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1950-07-21 第8回国会 衆議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十一日(金曜日)     午後二時五十一分開議  出席委員    委員長 藥師神岩太郎君    理事 内海 安吉君 理事 鈴木 仙八君    理事 田中 角榮君 理事 前田榮之助君       淺利 三朗君    今村 忠助君       宇田  恒君    上林山榮吉君       小平 久雄君    瀬戸山三男君       内藤  隆君    西村 英一君       三池  信君    山本 久雄君       中島 茂喜君    福田 繁芳君       増田 連也君    佐々木更三君       砂間 一良君    高倉 定助君  出席国務大臣         建 設 大 臣 増田甲子七君  委員外出席者         建設事務官         (住宅局長)  伊東 五郎君         建設事務官         (住宅局住宅金         融課長)    前田 光嘉君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君 七月二十一日  委員井之口政雄君辞任につき、その補欠として  池田峯雄君が議長の指名で委員に選任された。 七月二十一日  京都国際文化観光都市建設法案田中伊三次君  外十六名提出衆法第二号)  奈良国際文化観光都市建設法案東井三代次君  外十五名提出衆法第三号) 同月二十日  福島、大渕両橋を永久橋に架替促進請願(川  野芳滿紹介)(第一八号)  宮崎、延岡両市間国道路線変更請願川野芳  滿君紹介)(第一九号)  御津、吉備両郡下災害地砂防工事施行請願  (大村清一紹介)(第二〇号)  新倉身延間県道奈良田まで延長並び新倉、  奈良田間道路改修請願樋貝詮三君外一名紹  介)(第二一号)  阿武隈川下流改修工事促進請願庄司一郎君  紹介)(第二二号)  五ヶ瀬川を河川法適用河川に認定並びに国直轄  改修工事施行請願佐藤重遠君外四名紹介)  (第二三号)  千谷島地内信濃川に堤防築設の請願田中角榮  君紹介)(第六二号)  古座川に遊水えん堤築設の請願早川崇君紹  介)(第六三号)  袋井地域災害復旧及び原野谷川水系河川の  治水対策に関する請願足立篤郎紹介)(第  六四号)  日本建設公社創設等に関する請願大野伴睦君  紹介)(第六五号)  南九州総合開発事業促進に関する請願川野芳  滿君紹介)(第一一五号)  水防法の一部改正に関する請願川野芳滿君紹  介)(第一一六号)  釣川改修請願(守島伍郎紹介)(第一一七  号)  迫川下流治水対策に関する請願内海安吉君紹  介)(第一一八号)  国道十三号線中岐阜駅構内に地下道開設請願  (大野伴睦紹介)(第一一九号) の審査を本委員会に付託された。 同日  鹿児島、枕崎間の県道国道編入陳情書  (第九号)  三重県久居、奈良県王寺間の県道国道編入  の陳情書  (第二二号)  災害復旧促進陳情書  (第五一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一号)     ―――――――――――――
  2. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これより会議を開きます。  一昨十九日付託になりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出第一一号を議題といたします。  この際提案理由説明を求めます。伊東住宅局長。     —————————————     —————————————
  3. 伊東五郎

    伊東説明員 今回提案になりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その理由法案の概要を御説明申し上げます。  住宅金融公庫役職員は、公庫法第十六条の規定によりまして、国家公務員になつておりまして、国家公務員法適用を受け、服務、給与その他すべて他の国家公務員と同様に取扱われておるのでありますが、恩給法のみが適用されておりませんので、はなはだ不均衡のうらみを免れなかつたのであります。  しかして、公庫役職員の中には、現に恩給法上の公務員から転任により出向を命ぜられた者が少くないのでありますが、これらの者は、恩給法上の権利を失うことになり、公庫人事行政の上にきわめて困難な事態を生じているのであります。従いまして、地方自治体、日本国有鉄道専売公社国会職員等について認められている例にならいまして、住宅金融公庫成立の際において、恩給法上の公務員または公務員とみなされて恩給法適用を受けている者が、引続いて公庫役職員転任した場合には、これらの者に恩給法を準用して恩給を支給できるように措置いたしました。  次に住宅金融公庫共済組合につきましては、公庫法第三十九条により、国家公務員共済組合法適用され、單独共済組合を結成できる建前になつておりますが、公庫役職員はわずか百五十名の少数であり、單独組合では組合員掛金率相当高率にしなければ收支が償わず、これでは、共済組合本来の目的に沿わない結果となりますので、公庫役職員建設省共済組合に加入し得るよう措置いたしました。  以上住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に関し、その要旨を申し上げましたが、愼重に御審議の上、すみやかに議決をくださいますようお願いいたします。
  4. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これより質疑に入ります。
  5. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 第三十八条の二の規定でございますが、この規定を受ける範囲は、公庫成立する際において、公務員であるか、もしくは公務員とみなされる者、すなわち鉄道とかあるいは専売公社かいうような人々に限るように規定してあるのでございますが、現在そういう職についておらない人、すなわちまつたく新たに公庫に就職する人について、この規定適用があるのかないのか、もしないとすればどういう理由で新たに就職する人は恩給法適用から省かれなければならないか。この理由について御説明をお願いいたします。
  6. 伊東五郎

    伊東説明員 この恩給法適用を受けますのは、この公庫成立の際に恩給法適用を受ける資格のあつた国家公務員に限られておるのでございまして、今後採用する人、その当時恩給法適用を受けなかつた人については適用はございません。その理由はどういう点にあるかという次のお尋ねでありますが、一般恩給法適用につきましては、他のこれに類似公団等につきましても、大体同様の方針をとつております。これから公庫に入ろうという方は、恩給法の恩恵がないということを承知の上で入られることでありますので、その点は前例から申しましても、またなるべく恩給法適用範囲を拡張しないという趣旨から申しましても、やむを得ないのじやないかと思います。ただ現在権利のある人については、どうしてもこの法律によつて救済しなければならないかと思つております。必要最小限度措置をここでとつたわけであります。
  7. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 今の御説明によりますと、要するに既得権の擁護と申しましようか、そういうことに重点を置くことと、それから恩給法適用範囲を広げない、こういう二つの理由に基くものであるようでございますが、同じ職を奉ずる国家公務員もしくは国家公務員とみなされる者が、かつて既得権がない者だけが除外される。しかもそれだけは新たなる契約の上で承知をしたからそれでよろしいという考え方は、それは国家の政策としては不公平を免れないと私は思うのでございます。かつてそういう考え方政府においてなされたといたしましても、本法規定にあたつてはそういう不公平をなくし、公平の原則従つて、かつて既得権がないという者であつても、同じ職を奉ずる者であつて、一方がこういう利益を受けるとするならば、新しく国家公務員もしくは国家公務員と同じような職に従事する者をも保護してやることが、当然政治の建前でなければならない、こう思うのでございます。かつて法律がそうであつたからというような既成概念にとらわれることなく、本法においてはひとつ新しい道を開いて、同じ公庫に働く者の全体に対して将来この法律適用する。こういうふうにすることが、妥当であると思いますが、この点いかがでございますか。
  8. 前田光嘉

    前田説明員 ただいまの局長説明を多少附加して申し上げます。現在恩給法におきましては、文官、教育職員警察関係職員待遇職員、これで俸給を受けている者、こういうふうなことに限定しておりまして、広く国家公務員全般には恩給を給付しておりません。元来この恩給法につきましては、人事院におかれまして根本的な公務員制度の確立に伴いまして、改正考えられていよるうでありますので、この国家公務員につきましては、全体的に近く改正があるように聞いております。現在までの各方面恩給に関する規定は、たとえば専売公社あるいは鉄道公社、あるいは国会職員、それから公共国体、こういうふうな職員につきましても、大体ただいま金融公庫法案改正について提案いたしましたのと同じような方法で、すでに恩給のついておる者についてのみ引続いて恩給権利を認める、新しいものは今後の新しい恩給制度にまつ、こういう方針で行つておりますので、今回の措置につきましても、特にこの際拡張するということはせずに、従来の方針によりまして、既存の恩給権を発生しておる者をそのまま引続いて認めて行く、こういう方針で来ておるわけでございます。全体の公団職員あるいは公庫職員についての恩給につきましては、近く公務員全体についての恩給制度の改廃のときに適当な措置があるものと考えまして、それまでの間臨時措置としてこれをやるつもりでございます。
  9. 佐々木更三

    佐々木(更)委員 そうするとこういうふうに差別を設けたということは、新しく住宅金融公庫に就職する者に対しては、恩給法適用することができないということになるのでございますか、できるけれどもやらないのか、どちらでございますか。
  10. 前田光嘉

    前田説明員 現在の恩給法適用できません。
  11. 淺利三朗

    淺利委員 ちよつと念のためにお伺いしたいのですが、新たに公庫職員になつた者に対しては退職給与規定か何か別にあるのですか。またかりにあるとすれば、恩給継続する人と、また恩給継続のない人との間に退職給与の取扱いは別になつておるのですか。
  12. 前田光嘉

    前田説明員 先ほど佐々木さんの御質問の御趣旨及び淺利先生の御質問でありますが、別に恩給のほかに共済組合法というものがございまして、職員共済組合をつくりまして、退職者のいろいろな福利施設及び共済施設につきまして、また退職賜金その他は共済組合の方から出ますので、この点一定の給与賜金が出ますし、年金もありますので、その方面から行きましてこの恩給法適用を受ける者と受けない者と、それほどの実質的な差はないだろうと思つております。
  13. 淺利三朗

    淺利委員 今のお話によるとはつきりせぬのですが、恩給法適用を受けて継続して恩給をもらう、その人がやめた場合には共済組合から合せてダブつてもらうことになりますか、それは除外するのでありますか。もしダブつているならば、官界から入つた人だけが特別の利益を受けるというところに不公平が生ずる。それから共済組合お互いの間に救おうというのが精神だろうと思いますが、公庫としてはこれを退職せしめたとき、永年勤続したがゆえに退職の際、何らかの退職金を与えるというお考えはないのであるかどうか、その点をもう少し明確にしていただきたい。
  14. 前田光嘉

    前田説明員 共済組合から出すものと恩給から出すものとはダブらないようにしております。それから公庫から退職した場合に出すというのは、一般職員と同じ規定によりまして共済組合による退職賜金があります。
  15. 淺利三朗

    淺利委員 私のお伺いするのは、共済組合というのは職員相互の間の共済組合であります。公庫なり官庁というような場合におきましては、別に退職給与金を支給することが例になつております。今共済組合の方からは、恩給をもらつておる者には出さぬということなら納得がつきますが、共済組合相互職員組合でありますから、おそらくはこれは出すのではないか、そうすれば恩給を受ける人だけが特別の利益があつて恩給を受けない人は退職金は別にもらえぬということになれば、そこに不公平が生ずる。一方は恩給継続でやめたときもらえるが、一方はこの公庫退職金としてもらうということならば、そこに権衡は得られますけれども、そうでないと、そこに不公平が起りはせぬかということを懸念されるのです。その点をもう少し明確にしていただきたい。
  16. 増田甲子七

    増田国務大臣 わくのこまかいことは存じませんが、こういうふうにお考えいただくとよいと思います。淺利先生にも、佐々木先生にも申し上げますが、結局国家公務員恩給がついておる、あるいはまたつかんとする者——十七年勤めればつくのでありますが、十八年目に入つたというような者でも、二年勤めれば十九年間ということでもらえる。六年間勤めた人は金融公庫あと十一年勤めれば恩給がつくし、十一年目ならば一時賜金がつく。それから初めから金融金庫職員になつた者共済組合共済を受けます。これは一時賜金もあり、また年金もある。そこで淺利さんは共済組合というのはお互いが金を出し合つておるのだから、恩給とまるきり違うのじやないかというような御質問と思いますが、これはあまり恩給と違わないのであります。共済組合でありましても、ちようど恩給関係について相当国家で負担しておると、わくは多少違いますが、相当国家が持つておりますから、結局恩給みたいなものであるというふうに御了解を願いたいと思います。
  17. 砂間一良

    砂間委員 この金融公庫の方へ行つた公務員が百五十人くらいだつたと思いますが、その中で恩給をもうすでにもらえるようになつている人は何人か、また途中まで勤めて、まだ恩給年限が来ないけれども、あと何年間かたてばつく人、その内訳をお伺いしたいと思います。
  18. 伊東五郎

    伊東説明員 公庫職員百五十人、これはまだ全部充員しておりませんけれども、近く百五十人になります。そのうち本部職員が約八十名でございますが、主として本部職員現職官吏出向いたしました。それで約五十人が建設省大蔵省から現職のまま出向になつております。その中ですでに恩給がついておる人はごく少数でございます。今ちよつと正確な数字がおかりませんけれども、数名ございます。あとの人はついておりません。
  19. 砂間一良

    砂間委員 大蔵省建設省から転任するときに退職手当といいますか、そういうふうなものは全然もらわないで、そのままただ横すべりして行つたというだけですか。それともまた何らかの手当か何かもらつておるのですか。
  20. 伊東五郎

    伊東説明員 何ももらつておりません、転任でございますから、そのまま役人の身分になつております。
  21. 砂間一良

    砂間委員 いろいろな公団がたくさんあるわけですが、公団職員なんかは恩給がついておるのですか、ついてないのですか。
  22. 伊東五郎

    伊東説明員 公団全部この恩給法適用を受けておらないと思います。
  23. 砂間一良

    砂間委員 そうしますと公団や他の公庫復興金融金庫とかいろいろありますがそういうものには恩給法適用になつていない。それで住宅金融公庫職員、しかも恩給法適用を受けることになつていたものが公庫行つた。その人たちにだけ恩給法適用するということになりますと、他の公庫類似職員とのつり合い、あるいはさつき佐々木さんの申されましたような公団内部においての不均衡というか、不公平ということが起りはしないかと思うのですが、その辺についてはどういうふうにお考えになりますか。
  24. 伊東五郎

    伊東説明員 この恩給法共済組合制度は非常によく似通つたものでございまして、国の負担も相当あります。共済組合でも二分の一の費用は国が負担しておるというようなわけでございまして、この間よく似通つた性格のものでございますので、先ほども申し上げましたように、根本的の改正につきましては、今いろいろ検討しておるところでございますので、この際急速に現職行つた者を救済するというような、ごく姑息な考え方でこの案を立てておりますので、根本的な検討につきましては、もう少し政府全体としての検討のひまをいただきたいと思います。これは所管は私の方でありませんけれども、私どもの方でも発言をいたしまして改正をして行きたいと思います。  それから公団各個の間の不公平、公団内部の不公平はないかというお話でありますが、大体先ほども申し上げましたように、住宅金融公庫の方とよく似た性格のものはやはり同じ筆法で行つておりますので、大体民間から採用した一般公団職員については恩給法適用はない、共済組合だけでまかなつて行くということになつておりますので、比較的その間の不公平はないようになつておると思つております。
  25. 砂間一良

    砂間委員 これは少し意見になると思いますので、あとで討論のときに申し上げます。
  26. 田中角榮

    田中(角)委員 私は人事交流という意味から申しましても、住宅金融公庫のようなものに恩給法適用するということは妥当であると思つております。私たちが第七国会で審議しました建築基準法によりまして、各市町村等建築主事行つた場合は、これと同じような問題が起るのでありまして、その当時私たちも十分考えておつたのでありますが、これは官庁から出向した場合の方々が、そのまま恩給法適用を受けると同時に、今度新しく金融公庫に入られた人であつて、この改正法律案によつて共済組合だけでもつてまかなわれておる人が官庁に転職した場合、恩給法によると同じ加算になるかならないかという点だけちよつと伺いたいと思います。はつきり申し上げますと、この改正法律案趣旨は、いわゆる優秀な人たち官吏から移して行く場合、もちろんこういう処置をとらなければ官庁にずつと勤続する者と差別がつくというために、こういう処置をとられるのでありますから、その場合はよくわかるのでありまして、この改正法律案趣旨はもつともであると思いますが、これを逆に考えた場合、今度新しく公庫に入られて、その人が公庫から官庁に登用せられた場合は、この法律によつて恩給法による適用を受けて、ずつと住宅金融公庫における在職年限を、官吏としての勤続年限と同じようにみなされるかどうかという問題であります。
  27. 伊東五郎

    伊東説明員 現在恩給法適用ある職員公庫に参りまして、また、たとえば建設省に帰るという場合は適用はありますけれども、新たに公庫に採用された人については、将来そういう恩給法適用はないわけでございます。
  28. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ちよつと御説明が明確でないわけですが、改正理由によりますと、引続いて公庫役職員転任した場合には、恩給法を準用して恩給の支給ができるように処置するということの御説明であつたのであります。これが恩給法そのもの改正しないで、この公庫法の一部の改正恩給適用範囲を広めるということに結果がなると思うのですが、そういうことが思給法に抵触しないかするかという問題がここで起ると思うのであります。従つてそういうことによつて、ただ共済組合法による待遇というものの差異建設大臣のおつしやつたようにそう大した差異は私もないと思うのでありますが、ここに一つ明確にして置かなきやならぬ問題は、勤続年数等の問題があるので、建設大臣にお尋ね申し上げておきたいのは、貿易公団等にいろいろな汚職事件等が起つておりますが、これらはやはり人事交流ということがどんどん行われないと、こういう事件起りがちなので、そういう御方針でこの金融公庫についても、相当建設省大蔵省の人を御利用になつたことについては、私は賛意を表するものでありますが、今後もやはりそういう政府の御方針だと思うのでありますが、従つてここに根本的には恩給法改正が当然必要なことになろうと思うのでありますが、その点の明確な御答弁をお願いいたしたいと思います。
  29. 増田甲子七

    増田国務大臣 立法技術の問題についてでございまするから、前田さんの御質問に一応お答え申し上げます。これは立法議会議員でいらつしやる皆さんには実は申すまでもないことでありまするが、恩給法につきましては、恩給法自身改正を要することは改正することが一番いいのであります。しかしながら同じ法律でありまするから、かりに恩給法で網羅してないというような点を、ほかの法律をもつて便宜かえる。法律は大体御承知通り同じ価値なのでございまして、新法旧法にまさるという関係で、住宅金融公庫法の中に改正を加えて、前の恩給法の足りないところを補うという一つ技術を採択いたした次第でありまして、調べてはみませんが、法務府の法制局関係審査も経てありまするから、おそらく地方自治法関係だとか、あるいは日本国有鉄道法関係にも、恩給法適用を受けるようなものを、そういうところへ挿入してあるのではないかと私想像しております。本来は前田さんのお説の通り恩給法という一つの法典となつて、あらゆるものを網羅してある方がよろしいのであります。第一その方が便利でございますから……。しかしそういうあと方法に従つたものと解釈をいたしております。  それから第二段の御質問は、全然同感でありまして、人材を交流せしめまして、国家機関の機能を有効に発揮してもらうために、こういう措置を講じた次第でございます。
  30. 藥師神岩太郎

  31. 上林山榮吉

    上林委員 私は自分質問に入る前に、ただいま建設大臣の御答弁の中にふに落ちない点がありますので、一言だけ確かめておきたいと思います。もちろん普通法特別法区別、あるいは新法旧法区別くらいは、国会議員である人々はみな知つておるわけでありますが前田君の質問の中に、恩給法改正するのが原則ではないか、こういうような改正でいいのかという質問に対して、新法旧法にまさるのであるから、その趣旨によつても当然できるのであるといふ解釈は、法律解釈としては私は少し行き過ぎじやないか、こういうふうに考えますので、この点を一応ただしてから自分質問に入りたいと思います。
  32. 増田甲子七

    増田国務大臣 恩給法全体が、もしすべてのものを網羅できたならばその方がよろしいということは、前田さんの御質問の第一段のお答えの終結のところで申し上げておりますから、上林山さんもその点で御了解を願いたいと思います。但し従来は、ただいま聞きますと私が先ほど申し上げました通り専売公社法日本国有鉄道公社法も、その中に専売公社職員官吏から行つた者恩給法適用を引続いて受ける、こういうことが書いてあるそうでありまして、結局便利主義、どちらが便利か、まあこちらの方が便利だから、ここでちよつと直しておこう、こういうような便宜とか、常識とかいうようなことで一応こちらへ置いたのだと思います。しかしやはり恩給法があらゆる受給者に対する法典的な法律になることが必要である。網羅することが便利であるということは、前田さんにお答え申し上げた通りでございますから、どうぞ御了承願います。
  33. 上林山榮吉

    上林委員 ただいまの御答弁了解をいたしましたが、ただ新法旧法にまさるのであるという趣旨によつても当然であるというような御見解は、これは賢明なる建設大臣としては行き過ぎな御見解だと思いましたので申し上げましたが、ただいまの御答弁了解をいたしました。ついては住宅金融公庫法の設定せられた理由は、言うまでもなく住宅に困つている人たちに急速に、能率的にこれを多く建設して、そうして便宜を与えるという趣旨のものであると思います。そこでそういう点から考えてお伺いいたしたいことは、第十七条に「自ら居住するため住宅を必要とする者」あるいは住宅組合による住宅組合員の「自ら居住するため住宅を必要とする者に対し住宅を建設して賃貸する事業を行う会社その他の法人」、こういうふうになつておりまして、私はこの第三号の「住宅を建設して賃貸する事業を行う会社その他の法人」、この解釈が、建設省にそれぞれの住宅を必要とする人たちが問い合せに行く場合、いろいろとまちまちな報告を聞くのであります。そこで私は、この会社及びその他の法人性格、これは一体建設省としてはどういうふうにお考えになつておるか、この点をまずお伺いしておきたいと思います。
  34. 伊東五郎

    伊東説明員 この法人につきましては、地方公共団体に入らない一般の私法人ということは、この立案のとき申し上げましたが、こういう第三号に書いてあるような性格会社法人と、それから第三十五条に、「賃借人の資格、賃借人の選定方法その他賃貸の条件に関し主務省令で定める基準に従い、賃貸しなければならない。」とこういう規定があるのでございます。この主務省令がまだ制定になつておりません。大体素案がございますので、近く制定することになつておりますが、この主務省令によつて経営できる会社法人であればどんなものでもさしつかえない、こういう方針でございます。もう少しつけ加えて申しますと、この賃借人の資格、選定方法につきましては若干の制限があると思いますが、やはり住宅に困窮している人とか、選定方法については一般から公募してもらう。一般の人に申込みの機会を与えるような経営をしてもらいたいということ、それから賃貸条件家賃などにつきましては、ごく金持ちの人でなければくれないというような、あまり高い家具をきめられますと、金融公庫法の精神から行きましてもいかがかと思いますので、多少の家賃のアツパー・リミツトをきめたい、こういうふうに考えております。そういう条件に合いさえすれば、どういう会社であつても、法人であつてもさしつかえないというふうに取扱いたいと思つております。
  35. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 ちよつと上林山さんにお聞きいたしますが、大臣に御質問ありますか。
  36. 上林山榮吉

    上林委員 大臣にはもうありません。ほかの方々も大体この議案については質疑は終つているようでありますから……。ただいまの御説明を聞きますと、十七条の会社あるいは法人というものは、細則によつて制限を受けることはあるけれども、原則としては一般のものをさすのだ、こういうような御答弁でありましたので、そういうふうに了解していいかどうか。さらにそういうふうであるとするならば、たとえば貸家を業とする者が、貸家を業とする会社あるいは法人が、これを繰上げ償還して、そうして貸家を必要とする人に譲渡する。但しその場合については公庫の償還が済んでいなければならない、こういう場合にははたしてそれでいいのであるかどうか、この点をどういうふうにお考えになつているかお聞きしたいと思います。
  37. 伊東五郎

    伊東説明員 繰上げ償還は済んでおる。そうしてそれを今公庫から金を借りた会社あるいは法人が他の人に売る……。
  38. 上林山榮吉

    上林委員 他の人でない。入つておる人です。
  39. 伊東五郎

    伊東説明員 一般に入つている人に売る、こういう場合には繰上げ償還ができておればさしつかえないと思います。
  40. 上林山榮吉

    上林委員 さらにお尋ねいたしたいことは、たとえば貸家を業とする会社が株を募集する。株を募集した者に対して家がなくて困つておる。その人にこれを讓渡するというようなことができるかどうか。結局住宅を希望する者、いわゆる困つておる者が会社の株を持つ。それで安い家賃で入る、こういうようなことを考えられるのであるが、それは妥当であるかどうか、この点をお尋ねしておきます。
  41. 伊東五郎

    伊東説明員 借家に入ることを希望する人に株を持たす、この点もう少し研究させていただきたいと思いますが、これは何か権利金というようなものの性格を帯びるようなおそれがあるように思いますので、この点ちよつと今即座に御返答できかねると思います。
  42. 上林山榮吉

    上林委員 大体一般的な意味はおわかりましたが、特殊な問題になりますと、まだ研究が十分でないようでございますので、私も遠慮いたしますが、要は希望するところは、困つている個人が自分で申し込んで住宅をつくるということは、これは一番よいことには違いないのですけれども、実際問題としては能率が上らない。たとえば土地を物色する場合についても、個人では非常に困難を感じる。しかも政府が予想しているような人々のみを対象とする場合においては、なおさらそれがきゆくつになつていることは御承知通りでありますから、そういう点等から、たとへば多少の制限は受けても、公庫をつくつた目的、いわゆる住宅をたくさん建設せしめる目的を果すのであるならば、あまりこまかく考えないで経営ができるように、最初の目的に沿うような方向に考えて行かなければならぬのではないかと私は考えるのであります。そこで今三十五条で予想せられているところの省令といいますか、あるいは施行細則というか、これの制定にあたりましては、あまり親切が過ぎないように願いたい。いわゆる役所の單なる立法技術によつて、あるいは事務的な運営のみを考え過ぎて、結局は法の精神を殺す。はなはだしく言うと、住宅をたくさん便利につくらせることを妨害する。こういうようなやり方は、私は賢明なやり方ではないと思う。それではあまりに親切が過ぎて、結局最初の目的を達することができない。私ただいま建設省でそれぞれの施行細則の案があるということを聞いておりますが、一、二の案を私どもが仄聞するに、あまりにもきゆうくつである。たとえば家賃をある程度制限するということは、これは妥当だと思いますが、これを賃貸する場合については非常にきゆうくつな制限を設け過ぎている。たとえば公募するとか、あるいは抽籤をやるとか、いろいろやかましいことをやつておられるようでありますが、これでは法の精神を殺してしまう、こういうふうに考えますので、これが立案にあたつては、ただいま申し上げたような希望に沿うように、私は親切が過ぎないようにひとつ御制定を願いたい。われわれは施行細則については多くの権限を持つておりませんので、特にこの点は事務当局に対して私は積極的に御希望申し上げておきたいのでありますが、これに対して何か御答弁があれば承りたいと思います。賃貸の条件、賃借人の資格あるいはその他いろいろと非常にきゆうくつ過ぎることをきめられてあるようであります。この点はあまりしやくし定規にならないように私はひとつ希望いたしておきます。
  43. 伊東五郎

    伊東説明員 いろいろ御親切なる御注意まことにありがとうございました。この運営につきましては、公庫法の根本的な精神を逸脱しない限り、ただいまの御趣旨に沿うようにやつて行きたいと思つております。  それからなお敷衍して御参考のために申し上げておきますが、この第三号の会社法人に貸家を建てさせるというのは、これは立案の途上に入つて来たものでありまして、当初は自分の家を建てる人に融資をするというのを根本の建前にしてせつてつたのでございますが、ただいまお話のように、これでは能率が上らぬというので、会社法人の貸家を建てるものに貸そうということになつたのでございまして、ことに二十五条の二項でございますが、全体の資金の百分の三十を越えない限り、三割の限度でこの方に資金をまわそう、こういうふうになつているのであります。この会社法人の貸家経営につきましては、なるべく家賃が安く、公的な性格を帯びた会社法人であれば、安い家賃で、しかも一般公開の貸家ができるわけでありますので、なるべくそういうような公的の性格を帯びた会社法人の設立をいろいろ勧奨しておりまして、ただいま主要都市などでは、府県とか市などで相当の出資をいたしまして、特別の財団法人をつくるとか、特殊な会社をつくるとかいうようなことをやつております。しかもこれは木造でなく、なるべく不燃構造のアパートを建設しようという計画を進めておりますが、だんだん計画が進んで参りまして、この百分の三十に近い計画が各地であるようであります。これらの会社法人でやりますものにつきましては、家賃も相当低くきめられるようにただいまのところ伺つております。
  44. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 砂間君、簡潔に願います。
  45. 砂間一良

    砂間委員 私はこの機会に増田建設大臣に二、三の点についてお伺いしたいと思います。  第一は住宅金融公庫法についてでありますが、この住宅金融公庫法が非常に不評判であるということは、一昨日の委員会においても各委員によつて述べられた通りであります。この前の国会におきまして、私どもがこの法案の審議にあたつて、こういう法律の仕組みであつて住宅を一番欲している、そして困つている人たちは全然利用できないということをこまかに述べて、そうしてその修正あるいは根本的な法の建直しをしろという意見を述べたのでありますが、自由党の諸君が多数でもつて、これでよいということで押し切つて通過したのでありますが、それが実施してみますと、まずいということは事実が証明している。そのことはこの前の委員会におきまして自由党の委員諸君も申された通りであります。いろいろこの欠陥はありますが、第一はあの頭金額の非常に多いということ。二割五分の頭金を調達するということがとうてい普通の零細な所得者ではできないということ。それから月月の返済金にしましても、これもとても高いのです。それからいろいろ手続がややこしくて、そうして一般の庶民、特に低所得の勤労階級はとうてい利用できないということになつているのであります。それで政府におきましては、この実施した経験にかんがみまして、来年度においてこの住宅金融公庫法をもつと根本的に改正する意思があるかどうか。もしそれが改正できないとすれば、他に全額国庫負担によるところの賃貸し住宅をたくさんつくつて、そうして安い家賃で今日住宅に困窮している人たちに供給するという、そういうような方針があるかどうか。これは大ざつぱなことでありますが、この点を大臣にまず第一にお尋ねしたいと思います。
  46. 増田甲子七

    増田国務大臣 砂間さんにお答え申し上げます。実は砂間さんにこの前も同じ趣旨のことをお答えいたしたと私存じておりますが、あるいは砂間さんであつたか、池田さんであつたか、ちよつと忘れましたが、お答えいたしたと思つております。お説は私は一理あると思つておりますというのは庶民住宅はもつとふやしたいのでありますが、二万七千戸本年度において建造するにすぎない。これは非常に残念に思つております。ただしかしながら、庶民住宅は国では二万七千戸の助成をするだけでありますが、県やあるいは市町村等の自治団体がもし財政能力があるならば、別個にいくらやつたつて私はあえて違法でも何でもない、こう考えている次第であります。しかし明年度におきましては、特に庶民住宅には力を入れて参りたい、かように私としては考えてをります。  それから住宅金融公庫法の対象である住宅は、いわば庶民と中間階級、あるいは中間階級の間といつたような階級に対する住宅難の緩和でありまして、この住宅難の緩和策を講じないために、中間階級からまた庶民階級に転落するという一素因にもなりかねない次第でありまして、私たちは、中間階級がたくさんいることが、国家の発展のためにも必要である、こう考えておる次第であります。もとよりこういう階級に対する住宅の供給、住宅難の緩和ということも必要であると考えておりまするから、あるいは頭金の問題、それから利率等の問題も、中間階級並びに庶民階級のその中間といつたような階級に対する住宅の供給としては、まずまずこのくらいのわくでよろしいのではないか、こう考えております。いずれにいたしましても庶民住宅の少いことは、御同様遺憾でありますから、特に力を入れて参る所存でございます。
  47. 砂間一良

    砂間委員 次に第二の問題としましては、この前の国会で通過いたしました連合国軍人等住宅公社法についてでありますが、あれはこの四月の一日から八月日までの間に建設するということでありまして、三月の末に十分な審議も経ずに、やつさもつさで通過させたわけであります。そのときに、二千戸の住宅を一体どこへ建てるのかということをお伺いしたのですが、それはまだわからぬということでありまして、当時益谷建設大臣も、山口国務大臣も、御答えにならなかつた。しかしあれは日本の国で家を建てて、そして連合国の軍人に貸してやるのだそうでありますから、これは国有財産であるということをあの当時大臣が申しておられました。ですから、その住宅をどこヘ建てるということは、もうきまつておると思うのですが、あの二千戸の住宅はどこへ何戸ずつ建てておられるか、それをひとつ御発表願いたいと思います。
  48. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 砂間君、ちよつと御注意申し上げますが、所管が違うそうであります。
  49. 砂間一良

    砂間委員 所管が違えばあれですが、この前建設委員会にかかつて通過いたした法案でありますから、こまかい点はおわかりにならないとしても、大体のことは増田建設大臣でも御存じだと思いますが、この点がわからなければ、これはまた別の機会にお聞きするとして、その工事の進捗状況をお伺いしたい。八月一日までに建設するということでありましたから、大体建つておると思うのですが、しかし聞くところによりますと、この建設工業新聞等に出ておるところによりますと、なかなか進んでおらないようでありますから、その工事の進捗状況を、大体のことでけつこうですから、お伺いしたい。
  50. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 砂間君、特調の方は、次の機会に関係者を呼んで、そのときに願いたいと思います。
  51. 砂間一良

    砂間委員 それではこれは別の機会にいたします。所管違いであつて説明ができなければ、この次の機会に岡野国務大臣に御出席を願いましてお伺いすることといたします。  それでは第三点といたしまして、見返り資金による例の百十億の公共事業についてであります。これにつきましては、この間安本の方からも河川に幾ら、砂防に幾らという資料をいただきまして、なおこまかなあれもあります。この中で、たとえば五十里というところの堰堤でありますが、これはなかなかの大工事でありまして、総事業費が二十億、二十五年度の事業費は四億ということになつておりますが、これが昨日の何新聞かによりますと、十九日、政府の方から中止命令が来たというようなことが言われております。これは何で中止されることになつたのか、その事情をひとつ納得の行くように御説明願いたいと思います。
  52. 増田甲子七

    増田国務大臣 五十里堰堤は中止ということはございません。
  53. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 ちよつと砂間君に御注意申し上げますが、広汎な建設行政でありますから、なるべく今日は議題の範囲でお願いしたいと思いますので、次の機会にまた幾らでもやつていただきたいと思います。
  54. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 この際大臣に簡單にお伺いしたいと思います。実は今月の十九日から来襲しておりますグレイス台風、これが現在九州を荒しているのであります。通信網も相当損害を受けておるようでありますから、大臣の方にも詳細には様子はわかつておらないと思いますが、わかつておる範囲で御説明を願うのと、これに対する緊急な対策をただちにやつていただかなければならないのでありますが、その点ただちに詳しい説明をしていただきたいとは思いませんが、早急な対策をしていただくために、この際御所見を伺つておきたいと思います。
  55. 増田甲子七

    増田国務大臣 地建関係から報告をするように、極力こちらも連絡をいたしておりまするが、今もつて報告が来ない状態でございまして、報告が来次第御報告を申し上げます。
  56. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 お諮りいたします。これにて質疑を終了いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議なしと認めます。よつて質疑は終了いたしました。なお次会はちようどお手元に配付しました、奈良の国際文化都市建設法案並びに京都市の同じものが二つになつたりでありますが、これは明日は半どんでありますけれども、日程もないので、明日午後に開くかどうかわかりませんが、理事会で協議をいたしたいと思います。次会は公報で御通知を申し上げます。  本日はこの程度で散会をいたします。     午後三時四十八分散会