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受田委員 総裁がおいでの
機会にちよつと御
意向を確かめておきたいと思いますが、こうして吉田総理の信頼を得られた
大橋さんは、祖国
日本再建の法務一般に関する最高指揮官にな
つておられる
関係上、非常に
責任ある立場で、御奮闘願いたいのであります。
この間からの
留守家族の上京に際してとられたところの警察側の
措置について、われわれは十分了承する点もあるのです。また警察官が泣いて
任務を遂行したという点も見られるのでありますが、あの
ソ連大使館の中へ陳情に行つた一部の
人たちが、
ソ連大使館員の誘導で中へ入りかけているものを、さらにあとから警察官がなだれ込んで、それをひつぱり出したという事件があります。これなどは少し行き過ぎじやないか、今度の
留守家族などは暴力を振うという人間もいなければ、まつたく純粋な
気持であつたのだから、ああいう点は大目に見てもらうようにしていただきたかつたのですが、その点いま少し寛大な
措置をと
つて、暴力を振うような危険のない者に対しては、あえてこれを制止することのないような、そういう適宜、適所なる
措置がと
つていただけるように、総裁の警察官に対する訓示その他においてお願いしたいのであります。
それからもう一つは、たいへん遺憾なことでありまするが、二十日に
留守家族の
代表者が総理官邸の応接室で会見をしている最中に、総理の秘書官が、
日本経済の若い記者が、足立ての上に立
つて写真をと
つているところを、暴力をも
つて足立てをひつくりかえして転倒せしめた事件があるのです。これはすでに告訴されておるので御
承知だろうと思いますが、総理の秘書官が、この新聞記者が
任務を遂行している最中に、足をすく
つて転倒せしめ、そうして一週間以上の負傷を与え、みずからもまたそのカメラによ
つて顔面に負傷したというような事件が、大衆の
代表者がおる前で行われたのであります。これはもうだれも否定することができない事実でありまするが、この事実に対しまして、総裁は
政府の側の
責任者として
答弁するとおつしやつたのでありまするが、このような暴力を行うような秘書官が総理の身辺におるということが、総理としてあのように非民主的にさせるのであ
つて、私
たちは総理みずからは
留守家族に会いたいという
意思があるにかかわらず、周囲を取巻いておる
人たちに、どうも非民主的なところがある人間がいる、自由党の同僚諸君も、それをひとしく認めておるのでありまするが、総理の身辺にはべ
つておる多くのこれら非民主的な
人たちに対しての制裁を加える道は、総裁がこれをなされなければならないと思いますが、総裁としてこういう秩序の維持という点については、どうか閣内においても主張していただいて、
政府の威信を傷つけることのないように、また民主的な運営を傷つけることのないようにがんば
つていただき、特に総理の秘書官ともあるものが、傷害事件を起すものがあるならば、よろしくこれを総理に進言していただいて、閣内の秩序の維持、国内の秩序の維持に範を示すべき
政府内部の秩序の確立についてひ
とつ総裁としての御
意見を伺いたいと思います。