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1950-04-26 第7回国会 参議院 農林委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十六日(水曜日)    午後三時二十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○自作農創設特別措置法の一部を改正  する等の法律案内閣提出衆議院  送付) ○農業協同組合法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 只今から委員会を開きます。最初に自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案を議題にいたします。この件に関してこれから三日程の間に質疑を盡して頂きたいと考えておりますが、どうか御質問をお願いいたします。
  3. 岡田宗司

    岡田宗司君 先ず今度の改正本質は一体どこにあるのか、前にこれが提案されたときにお伺いしたのですが、あれだけでは本質に触れていないように思いますので一つ端的にこれらの改正本質を御説明願いたいと思います。
  4. 山添利作

    政府委員山添利作君) これは農地改革によりまする諸原則恒久化すというのが狙いでありまして、恒久化すということでありますれば、自然そのやり方も非常に繁雑を避けて、簡單で分り薬い、且つ行政費もそう多額を要しないというふうにいたしたいというのであります。  それからこの機会にやりますのについては、直接の動機といたしましては、価額関係を適宜処理をしなければならない。御承知のように農地改革によつて買收いたしまする価額自作農創設特別措置法によりまして、田においては賃貸価格の四十倍を、畑においては四十八倍ということが法律で規定してございますが、農地改革に関するものは買收の時期の如何を問わず、この価額でやつて行くわけであります。一方併しながら現在の農地改革という線は別に、新たに不在地主所有小作地というようなものが発生するということになりますると、これは法律で決めてありまする同一価額でやることは不適当でございまするので、これはそのときにおける公定価格による。そこに載然たる区別をつける必要があるわけでございます。そういうことを動機といいますか、そういう必要もあり、この機会農地改革によつて立てられました諸原則恒久立法の形にするというわけであります。
  5. 岡田宗司

    岡田宗司君 これを恒久立法にするということになりますると、前のは臨時立法であつた。つまり二ケ年で終る。そうして二ケ年でそれが完了すればこれはまあ廃止されべきものであつた。併しながら廃止することはできないので、恒久化す、そういう意味恒久化されるのであるか、そうして前のものは臨時的な意味で、そういう意味で、それと対比して恒久化と、こう言われておるのですか。
  6. 山添利作

    政府委員山添利作君) 自作農創設特別措置法というのが恒久的な立法であるか、臨時的な立法であるかということにつきましては、法律論といたしましてはこれは二様の解釈があるのでありますが、私共としては大体臨時的な立法だという考えを持つてつたのであります。それは特別措置とこういう表題を見ても分るわけであります。臨時立法でありまするけれども、そのうちに立てられた原則というものは、これは恒久的な原則として行く、こういうことだろうと思うのであります。
  7. 岡田宗司

    岡田宗司君 つまり今度恒久的だということにすると、結局今までの自作農創設というものは仕事は完了していないということ、或いは新らしく自作農創設の対象となるべき何と申しますか、地主土地というようなものが新たに発生するということを予想して、ずつと恒久的な措置が必要である、そういうふうにお考えになつておられるのですか。
  8. 山添利作

    政府委員山添利作君) その通りであります。
  9. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、今度の自体農創設特別措置法は、特別措置法でなくなるわけですか。
  10. 山添利作

    政府委員山添利作君) 現在の法律特別措置法でありまして、あの特別措置法が適用される時期に政府によつて買收されるべきであつたものについてはずつとあの法律が適用になつて行くと、まあこういう意味における法律になつておるわけであります。
  11. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、従来のものを続けて行くという意味においては特別措置法であり、新たに発生したるものについては恒久的な部分を適用すると、そういうことになるのですか。
  12. 山添利作

    政府委員山添利作君) 新たに発生する部分につきましては、農地調整法によつて規制をされるわけであります。
  13. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、この自作農創設特別措置法というものはやはり特別措置法だと、こういうことになつて、結局農調法の方が恒久的な部分取扱つて行くと、こういうことになるのですか。
  14. 山添利作

    政府委員山添利作君) その通りであります。
  15. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと岡田さん、途中で話を切つて誠に恐縮なんですが、藤野さんが大蔵大臣に対する質問、特に協同組合の問題でございまして、会期が末期に近付いたんで政府委員があちらこちらの委員会から要求されておりますので、丁度今お見えになりましたので途中ですけれども差狭んで頂きますから惡しからず、どうぞ……
  16. 岡田宗司

    岡田宗司君 はあ、どうぞ。
  17. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは藤野さんからかねて留保されておりました大蔵大臣に対する金融の問題についての質疑を重ねてして頂きます。
  18. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私は農林金融の問題でお尋ねしたいと思うのでありますが、少しく我が国における農林金融沿革を述べ、こんな沿革ででき上つたのであるからかくすべきであるというようなことに進めて見たいと思うのであります。この点御了承の上、一つお尋ねいたします。我が国における農政事務を回願して見ますというと、明治四十年以来特に問題が取上げられたのが二回あると考えるのであります。そのうちの一つ大正十一年、十二年の農村振興運動と、産業組合中央金庫設立であります。第二の点は昭和七、八年の農山漁村経済更生運動と、産業組合拡充五ケ年計画、これは五ケ年計画が済んだ後に更に第二次産業組合三ケ年計画、こういうようなものができて、農山漁村金融問題も解決し、又農山漁村の基礎も強固になつたのであります。さて農村振興運動と、産業組合中央金庫設立状況考えて見ますると、大正七年に富山県の漁村における米騒動が大きくなりまして、米価騰貴国民全体が非常に困るような状態になつたのでありますが、大正九年の五月になつたらば物価大暴落をいたしまして、この影響農村に及び、当時の産業組合は殆んど全部のものが赤字経営状態になつたのであります。そこでこの農村不況を打開し、産業組合経営を合理化するために、いろいろの問題が起つたのでありますが、大正十一年及び十二年にいよいよ農村振興を図らなくちやできない、こういうふうなことからいたしまして、第四十六議会救農議会と言われるようなことになつて来たのであります。而して第四十六議会では農村振興に関する決議案が出るようになつたのでありますが、更にここまで行く前提といたしまして、時の農林省岡本農務局長が、当時の攝政宮殿下に対しての御前講演であります、当時の攝政宮殿下が、大正十一年の五月二十九日に農林省商品陳列所の別館で開かれました仏国美術展会会に成らせられたとき、戸田事務官を通じて六月五日の午前十時から霞ヶ関の仮御所農村問題、殊に農家問題について詳細なる実情講演するようにという御沙汰があつたのであります。そこで農林大臣は取敢えず六月五日に岡本農務局長御所に同候せしめて、約一時間と四十分に亘り農村問題についての御講演を申上げたのであります。又これと揆を同じくいたしまして、東京の日刊新聞農政記者の諸氏が当時の帝国農会の主催で六月二日から五日まで四日間岐阜及び愛知の農村状況を視察したのであります。このことが強く新聞に取上げられたのでありますから、さつき申上げたように、大正十一年の十二月から十二年三月に開かれたところの第四十六議会救農議会と言われるように、すべての農村問題が取上げられたのであります。  而してその当時の速記録を拜見して見まするというと、安達兼藏君外四名提出及び床次竹二郎君外十一名から提出農村振興に関する決議案が出ておるのであります。又土井権太提出産業組合中央金庫設立に関する決議案が出ておるのであります。同じく床次竹二郎君外十一名から産業組合中央金庫設立決議案が出ておるのであります。而して衆議院における提案理由といたしまして横田千之助君が提案理由を説明したのによつて見まするというと、その一部分国家の各方面から吸收するところの預金部より放出すところの低利資金の源泉に向つて、ここの貯水池を置こうというのであります。この貯水池から産業組合連合会産業組合という用水路を通じて中産以下の農民の勤労民に向つて、灌漑しようというのが本案の要旨になつている。こういうふうに産業組合中央金庫法提案理由を説明しているのであります。又中央金庫というタンクより産業産合の用水路を通じて、短期長期の無担保貸付を主とするのでありますから全然社会策の見地から出ているのであります。こう説明されておるのであります。而して短期資金というのは当時は五ヶ年以内の資金であつたのであります。何故長期資金取扱わないかというのでありますが、当時長期資金勧業銀行養び農工銀行土地担保長期資金を貸しておつてのであります。農林中央金庫でこれらの資金取扱う必要がなかつたからであります。併し後になつて農林中央金庫法改正せられ、長期資金取扱うようになつたのであります。今農村及び農協状態考えて見ますというと、丁度大正九、十、十一、十二年と同様な状態になつておるのであります。農村は行詰り農協も又赤字経営に困難をしておるというようなことであるといたしましたならば、私らは歴史は繰返すというようなことで農村振興に関するあらゆる法律を改廃し、又は制定いたしますと同時に、農林金融に対する応急及び恒久金融政計を樹立しなくちやできない。又こうすることが最も肝要であると私はこう考えるのであります。然らば応急及び恒久金融対策はどうであるか、こういうようなことであるのでありますが、こういうように農林金融が非常に必要になつて来ているのでありますから、私ら同憂の者はあらゆる機会において応急及び恒久金融対策政府と共に研究中であるのでありますが、未だ実現の運びに至らず、ますます農村不況に陷り、農業の中核たる農協経営を困難ならしめ、延いては食糧の生産及び民心の安定を阻害し、我が国再建支障を来しつつあるということは誠に遺憾に堪えないのであります。このような実情でありますから、一昨日は参議院において農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議をなし、続いて岡村委員から緊急質問をしたのでありますが、農林大臣の意見、青木安本長官及び大蔵政務次官の答弁が余り具体的になつていないので重ねてお尋ねる次第であります。前にも申述べた通り農林中央金庫農林漁業に必要な資金を融通するために設立せられたものであるが、現在のままでは中金もその目的を達することができないような状態にあるのでありますから、時代の要求に適応して融資ができるように態勢を備えなくちやできない。これが最も急務であると信ずるのであります。政府はいつどんなに農林中央金庫法改正される考えであるか、具体的の案を承わりたいと思うのであります。
  19. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 只今の御質問にありました通り農林金融につきましては、どうしても現行の組織から言つて農林中金という組織をフルに活用する方法を採るのが最も好ましいことだと考えまして、農林中金の改組その他については、現在この問題中心に検討中であります。いずれにしろこの農林中金を活最させるためには、何と言つても、農林中金資金を殖やすことが先決の問題になつておりますので、これにつきましては、今国会で通過させて頂きました法律によりまして、興銀勧銀、北海道拓殖銀行、農林中金商工中金、この差当り五つ金融機関を予想しておりますが、ここに優先株発行させて、これを見返資金引受ける。大体五十二、三億ぐらいのところを差当りは予定しておりますが、この見返資金優先株引受をやる。そうして増資ができたら、それに基いて金融発行をさせる。こういう計画で現在いろんな折衝を続けて参りました。で先ず第一に一昨日取敢えず興銀増資は、そういう形による増資は許されましたので、もうその日に直ぐ見返資金十億円を、興銀政府として拂込みました。従つて直ぐに興銀債発行にとりかかつという順序になつて興銀の方は、政府計画通りに滑り出しましたが、まだ後の方は現在そこまで行つておりませんが、これは急速にやりたいと思つております。農林中金につきましては、政府考えは、自力によつて四億増資をする、それから優先株引受は、二十億、そうしますと、現在四億の資本ですから、二十八億の資本になりますので、これを基にして、農林債発行を今年中少くとも六十億はやりたいと考えております。御承知通り興銀勧銀というものの増資は、市中銀行を指導して可なり引受をさせることができるのでありますが、商工中金と、農林中金というのは、なかなか金融債市中で消化させるということは可なりむずかしいという事情にありますので、これだけはどうしても、預金部資金引受けなければいけないだろうということで、この預金部資金引受ける問題を今までやつておりましたが、大体これは可能であると今のところでは信じております。まだこれがはつきり政府で決まつておりませんで、指定されているわけではございませんが、これは我我努力によつて、近く必ずこれは実現させたいと思つております。で若しそういう預金部資金の活用ができなかつたという場合には、これは債務償還政府でいたしますので、この問題と絡んで政府は償還する金のうち、農林中金金融債に拂込ませるというような方法も、指導的な方法で必ずこれはやりたいと思つておりますが、併し先程お話のありましたように、預金部資金をこの際活用することが最も筋と思いますので、これについて全力を挙げて努力するつもりでおります。更に農林金融に関しましては、預金部資金を、もつと積極的に使う方法としまして今までは水利組合とか、或いは耕地整理組合というようなところへ預金部資金を出す方法がございませんでしたが、この二十五年度はそこまで管囲を拡張したいと、これも現在努力中でありまして、大体近い中に実現できるのじやないか、こう考えております。これは、とにかく遅れることはそれだけいろいろな影響がござゐますので一日も早くしたいという考え努力はしておりますが、これがまだ確実にならんことは非常に申訳ないと思つております。
  20. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 中金の資産はそういたしますというと、見返資金から優先的に二十億、民間から四億、こういうふうなことでありますが、今日の農村状況農協状況からいたしましたならば速かに四億の民間増資は困難であろうと考えられるのでありますが、民間増資はいつまでにやられる考えであるか、又見返資金の優先であつたならば、政府考え一つで今興銀の場合をお話なさつた通りに直ちにできる、こう考えられるのであります。でありますから、見返資金によるところの増資は直ちに政府が実行するという決断を立てられ、民間増資というものは順次増資して行く、こういうふうな計画を立てられる意思はないかどうか。この点お伺いしたいのであります。
  21. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) そういうふうに政府考えております。で見返資金増資ができませんでしたために、それに代る一つ方法としまして二十億くらいの金を農中に作りたいという考えから去年の暮からすでに国庫の預証金は六億二千円、それから預金部資金が四億五千万でしたが、それから復金剰余金を七億二千五百万でしたか、約十八億だけ農林中金に現在預託して、それを農村金融に役立たせておりますので、そういうものを、ここで政府預託金引上げるということになりましたら非常に困る問題が起りますので、それを引上げない間にそれに代る政府優先株引受というものを実現させたい、それをどうしても先に行させたいと現在努力しておりますが、すでに興銀が許可されましたので、続いてこの問題も急速に解決するのじやないかと思つております。
  22. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 政府の御努力に対しては誠に感謝に堪えないのでありますが、御承知通り農村金融状況でありますから、一日も早く決定して頂かなけれじできないと思うのであります。一日遅れれば一日日本の再建に支瞬を来す、こう考えるのであります。次に民間の、さつきお話の四億はいつ頃までにどんな方法でお集めなさるお考えであるかお伺いしたいと思うのであります。
  23. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 今の増資の問題ですが、これは政府がやるのでございませんでして、農林中金決議してその四億を決定するのでございまして、これは私の記憶では今明日中にこの総会を開いて決めるということになつておるそうでございますので、これは農協とかいろいろなところに協力して貰つて農中にやつて貰うより仕方がないと思います。
  24. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そういたしますというと、民間増資の四億というものは今直ちにはできない。併し見返資金による二十億は政府が決意されたならば直ちにできる、こういうふうなことになるのでありますから、取敢えずは見返資金によるところの二十億の増資をして頂いて、これの二十倍に達するところの債券発行というようなことによつて応急策を講じ、更に民間の四億の増資ができたらば、更に債券発行を増して農林金融の円滑を図る、こういうふうな取扱をすべきであると考えるのでありますが、この点についてお伺いしたいと思うのであります。
  25. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 同感でございます。増資が成り次第直ぐに金融債発行をいたしたいと思いますので、その発行の場合に、先程申しましたように預金部資金引受けられるこの途だけ開いで置かないとそこにまごつきができると思いますので、増資と同時に金融引受の問題も一緒に現在努力しておるところでございます。
  26. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それで大体の金融債のことは分つたのでありますが、政府農林金融現況から計算いたしましてどれだけくらいの金額があつたならば適当であるとお考うにつておるか、この点お伺いしたいのであります。
  27. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 今年の資金計画の問題で長期資金はどうしても千六百億ないというと賄えないという一応の数字が出て、短期資金は三千五百億ぐらいでやつて行けるのじやないかということを土台にした金融計画でやつておりますが、そのうちで農林部門が幾らでしたかちよつと忘れましたので、後から資料をお見せしたいと思います。
  28. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 農林金融といたしましては、短期資金と、長期資金に区別しなければならないと思うのであります。短期資金といたしましては営農資金として肥料購入資金、或いは農薬の購入資金、或いは農機具の購入資金農協経営資金としては農協現況から顧みまして貯金拂戻しの準備資金滯貨物資処理資金、殊に報奬物資資金、こういうふうなものが、急に必要であるし、更に本年の薪炭需給関係からしますというと、薪炭生産資金、或いは漁業資金、又水産物統制解除なつた結果、いろいろ水産物取扱支障を来しておるのでありますから、こういうふうな滯貨資金、こんなものが種々あると思うのでありますが、これらの資金に対する大蔵当局のお考えをお伺いいたしたいと思うのであります。
  29. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 営農資金、農家の農業経営のための必要な資金、例えば肥料とかいうようなもの、それから漁業の同細な資金については現在創設されておるます農業手形制度を極力活用して、その範囲を拡げて行きたいという考えで、昨年は百六十億の利用状況でございましたが、本年度は遥かに多く少くとも二百五千億以上の資金調達が可能ではないかという予想の下に現在営農資金に対してだけはまごつかせないでやつて行こうという準備は見通しができております。けれども問題は滯貨金融でございまして、農業報奬物資の問題でも相当多い資金が予想それますので、そのうち先般滯貨資金として預金部の金で百五十億円の枠だけ承認されて、そのうちで公団の持つておる滯貨の処分をやろう、これを使つてやろうという計画が出ましたところが、商品を今皆引取つて、これが果して全部今の値で売れるかどうかという先行の見込とか、いろいろなものが出て来ましたために、余り引取手がないので、百五十億をこちらが金を準備していたのに二、三億しか利用者がないという状態にぶつかつて、我々の考えただけの効果を現在挙げて来ませんので、この金を報奬物資の面とかいろいろなものの面の資金に使いたいというので、政府としては大体十八億くらいを取敢えずそちらに廻すということで計画してやつて来ましたが、これはどうも最後はうまく行きませんで、これが使えないことになりましたために、後は今大蔵省と日銀と相談して、金融機関を通じてその疏通を図りたいということに今努力方向を変えてやつておるところでございます。併し預金部資金というものは飽くまでも国民の零細な資金を集めたものでありますからして、これを細かく国民に還流するような方法を採らなければどうしてもこの金融梗塞を打開するという点から言つて本筋でありませんので、預金部資金をできるだけそういうところに活用するということで、今度の問題は今言われましたような工合でしたが、更に随時中金を通じて資金を供給する。そのために預託という制度はこれは百パーセントに活かしまして、預金部資金が集まつておる限りは、中金へどんどん預けて、そうして成るべく長く預けて行つて、そうして中金を通じて各農村にそれが流れて行くようにという形は、一旦途が開かれたのですから、これは積極的にやりたいと思つております。
  30. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) そうするとこの間の報奥物資措置の問題で、我々は一月程かかつてやつと解決の緒についたと思つてつたのですが、そのうちの方法一つである十八億の金融の途は駄目になつたということになれば、御破算でやるということになるのでしようが、その場合にどういう方法報奬物資の後始末の問題をおやりになるのか。大分皆さんも御心配になつておりますから一つ御説明を願います。
  31. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) これは最後にはやはり国家にこれは責任のあることですから、損失の補償というものは私は政府がやるべきだと考えております。その線に沿つてこれをやるためにはどうしても予算措置をやらなければならん。正式に予算で以て、外の形でごまかしをやらないで、堂々と最後一般会計が見るという形でやりたいという筋は大体決めました。併しこれは解決するためにはどうしても次の臨時国会とかそういうところでなければ解決しませんので、その間政府がそういう肚を決めた上で、今のところではやはり農林中金を通じて一時の金融をやるより外仕方がないというので、別にこれが金融とか、何とかあの枠の金を使わないで、別な形で中金預金部資金を出して、そこで一時解決してしまうというふうな方向で今考えております。
  32. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 預金部の金は農林中金に流せるようにはなつておるのですか。
  33. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) これは現在できております。
  34. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今お話ですと、農林中金預金部引受見込があるようなお話つたのですが、これは新聞紙上或いはその他を通じて聞いておると、どうも関係方面の方がなかなかむずかしいようになつておるのですが、その後、あなたのお話ですと、好転したのですかね。その経過についてちよつと速記を止めてお伺いして置きたいと思います。
  35. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記は止めますか。
  36. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 止めることもないでしよう。それは前の新聞が誤りでしても、もう蹴られたというように新聞に出ていましたために、そういう問題になつておるのですが、実際はそういうふうになつておりません。ノーでない代りにまだイエスというところへ行かないという程度でございまして、必ずこれは実現すると思います。
  37. 岡田宗司

    岡田宗司君 必ず実現するというお見込は結構なんですけれども、どうもノー言つてないから実現するというふうに楽観的にはどうも私共考えられないのですが、向うが難色を示しておる何か理論的根拠はどういうところにあるのですか。
  38. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) これは速記を止めて……
  39. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  40. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。  それじや藤野さん、大蔵大臣に対する質問と、それから総理に対する質問は、総理大臣御都合惡くて代りに増田官房長官が見えておりますから、同時に……
  41. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 総理大臣には簡單に四つの点についてお尋ねしたいと思うのであります。  第一が農協の育成強化であります。私は三月の二十九日の予算委員会において農協苦境打開に関する質問を総理大臣にやつたのであります。それに対する答弁は、政府としては組合の発達、その仕事に助長については十分に注意をいたすつもりであると、こういうふうに答弁されたのであります。又二十四日の参議院に本会議において満場一致を以て決議せられました楠見義男君外十二名発議の農村金融流通並びに農業協同組合育成強化に関する決議に対し、農林大臣農協の育成強化に対しては、これも努力すると述べられたのであります。又続いて岡村委員緊急質問に対し、安本長官も又農協の育成強化に努めつつあると、こういうふうに述べられたのであります。そこで、農協の育成強化ということが言われておるのでありますが、育成強化に対する具体案はどういうふうにお持ちであるか。この育成強化に対する具体案をお尋ねする次第であるのであります。
  42. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 私から代つてお答えいたします。この間の決議案なり或いは緊急質問に対してお答えいたしてありましたが、政府といたしましては、農林中央金庫によつて資金を融通するということが常識になつております。而もこの農林中央金庫は今日の出資金が四億万円でありますので、今回自己資金のこれを倍額にして貰うということによりまして、見返資金より二十億万円の融通をいたしまして、そうしてこの債券発行によりまして百五、六十億万円の融資をいたす目度をつけておるのであります。併し農業協同組合の現在の段階におきましては、少くとも七、八十億万円の金を融資しなければこの急場が救えないという情勢にありますので、農林省におきましてはこの農業協同組合の強化審議会と申しますか、これを中央農林金庫において協議を進めておりまして、又各府県におきましても、これと同樣の各府県自体の協同組合の実態についてこの急場をどうして救済したらいいかという調査会を作つて貰いまして、そうして中央地方相呼応して、この協同組合の強化育成に、今急速な手を伸ばしたい。かように考えておるわけであります。それにつきましてはこの資金の面でありますが、この農林中央金庫資金は、これは恒常的な資金でありますので、こういう急場に対して七、八十億万円の金が要る。こういう問題につきましてはあらゆる方面から財源を求めなければならんのでありますので、今本年度より償還いたしますところの農地債券の償還を早くする、まあいろいろの金融の面を考えまして、そうしてこの今日の農協の行詰りを打開いたしたいと、折角努力を続けておるようなわけであります。
  43. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は農協法の改正予算措置であります。農協は御承知通り農業生産力を増進し、農民の経済的、社会的地位の向上を図り、合せて国民経済の発展に寄與する目的を以て設立せられたのであつて農協の運営如何は我が国再建に重大なる影響を及ぼすものであります。農協の財務を堅実にし、経営を適正ならしめ、健全なる発達を期することが最も緊要であるのであります。而してこの問題は單に農林省の所管であるからということでなくて、政府全体が力を入れて農協の育成強化に努めなかつたならば、国民の多数を占めておるところの農民が疲弊困憊の状態に陷つたならば、国家再建に重大支障を来すことになつて来るのであります。而して農協法はこの重大なる問題に直面してこの目的を達成するため、今回法律改正せられるようになつたのでありますから、この目的を達成するためには改正法を実施すると同時に、その実施するに当つては、今申上げましたように農協の財務を確立して経営を堅実にせなくちやならないのでありますから、そのためには農協の検査費、農協の指導督励費、農協の役職員及び組合員の教育宣伝費、農協の自治監査助長費、及び教育施設設置費等に少くとも私の計算によつてみれば、三億数千万円の予算措置を講じなければ、法律改正するのみでは全く無意味に終る、こういうふうに考えるのであります。又連合軍総司令部の渉外局から一九四八年の十二月二十一日、特別発表として発表されました日本農民組織に関する諸原則の十にはこういうようなことが書いてあるのであります。「日本政府農協の組合員に対して民主的諸手続を理解せしむるための一般的教育並びに組合の実務、農業技術に関する特別の教育を施すに当つてこれを奬励し、助長すべきである。日本政府は組合の役職員が海外協同組合に関する情報を入手するため可及的に援助を與えなければならない。」こうあるのであります。政府は速かに農業の育成強化に要する予算措置を講じて、農業を健全に発達せしめ、我が国再建を期せられる覚悟があるかどうか、お伺いしたいと思うのであります。
  44. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) この御質問は曾てこの委員会でお答えいたしておつたのであります。これは先程お断りいたしました通り、この法案が関係方面との折衝が容易に結論に達しないために、通常予算編成後において提出が決定いたしたのであります。従つてこの法案に盛り込んでおります自治監査及び制度の問題におきましては、適当のときに予算の変更をいたしまして、そうしてこの事業の執行をいたしたいと考えておるのであります。今十六原則についての項目についてお話になりましたが、勿論協同組合設立いたしまして、そうして農業協同組合が真の農業協同組合として発達するよう職員或いは職務等については、すでに政府におきましてはその成案を以て望んでおるのでありまするが、農業協同組合がここ二年僅かの間に変則的な状態に陷つたのであります。それでありますから先ず以て政府は変則に立つ入つてこの農業協同組合を正常に形に一日も早く取返すということが私は何を措いても重大な問題と考えておりますが、この恒常的な施設と相俟つことは勿論でありますが、取敢えずこの窮迫いたしておる協同組合を正常に取戻すべきであるということを努力いたしておるのでありまして、この政府の事業執行に関する監査等のことにつきましては、いつか申上げましたように、予算措置はこれを将来考えるつもりでおります。
  45. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第三番目は農業不況打開及び農業振興計画並びに農業振興刷新運動であります。この問題につきましても三月二十九日の予算委員会において農山漁村振興国民運動を起す意思はないか、こういうことを総理大臣に質問したのでありますが、総理大臣はこれに対してこんな答弁をしておられるのであります。「農山漁村の復興、振興についてはお説の通り政府としてもこれを決して軽々に考えておるわけではありませんが、曾ての救済運動のごとき運動を起すことは今日政府考えておりません。併しながら一般経済の復興の一環としての農村振興を図りたいと思つておる。」こう答弁されておるのであります。そこでお尋ねしたいと思うのは、「一般経済の復興の一環としての農村振興の具体案」を承わりたいと思うのであります。
  46. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 総理の御答弁されました趣旨は、ひとり農協だけの立場でなしに、あらゆる業態に対して日本再建の途上におきまして正常の発達をせしめるということにいろいろの施策を持つておるのでありますが、農村農業振興の問題につきましては、曾て申上げたかと存じますが、今までは食糧の充実を確保するということに專念いたしまして、場合によりまして農業経営の一部を犠牲に供するということも決して否定できないような状態にあるのであります。いわゆる食糧増産のために農業経営が不合理な状態に置かれた、こういうことを考えさせられますので、今後におきましては、決して食糧事情が自給度の高まつたがためによくなつたというのではありませんが、今日海外の事情から日本の食糧が日本の輸出の力によつて輸入し得られるということから途が開かれて、食糧の前途も明るくなつて来た場合におきましては、今まで犠牲を拂わされておりました農業経営をその農業自体の合理的な経営に持つ返るということでなければならんと、かように考えておるのであります。ここに今までの農業経営に対する政府考え方が一大変換をいたしておるとも言い得られるのでありますが、この農業者自体の経営を主体として施策を進めて行きたい、かように考えておるわけであります。
  47. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私は農業経営上の赤字の原因及び農村不況の原因を探究いたしまして、拔本塞源的な施策を講じますために、速かに市町村ごとに農業不況打開及び農業振興計画を樹立実行せしむると同時に、農業振興の中核体である農業振興刷新計画を樹立せしめまして、即ち市町村の計画に基いて單位農協の基礎を確立せしむることが最も緊要と思うのであります。徒らに政府の施策のみに頼ることなく、農民はみずからの欠点を知り、それによつて振興計画の立て、その計画に基いて農業振興計画を立てなくちやならない、こう考えるのであります。又さつき申上げました日本農民組織に関する諸原則の十一には、日本の農協活動の将来の発達のためには強固なる單位組織の確立が重要であることを強調されなければならない」と述べておるのであります。即ち農協活動の振興というものは、市町村におけるところの單位農協組織を確立させなかつたらばできないのであります。首相は答弁において曾ての救済運動のごとき運動を起すことは、今日政府考えておりません、こう答弁されたのでありますが、救済運動でないところの農村不況打開及び農業振興計画並びに農業振興刷新運動のごとき積極的な運動はされるお考えでありますかどうか。又このような積極的な運動であつたらば首相は喜んで予算措置を講ぜられると思うのでありますが、この点お伺いしたいのであります。
  48. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) これは、総理のおつしやつた救済的というお言葉は、こういうようにお考えになつておることと思うのであります。従来の農業会自体におきましては、政府が助成するということが一つの建前でありましたことは御承知通りであります。今回補助政策というものはあらゆる事業に対して打切られてあるのでありまして、ここに農業協同組合自体が自分の力によつて起上る……さつきお述べになりましたことは誠に御尤もでありまして、ただ單に政府の施策のみによつて農村が救われるものではないのであります。曾て自力更生ということを各町村がやりまして、その結果非常に立派な自力更生町村としてできました村もあります。又比較的その成績が挙らなかつたこともありますが、とにかく自力更生という言葉が叫ばれまして、そうして政府に頼つていてはいかん。先ず以て自分の農業経営の実態、本体を眺めて、そうしてそこに欠陷があれば、その欠陷に対してどういうふうにして是正して行くかということを村の力、町村の大きい力によつて救い上げて行くというのがあの自力更生の当時における考え方であつたのであります。その考え方はいつの時代においても私は必要であり、妥当であると考えます。今日におきましては政府としてあらゆる方面に助成するということは許されませんが、農業協同組合そのものの組織が、いわゆる小さい農業者が共同の力によつておのおのその農業の発達を図つて行くという、この目的によつて組織されたのでありまするから、農業協同組合員自体が自分の作つておる協同組合が、どういう組織にできておるか、あるべきであるか、又どういう仕事をすべきであるかということを真に考えられまして、そうして今現在いろいろ問題になつておりますような協同組合におきましては、この立場から反省をして貰う。又政府におきましては先程申しましたいろいろの角度からこの協同組合の実態を眺めまして、そうして協同組合の欠陷に対して手を加えて行きたい。又指導の面におきましても、或いは職員の養成におきましても、できるだけのことを政府としては助長して行きたいとかように考えるのでありまして、ただ救済するという、簡單に補助金を出すとか、金を出すとかいうような意味でなしに、政府のこの気持と、組合員自体の反省と申しますか、自覚と申しますか、そういう気持と両々相俟つて初めて農業協同組合というものが所期の目的に邁進し得られるものと思うのであります。
  49. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第四番目は租税の減免であります。御承知通り農協は営利を目利としない、社会的公的使命を有するところの相互組織の団体であります。それであればこそ第二次世界大戰前までは非課税の原則が堅持せられたのは御承知通りであるのであります。然るに戰時中段々段々と農協には課税せられ、今回の改正税法においては各種の税が課税せられるようになつたのであります。その課税の結果は、今や農協は税金のために全滅せんとする窮状にまで追込まれたのであります。政府は、農協只今御答弁下さつたように、農業の発達、農村振興農村の福利増進のために育成強化に努めるとお話になつておりますが、現実の問題はどうであるかというと、税金でさつき申上げましたように、滅亡へ滅亡へと日一日と追込まれようとしておるのであります。そこでこの窮状を打開するために、これも予算委員会質問いたしましたところ、本多国務大臣は附加価値税、固定資産税については御説御尤もであるから何とか対策を研究したい。こういうふうな答弁を得て私は非常に喜んでおるのであります。然るに今日の状況から考えて見ますると、法人税、資産再評価税、附加価値税、固定資産税及び市町村民税とこういうふうなものについて、これらの税金について、農協に対し特別な減免の措置を講ぜられる考えがあるかどうか。別な言葉で言つたらば、本多国務大臣が予算委員会において答弁せられたことを実現せしめる考えであるかどうかお伺いしたいと思うのであります。
  50. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) この問題は本多国務大臣からいろいろ申上げたと存じますが、法人に対しての課税が均一になつて特別の税金とせないということにつきましては、曾て藤野さんの御質問に私からお答えいたしたと存じております。今度の地方税法の改正、国税の改正から総合的に見まして、農村に対する従来の課税よりは平均いたしまして二・六乃至二・七の減税となるということが数字的に決われておりますので、一般の国民の負担が不公正であつた、従来農業に非常に重税を課せられた、この税法を改めまして今回地方税法と共に出たわけであります。ただ法人が本当の公益事業であり、或いは教育をやるとか、或いは病院をやるとか全くその公共的な事業をなす法人に対しましては、本多国務大臣もお答えいたしたと存じますが、地方税というのはその町村において課率を按配せられるのでありますから、その町村の意思によりまして、組合病院をやつておる、或いは組合学校をやつておるというようなそういう事業に対しては、勿論町村の意思によつて免税せられることも考えられるのであると存ずるのであります。
  51. 山崎恒

    ○山崎恒君 金融問題が出ましたので一、二お伺いいたしますが、いろいろ農協の育成に対しましては施策があろうと思うのでありますが、特に、差当り急に政府考えて貰う問題としては、やはりこの資金の融通であろうと思うのでありますが、これは先程大臣が言われましたように中央におきましても、或いは各府県ごとに只今金融対策の協議を持たれておりまして、各県ごとにその数字を大体取りまとめ中でありますが、すでにこの預金の拂出停止になつておる組合が恐らく三百組合以上あるのじやないかとこう思うのでありますが、又我々の推測では恐らく現状のままで六月を迎えたならば二千組合以上のものが拂出停止をしなければならんような状況に追込まれるのじやないかと、かように今伝えられておるのでございますが、政府としてはそうした預金の拂戻の停止というその根本原因は無論いろいろありまするが、とにかく金融措置として急速に、政府としてこの協同組合に対する金融的の一時の救急策としては資金をこの際放出して貰うことだと思う。それには大臣が先程言われた七、八十億、大体我々は八十億を希望しておるのでございますが、それに対する見込等、どの辺まで見根があるかどうかお聞かせ願いたいとこう思うのですが……
  52. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) この八十億というのは内容の概算でありまして、各府県の状況も調査して見なければ正確な金額は分らんと思いますが仮に八十億といたしまして、それに農林中央金庫に百五十億万円というものを考えることはこれは一つの問題でありまするので、取敢えずあらゆる面から資金を流したい。その内容を詳しくこれこれからこれこれということはちよつと申上げることを憚りますが、例えば先程申しました農地証券を早く償還するとか、或いは公共事業費は一・四半期、二・四半期災害復旧費とかいういろいろなものがありますが、こういうふうなものを早くこれを決定して地方に流すようにして、とにもかくにも金を廻さなければいけないから、資金をあらゆる面から勘案いたしまして、地方へ流したいと、こういう考えを持つておるのであります。貯金の支拂が停止しておるという組合におきましては、そういう組合では勿論事業なんか殆んどできないことになるのでありますから、そういう内容を調査いたしましたものに対しましては、資金を都合するというようなことも考えられると思いますが、いずれにしましてもこの実態を掴むということが急速に要請されておるのでありますので、各府県とも組合分におきましては一生懸命やつておるようなわけであります。
  53. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今山崎君のお話ですと、現在預金の拂出停止しておるものは三百、六月になると二千位になると、こういうお話でしたが、打越さんそういうふうな見通しでございますか。
  54. 打越顯太郎

    ○説明員(打越顯太郎君) 今の支拂停止の組合の数につきましては、いろいろ見方がございますので、今山崎さんのおつしやつた通りかということについては、ここではつきり申しかねますが、今の状態で申しますれば、若し現状のまま何らの手当をいたさないことになりますれば、相当貯金の拂戻しに困難をします組合も出て来るということは予想できるのであります。併し丁度今大臣からお答え申上げましたごとく、目下その緊急金融対策を今取上げておりまして、大体今八十億というお話もございましたが、この五月の端境期、この非常な困難な時期を乘切るだけの手当は一応ついておるわけであります。従いましてこの手当によりまして、目下大体乘切つて行くことができる。若しこの五月が乘切ることができますれば六月になりますれば麦の代金とか藷の代金とかが段々入つて参りますので、中金自体としての金繰りも円滑になりまするし、まあ心配はなかろう、今お話がございましたような危機は大体私といたしましては現在のところ資金対策によつて乘切ることができるとかように考えております。
  55. 岡田宗司

    岡田宗司君 先程農林大臣が約八十億の融資をしなければならん、こう言われた。現在八十億で足りるといたしましても、これは段々時期が経ちまして実際にそれが出るのが三ケ月も五ケ月も遅れる。こういうことになりますと、八十億のものが百二十億要ることになるかも知れない。早いところやらなければいけないのですが、只今農林大臣は八十億を早くやる意思ですか。それとも又それについてすでに目算が立つて一体いつ頃までにそれができるというお見通しですか。
  56. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) これは八十億というのはここ十日か二十日くらい前でありますが、このくらいな数字が要るだろうという一つの推定であつたのでありますが、今各府県で緊急対策委員会を設けまして、いわゆる本当の審査を各協同組合ごとにやつておるのでありますから、或いはこれは八十億が七十億になるか、九十億になるか分りませんが、これより超えるようなことはないと存じておるのであります。今お述べのようにだらだら延ばして行きましては、百億でも百二十億でもいかんということになると存じますので、速かにその処置をつけたい、かように考えておるのであります。今部長からも申しました通り、そのうちに麦の收穫時期にもなりますれば食管特別会計の買入れのことも前われることになりますし、とにもかくにも急いでこの急場を何とか取りまとめたい。各府県も一生懸命に対策審議会によつて研究を進めておりますから、そう長びかずにこの問題の結論が乃至対策が実現すると、かように考えておるのであります。
  57. 岡田宗司

    岡田宗司君 八十億がもつと減ればそれだけ政府はよいことになるわけでありますが、その八十億の資金の出所を見つけるのになかなかむずかしいのではないかと思いますが、その資金の出所について何か目当がついておるのでございますか。
  58. 打越顯太郎

    ○説明員(打越顯太郎君) 先程八十億ということをお話申上げましたが、それは支拂に対する資金の手当が八十億、その他に新規の貸出しが二十億と想定いたしまして大体資金は行くといたしまして、百億というものを当初想定いたしておつたのであります。併しそれは大臣もお答え申上げましたごとく三月末のことでありまして、その後の現状から申しますれば、目下の状態から申しますれば百億の中ですでに手当ができておりますものに対しても今後の見通しといたしまして目下差引き五十五億を手当すればよろしいと考えておるのであります。この五十五億の手当につきましては今はつきりその根拠については申上げかねますけれども、いろいろの対策処置によりまして大体目下のところこの五十五億程度は賄うことができるという見通しを立つておるのであります。これに対しまして五月を乘越えますれば六月以降につきましては先ず危機を乘切ることができるとかように考えておりますわけであります。
  59. 岡田宗司

    岡田宗司君 先程農林大臣がこの八十億の源泉の一つとして農地証券の償還もその一つ方法である、こう言われた。農業証券の償還がどうしてそうなるのか、私らはちよつと分りかねるのですが、例えば償還を受けたその農地証券の所有者、これはまあ地主でしよう。これが果して農協に預金するかどうかも分りませんし、地方銀行に預金してそれが他所に流れてしまうこともあるでしよう。それから又金を貰つてつておる連中はそれを使つてしまうでしよう。それから又農地証券は証券業者が相当沢山持つておる。こんなものは農村に還つて来ない。そういたしますと農地証券の償還せやつたらそれが農村の方に廻つて来るという考え方は非常に甘いのではないか。その点について農林大臣に見解を承わりたい。
  60. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 証券業者がそう多く持つてやるとは考えておりません。いずれにしてもこの場合農村に金がないのでありまするから、できるだけ各方面から金を農村に廻したい。それが農業協同組合に預けないで銀行に預けるかも知れませんが、とにかく協同組合の組合員でありますから勿論自分のところの組合が潰れとも知らんというような古い地主はないと存じます。いずれにしても農村に金を廻わす。公共事業費につきましてもその通りであります。これを流しても直ちに農村に直接効果があるかどうかという問題でありますが、公共事業が分量されておるその仕事を與える。そうしてその金を一日も早く、直ぐでも渡すぐらいな気持で公共事業費の一・四半期、二・四半期といわずに早く事業の分量を割当てて、そうして金を一日も早く農村に廻わすということがうのずから金融の緊迫いたしたる農村の私は救済の手と思うのであります。今政府委員の申しました五十五億というものは決して証券によつて助けるとか、或いは公共事業費によつて賄うという問題ではないのであります。協同組合自体の問題につきましてはこの五十五億という予定に対して、これは他の方法によつてやるのでありまして、ただ私はこの農村の金執融が逼迫しておるのであるから、あらゆる角度から金を農村に廻わしたい、こういうことを申上げたのであります。
  61. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、先程農林大臣の言われた例えば八十億の金の源泉の一つとして農地証券の償還があるじやないかと言つたのはお取消になつたわけでございますね。八十億は別の口から出るのだ、こういうことになるわけでございますか。
  62. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 取消しも取消さないもないのでございます。ただ農村は金が困つているから金を農村に廻わしてやるのだ、農地証券も返そう、公共事業の金を早く渡して事業を起そう、こういうことを申上げたのであります。今農村は八十億の金がなければ貯金の支拂が停止されているので、このうち五十五億というものにつきましては、政府委員の申しましたように他の方法で以て協同組合直接の救済をやるのであります。私は農村全般に亘つて金を廻わすことが必要だ、こう申上げたのであります。
  63. 岡田宗司

    岡田宗司君 それではつきり分りましたが、この農協の直接の融資は現在五十五億必要である、こういうことでございますが、これはやはりこの源泉をお示しにならなかつたのですが、これはやはり中金を通じ更に各県の信速を通じて融資されるのか、こういう形で行かれるわけですか。
  64. 打越顯太郎

    ○説明員(打越顯太郎君) この五十五億の財源といたしましては岡田委員もお話のごとく、目下のところ中金を通じて融資をいたす所在であります。その場合の融資の方法といたしましては、中金が現在持つております担保を日本銀行に提供しまして、日本銀行から融資を受ける、かような方法考えておりまして、目下の方途につきましては、大体政府部内におきましても話がまとまるところに行つておりますことを附加えて申上げます。
  65. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと申上げますが、農林大臣に対する質疑は一応本法案については終了しておつたのであります。たまたま大蔵大臣、或いは総理大臣に対する質問がありましたから関連しての御質問と思いますが、併し金融の問題については一昨日本院で決議をいたしたような次第でありまするし、その際の決議にありましたように、応急の対策については今会期中に政府から具体案を本院に報告するように要求しておるのでありまして、従つてその応急策が本院に報告せられたときに又いろいろそれに打込んでの御質疑もあると思いまするから、そういうふうに取計らつて貰うと議案の進行上非常に都合がよいのではないか、かように委員長は思うのであります。  尚藤野委員からの大蔵大臣に対する御質問につきましても、大蔵政務次官衆議院の本会議の方に呼ばれて先程参りましたので、残された質疑については今委員長から申上げましたようなふうにお考え頂いて、その際に改めて又今会期も相当期間がありますから、その際に併せて各委員からやつて頂けばよいじやいなか、かように思いますのでこの程度にいたしまして、これから協同組合法の一部を放正する法律案の討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 岡田宗司

    岡田宗司君 もう一点、これは打越部長にお伺いするのですが、只今農林中金の持つております多分国債だろうと思うのですが、それを日銀に出して、日銀から融資を受ける、こういうことだつたのですが、これは日銀のつまり資金供給計画と関連を持つておるわけですが、これはポリシィー・ボードの方では大体承認されたのですか。
  67. 打越顯太郎

    ○説明員(打越顯太郎君) その点は最終的のところまで参つておりませんが、実は昨日緊急対策協議会がございまして、その席上に日銀からも委員として営業局長、総務局長が御列席でございました。そしていろいろお話合を申上げましたところでは、大蔵省からも見えておりましたが、政府部内その他におきましては、大体こういう線で行こう。最程の点は閣議でお諮り申上げることになつたのであります。ポリシィー・ボードにも農業関係の委員といたしまして、荷見先生も従事からこの問題について非常に御心配を頂いたわけであります。大体この方向については御了承頂いておると思います。一万田総裁の方にも明白か或いは今日ございましたか知れませんが、御了解を得るということになつておりますので、今申上げました見通しは立つておる。かように御了承願います。
  68. 岡田宗司

    岡田宗司君 E・S・Sの方も了解はつけてありますか。
  69. 打越顯太郎

    ○説明員(打越顯太郎君) この問題は大体国内関係で片が付く問題じやないかろうか、かように考えております。   —————————————
  70. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それではこれから農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、討論、採決に入ります。
  71. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 戰後農地放革に次いで、我が国農村民主化の基幹として確立せられた農業協同組合組織は、農業生産力の発展と農村の経済的、社会的向上を目標とするものとして大きな期待が寄せられたのであります。然るに農業協同組合法が施行せられてよりすでに二年有半を経た今日、一応外形的には組織の整備を見たものの、これが内容については尚微力にして所期の目的を達成し得ない実情にあることは遺憾に堪えない次第であります。而してこの農協不振の原因としては経済情勢の変動に対処する役職員の経営能力不足、農民の自覚的努力の欠除等、農村側に負わさるべきもののあることはこれを認めるのに吝かではなく、農民自体が更に反省し、農協の充実に自発的に努力すべきことはもとより当然のことであります。併しながら不振の最大且つ根本的の原因として、我々は政府の財政政策、農業政策の貧困に基く農業経営及び農村自体の窮迫、疲弊を指摘せざるを得ないのであります。一九四五年十二月八日附連合軍司令部より発せられた農地放革についての覚書において、「農業構造を久しきに亘つて虫ばみ来つた病根の一つとして、商工業に比し格段に農業に不利なる政府の財政政策」と指摘してあるのは、そのまま現政府の財政政策についても適用することができると思います。即ち政府農業に対する財政投資は極めて乏しく、且つこれを補足すべき金融措置についても殆んど見るべきものがない状態であります。例えば全額国庫負担とすべき耕地の災害復旧についても予算僅少であつて、過年度の復旧さえ思うに委せん実情にあり、一方又長期資金として、見返資金も、農業に対して二十四年度は僅か七千万円しか出されなかつたのであります。而も一方において、生産費を償うに足らぬ低価格による農産物の供出強化があり、他方不当なる課税の重圧が加えられております。かてて加えて近くは必要量以上の外国食糧の輸入による重圧が加重されつつあります。  このようにして最近における一般的経済事情の惡化と共に、農業経営はますます逼迫化し、農村不況はますます深刻ならんとするとき、農協の運営の振わざる亦当然と言わなければなりません。従つて農業協同組合をして真にその目的を達成をしめるためには、先ず以て根本的に政府農業政策、財政政策を是正することが必要であり、農業及び農村に対する政府の再認識と猛省を要望して止まないのであります。  尚具体的に申上げれば、農業経営の赤字化及び農村不況の原因に真に認識し把握して、拔本塞源的施策を講ずるため、速かに市町村ごとに経済不況打開及び農業振興計画を樹立実行せしむると共に、これを計画実行に必要なる応急並びに恒久金融措置を講すべきであります。  次に農協運営の問題については、日本農民組織に関する原則において、農協に対する政府金融的、技術的援助が要請され、農協組織の自由が強調されているのにも拘わらず、金融措置も技術的援助もなきに等しき状況であります。特に組織の自由に開しては、農業協同組合法の規定、そのものに反して行政措置を以て県区域以上の連合会がそれぞれ事業別に細分、分立を余儀なくされて来たことは極めて遺憾であり、これが農協の発達を阻害する大きな原因をなしたことは否めない事実であります。  今回の改正により、漸く事業連合会の統合が認められるに至つたことは、この意味においては一歩前進というべきであり、賛成の意を表する次第であります。  尚この際改正案の実施に関連して今後問題となるべき事項につき政府の注意を喚起したい思います。  第一に農協の育成強化のための予算措置の確立であります。即ち少くとも本改正法の実施に当りては、農林省に検査課を設置し、農協の経理の合理化、運営の刷新を図ると共に、農協の検査費、指導監督費、役職員及び組合員の教育宣伝費、自治監査助長費及び教育施設費等に少くとも三億数千万円の予算措置を講ずること。  次に農協の目的達成のためその財務を堅実にし、経営を適正ならしめるこては極めて緊要でありますが、農協法第五十二條の二の規定による政府の作成実施に当りては、経済界の現況に適応するよう十分考慮して愼重を期すること。  農協経営不振の原因として役員の任期余りにも短きため、経営に專心することの不可能なることが挙げられるので、農協を健全に発達せしめんため、理事の任期を四ヶ年、監事の任期を三ヶ年に延長すること。  最後農協は営利を目的としない社会的使命を有する相互組織であるから、第二次世界大戰までは非課税の原則が堅持されていたが、今回の改正税法では課税されることになつたのであるが、農協の本資に鑑みて、法人税、資産再評価税、附加価値税、固定資産税、市町村民税等は減免の措置を講ずべく努力すること。  以上を以て賛成討論を終ります。
  72. 岡田宗司

    岡田宗司君 現行の農業協同組合法に基く農業協同組合というものは、これは恐らく今後の農村不況に堪えられないで、非常に大きな問題が起つて来るだろうと思います。日本の場合におきまして、農業協同組合を株式会社並みに見て行くような状況ではどうにもならないのでありまして、やはり農業協同組合法なるものを根本的に改正しなければならんと私は考えるのであります。で、今次の改正案は無論根本的なものでもありませんし、又現在当面の問題としても極めて不十分と思うのであります。併しこの改正案が別に今の農業協同組合を更に惡くさせるという程のものでもありませんので、これに賛成いたします。
  73. 山崎恒

    ○山崎恒君 結論から申しますというと、今回の法律案に対しましては賛成をするものでありますが、自由の原則に立つて設立したところの協同組合が……、今回の一部改正の内容は連合会の事業の兼営を禁止したものであり、一つは監督規定を若干付與した、而して組合の監査等をでき得るような措置を講じたいというような三つの改正点でありますが、いずれも協同組合が自由の原則に立つて設立された点から考えますというと、かような法律案を以て制肘しなければならんというようなことは私共納得ができんのでありますが、先程来いろいろ論議されましたように、現段階におきまするところの農村実情からいたしまして、而も協同組合が発足いたしましてすでに農村不況の嵐に吹き捲くられつつあるというような現状からいたしまして、一応私共は賛成するものでありますが、この際特に政府に要望するのは、協同組合の維持育成、この点について藤野委員から逐次要望されたのでありますが、特にこの監査の面、或いは直接予算的の補助は出せなくても、或いは政府が今回のこの予算に対しましては、勿論我々は遺憾なことには、この法律案に伴うべきところの予算措置がない、さようなために次期の臨時議会におきまして予算を獲得するか、予算を獲得する際には、直接金銭による補助の対象にならなくても、相当の多額の予算を獲得して、或いは監督の面、或いは指導の面で相当の予算を獲得することを要望いたしまして賛成するものであります。
  74. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 他に御発言なければ、これより採決いたします。農業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院送付原案通り賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  75. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 総員起立、よつて本法案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。では例により御署名を願います。   多数意見者署名     藤野 繁雄  岡田 宗司     山崎  恒  徳川 宗敬     加賀  操  深水 六郎     七生 三七  岡村文四郎    池田宇右衞門
  76. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 尚引続いて御勉強願いたいと思いますが、大分時間も経ちましたから本日はこの程度で散会いたします。    午後五時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君           池田宇右衞門君            藤野 繁雄君    委員            岡田 宗司君            深水 六郎君            加賀  操君            徳川 宗敬君            山崎  恒君            岡村文四郎君   国務文臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君    国 務 大 臣 増田甲子七君   政府委員    大蔵政務次官  水田三喜男君    農林事務官    (農地局長)  山添 利作君   説明員    農 林 技 官    (農政局農業協    同組合部長)  打越顯太郎君