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1950-07-29 第8回国会 衆議院 運輸委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十九日(土曜日)     午後一時五十六分開議  出席委員    委員長 前田  郁君    理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君    理事 坪内 八郎君      岡村利右衞門君    片岡伊三郎君       黒澤富次郎君    畠山 鶴吉君       前田 正男君    滿尾 君亮君       江崎 一治君    飯田 義茂君       石野 久男君  出席政府委員         運輸政務次官  關谷 勝利君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君  委員外出席者         議     員 仲内 憲治君         運輸事務官         (自動車局業務         部長)     中村  豊君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道監理課         長)      梶本 保邦君         運輸事務官   中田 金助君         運輸事務官   島田喜與三君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 七月二十九日  委員堀川恭平君辞任につき、その補欠として大  西禎夫君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  鉄道電化の関する件 請願  一 下関鉄道管理局設置請願吉武惠市君外    四名紹介)(第二四号)  二 同(坂本實君外四名紹介)(第二五号)  三 仙台貨物建設に関する請願庄司一郎君    紹介)(第二六号)  四 国有鉄道無賃乗車規定復活に関する請願(    川野芳滿紹介)(第一五四号)  五 六日町、五日町両駅間に停車場設置請願    (田中角榮紹介)(第五五号)  六 北海道港湾修築費負担特例設定に関する    請願椎熊三郎紹介)(第五六号)  七 北海道港湾修築費全額国庫負担請願(浦    口鉄男紹介)(第五七号)  八 千葉、銚子間にガスカー運転又は列車増発    の請願仲内憲治君外三名紹介)(第一〇    二号)  九 今須村に停車場設置請願大野伴睦君紹    介)(第一〇三号) 一〇 宮崎県に鉄道管理局設置請願佐藤重遠    君外五名紹介)(第一〇四号) 一一 岩内駅から島野、磯谷、歌棄及び樽岸各村    を経て黒松内駅に至る間に鉄道敷設請願    (椎熊三郎紹介)(第一〇五号) 一二 同(小川原政信紹介)(第一〇六号) 一三 都城、隼人両駅間客車増発請願岩川與    助君紹介)(第一四五号) 一四 宇都宮鉄道管理局設置請願根本龍太郎    君紹介)(第一四六号) 一五 国営自動車払下げ反対請願大野伴睦君    紹介)(第一四七号) 一六 木材薪炭貨物運賃軽減請願大野伴睦    君紹介)(第一四八号) 一七 清水港を重要港湾指定請願西村直己    君紹介)(第一九三号) 一八 谷地町に定期乗合自動車会社新設に関する    請願圖司安正紹介)(第一九四号) 一九 上田、長野原間鉄道敷設促進請願(小林    運美紹介)(第一九五号) 二〇 松島、利府両駅間列車運行削減又は廃止案    反対に関する請願安部俊吾紹介)(第    一九六号) 二一 前谷地起点三陸鉄道敷設促進請願外一件    (大石武一君外二名紹介)(第一九七号) 二二 江迎港に臨港鉄道敷設請願坪内八郎君    紹介)(第二一七号) 二三 鉄道線路防音接続装置に関する請願(坪    内八郎紹介)(第二一八号) 二四 浜松米原間鉄道電化促進請願江崎真    澄君紹介)(第二一九号) 二五 岩本、沼田両駅間上越線路線変更に関する    請願藤枝泉介紹介)(第二二〇号) 二六 羽咋、氷見間鉄道敷設促進請願南好雄    君外一名紹介)(第二二一号) 二七 小平瀬鼻及び平瀬燈台設置請願(尾崎    末吉君紹介)(第二二二号) 二八 北川村地内日豊線踏切改良に関する請願(    佐藤重遠紹介)(第二二三号) 二九 三陸沿岸鉄道敷設促進請願庄司一郎君    紹介)(第二二四号) 三〇 名洗避難港築設に閲する請願仲内憲治君    外三名紹介)(第二二五号) 三一 国有鉄道無賃乗車規定復活に関する請願(    大内一郎紹介)(第二二六号) 三二 天売島に霧笛装置燈台設置に関する請願    (浦口鉄男紹介)(第二八八号) 三三 都井岬を主局とする無線標識施設設置促進    の請願田中不破三君紹介)(第二八九    号) 三四 大間、大畑間鉄道敷設促進請願(小笠原    八十美君外一名紹介)(第二九〇号) 三五 宇都宮鉄道管理局設置請願尾関義一君    外一名紹介)(第二九一号) 三六 日本国有鉄道法の一部改正に関する請願(    福田昌子紹介)(第二九二号) 三七 日中、西米沢間鉄道路線一部変更並びに同    線敷設促進請願牧野寛索紹介)(第    二九三号) 三八 仙台駅東昇降口設置促進請願安部俊吾    君紹介)(第三四五号) 三九 岩川、国分両駅間に鉄道敷設請願前田    郁君紹介)(第三四六号) 四〇 志布志港修築工事促進に関する請願前田    郁君紹介)(第三四七号) 四一 陶石粘土貨物運賃等級引下げ請願(岡    村利右衞門紹介)(第三四八号) 四二 智頭上郡間鉄道敷設促進請願逢澤寛    君紹介)(第三四九号) 四三 赤穗線敷設促進請願逢澤寛紹介)(    第三五〇号) 四四 豊浦町、定山渓間に鉄道敷設請願(小川    原政信紹介)(第三八九号) 四五 同(小平忠紹介)(第三九〇号) 四六 日南市油津海上保安部無線通信所設置の    請願川野芳滿君外四名紹介)(第三九一    号) 四七 志佐町から上志佐村を経て吉井村に至る間    に鉄道敷設促進請願西村久之君外五名    紹介)(第三九二号) 四八 熊本県下機帆船燃料油増配に関する請願(    原田雪松君外四名紹介)(第三九三号) 四九 智頭上郡間鉄道敷設促進請願大村清    一君外八名紹介)(第三九四号) 五〇 輸入食糧仲継港として八戸港利用に関する    請願夏堀源三郎紹介)(第四五七号) 五一 豊肥線三重、豊後荻両駅間を大分鉄道管理    局管内編入請願永田節紹介)(第    四五八号) 五二 湯本駅にこ線橋架設並びに東口    昇降口設置請願關内正一君紹介)(第    四五九号) 五三 尼崎改良工事促進に関する請願吉田吉    太郎紹介)(第四六〇号) 五四 尼崎港に臨港鉄道敷設促進請願吉田吉    太郎紹介)(第四六一号) 五五 古河、栗橋両駅間信号所停車場変更の    請願鈴木明良紹介)(第四六二号) 五六 海運局大分支局津久見出張所海運局支局    に昇格請願村上勇紹介)(第四六三    号) 五七 鹿屋市地内鉄道線路排水施設完備に関する    請願前田郁紹介)(第四六四号) 五八 荒海、滝の原間鉄道敷設促進請願(菅家    喜六紹介)(第五二一号) 五九 野沢、西方両駅間鉄道敷設促進請願(菅    家喜六紹介)(第五二二号) 六〇 花咲燈台霧信号所設置請願伊藤郷一    君紹介)(第五二三号) 六一 神津島に燈台設置請願淺沼稻次郎君紹    介)(第五二四号) 六二 宮古、久慈間鉄道敷設促進請願鈴木善    幸君紹介)(第六〇六号) 六三 陸中黒崎燈台設置請願鈴木善幸君紹    介)(第六〇七号) 六四 石鏡に航路標識設置請願中村清君紹    介)(第六〇八号) 六五 布施田沖航路標識設置請願中村清君    紹介)(第六〇九号) 六六 深浦港修築に関する請願奈良治二君外二    名紹介)(第六一〇号) 六七 三陸沿岸鉄道敷設促進請願山本猛夫君    紹介)(第六一六号) 六八 積雪寒冷地帯開発地域鉄道新設特別    措置に関する請願山本猛夫紹介)(第    六一七号) 六九 甲府鉄道管理局設置請願天野久君外三    名紹介)(第六四五号) 七〇 舞鶴港の掃海実施並びに安全宣言に関する    請願大石ヨシエ紹介)(第六六一号) 七一 元名古屋鉄道西尾線復活に関する請願(三    宅則義紹介)(第六六三号) 七二 細島港及び油津港を重要港湾指定請願    (田中不破三君紹介)(第六六四号) 七三 真岡線を特定線区指定反対請願(山口    好一君外一名紹介)(第六七六号) 七四 白河、仙台間鉄道電化促進請願關内正    一君外十名紹介)(第六八〇号) 七五 日詰、古舘両駅間に簡易停車場設置請願    (野原正勝紹介)(第六八一号) 七六 湯沢、本莊間鉄道敷設請願飯塚定輔君    紹介)(第六八二号) 七七 市営乗合自動車併行路線運転反対に関す    る請願平澤長吉紹介)(第六八三号) 七八 石生駅に準急列車停車請願佐々木盛雄    君紹介)(第六八四号) 七九 日本国有鉄道法の一部改正に関する請願(    池見茂隆紹介)(第六九六号) 八〇 神戸始発急行列車復活に関する請願(首藤    新八君紹介)(第七〇〇号) 八一 日豊線小倉、行橋駅間復線化並びに電化促    進に関する請願平井義一紹介)(第七    一六号) 八二 札沼線復元に関する請願篠田弘作君紹    介)(第七一八号) 八三 宇都宮鉄道管理局設置請願戸叶里子君    外二名紹介)(第七二七号) 八四 能勢電気軌道路線延長に関する請願田中    萬逸紹介)(第七二九号) 八五 沼津駅の営業区域存続に関する請願(遠藤    三郎君紹介)(第七三四号) 八六 野岩羽線全通促進の関する請願戸叶里子    君外一名紹介)(第七三六号) 八七 舞鶴港の修築整備促進に関する請願大石    ヨシエ紹介)(第七四一号) 八八 橋場線開通促進請願鈴木善幸紹介)    (第七四九号) 八九 黒木町から矢部村に至る間に鉄道敷設の請    願(高橋權六君紹介)(第七五一号) 九〇 池袋、神田間地下鉄計画設計変更に関する    請願外二件(野村專太郎紹介)(第七五    二号) 九一 伊予小松駅にこ線橋架設請願越智茂君    外一名紹介)(第七七九号) 九二 三江線建設予定路線の一部変更並びに沢谷    村地内に停車場設置請願山本利壽君紹    介)(第七八七号) 九三 亜炭の貨物運賃軽減に関する請願田淵光    一君紹介)(第七八八号) 九四 三江鉄道及び広浜鉄道敷設促進請願(山    本利壽紹介)(第七八号) 九五 国鉄武豊線を師崎まで延長請願久野忠    治君紹介)(第七九九号) 九六 長倉、大子間鉄道敷設促進請願尾関義    一君紹介)(第八六四号) 九七 綾部、福知山両駅間列車連絡改善請願(    大石ヨシエ紹介)(第八六八号) 陳情書  一 三江線建設予定路線一部変更等陳情書    (第二〇号)  二 平倉駅を一般貨物取扱駅として存置の陳情    書    (第二五号)  三 海事行政機構改革に関する陳情書    (第三一号)  四 石川県外浦海岸燈台設置陳情書    (第三六号)  五 観光事業助長育成に関する陳情書    (第四五号)  六 知事に国鉄無賃乗車証交付陳情書    (第五三号)  七 三陸沿岸国道鉄道建設促進陳情書    (第六一    号)  八 唐津海上保安署昇格に関する陳情書    (第六二号)  九 花輪線小豆沢駅縮少反対陳情書    (第六三号) 一〇 山田線復旧促進陳情書    (第七六号) 一一 小本線延長促進陳情書    (第七九号) 一二 鹿児島測候所地方気象台昇格の関する陳    情書    (第八三号) 一三 東北北海道客車改善に関する陳情書    (第九一    号) 一四 上越経由上野急行列車復活に関する陳    情書(    第九二号) 一五 三陸沿岸鉄道敷設促進陳情書    (第九三号) 一六 西日本港湾施設拡充強化に関する陳情書    (第九    八号) 一七 東北地方資源開発に伴う幹線鉄道復線    及び電化に関する陳情書    (第一三八号) 一八 長野鉄道局設置に関する陳情書    (第一四八号) 一九 豊肥三重駅、豊後荻駅間を大分鉄道管理局    管内編入陳情書    (第一七六号) 二〇 仙石線民間払下げ反対陳情書    (第    一七七号) 二一 下関市に鉄道管理局設置陳情書    (第一七八号) 二二 紀伊日の御崎に無線方位信号所設置陳情    書外一件    (第二〇二号) 二三 鹿兒島港二十五メートル臨港道路完成に関    する陳情書    (第二〇四号) 二四 国有鉄道赤穗線敷設工事完成に関する陳    情書(    第二〇五号) 二五 下関港を対韓貿易基地として指定に関する    陳情書    (第二〇七号) 二六 北海道港湾修築費全額国庫負担陳情書    (第二二六号) 二七 大糸線全通促進に関する陳情書    (第二三三号) 二八 長崎、喜々津間に鉄道敷設陳情書    (第二三四号) 二九 甲府長野間鉄道電化促進陳情書    (第二六九号) 三〇 国有鉄道只見線建設促進に関する陳情書    (第二七五号) 三一 東北本線電化促進に関する陳情書    (第二七六号) 三二 私鉄赤穗線廃線補償に関する陳情書    (第    二八一号)     ―――――――――――――
  2. 前田郁

    前田委員長 これより会議を開きます。  鉄道電化に関する件を議題に供します。現在の電化進行状況及び将来の計画等について、政府側説明を求めます。
  3. 足羽則之

    足羽政府委員 鉄道電化について御説明いたします。  終戦後鉄道電化ということが非常に叫ばれまして、少しずつ実情は電化を進めて参つておるのでありますが、現在までに電化をいたしました区間は、東海道線沼津浜松間、常磐線の取手、松戸間、奥羽本線の福島、米沢間、それから今年度におきましては、非常にわずかでございまして、東海道線沼津浜松間の側線の電化その他の残工事と、小野田線の四・六キロぐらいでありまして、そうしたわずかの電化工事が行われている程度でございます。  電化必要性が非常に叫ばれて、鉄道といたしましても、できるだけ電化を進めて参りたいという詳細なことについては、よく御承知だと思いますので、説明は省略させていただきますが、電化を少しずつ促進をして参りたい。そこで長期の計画を立ててそれを促進するということは、これは日本電源開発と歩調を合せるものでございますので、その点につきましてはなかなか問題が多いと思うのでございますが、さしあたつて昨年及び今年度において取上げております電化の問題は、東海道線浜松米原間の電化の問題を、非常に主要な問題として取上げたのでございます。ところが昨年におきましても、あるいは今年度におきましても、予算としてこれを国会に提出をして、御審議を願うという段階に至りませんので、その点はお互いに遺憾な次第であると考えております。但し今年度におきましては、例の四十億の見返り資金から、国有鉄道に対する出資金がございます。この一部を財源として、今年度においても電化を進めて行くようは了解を得たいと考えまして、関係方面とも引続きその点について折衝いたしたわけでございますが、現在までそれについてのはつきりした見通しが立つておりません。  電化につきましては関係方面も、その長い見通しにおいては反対はないようであります。ただ現在においてなかなか向うの同意を得られないという点は、大体において次の三点にあるようであります。それは電化の工費というものが約六十億くらいかかる。そうした額は、現在の鉄道工事勘定予算ではこなせないのではないか、こういう点がまず第一の考え方のようであります。第二の点は、電力日本全体として非常に不足しておる。従つてこの東海道電化ということを進めて参る場合に、それがあるいは私設鉄道その他一般の産業に対する電力配給面から見て、圧迫になる。従つてそうした現状では、東海道線電化ということはいかぬ。それから第三の点は、相当な資材を要する。そういう資材日本一般需要の方にまわすべきもので、これを電化にまわして、一般需要を阻害するということがあつてはならぬ。そういつたような点が大体の考方のようでございますが、東海道米原浜松間の電化は、約四十六、七、八億くらいでやれるという見当になつておる。その程度電化の費用は、現在の工事勘定のスケールから考えれば、これを何年かの継続工事でやるいたしますれば、特にそれが非常に大きな圧迫になる、困るというものではないというふうに考えられる。  それから第二の点は電力の点でございますが、御承知のように来年の十月に、信濃川の第三期工事が大体完了する見込みであります。そこで電力東京に持つて参る。そうしてそのかわりに東京の方に対して中部から送つておる電力向う国鉄が受電する。そういういわゆる振りかえという方法が一応考えられまして、その点については国内としては大体支障がないように、意見の一致を見ておるわけでありまして、その点も支障がないのではないか。あるいは電化に使う資材でございますが、これは日本の全体の需要なり、あるいは供給面から考えますと、そう大きなものではない。従つて資材の点もあまり問題がないように思われる。そうした点をいろいろ検討いたしまして、折衝を重ねておるわけでありますが、なお電化をした場合の收支計算はつきりしない、電化をしてそれが非常にエコノミカルなものであれば、その点をもう少しはつきりさせなくてはいかぬ、こういつたような点がまた検討を要する問題の一つになりまして、われわれといたしましては、そういう点についても一応検討はいたして、了解を進めておるつもりでございますが、実はなかなか了解を得られないという現状でございます。最近の折衝をいたしました見通しでは、おそらく本年度このわれわれの希望を達成することは困難ではないかしらという感じがするのでございます。しかし来年の予算には何とかして電化を認めてもらうように進めて参りたい、あるいはそれに対する多少の期待が持てるのではないか、大体こういう気持をもつて現在折衝を重ねておる次第でございます。たいへんに簡単でございますが、以上の経過なり現状を申し上げました。
  4. 前田郁

    前田委員長 これに対して質問ありませんか。
  5. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいま本年度電化がどうして進捗しなかつたかという点についての御説明があり、われわれもよく了承いたしたのでありまするが、御説明のうちに、電化による資材消費一般資材消費圧迫するであろうというお話、あるいは電源関係からの考慮があるということでありましたが、私はむしろ逆の考え方であつて、かりに銅なら銅を使うといたします。そのときに電化のために銅を使用する場合と、そのほかの一般需要のために銅を使用する場合を比べて、国民経済的に考え電化のために使うのを優先に扱いたい。だから一般の銅の消費を規正しても、電化の方を優先にやるのがほんとうだろうと思う。従つて今の第三番目の論点は、非常に残念なお話である。もし電力が足りなければ、私は一般の住宅の電燈の規正をしても、なおかつ日本電化をしなければならぬように考えるのであります。従つてこれらの見方につきましては、議会からの意思表示としてその筋へ申し入れてみる、陳情してみるというようなことも考えてみたらどうかと思います。  その筋との関連性につきましてはそのくらいにいたしまして、私電化要点について二、三のお尋ねをいたしたい。国鉄電化しなければならぬという点につきましては、お互いの間ではほとんど論議する必要はないかと思うのであります。ただ電化を実行する上において、どういうことを要点にしてお考えになつておるか、つまり今のお話では浜松まで電化しておるものを米原まで先へ延長するというが、それがいいのであるか。たとえば東海道線電化せられるにしても、むしろ逆に大阪の方から米原をやつたらどうか。ということは、浜松名古屋米原間には、少くとも名古屋までの間にはほとんど勾配がない。それから隧道がほとんどない。ところが大阪の方から考えてみますと、京都、大津間に実にいやな隧道がある、日本で一番古い隧道でありますから、今でも旅客の交通においてお互いに非常に不愉快な思いをしておるのであります。でありますから逆にむしろ西の方から、電化区間を延ばして来られることの方が、同じ電化をされるにしてもより適切ではないか、私はかように考える。この考え方を推し進めて参りますと、たとえば主要幹線電化が先であるかどうか、あるいは勾配線であるとか、隧道の非常にひどい線であるとか、特殊な所を優先考えることができるかどうか。あるいはその両方を併用して考えて行くかどうかというような考え方が立つと思う。ただいまの御説明では、重点を東海道の東の方からの電化で推し進めて行くようにお伺いしましたので、少し心配になつてしまう。ことに私の郷里の方では、既設線のスパイラル・ラインでもつて実にひどい所がある。これは何をおいても先に特別地帯として、電化をお考えいただかなければならぬように考える。たとえば八代、隼人間は何とかお考えにならなければならぬ。従つて幹線とそういう特殊幹線との電化工事に対する順位という点についてのお考えおきをいただきたいと思います。
  6. 足羽則之

    足羽政府委員 資材あるいは電力の点についての滿尾さんの御意見は、われわれも実はそういうふうに考えておる次第であります。いろいろ詳しい説明なんかは、もちろん御承知のことであると思いますので、省略させていただきます。なおこの電化区間をどこによるかということでありますが、東海道線電化については、さしあたつて米原浜松間という問題が出ておるのでありますが、なおそれを先の方に延ばして行つて、現在関西の電化されておる区間も含めまして、おそらく姫路くらいまでやるという構想でなければいかぬではないかという考え方が、相当強いようであります。その中で米原浜松間をいかにしてよつたかということの詳細の点につきましては、相当技術的な問題もあろうかと思いますが、私実はちよつと御説明を申し上げる知識を持ち合せておりませんので、説明は失礼させていただきたいと思います。なおこれはおそらく電源との関係なり、いろいろ作業の面、あるいはそういつたような点から相当関係しておるのじやないかと思う次第であります。それからなおこの電化区間をどういう所によるかという点は、従来十分論議もされ、考えられておることでありまして、非常に交通量の多い所、従つて電化をして石炭節約が非常にできるし、経営面においてのいろいろな節約合理化が非常にできる。ことにその主要なものは石炭節約でありますが、そういう所、あるいは非常にトンネルがあり、勾配が多い所、大都市を中心にした輸送の多い都市交通という所、あるいは便宜の問題ではありますが、現在電化されておる所につながつておる所は、事実上何かと電化する必要度の多い所でもあり、また電化することの非常に便宜な所、そういつたような所が大体対象になつておる。現在現実の問題としていろいろ検討されておりますものは、東海道線電化、それから山手線電化、あるいは高崎線電化、こういつたようなものが相当具体的に検討されております。しかしながら今御指摘になりました鹿児島に近い部分、あるいは篠ノ井線とか、いろいろな線がございます。そういつた線を含めて、大体鉄道で立てた電化五箇年計画としましては、約千八百キロか、九百キロぐらいな案を、一応持つておるわけであります。これに対して安定本部としては、それを少し縮めたような案を持つておるようであります。これからなお御承知国鉄が運輸省から分離をいたします前に、国鉄審議会というものができまして、そこでこの電化に関する特別部会を持つて、そこでは約三千四百キロの電化の案を持つておつたわけであります。それには今申し上げたようないろいろな観点から、いろいろな線が選定されて、あるいはそれが三千四百キロの案になり、あるいは千八百キロの案になり、あるいは千四百キロぐらいの縮小された案になり、いろいろな点から今申し上げたような角度での検討がなされておる。大体概略でございますが、そういうふうでいろいろ案が検討されておるわけであります。
  7. 滿尾君亮

    滿尾委員 電化の時期、対象につきましての御説明はわかりました。  今度は電源電化関係であります。これは将来とも鉄道電化電源は、直営で確保するという精神で行かれるのであるかどうか、その地方々々によつて買電してまかなつて行こうというお考えであるか、電源に対する運輸省の根本方策というか、お考え方をひとつお聞かせ願いたい。
  8. 足羽則之

    足羽政府委員 まず電源の問題でありますが、できれば自分で電源を持つということが望ましいかと思います。但し現在の実情を考えます場合には、東京の近郊は自分の電源によつておる。現在あります信濃川からの送電によつておつたわけであります。それでなおそれの足りないところを、赤羽あるいは川崎の火力発電で補充しておる。きわめて特殊なピークの場合に少し買電をしておる。それから中央線の奥に戦時中に買收しました支線があるのでございますが、それは今全部買電によつております。それから上越南線の方は自家発電によつておるのですが、上越北線の方は現在の買電によつております。そこで今度の信濃川の第三期工事ができ上りますと、現在の自家発電の能力が水力約十万キロ、それに対して五万キロふえるわけでありますが、その五万キロふえたときの状態を想像いたしますと、大体沼津浜松間の電化をいたして、約一万五千キロばかりいるというふうにわれわれ承知いたしております。従つてこれをまかなうに余りある電力ではありますが、しかし送電線を延ばすという点に問題があつて、そこで振りかえという問題を考えでおるわけであります。それからそれが竣工するあかつきには、今の上越線も全部自家発電に切りかえることができる。あるいは山手、あるいは高崎線電化いたしましても、全部自営電力に切りかえ得る状態である。それからなお国鉄といたしましては、将来の計画としてあるいは十津川と天龍川の水系に発電所をつくることについて検討をいたしております。
  9. 滿尾君亮

    滿尾委員 電源に関しましては、かつて日本発送電によつて日本中の電源を統一的にやるというときにおいてさえも、信濃川の発電所の除外例を持つておつた。今度日本発送電に関する電力関係は、根本的にかわる趨勢にある。かような時勢になりましたことを考えてみますと、私は将来とも国鉄が全国的に自家発電の網をお持ちになるように、御計画になることを望みたい。そのために積極的な方針を立てて、積極的に準備をいたされんことを希望して、私の質疑を終ります。
  10. 前田郁

    前田委員長 石野君。
  11. 石野久男

    ○石野委員 電化につきまして一、二お尋ねいたします。滿尾委員からいろいろとお聞きしたいことを聞かれましたので、私はそれと関連いたしまして、ただいま足羽局長が申されました川辺の発電所が、来年の十月ごろに予定通り竣工いたしましたときに、電源の点では自己で十分まかない得るという見通しを持つておられる。しかもそれは米原浜松間の区間電化をも含めておるのだというふうにお聞きしたわけであります。従つて来年の十月になると、完全に発電所の計画が予定の通りに竣工するということを考えますならば、鉄道電化浜松米原間の線路敷設という問題、あるいはそれに関連する附帯工事は早急に進められませんと、せつかく出ましたその電源が、遊ぶというようなことが出て来るのではないかというふうにも考えられるのであります。従つてそれのことをにらみ合せますと、当然今年度内にそういう工事等に着手する必要があるのではないか、それがより経済的なのではないか、こういうふうにも考えますが、その間の見通しについてはどうですか。
  12. 足羽則之

    足羽政府委員 大体の考え方としましては、まさにわれわれも今石野さんから御質問がありましたように考えられておりまして、従つて電化の問題に対しては、そういうことも考慮して、ぜひこれはできるだけ早い機会に進めたいというのが、われわれの衷心の希望でございます。
  13. 石野久男

    ○石野委員 先ほどの御説明で、工費の観点からも、あるいは電力の観点からも、資材の観点からも、その筋でいろいろと問題になつておる点については、現在のところ、政府当局あるいは国鉄の当局から見ましても、そう難点はないように私ども聞いたわけでございます。しかもそれにかかわらず、やはり十分な向うのオーケーを得ることができないという事情これはどうもわれわれにとつても不可解千万でございまして、この点は今後やはり国会あるいは当局が、相当その筋と折衝しなくてはならぬ問題だ、こういうふうに私は思うのであります。そこで私は今まで当局が折衝された間の結果といたしまして、先ほど足羽局長が言われました来年度予算計画の中に、この電化の経費が計上されるというような御意向がありましたが、それはその通りはつきり確認してよろしいのでございますか。いま一度確かめておきたい。
  14. 足羽則之

    足羽政府委員 現在やはり努力中でございますが、早急に了解が得られそうでないところを見ると、ことしはどうもむずかしいのではないか、そういう意味で先ほど申し上げたのであります。なおいろいろ話を進めて参つておるのでございますが、われわれとしてはその話の節々で、来年の予算には相当強い期待が持てるのではないか、こういうふうに考えておる。こういうふうに申し上げるわけであります、
  15. 石野久男

    ○石野委員 先ほどの質問でもはつきりいたしましたが、川辺の発電所がはつきり来年の十月になると竣工するということとのにらみ合せ、それから来年度予算がとれるというふうなこと等を含めまして、この電源との関連を持つ米原浜松間の電化工事そのものについての考え方を、今申されたのだろうと思うのであります。従つてその間、敷設線路の問題、その他それに関連する問題、あるいは機関車、貨車、客車、これらの問題が必然的に問題になつて来ようと思いますけれども、来年十月にそういう事態になり、あるいは予算が来年とれるというような場合に、現在の事情からいたしまして、機関車あるいは客車、貨車、そういう製作、注文の問題との関連性から申しますならば、今の実情で来年度予算で間に合うのでありましようかどうか。むしろそれ以前に、何か今から工作をしておかなければならない事態であるのではないかどうか。そういう点について一応の見通しをお伺いいたしたい。
  16. 足羽則之

    足羽政府委員 御質問の要旨が実ははつきりしかねるのでありますが、来年度予算に私強い期待を持つておるというふうに申し上げたのでありますが、それは結局、今年度では電化に使うという予算が相当むずかしい。反面そういうふうにお考えを願わなければならぬと思うのであります。そこで先ほど申し上げました電化費の総額にいたしましても、その中には単にある区間電化する工事費だけでなく、車両なり、そういつた費用も全部含めてあるわけであります。従つて予算が解決されなければ、そういう問題としては、やはり一緒に考慮し得ない。こういうことになるのではないか、こういうふうに思います。
  17. 石野久男

    ○石野委員 そうしますと、予算が解決しましてから、そうした機関車、客車、貨車というようなものが、当然その予算の中にはあるのだから、それに手をつけることはできないということになりますと、来年十月に電力が出たときに、必然的に電力の遊んでおる期間が出て来るということを見込んでよろしいのでありましようか。
  18. 足羽則之

    足羽政府委員 あるいはそういうことになることをおそれて、電化をできるだけ早く進めたい、われわれはこう考えておるわけであります。
  19. 石野久男

    ○石野委員 そういうことにならないように、私は当局に希望しますと同時に、やはり本委員会ではそういうことにならないように積極的に努力をするよう、委員長にもお願いしたい、こう思うわけであります。
  20. 前田郁

    前田委員長 岡田委員
  21. 岡田五郎

    ○岡田(五)委員 ごく簡単に希望を兼ねまして御質問申し上げたいと思うのであるますが、事鉄道電化につきましては、国鉄当局、運輸当局はもちろんのこと、わが自由党におきましても、この電化を公約の中に入れております。財界におきましても、また政界においても各党派を問わず、電化については御賛成のようであります。労働界においても賛成でございまして、ほんとうに国論の一致した問題であると私は考えるのであります。ことに東海道線高崎線というような線の電化ということは、経営の面から行きましても、経済的の面から行きましても、これまた万人の異論のないところであると私は考えるのでありまするが、今政府委員の御説明を聞いておりますと、客観的情勢が好転しないがために、四十億の残りの金額でさえも電化に使えない。こういうような事情のように御推察申し上げるのであります。日本の置かれた現状からいたしまして、客観的情勢がいかんともしがたいことは、われわれとしてははなはだ残念でございまするが、できるだけ政府当局におきましても、客観的情勢の一日も早く好転化するように、御努力を特にお願い申し上げるのであります。ことに資源的の面から行きましても、重要な石炭を非常にたくさん節約いたしまして、しかも非常に良質の石炭節約いたすのであります。ことに石炭日本における埋蔵量の貧困さというような面から考えましても、電化ほど必要なものはない。また失業救済の面におきましても、産業の救済の面におきましても、最も緊急を要する問題である、私はかように考えるのであります。かような観点からいたしまして、どうかひとつ国士的——と言つては言葉が強いのですが、志士的な意気込みをもつて、客観的情勢の打開に邁進されんことを特にお願い申し上げます。  特に一つお願いいたしたいことは、実は本年の初めでございますか、昨年の末でございますか、電気機関車のメーカーが、国鉄の発注に基きまして、電気機関車を三十五両こしらえたのであります。そのうち十何両は、情勢の変化なりと称して、実は買い取られないということで、一台千数百万円する機関車を十数台、日立にいたしましても、東芝にいたしましても、かかえ込んでおる。しかも電気機関車関係等は注文がないということで、最も必要な電気機関車の技術の温存の面から行きましても、機関車メーカーの保護という面から行きまして、車両行政を把握掌理いたしておられます運輸省といたしましては、車両行政の育成の面からいたしましても、かようながんは一日も早く打開するように、国鉄当局の方にも示唆されんことをお願い申し上げるわけでありまするが、この電気機関車の需要の見込みはどういうことになつておるか。簡単でけつこうですからお知らせを願いたい。  それから二十六年度予算電化を見積ろう、こういうお話でありますが、これも相当確信を持つて期待をしていいかとうか、というような点を、ちよつとつけ加えて御説明をしていただきたいと思います。
  22. 足羽則之

    足羽政府委員 ただいまお話のありましたメーカーの手持ちの電気機関車に対する需要はどうか、こういう御質問でございますが、実は最近の事情ははつきりしないのでありますけれども、おそらくさしあたつてはそれに対する需要はないものと考えております。しかしなおこの点につきましては研究をいたしたいと思います。  それからあとの、来年の予算に対して相当強い期待を持つていいかという御質問でありますが、われわれといたしましては強い期待を持つて十分に努力をいたしたい、こういうふうに考えておりますので、その程度で御了承願いたいと思います。     —————————————
  23. 前田郁

    前田委員長 昨日延期いたしました請願の審査に入ります。  日程三〇、名洗避難港築設に関する請願仲内憲治君外三名紹介、第二二五号
  24. 仲内憲治

    仲内憲治君 請願の趣旨を簡単に御説明申し上げます。御承知のように北太平洋岸は、産業、貿易、海運上重要な航路でありまするが、一つの避難港もなく、毎年幾多の海難があり、避難港建設が要望されておつたのでありますが、幸いこのたび名洗港が避難港に指定されましたので、避難港としての重要性にかんがみまして、目下同事業達成のため諸般の準備を進めており、特に昭和二十六年度事業として、さつそく着工の予定であつたのでありまするが、この点につきまして同避難港築設に国庫から所定の補助をぜひとも実現していただきたいという請願の趣旨でございます。幸いにこの特定を受けたのでありまするが、設備が現状のままでは避難港の役をなさないのでありますから、御承知の通り避難港の必要性にかんがみまして、ぜひとも来年度予算に着工できるような御努力をお願いする次第であります。
  25. 前田郁

    前田委員長 政府側説明を求めます。
  26. 中田金助

    ○中田説明員 名洗港の避難港としての重要性につきましては、ただいま請願の御説明にもありました通り、東京を出ましてから、小名浜あるいは塩釜まで、完全な避難ができるような良港はないのでありまして現在できておりますところの銚子の川口の反対側にあります天然の湾形をした、避難港にちようど適切な所があるのでありまして、この調査につきましては、一応の地形の調査、あるいは避難船の調査ということから見まして、ぜひともこれは取上げなければならぬということを、当局は大体考えておるのでありまして、これが予算化につきましては、防波堤——たしか六百メートルくらい必要じやないかと思いますが、そのうちの百六十メートルくらいを、二十六年度におきましては、ぜひとも実現したい、こういうことで、目下関係当局と予算折衝中でございます。     —————————————
  27. 前田郁

    前田委員長 次に日程六、七、一七、四〇、五三、六六、七二、八七、港湾関係であります。これを一括して政府の意見を聽取いたします。
  28. 中田金助

    ○中田説明員 ただいま議題に上りましたところの志布志港、尼崎港、舞鶴港、それから青森県の深浦港に関する港湾整備の促進請願でございます。それと関連いたしますところの清水港を重要港湾編入したい、それから同じく宮崎県の細島港及び油津港を重要港湾指定することの請願でございます。以上の修築関係でございますが、これらの港につきましては、いずれも昨年度以来、単年度公共事業をもちまして工事を施行中でありまして、まだその工事が未完成でありまして、政府といたしましてはいずれも来年度相当防波堤の延長、あるいは浚渫延長、あるいは物揚場のかさ上げというような工事を企画いたしておりまして、目下これら予算折衝中でございます。もう一つの重要港湾指定の問題でございますが、重要港湾指定につきましては、実はこれは港湾法で政令の定むるところによる、こういうことになつておりますが、その政令につきまして司令部の方面との完全なる折衝が、実はまだついておりませんのでありますけれども、昨年の閣議におきまして大体七十三港を決定、あるいは関係筋の了解を得ておるのでございますが、運輸省といたしましてこの七十三港につきましては、ぜひとも政令で指定したいと考え、努力中でございます。     —————————————
  29. 前田郁

    前田委員長 次に日程七〇、舞鶴港の掃海実施並びに安全宣言に関する請願について、政府の意見を聴取いたします。
  30. 島田喜與三

    ○島田説明員 舞鶴港は、終戦以来、米海軍掃海隊の掃海は現在までに行われておりません。しかしながら舞鶴港だけは、昭和二十三年二月九日から連合国船舶に対しまして、次のような條件で開放されております。その條件と申しますのは、水先人を乗船せしめ、そして日本の掃海隊の掃海を完了しました水路を通る。このときにおいて、もし事故があつた場合には、おのおのその船舶が責任を持つてこの被害を負担する、こういう條件のもとに、舞鶴港のみは特に連合国の船舶に対して開放されるわけであります。今までに舞鶴地元関係者から、しばしばこの條件付のない、連合国の船舶が自由に入港できるように、アメリカの掃海部隊で掃海を実施してもらつて、その完全なる安全宣言をなしてもらうような陳情が出されたのでありまして、海上保安庁としましても、この趣旨を極力アメリカの極東艦隊司令部に折衝をいたしております。その結果最近に至りまして、瀬戸内海の一貫航路を完全掃海をやつておりまして、それが完了いたしましたら、日本海の方に進出する。このときに舞鶴港のいわゆる完全掃海をやつてもらおうという段階に入つているけれども、朝鮮の動乱に関連しまして、ちよつと今のところ実施の見通しがわからないような状況であります。保安庁といたしましては、朝鮮の動乱のいかんにかかわらず、陳情の御趣旨に沿うように極力米海軍の方に折衝いたしまして米側掃海隊による完全掃海を実施してもらうように努力いたすつもりであります。     —————————————
  31. 前田郁

    前田委員長 日程八四及び九〇、民営鉄道の問題について政府側説明を求めます。
  32. 梶本保邦

    ○梶本説明員 二つ請願が出ているようであります。第一の能勢電気軌道の延長の問題であります。これは最近大阪府知事、京都府知事、兵庫県知事の副申が添えられまして、ぜひやれ、こういうことで書類が出て参りました。ただいまわれわれの手元で鋭意研究いたしております。近く運輸審議会に諮問いたす手配になつておりますので、できるだけ早く交通の利便享有のために、本件につきましては善処いたしたいと考えている次第であります。  第二の東京地下鉄、高速度交通営団の池袋、神田間の工事計画に伴いましての件でございますが、営団の方から提出されました工事施行認可申請書によりますと、地形上、あるいは勾配曲線の制限、それからトンネルに入りますところの前後のとりつけといつたものの、それぞれの建設規定の関係がございましてできるだけ人家が密集していない地帯を通過するようにというので、お話に出ております清水谷附近を通るその部分が、地形上の関係でやむを得ず地上式になる部分が生じて参つたのでございます。その点につきましては、たとえば騒音の関係、あるいは附近にある保健所の診療に及ぼす影響、こういつた観点からいろいろと目下われわれの方で調査を続けております。その附近に都立第三中学がございまして、ここを通るというお話でございますが、この点につきましても、希望に沿うようにただいま考慮をいたしておる次第でございます。     —————————————
  33. 前田郁

    前田委員長 次に日程七七、市営乗合自動車併行路線運転反対に関する請願政府側説明を聽取いたします。
  34. 中村豊

    中村説明員 この問題は、秋田市の市営バスがあるのに対しまして、そこに民営バスを新しく動かしたいということに対する反対請願と思つておりますが、この件につきましては本年の一月六日に申請がありまし、四月十六日に運輸審議会に諮問いたしております。それで四月二十二日に公聽会を終りまして、この問題はいまだ運輸審議会の審査までに進んでいない状態であります。元来自動車運送事業、バスとか、トラツク、タクシーというようなものの免許のよしあしは、運輸審議会が答申するのでありますが、これは道路運送法の第十二條によるところの免許基準の各項に該当することが判然としまして、地方民の要望に即応するものである場合は、免許の答申がされるわけであります。そうなれば、運輸省はその答申を尊重して、必要な措置を行うというわけでございますが、本件につきましてま先ほど申しましたように、いまだ運輸審議会から答申がされてない、かような状態にあるわけであります。答申がありました上で善処いたしたいと思つております。
  35. 前田郁

    前田委員長 本委員会に付託になりました請願全部につきまして、一応の趣旨説明及び政府当局の意見の聽取を終りましたので、これらの請願につきまして採否を決定いたしたいと存じます。  本日まで日程に上りました九十七件の請願全部を採択の上、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 前田郁

    前田委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。  ただいま採択と決しました各請願に対する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存ますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 前田郁

    前田委員長 御異議なしと認めます。よつてさようとりはからいます。     —————————————
  38. 前田郁

    前田委員長 これより陳情書の審査に入ります。本委員会に送付になりました陳情書は、本日の日程に掲げてあります通り三十二件であります。その内容は、すでに各位のお手元に配付になつておる文書表によつて承知の通り、鉄道施設問題、列車運転業務関係、港湾施設関係国鉄地方機構関係、海上保安関係、観光関係等で、本委員会において審査いたしました事件及び請願の審査過程において、慎重に審査いたしましたところに一致するものが多いのであります。従いまして本員会といたしましては、これら陳情書のあるところを十分に了承し、今後ともわが国運輸、交通発達、改善に努力いたしたいと思います。     —————————————
  39. 前田郁

    前田委員長 この際お諮りいたします。昨日閉会中の審査について決定いたしたのでありまするが、現在設置してあります観光及び電化の小委員会も、適時開き得る態勢を整える必要がありますので、閉会中においても小委員会を開くことにきめたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 前田郁

    前田委員長 さよう決定いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。月曜日午後一時半から開会いたします。     午後二時四十三分散会