○加治木
説明員 ただいまの御
意見一一、ごもつともなことと存じますが、国の補助ということになりますと、本年度の災害補助として百億の
予算が組まれております。そのうちすでに六月以前の本年度の災害としては二十七億、ジエーン台風以前の分として約二十三億が引当て済みと
なつておるようであります。
従つてジエーン台風以降の本年度の災害に対してちようど五十億ばかりが国庫の補助金として用意されておるわけであります。これがいかなるふうに配分されるかということは、実際の
調査の結果によ
つて明らかになるわけでありますが、私銀行局の預金部の者でありまして、その方面のことを詳しく存じませんので、この点はまた適当な者からお害えするよう別の機会に讓
つていただきたいと思います。ただいま民間社
会事業施設に対する低利資金融通、あるいは災害住宅に対する預金部資金の融通等について御
質問があ
つたのでありますが、御承知のように、預金部資金の運用につきましては、実は昭和二十一年以来国債及び地方債に、運用が原則として限定されているのであります。戰前の常時の状態でありますならば、当然こういつたような災害等が発生いたしました場合には、民間災害についても、その復旧の一助といたしまして、低利しかも長期に預金部資金の中から、何がしかの金が出たのでありますが、そういつたような運用はただいまのところ、原則として認められておらないのであります。これは当時といたしましては、インフレを押えるという
目的でも
つてそういう措置が
一つにはとられたのでありますが、今日においては安定計画の施行に伴
つて、預金部資金の運用は主として通貨及び金融情勢の観点から、特にこまかいめんどくさい制約が加えられておるのであります。大蔵省といたしましては、この災害が発生いたしますと、いち早くジェーン台風分として、すでに現在では十一億五千万円の緊急融資をいたしたのでありますが、これは主といたしまして、地方公共
団体の災害復旧資金として国庫補助を期待している、その国庫補助のつなぎ融資という
意味で実施いたしたのであります。
従つてこの十一億五千万円では、民間施設に対する直接の、何らかの形の資金援助というものは、期待されないのであります。ただしかし、住宅
関係で公営住宅なり、そういうものに対しましては、この損害の復旧については、ある
程度この中から出ることが当然期待されるわけであります。われわれとしては、この十一億五千万円は各府県別に配分いたしましたが、事業別には配分しておりません。これは各府県の判断に
従つて、最も緊要と思われるところに使
つていただくことになるわけでありまして、これは具体的にどういうふうに使われるかということは、実は承知いたしておらないのでありますが、われわれとしては、少くともこの
程度の金が、国庫補助として本年度に出るであろうというところを見積りまして、十一億五千万円をすでに配分いたしたのであります。この民間の被害については、單に社
会事業施設ばかりではなく、民間の庶民がとうてい自力でも
つてしては復興できない住宅建設、復旧、その他中小企業等の事業災害に対する復旧も、実は非常に巨額の要望が出ておるのであります。先ほど申し上げましたように、ただいまのところ預金部資金の運用が原則として国債または地方債のみに限定されておるという
状況にありまして、今ただちにこれに対して何らかの形で実効性のある対策をここで立てるということは、非常に困難な
状況にあるのであります。われわれといたしましては、こういう民間災害復日資金についても、戰前と同様、場合によ
つては地方公共
団体が経営してもよろしい、場合によ
つては一般の市中の金融機関を通じてもよろしいから、何らかの形で出したいということを寄り寄り協議し、かつ
関係方面にも熱心に陳情に参
つておるのでありますが、いまだに実ははつきりここでお答え申し上げる
程度の
結論に達していない次第であります。そういうような
状況に
なつております。