませんで、代理者をこれに出席させておりました。
  254. 大森玉木

    大森委員 いろいろ重複するので、簡單に私お尋ねいたしたいと思います。貯炭処分についてでありますが、私どもの見たところ、今の処分にあたりましては、公団の役人であつた人が、その買入れの方にまわつてつて、また公団の局長が支部長となつてこれをやつてつた。こういう点についてどう考えておられるか、御所見を伺つて、あらためてお尋ねいたします。
  255. 増岡尚士

    増岡証人 最後の処分した場合の相手方等につきましては、今田渕さんからお話があつた裁定委員会の決議録を公団の清算人の方から受領いたしましたが、相手方がどういう人であつたかという具体的な事実については、私はここに出席するまでに調べておりませんから、存じません。相手方にあるいは公団の役員であつた者、あるいは職員であつた者があるということは、いろいろその間にぐあいの悪い事実が起きる可能性があるといういとは、あるいは言えるかもしれませんが、その当時やはり公団の役職員の転業というようなことから考えて、結局石炭業界から出て来た人、あるいは石炭業界に関係のあつた人が多かつたという事実に照しまして、やはりそういう人々が業務に携わつている事実が、結論として相当多いと思いますので、そういう人が取引の対象になつたということについては、これは私はこの処分についてやむを得なかつたのではないかというふうに考えます。
  256. 大森玉木

    大森委員 どうもその点、今の御答弁に対してはまことに遺憾に思うのであります。まず公団をやめた人のその就職のため、あるいはこれを救済するためには、国家のすべてを犠牲にしてもよいというようなお考えであつたように承われる。一つの例でありますが、先ほど田淵君からもお話があつたが、大体大阪のごときは、私は実は田淵君とわかれて、ある貯炭場に参りました。ところが私を案内したのが、非常にまじめな方であつたらしい。実は田淵君を案内した方は非常に計画的であつた。私の方は突然であつたために、行つてみますと、六千カロリーくらいのものが一万トンある。そしてこれは要するに粉炭であつて、だめなのだ、あるいは火を吐いたので、これはだめになつたのだと言うが、私ども行つてスコツプですくつてみると、やはりりつぱな炭である。こういうふうにいたしまして、その貯炭場には三万トンある。それが先ほどの話のように、全体を通じまして七十五万トンあつたのが、最後にそれをいろいろの角度から切捨てて、そして認めたのが三十七万トンである。この三十七万トンの炭を百四十円に販売した。それはその公団に勤めておつた次長が、協同組合の理事長となり、さらにまたその公団におつた人たちが、五十名も寄つて組織的に会社をつくり、そしてそれを払い下げておる。この問題は後ほどまた詳しい話があるでありましようが、大体これらの持つてつた炭が、あるいは二千何百円に売られているというような事実も上つておるのです。あなた方がこの炭を処分されるときに、こういうことをどういうふうに考えておられたか。さらにまた私の地方などではどうであつたかというと、これは私が調査に行つたのではありませんが、そうした人たちが、あとでわれわれが引受けるのだということでありまして、あるいはそこに大きな水ためがある。底へ板を敷いておいて、水ための中へ全部投り込んで、そのあとから、いよいよすべてを処理するということになつたときに、これは火を出して燃えてしまつた、三万幾らという炭がもうすでに見えなかつた。いろいろな方面に持つてつて、なくなつてしまつたという状態になつておる。これはそういう点もあるであろうが、やむを得なかつたということを仰せられておるが、非常に遺憾な点である。その役人を買取りに向けて、お前たちは失業者だから、気の毒だから、お前の失職するからには好きなようにして持つて行けということに相なつたのではないか。さらにまた私のお尋ねいたしたいのは、そこの局長であつたのが支部長になつて、その人がすべてを受持つておるのである。そういたしますと、もはや自分は役人でなくなつたのである。そこで必ずそこに欲するものは金だと私は思う。そういたしますと、それを扱つてすべてをやつてつた人が、今度自由に販売することもできれば、自由に処理することもできるということに相なりますれば、どういう結果になるかということに対しましては、あなた方の方では何のお考えもなかつたか、なかつたといたしますると、まことに軽率なことである。今日の状態は、それから生れて来たところの原困が多いと思うのでありますが、この点はどうでありましよう。
  257. 増岡尚士

    増岡証人 さきに申し上げた点にいささか誤解されておる点があると思うのでありますが、やむを得なかつたということは、実際問題としてこういうことであつたということを申し上げたのであります。すなわち配炭公団廃止した際は、石炭の販売業者は、石炭の販売は一手にやつておりました関係上、全然なかつたわけでありまして、結局配炭公団廃止してから、石炭について販売するものは、登録制とか何とかいう資格制限もやらないで、自由取引にまかせてしまつたということのために、だれが石炭の取扱い業者になつてはいかぬという制限がないわけであります。従つてだれでもなれる。配炭公団の役職員であつた人でもなれるというか、取扱つてさしつかえないという建前になつておるのであります。従つてそういう人が現実にやつておる場合において、ほかに取引をする適当な人がないという場合には、それを清算公団が処分する場合に相手方にすることもやむを得なかつたであろうということを、申し上げておるのでございます。そういう場合に、それならばそういうことになつたら、その人に安く売つてよいかというと、決してそうでないのでありまして、だれに売る場合でも、公団の売る価格は正当な値段でなければならないはずでございますから、その点については十分各般の事情を考えて、販売価格をきめたものと私は承知しております。ただ、今次にご指摘になつたように、いろいろ従来の業務のつながりがあるために、あるいはまずい点があつたかどうか、その点については、私は具体的には承知しておりませんけれども、そういう場合にも、公団の職員であつたときの資格と、だれでもやれる建前の石炭の販売業者である場合の資格とは、どこかの時期において截然と区別されておつて、取引の相手方としては、やはり一個の商売人として取引の相手方にしたものであるというふうに解釈しなければならないだろうと思います。
  258. 大森玉木

    大森委員 私は証人にお断りしておきますが、あなたの言われるのはりくつである。常識的に判断していただきたいと思う。こういうことが行われるときには、ただひとつのりくつでは私はこうした問題は解決がつかないのだと考える。それはどういうことかというと、今のお話のように、だれでもなれるのだ、それはごもつともでしよう。私もそれはなれないとは申し上げない。だれでもなれることは、あなたが仰せられるまでもなく、よく承知しておる。しかし今申し上げたように、局長が支部長であつて、次長がその責任者になつて、それが売買するという場合においては、常識論で判断してみれば、どうなるでありましよう。そういう場合には情実はないでありましようか。しかもその支部長なる人は、もはや職に離れたことははつきりいたしておる。局長をやめて、支部長としてやつている。その人がやられた問題であるのであります。常識的に申し上げると、私は石炭のことはしろうとでありますから、はつきりしたことはわかりませんが、大体私のこの間見たところによると、それであるならば、この一万トンをあたりまえの値段で売つてつたらどうか。そして三十七万トンあとみなくれてやつても大体一億幾らくらいの金になるじやないか。そういうことを考えてみますと、私は現場を見て実に遺憾に思つたのであります。でありますから、小澤君に対しても、あなたは常識的にどう考えているかというと、何とも申訳ありません。こういうことを言つてつたのでありますが、これはあなたの今言われるように、何も感服していなかつたということでありますならば、私はあなた方の職責はいずれにあつたかということを追求しなければならぬ。これほど恐るべきものはない。国家のものであるのに、お前たちは退職金のかわりにこれを持つて行けというような形を現わしていることは、私はあなた方の職責を疑わざるを得ないが、この点はどうでしようか。あまりくどいことは申し上げませんが、非常に大きな問題であり、一億七百万円に三十七万トン全部を販売している。しかもそれにはいろいろなものを見積つて――あなた方も大体ごらんになつていると思う。あるいは火をふいたものは、これを捨てる場合には二百円かかる、たいへんなことだ。大阪はいわゆる土を買つて来ても一車が大体五百円も六百円もかかる。あるいは土の下に埋めても、埋立て使用しても、おそらくただで喜んで持つて行くだろう。また幾らかの金を出しても持つて行くだろうという見方をして参りましたが、捨てるのに二百円かかるというようなことで、あれも引く、これも引くで、引いてしまつた結果が一億七百万円ということになつておるのであります。こういうことに対しましては、少しもあなた方は干渉もせず、またこれを見てもいられなかつたかどうか。また先ほどどなたかの質問に対して、何も現場を見ていないとおつしやる、これほど危險なものはないと思う。いやしくも一トン何千円もするものであります。これは政府の金でありますが、もしもこれが個人の経営でありましたならば、これが廃炭になつた、どこそこに炭があるが、おいだれか好きな者は持つて行けということによつて放任できましようか。おそらくあなたが見て、これならば幾らに売れるかということくらいは調査をされたでしよう。しかるに国家のものを扱つているあなた方が、国家のものであるから何も見なかつた。今までの出先の人たちに全部まかしておいたというがごときは、私先ほど申し上げましたように、あなた方の職責の怠慢である。さらにいろいろな関係で、おそらく局長あたりが出て参りまして、運動か何か行われたではないかということも想像しているが、その点に対してはどうお考えになりますか。
  259. 増岡尚士

    増岡証人 先ほどの御質問にも答えましたように、清算に入つてからの貯炭の処分は一切清算人の責任で、それの監督は一応大蔵大臣の監督でありまして、安定本部としてはこれに意見を述べることはあり得ましても、これをどうこうしろということについての権限は解散と同時に消えているわけであります。  そこで今申されました常識論についてお答えいたしますが、私がもし清算人であつた場合にどうするかという問題については、個人的に私の常識論を申しますと、現在清算人であります方のやり方を批判することになりますので、これは同じ役人でありますから、遠慮さしていただきます。
  260. 大森玉木

    大森委員 今のお答えを聞くと、清算事務は全部大蔵大臣に移つたという。しかしながらこれの引渡しをするまであなた方の所管にあつたじやありませんか。しかしそれの清算事務に入る前、公団廃止する前に幾らあつたかわからぬということでお渡しになつたものでしようか。幾らあつたかということがわかつておりますれば、いかなるものが幾らあつて、いかなるものが幾らあるということをはつきりして渡さなければならぬ問題でないかと思うのですが、その点はどうですか。
  261. 増岡尚士

    増岡証人 その点は先ほどお答えしたように、清算人が引取るときには、それがどれだけあつたかということはすつかり調査できているはずであります。
  262. 大森玉木

    大森委員 清算人だけで調査して、それであなた方何にも干渉しないのですか。
  263. 増岡尚士

    増岡証人 調査の建前は、清算人とそのほか経済調査庁も立ち合いまして調べております。
  264. 田渕光一

    ○田渕委員 ただ清算人といつてしまえばそれまでですが、局長のおつしやる通りに確かに大蔵省の責任であります。私奇怪千万なのは、この配炭公団の経理局長に行つた加藤八郎氏は、御承知通り大蔵省の理財局長であります。そしてこの人は人格者であり、石炭などにはまつたくのしろうとで、この配炭公団を取巻く一味とは雲泥の差がある人格の人であります。このお人好しに向つて石炭屋が思うままにしてしまつたのであります。まつたく下品の例で申すならば、女郎の中にお孃様一人が入つたようなもので、いいようにされてしまつたのであります。それはいいとして、公団が清算に入つたから大蔵大臣の責任だといつて、責任を転嫁され、また同じ役人としてこれを批判はできないとおつしやいますけれども、先ほどから申す通り、あなたの方に向つてのマーカツト指令というものは相当意味があるのです。たとえばこの指令の第三号のロの項に、ただちに公団の手持ち石炭の秩序立つた処分を開始せい、おそくも明年四月一日までに完全な処分を行えとあつて、上記対策実施に関する計画を作成しておそくも八月二十七日までに出せと指令が言うているのに、四月一日を目途として処分するというようなことでは、これは秩序立つておりません。そうすると、指令に反することになるのでございますが、これに対して局長はどこまでもこの秩序立つた処分と御認識なさるかどうか、こういうことが一点であります。  それから先ほど大森委員から三十七万トンという数字が出ましたが、これは七十五万トンの石炭を、目切れだとか、貯炭場へもぐり込んだとか、そういう雑多の減耗量を差引いての三十七万トンでありますから、実際配炭公団が山で買つたものは七十五万トンであります。そして七十五万トン積んだだけの船賃も払つております。海上保險料も払つております。現地調査ではこういうものは土の中にもぐり込んでおりません。でありますから、トン三千三百八十八円とすると、七十五万トンで大体三十億、これが大阪の配炭公団だけで一億七百万円である。まあにんじんやごぼうを女中にやつて処分させるようなもので、ちよちよんとぶつ切つて、しつぽの一部だけにしてしまつた。こういうことをされたことは、やはり秩序立つた処分をせいということに反する。とにかくこの四月一日までに処分するという回答で逃げるが、下の公団はそれに不正に乘じた。この点に対する安本の責任は十分あると思うのですが、いかがでしようか。
  265. 増岡尚士

    増岡証人 責任があるかどうかは御判断にまちますが、われわれはその当時、先ほども田淵さんがおつしやいましたように、ある程度処分の計画の草案を立てたことは何回もあります。しかしそういう建前で処分をするということは、生産業者に対して、実は最初の月は非常に少くて、おしまいの月には二百万トンということになると、二百万トン近くも処分しなければならぬというような計画が立つたりいたしまして、それではそのときの出炭量の大体八割くらいのものを売らなければならぬということになつて生産者としては、三百万トン近くの出炭もあると予想される月に、二百万トンくらいも処分されてしまうということになれば、百万トンしか掘れないというような計算が立つて生産業者に対して非常に不安を与える。それよりも売先のあつたときに漸次適当に売つて行く。たとえば先ほどちよつと触れましたように、まとまつた需要に対して、あるいは輸出があつた場合には、そういうものに対して処分をして行つて生産業者は大体コンスタントに二百五十万トンなら二百五十万トンの出炭が毎月できるような建前にして行つた方がいいのではないかというふうに考えまして、そのときには月別に、あるいは需要別に配給公団の貯炭をどう販売するかという計画を立てない方が、刺激をする点では少いというように考えまして、それで行こうということで国内的にも話合いが立ち、司令部に対しましても、毎月の計画を立てるということはなかなか困難だから、大体三月三十一日までに処分をしろということだけれども、できるだけそういう努力をするが、もしできなかつた場合には、あるいは少しくらいのものは次年度に持ち越されるかもしれぬけれども、それでどうかということを話をいたしましたら、それならばということで、そのときには特に司令部に対しては、この通りやりますというような計画は出さないで済んだということになつております。
  266. 田渕光一

    ○田渕委員 もう一点伺います。安本が石炭鉱業の大手筋、私は昔の名前で申し上げますが、三井、三菱、古河、住友――これは今井華といつておりますが、あるいは麻生とか、こういう大手筋は一ぺんに処分されては困るからこれに対してはいいかげんにやつてくれと石炭庁に対して猛運動のあつたことをあなたは御存じですか。
  267. 増岡尚士

    増岡証人 特に大手筋が処分を延期してくれという話は、私は今記憶にありませんが、大体生産業者の立場で私のところにおいでになられました方々も、処分はなるべく長い間にしてくれ、最初の要望は二年間くらいに処分をしてくれという要望を私のところに出して来られました。
  268. 田渕光一

    ○田渕委員 公団の処分に対して損失を受けるのは国家であり、国民であり、大衆であります。先ほど局長がおつしやいましたように、三百万トンなら三百万トンの計画を立てた方がむしろ今日ではよかつたと思う。それをただの四十円で売るというようなことをした。運動があるがためにことさらに司令部に対する回答に、明年四月一日目途でこれを処分する、こういうような無責任なのがれ道をつくつたのであります。こういうことを出したことにこの問題が起つたのでありまして、私は当時安本がしつかりしておつて、あなた方がたとえば金融面においても、資材面においても、生産面においても、業者が請求したときに、あなた方安本として二月も三月もかかつて愼重にやつてつたならば、こんな問題は起きなかつた。それをいいかげんにやつてつたところに原因がある。それでも安本は大蔵省に責任を転嫁して責任がないとおつしやるかどうか。それを伺います。
  269. 増岡尚士

    増岡証人 その点につきましては、今御説明いたしましたように、私としてはそのときには計画を立てることが、生産業者方面からあるいは需要の側から見てなかなかむずかしいし、あるいは不適当だと考えまして、特に計画を立てなかつたわけであります。
  270. 篠田弘作

    篠田委員長 田淵君に申し上げます。先ほどから質問と答弁は堂々めぐりしておりますが、要するにそこに見解の相違があると思います。時間も差迫つておりますから……。
  271. 小玉治行

    ○小玉委員 私は初めて出ましてよくのみ込んでおらぬのですが、今お話を承つておると、百四十円かに処分したころは、価格裁定委員会とかいうのがあつて、あなたもその委員であられたように承つたのですが、さようでございますか。
  272. 増岡尚士

    増岡証人 その点は先ほど田淵さんにお答えした通りであります。そうです。
  273. 小玉治行

    ○小玉委員 それは配炭公団が解散になつて、清算に入つた後ですか。
  274. 増岡尚士

    増岡証人 もちろんそうであります。
  275. 小玉治行

    ○小玉委員 そうすると、その委員にあなたが経済安定本部を代表して入つたわけですか。
  276. 増岡尚士

    増岡証人 そう考えるべきであろうと思います。公式の委員会ではございませんから、そういうふうに申したのであります。
  277. 小玉治行

    ○小玉委員 本式の委員会ではないというと、どういう委員会ですか。
  278. 増岡尚士

    増岡証人 価格裁定委員会と申しますのは、清算人が清算をするにあたりまして、最後に一括処分するものについて、大体契約者は先に清算人がきめてしまつておるわけであります。それでその値段をどうするかという問題を、価格裁定委員会の定めるところによりというふうなきめ方で契約をしておつて、その価格をきめるについて、清算人の諮問機関として清算人が設けた機関でありますから……。
  279. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしますと、これは公式なものでないけれども、事実上はその価格裁定委員会に諮問して、清算人が価格をきめて販売しておる、こいううことになるわけですか。
  280. 増岡尚士

    増岡証人 結局そうなります。ただそのきめた場合にも、こういうところにあつて、これだけの炭だという資料を書面で出されまして、それについて公団はこのくらいの価格は適当だと思う、なお買受人はこういう希望を持つておるというような書面上の審理というか、調査をして、このくらいの価格ならば落していいだろうということできめておるわけであります。しかも買手はすでにきまつておるわけであります。買手がほかにないわけであります。
  281. 小玉治行

    ○小玉委員 その際あなたは経済安定本部産業局長であつたわけですね。
  282. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  283. 小玉治行

    ○小玉委員 としますと、あなたとしては大蔵省に当時権限が移つてつて、自分の方には権限がないということをしばしば申しておられるのだが、しかしあなたが長年経済安定本部産業局長として、そうしてそういつた場合の石炭価格が適正であるかどうかということは、あなたが大蔵省の役人でなくても、経済安定本部の役人として、国家的の見地から調査すればわかる問題じやないでしようか。
  284. 増岡尚士

    増岡証人 それは具体的事実について調査すれば、いいとか悪いとかは、私もしろうとでありますから、はたして正確であるかどうかはわかりませんが、一応はわかると思います。ただその裁定委員会には、先ほども申し上げましたように、一応三月三十一日までに処分しなければならぬという建前から、買手をすでにきめておつて、その契約條項として、価格は裁定委員会に諮問してきめるということになつておりますし、材料といたしましては、書面その他で出ておるわけであります。しかも買手が一人であるということと、ほかに買手はないし、もし売らないでおると、ちようど不需要期にまたがるというようなことになるために、ますます下つて行くという建前からいいまして、われわれとしては最初にも申しましたように、国家に損失を加えることはもとより望ましいところではありませんので、できるだけ損失を少くするということが第一番に考えられますし、またわれわれが配給ということでなく、生産業者、すなわち石炭業者の立場に立つて考えてみても、不当に安くされるということは、石炭業者に圧迫を加えることになりますので、私、産業局長の建前といたしましても、できるだけ高く売りたいということは常に考えておるところであります。しかも……。
  285. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと証人に申し上げます。あなたはピントをはずして答弁しておられるようですが、小玉委員の聞いておることは、あなたの先の答弁に、清算に移つた後の問題は大蔵大臣の監督であつて、清算人の権限であるから自分には責任も権限もないと言われた。ところが清算に移つてからの価格の決定に対しては、価格裁定委員というものがあつて、あなたもその委員の一人になつておる。そこであなたの答弁に食い違いがあるから、責任がないかということを聞いておるのです。
  286. 増岡尚士

    増岡証人 その点は食い違いはないと思うのです。その点はただ事実上の委員会として諮問されておる。安定本部代表ということになるということは、それは正式の建前でなく、やはり……。
  287. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしい。しかしあなたが安定本部の産業局長なるがゆえに選ばれておるということは間違いはないでしよう。
  288. 増岡尚士

    増岡証人 それですから、その場合に今委員長からもいろいろお話があつたのですが、われわれとしての立場は、あくまで高く売りたいという立場でその場合にも出席して……。
  289. 小玉治行

    ○小玉委員 高く売れていないではないか。べらぼうに安い。
  290. 増岡尚士

    増岡証人 その点は、結論として安くなつたということは、次に申しますように……。
  291. 小玉治行

    ○小玉委員 結局そういうことをつべこべ言われるけれども、あなた方の調査が不十分であり、責任を十分全うしなかつたということは、あなた承認されないのですか。百四十円で払下げたものが二千円にも売れたという結果から見て、あなた方の価格のきめ方は、適正でなかつたということは、今でも認められないわけなんですか。
  292. 増岡尚士

    増岡証人 その点は現場に行つて調べたわけでありませんから……。
  293. 小玉治行

    ○小玉委員 だから価格を決定することを諮問されたならば、現場に行つてもよろしいだろう。現場に行き、適正な調査方法によつて調査して価格をきめることが、あなた方の職責を全うされるゆえんではないかと思う。ところがさような手続をとらずして、すでに清算人の方から調査した資料に基いて、形式的に、まつたく無責任にうのみにされた事実はおおえないと思う。そういう事実によつて経済安定本部を代表しておるあなたが、責任を盡したとあなたは言われるかということです。国家に対して損害を与えて申訳ないという責任は、今もないかということです。
  294. 増岡尚士

    増岡証人 実地調査しなかつたことで間違いがあつた点については、間違いがあつたとすれば、その点については責任があつたと思います。
  295. 小玉治行

    ○小玉委員 あつたとすればと言われるが、あつたということを認められませんか。
  296. 増岡尚士

    増岡証人 その点は私、一応資料についてやりましたから、実地調査を自分で……。
  297. 小玉治行

    ○小玉委員 それでは紙の上で出したものを見ただけで、ただちに調査をしたということが言えるのか。経済安定本部産業局長ともあろう者が、ただ紙の上だけで、その紙の上に書いてあるものが経済の実情にいかに遊離した架空なことであつても、その基礎に立つて判断を下して、それであなた方は職責足れりとするのか。経済安定本部ではさようなずさんなやり方をやつておるのですか。今までもそういうことがあつたとしたら、国家の損失これよりはなはだしいことはないと私は思う。さような態度で、あなたは経済安定本部産業局長としての職務を平素とつておられるかどうかということをお聞きしたい。
  298. 増岡尚士

    増岡証人 必ずしも一々の件について実地調査をするということは、私としては不可能でありますので、この点については実地調査に至らなかつた……。
  299. 小玉治行

    ○小玉委員 しかもあなたの発言するところによれば、価格裁定委員に選定されたけれども、自分が行かないで代理をやつておるということを言つておるが、さようですか。
  300. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  301. 小玉治行

    ○小玉委員 それはどういうわけですか。代理は何という者ですか。
  302. 増岡尚士

    増岡証人 ほかの業務関係で出席をいたしかねました。
  303. 小玉治行

    ○小玉委員 代理は何という人をやりましたか。
  304. 増岡尚士

    増岡証人 代理は私の方の事務官をやりました。
  305. 小玉治行

    ○小玉委員 その事務官というのは、何という人ですか。
  306. 増岡尚士

    増岡証人 二人かわるがわるあるいは行つたかと思いますが、主としてこれを担当しておる青柳という事務官が参りました。
  307. 小玉治行

    ○小玉委員 そうするとあなたは單に青柳事務官の報告を聞いただけの話ですね。
  308. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  309. 小玉治行

    ○小玉委員 みずからはこの調査関係しておらないのですね。
  310. 増岡尚士

    増岡証人 そうです。
  311. 小玉治行

    ○小玉委員 さようなことでは、なお一層責任は果せないではないですか。
  312. 増岡尚士

    増岡証人 実際問題といたしまして、清算人から指定した日取りの関係で、そのときほかの業務で出席できなかつたのです。
  313. 小玉治行

    ○小玉委員 私がはなはだ遺憾に思う点は、経済安定本部産業局長ともあろう人が、重要な職務について、單に清算人方面から出された資料により、しかも事務官を代理にやつて重要なことを決して、今日に至つてはそのときの都合によつてそうなつたのであるからして、責任は大して感じないという無責任なる態度を見まして、経済安定本部の行き方ということについても非常に私は不安を感ずるように思うのですが、それだけのことを申し上げて私は質問を終ります。
  314. 田渕光一

    ○田渕委員 青柳事務官が経済安定本部の閣議決定の回答の起案をいたしましたか、どうですか。
  315. 増岡尚士

    増岡証人 回答の起案はその当時たれがやつたはつきり覚えておりませんが、一応当時の石炭課長の責任で起案しておることになつております。
  316. 田渕光一

    ○田渕委員 それから今小玉委員お尋ねになつたところですが、五百万トンの価格をきめるという大きな問題に対して、どのくらいの知識があるかどうか知らないが、一事務官だけやつたということは、私はそのとき、これは重大問題だから局長みずから出席すると言い切れなかつたところに、非常にあせつている気分があつたのではないかと思いますが、その点を伺つて終ります。
  317. 増岡尚士

    増岡証人 その点は先に申しましたように、契約はすでに三月三十一日付でやつておるので、五月中くらいに価格の決定もしなければならないということで、連日書面審理をしてきめたというふうに私は思つております。
  318. 篠田弘作

    篠田委員長 皆様もうありませんか――それでは最後委員長からお尋ねいたしますが、そのときには何かこれより以上の重大な用件があるとお考えになつて、事務官をお出しになつたのが、今日になつてみて、こういう大きな刑事問題が起り、社会問題、政治問題になつたのであるが、あなたが価格裁定委員会に代理を出され、そうして別の方に行かれたということについて、今日においてもなおかつ失敗でなかつたと思つておられるか、そのことについてのあなたの感想をひとつ承つておしまいにいたします。
  319. 増岡尚士

    増岡証人 非常に安く払下げ過ぎたということについては、非常に御批判があるようでありまして、私はその当時としては、大体公団としては必要な資料は全部整えておつて、非常に細かい点というか、価格のきわめて少い部分について、売渡人と引取人の間に差異があるというふうに考えておりましたので、これには代理人を出したのでありますが、ただ私がかりにそこに出席いたしましても、もしその当時、それでその場できめろということを言われますれば、やはり同じような結果になつてしまつたのではないかというふうに感じております。
  320. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは増岡証人に対する尋問はこれで打切つてさしつかえありませんか。     〔「まだうんとある」と呼ぶ者あり〕
  321. 篠田弘作

    篠田委員長 まだ聞きたいことがうんとあるようです。事実また委員長としてもお尋ねしなければならぬことはたくさんありますから、きようは一応これで打切りまして、いずれまたあなたに来ていただくことがあるかもしれませんから、それだけ御承知願います。それからさつきお約束の資料は提出してください。それでは御苦労さんでした。  次の中島君に対して、時間も切迫しているからきようはこれで打切りたいと思うが、あなたの御都合はどうかといつて聞きましたところが、せつかく来たのだから、できればやつていただきたいという意向もあるのですが、これはどういたしますか。実際問題として非常に都合が悪い部面にぶつつかつているわけです。ちよつと速記をやめて……。     〔速記中止〕
  322. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは速記をとつてださい。  本日は時間も遅くなりましたので、中島証人の尋問は明日に延期いたしまして、馬屋原証人を喚問したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  323. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは馬屋原証人。  先ほど馬屋原さんにいろいろお尋ねいたしましたが、あまり正確といいますか、誠意あるといいますか、そういう証言を得られなかつたので、委員から発言がありまして、もう一度考え直して出てもらいたいというのでお休みを願つたわけでありますけれども、先ほどあなたに委員からお尋ねいたしました問題について、これから少しお尋ねしたいと思うのであります。しかしそれに対して、先ほど通りの御返答でありますれば、何べんお尋ねしても同じことですから、あらためて来ていただきたいと思うのです。先ほどの質問者はどなたでしたか。――稻葉君。
  324. 稻葉修

    稻葉委員 先ほど私は常磐炭海上輸送のことについてお尋ねしたのですが、その要点は、海上輸送陸上輸送に比較して経済的に不利であるのみならず、海上輸送陸上輸送輸送量をカバーするだけの能率も持つておらぬのに、あくまでもこれを継続しておつたということはどういう理由に基くのか、私了解に苦しみますので、その点について当時公団の重要な職についておられましたあなたがどういう見解を持つておられたか、この点についてお尋ねしたのですけれども、記憶がないという御返事だつたのですが、お休みになつて考えられてもまだ記憶は呼び出せませんか、どうでしようか。
  325. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 休憩中いろいろ考えてみました結果をお答えします。汽船と汽車との関係につきましては、先ほどお話した通りに、経済的には貨車面が安いのでありますが、貨車におきましても着地との関係等がありまして、機帆船で積む場合には機帆船の方が不利益であるが、揚地に行つて機帆船の方が便利であるとかいうような関係の、輸送の適正といいますか、運用といいますか、そういう点についても運営石炭局では考えてやつておるわけでありますが、その点を聞きまして、やむを得ぬということで、合議の上でああいう措置をとつたように記憶しておるのであります。
  326. 稻葉修

    稻葉委員 その合議にあなたはお加わりになつておられたのですね。
  327. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは大体石炭局の方できめまして、もしも輸送上のプールの関係上高くなるような面につきましては、あと業務局に相談があるわけであります。その際には、高くなるときにはその内容をただしまして、内容によつて配給の完遂上やむを得ぬというときには合議いたしまして許す――許すというのはおかしいのですが、合議によつてやろう、こういうような処置をとつております。
  328. 稻葉修

    稻葉委員 そうすると、この常磐炭海上輸送の点についても、石炭局から輸送料が非常に高いというようなことで、業務局長たるあなたに御相談があつたわけですか。
  329. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  330. 稻葉修

    稻葉委員 そうすると一回ありましたか。何回もございましたか。
  331. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 輸送の径路の問題につきましては、二、三回あるように記憶しております。
  332. 稻葉修

    稻葉委員 そうすると、海上輸送陸上輸送とを比較して、どのくらいの倍率になつておるかお気づきでしたか。
  333. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は調べたと思います。現在その額は記憶しておりませんが、当時は調べて、そういうことの処置はやむを得ぬということでやつた記憶しております。
  334. 稻葉修

    稻葉委員 それで、陸上輸送するよりも海上輸送した方が、三倍も運賃が高いという御記憶はございますか。
  335. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運賃だけからいいますと、海上輸送の方が高かつたと思いまするが、いわゆる輸送の径路の問題等によりまして、やむを得なかつたように記憶しております。
  336. 稻葉修

    稻葉委員 そうしますと、常磐炭は積出し港においては非常に不利である、陸上輸送量を十分に補うだけの輸送はできない、ほとんどすずめの涙ほどしか海上輸送ではできないのだけれども、着荷港においては非常に便利で能率的だからこういうことをやつたのだ。こう御記憶ですか。
  337. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうふうに記憶しております。
  338. 稻葉修

    稻葉委員 ところであなたは、元常磐支団の経理課長をしておつた寺田大次郎という人を御存じですか。
  339. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 寺田君は承知しております。
  340. 稻葉修

    稻葉委員 寺田君の現地における証言によりますと、寺田君初め当時現地においては、海上輸送はぜひやめなければならないということを強く本団にも要求をしたということでありますが、そういう寺田君からの要求があつたということをあなたは御記憶ですか。
  341. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはちよつと記憶しておりません。寺田君を承知しておるのは、元昭和石炭時代に私の下におつたという意味で承知しております。
  342. 稻葉修

    稻葉委員 それでは現地から、海上輸送については経済的にもまた能率的にも、いずれから見ても反対であるということの強い本団に対する要請は、業務局長としてのあなたは当時全然聞いておられなかつたわけですね。あるいは聞いておつたか聞かなかつたか、その御記憶がないわけですか。
  343. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  344. 稻葉修

    稻葉委員 それでは、現地からのそういう反対の意思の表明は、配炭公団本団のだれに申し出るのが通常なんですか。業務局長でなくて、石炭局長ですか。
  345. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 計画の問題につきましては、石炭局なりコークス局なりに、こういう計画をやつてもらいたいと申し出るのが順序でございます。
  346. 稻葉修

    稻葉委員 先ほど委員長の読まれた業務局長の職責によりますと、当然そういうことは業務局長報告があるはずでありますが、全然聞いておりませんね。
  347. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 報告はときどきあることになつております。いわゆる炭価のプールその他の操作上、そういう資料を收集してやります関係上、報告は受けることになつております。
  348. 稻葉修

    稻葉委員 それじや報告は受けたのですか、受けないのですか。記憶はないですか。
  349. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どの問題でしようか。
  350. 稻葉修

    稻葉委員 この海上輸送の点についてですね現地からの……。
  351. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 海上輸送の点については、先ほど申したように承知しておるわけです。
  352. 稻葉修

    稻葉委員 それでは先ほど記憶がなかつたというのは誤りで……。
  353. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 記憶がないのは、反対陳情があつたという点について記憶がない。
  354. 稻葉修

    稻葉委員 いや、寺田大次郎君初め、現地の支団関係では、海上輸送はいけないということを本団に対して強く主張したけれども、何がゆえか本団においても、資源庁からの指示があるのだからしかたがないというゆえをもつて現地支団の要請を拒否したということを言つておりますが……。
  355. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点ははつきり記憶がないと申し上げたのです。
  356. 稻葉修

    稻葉委員 それではただいま報告はあつたと思うと言われたのですが。
  357. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 径路を踏んで輸送したということは記憶があるわけです。その問題については石炭局とも打合せて、やむを得ぬということで遂行したのです。ただ反対の陳情があつたということははつきり記憶がない。
  358. 稻葉修

    稻葉委員 それでは反対の陳情は、通常は業務局長のところへは来ないという仕組みになつておるわけですか。
  359. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 必ずしもそうともなつておりませんが、計画上からいいますと、やはり石炭局が順序であります。なおわれわれの方へも報告はあるはずであります。
  360. 稻葉修

    稻葉委員 報告はあるはずであつたが、そのときは報告はなかつたのですか。
  361. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は記憶はつきりしません。
  362. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 今の問題にちよつと関連して。汽車輸送を船の海上輸送にするについて、資源庁からの指示がありましたかどうか。その点はつきりしていただきたい。
  363. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは大体汽船輸送にするか、機帆船輸送にするか、貸車輸送にするかについてはそれぞれ資源庁と、海については海運総局と打合せして、安本の承認を得られて計画が立つわけです。その計画に基いて、公団は実行機関として遂行することになつております。大体運賃の面からいいますと、汽車賃は安いのでありまするが、やはり汽車の方も、常磐は本土ですから格別ですが、北海道なり九州炭は、青函連絡とか、関門隧道というような隘路があるものですから、安くてもおのずからそこに限定を受けて、計画がそればかりふやすわけには行かない。こういうような関係を当局の方でも考慮されまして、計画を立てられるわけであります。それから機帆船の方は、御案内の通りに、船の型は小さいが、ただ津々浦々いかなる港にも入るというような便利があります関係上、荷揚げする場合に荷役賃が安いというようなことがありまして、海運運賃だけで見ました場合においては汽船の方が安いが、積揚げ地の荷役面においては機帆船が安いというようないろいろな総合の面と荷役面と、それから工場の配炭の都合のいいという面をかみ合せまして、配炭しておるわけです。
  364. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこでそういう計画公団の方で立ててやるか。あるいは安本、資源庁その他によつて立てて公団の方に指示をするか。いわゆる資源庁の方から公団の方に対して指示をするか。あるいは公団の方から上申して、ただ許可とか了解を得るとか、その点をお話願いたい。
  365. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は会議を開きまして合議して、過去の実績につきましては、公団から実績を出して資料にいたしますし、その他の面につきましては、海運総局でそれぞれ船舶方面の統制をしておられまするから、その方面からの資料によつて船腹を集めるなりして資料を出されまして、協議の結果そういう計画を樹立して行くのであります。
  366. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで今稻葉委員が聞かれましたのをお聞きしたいのですが、この常磐炭海上輸送に対して、現地では寺田支団長初め反対をしておる。それを本団の方で、資源庁の指示であるから海上輸送にしなければならぬということでやつた覚えはありませんか。
  367. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 輸送計画につきましては、石炭局なり、コークスの場合においてはコークス局が、資源庁と打合すわけでありますから、もちろん資源庁とも打合せてやつたと思います。
  368. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 資源庁と打合せた上で、海上運送にしなければならぬということを支団の方に指示したかどうか。その点をお聞きいたします。
  369. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は石炭局なりコークス局の方で、その都度配船なり指示をいたすものですから……。
  370. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 あなたがいわゆる本団の方で指示したかどうかという点を聞いておる。
  371. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 もちろん本団から指示して来ておると思います。業務局としてはいたしませんが、本団としては、石炭局としてこういう計画で遂行するということを指示しておると思います。
  372. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこでその指示は、現地の支団の方で非常な反対があつたけれども、あえてそれを指示したかどうか、その点をお聞きしたい。
  373. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現地のむりやりの反対を押しのけてやることでなくて、現地の事情は事情として承知いたして、各方面を勘案して、その方がいいということを本団ではいつも決定しておつたのですから、おそらくそういうことで、決して一方的な、独断的なことはやつてないと思います。
  374. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 汽船輸送の所管は船舶運営会と思うのですが、海上輸送の点は船舶運営会契約をしてやられましたか。
  375. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 海上輸送のうちの汽船につきましては、船舶運営会で半年ごとに公定価格に基いて、またはそれ以下で契約するのであります。それから機帆船運賃につきましては、九州、山口炭は西日本が一本の窓口になつて、二十何社ありますが、これを一本に代行して契約しておるわけであります。それから北海道炭におきましては、たしか五社ありますが、五社が集まつて中央機帆船という名称のもとに、その代表者と契約をいたします。そのほか地区機帆船が一箇所あつたように記憶しておりますが、そういう方面契約しております。
  376. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで航海訓練所所属の鉄船を六隻使用されたと言つておるのですが、その点は船舶運営会でやられましたか、西日本に対してやられたか。
  377. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 結果的には西日本の方へ運賃を払いました。
  378. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 汽船の方は船舶運営会になつておる。機帆船の方は西日本になつておるというのに、どうして航海訓練所の六隻だけについて西日本の方に支払われたか、その点をお聞きしたい。
  379. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはあと承知したことですが、練習船は特殊船でありまして、汽船でもなし、機帆船でもないということで、当時石炭局の方におきましても運営会その他と打合せたのですが、運営会の方は、スカジヤツプの方でもそういうことは許さないからということで、それではどちらでもないんなら、機帆船西日本の方の輸送量も十分完遂できないから、これを利用してやつたらどうかということで配船したという報告を受けております。
  380. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで今の航海訓練所の鉄船も含めて、西日本には幾らぐらいの船賃を払われましたか。
  381. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 機帆船運賃契約運賃を払つております。公定価格があるわけですから、その公定価格に基いてきめたそれぞれの運賃があるわけです。それに基きまして払つてあります。
  382. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこでこの航海訓練所の鉄船で運んで、そうしてその運賃機帆船運賃で支払つたんじやないか、それを聞きたい。
  383. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは先ほど申したように、あとから聞きましたのでは、汽船でもないし、機帆船でもないという特殊船であるために、当時そういうことにつきまして運営会なりその他と打合せしまして、西日本窓口輸送量の完遂上の措置をとつた、こういうふうに報告を受けております。
  384. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そうしますと、やはり機帆船運賃で決済したということになるのですか。
  385. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  386. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 業務局長として、鉄船の六百八十トンの大型汽船に対して、倍額の機帆船運賃を払つたというのは、どういうわけですか。その理由を承りたい。
  387. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は船腹が非常に不足しておりまして、いわゆる輸送の確保ということに非常に重点を置いて石炭局でもコークス局でもやつてつたわけでありまして、これが明らかに汽船ということになります場合においては、もちろん汽船運賃を払つてつたのですが、先ほども申しましたような事情で、中間のものであるために、たまたま機帆船の方に輸送量の確保が十分できないからというので、その方面西日本から持つて来て、それを認めて配船をし、その運賃を払つた、こういうふうな成行きになつておるわけであります。
  388. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 それでお聞きしたいのは、西日本に対して手数料――その額がわからなかつたら、その支払われた運賃の何パーセントを払つたか、その点をお聞きしたい。
  389. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 西日本は、先ほど申しましたように、自分の方の自前船以外に二十何社の代行といいますか、チヤーターといいますか、それをやつておる関係上、そのうちの三分か五分の代行手数料をとりまして、そうして配船契約の完遂をはかつてつたように記憶しております。
  390. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 百分の三の代行手数料を払つたということに承知していいわけですね。
  391. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  392. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 それから航海訓練所極東海運から、鉄船については九州京浜間のマル公運賃の三分の二、それから機帆船についてはトン当り五百円と計算して、合計二百万円ばかりの運賃をとつておるということになるのですが、そういう点はお支払いになりましたか。
  393. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはかれこれ一年後に不祥事件が起つて初めてわかりまして、その問題について、先ほど言つたようなことで再検討したわけでありまして、当時におきましても、下請のものに向うで何ぼ払つたかということにつきましては、われわれとしてもわかつていなかつたような次第であります。
  394. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 それは全然あなたの言い方が違つていて、最初から西日本が引受け、それから極東海運関係があつて、そういうからくりをやつておるということを、公団自身もその点承知してやつたのじやないですか、どうですか。その点はつきり言つてください。
  395. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私といたしましては存じていなかつたわけですが、石炭局その他において承知したかせぬかは、ちよつと私ここで言明できないわけです。
  396. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 今の点はなお資料を調査いたしまして、また証人としてもこの点はあとで問題が起きてから知つたと言つて言いのがれをしておるけれども、この点についてはまだわれわれは重大なる疑問を持つておる。この点はまたあらためて聞くことにして、この程度にしておきます。
  397. 横田甚太郎

    ○横田委員 極東海運に何ぼ払いましたか。
  398. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 極東海運へ幾ら払つたか存じませんが、われわれのところは西日本に払つて、それ以下のものについては……。
  399. 横田甚太郎

    ○横田委員 西日本には幾ら払いましたか。
  400. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 西日本には先ほどお答えいたしましたように、契約運賃を払つております。
  401. 横田甚太郎

    ○横田委員 契約はいくらですか。
  402. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはちよつと言えないのですが……。
  403. 横田甚太郎

    ○横田委員 必要だつたら言いましようか。
  404. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私ここではつきり覚えておりませんから……。
  405. 横田甚太郎

    ○横田委員 西日本には二千二百三十二万四千三百十七円払つております。これを極東海運の取締であるところの峰尾好郎という人が、一千万円しかもらわぬのですが、こういうようないきさつを知つておりますか。
  406. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その内容は存じません。
  407. 横田甚太郎

    ○横田委員 内容知つていても言えないのですか。
  408. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 決してそうではございません。
  409. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしますと、この契約には関係がありますか。
  410. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どれでございましようか。
  411. 横田甚太郎

    ○横田委員 船――一切の船です。
  412. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 西日本とのわれわれの契約でありまして、下請とかその他の関係におきましては、一切西日本との関係になるわけで、公団としては承知しておりません。
  413. 横田甚太郎

    ○横田委員 西日本契約したその契約知つておるけれども、いわゆるどこの船が入つておるか知らぬというのですか。
  414. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 日々の分はわかりません。
  415. 横田甚太郎

    ○横田委員 わからないのですか。航海訓練所の船が入つているということもわからないのですか。
  416. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはわかつております。
  417. 横田甚太郎

    ○横田委員 当時航海訓練所の船は何隻あつたのです。
  418. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど申し上げましたように、業務局としては、配船その他の実施をしておりません関係上、不祚事件が起つて、初めてそういうことがあつたということを承知したような次第であります。これは石炭局の方でありますから、石炭局では当時の人は承知しておるはずだと思います。
  419. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうするとその場合に、機帆船で運搬する場合と鉄船で運搬する場合と、値段が違うということは知つておるでしよう。
  420. 篠田弘作

    篠田委員長 その問題は先ほどからずつと続いてやつておる……。
  421. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運営会につきましては、汽船の一本窓口でありますから、機帆船については先ほど申しましたように、九山炭のことについては西日本、それから北海道は……。
  422. 横田甚太郎

    ○横田委員 いや、そんなこと聞いているのではないのです。知つているか知らぬかということ、機帆船で運ぶ場合と、鉄船で運ぶ場合と……。
  423. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 機帆船西日本運賃を払うわけです。
  424. 横田甚太郎

    ○横田委員 西日本で払うのですか。しかし内容機帆船で払つてもらつたか、鉄船で払つてもらつたかで違うでしよう。あなたは山で石炭を買つて、それを横へ売りつけて金を集めていたらいいのですか。
  425. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはお話申し上げられませんが、先ほど申しましたように、運営会西日本と打合せて、その計画に基いて配船するのであります。業務局の方は半年ごとに運賃をきめて、その運賃配船したものに対して終理局の方にまわして、その報告あとで受けるというような内容になつているわけです。
  426. 稻葉修

    稻葉委員 ちよつと伺いますが、そうすると配炭計画の炭繰り会議には、業務局長は出席していないのですか。
  427. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 出席しておりません。
  428. 稻葉修

    稻葉委員 炭繰り会議には一度も出席していないのですね。
  429. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 一度も出席しておりません。
  430. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうしたらこの契約で運搬する場合に、船の種類が二種類ある。二種類ある場合には、これは鉄船で運ばなければならない、これは機帆船で運ばなければならないということは、あなたの頭の中にないのですか。
  431. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 たびたび言うようですが、石炭局配船計画に基いて運営会なり西日本と――どこどこへまわすということは、石炭局でやるのですから、われわれのところでは承知しておらない。
  432. 横田甚太郎

    ○横田委員 運賃関係ないのですか。
  433. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運賃は半年計画のものを一括契約いたしまして、公定価格に基いて、またはそれ以下で契約いたしましたものを、自動的に配船したものを経理局に行つて受取るのです。
  434. 横田甚太郎

    ○横田委員 しかし運賃の違いはわかるでしよう。
  435. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運賃の場合は、窓口運賃は……。
  436. 横田甚太郎

    ○横田委員 かりに千トンの石炭を、機帆船と船舶運営会で運んだ場合は違うでしようと言つておるのです。
  437. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど申し上げたように、特殊船の場合には、運営会ではスカジヤツプ・ナンバーもないし、スカジヤツプでもいかないということだつたから、機帆船わくも少いし、これをぜひ完遂しなければいかぬというので、これを西日本窓口で、機帆船配船したのです。
  438. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと横田君に申し上げますが、きようの証人の呼び方ですけれども、先ほど来から証言を聞いておりますと、この人の領域でない問題で大分聞かれているところがあつて証人が答弁に苦しんでいるところがある。それでこの問題を確めるためには、石炭局長を呼ばなければいけないと思うのです。
  439. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 私ちよつと伺いますが、船籍がわからぬと言われるが、汽船であることは間違いありませんね。
  440. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはいろいろ聞くところによると、汽船でもない、機帆船でもない、特殊船ということに承知しております。
  441. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 特殊船であるかは知らぬが、機帆船汽船とは明確に区別できるはずでしよう。
  442. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 特殊船ということであつて、そういう問題が起つて来て……。
  443. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 特殊船であるかは知らぬが、蒸気で走つていることは間違いないね。それはどうです。
  444. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 汽船というふうにもはつきりきまらず、機帆船でもない。特殊船ということで措置したということで……。
  445. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこでどつちかわからぬというものであれば、あなたの方でどつちにするかをきめるのですか。あなたの方できめるのでしよう。
  446. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことでございます。
  447. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 しからばあなたは国家の代理人であるから、安いところにきめるのがほんとうであつて、高いところにきめるのはどういうわけですか。そこに問題がある。どういうわけで高いところにやつたか、そこのところを言わなければいかぬ。
  448. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは先ほどから申したように、あと機帆船汽船という問題が起つたのでありまして、当時において機帆船わくとして、いわゆる輸送量の完遂、という面に重点を置いてやつたように報告を受けております。
  449. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 しかし船舶運営会に行こうが、西日本に行こうが、運んでさえくれればよいのであつて、どつちにやつてもよいものなら、安い方にやるのがあたりまえだ、何ゆえに高い方にやつたか。
  450. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは現在の経済情勢と当時の経済情勢、いわゆる船舶の需給関係等が非常に相違したきの措置とという面をお考え願わないと、判断がつかぬと思います。
  451. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 あなたそう言うなら、極東海運西日本の間に千何百万円というげたをはかれることは一体どういうことですか。そういうことを言つて通りますか。二千何百万円のうち千何百万円というげたをはくという実情が現われておるのはどういうわけだ。
  452. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いろいろくどいようですが、私どもいろいろ質問を受けるものですから――時期が相当はずれておつたものですから、それに基いて私は申し上げておるわけです。
  453. 田渕光一

    ○田渕委員 私の質問はあと証人関係もありまして、この証人に対する質問も後日に留保することにいたしまして、ちよつと一点だけ伺つておきます。常磐の寺田君から陸運にしてくれと要請しておるにもかかわらず海運でやつている。この石炭の消費地はどこでありますか。常磐炭を主として消費するところ、それを伺いたい。
  454. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはわれわれの運賃面、いわゆる安く上げるとかいうだけのことでありまして、配船については石灰局でやつておるから、どこどことはつきりわかりません。
  455. 田渕光一

    ○田渕委員 この程度に切り上げて後日に願いたいのですが、あす出て来るときに証人に考えてもらいたいことは、一千万円以上とつておる。陸運で行けるものを海運にしてやつておる。大阪で滯船料をとつておることは莫大である。揚げる場所がないほどとつておる。こういうようなことについてもお考えを願つて明日に留保したいと思います。
  456. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは明日は配炭清算人の諸君を呼んでありますし、先ほど中島証人も呼んでありますので、明日呼ぶことはできません。明後日は薪炭の関係を呼んでありますから、その次に、この問題は非常に重要と思われますので、西日本極東海運馬屋原証人石炭局関係、これだけをもう一日呼んで、この問題の結末をつける必要があると考えますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  457. 篠田弘作

    篠田委員長 それではそういうことにいたします。それではどうぞお帰りください。     ―――――――――――――
  458. 篠田弘作

    篠田委員長 篤農家表彰の件調査小委員の指名につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十二分散会