○田邊
説明員 更生資金の増額でございますが、これはずいぶん努力をいたしまして、つい最近ようやく
関係方面並びに財務
当局の承認を得まして、三万円まで増額にな
つたのであります。実は更生資金は生業資金より若干貸付條件が緩和されております。そのほか本来の更生資金は五万円ないし十万円でございまして、これは回收見込みの確実なのは、事業計画が完全なものでありますれば、
国民金融金庫でこれも合せて貸付を受けることができるのであります。
それから住宅問題についての御
質問でございますが、まことにごもつともでございます。実は今日引揚者問題で一番重大な問題は住宅問題であると存ずるのであります。先般引揚
同胞対策審議会で引揚者定着援護を論議したときも、住宅問題を一番大きく取上げまして決議をいたしました。
関係各省と民間
関係者その他の方の御承諾を得まして決定がなされまして、内閣総理大臣の方に勧告がなされたのであります。その際の議論をかいつまんで申し上げますと、従来援護庁でや
つております住宅は応急援護としての住宅であります。外地から帰
つて来ます
方々の受入れ態勢の形として家を建てる、こういう建前であ
つた。しかし住宅に困
つておられる引揚者は、今後帰
つて来られる方ばかりでなく、すでに
引揚げられた何百万という大部分が住宅に困窮しておられる。こういう点まで政策において手を伸ばすということになりますと、ひとり引揚者のみならず、引揚者と同様の実情にある生活困難者に対しても、住宅の措置をしなければならぬということう相な
つたわけであります。ところが一方現在庶民住宅という政策を建設省でなされておりますが、これは家賃があまり高過ぎる。また住宅金融公庫というものができた今日といたしましては、庶民住宅の政策に再検討を加える必要があるじやないか。むしろ庶民住宅の恩典を受け得られないもつと下の低收入の人々に対して、こういう恩典を及ぼすべきではないかということを強く主張されまして、その点が各
委員に一致して認められたわけであります。従いまして来年度におきましては、厚生省といたしまして引揚者その他の生活困難者に対しまして、低廉な家賃の住宅を大量的に建設したい、かような
意向で予算の
折衝をいたしたいと思
つております。但しこの点に関しましては、住宅の所管が建設省にな
つている
関係もありますので、所管の問題はあろうと思いますが、引揚対策審議会の勧告もある次第でありますので、どこでやるにせよ、こういう政策を強く推進して行きたいと、かように
考えております。