○政府委員(村上朝一君) 土地台帳法の一部を改正する
法律案の逐條につきまして御
説明申上げます。
第
一條 (土地台帳法の改正)
本條により、土地台帳法の諸
規定を改正する
理由は、次の
通りである。
「政府」を「登記所」に改める——土地台帳法は、土地台帳事務の所管庁を単に「政府」と
規定し(第
五條、第十條、第十八條等)、同法
施行規則においてこれを「税務署」又は「税務署長」と具体的に定めているが、今回土地台帳事務を税務署から登記所に移管することとしたので、これに伴
つて、土地台帳法中「政府」とあるのを「登記所」と改め、法自体において所管庁を明かにすることとした。第
一條 現在の土地台帳は、課税台帳である点に主たる意義を有していたため、土地台帳の登録も、土地の状況を明確に把握して地租の課税標準たる土地の賃貸価格の均衡適正を図ることをその目的としていたのであるが、台帳事務が登記所に移管されると、土地台帳は土地の状況を明確にするための、地籍簿たる性格を有することとなるので、その趣旨に従
つて本條を改めることとした。
なお、台帳事務の管轄と不動産登記事務の管轄とを一致させ、同一土地については、いずれの事務も同一登記所が掌ることとするために、本條に第二項を新設した。第三條 委任
規定の趣旨を明確にするため「命令」を「政令」に改め、地方税法の改正により「鉄道用地、軌道用地」が課税物件とされるのに対応して、これを第二種地から除くこととした。第四條 地方税法の改正により土地台帳に賃貸価格を登録する必要が消滅したので、これを廃止することとしたが、本條の改正は、これに伴う
規定の整理である。第
五條 同右。なお、第二項を削
つたのは、これに代る第四十三條の四を新設したからである。第九條 地方税の改正により、従来の「賃貸価格」に代えて、今後は課税物件たる土地についてその「価格」を市町村長が決定することとなるので、その通知(地方税法改正案第四百三十六條)に基いてその価格を台帳に記載し、これを登記の登録税の課税標準価格の認定の参考に供しうることとした。第十條 「賃貸価格」の廃止及び第十九條の改正に伴う整理である。第十
一條から第十七條まで賃貸価格の廃止に伴う整理である。第十九條 現行法には土地の滅失の場合の申告の
規定がないが、(一)家屋台帳法には、家屋の滅失の場合の申告の
規定があるので(現行法第十八條、改正案第十
五條)、これとの均衡を
考慮し、又(二)不動産登記法においては、土地の滅失の登記が、土地台帳の登録を前提としているので(同法第七十九條、第八十條)、これとの
関係をも
考慮して、現行法の不備を補うために、土地の滅失の場合にも申告を要するものとしたのである。
なお、現在では、本條の但書により、予め政府の許可を受け(例えば墓地の新設、公立
学校地の選定)、政府に申告し、(位置の変更以外の
学校用地の変更)、又は官公署において公示した(例えば保安林の編入、道路の認定)ものについては、申告を要しないこととな
つているが、登録の正確を期する
意味で、これらの場合にも一応申告を受けるのが相当と
考えられるので、この但書を削ることとした。第二十二條 現在は、第二種地が第一種地にな
つた場合にのみその地積を改測し、第一種地が第二種地にな
つた場合には改測をしないことにな
つているが、これは現在の土地台帳が課税台帳である
関係上、非課税物件たる第二種地にな
つた場合には、特に改測をする必要も存しなか
つたことによるものである。今後は土地台帳が地籍簿として一切の土地の状況を明確にする目的を有することになるのであるから、いずれの場合にも、原則として地積の改測を行うべきものとした。第二十三條及び第二十四條「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。第二十七條 現行法の本條第三号によると、一筆の土地の一部が所有者を異にするときは、政府(税務署)は職権でその土地を分筆することとな
つている。然し、土地所有権の移転は、まずその登記をした後、不動産登記法第十
一條の
規定により、登記所から台帳所管庁(税務署)にこれを通知し、その通知に基いてはじめて台帳にその登録がなされることとな
つており、土地の一部の所有権移転登記をするには、その前提として土地台帳法第二十六條による分筆を必要とするので、通常は、本條第三号により分筆をする余地は生じないわけである。ただ例外として、未登記の土地が収用された場合には、起業者はその旨を台帳所管庁に申告する取扱いとな
つており、この場合には、土地台帳法
施行規則第四條第三号(改正後の法第四十三條の二)の
規定により、登記所からの通知を俟たないで所有権の移転(所有者の変更)を登録しうることとな
つている。従
つて一筆の土地の一部の収用によ
つて所有者を異にするに至
つた場合には、本條第三号の
適用があることとなるが、この場合以外には本條第三号の
適用の余地がないので、この
意味を明らかにし、
規定の趣旨を分り易くするために、本條第三号を改めることとした。第三十條 「賃借価格」の廃止に伴う
條文の整理である。第三十
一條 土地台帳を地籍簿として
考える場合には、地目変換は、第二種地についても第一種地と同様に認めるべきであるから、その趣旨で本條を改めることとした。第三十二條 前條の改正を承けて、第二種地の地目変換についての申告の
規定を設けた。これを第二項としたのは、第十八條、第十九條との振合上第二種地に関する申告については、第一種地と区別して罰則を設けないこととするためである。(改正後の第四十七條参照)第三十三條 「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。第三十四條 同右。(旧第三十
五條から旧第三十七條まで)「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。新第三十
五條 (旧第三十七條の二)第三十七條の五及び第三十七條の七から第三十七條の十二までを削除したのに伴う整理である。(旧第三十七條の三)「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。新第三十六條 (旧第三十七條の四)第二十三條、第二十四條及び第三十條を削除したための
條文の整理である。(旧第三十七條の五)「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。新第三十七條 (旧第三十七條の六)「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。(旧第三十七條の七から旧第三十七條の十二まで)第三十七條の五と同趣旨である。新第三十七條の二 現行土地台帳法
施行規則第
五條と同趣旨の申告義務に関する
規定である。新第三十七條の三 現在土地台帳の謄本の交付については、土地台帳法
施行規則第六條に
規定されているが、その閲覧は許されないこととな
つている。
然し、台帳事務と登記事務とが今後同一登記所において取扱はれることとなれば、登記手続上必要とされていた台帳謄本の添附は不要となるが、登記の申請は台帳と符合していなければならないから登記申請人に対して台帳の閲覧を許す必要を生ずるので、従来の
施行規則第六條をその趣旨に従
つて整備した上本條にこれを定めることとした。
なお、台帳の閲覧、謄本の交付についての手数料の額は、登記の場合と同様に政令で定めることとした。新第三十七條の四 現行の土地台帳法
施行規則第十條と同趣旨である。第三十八條 土地台帳に登録した事項に変更を生じた場合、例えば第一種地と第二種地との間の転換、地目変換のあ
つた場合には、申告に基いて地目の修正、地積の改測が行はれ、登録事項の修正がなされることは第二十
一條、第二十二條、第三十三條及び第三十四條に特に明記されているが、台帳の登録及び修正は、本来所管庁が職権をも
つて行うべきものであるから、特に各本條ににおいて登録を修正すべき旨を
規定していない場合でも、登記事項に変更を生じた場合には、その登録を修正すべきものである。本條第一項は、このことを明かにした。例えば、第三十七條の二は、登録された者の住所氏名に変更を生じた場合の申告に関する
規定であるが、その申告のあ
つた場合の登録の修正は勿論、行政区画の変更に伴う字の名称、地番の変更の場合の登録の修正も本條第一項の
規定によ
つてなされることになる。
第二項は、台帳の登録に誤謬がある場合の訂正に関する
規定である。これによ
つて登記所が、登録の誤謬を発見した場合には、職権をも
つてその登録を訂正することになる。なお、現在実際の取扱上誤謬訂正の申告を許しているが、登記所の職権行為の発動を促す
意味において、将来もこの取扱を踏襲し、
施行細則において、これを
規定する予定である。第三十九條 現行の第三十八條及び第三十九條に相当する
規定である。ただ、現行の第三十八條では市町村長に対する登録事項の異動通知については期間の制限が設けられていないけれども、今後は市町村においては土地台帳の副本を固定資産課税台帳の一部として、これによ
つて固定資産税を課することとなるので、登記所から市町村長に対する通知には特に迅速を要することとなる。そこで、現在の第二十八條に相当する本條第一項においては、特に台帳の登録、修正又は訂正の後十日以内にこれを通知するべきものとした。
第二項は、現行法の第三十九條に相当する
規定である。現行法では、土地の異動に関して台帳に登録したときは、必ず市町村長を経由して所有者(又は地上権者、質権者)に通知することとな
つているが、改正案の第四十
一條の三によれば、申告者は登記所に出頭して直接申告することもできるので、その際直接申告者に通知することも可能であり、又申告
通りの登録修正又は訂正があ
つた場合には、必ずしも申告者にその結果を通知することを要しないとも
考えられるので、この通知に関しては、法務府令で具体的に定めることとした。第四十條 現行の第四十條による新所有者からする申告は、異動申告が罰則によ
つて強制される場合に限られているが、今後土地台帳が地籍簿たる性格を具えることとなると、申告についての罰則のない場合も同様に取扱うのが相当と
考えられる。この趣旨の下に本條に第二項を追加することとした。第四十
一條 本條は、現行法と同趣旨であるが、現行法では、所有者の申告義務と質権者又は地上権者の申告義務との
関係が明確でなく、又質権者又は地上権者にも第四十條の
規定の
適用があるか否か形式的には疑問を生ずる憾があるので、本條の場合には質権者又は地上権者のみが申告義務を負う旨を明かにするとともに質権者又は地上権者にも第四十條が
適用されることをも明かにするために
規定を改めた。第四十
一條の二 不動産登記法第二十八條の二、第百三條第二項又は自作農創設特別措置登記令第七條等によれば、官公署、土地収用における起業
者等は、前提登記として不動産の表示、登記名義人の表示の変更、相続による所有権移転の登記を、本人に代位して嘱託し又は申請し得ることとな
つているが、これらの場合には、前提として土地台帳法による登録の修正を要するのが通常である。しかし、土地台帳法には、不動産登記法に相当する代位申告の
規定が存しないため、これら不動産登記法等の
規定の運用の余地が極めて少く、取扱上不便とされていたので、
法令により代位登録を嘱託し又は申請し得る場合には、その前提として土地台帳法による申告をも代位してなし得るものとし、以上の不便を取り除くこととした。第四十
一條の三 現行土地台帳法
施行規則第七條によれば、土地台帳法による申告は、すべての市町村長を経由してすることとな
つているが、台帳事務が登記所に移管された後は、直接登記所に申告するのが便宜である場合も
考えられるので、今後は、直接又は市町村経由のいずれよ
つて申告することもさしつかえないものとした。但し本改正案による不動産登記法第三十九條の二又は第八十條の二の
規定により申告と同時に登記の申請をする場合には、登記手続上、市町村経由とすることは許されないので、この場合には、直接登記所に申告すべきものとした。
本條第二項は、現行土地台帳法
施行規則第七條第二項と同趣旨である。第四十二條 現行土地台帳法
施行規則第十二條と同様の趣旨の
規定を第二項として追加することとした。第四十三條 現行の
規定を地方税法に合はせるため整備することとした。第四十三條の二 本條第一項は、現行土地台帳法
施行第四條に相当する
規定である。ただ、現行法には土地の滅失の場合についての
規定が存しないが、さきに第十九條の本文を改めたのと同様の趣旨により、あらたに本條に第四号を設けて、右の
施行規則の
規定の不備を補うこととした。
なお、権利の変動に関する事項を台帳に登録するには、現在では不動産登記法第十
一條の
規定による登記所からの通知を俟
つてその通知に基いて台帳所管庁が登録することとな
つているが、今後はその通知が省けるので、本條第二項を設けて、台帳に登録すべき権利の変動について登記したときは、登記所は、これに基いて台帳に登録すべきものとした。第四十三條の三 前條第一項第二号の
規定が存する以上、未登記の土地を収用した場合の申告に関する
規定が必要なわけであるが、従来家屋については家屋台帳法
施行規則第十條第一項に相当
規定があるのに拘らず、土地に関しては何等
規定することがなか
つたので、本條を設けてその不備を補うこととした。第四十三條の四 現行土地台帳法第
五條第二項附則第十二條等に相当する
規定である。第四十
五條 地方税法の罰則との均衡を図るために罰則を強化することとした。第四十六條 「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。第四十七條 第四十
五條と同様罰則の整備である。(附則第七條から第十三條まで)これらの
規定は、今後においては存置する必要のないものであるが又は修正して本法中に取り入れることとしたので、すべて削除することとした。第二條 (家屋台帳法の改正)
本條により、家屋台帳法の諸
規定を改正する
理由は次の
通りである。第
一條 土地台帳法第
一條の改正と同様の趣旨である。第三條 「賃貸価格」の廃止に伴い
條文を整理するとともに、現行の第四條第二項に相当する
規定を第三項に定め、現行の第四項に相当する
規定を第四條第二項に設けたので、本條第四項を削除することとした。第四條 現行の第
五條の
規定を整理して本條に定めることとした。第
五條 土地台帳法第九條と同趣旨である。第六條 現行法には、第十三條第二項の場合の外には、本條に相当する
規定は存しないが、異動の登録が結局において職権でなさるべきことは土地の場合と同様であるので、土地台帳法第十條と同趣旨の
規定を設けることとした。第七條から第十三條まで「賃貸価格」の廃止に伴う整理である。第十四條 土地台帳法第十八條に相応する
規定であ
つて、家屋の価格を記載すべき家屋として登録することを要する家屋の異動申告について本條に
規定するとともに、国有の家屋が払い下げられた場合の如く台帳に登録することを要しない家屋が登録を要する家屋とな
つた場合の申告に関する
規定をあらたに設け、従来の
規定の不備を補うこととした。第十
五條 土地台帳法第十九條に相応する
規定であ
つて、家屋の価格を記載しない家屋として登録することを要する家屋の異動申告について、本條に
規定した。現行の第十四條に
規定する事項の一部と第十八條に
規定する事項とを併せて
規定したものである。第十六條 現行の家屋台帳法第十
五條第二項の申告と同法
施行規則第十
一條の申告と併せて
規定したものである。第十八條 現行の第十八條に相当する
規定を第十
五條に設けたのに伴う整理である。第十九條 土地台帳法第四十條と同趣旨である。従来この
規定が存しなか
つたので、あらたに本條を設けて、その不備を補うこととした。第二十條 土地台帳法第四十
一條の三と同趣旨である。(旧第二十
一條)現行の第十九條から第二十
一條までは、賃貸価格の決定に対する不服申立に関する
規定であるが「賃貸価格」の廃止に伴い、これらの
規定は、すべて不要となるので、実質的に
内容の改められる第十九條、第二十條を除き本條のみを削除することとした。(旧第二十二條及び旧第二十三條)新設の第二十二條において本條に相当する土地台帳法第三十九條の
規定を準用することとしたので、本條を削除することとした。新第二十
一條 (旧第二十四條)土地台帳法第四十二條第二項と同趣旨である。新第二十二條 (旧第二十
五條)土地台帳法の
規定の準用
規定である。新第二十三條 土地台帳法第四十三條の四と同趣旨である。新第二十四條 (旧第二十六條)(現行
通り)新第二十
五條 (旧第二十七條)(旧第二十八條)新第二十六條 (旧第二十九條) 現行法第二十七條から第二十九條までの改正は、土地台帳法第四十
五條から第四十六條までの改正と同趣旨である。(附則第
五條から第九條まで) これらの
規定は、今後においては存置する必要のないものであるか又は修正して本改正
法律附則に取り入れるのが適当と
考えられるものであるのですべてこれを削除することとした。第三條 (不動産登記法の改正)
本條により、不動産登記法の諸
規定を改正する
理由は、次の
通りである。第十
一條 本條は土地台帳及び家屋台帳の所管庁に対する登記済の通知に関する
規定であるが、台帳事務が登記所に移管された後は、本條は不要となるので、これを削除することとした。第三十九條の二 土地台帳及び家屋台帳の事務を登記所で掌ることとする場合には、可能の範囲内で土地台帳法又は家屋台帳法による申告と登記の申請とを兼ねて一個の手続でなし得るものとするのが一般民衆にと
つても便宜である。この観点から、土地台帳法又は家屋台帳法による住所又は氏名、名称の変更の申告をする場合に、登記に要する登記税を別に納付するときは同時に登記名義人の表示変更の登記の申請があるものとみなして、台帳法上の申告書のみで登記の申請をもなし得るものとした。第四十九條 不動産の表示変更の登記及び所有権保存の登記の申請をする場合には、土地台帳又は家屋台帳の謄本によ
つて土地家屋の状況又は所有者が登記申告書の記載の
通りであることを証明しなければならないこととな
つているが、台帳事務が登記所に移管された後は、右の謄本を登記所に提出は不要となり、その代りに登記所において登記申請書の記載事項が土地台帳又は家屋台帳自体に符合するかどうかを調査して、不符合の場合には登記の申請を却下することができるようにしなければならないので、そのために本條に第十号を加えることとした。
次に新設の第四十九條の二の
規定によれば、登記簿上の不動産の表示又は登記名義人の表示が土地台帳又は家屋台帳と符合しない場合には、登記の申請によりこれを符合させた後でなければ他の登記の申請をすることができないこととしているので、登記簿と土地台帳又は家屋台帳とが不符合のままで登記の申請があ
つた場合の申請却下について本條第十一号を加えることとした。第四十九條の二 台帳事務と登記事務とか同一登記所で取り扱われる以上、台帳の記載と登記簿の記載とは、可能の限り一致せるようにすべきである、しかし、この際すべての不動産についてその不一致を是正することは事実上不可能であるからこれを最少限度に一致させる措置として、登記申請の機会に不動産の表示又は登記名義人の表示の不一致を申請によ
つて是正することを要するものとした。第八十條 台帳事務移管により土地台帳謄本の添付が不要となるのに伴う整理である。第八十條の二 土地台帳法による地目の変更、土地の滅失、分筆又は合筆に関する申請書が同時に土地の表示変更の登記の申請書を兼ね得るものとし手続の簡易化を図
つた規定であ
つて、その趣旨は第三十九條ノ二と同様である。第九十條 登記簿における土地の表示の記載は、土地台帳の記載を基礎とするものであるから、第八十條ノ二の
規定により台帳法による申告と登記の申請とが同時になされた場合にも、先ず台帳の登録をした後登記すべきことを明かにした。第九十
一條 現在の第九十
一條には建物の「種類」の変更の登記に関する
規定が欠けているので、この不備を補うこととした。第九十二條 第八十條及び第九十
一條の改正と同趣旨である。第九十二條ノ二 家屋台帳法による附属家屋の建築、家屋の増築、滅失又はその所在、種類若しくは構造の変更に関する申告書が同時に建物の表示変更の登記の申請書を兼ね得るものとし、手続の簡易化を図
つた規定であ
つて、その趣旨は、第三十九條ノ二及び第八十條ノ二と同様である。第九十三條第百條第九十
一條の改正と同趣旨である。第百條ノ二 登記所が土地台帳、家屋台帳の所管庁となる結果の
條文の整理である。第百二條ノ二 家屋台帳の登録と建物の表示変更の登記との手続上の順序に関するものであるが、その趣旨は、第九十條と同様である。第百
五條第百六條登記所に土地台帳及び家屋台帳を備える以上、所有権保存の登記の申請の場合には、申請書の記載と台帳の記載とが符合すれば足り、特に台帳の「謄本」を提出して所有権を証明する必要がなくなるのでその趣旨において
條文を整理することとした。第百七條ノ二 家屋台帳法による家屋の建築の申請書が同時に建物の所有権保存の登記の申請書を兼ね得るものとし、手続の簡易化を図
つた規定であ
つて、その趣旨は、第三十九條ノ二、第八十條ノ二及び第九十二條ノ二と同様である。第百八條ノ二 家屋台帳の登録と建物の所有権保存の登記との手続との順序に関する
規定であるが、その趣旨は、第九十條と同様である。第百十條 第百
五條及び第百六條の改正に伴う整理である。第四條 (
昭和十七年
法律第六十六号不動産登記法中改正
法律の改正)
昭和十七年
法律第六十六号不動産登記法中改正
法律の附則第二項から第五項までの
規定は、家屋税法
施行当時のものであ
つて、家屋台帳事務が登記所に移管された後は、その存置の
理由が消滅するもの又は少くなくとも用語において正確を欠くものを生ずるので、この際これらの
規定を削り、今後もなお必要と
考えられる事項については本改正
法案の附則において
規定することとした。第
五條 (法務府設置法の改正)
土地台帳及び、家屋台帳に関する事務を登記所で掌ることとするために、本條により法務府設置法第八條及び第十三條の二を改正して、法務府民事局及び法務局、地
方法務局の所掌事項中に、更に「土地台帳及び、家屋台帳に関する事項」を加えることとした。
附 則第一項
施行期日に関する
規定であるが、本改正
法案には、地方税法改正
法律案の
規定を承けて設けられた
規定があるので、同法の
施行と同時に本改正法を
施行する必要がある。当初地方税法は、四月一日から改正の見込であ
つたので、本項においても、同日
施行する旨
規定を設けた。第二項 現行家屋台帳法附則第
五條により、賃貸価格を定めない家屋については、現在家屋台帳の登録を行
つていない。本改正法
施行後も、家屋の価格を記載しない家屋について一斉に登録することは、目下の状況上不可能と
考えられるので、当分の間、従前の附則第
五條と同様にこれらの家屋については家屋台帳法を
適用しないこととした。第三項 現在の家屋台帳法附則第六條と同一趣旨である。第四項 台帳事務移管は、現在の賃貸価格の調査及び決定に関する部分を除き大体において現行の取扱を踏襲することとな
つているので現在の土地台帳、家屋台帳及びこれ等の副本はそのまま改正法による土地台帳、家屋台帳及びその副本とみなし、新にこれらの簿冊を作成する手数と経費との節減を図
つた。第五項 現行の土地台帳法第四章及び家屋台帳法第四章の
規定を廃止したのに伴う経過
規定である。第六項 罰則を改正することとしたのによる経過的措置である。第七項 地方税法改正
法律案第三百四十八條第二項第七号及び第九号によれば、史蹟名勝天然記念物保存法によ
つて史跡名勝として指定又は認定された土地、重要美術品等の保存に関する
法律によ
つて重要美術品として指定又は認定された家屋等、社会事業法、更生保護事業法、生活保護法による保護施設、児童福祉法による児童福祉施設等に対しては国定資産税を課することができないこととな
つており、従
つてこれらの土地家屋については地方税法による価格が定められないのである。しかし現行の土地台帳法又は家屋台帳法によれば、これらの土地、家屋は課税物件として賃貸価格を定めてあるので、今後価格を定めないものとな
つた場合には、その旨を台帳上明かにしておく必要があるので、本項の
規定により、土地、家屋の所有者から一定の事項を登記所に申告させることとした。第八項
昭和十七年
法律第六十八号附則第二項前段の
規定は、台帳事務の移管後は不要となるが、同項後段の手続は今後もなお存置する必要があるので、同項の表現を改めて本項に
規定を設けることとした。第九項
昭和十七年
法律第六十八号第三項の
規定により、家屋税を課さない建物即ち現在の賃貸価格の定めない家屋は、家屋台帳に登録されない
関係上、不動産登記法第百六條の改正
規定(
昭和十七年
法律第六十八号による)による所有権保存登記をすることができないため、その改正前の
規定によ
つて所有権保存の登記をすることとな
つている。この点は、今後地方税法による固定資産税を課することのできない家屋即ち本法による改正後の家屋台帳法第
五條の
規定により家屋の価格を記載しない家屋についても同様であるから、
昭和十七年
法律第六十八号附則第三項の
規定の表現を改めた上同様の趣旨の下に本項の
規定を設けることとした。第十項
昭和十七年
法律第六十八号附則第四項前段の
規定も、台帳事務移管後は、不要となるけれども、同項後段の手続は将来も存置する必要があるので、同項の表現を改めて本項に
規定を設けることとした。