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1950-04-19 第7回国会 参議院 本会議 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十九日(水曜日)    午前十時四十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第四十号   昭和二十五年四月十九日    午前十時開議  第一 漁港法案衆議院提出)(委員長報告)  第二 北海道開発法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第三 賠償庁臨時設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第四 日本政府在外事務所設置法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 質屋営業法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 医療法の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第七 健康保險法等の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、漁港法案衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。    〔木下辰雄登壇拍手
  4. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今議題となりました漁港法案につきまして、委員会における審議経過並びにその結果について御報告いたします。  先ず漁港法制定趣旨について申上げます。戰争によつて大半を失いました漁船は急速に再建されまして、今日は戰前の水準に達したばかりでなく、その船型も漸次大きくなつて参りましたが、漁船の基地であり、且つ漁業の根拠地でもありますところの漁港の設備が甚だ不完全でありますために、漁業生産能率が甚だしく害せられておるばかりでなく、暴風雨等の場合には漁船の難破が頻々として起り、人命を損ずることも多く、誠に遺憾に堪えない次第であります。従つてこれを速かに整理いたし、且つその適正なる維持管理をすることが極めて必要なる事項と相成つたのであります。第一国会以来、全国漁民の熱望に応えるために、参衆両院水産委員会が協力いたしましていろいろ法案について検討いたして参つたのでありますが、今回衆議院水産委員長提出法案として、この漁港法衆議院提出、可決されまして、本院に送付されたのであります。法案は全部で七章四十七條から成つております。  次に本法案内容簡單に御説明申上げます。  本法の目的は、漁港を整備し、その維持管理を適正にして、水産業の発達を図り、国民生活の安定と国民経済の発展に寄與することであります。次は漁港指定でありまして、従来の漁港の外に、尚、漁港として将来施設を要すべきものが相当ありますので、農林大臣漁港審議会の議を経て、且つ関係都道府県知事意見を徴して、その名称、種類及び区域を定めて漁港指定を行うことになつております。即ち漁港はその利用範囲によりまして、これを第一種から第四種までに分類されております。第一種漁港と申しまするものは、市町村又は漁業協同組合区域專ら利用範囲とするものでありまして、従来の船溜、こういうものがそれに含まれております。第二種漁港とは、第一種漁港よりも少し大きく、都道府県又は一地方程度利用範囲としている漁港であります。第三種漁港とは、その利用範囲が全国的なものであります。いわゆる大漁港であります。第四種漁港とは、離島その他辺陬の地にあつて、漁場の開発又は漁船避難上特に必要な地域にある漁港でありまして、いわゆる避難港であります。次は漁港に関する重要事項を調査審議するために漁港審議会を置くことになつております。委員の数は九人でありまして、そのうち一人は水産庁長官で、他の八人は漁港に関する知識経験のある者の中から両院の同意を得て内閣総理大臣が任命することに相成つております。その任期は三年であります。次は漁港の修築でありますが、農林大臣漁港審議会意見を徴して漁港整備計画を立て、更に閣議決定を経て国会提出し、その承認を受けなければならぬことに相成つております。この審議会委員というものは非常に権威がありまして、大体この委員会立案したものは農林大臣が取次ぐという程度でありまして、その審議会において整備計画は殆んど決定的に立てるという建前であります。そうして、その立てました整備計画は、今申しましたように国会承認を受ける、かように相成つております。次に漁港維持管理について万全を期するために政府漁港管理者指定することに相成つております。その漁港管理者は、漁港管理会を設けて漁港維持管理に関する重要事項を調査審議させることに相成つております。以上が本法案の要旨であります。  委員会におきましては、四月の十日、十一日、十二日、十四日と、四回委員会を開きました。十二日の委員会本多国務大臣を招致いたしまして、目下立案中の港湾法との関係につきましていろいろ質問いたしました。本多国務大臣は、明後日あたりまでに若し港湾法閣議にかからなければ、本国会には到底提出の見込はないから、そのまま進行して貰いたいというような発言があつたのであります。その四日に亘り愼重審議をいたしましたが、本案は当初から両院委員が協調して作成いたしたものでありますので、質疑等も少く、討論に当りましては、社会党の青山委員、民主党の田中委員緑風会江熊委員から賛成意見があり、西山、矢野、尾形の諸君賛成がありまして、全員一致原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告いたします(拍手
  5. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔起立者多数〕
  6. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  7. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第二、北海道開発法案日程第三、賠償庁臨時設置法の一部を改正する法律案日程第四、日本政府在外事務所設置法案、(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。    〔河井彌八君登壇拍手
  9. 河井彌八

    河井彌八君 只今上程せられました北海道開発法案賠償庁臨時設置法の一部を改正する法律案及び日本政府在外事務所設置法案につきまして、内閣委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず北海道開発法案について申上げます。  本法案は、国民経済の復興と人口問題の解決に資するために、我が国としては未開発資源の今尚豊かに存在するところの北海道の総合的、統一的の開発に関して、その基本的事項規定することを目的とするものであります。これがため総理府外局といたしまして国務大臣を長とする北海道開発庁設置いたしまして、長官の下に次長以下常勤の職員を置き、尚、開発事業実施面を担当する関係各省次官局長等をば、非常勤の参與として提携連絡の任に当らしめるのであります。尚その外に、北海道総合開発企画立案に関しましては、広く各方面の知識経験を活用することを目的といたしまして、北海道開発庁附属機関といたしまして北海道開発審議会を置くことに規定いたしておるのであります。この北海道開発審議会委員二十名以内を以て組織いたしまして、衆議院、参議院の議員中から選ばれた委員八名、北海道知事北海道議会議長及び学識経験のある者十名以内で以てこれを組織するのであつて内閣総理大臣がこれを任命することになつているのであります。北海道総合開発計画につきましては、事実上すでに昨年の四月から政府において閣議決定に基きまして北海道開発審議会というものを設けてあるのであります。そうして、この審議会において研究を重ねて現在に至つておるのでありますが、今回その研究の結果に基いて、この法律案提出せられる順序となつた次第であります。尚この法律案は本年六月一日から施行されることになつているのでありまするが、それまでの間に只今申述べました北海道開発審議会というものを法制化いたしまして、引続いて北海道開発に関する施策を調査審議せしめることといたしました。そうしてそれをば、この法律によつてできますところの北海道開発庁引継ぐことになつているのであります。尚この調査研究に基きまして開発事業実施せられまするのは明年度以降ということになるのであります。  委員会におきましては、この案に対しまして委員会を開催いたしますこと前後五回、そうしてそのうち二回は建設委員会との連合会を開催して愼重審議を進めたのであります。これは本案の立法の趣旨目的等、概ね妥当なものと認めまして、委員会におきましては全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。ただ附則の第一項末段の審議会設置の期日の点、「四月一日」とありますのをば、この法律の「公布の日」と修正をいたしたのでありまして、この点一つ修正を加えたということを申述べて置く次第であります。  この審議に当りまして委員会において特に問題となりました重要な点を二三申上げます。  その一は、何故に特に北海道のみを取上げて開発計画を立てようとするのであるか、国内の他の諸地域にも、殊に陽度の高い、開発効果的に行われる地域が少からずあるのであるが、これを差措いて北海道のみを特別に取上げる理由は何であるかということ、少くとも北海道開発につきましては、国全体の総合開発計画を立てて、それを前提として或いはそれの一環として考えらるべきものではないか、そういう総合的の国土計画と無関係北海道開発を取上げるというのはどういうわけであるかという、相当強い意見が出たのであります。これに対しまして政府は、国土総合開発計画との関連については十分愼重研究を加えて来たのである、而して今後においても飽くまでもその計画一環として北海道開発計画を立てて行くつもりであるという、はつきりした答えをいたしたのであります。而して北海道は他の諸地域と違いまして、すでに開拓を始めましてから八十年の歴史を持つているのに、まだ遅々として開発の見るべきものがない、然るに満州の開発重点が注がれましてそちらの開発の主力が移つたために、北海道開発予定というものは半ばにも達しない実情にあるのである、これはどうしてもこれまでのような行き方では到底所期の目的を達することはできないのであるから、国で以てこれを特にこの際取上げなければならぬということを申したのであります。尚、北海道の現状について申しますれば、開拓可能の農地が百六十万町もあるというのでありますが、その中で現在開拓されているものが七十万町歩ということであります。尚、水産とか、林産とか、鉱産、電力、その他開発すべき資源相当沢山に残つておる、これまでの人口から見ましても大体四百万程度しか入つておらないのであるが、この開発を遂げまして一千万を收容するだけのものにしたいということを申しているのであります。かようにいたすためには、どうしてもこの開発計画は国によらなければならぬということを明らかにいたしました。  第二の点は、国が北海道総合開発計画実施することは、地方公共団体たる北海道自体開発計画を、これが拘束することになる、従つてこの法律憲法第九十五條の「一の地方公共団体のみに適用される特別法」になりはしないかという質疑も出たのであります。これに対しまして政府は、この法律案北海道という一つ地域資源開発ということを対象としてはおるけれども、公共団体たる北海道そのもの対象としてこれを拘束するものではないから、憲法第九十五條には牴触しないということを申しております。尚その上に、北海道のこの開発計画審議機関即ち北海道開発審議会のメンバーといたしまして北海道知事及び北海道議会議長の参加を予定しておる、従つて開発計画に関して関係地方公共団体意見を十分に容れ得る途を聞いておるということを申しておるのであります。  第三の要点は、北海道開発についてどんなに立派な計画ができても、これを企画する面とこれを実施する面とが直結して行われないならば効果を挙げることはできない、総理府に置かれるところのこの北海道開発庁と、事業実施機関であるところの各省及び北海道庁と、この三つのものが極めて密接な関係を持つて協調をしてこの仕事を実行するのでなければ、折角かような計画を立てようといたしましても、その目的は遂げられないことになるであろう、これに対して過去の実績を挙げて、そうして強い質疑町村委員から出たのであります。政府はこれに対してどういう成算があるかということを強く質問されたのであります。政府はこれに対しまして、北海道開発庁を中心として、関係各省からそれぞれ参與として次官局長等を参画せしめ、北海道庁からも知事及び議会議長審議会委員として出るのであつて連絡提携は十分に確保することができるのである、それから又北海道開発に関する予算も一本にして置いて、開発庁がこれを要求して各実施機関にこれを移すというふうにしておる、かような面から申しましても、ばらばらな無統制な実行方法は予想することができない、必ずこれは統一ある実施をいたすのであるということを明言いたしたのであります。  尚、最後北海道開発審議会委員の数を二十名とするということにつきましても、その内容及びその人選の重点をどこに置くかという点について議論があつたのでありますが、結局政府重要国策一つであるこの諮問機関としての開発審議会には両院議員を入れて、そうして国民の代表たる議員の力によるのである、それから又それぞれ專門的の人を配置いたしまして、審議会効果をば十分に挙げようということを考えておるということであります。その他沢山質疑応答がありましたが、これは省かせて頂きます。  討論に入りまして、町村委員から、人口問題の解決等においてこれは最も重要な法律案であるけれども、先に申した通り、各官庁がそれぞればらばらな態度をとつてこの仕事に当つたならば、これは必ず失敗に終るであろうということを強調いたしまして、どうかそういうことのないように、即ち立案の庁と実行官庁との関係を緊密にして、これを効果を挙げるようにするように希望を強く述べられました。又梅津委員は、この開発失敗に終るということがあつては大変である、どうかボスの手にこういう仕事が陥らないように、各地にそういう弊害があるということを心配しての強い要求がありまして、これに賛成せられたのであります。尚、先に述べました修正案竹下委員からこれを発議せられたので、委員会におきましては修正案採決に付して、全会一致を以て可決すべきものと決定し、次にその他の本案全部を表決に付しまして、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  次に御報告申上げますのは賠償庁臨時設置法の一部を改正する法律案、これは政府原案に対して衆議院において附則修正を加えてあるのであります。即ちこれは「昭和二十五年四月一日から施行する。」と書いてありまするのを、「この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年四月一日から適用する。」と衆議院修正をいたしまして、本院に送付した。これが原案であります。  賠償庁賠償事務に関する事務特殊財産に関する事務を掌つておるところの臨時的の官庁でありまして、総理府外局として設置せられ、総理大臣管理に属するものである。そうしてその所掌事務は第一條に列挙してあります。その中で、その所掌事務改正を加えるというのがこの法律案内容である。改正はどういう点であるかと申しますれば、賠償施設処理費及び賠償施設処理收入経理略奪物件返還費及び略奪物件返還に係る特殊財産処理收入経理ば賠償庁をして行わしめようとするのである。それが要点であります。そうして、これまでこれらの経理大蔵省所管に属しておつて理財局において取扱つたものを、かように改正しようとするのであります。  委員会におきましては、何故にこの経理を移管する必要があるかという理由を質しましたが、これはこの経理は特殊のものであつて終戰当時において、今日とは事情が違つてつたのであるから、取敢えず大蔵省において取扱つたものを、この本筋の仕事をやつている官庁取扱わせるということは正しいのであるという説明であります。それから昭和二十五年度の予算においては、すでに大蔵省所管から賠償庁所管に組替えて計上してあることは、すでに予算の通過している今日において明瞭な、確実な事実であります。それから事務の移管が事務を処理する上においてどう都合がよくなるかということ、これは勿論実務官庁の主管に移すということが適当であるという簡單説明であります。尚、最後にこの経理取扱つたこれまでの価額と今後の取扱価額はどのくらいであるかという質問もありましたが、もう大体片付きまして余り沢山ないということでありました。数字をここに特に申上げませんが、その程度に止めて置きます。尚、改正について賠償庁定員には異動はないということで、委員会において審査した結論といたしましては、この改正によりまして事務簡素化及び能率が上るだろうということを期待するという結論であります。  かようにいたしまして、この法律案全会一致を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。  最後日本政府在外事務所設置法案委員会内容を申上げます。  先ず本法案によつて在外事務所を置くことになりました動機について申上げますれば、連合軍の総司令部から、アメリカ合衆国政府の意向といたしましてアメリカ合衆国内に日本政府在外事務所設置するようにという本年二月九日附の覚書日本政府が受領いたしておるのであります。この覚書は、日米両国間の通商貿易振興を図り、併せて米国在留邦人の戸籍と財産に関する事務を処理するために、ニユーヨーク、サンフランシスコ、ロスアンゼルス及びホノルルの四ケ所に日本政府在外事務所設置するようにというアメリカ合衆国日本政府に対する招請であります。日本政府は、貿易振興在米邦人保護重要性に鑑みまして、この招請をば欣然受諾することにいたしたのであります。更にその後シアトルにも在外事務所設置するようにというアメリカ政府の提案がありまして、これも又日本政府は喜んでお受けしたのであります。そこで政府は速かにこれを実現して、アメリカ合衆国日本政府在外事務所設置しようとするために、在外事務所設置、組織、所掌事務並びに在外事務所に置かれる職員及びその給與等の大綱を規定いたしますこの法案提出いたしたのであります。かようにいたしまして、この在外事務所設置というのは、日本国際社会へ復帰する第一歩を印するものでありまして、極めて重要であります。又日本貿易を進展させる上においても多大の便宜を得られることは申すまでもないのであります。  そこで、この法案内容簡單に申上げますと、合衆国内にこの法律によつて設置せられる事務所は先に申しました五ケ所でありますが、尚今後必要に応じましては政令を以てアメリカ合衆国内又はその他の国々にも在外事務所設置することができることといたしてあるのであります。この在外事務所所掌事務は、領事館が行なつておりまする事務のうちで特に限られた範囲を行うことでありまして、領事館とは権限がおのずから狹くなつております。即ち所在地の地方官憲と交渉をいたしたり或いは旅券に関する事務のごときものは含まれておらないのであります。それからこの在外事務所職員はすべて外務省職員といたしまして、外務大臣指揮監督の下に置くことにして、指揮系統の混乱を防ぐことに意を用いてあります。それから尚この職員には、仕事特殊性に鑑みまして、一般職員に給せられる給與の外に尚在勤手当住居手当を支給せられることになつておりまして、その支給の方法、その額等について詳細規定があるのであります。  この法律案審議につきましては、内閣外務連合委員会を一回開きまして、又内閣委員会は二回開きました。その委員会において明らかになつ事項数点を申上げて置きます。第一は、五ケ所に設置されまする在外事務所には、所長の外に所員二名又は三名、補助職員三名又は四名の職員が置かれるということでありまして、これら五つの在外事務所所要経費は本年度一億二千三百万円であります。そうしてこのために外務省定員を増加することはいたさないということであります。そうして大体この事務所はいつまで継続するのかと言えば、講和條約が成立する頃までの暫定的なものであるということであります。第二点といたしましては、将来在外事務所設置する場合においては、法律改正の手続によらずして政令によることができるという規定があるのでありますが、法律によらずして増置することは不当ではないかという法律論がありました。ところが、これに対しまして、今日の貿易状態は全く盲貿易状態であるが故に、海外貿易振興のために一日も早くこの海外貿易状態をよく知ることが必要であるのであるから、相手国在外事務所設置することを承諾した場合には機を逸せずに速かにこれを設置する必要がある、すでに在外事務所がどういうことをするかという権限等はこの法律によつてはつきり規定してあるのであるから、設置する場所を決めるということは機宜の処置を認めて政令によつてやることが適当であるということを答えたのであります。第三には、在外事務所を指揮する系統と通商産業省との関係はどういうふうになるかということであります。これは勿論密接な関係がなければならぬということは当然でありまするが、通商産業大臣在外事務所長に対して指揮権をとるということは適当でないので、これはすべて外務大臣を経て通商産業大臣意見をこれに伝えるということになるという説明であります。その外、尚沢山質疑がありましたが、本案の可否を御決定下さりまするのには大体以上のような報告で足りるかと考えておりまするから、それは省きます。討論に入りまして、梅津委員から、政府は将来この五ケ所の在外事務所の外に尚でき得る限り他の国にも早く在外事務所を増置するように努力せられたいという強い希望が述べられたのであります。そうして本案賛成をせられたのであります。かようにいたしまして、委員会全会一致を以てこの法律案を可決すべきものと議決いたした次第であります。これを以て報告を終ります。(拍手
  10. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず北海道開発法案全部を問題に供します。委員長報告修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  11. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  12. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に賠償庁臨時設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  13. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  14. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に日本政府在外事務所設置法案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  15. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  16. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第五、質屋営業法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐登壇拍手
  17. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 只今議題となりました質屋営業法案につきまして、法案の概要と委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  現行の質屋取締法は明治二十八年に制定せられ、すでに五十年以上を経過し、その形式内容共に時代に副わない点があり、更に戰後各種の犯罪が激増し、なかんずく盗犯による国民財産の損害は誠に著しいのでありますが、その贓品が古物商及び質屋営業者、特に潜り業者の手で捌かれることが多いのであります。これらの実情に鑑み、現行法の不備を是正し、新憲法に即した改正を加えると共に、盗犯の防止、捜査、検挙の迅速化を図り、国民財産の損害を軽減しようとするのが政府提案の理由であります。  次に本法案内容を御説明申上げますと、本法案は先ず盗犯防止のため大体先に第五国会において制定されました古物営業法と同様の規定を設けております。即ち質屋になろうとする者は営業所ごとに公安委員会の許可を受けさせることとし、方許可をするときは許可証を交付し、無許可営業又は名義貸を禁止して、特に犯罪の温床となる潜り業者に対する取締の徹底を期すると共に、質屋は営業所又は質置主の住所若しくは居所以外の場所において物品を質に取つてはならないこととし、玉営業者の協力を得て贓品の発見を容易にするために、相手方の確認及び申告の制度、帳簿の記載事項及び品触れの制度を定め、又質屋が質物又は流質物として所持する物品が盗品又は遣失物であつた場合においては、善意の場合でも一年間は被害者又は遣失者に対して無償回復の請求権を認めること等を規定しております。次に質屋営業者の権利の保護のため、許可には一定の基準を設けることとし、又許可の取消又は営業の停止の場合を具体的に限定し、更に予め公開の聽聞を行うことといたしております。而して利用者の保護については、質屋営業の特性に鑑み特に次の諸点を規定しております。一、利用者の保護を考え、質物の火災盗難等の予防のため、各地域の実情に応じ、公安委員会は質物の保管設備について一定の基準を定めることができるようにしたこと。二、利率の制限については、本法案中に規定しておりませんが、質屋に対し、利率、流質期限等について、その営業所内に掲示すべき義務を命じ、その掲示事項に違反する契約は、その違反する部分に限り無効とすることに定め、流質期限については利用者保護の見地から三月以上の期限としております。三、質置主は流質期限前はいつでも元利金を弁済してその質物を受け戻すことができますが、質屋は質置主又は質物の受取について正当な権限を有することを証するに足りる資料を呈示した者以外の者に質物を返還してはならないこととしております。四、質屋は、流質期限を経過した時において、その質物の所有権を取得し、古物営業法第一條第三項の市場においても流質物を売却することができますが、その流質物を処分するまでは質置主の希望に応じて返還するように努めることといたしております。五、質物が滅失した場合等の措置について、質置主の利益のため特別の危險負担の関係規定しております。六、質屋が廃業した等の場合における質置主の利益を保護する規定を設けております。これらの点が利用者に対する保護規定でございます。  地方行政委員会におきましては、本法案につき、庶民金融機関としての質屋営業の重要性に鑑み、数回に瓦つて愼重審議を重ねましたが、その質疑応答の詳細は速記録で御承知をお願いいたします。かくて四月十七日討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手
  18. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  19. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  20. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第六、医療法の一部を改正する法律案日程第七、健康保險法等の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  21. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。厚生委員会理事藤森眞治君。    〔藤森眞治君登壇拍手
  22. 藤森眞治

    ○藤森眞治君 只今上程されました医療法の一部を改正する法律案及び健康保險法等の一部を改正する法律案に関する厚生委員会における審議経過並びにその結果を御報告申上げます。  先ず医療法の一部を改正する法律案について申上げます。  本法案は本院が先議でございまして、その提出理由簡單に申上げますると、社会保障制度の具体的構想も漸く明確になろうとしておる際でありますので、医療機関の整備につきましては、いわゆる公的医療機関の整備と併せて、私的医療機関の協力態勢を整えることの緊急なことは申すまでもないのであります。一昨年の第二国会におきまして制定されました医療法は、近代医療を行うにふさわしい諸種の條件を具備することを要請しておるのでありまするが、他面現下の経済情勢下におきましては、一般私人の手によりまする病院の建設乃至その補修維持等が極めて困難な実情にあるのでございます。従つて私人による病院の建設維持等を促進いたしますためには、一般の開業医師の中には、数人乃至それ以上の員数による共同出資により病院を建設し、或いはこれを維持して行こうとする場合が少くない現状を見まするときに、このことが痛感されるのでございます。現況におきましては、医療法は、医療事業特殊性乃至非営利性に鑑み、商法上の会社等が病院、診療所の経営主体となることを期待しておりませず、又他方すべての病院が民法による公益法人たる資格を取得するということもできない状態でございます。この点に鑑みまして、医療事業の非営利性を考慮し、本事業の経営主体に対して容易に法人格の取得の途を與えるために、現行医療法医療法人の章を追加しようとするものでございます。以上が本法案提出理由でございます。  本委員会におきましては、本法案が医療事業に及ぼす影響が大きいので、審議愼重を期したのでありまするが、委員会における質疑応答のうちの主なものを二三申上げますると、医療法設置の場合に出資者が課税の対象となるようなことはないかという質問に対しまして、出資の場合は課税の対象にはならないという政府の答弁がありました。又法人に利益が残つた場合に、配当をせず積立金とすることになつているが、課税の対象にはならぬかとの質問に対しましては、積立金は課税の対象となるが、併しこれを施設の改善に使用する場合には、民法に規定する法人等が施設の改善の費用は益金と見ず損金と見ることができることなつておりまするので、これに医療法人を含めて貰うよう税務当局と交渉して行くという答弁がございました。  以上のような質疑の後、四月十八日討論に入りましたところ、藤森委員より修正の動議が提出せられたのであります。その修正要点並びにその理由を申上げますると、本法案附則第一項中「六月」を「三月」に改めるというのであります。その理由といたしましては、この法案をより早く施行することは病院経営者にとつて有利であると共に、この法律施行に関する政府の準備が予定より早く整うに至つたので、この法案の施行期日を早める必要があるという理由によつて修正意見提出せられたのであります。これに対しまして各委員より本修正案賛成意見が開陳せられましたが、そのうち井上委員より、本法の改正によつて直ぐにも病院及び診療所の整備改善が期待されないように思うので、本法案実施されたならば、これを契機として、現在の病院及び診療所の内容、それから現行の医療法によつて整備改善されつつある病院及び診療所の整備拡充の一時も早からんことを希望して、修正案及び本改正案に賛成するとの意見の開陳がありました。又山下委員よりは、今回の医療法改正により私的医療機関の増設整備を企図されたことは、趣旨は諒とするが、提案の理由に示されてあるように、本法により医療機関の増設及び整備を図り、以て他日の社会保障制度の実施に備えるということが謳われてあるが、是非ともこの趣旨に副うように政府当局に対し要望するという希望意見を付して、修正案及び本改正案に賛成する旨の意見の開陳がありました。  かくて討論を終りまして、採決に入り、先ず修正案について賛否を諮りましたところ、全会一致を以て修正案は可決せられました。次いで修正案を除く原案につきまして採決をいたしましたところ、全会一致を以て可決せられました。よつて法案全会一致を以て修正議決すべきものと決定いたしました。  次に健康保險法等の一部を改正する法律案について申上げます。  先ず本法案提出理由について申上げます。健康保險、船員保險及び厚生年金保險におきましては、保險料等を滯納いたしました場合の延滯金の割合は従来から大体国税徴收法と同一歩調をとつてつたのでありまするが、このたび国税徴收法の一部が改正されましたのでその趣旨に同調いたしまして延滯金の割合二十銭を入銭に引下げたのであります。又徴收金額の一部について納付があつた場合には、その日以後の期間にかかる延滯金は、従来から納付済額を差引いた額について計算するように取扱をしておつたのでありまするが、この際、これを明確に規定いたしたのであります。本案は本院が先議でありまして、厚生委員会におきましては二回に亘り審議を重ねたのでありますが、本法案内容は、国税徴收法の改正に対応して今回の改正がなされたので、極めて当然の措置であるため、質疑も別段ございませず、討論を省略して採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。  以上御報告申上げます。
  23. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず医療法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長報告修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  24. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  25. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に健康保險法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  26. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。  本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会は明後二十一日午前十時より開会いたします。議事日程決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十五分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 漁港法案  一、日程第二 北海道開発法案  一、日程第三 賠償庁臨時設置法の一部を改正する法律案  一、日程第四 日本政府在外事務所設置法案  一、日程第五 質屋営業法案  一、日程第六 医療法の一部を改正する法律案  一、日程第七 健康保險法等の一部を改正する法律案