○田中(角)
委員 委員長及び
有田委員から
質問がありましたので、重複するところがあるかもわかりませんが、
公団の
経理の問題に対して二、三質疑をいたします。
公団経理の
不正事件摘発の現況にかんがみまして、国費の適正支出をはかるため、その
原因を探究するとともに、責任の所在を明確にし、さらにこの種
事件の絶滅を期すべく、具体的な方策を早急に立てることが
決算委員会の重大なる使命であると
考えておるのであります。その
意味におきまして、本日は
会計検査院長並びに
公団に関する責任
官庁の責任者の御出席を願
つて、その方々に対し若干の
質問を試みると同時に、私の
意見を申し述べ、かつ責任ある御回答を要求したいと
考えておつたのでありまするが、本日は責任者はほとんどお見えにな
つておらないようであります。しかし事は非常に重大でありますが、会期切迫の現在でありますから、私の
意見をまぜて二、三申上げます。このことは本日御出席を願いたいと思
つておつた責任者の方方に
嚴重に申し伝えておいていただきたいということをまず付言いたしておきます。
経理紊乱の
原因といたしましては、ただいま
委員長も申されましたようにいろいろありますが、私は
終戰後の官紀の弛緩、綱紀の紊乱、秩序の撹乱に加えまして、経済事情の変動によるところの
経理の複雑化というところにも
原因があると思うのであります。しかし大別してこの種
事件の発生した
原因は、まず第一に、各種
公団にて取扱うところの金額が非常に厖大であるにもかかわらず、出納責任者に対し
関係責任
官庁の
監督管理が適切を欠いておつたということがあげ得ると私は確信するのであります。第二には、
経理監査の衝に当
つている
会計検査院の、これが事前防止に対する措置妥当を欠いておつたということ。これは何人もいなめない事実であると思うのであります。第三には、各省間のこの種
事件を防止するために、すなわち自己反省、自己批判をなして、かかる
不正事件の防止を目途として存在しておるところの経済調査庁の行動は迅速であつたかもしれないけれ
ども、その機能をも
つてしてもこの
事件が事前に防止できなかつたこと。以上三点に大別し得ると思うのであります。現在この種
事件に関しましては、検察庁が手を入れておりますので、
刑事事件としての責任は当然当人たちが負うことでありましようからわれわれがここで論ずる限りではありません。しかし法律上
公団経理不正の責任はたれにあるかということだけは明確にしておかなければなりません。本日の新聞などでも
公団についていろいろなことが報道せられておりますけれ
ども、この責任は一体いずれにあるのか、これだけは
国民ひとしく聞かなければならぬ問題であるので、明確にしなければならぬのであります。ただ
事件に関する被告人の責任を追究するのみでなく、
国民のひとしく聞かんとするところは、かかる文明の世の中になぜ
国民の膏血である厖大なる国費をこのようにしたかということであります。このことに対しては、私は安本長官並びに各種
公団の責任
官庁大臣諸公の明確なる
答弁を煩わしたいと思いますし、各種
公団法を制定するにあた
つては、このようなことが当然あると
考えられたので、これの法律的な
意見もお聞きしたいと思
つておりましたが、御出席ありません。この
質問に対しましては、各
関係省の
出席者はお帰りにな
つて責任者の
答弁を求め、本
国会に
報告せられんことを望みます。それから
会計検査院に対してであります。この種問題は、どうも
会計検査院をつるし上げるようになりますが、私は
会計検査院のみに申すのではありません。この
事件を契機といたしまして、
会計検査院の機能に欠陷があつたならば、これを
是正しなければならぬということを
考えるために、
会計検査院から御出席の方に続いて御
質問を申し上げます。
私は、先
国会から引続き
決算というものに対しては非常に興味を持ち、かつ
決算委員としていろいろな資料を研究して参つたのでありますが、私たちと
会計検査院との間にどうしてもぴつたり来ないものがある。それは次に申し述べるような事柄についてであります。
会計検査院は国の收入支出の
決算を
検査し
国会に
報告する義務がある。これは
憲法上の規定であります。しかし
会計検査院の責任は以上のごときものだけではなく、
国民の膏血である国費の支出に適正を期するというのが本来の
目的であろうと私は思うのであります。その
意味で
会計検査院がありながら、この種の
不正事件を惹起しつつあるということを
考えますときに、法律上の問題は別として、
会計検査院も
国民に対してその責を免れることはできないということ、これは私は
憲法上の解釈から
考えても言い得ると思
つております。現在の状況におきまして、各種の
公団は大半解消せられ、残る
公団も近くほとんど全部が解散せられるという運命にあるのでありますが、この
会計決算が確定するまでには、まだまだ多くの日時と多数の人を要することは申すまでもなく、なおかつ非常に大きな仕事であると思
つております。
会計検査院は各種
公団の
会計検査に対しては、昭和二十四
年度から
検査報告をするということが建前にな
つておりまするが、二十四
年度の分は今年の十一月ないし十二月までには当然お出しになると私は思
つておりますが、この建前から当然の義務として、二十四
年度以前の
会計経理の面に対してもきつと
検査を
行つておられるということを私は
考えております。これは法律的に
国会に対してあわせ
報告をしなければならないという義務はないのでありまするが、
会計検査院の本来の
目的、その
意味から
考えて二十四
年度の
決算の
報告をなされる場合、二十四
年度以前のもの、いわゆる
事件を多数に含むところのこれら
会計決算に対しても、あわせ御
報告をなさる
意思があるかどうかということをまず一番目に伺
つておきます。この問題は重要な問題でありますので、
検査官会議の議を経なければ発表できないというふうに御
答弁になるかもしれませんが、私は
会計検査院が
国民の前に立
つておる現在において、
会計検査院を代表されて
国会に
おいでに
なつた方々であるならば、この種問題は
検査官会議にかけなくても御発言ができるものであるという確信のもとにまず御
答弁を煩わします。