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1950-03-11 第7回国会 参議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十一日(土曜日)    午前十一時十二分開会   —————————————   委員の異動  本日委員伊達源一郎君及び池田宇右  衞門君辞任につき、その補欠として、  佐伯卯四郎君及び城義臣君を議長に  おいて指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十五年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十五年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十五年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 只今から会議を開きます。昨日の理事会協議によりまして、衆議院が昨日予算を通過いたしまして、直ちに回付になりまして、本日から本予算委員会も本審査に移るわけであります。つきましては、衆議院関係法令提出を待たずして予算を決議いたしましたが、我が参議院においては、関係法令地方財政法令提出を見て予算審議を進行するのが順序じやないかという御議論が出ましたので、一応委員会に諮つて協議を願いたいと思いまして、総理大臣及び官房長官及び大蔵大臣出席をお願いいたした次第であります。不幸にして総理は風邪の気味で御出席ができませんが、官房長官及び大蔵大臣は御出席になつて見えまするから、順次御審議をお願いいたしたいと思います。先ず、通告順によりまして、岩木哲夫君に発言を許します。
  3. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 予算審議に先立ちまして、是非総理大臣の御出席をお願いしたのでありますが、御病気だそうでありますので、本日出られないようでありましたならば、明後日でも是非お出まし願いたいと思います。  衆議院は、二十五年度一般予算その他関係予算等につきまして、通過されたそうでありまするが、今回の予算は、政府は超均衡予算と称せられ、而も地方財政には、曽て見ざる大きな税法改革その他において変革が生じておるのであります。或いは国税においては減税をされましたが、我々の見るところでは、それにもまさる地方税法改正という噂に基く増税といつたような御方針が、総理大臣並びに大蔵大臣から開陳されておるのであります。従つて、今回の予算につきましては、非常に従来の予算と著しく性質を異にいたしまして、殊に地方平衡交付金でありますか、平衡交付金等につきましての関係法案等も、未だ出ておらないのであります。或いは地方税法の噂による改正、或いは新税の法律案等も出ておらないのであります。そうした車の両輪に値する片輪が揃わないのに、衆議院におきまして、どういう見解で、或いはどういう解釈で、この予算が決議されたのでありますか。多数決政党政治に基く多数によつて議決されたとは承知いたしますが、予算なるものの性格、殊に今回の超均衡予算と称せられるその内容実態等につきましては、必ずしもこうした意味合のみによつて処置せらるべきものではない。特に我が参議院におきましては、嚴正なる批判機関といたしましての立場におきまして、そういう多数派政党政治的な見解審議に基かず、嚴正なる審議をして行くことこそ、国民に答うるゆえんであろうと思うのであります。そういう見解から、衆議院において、そういう車の両輪の片輪がまだ日を見ない今日、これを決議されましたことにつきまして、その理由と申しますか、見解の程を承わりたいと思います。
  4. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 予算審議を願います場合におきまして、これに関係する法案、殊に租税制度改正に関する法案を、両案を揃えて御審議願うのが望ましいのでございまするが、何分にも予算とそれらの関係法案を一度に出すことが困難な事情がございまして、これは終戰後のみならず、終戰前からも望ましいことが行われなかつたのが実情であるのであります。今回におきましても、国税の方につきましては、すでに提出いたしておるのでありまするが、お話地方税関係は、まだ関係方面と話がすつかり付いておりませんので、遺憾ながら遅れておる状況であるのであります。ここ一両日のうちに話が付きまして、提案できると思うのでありまするが、そういう関係を、衆議院におきましては、私から説明し、御了解を得まして、衆議院の方は、御承知通り昨日予算案が通過いたしたのであります。国税につきましても、今日くらいに委員会討論終結になるのではないかというふうに考えております。地方税関係の方も極力努力いたしまして、来週早々には出したいと努力いたしておる次第であります。
  5. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 どうも十分納得もできませんが、然らばお尋ねいたしますことは、今回の一般予算に、地方平衡交付金が一千五十億と計上させておりますが、この根拠は、どこを基礎としてされましたのか。
  6. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 大体地方歳出の見通を付けまして、又御承知シャウプ勧告案によりまして、大体地方税收入予算をいたしまして、而してその足りないところを平衡交付金による、平衡交付金につきましては、従来の配付金に対しましては適当な増額をいたしますのと、国から今まで補助しておりました金額を見積りまして、それを足しまして千五十億円と計算いたしたのであります。
  7. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地方財政收入基礎になりまする地方税法というものは、まだ出ておらない。地方財政歳入面基礎はどの法律案によつて、或いはどの法律によつて根拠付けられることでありますかどうか。シャウプ勧告案においての見通しだと言われますが、それは單なる見通しであつて、まだ司令部に、噂によれば御折衝の趣きであります。その決定的な地方財政歳入面根拠となる明確な法律が現われておらないときに、どういうわけで地方財政見通しを付けられまするか、お伺いいたします。
  8. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 法律案としてはまだできておりませんが、歳入見積りの細目につきましては見通しが付いておるのであります。この府県税におきましては、附加価値税の四百数十億円、或いは遊興飲食税の百数十億円、入場税の百数十億円、大体昨年と同じように七百数十億円を見込んでおるのであります。細かい点におきまして、まだ話が確定的になつていないのでありますけれども、大体のスケールは見通しが付いておるのであります。
  9. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 見通しは、大蔵大臣とされてはお付きになつておるか知りませんが、国民や我々議員は分らないのであります。單なる見通しと申しますか、シャウプ勧告案に基く見解でありまして、重要な一連の関係のある予算、これに関連する法律案といつたようなものを通じて考えますれば、その見通しだけを根拠として、こうした重要な、政府が劈頭に唱えられまする超均衡予算、特殊の予算の方に大きなウエートを持つ地方財政地方税法の或いは交付金内容等の実質を検討することは極めて困難だろうかと思うのであります。こうした見解からこの予算を私達が審議をいたそうと思いましても、事実上できないのではないかという感じを持つのでありますが、この点についてお伺いいたします。
  10. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 御審議願いますに必要な程度見通しにつきましては、関係大臣から御説明申上げる程度にまで固まつておるのであります。例えば市町村関係の税で、どういうふうな見積りになつておるか、或いはどういうふうな内容になつておるかという大体のことはお話できると思つております。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今岩木委員質問に関連しまして、更にお尋ねしたいのでありますが、政府は、これまで予算案提出されるとき、二十四年度予算についてもそうでありましたが、総合予算建前をとつて来ている。これは近代の財政の立て方としては、これは正しい立て方である、政府においてもしばしばこれは強調されておるわけです。我々もこの予算審議する場合には、総合予算建前において審議しなければならないのでありますが、更に特に只今岩木委員の言われましたように、今度の予算総合予算として見る場合に、地方財政ウエートが非常に大きくなつておるのが、この予算一つの特徴であると思うのであります。そういう場合において、この地方財政見通しにつきまして、非常にまだ変化が予想される、地方税法平衡交付金に対する法律案さえまだ出ておらない、衆議院はどういう解釈をされたか知りませんが、我々は総合予算建前、それから財政法精神、そういうものから行きまして、どうしても地方税法或いは平衡交付金法律が出て来ませんと、総合予算建前から審議するわけには行かない、審議しても無意味であると思うのです。そこで大蔵大臣にお伺いいたしたいのでありますが、聞くところによると、衆議院においてはこれまで慣例があつたから、こういう税法が出て来なくても通してはと言われましたし、又大蔵大臣は、衆議院において見通しについて説明をされて大体衆議院は了承された、そういうお話でありましたが、これも全部の衆議院議員の方が了承されたのではないと思うのであります。この点につきまして、更に大蔵大臣は、これまで戰前においてもそういう慣例があつたというお話ですが、今度の予算提出されてから相当時日があり、又来週早々において関係方面との折衝が付く見通しであるというお話であるのです。そうしますれば、この一両日中に税法が出て来る。税法が出て来るのに何を急いで……、まだ四月一日新会計年度までには間に合う見通しがあるのに、そういう税法提出を待たずに衆議院を通過してしまつたことについてはどうしても了解でき得ない。そこで我々としてはどうしても大蔵大臣に、総合予算として審議する建前から、目下懸案になつておる地方税法平衡交付金折衝段階がどういう段階になつておるか、これを具体的にここでお話願いたい。そうして本当に確実に来週早々提出できるのかどうか、この点についてはつきりしたことを先ずお伺いいたしたいのであります。
  12. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 平衡交付金の方は余り問題はないのでありますが、地方税の方には、何分にも非常に大きい改正でございまして、向うに話を付けますのに遅れた関係もあり、又折衝中におきましても、いろいろな問題が起きて来ておるのであります。私は御承知通り主管国務大臣ではないのでございまして、一応国民相当影響がございますので、折衝には当初私も入つてつたのであります。只今專ら本多国務大臣折衝に当つておられるような状況でございます。本多国務大臣お話によりますと、もう暫くというところまで、殆んど結論に近いところまで行つておると思います。で来週のうち、いつとは申上げられませんが、私の見通しでは、話は月曜日か、火曜日くらいに済むのではないかと考えております。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今大蔵大臣が、本多国務相地方税制についてはまあ專任であるからというので、責任ある御答弁がなかつたようでありますが、併し地方税制一般会計とはもう密接不可分であつて、その方がはつきりしなければ、一般予算の方ははつきりしなくなるわけでありまして、大蔵大臣が何か人ごとのように御答弁されたのはおかしいのでありますが、我々は地方税制においては、附加価値税と、それから固定資産税が一番大きな問題だと思うのですが、それがどういうふうな折衝段階になつておるか、例えば固定資産税については評価が一千倍になるか、或いは九百倍になるか、これによつて非常に差違が出て来るわけですから、その折衝過程ですね、段階、そういう内容について……。それから附加価値税についても、又平衡交付金については余り問題がないという御答弁でありますが、併し全然問題がないならば何故早くお出しにならないか、この点更にお伺いいたしたいと思います。
  14. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 私は決して人ごとのように言つておるのではございません。国務大臣として閣議にも列席いたしました、審議にも当つておるのであります。殊に国民の負担ということは大蔵大臣として常に考えなければならん問題でございますので、折衝の当初には私も加わつてつてつたのであります。併し何分にも私雑務に非常に追われておるものですから、主管である本多さんがおやりになり、それで折衝過程については十分私は知つてはいないのですが、ときどき様子は聞いておるのであります。従いまして、決して責任を逃れておるのではございません。来週の月曜日か、火曜日には私は来るというふうに想像ができるし、又そういう報告を受けておるのであります。私といたしましては、附加価値税内容或いは固定資産税住民税の問題につきまして、十分の検討を加えております。併し予算審議に当りましては、私のところでは一応枠を決めまして、そうして地方の方が歳出がどのくらいで、このくらい税金がとれる、又平衝交付金としてはこの程度一般会計から出した方がいいだろう、こういう大体のことを私のところでやるのでございますが、附加価値税内容についてまで、余り私が主になつてやらなくても、本多国務大臣がおやりになつておるのであります。後の件はまだ十分聞いておりませんが、大体もう話は付いておるように聞いておるのであります。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 政府はこの一般会計予算を編成される場合に、地方財政とのバランスはどういうふうにお考えなつたか、その場合に、この予算をお出しになるには地方財政においては附加価値税はどの程度、それから固定資産税はどの程度平衡交付金については一千五十億とありますが、そういうものを前提として出されたのであると思うのですが、その場合に今関係方面折衝されておるのは、政府がこの一般会計予算提出される場合に前提なつ地方税制、或いは交付金の問題、そういうものを更に変えるために折衝されておるわけなんですか。
  16. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 大体地方歳出がどのくらいで、税收入がどのくらい、雑收入がどのくらいという見当を付けておるのであります。而して固定資産税につきましては五百二十億円、或いは住民税につきましては六百億円、今数字を覚えておりませんが、六百億円近い、こういうふうな見通しを付けてやつておるわけでございます。今問題は税率なんかにつきまして、標準税率で行くかどうするか、一本の税率で行くか、標準税率で行くか、こういう問題になつておるのでありまして、御承知通り地方税につきましては、概ね標準税率使つてつた場合が多いのであります。そういう細かい点に至つておるのでございまして、收入全体がどうなるかという問題はもうすでに決定しておるのでございます。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、現在折衝されている問題が結論に到達した場合、それは全然全くこの一般会計或いは地方財政影響はないわけですか。
  18. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 影響はないと考えております。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから増田官房長官にもお伺いしたいのですが、政府立場として、予算審議に当つてやはり総合予算建前審議すべきである。この建前をとつておられますが、大蔵大臣なり又総理なりが施政演説される場合に、特にそれを強調されておるようでありますが、そのお考えは今でも変らないわけでございますか。
  20. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) そういう考え方は今も変つておりません。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それならお伺いいたしたいのですが、政府衆議院におきまして、総合予算全貌が分らない、又確定されないうちに、ああいうふうに予算を通過させたことにつきまして、政府は、これは今まで政府のお考えが変らない以上、これについては、これは財政法精神とか或いは最近における世界各国もそうでありますが、財政建前からいつて、これは妥当なものである、そういうふうにお考えであるのか、非常に遺憾であるとお考えであるのか、この点お伺いしたい。
  22. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 木村さんにお答え申上げます。政府といたしましては、総合予算全貌が決まらないのに予算出したわけではございませんで、総合予算全貌が決まつて出しておる次第であります。従いまして我々は遺憾と考えないのみならず、あれでよろしいと、こう考えております。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それならば、来週早々税法が出て来るというお話であるのですが、そうすると、一両日の問題なんですが、衆議院が仮に予算を通過するに当つて、昨日何も通過させなくても、総合予算というものを尊重するならば、まだ二十五年度予算の執行に差支えないのでありますから、殊更昨日通過させなくても、総合予算の形を各実共に備えた形において通過させることがよいと思うのですが、それでもやはりああいう形はよいものと思われるのですか。それは今後の予算の扱いについても問題になると思うのですが、これまで御承知のように暫定予算とか、そういうものは絶えず出されて、そうして予算がこの財政法精神則つて正しく審議されて来ないで、今度の予算限つて初めて早く予算折衝が行われて、今度の予算限つて私はこの取扱いの形としては財政法精神則つて十分に取扱えるものと思つてつたのですが、ところが衆議院においてはああいう形において通過した、これはやはり官房長官は何らこれにおいて遺憾の点はない、こういう御答弁でありましたが、もう一度重ねて最後にお伺いして置きます。
  24. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 衆議院において、昨日本会議において予算審議をし、且つ通過せしめたことは、衆議院においてその時期において通過せしめることが最も適当とお考えの上、通過させたものと承知いたしております。政府の方において通過せしめたということはないのでございます。国会において自主的見地の下に、あの時期において最も適当であるというお考えで通過されたものと考え政府といたしましては、これをアプレシエイトいたしておる状況でございます。それから総合予算のことにつきましては、予算或いは経済について御造詣の深い木村先生から、初めて法令守つて前びろに出したという点においてお褒めを頂いて、政府としては感謝に堪えない次第であります。お説のごとく全体に亘る総合予算でありまして、全貌は極めて明瞭になつております。ただ御指摘の国税関係におきましては、一切国税税法案大蔵委員会に、衆議院大蔵委員会に提案されまして、現に御審議中であります。ただ千五十億円の平衡交付金に関する法律案がまだ出る運びになつておりませんが、これも千五十億という点だけは極めて明瞭になつておりまして、法案には、ただ手続の関係だけでございまして、関係方面におきましても、千五十億という数字は確定されたものでございますから、この点どうぞ悪しからず御了承願いたいと思います。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 最後に一言重ねて簡單でありますから、お伺いしたいのですが、今私は衆議院があれを通過させたことは衆議院建前でみずからやつたので、それを聞いたのじやないのでありまして、そういう通過させることに対する、総合予算というものに対する考え方政府考え方、これをまあ御質問したのです。これはもうくどく申上げる必要もないと思いますが、なぜこういう御質問をしたかと言いますと、これまで折角民主的な予算を作るために財政法というものができましたけれども、一回も財政法精神はこれまで尊重されてないのです。暫定予算暫定予算言つて、ぎりぎりの予算が出されて、我々は止むを得ず今日予算を通さなければ、明日国費の支拂いに支障を生ずる。経済界影響があるというので、まだ十分審議できないのに無理やりに通すという、そういうような形がとられて来たのです。そういう財政法精神に基いて予算審議を非常に大切にし、愼重にすること、これこそ私は民主主義精神だと思うのです。財政法の、予算民主化がなくして何の民主化があるかと思うくらいに思つているのです。そういう意味において予算審議を、特に参議院においては、そういう政略とか、党略というものを一応別に、そういう立場からこの予算を真劍に正しく審議し、取扱わなければいけない。こういう意味で非常に嚴しくこの取扱い方について御質問申上げているわけなんであります。そういう精神なんでありますから、政府においてもその点を一つ今後の審議に当りまして、今後の審議に当つてもそういう財政法精神に反しないように我々は希望するのであります。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 私も二、三点質問したいのでありますが、さつきの蔵相の話にもあつたのですが、慣例として戰争前からもそういうことが行われているという、こういう話でありますけれども、併し今度の地方税法改正というものは、拔本的な、今までの改正案、一部的な改正とは全然性格を異にしたものでありまして、それで国家財政地方財政関係の深さ、広さ、こういうものを考えるときに、とても今までの比ではこれは論ずることができないと思うので、それ程重要な地方財政法が出されないで、そうしてああいう形で以て通つてしまつた。而もこれは慣例があるからいい、これでは果して我我国会議員国民の負託に対してはつきりその責任を負えるかどうか、こういうことを感ずるわけであります。で、殊に問題になるのは、平衡交付金というのは、天下り的に千五十億、枠が決められておる。併しながら今蔵相説明の中にもあつたのでありますけれども、地方財政で足りないところを平衡交付金で出す、こういうことを言つておる。だから地方財政法はつきり確立されて、どれだけの地方税收があるのかということが分らなければ、平衡交付金が元来決定されない筈であるのじやないかと、こういうふうに思うのです。ところが今の答弁の中でも明らかにそのことが矛盾しておる。地方財政法が出ないうちに平衡交付金だけが天下り的に決められておる、そういう形になつておるのであります。而も問題になるのは、今非常に問題になつておるのは、政府が大体国税の方では六百億減税する、併し地方税の方では四百億これは増税になるだろう。差引き二百億だ、こういうことを言われておるのでありますが、果してこの地方財政法を明るみに出して見れば、そういう形になるかどうか、この四百億というものは一体どのような形で決定されたのか、その根拠も分らない。而も我々が大体伝え聞くとこによりますというと、この附加価値税のごときは実に厖大なこれは税收になつておる。とてもこれは最初の予定なんかでは問題にならない。恐らく二倍、三倍というようなこれは税收になるのじやないか、そうなりますというと、政府が今減税だ、減税だと言つて国民の間に宣伝をしておるところの根拠というものは非常に崩れる、どうも地方税制も、この参議院選挙を前にした状態においては、どうも出したがらないのじやないか。そういうふうにさえこれは推測される面があるのであります。蔵相お話では、まあ大体これは間もなく出るというような見通しである。それから総合財政建前から言つて、そういう観点からして、恐らくそういうようないろいろな不均衡が起らないだろう。こういうようなことを言われておりますけれども、若し実際問題としてその点が非常に混乱した場合には、これは重大問題だと思う。我々はこの点を今伏せられておるところに、この地方財政の姿というものをここで明らかにして、これとの連関において今後の予算審議をしなければ、国民に対して我々はその責任を果すことができないのです。こういうふうに考えおてるのでありますが、蔵相並びに増田官房長官は、こういうような態度に対して、もつと明確な立場を示して貰いたい。こういう点から、果して今言つたように、私の質問の要点の四百億増徴、こういうふうな線が守られるのであるか、この点蔵相から聞きたいのであります。
  27. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 国税の方におきましては七百十三億円、而も又第六国会におきまして減税措置をしたのを加えますと、九百億円余の減税になつておるのであります。而して地方税におきましては、昭和二十四年度の税收を千五百億円と見込んでおります。今度は千九百億円に見込んでおるのであります。而もこの四百億円殖えましたのは、従来税の形でなしに、寄附金によつて大体地方財政賄つた分を考慮いたしてやつたのでございます。私は実質的には相当の減税になると考えておるのであります。而して府県並びに市町村予算を検討いたしまして、府県におきましては、大体前年と同様に七百億円余を見込みまして、その中に目度において、入場税を百三十億円、遊興飲食税を百二十億円だつたと思いますが、こう見込み、又附加価値税を四百二十五億円を見込んでおるのであります。これは何県で幾ら取れる、何府で幾ら取れるという大体の見通しは付くのでありまするが、やはり地方の個々の団体の財政状況によつて、或る程度の上下はできると思います。併し我々の考えておりまする附加価値税收入は四百二十五億円を見込んで、そうして計算をいたしておるのであります。
  28. 岩間正男

    岩間正男君 結局これは税法そのものが明らかに示されなければ、今の平衡交付金の問題、その外のいろいろな広汎な問題について我々は議論できない立場にあるのだ。我々は職責を果すためには、そういうふうにはつきり決めておるのでございますけれども、官房長官はこれに対して、池田蔵相の、恐らく両日中には出されるとさつき言われたことに対して、長官は責任を持てますか。はつきりそういう対策になつておりますか。我々はこれについて今後の審議の方向を決定をしなければならん。この点はつきりして欲しい。
  29. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 先程から申上げます通り、国の予算基礎をなす国税に関する法律はあるので、出揃つております。それから地方に対する平衡交付金は金額は決定しております。而してそれを法律がなければ執行はできませんから、予算審議結了し、又執行するときに法律案がなければ平衡交付金の支給ができない、こういう意味平衡交付金の支給に関する法律はできるだけ早く急ぐつもりでございます。お説の通りでありまして、できるだけ早く提出いたしたい。来週中には出したい、こう思つております。主務大臣である大蔵大臣の言われた通りであります。地方税関係は、蔵相がしばしば言われております通り、これは国の予算とは間接の関係に立つているものでありまして、要するに千五百億の平衡交付金は支給するということは政府は決定いたしました。この数字は動かしてはいないのでございます。併し地方税関係は今度シャウプの勧告によりまして、千五百億から千九百億まで取り得る、取り得るという形になつたわけでございまして、それだけ取らねばならんということはないのでありまして、それぞれ地方の行政費なり事業費の、つまり歳出に応じた歳入を図ればよろしい、とにかくシャウプの勧告によつて、従来は地方税といたしましては府県が七百億、市町村が八百億、合計千五百億に過ぎなかつたものが、今度は府県が七百億、正町村が千二百億、合計千九百億まで取り得る、こういうことになつているのであります。併しながら蔵相もよく言われます通り強制寄付が四百億ぐらいある。そのうち三百億くらいは強制寄付で取つてはいけないというふうに政府も指導して参るつもりでございますから、増額された地方税として取り得る額は百億だけでございます。でございまするから、従来の政府減税としております九百億から百億引きますと、八百億の税負担の純粹の減ということに相成る次第でございます。いずれにいたしましても地方予算には、この国の予算平衡交付金の点でからんでいるだけでありまして、その平衡交付金は額は動かないわけでございますし、又執行のときに法律ができていないと違法のものになりますから、支給のときは是非とも法律ができていなければいけないわけでございます。その法律も急ぐベきことは木村さんや岩間さんのお税の通りでありまして、大蔵大臣の言われた通り、できるだけ早く出したいという点については、政府は同一の見解を持つておりますし、又同一の見込を持つているということをこの際申上げまして、是非とも四月一日から予算は執行し得る状態にすることが国民生活上最も望ましいことでございますから、速かに御審議あらんことを切にお願い申上げる次第でございます。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 どうも来週中に出すという見込だというのですが、これはどうも私はその程度の言明じや信用することはできない。なぜかというと、衆議院予算審議を見ておりますと、やはりこれは同じようなことを今まで言つて来ている。ところが地方税法は第十四次案の今日に至るまでまだ出されていないのが現実である。そうしてああいう形で、いつでもそういうようにうまく言い丸めて、くるめられて来ている。重要なこの問題を国民に前に明らかにしないで、そうして審議して、昨日あのような形で通つたというのが現状であります。従つて見込ということじや我々ははつきり信ずることはできないのであります。もつとはつきり言明の域に達しているかどうか、これが一点、その次に今の長官の言葉では、執行までに法律ができればいいのだということを裏に匂わしておりますけれども、私はそういう形式的なことを聞いているのじやない。予算審議の中で、この税法が非常に重要なものになるから早く出さなければならない。予算審議の資料としても重要なものだからということを言つているのでありまして、今の話は非常におかしいと思う。すでに金額が決定されておるというのに、なぜそういうように法律が遅れておるか、この点重ねてこれに対する答弁を聞きたいと思います。
  31. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 大体金額は決まつておるのでありますが、やはり法律案内容折衝の余地がありますので、遅れたわけでございます。来週の月曜日か、或いは火曜日ぐらいには両者の意見が一致しまして、そうしてできるだけ急いで提案しようと考えておる次第でございます。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 それでは、これは我々としては総理のやはり責任のある答弁を実は得たい、こう思うのです。今のお話ではまだ見込とか、推定の域を脱しないような、而も我々が今申上げました点は非常にやはり重要です。我々の職員を明らかにするために必要だと、どうしても考えますので、やはり総理出席を、今日が若し不可能だつたら明後日でも、重ねてもう一度この問題をはつきり総理から言明して貰いたい。そうして予算の今後の審議をすることが必要じやないか。官房長官でもいいのですが、若し総理を代表してはつきり政府の全責任を持つて答弁できるなら別ですが、どうですか。(笑声)それはちよつと無理でしような、無理だと思いますから、これはやはり最高責任者からはつきりそれを求めたいと思います。
  33. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 ちよつとそれに関連して……先程から予算審議の上に、地方税法がまだ出てないということが大分問題になつておりますから、その点について官房長官にちよつと伺いたい。御承知通り地方税法案がシャウプ使節団の勧告に基いてできた。今度出される法案は七百條から成る大法案だということを聞いております。これはその税率国民経済生活に及ぼすところ重大なる関係があるのであります。現にまだ両院に提出されていない。増田官房長官は、その地方税法の両院の地方行政委員会における審議の期間は大体どのくらい、どの程度の日数であるという見通しを持つておられるか。このことは、衆議院は通しておるから止むを得ませんが、参議院における予算審議の上で重大なる関係がありますから、両院における地方行政委員会において、七百條からの法案をどのくらいの日数でそれを審議するのか、官房長官見通しはつきり伺いたい。
  34. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 西郷さんにお答え申上げます。地方税法はお説の通り一つの法典でございまして、一切の地方税地方税法の中に包含されておるわけでありまして、従いまして條文もその数が厖大に上つておるわけでございます。併しながら地方行政委員会に、両院の委員会においては枠の点は事前にそれぞれ御審議つておるのじやないかと承知いたしております。政府といたしましては地方税は非常に急いでおりますし、来会計年度予算をこの税法の新枠を基礎として歳入を見込まなければならない関係上、遅くとも四月一日から施行する状態に置いて頂けるように迅速に御審議を願いたい、こう思つておる次第でございますが、何故これ程急いでおるにも拘わらず遅滞をいたしておるかと申しますと、只今大蔵大臣から縷々御説明申上げましたように、政府といたしましては、地方公共団体の担税者の生活に脅威を與えないように、課税標準なり、或いは課率なりについて極力関係方面折衝いたしておるからでございます。政府といたしまして、自信のない案を出す、そうして国会において御審議を願うという形式を急ぐのでしたら、一月前にできたわけでありますが、それでは我々の国民生活を預つておるという見地から見まして、良心に鑑みて面白くないので、極力、只今岩間君が言われた第十四次案といつたようなものを作りまして、関係方面折衝いたしておる次第でございまして、その間それぞれ事前においては地方行政委員会の方々にはいつも連絡をとり、お話をいたしておる次第でございますから、提案されました場合は非常に恐縮でございますが、急速に御審議を願いたい、こう考えておる次第でございます。
  35. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 次は木下君。
  36. 木下源吾

    ○木下源吾君 今お聞きしておると、衆議院において予算が通過したという事実と、本院においては法案が出ておらんからいけない、こういうことなんですが、一体衆議院予算が通過したということに対しましては、與党多数を以てですな、政府責任を負うように見える。我々は国民責任を負うところの国会の本来の姿から、そういうようなことは駄目だ、かように考えておるのでありまして、この点は政府は一体どちらが正しいのか、その点を先ずお聞きしたいのです。
  37. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 国会は国権の最高機関でありまして、両院を以て構成されておるのでございますから、行政府立場よりも国会立場の方が高いと我々は考えております。その両院を以て構成されている衆議院の御審議なり或いは議会行動なりは、民意を代表したものとして、我々は他の院と同樣に尊重申し上げておる次第でございます。
  38. 木下源吾

    ○木下源吾君 少くとも衆議院は民意を代表しておるということに重点を置くならば、千五十億の枠を決めておる、その政府の枠を動かさないということに対してのみ信頼して、この予算を通過するということは私はどうかと思う。私共は今お聞きしておると、千五十億の枠は決つておるんだ、その内容において折衝を重ねておる、その内容が問題なんです。例えば今大蔵大臣は、地方の税において三百億は従来寄付金によつてつてつたものである、こう言われるが、地方の寄付金というものは、元来持つておる者の負担なんです。それが今度軽減されるという意味で非常に功績のように言われておるが、一体政府の今度のいろいろの面で、内容において担税力のない者、大体大衆、そういうものに負担が重くて、そうして担税力のある当然取らんならんものを緩めようとする、これは各種の方面において現われておるのであります。それ故に一体幾ら努力しましても、関係方面の了解は得られないと我々は考えておる。私共又この点を、ここで国民責任を負う故にこそ究明しなければならん。従つてその法律が出て来ないうちはやられない。これは正しいと思います。この点についてどういうような御見解でありますか。
  39. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 木下さんにお答え申上げます。地方税関係は前の木村さんにも政府見解を申上げました通り予算とは関接の関係に立つておると思つております。直接の関係に立つておるものは御指摘の平衡交付金でございまして、これの基礎をなす法律案は当然早く出すべきでございますから、政府は極力急いでおりまして、池田蔵相から申した通り、来週の前半には出し得る見込みであるということを私も再確認をいたす次第でございます。地方税関係におきましては、いろいろお説もございましようが、我々といたしましては、予算とは間接の関係に立つておるということは、飽くまで信じておるものでございます。
  40. 木下源吾

    ○木下源吾君 予算とは間接の形をとつておるが、内容において平衡交付金というものが直接に関係を持つておるものであつて、ですから不可分の関係にあるのです。そこで私共は聞いておりますと、政府衆議院が通過したのであるからというこの事実から見て、先ず国会でそういうことを仮にではなく、決議をしておいて、そうして日本の国会はこうだからというので、無理に一体関係方面にそれを押付けて、そうしてこれを了解を得ようとする態度ではないか、こういうように考えられるので、果して、然らば我が参議院においては、そういう政府に対する責任はない、かように考えるのですが、この点についてはどういうことになつておるか。
  41. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 木下さんのお話は大変に私は誤解がその間ありはせんかと思うのです。衆議院で議決をして貰いまして、そうして関係方面にその既成事実を背景として取急いで貰うというようなことはないのでありまして、我々が関係方面折衝する場合には、それ自体の必要性という見地から、又課税標準なり或いは課率などにつきましても、それ自体の問題として、こうやつて頂いた方が公益に合致するゆえんであるという考えの下に折衝いたしておる次第であります。
  42. 木下源吾

    ○木下源吾君 一体千五十億の枠を政府は決めておるからといつて参議院においては、それは全く何らの疑義なく受入れるものと考えておるのかどうか、又それを受入れなければならないと政府考えておるのか。
  43. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) これは予算審議と言わず、法律案と言わず、すべて両院の自由なる裁量によつて議決あらんことを政府は希つておるのみであります。
  44. 内村清次

    ○内村清次君 動議を提出いたします。参議院予算審議に当りまして、政府の、現在予算の即ち、裏付となりますところの法律が揃つておらない、いわゆる地方財政法律が揃つておらない。こういうような点は政府みずからが言つておりまするところの、即ち総合予算の見地に立つた審議を我々に要望されることについて、重大な欠陷であるかと私は思つております。その次に、又先程からこの問題が論議されまして、大蔵大臣及び官房長官の御答弁は、大蔵大臣は大体来週の火曜くらいまでは出るだろうというようなお話であるし、官房長官は来週一杯くらいというようなお話のようで、なかなかその点の一致も見ておらないことであるし、而も又この折衝の当つておる人は、これは大蔵大臣みずからでなくして、本多国務相であるというような御答弁でありまして、而もその本多国務相が今折衝中において、如何なる点でこの法案の作成、即ち決定がなされないかという点もまだ明確になつておりません。かような状態におきましては、いわゆる今回の予算が、而も又シャウプ勧告によるところの地方財政の大きな改革であります。而もこれは地方すべてこの税、即ち法案内容につきましては非常に関心を持つておることだし、又この法案内容によりましても、予算の裏付というものが、これが壞れはしないかというような点も、我々も又ひとしくこの点も考えておるような状態でありまするからして、こういう見地からいたしまして、この点が即ち明確になるまでは、予算審議は、これは当然国民の代表としまして差控えるべき性質のものではないか、かように存じます。そこでいわゆるその責任者でありますところの総理大臣が、今日は御病気というお話でありまするけれども、昨日はああやつて会議にも出ておられる。この点につきましても、どうも我々は納得できない状態であります。昨日は委員長を通じて、是非三日間は総理は必ず出席をされるということを要望しておつたことは、委員長も御存じの通り。そういうような見地からいたしまして、総理大臣責任ある御答弁、即ちこの法案見通し提出見通し、それから今如何なる点において折衝が停頓しておるのかどうかという本多国務相答弁、その答弁を併せて聞くまでは、この予算審議は差控えたいと、かように私は思いまして、この動議を提出する次第であります。
  45. 木下源吾

    ○木下源吾君 賛成。
  46. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) そうしますと、内村さんに承わりますが、本多国務相答弁を聞いてからおやりになりますか。総理本多国務相答弁も聞かずに……。その答弁を聞いてから審議を延ばすとか、どうとかするのか。答弁を聞かずして、質疑をここで待とうとおつしやいますのですか。どうですか。
  47. 内村清次

    ○内村清次君 その点はいわゆる吉田総理及び本多国務相の御答弁によつて、又更に態度を決めるということになるわけであります。
  48. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 出席を求める動議ですね。すると明日は日曜ですから、明後日本多国務相を呼び、首相の出席を求める動議でよろしゆうございますか。
  49. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 委員長、まだ動議は出てないんですね。
  50. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 動議は出ておりますけれども……
  51. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 五分か、十分間ばかり休憩の動議を提出いたします。
  52. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) それでは御相談を申上げます。    〔岡村文四郎君「動議の賛成はあつたよ、動議は成立しているよ」と述ぶ〕
  53. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 賛成はあつた、賛成はありましたが、最後の採決は……
  54. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 動議は出ておるのですか。いやそれなら……
  55. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) いや出ておりますが、採決をするまでに、片一方からは十分間休憩するという動議も出ておりますが、どちらにいたしますか。    〔「休憩賛成」「休憩の前の動議はどうするのですか」「あとから出した動議もあるが、前に出した動議があるじやないか」と呼ぶ者あり〕
  56. 内村清次

    ○内村清次君 先程の動議でございますが、動議の本旨は、総理大臣及び本多国務相答弁を聞いた上において態度を決定するまでは、この予算審議をそのまま留保したいということであります。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  57. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 私の意見では今内村君の御提案になつたことにも関係があるのでありますが、その動議を採決されるまで一応休憩して頂きたい。そうしてその動議を確定するようにお願いできませんでしようか。
  58. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 円満を期するためにですね。ここで十分間休憩いたしまして、そうしてあなたの動議の採決に入りたいと思いますが、満場一致なら文句ありませんが、どちらになりまするか。十分間、各派の交渉をいたしたいと思いまするから、十分間休憩の動議を取上げたいと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) それでは十分間休憩をいたします。    午後零時十四分休憩   —————————————    午後零時二十五分開会
  60. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) それでは休憩前に引続きまして会議を開きます。  先刻の内村君の動議についてお諮りをいたします。内村君の動議は、総理及び本多国務相出席を求め、その説明を聞いて後、今後の本院における審議の態度を決定することとし、本日はこれを以て散会するとの動議でありまするが、右の動議のごとく決定いたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 山田佐一

    委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。それではさよう決しました。本日はこれを以て散会いたします。    午後零時二十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     山田 佐一君    理事            内村 清次君            岩木 哲夫君            寺尾  博君            堀越 儀郎君            岩間 正男君            木村禧八郎君            岩男 仁藏君    委員            木下 源吾君            羽生 三七君            森下 政一君            石坂 豊一君            岡崎 真一君            小林米三郎君            島津 忠彦君            團  伊能君            平岡 市三君            深水 六郎君            堀  末治君            安達 良助君            小林 勝馬君            深川タマヱ君           前之園喜一郎君            飯田精太郎君            井上なつゑ君            西郷吉之助君            佐伯卯四郎君            玉置吉之丞君            藤野 繁雄君            川上  嘉君            小川 友三君   国務大臣    大 蔵 大 臣    通商産業大臣  池田 勇人君    国 務 大 臣 増田甲子七君   政府委員    大蔵事務官    (主計局長)  河野 一之君