○門屋盛一君 総括的のことは佐々木議員からお尋ねにな
つたようでありますから、重複を避けたいのでありますが、併し二三点だけは重なる点があるかも知れませんので、まあ御容赦願いたいと思います。
只今佐々木議員の
質問と
高瀬通産相の答弁を伺
つておりましても
はつきりしないのでありますが、大体この集排法の
指定を受けましたのが二十三年四月で、そういて二十四年の十一月に再
編成に関する
審議会を設けてや
つた、こういうことにな
つておりますが、この間に
内閣が三代も代
つております。
最後の吉田
内閣は御
承知のように、二十三年の十月に吉田
内閣にな
つておる。芦田
内閣に大山
委員会の答申が丁度出ました折に
内閣が代
つておる。私はこれは民主党でありますから、芦田
内閣の大山
委員会の案が民主党だからいいというのではない、民主党の
委員でなくても、現在の
日本の
電気事情の分
つておる者は、現在自由党員の中にもこれがいいという人が
沢山おる。(
拍手)私はこの敗れた
日本が、
日本というものが、一体にな
つて日本再建をやるという建前から行きましたならば、たとい芦田
内閣の時代に調査したことであ
つても、それがいいということであ
つたならば、吉田
内閣はこれをと
つて行えばいいのだ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)それを殊更にこの大山
委員会の答申をそのままにして置いて、大山
委員会はまだ現在でもなくな
つておるのか現存しておるのか分らない、つい最近までは残
つておるようなことも聞いておる。そうして吉田
内閣ができまして、二十四年の十一月まで、この食糧と同樣のウエートを持つところの
電気問題、
我が国産業再建の原動力になるところの
電気問題を、二十三年の十月に組閣して二十四年十一月まで放
つたらかしにして置いた。(「そうだ」と呼ぶ者あり、
拍手)まる一年間放
つたらかしにして置いた。(「怒れ怒れ」と呼ぶ者あり)自分が
内閣を取
つて一年間放
つたらかして置いて、そうしてこの
国会があと何日残
つておると思いますか、十日しか残
つていない、その十日間に
愼重に
審議して速かに通して呉れと言う。(笑声)これはまあ
日本語は分るのには分るのですが、
高瀬さんは文部
大臣を兼務なさ
つている。(「そうです」と呼ぶ者あり)もう少し文教の府の
責任者とある者が通産相を兼ねた場合には、この神聖なる
国会においては良心的な
発言をして貰いたい。(「そうだ」「恥を知れ」と呼ぶ者あの)これに対する先ず一番に通産
大臣の所信をお答え願いたい。
愼重に
審議をして速かに通せ、これはどういうことなんですか、一体。(「恥を知らないんだよ」と呼ぶ者あり)吉田
内閣が二年間
愼重に
審議をして、こんな碌でもない案が出て来た。碌でもない案ですよ、これは。(「そうだ」と呼ぶ者あり)凡そ
電気ということを知らない人ならば、これがいいと思うか知らんが、
電気事情の分
つておる者はこれはどつち付かずですよ。大体ですよ。問題は、
配電地域によ
つて再
編成をするのか、
発送電地帶によ
つて再
編成するかということは、これは今日の
電気の再
編成の上で第一番に行わなければならん問題である。今、
日本の
電気は足りないんです。我々は終戰以来苦労して来ておる。通産
大臣も、通産政務次官もお見えにな
つておるようだが、九州においでにな
つたと思うんですが、関門トンネルを渡れば
電気が暗くな
つたので九州へ入
つたということが分る、そのくらい
日本の
電気は足りない。その足りない
電気が、現在の
電気事業者、特に発電業者の努力によ
つて、戰争で一番
電気を余計使
つたところの
昭和十八年よりも
沢山の
電気を起すまでに
電気事業者は努力している。それでも足りない。その足りない
電気を補うために、我々待ちに待
つたところの
電力の
電源開発というものが漸く今年一月から諸についた。この
電源開発をや
つて、少くとも現在より三百万キロ以上の
発電設備ができた時でないと
日本の
電気はいじ
つてはならない。
電気のことを
愼重に研究なさ
つたらこれは分る筈です。そういうことも何も研究せずに、組閣以来一年間
電気のことを放
つたらかして置いて、そうして今
愼重に
審議して速かに通せと言うが、この
政府案に対しては、先程佐々木議員も言われましたが、御列席の政務次官、
政府委員等に
委員会等においてかくかくの資料を要求しましても、ただの
一つも要求の資料が出たことはない。(「持
つてないんだよ」と呼ぶ者あり)今日から直ちに
委員会の
審議に入りましても、果して我々の要求する資料が出るのか出ないのか。(「早くあやまつちやえ」と呼ぶ者あり)
国会は
立法府でありまして、あなた方から言うと、
政府の方から言うたら、法律の
審議をするのに行
政府の方に資料の要求をし過ぎる、
国会みずからがやれというかも知れない。これは
一つの理窟にはなる。併し残念ながら新憲法下の
国会が生れまして日が浅いために、或いは
国会図書館とか、
国会の常任
委員会の專門員、調査員の整備とかいうものが十分に整備されておらないため、我々は情ないことであるけれども、行
政府の資料によ
つて判断せざるを得ないのが今日
国会の
審議の状況である。これは恐らく
大臣諸公と雖も議員を兼ねておるから
異議は言えなかろうと思う。そうしたなら、この
審議に当
つて我々の要求するだけの資料が即日揃うか。私は今日言うのじやない。もう
電力の特別
委員会で
提案と同時に資料が出して貰わなか
つたら早いこと行かないということを言うてあるんですが、先ずこの資料が出るか出ないか。又
高瀬通産相の
愼重に
審議して速かに通して貰いたいという解釈を聞きたいのであります。
次に先程も言われたのでありますが、集排法の精神に全然反するところの九ブロツク組織は、これは今申しましたように
配電区域に根拠を置いてやりましたから、
配電会社を大きくするのではない。十の
会社を解散して
九つの新らしい
会社を作るのである。これは小学校の生徒でも分る。併し事実は
配電区域に主体を置いてありますから、凧上げか幟上げか知らないけれども、
関西の
区域が北陸地方に
発電所を持たなければならんようになる。それもごてごてごてごてするのに暇が要
つて、
提案が遅れた。外に
理由がない。もう私は、仮にこの
九つのブロツクにお分けにな
つたのでありますから、
電力問題から横走りをするようですが、通産
大臣としての
高瀬さんにお伺いいたしたいのは、
日本の
産業をこの
九つの
区域に縛
つてしまうのか。
九つの
区域に分けてやらせるつもりか。大凡
日本の
産業は石炭と
電気が原動力にな
つておる。石炭には限りがある。私は
日本の動力源は
水力電気に求めなければならないと思
つておる。この
水力電気に求めなければならないところの
電気を
九つの
区域に割
つてしま
つて、その
区域内一社しかできない。これは
地域的の
独占事業であります。集排法の精神から言うても大いに違反しておる。併しまあそれを論じよると時間がないから、これは
委員会等で論じて賛否を明らかにする折に又討論いたしますが、先ずそれをお預けにしても、
九つのブロツクに分けたのは、
日本の
産業を
九つのブロツクに分けてやるだけの総合計画があ
つて九つに分けたかどうか。それをお伺いしたい。本日は総理が御出席にな
つておりませんから、これは通産
大臣からお伝え願
つて置きたいのですが、これだけ
九つに分けて
日本の
産業を
九つに分けられるならば、今回の九分割によ
つて最も打撃の多いところの地区から
考えましたならば、
電力だけを
九つに分けられたのでは飯が食
つて行けなくなる。ついでのことに政治、財政、あらゆる
経済面を
九つに分けて、
日本を
九つの州制を布いてやると言われるならば、これ又
考えようがある。そこまでの総合的の
考えがなくして、
電気だけを
配電会社が
九つあるから
九つに分けたらよかろうというような安直な
考え方でお分けにな
つておると思うのですが、これはどうしても水力
電源を持たない所はいつまで経
つても
産業は興
つて来ないのであります。まあ、詳しいことは
委員会に讓りますが、どうしてその
産業が興
つて来ないかと言いますと、今の案から行きますと、九州出身の私が九州のことを言うて我田引水のように聞えるかも知れないが、九州と中国は同じような運命にある。水力の発電地帶のない所は火力で補えばいい。火力で補うときには、まあキロ当り現在で五円数十銭かか
つておる。約六円かか
つておる。約六円かかるところの火力の
料金、これは
料金面では八円取られることにな
つておるが、実際の
生産コストが六円、その六円の火力と一円の水力と……九州にしましても中国にしましても、水力の
電源というものは少い。御
承知のように九州は現在火力と水力が半々なんだ。ですから六円の火力と一円の水力を合せると七円にな
つて、三円五十銭の原価になる、
電気が……。北陸地方に比べまして四倍になります。中部地方に比べましても三・五倍になる。これは本当の独立採算制を持
つたところの九分割になる。これを補うためにうまいことを
考え出して、水力地帶からキロ当り千五百円のものを取
つて火力の方に補給する、こういうことを言われておるのです。併しこれがどういう形で現われて来るかと思うて私は今日まで待
つてお
つた。これは
立法措置で現われたのじやないのです。これは今度できるところの
公益事業委員会でそれを決めて、水力の方から取立てて一方に交付する、こういうことになる。併しこういうことはいつまで行われるかというのですよ。これは
ちよつと
考えますと、現在中部地方で発電されておりますところの
発電所の減価償却を除きまして日々発電して行くところの費用は、キロ当り八百円か九百円で上
つておると思う。その金にして売るところの
電気を起す金が八百円か九百円で行くのに、自分の所は痛くも痒くもない、九州の
電気が高く付くために、
関東の人が千五百円のこの負担金をいつまで喜んで出すでしようか。いつまで得心して出すでしようか。これが今度の案の
政府が九州人と中国人と
電気の足らんところをなだめるところの饅頭か煎餅の代りなんです。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)余りにも九州人や中国人を子供扱いに
考えちやいないか。(
拍手)これが永久の食糧でないくらいのことは我々は分
つておる。これが永久の食糧であるというならば、
電気事業再
編成法なりいずれかの
立法措置をなぜ講じないか。(「そうだそうだ」「その通りだ」と呼ぶ者あり)
立法政治、立憲政治、或いは法治国の
日本が、法的措置を講じ得ないというようなものが、どこに我々九州人が安心して
産業がや
つて行けるか。又開発面から
考えましても、
電気の開発面から
考えても、地形の持つところの弱さ、中国、九州の水力地帶は、現在の
物価で
発電所を作りますのに一キロ当りの経費は八万円から九万円かかる。本州では安い所は四万円、高い所でも六、七万円でできる。平均して五万円ぐらいでできる。いつまで経
つても九州、中国は
電気のために
産業が伸びぬということは、これは分りき
つた話なんです。これはどういう
方法でこれを補
つて行くのかということをお尋ねしたいのと、もう
一つは現在
設備されておるところの九州の工場です、
産業ですね。中国の
産業、これはどういうふうにして生かして行くつもりですか。あなた方
内閣諸公は、
電気のない国に生れたのは運が悪いのである、
電気のない国に工場を拵えたのは見通しが悪か
つた、そういうところの工場は潰れるものは潰れてもいい、そういうところの国民は万劫末代
電気で苦労してもいい、こういうふうに思われておるか。果してそう思われておるのなら、これは政治じやない。そういうことを少くするのが政治なんである。(「しつかりしつかり」と呼ぶ者あり)とにかく大山
委員会の答申から推しても、それから現在この
国会には数千通の請願が来ておる、請願陳情が……。
国会に来ただけの請願陳情は皆
政府にも行
つておる。その請願陳情はこの分断に反対し、非常な反対をしておる。それから又分断反対の陳情もあれば、
配電事業を都道府県営に移して呉れという請願陳情もあるし、県営の
発送配電までをやれという陳情もある。又自家用を還元しろというような請願陳情も出ておる。でありますから、
日本発送電なり今の
九つの
配電会社が、戰時
立法、凡そ戰争目的のためにできたものであり、集排法の
指定を受けてこれを作り直そうというのであるなら我々はこれは賛成なんです。私もちつぽけな
事業をや
つておりますが、
事業の
経営能率等から
考えてこれを再
編成するというなら非常に
考えさせられる点もあるのです。併しそうじやないのです。今の集中された資本、現在は十に分れておるのを
一つ減らして
九つに分けるのですから、それだから集中されるところの密度は多くなるのです。そうしてその
電源の足らない地帶の
産業をぶつ壞してしまう。それから
電源の多い方の人は俺の方は
電源が多いから安心だと思うかも知れませんが、これが又心配なんですよ。今みたいに
九つの地帶に
切つてしま
つて、
送電線まで
九つに
切つてしまうのです。そうすると
電源の多い所で
発電所を作
つても、その地帶内で
事業が起ればいいが、御
承知のように
事業を起すのにはいろいろな立地條件がある。港湾とか材料とか或いは労力の
関係等で、必ずしも
電源地帶にその
事業が起ると決ま
つたものじやない。そうしたならば
電源開発はできなくなる。
電気を起して金にならないのに資本を集めて
発電所を作る阿呆はない。
〔
議長退席、副
議長着席〕
そうすると、
日本の持
つておるところの天然資源ですよ、雨さえ降れば
一つも減ることのない天然資源、この天然資源を活用して
日本の
産業を起して、貿易場裡でコストの安い品物を拵えて行かなければ
日本は生きることができない。その発電をする必要がなくなるのですよ、
九つの
地域々々でやるのですから。そうすれば、これは
公益事業委員会で足らない地区に対しては余る地区から流すようにする。併し全部が民営になりまして、この
公益事業委員会が今の
法律案に決められておるくらいの
性格のもので、あの命令を聞いて、引合わない
発電所を作
つて、買手のない
発電所を作
つて、九州が石炭が高いから送ろうというような篤志家の
事業が
日本に出て来ると思われるか。あり得ないのです。今折角緒についたところの開発を全然遅らしてしまうというような結果になる。どうしても
公益事業委員会の下に、
公益事業委員会が最も公平なことを
考えてこれが直ちに行えるためには、少くともです、少くとも五〇サイクル、六〇サイクルの両サイクルの切替のつく
発電所、貯水池式の
発電所、水力の
発電所と、全国の主要
送電線を持
つたところのパブリツク・コーポレーシヨンを作
つたならば、それは行えるわけであります。ボデイが幾ら命令したところでできませんよ。
大臣はどういうふうにお
考えにな
つておるか知らんが、
電気というものは、今日起した
電気というものが余るから庫の中に入れて、この次の汽車便で九州に送るということは絶対にできないのだ。今起きた
電気は今直ぐやらなければならない。今レギユラトリー・ボデイで仮に五日後のその日のことを命令しても、命令しておる間に、
発電所が送
つても損が行くのですからやりやしない。これをやらせようとすれば、今度は五日後のやつをやろうとしても天候の
工合が明日の見通しが利かない。これはこの
委員会の指示によ
つて地帶間融通をやろうというのは、恐らくこれは
電気を一ケ月研究したら分ることなんだ、これは本気で言われておるかどうか。併しおやりになるとすれば、私の方の調査が足らないのでありますから、この席上で
高瀬通産
大臣なり宮幡政務次官から
はつきり御教示を願いたいのであります。私がそこまでうまい
方法があることを知らずに
質問しておるのですから、うまいことがあれば教えて貰いたい。併し私の知
つておる限りは、このレギユラトリー・ボデイの命令によ
つて地帶間融通が、法文の上ではできるけれども実際にはできない。それができれば我々は何にも心配はない。どういうふうにおやりになるか、
地帶間融通の問題を
はつきりと
説明して貰いたい。
それからまあ時間の
関係もありますので、今一番問題にな
つておるところの
料金の問題ですが、先に述べましたように、今行われておるところの新
料金、現在の現行
料金というものは、十二月から大騒動をや
つて、本当は各地帶間の独立採算制によるところの
地域差料金でやれというのであ
つたのを、それでは
産業が潰れてしまうからというので、いろいろとアロケーシヨンの問題とか、スタンダード・アロケーシヨンとかで手加減をしまして、そうして本当に
地域差の付く……本当の
地域差から行きますと、先程申しましたようにあの中部地方とか北陸地方の
電気の多い所と中国、九州と比べましたならば、まあ分り易く言えば約四倍の
料金になるのです。これが、四倍はですね、特殊なものが四倍になるのではなくして、この日々生活に欠くことのできぬところの電燈
料金までがそうなる。それではならないというので、御当局においてもいろいろと斡旋されまして、現在二・一倍から二・五倍程度のもので納まりが付いておる。これは今やつと納まりが付いておるが、
政府の言われるところでは、千五百円の水力からの補給金を取
つてそれを石炭の方の流せば現在ぐらいな差に止まると、こう言われる、少くとも中国、九州の方はこれは誠に不安心でかなわない。水力の方から千五百円取
つて石炭の方に廻して貰うということは安心できないことでありますけれども、先ず
政府のやられることであるから一応信頼してみても、その
地域差というものは、よその二・一倍から二・五倍の
料金でや
つて行かなければならぬ。それはどういうふうにお
考えになるか。中国、九州地方はもうよそよりも二倍以上の差の付くことは、これは止むを得ないとお
考えにな
つておるのか。そうして、それはまあ非常に
地域的に困る問題ですが、それ以外に、この
調整補給金を取るということについては、私はこれは実際は行えないと思うのです。これは納める方がレコードの上でいろいろと手加減をしたら、これは取上げる金はなく
なつちやう、これは恐らく実行できないと思うのです。それよりも困ることは、
一般的な原価において今の
料金の七、八乃至一七%の値上りになるということは御研究にな
つたのかどうか。
それからこれは
電気の問題と関連して通産
大臣に聞くのでありますが、こういうことをや
つて、この
調整補給金を取上げて、水力から取上げたものを火力にやるということは、私は一種の石炭消費の奬励になるのではないか。これは九州人として石炭がどんどん売れることは、目前においては非常に喜ばしいことでありますけれども、限りある石炭が煙にな
つてしま
つたのでは
日本の化学原料がなくなるのと同じなのです。石炭の化学的な利用価値については通産
大臣御存じの筈なんです。只降
つて来るところの雨を利用して、そうして
電気を起して、その
電気で
産業を起せばいいものを、無理に
九つの
地域に
切つてしま
つたために、九州としては外に出せばもう少し
日本産業再建上有利に使えるところの石炭を発電の燃料として煙にしてしまわなければならんということは、国策上策を得たものではない。飽くまでもこの
地帶間融通のことを
考え、総合的な国策を
考えたならば、
電気の多い地帶から少い地帶に自然流れ込むような
方法をしなきやならん。流れ込む
方法というのは、非常な特高圧の
送電線を本州から中国を通
つて九州に引つ張
つて置けば、たとえ本土で以てキロ当り一円で起りましたところの水力原価が、圧力を高めまして送りますと
送電ロスというものは非常に少くなる、そのロスの少い
送電線で送りまして、その
送電費用を加算しましても、九州に行
つて二倍にはならない。恐らく私はこれは一・五倍以内で納まると思う。そういうことを国策としておやりになるお
考えをお持ちにな
つておるかいないか。そういうことでもお
考えにな
つておれば、今間に合わなくても、近い将来において、九州の石炭を焚いてしま
つて、キロ当り五円、六円の
電気を起さずに、これは極端な例を申しますと、只見川の発電を特高圧の
送電線で引つ張
つて行けば九州ででも
産業はやれる。
話がえらい散漫になりましたが、どうせこれは本
会議で片付く問題ではないので、賢明なる通産
大臣なり政務次官の方でおまとめにな
つて、先ずお答えになれるだけのお答えを頂けば結構です。私は、
愼重に
審議して速かに通せと言うが、
愼重審議の資料さえあればやりますけれども、資料がなくして、八千万国民に代るところの
国会議員が、あなたの方の都合が悪いから直ぐ通すということは絶対できない。併し
愼重に
審議はしますよ。これだけのことを申上げるのは、この頃
政府の
考え方なり又或る方面の
考え方は、
日本に
国会というものがあるのかないのか分らぬような
考え方でおる。
政府では十一月から御研究にな
つたか知らぬが、
国会もこれに対していろいろと研究はしております。研究はしておるけれども、
政府がもう出す、いつ出す、これは出す出すと
言つてから二ケ月も出さない。初めから四月の二十日でなければ
提案できないという……我々も、少くとも参
議院の
電力特別
委員会では、議員
提案で
一つやろうというような意気込みを持
つてお
つた。併し
政府が出す出すと言うから今まで待
つてお
つた。そういう点もお
考えにな
つて一つ……。時間が来たようですから、どうせ詳しいことは
委員会で御答弁願いたいと思います。(
拍手)
〔
国務大臣高瀬荘太郎君
登壇、
拍手〕