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坪内委員 先般国政調査のため
四国、九州地方へ派遣せられました
委員を代表いたしまして、調査の
概要を御
報告申し上げますと同時に、所見の一端を述べさせていただきます。まず最初にお断りいたしておきます。当班には下関
鉄道監理局設置問題も含まれていましたが、先般九月十八日の
委員会において御
報告申し上げましたので、省略させていただきます。
調査班の一行は、
四国一円と下関までは
前田正男
委員と
黒澤富次郎委員の二人でありましたが、下関にて
前田委員長、畠山
委員と合流、長崎県の志佐にて私が参加し、都合五人となりました。御
報告は視察順序により申し上げたいと存じます。
視察第一日は、
四国高松港を視察いたしましたが、当港は瀬戸内海における航路の要衝を占めておりまして、
四国の位置そのものが島であり、宇高の
鉄道連絡以外はほとんど海運に依存しておりますので、従いまして
四国全土の移出貨物のほとんどが、一応高松に集貨される状態でありますので、小型船舶の出入港はおびただしい数であります。従いまして港湾諸
施設も、自然これら小型船舶に対応して築造されたように認められます。その設備は狭隘にして、しかも年々時代の進運とともに、貨客の激増はそのとどまるところがありませんので、これに対応してすみやかに港湾諸
施設の完備、港内主要部の浚渫、防波堤の拡張あるいは延長、及び棧橋の建設等、これらの工事は現在
四国鉄道監理局において施工中の第一バースの新設工事と並行して、実施する必要があると思うものであります。
四国鉄道監理局におきましても、従来宇野港との間に貨車航送を実施していますが、
昭和二十三年第二バース及び可動橋の新設工事に着手して、
昭和二十四年三月に完成、さらに引続き一億円を投じて第一バース建設中でありますが、これが完成のあかつきは、本土、
四国の輸送に関するすべての障害は一掃されるものと確信いたします。またこれと関連いたしまして、倉庫は相当数戰災により焼失いたしまして、優秀なる臨港倉庫はほとんど進駐軍に接収され、戰後の重要物資保管のため倉庫の払底を告げましたので、非戰災倉庫の採算良好であ
つた影響を受け、企業欲がこの方面に集中した
関係か、戰前に比し臨港倉庫は増加の傾向でありますが、最近の新企業者は、コスト高と信用薄弱または海運界の不況を反映いたしまして、その
経営も不振のようであります。
次に海上警備
状況について、当地海上保安部長の
説明を聽取いたしましたが、ただいま御
説明申し上げました
通り、当港は小型船舶の出入港が頻繁で、従いまして犯罪も相当数あります。大体密貿易が主でありますが、いずれにしても現在の船艇は老朽船で、海上における完全なる警備は困難でありますので、これが増強方の強い要望がありました。また犯行現場に急派された際、武器が不十分のため、上下の熱意にもかかわらず、所期の目的を達せられない場合が往々あり、従いましてせつかくの犯人も逮捕できないことがあります。警備船の増強と、あわせて銃器携帶のできるように御協力願いたいと強く要望されました。
次は
四国中央を横断する土讃線の電化について、高松
鉄道監理
局長の
説明を聽取するとともに、詳細に全線を視察いたしましたが、この線は香川、
徳島、
高知三県を貫く大動脈で、しかもこの間は吉野川に沿い、阿讃国境を経て
四国山脈を貫通するため、隧道は百十数箇所もありまして、その上意勾配の連続で重要物資の輸送をはばみ、かつ石炭の消費量も多く、勾配のある隧道内にては速力は低下して、間断なく侵入する煤煙と高温度の蒸気の悪臭は、旅客並びに乗務員に甚大なる苦痛を与えている状態であります。本線を電化いたしますれば、輸送力の増強はもちろん、石炭の節約、観光文化の促進、あるいは保健衛生の面から考えましても、すみやかに本線を電化する必要があると認められます。
次は
高知港及び松山港を視察いたしましたが、両港とも高松港とは異なり、あまり荷動きは活発ではありません、従いまして船舶の出入港も少いようであります。
高知港は戰前、防波堤、岸壁その他港湾諸設備工事に着手したのでありますが、戰争の影響を受けまして工事も中止のやむなきに至りました。松山港は、内港の小型船舶船だまり及び浚渫工事はおおむね完成に近づきつつありますが、外港工業
地帶の防波堤、本船岸壁、補修工事は、二十三年度において一部を起工したのみで、予算の
関係上これまた
高知港と同じように中止しておりますが、両港とも天然の良港でありますので、今後飛躍的増加を予想せられる外国貿易に対応するよう、浚渫防波堤の延長、その他港湾諸設備を早急に施す必要があると認められます。
次は別府港を視察いたしましたが、当港は延長六十五メートルの関西汽船專用の棧橋と、北防波堤の二百五十八メートル、南防波堤十一メートルにして、現在は
大阪を起点とする関西汽船及び
四国八幡浜行き、広島行きが毎日入港しております。その他機帆船も出入港しておりますが、これらによる取扱い貨物は年間二十万トンを下らないということでありますが、港湾諸設備が不完全なるため、ほとんど貨物が舷側扱いでありまして、船主及び荷主は一方ならぬ不便を感じている実情であります。市
当局といたしましては、別府国際観光温泉文化
都市建設法案が通過した現在、莫大なる経費を投じ、観光港及び港湾諸設備の整備
計画もあるたうでありますので、これが完成のあかつきは、これらの障害も一掃されるるものと確信いたします。
引続いて別府港の東南方十キロの大分港を視察いたしましたが、この大分港は、中国、
四国、近畿地方の瀬戸内海に面する各港と九州とを直通
連絡する最も好適の位置を占めておりまして、港湾設備といたしましては、岸壁には三千トン級四隻を、浮棧橋には二千トン級二隻を同時に繋留することができまして、臨港倉庫は三十棟が立ち並び、大分市民の多年の宿望でありました臨港
鉄道も本年四月に完成、当港は門司、大分、宮崎に通ずる日豊線、久留米より大分に通ずる久大線、態本より大分に通ずる豊肥線の分岐点でありまして、この臨港
鉄道の完成により、海陸の
連絡は一層便利とな
つたようであります。つきましては、従来九州の豊富なる資源、ことに石炭、鉱石等を
四国に輸送するにあたりましては、関門トンネルを経て山陽線岡山、宇野より高松に至る一大迂回路によるのほかなく、
四国の貨物を九州に輸送する場合もまた同じようで、これがため輸送の輻湊、
運賃の増高は
想像以上に思われますので、国民大衆の利便のためにも、すみやかに九四
連絡国営航路を開設し、この場合
四国の最短距離にある大分港を
連絡起点として利用するが、最も有効適切なる
計画と思うものであります。
次は永用代議士の案内にて、大分交通株式
会社経営の
国鉄日豊線豊前、善光寺駅を起点とする二日市に至る一五・五三キロの豊州線を視察いたしましたが、本線は
経営不振にして採算がとれないため、車輛・軌道とともにはなはだしく荒れ果て、定時の
運転もできかねる悲惨な実状であります。この沿線は、農産林産物の宝庫でありますが、これらの重要物資の開発のためには、当地方の唯一の交通機関である本線をたよらなければならないのですが、現在の軌間〇・七六二メートルでは、とうていその目的を達し得られませんので、これを
国鉄並の一・〇六七に改めるとともに、
サービスの改善をはかり、沿線地方の産業文化の発展並びに
地方民の利便をはかるよう、
地元民を代表いたしまして永田代議士から強い要望がありました。現在は
経営者も採算上健全なる
運転を持続する意思はないように見受けられますが、もしそうであれば、沿線住民の死活に影響する重大問題であると思います。これはただ豊前
鉄道のみに限らず、国家経済上運輸交通行政の発達をはかる意味においても、
経営の合理化をはかり、
当局の援助により、沿線住民の強い要望にこたへ、ますます健全なる
運転のできるようにすべきであると認められます。
次に、長崎県松浦線の吉井、志佐間の
鉄道敷設
計画について、
現地を視察いたしましたが、本
計画線は、既設吉井駅より世知原までを三キロ余り利用して左折、上志佐より志佐川の左岸に沿い北に進みまして、栢木上野を経て既設志佐駅に結ぶこの延長十五キロにして、この一帶は北松炭田として石炭に惠まれ、佐々、志佐をつなぐ断会を境として、西部国内唯一の強粘結炭の産地として重要視されています。なおこの地方には林産物も豊富でありますので、この線が開通したあかつきは、沿線資源の開発並びに産業文化の振興に寄与することは申すまでもありません。予算の而も考慮いたしましてこの
鉄道敷設はぜひ必要と認めます。
次は江迎港を視察いたしましたが、当港は佐世保を距ること十キロ、北松浦郡の中央にありまして、南北丘陵に囲まれ、風浪平穏で、荒天の際理想的な避難港でもあります。なお当町小林町長を初め、
関係町村民が一致して、具体的な港湾建設につき研究し、臨港倉庫及び臨港
鉄道の敷設、その他港湾諸設備
計画中であるが、これが完成によ
つて得られる利便は大なるものがありまして、また貿易港としての理想的な
施設計画をなすことも、天然の良港を生かす最も有意義なことであります。なお将来における大陸との貿易の再開に備えて、岸壁の設置、浚渫、港内諸設備を施す必要があると思います。
引続いて佐世保に至り、戰時中は要塞区域として、哨兵はもちろん、鉄柵に張りめぐらされ、一切立入り禁止の立札されていた高台に登り、港湾の概況を視察いたしました。当港は三万山に囲まれ、南方より広く深く湾入して、港内は常に靜穏でありまして、水深く、しかも数知れぬ小港があり、いかなる大船、巨船も潮の満干を問はず出入港可能であると見受けられます。元来当港は軍港として役割を果していた
関係上、地勢上の孤立と、小型船舶用
施設がまことに貧弱で、しかも長崎、門司等のごとく数十年来商港としての伝統と、確固たる規模に基く後方地域との
連絡薄く、商港としてはやや立ち遅れの感じがいたしました。港湾設備としては、
日本政府が巨額の国幣と多年の年月を費して建設した完全なる棧橋、倉庫、臨港
鉄道、その他荷役設備の完備は驚くのほかはありません。ゆえに将来商港として転換するにも、低廉なる建設費で十分なる目的を達することができるのであります。
昭和二十三年一月一日付をも
つて、貿易港として指定せられましたが、貿易港として唯一の拠点が、全部旧軍用財産の臨港
地帶の諸設備であるからには、その処分
方法いかんが佐世保の死命を制するものでありまして、この点については
関係当局は十分考慮する必要があると思います。さらにまた佐世保港の枢要な地域各所が、いまだ
占領軍の管理下にありまして、これが将来の
処置がま
つたく不明でありますので、せつかく貿易港には指定せられましたものの、佐世保港転換の詳細
計画樹立はきわめて困難なる実情にありますが、これに対しては御同情は十分いたしますが、
日本政府としては何ともいたしがたき連合軍の
処置でありまして、ただ講和條約締結後、進駐軍の駐在方針
決定をま
つて、これらの諸
計画を樹立するのほかはないと思うのであります。
次は長崎、諌早間の電化について沿線を視察いたしましたが、長崎本線の輸送力はきわめて貧弱で、とうてい出荷の需要を満し得ず、滯貨をなし、鮮魚のごときは乏しい魚獲用燃料を
使用して海上輸送している状態であります。現在の蒸気機関車では、長與、大草間の急勾配を突破するだけの牽引力なく、毎日相当数の滯貨があるようであります。長崎、諌早間には数箇所の隧道があり、輸送力を減殺しており、また旅客に対しても煤煙により不快を与えているのみでなく、沿線各市町村の美化清掃を阻害し、聞くところによれば、隧道内にて煤煙のため窒息死した実例もあ
つたようでありますが、今この
鉄道電化が実現するならば、以上述べた障害は一掃され、牽引力の増加とともに、スピード・アツプにより輸送力は増強せられ、
関係地方の生産の拡充、貿易、観光
事業の振興は莫大なるものがあります。わが国経済文化の発展に資するところまた大なるものがあると思いますので、すみやかに予算電源等を考慮して、本線を電化する必要があると認められます。
次は長崎港を視察いたしました。本港は本邦中最西端にありまして、貿易港としては最も古い歳歴を持
つている港であります。従来当港は水産港として、年々相当なる水揚げをしております。従いまして漁船の船だまりは、やや完備しているようでありますが、貿易港としての
施設はまだまだ貧弱であります。臨港倉庫、上屋臨港
鉄道の延長工事も最近完備しました。特に本港は背後に風光明媚なる雲仙国立公園または阿蘇の秀峰がありますので、将来、大陸より観光、保養、慰安のため来港、または外国貿易の増加を予想するとき、これらに対応するよう棧橋の建設、浚渫、防波堤の延長、その他港湾諸
施設を早急に施す必要があると認められます。
次は
国鉄長崎本線中、喜々津駅より古賀、矢上、日見、茂木を経て長崎に至る改良線建設
計画についてでありますが、今回は日程の都合によりまして、
現地視察はでき得ませんでしたが、途中
関係者から強い陳情がありましたが、この
計画は昨年の国政調査に際し詳細に視察いたしましたし、またたびたび請願も採択してあるので、この資料に基きまして御
説明申し上げたいと存じます。この改良線は、喜々津駅より古賀、日見、茂木を経て長崎に至る
計画でありますが、この沿線は重要農産物の集散地であるばかりでなく、北高木郡戸石、田結、江の浦の石炭の埋蔵量は数千万トンともいわれ、ことに茂木町は全国に名高い茂木びわの特産地で、年産百二十三万六千トンともいわれます。現在の既設線長崎、喜々津間中、長與トンネル延長四キロを中心としての千分の二十急勾配は、著しく輸送力の減退を来し、重要物資の輸送に大なる支障を与えている実情であります。従いまして他の平坦線に比べますと、毎年五千万円以上の燃料を余分に消費しているともいわれ、かつこれに基く列車の一時
運転不能、または列車不通の
事故も決してまれではありませんので、一般旅客に対しましても不快と不安の感を起させ、国際文化
都市建設途上にある長崎として、まことに遺憾と思います。以上に対しては一応電化も考慮されますが、改良線の
計画はこの問題も解消されます。また單に燃料費の節約のみでなく、採算上から考えましても、この改良線は当然なる
計画と思うものであります。以上の理由によりまして、この改良線の敷設は、産業の発展、国際観光
施設の助成並びに燃料の節約、輸送力の増強の観点からして、
日本再建途上における緊急の
事業と認め、ことに
地元民も物心両面から最大の協力は決して惜しまないと申しております。
当局も
国鉄田中技師長を初め、
関係者はたびたび来県、調査されているとのことでありますが、予算及び資材等を考慮いたしまして、
地元民の強い要望にこたえ、早急に実現する必要があると認められますと同時に、態本県天草郡六十箇町村の
関係町村が、この線の茂木に海路一時間にて達する
関係にあるので、右六十箇町村がこの実現を直接
地元同様熱望していることをつけ加えたいと思います。
次は、鹿兒島県市連合懇談会に出席いたしまして、一、鹿兒島駅改築に関する予算増額について。二、門司行夜行急行列車復活の件。三、日豊線準急行列車都城、鹿兒島間延長の件。四、西鹿兒島駅の本駅化実現方の件。五、監理局舍建設の件。六、鹿兒島港に船員職業安定所設置の件。七、山川、枕崎間
鉄道敷設促進に関する件。八、鹿兒島測候所を地方気象台へ昇格に関する件。九、
日本、琉球間定期航路の船荷
運賃を距離に基く差
運賃に改訂することに関する件。十、臨港
鉄道を営業線に編入に関する件。十一、鹿兒島港を第八軍指定港指定の件。十二、鹿兒島税関支署移転に関する件。十三二、臨港
道路を二十五メートル延長に関する件。以上十三項目を重成知事及び勝目市長より強い陳情がありましたが、この
内容の詳細につきましはて、書類をも
つて御
報告申し上げます。
次は垂水で開催されました隼人、大泊間
鉄道期成同盟大会に出席いたしまして、田平会長を初め
関係者がこもごも、この
鉄道敷設について猛烈なる要望がありました。この線は毎国会ごとに陳情され、ことに一部根占までは三十年前国会においても予定線とされており、
当局もよく御承知のことと存じます。このたびは不幸にして日程の都合によりまして
現地視察はいたしませんでしたが、昨年詳細に視察した資料に基きまして簡單に御
説明申し上げますと、日豊線隼人駅を起点といたしまして、姶良郡国分、敷根、福山、本郡、垂水、古江経由、大根占、根占、伊座敷、大泊に達する全長約百十三キロにして、大隅地方交通、文化、経済上、ぜひ必要なる
路線でありまして、この沿線は農産、水産、林産物等の宝庫であります。これが敷設は産業文化の面に活気を注入し、新転換を与えるものでありまして、将来観光ルートとして、かつまた南西諸島方面との
幹線交通路の一環として、重要意義を有するものでありますから、沿線需要者の強い要望にこたえ、早急に敷設する必要があると認めるものであります。
次は種子島及び屋久島の港湾
関係を視察いたしましたが、各港ごとに港湾の概況を御
説明申し上げます。
一、西之表港、本港は種子島西北岸にありまして、海湾の形態を整え、小型汽船の出入し得る本島唯一の良港でありまして、内港は面積六万五千平方メートル、水深は干潮面三メートルにして、最大一千トン級船舶は満潮時を見はからい出入し、機帆船及び漁船の出入も頻繁でありまして、本土との交通、物資の移出入及び漁獲物の陸揚げは、ほとんど本港により行われている。外港としては大型船舶、漁船の避難等にも相当利用されている。港内の利用面積は五分の一にして、残余はほとんど干潮時には岩盤露出するの現状でありまして、浮棧橋工事及び浚渫は継続
事業として実施しています。
二、浜津脇港、当港は種子島中央西岸に位置し、本島中部方面の交通機関の唯一の港湾で、漁港と兼用でありますが、水深淺く、最近の災害にはなはだしく破損いたしまして、利用度も極度に減じられ、機帆船の出入もきわめて困難なる状態であります。南防波堤も本年度の災害によ
つて、これまた利用度が減じられています。
三、一湊港、一湊港は上屋久村北西岸にありまして、自然の良港にして、漁港基地であります。漁船の出入頻繁で、特にさばは有名であります。従来港湾の敷設は何ら施したことなく、港の利用上はなはだしく支障を来している状態でありましたが、昨年度防波堤五十メートル築造いたしましたが、本年度の災害に全部破損いたしまして、利用はま
つたく不能であります。
四、宮之浦港、宮之浦港は上屋久村の北岸にありまして、宮之浦川の河口港であります。種子島及び鹿兒島航路の寄港地にして、屋久島の門戸ともいうべき港であります。当港も一湊港と同じく、漁港の基地でありますが、港湾の
施設を施したことなく、港は遠浅のため、定期船は沖合いに停船し、風浪の靜まるのをま
つて、辛うじて荷役及び乘客の乘降をなす状態であります。冬期荒天が続く節は、定期船の欠航が多いため、利用者の不便と貨物の滯貨はなはだしく、屋久島開発に一方ならぬ支障を来している状態であります。
五、安房港、本港も定期船の寄港であるが、一湊港及宮之浦港と同じく港湾の
施設はま
つたくなく、
地元民は不便を感じています。
以上、種子島、屋久島の主要港の
概略を御
説明申し上げましたが、西之表港を除き、その他の港湾はいずれも港湾諸
施設はほとんど皆無で、原始時代そのままの港であります。この事実は、文化の恩惠に浴せざる不遇は実に同情にたえません。ことにはなはだしいのは一湊港及び宮之浦港でありまして、一隻の船舶をつなぐ
施設もない実情であります。住民は幾年かの久しきにわたりて、拱手傍観の姿を続けております。その苦境はひとり住民の不幸ばかりでなく、邦家のためにも遺憾にたえぬ次第であります。ことに屋久島には電力問題も取上げられている今日、これらと並行して
関係各省と協議の上、救済措置をとる必要があると思われます。
以上簡單でありますが、御
報告を終ります。