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1950-07-28 第8回国会 衆議院 運輸委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十八日(金曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 前田  郁君    理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君    理事 坪内 八郎君       稻田 直道君    尾崎 末吉君       片岡伊三郎君    黒澤富次郎君       玉置 信一君    畠山 鶴吉君       堀川 恭平君    前田 正男君       山崎 岩男君    江崎 一治君       飯田 義茂君    石野 久男君  出席政府委員         運輸政務次官  關谷 勝利君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君  委員外出席者         議     員 逢澤  寛君         運輸事務官         (国有鉄道部         長)      石井 昭正君         海上保安官         (燈台部長)  粟澤 一男君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 七月二十七日  北海道港湾修築費全額国庫負担陳情書  (第二二六号)  大糸線全通促進に関する陳情書  (第二三三号)  長崎、喜々津間に鉄道敷設陳情書  (第二三四号)  甲府長野間鉄道電化促進陳情書  (第二六九号)  国有鉄道只見線建設促進に関する陳情書  (第二七五号)  東北本線電化促進に関する陳情書  (第二七六号)  私鉄赤穗鉄道廃線補償に関する陳情書  (第二八一  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  閉会審査に関する件  委員派遣承認申請に関する件     ――――――――――――― 請願  一 岩内駅から島野、磯谷、歌棄及び樽岸各村    を経て黒松内駅に至る間は鉄道敷設請願    (椎熊三郎紹介)(第一〇五号)  二 同(小川原政信紹介)(第一〇六号)  三 上田、長野原間鉄道敷設促進請願(小林    運美紹介)(第一九五号)  四 前谷地起点三陸鉄道敷設促進請願外一件    (大石武一君外二名紹介)(第一九七号)  五 江迎港に臨港鉄道敷設請願坪内八郎君    紹介)(第二一七号)  六 羽咋、氷見間鉄道敷設促進請願南好雄    君外一名紹介)(第二二一号)  七 三陸沿岸鉄道敷設促進請願庄司一郎君    紹介)(第二二四号)  八 大間、大畑間鉄道敷設促進請願(小笠原    八十美君外一名紹介)(第二九〇号)  九 日中、西米沢間鉄道路線一部変更並びに同    線敷設促進請願牧野寛索紹介)(第    二九三号) 一〇 岩川、国分両駅間に鉄道敷設請願前田    郁君紹介)(第三四六号) 一一 智頭上郡間鉄道敷設促進請願逢澤寛    君紹介)(第三四九号) 一二 赤穗線敷設促進請願逢澤寛紹介)(    第三五〇号) 一三 豊浦町、定山渓間に鉄道敷設請願(小川    原政信紹介)(第三八九号) 一四 同(小平忠紹介)(第三九〇号) 一五 智頭上郡間鉄道敷設促進請願大村清    一君外八名紹介)(第三九四号) 一六 志佐町から上志佐村を経て吉井村に至る間    に鉄道敷設促進請願西村久之君外五名    紹介)(第三九二号) 一七 尼崎港に臨港鉄道敷設促進請願吉田吉    太郎紹介)(第四六一号) 一八 荒海、滝の原間鉄道敷設促進請願(菅家    喜六紹介)(第五二一号) 一九 野沢、両方両駅間鉄道敷設促進請願(菅    家喜六紹介)(第五二二号) 二〇 宮古、久慈間鉄道敷設促進請願鈴木善    幸君紹介)(第六〇六号) 二一 三陸沿岸鉄道敷設促進請願山本猛夫君    紹介)(第六一六号) 二二 湯沢、本荘間鉄道敷設請願飯塚定輔君    紹介)(第六八二号) 二三 黒木町から矢部村に至る間に鉄道敷設の請    願(高橋權六君紹介)(第七五一号) 二四 三江鉄道及び広浜鉄道敷設促進請願(山    本利壽紹介)(第七八九号) 二五 長倉、大子間鉄道敷設促進請願尾関義    一君紹介)(第八六四号) 二六 岩本、沼田両駅間上越線路線変更に関する    請願藤枝泉介紹介)(第二二〇号) 二七 積雪寒冷地帶未開発地域鉄道新設の特別    措置に関する請願山本猛夫紹介)(第    六一七号) 二八 元名古屋鉄道西尾線復活に関する請願(三    宅則義紹介)(第六六三号) 二九 札沼線復元に関する請願篠田弘作君紹    介)(第七一八号) 三〇 野岩羽線全通促進に関する請願戸叶里子    君外一名紹介)(第七三六号) 三一 橋場線開通促進請願鈴木善幸紹介)    (第七四九号) 三二 国鉄武豊線を師崎まで延長請願久野忠    治君紹介)(第七九九号) 三三 浜松、米原間鉄道電化促進請願江崎真    澄君紹介)(第二一九号) 三四 白河、仙台間鉄道電化促進請願關内正    一君外十名紹介)(第六八〇号) 三五 日豊線小倉、行橋駅間復線化並びに電化促    進に関する請願平井義一紹介)(第七    一六号) 三六 今須村に停車場設置請願大野伴睦君紹    介)(第一〇三号) 三七 仙台駅東昇降口設置促進請願安部俊吾    君紹介)(第三四五号) 三八 古河、栗橋両駅間信号所停車場変更の    請願鈴木明良紹介)(第四六二号) 三九 六日町、五日町両駅間に停車場設置請願    (田中角榮紹介)(第五五号) 四〇 湯本駅にこ線橋架設並びに東口降昇口設置    の請願關内正一君紹介)(第四五九号) 四一 日詰、古舘両駅間に簡易停車場設置請願    (野原正勝紹介)(第六八一号) 四二 三江線建設予定路線の一部変更並びに沢谷    村地内に停車場設置請願山本利壽君紹    介)(第七八七号) 四三 鉄道線路防音接続装置に関する請願(坪    内八郎紹介)(第二一八号) 四四 北川村地内日豊線踏切改良に関する請願(    佐藤重遠紹介)(第二二三号) 四五 伊予小松駅にこ線橋架設請願越智茂君    外一名紹介)(第七七九号) 四六 鹿屋市地内鉄道線路排水施設完備に関する    請願前田郁紹介)(第四六四号) 四七 都城、隼人両駅間客車増発請願岩川與    助君紹介)(第一四五号) 四八 松島、利府両駅間列車運行削減又は廃止案    反対に関する請願安部俊吾紹介)(第    一九六号) 四九 石生駅に準急列車停車請願佐々木盛雄    君紹介)(第六八四号) 五〇 神戸始発急行列車復活に関する請願(首藤    新八君紹介)(第七〇〇号) 五一 綾部、福知山両駅間列車連絡改善請願(    大石ヨシエ紹介)(第八六八号) 五二 宮崎県に鉄道管理局設置請願佐藤重遠    君外五名紹介)(第一〇四号) 五三 豊肥線三重、豊後荻両駅間を大分鉄道管理    局管内に編入の請願永田節紹介)(第    四五八号) 五四 宇都宮鉄道管理局設置請願根本龍太郎    君紹介)(第一四六号) 五五 宇都宮鉄道管理局設置請願尾関義一君    外一名紹介)(第二九一号) 五六 宇都宮鉄道管理局設置請願戸叶里子君    外二名紹介)(第七二七号) 五七 甲府鉄道管理局設置請願天野久君外三    名紹介)(第六四五号) 五八 国有鉄道無賃乘車規復活に関する請願(    川野芳滿紹介)(第五四号) 五九 国有鉄道無賃乗車規定復活に関する請願(    大内一郎紹介)(第二二六号) 六〇 池袋、神田間地下鉄計画設計変更に関する    請願外二件(野村專太郎紹介)(第七五    二号) 六一 能勢電気軌道路線延長に関する請願田中    萬逸紹介)(第七二九号) 六二 沼津駅の営業区域存続に関する請願(遠藤    三郎君紹介)(第七三四号) 六三 木材薪炭貨物運賃軽減請願大野伴睦    君紹介)(第一四八号) 六四 陶石粘土貨物運賃等級引下げ請願(岡    村利右衞門紹介)(第三四八号) 六五 亜炭の貨物運賃軽減に関する請願田淵光    一君紹介)(第七八八号) 六六 国営自動車拂下げ反対請願大野伴睦君    紹介)(第一四七号) 六七 谷地町に定期乘合自動車会社新設に関する    請願圖司安正紹介)(第一九四号) 六八 市営乘合自動車併行路線運転反対に関す    る請願平澤長吉紹介)(第六八三号) 六九 真岡線を特定線区指定反対請願(山口    好一君外一名紹介)(第六七六号) 七〇 北海道港湾修築費負担特例設定に関する    請願椎熊三郎紹介)(第五六号) 七一 北海道港湾修築費全額国庫負担請願(浦    口鉄男紹介)(第五七号) 七二 清水港を重要港湾指定請願西村直己    君紹介)(第一九三号) 七三 名洗避難港築設に関する請願仲内憲治君    外三名紹介)(第二二五号) 七四 志布志港修築工事促進に関する請願前田    郁君紹介)(第三四七号) 七五 尼崎改良工事促進に関する請願吉田吉    太郎紹介)(第四六〇号) 七六 深浦港修築に関する請願奈良治二君外二    名紹介)(第六一〇号) 七七 細島港及び油津港を重要港湾指定請願    (田中不破三君紹介)(第六六四号) 七八 舞鶴港の修築整備促進に関する請願大石    ヨシエ紹介)(第七四一号) 七九 輸入食糧仲継港として八戸港利用に関する    請願夏堀源三郎紹介)(第四五七号) 八〇 小平瀬鼻及び平瀬燈台設置請願尾崎    末吉紹介)(第二二二号) 八一 天売島に霧笛装置澄台設置に関する請願    (浦口鉄男紹介)(第二八八号) 八二 花咲燈台霧信号所設置請願伊藤郷一    君紹介)(第五二三号) 八三 神津島に燈台設置請願淺沼稻次郎君紹    介)(第五二四号) 八四 陸中黒崎燈台設置請願鈴木善幸君紹    介)(第六〇七号) 八五 都井岬を主局とする無線標識施設設置促進    の請願田中不破三君紹介)(第二八九    号) 八六 石鏡に航路標識設置請願中村清君紹    介)(第六〇八号) 八七 布施田沖航路標識設置請願中村清君    紹介)(第六〇九号) 八八 日南市油津海上保安部無線通信所設置の    請願川野芳滿君外四名紹介)(第三九一    号) 八九 熊本県下機帆船燃料油増配に関する請願(    原田雪松君外四名紹介)(第三九三号) 九〇 海運局大分支局津久見出張所海運局支局    に昇格の請願村上勇紹介)(第四六三    号) 九一 舞鶴港の掃海実施並びに安全宣言に関する    請願大石ヨシエ紹介)(第六六一号) 九二 日本国有鉄道法の一部改正に関する請願(    福田昌子紹介)(第二九二号) 九三 日本国有鉄道法の一部改正に関する請願(    池見茂隆紹介)(第六九六号)     ―――――――――――――
  2. 前田郁

    前田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。近く会期も終了になりますので、本委員会といたしましては閉会中も適時委員会を開いて、国政に関する調査を進めて参りたいと思いますが、委員会閉会中に審査をいたしますためには、国会法第四十七條第二項によりまして審査ようとする事件について、特に議院の議決によつて付託されなければなりません。従いましてこの機会に陸運に関する事項及び海運に関する事項観光に関する事項について、閉会審査をしたいということを議長まで申し出ることにいたしたいと思いますが、三事項を具体的にわけまして、第七国会後の閉会中の審査案件通り。  一、国鉄経営合理化に関する事項  一、鉄道建設並びに電化に関する事項  一、船舶(機帆船を含む)の運営体勢に関する事項  一、港湾運営並びに修築に関する事項  一、海上保安に関する事項  一、観光に関する事項 以上の事項について議長まで申し出ることにいたしたいと思いますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田郁

    前田委員長 異議なしと認めます。さよういたします。  なおこの際お諮りいたします。ただいま議長に申し出ることにいたしました閉会中の審査事項が院議によりまして、本委員会に付託になりましたならば、調査方法一つといたしまして、現地について実情を詳細に調査することの必要も当然起ると思いますが、つきましては委員派遣承認要求の件につきまして、その手続、派遣委員選定日時等につきましては、委員長に一任をお願いいたしたいと思いますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 前田郁

    前田委員長 異議なしと認めます。さよう決定いたします。     —————————————
  5. 前田郁

    前田委員長 ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、実は前国会におきまして鉄道新線建設決議案を出したわけでありまするが、なお本国会においてもこれを出したいということを、ただいま理事の方にお諮りいたしましたところが、みな御賛成ようでございますから、これをいよいよ出すことにになりますから御賛成を願いたいと思います。     —————————————
  6. 前田郁

    前田委員長 これより請願審査に入ります。その審査方法についてお諮りいたします。本日も国会における審査方法と同様、御出席になりました紹介議員のみの説明を承ることにいたし、他は文書表にて御承知を願うことといたしまして、ただちに政府の御意見を承ることにいたしたいと存じますが、この取扱いに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 前田郁

    前田委員長 御異議なしと認めます。よつてようにいたします。  これより請願審査に入ります。日程第五、江迎港に臨港鉄道敷設請願坪内八郎君。
  8. 坪内八郎

    坪内委員 本請願要旨は、港湾施設密接不離なものは臨港鉄道線路である。江迎港は佐世保市を隔たる十キロにあり、資源豊富な北松浦郡の中央に位置し、交通北松炭田中心地であり、農産物、岩鉱積出港として有名であり、港湾改修工業計画も着着として進んでおり、将来優秀港として期待されている。ついては、物資の移動、産業開発交通の発達のために、臨港鉄道を敷設されたいというのでありますが、ただいま請願趣旨を申し上げました通り、この臨港線港湾と密接な関係がございまして、港湾の方はすでに改修あるいは港の浚渫も完了いたしまして、完全にでき上つたのでありますけれども、これと関連の深い鉄道施設がないために、今申し上げました通り石炭輸送その他に支障を来しておるというよう実情でございますので、この際十分この点を促進して、ぜひとも請願趣旨によるところの面も考慮していただいて、御採択をいただくようお願いする次第であります。
  9. 石井昭正

    石井説明員 江迎港の臨港線の問題でございますが、ただいま御説明がございましたように、本港は貯炭その他の物資の海陸の連絡地点といたしまして、きわめて重要な役割を演じておることはよく存じております。ただ臨港線建設に関しましては、従来は国有鉄道の費用をもつて建設いたしたのでございますが、港湾法の施行に伴いまして、今後この点に関しまして、また新しい方法も考えられるかとも思うのであります。そういたしますと、かえつて希望に沿うように早く実施できるということも考えられるのではないかと存じますが、十分ひとつ現地調査いたしまして、御趣旨の点をよく了承いたしまして、研究いたして行きたいと考えております。     —————————————
  10. 前田郁

  11. 坪内八郎

    坪内委員 本請願要旨は、鉄道線路防音接続装置は、列車線路を通過する際、その重圧によつて降下目違いを生ずるようなことなく、従つて列車進行は無接続線路を走ると同じく、不快な騒音を防止するため考案されたもので、観光上、旅客輸送上資するところきはめて大きい。ついては鉄道線路防音接続を設置されたいというのでございますが、ただいま政府委員の方にもこのサンプルを提出いたしましてごらんいただいたのでありますが、この騒音防止のことに関しましては、すでに創案者が特許庁において特別の特許もとつておるというようなことで、大体完全な騒音防止機になつておる。ただ問題はこれを採択していただくについての予算というような面に、隘路があるのではないかということを懸念いたしておるわけでありますが、何とぞ十分御研究の上に御採択あらんことを切にお願いいたしますとともに、採択の上はこれをすみやかに実施してくださるよう、十分なる御研究を願いたいと思います。
  12. 前田郁

    前田委員長 政府側説明を聽取いたします。
  13. 石井昭正

    石井説明員 レール継ぎ目列車が通るときに、不愉快な騒音を出す。これは旅客に対しましても非常に愉快な旅行の気持を妨げると思いますが、同時にまたレールの保持上も、非常によろしくない点でございます。これを防止できることはたいへんにけつこうなことだと思います。ただいま御提案のありました騒音防止機は、御考案としてはきわめて適切なものであるということは見受けられますが、何分にもこれを実現いたしまするには、いろいろ実際的な検討、技術的な検討も必要でございましようし、また予算の点もただいま御指摘のありましたように、あわせ研究いたさなければならぬ。そういう点もございますし、また御承知ようレールは大体十メートルの長さでございますので、その継ぎ目の数たるや、全国では驚くべき多数の数字になるわけであります。従いましてその実施にあたりましては、相当の長日月を要するかと思うのでありますが、そういう点もひとつ実物を拝見させていただきまして、試験研究させていただいた上で、結論を出させていただきたい、かように考えております。
  14. 坪内八郎

    坪内委員 大体お話は了承いたしましたが、過去においてこういうよう騒音防止機があるかどうかということと、それからこれはほかの廃線になつておるレールで、何か試験ができるということを請願者が申しておるのですが、そういつた面でこれを試験してくれるような考えはないかどうか。それからこれをいよいよ予算化するということになると、相当予算的な措置を必要とするものであるのかどうかということを、ちよつとお伺いしたいと思うのであります。
  15. 石井昭正

    石井説明員 詳しく調査しませんと、お答えできかねると思うのであります。ただいま聞いております範囲内においてはこういう考案はこれが最初のものと思考されます。予算はどのくらいあるかというお話でございますが、これはちよつと今御答弁申し上げかねるのでございます。後日調査いたした上、御返答申し上げることにお許し願いたいと思います。     —————————————
  16. 前田郁

    前田委員長 次に日程第一ないし第四、日程第六ないし第三十二までを一括して政府の御意見をお伺いいたします。
  17. 石井昭正

    石井説明員 ただいま一括して御上程になりました案件は、鉄道新線建設に関する御請願ように見受けるのであります。鉄道新線に関しましては、前国会におきまして当委員会の御決議の次第もあり、かつまた今までの鉄道工事が、すべてこれは関係方面の示唆にもございましたが、戰災復興、あるいは戰争中非常に酷使いたしました施設を、健全な状態にもどすという点に主力を注いで、新しい建設事業というものは一応そのままに置かれたのであります。御承知ように及ばずながらでございますが、戰災復興も着々進んで参りまして、戰争中及び戰後を通じまして、多年御要望でございました新線建設がストツプしておりますので、今これを実施いたすべき時期に相なつて参つたことは、もはやこの委員会の御決議通りでございますし、また政府といたしましてもさように考えておる次第であります。そこで近い将来におきまして、この新線建設には積極的な方途を見出したい。それには一つには具体的な路線選定の問題もございまするし、いま一つ資金の問題もあるわけでございます。資金につきましては、これは従来の建設線はすべて国有鉄道がおおむね公債を発行いたしますとか、あるいは自己資金、いわゆる営業益金をもつてまかなつて参つておるのでございますが、最近におきまして国有鉄道公共企業体となりまして、いわゆる独立採算制態勢に入りましたので、建設線につきましてはやはり收益性というものが問題と相なるかと思うのでございます。そこで收益性ということにつきましてのみ新線建設を考慮いたしますときには、国家的な見地から、国内資源開発上、あるいはいろいろ人口政策上とらなければならない路線につきましては、どうしても実施が困難になつて来る面があるのじやないかと思う。そこでいろいろ御意見がございますが、あるいは見返り資金なり何なりから政府資金建設線としてもらう。そういう場合には特別に国有鉄道に繰入れるというような考え方もできるかと思うのでございます。また前々国会において御改正を願いました日本国有鉄道法によりまして、鉄道債券を発行いたしまして、関係の地元におきまして、相当の額のお引受けを願つて、それによつて資金を調達するということも考えられる。そういう点などにおきまして、いろいろ新しい方法と、それから御要望の情勢と勘案いたしまして、なるべく早い機会に、何といたしましても一度にこれを実施いたすというわけには参りかねると思いますので、近い機会建設線を再開いたしたい。これにつきましてはいろいろ関係官庁の間におきましても、事務上の調整をいたさなければならない点もありますので、その点につきましても運輸省といたしまして、そういう態勢を整えまして、よく関係各省とも連絡いたしまして、建設線の問題の解決に積極的に進めて参るつもりでございます。御了承願いたいと思います。
  18. 前田郁

    前田委員長 それではただいま政府委員から説明のあつたうちに、十一と十二までを紹介議員が見えましたから、これを議題に供します。
  19. 逢澤寛

    逢澤寛君 まず私は鳥取県の智頭岡山県の大原を経まして、兵庫上郡に行きますところの、いわゆる智頭上郡間の鉄道敷設のことにつきまして、皆様の御批判を得、かつ御協賛を得たいと思うのであります。回線路は、一部の間は因美線と並行するごく少数の所があります。しかし鳥取県の山間部岡山県の山間部と、さらに兵庫県の山間部資源地帶を縱貫する鉄道でありまして、同地方といたしましては非常に重要な路線であります。従いましてこの地方の住民は、この鉄道建設の一日もすみやかならんことを念願いたしまして、本年初頭以来は特に熱心にこれを要望いたしておるのであります。何とぞ本委員会におきまして、この請願趣旨をよく御理解を賜わりまして、御採択あらんことをお願いいたしたいと存じます。  さらにもう一つ赤穗線敷設促進請願の件を申し述べたいと思いまするが、赤穗線の問題は、すでに皆様方もよく御承知通り、かつ運輸当局とされましてもつとに御承知のところであります。ただ一言だけ申し添えておきまするならば、赤穗線はすでに線路まで敷設しておつた線なのであります。レールまで敷設しておりました線路を、戰争のために一部これを引上げまして、そうしてこれを他に利用しておるのであります。赤穗というところまでは、すでに鉄道線路が敷いてあつたのであります。この線路引上げて、他の体育方面に転用しておるところなのであります。従いまして赤穗町といたしましては、すでに敷設しておつたところの線路までは、どうしても本年中にやつてもらわなければならぬというのが念願なのであります。引続きまして、岡山県側に入りましても、工事は日生町という所までは七分五厘方できております。この線は上道郡の西大寺町を経由しまして、財田または岡山駅に入るのでありまするが、この赤穗線経済価値からいいますると、岡山県の穀倉地帶を経由いたします。しかも岡山県の穀倉地帶の中に一寸の鉄道がないのであります。従いましてここを経由することによりまして、運輸上の採算価値からいいましても、経営の採算価値からいいましても、非常に採算度の高いことは、運輸当局のよく御承知のところなのであります。そこで本年度はぜひ——運輸省の方もよく考えていただいておりまするが、東の方からは、かつて敷設しておりましたところのレール赤穗まで敷いていただく。後者の方は、西口からもぜひ本年度はやつていただきたいということを非常に熱心に考えております。すでに西大寺町といたしましては、三十年来の問題なのであります。それで岡山南部のいわゆる穀倉地帶の町村民といたしましては、ぜひ今度は西側からも着手していただきたい、こういう熱心な要望をいたしております。この点本委員会の諸君も御理解を賜わりまして、御協賛くださることをお願いいたしたいと思います。ただ一言だけ申し上げておきます。
  20. 前田郁

    前田委員長 政府側説明を聽取いたします。
  21. 石井昭正

    石井説明員 智頭上郡間の建設線は、鉄道予定線になつております。従いまして、他日新線建設ということが問題となりましたときは、十分に御趣旨のあるところを調査検討いたしたいと思います。何分にも延長六十キロくらいになりまして、相当工事量が多くなりまするので、この点はひとつあらかじめお含みおきを願わなければならぬかと思うのであります。十分ひとつ研究いたしたいと思います。  次に赤穗線の問題でございまするが、これはただいまお話もございました通り、すでにレールまで敷いておりましたものを、営業を開始するのをやめましたような次第でございまするので、こういう点については、できるだけ早い機会に御要望に沿いたいと思います。かような線がまだ全国に数箇所ございまするが、そのうちでも赤穗線のごときは、最も優先的に考えなければならぬものと考えておりまして、これはおそらく近い将来に御希望に沿い得るよう措置が講ぜられるものと思つておる次第でございます。
  22. 逢澤寛

    逢澤寛君 ただいま御答弁いただきましてありがとう存じます。智頭上郡間はすでに予定線であるというお話でありますが、いろいろ戰時中におきまして、資源が乱暴に使用されました結果、国内資源が非常に薄くなつておるのであります。しかしこういうように、その当時非常に運輸交通の不便でありましたために、この地方資源というものはとみに度が高くなつて参つておることを御了承賜わりまして、最近における御調査をもう一度お願いいたしまして、そうして経済的価値がどの程度にあるかということを、もう一ペンひとつ再検討願いたいことを強くお願い申し上げまして、私の説明を終る次第であります。     —————————————
  23. 前田郁

    前田委員長 次に日程第三三ないし第三五を議題に供します。これは鉄道電化に関する問題がおもでございまするが、政府側説明を聽取いたします。
  24. 石井昭正

    石井説明員 鉄道電化に関しまする請願を、一括してお説明申し上げます。御承知ように終戰後国内資源、特に石炭の資源を有効化いたしまするために、鉄道電化を促進いたすことに相なりまして、御承知通り上越、信越線、あるいは東海道線の電化延長等の工事を着々進めて参つた次第であります。ところが二十四年度以降に至りまして、いわゆる均衡予算と申しまするか、ドツジ予算関係で、資金の点からいろいろ難点を生じましたことが一つ。いま一つは電力の問題でございまして、関東地方の電力は、国鉄の信濃川発電所によります自前の、いわゆる自営電力をもつて運転いたしておるのでございます。これを他の区間に延長いたしますときは、当然日発の発電力にたよらなければならない。そういたしますと、一般民需におきまして特に電力事情が逼迫いたしておりまして、大規模な電源開発計画もいろいろございまして、見返り資金もその方へ相当支出されておるのでございますが、しかしながら何分にもこの電源開発計画相当の年月を要しまするので、簡單には参りかねるのであります。そういう点で電力の問題等につきましてもいろいろ難点を生じまして、ただいませつかくの電化計画が足踏みをしているというよう実情でございます。しかしながらこの電力の点につきましては、国鉄におきましても信濃川の第三期の発電工事に着手いたしておりまして、この工事は割合順調に進捗いたしております。明年度中には約五万キロの送電が開始せられる可能性があるわけでございます。そういうような情勢に相なりまするので、ここに資金の点が解決できますれば、あるいはただちに電化工事に着手し得るものかと思いまして、政府といたしましては、これはわれわれ事務当局のみならず、閣僚各位におかれまして、熱心にこの点につきまして関係方面との折衝その他に鋭意努力いたしている実情でございます。ただいまのところでは、できる限り本年度から着手したいということでいろいろ資金の点の工作をいたしておりますが、まだその点ではつきりしたお答えを申し上げる段階に至つておりませんことを、非常に残念に思うのでございますが、明年度の予算におきましては、必ずや電化に関しますところの予算相当計上いたしまして、御承認を仰ぐことができる段取りに相なることと確信いたしておる次第でございますので、御了承願いたいと思います。これが着手の順序その他につきましては、電力の関係、経費の関係、それからそれによつて生じますところの石炭の節約の関係、あるいはいわゆる車両運用の関係、その他各般の事情をにらみ合せまして、経済的並びに技術的な調査検討いたしまして、最も効果多くして、最も国民各位の要望に沿い得る点から着手するのが当然かと考えておる次第であります。     —————————————
  25. 前田郁

    前田委員長 次に日程第三六より第四二まで、それから第四四ないし第五一までを議題に供します。これはほとんど停車場の問題ですから、一括して御答弁願います。
  26. 石井昭正

    石井説明員 新規の停車場設置に関する御請願の模様でございますので、一括して御答弁申し上げます。御承知通り、戰争中は一切こういう方面につきまして、新駅設置等のことができませんでした。従いまして、多年御要望になつておりました地点にいろいろ強い御要望があることは、十分承知いたしておる次第でございます。またいま一つの原因といたしましては、新しい学制の改革によりまして中等学校生徒、今まで徒歩通勤距離にありました方々が、義務教育として列車通勤等を行わなければならないというような情勢になつて参りまして、そういうような見地からも、いろいろ新駅設置の御要望があるのでございます。これにつきましては、できるだけ御要望に沿い得るようにいたしておるのでございますが、何分にも全国多数の御要望がございまして、しかもこの新駅設置の経費につきましては、いろいろ折衝いたしておるのでございまするが、なかなか所要の手続の認証を得ることが困難であるというような事情もございまして、たいへん延び延びになつているわけでございます。それからいま一つは今後の事情といたしまして、先ほど新線建設で申し上げましたように、鉄道收益性という立場から事を判断しなければならないという事情になつて参つたことと、いま一つ、昨年の行政整理以来、国有鉄道といたしましては一応人員の不補充、欠員不補充という態勢をとつておりますので、新たに人員を配置しなければならない業務は、極力これを制限いたしまして、経営の合理化をはかる。もちろん人員整理が目的ではなくて、旅客公衆にサービスをすることが目的でありますから、そういう点から新駅設置を考慮しないというわけには参りかねるのであります。しかしながら予算の構成上人員を押えられておりますので、自然的にある程度その制約を受けることは御了承願えるかと思います。そういう点から一時に御要望に沿い得ないのを、たいへん遺憾に思つておりますが、実情調査して、非常にお困りの程度が高く、かつまた国鉄といたしましても企業的に、新駅を設置することのきわめて適切である箇所から、順次御要望に沿い得るよう調査させて参りたい、かように考える次第であります。     —————————————
  27. 前田郁

    前田委員長 次に日程第五二ないし第五七を議題に供します。これも管理局に関する問題でありますから、一括して御答弁願います。
  28. 石井昭正

    石井説明員 今回の地方機構の改正鉄道管理局設置、あるいはその所管区域の問題等につきましては、すでに当委員会におきましていろいろ御討議がありましたように拝聽いたしておる次第でございます。従いましてこの点につきまして、政府といたしましては一応国鉄の原案によりまして実施をいたしました。しかしながら組織は必ずしも不動のものではございません。実施いたしましたあかつきにおきまして、いろいろ難点あるいは欠点等がございますれば、これを矯正する措置を講ずることは、当然であろうと考えておる次第でございます。     —————————————
  29. 前田郁

    前田委員長 日程第五八及び第五九を議題に供します。これも無賃乘車証の問題でありますから、一括して御説明を願います。
  30. 石井昭正

    石井説明員 これは無賃乘車証規定復活とございまするが、内容は傷痍軍人に無賃乘車証を発行する旧来の規定を復活するようにということのようでございます。これはまことに不幸敗戰に終りましたが、しかしながらとにかくそういう国家のために一身をささげたという意味におきまして、傷痍されました方々に対しましてはまことにお気の毒と申し上げ、何らかの援護措置を講じたい気持は、これはむりからぬところであろうと思うのでございますが、何分にもこの規定を廃止いたしましたいきさつは、これは一般的に元軍人に対します特別な取扱いは相ならぬという関係方面の御指示でございまして、それによりましてこれを廃止いたした次第でございます。しかるところ、御承知ように前々国会でございましたか、身体障害者福祉法が国会に御提案になつて、両院を通過いたしました。それによりまして、身体障害者につきましては、介護者を要する者は国有鉄道の運賃を半額にするという規定があるわけでございます。これに基いて、ただいまのところ旅客運賃の割引を実施いたしております。そういう次第でございますので、この無賃乘車証規定の復活は、目下のところ困難であることを御了承願いたいと思います。
  31. 坪内八郎

    坪内委員 ちよつとこの際お尋ねいたしたいと思います。国鉄の無賃乘車証というものについては、いろいろ問題があるところでありますが、二、三日前の新聞で、国鉄の首脳部がこの無賃乘車証を何か特別に発行しておつたというようなことが、新聞記事に出ておりまして、内容についてはいくらかわれわれも承知しているのでありますが、これは一体どういう問題であるか。この際ちよつと内容について御聞かせ願いたいと思います。
  32. 石井昭正

    石井説明員 私まことにうかつでございまして、その新聞記事を読んでおらないのでございますが、国有鉄道の無賃乘車証は、これは国有鉄道におきまして無賃乘車証規程という規程をつくつておりまして、そこで嚴重に資格、用件等を制限いたしまして、いわゆる職員の公務旅行、あるいは職員の勉励に対する報奨としての発行というような、いろいろな点につきまして制限を設けて、その規程で実施いたしておると承知いたしておるのであります。かつてにこれを発行するということは、ちよつと考えられないと思うのでございます。
  33. 坪内八郎

    坪内委員 石井部長のお話によると、先般の新聞記事を読んでないというようなことでありますが、無賃乘車券につきましては、ただいま政府委員の申された通り、嚴重ないろいろの規程のもとに、これが発行されなければならないことは事実でありますけれども、二、三日前の新聞にこの問題が取上げられて、とにかく国鉄の幹部がひそかに無賃乘車証を発行しておつたというようなことが、一大センセーシヨンを巻き起しておるようにも聞いておりますが、監督の立場にある運輸政務次官は、この新聞記事を読まれたかどうか、この際お聞きしておきたい。
  34. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 私もまことに迂遠にいたしまして、その新聞記事を読んでおりません。調査をいたしまして御報告いたします。
  35. 坪内八郎

    坪内委員 国鉄の首脳部、いわゆる幹部級が、祕密裡に無賃乘車証を発行しておつたというのが、新聞記事の内容であるけれども、ただいま關谷政務次官初め石井部長は、この新聞記事を読んでないということでありますが、まことに私は奇怪千万なことであると思います。いやしくも国鉄関係についてのこのような大きな醜聞と申しましようか、重大な事件に何ら目を通していないということは、まことに遺憾であります。どうぞお帰りになつたら新聞をよくごらんになりまして、その点をよく確かめた上に、適当な処置をしていただきたいということを、要望いたしておきます。     —————————————
  36. 前田郁

    前田委員長 次に日程第六三ないし六五を議題に供します。これも運賃に関する問題でありまするから、一括して御説明を願います。
  37. 石井昭正

    石井説明員 貨物運賃の軽減方に関する御請願に、一括して御答弁申し上げます。貨物運賃に、先般国会の御承認を得まして、一月一日より八割値上げをいたしました。その際におきましていろいろ御意見がございましたので、実施後等級改正に関する調査会を設けまして、そうしていろいろ專門的に研究いたしました結果、四月一日より新しい等級をもつて実施いたしておる次第でございます。いろいろその際に御要望のある品目等については、関係者の方々からも御意見を伺い、また科学的な調査をいたしまして、決定いたした次第でございます。その後の事情変更等がございました場合には、もちろん考慮いたさなければならぬことは当然でございまするが、さしあたり現在のところ、ただいまの等級をもつて実施さしていただきまして、なお経済事情の変動に伴い、あるいはその他の輸送事情の変動に伴う御要望に対しましては、十分調査研究さしていただきたい、かように考えております。
  38. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員 貨物運賃の値下げに対しましては、第五国会以来いろいろ問題となつておりまして、木材、薪炭、亜炭、これだけは等級を引下げてくれるというようお話でございましたが、結局それも国鉄当局のはからいには行かぬで、運輸大臣の決裁によつて等級を下げるということに相なつておりましたけれども、その後こちらの要望したような等級にはならぬで、現在に至つておるわけであります。等級審議会におかせられても、關谷政務次官は私よりかえつてよく承知しておるわけでございまするが、岡村君と私が第七国会の終りにそれを運輸大臣に申し上げておりましたけれども、われわれの考えていることと違うような現在の等級になつておるわけでございます。大臣の決裁はどのようになつたのであるか、ひとつ政務次官より御説明願いたいと思います。
  39. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 運賃の問題でありますが、運賃割引につきましては、国会の意向は私よく承知をいたしておりまして、委員会にも臨んだのでありますけれども、やはり委員会といたしましては、現在行われておる程度が妥当であるというふうな結論がたいへん多いのでございまして、私たちの意見が取入れられずして終つておるような状態でございます。大臣といたしましても、いま一層皆さん方の御期待に沿いたいということを、あの当時に言明いたしておりますので、将来も努力をいたしまして、何とか御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
  40. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員 その審議会には、關谷政務次官と尾崎さんとが出ておつて、えらく御健闘くださつたようではございまするが、審議会の意向と国会の意向とはおそらく相反したような意向で、審議会は藪谷局長の申されるようなことを支持して、そうして通したように聞いておりますけれども、その間の事情は、われわれが考えることと審議会が考えることと、全然相反しておるというのでなくも、おそらく違うよう意見が出るということは、はなはだ審議会なるものはおかしいじやないかと私どもは考える。いわゆる與党的ですが、国鉄色のある審議会をつくつて、それで押し切つたというように考えるわけでありますが、その辺の事情をお聞かせ願いたい。
  41. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 別に委員会の構成につきましては、その当時私たちがつくり上げたものではないのでありまして、私と尾崎末吉君と二人が任命せられて参つただけであります。任命の方法等は、向うの方から委嘱したようなかつこうになつておりますので、その点私たちちよつと何ともいたし方がなかつたのでありますが、大体あの運賃ということで意見が対立をいたしましたのは、議会といたしましては、木材等のいろいろな負担能力と申しまするか、木材業界がこれで壊滅に瀕するから、これを救済しなければならない、そのために運賃を引下げるというよう意見であつたように存じております。一方審議会の方におきましては、そういうふうな一つの事業を国策的に援助するのは、国家が他の方面において補助すべきものであつて、運賃の割引等のごとき、国鉄のみの負担によつてなすべきものではないという意見も非常に強かつたのでありまして、私たちは議会の意見を代表いたしまして、相当強硬にやつたのでありまするけれども、遺憾ながらあのような結果になつたのであります。しかしながら審議会は等級に関しては審議会でありまして、割引ということにつきましては、なお鉄道部内において行い得るのでありますから、そういうふうな方法で、皆さん方の御期待に沿い得られるように努力したいと存じます。委員の任命が国鉄の御用委員であつたかのような御意見でありましたが、それは各界の代表者というふうなことに相なつておるようでありますから、その点は誤解のないように願います。
  42. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員 ただいま關谷次官は、御要望に沿うように御努力くださるというようお話でもあり、御承知ように、木材や亜炭は壊滅に瀕するというそのときの話でございましたけれども、そのときの話のように、亜炭などは壊滅に瀕しておるような状態で、北海道あるいは秋田、長野県の木材などは、おそらくあの当時の半分も出ないというような、苦境な状態を続けておるよう実情であります。もちろん鉄道の運賃の高いばかりが原因ではなくて、経済界の行詰まりというようなこともありましようが、大きなものはおそらく鉄道運賃に災いされておるというところが多いのでございますが、運輸御当局においては、この辺も御考慮願いまして、実施した成績を見まして、等級の改正をする御意思があるかどうか承りたいと思います。
  43. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 現在のところでは、一応の運賃の等級改正は、あれで行われたということに相なつておるのでございますが、なお引続きまして近い将来に、運賃の等級が現在十一等級になつてつたと思いますが、なお十六等級くらいに改正をしたい、こういうふうな意見国鉄の内部でも持つておるようでありまして、その際には考慮をするということも、委員会の席上で出ておつたようであります。次の改正の時期には、皆さん方の御期待に沿えるようになるのではないかと思いますし、なおその間におきましても、著しくこれが負担に耐えられない、こういうふうな実情でありまするならば、しばらく様子を見てみようというよう意見も出ておりましたので、割引その他の点で、皆さん方の御期待通りとは申し上げかねるかとも思いますが、幾分なりとも御期待に沿い得られるのではないかと考えております。     —————————————
  44. 前田郁

    前田委員長 次に日程第六六及び六七及び六九を議題に供します。これも自動車に関する件でありますので、一括して政府側説明を求めます。
  45. 石井昭正

    石井説明員 国鉄自動車の新線につきましての御請願を、一括して御説明申し上げたいと思います。国営自動車につきましては、これも終戰後新線の開設ということは、いろいろGHQの方面の御意向もございまして、民業を圧迫するというような考え方が一つと、もう一つは、国営自動車の経営が非常に非能率的である、合理化されておらないという点から、しばらく押えられて参つたのございまして、御要望に沿い得なかつた次第であります。その後国営自動車の経営の合理化も非常に進んで参りまして、最近では相当の好成績を收めて参りました。それで新線の開設につきましても、とても御要望が多いところ、あるいは現在の路線を充実するために必要な迂回線路、あるいは延長線路というような点につきましては、最近においてはぼつぼつとこれを計画いたしております。またGHQの方におきましても、民営業者との関係におきまして、民業圧迫とならないという場合、それから路線の経営上から見て、採算上可能であるというような点につきましては、必ずしも否定的ではないのであります。そういう点から考えまして、御要望のございます点につきましては、調査研究いたしまして、これを実施いたすのが適当と認めましたものにつきましては、実施計画を進めるというふうにとりはからいたいと存じております。     —————————————
  46. 前田郁

    前田委員長 次に日程の八九及び九〇を議題に供します。これは熊本県の機帆船燃料油増配の問題と、海運局大分支局津久見出張所を支局に昇格の請願でございますので、海運局長から説明を願います。
  47. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 熊本県下機帆船用燃料の増配につきましては、熊本県が多数の島嶼を控えて、機帆船の重要性が他に比べて一層強いということは、十分承知いたしておるのであります。よく実情調査いたしまして、現在の機帆船燃料油のわく内で希望に沿い得るならば、そういうようにしたい。さらにまた一般的な燃料油増配を関係方面に折衝中でございますので、もしその増配が実現いたしまする場合には、ぜひとも御要望に沿いたい、かように考えております。  次に大分支局津久見出張所を海運局支局に昇格の請願でございますが、海運局の地方機構はできるだけ簡素化いたしたい、こういう考えでございまして、一般的に出張所を支局に昇格することは非常に困難であると存じまするが、なおよく津久見港の実情等を調査の上、もし可能ならば御要望に沿うように善処いたしたいと思います。
  48. 坪内八郎

    坪内委員 機帆船の燃料の問題につきましては、海運局長の御答弁の通り極力善処していただくことにお願いいたしまして、この際ちよつとお尋ねいたしたいと思いますのは、私の県の対馬が、朝鮮の内乱に関連いたしまして、重要な関係にあることは御承知通りでありますが、一昨日対馬の長崎県支庁長の電報によりますと、沿岸航路の油が削減されてしまつた。それがために対馬の交通上非常に支障を来し、また申すまでもなく一朝有事の際に、あるいは内地に避難しなければならぬというような重大な岐路にあるにもかかわらず、この燃料が何か削減されたというような電報を受けましたので、ただちに關谷政務次官にもその実情を申し上げまして、善処していただくことにいたしたのでありますが、本省側においては、何らそういうことはない、出先の海運局が何かさじかげんをしたのであろうというようなお考えのように漏れ聞いておりますが、申すまでもなく今日の対馬の交通関係というものは、海路による交通だけが唯一の交通でありますが、この点は平常の場合と違つた情勢下にありますので、十分そういつた面の監督行政を嚴重にしていただきまして、さようなことがないようにとりはからつていただくと同時に、この対馬の沿岸航路の油を削減したのであるかどうか、その点も調査していただき、それが事実といたしまするならば、こういつた情勢下にある対馬のために、よく善処していただくようにお願いしたいと思います。この点はどうなつておるのでありましようか。
  49. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 沿岸交通船に対します燃料油の配給は、最近において減少したということはないのであります。従いまして中央としては、そういう方面における油を削減したということはないと考えるのでございます。従いまして、今お話のありましたように、何らかの事情で支庁の方でしたのではないか、かように考えるのでありますが、よく実情を至急調査いたしまして、御指摘のような懸念のないようにいたしたい、かように考えております。     —————————————
  50. 前田郁

    前田委員長 次に日程第八〇ないし第八八を議題に供します。これは燈台に関する問題でありまするので、海上保安庁の方から御説明を願います。
  51. 粟澤一男

    粟澤説明員 燈台の件につきまして御説明申し上げます。ただいま請願の出ております燈台の件につきまして、三件だけ内容がわかつておりますので、その分を御説明申し上げます。日程八〇、小平瀬鼻及び平瀬燈台設置請願、これは鹿兒島県出水郡にございますいわゆる黒の瀬戸でございますが、この瀬戸は昔から日本三難所の一つと言われており、非常に潮流が早く、船舶の航行に危險なところでございます。私どももぜひ必要であろうと思つておりますので、できるだけ早い機会に設置いたしたいというように考えております。  それから日程八一の天売島に霧笛装置の燈台を設置してもらいたいという請願であります。御承知ように隣の燒尻島には現在燈台がございますが、場所の関係で割合に利用価値がない。近時の漁業の進展その他の関係から考えまして、天売島にもぜひ設置をしたいというふうにわれわれとしても考えております。  それから次に、第八五の都井岬を主局とする無線標識施設を設置してもらいたいという件でありますが、これも御承知ように都井岬には現在燈台があるのでありますが、その附近は霧、雨あるいは風浪等のために、燈台の視界が非常に狭くございまして、無線標識をつけなければ非常に困るということも、私どもも十分理解しております。  以上三件、いずれも緊急に処置いたしたいと思いまして、昭和二十六年の予算に要求中でございます。できるだけ早く実現できますように、私ども努力をして、御要望に沿いたいと考えております。
  52. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 ただいまの御説明については、はつきり聞きとれなかつたのでお伺いいたしますが、天売島の霧笛装置燈台設置に関する問題は、二十六年度に予算を編成することになつておるわけでございますか。
  53. 粟澤一男

    粟澤説明員 昭和二十六年度予算に要求中でございます。
  54. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 燒尻と両方ともですか。
  55. 粟澤一男

    粟澤説明員 はい。     —————————————
  56. 前田郁

    前田委員長 次に、日程第九二及び九三を議題に供します。これは国有鉄道法の一部改正請願でありますので、石井鉄道部長の御説明を願います。
  57. 石井昭正

    石井説明員 この御請願は、国有鉄道の職員が都道府県会議員を兼ねるように、法律を改正しろという御陳情でございまして、事は立法事項でございまするので、国会に対しまする御請願と思うのでございますが、便宜政府としての立場からの考え方をお答え申し上げたいと思います。日本国有鉄道の職員が、地方公共団体の議員を兼ねることができないことになつておりまするのは、これは一つには、いわゆる專念業務に従事する義務がございますので、それと相反することがありはしないかという観点がら制定されたと思うのであります。しかるに同じ公企企業体でございましても、專売公社等につきましては、かような規定はないのであります。そういう点からいたしまして、これを改正してもらいたいという要望は、労働組合側から、あるいは現に議員をしております職員側からも出ておるようでございます。政府といたしましても、業務上別に支障がなければ、この点はさしつかえないとは思つておるのでございますが、積極的に法律を改正いたしますことは、これはやはり組合並びに国有鉄道当局から、事情がかくのごとくであつて、この兼職を禁止することは適切でない、むしろこれを認める方がよいのだという、双方の意見がまとまつて出て参りますれば、そういう立法措置も講じ得るかと思うのであります。また逆に、あるいは国会におきまして御立法になりまして、この点を御改正になりましても、事柄につきましては、政府としては何ら異存がないのでございます。そういうような次第でございますので、御了承を願います。
  58. 前田郁

    前田委員長 残余の請願日程は明日に延期いたします。明日は午後一時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時十七分散会