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1950-07-25 第8回国会 衆議院 厚生委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年七月二十五日(火曜日) 午前十時三十六分
開議
出席委員
委員長
寺島隆太郎
君
理事
青柳
一郎
君
理事
大石
武一君
理事
金子與重郎
君
理事
岡 良一君 中川
俊思君
原田
雪松
君 堀川 恭平君 丸山 直友君 亘 四郎君 柳原 三郎君 提 ツルヨ君
福田
昌子
君
松谷天光光
君
大石ヨシエ
君
出席政府委員
厚生政務次官
平澤 長吉君
委員外
の
出席者
厚生事務次官
葛西
嘉資
君
厚生事務官
(
大臣官房総務
課長
) 森本 潔君
厚生事務官
(
社会局物資課
長) 熊崎 正夫君 厚 生 技 官 (
公衆衞生局環
境衞
生部長) 石橋 卯吉君 專 門 員 川井
章知
君 專 門 員
引地亮太郎
君
—————————————
七月二十二日
委員岡崎勝男
君及び
赤松勇
君辞任につき、その 補欠として
原田雪松
君及び
福田昌子
君が
議長
の 指名で
委員
に選任された。
—————————————
七月二十二日
厚生年金保險積立金
の
運用等
に関する
請願
(佐 々木更三君
紹介
)(第一八五号)
遺族
の
援護対策確立
に関する
請願外
一件(
青柳
一郎
君
紹介
)(第一八六号) 私営の
社会事業団体
に対し
公金支出
の
法律制定
に関する
請願
(
江崎真澄
君
紹介
)(第二〇四 号)
大津援護館改築
に関する
請願
(
青柳一郎
君紹 介)(第二三一号)
遺族年金支給
に関する
請願
(
高橋等
君
紹介
)( 第二七九号)
薬事法改正
に関する
請願外
二百四十九件(
有田
二郎
君外二名
紹介
)(第二八〇号) 同月二十四日 木花村から都井岬を経て
福島湾
に至る
海岸地帶
を
国立公園
に指定の
請願
(
田中不破
三君
紹介
) (第三〇〇号)
国民健康保險
の
事務費全額国庫負担
並びに
社会
保障制度
の
全面実施
に関する
請願
(
床次徳二
君
紹介
)(第四〇〇号)
薬事法改正
に関する
請願外
四百六十九件(
有田
二郎
君外二名
紹介
)(第四二四号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
災害救助法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一三号)
狂犬病予防
に関する件
厚生行政
に関する件
—————————————
寺島隆太郎
1
○
寺島委員長
これより
会議
を開きます。 まず
災害救助法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 本
法案
についての質疑は前会において終了いたしておりますので、これより
本案
の
討論
に入るのでございますが、
本案
の
討論
に関しては別に通告もございま
せん
ので、これを省略し、ただちに採決に入りたいと存じますが、御
異議
ございま
せん
か。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
寺島隆太郎
2
○
寺島委員長
御
異議
なければ
討論
を省略し、これより
災害救助法
の一部を
改正
する
法律案
について採決いたします。 本
法案
を
原案
の
通り
可決するに
賛成
の諸君の御
起立
を願います。 〔
総員起立
〕
寺島隆太郎
3
○
寺島委員長
起立総員
。よ
つて
本
法案
は
原案
の
通り
可決いたしました。 なお
議長
に提出する
報告書
の作成に関しましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございま
せん
か。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
寺島隆太郎
4
○
寺島委員長
御
異議
なければさよう決定いたします。
—————————————
寺島隆太郎
5
○
寺島委員長
次に
狂犬病予防
に関する件について、
原田雪松
君より
発言
を求められておりますのでこれを許します。
原田雪松
君。
原田雪松
6
○
原田委員
ただいま
議題
といたしていただきました
狂犬病予防
に関する件について近く
提案
いたしたいと存じますので、その
内容
を一応御
説明
申し上げまして御
了承
を得ておきたいと存じます。 元来
狂犬病予防
に関する
法律
は、大正十一年の一月、
法律
二十九号で
家畜伝染病予防法
の一部に規定されてお
つたの
でありますが、近時著しく
狂犬病
がここ数年間に非常に激増いたしまして、特に本年のごときは、昨年の三倍を超過しておる状態であります。そういう
意味
からいたしまして、この
予防撲滅
の面におきまして、非常に法の上に不備な点がたくさんございますので、この際この
法律
を
改正
いたしまして、少くとも
社会
不安の除去とそれから
撲滅
の
方法
を講じたい、こういう
意味
で、実は法を
提案
いたしたいと存じておるのであります。もちろんこの点はGHQの
公衆衞生課
の
福祉課長
のドクター・ビーチユード氏の非常に強い示唆がございまして、国内といたしましても、ゆるがせにできない
一つ
の恐ろしい
伝染病
でありますので、これが徹底的に
蔓延
を防止するために
撲滅
をやらなければならぬ、こういう
趣旨
から実は
提案
をいたしておるのであります。
厚生省
の七月八日の発表を見ますと、すでに
狂犬病
の
発生頭数
は五百五十七頭でございます。そうしてかまれた人間が千百六十二名にな
つて
おりまして、そのうち
死亡者
がすでに三十名出ております。
東京
都だけでも相当の数でありますが、
現有東京
でかまれた
人たち
は二百八十七名の多きに達しております。これをこのまま放置いたしますならば、ますます
全国
にこの
病気
の
蔓延
のおそれがあるのであります。現存私
ども
の方で
調査
をいたしてみますと、
全国
で畜犬として鑑札を受けておりますものが約百万頭に近いのであります。ところが百万頭の上に、現在野犬としておりますものが、少くとも百五十万が頭おる見当でございます。そういたしますと、現在
日本
に二百五十万頭の、のら犬を入れましての犬がいるわけでありますが、もし一朝にしてこの被害をこうむることになりますと、ゆゆしき問題を惹起するであろうことを痛切に感じておる次第であります。そういう
意味
から、大体の
発生地
は
関東地区
でございますが、すでに大阪に一人発病いたしまして、二十八名の
咬傷患者
を出しておる次第であります。本病にかかりますと、御
承知
の
通り
まことにみじめな症状になりますので、私
ども
事実
自分
の知合いの
子供
がな
つたの
を見たのでありますが、見るに見かねるような惨状を呈するのであります。しかもこの
病気
は多く
子供
に発生しやすく、何となれば
子供
は犬を友だちとして、好伴侶として遊んでおります
関係
上、そのためにこれがじやれて
子供
をかむというような実例がたくさん残されておるのであります。そういう
意味
から私
ども
は、この
公衆衞生
の見地からいたしましても、一日も早く法の完璧を期していただきまして、
予防接種
の励行並びにこの
蔓延
の防止とともに、病毒の
撲滅
を期したい、こういう
意味
から
提案
をいたしておる次第であります。 構想の
趣旨
につきましては、
今ちようど印刷
中でありますので、
あと
でお手元に差上げたいと思いますが、
簡單
に申し上げますと、そういう理由からこの
伝染予防法案
というものを
提案
いたしまして、すみやかに御審査くださらんことを切に
希望
いたす次第であります。
一言概略
を申し上げまして、御
了承
を得たいと存ずる次第であります。
—————————————
寺島隆太郎
7
○
寺島委員長
次に
医療制度
に関する件を
議題
とし、本件に関連し
医薬分業
問題についての
発言
を求められておりますので、これを許します。
葛西厚生次官
。
葛西嘉資
8
○
葛西説明員
いわゆる
医薬分業
の問題について、今日までの
いきさつ
をごく
簡單
に御
説明
を申し上げさせていただきます。 御
承知
のように、この問題は長い間の問題でありますが、これが問題になりましたのは、昨年の七月、例の
アメリカ
の
薬剤師協会使節団
の
勧告
に始ま
つて
おります。御
承知
のようにその中には、
医薬分業
の
目的
を達することというような一項があります。これはこの
勧告案
を私
ども政府
が
司令部
からいただきましたときは、一項々々についてよく
研究
をしてもらいたい。この
使節団
の
勧告
というものは、
專門家
が專門の
立場
から
研究
をしたものであるから、
日本
においても
研究
の
価値
のあるものであります。だから
研究
してもらいたい。従来
司令部
から
日本政府
にや
つた
勧告案
が三つある。今まで
二つ
、その
一つ
は、
社会保障制度
の
勧告案
、もう
一つ
は、
アメリカ医師会
の
使節団
の
勧告
、それからこの
勧告
、この三つを読むと、それぞれその
專門家
のや
つた
ものであるから若干の矛盾があるものもある。そういうところをそれぞれ
医師会
なら
医師会
、
薬剤師会
なら
薬剤師会
がや
つた
というのを見れば、実に興味深いことであ
つて
、しかしこれは
專門家
の
勧告
であるから、十分尊重して
日本側
でも
研究
をされる
価値
のある問題だと思うから、
研究
をしてもらいたいというようなことを言われて受取
つた
ものであります。その一節の中に、
医薬分業
の
目的
を達することという一項目、これが今日
医薬分業
の問題がやかましくなりました最近における口火だ、かように了解できると思います。
ちようど
昨年の秋ごろでありますが、
役所
の方でもこの
医薬分業
の問題を特に
研究
してみないかというようなことを
司令部
の
サムス准将
から
お話
がありました。それが第七
国会
になりますと、御
承知
のように
国会
におきましても、いろいろこの問題の御議論であ
つたの
は、御
承知
の
通り
でございます。本年一月九日だと思いますが、
サムス准将
が、例の
医師会
、
歯科医師会
、
薬剤師会
の
代表
を呼びまして、そうしてこの問題をひとつ真劍に検討してみないかというような
話合い
がありまして、そうしてそれはこの
医薬分業
というものを一体
賛成
なのか不
賛成
なのか、それを各
団体
でひとつきめたらいいじやないか。
実施
の
方法
などについても、いろいろ
希望
があるとか、あるいは
意見
があれば、それも申してみたらいいじやないかというようなことで、
役所
の方には昨年秋ありますと同時に、今年初め一月九日には
三志会
に対して
お話
があ
つた
。そうして
ちようど
そのころ
サムス准将
は
アメリカ
の方に
ちよ
つと用事があ
つて
帰るから、その
留守
中に話をひとつ適当にまとめておいて、おれが帰
つた
らば、三者の
意見
を聞きたいというような
お話
であ
つたの
でございます。そして二月七日の日に、
サムス准将
は
アメリカ
から
日本
に帰任をして参りまして、そうして
三志会
で話し合
つた
けれ
ども
、どうも
結論
がつかぬ、まとまりま
せん
ということを聞いて、今度は二月二十七日でございますが、
日本医師会
の
役員
に直接話をされたようであります。そうして
日本医師会
が
代議員会
において
医薬分業
の根本の問題について
態度
を決定するというようなことがありまして、四月三日になりましてから、
代議員会
の
意見
をさらに
サムス准将
に
説明
をするというような
いきさつ
がありました。四月四日に
厚生大臣
が
サムス准将
に呼ばれまして
——
当時の
厚生大臣
は
林大臣
でありますが、どうも
医薬分業
の問題を
三志会
で
相談
をさせて案をまとめようと思
つた
けれ
ども
、それがまとまらないから、ひとつ
政府
に頼むよりほかはない、
政府
の方でこの
医薬分業
の問題を
研究
するための
委員会
を
厚生省
の中でつく
つて
くれないかというような
話合い
があ
つたの
でございます。この点は、
日本医師会
におきましても、当時はそういうふうに
役所
で
話合い
をしてもらう、あつ
せん
をしてもらうということについては、
同意
をされたそうであります。
大臣
には、
医師会
においても
同意
したから、こういうような
話合い
の
協議会
をひとつ
役所
の中につく
つて
問題を進めた方がいいじやないかというような
話合い
がありました。
大臣
の命を受けまして私
ども
がさつそくその線に
沿つて医薬分業
の問題を検討するために
——医薬分業
の問題を検討いたしますためには、どうしても従来拂われておりますいわゆる
薬価
といいますか、お
医者
さんに拂
つて
いる
診療費
とほんとうの薬代と、それから
技術料
というふうなものにわける必要がありますので、そんなようなことを考え合せまして、
臨時診療報酬協議会規程
の案を私
ども
つくりまして、これを
医師会
、
歯科医師会
並びに
薬剤師会
にお示しをして、これでどうだという
相談
をしたわけでございます。これは
ちようど
私が
三志会
の
当局
に来てもらいまして、こういう案でひとつや
つて
くれぬか、どうだという
意見
を尋ねたわけでございます。ところが、四月十八日になりまして、
日本医師会
がそれに対する
意見
をすぐ持
つて
来られました。その
意見
の
内容
は、第
一條
に書いてある
診療協議会
をつくる
目的
を私
ども
の方は、こまかくなりますが、
慣行診療報酬
の
構成
について、
厚生大臣
の
諮問
に応じて
答申
をするためにつくるのだ、こういう書き方をしてあ
つたの
ですが、
医師会
の方は、
医療
の
向上
のために
適正診療報酬
の標準につき云々というふうに改めてもらいたいということで、会をつくる
目的
について若干の
表現
が違うという点が第一。それから第二の
医師会
の方の
意見
としては、全部で三十人の
委員
ですが、全
委員
の半分十五人以上を
医師
と
歯科医師
にしてくれ、それからそのほかにも若干のことがありますが、要するにそういうふうな
希望
が達せられないときには、
自分
らはこの
診療報酬協議会
には協力はできないというような
意味
の
手紙
があ
つたの
でございます。そして
医師
の
当局
は、四月二十四日に
サムス准将
に、その
厚生省
に出した
手紙
の
意味
を
説明
すべく会見を求めたのであります。この四月二十四日の
サムス会談
というのが、実は非常に重要な
会談
にな
つて
しま
つて
、以後非常に
医師会
との間にもめたことになるわけですが、少し詳しく申し上げますと、
サムス准将
がどの
会談
で、
医師会
が言う第
一條
の会をつくる
目的
について、
一体厚生省側
が
慣行診療報酬
の
構成
について
厚生大臣
の
諮問
に応じて
答申
をすると、こういうふうに言うてあるのと、
医師会
の言う
医療
の
向上
のために
適正診療報酬
の
構成
について
大臣
に
答申
をするというのは、
表現
は違うけれ
ども
同じことじやないかというようなことを、
サムス准将
は言われたのであります。多少ニユアンスは違いますけれ
ども
、ねらう
意味
は大体同じことだと
言つて
も言えぬこともないと思う、大体そういうようなことを
サムス准将
は言
つた
。それから第二の
医師会側
の
言つて
おります全
委員
の
半数
は
医師
、
歯科医師
で占めてくれというようなことを
医師会
の方から
厚生省
の方に
言つて
来たわけですが、これも
サムス准将
は、
自分
はそれに反対だ、
医薬分業
というものをもしやらせるならば、議論する場合には、
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
というこの三人が
医療関係者
なんだから、それが半分、
あと経済学者
だとか、あるいは
医療
を受ける
立場
にある者というふうなものが半分と、
薬剤師
を込めて半分という出張であれば
自分
も
同意
ができるけれ
ども
、
医師
と
歯医者
だけで半分というのは
同意
ができない、こういうことを言うたのであります。この点は私
ども
はそういうふうな
意見
を持
つて
おりまして、
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
で半分くらいを占めたらいいじやないか、
あと
は一般の受ける方の
立場
でやるべきだという同様な
意見
であ
つた
わけであります。それから第三点は、
委員
の
割振り
や何かについての
医師会
の
希望
でありますが、こんなものは、どうこうかたくならぬでも、お互い三
志会同士
で
話合い
をしたらいいじやないかというようなことで、私
ども
の方は、
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
の方は
相談
がまとまれば、
三志会
でまとめた数でけつこうだ、もしまとまらなか
つた
ならば
医師側
四、
薬剤師側
四、
歯科医師側
二というようなことで十人を選んだらいいじやないかというふうな
意見
を参考に申し述べておいたのですが、これがけしからぬというような
医師会側
の
意見
であります。これは何も双方できめてもらえばいいのだというふうなことが、当時
話合い
があ
つた
らしいのでございます。そんなふうな事実があ
つて
、二十四日に
サムス准将
とそういうふうに
なつ
た。 そこで私
ども厚生省
の
立場
といたしましては、二十四日のこの
会談
というものは、第
一條
の文句は別といたしまして、あるいは
委員
の数をどうするか、あるいは全部の
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
をこめて
半数
でなければならぬというような点については、ま
つた
く
厚生省
と同じ
意見
を
サムス
氏が言われたんだから、
医師会
はもう一ぺん
三志会
で適当な数をきめ、そうしてこの会に
参加
をしてもらいたいというふうなわけで、爾後ずつと督促をして
参加方
を慫慂して
参つて
お
つたの
であります。ところが、その後
皆さん方
御
承知
のように、
医師会側
におきましては、
日本医師会雑誌
の
臨時
第一号というふうなものが特に出まして、
日本医師会
医薬分業
問題の経過と日医の
基本的態度
について、というふうな
日本医師会側
の
意見
が発表されるというふうなことがあ
つた
りなどいたしまして、
大分混乱
をして
参つたの
でございます。そこで
厚生省
といたしましては、できるだけこの会に加わ
つて
いただきたいという
態度
をずつと持続いたしまして、
ちようど大臣
はお
留守
でありましたが、私五月の二十三日でありますが、
田宮会長
ともお会いして、そうして
打開
をしたいというようなわけで
会談
をいたしましたが、なかなか
結論
を得ないというようなことであ
つたの
でございます。
ちようど
そんなことをしております最中に、実は今だから申し上げてよいと思うのでありますが、五月二十六日に
サムス准将
から
厚生大臣あて
に、例のいわゆる
公開状
と申すものが
参つたの
であります。これは要するにどういうことが書いてあ
つた
かと申しますと、今までの
日本医師会
の現
役員会
がと
つて
おる行動を見ますと、どうも
自分
の方は現
役員
を信頼できない、事実を
会員
に告げておらぬ。それでもし
日本医師会
のごとく
民主的団体
であります以上は、会の
幹部
というものはありのままに事実を
会員
に伝え、そうして
会員
の総意をも
つて
行動すべきものである、それにもかかわらず今までの
やり方
を見ておると、かようなふうには想えないので、今日とな
つて
は、
日本医師会
の
首脳部
に対しては、
自分
は信頼ができないという
意味
の
公開状
が
大臣あて
に来たのであります。これはきわめて重大なことでありますので、この
公開状
を私
ども
は出したくないということに意思をきめまして、そうして
ちようど兵庫
県においでになりました
林厚生大臣
のところには使を派して、そういうふうな方針でやる、それだから
大臣
になるべく早く帰
つて
いただいてこの問題を收拾したいというようなことの連絡をいたしました。そうしてこの
公開状
を実は握りまして、早く
医師会
と話をまとめようじやないかというふうにいたしたわけでございます。しかしなかなかうまく行かぬ。そのうちに
厚生大臣
がお帰りになるというようなことで、今度はまた
医師会
の前
医師会長
あるいは
医師会
のいわゆる
長老
というような
方々
にもお集まりを願いまして、ある程度事実を述べて、何とか
打開
の道はないものだろうか、実はこういうふうないやな
公開状
も来ておるのだがということで話をいたしました。若干
長老
の
方々
も、この間にあつ
せん
をされるというようなことで、や
つたの
ですが、なかなか解決の見込みが立たぬ、まあしかししようがないからというので、
厚生大臣
がその後二回ばかり
医師会
の
幹部
と話しますうちに、大体
医師会
の意向もわかりますし、なるべくならばできるだけ円満にや
つて
参りたいというよう
なつ
もりでいろいろ考えまして、四月の十七日に
厚生省
から示しました
臨時診療報酬協議会規程案
を一応撤回をいたしまして、新しくこういうふうにしてや
つた
らどうだという案を、六月二十四日に
医師会
、
歯科医師会
、
薬剤師会
三者に出したわけでございます。その案というのは、
二つ
の
調査会
をつく
つて
、
一つ
は
臨時診療報酬
の
やり方
についてやるというものそれからもう
一つ
はそれが
診療報酬
、具体的に申しますればお
医者
さん、
歯医者
、
薬剤師
の
技術
に対する
報酬額
を、
技術料
と
薬価
にわけて行く、どうわけたらいいかというふうなこと。わけるとすればそのわけたものが
医療関係者
の
生活
を脅かすものであ
つて
はいけない。それからなおこのことによ
つて医療
が
向上
するものでなければならぬ。それからそれをさらに
国民経済
が受け得る、
患者
が受け得るものでなければならぬというようないろいろなそういうフアクターから考えて、
技術料
と
薬価
とをわけてやるという
一つ
の
臨時診療報酬調査会
。そうして一応わけたものが出たら、その結果
医薬分業
をやることがいいか悪いかということを議論するための会を
医薬制度調査会
というふうなかつこうでつくる。それからもし
分業
を
実施
することがよいということに
なつ
たならば、その
具体的方法
をどういうふうにやるか、
法律
の
改正
を要するか、あるいはまた
地域
などをどういうふうにやるか、それから準備もいるだろうから、いつやるかというようなこと、それから最後に
法律
の
改正
を要すれば、そういうような点にも触れるというようなことを審議するための
臨時医薬制度調査会
というふうなものと
二つ
にわけてやることにいたしまして、むずかしか
つた
例の
委員
の
割振り等
につきましても、これは
三志会
で御
相談
を願いたい。
三志会
でまとまらないということであるならば、
厚生省
といたしましては、
臨時診療報酬調査会
の方は
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
を七、五、三の
割合
でや
つた
らどうか、それから
臨時医薬制度調査会
の方は
医師
、
歯科医師
、
薬剤師側
から出るものは、やはり四、二四の
割合
でどうだというようなことで話を出したわけであります。そうしたら、この点につきましては、若干の経緯はありますが、
結論
を申し上げますと、
三志会等
の大体の線は
賛成
だ
つた
。これで行こうじやないか、スタートしようじやないかということに
なつ
たわけでございます。ただ一番問題になりましたのが、
臨時診療報酬調査会
の七、五、三の
割合
であ
つたの
でございます。
歯科医師側
がこの点については非常に不満でありまして、
厚生大臣
のところへも抗議を申し込みに参
つた
りなんかいたしたのですが
三志会
で
相談
の結果七、五、三というのを
医師会側
も一人讓る、
薬剤師側
でも一人讓るというわけで、六・五・四、
医師
が六、
歯科医師
が五、
薬剤師
が四ということで話がついて、そうして各
医師会
、
歯科医師会
、
薬剤師会
から、それぞれ
臨時診療報酬調査会
並びに
臨時医薬制度調査会
の
委員
の推薦も、その線に沿うて四・二・四は
異議
がありま
せん
で出て来たわけです。それで
厚生省
の方でも
残つた
各
三志会
から推薦した以外の、あるいは
経済関係
の人あるいはまた
国民
の
代表
というような、受ける
立場
を
代表
する人を選びまして、大体
委員
が本日内定をいたす予定でございます。そうしておそらく明日くらいにはこの
委員会
、並びに
委員
の
構成
について、
関係方面
の了解を得て発表し得る段どりに
なつ
たわけであります。そうして来月早々この両方の
委員会
が開かれることになるつもりでございます。 現在の段階はそういうことでございますが、その途中で実に困
つた
ことが出て参りましたのは、
サムス准将
の方におきまして、私
ども
せつかくかかえておりました例のいわゆる
公開状
をぱつと各
府県
の
医師会長
に送
つて
しまわれたことでございます。その
サムス准将
の
手紙
によりますと、
厚生省
の
報告
によると、この
二つ
の
委員会
ができて、近く発足を見るということを聞いておる。
ちようど
この機会に
自分
は
厚生省
にあてて、過日
公開状
を出しておいたが、それを
皆さん
に送るというような前書をつけて、五月二十六日付でありましたか、その
公開状
を
サムス准将
から各
府県
の
医師会
に送
つた
というようなことで、
医師会
の
田宮会長
、並びに武見副
会長
は、どうしてもおれないというふうなわけで、過般辞意を表明されるというふうなことに現在な
つて
おるわけであります。
厚生省
といたしましては、かようなことでございますので、
医薬分業
の問題はこの
二つ
の
委員会
で広く
意見
を開き、そうして今申し上げますように、いわゆる
医療費
というものが、
技術料
と
薬価
との
二つ
にわけて計算することができるかどうか。わけたとした場合に、そのわけることが
医療
の
向上
に役立ち、しかも
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
の
生活
を脅かすようなものでなく、また
国民
が受け得る程度のものでなければならぬというような点から考えまして、適正なものがきまればこれを取上げる。そうしてまたさらにその上に
臨時医薬制度調査会
において、
医薬分業
を行うことの可否、それがいいか悪いか、行うとすれば具体的な
方法
はどうするか、いついかなる
地域
に、いかなる
方法
をも
つて
行うのが一番いいかということを検討してもらい、その結果、もしこれが
法律
の
改正
を要するというふうなことになれば、
改正
案をつく
つて
国会
の審議を経るというふうな段取りになるものだと、かように考えております。 はなはだ雑駁な申し上げようでありましたが、一応今までのごく大ざつぱな経過を申し上げた次第であります。なお御質問に応じましてお答え申し上げます。
寺島隆太郎
9
○
寺島委員長
本件に対し
発言
の通告がございますので、これを許します。岡君。
岡良一
10
○岡(良)
委員
ただいま御
説明
があり、また昨日の参議院の本
会議
で、堂森芳夫君からこの問題について質疑があり、これに対する御答弁があ
つたの
でありますが、これらを総合いたしまして、二、三点お尋ねいたしたいと思います。 これは私
ども
、その間の事情はよく熟知しておりま
せん
が、ただいま次官の御
説明
にありましたところの、昨年七月に来朝いたしました
アメリカ
薬剤師
協会の総
司令部
へのレポートは、これは総
司令部
へのレポートであ
つて
、ただちに
日本政府
への
勧告
であるかどうかという点について、ただいまの御
説明
では、
日本政府
への
勧告
であるというような御
説明
でありましたが、そのような慣例で取扱われるものでありましようか。まずその点をお伺いいたします。
葛西嘉資
11
○
葛西説明員
お答えいたします。
薬剤師
協会の
使節団
の
報告
は、御説の
通り
マツカーサー元帥に対する
報告
でありますが、これはマツカーサー元帥の方から
日本政府
の方にさらに渡されまして、そうしてこれは
日本
で
研究
をされる
価値
あるものであると思うから、この
勧告
を
日本政府
に渡すから、
日本政府
でも
研究
するようにということで、先ほど申し上げましたような
社会保障制度
調査
団、
医師会
の
調査
団並びに
薬剤師
の
調査
団の
勧告
は
日本政府
に公に
司令部
から手交されておるものであります。
岡良一
12
○岡(良)
委員
ではその次に御
説明
になりましたところの、四月四日に
厚生大臣
と
サムス准将
が面会をされたという点でありますが、私
ども
が聞いておるところでは、別にそのことのために出頭をされたのではなく、他の用件で総
司令部
へたまたま行
つた
ところが、当時問題にな
つて
お
つた
医薬分業
のことに触れて、
サムス准将
から
林厚生大臣
に対して、省内に
委員会
設置等の
提案
がきわめて非公式になされたということを聞き及んでおるのでありますが、これは公式に面会を求められ、公式に指示があ
つたの
でありますか。それとも私
ども
が聞いておるような、非公式な話題として出ておるのでありますか、その辺の事情をお伺いいたします。
葛西嘉資
13
○
葛西説明員
今の
お話
でありますが、当時私は
アメリカ
の方に行
つて
おりまして、四月四日は実は
日本
におりま
せん
でしたことと、もう
一つ
は、これは
林大臣
が向うへおいでになりましたので、正確にお伝えすることはできないかと思いますが、私の聞いておることを一言申し上げさせていただきたいと思います。これは先ほ
ども
申し上げましたように、
サムス准将
が
医師会
の
幹部
とお会いになりましたときに、ひとつ
役所
の方でそういうふうな
委員会
をつくることにしようじやないかというようなことで、
医師会
もこれに
同意
をされて、そうして
サムス
さんの方から
大臣
においでを願
つて
お話
があ
つた
。こういうふうに了解をいたしております。ついでに話したかどうかというふうな点は、あまり詳しくは存じま
せん
が、従来そういうものをつくりますときには、デイレクテイヴとかメモランダムというものはないのであります。事情の
いきさつ
を話されて、
政府
から
一つ
あつ
せん
してもらいたいというような
お話
があ
つた
。その際
林大臣
から、今の
診療報酬
については保險にも
委員会
がある、その保險の
委員会
との
関係
はどうするかというようなことの
お話
もあ
つた
ように聞いております。しかしこれはそういうふうなことをきめるのに、ごくプライベイトに、ごく内々に
政府
の
意見
を聞き、参考にするためのものだから、
政府
だけでつくる
委員会
でけつこうじやないか、
国会
の審議を経た正式の
協議会
とか
委員会
ということでなくてもいいじやないか、そういうわけで、ただ人が集ま
つて
相談
をするというか、あつ
せん
をしてもらいたいというような御依頼があ
つた
ように聞いております。
岡良一
14
○岡(良)
委員
しかし先ほど来の次官の
お話
を承
つて
おると、やはり
臨時
診療報酬協議会
をつくられ、また一応これが御破算とな
つて
、
医療
報酬に関する
委員会
や、あるいはまた医薬制度に関する
臨時
の
委員会
ができる
——
これはなるほど
お話
によ
つて
は、それによ
つて
医薬分業
の可否が十分協議されるということにな
つて
おりますけれ
ども
、しかし実際問題といたしまして、
当局
の取扱い上からは、これからはやはり
医薬分業
を実現するという前提の上に立
つて
この
委員会
がつくられ、また従
つて
その
結論
もその方向に当然出されて行くのじやないかと思う。特に
日本医師会
の
会長
、副
会長
が辞任されたというような
いきさつ
等を考えましても、実際問題としては、それは当然
医薬分業
が実現されるという方向に持
つて
行かれると思う。それに対して
厚生省
として、
委員会
の
結論
がこれを否認するというようなことでは、非常に重大な問題が起
つて
来るように思いますが、その辺の見通しと、またそういう場合に立ち至
つた
場合における
厚生省
としての覚悟のほどと申しましようか、御決意の一端を伺いたいと思います。
葛西嘉資
15
○
葛西説明員
この
委員会
をつく
つて
かようになりましたのは、一体
医薬分業
を前提としてや
つて
おるのかどうかという点でありますが、これはあくまでも
結論
を先に出しておいて、ただかつこうだけ
委員会
をつくるという性質のものではないように了解いたしております。今度できます
臨時診療報酬調査会
、それにおきまして、先ほ
ども
申し上げましたように、
技術料
、
薬価
等をわけて、さらにそういうふうな
結論
が出たならば、それをもとにしてやることがいいか悪いか。やるとすれば一体どういう
方法
でやるか、いかなる時期にどうやるかというようなことで審議をされて、ことに
法律
改正
を要するかどうかというふうなところまで審議をされて、そうして
答申
があるはずであります。その
答申
に基いて、さらに検討した上で、やるかやらないかということをきめる。従いまして、
医薬分業
を前提のもとに審議を進めて行くというようなことは、今のところ考えておりま
せん
。 それから
会長
、副
会長
等が辞任された経緯ということを今
お話
がございましたが、
会長
、副
会長
辞任の経緯は、先ほ
ども
申し上げましたように、私
ども
としては、
公開状
というようなものが出ることを極端におそれまして、これは
林大臣
の御方針でもございまして、ぜひこれを出さずに済ましたいというわけで、
司令部
側にもそのことはよく
お話
をして、こつちでまとめるから待
つて
もらいたいという
態度
をと
つて
お
つた
わけでありますが、指令がつい出てしま
つた
。その
内容
も
医薬分業
をやるかやらないかという問題よりは、むしろ真実を
会員
に伝えなか
つた
。たとえば四月二十四日の
サムス会談
の結果というようなものは、
医師会
の雑誌によ
つて
御
承知
だと思いますが、非常に違う。その違うことをほとんど下に伝えずに、
自分
たちだけが了解をして勝手に行動してお
つた
。これは民主的に運営さるべき
医師会
としてはけしからぬことである、こういうふうに御
承知
のように書いてある。その点が非常にぐあいが悪くな
つて
、辞任をせられたものだ、かように私
ども
了解をしているわけでございます。このことがただちにと
つて
も
つて
医薬分業
の前提となる、しかるがゆえに両氏が辞任をされたというふうには、私は解釈をいたしておりま
せん
。
岡良一
16
○岡(良)
委員
その点なんですが、たとえば四月四日の
委員会
云々の
提案
があ
つた
ということにつきましても、御存じの
通り
、先ほどおつしやるように、一月七日、
三志会
の
役員
の人に対し
意見
の開陳あり、あるいは二月二十七日に、さらに強硬な
意見
の開陳等があ
つて
、その後幾多の経緯を経て、結局
医師会
はこの問題に対して不誠意である、実現をするということについても、誠意を欠いておる。であるから、これまでは
医師会
や
歯科医師会
や
薬剤師会
等の合議の上に、適当な案をつくるべきであるという
態度
を一擲して、
政府
の方でこれに対する善処をしろということに
なつ
たと考えられます。そういう筋道であると思います。やはりこれは
サムス准将
としては、
医薬分業
は強制的に
実施
すべきものであるという大きな意図のもとに、この
委員会
あるいは
協議会
の運営を決定されたものだと考えておりますので、しかもそれでない、反対の
結論
を出す、そしてまた反対の
結論
をそのまま、たとえば現在の任意
分業
のままにこれを押し切
つて
行くことが、はたして可能なのでしようか。その辺のことをもう一ぺん承りたいと思います。
葛西嘉資
17
○
葛西説明員
私
ども
といたしましては、先ほど申し上げました
通り
に、今でも思
つて
おるのでございますが、向うの
サムス准将
が、一体どう考えておるかということになりますと、これは想像にわたることでございますのでどうかと思いますが、もちろん御
承知
だと思いますが、
サムス准将
が折に触れて言われた
三志会
における話等から考えますると、ある程度の
地域
等の制限がある。あるいはまた
国民
自身に、ある程度教育するというか、納得が必要であるというふうなことは申しておりまするが、とにかく
医者
が薬を売
つて
いるというようなこと、あるいはまた
歯医者
が金歯を入れるというふうなことでなしに行くということが、結局は
医療
の
向上
に役立つのではないかというようなことは、
三志会
の
会談
でも申しておるのであります。そういうことは考えておられ、述べられたことはございますが、しかしそれならば、すみやかにやれというのかといえば、そうではないのでありまして、やはり
委員会
をも
つて
合理的に検討をし、そしていろいろ
医師会
、
歯科医師会
、
薬剤師会
という專門の者のほかに、それを受ける
立場
にある者、あるいはまた
国民
が受け得るかどうかという経済的な方面からもものを見る、非常に広い
立場
から見て、そうして
日本
に最も合う妥当な
結論
を導き出すものだという点は、これもまた申しておられるわけであります。私
ども
はこの問題をただちにそういう前提をも
つて
や
つて
行くのだというふうには、やはり考えておりま
せん
。
岡良一
18
○岡(良)
委員
しかし
サムス准将
の談話を総合しますと、今もおつしや
つた
ように、
医者
が薬を売
つて
おる、
歯医者
が金を売
つて
おる、そうではなく、彼らの
技術
に対する正当な報酬が支拂われねばならないということは、もちろんであるということを
言つて
おられますし、また別個の談話では、現存すでに薬学、医学というものは高度に発展しておるのであ
つて
、同一人がその両方の知識を兼ね備えるということは困難であるということを
言つて
おられる。従
つて
サムス准将
の考えとしては、医薬は
分業
すべきものであるという
結論
に立
つて
いると、私は思うのであります。それはそうといたしまして、それではたとえば
社会保障制度
の
勧告
につきましては、
政府
の方でも
社会保障制度
審議会というものが、
法律
にのつと
つて
できまして、これが現在試案要綱を発表する段階にな
つて
いるというふうな運びにな
つて
おるようでありますが、われわれはこの
医薬分業
という問題について、現在の任意
分業
を強制
分業
にするしないということは、やはり
医師
法やあるいは薬事法やあるいは
医療
法等の、きわめて根本的な
改正
に触れる問題でありまするので、もしそういう問題を大きく、一齊に解決点を見出そうとするならば、そうしたにわかづくりの
委員会
や
協議会
をつくるのではなく、むしろやはり
法律
に準拠して、この問題に対しての適当な
結論
を出し得るような審議会等を設けて、そして
医療
を受ける者や、
医療
担当者や、あるいは調剤担当者、その他学識経験者なり、官庁の諸君なり、適当な人物を網羅して、
国民
の納得の行く姿において、これが
医療費
の軽減にもなり、あるいは
医療
の
向上
にもなり、あるいは
医師
の報酬に対する、また薬剤士に対する、
社会
的な処遇においても妥当である、こういう三つの観点から、最も適当な
結論
は、やはり
法律
に準拠した審議会あるいは
委員会
等によ
つて
出すべきものであ
つて
、
厚生省
がにわかづくりに
委員会
をつく
つた
り、あるいは
協議会
をつく
つて
みたり、そういうふうなことで
——
その苦慮せられておるお気持は十分われわれもわかるのでありますが、取扱い方の
立場
といたしまして、何かそういう点、いわば自主性がないという感じがしてならないのであります。そういう点について
厚生省
当局
としての御見解を承りたいと思います。
葛西嘉資
19
○
葛西説明員
ただいまの
お話
は、
法律
に準拠した公式の
委員会
というふうなもので、堂々と審議すべきものであるということでございます。まことにその
通り
かとも思うのでございますが、ただ保險の場合でございますと、例の保險の方の
診療報酬
の
協議会
があ
つた
りなどいたしまして、その保險あるいはその保險以外の
医療
をどうするかというふうなことにな
つて
参りますと、非常に問題がございます。それともう
一つ
は、実は当時
林大臣
と
お話
があ
つた
ときには、できるだけひとつ急いで
委員会
をつくりたい、そういうことになると、
国会
の開会を持
つて
、
委員会
をどうこうするというふうなことも、
ちよ
つとできぬのじやないかというふうなことで、四月でありましたが、当時参議院も選挙があるという情勢の前であ
つた
りなどいたしまして、なかなかこういうものを招集するということができないというふうな事情もあ
つたの
ではないかと、これは想像されるのでございます。そこでとりあえず急いで準備するためには、
法律
に基礎を置かぬでも、
やり方
は
法律
と同じように、公正にやれば問題はないではないかというようなことで、任意の
委員会
というふうなもので御審議願うというふうなことにな
つたの
だ、かように了解いたしております。別に
法律
による
委員会
がいけないというふうな積極的な
意味
があ
つた
わけではない。むしろ非常に急いでいたというふうなことで、かように
なつ
たものと思
つて
おります。従いまして、この
委員会
の
法律
上の拘束力というものになりますれば、むしろ限界があるわけでございまして、
政府
といたしましては、一般の声をその
委員会
によ
つて
聞くというくらいな程度でございます。従いまして、
委員会
である程度
結論
が出るというふうなことにな
つて
参りますれば、また保險の場合につきましては、保險
診療報酬協議会
というようなものに、さらに
法律
上は付議する必要がある。かような性質のものだと考えております。
岡良一
20
○岡(良)
委員
厚生省
のいろいろな御苦労のほどは、私は十分お察し申し上げておるのでありますが、こういうふうなことをあまりしつこく申し上げるのは、やはり
国会
の審議権なり、また
政府
としての自主性というようなものは、われわれの常識的な考え方では、公式な申出があ
つて
、それを受入れて、そうしてまた公式なガラス箱の中の
一つ
の機関をつく
つて
、それで公正な
結論
を出すというふうな運びが、やはり占領下にあ
つて
も、民主主義の線に沿う正しい
やり方
だと思いまするので、実はこういうことをいろいろお尋ね申し上げたのですが、さらに次の問題といたしまして、先ほど次官の御
説明
によりますると、
診療報酬
に関する
委員会
がつくられまして、その
あと
でまた
医療制度
に関する
委員会
がその
結論
をもととしてつくられる、こういうような御
意見
であ
つた
ようであります。大体申し上げるまでもなく、
医薬分業
が強制
分業
か、任意
分業
かという問題は、すでに三十年以上論争されておる問題であり、いわばとうの立
つた
問題でありますが、これが現在先ほど来のような過程で再び問題とな
つて
来ました。ところが、これまでの論議におきましても、
厚生省
の
当局
がお考えにな
つて
おられるような、あるいは
医療費
の軽減とか、あるいは
医療
内容
の
向上
というような、そういう公衆の福祉の面から問題が取上げられるというよりも、どちらかといえば、
患者
の佛うところの
医療
に関する一切の報酬を
薬剤師
と
医師
がどのように配分するかという、いわば利益の分配というような、
医療
担当者である
薬剤師
やあるいはまた
医師
の取り前の問題として、特にこれが論議されてお
つた
ような印象を與えておることは、いなめないと思うのであります。しかし、この問題はそういう観点からではなく、あくまでもまず第一には
医療
内容
が
向上
するかどうか、第二点としては、これによ
つて
現在の苦しい
国民
生活
において、
医療費
が
国民
に対しても過重になるということがないかどうかという点、むしろ進んでそれを合理的に軽減するという点、しかも第三点として、むしろ
薬剤師
あるいは
医師
等の收入や所得の調整ということが問題となる、こういうふうな観点から当然問題が進めらるべきものとわれわれは考えておるわけです。 〔
委員長
退席、
青柳
委員長
代理着席〕 ところで、今の御
説明
によりますと、やはり
厚生省
の方では
医療
報酬を
薬剤師
と
医師
がどのようにわけ合うことが最も合理的であるかという、いわばそうした
薬剤師
やあるいは
医師
団体
の利益あるいは取り前の高の問題として、あるいは直接
関係
団体
の利害の問題として取上げられておる。その解決がついた
あと
で、これを制度化するかどうかということが次に問題となるということは、この問題が取上げられる場合の角度といたしまして、われわれは
医療
内容
の
向上
とか、あるいはその負担の軽減ということではなく、やはり依然としてこういう利益の分配という観点から問題が取上げられておるような感じがするのでありますが、もしそうであるとするならば、われわれはきわめて
当局
の御処置には不満であります。そういう点につきまして、もつとつつ込んで何らか御見解があるならば、承りたいと思います。
葛西嘉資
21
○
葛西説明員
ただいまの点につきましては、あるいは私の申し上げ方が
つた
なか
つた
ために、そういうふうな御印象をお與えしたということでありますれば、これは訂正をしなければならぬことだと思います。今、岡
委員
が仰せられた
通り
、
医療
の
内容
とそれから
医療費
をできるだけ軽減をして、
国民
の負担を増加しないというふうな点を考え、そしてなお
医療関係者
の
生活
の安定を維持しなければならぬというふうな点から考えまして、現行の
診療報酬
の
構成
をどうや
つて
行くべきかというようなことを考えているわけでありまして、言葉はたいへん悪うございますが、
医者
と
薬剤師
が米びつを
二つ
にぱつとわけるというふうなことから考えておるのではございま
せん
点を、御了解願いたいと思います。ただ受ける側から、
医療
の
向上
、あるいは
医療費
を安くせなければならぬことは当然のことでありますが、さればとい
つて
、それじや
医師
あるいは
薬剤師
に極端な犠牲をしいて、や
つて
行けないというふうなことにな
つて
は、これまたいけま
せん
。そうすれば、ひいては
医療
の
向上
ということも期せられなくなるわけでありますので、やはりこの三つの、
医療
の
向上
、それから
医療費
の負担軽減、それから
医療関係者
の
生活
の安定維持というふうなものは、これはどれをどうこうということではなしに、考えて行かなければならぬものだというふうに考えております。
岡良一
22
○岡(良)
委員
たとえば、具体的な問題に多少入
つて
行きますと、これは率直なお考えを承りたいのですが、ごく下世話な話ですけれ
ども
、一着の古着をそのままそつくり一軒の古着屋へ持
つて
行くよりも、別々の古着屋へ持
つて
行
つた
方が、得るところが多いということが言われておるのですが、特に
医療
報酬を
分業
にするかしないか。現在の
医療
報酬には、調剤手数料というものは全然含められていないというようなかつこうにな
つて
おりますが、これは当然健康保險の場合、被保險者の負担になるか、あるいは保險者の負担になるかという形になる、あるいはまただれかマイナスになるという形にな
つて
おるのでありますが、一体
医療
報酬の
内容
を適正化するという名のもとに、いろいろな形に分離をするということは、当然常識から見て
医療費
の負担の増嵩になるということに私
ども
考えざるを得ないのです。そういう点について、
厚生省
は多少の資料等で御
調査
もあろうと思いますが、そういう御
結論
が出ておりましたら承りたいと思います。
葛西嘉資
23
○
葛西説明員
だんだんむずかしいお尋ねになりまして、私のようなしろうとでは、あるいは
ちよ
つと間違
つた
ことを申し上げたりなんかして、たいへん恐れ入るかと思いますので、ばつとした常識的なことでお聞きをいただきたいと思うのでございます。 今
お話
のように、現行の
診療報酬
にいたしましても、あるものによりましては、
薬価
あるいは
技術料
をわけますと、高くなるものもあるかもしれま
せん
。しかしまた、いろいろな
関係
から安くなるものもあると思います。そんなようなことで、全体的に達観してみて、やはり
国民
の経済的負担を増すか増さぬかということを考えて判断を下すべきものであるように考えております。具体的にどうか、基礎的な資料があるかというふうな点につきましては、若干のものは用意できていると思いますが、私つまびらかにいたしま
せん
ので、ごく大ざつぱなことでお許しをいただきたいと思います。
岡良一
24
○岡(良)
委員
具体的な問題は別といたしまして、なおこれに関連して
厚生省
のお考え方を承
つて
おきたいと思うのです。御存じのように、現在
医師
に対する行政と申しますか、医政は非常に
社会
化しつつあると思
つて
おります。現実に国立の療養施設や病院施設等ができたり、あるいは
社会
医療
保險ができたり、保健所網がどんどん発展して、
医療
の
日本
の現勢は、先進国にも、
内容
は別といたしまして、形の上では劣らないくらいな発展をいたしていると私
ども
思
つて
いるのであります。そういうような形で
医療
が
社会
化しつつある。ところが、御存じのように、現在のいわゆる薬事行政と申しましようか、これがま
つた
く手放しの放任主義と申しましようか、製薬メーカーの利益追求のまにまになされているというかつこうでありまして、
せん
だ
つて
の
委員会
でも私
ども
申しましたが、たとえば健康保險の一点單価は、
医師
の場合十円ないし十一円であ
つて
、戰前の六十五倍そこそこである、ところが、どうしても
医者
が使わねばならない重曹やクミチンキ、アルコールが五百倍、七百倍という形にな
つて
いる。でありますから、国立病院の経理から見ても、あるいは個人の開業
医師
の状況から見ても、
医師
、
薬剤師
の支出は非常に大幅にふえているのであります。そういうようなことであ
つて
も、
医師
はそれに耐えて、
医療
の
社会
化のために協力しておるのであります。ところが一方薬剤の価格が上
つて
おるばかりでなく、たとえば
医者
は
社会
化の線に沿うて、広告なんかは嚴重な制限を受けておる。ところが薬の広告なんかは、新聞の広告收入の大宗にな
つて
おる。七月十三日に私が偶然に都の薬の広告料を調べましたら、毎日新聞、朝日新聞、読売新聞の
全国
紙の広告料がニツパス、オリザニン・レツドとかいうもので三百六十万円になる。中央紙をひつくるめ、あるいは地方紙をひつくるめるならば、新聞紙の広告だけでも、私は年間十億をはるかに突破するものと思う。そのほか雑誌の広告や、あるいはアドバルーンにまで広告をや
つて
おりますし、それからまたサンプルとい
つて
病院や医院に無料でつく
つた
新薬を配給しておる。こういうものが、結局全部病院の負担となり、ひいては
患者
の負担となる。いわば製薬に関する限りは、ま
つた
く自由放任で、野放しの利益追求を認めておる。こういうような形であるのに、一方では医政の方は日に日に
社会
化しつつある。こういう段階において、いわば
社会
化に逆行するように薬事行政は自由放任主義がとられつつある。こういう相反する形において
医薬分業
が行われるということは、結局は製薬メーカーによ
つて
、
医師
なり病院の経済なり、ひいては
患者
、ひいては
国民
一般がいわば搾取されるという結果になることは当然です。そういう
意味
合いからも、われわれ従来もしばしば
当局
にお尋ねをしておるのでありますが、現在こういうふうなきわめて野放しの自由放任主義で、利益追求の自由競争を認めておるというような形におけるこの薬事行政をそのままにしておいては、とうてい
医薬分業
も、あるいは
医療費
の軽減も、またあるいは
医療
内容
の
向上
も望めないと思うのですが、そういう点について
厚生省
は何らかお考えがあるならば、この機会に承
つて
おきたいと思うのであります。
葛西嘉資
25
○
葛西説明員
薬事方面のことについての
厚生省
の監督なり、あるいは指導というものが手ぬるいという今の
お話
、ことに
医療
の
社会
化というふうなものと比較しての
お話
でございましたが、薬の方でも、御
承知
のように薬事法等によりまして、誇大の広告を禁止するとかなんとかというような、
公衆衞生
上必要な規則というものは、や
つて
おるつもりでございます。ただこれがどの方面をもう少しやらなければならぬかということになると、おのずから御議論もあると思いますし、また私
ども
の方でもや
つて
参らなければならぬことのように思うのでございます。ただ薬にいたしましても、私しろうとでありますので、あまり実際のことを知らないので、的確に申し上げかねるかもしれま
せん
が、一例をペニシリンみたいなものにとりますと、広告をいたしますようなことで、
国民
に高いものを與えておるというように考えられますが、過去数年間のペニシリンの生産なり、あるいは販売の価格というものに比べてみますと、必ずしも今のペニシリンは高いものを
国民
に強制しておるというふうにはな
つて
おらぬのではないかと思います。一例をペニシリンにとりますと、そう考えておりますが、現に公定よりずつと下にな
つて
おるというようなことで、一時非常に高か
つた
ペニシリンなんかも、
国民
が利用できるようにな
つて
来ております。ストレプトマイシンなんかも、だんだん企業が進んで参れば、そういうふうになるのであります。なお具体的に、そうでなくて値段が高過ぎるというふうなものがありますれば、何とかせねばならないと思いますが、ごく大ざつぱに申しますれば、だんだんああいうふうにペニシリン等ができて参りますれば、必ずしも高いものを使わなくてもいいように思います。しろうとでありますから、とんでもないことを申し上げて失礼ですが、一応そんな感じを持
つて
おります。
岡良一
26
○岡(良)
委員
ペニシリンの
お話
が出ましたが、ペニシリンも、御存じのように当初は千数百円したものが、最近は二十万單位で百数十円というふうにな
つて
おります。しかしわれわれが調べたところでも、それすらも原価の数倍であると
承知
しておる。そういうことは、專門的な観点からいろいろ
意見
もありますので、私は自説を主張しようと思いま
せん
が、とにかく現在のようなこの製薬業者の野放しの自由競争を放任しておきましては、これは
医師
あるいは
患者
は、薬を買
つて
おるのか、広告代を拂
つて
おるのかわからぬという実情を、十分御認識いただきまして、やはり薬剤も第二次
生活
必需品というようなものに類似したものでありますから、
厚生省
としても薬事審議会等が製薬メーカーの出店にならぬで、真に
国民
の
医療
そのものの
立場
から公正な運用がなされるように、われわれとしてはこの機会に特に
希望
にたえないのであります。そのほか強制
分業
の場合に対症無診投薬が普及化するとか、あるいは注射が非常にふえておりますが、今でも注射に対する制限がいろいろ指示されておりますので、これが非常な影響をもたらすとかいう面について具体的に申し上げたいのでありますが、また別の機会に譲ります。私の質疑はこの程度で打切りたいと思います。
青柳一郎
27
○
青柳
委員長
代理 それでは次に丸山
委員
。
丸山直友
28
○丸山
委員
医薬分業
の本質的の問題でありますとか、あるいは利害の問題は、将来幾らでも機会があることでありますから、それは申し上げま
せん
が、ただ先ほど来経過の御
報告
のありました中に、私の承
つて
おるところと多少相違しておるのではないかというような感じを受けたことがございますので、それをもう一度あらためてお答えを願いたいと思います。それは四月十八日、
日本医師会
から
臨時診療報酬協議会規程
の修正に対する申入れがございました。その申入れの
内容
が、私の
承知
しておるのと多少違
つたの
ではないかと思いますので、もう一度その点を伺います。
葛西嘉資
29
○
葛西説明員
医師会
から
厚生省
の案に対する申入れの点は、
厚生省
の
臨時診療報酬協議会規程
の第一のところの修正で、
医療
の
向上
のために
適正診療報酬
の標準につき
厚生大臣
の
諮問
に応じ云々、こういうふうにしてもらいたいというのが第一でございます。第二の点は、全
委員
数の
半数
は
医師
、
歯科医師
にしてもらいたいという点。それから第三は、これは詳しく申し上げま
せん
でしたが、全
委員
の数の他の
半数
は経済学者その他とし、特に国家財政、
国民経済
に通曉する者をも
つて
これに充てるようにしてもらいたいという点。なお続けて申しますと、
薬剤師
、官庁
関係
委員
、保險
団体
委員
等も残りの十五名の中に入れてくれ、
あと
の十五人は
医師
と
歯科医師
にしてもらいたい。第四は、第三項の
委員
には、従来の
厚生省
の
委員会
に、
医師
以外の者で当時学識経験者として採用された者は、加えないようにしてもらいたい。以上の各條件が十分勘案せられないときには、
日本医師会
は本
協議会
と協力することはできない、こういうふうな五箇條を書いて四月十八日に
厚生大臣
に出しております。
丸山直友
30
○丸山
委員
ただいま正式にお読みになりましたのは、先ほどの御
報告
と少し違
つて
おる点がはつきりしました。さつきはこういうふうな
日本医師会
の修正の
意見
に
厚生省
が
賛成
しなければ、この
協議会
に協力しない、こう御
報告
にな
つたの
であります。ただいまは勘案と御
報告
に
なつ
た。その点違
つて
おります。
賛成
しないということは、
日本医師会
の修正
意見
を
厚生省
に押しつけて、その
通り
に
厚生省
がしないときには協力できないという
意味
になりますし、こういう精神を勘案して再びお考えおきを願わなければならないというのと、たいへんその間に差があるのであります。それで、
厚生省
が何らの御
相談
なく、か
つて
におつくりにな
つて
、
委員会
の規定に全然反対のものを出して、それで非協力であるというふうにとられたことが、相当
委員会
の経過に障害にな
つて
おると私は考えております。 もう
一つ
伺いたいのは、そのとき
慣行診療報酬
という言葉を使われておるが、どういう
意味
で使われておるか。
厚生省
において、
慣行診療報酬
というのは、通常の場合何をさして言うておるか、この際明瞭にしておいていただきたいと思います。
森本潔
31
○森本
説明
員 従来
厚生省
で
慣行診療報酬
という言葉を使
つて
おりますが、これは一般の自由
診療報酬
と申しますか、
社会
保險以外の
診療報酬
、こういう
意味
に使
つて
おります。慣行料金というのも同じでございます。それでこの際
慣行診療報酬
という言葉を使いましたが、今申しましたような慣例がございますので、非常にややこしくて、間違いを来してはいかぬというので、次官が
関係
の
団体
のお集まりを願いました際に、特にこの点につきましては御
説明
をいたしまして、この規程で使うところの
慣行診療報酬
というのは、現に行われているところの
診療報酬
、すなわち現行
診療報酬
と同じ
意味
である。従
つて
社会
保險の診療と、それから一般の自由診療、この両者を含んで、現に行われている
診療報酬
という
意味
で、
慣行診療報酬
という言葉を使いました、かような
説明
を特に申し上げておるわけであります。この点従来の用語例と違
つて
おりますので、特別の注釈を加えて、この用語を用いたわけであります。
丸山直友
32
○丸山
委員
大体私はその当事者なので、あまり詳しいことを申し上げてはいかがかと思いますので、詳しく申し上げま
せん
が、実はこういうふうな
原案
を
厚生省
でおつくりなさいます場合に、最初
サムス准将
から、この問題は
三志会
において解決しろというような示唆があ
つたの
でございます。その
三志会
だけで
結論
を出すということは困難であるから、ひとつ
厚生省
に
委員会
をつく
つた
らどうかというところへ
参つたの
であります。従
つて
委員会
の規定等をつくる場合には、やはり
三志会等
と御
相談
があ
つて
、おつくりになればよろしいのでございますが、従来の用語とま
つた
く違
つた
意味
の、慣例を破
つた
ような用語のものをつく
つて
、それを押しつけて参りまして、それに対して
異議
を申立てた者を、協力せざる者というようにお取扱いに
なつ
たということが、こういう非常にむずかしい事態を引起した。これは
医薬分業
のよしあしということではありま
せん
、こういう問題を取扱う上においても、
厚生省
の御
態度
というものが、こういうようなトラブルを起した原因だと、私は実は考えておるのでありますが、将来こういうことのないように
希望
するのであります。ただこの中でも、ただいま岡
委員
から申されたことでありますが、
医者
と
薬剤師
との間で
診療費
をただ
二つ
にわける、利益をわけ合うというのでなくて、
医療
の
向上
というような
意味
、あるいは
国民
の福利というような
意味
、そういうような
意味
から、
医薬分業
というものをよく検討しろということは、最初から
サムス准将
も言うておられることだと私は
承知
しておるのであります。しかるに
厚生省
が最初に示されました
原案
には、そういうことはちつとも盛られておらなか
つた
がゆえに、
医師会
からこれに対して、
医療
の
向上
というような文句で訂正を申し出たのでありますが、今の御答弁で、
厚生省
もただ
二つ
にわけるのではない、そういうふうな
医療
の
向上
というようなことも考える、
国民
の福利も考えるのだというような御
意見
だということが、初めて明瞭に
なつ
たわけであります。こういうようなことは、質問としてははなはだおかしゆうございますけれ
ども
、これから
委員会
を進行することでございますから、
厚生省
は、この問題に対しては常に頭を置かれて、もう少し円滑に、あたかも敵対するような形で物事を進められたのでは、決してうまく参らぬと思いますので、それらの点をよく御勘案くださることを、特にこの際お願いしておきます。
青柳一郎
33
○
青柳
委員長
代理
福田
委員
。
福田昌子
34
○
福田
(昌)
委員
いろいろと御
説明
いただきましたので、これまでの
厚生省
の
態度
と申しますか、そういうことはよく了解できたような気がするのでございますが、しかしこの
医薬分業
の問題と申しますのは、次官の御
説明
を承りますと、
臨時診療報酬調査会
と、また
医薬制度調査会
の
結論
を待
つて
、それから先にやるかやらないかをきめる問題であるべきだというような御答弁がありましたので、その御答弁からいたしますと、御
態度
きわめてごりつぱであるし、そうでなければならないと思いますが、しかし現実の問題というものを考えてみると、どうもその御
態度
とは違
つて
、腑に落ちない点が多々あるように思われのでございます。昨年から今年にかけまして、
三志会
の中でもいろいろなごたごたがありましたが、それに対する御
当局
のおとりいただきました処置というものも、私
ども
としては、非常に了解しがたい点が多々あるのでございます。具体的なことは丸山、岡
委員
から御質問があ
つた
と思いますから、避けさしていただきますが、ことに対外的な問題におきましても、
薬剤師側
の方のおとりにな
つて
おる
態度
というものは、たとえば去年から再三にわたりまして、
厚生省
から
医薬分業
の
法律案
が出るというような新聞記事が出ておるのであります。これが一、二回であれば、そういうことも間々世間にあることでございますから、別にとがめ立てする気もないのでありますが、
薬剤師側
の業界の新聞にも、あるいは大衆の読む新聞にも、再三再四にわた
つて
医薬分業
が取上げられ、今にもそういう
法律
が出るのだというふうな記事が載せられておるのであります。こういうようなことが、大衆にどういう影響を與えておるか存じま
せん
が、ただいままでの次官の御答弁から見ますと、そういう問題は、まあ考えることはいいことでありますが、その前提として医業制度
調査会
、あるいはまた
臨時診療報酬調査会
の
結論
を待
つて
きめるべき問題であるというようなお考えであれば、こういうことに対しても、一応
三志会
なり、あるいはまた
医師会
なり、あるいは
薬剤師会
あたりなどに対する
態度
というものも、何らかの御処置をおとりになるのが当然じやないかというような気がするのでございますけれ
ども
、そういうことに対しては、まるきり野放しである。しかも私
ども
といたしましては、次官の言葉を返すようで恐縮でありますが、何か
医薬分業
に対して
結論
を先にお出しにな
つて
、その
結論
に合わないような
態度
をとる者に対しては、非常な重圧が加えられて来ておるような感じを受けるような御処置をと
つて
おられるのであります。しかしこれは今日までのことでありますから、おとりいただいたこれまでの処置を、いまさらどうしろという気はございま
せん
が、今後はどういう
態度
をおとりくださるか。それぞれ業界の新聞にもいろいろな記事が載りますが、そういうものに対して、一体
厚生省
はどういう
態度
をおとりになるか、聞かせていただきたいと思います。
葛西嘉資
35
○
葛西説明員
今後この問題が進むにつれまして、
医師会
の側あるいは
薬剤師
の側から起きまする、いろいろなこの問題を推進するために、熱心の余りやります行き過ぎた運動についての
態度
をどうするかというようなお尋ねのように拜聽いたしましたが、これは
日本医師会
にいたしましても、
日本
薬剤師
協会にいたしましても、ま
つた
く独立の大きな
団体
でありますので、私
ども
がそう一々各
団体
のすることを干渉がましくしたり、あるいはまた今
お話
の中にもありましたように、ある種の圧迫を加えるということは、最も好ましからざることのように思
つて
おりまして、私
ども
今後といえ
ども
、さようなことはやらない方針でございます。ただ私
ども
といたしましては、事柄がきわめてデリケートなことでもありますので、不必要にお互いの感情を刺激し合うというふうなことは、好ましいことではないということで、これも
役所
としてどうこうということはいかがと思いますが、私
ども
が気のついたときには、
関係
の
人たち
には座談的に、ごくプライベートに
お話
をするようなことはございました。 〔
青柳
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 最近大分そういう点も自粛されて来ているのじやないかというふうに思いますが、その辺、
福田
さんなんかいかにお考えでございましようか、私
ども
としましては、それ以上かれこれ干渉がましいことを言うことは、嚴に愼んで参りたいと依然思
つて
おります。
福田昌子
36
○
福田
(昌)
委員
ただいま次官の御答弁をいただきまして、ま
つた
くそのお考えに対しまして御同感でございます。ただ私がお願い申し上げたいと思いますのは、ただいまの御答弁から推察いたして参りますと、たとえば
薬剤師
協会の方あたりが
医薬分業
は近日中になるのだ、あるいは
厚生省
あたりで
法律案
がちやんとできておるのだというようなことを、今後ともどんどん発表なさるという場合があ
つて
も、厚生
当局
として、そういう大きな
団体
に対しては野放しにしておく、何ら干渉しない
態度
であるというふうに解釈してよろしゆうございますか。
葛西嘉資
37
○
葛西説明員
将来
医薬分業
になるということが、
薬剤師
協会側から新聞にでも出るというふうなときはどうするかということでありますが、
委員会
もできておるわけでございますし、第一回の
委員会
が来月早々開かれますれば、
役所
としての
態度
も公にその席でも申しますし、
関係
団体
も
代表
を送
つて
おるわけでございますから、今後はかような間違
つた
報道が
三志会
方面から出るということは、私
ども
ほとんど想像できないわけであります。先ほ
ども
岡
委員
あるいは丸山
委員
から
お話
がありましたように、
法律
に基かない
委員会
ではありますけれ
ども
、堂々とその
委員会
で検討し合い、お互いに議論し合
つて
、ガラスの中でやるような気持でやりたいと思
つて
おりますので、かような間違いの記事が少くとも
三志会
の方面から出るということは、想像もつかぬことのように思
つて
おります。
福田昌子
38
○
福田
(昌)
委員
次官の御
説明
まことにごもつともでございますし、この問題は
サムス准将
の御
勧告
にもありますように、
三志会
でこの問題をきめるべきであろうと思います。従
つて
厚生省
がこれに対して直接どうこうというようなことは、ただいま次官の御説の
通り
であろうかと思いますが、しかし広告とか、あるいは啓蒙宣伝と申しますか、そうい
つた
面においても、次官の御想像のつかないことがこれまでも多分に起
つて
参つたの
じやないかと思います。
医薬分業
などの宣伝にいたしましてもそうでありますし、また最近では輿論
調査
というものに名をかりまして、
薬剤師
の方あたりが御
調査
いただきますと、九十何パーセントかにわた
つて
大衆は強制
分業
を支持しておるというような御
報告
が出ておるそうであります。ところが、同じ輿論
調査
でありましても、
医師会側
では八十何パーセントかは現行のままを支持する
調査
が出るのだそうでございます。同じ輿論
調査
というものにおいて、結果がそのように違うということは、私
ども
了解しがたいのでありまして、どちらをと
つて
いいか、私
ども
としてはわかりま
せん
。大衆はなおわからないだろうと思います。こういうことかいろいろな記事にどんどん野放しに出るということになりますと、
三志会
で、本来ならひざを突き合せて仲よく協議しなければならないことが、世間的にもいかにもけんか腰で争
つて
おるようにな
つて
参り、そういうふうな懸隔がだんだんひどくなるということは、
三志会
をつくりましたもともとの
趣旨
にももとると思います。そういうことに対しての、厚生
当局
のお取締りといいます場と語弊があるかもしれま
せん
が、今後の御
態度
を聞かせていただきたい。
葛西嘉資
39
○
葛西説明員
かような大きな、しかも名誉を持
つた
医師会
あるいは
歯科医師会
あるいは
薬剤師会
というような
団体
が、それぞれ極端な、非常に間違
つた
宣伝をしたりなどするというふうな場合で、もし
政府
の方がかようなことはいかぬというようなことで、監督上何とか処置をしなければならぬことがあれば、望ましいことではありま
せん
が、注意を喚起するというふうな措置は、して参りたいと思
つて
おります。しかしそれはあくまでも極端な場合でございまして、私
ども
としましては、かような名誉ある
団体
が行動します場合には、相当思慮深い判断のもとに行動するものと考えまして、できるだけかようなことは避けて参りたいというような心持ちは持
つて
おるわけでございます。
福田昌子
40
○
福田
(昌)
委員
私
ども
厚生
当局
に御
希望
申し上げますことは、実はそのことにあるのでありまして、
医師会
といい、
薬剤師会
また
歯科医師会
といい、いわば非常に紳士的な
団体
の
方々
であります。こうい
つた
団体
の方がこの
医薬分業
の問題をめぐ
つて
、いかにもけんかをしておるように世間一般大衆からとられるということは、心外にたえないところであります。これはどうか厚生
当局
のお肝いりで仲よくこういうことを協議できるような態勢になるべく打
つて
行
つて
いただく、そうして
三志会
で早く
結論
が出るような方向に誘導していただくような御
態度
をお願い申し上げたいと思うのでございます。もう
一つ
、ついでにお聞き申し上げたいのでございますが、厚生
当局
御自体は、
医薬分業
に対してどういうお考えを持
つて
おられるのでございましようか。たとえば厚生
当局
御自体の独自のお考えは、強制
分業
をや
つた
方がいいというふうなお考えを持
つて
おられるのでしようか、どうでしようか、率直に伺わせていただきたいと思います。
葛西嘉資
41
○
葛西説明員
たいへんむずかしい御質問でございまして、今審議会の開かれようとしておりますときに、
厚生省
がどう思
つて
おるかというふうなことを、公の席上で述べることはどうかと思いますので、差控えさせていただく方がいいのじやないかと思いますが、ただ私
ども
としましては、先刻も申しましたように、昨年の秋以来、事務的にいろいろ
調査
をした方がいいというふうな
司令部
からの
勧告
もありまして、若干のデータ等を出して調べてはおりますが、問題は非常にデリケートでもありますので、実を申しますと、
厚生省
の中におきましても、医務局、あるいは
公衆衞生
局方面と薬務局方面とでは、しぜん
意見
も違うというふうなこともございますので、今にわかにどうこう
結論
をきめるというふうなことでなしに、もつぱら
委員会
の
結論
をまち、広く申せば輿論のおもむくところを見ながら最後の
態度
をきめたいというのが、率直に申し上げました
厚生省
の
態度
である、かように考えております。
福田昌子
42
○
福田
(昌)
委員
医療
の面に関する大衆の負担とか、あるいは福祉というような面から、今日の
医薬分業
に
関係
ある
調査
事項としまして、
厚生省
がこの二、三年の機会において、御
調査
いただきました事項があるのでございましようか。
葛西嘉資
43
○
葛西説明員
分業
の問題というのが、御
承知
のように、昨年の秋から大体始められました
関係
上、特に
分業
の問題をとらえてどうこうというような資料は、実は珍しいくらい
厚生省
にはございま
せん
。ただ御
承知
のように、
医療
の実態
調査
を先年からや
つて
おりまするし、あるいは保險の
診療報酬
を協議いたします場合等の、若干の事務でや
つて
おります資料はございますが、まだ特にこれというようなものは、率直に申し上げますと、ないというのが実情であります。
福田昌子
44
○
福田
(昌)
委員
サムス准将
の御
勧告
によりますと、
日本
の
医者
は薬を売
つて
暮しを立てておる、
歯科医師
は金を売
つて
暮しを立てておるというふうに見えるという御注意があ
つた
ようでございますが、そういうような御注意を厚生
当局
はお読みくださいまして、なるほどそうだというようにそのときにお考えにな
つたの
でございましようか。それともその前から、どうも
日本
の
医者
は薬を売
つて
生計を立てているような気がするというように、
サムス准将
の御
勧告
通り
の状態であるように、厚生
当局
は今日の
医者
の状況を考えておられたのでございましようか、どうでありましようか。
葛西嘉資
45
○
葛西説明員
たいへんむずかしいお尋ねでありまして、お
医者
さんと申しましても、
——
お
医者
さんを前においてたいへん恐れ入りますが、ピンからキリまでありまして、人が言う場合にもずいぶん極端なことを言う。一番いい方の右の方のことを
言つて
いるのもあれば、極端なことを言うのは一番左の方を
言つて
いるというわけで、議論が右をとるか左をとるかで、大分極端にな
つて
しまう場合が多い。ことにお
医者
さんなり薬屋さんの場合には、それが多い。
サムス准将
がはたしてどういうデータによ
つて
ああいうことを言われたか、あるいは
サムス准将
が
分業
の問題を
三志会等
に
お話
に
なつ
た場合のいろいろな基礎的な数字等にわた
つて
のデータ等のあるのも御
承知
の
通り
でありますが、どの資料から准将はそういうことを言われたのかは、私
ども
はまだ聞いてもおりま
せん
。要するに准将の
意見
としてさようなことが伝えられ、それがすべて今度設けられます
二つ
の
調査会
において審議せられるということにな
つて
おります。率直に申しまして、実はむずかしい御質問で、
ちよ
つとお答えできないようなことで、申訳ないと思います。
福田昌子
46
○
福田
(昌)
委員
たいへんごむりな御質問を申し上げたわけでございますが
——
、それでございましたら、あのお言葉を厚生
当局
は、なるほど
日本
の
医者
は薬を売
つて
おるというように御解釈くださいましたでしようか、どうでしようか。
葛西嘉資
47
○
葛西説明員
これは私事を申し上げると、たいへんあれですけれ
ども
、実は先般、東一の坂口院長さんにお目にかかりましたときに、坂口さんは、そういうお
医者
さんもあると
言つて
おられました。坂口さんが言われるのだから、私もあるのだろうと是認せざるを得ない。しかしそれはいかぬので、やはり
自分
らは処方を書いて渡している、この方がいいのだ、少くとも
日本
の
医者
でも、薬と
技術料
というものをわける習慣だけはぜひつけたい、かりに百円なら百円とい
つて
も、この中に
技術料
が八十円入
つて
いる、薬代は二十円だというような、
技術料
に対する信頼を得させるということは、ぜひ急務のように思う、そうなると、薬を売る
医者
なんかはとんでもないことだというような話を、実は坂口さんが話されたことを思い出しましたので、先生から言われればさようなものかな
あと
、私
ども
のようなしろうとは思わざるを得ないので、率直に申し上げるわけであります。
福田昌子
48
○
福田
(昌)
委員
たいへんこまかい御質問を申し上げまして、恐縮でございますけれ
ども
、そういう
サムス准将
の
お話
は、一応そういう例もあり得るのだというようにお認めに
なつ
たと了解してよろしゆうございますね。私も
医者
の端くれでありますけれ
ども
、あまり薬を扱いま
せん
ので、お
医者
の現実はどうかということは、詳しく存じま
せん
が、そういう人もあるかとは存じます。では、そういう方が今日の
医者
の中にあるように
なつ
た原因は、一体どこにあるかということにつきまして、お考えいただきましたことがありますか。
葛西嘉資
49
○
葛西説明員
私はま
つた
くしろうとでありますので、かようなことをお答え申し上げる能力もないのでありますが、しいて想像いたしますれば、
日本
でさようなことにな
つたの
は、従来の慣行というようなものが、大きな力があるのではないだろうか。これは今場当りに浮んだ感じでございますが、なおそういう点につきまして必要がありますれば、調べますなり、あるいは專門の
政府
委員
なりから、別の機会にお答えさせていただくようにお願いしたいと思います。
福田昌子
50
○
福田
(昌)
委員
そういたしますと、一昨年でございましたか、大体におきましてここ二、三年来の
医師
の
診療報酬
とか、
医師会
の
態度
とかいうものに対しましては、
サムス
推奨の御
勧告
がなか
つた
場合におきましては、
医師会
、
厚生省
御自体としては、それほど今の
医療
面に対して、特別二、三年前とはかわ
つた
事態を認めていなか
つた
というように解釈してよろしゆうございますか。
葛西嘉資
51
○
葛西説明員
御質問の
趣旨
が、よく私には了解できないのでございますが、この問題はいろいろな角度から、非常に広い
立場
からものを考えなければならぬことだと思います。たとえば
医療
の
内容
を
向上
さすという、先ほど丸山
委員
がおつしやいましたような点、それから
社会保障制度
とかいうようなものが出て参りますれば
——
もう
勧告
も出ようとしておるわけでありますが、ああいうような
立場
からものを考えてみたり、そんなようないろいろな
立場
からものを考えます場合に、いろいろな
結論
が出て来ると思います。私
ども
といたしましては、やはり先ほ
ども
申しましたように、その問題のきつかけは、やはり昨年七月
アメリカ
薬剤師
協会の視節団の
勧告
がきつかけになり、その後ずつと続いていろいろ検討が加えられておるということだと思います。従いましてあの四月四日の
林大臣
に対する
サムス准将
の話というようなものが、
臨時
診療報酬協議会
やなんかの具体的なことは、あそこで始まりますけれ
ども
、私
ども
なり、
医師会
、
歯科医師会
、
薬剤師会
というようなものが問題を取上げたのは、やはり昨年七月の
薬剤師
協会の
使節団
の
勧告
というようなことではないかと思います。当
つて
おるかどうかわかりま
せん
。
福田昌子
52
○
福田
(昌)
委員
漠然とした御質問で、非常に御迷惑だと思いますが、限局してお尋ねさせていただきますと、
国民
が今日の
医療
の負担の場合におきまして、今日
医薬分業
の問題を引起さなければならない、
医薬分業
の問題が起らなければならないような事態が、二、三年前と違
つて
、今日起
つて
参つて
おるかどうかということを、厚生
当局
はお考えになられますかということをお聞きしたい。はなはだまわりくどく申し上げたのですが、
結論
はこうです。二、三年前と今日の状態とを比べてみまして、非常に
国民
の
医療
の負担ぐあいにおいて、今日
医薬分業
をやらなければならないような状態にな
つて
おると
厚生省
はお考えになりますか。
葛西嘉資
53
○
葛西説明員
これも私しろうとでありますので、專門的なことになりますから、よくわかりま
せん
、釈迦に説法になりますが、最近御
承知
のように医術というものも大分進んでも来ておりますし、治療の
方法
にいたしましてもいろいろな新しい
方法
ができて来ている。結核等の治療にしても何にしても、御
承知
のようなことでございます。従いまして、
医療
内容
の
向上
、
医師
がその
技術
を
向上
させるという必要性は、今日非常にあるのじやないか、日進月歩、
医療
の
やり方
なり何なりの
方法
は、ずいぶん進んで来ております。従いまして、
医療
担当者が相当勉強をして、これらの進んだ
技術
を
国民
の
医療
の上に與えて行くための努力をしてもらわなければならぬ事態が、終戰後、ずいぶん長く外国からとざされておりました
関係
もあると思いますが、出ているのじやないか、かように思います。そんな
意味
で、やはり
医療
を
向上
させるというふうな面から、こういうものも取上ぐべき時期じやないか。漠とした考えですが、そういうところでございます。
福田昌子
54
○
福田
(昌)
委員
簡單
にひとつお尋ねいたします。いろいろ御
説明
を伺わせていただいたのでございますが、
結論
的に申し上げますと、二、三年前と今日の状態を比べてみました場合に、今日
医薬分業
の問題が、世間ではやかましく言われておりますが、
国民
生活
の現実という問題を考えてみれば、二、三年前と比べて、
国民
の
医療
の福祉の面においては、
国民
の負担の面においては、さほどひどくかわ
つた
事態にはな
つて
いないように拜承できると思います。一昨年厚生
当局
が薬事法の
改正
におきまして、二十二條において
医師
は
自分
の見た場合におきましては、
患者
の求めに応じて調剤することができることにいたし、従来附則でありましたものが、本則に入
つて
参りました。ああいうような
態度
を考えて参りますと、二、三年前、少くとも二十三年の第二
国会
までの
厚生省
の御
態度
は、
医薬分業
は大衆の便宜からい
つて
非常に不都合な状態であるから、むしろ薬というものは当然の仕事として診察したお
医者
さんが調剤した方がいいのだというお考えに立
つて
、ああいう
法律案
が出されたのだと思います。ところが二十三年にはそういう
法律案
を出しておりながら、二年後の今日は、いきなり
医薬分業
をや
つた
方がいいというような
厚生省
の御
態度
のように聞えるのでございます。どうも
国民
大衆の
生活
の不便とか、福祉とかいうものとはかけ離れて、
厚生省
が
ちよ
つとしたことによ
つて
、
厚生省
御自体のお考えにおいてか
つて
に
法律
をおつくりになる、大衆と離れたものをお考えにな
つて
いらつしやるような気がするのでございますが、その間の御見解を承りたいと思います。
葛西嘉資
55
○
葛西説明員
お尋ねの
趣旨
が、ややわか
つて
来たような気がするのですが、私
ども
も、
医薬分業
というものを前提にして議論をしているのでないことは、御了解いただいたことだと思います。ただ先年薬事法の
改正
等が出た場合と、今日の状態はどうかという点でございますが、これらの点は、先ほ
ども
ちよ
つと触れましたように、日進月歩の医術の進歩というようなものに、お
医者
さんが追いついて行
つて
もらうためには、やはり相当制度の上にも考慮して行かなければならぬということ、ことにいろいろな
医療
の制度あるいは医学教育というようなものも御
承知
のようにかわりつつございます。そういうふうにな
つて
参りますれば、その結果どういうふうにやるべきかという点は、おのずから出て来ると思うのでありまして、
福田
さんは先ほど、私とのやりとりをしておると、状態の変化はなきものと認める、よ
つて
というような
お話
でしたが、もう少しゆとりをと
つて
御了解を願いたいと思います。
福田昌子
56
○
福田
(昌)
委員
私が申し上げたいことは、二十三年の第二回
国会
におきましての薬事法の
改正
から見ると、
厚生省
のお考えが、今日言われている
医薬分業
と多少逆行しておるような御
態度
をおとりにな
つて
お
つた
ということは、いなめない事実だと思うのでございます。ところが今日の場合は、その
態度
と全然あべこべな方向を、今日の
医療
の
向上
、医学の
向上
のためにお考えにな
つて
おられるように考えられるのでございます。医学の
向上
その他
医療
の
社会
化という点から、いろいろな制度をお考えいただくのは、非常にありがたいことでありますし、私
ども
も同感でございますが、その場合に、もう少し
国民
大衆の
生活
の実態と絶えず関連性のある御
態度
をと
つて
いただきたいということを、お願い申し上げたいのでございます。
提ツルヨ
57
○提
委員
今まで御質問なさ
つた
委員
の方が、偶然にも三人ながらお
医者
さまばかりでございました。お
医者
さまと
厚生省
の次官とのいろいろな問答を、私たち拜聽したようなかつこうに
なつ
たわけでありますが、この厚生
委員会
においでになるお
医者
さんが、片寄
つた
考えで
日本医師会
だけの肩を持
つて
いらつしやるというようなことは、決して考えておりま
せん
ので、誤解のないように聞いていただきたいと思います。 大体この
医薬分業
の問題は、
厚生省
自体が
サムス准将
の命令
通り
に動いて、非常に自主性がないではないか。しかも
医師会
、
薬剤師会
においては、おのおの
自分
の利益を中心として動きつつあるではないかというような見方をされて来たということは、いなめないと思うのであります。私は先ほどからわが党の岡
委員
も御
発言
になりましたように、あくまでも医薬の
分業
というものは、業者の
方々
の、たとえば利益の配分のためであるとか、また官僚的な
立場
からの
厚生省
自体の考えによ
つて
、これに生殺與奪の権を與えるというようなものではなくして、あくまでも一般大衆、診療を受けるところの
患者
を中心としたものでなければならないと思うのでございます。こういう観点から、非常に外部で論議されておりながら、衆議院の厚生
委員会
の中に、
医薬分業
の問題に関して何ら機関的なものを持たず、ただ外部で論議されるにまかせてお
つた
という事態について、私は
委員会
にも責任があると思うのであります。今までの経過を見ておりますと、
医者
と
薬剤師
に
厚生省
が振りまわされて、しかもお互いに相当損をしていらつしやると思うのであります。いわゆる官僚政治というもの、またその利益を中心とした
人たち
だけの検討によ
つて
、これが進められるというような弊害が、ずいぶん今までの
日本
の政治の中にはありましたが、立法府であるところのこの
国会
の審議権というものが、中心にならなければならないと私は思います。
委員長
におかせられましては、自主性を持
つた
ところの、しかも輿論に支えられたところのこの衆議院の厚生
委員会
において、
医薬分業
についての
国民
の啓蒙運動は
厚生省
に御依頼して、私たちは正しい見地からこれを審議して行くというように持
つて
行
つて
いただくのが、衆議院の厚生
委員会
としてのあり方ではないかと私は考えております。今日まで何ら検討されずに来たこの
委員会
に、そういうくさびを打
つて
いただいて、新しい出方をしていただいてはいかがかと思いますので、一応
理事
会にはかられるなり何なりしていただいたら、けつこうだと存じます。
寺島隆太郎
58
○
寺島委員長
善処いたしたいと存じます。 本日はこの程度にて散会いたします。次会は公報をも
つて
お知らせいたします。 午後零時三十一分散会
——
——
◇—
——
——