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1950-09-02 第8回国会 衆議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月二日(土曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 藥師神岩太郎君    理事 内海 安吉君 理事 鈴木 仙八君    理事 田中 角榮君       淺利 三朗君    宇田  恒君       小平 久雄君    瀬戸山三男君       三池  信君    増田 連也君       佐々木更三君    池田 峯雄君       砂間 一良君  出席国務大臣         建 設 大 臣 増田甲子七君         国 務 大 臣 周東 英雄君  委員外出席者         建設事務官         (河川局次長) 伊藤 大三君         建設事務官         (河川局防災課         長)      賀屋 茂一君         建 設 技 官         (道路局長)  菊池  明君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  災害復旧に関する件     —————————————
  2. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これより会議を開きます。  昨日に引続き災害関係質疑を続行いたします。政府側から安本出席を求めておりますが、もうすぐ見えると思います。建設省から菊池道路局長伊藤河川局次長賀屋防災課長が見えております。佐々木君。
  3. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 昨日も建設省に御質問申し上げましたが、この来年度予算に関することはもとより、災害復旧につきましても当然予算を伴わなければ意味をなしませんので、大臣が来てから聞きたいこともたくさんあるのでありますが、私少し急ぎますので、事務当局にまずお伺いしたいのであります。  この来年度の公共事業費の総額が二千百五億円余になつているようでございますが、日本災害中心とする、そうしてまた厖大治山治水根本対策のためには、むろんこの額が決して多いとは思わないのであります。理想から言えばむしろ少いと言えるかもしれないのでございます。ただ来年度政府の総予算との関係から見まするというと、不満足な予算ではございまするけれども、これさえも一体どれだけ政府がいれてくれて、実際にはどの程度この予算が進められるかということは、非常に重要な問題だと思うのでございます。せんだつて新聞紙は、各省要求しているところの予算が一兆三千億に達するということを報じている一方におきまして、来年度予算におきまして、政府は五千何百億円にこれを收縮するということも報じているのでございますが、各省要求予算額と、政府が圧縮しようとする予算額には、まさに天文学的数字が出まして、従つてこの建設省予算がその中でどれだけ認められるかということが日本治山治水対策の上にはきわめて重要な問題でございますので、当局は一体どういう見通しを持つておられるか。この二千百五億円がどの程度一体現在の政府予算の中で認められるお見込みがあるか、これは建設大臣に聞くことが当然だと思うのでありますが、当然事務当局としましても、これらの予想の上に立つてこの予算を組まれておると思いますので、御見解をひとつ承りたい、こう思います。
  4. 伊藤大三

    伊藤説明員 ただいまの御質問でございますが、実はまだ今予算を、安本において公共事業費査定中でございまして、われわれとしてまだその査定内容について公式に明示を受けておらないような実情でございます。なお聞くところによると、経済安定本部におきましても大蔵省との折衝において、幾ら公共事業費にまわるか、これまたはつきりいたしておらないような実情でございます。一応何か聞くところによりますれば、経済安定本部といたしましては一千三百億案というのを立てて、そして幹部間で折衝しておる、こういうような実情でございます。私どもの方といたしましては、去年までの公共事業費の額に対する一般災害の費用は——つておれば取消していただきたいのですが、建設省全体としては大体五十四、五パーセントくらいだつた。だからことしといたしましては、それより上まわるような金を比率においてもらいたい、こう思つておるわけでございます。なお河川局といたしましても、せつかく治山治水という問題が昨年度大きく取上げられまして、そして政府としても重点を置くと言つておられた建前もございましようし、それが一年によつて急にかわるものとも私は考え得られませんので、本年度におきますわくにおきましても、少くとも公共事業費の額のふえた、比率を下まわるような予算では困る、こういう点を私ども強く要望しておるのであります。詳しいことにつきましては、まだわれわれとしてはお答えいたすような知識を持つていないという実情であります。
  5. 淺利三朗

    淺利委員 議事進行について……。先刻佐々木委員からも大臣が見えたならばまた質問するということを言われましたが、元来今回の委員会開催災害復旧を主たる議題といたしております。おそらく委員長におかれては、予算編成期において、この災害対策重点を置いてこれを検討するというのが、主たる眼目であつたろうと思うのであります。開会中に特に緊急にこの委員会を開いた趣旨は、そこにあると思います。しかるに各大臣はいずれも出席ができない、こういうことで、ただ事務当局からわれわれがいろいろこまかいことを質問しても、大局の問題はきまらぬと思います。安本長官及び建設大臣出席要求しており、また大蔵大臣にも本日は出席要求されておるそうでありますが、かくのごとき状況におきましては、ほとんど委員会審議は無意味になると思います。ただ災害の実況はどうであるとか、事務当局はどれだけの予算を編成しておるというようなさまつなことを検討するために、この開会中にわざわざ委員会を開くということは、はなはだ意味がないと思います。委員長におかれては、この委員会開催の主たる目的がどこにあるかということについて、十分お考えがあると思いますが、どうか大臣出席要求するように、特別なおとりはからいを願いたいと思います。それによつてわれわれはこの審議を進めたいと思います。
  6. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 それはごもつともな御意見で、強く要求しているのです。しておるけれども、大蔵省の方は今予算関係でどうしても出られないというのが向うの一本槍であります。引ずつて来るわけには行かないのです。それから安本建設の方は出るはずだつたのですが、安本大臣東北災害地の方へ出て行くらしいのです。それで建設大臣が出るはずだつたのですが、政務次官はきのうも見えておつたけれども、きようも出るはずになつておるのですが、安本政務次官は、きのうも一時間半ぐらい来て、ここで質疑応答としたようです。大体において今の見通しは、予算大綱はつきりしない、ここ両三日が山だということになつておりますから、結局そういう関係出席の問題に影響しているのではないかと思うわけです。それで、もとよりこれは責任主管大臣が来ることが当然でもあるし、来ることをわれわれも要求しているわけなんだから、今そういう関係でいけないとすれば、大体予算大綱の山がわかれば出られるものと思うから、あらためて委員会を開くようにしたらいいと思います。
  7. 淺利三朗

    淺利委員 その点われわれは、單に政府において決定した予算審議するというだけの建前であるならば、大綱がきまつてからということでよろしいのでありますが、われわれ委員会としては、政府の案が決定する前に、委員会意見をこれに反映せしむるということに重要な意義があると思います。  そういう意味において、もしも今後委員会をお開きになるならば、事前において政府当局にも連絡をして、必ずその当日出席するという見通しがつくようにしていただきたい。東北視察のためと申しましても、これは一日を争う問題じやないのであります。委員会開会中に、それを欠席して東北視察に行くというような計画を立てられるということは、委員会を無視することになるのであります。そういう点は強く委員会から政府当局に要望されんことを、特に私から希望申し上げておきます。
  8. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 意見はよくわかるのです。私も同感ですが、問題はきのう——私はきのうちよつと顔を出しただけで、党の方の会合に行つてつたので、まことに申訳なかつたのですが、きのうは政府の方は安本の方の政務次官建設省政務次官が出て大体やつて、きようは、本来からいえば、大蔵省が出られれば大蔵省当局出席を求めて結末をつける、こういう計画になつてつたわけでありますが、大蔵省はそういうぐあいで一切出られないというのです。これは大蔵省としては開会中でも出席率が悪いので、われわれ非常な不満を持つているわけでありますが、とにかくそういう状態になつておるのです。きのうで大体建設省安本関係は一応質疑応答は運んでおるわけなんです。それでなお大臣が出て来れば大臣に対する質問もあろうと思うのですが、ただ問題は、政府に強く要望することも私は当然だと思うが、委員の方の出席率も悪い。本来からいえば委員出席をもつとよくしなければならぬような実際問題としての状態ですから、大体われわれの方にも非常な問題があるのであつて政府にのみ強く要望することもできぬわけです。     〔「委員長懇談にしろ」と呼ぶ者あり〕
  9. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 それでは懇談に入りす。     〔午前十一時三十分懇談会に入る〕      ————◇—————     〔午前十一時四十一分懇談会を終る〕
  10. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 それでは引続き会議を開きます。佐々木君。
  11. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 この来年度予算のうちの河川局直轄河川改修費の五十九億円の内容でございますが、昨日安本政務次官説明によりますると、総合対策としていろいろダム建設とか、砂防工事とか、いろいろの方面から総合施策を講じておる。そのうちで特に利根川水系を強調いたしまして、このことに対して、どれくらいか知らぬけれども、大分予算をとるようなお話であつたのでございます。そこで淺利委員その他から、利根川だけを重要視して、他のたとえば北上水系その他を軽視するような傾きであつてはならない、一体こういうものの計画はどうかという質問に対しまして、安本政務次官は別に明確な答弁はしなかつたのでございます。そこでわれわれは非常な疑惑を持つのでございますが、もしもこういう河川改修費というものが特別の政治的考慮で、あるものは重要視され、あるものは軽視されるということでありますると、これは非常に大きい政治問題になると思うのであります。そこでこの直轄河川改修費、もしくはこれと多分関係があると思われます直轄河川総合開発事業費、これの内訳について、ごめんどうでもちよつと御説明をお願いしたいと思います。
  12. 伊藤大三

    伊藤説明員 ただいま利根川総合閉発の問題につきまして、特に利根川だけに予算を持つて行くような心配がありはしないかというようなお話でございましたのですが、実はこの利根川総合開発という問題につきましては、われわれといたしましては、どの方面から出たか私ははつきり知りませんが、一応経済安定本部の方から、利根川総合開発という問題についてひとつ計画を立ててみたいから、その計画を出してみてくれ、こういう話でございました。利根川総合開発と申しましても、これは建設省だけの問題でなく、農林省関係もございますし、通産省の電力関係もございますから、私の方だけで立てるというわけに行かず、一応各省の案をひとつ出してみようというわけで、私の方の利根川水系というものに関する一応の計画はこういうものがあるという点につきまして、安本へ連絡いたしておるわけでございます。しかし利根川総合開発について一般公共事業費から拔き出して何ぼつけるというふうな説明も、これは実は安本においても事務当局としてはしつかりした金をつかんでいるわけではなくて、あるいは百億と言つてみたり、あるいは五十億と言つてみたり、あるいは少く三十億と言つてみたり、百五十億と言つてみたり、そこらの関係はつきり事務当局にもわかつていないのではないかと思うのでございます。ただわれわれの方に対して、一応百億ぐらいやるならばどのぐらい出せるか、どのぐらい別個に組めるかというような話がございまして、私の方といたしましてはこの程度の問題ではどうかということで、一応最も関連の多い、錯綜するものについては総合開発見地からなかなか困難ではないか。しかし総合開発にはどうしても必要であるが、関連性という点から行くとあまり濃くない、たとえば上流砂防の問題であるとか、あるいは堰堤の問題であるとか、あるいは河道改修問題につきましても、農林その他とあまり深い関係がないというような問題、どうしても優先的にやらなければならぬというふうなものを一応書いて出したわけでございます。そこでその次の御質問に入りまして、直轄河川改修費五十九億というのは、去年の予算の実施も問題ですが、おそらく二十六年度要求のことと承知いたして、約五十九億というものを出した、これの内容につきましては、今私ここにこまかい資料を持つておりませんけれども、全国全部で九十三河川並びに三河川、約九十六河川というものにつきましての計画を立てまして、これも緊急施工しなければならないというような点から考えまして、その案をつくつておるわけであります。それから直轄河川総合開発事業費、この中におきましては旧来の継続の淀川関係、琵琶湖の河水統制事業、そのほか新規に三、四個所持ち出しておるわけであります。これにはもちろん利根川の中の藤原というような堰堤も、この新規総合開発という中に持ち出しておるわけであります。それから直轄河川改修の方におきましては、もちろん北上川改修工事一環といたしまして、膽沢とか猿ケ石という問題につきましても若干考えております。
  13. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 一昨日かの地方新聞に載つておるのでございますが、廣川農林大臣東北地方、特に宮城地方視察いたしまして、その結果としてどうしてもこれは総合開発を根本的にやらなければいけない。そこで宮城県知事を呼びまして、どうしてもこの治山治水対策は根本的な総合対策政府としてはやりたいと思う。それで宮城県がこれに対して、町村長等に対しましても根本的な施策をどうしてもらえばいいかということを至急計画して出してよこせ、こういうつまりありがたい言葉があつたわけでございます。そこで宮城県及び岩手地方といたしましては、当然この北上川総合計画中心とした治山治水対策というものを立ててみよう、こういうことでせつかく立案中でございまして、近く二、三日中に東京で会合して、この根本計画建設当局に出そうということになつておるのであります。そこで北上川総合計画というものは、現在具体的には、どの程度の御計画建設省にあつて、どういうふうになつておるかという、もう少し詳しい御説明を聞きたいと思うのでございます。これらの地方の諸君は現在建設省が来年度予算に計上しておるところの事業内容に即応して、その上で廣川農林大臣言葉従つて、近いうちに根本計画を立ててこちらの方に上申して来ると思うのでございますので、もう一歩突き進んで、北上川の来年度の予算に盛られた事業内容というものをお聞かせ願いたいと思うのであります。
  14. 伊藤大三

    伊藤説明員 河川局において所管いたしております関係におきましての北上川治水問題につきましては、治山にしても治水にいたしましても関連性を持つてつておりまするが、私総合計画というものにつきましては、まだ十分なる打合せはいたしておりません。もちろん工事執行にあたりましては、十分関係各省、各局とも打合せをしなければならないと思つておりますが、今のところ総合的に考えたという事業内容をつくつておりません。正直な話を申し上げますと、そういうような実情でございますので、総合的と言われましても、ちよつとお答えいたしかねる事情でございます。あしからず御了承願います。
  15. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 この問題は多分上の方の各大臣間で折衝があることと思いますので、事務当局にこれ以上御質問申し上げてもごむりと思いますので、今建設大臣が見えましたから建設大臣にお尋ねいたします。  四、五日前の新聞廣川農林大臣が、東北地方災害視察しました結果として、宮城県知事を呼びまして、どうしても宮城地方治山治水対策は、北上水域中心とした根本的な総合対策を樹立しなければいけない。政府はこれを断行する意思がある。よつて知事は各町村長相談をして、各町村においていかに具体的な施策をしてもらえばいいかという案を立案して、これを政府に提出するように、こういうようなことを話した。知事が来ませんで、たしか副知事が来まして聞いたのでありますが、副知事は帰りまして、町村長にこの旨を示達したのであります。町村長は随喜の涙を流して喜んでおるのであります。町村長多分四日に参りまして、岩手宮城町村長会議で総合的な根本対策を立てまして、これを主管大臣建設大臣に提出する運びになるわけでございます。この予算は、おそらくは町村長が望むものを出せというにおきましては、厖大なものになると思うのであります。一体こういうような治山治水対策主管大臣建設大臣が当然これをやるのがほんとうであろう、われわれ常識的にそう考えておつたのであります。しかしそれは政府部内のことでありますから、農林大臣が立案して人を呼んで計画を立て、それから建設大臣にまわすというようなことについて、私はこれをとやかく言うものではございません。私はこの廣川農林大臣のこの言葉ほんとうであるかと思うのでございますが、建設大臣はどういうような御相談を受けて、どういうふうにこれは進んでおるかということが第一点。それからこういうことにいたしまして、いよいよこれらの具体策をきめまして、建設大臣にこの案を多分五、六日ごろ提出することになると思うのでございますが、ただいま事務当局の御答弁を聞きますと、建設省としましては別にそういう意味総合対策というものを考えておらないし、二十六年度予算に織り込んでおらないということでございます。そういたしますれば、町村長会議から出して参ります総合計画を二十六年度予算に組むにおきましては、当然ここに昨日提出されました予算内容を変更しなければならぬと思うのでございます。むろんわれわれはそういう建前から変更していただくならば大賛成でございます。そういう場合に建設大臣においては予算の変更をなさる意思は十分あると思うのでございますが、建設大臣の御決意を承りたいと思うのでございます。
  16. 伊藤大三

    伊藤説明員 ただいま総合開発対策を全然考えておらないということですが、もとより先ほどもちよつと申し上げましたが、私の方として治水治山の観点からのいろいろの点は相当考えておる。従つてその総合開発の中にどういうものを持つて来られるか、これを私わからぬからわからないと申し上げたのでございます。その中に含まれたるものにおいて、緊急に私の方として治水治山の面からやらなければならぬと認めて、予算をいただいたものからまわせるものにつきましては、これは考えられると思うのでございます。今のように、総合対策という、農林省を含めました全体の計画というものがどういうものであるか。それにマツチしてどうなつておるかという打合せは、この予算には載つておらない。ただ治山治水という面からの私の方の考えを載せておる。この点は誤解のないように願いたいと思います。
  17. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 事務当局のさつきの答弁をそのように理解いたしております。私の聞くのは、今後においていよいよここ二、三日中に町村長東京に寄りまして、総合根本対策を立てて出すことになるのでございます。従つてこの予算はそれとは直接に関係ないのでございますから、当然この予算は変更されなければならない、こう思うのでございます。そこで建設大臣廣川農林大臣との間には、どういう話合いで、宮城県知事を呼んでそういうお話をなされたか。そしてまたそういう予算が出て参りましたならば、この予算に対して建設大臣はどういう点を取入れる御意思があるか、これをひとつお伺いしたいのであります。
  18. 増田甲子七

    増田国務大臣 総合国土開発ということは、建設委員皆さんの御承知通り、私官房長官時代に一番熱心でありまして、北海道開発法国土総合開発法とは主務大臣がなかつたのを、当時官房長官増田がほとんど主務大臣として立案し、企画し、研究し、皆さんに通していただいた、こういうことになつております。あのとき官房長官通牒を各府県に出しまして、その地方総合国土開発計画を四月三十日までに内閣へ送つてくれ、こういうふうにして送つてもらつております。そのまとまつたのもあるわけであります。廣川君がどういうふうにされたか。おそらく当時は相当ブレーンが集まつておるから、県の当局がその県の総合開発をこういうふうにしたらいい、あるいは北上川岩手宮城にまたがつておりますから、北上川開発はこういうふうにしたらいいという見地から出した書類があるわけです。そこで今度は、たとえば岩手県の一ノ関町なら一ノ関町、あるいは宮城県の南郷村というようなところの町村長さんが集つて来て、これはこうやつたらいいと言つても、やはり專門家でないのですから、結局陳情書の集まりになるのではないかと思う。要するに今までのものとしては、その府県知事さんが責任をもつて自分のスタツフを使つて、專門的の職員を使つて書き上げたものが——至急ではありましたけれども、二、三日中にというばかなことはありません。町村長さんに二、三日中に書けという、こんなことはないので、私は二箇月半ばかり余裕を與えまして、通牒を出しましたのは二月だつたのですが、四月三十日までに相当の專門家に調べさせて書き上げて出してほしいといつて、その集まつたものはあります。これはその後、佐々木さんも御承知通り地方総合開発計画というものは建設省が命令をしてそうして建設省へまとめる、こういうことに法律の上からもなつておりますが、おそらくまだそう集まつてはいないと思います。私はあまり事務当局に聞いてみませんか、今までに集つたものはあります。その内閣に集まつたものを基礎として、それぞれの省が総合開発計画一環という意味において、北上川改修についても予算要求しておるはずなんです。伊藤次長説明もそういうふうに御理解願いたい。  そこで北上川流域総合開発計画と申しても、何と申してもそれは河水統制だと私は思う。その意味から、たとえば予算を百億とろうが、五十億とろうが、七割はどうしても建設省関係予算に違いない。これはよその省がそう何割もやるということはないと思う。結局基本的土木事業りつぱにやらなければ開発はできないのですから、田畑その他の改修をいくらりつぱにやつたところで、湖になつてしまつたらおしまいです。洪水になれば必ず湖になる。やはり農業土木事業よりは基本的土木事業である。総合国土開発費が百億計上されようが、二百億計上されようが、七割は必ず私は基本的土木事業だと思つております。またそうしなければ日本総合国土開発はできません。開発どころの騒ぎでなく、さしあたり保全ができません。そこで膽沢ダム、あるいは猿ケ石ダムというものに五億円も見返り資金から金を出したということは、これは今まで総合国土開発計画一環としてやつておる証拠だとどうぞ御了承願いたいと思います。  それからわれわれの予算要求直轄河川改修にいたしましても、安本大蔵省がどれだけ査定するか知りませんが、北上川をこういうふうに開発したいという総合国土開発計画一環として要求してあるわけです。それから私が一番初めにお見舞兼視察をして帰つた印象では、干拓というようなものはめつたにしてはいけない。遊水池というものをどんどんつぶしてしまうから、結局既耕地までが冠水、埋沒、流失ということになつてしまう。ただ農業土木関係として干拓というようなものに金を注ぎ込んで、これだけ耕地がふえたからよいというふうに計算上はなるけれども、既耕地がだんだんなくなつてしまう。結局基本的土木事業に最も力を入れなければいかぬということを私は閣議で二度も強調しておりますし、廣川君もその点はよく了解してくれております。知事さんを呼んでどうしたということで、あるいは四、五日でどういうふうに泥繩的のものができるかどうか私は存じませんが、今までのところは、今年の二月官房長官通牒を出して、全国四十六都道府県から集まつておるあれを基礎にして、農林省も、あるいは通産省の電力関係も、それから土木事業、公共事業についてこの主務大臣である私の省においてもやつておることと御了解願いたい。それから建設委員皆さんにはもとよりわれわれを大いに鞭撻、御協力を切にお願いいたしたい、こう存ずる次第であります。
  19. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 どうも驚いたことには、慶川農林大臣北上水系総合開発をやる、そういう意味治山治水対策をやる、こういうことで現在開会中の県知事を呼び出すくらいですが、少くとも今大臣がおつしやつたように、総合的な治山治水対策といいましても、これは河水統制が最も根本になることは、大臣のおつしやる通りである。それを建設大臣と何の相談もなしにやつて来るというのは、不思議千万といいますか、内閣の不統一といいますか、私はまことにあきれ返つたわけですが、建設大臣は知らないのですから、建設大臣責任ではございません。私は横川農林大臣との間に話をきめなければならぬものと思いますので、この点は大臣答弁を了承いたします。  そこで今、来年度予算の話に大臣が触れられましたが、来年度の公共事業費予算は、二千百五億円と総計がなつておるようでございます。今日の日本の公共事業を根本的にやろうといたしますならば、これでも何分の一であるかもしれませんので、われわれは決してこれを多いと考えるものではありません。私委員といたしましては、もちろん建設省のこういう予算を全面的に支持しようと思うのでございます。問題は、国家の総合予算の上で、この二千百五億の公共事業費が一体どれだけとれるかということが、非常に大きな問題だろうと思うのであります。新聞紙の報ずるところによりますと、来年度予算各省要求しておるものは、約一兆三千億に達する。政府はこれを五千六、七百億に圧縮しようと努力しておる。こういうことになりますと、この予算と、実際に閣議が決定して議会に出される予算との間には、かなり大きな幅があるだろうと思うのであります。そういうことになつてはたいへんでございまして、われわれ委員といたしましては、どうしても二千百五億まるまるとらなければならない、とるように努力しなければならないと思うのでございますが、一体建設大臣はこの来年度の総合予算の中で、二千百五億というものをどういうふうにして獲得し、どれだけのものがとれるお見通しがあるか、大体予算を組むにあたりましては、これらの予想の上に立てられておると思うのでございまして、ぜひお聞かせ願いたい。その上でわれわれも委員として御協力を申し上げたいと思うのであります。
  20. 増田甲子七

    増田国務大臣 たいへんな難質問をいただきまして非常に恐縮する次第でありますが、われわれが土木事業として二千百億要求したのは、これくらいをしないと、日本の国土の保全並びに開発はできない、こういう見地から要求しております。ただしかしながら一面財政もなかなか苦しいのであり、ことに今税の問題は担税者の間で非常に問題になつておる次第であります。しかもこの内閣の背景である與党自由党は、減税を約束をしております。これは公約でありますし、また政府の公約でもありますし、單に大蔵大臣一人分約束ばかりではございません。それから約束、不約束は別問題といたしましても、やはり担税者が税の負担に苦しんでいるこの状況は、何とかして打開する必要があるということは、われわれ考えております。そういうようなことがかれこれ見合いまして、かりに七百億の減税があるといたしますと、今年は予算総額が六千六百億でございます。それから七百億減すと五千九百億になる。機械的ですけれども、いろいろな節約あるいは行政整理その他がないと仮定いたしますと、五千九百億になる。五千九百億になるとすれば、土木事業がそれだけ減ると困るので、結局何かほかの方で落して行かなくちやならない。そこで債務償還を落すとか、価格調整金を半額あるいは三百億にするとか、こういうことでいろいろ大蔵大臣も苦心しておるようであります。しかしいずれにいたしましても、土木事業が根幹をなすところの公共事業というものは、去年より相当額ふえなければいけないということを一番強く——支那の戰争と違つてあまり論戰ばかりしてもしかたがありませんから、新聞論戰はあまりいたしませんが、ことに單一政党によつて支持されておるこの内閣ですから、われわれは新聞論戰はいたしませんが、建設省あるいは建設大臣としては、土木事業が最も大切である。言論戰はやめますけれども、一番主張しておるのは建設大臣であるというふうに御了承を願いたいと思います。そういう意味合いから、皆さんにおかれましても国土の保全並びに開発については、新聞論戰等は別問題として、ぜひとも御協力、御鞭撻を願いたい、こう存ずる次第でございます。
  21. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 私現に新聞論戰をしようとする意思は毛頭ございません。ただ新聞にそういうふうに報じてあつた際に、建設省が二千百五億円という予算を出して来たので、さきに申し上げました通り、これは建設予算としてはこれでも足りないくらいで、われわれは別に求めてはいないのでありますけれども、さつき大臣はこれくらいいるだろうというつもりで組んだとおつしやいましたけれども、私たちはこの委員会で政治理想を議論しておるのではないのであります。現実に来年度の予算をどのくらいに組むか。来年度の土木予算中心とする公共事業費をどのくらいにすればいいか。こういう現実の問題です。單にこれくらいいるだろうという理想だけを考えるのなら、これは建設大臣としてあまり小さ過ぎるのであつて、理想だけ掲げるなら、ここで一兆なり二兆なりを掲げなければ、日本ほんとう治水対策はできるものではありません。だからこれは建設大臣言葉のあやでありまして、決してこれくらいいるだろうということではなくして、このくらいなければいけないという現実的な必要に応して、おそらく私は出しておるだろうと思うのであります。だがそういうこれくらいいるだろうという理想で組んだと言われたことは、言葉じりをつかまえるわけではございませんが、はなはだ心細いのでありまして、現実的にこれだけのものが必要があつて組んだのでございましようが、しかし実際には国家の総合予算でこれだけとれるかどうかということは、必ずしも建設大臣を責めようとするものではありません。これだけ必要があつて組んだ二千百五億円を、一体来年度の総合予算の中でどのくらいすることができるお見込みか。建設大臣は長い間官房長官をなさいまして、現内閣におきましても事実上現内閣中心をなしておられるのでございまして、この点十分おわかりのことと思いますけれども、との点やはりこの際明白にしておきませんと、来年度予算に対するわれわれ委員の態度がきまらぬという観点から、もう一回お伺いしたいと思います。
  22. 増田甲子七

    増田国務大臣 理想を申しますと、もつともこれは計算のいろいろな單価等は違いますが、大体河川改修に三千数百億、砂防は山腹砂防、山林砂防を除いて渓流砂防等を入れまして三千数百億円、合計七千億円ばかりあれば、ある程度以上の災害が来たならば別ですけれども、このごろ来ておるような災害はまず防禦できる、こういう理想をわれわれは一応持つております。そういう理想を持つておるということを、どうか建設委員皆さんは御如才なく、ことにこの方面の権威でございましようが、理想はそこにあるのでございますから、そういうところをいつも目安にして、われわれを鞭撻しあるいは政府全体に対して鞭撻していただきたい、こう考えております。それから明年度は二千百億要求しておりますが、そのうちどのくらい認められるか。およそ政治的感覚で見当を言つて、その見当をつけて大いに努力しろ、そうすればわれわれの協力しがいもあるのであるという佐々木さんの御質問はごもつともでありますが、去年は五百余億認められております。九百七十億の公共事業費の中で、正確に申すと五百十二億であります。しかし今度は一体公共事業費は幾らになるかということが問題であり、新聞によく出ておるのが、結局佐々木さんのおつしやる見当をつけて要求する、あるいは協力するというその見当の問題だと思います。それで今まで私どもはこういうことは最小限度は主張しております。減税は公約であるから、これはやはり公約を果すように努力しなければいけない。御承知通り千億減税断行というのは、別にほらでも何でもないので、国税において七百億、地方税において三百億減税を断行する。御承知通り地方税等は今徴收中でありまするが、この徴税の経過にかんがみましても、来年はあるいは歳入超過といつたような町村がないでもない。だからしてある程度減税を断行してもらう必要がある。歳出をそのままにしておいて、しかも歳入を減じてもらう必要がある。地方税源というものは相当確保されておる。だから三百億は減税をいたしまして、自治体の構成員たるお互いの税負担を軽減しなくてはならない、こういう考えを持つております。  それから七百億を一体七百億にすべきか、四百億にすべきかといつたようなことが新聞によく出ておりますが、かりに五百億になるとすれば、総額において八百億の減税であります。七百億だけ減税する、全部公約通り減税するとすれば、千億減税になるわけであります。そこで七百億を六千六百億という数字からとりますと、五千九百億という数字が出て来ることは先ほど申し上げた通りであります。歳出が五千九百億になつても、六千六百億時代と公共事業費は少くとも同じでなければならないというまず第一の目安は立てなければならぬと思います。これは財政当局を含んだ政府全体という立場で私が発言しておるのでございますから、その点誤解を遊ばしませぬように、あらかじめお願いしておきます。歳出総額が五千九百億になつたにしても、あるいは六千六百億になつたにしても、公共事業費だけは絶対減らしてはいかぬ。その他の費目で減らして行くべきものである。調整金とかあるいは債務償還というようなもので減らすべきものであつて、歳出の根幹をなす、歳出予算の一番実質とも申すべき公共事業費だけは絶対減らしてはいかぬ。こういうことをまずもつてわれわれは考えております。しかのみならず能う限わ公共事業費の増額を期するものとする、こういうふうに党においても閣議においても予算編成方針をきめておる次第であります。そこで能う限り、たとえば今年は九百七十億であつたけれども、来年はできれば千百億なり、二百億なり、三百億なり、四百億なり、五百億なり、今その数は申しませんが、財政大臣たる池田君にも、予算技術なりその他財政関係の知能を傾倒して、できる得る限り公共事業費を増額せよ、こういうことを閣僚は一致して要求しておる次第であります。せつかく大蔵大臣は一方に公約を果しつつ、一方において予算編成方針として、党あるいは政府できまつたところの公共事業費は、能う限り増額するものとするというその精神に沿うべく今努力中であります。かりに千五百億が三百億になつた、こういうお説でありますが、今あなたのお説の北上川とか、あるいはほかの川についても、大体建設省で従来未開発工事地域と名づけておるところの総合開発を要する地域が十箇所ばかりありますが、でぎれば十箇所取上げたいのです。しかしできなければ、その数箇所をまずもつて本年度は取上げる。来年度はさらに、三、四箇所取上げる。こういつたような形でわれわれは進んで行きたい、こう思つておりますが、今のところはつきりと申し上げられることは、千五百億以上には公共事業費はとてもならないであろう。そうしますと、その比例だけ二千百億が減らざるを得ません。これだけは見当をつけなければならぬことだと思つております。そういう意味合いで、今年よりもはるかにふえなくてはいけませんから、もとより災害復旧費の国庫負担を減額すべきかいなかというような問題もありますが、その問題も含めて最小限度われわれは千数百億である、こういうところで、大体今のところ建設省の二千百億と、農林省その他を加えると、公共事業費要求総額は、三千数百億になつております。これが千五百億になればまあ上々だと私は考えます。そういたしますと、半額には少くとも減る。それからなお相当減るだろうと思いますが、今年の五百十二億よりはふやしたいのでありますから、この点どうぞ御援助願いたいのであります。
  23. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 それでは大分私にとりましては心細いのでございますけれども、建設大臣主管大臣として努力されることを信じまして、ぜひ公共事業費が減額されないように御盡力を願います。  なお総合開発計画につきまして、利根川といい北上川といい、あるいはその他の川といい、いずれもきわめて重要な川でありまして、特に北上水系中心とする東北河川は今なお自然河川の形態で捨てられていると言つても過言ではありません。むろん下流地方改修しておりますが、岩手地方その他これに付随する中小河川等は今なお原始河川状態にありますので、総合開発計画の中に治山治水対策を立てるときは、この利根と北上その他のものは決して軽重なく、ひとつ十分御協力を願いたいということを希望いたします。  なおあと二つばかり事務的にお伺いしますが、名取川の上流に釜房ダム計画がありまして、長い間これは懸案になり、かつて戰前におきましてこれに着工したのでございますが、今中止しているのであります。これは仙塩開発計画の上にきわめて重要なことだと思いますが、何か当局で中止するかもしれないというような報道がありまして、地方民に衝撃を與えているのでございますが、どうなつておるかお伺いしたい。  もう一つは先日の委員会におきまして、見返り資金百四十億円を道路河川改修費に使うことの内訳の御報告があつたのでございますが、その後、一体軍政部との交渉はどうなつているか。特にこれまた多年交通政策の上から無視されております三陸地方の国道改修費に一億三千万円を計上するということで、軍政部に当局は御折衝なさつておられるはずでございますが、その結果がどうなつておりますか、事務的な御報告でけつこうですからお願いします。
  24. 伊藤大三

    伊藤説明員 釜房ダムの問題でございますが、これは先ほど申しましたように、戰時中の仙塩地方の水の問題の解決を含めて、そうして洪水の調節と一石二鳥をねらつた案として一応立案せられたわけでございますが、水の問題が戰争終了を契機といたしまして一応あまり問題にならなくなつた、そういうようなこともありまして、現在におきましてはその問題は一応中止の状態にあります。しかしこれをどうするかという問題につきましては、今後なお検討いたして、この問題が必要であれば始める。まあそういうただ洪水調査というだけの問題であるならば、河道改修でもやつて行けるというような問題はとりあえず中止をいたして、河道の整理の方に予算をつけてやつているようなわけであります。これを再開するかどうかということは今のところ未定の状態にあるわけです。
  25. 菊池明

    菊池説明員 三陸国道の見返り資金の問題でありますが、これは認められませんで入つておりません。
  26. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 どうなつているのですか。それきりですか。
  27. 菊池明

    菊池説明員 それきりです。
  28. 淺利三朗

    淺利委員 実は十分検討したいことがあるのですが、お急ぎでありますから……。昨日も政務次官に一応質問をいたしたりですが、納得行かぬ点がありますので、本日は安本長官建設大臣とおそろいでありますから、この席において一言政府考えを伺いたいと思います。九月一日の各新聞を見ますと、安本計画といたしまして利根川治水総合開発計画が出ております。これによつてみますと、千五百億円の場合には百三十億、千三百五十億の場合には七十億を利根川水系総合開発予算にとる、こういうことであります。しかしながら国土総合開発審議会ができまして、この審議会において各方面のことを十分に総合調査をして、その中に緩急軽重をはかつて、いずれを第一に着手するかというとがきまつて、その結論によつてやるというならばわれわれは納得が行くのであります。しかるに單に安本当局のお考えによつて、ただ今回利根川だけを一つ取上げて問題にするというところから、私が全国的に見てその間の軽重においてどういう標準でこれを取上げたのかということをお伺いしたのであります。先年来カザリン台風以来のわが国の災害の状況を見ますと、利根川水系北上水系が連年頻発する災害のためにその地方の塗炭の苦しみにあることは御承知通りであります。ことに今年も宮城県を中心として岩手県の南部、ことは宮城県は二十億の土木工事の被害があるのであります。岩手県は八億余であります。この点はむしろ今回は関東方面より、ただこの二県だけの被害を見ても非常に多いのであります。こういう現状から見ますと、従来とも利根水系の群馬、栃木と、岩手宮城県というものは東西の被害の両大関であつたのであります。しかるに今回一方だけを取上げて一方を閑却するという点に、われわれ何らか政治的な問題があるのではないかという感じを持つのであります。この点は先刻も佐々木委員からお尋ね申し上げたところでありますが、北上川治水の問題は古くから問題になつております。かつて北上川の水量は五千石が最大水量であつたというとの基本の上に立つて北上川の下流の宮城県下はりつぱな堤防ができております。しかるにその後の水量のありさまから見まして、七千石の水を何とか持たせるようにということで、上流岩手県下において五箇所のダム計画いたされました。それが戰時中中止の運命になつたのでありますが、今回二つのダムだけが計画されております。そのほか北上本流に対してはまつたく原始河川のまま放任されているのでありまして、この五つのダムができますのは何年の後か、今日の状況で見ますれば今後二十年以上もかかると思うのであります。そういたしますれば、その間に無抵抗区域というものは年々わずかな水害のためにも莫大なる被害をこうむるという現状であります。こういう現状から見まして、さらにまたカザリン台風の際の水量から見ますと、かつて七千石の水量によつて計画した五つのダムでも吸いきれない、カザリン台風、アイオン台風の際には九十石あるいは一万石という水量に達しているのであります。これは何によるかといえば、降雨重の多いこともその原因でありますが、一つは山林の荒廃の結果、土砂の流出によつて水量を増大しております。これらを見ますと、今日までの計画ではとうてい北上川治水は成立たぬ現状であります。これを放任しておつて、そうして一方において利根川だけを取上げるということは、この二大災害地方を取上げる際に一方だけをとつて、一方を残すということはどういう考えでこういう計画をなされたか、これをまずもつてお伺いしたい。また国土総合開発審議会というものができておるにもかかわらず、單に安本当局の独自のお考えによつてこういうことを取上げられたというところにも、われわれは疑惑の念を持つのであります。よつてこの二つの点について説明を願いたい。かつまた今回の予算を見ますと、利根川は五箇年でこれを完成する、北上川はすでに計画も立つておるにもかかわらず、この五つのダム計画が何年のうちに完成するか、しかも五つのダムができても、なお二千石ないし三千石の水量をいかにして防ぐかという計画が一つも立つておらぬ。この現実を無視して、單に帝都に近いとか、あるいはまた災害が目の前に、側近にあるということのために、この間に軽重をつけるということははなはだ納得が行かぬのであります。この点につきまして安本長官及び建設大臣の明確な御答弁と御意見を承りたいと思います。
  29. 周東英雄

    ○周東国務大臣 淺利さんの御質問にお答えしますが、まだ全体的にも予算がきまつておりませんことを前提としてのお尋ねでまことに恐縮であります。私どもは今日の日本の現状からいたしまして、どうしても国土が水災害によつて消耗、減損されることを防ぐことが、一番資本の蓄積を要求し、また蓄積された資本の破壊されることを防ぐことから行きましても、必要だという立場に立つて、総額の費用の増額を要求し、相談しておる最中であります。まずもつてわれわれは総額がふえなければ、今のようなお話があつても、きまらぬ前からあつちにもくれ、こつちにもくれといういろいろなお尋ねは、まことにごもつともでありますが、恐縮いたす次第であります。これは御意見ごもつともでありまして、努力をいたしたいと存じておりますが、これも結局お話によると北上をないがしろにして利根を重じておるのじやないかというお話でありますが、お話通り、北上、利根そう他まだございますが、これをまず中心的にやらなければならぬということについては同感であります。しかしそのことは総額の費用が幾ばくにきまるかということと関連しておる問題でありまして、その上におきまして、どこにまず手をつけて行くかということに入つて来ると思います。決して利根川を先にやつたために北上を軽視したというようなことはないのでありまして、この点につきましても御了承いただきたいと思います。まず総額を現在の日本の財政状態においてもふやさなければ実際は問題にならない、この点については御了承いただけると思う。ふやすについてもおのずから限度がある。その限度によつてそれぞれの地区が入つて来ることになるのではないかと私は思います。ことに私どもの考え方は、今までのように金が少いものを総花式にいろいろの関係があるからといつて、あつちにもこつちにもわずかなものをわけて、そうして徹底を欠くということよりも、何か一つまとめて総合的な立場において進めて行くことがよくはないかという気持は持つております。この点を御了承いただきたいと思います。  また国土総合開発審議会を無視したというお話でありますが、これは審議会等の御意向もかかつておりますし、今の財政との関係をにらみ合せて、こういうものをやつたらという意味において交渉しておる最中でありまして、まだ決定しないので、とれるかとれぬかまだわからぬときに、あることを前提としておしかりは恐縮する次第であります。今後総額について努力いたしまして、その上ですべての関係が入るようになることを私は希望しておる次第であります。
  30. 淺利三朗

    淺利委員 ただいまの御意見でほぼ納得はいたしたのでありますが、新聞ははたして安本の真意を伝えるかどうかわかりませんが、一方においては利根川治水総合開発計画を樹立し、しかも二十六年度の予算において水力の計画を第一期に着手するということが明らかにされておるから、私の質問が出たのであります。要するに全国の被害全体を見渡して、ある局部だけに集中して一局部を完全に直すか、あるいは全国を全般的に見渡してそのうちの重点的のものを取上げて普遍的に一番被害の多いとろに金を振り向けるかという根本の問題がはつきりしなければならぬと思うのであります。もしこの計画のごとく、利根川は五箇年の間に全部完成した、しかもこの利根川水系だけに何百億の金を集中することになりますれば、今日の日本の国家財政の上から見れば、ほかの各府県、各水系災害というものは、その間何年か犠牲になるという結果になると思うのであります。そういう点を勘案しまして、安本当局総合開発の点において、また各予算の調整の上において重要なる任務があるのであります。そういう意味から申しましても、どうぞある一箇所だけに集中したというような、そういう不公正な予算措置をとらずして、もし予算を編成するならば、建設当局が常にこの河川の問題につい力を注いでおるのでありますから、建設省意見を十分に取入れて、いずれを重点的に見るかということについては、主務大臣意見を重視して、その間に調整をはかるという方針でやつていただいと思うのであります。ただいま伺いますと、またこれは未定の問題であるということでありますから、これ以上追究はいたしませんが、私どの希望するところは、そういうふうに限られたる財政の上においてある一局部だけに集中して、そこだけを完成するというような態度に出ないように、特に強く要望しておく次第であります。他の委員の方からの御意見がありましようから、私は大体この程度にとどめておきます。
  31. 増田甲子七

    増田国務大臣 今の淺利さんの御質問はごもつともでございますが、先ほど佐々木さんにお答えいたしました通り建設省として、あるいは政府としては、未開発後地域とか、あるいは特殊災害地帶といつたようなものを十箇所ぐらいどうしても改修したいという点がございます。しかしながら予算その他の財政の関係上十箇所並び行うということはできないので、今周東君のお答えいたした通り、やはり総花主義というようなことは、いつまでも開発あるいは保全が遅れておる理由にもなりますから、重点主義でやる必要もある、但し、本年度ある地点ある地点を取上げましても、できるだけ財政の余裕をつくりまして、今度は、来年はまた二、三箇所やる、さらに再来年はまた二、三箇所ふやす、そうして並び行つて行くというふうに私どもとしてはいたしたいと思つております。  それから安本長官と私とはよく連絡をして、従来から予算要求なり何なりについて緊密に、ことに安本長官建設計画については非常なよき理解をもつて協力してくだすつておりますから、淺利さん、その点は誤解遊ばしませんように、御理解くだすつておると思いますが、どうぞ御放免を願いたいと思います。
  32. 内海安吉

    ○内海委員 ただいま淺利さんの御質問があり、御両所の答弁で満足するのでありますが、特にこの際安本長官に承つておきたいのであります。安本長官は就任早々、特に一割増産を基本としたるところの建設第一主義をとつておられます。これがためにはあらゆる難関を駆逐しても、この建設という方面に力を入れて行きたいというお言葉には、常にわれわれ敬服しておるところでありますが、ちようど二十四日のアメリカの歳出委員会において、日本の道路建設のために、アメリカが二千二百万ドルという莫大なる金を出すことを可決されております。これはアメリカのためではなく、日本のためにやるということに決定されておるようであります。われわれが常に考えておるのは、要するに道路の整備なり完成なりということは、その国の文化のレベルを表徴するものであるということであつて、まことによいところに気がついてくれたということを感謝しておりますが、これらに関して、昨日安本政務次官との間に質疑応答を重ねたのでありますが、これに対する安本長官としてのお考えなり、あるいは情報なりをまず伺いたい。  第二の問題としては、なるほど干拓あるいは開拓、あるいは農地、耕地の改良ということはまことによろしいことである。けれどもこれが基本をなすものは何といつて河川改修、あるいは砂防工事、あるいは道路の整備というものをおいて大体増産計画というものは成ち立ち得ない。どうもいろいろな情報や報道によりますというと、安本長官としてはややもすると農林方面に傾くがごときことを聞いておるのであります。これは委員の中においても多少その疑問を持つておるのでありますが、この機会においてぜひとも建設第一主義をもつて臨まれる。増産一割を堅持せられるとするならば、農業の方面もとより重大でありますけれども、その基本的な方針は土木事業に置いて、しかる後に農業方面に手を伸ばされることが順序ではないか、こう思うのでありますが、これに対する確固たる御意見を承つておきたい。
  33. 周東英雄

    ○周東国務大臣 お答えいたします。ただいまのアメリカにおいて二千数百万ドルを日本の道路改修のために出すという決議については、まだ具体的に聞いておりません。そういうことが具体的になつて参りますれば、非常に喜ばしいことであると思います。ただ私どもはそういうことのあるなしにかかわらず、道路の改修というものについては、もう少し今までの行き方を検討し、河川等の施設を推進して行くことが必要であろうと考えます。これは失業問題の解決になるのみならず、産業、道路として日本の産業推進の上に必要であるということは当然でありまして、すでにその意味において予算の編成に当つておる次第であります。  なお第二点の問題でありますが、ややもすると増産第一主義で農業関係が多くなつて河川との関係比率を失しはせぬかとの御質問はしばしば受けます。これはそういう色目で物事を考えてはいかぬのでありまして、私はいやしくも今日職を奉じておる以上、日本の産業を積極的に推進するために処置をいたしております。一方において主食の増産ということは、日本の需給度を向上する上において考えなければならぬことであります。しかも一部に言われておるがごとき食糧増産そのものが、常に陸上における米麦等の増産に傾くことそれ自体においても考えなければならぬ点かあるのであつて、食糧増産中心、それだけであつてはいかぬということは私の持論であります。そういうことを考慮しつつ考えて行く。まだ河川問題について、これが第一とおつしやつたについては、私は多少異論があります。私は根本において水を治むるもとは山にありという信念を持つております。たまたま日本の山が荒れるにまかされてある。洪水についても手がついていない今日、治水の根元山にありといつても、山の緑化が一日にして完成するものでもなく、山腹砂防が一日にして完成するものでもありません。そういう場合において、山と川との施設は並行して行くものであります。もとより場合によつて河川の問題を優先的に考え、場所によつて山を治めることを第一に考えて行く、こういう点は十分考慮しておりますが、一概に山が先だ、川が先だという考え方自体がいけないのであつて、本来において水の性質からいえば、山を治めて行くことが中心であると考えます。私がそういうことを申し上げるのは失礼でありますが、ほんとうにその点はよく考えて行きたいと思つております。予算面に現われたる数字というものを今後よくごらんを願いたい。ただ私はいつも言われる、かつて比率が川が何ぼで農林関係が何ぼという、その比率考えを進めて行くということ自体に誤りがあると考えます。一つの参考にはなりますけれども、緊急必要なところからやるという実質的な考え方で進まなければならぬ。かつて七と三の比率であるから、今後もその七と三の比率を続けるということは誤りであると固く信じております。
  34. 内海安吉

    ○内海委員 私は長官から承るまでもありません。もとより治山治水というものは一にして二ではありません。そこで私はもう一つ掘り下げてお聞きしたいと思います。建設省は大体河川をやる、農林省は山をやる、しかるに河を治めるためにはもとより山腹砂防は必要であります。またその他の方面においても必要であるが、どうしてもこれは不可分の関係になつているものでありますからして、この機会において百尺竿頭一歩を進めて、山林というような問題について、山腹砂防の見地からいたしまして、これは当然建設行政の一本化が必要であると思います。たとえば港湾行政のごとき、あるいは山林行政のごときは当然建設省一本でやるべきものと考えるが、この点に対してどうお考えになりますか。
  35. 周東英雄

    ○周東国務大臣 一応ごもつともなお話であります。これについては行政審議会等において愼重に研究されると思います。私はこれをやる場合において、よほど愼重に各般の事態を勘案して行政機構は定むべきものであると思います。私はいずれがいいとも悪いとも申しませんが、ただお話のように、治水関係砂防工事、山腹の砂防というものだけをとらえて一つにするというお話であるとすれば、よほどこれは考えなければなりません。私は国土の保全に対する森林行政は砂防行政だけでなく、同時に農地問題については農業政策に関係しているものであると思います。あなた方も御承知のごとく、薪炭林なりあるいは下草の問題なり、また将来における農地の拡張の場合における林野をいかなる形に持つて行くか、林野行政、また原野の問題と森林行政、山の問題というようなものとの関連もあります。またこれは水産行政とも関連していることは、御承知通り魚付林とかいうような関係もありますので、そういうようなことを考え合せつつ、全般的に一本にすることが正しいということならば、国土保全の立場からやることも必要であります。しかしそのときは当然農林行政、林野行政との調整を考えつつ処置すべきであつて、單に山腹砂防という面だけをとらえて御議論になるならば、私はもつと愼重に考慮すべき余地があると考えます。
  36. 内海安吉

    ○内海委員 これは過去三年間にわたつてそういう問題が起つている。いわゆる農林省建設省が常になわ張り争いをする、こういう官庁のけちなセクシヨナリズムを廃したいからこそ、われわれは総合国土省なり、あるいは国土開発省なりというものをつくらなければならぬということを、しばしばここで説いておる。決して今長官のおつしやつたような、治山治水をわけるとかいうけちな考えで御質問申し上げておるのではありません。安本長官ともあろう者が、少くとも行政審議会に先んじて、こうすべきであるというような案を提出してこそ、安本長官としての地位にあるべきものだと、私は考えます。私は治山治水とわけてと、そんなけちな質問はいたしません。どうぞそのおつもりで、できるならば行政審議会などに対して、かくしなければならぬというような積極的な——建設第一主義をもつて進まんとする長官でいらつしやるならば、ぜひともそのお心構えをもつて進まれんことを希望いたします。
  37. 周東英雄

    ○周東国務大臣 ただいまの問題については、冒頭に申し上げましたように、機構の問題については、大きな立場から愼重に考慮されておるということを申し上げておきます。ただその点については深き考慮がいるということであつて、こまかいことは申し上げたくないのであります。
  38. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 ちよつと周東長官に私から一言申しておきたいのですが、内海君との話の間にそぐわぬところがあるというように思うのだが、実は今度の一割増産に関連して、二百億、三百億というものを農林土木でやつて行くというような声が非常に強い。そういう場合において、農林土木だけでその一割増産というものが達成されるものではない。結局建設行政の面で担当しなければならぬものが多いのである。その際において、これを安本長官として公平な立場からやつてくれ、こういう意味ではないかと思う。ことに私が切実に感じたのは、今度の宮城県の災害でも、農林省で数百町歩の遊水地帶の干拓をやつておる。そうして干拓をやつたがために河川をめちやめちやにしている。しかも河川の行政というものを全然度外視して、あそこに干拓をやつたことが今度の一つの原因をなしておると思う。今度千葉県の印幡沼に厖大な経費を投じて改修して、その印幡沼の水を利根川に落すという考えがもし農林省にあるとするならば、治水の問題と農林行政の問題とはいつも衝突して来なければならないのですから、こういう点に安本長官として公平な立場から、建設行政をさしむき一元化することができなければ、その仲介役として十分マッチし得るように努力願いたいということがみんなの希望なのであります。
  39. 周東英雄

    ○周東国務大臣 ただいまの点で私先ほど申し上げたのですが、おわかりが至らないと思います。二百億ふえるとか三百億ふえるとか、農林に持つて行くとかいうことは、一言も言つておりません。新聞には出たが、それはきまつておりませんし、しかもそのものについて、一体常識的に見てそういうことはできません。これはあまりに新聞に出されて誤解を招いたり御心配を招いたことは恐縮でありますが、私自身は新聞に一割増産とか、予算を全部持つて行くとかいうことを話したこともなければ、何がどういうふうになるということを申し上げたこともない。これは先ほど申し上げたように、予算がきまつて、その内容をごらんになればよくわかるだろうと思います。
  40. 砂間一良

    ○砂間委員 私は災害の問題について政府の根本方針をお伺いしたいと思うのであります。近年における日本災害は、いまさらあらため申し上げるまでもなく、年々累増して行つております。政府災害の総額として発表されておりますものは、おもに公共事業費関係としての災害でありますが、しかし民間の、たとえば民家が流出したとか、あるいは農作物が被害をこうむつたとか、こういう被害の総額を見るならば、年々数千億の災害が起つて日本の国富が消耗されて行つておるわけです。しかもそれが年々増加して行く、こういう現状におきまして、政府はこの災害対策について一体どういう方針を持つておられるか、このことはきわめてわかり切つたおかしなことをするように思われるかもしれませんが、しかし客観的に言うならば、年々そういうことになつておる。いつも私どもが聞かされることは、政府はそういう災害に対して、大いに努力する、あるいは善処すると口先では言つておられるのでありますが、その次に言うことは、予算がないとか、あるいは全体の財政が許さぬとかいう言訳ばかりであつて、実際においては年々国土を荒廃させるような結果になつておるのです。周東安本長官でも増田国務大臣でもどちらでもけつこうでありますが、單に所管大臣としてではなくて、内閣を代表して、政府の閣僚として、政府の政策としての災害についてどうしたらこれを治めて行けるかという根本方針を、まず第一にお伺いしたいと思うのであります。
  41. 増田甲子七

    増田国務大臣 周東君があとでまた安本長官の立場から御答弁になると思いますが、私は災害関係に主たる職責を持つ大臣の立場から御答弁申し上げます。  その前に内海さんの御質問のうち私の答えるべき点があるかと思いますから、お答え申し上げますが、災害の予防とか、あるいは食糧の増産とかいうことについて、特に基本的の土木事業が大切であるという点は、私は全然同感であります。この点はむしろ周東君は従来の比率などということにとらわれずに、重点のあるところに力を入れて行くという非常に理解を持たれた態度に出ていらつしやいますから、いろいろ御懸念くだすつて、私は淺利さんといい、内海さんといい非常に感謝にたえません。そういう立場で周東君は臨んでくださつたのです。どうぞその点で御了解願いたいと思います。  それから砂間さんにお答え申し上げますが、終戰後災害が非常に頻発いたしまして、私どもこれを担当しておる者としては、罹災者に対して何とも恐縮にたえない心持であります。実は私も天気予報のことを毎日心配しておりまして、明日も北九州へ台風が上陸するというが、一体どんな模様であろうか、風速はどのくらいであるか、雨量はどれくらいであろうかということを、私は気象台に問合せもしておりますし、また九州地方に警告を発しております。こういう実情でありまして、台風と日本があまり仲よくなり過ぎまして、罹災が非常に広範囲に及ぶということについては非常に心をいためております。その点で濫伐過伐ということが言われておりますが、濫伐過伐はもとより私はその原因であると思つております。これは一つの標語みたいな意味で濫伐過伐というようなことを言つておられると思いますが、もう一つ大きな原因がある。これは閣議においても私は国務大臣としての立場において、ぜひとも注意を喚起したいということをせんだつて二度も発言したのでありますが、それは軍国主義時代に日本は軍事費の方に金を投じ過ぎまして、河川改修費というものにはあまり金をかけておりません。むしろ放擲しておつた。一面において濫伐、過伐がある。この二つが原因であります。普通ならあの堤防くらいならば耐え得たであろう。ところが堤防が疲れております。また自然河川がきわめて多い。堤防に金をかけていない。河川の維持費に金をかけていない。軍事費その他の方面に金をかけておつて、国土保全の方面に金をかけていない。それから自然河川が非常に多いというのは、これまたいらざるところへ金が行つてつて、国土保全なり、暗渠排水なり、そういう方面に金が向かなかつた。そこで結局濫伐、過伐と両々相まつております。根本はもちろん治山でもありまするが、また堤防なり、護岸なり、堰堤なりを、あるいは渓流砂防なり、山腹砂防なりをもつとしつかりやれば、災害がこれほどまでに——私は従来だつてもつと台風が来たのじやないかと思うのです。ところがこれほど災害はなかつた。終戰後特にひどいのは、やはり十箇年間の積悪がこの際現われて来たのじやないか、こう思つております。そこで本年度の予算を見ますと、去年の予算公共事業費の六百億に対して、本年度は九百七十億、約千億になつております。これは非常やに日本が平和国家になつた一つの恩沢である、恩惠である、こういうふうに私は平和国家になつたことを感謝しております。そこでこれを最大限度果すことは、一面平和国家になつた象徴というものはやはり公共事業であるから、この方へうんと力を入れて、ぜひとも平和国家の実を現わしたい。国土保全を開発に先だつていたしたいというのがわれわれの考えであり、せんだつて以来新聞に出ておる周東君や廣川君の考えだ、こう思つております。二百億云云というのは一種のデマであろうと私は考えております。御承知通り公共事業の査定安本長官がいたしますが、今まだ安本長官のところで査定中でありまして、農業増産を一割増いたしたところで、どうせ——たとえば私が宮城県で見て来たところによりますと、弱体堤防へ堅固な用排水なり、取入れ口をつけておりますが、それが全部ひつくり返つております。弱体堤防へ土木事業費を投じたところで何にもならない。結局罹災者はみんな言つております。いろいろなほかの農業改良費や何か投じなくてもいいけれども、せめて冠水、流失、埋沒を防ぐ。ほとんど十年間は七回冠水があり、あるいは埋沒があり、流失がある。政府はほかのことをやつてくれなくてもいいけれども、自分の田や、自分の畑に水がかぶさることを予防してくれ、こういうことを言つております。それから政府がせんだつて閣議決定できめた農業の一割増産、この中にはもとより基本的土木事業も入らなければならぬ、また入るものであるというふうにどうか淺利さんも、内海さんも、砂間さんも御了解願いたい、こう存ずる次第であります。安本長官としては最も理解ある態度で臨んでおるということを私から重ねて申し上げて私の答弁の結びといたす次第であります。
  42. 砂間一良

    ○砂間委員 建設大臣が台風の来るのを気象台へ問合せて戰々競々としておる、そういうこと自体がまつたく備えがないというか、国土保全について不十分である証拠であると思うのですよ。それは濫伐、過伐もありましよう。堤防の弱体化もありましよう。さつきからくどくどと説明されておりますが、そんなことは説明を聞かなくてもわかつておる。そういうことは技術者の立場からすれば、どうやつてこれが防げるかということは一応方針が立つていいと思うけれども、それを政府が実行できないというところに今の政治力の貧困というか、あるいは内閣の政策の間違つている点があると思うのですよ。それほど重要性を持つと認識しておるならば、たとえそれが六千億の予算が三千億、二千億に減つても、そのうちで何を重点にしてやつて行かなければならぬかというところに結論が出るはずです。ところがいざ予算を編成するときになると、ちつともそういうところに——実行面に今の政府の政策が現われておらないのです。私どもは何も各省予算ぶんどりのお先棒に使われたくはありません。そういうふうな立場から申しておるのではないのですよ。しかし今一番日本の政治にとつて重要なことは、この災害の根本的対策である。そうして少くとも今の重要な政策の一つであるということがはつきり認識されておるならば、他の冗費を節約してもこつちの方へ重点を置くという政策が当然出て来るべきであると思う。ところが毎年度の予算編成を見ておりますと、たとえば債務償還であるとか、急ぎもしないような債務を償還してみたり、あるいは警察予備隊等を設置して数百億の金を使う。そういう方面には、私どもから見れば不必要と見えるような方面には、莫大な費用を投じておきながら、いつでも金がない、予算がないという形でこつちの方面がおろそかにされておる。あるいはことしの建設省予算要求額を見ましても、実はその中自体に至つても、ずいぶんそう急がなくてもいいと思われるような費目があるのです。一例をとつて申し上げますならば、たとえば都市局の予算の中にも、広島だとか、首都東京とか、別府、熱海とか、旧軍港、こういうような各都市の建設のために四十億近くが見積つてあります。それはりつぱな都市をつくることも必要でありましよう。くるいは熱海や伊東に外国人が来て喜ぶようなダンスホール、キヤバレー、ゴルフ場をつくることも必要でありましようけれども、一方において堤防が決壞して数千町歩の耕地が全然荒廃しようとしておる。あるいは民家が流れてまつたく生活すらもできない。こういうような状態のときに、何でそんなキヤバレー、ダンスホールをわざわざ外人が入るためにつくる費用が必要であるか。こういう点から見れば、まつたく緩急というか、その順序を誤つていると思うのですよ。そういうふうな政府の方針であるならば、いつまでたつてもわが日本災害を未然に根本から治めるという政策は実行できないと思うのです。そういう点に、私どもとしては今の自由党政府のやつておることに、ちつとも了解ができないところがあるのです。大体今の政府大臣のやり方は、国会を非常に軽視しておりまして、そうして勝手に上の方で、閣議で予算をきめた上で、それを国会に出して、もう予算がこういうふうにきまつたんだから、このわくの中で協賛しろというふうな形で持つて来るのですが、少くとも今予算編成期にあたつて、重要なときには、国会に出て来て、委員会でも開かれれば毎日先頭に立つて大臣が出て来るくらいの熱心さを示して、こういうふうにやりたいと思うがどうだろうというふうに行くのがあたりまえだろうと思うのですけれども、きのうもおとといも災害対策委員会が開かれても、大臣なんかどこへ行つて晝寝しているのか、一向出て来ない。そういうふうなやり方なんです。そうして委員長に聞くと、ここ二、三日が予算の山だから、閣議で決定したら何とかやつてくれるだろう、閣議で決定して、こういうふうに決定したからお前たちその通りについて来いと言われたつて、それではついて行けつこない。それこそ今の国会を無視しているやり方だと思うのですよ。そういうふうな点にも今の内閣のやり方が間違つておる点、本末を転倒しておる点が現われておると思いますが、少くとも来年度の予算編成にあたつては、災害を根本的に治めるという点に重点をおいて、そうして努力してもらいたいと思うのです。時間がありませんのできようは簡單にこれくらいにしておきます。
  43. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 私も時間がないという委員長からの注意もありましたから、簡單に大臣にお伺いいたします。  私は先ほど大臣が遊水池なんというものは、むやみにつぶすものじやない、こういう話がありまして、それに便乘するのじやないのですけれども、あの利根川の取手町の近くに田中遊水池があります。あの田中遊水池を、あれは多分建設省の方の予算だろうと思うのですが、あれに大きな堤防を築きまして、そのために茨城県側の方の堤防にも大きな圧力をかけます。茨城県側のたんぼにも大きな被害を及ぼしておりまして、茨城県側の農民からは、あれは怨嗟の的になつておる。同時にあの調節がきかないために、小貝川の方の川口にも相当大きな圧力を加えておるということは、專門家筋からも言われておる。ところが県の土木課から言わせろと、いやあれは遊水池をなくしても大丈夫なのだ。一定水準まで水が来ると、あの堤防を越して干拓の方へ入るようになつておるのだ、だからかえつてその方がいいのだ、こういうふうに言つておりますけれども、長年水に経験を持つております地元の人たちの意見は、あの堤防はあれはこわすべきだ、干拓をやりましてもその方は作物は一物もとれない。だからあの堤防に対して莫大な予算をかけるならば、それだけの予算を小貝川の堤防の増強の方にまわしてもらつた方がよくはないか、こういうようなことを言つておるのであります。ひとつこの点に対して大臣の御意見を第一に伺いたい。  それから第二は、この間新聞にも出ていたことでありますが、先ほども問題になりました上流の山を治めるということが大事だ。ところが栃木県の塩原付近の箒川の上流でありましようか、そこに国有原始林があつて、そこの営林署が百三十町歩、三万三千石の木材を切り出しておる。これが大きく影響して、莫大な損害を下流に與えたというようなことが新聞に出ておるのであります。無数のがけくずれがあつた、田畑が五十町歩も流失した、百町歩もそのために冠水したと言われております。さらにまたこの営林署ではこの辺の国有林を今後十年間計画で一千五百町歩、十六万石伐採計画があるというのであります。これに対しては栃木県の小平知事が大分営林署に抗議を申し込んだそうでありますが、こういうふうに農林省の方では国有林の伐採ということを、治山治水という大きな目的から考えておらないでどんどんやつておる、現実にこういう事実がある。また聞きますところによると、秋田木材に対しても相当莫大の、何か特別需要の木材の注文がありまして、そしてそのためにこれを完成すると、秋田県の国有林がまる坊主になつてしまうのではないかというような話さえ伝わつておるのであります。これは明らかに現在の政府治山治水計画というものが、一貫して行われていないということの証拠だろうと思うのでありまして、こういう点について第二に大臣の御意見を伺いたい。  第三は、今いろいろ予算が問題になつておりますけれども、いくら予算を組みましても、その予算の中からはなはだわれわれとしては解しかねる方面へその工事費が流用されなければ、工事が進められないというような実情があるということ、これはこの前大臣に、あの最上川上流工事事務所の問題でお伺いしたのでありますが、ああいう問題もある。ところがこの最上川上流工事事務所の幽霊人夫の問題を、だんだん調査して参りますと、実はこれはそこの所長や何かの不正ではなくして、制度上の欠陷なんだ、どうしてもそういう幽霊人夫を使わないと工事が進められないようにできている。政府予算がない、超過勤務手当もこれは支拂わない、生活建直しの資金も政府の方ではくれない、旅費なんというようなものもほんの少ししかくれておらない、だから各官庁との打合せの出張にしても旅費がない、旅費がないから幽霊人夫をこしらえて、そして旅費を捻出してやつて行かなければならない。あるいは上級の官庁からいろいろ調べに来る、総理大臣の代理が来る、安本が来る、それから建設省が来る、何が来るというわけで、とにかく大体六つか七つの官庁から視察に来るそうです。これの接待費、書食代、これもいくら節約いたしましても相当莫大な金がかかる、そういう制度上の欠陷から、やむを得ず幽霊人夫というようなものもつくらなければならないのであつて、あながち現場の人たちが女を買つたり、酒を飲んだりするために不正をやつたのじやないのだというような事実が、最近出ているそうであります。とすると、これはゆゆしき問題だと思います。せつかく国会の方でいろいろ審議をして、工事費はこれだけでこれだけの工事量ができるはずだといつて予算を組みましても、そういつたような給與部面、こういう方面に工事費が流れて行くというようなことでは、これではせつかくの予算も工事の進捗、災害復旧、あるいは災害の防止という有効部面に使われないというような結果になつて来るのであります。こういう点について大臣として、そういう制度上の欠陷をお認めになるならば、それをどういうふうに直そうとしているのか、そういうこともお伺いしたいと思うのであります。
  44. 増田甲子七

    増田国務大臣 池田さんにお答え申し上げます。その前に、砂間さんにお答えいたしたいのですが、大部分は御意見のようでありますからお聞きいたしておきたいと思いますが、ただ政府がこのごろ新聞にあれほど出ておる——私の名前はあまり出さないようにしておりますが、ああいうふうに出して一種の論戰をしておるというのも、公共事業費第一主義でやつておるからであります。総花主義で行つたのでは結局いけないから、予算の実質的の部分は公共事業である、国土建設なり、保全なり開発が一番大切であるというわけで、閣僚なり党のわれわれの認識が同じでありますから、公共事業のことが結局新聞の論題になつておるのである。これはほかのことを放擲していいというわけには行きませんが、重点は公共事業に置かなくちやいけない、国土の保全なり建設に置かなくてはいけない。そして一般民衆に安居楽業してもらはなければいかぬということは、全然砂間君と同じ考えであります。しかしながら九州にあした上陸するであろう台風のために、増田建設大臣が心配しておるようではいかぬ、そんなことはけしからぬじやないかと言つたところで、十数年間ほつたらかしてあつたのですから、この次からの台風の被害を完全に防止しますというわけには行きません。ただあなたのお怒りになる点も、私ども実際怒りたいくらいです。河川改修費はできれば三千億この際計上して、それから砂防費を三千数百億計上して、合計七千億計上できたならば、およそある程度——千ミリバールというような高度の低気圧は困るかもしれませんが、とにかくある程度の台風被害は防止し得る、ぜひとも重点的にやつてほしいということで、これは実際憤りを発するくらいにわれわれも考えておりまするが、やはり財政の関係上やむを得ない点もある。しかしながら政府も、政府の背景である與党も、公共事業第一主義であることは御承知くだされていただきたい、これははつきり御答弁申し上げます。  それから池田さんに御答弁を申し上げます。第一点はあとで河川局次長から申し上げます。  第二点の山林関係で、濫伐、過伐が現在もあるということがもしあれば、これは非常に不届きでありますから、農林省とよく連絡をとりまして、戰争のときでもう濫伐、過伐はたくさんでありますから、その後の濫伐、過伐はぜひともやめてほしい、こういうことは強く私は主張するつもりでございます。  それから最上川の点の超勤というものは、この間内閣委員会でしたか、人事委員会でしたかで、正直に言つて、私官房長官のときにとつちめられて、あとで社会党の赤松君に訴えられたこともありますが、とにかく事実上の超勤と予算上の超勤とを合せなければいけないということを、正直に私も言つております。結局あんなことをしておるから、何か悪事をしなくちやならないような要素を一つつくつておるとも言えないこともない。池田君と全然意見が同じというのではないけれども、とにかくある程度私は同感できる、こう思います。そして偽善をしいたならば、結局接待費なんかもうまるつきり物の数でないような費用です。建設省が第一そうなんで、ぼくはびつくりしてしまつたのですが、まず建設委員皆さんを一ぺんお呼びすればあとはなくなつてしまう。ほかは何もないからどうするのだ、どうするもこうするも、大蔵省予算をくれないのだ。(「やめればいいじやないか」と呼ぶ者あり)やめればいいじやないかという御質問ですが、とにかく土木出張所に六回も七回も行かなければいいじやないかということは言えない。やはり六回も七回も検査に行く。そうするとほつたらかして置くわけに行かないから、われわれはあまり人に偽善をさせないような、事実上の要求だけは満足させるように、大蔵大臣考えてほしい。ことに超勤のごときは、文書偽造その他のことをやるといけないから、ぜひとも事実上の超勤にマツチするごとく超勤手当を支給せよ、これは官吏の給與の悪い点につけても、われわれは給與の実質賃金を高めるという点からも、あなたと同感でありまして、強く主張しておるところであります。
  45. 伊藤大三

    伊藤説明員 田中の遊水池の問題でありますが、先ほど大臣が遊水池をつぶすことは反対だと言われたことは、決して遊水池をつぶす意味でなく、遊水池を有効に使いたいという意味で、あれはつつておるのでありまして、実はその中洪水の場合におきましては、水を入れないようにして下に流して、一定の高さの水まで来ましたときには、これをオーバーさせて、その頭をあそこへ有効に貯水する。もし堤防をつくつておかなければ初めからたまつてしまつて、大洪水のときの頭を切ることが困難であるという建前からそれをやるのだ、かたがた中洪水の場合におきましては使えるだけあの中を有効に使う。これは洪水の場合だけでなく耕地としても使える、一石二鳥をねらつてつたわけであります。ただまだ工事が十分に完成しないために、中洪水のときにすでに入つてしまつて、洪水の頭を切る場合にもう満水であつたという場合もありましたために、いろいろ問題を起しております。計画はそういう計画でございまして、決して遊水池をつぶして耕地にせよという考えでやつておるわけではございません。
  46. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 遊水池の問題ですが、それはやはりもつと詳しく、水量や水勢、そういうものの資料をひとつ出していただきたいと思います。それによつて私研究いたします。  それから先ほど大臣の御答弁ですが、私どもが衆議院や何かから調査に行きましても、相当ごちそうになります。大臣行つてもやはりごちそうします。これは大臣はふだんごちそうを食べておりますからごちそうになりたくないでしようが、地元としてはいわゆるごちそうがしたいというわけで、相当の費用がかかる、ああいうことはこれからわれわれなるべくやらないようにしたいと思う。それで衆議院は衆議院でちやんと十分なだけの旅費をもらつて調査に行き、地元に負担をかけない、これを建前として進んで行きたいと思いますから、大臣の方も、大臣を初め部下にも、各工事事務所などに視察に行く場合には、絶対にビールなどの接待を受けないように嚴重に言つていただきたいと思います。
  47. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 簡單にお伺いしたいと思います。大体公共事業を盛んにして、災害その他を未然に防止し、また経済力の発展を期さなければならないということは、これはもう議論はいらないと思います。そこで来年度の予算では、財政規模を圧縮しなければならない、さらに税負担に困つているから減税をしなければならない。しかも先ほどから議論されておりますような、公共事業を大いにやらなくちやならぬ、魔術を使わなくちやならぬというような苦労をされておると思います。私どもも党の方で苦労をいたしておるのであります。そこでどこから持つて来るかというと、債務償還を打切つたり、補給金を削つたりしてやるが、それは税金の方で何とか減らさなくちやならぬ。きようのマッカーサー元帥の声明では、日本の占領目的は達成されたと言明されておるのであります。  委員長ちよつと速記をとめてください。
  48. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  49. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 速記を始めて。  本日はこれで質疑を打ち切ります。次回は、閉会中に開会する事態が生じましたならば、在京の理事相談いたしまして、電報なり電話で御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十八分散会