運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-07-22 第8回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十二日(土曜日)     午後二時三十七分開議  出席委員    委員長 前田  郁君    理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君    理事 坪内 八郎君       稻田 直道君    尾崎 末吉君       黒澤富次郎君    玉置 信一君       畠山 鶴吉君    前田 正男君       滿尾 君亮君    山崎 岩男君       木下  榮君    木村 俊夫君       清藤 唯七君    淺沼稻次郎君       松井 政吉君    江崎 一治君       中西伊之助君    飯田 義茂君  出席政府委員         運輸政務次官  關谷 勝利君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       加賀山之雄君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 七月二十日  下関鉄道管理局設置請願吉武惠市君外四名  紹介)(第二四号)  同(坂本實君外四名紹介)(第二五号)  仙台貨物建設に関する請願庄司一郎君紹  介)(第二六号)  国有鉄道無賃乘車規定復活に関する請願(川野  芳滿紹介)(第五四号)  六日町、五日町両駅間に停車場設置請願(田  中角榮紹介)(第五五号)  北海道港湾修築費負担特例設定に関する請願  (椎熊三郎紹介)(第五六号)  北海道港湾修築費全額国庫負担請願浦口鉄  男君紹介)(第五七号)  千葉、銚子間にガスカー運転又は列車増発の請  願(仲内憲治君外三名紹介)(第一〇二号)  今須村に停車場設置請願大野伴睦紹介)  (第一〇三号)  宮崎県に鉄道管理局設置請願佐藤重遠君外  五名紹介)(第一〇四号)  岸内駅から島野、磯谷、歌棄及び樽岩各村を経  て黒松内駅に至る間に鉄道敷設請願椎熊三  郎君紹介)(第一〇五号)  同(小川原政信紹介)(第一〇六号) の審査を本委員会に付託された。 同日  三江線建設予定路線一部変更等陳情書  (第二〇  号)  平倉駅を一般貨物取扱駅として存置の陳情書  (第二五号)  海事行政機構改革に関する陳情書  (第三一号)  石川県外浦海岸燈台設置陳情書  (第三六号)  観光事業助長育成に関する陳情書  (第四五号)  知事に国鉄無賃乘車証交付陳情書  (第五  三号)  三陸沿岸国道鉄道建設促進陳情書  (第六一号)  唐津海上保安署昇格に関する陳情書  (第六二号)  花輪線小豆沢縮小反対陳情書  (第六三号)  山田線復旧促進陳情書  (第七六号)  小本線延長促進陳情書  (第七九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  国鉄地方機構改正に関する件  海運行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 前田郁

    前田委員長 これより会議を開きます。  まず低性能船舶買入れの件につき、海運局長より説明を聽取いたします。速記をやめて……。     〔速記中止
  3. 前田郁

    前田委員長 速記を始めてください。
  4. 大澤嘉平治

    大澤委員 ただいま提案になりました法案については、十分検討する必要があると考えられますので、これを次の機会に讓りまして、本日は提案理由説明聽取ということだけで終りたいと思いますが、いかがでございましようか。
  5. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 ちよつとお断り、あるいはおわび申し上げなければなりませんのは、お手元に配りました法律案は、最終的に関係方面了解を得た案ではないのであります。実は昨夕ようやく了解を得たような次第でありまして、その訂正案を本日お手元にお配りするのに間に合わなかつた次第であります。訂正前のものをお渡してありますが、実質的には変更はないのであります。字句の修正あるいは余分のものを簡略化したという程度でありますので、その点御了承を願います。
  6. 前田郁

    前田委員長 お諮りいたします。ただいま大澤君から、本案に対する質疑は次に讓りたいということでありますが、ようやく閣議で決定しただけでありまして、まだ本法案の正式の上程を見ないわけであります。それで次の委員会において正式の質問をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 前田郁

    前田委員長 それではさようとりはからいます。それでは坪内君。
  8. 坪内八郎

    坪内委員 ただいまの大澤委員の動議によりまして、ただいま局長からお話のありました船舶買入法についての質疑は次に讓るということでありますが、私はこの機会にこの法案関連の深い機帆船の問題について、簡單一言海運局長の御意見を聞いておきたいと思います。機帆船の問題につきましては、新政務次官關谷代議士も前々われわれ運輸委員会の一員であり、わが党の政調の機帆船将別対策委員長でありますので、新政務次官を初め、監督側の立場にある海運局長あるいは次官その他係官は、私が申し上げるまでもなく、この機帆船の問題につきましては十分御承知でございますので、重複を避けますけれども、すでに御承知通り今日機帆船が約三千隻数歩ありまして、その船主は二千五百名にわたり、その他これに付属するところの家族、あるいは従業員、あるいは関連業者を入れると、実にその数十万以上に及ぶというような状態にあるのでありますが、御承知のごとく昨年の四月以来、油の大幅な値上げによりまして、戰前より石炭輸送従事をし、日本海運業界の中核として業界ために活躍して参つたところの機帆船が、まつたく動かなくなつてしまつたというような状態にあることは、皆さんも御承知通りであります。しかもこの機帆船は、御承知通り戰時中政府の要請によつて、ほとんど強制的に計画遊船されたものであり、かつまたその支拂い代金などにいたしましても、銀行あるいは復金の融資というようなこともできないというふうなことであり、かつまた船舶公団によるところの未拂い金というものも、数千万円にわたつておるというような現状で、今日におきましては実に深刻な問題を投げておりまして、業界におきましては、この問題の将来ということに非常に心配をいたしておるのでおります。ところがときあたかも国際問題がこういう事情になり、また朝鮮問題を契機といたしまして、日本海運業界に大きな変化をもたらすのではないかというような事態にありますので、先ほど提案された船舶買入法関連して、この法案の目的が、海運局長お話通り日本海運事業の正常な運営を期するために、こういう法律提案をするのだというようなことを考え合せましても、この日本海運業界の一つの変態的な状態に置かれている機帆船に対して、この際当局として何らか打つ手はないか、これに対する見通しはないものかどうかということについて、まずお尋ねをいたしたいと思うのであります。この点が第一点であります。  第二点は、過般業界の代表がGHQのその方の責任者に会いまして、燃料関係について陳情いたしたところが、海運局安本と、油の燃料の要求についての意見が一致していないというような関係から、まだすぐ取上げる段階になつていないというようなことを承つておるのでありまするが、その点について、すみやかに安本とそういう意見を合致させて、関係方面にその意見を具申して、すみやかに燃料問題を打開する方途はないものかどうか、この二点をまずお尋ねいたしたいと思うのであります。
  9. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 機帆船燃料対策につきましては、たびたび激励ならびにおしかりの言葉を受けて、私どもといたしましても、あらゆる機会をとらえて、できるだけの努力をいたしておるのでございますが、いまだにそのことをも認められない次第でございます。この四月一日以降汽船が民営になりまするとともに、特に機帆船汽船を区別する理由もなくなる。従つてこれを機会にこの点に対する考え方もかわつて来るであろうというので、期待もし、かつ努力もしたのでございまするが、やはり一方において百万トンからの汽船が遊んでおる、これをそのままにしておいて、機帆船燃料を増配することができないという主張が、依然として存しておるのでございます。ただそれだけの理由をもつて、今日まで増配に対する見通しがつかないのでございます。しかし今回この買上げ法案を、本国会において御審議を願う段取りになり、これが成立を見ました後、さらにまたその他の事態が好転いたしまして、汽船の面においても、今申しましたような理由が減少いたしまするとともに、燃料に対する考え方もかえなければならぬと考えるのでございます。そういう今後の事態に対する期待とは別個に、政府汽船に対してこういう措置を講じまするのと並行して、油に対して一層努力をいたさなければならないと考えるのでございます。この点に対して一層関係向きに対して努力を続けたいと考えるのであります。御了承を得たいと思います。  なお次に御指摘のありました業者経済安定本部と運輸省の意見の食い違いのために、関係方面においてのこれの取上げ方が遅延しておるということでございますが、この点につきましてはすでにその問題の起りましたときによく打合せをいたしまして、関係向き連絡をしておるはずでございまするが、なお実際の詳細につきまして十分調査の上、もしそれがために油の問題の解決が遅延しているということでありますればまことに残念でございまするので、早急に効果的な手を打ちたい、かように考えておるのであります。
  10. 坪内八郎

    坪内委員 あとに審議議題がございますので、一点だけお伺いいたします。ただいまの局長の御説明で大体了承いたしましたが、こういつた状態にある機帆船対策は、国際情勢あるいは朝鮮問題が起つておる今日、海運業界がいろいろと変化して参りますことは私が申すまでもないのでありまして、聞くところによると相当数傭船もされておるというようなことで、実際問題として今後当然国内機帆船が、あらゆる面において活動しなくてはならないような事態になるかと思うのでありますが、その点につきましては海運局長として何か対策なり、これに対する見通しはないか、お伺いいたしたい。
  11. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 朝鮮事態あるいはその他の事情からいたしまして、当然海上輸送につきましても需要が増加すると考えるのでございます。しかしただいま申しましたように、現在の過剩船腹がそれがために根本的な影響を受けるまでには至らない、かような一応の見通しをとつておるのであります。機帆船の問題は、輸送が増加するしないにかかわらず、機帆船を今日のような状態に置くという不合理性からして、どうしても是正しなければならないと考えるのでございます。もちろん機帆船に対する需要が増大して来ますると、より一層今日の不合理が明らかになるわけでございまして、それに対する現状改善に対して、今後そういう事態に相なりますのでは、なおさら一層の努力をいたさなければならない、かように考えております。
  12. 坪内八郎

    坪内委員 私の質疑はこれで打切りますが、この船舶買上げ法案関連して、機帆船対策を十分この際検討してみたいと思つておりますので、この次の委員会に十分研究していただくことにいたしまして、私の質疑は打切ります。
  13. 滿尾君亮

    滿尾委員 機帆船の問題に関連して、ちよつと結論だけを簡單に伺いたいのですが、朝鮮事変によつてごく最近海陸の輸送の方にどういう変化を示しつつあるか、結論だけ簡單に、鉄道海運の方も両方お知らせを願つておけば、たいへん参考になると思います。ちよつとお伺いいたします。
  14. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 今度の事変によりまして、従来鉄道で運ばれておつたものが海上に相当量転移しておるだろう、こういうただいまのお尋ねでありますが、その点については現在まだそれほど顯著でない。しかし一般的な荷動きが多少ふえておりまして、従来国内沿岸海上輸送として運んでおりました量がある程度出て来ております。それは必ずしも鉄道からの転移というものではなしに、一般的なものなのであります。
  15. 滿尾君亮

    滿尾委員 鉄道の方はどうでございますか。
  16. 加賀山之雄

    加賀山説明員 別段の変化が現われておりません、以前の通りであります。
  17. 滿尾君亮

    滿尾委員 鉄道輸送の現段階におきましては、本事変ために、一般の民間の輸送に多少の影響を及ぼす段階には、まだ至つていないというお答えだと考えてよろしゆうございますか。
  18. 加賀山之雄

    加賀山説明員 その通りに考えております。     —————————————
  19. 前田郁

    前田委員長 それでは次に国鉄地方機構改正に関する件を議題といたします。質問通告順にこれを許可いたします。江崎君。
  20. 江崎一治

    江崎(一)委員 たしか五月の十三日ごろだと記憶しますけれども総裁が関西に行かれる車中談といたしまして、この二年間くらいの間に五万名から十万名くらいの人員整理をやるのだということを放言しておられますが、その点はどういう内容か伺いたいと思います。
  21. 加賀山之雄

    加賀山説明員 そういう放言をいたした記憶はないのでございます。
  22. 江崎一治

    江崎(一)委員 二十日の当委員会におきまして総裁は、地方組織改革行つても、五千名程度人員の移動あるいは削減で終るのだと言つておられますけれども、本年度の予算は五千名が自然退職するものだという前提のもとに立てておる。これとどういう関係にあるか。また今年の初めに三千名くらいの希望退職を募られたが、これとどういう関係にあるか。その点を詳しくお話願いたい。
  23. 加賀山之雄

    加賀山説明員 毎度申し上げておることでありますが、国鉄経営といたしましては、私ども必ずしも現在の段階として、非常に多過ぎるとは考えておらないのでありますが、周囲からは非常に多いというお小言をいただいておるのであります。こういう小言をいただかなくても、われわれ経営の任に当る者といたしましては、極力機関の数を減らし、人の数を減らして、そうして高能率、高賃金に持つて行く必要がある、これは当然のことだろうと思います。私どもそういう基礎をつくるために、苦心をしておるということでありまして、——希望退職を募るというのは大体おかしいので、希望があつたから退職されるということになるのであります。今回五千名が浮くということは、この五千名がそのままやめて行くということではないのでありまして、結局五千人減つても、今後仕事にさしつかえないという基礎をつくるということなのです。その点をお間違えのないようにお願いいたしたいと思います。
  24. 江崎一治

    江崎(一)委員 今年の四月ごろからだと思いますが、現場で新作業定員をつくりまして、どんどん減員をやつておるのでありますが、これは一体どういうためにやつておるのか、それをお伺いいたしたい。
  25. 加賀山之雄

    加賀山説明員 先ほどから申し上げた趣旨に基いて、つまり少い員数でやつて行ける方策を講じておるということであります。
  26. 江崎一治

    江崎(一)委員 その練習をしておられるのかと思いますが、東京駅の出札掛りでは四名定員を減らしております。そのために窓口を一つ閉鎖するというようなことが起つておる。これは公衆に対するサービスとは逆行しておるのではないか、こういうように考えられる。また富山駅の連絡手九名を減らしておる。このためにかなり現地では不自由な事件が起つておるのであります。こういうようなことをどんどんやつて行く方法減員をやつて行くということは、国鉄法の二十九條を実施するつもりかどうか、その点をお聞きしたい。
  27. 加賀山之雄

    加賀山説明員 国鉄法の二十九條は、他のいろいろの事由もあつて、そういう事態が起きた場合にはということを規定しておるものと思いますし、また先ほどから申しました国鉄経営上、どうしてもそうしなければならぬという必要が起きてやつた場合も含まれるかと思いますが、それは結果に相なろうかと思うのであります。東京駅で云々ということがありましたが、私どもとしては、サービスを極端に落してそういうことをする意図はございません。旅客、荷物の輸送に万全を期しつつサービスを上げ、能率を上げつつ人を減らして行くのが、われわれの意図であります。
  28. 江崎一治

    江崎(一)委員 現在の輸送量は、この朝鮮問題を契機として、かなり増大しておるというふうに聞いておるのですが、この点先ほど総裁は、朝鮮事変が起つても普通と同じだと言つておられるけれども、これはまつたく実情を無視したお言葉だと思います。特に新鶴見操車場のごときは、実にひどい状態だと思いますが、総裁御存じないのかどうか、その点お尋ねしておきたい。
  29. 加賀山之雄

    加賀山説明員 不肖ながら鉄道経営を直接見ておりますので、私の方がよく存じておると信じております。もちろん軍事輸送が加わりますれば、平常よりは仕事量はそれだけふえるわけでありますが、しかしながら今の力で十分、他の旅客貨物に迷惑をかけずにやつて行けるということであります。
  30. 江崎一治

    江崎(一)委員 どれぐらいふえてどういう状態になつておるかということを、具体的に御説明を願いたいと思います。
  31. 加賀山之雄

    加賀山説明員 具体的に数字をもつて説明するということでありましたならば、たいへん恐縮でございますが、私どもの方に来ていただくなり、私どもが伺いまして御説明申し上げたいと思います。
  32. 江崎一治

    江崎(一)委員 われわれの調査したところによりますと、東海道本線におきましても、車掌が一度急行列車その他に乘務いたしまして大阪まで行く、そうして再び帰つて来る。これは下番の車掌です。この車掌に、済まぬけれどももう一回乘務してくれぬか、軍用列車にもう一回乘務してくれぬか、そうでなければわしの首があぶない、こう言つておるのです。それからまた第五種患者というか、これは御存じ通り結核でふらふらの、休養命令の出ておる患者です。これがたまたま長いこと休んでいると首になるかもしれぬというので、心配して職場に現われて来ると、お前、いいところへ来た、ひとつこれに乘務してくれぬかといつて、乘務させられている現状御存じですか。
  33. 加賀山之雄

    加賀山説明員 体力管理法に基きまして、十分に体格検査行つて、注意を要する者は強制的に休んでもらつております。
  34. 江崎一治

    江崎(一)委員 私が今例を出したのに対して、総裁はとんちんかんな回答をしておられますが、そういう実例があることを御存じかどうかということを聞いているのです。
  35. 加賀山之雄

    加賀山説明員 個々の業務機関におきまして、特殊の事情によつて欠勤者が多いとかいうような場合もあり得ましようし、そういう場合特に——にもちろんこれは引続いてではありませんが、臨時的に仕事をよけいにやつてもらうということは、国有鉄道のような仕事をやつておりますと、やむを得ない場合が起きるのであります。しかしながらこれを常態として、そのままオーバー労働を長く続けて行くという状態でないことは、私は確信をもつてお答え申し上げられます。
  36. 江崎一治

    江崎(一)委員 しからば現在におけるそういう非常なオーバー労働を、どういう方法で解決しようと思われるのか。それともこういうようなオーバー労働は、今後もやはり続くと思うのですか。朝鮮事変以後輸送の量は今後とも増大して来ると思うのですが、そういう事態に対して、機構改革をやつてでも人員整理をやろうとしておられるかどうか、その点もお伺いいたしたい。
  37. 加賀山之雄

    加賀山説明員 そういつたことが起きれば起きるほど、余裕を持つておくことが必要なんです。必要のないところの人数を減らしておくことは、そのためにこそ必要であると私は信じております。
  38. 江崎一治

    江崎(一)委員 北海道におきまして新しい機構改革の先鞭をつけられたのでありまするが、その結果、去年の十一月ごろから手を染められたあの機構改革が、ちようど一月、二月ごろになつてダイヤの大混乱を起したということを、加賀山総裁御存じですか。
  39. 加賀山之雄

    加賀山説明員 降雪その他の関係によつて北海道が冬季間にダイヤ混乱を起すことは、これはやむを得ない間々あることであります。しかしながら本年初頭における混乱もそう長く続かずに、收拾し得たと私は見ております。
  40. 江崎一治

    江崎(一)委員 北海道におけるダイヤ混乱は、風雪害による混乱ではなくて、実は管理部を解消して管理局にまとめたために、運転首脳部神経中枢混乱したことによるものとわれわれは解釈しているのであります。そのためにもう一回あなたはやり直しているではないか。再び閑散線赤字線、この方からどんどん人を拔いて、黒字の線にどんどん人を注ぎ込むことによつて、やつと第二回の試みによつてこれが完成されたと考えているのです。われわれはそう見ているのですが、こういうことを全国的にやられますと、なるほど主要幹線は整うかもしれぬけれども、支線その他の閑散線区は、国鉄の当然やらなければならないサービスをまつたく忘れてしまつて地方線における列車事故もふえましようし、サービスも極端に低下することになるんじやないかと考えます。またその閑散線区従事する労働者は、非常な労働強化になる危險があるとわれわれは考えるのですが、その点はどう考えられますか。
  41. 加賀山之雄

    加賀山説明員 お問いになつた点は、たいへんはき違えをなすつていらつしやるようです。今回の機構改正は、現場定員をどうこうしようということを言つているのではないのであります。鉄道局用員について関係があるのでありまして、その点はまつたくはき違えをしておられるように私は感ずるのであります。北海道でやつております閑散線区を、できるだけ仕事やり方簡單にいたしまして、人手を省くというやり方は、つまりサービスを下げたり、労働過重になるのではなくて、どの駅にも固定した用員を置かないで、列車主義と申しますか、列車に乗務させて仕事をして行くことによつて人員のセーブができる。たとえばどの駅にも転轍手が一人ずついるという場合に、非常に回数の少い線区でありますと、列車転轍手を乗せて行けば、その転轍手がどの駅に行つて作業ができる。その点から人をセーブするということでありますので、サービスを下げるわけではありませんし、従事員仕事を過重にするわけでもありません。仕事を省いて、そして人を省くわけでありますから、その点誤解のないようにお願いいたしたい。
  42. 江崎一治

    江崎(一)委員 これも北海道の例でありますけれども、瀧川駅というのがありますが、ここではたつた六名の出ずらで、日に四千五百個の小荷物を処理しておるのであります。もうこれはまつたくの労働強化で、これはもう従業員がどんどんからだをこわして行くのであります。また休養室はどうか、宿直室はどうかというと、高さがたつた三尺五寸、地獄のようなところでありまして、ここはふとんも非常に汚損しておりまして、結核伝染室のような様相を呈しておるのであります。こういうような閑散線区におるところの国鉄従業員に対する厚生設備、あるいはまたその労働條件というものは、かくのごとく劣悪になつておるということを御存じでしようか。
  43. 加賀山之雄

    加賀山説明員 厚生施設については、終戰後かなり改善を見つつあると私は考えておりますが、しかし何分にも赤字々々でやつておりました国鉄として、それほどの余裕がない。従つてそういう状態がまだ——ただいま仰せられましたのはずいぶん誇張もあるように存じますが、だからこそ経費を節限する方策を立てて、できるだけそういつた厚生施設にまわすような方策を立てるのが、われわれの道であろうと考えておるのであります。
  44. 江崎一治

    江崎(一)委員 最近では、この公社の職制が非常にフアシヨ化しているとでもいいましようか、実はわれわれ常識では考えられぬことが行われておるのであります。たとえば品川の駅で、「平和」と書いたうちわを売ろうというと、上役がやつて来て、どうぞそんなのは売らぬようにしてくれ、こんなものを売ると、わしの首があぶないのだということを言い出した。またこれは板橋のある助役でありますが、駅手がどうも言うことを聞かぬ、きさまそういうことなら、一ぺん朝鮮行つてたま運びをやつて来い、こういうようなことを言つておる。まつたく東條のときと同じような、あの軍国主義的な色彩が、国鉄公社に彌漫して来たと思うのですが、総裁はこういう事実を知つておられるかどうか、そういう事実があつたら総裁はどうせられるか、その点をはつきり聞かせてもらいたい。
  45. 加賀山之雄

    加賀山説明員 公衆に対するサービスを上げますためと、またいわゆる列車運転の安全、正確を保持しなければならぬというような使命を持つておりますので、国有鉄道の職員については、やはり何といつても非常に強い義務と責任感と規律とを要すると思うのでありまして、その点はわれわれ平常から規律を正しくし、責任を強く感ずるというふうに、及ばずながら指導をいたしておるつもりでございます。
  46. 前田郁

    前田委員長 江崎君にちよつとお願いいたします。質問の通告がたくさんございますから、なるべく本件に関係のあることを簡潔にお願いいたします。
  47. 江崎一治

    江崎(一)委員 今度の機構改革で、管理部門と経理部門とをわけられましたが、この点につきまして地方の機関はまつたく経理から隔離されるために、その自主性がなくなり、しかも一つのことを決裁するためにも、三重、四重もその承認の印鑑を必要とするということで、実は事務の非常な複雑化ということになつておるようであります。一本のほうきを買うのにも、三月ぐらいかかるというような現象が起らぬとも限らぬのでありますが、そういう点について、どういうような経営技術の上で簡素化を考えておられるか、その点をお伺いしたい。
  48. 加賀山之雄

    加賀山説明員 系統を縦にわけましたことは、先日の運輸委員会でも申し上げましたように、責任を明らかにするという意味でございまして、そのために非常に判こがふえて煩雑になるいうことは、私はないと確信しておるのでございます。現に鉄道管理局の中にも、各局長直属の主計の係を置きまして、会計についてにらんでおるというような形もとつておりますので、そこといわゆる経理事務所との連繋を密にとることによりまして、十分能率的な運営ができるというふうに確信いたしております。
  49. 江崎一治

    江崎(一)委員 先ほどの問題でありますが、総裁機構改革で大体五千名の配置転換で終ると言つておられますけれども閑散線区の縮小であるとか、検車区の統合であるとか、建築区の廃止とか、機関車の長距離運転、または機関区の整理統合であるとか、保線区の大保線区制であるとか、線路班の廃止、移動施設班の設定などによりまして、総裁の言つておられるように、五千名ぐらいの人員整理では、あるいは配置転換では、とうてい治まらぬのではないかというようにわれわれ見ておりますが、その点の御説明を願いたいと思います。
  50. 加賀山之雄

    加賀山説明員 たいへん現場の末端まで御認識をいただいておつて、ありがたいと思うのでありますが、そういうようにいたしましても、別にそれはそこで現場機構をかえたために、現場人員をその機構改正で浮かすという気持はないのでありまして、要するにそれは現場機構をいじります場合にも、やはり責任態勢を貫くために、より大きい区間を持たせた方が、いわゆる大保線区制というものを採用いたした方が、機関車の長距離運転が、機関車の運用効率の上から見て、短く切つて使いますよりも、長い間一つの機関車を使つてやる方が、能率的であるという場合にいたすわけでございまして、すべてこれ能率を上げ、責任態勢を達する目的でやつておるのでございまして、これらのことは別に人員をそれで減らすということとは、直接の関係はないわけであります。従いまして今回の機構改正から出て参りますのは、私から申しますならば、最低五千人と申し上げたいので、できれば五千人よりも一人でも二人でも少くて経営ができるということに、われわれはねらいをつけておるということを申し上げておきます。ただこれは五千何百人になりましても、その人たちをそこはそこで整理をするというようなことは絶対にいたさない。これはもう機会のありますごとに、私が言明いたしておるとこであります。
  51. 江崎一治

    江崎(一)委員 しからば今度の北海道の改編におきまして、大体二千名ぐらいの人が定職がない、自分のきまつた職がない、ぶらぶらしておる。これは結局待命ということになるのではないかということで、非常にそういう該当者は心配しておる。そういう点について総裁は、そういうように考えておられるなら、はつきりこれは保障を與えられるべきであると考えますがいかがですか。
  52. 加賀山之雄

    加賀山説明員 整理をしないと私が申しておるのは、これが一番いい保障ではないかと私は考えるのでありますが、そういうふうに暫定的に機構がかわりましたために、人員に余剩を生じた。そのため仕事がない。こういう事態が当然その場合として出ると思います。しかしながらいつもこれを申し上げておりますように、他の面に必ずまた減耗して行くという事実もありますので、それらの用員はその減耗の補充にうまく充てて行けば、結局五千人といつたような一時的に出ますところの過剩人員も、決してそう長く続くものではないというように、私どもの方としては考えておるのであります。
  53. 江崎一治

    江崎(一)委員 第二の問題の機関車の長距離運転であります。これはかなり技術的に問題がありまして、日本機関車はみな性能が一様ではないのです。ある区間いつも手なれた機関車に運転士が乘りますと、このレバーをどこまで動かせば、どのくらいでとまるということは、ちやんと腕に覚えがある。ところがこのロング運転をやりますと、一面識もない機関車に運転士が乘り込むことになつて、はなはだ自信のない運転をしなければならぬし、しかも制動その他についてはかなり危險が伴うのですが、そういう点についての対策は、どういうふうに考えておられますか。
  54. 加賀山之雄

    加賀山説明員 性能が違うと言われましても、これは程度の問題でありまして、多少機関車によつてくせのある機関車はあると思いますが、たとえば貨物列車に使つております機関車でありますれば、大体型式が一定しておるのであります。型式が一定しておりますれば、非常な構造上、性能上の差はない。ただ多少のくせ——これは自動車でも何でもありますが、そのくせが運転上の安全に影響するようなものではないということは、確実に申し上げられると思います。
  55. 江崎一治

    江崎(一)委員 最近人員を有効に使うという美名のもとに、しかも必要でどうしても置かなければならないという用員を、省いておるところがあるのであります。きようも本会議で問題にしたのでありますけれども、この転轍器とそれから信号機の連動装置がありますが、この連動装置を動かすのに一人おれば十分に事故が防げるようなところに、用員を省いたために大きな事故が起つておるのが、あの三関の事故であります。またあの広島では、この連動装置をわざわざ発條転轍にかえておる。こういうことのために大きな事故が起つておるということを、われわれは各所に見ることができるのでありますが、こういうほんのわずかの人員のセーブをやりまして、それによつて実に悲惨な事故を起しておるというこの実情について、総裁は今後どういうように処置をとられるつもりですか。
  56. 加賀山之雄

    加賀山説明員 三関の事故は、そういつた運動に人をつけておくというようなこととは全然違うのでありまして、これはわれわれの方では閉塞区間と申しまして、一区間には一つの列車より入れない、これを鉄則としておる。あの場合は非常に閑散な線区でありまして、そこに乘降もない、従つて夜間はその駅がないと同じ取扱いをするわけであります。そのためにいわゆる定位と申しますか、常に本線を走る方に転轍器を開きまして、他の側線へ入る方は鎖錠をしてかぎをかけておく、こういう取扱いをしておる。人はいらない。ところがそれをほかの人が来て、故意にそのかぎをあけて他の方へ線路をあけておつた。そのために起つた事故でありますので、これは先ほどの人をつけておけばどうということとは全然違うのでありまして、そういう故意にやる人が出て来るとなりますと、われわれは警備を嚴にして行くより、しかたがないのであります。ああいう事故が出ましたあと、なお非常にこまかいのでありますが、列車妨害等もございますので、警備を嚴にしておる次第であります。
  57. 江崎一治

    江崎(一)委員 その場合に、あの信号機を動かしておきますならば、反位に行つておれば必ず赤信号が出ておる。だからこういう装置を人を省きまして、それも全然盲運転をやるものだから、それが側線の方へ入つてつてもわからぬのであります。だからああいう事故が起つた。この自動的な動作をやるように一人つけておけば、側線の方に入つておつたら必ず赤信号が出る。だから事故は防げたのであります。そういう意味におけるところの人員の節約は、かえつて百害あつて一利なしと考えます。その点を明確にしておきたいと思います。
  58. 加賀山之雄

    加賀山説明員 線路の営業キロだけで約二万キロございますし、そういつた構内の側線等を合せますと、数万キロにもなる鉄道でございますので、個個にそういつたことが起きることを前提として、これらのところに人をつけて置くわけにはわれわれとしては参りません。
  59. 木下榮

    ○木下委員 今回の国鉄機構改正の問題につきましては、一昨日来われわれ同僚委員質問に対する国鉄総裁並びに運輸大臣の御答弁によりまして、大綱はよくわかりましたが、私どもとしましては、まだ完全に了解することができないのであります。今度の管理局の設置の問題に対しまして、一昨日から同僚の山崎君も言われましたが、一例をあげますと、盛岡、秋田、青森、この三つがありますが、なぜ盛岡、秋田に設置して青森に設置しなかつたか。これは国鉄当局としては十二分に御調査の上やつたことと思われます。たとえば運転関係とか、貨物、乘客あるいは構内の監督、そういうふうなことを勘案されまして、愼重にやつたことと思われますが、どういう理由でということについてはその詳細を知つておりませんので、われわれ常識で考えてはどうしても納得の行かぬところがあります。この前国鉄総裁も山崎大臣も、今度の機構改正はくぎづけではない、やつてみて悪ければこれを改正してもいいのだ、こういうふうな御答弁がありましたが、われわれの常識に沿わぬ改正は必ずいろいろな欠陷が来るのじやないか、こういうふうに考えております。今日の新聞を見ましても、いろいろな人事その他の準備ができておることですから、今これをどうするこうするということは問題でありましようから、とにかくこれでやつてみる。その結果近き将来においてはふやすとかあるいは減らすとか、その場所をかえるとか、そういう意思が国鉄当局におありになるか、また監督の地位にある運輸におありになるか、それを一つお伺いしたい。  もう一つは、これは小さい問題で、この席で申し上げるのはいかがかと思いますが、管理局の管轄の路線でございますか、この問題について一応国鉄側の御意向を伺つてみたい。これも一つ例をあげますと、われわれの姫路では七つか八つの停車場がありますが、これが岡山にくつついたり、大阪にくつついたり、福知山にくつついたりしておりましたのですが、最近聞くところによりますと、上郡までは大阪鉄道局の管轄に入り、また加古川線は大阪の鉄道管理局の管轄下であつたものが福知山へ入る。この間にいろいろな人たちが運動をして——これを私は信ずることができません。うわさですが、運動した結果そういうふうになつたのだ、こういうことが流布されておるのです。そこでこの管轄区内の変更というものは、国鉄部内の問題であつて簡單にできるものと私は考えておりますが、これを実施したあかつきに、こういう理由で非常に不便であるという地元の要望があれば、変更することができるかどうか、またそういう御意思がありますか、この二つの点をはつきりお伺いしておきたいと思います。
  60. 關谷勝利

    關谷政府委員 前会大臣が、この機構改革の点等につきまして、これはくぎづけではないとはつきり申し上げておりますので、さよう御了承願います。
  61. 加賀山之雄

    加賀山説明員 ただいま關谷政務次官からお答えがございましたように、運輸省としてもそういう御意見でございますし、私どもとしても、その点に関しましては全然相違はございませんので、私の方はどちらかと申せばいわゆる企業性の点、つまり経営能率を上げて、経費をできるだけ減らしてやつて行くという方に、どうしても重点を置いて行かなければならぬと考えておりますけれども国有鉄道のような施設が、公共性を無視していいというわけは毛頭ないのでありまして、どうして公共性を尊重しなければならぬ。かように考えておるので、今回の管理局の位置並びに管轄区域につきましては、われわれ非常にたくさんの案をつくりまして検討しました結果、現在の段階としてはこれが一番いいという確信のもとにいたしたのでございますが、これを真劍にわれわれが努力してやつてみまして、しかしここに非常な支障がある、こうした方がよりベターではないかというようなことがはつきりわかりまして、そしてこれらの支障はわれわれいかに努力しましても取除くことができない、これは管轄区域をかえるよりしようがない、あるいは管理局の位置をかえるよりしようがないという結論が出ましたならば、私どもは進んでそれをかえる義務があるというように考えております。  管轄区域の問題についてお尋ねがあつたのでありますが、運動によつて左右されたという覚えは、私どもこの管理局の位置に関しても、管轄がえについても、ございません。ただ地元から非常に強い御要望をいただいておるのでありまして、できるだけこの御要望に沿えるならば沿つた方がよいということは、われわれも十分考えていたしたのでありますが、何しろわれわれが第一次的な、しかも最後的な経営の責任を負うわけでございますので、私どもがこの責任を十分達成し得るという自信がございませんと、いかに地元から御要望がございましても、その方から優先的に採用して、さようにいたしましようというわけには参らなかつたのであります。先ほど例をおあげになりました上郡まで、あるいは加古川線の問題にいたしましても、両案を考えておつたのでありますが、現在の業務機関の位置でございますとか、あるいは私どもの考えとしてやむを得ないところは切るが、しかし一つの本線はできるだけ長く持つのがいいというような見地やら、いろいろ考慮いたしまして、さようにきめた次第でございます。なお管轄区域の問題についても、ふたをあけてみまして、地元の御希望なり、あるいは従事員の立場、種々勘案いたしまして、どうしてもそれはやはり他のところで見る方が、よりベターであるという結論がはつきりいたしましたならば、その機会国鉄だけでもこれは変更し得ると考えますので、私どもは別にそれをせつかく始めたことであるからということで、そういつたことに固執するのでなくて、よりベターな方法さえあれば、その方をとることにいたすつもりであります。
  62. 木下榮

    ○木下委員 機構改革などというものは、もちろんくぎづけであつてはたまらぬし、くぎづけでないということが当然のことであります。一旦かえたから、かえることはできないというようなことはあり得べからざることであると思いますから、關谷政務次官の御答弁はそれといたしまして、もう一度加賀山総裁にお伺いしたいのでありますが、今の国鉄の案を実行しまして、そうしていろいろな不備な点があり、今お話のように減らした方が経費が少くて同じような運営ができる、あるいはふやさなければうまく行かないというベターな方法があれば、かえるのにやぶさかでない、こういうふうに承知しましたが、それは一旦そういうことを言われて、いつまでも長くひつぱるということもあり得るのですけれども、もしそういう顕著な事実があれば、近い将来において御変更になるという御意思があるかないか、もう一度はつきりお伺いしたい。
  63. 加賀山之雄

    加賀山説明員 近い将来と言われますより、私どもこの実施をいたしまして、即刻この結果を見て行かなければならないのであり、結果を見ます場合に、よく気をつけなければなりませんことは、変動期にはいわゆる過渡的ないろいろな不都合とか困難も出て来ようと思います。しかしこれはなれてしまえば克服できるものであるかどうか、こういう点はよく検討しなければならないと思うのでありますが、どうしてもこれは致命的な欠陷であるということが明らかになりました上は、時期にかかわらず、これはかえて行かなければならぬというように私どもは考えております。
  64. 坪内八郎

    坪内委員 私のお尋ねは、このたびの機構改革の点とかけ離れたことでありますけれども、この際ちよつとお尋ねいたしたいと思いますが、実は国鉄の外郭団体である弘済会の関係について、私は総裁お尋ねいたしたいのでございます。すでに新聞やその他で御承知のごとく、先般行われた参議院の選挙において、弘済会の理事長であつた堀木鎌三君が立候補いたしまして、めでたく御当選なさつたわけでありますが、この堀木君の選挙運動に関連して、弘済会の理事、幹部一党のものが、うわさによると数百万円の金を流用して、まれに見る醜穢な、また悪質の選挙違反だといつて、一網打盡に今検察当局によつてその捜査が進められておるというようなことを聞いておるのでありますが、一体この国鉄の外郭団体である弘済会は、もとはやはり国鉄がある程度の補助金を與え、あるいは傍系的な立場からこれをいろいろと育成する、そうして利用者に利便を與えるというような関係で、相当補助金を出しておつたように考えておるのでありますが、現在もそういつた補助金を出しておるのか、これが第一点。  それから第二点は、この監督はやはり国鉄でやつておるかということをまずお尋ねいたしまして、次の御質問に移りたいと思います。
  65. 加賀山之雄

    加賀山説明員 弘済会は自分の営んでおります事業から得た資金をもつて、社会事業を営んでおるのでございまして、ただいまのところは国鉄から補助金というようなものは支出いたしておりません。  それからもう一つのお問いの監督の問題といたしましては、弘済会と国鉄の間に契約をいたしておるのでありまして、この契約に基いた義務を弘済会に負わしておるということでございまして、これは行政監督という性質のものではありませんが、契約に基いて構内を使用する場合の監督をいたしておる、また従事員の監督は直接的には弘済会が当りますけれども、直接旅客公衆に接するという立場、その意味から国鉄が間接的な監督をいたしておるという状態であります。
  66. 坪内八郎

    坪内委員 ただいまの御説明で、補助金は出していないということでありますので、この点は予承いたしました。監督の点につきましては、直接の監督はない、しかし事業上、契約上のことについてある程度契約の履行といつた問題から関連して、監督権があるのだ、監督をしておるのだということでありますけれども、もともと弘済会を利用する者は、国鉄を利用するお客である。直接にないといたしましても、何らか間接的には十分責任もあるし、また監督もしなくてはならない立場にあると私は思うのであります。こういつた弘済会があのような選挙違反を起し、しかも数百万円以上、一千万円になんなんとする多額の選挙費用を、この弘済会から流用したというよなことがうわさに上り、あるいは新聞に報道されておりますが、そういつた契約上の事務的な関係から、当然監督しなくてはならない経理の面などに、何か関連のあることがありはしないかということを、ちよつとお尋ねいたしたいと思います。この点はまつたく関係はないのでありますか。
  67. 加賀山之雄

    加賀山説明員 もと弘済会の事業内部のことでございまして、そのため国鉄に納むべき納金に支障がありますとか、また国鉄が直接サービスしておりますところのお客その他に悪影響があるということでございますれば、その面からの監督の責任は、私どもは十分に感じなければならない、かように考えるものであります。
  68. 坪内八郎

    坪内委員 そうすると、このたびの選挙違反に関連する責任は、国鉄側にはまつたくないと申されるのでありましようか。ちよつとその点をお尋ねいたします。
  69. 加賀山之雄

    加賀山説明員 その点は弘済会自体の問題であると私は考えておるのであります。
  70. 坪内八郎

    坪内委員 そうするとこういつた醜態と申しましようか、事故を起した弘済会に対して、総裁として責任がない、こういうふうに了承していいのでありますか。
  71. 加賀山之雄

    加賀山説明員 責任という言葉の使い方にもよろうと存じますが、この事態がまだ捜査中、あるいは審理中でございまして、結果ははつきりいたさないのであります。はつきりいたしました上は、それに伴つてわれわれの必要とする措置をとらなければならないと私どもは考えておるのであります。
  72. 坪内八郎

    坪内委員 この問題がまだ捜査中の問題で、結論が出ていないから、結論が出たあかつき、もしも国鉄が責任を感ずる面が生じた場合は、責任を感ずるというような御答弁のように承りましたが、こういつた国鉄の外郭団体であり、当然陰に陽に監督しなくてはならない弘済会、しかも直接間接国民に影響の深いこういつた特殊の団体が、ああいつた選挙運動に利用されたということは、私たち国民の立場からいたしますと、決して責任がないとはいえないと思うのであります。そこで今度の機構改革とあわせて、こういつた問題を何か別途に考慮して、そういつた選挙などに利用されることのないような状態に置くために、何か考えを持つておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  73. 加賀山之雄

    加賀山説明員 ただいま弘済会が利用されたかどうかという点が、確かにそうだと言いきるだけの段階に達しておりませんので、先ほど申し上げた次第でありますが、結論がはつきり出ましたあかつきは、これは私どもといたしまして非常に関連の深い、また利用される国民各位にも非常に関係を持つた機関でございますし、また従事員自体といたしましても、あの弘済会という機関には非常に深い関係を持つておりますので、十分に考えて、適当な措置をとらなければならないというふうに考えておるのであります。
  74. 坪内八郎

    坪内委員 私どもの考えるところによりますると、大体弘済会の運営というものが、ほとんど理事によつて運営されておる。その理事、幹部のほとんど全部ともいうようなものが、こういつた選挙違反に関連して、今收容されておる者もあるし、また当局がこれの捜査をやつておるというようなことも考え合せまして、相当これには深刻な検討を加えなければならぬというようなことを考えておる次第であります。従つてこの問題につきましては、検察当局と国鉄の監督面とは、これは考え方が別であるし、またこの問題の推移によつて国鉄側も考えなくてはならぬかと思いますけれども、相当私はこの問題は責任を感じなくてはならぬ問題じやないかと思います。事実末端の一事務員がこの堀木君の選挙運動に云々というのではなくして、弘済会の最高首脳部が、かくのごとく選挙違反に関連して、そうしてあのような事態を惹起しておるということは、相当これは大きな深刻な問題でなければならぬと思うわけであります。それでもう一点私がお尋ねしたいのは、こういつた理事は今何名ぐらい選挙違反に関連して、それぞれの警察当局なり、あるいは検察庁あたりに收容されておるのか、この点がわかつておればお聞かせ願います。
  75. 加賀山之雄

    加賀山説明員 確たることを申し上げられないのでございますが、ただいま私ども承知しておりますところは、たしか理事ばかりではございませんが、現在起訴を受けております者が四名か五名であつたと記憶しております。
  76. 坪内八郎

    坪内委員 弘済会の運営を行うところの相当の責任者であるところの理事が、四名ないし五名收容されておるということでありますが、この問題につきましては、国鉄といたしましても、相当愼重に考えて行かなくてはならないと考えます。これは私が申し上げますまでもなく、こういつた選挙違反が、いわゆる公職選挙法による選挙違反であるから、これは検察当局が調査し、そうして裁判によつて結論が生れることは当然でありますが、その公職選挙法の違反は違反として、それぞれ関係の者におまかせするといたしまして、国鉄自身の立場から、こういつた重大な問題を惹起いたしたのでありますから、結論が生じたならば、断固たる処置で、この運営にあたつては監督するという意思があるかどうかということを、もう一度お尋ねいたしておきます。
  77. 加賀山之雄

    加賀山説明員 先ほども申しましたように、弘済会は非常に重要な機関でございますので、事が確然といたしまして、こういつた点が悪かつた、改めなければならぬという点が明らかになりました上は、私どもといたしまして、断固としてそれを改善する措置をとるつもりでおります。
  78. 坪内八郎

    坪内委員 そういたしますると、こういつた選挙違反が起きたから、この外郭団体の弘済会というようなものに対して検討を加えるということでなくして、もともとこの弘済会の運営のあり方、あるいはお客に接するいろいろな状態とかいうことから勘案いたしまして、世間では、国鉄を利用する者にとつては、いろいろと意見考え方があるように今も私たちはよく聞くのであるし、またわれわれも体験するところでありますが、こういつた弘済会を、機構改革とあわせて何らかもつと民主的にし、独占的にこういつた会にゆだねるのではなく、もつといい方法旅客の便宜をはかるというような特殊な考え方を持つておるかどうか。あるいはそういう考え方のほかに、別途の方法があるのかどうか。その点をお伺いいたします。
  79. 加賀山之雄

    加賀山説明員 今言われました点、私もちよつとのみ込みにくいのでございますが、もともと弘済会は鉄道職員並びに鉄道退職者、鉄道仕事によつてけがをした人、公傷を受けた人並びにそれらの家族の救済を主としておりますので、国鉄としてはまことに重大な機関であるわけであります。従いましてそれらの組織機構については、われわれとして当然に重大な関心と申しますよりは、また責任も持つておるという次第でありまして、この現在までの組織、機構が非常に間違つておつたから、こういうことが起きたというふうには、必ずしも私どもは考えておらないのでありますが、何分にも現在はまつたく捜査中という段階でありまして、一部起訴は受けておりますが、これも裁判の結果を待たなければほんとうのことはわからないというのが、私は現在の段階であろうと存じます。はたして弘済会の組織、機構が、現在並びに将来の弘済会を動かして行くのにいけない機構であつたかどうか。あるいはそれは組織、機構でなくて、人の問題であるかどうか。そういう点を十分に検討いたしまして対処いたしたい。かように考えておる次第でございます。
  80. 坪内八郎

    坪内委員 大体その点はそれで了承いたしまして、もう一点、弘済会から国鉄がいろいろな事実上の契約によつて、年間相当の收入があると思うが、一年間にどのくらいの收益があるか。その点はわかつておりますか。
  81. 加賀山之雄

    加賀山説明員 ただいま資料を持つて参りませんので、恐縮でございますが、ただちにお答えいたしかねるのでございます。弘済会から入つて参ります收入は、いわゆる施設土地等を利用する料金でございます。非常に莫大なものであるということはないと思うのでありますが、弘済会の受ける收入の大部分は、先ほど申しましたように退職者であります公傷者、殉職者並びにその家族等の救済に振り向けておるのであります。大部分はこれらの費用に充てる。それで国鉄に納入する分は、やはり鉄道の施設を利用するための料金として納めておるのであります。
  82. 坪内八郎

    坪内委員 この問題は直接にこのたびの国鉄機構問題と関係はないのでありますけれども、また考えようによつては相当に関連があるわけでありますが、今日はまだ他にも同僚議員の質疑があると思いますので打切りますが、ただいま弘済会から年間收益がどのくらいあるかという点につきましての資料はないというようなことでございますので、その資料もなるべく近いうちに私に調べて聞かせていただくように要望いたしておきます。さらにまた起訴関係理事が四名か五名というようなお話でありますが、われわれの聞くところによると、相当広範にわたる弘済会の理事、幹部諸君が、選挙違反に関係しておるというようなことを聞いておるのでありますが、その点がどのような関係になつておるか、この点をあわせて調査して、御参考までに私の手元に資料を與えていただくことを要望いたしまして、質疑を打切りたいと思います。
  83. 松井政吉

    ○松井(政)委員 私は今度の国鉄機構の改正に伴いまして、前に二回質問をいたしたのでありますが、そのうち了承できない点と、さらに新しい問題と、できるだけ前と重複しないような形で、質問を二、三点したいと思うのであります。  そこでこの前もちよつと触れましたけれども、私のどうしても了解に苦しむ点を明らかにしていただきたいことを、第一番目に申し上げたいのでありますが、これは今度の機構改正に伴いましてかかり得る費用の問題が、どうしても私は了解でき得ないのであります。御承知のように国有鉄道法の規定に基いて、予算にうたわれておる科目、さらに目的、あるいは使用の方法等が、條文によつて明瞭に相なつておるのであります。今度の国鉄機構改革をやらないといたしますならば、二十年年度予算に基いて費用をお使いになることは、国鉄当局として当然でありますが、今度の機構改正で相当の費用がかかることは、いかような御説明をなされても明らかである。その費用は御承知のように、二十五年度国鉄予算の中に、機構改革という費目はございません。それでこの点につきまして、具体的にどの科目でどういう形でどういう設備にどれだけの予定をしておるのかという点を、具体的な数字をもつて明らかにしていただきたいと思うのであります。
  84. 加賀山之雄

    加賀山説明員 この前の委員会でも私お答え申し上げたと思つておるのでありますが、もちろん機構改正による経費というものは、予算には計上されておりません。同じように予算の面におきましては、目的別に一々項目をあげておるというふうにはなつていないことは、御承知通りだろうと思うのでありまして、たとえば建築でございますと、建築費という項目であげておりますし、修繕ならば修繕費という項目であげておるのであります。それらの経費のうち、この機構改正ために優先的に使用するのがいいということで、この費目の中から使いますので、決して流用という性質のものではないと、私どもは確信いたしておるのであります。通信と建築が主でございまして、建築が四億余、通信が三億であります。従いまして、合計七億余をもつて、とりあえず機構改正機会として、通信設備を完備し、宿舎を建てるという経費に充てておるのであります。これらの経費は機構改正ためにいるということももちろん言えますが、機構改正がなくても通信設備や宿舎は、これはできるだけ整備する方がよろしいのでありまして、これらは当然に、計画の中に入つておるというように御承知を願いたいと思うのであります。
  85. 松井政吉

    ○松井(政)委員 目的別になつていないということでございますが、日本国有鉄道法の三十九條の十には「日本国有鉄道は、予算については、当該予算に定める目的の外に使用してはならない。」と明確にうたつております。この点の解釈をひとつ……。
  86. 加賀山之雄

    加賀山説明員 修繕費なり、建築費なり、通信施設費なり、これが目的として定められられたる項目でありますので、その通り使つておる次第であります。
  87. 松井政吉

    ○松井(政)委員 これはどうもごまかしだと考えられるのでありますが、要するに機構改革をやらなくても、修繕費は修繕費、機構改革をやつても修繕費は修繕費であつて、宿舎の建設等は機構改革をやつてもやらぬでも行うということを今申されたが、これは明らかにごまかしだと思う。というのは、機構改革が行われれば、要するに甲の地域で働いておつた二百名が乙の地域へ配置転換をされる。そうしますれば新しいところに施設が必要になるのでございまして、二十五度予算のときには、その地域の施設は目的として予算を組んでおらない。明らかにこれはごまかしです。従つて機構改革ための費用であることは間違いない。だからこの点について明瞭にお答え願いますとともに、この問題について監督と、さらに通知を受けてこれに対する処置をしなければならない運輸当局の見解も明らかにしていただきたいのであります。なぜ私がこう申し上げるかといいますと、日本国有鉄道法はわれわれがこの委員会において愼重審議をして決定しておる、予算も決定しておる。従つてその條文と今度の費用の使い方というものが、われわれの納得の行くようにならなければ、われわれの責任が起つて来る。従つてこの点を明らかに説明していただきたい。これは建設建設費であり、施設は施設費だとおつしやつても、甲の地域と乙の地域と、今度の機構改革建設費が違つて来るなら、これは機構改革に関する費用である。この点をひとつ明確にお答え願いたい。
  88. 加賀山之雄

    加賀山説明員 絶対にごまかして申し上げておるつもりではございません。たとえば宿舎の建設費ということについて例を引いて申し上げてみますならば、宿舎の建設費として、たとえば二千戸の宿舎を建てるという経費は、予算上協賛をいただいておる。こういうことにいたすにしても、その二千戸をどこに建てるかということまでは、あわせて御審議を受けておるわけではないのでありまして、この二千戸をどこに建てるかという問題であります。私どもとしては、機構改正の結果必要になつたとは言いながら、たとえば今回管理局が設置されるということになりまして、宿舎のふえる地帶は、いずれも職員の大勢おります重要な地帶でありまして、その官舎をそこにふやすという関係になるわけであります。従いまして少しもそこにおかしなことはないと私どもは考えております。
  89. 足羽則之

    ○足羽政府委員 ただいま三十九條の十について、「予算については、当該予算に定める目的の外に使用してはならない。」という点の御質問でありますが、この條文の目的ということの解釈は、ただいま総裁から返答があつたのと同じようにわれわれも解釈しております。
  90. 松井政吉

    ○松井(政)委員 この間における国有鉄道と運輸省との間の立法に基く協議、通達等は、いかような形でなされたか、明確にしていただきたいのであります。いつ何日に国有鉄道総裁から、どういう通知が来てどういう御処置をとつたか、明瞭にしていただきたい。
  91. 足羽則之

    ○足羽政府委員 今回の機構改正に伴いまして、予算流用の問題は、国鉄からはまだ何の申請もございませんし、まだ生じて参つておらぬと心得ております。
  92. 松井政吉

    ○松井(政)委員 それでは総裁にお伺いをしますが、ただいま建設関係で四億円程度、通信関係で三億円程度という数字が出ております。この数字について、具体的に御説明を願います。
  93. 加賀山之雄

    加賀山説明員 数字について具体的にという意味は、宿舎が何件、通信施設を新たに増加するものが何件という意味だと承知するのでありますが、ただいまその予算の明細を書いたものを持つて来ておりませんので、お許しを得れば後ほどなり、後日なり、これを御説明いたしたいと思います。
  94. 松井政吉

    ○松井(政)委員 その点は了承いたします。後日ひとつ明らかにしていただくことをお願いいたします。  次にもう一つお伺いしておきたいのでありまするが、最近新聞におきまして、また議会において、衆参両院とも非常に党派を越えて、この問題について議員が議論をしております。その半ばに、新聞等に支配人の人選等が発表されております。これが事実であるかどうかお答えを願います。
  95. 加賀山之雄

    加賀山説明員 事実でございます。
  96. 松井政吉

    ○松井(政)委員 これははなはだ私は不謹愼きわまる態度ではないかと思います。なるほど今度の機構改革は、監理委員会の議を経ればということで、議会に諮る必要はないということになつております。しかしながら衆参両院とも今国会では総裁から報告を受けて、そのために地方民の声を聞き、さらに関係議員等が今度の機構改革に非常にむりがあるという見解をする者、あるいは正しいという見解をする者、いろいろな角度からあなたに対して、連日のごとく質疑行つておるのであります。その質疑の最中に、要するに片つぱしから議会の質疑、議会の意見等を無視して、総裁独自で支配人の人選等を行うことは、不謹愼きわまる態度だと思うが、その点についていかように考えるか。
  97. 加賀山之雄

    加賀山説明員 私どもといたしましては、経営の責任を持つておりますので、八月一日から実施するということに運輸省の了解を得まして、いよいよ出発するという以上は、八月一日はもう目睫の間でありますので、その幹部の人選をせざるを得ないのでございます。そうしなければ八月一日から実施ができないのでありまして、私どもとしましては、別に不謹愼であるとは考えておりません。しかしながら国会の決定といたしまして、これはどうしてもやることはならぬという意思決定があれば、これはなし得ないことになるのであつて、われわれとしては当然その準備を進めておることが道であるように心得ております。
  98. 松井政吉

    ○松井(政)委員 どうも加賀山総裁の言うことは逆であります。国会が意思表示をすれば考えてもよろしい、こういうことは逆だと思う。要するに国会が意思表示をする前に、いわゆる国有鉄道経営の責任を持つておる総裁としては、こういう考え方でこう機構改正をしようということで、議会の決定と総裁考え方とが食い違わないように段取りをしてからやるのが当然である。それを、私は責任上ぐんぐんやつて行く、国会がこれに反対の決議をして来ればやむを得ないからやめる、そういうものの言い方というものはあり得ない。しかもあなたが責任を負うておるのでありますけれども、あなたに責任を持つてもらう一切の條項は、議会においてわれわれが決定した法律に基いておる。にもかかわらず、議会がそうやつちやいけないと決定して来れば、その通りやるけれどもと言う、そういうむくれた話は私はなかろうと思う。あなたの方が責任上やろうとすることは、議会の方と、やろうとする前に相談ができ上つて、反対の決議をしないように持つて行くことが、民主的な議会の運営だ。その程度のことは、あなたの方でお考えになつてよろしいはずである。けれども、一向さしつかえないと考える。しかし反対の決議をされることはと言うことは、失言ではなかろうかと思うが、この点について明らかにしてもらいたい。
  99. 加賀山之雄

    加賀山説明員 私どもといたしましては、いろいろ委員会なり、また委員会のみならず、われわれの方にお見えになりまして、反対の御意見を申される方のあることは十分承知いたしておりますが、私どもに対してはつきりとした国会の意思として、まだ承つておらないのが現在の段階でございまして、しからばわれわれが最初にきめました通り八月一日にやるとすれば、それに対する準備をして行くというのが、私どもの筋ではあるまいか、かように考えておる次第であります。
  100. 松井政吉

    ○松井(政)委員 それは議会の中で、何らの質疑なくして報告を承認した場合のあなたの準備である。ところが今回の場合は、衆参両院においても党を超えて、いろいろ心配の点からあなたに質疑を続けておる。あなたが報告をされてわれわれが承認した場合は、八月一日から実施に向つて準備をしなければならないことは当然である。ところが疑問点について、毎日暑いのに質疑を続けておる。にもかかわらず、国会の方の考え方意見等は無視して、ぐんぐん準備を進めて行つて、新聞等に支配人、少くとも機構改革に対する重要ポイントの人選を発表するなどということは、はなはだもつてけしからぬと考える。さらにこの問題について、運輸省当局は一体責任がないとお考えになるかどうか。たとえば運輸省の管轄における一切の事項を協議するのが、われわれの委員会なんだ。従つて運輸省当局は、こういう事情について責任がないとお考えになるか、あるとお考えになるならば、その責任を明らかにしてもらいたい。
  101. 關谷勝利

    關谷政府委員 運輸大臣といたしましては、国会の御意見に従う責任があるのであります。ところが国会が以前に決定しておりまする法律ために、こういうことに干渉するだけの権限を持つておらないのであります。その点御了承願います。
  102. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 この内定したという発表のことですが、これは私は非常に重大であると思う。およそ人事を扱う場合において、十日も前に内定を発表するということは、あり得べからざることだと思います。かりに今ここで委員会において、あるいは本会議において、決定を延ばすというような決定になりまするならば、その人たちに対して非常な迷惑を私はかける結果になりはしないかと思うのであります。この内定を発表するというその経過から申し上げますと、このことは明らかに、この事実を織り込ませて行くことによつて、われわれが意思決定をすることに対する一つの制肘だと思うのであります。この点は非常に加賀山さんとしては考えなければならぬ問題だと思うのであります。人もきまり、何もきまつたから、それじやわれわれの方でもきめることをやめようじやないかという條件をつくるためにやつていると思うのであります。だから松井君が不謹愼だと言われることはやむを得ないと思うのでありまして、どこの会社においても、どこの行政官庁においても、まだ十日も前に内定を発表するということは、あり得べからざることだと思うのであります。私はその意味合いから申し上げますと、非常に行き過ぎであるということを言わざるを得ません。  もう一つは、このあげられた人選を見ますと、およそサービスをよくして能率を上げようということになりまするならば、経営のことについて、いわば官僚組織、官僚群の中におつた人たちが経営の主体になつておるから悪いのであつて、できれば私に民間人を起用するということが、当然なされなければならぬと思うのであります。中に現われましたところのものから見れば、ほとんど民間人らしいものはおりません。今まで国鉄に勤めた人で、あつちへ行つたりこつちへ行つたりして、内容がそう違わなくて、同じ官僚育ちの人が中心になつて事を運ぼうとしても、サービスがよくなつたり能率が上ることはないので、そういうときには民間人の起用が行われてしかるべきだと思います。そういうことを実は考えて、われわれの考え方も幾らか反映してもらいたいと考えておりながら、今発表になつてしまうと、明らかに私どもとしては、この発表によりますと、私がきのう例に引きました日経の記事等も、案外やはりあなたの方面から出ているような気がするわけであります。従つてこの点だけは、明らかにあなたの責任はどうあろうとも、われわれ議員に対する制肘ということだけは、いなむことができないのでありまして、そういう点についてはどうお考えになりますか。
  103. 加賀山之雄

    加賀山説明員 お答えいたします。たいへん誤解をいただいておるようで、決して国会なり、各位の持つておられる意見を制肘しようとか、牽制しようとかいう意味は毛頭ございません。平常の人事でありますならば、これはその前に、十日にさかのぼつた前に内命をするというようなことはあり得ないことであります。しかしながら、今回の場合は非常に違うのでありまして、たとえばどこどこの管理局ができるということになる。そうするとその管理局長を任命しなければならないわけでありますが、現在のところはその管理局というものがないわけであります。従いまして管理局長を任命し、その管理局長がそのスタツフを任命する。そして八月一日までに陣容を整えて、八月一日に初めて管理局長となり、そのスタツフとなるのであります。従つてそういつた準備を要する関係で、内命は早くいたしませんと、八月一日には間に合わない、こういうことになるわけであります。八月一日が問題に相なつておりますが、この八月一日に実施しようということは、実はこの前の委員会でも申し上げましたように、われわれもこの時期が適当であると考えておりますが、実は関係方面からもこれを一日も早く、おそくも八月一日からはやるようにという指示もございますので、われわれの立場としては動かし得ないことに相なつておる。われわれといたしましてはそれに対する準備行動をとつておかなければならぬ。そのために任命ではない、内命を早く行うという必要があるわけであります。それまでに本人が新たな任地に参りまして、部屋の準備、人の準備、その他の準備をいたさなければならない。それには少くとも十日以上を要するのであります。これが前もつて内命をしたという理由でありまして、決して今仰せられましたような国会の意思を制肘しようとか、そういう意図は毛頭ないということを、ここに明らかに申し上げたいと思うのであります。  それから民間人を起用したらどうかというお尋ねでございますが、そういうことはもちろん考えられることで、また考えなければならないことであるというふうに考えております。しかしながらいつも申しますように、国鉄の内部でできるだけ職員は補充して行く、そうして新たに採用しないで、増加する趨勢を押えて行こうということと、もう一つは民間人として非常に適当で、どうしてもこれは国鉄で働いてくださるというお方があるかないか、これらの点についてさらによく検討する必要がございますので、今回といたしましてはそういつた考慮を加えずに人事を行つた次第でありまして、別に官僚というお話でございましたが、公共企業体に生れかわつた以上は、やはり官僚的な気持をなくし、仕事のやりくりを能率的にするという目的が今回の主たる目的でございますので、これらの点につきましては職員全部が、そういう気持にならなければだめでございますが、私どもとしてはいわゆる官僚組織、官僚気分に向つて、全力をあげてこれを廃除することに努めたいという意図を持つておることを、ここに明らかに申し上げたいと思います。
  104. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 どうも話を伺いますと、国鉄内部の紀律というものはずいぶんルーズのように思うのであります。すなわち職権なき者が職権執行のために内定を受けて、現場行つて部屋の割当、あるいは人の準備を行うというようなことは、任命されてから行われるべきことであつて、内定される者がこういうことはやり得ることではないと思うのであります。私はこういう点はやはり権利義務の関係といいますか、こういう点がはつきりなされないところに、私事が入ると思うのであります。私事ではありません。天下の公事であります。従つて天下の公事を行う場合におきましては、やはり任命を受けたらその次に一つの行動が発せられるものであつて、任命を受けない者が現地に参りまして、部屋の相談から人の相談をするということは、明らかに私は越権行為だろうと思うのであります。そういうような行為についてどうお考えでありますか。
  105. 加賀山之雄

    加賀山説明員 内定ではございませんで、私どもは内命と申しております。内命というのは、任命と同じ性質を持つものでありまして、本人に対しましては、これはもうその仕事を行うということを、われわれとして職権上委任をしたわけでありますが、現在まだいわゆる管理局なるものが存在しないのでありまして、正式の名前は、八月一日をもつて初めて管理局長ということが言える立場になるので、これは機構改正に伴う当然の結果に相なろうと存ずるのであります。
  106. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 どうもその点は、内命で任免同様に扱う。しかし現在は、八月一日までは国鉄の中には一つの機構があつて、業務執行中でありましよう。それ以外には何ら業務の執行はできないはずであります。いかに内命があろうと何があろうと、もしそうだとすれば、あなたは非常に大きな独善を犯し、なおまたあなたの権限があまり強過ぎる。そういうところがわれわれが今度の機構改革の上において、あまりに独善の傾向の現われだということを言うのであります。従つて八月一日になつて新しい任務を任命をして、それが現地に行つて任務について、それから部屋をどうする、人をどうする、こういうことになりまするならば、いまだ日本の官庁行政機構——あなたは行政人としての生活は長いと思うのであります。その間に幾つかの行政機構改革にぶつかつておると思うのでありますが、こういうような行動はなかろうと思うのであります。内命がなく、任命があつて現地へ行つて、それから次のことが行われるのであつて、今あなたの持つておる権限をあまりフルに使い過ぎているという点であつて、どうも今の内命でも納得行きません。従つて内命をしておることは、もしやれば行政上から行けば非常なる過誤を犯している結果になろうと私は思います。
  107. 加賀山之雄

    加賀山説明員 私は私のところにおる職員につきましては、任命権を持つていると確信している。この任命権を行使したにすぎないので、越権行為であるとは考えておりませんが、なお少し誤解がおありになりますようで、ちよつと釈明さしていただきたいのは、つまり今回内命いたしましたのは、準備行為をいたすために内命をいたしておりますので、管理局長としての正式の職務執行は、八月一日より始まるわけであります。それまでは現機構が生きておりますので、現在の鉄道局長並びに管理部長がその部下を指揮いたしまして、業務を執行いたしておるということであります。
  108. 滿尾君亮

    滿尾委員 私少し差出がましいことでありますが、議事進行をはかる立場からして、ちよつと意見を申し述べたいと思うのであります。実は私は長い間鉄道におりまして、その間の経緯がよくわかつておりますので、今淺沼同僚委員からお話がありましたが、一般行政官庁における場合と、国鉄のような作業をいたしておりますところでは、多少通うと思う。これは私決して国鉄に味方する意見でなしに、事態の真相を正確に把握していただいて、議事をなめらかに進めていただきたいという見地から申し上げる。それは一般行政官庁でございますれば、国家の権力を行使いたしまして、監督いたしておるのでございまするから、事柄が大体観念的なデスク・ワークになる。ところが国鉄仕事は、日夜二十四時間ぶつ通しでランニングの仕事をいたしておりますから、ここで機構改革をいたします場合には、当然一月あるいは半月以前に準備委員会というようなものを設けるとか、いろいろなことを準備いたしまして、移りかわりの切りかえを愼重にいたさなければ、その機構の改正によつて列車運転なり運輸の仕事なりに、一瞬の遅帶もこれを許さない。従つてどうしてもそこにある程度の準備的措置が必要である。一般行政官庁の観念的な任命権をもつてこれを責めるのは、この点に関します限り、少し気の毒のように思いますので、まことに差出がましいように思いますが、ちよつと……。
  109. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 滿尾君の御発言同様に、議事進行を円滑にする意味において、一言足羽監督局長に御質問申し上げてみたいのでありますが、この国有鉄道法を制定いたしますときに、私どもこれに参加いたしたのであります。その際私ども質問をした記憶の一つを思い出しましたので、議事進行に資するように質問をしたいのであります。当時この国有鉄道法の全体を見て、われわれ国会が国有鉄道に対してどの点で監督をさせるのか、国有鉄道と国会とにはどの点で直接につながりがあるのか、こういう質問を私はいたした記憶があるのであります。ところが当時の御答弁の中では、あの国有鉄道法そのものには直接国会とのつながりはないが、いわゆる予算とは別にした問題であります、大臣が運輸省を通じて国会につながりを持つのであるから、国有鉄道というものはあの法文の中に規定がなくとも、そう專断をやるものではないというような意味の答弁があつたことを顧みて、少し記憶がありますので、監督局長質問いたすのであります。国会が国有鉄道に対して、どこまで議決権とか監督権というものがあるのか。運輸省というものと国会というものと国有鉄道、この三者の関係を法文の上から大体腹に入るように御説明を願いますと、議事の進行も円滑に行くと考えます。
  110. 足羽則之

    ○足羽政府委員 ただいまの御質問に対して説明をいたさせていただきます。まず第一に運輸省と国有鉄道との関係でございますが、日本国有鉄道法の第五章第五十二條に「日本国有鉄道は、運輸大臣が監督する。」こういうふうに規定がしてあるのでありますが、これはこの法律の條文、あるいはその他の法律に特別な規定がない限りは、運輸大臣が一般監督権を持つているのだという意味の規定とわれわれは考えております。なお個々の事項につきまして、あるいはこの日本国有鉄道法、あるいは公共企業体労働関係法、あるいは国有鉄道運賃法、あるいは運輸省設置法、そうした法律にそれぞれ具体的に、監督をする事項についての事柄が明記されておるわけであります。一例を申し上げますと、同じく日本国有鉄道法の五十三條には新線の建設、あるいは他の運輸事業の讓受、その他の二項を規定いたしまして、運輸大臣の許可または認可を受けなければならぬということが規定されてありますので、こうした行為をいたします場合には、運輸大臣の許認可が必要であるということが、法律にはつきりきめられておる。労政関係にいたしましても、公共企業体労働関係法の中に規定をしてございますように、調停の請求、あるいは仲裁の請求に関しまして、運輸大臣が請求ができる。それから仲裁委員の罷免に対して運輸大臣が請求ができる、こういう條項がきまつておりまして、その限度におきまして運輸大臣は動くことができるわけであります。もちろんわれわれといたしまして、そういう二つの條項がかりに労働関係であると考えます場合には、そうした事柄を運輸大臣として最も的確にいたしますためには、ふだん国有鉄道の労働行政を十分に把握する、そういう実態的な動きをつかむということが必要でありますので、あるいはそれに関連をして国有鉄道から、いろいろな報告を聞くことが必要となつて参ると思うのでありますが、その報告を徴するということは、やはり国有鉄道法の中に「運輸大臣は、監督上必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対し報告をさせることができる。」こういう規定があるのでありまして、それを根拠としていろいろな具体的にきめられております條項を発動する前動とし、あるいは実態を把握するために報告をさせるのでありますが、やはりそうしたことを法律の根拠に基いてやつておるわけであります。従つて予算の提出の手続にいたしましても、あるいはその予算を運輸大臣が取扱う取扱い方、議会に提出する方法、あるいは決算の取扱い、いろいろそういつた個々の点につきましては、一々具体的に法律の根拠がございます。そしてその法律の根拠に基いて、われわれは監督行政としての範囲をはつきり定められ、それに従つて監督をいたしておる、こういうふうになろうかと思います。なお今回のこういう問題でございますが、こういう機構改正の問題につきましては、一般に監督権を持つておる運輸省と国鉄との法律に現われない関係に相なろうと考えるのでございますが、先般もこの委員会で大臣から説明をされましたように、今回の機構の改正目的、あるいはその進め方、そういつたことにつきましては、これはあらかじめ国有鉄道の方からいろいろと十分な説明もあり、連絡もございまして、この機構改正ということは、国有鉄道の公共企業体としてのその内部の機構の問題である。法律には規定のないことではございますが、しかしこれは全体としては非常にウエートの重い、社会的にもいろいろ注目もされ、影響も大きい。考え方によつて非常に影響するところの大きい問題であります。従つて運輸省に対して国有鉄道総裁から、いろいろこうした問題について、事前にこういう方針でこういうふうにやつて行きたい、こういうふうな綿密な連絡があつたわけであります。そこでそうした問題に対しましては、運輸省といたしましても十分に納得の行くようにいろいろ説明を聞き、そしてその趣旨は了承をいたすかいたさぬか、その判断をするわけでございますが、この際にはその趣旨を了承いたしたわけであります。そこでここのどこに、どういうふうに、あるいは営業支配人の制度をつくつてどこに置くか、あるいは鉄道管理局をつくつてどこに置くか、そうした問題が、ある一定の考え方、方針に従つて、具体的に定めらるべき事柄であると思いますので、それに対しては国有鉄道の自主性を尊重いたした次第であります。なおその際に、先般各地方からこれに対する希望なり陳情というものがある、これに対して運輸省としてはいかに考慮のうちに入れたか、あるいは考えたかという御質問があつたのでございますが、そうした事柄については、国有鉄道の方に対して、十分にこういう陳情があつたという趣は連絡をいたしておるということは、先般御説明を申し上げた通りでございます。  次に国会と国有鉄道との関係、あるいは国会と運輸省との関係も、詳しくお尋ねなつたのでございますが、国会にかける問題につきましては、やはり国有鉄道法のそれぞれの條文に、その点についてははつきり規定がされておる。なおただいまのような問題につきましては、あるいは御質問に応じて御説明を申し上げる、あるいは法律に規定はしてありませんでも、御質問に応じて御説明を申し上げる、そういう機会を持つことも必要であろうかというふうに考える次第であります。形式は、たとえば予算というものを国会で御審議願うわけでありますが、あるいは予算の御審議という機会を通じて、あらゆる角度から国鉄に関する問題を、政府委員としてのわれわれに御質問をいただいて、われわれとしては十分に監督官庁としての立場から、それに対しで御説明を申し上げる。大体そういうふうにいろいろな問題をこの運輸委員会においてお取上げになることと思うのでありますが、形式上国会での御審議を願う事項というものも、やはりそれぞれの法律にはつきり定められておる次第であります。
  111. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいまの監督局長お話で大体わかつたのでありますが、誤解を避けるために一言、二言ちよつとばか念を押しておきたいのであります。私の考えまするところによりますと、日本国有鉄道法の第五章の監督の項は、これは決して無制限なる監督権を運輸大臣は国鉄に対して持つているものではない。これは必ず限界がある。つまりいろいろな監督上必要な命令をすることができる。しかしそれは公共の福祉を増進するという但書のつく限度においてであります。従つてせつかく国鉄公社にいたしましても、経営上の自主性を尊重しないということになれば、この改革がまつたく死んでしまいますから、この点はお互いに十分しんしやくしなければならぬ問題だと思うのであります。それから国会の国鉄に対する監督でありますが、これは主として三十九條の財政上の見地からする監督が、その大部分を占めるものだと考えます。もちろんお話通り、予算の審議を通じまして、そのときに事業計画全般についていろいろ質疑をし、監督をする。つまり質疑を通ずるところの監督権を持つているわけでございます。しかしながらここに内部的な、経営技術的な面にまで非常に立入つてどうこうするということは、やはり一種の限界を越えるものではないか。公共企業体の自主性の線を確保してやらなければいけないのではないか。もちろん今回の件につきましては、私は国鉄側における考え方が万全であつたとは決して思つておらないのでありますけれども、それはそれといたしまして、具体的にまずいような部分をピツクアツプして解決する方法をとり、むしろこの国鉄の方の公共企業体に対して、何か国会がチエツクするような方向に論議を進めて行くことは、この運輸委員会の運営といたしましても、少し残念ではないかと思うのであります。むしろまことに困つたスポツトだけを取上げて、これをコンクリートに害のない方向に解決する努力に向つて行つたらどうかと思います。
  112. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 私の言葉の使い方のあやが、少し彈劾的に聞えるかもしれないで、そういうふうな誤解を受けたと思うのでありますが、私の真意はそういうことではないのでありまして、ただ言葉の使い方できつく、あるいは深く堀り下げてやるようにお聞きになつても困るのであります。ただ問題は、もつと基本的に論議をすれば、国会はここに、総裁がどういうような手続を持つて来られておるかというところからきわめて行かなければならぬことであつて、ただある意味から申し上げますれば、参考人の立場においていろいろ実情を聞いておるということであると思うのであります。しかしわれわれは最高機関でありますから、一つの手続をきめましてやれば、われわれ持つておりまする調査権を発動しますれば、これはどこまでも聞けるのでありまして、そういうようなことを私は頭に入れてやつておらぬのでありますから、それは御了解を願いたいと思うのであります。従つてまた総裁をいじめようという気持で私は言つておるのではないのでありまして、これも一応頭の中からとつていただいて、ただ言葉の使い方のあやの悪いことは、私の性格の現われでありますから、これはひとつお許しを願いたいと思うのであります。  そこでもう少し聞かせてもらいたいと思うのでありますが、というのは内命——私は政府やり方の中に、この問題ばかりではなく、今は公企業体でありますから、政府と一緒にしては困ると思うのでありますけれども、しかしまだわかれたばかりでありまして、運輸省の息が相当強くかかつて、働いておる方々というものはほとんど運輸省に勤務をしておつた方々で、形式的に分離されて、これから行こうというところであります。たとえば今警察力増強のために、ある人たちが集まつて一つの仕事をやつておるようであります。これもある意味から行けば内命というか、あるいは内示という形において新聞には見られるのであります。しかし私はデモクラシーというものは、一番形式をふんで行かなければならないと思うのでありまして、ルールからはずれたデモクラシーというものはあり得ないのであります。デモクラシーにおいて形式をわれわれが必要とするゆえんのものは——ある人はこれは机上のものだと言うかもしれませんけれども、われわれが制裁権を発動することなくして、お互いに相手方の立場を尊重して行くためには、一つのレールの上に乘らなければなりません。そのレールの上に乘せるのには、やはりきちんとしてやつた方がいいから、自然レールの上に乘せる必要がある。それにしても国鉄関係においては、きちんとしてやるということは、作業上なかなか困るというけれども、今まで私はそういうことはなかつたろうと思う。たまたま公企業体になつたからこういうことができるのであつて、そういう点でやはり私は一つの事業体においても、ルールというものの上に立つてやらなければ、幹部の独裁という形が出て来るのであつて、やはり幹部の独裁性というものはなくして参らなければならぬのでありますから、一つのルールの上に乘せて、たとい準備行動であつても、それなら準備委員としての任命をして、そして準備的な工作をやつて、それから今度は本任命という形をとることが、私は正しいやり方だと思うのであります。そういう道をとらないことは、いくら何と弁明をされても、やはり私は権限を少し使い過ぎておるという形が出て来ようと思うのでありまして、これはいい例ではないと思うのであります。いろいろ話を伺つておりまするならば、われわれの方からそこまで話を進めて行くのはどうかと思う考えもあろうと思いますが、われわれは国政に参與しておる一員といたしまして、やはり公共企業体の運営がうまく行くか行かないかということについては、非常な関心を持つのでありまして、われわれは議会を通じて聞く機会があれば聞こうとすることも、これは当然と思うのでありますし。よくその点を御了解の上に、もう一ぺん私はお返事を願いたいと思うのであります。それから人間のことについて、もう議論をする余地がないということにもなりましよう。だれを任命するにしても、公社の権限においてやられることであつて、議会の方からは云々すべきではない。しかし私は人の名前を云々というわけにいかないけれども、いかなる形の人が必要であるかということは、やはり多くの人から意見を聞くべきであろうと思うのであります。すなわち八月一日から行われれば、そういうふうなものについても、公社の運営というものがどれだけ民主的に行われるか、どれだけ能率的に行われるか、どれだけまた民主化されて行われるかというようなことを、建議してみたいという考えを持つておつたのでありますが、突如として出たのである。それに名前がずつと出ております。それは公社関係の人を大体ぐるぐるまわしたにすぎないのでありまして、これはどう考えてみても、よそから人を入れるということも問題であろうと思うのでありますが、今までの官庁機構、さらに日本の公企業体の中で非難の中心になつていることは、要するに民間的な要素を持つた人が入つていないで、官僚的に知ることである。だから、ほんとうならばこの営業支配人のごときものは、半分くらい民間人を起用してやるぐらいのことをやつて、初めて新しい血が入つて参るのでありまするから、何といつても一つのものに対しては新しい血を入れて行かなければならぬと思うのであります。昨日も、この機構をかえるということは、やはり現実的には必要だと言われましたが、機構をかえたならば血を入れてやらなければならぬ。これはやはり新しい血が必要だと思うのであります。民間の新しい血を入れるというようなことがなされてしかるべきだと思うのでありますが、こういう点については、来る人もないという議論も私はちよつと耳にしたのであります。しかし多数国民の中でありますから、ただ俸給がよくなければ行かぬというようなことでなくて、民間人の中には、俸給は安くても、社会公共のためにはおのれをむなしゆうしてやるというような人もあるわけでありますから、こういうような人物の発掘をやらなければ、いつまでたつても同じ道を歩くということになろうと思うのであります。そういう点についてももう一ぺん御答弁を願いたいと思うのであります。  それから運輸省の関係についてでありますが、運輸省の監督ははなはだ不徹底きわまるものだと私は思うのであります。わかれてしまつてから、大体法律上の規定がない限りにおいてというような、そういう限りにおいての申出に対しては、大体了承するという形がとられでいるようでありますが、しかし今は発達の過程でありまして、この意見があるところは、ある程度この中に入れて行くべきであり、また当然それがなされてしかるべきだと思うのであります。しかし一番問題なのは、こういうような重大な機構改革をやつて——これは大屋さんのときにやつたと言つておりますが、昨日の答弁をもつていたしますると、大臣はまだ大屋さんから引継いでおらないようであります。ただ大屋さんのやつた行為を答弁の中で是認するということは、大きな手落ちであると言わなければなりません。昨日の山崎さんの答弁では、大屋さんのやつたことを是認はしているが、自分自身の確信が出ていなかつたのであります。そういう点は、やはり引継ぎがなかつたと見るべきだと思うのであります。人がかわつたからやむを得ないと言うけれども、やはりそういう点が非常にあると思うのであります。私はただ責めるために言うのではありません。運輸省と日本国有鉄道と国会との関係が円満に行きながら、なおかつ日本の前途に一つの明るみが出て来れば一番いいのでありますから、そういう意味で申し上げているのである。それからもう一つ申し上げておかなければならぬことは、われわれの考えを幾分かでもいれてくれるのだという暗示が與えられれば、われわれの方でもまた幾分かそのような気持になりますけれども、相談しても、おれたちはおれたちの勝手だ、独自でやるのだからだめだというような、独善的というか、おれの意見は正しいのだからかえないのだというような態度が、相当事態を紛糾さしていることも事実である。これはわれわれは是正していただかなければならぬと思うのであります。  それからもう一点だけ聞かしていただきたいことは、予算が通信関係と住宅関係で七億円だという話でありますが、この七億円というのは、旅費とかいろいろ名目はあるかもしれませんけれども機構がかわるのだから、やはり機構従つて全部目的がかわつて来るというのが当然だと思うのであります。そのことを全然自分のところだけでまかなおうとするところに、むりがあるのだと思うのであります。これは方々から余剩金を集めてやるのに違いないと思うのでありますが、それでは国鉄の裁定の関越はどうするのですか。これに対しては一体どういうお考えを持つているか。そういうような金の余りが方々から出て来るならば、この前から問題になつている国鉄第二次裁定の問題を解決するのが先決問題です。この点を私は一番聞きたかつたのです。しかしそれは予算面にある。そういうわけでありますから、こちらから三億円、そちらから四億円というけれども、これは一つの基本であつて、金は四十億円くらいあるのだと思うのであります。またそういうふうなことをあなたの部内の方から聞かないわけではございません。いかに総裁が七億円でこの仕事ができると言つても、七億円ではなかなかできないと思うのであります。この点についてはどう思いますか。
  113. 足羽則之

    ○足羽政府委員 先ほど滿尾委員の御質問と、ただいまの淺沼委員の御質問にお答えいたしたいと思います。実は先ほど漏らしましたので、追加をさせていただきたいと思う次第であります。滿尾さんの御質問は、監督といつても無制限ではないであろう、監督上必要な命令を出すというのにも限度があるであろう、経営上の問題に対してはやはり一つの企業体の自主性にまかすべきではないか、こういう御趣旨だと思います。それから淺沼さんの御質問は、われわれの運輸省の監督がだらしがない、ルーズである、こういうおしかりかと思うのでありますが、実は先ほど説明を漏らしましたので御説明を申し上げたいと思うのは、以上に関連して五十四條の監督上の命令に関する規定についてであります。これは「運輸大臣は、公共の福祉を増進するため特に必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対し監督上必要な命令をすることができる。」、こういう條項があるのでありまして、先ほど滿尾さんの御引用になつたことはこの点だと思いますが、今回の国鉄機構の改正、こういうものが、公共の福祉を増進するために必要な命令を下すべき場合であるかどうかというような問題に関連をして、考えてみる必要があるかないか、こういう点だろうと思いますが、私たちもそう考えております。またこの條文の解釈といたしましては、この公共の福祉というのは、生命あるいは財産というものに直接関係をして、この国民大衆一般の公共の福祉を積極的に増進する、こういうような内容を持つた場合であると今われわれは考えているわけであります。例を申し上げますと、あるいは二、三の例にとどまるのでありますが、天災地変があります場合に、運賃割引を国鉄に命ずるような場合には、まさにこの條項の発動によつて必要な監督命令が出せると思います。あるいは営業線が営業を休止しておる場合に、必要があればその営業を命ずる、こういう場合もこの條項によつてなすべし、いわゆる公共の福祉を増進するための内容を持つた命令として出せるのではないか、こういうふうに考えられます。あるいは今後の問題かもしれませんが、必要な路線がありまして、それは国有鉄道としての立場よりは、政府としての立場で、必要な路線を建設するような必要が起つた場合に、こういう條文を根拠として出せるのではないか、そういつた公共の福祉というものが、直接に国民大衆の利害、ことに生命、財産等の利害に結びついたはつきりした公共の福祉という内容を持つた場合に、この必要な命令が出せるのではないか、従つて国鉄機構の改正といつたような問題は、そういう観点から考えると間接的であると思いますので、この條文によつて必要な命令を出すということは、いささか当らないのではないか、こういうふうに私たちは考えておる次第でございます。従つてその監督という問題については、滿尾委員お話のように、われわれといたしましても一定の限界が存するということは——あるいはこれは人によつて見解の相違もあるかもしれませんが、考えておる次第であります。なお監督がむずかしく、不十分だという御質問でございますが、あるいはそういう考え方に対しての御意見の違いの点もあるかもしれません。  それから今回の問題について、われわれが国鉄の方針を了承したということは、縦割りとか横割りとかいうことは、鉄道の管理上従来から利害得失ということがしばしばいわれておることでありまして、そのいずれがいい、悪いということにつきまして、はつきりどちらかにうちわを上げるというわけには参らないのでありまして、そのときの具体的な客観的情勢、そのときの社会状態、あるいは鉄道自体の企業の内容、あるいは経営の仕方、そういうことによつて、こういうことがきめられる問題だろうと私は思う次第であります。そういうふうに考えて参ります場合に、国有鉄道経営責任者から、この詳細な方針内容を聞いて、それを了承する場合には、その自主性にまかすということが当然ではないか、こうわれわれは考えるわけです。  次に国有鉄道について、なおもう一つ御承知おきをいただきたいのは、国有武道には監理委員会というのがございます。監理委員会は、両議会の同意を得て、内閣が任命した監理委員によつて組織をされておる機関でございまして、これが国鉄の運営についての最高の機関でございます。條文には「日本国有鉄道の業務運営、指導統制する権限と責任を有する。」ということがはつきり定められておる。しかしてその監理委員は今申しましたように、いろいろ学識、経験のある人のうちから、両議会の同意を得て、内閣が任命し人によつて組織をされ、それが一番母両の機関として、国有鉄道の業務運営について指導統制する権限と責任を有する。こういうふうに法律にきめられており、そういうふうにその機関が働いておるわけであります。そうして総裁は、その監理委員会が推薦をしたものを内閣が任命をし、そうしてその総裁が外部に対して国有鉄道を代表し、あるいは内部に対しては国有鉄道の業務を総理する。そして監理委員会に対して責任を有するということは、やはりこの法律に定められておるところであります。従つてこうした大きな機構の改正につきまして、監理委員会関係を考えてみます場合には、それとの連絡が十分であつた点も、われわれとしては国有鉄道から機構改正に対する内容を聞きます場合に、やはり十分承知しておるところでございます。従つて以上の点から考えます場合に、そうした機構を持ち、そうした立場の経営責任者が、自己の信念をもつて一つの機構の改正をやりたい、こういう場合に、われわれとしてはそれを了承いたした。こういう次第でありますので、先ほど説明の補足として申し上げる次第であります。
  114. 前田正男

    前田(正)委員 あまり長くなるようですから、ちよつとこの際私から議事進行について委員長の御意見を伺いたいと思います。実は私たちといたしましては、国鉄などというものは、もつと民間的なものになつて、そうしてわれわれ国会の方からあまりやかましく言わなくて済むような、民間企業体になつてもらいたいと、私どもは思つておるのでありまして、あまり国会かういろいろとくちばしを入れないように、将来法律を改正いたしたいと思います。しかし今回の機構改革の問題につきましては、前会もありました通り、われわれ同僚の中にもいろいろ異論があうて、盛んにこの問題について議論をした。その際に、少くとも国会というものは国家の最高機関でありまして、これを正直に意思表示する場合には、委員会あるいは本会議を通じて行うということになると思いますけれども、しかしながらその最高機関でありますところの、また運輸交通に関するところの最高権威を代表しておられますのは、ここにおいでの委員長だと思うのであります。しかしてわれわれ同僚委員の中におきまして、いろいろと議論がある最中において、こういうふうな人事の発表をされ、あるいはいろいろと同僚委員の中からも異議が出ておるのであります。そこでこの機構問題につきまして、私たちの委員会におきましていろいろと異論があるとか、かようなことをいくら繰返しておりましても、運輸当局とわれわれ委員との間に、懇談して話を進める余地がないならば、この際こういう論議をやつたところで、今の法文の御説明通り、全然国会としてはそれに対する意思表示をすることはできない。われわれは政府委員の人に退場していただきまして、われわれ委員としては、どういうふうにするかという態度をきめる、あるいは委員会の決議をするとか、あるいは本会議に出すとか、こういつたようなことをわれわれ委員同士として相談するか、それとも国鉄当局とわれわれ委員との間に、さらに質疑応答を重ねて行けば、多少とも考慮の余地があるとか、あるいは国鉄がわれわれの意見を聞こうという意思があるのかどうか、こういうことによつてさらに審議を進めるべきではないかと思うのであります。今われわれ委員が、ああだこうだと言つたところで、一向議事の進行にならないと思いますが、これに対しまして委員長はどういうふうに考えておりますか、この際その見解をひとつ伺つておきたい。
  115. 前田郁

    前田委員長 ただいまの前田君のお尋ねに対しましてお答えいたします。実はこの鉄道管理局の問題は、日本鉄道の歴史においてまつたくいまだない大がかりのものでありまして、これは相当に各方面に議論があるだろう、こう考えているのであります。実を申しますと、地方からもたくさんの陳情の方も来られるわけでございまして、地元の人の意見も相当強硬なるものもあるわけであります。本委員会といたしましては、十分にここで論議を盡して、われわれ国民の代表たる国会議員も、この委員会を通じて自分の意のあるところを十分に述べてもらう。また国有鉄道としても、総裁初め十分にその意のあるところは述べて了解を求める。なお監督権のある運輸省としては、運輸省の立場から意見を述べて、この三者がお互いに十分なる議論をされて、そこに何ものか私は得るところがあると思います。すでに運輸大臣の答弁、また国有鉄道総裁の答弁におきましても、一昨日の答弁と違つて、今日はよほど話がなめらかにもなり、なお皆さんの意向を十分に取上げられる意思もあるように見えますので、ここで十分に皆さんが思う存分意見を盡されるならば、必ず結論が出て来る。こう私どもは考えているのでありまして、その結論をどうつけるかということは、民主的に皆様の意見を聞いてやりたいとこう考えます。
  116. 前田正男

    前田(正)委員 委員長のお言葉は、まことに民主的なお言葉でけつこうだと思いますが、実は先ほど来のいろいろな法律論の話を聞いておりますと、どうもいくらわれわれがやかましく言いましても、正式の決議もしないことには、どうも国鉄の方が考慮しようというような意思はないのじやないか。また法文上の力がないように感じられるのであります。そこでこの問題につきましては、各党いろいろな立場もあるでしようし、またいろいろな意見もあると思いますので、ここでできましたならば、一応どういうふうに扱うかということについて、もう一度委員の懇談会を聞かれてやられたらどうか。また同時に先ほど淺沼委員質問のお言葉の中にもありましたように、もしこれがわれわれの意見によつて、ある程度結論というものが、三者の歩み寄りによつてできるということになりますならばけつこうでありますが、国有鉄道にはなるほど人事を発表する権利があるといたしましても、たとえばこの間問題になりました、青森の方から代表しておられる山崎委員もおられますが、この人の盛んに言つているところの、管理局をつくつてくれというところのものが、きようの発表によりますと、その人事が拔けておるというようなものを出されましては、せつかく同僚委員の人が一生懸命になつて、熱心に結論を出そうとしておつても、これはやはり今の委員長の民主的に話合いでやつて行こうという建前から言いますならば、その態度は多少不謹愼ではないかと思う。これは全然法律的な権限だけの問題でこの際解決して行こう、こういうことならば、委員会としては特殊な立場があることですから、この際この問題をどういうふうに扱うかということを、委員会として明らかにする。しかしながら話し合つてある程度妥協がつくということならば、委員の間でいまだに発言を続けられておられる人の人事の配当がないということは、同僚委員としても非常に立場にお困りになるのじやないかと思う。事実そういう事態が起つているときに、われわれが審議を重ねるのはけつこうでありますけれども、本日は一応その改正で国鉄は進むという人事を発表しておるわけでありますから、あまりここでみながいろいろ議論を重ねておつても、結論としてはどうにもならぬのじやないかと思います。そこで民主的に話を進めて行く可能性があるかどうかということと、どうしてもそういう可能性があるとすれば、この際各党の立場もあると思いますから、委員会としてはこの問題をどういうふうに処理するかということを明らかにした方がいいのじやないかと思う。私はそういうふうに考えております。一般の同僚委員の御意見をお聞き願いまして、議事の進行をお願いいたしたいと思います。
  117. 前田郁

    前田委員長 ちよつとそれに対してお話を申し上げたいと思います。私の聞くところによりますれば、野党側におきましても、また與党の方におきましても、本問題に対しましては党内で相当心配しておられるようであります。それで明後日月曜ごろになりますれば、大体各党の考え方もきまつて来るのじやないかと思いますので、それから理事会を開きまして、そうして最後の結論を出す。もし国鉄に相談したいことがあるならする。また運輸大臣に相談することがあれば相談するということで、最後の結論を出したらどうかと考えておるのであります。どうでしよう。
  118. 松井政吉

    ○松井(政)委員 私の質問中に関連質問をされたので、今日の質問はこれでやめまして、結論をつけておきます。私がいろいろお気にさわるようなことを申し上げたということで、同僚委員からも御立腹の御意見がありましたけれども、私たちは運輸常任委員長を通じて、運輸交通に関する一切の国政調査は議長に取扱いを申請して、議長は運営委員会に諮問をして決定をされているのでありまして、われわれの国政調査権というものは、いかなる分野においてもあるものと確信を持つて言論を吐いておるのでありますから、この点は御了承願います。  さらに本日の質問の続きでありまするが、質問は申し上げませんが、この前の質問の打切りのときに申しあげたと同様な事柄を、一言申し上げておきたいと思います。これはただいま委員長からの取扱いで、明後日当委員会におきましていろいろ相談をしようということになりましたので、非常にけつこうであります。私は賛成でありまするが、要するに運輸省当局も、それから公社当局も、こういうような実情で毎日衆参両院の運輸委員が、真剣にこの事柄を重々考えていただいて、むりをしないようにお考え願いたいということをもう一ぺん申し上げて、私の質問を打切ります。
  119. 山崎岩男

    ○山崎(岩)委員 ただいまの前田委員長の動議をどうなさいますか、それによつて私またちよつと御質問申し上げたいと思います。
  120. 滿尾君亮

    滿尾委員 明後日まで繰越すという御意見もされたのでありますが、私は両日にわたつて相当論議を盡したと思う。こういう問題をあまり長くひつぱつておくことは、かえつてものをむずかしくすることになりますから、もし何なら一時休憩でもされて、懇談でも十分して、なるべく整理された方がよくはないかと思いますが、いかがでしようか。
  121. 前田郁

    前田委員長 ちよつとお答えしますが、実は地方税法が委員会を上つて来て、六時半ころから本会議を開くということになつておりますので、その前にもう一つ北海道の海湾に対する問題があるのですから、それをここできよう説明を聞いて、その程度できようは済ましたいと思います。実は各党とも明後日月曜に党の幹部との打合せをやるということになつております。社会党はどうか知りませんが、自由党はやることになつておりますので、それを済ましてからの方がいいと思いまして、委員長は明後日と申し上げたわけであります。
  122. 岡田五郎

    岡田(五)委員 この議事の打切りの問題でありますが、私滿尾君と同じような意見であります。この問題は非常に重要であるがゆえに実は休会中の六月二十七日に国鉄総裁を呼びまして、数時間重ねましてざつくばらんに話し合つたのであります。その後回を重ねること本日で三回であります。いろいろと具体的な意見も出、ほとんど出盡しているのでありますが、できますれば、できるだけ早く聞きたいことは聞き、応答するところは応答いたしまして、論議を盡して、早く打切つた方がいいじやないかと考えるのであります。私はこの法案ほど愼重に討議し、質疑した案は最近珍らしいと思いますが、その点の空気をも十分おのみ込み願いまして、いたずらに時日を遷延するのが能じやないと思います。言葉は多少悪いのでありますが、そう考えるので、ちよつと申し上げます。
  123. 前田郁

    前田委員長 それでは本件に対する御質問はございませんか。——山崎さんどうですか。ありますれば発言を願います。
  124. 山崎岩男

    ○山崎(岩)委員 本日加賀山総裁が木下委員に対して御答弁なさいましたことは、私も非常な感動をもつて了承することができたのであります。先ほど前田委員長からお話がございました通り、たいへん熱心なる委員の皆様方の御討議によりまして、当局におかれましても十分この点については熟慮なされて来ておるので、その様子がまざまざと見えて来たかのような様子に考えるのでありまして、まことに感謝にたえません。つきまして、私はこの機会総裁にもう一言お聞きを願いたいことがございます。  東北地方というのは特別な地帶であるということは、これは口のはしには上ることでありますけれども、政治の実績に現われて来るということは何としても少いのであります。たとえば九州における田畑の一反歩と、青森県における田畑の一反歩とは、一反歩の面積においては同じでありますけれども、内容が違います。なぜならば、九州においては三毛作であります。私ども北海道あるいは青森県においては一毛作であります。三分の一よりその実收がないのであります。しかるに政治の行政面というものは、それを取扱うのに一緒に取扱つているのは、御承知通りであります。そこで日本のこの会計年度と暦年度との関係におきましても、この点はまことに顕著な一つのへんぱなことが起つております。たとえば四月から始まりまして、翌年三月三十一日をもつて会計年度というものは経つております。しかるに国鉄当局においてなさいますところの仕事は、たいてい雪の中でやられておるのであります。コンクリートの仕事は、雪の中ではできません。ところが、関東、関西の地域におきましては、一年一ぱいその仕事ができる。青森県においてはそれができない。しかるにそれが四月一日に始まつてちようど当局において計画されたことが実行されるというときが九月か十月であつて、最も天候の悪いときであります。それを今日まで暦年度と会計度というものを区別をいたしまして、特に東北地方に悪い時期を選んでそういうような仕事が行われておることは、私どもいかにも残念に考えておるのであります。こういう状態がはつきりしておる。たとえば津軽海峡の状況においてもその通りに、言えると思います。あの海峡は並々ならざる海峡であるということは、私が昨日お話し申し上げた通りであります。まことに大荒れなところなんであります。しかるにそれが青森と函館とに青函管理局を置きまして、それによつて函館と青森を結ぶということは、まことにこれはちぐはぐなやり方なんであります。あの冬の期間においてどうなさいましたか。一週間も交通が杜絶することは御承知通り、電信電話も不通になることも御承知通りである。しかもあそこの水というのは、私きのうもウラジオストツクにつながるということを申しましたが、あの太平洋戰争の当時において、連絡船が幾艘も犠牲にされたことは、加賀山総裁承知の辿通りでありまして、私がここに言葉を弄する必要はありません。そういうことから考えてみましても、私は当局の今日の案なるのは、單なる机上の空論であつて、実際に即したやり方でなかつたということを指摘することができるのであります。ところが今日の加賀山総裁の御意見によりますと、やつてみる、やつてみまして、それがほんとうに適当なものでなかつたとするならば、それを改めるのにやぶさかでない。しかも木下委員の、しからば時期はどうかという点についての質疑に対しましては、時期の点についてもとらわれない。もしもその実情が不適当なものであるならば、時期のいかんを問わずしてこれを改めるにやぶさかでないという御答弁でありましたが、私はこの御答弁に対しまして満足を與えることかできるのでございます。右のような事情でございますので、この際どうか他の委員の皆様方に置かれましても、この問題を非常に真剣に研究され、ご討議されておるのでりますが、何分の御感情をたれられまして、そして最もよい政治、最もよい運輸行政の実績を上げられますように、御奮発のほどをお願い申し上げます。私は自由党の党員であります。従いまして自由党の最高方針には服するつもりでおります。どうかその点をもあわせてお考えくださいまして、青函のあの事業につきまして、特別に御配慮なさるお気持があるかどうか、承りたいと思います。
  125. 滿尾君亮

    滿尾委員 この問題は私は二つの面があると思うのであります。一つは鉄道の組織につきまして、従来日本鉄道の組織は、いわゆる横割りという制度をとつておつた。それを今回の制度では仕事別に縦割りにしよう。これは世界各国の方式を見ても二つの方式がある。Aの方式がBの方式にかわるという点に第一の要点がある。第二の要点は、この鉄道局をどこに置くか。日本の地理的状態からその分布をどうするかというところにある。先般来の皆様の御研究を伺つておりますと、縦割りにするか、横割りにするか、その機構そのものの持つ批判は割合に少い。これは大体皆様があまり御專門でないので、やむを得ない結果だと思います。大体その点は專門家にまかせるということで、御了承になつておると思われる。残るところは地理的分布状態をどうするかという問題になつて来た。地理的分布状態だけが問題であれは、私は問題の半分だと思う。従つてこれはやはり公開の席で口角あわを飛ばして議論してみたところで、なかなか穏当なところには妥結しない。だからこれは各個に、具体的にその地域について、これをひざ詰め談判できめて行けばいいではないか。従つて委員会としては、ここらで適当な考慮を望むというくらいの意思表示をして、一応切り上げるにしかず、これは委員長の裁断をお願いいたします。
  126. 岡田五郎

    岡田(五)委員 このたびの機構改正は、国鉄機構の根本的な改正でありまして、国有鉄道始まつて以来の大きなものだと思うのであります。ことに私から申し上げるまでもなく、国鉄日本の産業振興の動脈であり、文化向上の基礎である。あるいは国民生活に直結している。そのような国鉄の歴史始まつて以来の根本的な機構改正なるがゆえに、議会審議事項でないかもしれませんが、議会においても問題になつた、かように考えるのであります。今度の機構改正は私から申すまでもなく、実は今までの鉄道局の個々の区域を全部白紙にして、また今までの仕事やり方も全部白紙にして、それを縦割りにする。また地域もきまつた。こういうような関係からいたしまして、たとえば姫路市内においては数駅あるにもかかわらず、一部分が大阪鉄道局管理部へ入つて、あとの一駅が岡山の方へ入つたり、三駅が福知山の方へ入つたり、またせんだつて畠山委員かが言われた通り、水上が新潟にくつついてみたりしておる。私は地域の面においても、鉄道関係を持つておつた者といたしましては不安に思う点がある。また地方民におきましても、非常に問題にされている点がある。また縦判りの仕事におきましても、輸送の面と営業の面とわけてしまつた。こういう点につきましても、鉄道に経験のある者は多少不安を持つておるのであります。またその他の事項におきましても、相当不安と懸念を持つておるのでありますが、幸いにして最も優秀なる鉄道経営の経験者であり、手腕の所有者である加賀山総裁が、自主的にやろうというところには、一応私たち信頼をし、一応の敬意を拂い、一応の自主性を持たせるということも、また一両の考え方ではないか、かように私は考えるのであります。少くとも日本始まつて以来の日本人の人情に合わない徹底的な縦割りと、どういう考え方で行かれるかもしれませんが、徹底的な区域の確定をされたのであります。必ずや私はあらゆる場所に、あらゆる仕事の運営方法に、欠陷が現われて来ると信じて疑わないのであります。これはあるいは加賀山総裁は全然違うかもしれません。従いまして、私はことにこの機構及び組織の問題は、そのときどきに応じて適切に変更して、能率的に運営して行くのがほんとうの機構であり、組織であると考えるのであります。私は必ずや近き将来において、今度の機構あるいは組織において、欠陷が現われて来ると思うのであります。その際におきまして、国鉄総裁機構を改め、組織を改め、地域を変更することにやぶさかであるかないかということを確かめておきたい。ややもいたしますと、お互いに人間でありましで、とかく多少の欠陷が現われましても、自信を持つて固執するのが人情であると思うのであります。先ほどの木下委員質問に対しましても、私の質問に対する御回答があつたようでありますが、私はここでさらに繰返して御回答をお願いしたいことは、あやまちを改むるにやぶさかでない、この時間的な問題であります。とにかくもし明日やつて欠陥があれば、即日改めるだけの時間的な問題についても勇気があるかどうか。この点をも御答弁をお願い申し上げたいと思うのであります。
  127. 加賀山之雄

    加賀山説明員 先ほど木下さんのお質問にお答えした通りと考えております。ただ一言申し上げたのは、私どもはこのことにこだわつて、一旦きめたから動かさない、そういうがんこなことをやるつもりはないのであります。先ほど国民の感情に反するというようなお言葉を申しましたが、私どもとしては一つの経営管理を能率的にする理想を持つて進みたいと考えておりますので、欠陥が現われた、それこれはいかぬのだ、逆もどりするという意味の言葉は、私は申し上げておりません。あくまでもその支障がどこから来るかを確かめて、あくまでも所期の目的を貫徹するように努力する。これは欠陥であるということがはつきりしましたならば、翌日にでもかえることにやぶさかでない。またそうする義務がある。それは私どもも考えておるということを申し上げておきたいと思います。
  128. 岡田五郎

    岡田(五)委員 先ほど日本人の感情ということを申し上げたかどうかしりませんが、よく組織の変更の内容、あるいは区域のきめ方その他を拝見し、また説明を伺つてみますと、このたびの組織ほど徹底的な縦割りの行き方というものは、私寡聞でありますが、日本国内の諸会社その他におきましても、これほど徹底した縦割りの組織というものは知らないのであります。こういうような面からいたしまして、私は日本人の人情に合わないと申しますか、非常にぴつたり来ないような感じを持つておるのであります。また地域の変更、区域の問題にいたしましてもしかりであります。かような意味におきまして、われわれ日本人にははなはだ不なれな、非常に進歩的な新しい組織である。こういう意味でありましたので、その点お含み置きを願いたいと思うのであります。
  129. 畠山鶴吉

    ○畠山(鶴)委員 本問題につきましては、たいへん議論が熱したと申しましようか、私どもが聞いておりますところでは、各党とも言う言葉の割に、公平な気持をもつて論議されていると思うのでありますが、国鉄当局の答弁に、ややもすれば苦しいような弁解が多々見受けられるのであります。しかしこれを聞いている私どもも、非常につらい立場にあります。また当委員会始まつて以来、このくらい熱心に討議がされたことは少いくらいであります。同時に、この大改革につきましては、個人的にも大きな関係がありますので、私どもが聞いております総裁の御意見でも、悪ければ改める、悪ければというその言葉のうちにも、何だか割切れないものがあることをはなはだ遺憾に思う。国鉄といたしましては、もちろん直接当委員会には関係ないでありましようけれども国鉄始まつて以来、りつぱな汽車が開通したとか、電車が開通したとかいう場合におきまして、この委員会の立場を少しも尊重してくれないというようなところから、今日こういう結果が現われたのではないかと思う。しかし当委員会といたしましては、まず国鉄を主眼として考えておると思います。しかるにややもすれば、この運輸委員会国有鉄道とはかけ離れているような観があります。先ほど来各委員からなだめ役にもなり、注意役にもなり、また協力的の立場からいろいろ御説明なり、御意見があつたように私は聞いておりますが、この機会に事あつて改めるという意味で、何とかいたしまして、この際国有鉄道とこの委員会とがしつくり行くような方法をとつていただくことを私は希望いたします。これを決定いたしましたなら、かようなことは今後なかろうと思いますので、私は一言申し上げる次第であります。
  130. 山崎岩男

    ○山崎(岩)委員 先ほど総裁の御説明を承りまして了解いたしました。私は質問を打切ります。
  131. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 総裁の御意図も非常にはつきりしたようでありますし、昨日の運輸大臣の御説明でも非常にはつきりいたしました。私も散会前に相当はげしく質問いたしたのでありましたが、その際本日御答弁になつたようた総裁の御説明かありましたので、それ以来安心をしておまかせして沈黙を守つたのであります。大体この問題の帰趨はわかつたのでありますから、先ほど滿尾委員から言われました今後は個個の折衝をもつて片づけて行くという行き方が、最も妥当であると思いますので、この問題に関する限りこれをもつて打切りますよう動議を提出いたします。
  132. 前田郁

    前田委員長 ただいま尾崎君から動議でございましたが、動議がなくても大体皆さんの御意見も盡きたようでございまして……。
  133. 前田正男

    前田(正)委員 ちよつと待つてください。この問題を打切ることはけつこうでありますが、やはり運輸委員会の運営ということが根本問題なのでありますから、各党の、自由党なら自由党の立場の意見をまとめましてから一応理事会を開かれて、御相談の上採決していただきたいと思います。
  134. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 同僚前田委員の動議に反対するわけではありませんが、動議は先決でありますから、一応正しい運営をしていただきます。
  135. 前田郁

    前田委員長 ただいま尾崎君より質問打切りの動議が提出されましたが、それに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 松井政吉

    ○松井(政)委員 動議提出者に対して内容をちよつとお伺いしたい。
  137. 前田郁

    前田委員長 それでは許します。
  138. 松井政吉

    ○松井(政)委員 ちよつと動議提出者にお伺いします。先ほど来二回にわたつて委員長がこの問題の取扱いについて諮られまして、委員長が二回諮つたこともみんな了承しておるのですが、その事柄と今度の動議の内容とはいかように違つておるのか、説明を願いたい。
  139. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 りくつを言うわけではありませんが、委員長からお諮りになつたことは、その御趣意を了承というのであつて、ただいま私が出しました動議は、委員長がお諮りになつた後において皆さんはこの問題について非常によくおわかりになつたようでありますから、動議として出したのではないのでありますから、御了承を願いたいと思います。
  140. 松井政吉

    ○松井(政)委員 委員長が二回諮つて、それを決定してからさらに質疑が続いて、それから動議を出すという形式が——これは形式論になりますが、そういうことがあり得るかどうか。別の問題の場合にそういうことがあつたならば、運営の面でえらい問題になるだろうと思う。同僚委員が言つたように、やはり動議は動議として出したのですから、動議をどう取扱うかということの決をとることはけつこうですが、扱いとしては同僚議員が言つたように、理事会を開いて決定して行く方が、委員会の運営として妥当と思いますので、そういうようにしていただきたいと思います。さらにこの動議の内容のもう一つの点は、今ここでもつてあなたの動議で決定をすれば、この問題についてこの委員会は何ら協議も懇談もしないという意味であるのか。それとも質疑等はやめて、先ほど来同僚議員が言つているようし、理事会を開いてこの問題について懇談等をなさつて委員長の言われた通りやろうという内容を含めておられるのか。この問題に対する動議ということでは、われわれはわかりかねるので、この点を明かにしていただきたい。
  141. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 御質問に対しまして前段と後段と二つにわけてお答え申し上げます。前段のいわゆる了承ということは、さつき申し上げましたように、約一時間ほど前に諮られたのに対して、了承の意思を発表した人があるし、私のように承つた者もあります。その後においてなごやかな気持で御質問になつて、当局のお気持もよくおわかりになつたように思われますので、質疑を打切るという動議でありまして、言葉が足りなかつたかもしれませんが、その際説明いたしましたように、総裁なり大臣なりの御意向がわかつたのであるから、それに基いて個々の折衝なりその他強い政治力を発揮することが、目的を達するゆえんではないかということを申し上げたのであります。従いまして質疑打切りの動議でありますから、これについて委員長よりお諮りをお願いする次第であります。
  142. 前田郁

    前田委員長 皆様にお諮りいたします。ただいまの尾崎君の動議は、皆さんの質疑も大体において終了したようであるから、本日はこれをもつて質疑を打切る、こういう動議と解釈して皆様にお諮りいたしたわけであります。
  143. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 本質は違います。
  144. 松井政吉

    ○松井(政)委員 もう一つ念を押します。質疑等は打切る。しかし委員会における意思表示あるいは懇談等を打切るというのではないのですから……。
  145. 前田郁

    前田委員長 それでは皆様にお諮りいたします。ただいまの尾崎君の動議は、国鉄機構改正に関する質疑は本日をもつて終了る、こういう動議でありますが、御異議はございませんか。
  146. 前田正男

    前田(正)委員 それでは私からあらためて動議を提出いたします。本日をもつてこの機構問題の質疑は打切られますので、われわれの委員会としてこの機構問題をいかに処置するかということについて、次回に理事会を開いてお打合せ願い、当委員会にそれをお黙り願いたいと思います。
  147. 前田郁

    前田委員長 それではまず尾崎君の動議をお諮りいたします。ただいまの尾崎君の動議に対して御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 前田郁

    前田委員長 ではさよう決定いたします。  次に前田君の動議でございますが、これはさきに一ぺんきめた動議と同様であると思います。明後日各党においていろいろと御相談があるはずでありますが、持論を得るのに明後日の夜まで一日かかると思います。それで火曜日に委員会を開きますが、そのときに理事会を開いて、この問題を皆さんと御相談いたしたい、こう考えております。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 前田郁

    前田委員長 御異議なしと認めます。ではさように決定いたします。  次に北海道開発のためにする港湾工事に関する法律案につきまして、いまだ正式に提出に至つていないのでありますが、一応委員各位の御研究の資料といたしまして起草案を配付いたしますから、どうか御研究をお願いいたしますず。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。なお次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後五時四十一分散会