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1950-07-28 第8回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十八日(金曜日)     午後二時十分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 金光 義邦君 理事 三宅 則義君       有田 二郎君    高塩 三郎君       高橋 權六君    田中 角榮君       多武良哲三君    山口六郎次君       畠山 重勇君    上林與市郎君       井之口政雄君  出席政府委員         大蔵政務次官  西川甚五郎君         通商産業事務官         (通商企業局         長)      石原 武夫君         運輸政務次官  關谷 勝利君  委員外出席者         大蔵事務官         (大蔵省主計         官)      村上孝太郎君         通商産業事務官         (通商振興局経         理部長)    石井由太郎君         経済安定事務官         (中央経済調査         庁監査部長)  木村  武君         検  査  官 下岡 忠一君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田  直君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 七月二十八日  委員本間俊一君辞任につき、その補欠として有  田二郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  各公団経理並びに監督に関する件  閉会中の審査申出に関する件  委員派遣承認申請に関する件     —————————————
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまから決算委員会を開きます。  前会に引続き、各公団経理並びに監督に関する事項について説明を聽取することにいたします。まず質問通告順によつてこれを許します。有田二郎君。
  3. 有田二郎

    有田(二)委員 会計検査院の方からお越しになつておられる方のお名前を承ります。
  4. 菅家喜六

    菅家委員長 今、下岡検査官はすぐ見えられますが、現在ここにおいでになつているのは池田第一局長
  5. 有田二郎

    有田(二)委員 大体決算委員会をやるについて、会計検査院長お越しにならず、また一時から決算委員会が開会されることをはつきりおわかりになつているにかかわらず、下岡検査官お越しになつておらない。大体会計検査院というものは、衆議院というものをどうお考えになつているか、このことを承りたい。
  6. 池田直

    池田會計檢査院説明員 会計検査院といたしましては、決算確認等を行いまして、国その他会計検査院検査の対象となつておりまする会計会計監督をいたすことが職責でありますので、決算委員会の御審議は最も重視いたしております次第でございまして、検査院全体決算委員会に大いに敬意を表しておりまして、決算委員会と不即不離の関係にありますので、その点は十分に心得ているような次第であります。
  7. 有田二郎

    有田(二)委員 御答弁は御答弁として承りますが、実際問題として、おそらくきようで本国会決算委員会は終るのじやないかということすら言われておるときでありまして、この大切なときに、院長検査官お越しにならないというような不熱心なことが、ひいては今日各公団などがいろいろな問題を起して来る原因である。国会をなめているから、従つて会計検査院もなめられるというようなことになるのじやないか、こう考える。お帰りになつたら、よろしく国民を代表する決算委員会に対して——しかも本国会は新憲法に基いて会計検査院の地位を著しくわれわれは認めている、しかもわれわれはまた会計検査院期待するところが非常に大きいわけです。しかるに今日のいろいろな忌まわしい問題が起つて来たについて、われわれが国民を代表いたし、大きな信頼会計検査院にかけているにかかわらず、こういう事態が起る。このことについてよく御反省願いたいと思う。  それからお伺いしたいのでありますが、検査官は三人、この一人当りの月俸が三万二千円、これに実地検査費用が二十九万五千円とありますが、この二十九万五千円というのは、一人の検査官の一年間の旅費でありますか。伺います。
  8. 池田直

    池田會計檢査院説明員 お答えいたします。ただいま私会計検査院予算の詳細なものを持つておりませんので、的確なお答えはいたしかねますが、三名の検査官の俸給、人件費、それはただいま御意見通りであります。旅費につきましても、ただいまの一人当りの二十何万円というのは、検査官が御視察おいでになりますときに同行いたします職員経費等も合せた大体一年間の所要見込み額と承知いたします。ただ実績につきましては多少あるいは異動があるかもわかりませんが、今承知しておりません。
  9. 有田二郎

    有田(二)委員 よく私たちは承るのですが、各官庁で実はきよう会計検査院お越しになるので今晩はそれをごちそうしなければならないので、はなはだ失礼でありますけれども御出席できないというような答弁をときどき承る。どうですか、会計検査官地方お越しなつたような場合に、こういうふうに旅費も出ている、あるいは旅費が少ければいかようにでも旅費はとれるわけですが、地方行つてごちそうになつていないかどうか、官庁側招待になつていないかどうか、承りたい。
  10. 池田直

    池田會計檢査院説明員 私実は直接検査官の御視察の場合にお供をしたことはありませんので、詳細なことはただいま心得ておりませんので、お答えできないのでございます。
  11. 有田二郎

    有田(二)委員 そういうふざけた答弁を……。あなたはいやしくも会計検査院の中で局長とかいう名前でお勤めになつておられる限り、会計検査官地方行つてどういう状態かということは御存じのはずである。これは現在までのところ、会計検査官地方お越しなつたら、おそらく恒例としてそういうふうにごちそうになつているのじやないかと私は思う。それがあなたの御答弁ではわからないと言う。しからば、われわれが地方で調べたらすぐわかるものについて、いいとか悪いとかいうことは別として、あなたとして御存じの点をおつしやつていただきたい。
  12. 池田直

    池田會計檢査院説明員 私ただいまのところは事実を確かにいたしておりますものがございませんので、お答えいたしましても、まあこういうふうであろうというような私の想像になりますので、ただいまのお答をお控えいたしたような次第でございまして、別に他意があるわけではありませんので、その点どうぞあしからず御了承願いたい。
  13. 有田二郎

    有田(二)委員 あなたは会計検査院職員の一人として、新憲法に基いて国会が非常に重視しておる会計検査院検査官地方行つてごちそうになることがいいか悪いか、これに対するあなた個人としての御判断を承りたい。
  14. 池田直

    池田會計檢査院説明員 私の個人的意見を率直に申し上げますれば、検査官実情をよく御視察になられます上において、地方の方からいろいろ儀礼的な御接待はあるのじやないか、こう考えます。従いまして、儀礼的な御接待を受けられまして、直接地方の方の御意見なりあるいは御希望なりお聞きになり、またこちらも積極的にいろいろ御懇談をいたされまして、こちらの方の意見その他のことを地方の方に連絡するということが必要と認めまするので、儀礼的なことはやはり必要ではないか、こういうふうに考えている次第であります。
  15. 有田二郎

    有田(二)委員 そういう考え方からいろいろな問題が私は起つて来るんじやないかと思う。むしろ私の考えとしては、地方実情が知りたければ、会計検査院の方で予算をどんどんとつて会計検査院の方から御招待申し上げて話を聞くのが妥当だと思う。第一私は予算委員会予算を組んでいる中で、会計検査院ごちそうする予算というのを聞いたことがない。そういう予算はないはずだ。そういう予算がないにもかかわらず、地方官庁の人が会計検査官ごちそうするというところから、実にありの穴一つでくずれて行くというたとえもある。そういうほんのちよつとした気持がいろいろな問題を生んで来る、かように私は考えるのであります。従つて会計検査院については、国会も新憲法に基いて非常に重視しておる。従つてこれに要するところの予算その他については、われわれは出すにやぶさかでないわけだ。地方情勢が知りたいのならば、会計検査官予算に基いて招待をして、そうして民情を聞き、それぞれの官庁のあやまちのないように努力することが、国民の最も信頼を受けておる会計検査官の行くべき道であり、またそうでなければならないと思う。しかるにあなたのお考えでは地方予算がない、会計検査官を御招待申し上げる予算がないにもかかわらず、それにごちそうになる。従つて痛いところもつつ込むことができない。かようなことになると思う。今お越しなつ検査官下岡さんに重ねてお尋ねしますが、地方会計検査官お越しなつたときに、地方でこれは遠路お越しなつたから招待して、ごちそうすることは、日本の慣習上あり得ることです。あり得ることであるけれども、いやしくも会計検査官としてごちそうされることがいいか悪いかということをお尋ね申し上げているのですが、今の局長さんの御答弁では、そうすることが親しくなつて非常にいいという御答弁、しかし私はさようでない。かような見解でお尋ねしておるわけですが、あなた方が地方におまわりになつてごちそうになられたことがありますか、ありませんか、承りたい。
  16. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 ただいまのこと御答弁いたします。私は直接検査する機能もありませんから、事務総局の者が検査に参りまして検査するわけなのでございます。実は私昔のことはよく存じませんが、昔は非常にかたくしておつて、ほとんどごちそうになるようなことはなかつたように聞いております。ところが終戰後しばしば官庁の間でそういうようなことが多小習わしと申しますか、そういうことになつたように思うのでございますが、そんなことで会計検査院の者もお断りはしているが、しいて、たつてというようなことでごちそうを受けた者もあるようでございます。最初は事務総局でそういうことは絶対にお断りするということを嚴重に各官庁にお願いをしております。それから検査に行く者も嚴重にお断りしているはずでございますけれども、しかしこれは、私なんかも昔から民間の方の関係でございますが、検査なんかしたことがございますが、かえつてごちそうを断つて非常に変てこな気まずくなるようなことも経験しましたから、今でもそういうことがあるのではないかと思います。そういうやむを得ず簡素な、向うに接待費のある範囲でもつてごちそうを受けている者もあるのではないかと思います。しかしそれは今当局としては、そういうことは嚴重にお断りしろというように指導しておるのでございます。今の池田局長から両方会食なんかして、事務上非常に打解けて、かえつていいという面も私自身としては認めますけれども終戰後、こういう際はどうしても検査上そういう相手方の感情を害してかえつていかぬとか、あるいはまたどうしてもそうした方がいいとか、やむを得ずという場合はあるいはやつているかもわかりませんが、嚴重にその点はそういうことのないように相手方官庁にもお願いしております。そういうので、正直に申しますと、ごちそうの度が多少過ぎてどうかと思いまして、検査院職員のうちで不心得な者があつて、涜職というほどではございませんけれども、やめてもらつた例もございまして、本人のためにも気の毒でございますが、そういうことでございますが、そういうことについては嚴に指導はしております。
  17. 有田二郎

    有田(二)委員 御存じ通りに、会計検査院というのは新憲法では国会最高裁判所と並んで特別の機関として予算まで別に組まれるというようなことになつて来ておることは御存じ通りであります。それが今の検査官の御答弁のようなことでは、われわれとしてはまことに安心できかねるのであります。地方に行けばいろいろな費用がいるというような場合は、実地に必要な予算をおとりになつて、そうして地方ごちそうにならなくてもよいように、さらにその点は会計検査院院長から各官庁あてに、決して悪意でごちそうにならないのではない、公正を期するためにやるのだという意味のことを通告しておかれたら、従つて間違いもまた少くなるのではないか。しかも新聞紙の伝えるところでは、公団検査について、司直の手が会計検査院にまで伸びるのではないか、こういうような報道すら今日されておるのであります。この公団についての会計検査について会計検査院としては、そういう者を院内から出さないという御確信ありやいなや、承りたいと思います。
  18. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 御答弁申し上げます。先ほど繰返し申し上げた通りでございまして、嚴重な通牒を相手方の方にも出したらよかろうとおつしやいましたが、その通りのことを前から私どもは実は嚴重にやらしておるのでございます。今度司直の手が伸びたのは、私はおそらくそういう刑事事件になるという、そう過ぎたようなものはなかろうと確信しております。一昨年あたりですと、ちよつとこれは不心得の者がありまして、事実そういうのがございましたが、その後は公団に対して嚴重に何さしておりますから、そういう者は出ないと私は確信しております。
  19. 有田二郎

    有田(二)委員 私は会計検査院そのものをもう一度再検討して、人数をもつとふやし、予算をとつて、そして十分にやつてもらいたい。たとえば日本国有鉄道が国鉄から離れましてパブリツク・コーポレーシヨンとなり、あるいは日本專売公社として今までの專売局から離れた。いろいろのものができて、特別会計がたくさんできておる。しかもこれがいわば商売をしておる、また昨日も大蔵委員会日本交通公社の浮貸し問題を調べたことがあるのでありますが、日本国有鉄道の切符を交通公社扱つておる。一月五億何千万円、それが一月支拂いが遅れることによつて、そこに浮貸しの大きな原因もできて来る。しかも時代は刻々推移して行つて、いろいろの忌まわしい問題がちまたに満ちておるわけであります。これに対して会計検査院あり方というものが、これが明治初年の日清戰争以前あるいは西南戰争当時の会計検査院あり方とあまりかわらないのであります。新時代に即してもう少し機動力を持つたように会計検査院あり方をかえて、そうして行かなければ、何しろ範囲が非常に広いのに、たつた検査官が三人よりいないというような状態であります。とにかく会計検査院内容を充実するとともに、今私が申しましたごちそうというような点については嚴にこれを愼んで、そうして十分な検査をしていただくと同時に、現状の官庁側経理というものはまつたくずさんそのものだと思います。それが長い間の慣例になつて来て、それがあたりまえになつて来ておる。年度末になると予算をとつて旅行するというようなことがほとんど常識的に行われていた。しかし敗戰後日本経済状態としてはそういうことは許されない。むしろ会計検査官が中心となつて官庁側経理是正にひとつ努力してもらいたい。今日次から次に忌まわしい事件が起つて来て、われわれが会計検査院に非常に信頼をかけ、国会においても国会並びに最高裁判所とこれを同格に扱つて、すべての処置をいたしておるのにかかわらず、この信頼いたしておる会計検査院なるものが、まつたくわれわれの期待に反し、広くわが国民期待に反しておるということは、私は非常に遺憾に思います。これについては会計検査院内容をもつと充実させてやつて行こうという御意思があるかどうか。あるいはこのままの状態でやつて行くのかどうか。このままならば会計検査院というものはなくしたらどうか。あることがかえつてじやまになる。会計検査院によつて会計を十分に監督してくださつておる、かような信頼をわれわれがかけておるところに間違いがあるのであります。会計検査院がなければ、われわれはわれわれとしてのまた新しい方向で進むわけですが、昔からある会計検査院に、しかも以前は非常に伝統的にいいものがあつたということを承つておるのですが、会計検査院がかような状態では、私はかえつてない方がいいのじやないかとすら考えるのであります。この会計検査院あり方について、ひとつ検査官の御意向を承りたいと思います。
  20. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 ただいまの御質問にお答えいたします。会計検査院検査の十分でないという点は、私も実は最近に入りまして、今おつしやる通り卒直に申し上げますれば、認めておるのでございます。ただこれは一昨日も三宅委員の御質問に私お答えしてそれに触れたと思いますが、検査事務というものは、特に公団なんかは、国の会計経理事務のエキスパートになるということは、これはなかなかいろいろ検收もいるのでありますが、そのほかの公団会計経理的の見方もしなければならぬ。それだけで何のところに、最近こういうふうに犯罪なんかが続発して参りますと、検察官的の能力も持たなければらぬというようなことで、検査に対する要請というものは、ただ人をふやしたというだけではかつて弊害の方が多いじやないか。今の検査事務総局は、むしろもつとふやしてどんどん大きくしたいというようなお考えのようですが、それは有能な人がどんどんそろつて来れば、それは大きくして行つて検査目的を達することができる、こう思うのでありますけれども、私実際のところを当つてみて、実はこの点おはずかしい次第でございますが、検收ども重ねて事務総局なんかでもずいぶん努力していますけれども、そう急にどんどん質が向上し、能率が増進するというようには認められないのでございまして、今現に会計検査院検査のやり方は旧態然としているとおつしやつていられますが、これは外面に現われたところはそう見える。もしそうお見えになつたとすれば、私どもまだ努力の足らぬところでございますけれども、私ども見たところでは、この二、三年前の新院法発足当時と今とでは、検査内容においても隔世の感がある。これはもし何でしたら検査院おいでくださいまして、検査行つた者がどういう報告を出しておるかということをごらんになりまして、教年前のと今のとを比べれば、格段の差があると、私ども事務総局の者も非常に努力してくれて、このくらいになつたとひそかにそう思つておるのでございますが、なお外部からごらんになれば足らぬところがまだございますし、私自身も実はまだ満足しておりませんので、今おつしやる通り十分改善の余地があると思いますし、現に今検査院の中でも改善課というような一つのセクシヨンをつくつて、そこで根本的に会計検査院あり方を検討しておりまして、フリーな見地でもつて、あるいは法律の改正が必要ならば、国会等、それぞれ筋をたどりまして、改正するがいいということになれば、それで行きたいと思つております。そういうふうに努力中でございますということをひとつ御了承を願いたいと思います。
  21. 有田二郎

    有田(二)委員 むずかしいと言えばむずかしいのですが、むずかしくないと言えば何でもないのです。これは御存じ通り、将来の会計検査院一つポイントというものがきまつているわけです。ですからポイントをつかまえて検査をして行かれたら何でもないことであつて、結局は人が足りないということのために、そのポイントをつかまえることすらできない。これは会計検査院があることがかえつて不合理である。会計検査院というものがある限り、国民が安心して行けるというような会計検査院でなければ、私はない方がましだと思う。ある以上はどんどん人間を入れても——信用できないということになつたらこれは人間全部信用できなくなつてしまう。自分は信用できるが、自分以外のものは信用できなくなる、かような考え方は私は当らないと思う。相当りつぱな人格者会計検査院に相当多数入れて、そうしてポイントを十分に調べる。私しろうとであるけれども運輸委員長をしておりましたが、運輸省の日本国有鉄道会計の中でも、相当メスを入れればメスを入れられるものが私はあると思う。会計検査院がおやりになつておるから、われわれはそれにタツチしないわけであります。しからば実際会計検査院では人数が少くてこれ以上ふやしたら悪いことをする者がふえて来るから、弊害が多いからいけない。かようなことでやつておられるならば、私は会計検査院があるためにじやまになるのじやないか、従つて会計検査院はむしろ内容を充実して、りつぱな人物を相当に入れて、そうして万遺漏ないように会計検査院指導をして行く。單に決算委員会でうまくつじつまを合せればいいというような行き方でなくして、さらに進んで指導して、翌年度予算経費を少しでも削減して行くという方向に御指導願いたい。会計検査院国会並びに最高裁判所と同格に扱われておるゆえんのものは、そこにあるのじやないかと思います。その会計検査院の尊い使命をひとつお考えになつて内容を充実してりつぱなものにされる意思があるかどうか、もう一ぺん承つておきます。
  22. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答えいたします。ただいまの御考えごもつともでありまして、せつかく私ども三人はそれについて努力中であるということは先ほど述べたような次第でありまして、足葉は足らないかもしれませんが、その点だけは十分御了承願いたいと思います。
  23. 有田二郎

    有田(二)委員 それでは今日資料を頂戴いたしましたから、これからひとつ閉会中勉強して、次の国会においてゆつくり検討いたします。
  24. 菅家喜六

    菅家委員長 ちよつとこの際有田委員から御質問があつたついででありますから、簡單に一点だけ委員長会計検査院にただしておきたいことがあります。それは右委員に御配付になりました各公団検査報告書を拜見しましたところが、公団不正事件結論に、元来この会計検査院不正事項の摘発だけを目的にしておるのではない——これは当然のことであります。会計検査院会計経理の適正を期して是正改善をはかるのであるということは当然わかりきつておることでありますが、ほんとうにこの公団というものは会計経理の適正を期しておつたのでありましようか。私ども会計経理の適正でなかつたという実例を山のごとく持つておる。会計検査院としてはこういうことを考えておられるという結論はどこから出たのであるかということが一点と、もう一つは、こういう不正事件ができた原因は、会計検査院報告書を見ますと、これは終戰後社会経済情勢国民道義の頽廃がその温床になつておることはもとよりであるが、公団機構並びに運営に当る公団職員等不正事件の発生を容易ならしめた幾多の原因がひそんでおる。これだけの結論を出されておるのであります。私どもはこれに各関係官庁監督不十分であつたということがもう公団不正事件の大きな原因になつておると思います。これらを会計検査院としてはそういう考え方をされないで、この原因はこの二点にとどめられたということと、経理の適正を期するという本来の目的に向つておらなかつたということ——この報告書を出された意味はどういう意味であるか、委員長からも一言ただしておきます。
  25. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答えいたします。一昨日たしか公団検査のことについては、一昨日の三宅委員の御質問に対してたしかお答え申し上げたと思うのでございますが、この経理の適正を期するためには私ども非常に努力いたしました。ところが今委員長が言われるように適正ならざる事例がたくさん出まして、その点十分でなかつたことは遺憾とするものでございます。私どもとしては、そこに重点を置き過ぎてある一つ事件を掘り下げるというところまで努力が向かなかつたし、また私個人といたしましても、その当時はそつちの方に手を入れ過ぎましたことと、それから検察官的にそちらの方のことまでしなくてもいいではないか——実は考え違いでございましたが、私ども鞭撻が十分でなかつたことは、今でははつきり申し上げることができると思うのであります。そういう点遺憾でございましたが、経理是正ということについて非常に努力したということだけはひとつお認め願いたいと思います。  それからただいま委員長のおつしやつたような点ですが、監督官庁としてはそういう点もずいぶんあつたと思います。特に私ども検査報告で感じますのは——この中にもおもなことについては触れてありますが、違法とか不当なことを官庁がおさしずをなさることが間々あるようでございまして、私どもとしてはその点は非常に遺憾に存じております。ときどき口頭なんかでもおさしずなさる事例があるようでございますが、監督官庁としては愼んでいただきたい、かように存じております。
  26. 菅家喜六

    菅家委員長 他の委員諸君から詳細な御質問があるものと思いますからこれで打切ります。田中角榮君。
  27. 田中角榮

    ○田中(角)委員 委員長及び有田委員から質問がありましたので、重複するところがあるかもわかりませんが、公団経理の問題に対して二、三質疑をいたします。  公団経理不正事件摘発の現況にかんがみまして、国費の適正支出をはかるため、その原因を探究するとともに、責任の所在を明確にし、さらにこの種事件の絶滅を期すべく、具体的な方策を早急に立てることが決算委員会の重大なる使命であると考えておるのであります。その意味におきまして、本日は会計検査院長並びに公団に関する責任官庁の責任者の御出席を願つて、その方々に対し若干の質問を試みると同時に、私の意見を申し述べ、かつ責任ある御回答を要求したいと考えておつたのでありまするが、本日は責任者はほとんどお見えになつておらないようであります。しかし事は非常に重大でありますが、会期切迫の現在でありますから、私の意見をまぜて二、三申上げます。このことは本日御出席を願いたいと思つておつた責任者の方方に嚴重に申し伝えておいていただきたいということをまず付言いたしておきます。  経理紊乱の原因といたしましては、ただいま委員長も申されましたようにいろいろありますが、私は終戰後の官紀の弛緩、綱紀の紊乱、秩序の撹乱に加えまして、経済事情の変動によるところの経理の複雑化というところにも原因があると思うのであります。しかし大別してこの種事件の発生した原因は、まず第一に、各種公団にて取扱うところの金額が非常に厖大であるにもかかわらず、出納責任者に対し関係責任官庁監督管理が適切を欠いておつたということがあげ得ると私は確信するのであります。第二には、経理監査の衝に当つている会計検査院の、これが事前防止に対する措置妥当を欠いておつたということ。これは何人もいなめない事実であると思うのであります。第三には、各省間のこの種事件を防止するために、すなわち自己反省、自己批判をなして、かかる不正事件の防止を目途として存在しておるところの経済調査庁の行動は迅速であつたかもしれないけれども、その機能をもつてしてもこの事件が事前に防止できなかつたこと。以上三点に大別し得ると思うのであります。現在この種事件に関しましては、検察庁が手を入れておりますので、刑事事件としての責任は当然当人たちが負うことでありましようからわれわれがここで論ずる限りではありません。しかし法律上公団経理不正の責任はたれにあるかということだけは明確にしておかなければなりません。本日の新聞などでも公団についていろいろなことが報道せられておりますけれども、この責任は一体いずれにあるのか、これだけは国民ひとしく聞かなければならぬ問題であるので、明確にしなければならぬのであります。ただ事件に関する被告人の責任を追究するのみでなく、国民のひとしく聞かんとするところは、かかる文明の世の中になぜ国民の膏血である厖大なる国費をこのようにしたかということであります。このことに対しては、私は安本長官並びに各種公団の責任官庁大臣諸公の明確なる答弁を煩わしたいと思いますし、各種公団法を制定するにあたつては、このようなことが当然あると考えられたので、これの法律的な意見もお聞きしたいと思つておりましたが、御出席ありません。この質問に対しましては、各関係省の出席者はお帰りになつて責任者の答弁を求め、本国会報告せられんことを望みます。それから会計検査院に対してであります。この種問題は、どうも会計検査院をつるし上げるようになりますが、私は会計検査院のみに申すのではありません。この事件を契機といたしまして、会計検査院の機能に欠陷があつたならば、これを是正しなければならぬということを考えるために、会計検査院から御出席の方に続いて御質問を申し上げます。  私は、先国会から引続き決算というものに対しては非常に興味を持ち、かつ決算委員としていろいろな資料を研究して参つたのでありますが、私たちと会計検査院との間にどうしてもぴつたり来ないものがある。それは次に申し述べるような事柄についてであります。会計検査院は国の收入支出の決算検査国会報告する義務がある。これは憲法上の規定であります。しかし会計検査院の責任は以上のごときものだけではなく、国民の膏血である国費の支出に適正を期するというのが本来の目的であろうと私は思うのであります。その意味会計検査院がありながら、この種の不正事件を惹起しつつあるということを考えますときに、法律上の問題は別として、会計検査院国民に対してその責を免れることはできないということ、これは私は憲法上の解釈から考えても言い得ると思つております。現在の状況におきまして、各種の公団は大半解消せられ、残る公団も近くほとんど全部が解散せられるという運命にあるのでありますが、この会計決算が確定するまでには、まだまだ多くの日時と多数の人を要することは申すまでもなく、なおかつ非常に大きな仕事であると思つております。会計検査院は各種公団会計検査に対しては、昭和二十四年度から検査報告をするということが建前になつておりまするが、二十四年度の分は今年の十一月ないし十二月までには当然お出しになると私は思つておりますが、この建前から当然の義務として、二十四年度以前の会計経理の面に対してもきつと検査行つておられるということを私は考えております。これは法律的に国会に対してあわせ報告をしなければならないという義務はないのでありまするが、会計検査院の本来の目的、その意味から考えて二十四年度決算報告をなされる場合、二十四年度以前のもの、いわゆる事件を多数に含むところのこれら会計決算に対しても、あわせ御報告をなさる意思があるかどうかということをまず一番目に伺つておきます。この問題は重要な問題でありますので、検査官会議の議を経なければ発表できないというふうに御答弁になるかもしれませんが、私は会計検査院国民の前に立つておる現在において、会計検査院を代表されて国会おいでなつた方々であるならば、この種問題は検査官会議にかけなくても御発言ができるものであるという確信のもとにまず御答弁を煩わします。
  28. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答え申し上げます。もちろん二十三年度以前のものでも検査報告の案が出れば、私ども会議にかけまして何でも御報告申し上げるつもりであります。検査院検査官としてそう申し上げてもいいと思います。ほかの二人もそういう考えだろうと思います。
  29. 田中角榮

    ○田中(角)委員 ただいまの御発言は委員会としましても非常に喜ぶべき御発言であると考えております。現在の決算は申すまでもなく翌年中に国会報告すればよいというような状態でありまして、二十三年度のものが二十四年の十一月までに出されておる、二十四年度のものがやつと今年の十一月、本年度のものは来年の十一月ごろということになるのでありまするが、御承知の通り現在の経済速度というものは非常に早いのであつて国会があなた方からお出しになるところの決算報告書を見ますときには、もう時間的に非常に大きなずれがあるのであります。終戰直後と現在と比べますと、相当経済状態も軌道に乘つては参つておりますが、終戰直後に例をとりますると、一年間違つたならば、一年前の会計の数字なんというものは夢のような数字であるということでは、決算委員会としても皆様からお出しになつた確定された決算書を送られても、なかなかその通り実情を把握することが困難である。できるならば国費の支出の適正を期するためには、動いておるその実態を時々刻々に調査をされ、検査をされ、報告をされるということが一番いいのであると思うのであります。その意味において会計検査院に対しましては、なるべく動いておる数字を的確にお出しになつていただき、検査をしていただいて、こういうふうな不正事件があつて、いわゆる国費支出に適正を期することができなかつたというように、こういうものを未然に防止しなければならない。批難事項を今お出しになつていただいても、決算委員会で批難事項だけを審査しておつたようなときもあつたのでありまするが、これについては各省でも嚴重戒告をしたというごときで、首を切つたこともありません。ほとんど譴責をしたこともないし、簡單な省内の勧告で片づけておられるようでございまして、こういうものは最も真劍に迅速に処置をしていただかなければならぬ。現在の私のこの要求を満すためには会計検査院の機能が小さ過ぎるということを私は前の国会から申し上げております。私は昨日参りませんので、昨日の御答弁の中では現在の人員で運用いかんにおいては十分でないかということを申されたそうですが、私は現在の会計検査院では絶体にいかぬ。三倍でも、五倍でも、これまでの警官をふやすことと同じでありまして、警官をふやして事件を防止するよりも、会計検査院の人員をふやさないことには——国費の支出の適正をはかるようにすることが理想ではありまするが、現在の状況においてはそれは理想論でうまく行かない。さしあたりは会計検査院の人員も機能も大きくしなければならぬ。特に去る第七国会予算執行職員の責任に関する法律というまつたく会計検査院の権限法ともいうべき法律が公布せられました。それはいずれいろいろな改正も近く出ましようが、この種法律が出て、しかもいろいろな科目の変更その他批難事項になると思うようなものは全部会計検査院の指示を得て、内認可を得なければ支出ができないということであるならば、一体この大きな会計検査の責任の衝に当つておる現在の会計検査院の機能ではたして万全であるかどうか、これを率直に申していただきたい。今までいろいろ小峰さん、事務総長その他いろいろの方から申されたのですが、会計検査院の方々は、どうも旧憲法下天皇の名において会計検査を行つたというような感覚で非常にお上品です。だから各省の方々がおいでになる前では今の機能ではやれません、万全を期すことはできないのですというがごときことをおつしやらない。各省は人間が余つてつても、人員の整理をやられては困るから、なお足らぬということをやつておるのですが、会計検査院からはそういうような強い意思の発表を一度も受けたことがないと思つておるのですが、私がただいま申し述べたようなことを基準にして現在の会計検査院は、その法の命ずる職務を行うために万全であり得るかということに対して、第二の御答弁を煩わしたいと思います。
  30. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 ただいまの御質問に御答弁申し上げます。検査の結果の報告が非常におそいというお話でございますが、これも一昨日ちよつと御答弁申し上げたと存じますけれども、機構がこういう機構になつておるということで、それにまた検査の性質として勢い遅れることは御了承願いたいのでありますが、最近これは改善いたしまして、たとえば二十四年度報告などを出したのは、事務当局の者が努力してくれまして、私どもの方に案が早く参りまして、今度はこの国会に間に合わそうと審議いたしました結果できたのであります。今後もできるだけ機動的に検査員を動かしまして、御要求に応じて早く御報告を申し上げるというようなことを期したいと思つております。これはせつかく努力中であるということを御承知願いたいのであります。  人員の増加のことは、これは実地の主任官になる能力のある人間さえ多ければ多々ますます弁ずることは申すまでもないので、お上品に——今までの事務局の者がそう答弁したかどうかは知りませんが、私どもは大きくしたいことはやまやまであります。アメリカの会計検査院は一万名くらいの人員でやつておるそうでありますが、司令部あたりでも一万名くらいでやれと担当の者は指示しておるくらいで、これはやりたいのでありますけれども、なお仕事の性質から申しまして、やはり研修を重ねた実地の主任官というものは、相手の官庁に伺えば、たとえば県に伺えばやはり知事さんと対等かもう一つ上に立つて批判するのでございますし、各省に行けばやはり最高の方と、地位は低くても対等にやつて行かなければならぬ。それには相当研修も積まなければならぬという意味でありまして、そういうのを上品とおとりになつたのか存じませんけれども、ただいまどんどん研修中でございまして、そういうものができ次第、検査の組と申しますか、主任になる者がどんどんたくさんでき次第人間もふやして予算も御要求しようと思つておるのでございますから、私らは決して今の人員でいいとは、一昨日も申し上げた覚えはないのでありますが、その点誤解のないように……。
  31. 田中角榮

    ○田中(角)委員 感覚が違うからそういうふうになるので、今あなたが申されたような言葉が私たちにはお上品だと申し上げたのです。私が言うのは、あなたの言う通りに確かに会計決算というのは人が支出してからやるのですから、時間的に遅れることは当然です。ところが国費支出の適正という本来の目的から行きまして、四半期四半期にも手を入れていただきたい、そういうふうな新しい感覚から会計検査決算というものを考えられて、新しい機構によるところの会計検査院の機能を大きくするというくらいなお気持があるかないか、あるかないかというよりも、大きくするようにひとつきようからでもやつていただきたいということを申したのです。これは私の意見ですが、私は前から会計検査院の機能増大ということには、会計検査院ちようちん持ちをよくすると言われるくらいやつておるのです。そういう意味会計検査院が新しい気持に立つて考えていただきたいということを申し上げておきます。  それに関連しまして現在経済調査庁がありますが、経済調査庁の方々がおいでになればその方にも御意見を聞きたい。先ほどちよつと私が申しましたように、経済調査庁は各官庁間において自己反省をし、自己批判をするという建前において、私は一応会計検査院との間に会計検査という法律上の疑義があるのではないかと思つておつた。一つの政府部内において経理の査察調査、会計検査院と同じようなことを行う——これが国会の国政調査権というものを広義に解釈すると、憲法上の規定であるところの会計検査院会計検査と、国会でやるところの国政調査による会計検査というものと、経済調査庁がやるものはまつたく同じになつて来る思う。これは定義上いろいろむずかしい問題があるでしよう。経済調査庁が自己反省という意味でつくられておるのですが、これは本来の目的は支出の適正という意味で、会計検査院と合併することが非常にいいことだと私は考えているのです。会計検査院は、経済調査庁さんがお入りくださればまことにけつこうですという御意見があるか。経済調査庁は会計検査院と御一諸になることは非常にけつこうですというようなお考えがあるならば、当然一つになるべきものだ。しかも先国会においては、御承知の通り参議院でもつて修正になりましたものを、また衆議院へもどつて官庁権限の紛淆を来すおそれのある経済調査庁法の一部を改正する法律案に対しては、一年間の期限つきというふうにして通過せしめておる。現状において一年間はあまり長い間ではありませんが、もう一年間延長というような事態がないように希望するのですが、その意味で経済調査庁法によるところの経済調査庁と会計検査院の機能を一緒にするということに対して、両者の御意見があつたら伺いたい。
  32. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 ただいまの御答弁を申し上げます。経済調査庁もともかく会計検査の能力を備えておられるりつぱな方がたくさんおられると思いますから、国会でそういうふうにその職員をこちらへくださるというならば、検査院の立場とすればそんなありがたいことはないのでありますが、これはむしろ国会の方の御判断であろうと思います。
  33. 木村武

    ○木村説明員 ただいまのお話は私どもの立場をもつと越えて、たとえば長官あたりからお答え申すべきことだと思いますから、遠慮させていただきます。
  34. 田中角榮

    ○田中(角)委員 それから現在会計検査院は東京にだけありますが、各種公団事件内容等を見ると、申すまでもなく地方に非常に離れておるために、いろいろ会計検査の適切を期せなかつたという事情から申しまして、地方に出張所というごときものを設ける御意思があるかないか、建設省等においては、地方建設局を設けて地方的にやつておりますが、会計検査院においてもこの状況が成立つと考えておるのですが、これに対してどうお考えですか。
  35. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 ただいまの御質問にお答えいたします。これは私どもの間でも始終問題にしておりまして、支所をつくつた方がいいという意見もあるのでございますけれども、結局人員の質、つまり検査の能力があり支所にいても会計検査院を代表してぐんぐんやつて行けるような人がたくさん養成できれば至るところに設けたいと思つております。この間も私ども三人でその問題を検討いたしましたが、今の状態ではまだ時期尚早で、しかしなるべく早い時期につくりたいという意思はあります。
  36. 田中角榮

    ○田中(角)委員 会計検査院の本来の方々は、旧憲法時代からずつと続けられておるところの会計検査のまつたく技術者であり、エキスパートであると思うのですが、先ほど申し上げましたように終戰後日本の経済は非常にむずかしいのでありまして、会計検査もそれと並行してむずかしいわけです。その意味において今検察と同じようなお気持を持ち、また技術を持つておられる経済調査庁などが新しい分野を持つて会計検査院と合流せられることは非常によい。こういうことを申し上げたのですか、それと同じように戰後の会計経理というものが非常に複雑化しておる。今人事院の試験の中には、いわゆるGHQとのむずかしいしちめんどうくさい書類が出ておるようですが、こういうむずかしいものは新しい組織の中で新らしい仕事をやつた人でなければなかなかやれない。そういう意味会計検査の面において、現在問題になつておる公団などの問題には戰後のいわゆるやり繰り経理、ごまかし経理に非常に明るい技能者を見つけなければならぬということだけは事実だろうと思う。今新聞にたたかれ始めつつあるような事件は、すでに会計検査院が大体決算を承認したのじやないかというようなところにいろいろなことを言われておるようですが、私は悪い気持で会計検査院が飲ませられたり何かしたから易々諾々と判を押したとは絶対に思つておりません。技術的に少し無理じやないか、現在の会計検査院検査官並び検査事務官の技能や素質から見て多少無理じやないかと思うのですが、今度人員をふやされる以上こういうことも十分考えられて、民間からの登用もぜひお考え願いたいという意見を申し上げておきます。これはあなたには御答弁をわずらわさないでおきます。  最後にこの委員会として懸案である会計検査院に対する憲法上の問題であります。会計決算の確定は、会計検査院において決算を確定するという憲法上の規定がありますが、旧憲法と新憲法との間に非常に疑義があるのは、会計検査に対してだけであります。かつて憲法は申すまでもなく翼賛議会のものであつた。ところが現在は予算に対する議決議である。そういう意味から見ますと、旧憲法から新憲法に乘り移るときに会計検査院だけはあいのこでもつて、そのままに現在の新憲法に盛られて来たということだけは皆さん御承知の通りである。しかし條文、字句の上の解釈はいかようにもできます。説をなす者は、とにかく国会に対しては確定したものを報告すればよいのだ、国会の承認、不承認にかかわらず決算は確定しておる。こういうことを言われておりますが、私は会計検査院の最終的確定は新憲法下にあつて国会にある、こういう強い意見を持つておる。前国会においても、御承知の通り、いろいろ各界の方々にご出席を願つて、この問題に対しては責重なる御意見ちようだいし、しかもこの問題は明治憲法の当初から四、五十年にわたつて論議せられておる問題であります。この問題に対して、私は会計検査院としては、どうも国政調査というようなものの権限上の問題で、国会が何でもとるのじやないかというような感覚からもう一歩進められて、国会というものが会計監査の最終確定を行うのだということを義務づけられ、憲法上にそういう定義を行つた場合に、国会は、現在公団の問題でこのように、あなた方に出てもらつて話を聞くというようななまぬるいようなことでなく、われわれは大衆の上に立ち、選挙という直接な影響があるだけに、経理という問題に対しては、非常なこまかい神経を働かせ、現在の決算委員会というようなものでなく、もつと深刻な辛辣な決算委員会になると思う。その場合国民の受けるところのマイナスというものは、少くとも最小限度にとめ、そうして会計検査院国会が表裏一体になり、この大事業を行うというためにも、私は憲法上のいろいろ疑義はあるし、いろいろ説をなす人がありますが、決算の最終の確定は国会である。その意味においては決算報告書は、ただ報告案件でなく、議決案件であるということを私はここに申し上げて、会計検査院もなるべくそのような解釈をするように御努力願えればけつこうである。私はこれは自分意見ですから、あなた方に答弁を求めてもむりなことであり、まつたく相反する立場でありますので、国会においてもこういう意見を持つ者も非常に多く、これはただに人の権限を縮小してとるという意味でなく、国庫の支出の適正を期するため、このような新しい解釈もしなければならぬという意見もあるということもおくみいただきたいということを付言いたしまして、私の質問をこれで終ります。
  37. 菅家喜六

    菅家委員長 この際大蔵省の責任の方がおいでになりましたので、二十六日の委員会において全会一致で大蔵省当局に要望するということの話合いになつておりましたことがありましたので、この際ひとつ大蔵当局からこの前後の事情を御説明願いたいと思います。前回の二十六日の委員会に公団経理に関するその後の事情を聽取いたしたく前もつてそれぞれ通知をいたしておいたのであります。御承知の通り公団における不正事件、各公団に関しては全般的の監督の権利を持つておるのは大蔵省であります。しかもその全責任者でなくても、事務関係の者を一人でも二人でもこの委員会に出席いたされるならば、こういうことはなかつたのでありますが、遺憾ながら、二十六日の委員会にはただ大蔵省のみが一名の事務当局も政府委員も御出席にならなかつた。これはどういう御趣意であるか、決算委員会には大蔵省としてはおでかけにならないというお考えであるのか、これは将来本委員会の運営、審議上重大な問題でありますから、この際その間の事情を御説明願つておきます。
  38. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 はなはだただいまおつしやいました点、申訳ないと思います。その間の事情と申しましても、ただ当日ここに大蔵省関係が一人も出なかつたということは、あるいは私の大蔵省内の連絡が不十分であつたために、こんなことになつたと思います。まことにこの委員会に対して申訳ないと思います。今度必ず委員長のおつしやいました通りに実行いたしまして、皆さんの運営に支障のないようにやりたいと思いますから、その点御了承願いたいと思います。
  39. 菅家喜六

    菅家委員長 なおひとつ大蔵当局にお願いいたしておきます。今日の委員会にも、大臣は参議院なり衆議院の予算委員会等もあるので、大臣の出席は不可能かもしれぬが、政務次官もしくは政府委員である河野主計局長に出席を求めておいたのでありますが、先ほど政府委員たる河野主計局長は、本委員会の政府委員席に着かずして、傍聽席におつてこの委員会をながめてこの場を退席したようであります。これは監督の任にあられる当局として、いかようなお考えのもとにこういうことになつたか、これは今後の審議、運営上必要でありますから、伺つておきます。
  40. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 先ほどおわび申し上げまして、また今日もこのような不出来なことをいたしまして、あしからずお許しを願いまして、今後の運営に支障のないようにいたします。そうおわび申し上げるほか道はないのでございます。どうかお許しを願います。
  41. 菅家喜六

    菅家委員長 この際強く委員長からも、委員会全体の意見として大蔵当局に要望いたしておきます。まことに二十六日の委員会、また今日の委員会における河野政府委員委員会に対する態度は遺憾であります。今後かかることのないようにいたさなければなりませんので、この点は強く委員会全体の意見として大蔵当局に要望いたす次第であります。  次に三宅君。
  42. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はこの前の決算委員会におきまして、事務当局から各省の大要を事務的に承つたのであります。本日はその責任の所在を明らかにせしむべく、わざわざ政府委員の御来場を願つたわけです。私が申すまでもなく、各新聞紙上に伝えられております通り公団につきましては、まことにいかがわしい問題があるわけでありまして、本日付の朝日新聞、また日本経済新聞等にも掲載されておりまするが、鈴鹿肥料公団の総裁が逮捕せられた、こういう事件が載つておるわけでありまして、これは各新聞にも掲載せられたところでありまして、まことに遺憾千万な点であると思つておりまするが、ここに一段と声を励まして申し上げたい事柄は、この取調べの結果によりましては、さらに農林、大蔵、安本、会計検査院等にも及ぶ公算が大であると書いてある。これをごらんなつたかどうかということを最初に聞きたい。どなたか政府委員を代表して答えていただきたい。
  43. 菅家喜六

    菅家委員長 三宅君に申し上げますが、代表といつても各省から政府委員の代表として、ここに来られておられる方はないわけであります。今日政府側からおいでになつておる責任者は運輸、大蔵であります。経済安定本部からは今日事情があつてお見えになつておりません。農林省からも責任の地位の人はおいでになつておりませんので、後日あらためてこれらに対しては委員会を開きまして、質問を受けることにいたしますが、今日はなるべく運輸、大蔵に関係する監督の部分だけの答弁を要求されたいと思います。
  44. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは大蔵政務次官にお伺いいたしますが、こういうようなことが新聞に出ることによつて——新聞のことは責任がないとおつしやるならばそれまででありますけれども、私ども国民信頼を得ております政府、もしくは監督をいたしておりまする大蔵当局に対しまして、はなはだ不満を感じておる。政府当局はどういうふうに考えておるか承りたい。
  45. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 実は今朝その新聞を拝見いたしております。さつそく私も心配いたしましたので、こういう事実があるかないかということをその方面に聞いたのでありまするが、そういうものはないという回答を得ましたので、私はないということを申し上げていいのではないかという立場にあると思います。
  46. 三宅則義

    三宅(則)委員 総括的な質問でありますが、御答弁をやはり要求いたします。大蔵省は日本專売公社、あるいは復興金融金庫、あるいは国民金融公庫というようなものを中心にやつておられる。運輸省はもちろん日本国有鉄道あるいは船舶公団あるいは船舶運営会あるいは商船管理委員会というような各種特別会計の方をやつておられるわけであります。こういうようないろいろな関係に立つておられます。最後の責任はやはり各省とも負うべきものでありますが、また一面会計検査院もこれにタツチしておられると思いますので会計検査院といたしましては、各省にもしくは公団にどのくらいの人員をあげて調査をしておられるかということを聞きたいのです。その一例を申しますと、先ほども下岡検査官か仰せになりましたが、言つてみると、会計検査院の方の力が弱体であつて、向うの方は相当な熟練もいたしておりますし、経験も持つておる、こういうものの監査をいたすわけでありますから、割合にめこぼしがあつたり、あるいはごまかされるということはないと思いますが、ある程度までは徹底を欠くということがあろうと考えますが、これらが両者相まちまして、少くとも今日におきましては、運輸省としては下の方の各公団に対しては相当意見を持つて検査をし、もしくは監査をするお気持があるかどうかということを、運輸政務次官に伺い、次には下岡検査官から伺いたいと思います。
  47. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 運輸省におきましては、各公社あるいは公団等に対しましては、嚴重に将来とも監査を続けて行きたいと思つております。なお船舶公団等の他の公団経理方面につきまして現金の扱い等については嚴重経理一本で行つておりますので、各部で現金の扱いをするということはないようにいたしております。
  48. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 御答弁申し上げます。出資検査課というものがございまして、これは二つの課でできております。両方で事務官以上五十一名おりまして、検査の主任官になる能力のある者が約九名ございまして、つまり九組で大体公団とか復金とかいういわゆる出費団体——鉄道、專売を除いたそういう団体を検査しております。それから鉄道の方は二課ございまして、鉄道だけを專門に、鉄道並びに鉄道に伴う外郭団体や何かを検査しておるのがあります。それが事務官以上六十人ばかりおります。これも今主任官として出る能力のある者が二課でたいがい七、八組できることになつております。それから專売の方は大蔵事業検査課と申しまして、專売公社と造幣局と印刷庁の三つを検査しております。造幣局、印刷庁は比較的小さいので、ほとんどこの方は全部で專売を検査しておるようなものでありますが、これは事務官以上三十五人ばかりの世帶でございまして、主任官になる能力のある者は五人、つまり五組で方々を検査しておる、そういうことであります。
  49. 三宅則義

    三宅(則)委員 關谷政務次官がおられますから、もう一点關谷さんにお伺いいたしたい。従来は鉄道会計は割合に整備されておりました。私どもの観点から申しますと、官庁会計といたしましては鉄道会計が一番よかつたと私は思うのです。その後日本国有鉄道になり、また私設鉄道もあると思つておりますが、これらに対して、政務次官ではわからぬかもしれませんが、補助もいたし、あるいはその他の権益も供與せられておるものと思うのであります。こういうものに対しましての監督というものは将来とも嚴密にやらなければならぬと思いますが、もう一度政務次官の御意見を承りたい。
  50. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 現在運輸省におきまして、私鉄あるいは国鉄の方に対しましては補助はいたしておりません。
  51. 三宅則義

    三宅(則)委員 私の聞くのが違つておりましたが、さらにもう一つ申し上げたい事柄は、船舶公団でありますとか、あるいは運営会とかいうようないろいろな公団がありますが、それに対します監督権はもちろん運輸省にあるわけでありまして、これらの公団あるいは公社等におきましての行過ぎ、もしくは濫用等があつた場合においては、責任はだれが負うことになりましようか、その辺を承りたい。
  52. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 直接はそれぞれその公団理事長等にありますが、関接には運輸大臣になると思います。
  53. 三宅則義

    三宅(則)委員 しからば検査官の方に承ります。先ほども田中角榮委員から嚴重なる御忠告なり意見なりの開陳かあつたわけでありますが、検査官として、会計検査に関しましていろいろ報告をなされますが、報告をし放しで、それで会計検査院の任務は終つたというふうに解釈せられますか、それともある程度までこれを追究することを政府もしくは国会に委任せられるという意味合いでしようか。どういう意味でしようか、その本質をちよつと承りたい。
  54. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答え申し上げます。法律でもつて追究することを要するもの、あるいは追究し得るものはどしどし追究しております。特に今度予算執行職員の責任に関する法律などが出ますと、大体今までの検査報告に出ている件数は一応責任者を全部洗いまして、故意または重大なる過失によつて国損を與えたと認めるものについては、みな弁済を命ずる、それからそれに至らないものでももちろん懲戒処分を要するものと認めるものは、各省の責任者に懲戒の要求をいたしたいと思います。それはむろん追究してやる予定でございます。  それからさつき田中委員から言われた例の検査確定ということの疑義、これは私個人としてはいろいろ意見がありますが、検査院としてはああいう意見でございますけれども、これはやはり国会憲法上道義的には最終に御判断になるのじやないかと思うのでありますが、これはどこの憲法もほとんどそんなふうになつておるようであります。昔の検査院は天皇直隷と申しましたが、今の制度でございますと、委員会の御決議のように、会計検査院というものは国会の手足ではない、耳目となつて働くのだというふうに仰せになつて、私どもはやはり国会、具体的に申せば決算委員会の耳目になつているというつもりで、事務当局はみな働いているつもりでございまして、一部の者の意見としては、むしろ決算委員会あたりから私どもにいろいろ御注文をくださいまして、御鞭撻くださいますよう——これは私の考えではございませんが、事務の一部ではもつと御鞭撻していただきたいという希望はずいぶんあるようです。私ももちろんそれを希望いたします。御鞭撻が足らぬとは申しませんけれども、そういう点でやはり道義的には最高の御判断をなさるところと私は思つております。
  55. 三宅則義

    三宅(則)委員 先ほど来の質疑応答によりまして大分わかつて参りましたが、私はこういうことを申し上げて御参考に供し、また検査官の御意見を承りたいと存じます。国会、政府並びに最高裁判所、もう一つ会計検査院、こういうふうに田中君も仰せになりましたが、私もそういうふうに考えておるのです。三権分立とは申しながら、また一方において政府を監督する。会計面におきましては、最高裁判所と同じような意味合いにおいて行政官庁会計面については最高の地位にあるものと確信しておる。こういうものはやはり政府と国会との間に立ちまして、国会に対しましても相当に意見を開陳する、また国会も最高の権威を行使する意見合いによりまして、決算委員会は常時内閣に対しまして予算の使用面について、もしくは会計経理の整理面について監督することが必要であろう、こういう意味合いによりまして、幸い本委員会の菅家委員長初め各委員の今度の決算委員会——従来でも努力されておりましたが、なお一層努力いたしまして、わが国の会計経理の健全性の国民信頼を高めたい、こういう意味合いにおいて努力せられ、われわれも国会閉会中といえどもなお継続いたしまして審議し、また随時随所に国政調査の名において、もしくは審査等に携わりたい、かように思つておるわけであります。政府といたしましては、これに協力する意味合いにおいて、会計検査院をリードするために、各省連絡をとり、またわれわれ委員が調査をする便益をはかるべきが当然であろうと考えておりますが、下岡検査官はどういうふうに考えておられるか承りたい。
  56. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答えいたします。当然だろうと思います。その通りでございます。
  57. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは大蔵政務次官にもう一言お尋ねをいたしまして、御参考に供し、また御答弁をいただきたいと思います。御承知の通り由来大蔵省というところは国の予算決算等を監督する決算といいますか、あるいは立案するといいますか、これらに対する管理をいたされておる省でありまして、まことに重大な責任があると思うのであります。幸いに西川政務次官がおいでなりますが、われわれといたしましては、あるいは大蔵委員会において、あるいは決算委員会において、愼重審議いたしておつたのでございますが、どうもここで言つては失礼でございますが、大蔵官吏が一番威張つておるということを聞いておる。これはあり得べからざることと思いますが、頭がよいという意味合いのことでありましようか、何という意味合いでありましようか、そういうことを地方で聞かされるのです。もちろん自負心の高いのはけつこうでありますが、各官庁との連絡上、そうした潜越な優越感を感ずるということは断じて相ならぬ。むしろ各官庁との連絡を密にいたしまして、予算決算その他の問題につきましても、大蔵官僚は熱心に親切に、忠実に仕事をいたして国会並びに国民に対して答うべきものであると思うのでありますが、政務次官として率直なる意見を述べられて、われわれの審議の便に供されたいと思います。
  58. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 大蔵省の官吏が威張つておると申されましたが、私最近政務次官になつて大蔵省へ参りまして、また三年間参議院で大蔵委員をやつておりました間、そのような感じは受けておらぬのでございます。もしもそういうお感じが皆さんにあれば、一日も早く直さなければならぬのでありまして、幸い私も円満に行きたいという人間でございますから、そのお言葉に対応して全員が向つて行くように、皆様と相談いたしまして、そういたしたいと思います。
  59. 三宅則義

    三宅(則)委員 もう一つ今の政府委員の御答弁になりましたのにつけ加えたいと思います。と申しますのは、この政務次官というものは、御都合でありましようが、ときどきかわる。官僚の方はかわらないのです。十年も三十年もその中に巣をつくつておる。でありますから、政務次官やその他の大臣等のいうことをなかなかきかぬという標本が大蔵省ではないかといわれておる点がある。幸いに今度は池田さんが大蔵大臣になられまして、昔の出身だという意味合いでもありましようが、ややもすると官僚独善になりやすい、こういうのが官吏の一般の心理であろうと思うのであります。国会が最高の権威であり、大臣、政務次官が責任を持つて国会当り官庁監督しているわけでありますから、どうか政務次官も、私が申し上げるまでもないことでありますが、浮き上つてしまわないように、よく重しになつて監督してもらつて国民信頼にこたえ、また各庁との連絡を密にいたしまして、お互いに円満なる進行をはかるように、極力御協力あらんことを切望いたします。
  60. 菅家喜六

    菅家委員長 次は井之口君。
  61. 井之口政雄

    ○井之口委員 ちようど外務次官もおいでになりますし、大蔵次官も運輸次官もおいでになりますから、ちようどよい機会だと思いますが、ひとつお伺いしたいのは、今日本の財政の金の使い方で、一番ふしぎに思われるというか、疑問に思われているところは、朝鮮事件に対しまして、国連軍の輸送をされておりますが、その費用がどういうふうにまかなわれているだろうかという点であります。もとより国鉄においては、直接外国のドルで受けてはおいでになりませんでしようし、当然日本の金をもつて、その人員並びに貨物の輸送に対して受けておいでになるだろうと思いますが、その点もひとつ明確にお返事願いたいと思うのであります。
  62. 菅家喜六

    菅家委員長 井之口委員に申し上げますが、この問題については大蔵、運輸両政務次官も御答弁がありません。これはなお当委員会に大蔵大臣が来られる機会がありますので、その際に何かと関連して御質問を願いたいと思います。大体今日の議題の線に沿つて質問願いたいと思います。そうでないと、たくさん問題が出て来ますと…。
  63. 井之口政雄

    ○井之口委員 いずれ決算委員会にかかつて来る問題と思いますが、きようのところはこれはお預かりにしておきます。  次に先ほどの委員からも御発言がございましたが、例の肥料公団の総裁の逮捕でございます総裁が逮捕せられるということは非常に大きな事件でありまして、これはいまだに日本になかつたのであります。こういう大事件に対しまして先ほどの大蔵次官の御返事では、不正はないということを明言しておいでになりますが、不正はないにしても少くも財政上の監督の点において何か問題があるのではないか。その点について概略だけでもひとつ御責任のある御返事を願いたい。
  64. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 おつしやる通り総裁が逮捕されるということは実に大きな事件であります。これは新聞に載つておりましたので、先ほど三宅委員が大蔵省の中に何か悪いものがないかという御質問がありました。それで私先ほどのように御答弁を申し上げたのであります。しかしながらこの大きなる問題はただいま実は取調べ中でございますし、ここではつきり私御答弁申し上げることができないと思うのであります。この点御了承願いたいと思うのであります。
  65. 井之口政雄

    ○井之口委員 答弁できなければしかたありません。  次に、ここに会計検査院から解鉄作業に対しての報告書が出ております。この問題はさきの会計検査院院長からは、解鉄したところのその物資は明らかに政府のものである、しかもこれに対して何らまだ契約もないのだというようなことを前国会で言明されておいでになるのですが、これを見ますと、ただ拂下げる価格の不当であるというふうなことだけしか指摘されておりませんが、この点の責任の所在が明瞭にどちらにあるのか、ちよつと御返事願いたい。
  66. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 今私材料を持つておりませんし、記憶にちよつとないのでございますが、また取調べましてその点お答え申し上げます。
  67. 井之口政雄

    ○井之口委員 こういう場合に売つた値段に対して不当だというふうなことを会計検査院が言つておられるのに対しては、それを追徴するような方法を今進めておいでになりますが、どうでしようか。
  68. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 それはやつております。
  69. 井之口政雄

    ○井之口委員 それでは一般公団の問題に入りまして簡單にお尋ねいたしますと、政府の言葉で言いますれば、公団は終熄過程に入つているのだそうですが、公団の終熄過程を通じて各公団経理の問題が非常に重大な問題となつております。そもそもこれの検査につきましては、大体もう六月ごろ会計検査院においてほば終つているのではなかろうか。二十四年度会計報告でも、七月三十一日までにはちやんと会計検査院にまわつて成立されていなければならぬと思うのですが、六月ごろこれは全般的に一応の調査は終つて報告書なり何なりにまとめられているのでございますかどうですか。そうして各公団に対して質疑の点があるならば、質疑というものをみんな出しておいでになるのじやないのですか。
  70. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答え申し上げます。私の記憶では一通りはまわつて、二十四年度について、ここにも少し触れておりまするが、出ておるものもございますが、なおこれから決算報告が参りましてから、検査する段階に入るわけであります。
  71. 井之口政雄

    ○井之口委員 その一通りの簡單な報告書、並びに公団の経営に対して不審を抱かれたものに対する会計検査院からの質問書というふうなものも大体できているであろうと思います。これらのものを当委員会に発表して、これを審議に付せられるようにしましたならば、われわれの審議も非常に便利と思いますが、それは早急にできますか。
  72. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答え申し上げます。事務局が一応その質疑の問題を出しただけでございまして、経理がほんとうに不正なのかどうなのか、向うの答弁を聞いてからでなければ、やはり相手方の正不正を判断するのでございますから、それまですつかりさらけ出してごらんに入れるというのは私の考えではどうかと思うのです。こういうものがあるがどうしたかという御質問があれば、さしつかえない限り調べたものについては申し上げていいと私は思いますけれども会計検査院検査の実務当局が中には非常に思い違いをして、向うを追究してみたところが、向うにももつともな言い分があるという場合には、これは撤回しなければなりませんし、その段階のものをそのままさらけ出してごらんに入れるというのは、相手方に対してもちよつとどうかと思いますので、全面的にはちよつとお控えしたい。これはほかの二人もそんな考えだろうと思います。
  73. 井之口政雄

    ○井之口委員 なるほどそういうものは向うの返事と両方照し合せて審議することによつて真相は的確につかめると思うのです。しかし会計検査院は御承知の通りたつた五十何人の人間で、全国のいろいろな公団経理をやるについては不十分な点もあるでしよう。そういうような点についてはわれわれは会計検査院のでき上つたものだけを見ないで、やはりその審議の過程、中間報告そういうものをどんどん出されることによつてできることと思いますが、これはなお委員長とも相談の上、ひとつとりまとめてどんどんそういうものを出してもらいたい、そうして返事があつたならば返事も出してもらいたい。これがわれわれの審議をなすべきものと思います。  そもそもこの公団なるものは、戰争最中営団と称して軍閥がいろいろな配給機構を統制したものである。それが終戰後なりかわつた性質のものであります。国家資本的に経営されたものである。この国家資本的に経営されたものの、これの罪悪、これの不正、これの腐敗というものは、まつたく目をおおうくらいの明らかさをもつて出て参つております。これは戰時中ずつと引続いており、民主主義の時代になつても、やはり公団機構という国家資本主義的な経営というものはだめなのだということが、これで最も明瞭に現われている。これはわれわれ共産党が前からずつと主張し来つたところであつて、まつたくその通りのことがずつと現われております。それで資本主義は一般に押えておいて、配給機構だけをひとつの公団というものにまとめてやろうとしたつてできるものではない、また人民がこれに対して何らの管理権を持たずしてこういう機構を打立てたところで、それは腐つて来ることは明らかなのです。こうして資本主義の害悪をそのまま現わして参つております。それでこの公団をいよいよ廃止するという今日、ますます資本主義の害悪は公団の上に現われて来て、どさくさまぎれに火事場どろぼう的に公団からあらゆるものを盗み去る、こういうふうなことはまだまだ起る、終戰直後あの多くの軍需品を盗み持ちしたやうに、今度公団の中でまたそういう盗み持ちするようなことが行われると思うのであります。それならばそれをいつそ解消してしまつて、政府の言う終息過程に入つたならばどうなるかと申しますと、終息過程に入つたならば無制限に資本主義の自由競争が行われる。自由競争が無制限に行われて来て、こういう犯罪、投機、あるいは賄路、あるいは買收、こういうことに対してまた何らの法的な制裁もつけずしては、公然とやられるだけなんだ。資本主義というものが存在する限りはこういう罪悪というものはなかなか除去することはできない。そこでこれに対してわれわれはどうしても社会主義の大きな統制をかけないことにはいかぬ、また人民が管理をしなければいかぬということを前々から主張し来つておるものでありますが、あなた方会計検査院なり、いろいろ上の組織について実務をとつておいでになる方々がやつてみて、実際その不正なるものをごらんになつてその感は深くされたものかどうか、以上御質問いたします。
  74. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 お答えいたします。私の個人考えでございますけれども、どうも公団というものは結局お役人の悪い点と、民間の悪い点とをつきまぜた結果になつたことと感じておるのであります。御意見としてはわれわれもつともだと思つております。
  75. 井之口政雄

    ○井之口委員 廃止しては……
  76. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 今度はすみやかに廃止するという方針のようでございますが……
  77. 井之口政雄

    ○井之口委員 廃止する場合にどろぼうが起つて来る。
  78. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 それでありますから昨日申し上げたのは、そのときの滯貸の問題、その処理の問題、支拂い收納未済になつているものの整理、そういうものはみんな不正が行われたのですから、会計検査院の方針としてはそのところは特に目を光らせてやつて行こう、これは何をおいてもそのことには力を入れたいと思つております。
  79. 井之口政雄

    ○井之口委員 それを廃止して自由競争になつたらそういう弊害も妨げると思いますか。
  80. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 それはやはり多少社会政策的なものを加える必要があるのじやないかとも私個人としては思つております。
  81. 菅家喜六

    菅家委員長 今大蔵政務次官は他の委員会の方で採決がありますので、大蔵政務次官運輸政務次官に対するお尋ねがあれば急いでください。
  82. 井之口政雄

    ○井之口委員 では大蔵政務次官にお聞きいたしますが、鉱工品公団の調査がやはり打切られたように聞いております。これは事実でございますか。
  83. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 済んだように聞いております。
  84. 井之口政雄

    ○井之口委員 監督官庁として大蔵省の方では継続してずつとやつておいでになりますか。大蔵省の方ではもう全部が明らかになつて責任の所在も明瞭になつておるのでございませんか。
  85. 村上孝太郎

    ○村上説明員 大蔵省といたしましては、鉱工品公団の、皆さん御承知のような事件が将来においてもまた起る心配が絶対にありませんように、いろいろそういうことに関する嚴重な制度をつくりまして、これによつて嚴重なる監督をいたして行く考えであります。
  86. 井之口政雄

    ○井之口委員 それでは大蔵省と会計検査院と両方にお聞きいたしますが、鉱工品公団の調査をやるにあたりまして、そこの軽工品部というところに特別作業室というものを設けて、そうして会計検査院の役人がつききりで、ここの中で急速に、ほとんど密室において向うと談合して調査をやつたという事実がいろいろなところへ漏れておりまするが、そういう事実があるでしようか。またこの鉱工品公団の調査に行かれた会計検査院の人は何という人であるか、その人からの報告書がもうりつぱに出ているのか、この点お伺いいたします。
  87. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 そのことは私耳にしておりませんから、担当の局長にお答えさせます。
  88. 池田直

    池田會計檢査院説明員 はなはだ恐縮ですが、お伺いしたいのですが、いつごろのことですか。
  89. 井之口政雄

    ○井之口委員 五、六月ごろです。
  90. 池田直

    池田會計檢査院説明員 私どもといたしまして鉱工品公団検査をいたしましたのは、今度の事件が起りましてすぐいたしましたので、四月の末ごろから五月の初めにかけてやつておりまして、六月ごろはそうした検査はやつていないと私は記憶しておりますが、なお調査いたします。
  91. 井之口政雄

    ○井之口委員 その特別作業室というのができたのは四月ごろだと思いますが、行つた人は何という人か、責任をもつてひとつ……。
  92. 下岡忠一

    下岡會計檢査院説明員 四月のは知つております。特別作業室というのは私は聞いておりませんので、ただ実地検査をいたしたということだけは承知いたしております。
  93. 井之口政雄

    ○井之口委員 何という人ですか。
  94. 下岡忠一

    下岡會計檢査院説明員 四月に行きましたのは志村課長が行きました。
  95. 井之口政雄

    ○井之口委員 その人の報告書が出ていますか。
  96. 下岡忠一

    下岡會計檢査院説明員 もちろん実地検査をいたしましたからさつそく報告を徴しております。
  97. 井之口政雄

    ○井之口委員 その人の報告書を発表してもらえませんでしようか。先ほども会計検査院の方にお話しいたしましたら、特別に指摘してこういうものがほしいとおつしやればそのものを出してやるというふうなお話しでございましたが、これは非常に重大なる問題でありまするがゆえに、志村さんが直接そこの中に入つてお調べになつたものをひとつ委員会に提出してもらえませんか。そういたしますと責任あるところの会計検査院の調査でありますから、明瞭になると思います。もしも会計検査院の方々が、先ほど委員の方が仰せになりましたように、賄賂あるいは饗応によつてその調査を左右するというふうなことがないといたしますれば、このものは明瞭に発表出来るかと思います。
  98. 下岡忠一

    下岡會計檢査院説明員 帰りまして、よく相談いたしまして、差上げられるかどうかきめたいと思います。
  99. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 急がれるようですからちよつと大蔵方面にお伺いしたいのでありますが、税務署々々々は割当がちやんときまつているのでしようか。どこの税務署は幾億万円の徴税だというふうなことがあるかないかをちよつとお伺いいたしたい。
  100. 菅家喜六

    菅家委員長 高橋さんに申し上げますが、きようは税務署とか、そういう多岐にわたるものをこの委員会で全部取上げますと……。きようの議題は公団に関するところの経理監督ということですから……。
  101. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 公団関係しているものです。さつきいばるとかいばらぬとかいう問題もあつたし、ついでに聞いておかぬと……。
  102. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは申し上げますが、今日大蔵省より来ている政府委員もしくは説明員では、その関係者がおいでにならぬので、その答弁はできないということであります。
  103. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 ただちよつとしたことだけ参考に聞いておいて、あとは私会計検査院の方へお伺いしてすぐ帰ります。
  104. 菅家喜六

    菅家委員長 会計検査院にお尋ねください。それではどうぞ。
  105. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 大蔵省国税庁の方において税金の割当ということは全然やつておりません。
  106. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 それだつたら、ある税務署では徴税をして予定額に達したから表彰した、そうしておきながらまたあとから追究しているというようなことが私はあろうと思います。もう一つは、これは少しそれるかもしれませんが、異議申請をしたような場合に、これは税務署でさばくような方法をこのごろつくつたような意味は承つておりますが、でき得る限り局に行かないような方法を講じていただきたい。監督局の方に行かないで、もよりもよりの税務署で片づけるような方法を講じていただく考えがあるかないかということであります。西川さんは近江の大商人だからおわかりになるかならぬかしらないが、そういう点。  それからもう一つは、三宅氏の言うのは本省からいなかの税務署に行つたまでの話であつて、西川さん方がおいでになると、有名な近江商人の西川さんだと思つて頭がよく下ると思いますけれども、私みたいなものが行くと、どうもそり身になつて、うしろからしんばり棒をかわなければならぬようにいばる人が多いと思いますから、今後末端に至るまでいばらないような方法を講じてもらいたい。それをしていただけるかどうか、それだけ承つて、あとは会計検査院の方に伺いたいと思います。
  107. 西川甚五郎

    ○西川政府委員 実は御存知の通り政務次官になりましてから十日間、いろいろ今後その方向に向つて懸命に努力して行きたいと思いますから、御了承願います。
  108. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 会計検査院に対するお伺いは長くはしませんが、過去においてもう済んだものとして報告してありまして、もし犯罪事実が、証人でもあり、りつぱにそこに明らかになつた問題は、これは検察当局がやらなければならぬことは、私の身内にも判検事がたくさんおりますから、わかつておりますが、そういうことは別にいたしまして、年度が一年も二年も前の問題であつても、三年前のことであつても、もしそこに明らかなる証人が現われて明らかになつた場合は、検察当局と連絡をとつてまたやり直される意思があるかないか、承つておきたい。
  109. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 ものによつてではないかと思いますが、なお調べましてお答え申し上げます。
  110. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 それではいずれ私がやらぬでも、もしほかの方から——私はそういうことをやるのは親類でとめられております。人は訴訟を起すことはできないという私の親類の家禁であるから私はやりませんが、もしよその方からそういうものが現われた場合にはひとつよろしく、会計検査院はさすが公平無私であるというように、井之口君のような偉い人が言われるより以上の効能のあることを示していただきたい。私はそういうことは親類で家禁になつております、判検事がおりますから……。でもそのかわり自分は悪いことをしないために和服を着てあれが高橋だとわかるようにしておりますが、それをお伺いして私の質問を打切りたいと思う。
  111. 下岡忠一

    下岡會計檢査官 承知いたしました。御意見として了承いたしました。
  112. 井之口政雄

    ○井之口委員 会計検査院でお調べになつて鉱工品公団に莫大な滯貨があることをお認めになつておりますが、どういうわけでこんな厖大な滯貨ができたか、これをひとつ御説明願います。
  113. 池田直

    池田會計檢査院説明員 鉱工品公団の滯貨ができました理由につきましては、一昨日大体私からお答えしたような次第でありますが、やはりいろいろな事由がありましようが、まあ計画生産というか、見込生産というか、そういうふうな政府の計画によりまして輸出向けのものを買い取つて、それが手持ちになつたとか、あるいわ逆に政府の貿易会計において輸入いたしました物資が、国内の需給関係のバランスがうまくとれなかつた関係で滯貨になつておる、いろいろ関係する事項が複雑ではございますが、経済上の事情の変化等によりまして、やむを得ない事情もあつたろう、こうゆうふうに考えております。
  114. 井之口政雄

    ○井之口委員 やむを得ない事情があつたろうではどうも話にならぬ。外国から入つて来る品物がどういう品物かを調査し、また見込があつて輸入したものであるならば、国内において十分消費する可能性があつたに相違ない。それが売れないで、滯貨として一つぱいたまつておるところを見ると、事実は売れないことは百も承知で、しかたがないということで輸入されたものであることは明らかであります。そういうやり方をしておつたならば、公団国民に大きな損害をかけなければならなくなつて来ることは当然である。また売掛金なども一向とらずにおくとか、あるいは買い上げた金を早くとつておいて、それを帳簿の上に載せない、こういうようなことがたくさんあるだろうと思うのでありますが、そういうことは防止できるものかどうか、会計検査院意見を聞かせてもらいたい。どれぐらいのものになつておるか、その金額なども聞きたい。
  115. 池田直

    池田會計檢査院説明員 ただいまの御意見でありますが、問題はいろいろ国の政策問題等にからんでおると思います。会計検査院としてはそうしたものについていろいろ関心を持ちますし、検査上にも考慮を拂いますが、それをただちに会計監督の面から、以前のやり方がどうであつたこうであつたという批判は軽々にはできないことだと考えます。  それから売掛金がどの程度あつたか、滯貨がどの程度であるかにつきましては、お手元に差上げてありまする資料に大体記述してございます。
  116. 井之口政雄

    ○井之口委員 詳しいことはいずれ後日に延ばすこととして、簡單なことを一、二聞いておきたいと思います。鉱工品公団の鉱産部長は通産大臣に進退伺いを出している、その結果どうなりますかという点について伺いたい。
  117. 石井由太郎

    ○石井説明員 お答えいたします。ただいま総裁、副総裁その他責任の各部長からは進退伺いが出ております。これに対しまして通産省といたしましては、あの事件の発展いかんによりまして、これら進退伺いを出しておりまする方々の中にもあるいは関係者の発生を見るようなことがありはせぬかと考えまして、検察当局の事件の取扱い方を注視いたしておつたのでございますが、ただいま大蔵政務次官からもお答え申上げたように、大体検察当局の調査も一応打切られたとのことでございまするから、早急にこの進退伺いに対しまして、政府の処置の方法をきめたいと考えております。
  118. 井之口政雄

    ○井之口委員 最後に事件発生後、公団から通産省に提出したいろんな被害調査がある、これをひとつ委員会に出してもらいたい。  それから産業復興公団の中に、大きな一億数千万円からの不良資産の償却費というものが計上されている、こういうものは当然計上すべき性質のものではない。それについて十分な監督をしているかということを聞きたい。
  119. 石原武夫

    ○石原政府委員 産業復興公団行つております事業は、大別いたしますと、建設関係の事業と資材関係扱つている事業と二つあります。そのうち建設関係の事業については、数年前からいろいろそのときの情勢に応じて建設して参りました事業のうち、現在の状況におきましてはいろいろ経済情勢の変化のために、すでに当初の目的に使用することが困難だというようなものが幾つか生じております。従つてこれを将来処分いたします場合に、ある程度損失が生ずるという見込みのものが多少ございますので、それで決算の場合に、さような場合の準備といたしまして、一部計上しているわけでございます。
  120. 井之口政雄

    ○井之口委員 それは計上すべき性質のものではないと思いますが、会計検査院意見はどうでありますか。
  121. 池田直

    池田會計檢査院説明員 ただいまの御質問会計検査院としても承知いたしておりまして、この点につきましては目下いろいろ検討を加えております。
  122. 菅家喜六

    菅家委員長 各公団経理並びに監督に関する事項に対する質疑はこの程度で打切ることにいたします。     —————————————
  123. 菅家喜六

    菅家委員長 引続き本日の議題に掲げてあります閉会中の審査申出に関する件についてお諮りいたします。  昭和二十三年度決算の審議も大部分を残している程度でありますが、もはや会期終了も近日に迫つた際でありますので、一応審査を打切り、引続き閉会中も継続審査をいたしたいと思います。つきましては、広汎なる決算の調査をいたすべく閉会中の審査申出書を議長宛提出いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ないものと認めまして、さよう決します。その手続は委員長に御一任を願います。またただいま決定の閉会中の審査事項が、院議により本委員会に付託になりますれば、審査の一方法として、現地につき実情を詳細調査する必要が当然起つて来ると思いますが、御承知の通り委員を派遣するには議長の承認を必要といたしますので、従つて委員派遣の承認要求書を議長に提出いたしたいと思います。お諮りいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ないと思いますので、さよう決定いたします。派遣委員の選定、時日、派遣個所等の手続については委員長に御一任を願いたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。なお散会後にそれぞれの班については御相談を申し上げることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時十二分散会