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1950-05-01 第7回国会 参議院 農林委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年五月一日(月曜日)    午前十時二十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○競馬法の一部を改正する法律案(衆  議院提出) ○競馬法の一部を改正する法律案(衆  議院提出) ○農林水産業施設災害復旧事業費国庫  補助暫定措置に関する法律案(内  閣提出・衆議院送付)   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) これより農林委員会開会いたします。まず競馬法の一部を改正する法律案(衆第二十三号)及び同(衆第十八号)を議題にいたします。ちよつと速記を止めて下さい。    午前十時二十六分速記中止    ——————————    午後零時十九分速記開始
  3. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。ではこれにて暫定休憩いたします。    午後零時二十分休憩    ——————————    午後二時五分開会
  4. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) これより休憩前に引続き会議を開きます。ちよつと速記を止めて下さい。    午後二時六分速記中止    ——————————    午後四時十九分速記開始
  5. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい、では休憩いたします。    午後四時二十分休憩    ——————————    午後六時五分開会
  6. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは休憩前に引続いて委員会を再会いたします。  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定的措置に関する法律築につきまして、一昨日に引続いて御審議をお願いいたします。この問題に関連しまして、一昨日も南海震災災害復旧について、加賀さんからもいろいろ御質疑がございましたが、この際、先般参議院の本会議決議を見ました南海震災復旧促進についての決議提案者である久松定武さんがお見えになつておりまして、委員外でありますけれどもこの問題について御質疑を希望しておられますので、御質疑をして頂くことにいたします。ではどうぞ久松さん。
  7. 久松定武

    委員外議員久松定武君) 委員外の者でございますが、発言をお許しを頂きまして誠に有難うございます。  先般本会議におきまして中平議員より緊急質問があり、このたび又私から南海地震についての農地並びに飲料水についての決議案を出した次第でございますが、特にこの法案を見ますると、最も南海震災でひどくやられておるところの地帶災害復旧費に対しては、高額の補助を規定されたようでありまするが、震災の直後から徐々に伊四国でも特に瀬戸内海に面しました愛媛県の地帶を中心といたしまして、御承知のような今日は惨状を呈するようになつたのであります。特に農耕地におきましては約一万町歩に近い地帶が、二毛作のものと塩の害のために一毛作になる、又米を作りましても塩水が非常に高度のために半作若しくは全然できないというような地帶もできまして、目下相当に耕作を放棄しておるような地帶も多いのであります。ところが政府におきましても相当関心を持つて頂いておるのではありますが、一番農林省がまだ多少この沈下についての疑問を持つておられるように私は感ずるのであります。常に建設委員会その他で国土計画の見地から質問をいたしましても、まだ下るかも知らんというような御意向を持つておられるように私は感知するのでありまするが、併しこれをいつまでも放置しておけば極端に申せばオランダのような地帶になる虞れもあるというような所もあるのであります。ところがこのたび災害復旧費暫定措置法律案を拜見いたしますと、震災でそのときに被害を蒙つたことの甚だしいところに対しての復旧国庫負担補助が出ておるのでありまして、南海地震と共にその後に生じたところの補助というものが全然見当らない。こういう点に私は疑問を持つたのでありますが、その後委員長初めいろいろの方に伺いまして大体の事情は了承いたしたのでありまするが、この二十五年度を機会にいたしまして、政府といたしましてはそういう地帶に対して今後やはりこれと同様な一つ国庫補助というものを高額にやつて頂けるものでありましようか。若しやつて頂けるのでありましたらこの二十五年度からやつて頂けるものでありましよか。或いはこの法案以外に特別の立法を考えられていなさるでありましようか、その点をちよつと伺いたいのであります。
  8. 山添利作

    政府委員山添利作君) 地震等に伴いまして各地地盤沈下するというような被害に対しましては、復旧いたしますことは当然でございまして、現に各地に起りましたものにつきましては、二十四年度から高潮災害というような名前で復旧の助成をいたしておるのであります。ただ南海震災で規定しておりまする通常の補助率以上の補助率を、後に取上げました災害復旧に適応いたして参るということは困難と考えております。
  9. 久松定武

    委員外議員久松定武君) 私の希望いたしますところは、事実上地盤沈下による、普通の災害ではなく徐々に起つて来たところの災害というものが、普通の災害と同一に見られない。そういうところに眼に見えない長年の年数を経て来ての災害というものに対しての今後の観点というものも考えて頂かなければ、この問題はなかなか解決しないだろう、こう思うのでありまするが、今のような南海地震後と申しますか、直後から継続して今日に至るような災害を救うのには、然らば政府としての何か腹案がおありになるか。もう一度申しますけれども、立法される御意思がおありになりますかどうか、その点を伺いたいのです。
  10. 山添利作

    政府委員山添利作君) この法律適用いたしまするのは、自然の不可抗力によつて生ずる災害を凡そ網羅しておるのでありまして、従つてここに法律案に挙げております原因について事例を挙げておりまするが、これはあそこに書いてありますこと以外についても、地辷りでありましても、地盤沈下ということでありましても当然含まれておるわけでありまして、同じくこの法律適用になるものと考えているわけであります。
  11. 久松定武

    委員外議員久松定武君) そうすると、適用があると思うと言われますと、結局そういう沈下による災害というものは、地震原因となつても来ておりまするから適用をされる、そういうことなのでありますか。
  12. 山添利作

    政府委員山添利作君) 適用されるわけであります。
  13. 久松定武

    委員外議員久松定武君) そうすると、それは二十五年度以後の問題になりますのですか。
  14. 山添利作

    政府委員山添利作君) この法律は二十五年度以降に適用するのでありまするから、その前の災害というのではおかしいのでありますが、二十五年度からこの法律適用するのでありますが、今おつしやいました地震を契機として、その後に段々現われて来る被害につきましては、すでに現われたもの及び今後生ずることになりますものも同様に国庫補助対象になるわけであります。
  15. 久松定武

    委員外議員久松定武君) そうするとあらゆる地盤没下というのはすべて特別の立法はなされない、これによつてつて行く、こういうことになりまかす。
  16. 山添利作

    政府委員山添利作君) この法案に含まれると考えております。
  17. 久松定武

    委員外議員久松定武君) どうぞ一つ政府当局の方々も、是非愛媛県のことも十分御考慮を頂きたい、こう存じます。私の質問はこれで打切ります。
  18. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 久松さんの御質問なつた御趣旨は、一昨年の委員会でも申方げたようにこういうことなんです、南海震災で非常に損害を受けた、それについて従来八割五分乃至九割の補助農地及び農業用施設に構ぜられて来ておつた。ところが愛媛県だけはこの表にもないように後からそういう被害が段々と出て来たために、当時補助対象になつた高知その他の県に比べて補助の割合が少い、そこで不公平じやないか、こういうのが一昨日も出た問題なのです、それに対して政府の方の御答弁は、成る程そうだ、併と現在愛媛県に起つておるような昭和二十三年の地盤没下、そりから二十四無の高潮災害、こういうものに対する補助は、現在愛媛県にやつたと同じように高知或いは他の四国の県においても同樣に農地五割、農業用施設六割五分というふうにやつておるので、特に愛媛だけにするのが悪いとか或いはいいとかという問題ではなくて、この問題は四国全体を通じた問題であり、而も二十三年、二十四年と引続いてやつておるので、この法律は大体従来と同じようなことを継続して行く建前にしておるのだから、それに過去の分についての補助率を上げるという遡とては困難であると同時に昭和二周五年度においても同樣に困難である。併しそれは愛媛県だれではなくて同樣の取扱において他の府県もやつておるのだからまあ我慢して貰いたい、こういう政府答弁であつたのです。一応その政府の御亭弁は諒とせられるのですが、併と最初に申上げたように、たまたま被害が緩慢に後から起つて来たために、他の県の補助率八割五分乃至九割といあものに比べていかにも不公平に聞える、こういうことなのですね。従つて地盤没下の点は勿論、愛媛県のもならず徳島、香川、高知にもあろうと思いますが、特に愛媛被害が大きく、而も補助を受ける恩恵の度合が薄いといいことになるので、この問題について特に先般本会議決議が行せれ、農林大臣からもその点については十分に善処をしたい、こういうような答弁もあつたような次第で、従つてこの問題については建設、厚生及び農林の各委員会で、選挙が済みましたらそれぞれの委員会から専門員等も派遣をしてよく実情調査し、できるだけこの災害復旧の対策については努力をする、こういうふうに考えておりますので、政府においても特にその点は十分頭に置いて頂いて御盡力を賜わりたい、かように思います。
  19. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 一昨年の委員会におきまして間違つた説明を申上げたのであります。と申しますのは、林業用施設復旧につきましては、当年度の発生にかかるものは全額特例による、従来のものはこの法律によるというふいに御説明申上げたのであります。これは誤りでありまして、私の考え違いであつたのでありまして、誠に御迷惑をおかけいたしたのでありますが、委員長初委員方お話通りに、当年度に発生いたしたものをこの法律事業をいたしまして、爾余の、従来のものは従来行なつておりまする補助規定によつて事業をして参るというふうになつておりまして、大変御迷惑を掛けて済みませんでした。
  20. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 外に御質疑ありませんか。
  21. 小川久義

    小川久義君 この法律施行後やることは分りますが、過去のやつたことと二つに分れますと、過去のやつがほつかられる虞れがある。特に富山県でこの間実情を見て来たんですが、下新川郡の片貝谷村が山崩れになりまして人家が七、八軒も埋まり農地が埋つた。それを行つて見ると金がなくてやれんと言つておる。而も山の諸々に亀裂を生じまして、あの山が根こそぎ出て来てしまつた場合には高の村は全部潰れてしまう、埋つてしまうという危險な状態になつておる。この間林野庁行つて、直ちに技術家を派遣した貰うように言つて来ましたが未だに派遣していない。それから同じ下新川郡の宮崎村というのがあるのですが、そこの田圃が没下した、農地没下があり、一眼題ても分るのでありまして、この法つの境目が古い奴がほつかられる虞れがある。これに対しては十分政府の方でも法律が出たら法律施行後のやつは急がれて、そうして過去のものはほつかられるということにならんように特に御配慮願いたい。今申上げました二つに対してはどういう恰好になつておりますか。お分りになる方があれば御説明願います。
  22. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) この法律の審査の途中におきまして、私共といたしましては只今お話のように新しくできます災害につきましては、この法律に取入れて参るということを主張して参つたのでありますが、只今お話のような地滑りといえようなものは災害予防であつて災害防止成設復旧という解釈はできないというので、従来の補助規定によるということになつておりまして、只今小川さんのか話の、現地調査は私共の技官が二十七日の出発して調査に参つております。
  23. 小川久義

    小川久義君 ところが補助がなくて何もできないのです。復旧でないとううことはおかしいので、山が崩れて人家が埋まつてしまう、人も死んでおる。そのくらいのやつは復旧でなくして、何で予防というのですか。
  24. 楠見義男

    委員長(楠見義君) ですからそれはやはり補助対象としてやると言つておるのですよ。
  25. 小川久義

    小川久義君 ところがやるというのは口ばかりで実際にはやつておらん。又向うへ行つておる県から出張しておる役人がそのように言つておる。現状を見てはやらざるを得んが金がなくてやれないということを、あすこに出張員がおりますが、その出張員が涙で頼んでおる有樣で、口だけで金がなくて工事がやれないというわけです。
  26. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 只今申しましたように岩岡という技官が二十七日に出発いたしまして現地をよく調査をいたしまして、その結果によつてできるだけ早く復旧のできるような処置を講じたいと思つております。
  27. 小川久義

    小川久義君 何とぞお願いいたします。
  28. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 少に御質疑がなければこれより農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律案議題にいたしまして討論採決に入ります。
  29. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 先に来朝したシヤウプ使節団は「中央政府災害復旧に対する財政上の全責任を引受けてよいであろう」と勧告しており、災害復旧国家再建上最喫緊の要務であるの鑑みまして、勧告の有無に拘わらず、政府災害の速かなる復旧に対し最善の努力を拂うべきであるのでありまして、況んや勧告がありました以上、当然その勧告に従うべきものと考えます。現に別途提案をられております、昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案においては、一般土木関係復旧に対しては、全額国庫が負担することになつているのであります。然るにひとり農林水産業施設復旧に関しては、部分的補助となつていることは全く了解に苦しむところであります。  災害復旧に関する昭和二十五年度公共事業費予算を見ましても、昭和二十四年度に比べてその総額は増額しておりますが、併し農林水産関係は減つているのでありまして、この点から見ましても農林水産業が如何に恵まれていないかを痛感するのであります。従つて農林水産施設つていもシヤウプ使節団勧告の副い、他の災害復旧と同樣、全額国庫負担を以て必要な復旧が速かに完成できるよう、速かに適当な措置をなすべきであります。  本法案によりこれを農地及び農業用施設について見れば、国が行う補助率は第三條によつて今後農地関係十分の五、農業用施設関係十分の六・五となることになつておるのでありまして、附則第二項によつて一部特例は設けられておりますから、今後異常な災害の起つた場合にはその補助率は第三條の低率に抑えられることになり、再考慮せられたいのであります。  災害復旧に対して従来のように陳情これ努めなければならないようなことは実に苦々してことでありますから、今後は本法の運用に遺憾なからしめ、公正迅速且つ円滑に復旧が行なわれるように努むべきであります。  本法律案は以上申述べました外にもいろいろ問題がありまして、この際政府に対して再考を求めたいのでありますが、併し本法律案の成立によつて少くも昭和二十五年度においては大体前年度の線において農業災害復旧に対する国の責任が法制的に確定することとなり、被災者においては一応安心して復旧事業を進めることができることとなるわけでありますから、政府においてできるだけ早い機会において前に述べました点は勿論、その他についても改正せられることを期待して本法律案に賛成いたします。
  30. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 外に御発言もなければこれより採決いたします。  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定予算に関する法律案につきまして原案通り賛成の方の起立を求めます。    〔総員起立
  31. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 総員起立、よつて本法全会一致を以て可決することに決定いたしました、それでは例により順次御署名願います。   多数意見者署名     羽生 三七 池田宇右衞門     藤野 繁雄  岡田 宗司     門田 定藏  柴田 政次     加賀  操  徳島 宗敬     山崎  恒  岡村文四郎   —————————————
  32. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後六時二十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君           池田宇右衞門君            藤野 繁雄君    委員            岡田 宗司君            門田 定藏君            柴田 政次君            國井 淳一君            加賀  操君            徳川 宗敬君            山崎  恒君            岡村文四郎君            小川 久義君   委員外議員            久松 定武君   政府委員    農林事務官    (農地局長)  山添 利作君    林野庁長官   横川 信夫