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1950-04-04 第7回国会 両院 両院法規委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月四日(火曜日)     午後二時二分開議     〔参議院両院法規委員長松村眞一郎君が 会長となる〕  出席委員   衆議院両院法規委員会    理事 角田 幸吉君 理事 松澤 兼人君       尾関 義一君    藤枝 泉介君       眞鍋  勝君   参議院両院法規委員長    松村眞一郎君    理事 大野 幸一君       岡部  常君    竹下 豐次君       羽仁 五郎君  委員外出席者         参議院法制局長 奧野 健一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  委員会運営に関する件     —————————————
  2. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) これから両院法規委員会を開会いたします。  国会国政調査権に関する問題が、前会研究の事項には上つてつたのでありますけれども、その前にこの両院法規委員会運営に関しまして、アメリカの方ではどういう状況であるか、アメリカにおいでになつた方のお話を承つた方がよいじやないか、ということの話合いがこの委員会であつたのでありますが、その問題を取上げまして、次の委員会にでも適当な方に来てお話を承ることにしたらいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それではそういうことにいたしたいと存じます。どなたにお聞きいたしますか。
  4. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) 委員長一任ということにお願いしたいと思います。
  5. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それでは委員長に一任していただきまして、お聞きすることにいたします。そのお話を承るのは定例委員会ということにいたします。  なおそのほかにいろいろお話がございますれば、この際承りたいと思います。
  6. 尾関義一

    委員尾関義一君) お話を承ることはもとよりけつこうでございますが、それはそれといたしまして、この委員会で何か取上げるべき問題をなるべく早い機会におきめを願つて研究したらどうかと思います。アメリカの事情を聞かなければ、こつちで問題が取上げられない性質のものではありませんので、並行してやれる問題があります。中には急ぐ問題がありはしないかと思いますので、必ずしも火曜日の定例日だけを開くということにする必要もないし、もう少し急いで、たびたびお開きになることも考えていただいていいのじやないかと思いますが、その点お諮りをお願いいたします。
  7. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) その点につきまして皆さんの御意見いかがですか。前に国会国政調査権のことが問題になつておるのでありますが、参議院法務委員会で、最高裁判所からの参議院議長に対する申入れに対しまして、声明書をその当時出しておるのであります。それは昭和二十四年の五月二十日に、参議院議長に対して、最高裁判所長官代理から、裁判所裁判官会議議決に基いて、当裁判所意見を送付し、貴参議院の善処を望むという書面が参つておりますので、今日お手元におまわししておいたのであります。それは憲法第六十二條に定めてある議院の国政に関する調査権性質を論じておられるのであります。それに対しまして参議院法務委員会としては、裁判所と所見を異にする点を声明書として、その当時発表されておるのであります。ただそういう経過になつておりますだけで、この問題は国会として意見がはつきり定められたということにもなつていないのでありまして、国政調査権そのもの性質については、両院法規委員会で実質的の意味で検討しておいた方がいいのじやないかとも思うのでありますが、いかがでしよう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) ぜひ御研究を願いたいと思います。  この機会に私も一つ問題を出しておきますが、あわせて御研究を願いたい点があるのであります。一つ彈劾裁判所法律判断権ですが、結局彈劾法の解釈法律判断権に限定されようと思うのであります。これは彈劾裁判所裁判する場合に、万一にもそれが憲法違反裁判をした場合にどうなるか、こういうのであります。一方におきましては憲法法律解釈権最高裁判所にあるわけであります。しかしながら彈劾裁判所裁判をする場合においても、法律判断権があります。そうして一審にして終審としての法律判断をいたします。その場合に憲法違反裁判をしたならば、どうなるものであるか。これは制度上はつきりするわけでありまするけれども、憲法上の国政調査の問題について、ちようど国会側最高裁判所側とが、見解を異にする結論に到達することがあると同じように、彈劾裁判所法律判断権最高裁判所の意思に相違があつた場合に、どうなるものかということもあわせて御研究願いますると、たいへんいいじやないかと思いますので、この機会に問題を提出しておきます。どうぞひとつ御研究を願いたいと思います。
  9. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) ただいまの問題について私の考えを一、二申し上げたいと存じます。具体的の案件に当面した場合の必要上から判断いたしまして、ただいまのようなであいに、ある事件はまだそういうふうになつていないけれども、こういう場合にはどうかというようなことで、御研究になるわけでありますけれども、その点について私は、事態を想像してと申しますか、想像的のものでいろいろ論議するよりも、なるべく問題に接触した場合の取扱いにした方がいいじやないかと思いますが、いかがですか。最高裁判所憲法の問題をお取扱いになるということは、これは当然のことだと思いますが、彈劾裁判所に何か憲法論が起つた場合に、その際に論究する方がよくはないかということにも思うのであります。彈劾裁判所性質から言えば、憲法論まで論議が及ぶようなことが、そうたびたび起り得るものかどうかというようなことも考えられるのであります。
  10. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) 私の申し上げたのは抽象論でありまして、独立して御研究を願いたいということを申し上げたのではありません。ただ憲法六十二條国政調査権というものがたびたび問題になりまして、これが国会最高裁判所において見解を異にしておる。そこで今言つたようなこともありますので、あわせてその問題も御考慮していただきませんと、この六十二條解釈について、とかくの議論が起つて来ることもありましようから、御参考までにあわせてお考えおきを願いたい、こういう意味でこの問題を解決していただきたい、こういうような意味でございますることをこの機会に申し上げます。
  11. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) ただいまの御発言は、国政調査権に関連して、そこまでも検討したらよかろう、こういう御趣旨に拜承してよろしゆうございますか。
  12. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) 参考にという意味でございます。
  13. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) なお私はこういうことをひとつ御検討を願つたらよかろうかと思います。それはすでに国会では問題になつていうことであつて解釈としてはきまらないが、事実上そのまま存しておるという問題があるのであります。それは継続審査案件取扱いについてでありまして、法律上いろいろ意見はありますけれども、事実としてすでに存しておる事柄である。それは食確法関係であります。参議院の方では議決をして衆議院に送つたのであります。それを衆議院では継続審査をされて、次の国会であるという関係から、その結果をまた参議院の方にお送りになつた。参議院はさらにそれを議決するということになつたのでありまして、審査継続ということと議決関係とは、別にそこで取扱われたのであります。案件だけは継続しておる。しかし議決国会ごとに新たになすべきものであるというようなぐあいに、事実なつておるのであります。その際に、もうすでに参議院の方では議決しておるのだから、さらに参議院にまわす必要がないというような法律論もあつたのでありますが、そうした問題は両院法規委員会でもうすでに済んだことでありますが、何らかこれを検討して、従来の取扱いが正しいというように解釈しておくか、そのままで置いてよろしいか、その点も検討したらよかろうと思いますが、いかがでありますか。
  14. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) それも御研究願いたいと思います。
  15. 羽仁五郎

    委員羽仁五郎君) 私もひとつお願いいたします。この間もちよつと起つたいわゆる一事再議の問題ですが、どうも問題をどういうふうに理解すべきかということが、十分はつきりしていないように思いますので、その点も両院法規委員会で十分御研究をいただいたら仕合せじやないかと思います。
  16. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それではただいまのような事柄について、資料も集め、検討して参つたらいかがでありますか。なおそのほかにまだお気づきがございましたら、その都度申し出ていただいて、それに対して特に必要に応じて証人と言いますか、公聴会と言いますか、そういう手続をするのも適当かと思います。
  17. 尾関義一

    委員尾関義一君) 今おきまりになつたことは、私も非常にけつこうだと思いますが、なるべくならばそのうちの一つを選んで、どちらを先にするかという順序をきめていただいた方が、研究をするのにも都合がよいのではないというふうにも考えられますが、いかがでありますか。
  18. 羽仁五郎

    委員羽仁五郎君) 今の御意見はまことにごもつともでありますが、一応ある程度まで資料をつくつていただいて、それを拜見した上で、またその順序をお考え願うというふうにしたらどうかと思います。
  19. 尾関義一

    委員尾関義一君) 私もそれでけつこうであります。
  20. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それではそういうぐあいに、ひとつ資料を集めていただくことにいたします。ただいまのところでは、御配付いたしました書類によりまして、おわかりになりますように、事務の方で国会国政調査権についての従来の文献だけはここに集められたのでありますから、あるいはその問題を検討してみるのもいかがかと思いますが、どうですか。
  21. 大野幸一

    委員大野幸一君) この国政調査権先ほど懇談中にもお話が出ましたが、自由党の方からの本日の御意見では、五井産業事件とこれを関連してやつたと思われたくない、こういう御趣旨の御発言懇談中にありましたので、私も当委員会が決して党派的のものじやない、超党派的のものであるという建前から、国家調査権範囲をここで第一に取上げることは、五井産業関係があるごとく誤解されるおそれがある。両院法規委員会が党派的のものでないという建前に対して、やや世間における印象から誤解されるので、五井産業事件は近く終結しますから、そのあとでしていただいたらどうかと思います。その点について主として自由党の方からの御発言があつたようでありますから、御意見を承つて、これを第一にするか、次にするかということについておきめ願いたいと思います。
  22. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) そういうことでいかがでしようか。
  23. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) 異議ありません。
  24. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それでは今の継続審議の問題と一事再議の問題、その二つの問題を並行してやつたらよいかと思いますが、いかがですか。
  25. 角田幸吉

    委員角田幸吉君) もう少し御説明申し上げますと、一体裁判というものは、今の制度上、最高法律判断権を持つ、こういうことであるが、実際の制度上、そうも言えないということに、彈劾裁判所を見るとなるのであります。もし彈劾裁判所において憲法違反裁判をした場合に、これを最高裁判所が取消す機能があるかないかというと、上訴の方法もない、こういうことになつております。国政調査の問題も、一応国会国政調査をやることが、どこまでが行き過ぎであり、どこまでがいいのであるかという問題は、相当むずかしい問題だと思います。どうも今の制度上から見ると、彈劾裁判所憲法違反をやつた、明らかに憲法違反だけれども、最高裁判所がこれに対して判断権を持たなくなる。もつと極端なことになると弾劾裁判所には、彈劾裁判所に專属するのではないかと思われる法律判断権があるのです。そういうようなものをいろいろ総合してみませんと、国会国政調査範囲というものが、憲法解釈が明瞭に出て来ない。こういうふうに思われるので、私が先ほど申し上げたことを重ねて申し上げておきます。
  26. 尾関義一

    委員尾関義一君) この国政調査権司法権の独立に関する論説は、この紙をいただいたのでありますが、これは新聞や雑誌に掲載されたものであろうと思いますけれども、これはあまり大部論説でもなかろうとも察するのです。もしあまり大部のものでなかつたら、謄写版にでも事務の方でしていただいて、御配付を願いましたら、たいへん好都合だと思います。図書館などに行つて雑誌を探し出したりする方法もなかなかございませんので、謄写版にしていただいたらけつこうだと思います。
  27. 大野幸一

    委員大野幸一君) それに関連しまして、参議院でこれに対して声明をやつた全文を印刷して、衆議院側の方にも配付されんことをお願いいたします。
  28. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それでは次の委員会のときには継続審査の問題、一事再議の問題についての資料事務の方で集めていただくことにして、われわれそれを検討して、この委員会皆さんと御審議することにいたしていかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 松村眞一郎

    会長松村眞一郎君) それではそういうことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十三分散会