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1950-04-20 第7回国会 参議院 農林委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十日(木曜日)    午後二時四十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○米国対日援助見返資金に関する件 ○農業協同組合法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会開会開会します。最初に見返資金の問題で、かねて北村さんから質問を留保されておりましたので、経済安定本部から西村政務次官がお見えになつておりますので、この際に北村さんから御質問をお願いいたしたいと思います。
  3. 北村一男

    北村一男君 見返資金土地改良の非補助事業融資されるということは昨年来の公約でございまして、とうとうどういうわけか昨年二十四年度は融資を見なかつたために、非常に事業団体は困難をいたしておるのであります。二十五年の第一・四半期の第一次融資分を見ましても、土地改良に対する見返資金融資は計上されておりません。そのために私共の特に新潟県のように大きな事業をやつておる地方は非常に疲弊いたしまして、全国的にその繋ぎ資金と申しまするか、当座資金を借りるために、農協融資を仰いでおる額が十三億を超えておるというように承つておりまするので、見返資金融資がないということは軍にこれだけに止まりませんで、農協金融に非常な圧迫を與えでいるということは周知の事実であると思うのであります。ところで二十五年度の第一・四半期の第一次融資を見ますると、従来挙げられなかつた中小商工業に対する融資が三億挙つている。私はいつも申上げるように、中小商工業融資ということは誠に結構なことでございまして、尚多額に計上して貰いたいと思うのでありまするが、併しながら、それと同時に新しく中小商工業融資が採上げられましたのに、従来の公約である土地改良に対する融資が一向顧みられんというのはどういうわけであるか、その点をお示し願いたいと共に、大蔵省の御見解を承つても、今努力中であるというお話でございまするが、いつ一体その融資現実化すかということについてもお示しを願いたい。と申すのは、若しもいつ融資ができるという大体の見当をおつけ下されば、県によりましては、県のいわゆる当座余つている金を預託するような方法において、融資の余も考えられるというようなことを申しておるところもございまするので、その融資の時期を明示して頂くことがこの際非常に必要である、かのように考えまして質問いたすわけであります。
  4. 西村久之

    政府委員西村久之君) 御質疑の御趣旨は御尤もと存じます。二十四年度の見返資金配分につきまして、農業関係に対しまして政府考えました配分案は、御承知通り土地改良事業費に十九億と、キュアリング設備資金といたしまして五億、外に小水力施設と申しますか、発電施設に一億、合計二十五億を大体配分計画に乘せまして折衝を重ねたのであります。その後におきまして、二十四年度のその関係から出て参りまする書類が非常に遅れて参りまして、年度内に実は間に合わなんだのであります。従いまして年度内に出ました書類関係方面に送り込みまして審査をお願いいたしますそのものが、実は非常に小さい額になつております。キュアリング設備資金といたしまして九千五百万円、小水力発電に関する費用が五千二百万円、土地改良に関するものが三千万円弱、二千九百万円、実はかように相成つているのであります。それだけが実は申請済の額であるのであります。それでこれだけの融資を願うように努力をいたしたのでありますけれども、結局二十四年度中におきましては皆申請いたしました額のものの中、キュアリング設備資金に七十万円を出しているというのに外ならんのであります。誠に御質疑通りに、こういうふうな実情では農村も甚だお困りであろうということは政府も重々察しておりますので、努力はいたしておりまするけれども、そういうふうな実情に相成つていることを御了承置き願いたいのであります。二十五年度の見返資金配分計画につきましては、御案内通り、まだ配分計画が立ち切つておらないのであります。一通り考え方として目安を立てまして、関係方面意響打診いたしている程度に外ならないのであります。打診模様から察しますると、今御質疑になりました農業方面に対しまする見返資金の枠は希望が甚だ薄いような感じを持つているのであります。それでは困りますので、金額は少うなりましても農業方面に対する見返資金の投融資をお願いするために政府努力しつつ枠を作つて行くことに実は努力いたしております。今お読みになりました関係の枠はまだ未決定でありまして、四百億の枠を如何に配分して有効に使うかというころ明細はまだ今進行途上にありまして、ここで申上げる段階に入つておりませんが、予算で御承知通り私企業方面に対する通貨額が御案内通り四百億であります。四百億の枠の内部で配分をいたしますると、二十四年度から継続いたし参つておりまする電源の開発事業費船舶建造設備資金に大体重点を置い配分をしなければ、継続事業関係等が伴いまするので、その他に新しい方面にそれを置いて配分するということは非常に困難なる実情にありますので、大体それに重点を置いて、そうして安定本部計画も立つておるわけでございまして、この方面につきましても打診模様から想像いたしますると、新規の関係のものは好ましくないという意嚮が強いのであります。尚ここで申上げてよろしいかどうか分りませんが、船舶電気継続関係等を引いた残りのものを外の方面に実は配分いたさなければならんのでありまして、中小企業、或いは農業方面融資の途を考慮に入れまして五十億か五十二億の枠を取つて、そうして増資株引受る見返資金でやりまして、債券発行をいたさせました金を農林中金なり、商工中金なり、その方面企業融資しようという枠を取つておるわけであります。こういうような金を差引きますと、中小企業、或いは農業方面に対しまする枠の金が頗る貧弱になつて参るのでありまして、政府といたしましてもいろいろ考慮を廻らしまして、現在四百億の範囲を四百六十四億に拡げまして、実は配分計画を立てて、その筋と折衝を実は重ねておるわけであります。四百六十四億と申しますその六十四億は、御案内通り今申述べました融資額に該当いたしまする五十二億とも、月一億を予定いたしまする小企業に対する融資の、抱合せ融資と申しますか、市中銀行が半分、見返資金で半分を出し、合せて三百万円以内の中小企業の方々に融資をして行こうという、見返資金年間十二億の枠との合計が六十四億になるのでございますが、その六十四億だけは予算に出ております四百億の枠外にして貰うという建前の下に、四百六十四億を基礎数字といたしまして配分案を立てて、現在折衝をいましておるのであります。折衝過程におきまして何とも申上げにくいのでありますが、向こう考え方として二四年度同様農業方面に対する融資関係を、努力はいたしますけれども頗る望みが薄い関係にあることを御了承置きを願いたいと思います。私は率直に成行をお話申上げて御了承を願うつもりでございます。
  5. 北村一男

    北村一男君 只今政務次官の御説明では、継続事業を主として融資の御計画をお立てになつておるようなお話でございますが、これは重ねて私申上げますが、決して中小商工業融資をかれこれ申すのではございませんが、中小商工業に第一次融資に三億御計上になつたということは、これは継続ではないと私は信じておりますが、そういう臨機の御措置が採れるものでありますれば、特に土地改良方面においても、そういう御措置が採れんことはないと考えますが、何か農業に対して見返資金を御融資になるについて障害になる点が国内或いは関係方面にございまするならば、この際明かにしておいて頂きたいと思います。
  6. 西村久之

    政府委員西村久之君) 北村委員中小企業に対する融資の三億とお述べになりまするその三億は、私分りかねるのでありまするけれども、それは二十四年度において出まする金の三億ということをお指しになつておるのでございましようか。その点を一遍お尋ね申上げてからお答え申上げたいと存じます。
  7. 北村一男

    北村一男君 それは二十五年の第一・四年期の第一次分ではないかと私承知いたしております。
  8. 西村久之

    政府委員西村久之君) 今のお尋ねの三億と申しまするのが、先程私が年間十二億と申上げました三億になるわけでございます。四期に分けての関係北村さんの御意見通りに、第一・四半期三億、つまり四・四回半期まで十二億、年間を通じて一ケ月一億程度中小企業の抱き合せの融資をしようという途が開かれておる関係の金に相成るのであります。これは二千五年度できましたものでありませんで、二十四年度の一月から三月までの間にすでに三億出て融資の途を開いておるのであります。地方銀行が半分出し、見返資金から半分出しまして、そして申請者申請額は、三百万円以内の申請を土台といたしまして貸付をするということに相成つて、現在出ておるわけであります。それが継続して二十五年度は一ケ年分十二億が出る、こういうことに相成つておるのでありまするから、その点さよう御了承置きを願います。同様にそういうふうな扱い方農業方面にできないものであるかというお話でございまするが、今日実は農業方面にそういうふうな扱い方手続を採つてないのであります。中小企業状態考えて、そういうふうな方面中小企業に対する枠は軽少ながらできておりまするけれども、今日農業方面に対してそういうふうな考え方の線と申しますからそういうふうな考え方に相成つておらないと御了承置きを願いたいと思います。
  9. 北村一男

    北村一男君 繰返して申上げまするが、非補助事業土地改良に対しては、見返資金を以て金融指揮を採るということは、農林省公約されておるのでありますが、そういう措置をお探りにならんということは、日本政府がお採りにならんのでありますか。お採りになつても、関係筋承認を得ることができないと解してよろしゆうございますか。その点を明かにして頂きます。
  10. 西村久之

    政府委員西村久之君) お答え申上げます。  金融処置を採つてならないということはないのであります。ただ金融処置採りますについて、先程申し述べました農林中金資本金増資し属して、その増資株引受けました資本金の増に対する二十倍かの債券発行を認めて貰いまして、その債券消化金額を以て農業方面融資、或いは漁業方面融資中小企業方面融資資本に当てよう、こういうふうな考え方を採つおるのであります。
  11. 北村一男

    北村一男君 農林省官房長お尋ねしますが、私は昨年農林省でお考えになつてつたのは、そういうような中金の増資などをお考えにならんで、見返資金から直ぐ融資なさるような御計画承知いたしておりましたが、その点は如何ですか。
  12. 平川守

    政府委員平川守君) 昨年度におきましては、只今説明がありましたように、見返資金から直接に土地改良事業に対して十九億というものを融資するという計画日本政府として立てたわけであります。これがいろいろ具体的な手続、或いは関係方面との折衝過程において容易に実現しなかつたというのが実情でございまして、政府といたしましては、直接の融資も共に図る、こういう計画で昨年は進んで参つたわけであります。
  13. 北村一男

    北村一男君 只今承れば、関係方面とも御折衝なさつたというふうに伺えるのでありますが、どうして農業融資ができないのであるか、その点を先般から私は大蔵省にもお尋ねしておるのでありますが、どうもはつきりいたしませんが、その経過について、差支ない限度においてお洩らし願いたいと思います。
  14. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 安本の方から田中説明員説明いたしますから、御了承願います。
  15. 田中卓也

    説明員田中卓也君) 先程北村さんの方からいろいろお話がございました二十五年度の第一・四半期計画でございますが、第一・四半期中小企業に三億という数字が挙つておりますのは、中小企業に対しましては、十五ケ月予算として十五億、本年一月に司令部了解を得まして実施することにいたしまして、従いまして純粋の継続事業ではございませんけれども、包括的に御了承を頂いた金額の第一・四半期分といたしまして計上したわけであります。その外の第一・四年期の各事業は、すべて前年度に見返資金でやりましたものの継続事業であります。農業方面につきましての二十五年度の計画といたしましては、先程種々説明がありましたように、先ず農林中金優先株引受けまして、それの債券発行によります資金所要資金を賄うというふうな方向一つと、尚土地改良その他につきましては金融並びに農林債券発行の期限の関係もありますので、優先株引受と同時に直接投資方向考えて行きたい、但し現在のところ二十五年度の総合的な事業計画につきましては、まだ十分結論を得ておりませんので、現在のところ差当りもと業種だけ採上げて、それだけ優先してやるというふうなところまで行つておらない実情にございます。
  16. 北村一男

    北村一男君 私は重ねてお尋ねいたすのでありますが、どうして昨年度直接に融資するということができなかつたのか、その故障のあつた点、できなかつた点について、国内的若しくは関係筋許可が得られなかつたという点を、御説明願いたいということを重ねてお尋ねいたします。
  17. 西村久之

    政府委員西村久之君) 私からお答え申上げますが、日本政府としては、先程申しました通り努力を実は拂つて参つたのであります。ところが残念ながら御承認を得ませんので、土地改良に対する見返資金運用が許されてないような実情であるのであります。いろいろ向う考え方には考え方があると存じまするが、いずれになりましても、土地改良事業に対する見返資金融資は、余り好ましくないという考え方を持つておられるのであります。日本政府としては、極力必要を力説して参つておりまするけれども、今日までそれを了承を願われないまだ段階にあるのであります。その内容につきましては、折衝の衝に当りました者より詳しくお答え申上げることがいいのでないかと存じますので、速記をその際に止めて頂きまして、お話を願うのがいいかと存じます。従いまして今日は見えておらんのでありまし、他の機会にその関係お尋ねを願います。そして我々政府として、努力すべき点を、御注意の点がありましたら伺いまして、御注意の点に副うて私共は微力の限りを盡したい、かように考えます。
  18. 北村一男

    北村一男君 委員長お尋ねいたしますが、これは頗る急ぎますのでして、若しお許しを頂ければ明日でもちよつと、僅か委員会の時間をお割き下さつて一つ安本から御説明を頂くようにお取計らい願いたいと思います。
  19. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ええ。
  20. 田中卓也

    説明員田中卓也君) 昨年度は、実は農業水産業、その他の融資が非常に遅れてある面もございますけれども、昨年度の政府計画といたしましては、当初私企業投資約四百億を予定しておりました。その中融資許可になりましたものは二百四十九億なにがし、二百五十億若干切れる程度融資許可がありました。従いまして昨年度政府計画と、実際の融資額は、農林漁業においては非常に大きな金額の開きができましたけれども、これは各業種におきまして、そういう面は非常に沢山ございまして心例えば石炭も当初計画は八十七億なにがしでございましたけれども、実際の融資許可になつておりますのは、その半分程度というふうに変つて来ておりまして、特に農林漁業の方では申請書の出ます時期が非常に遅れまして、大体三月以降申請書司令部の方へ行つております。そういう関係もございまして、大体当初計画しておりました四百の私企業投資計画が二百五十億程度になりました関係申請書の早く出たものから採上げられまして、最後に非常にその二百五十億という民間私企業投資の枠の関係からも割つて来たような事情でございます。農林漁業には絶対に融資しないというふうなことではございませんで、時期的なずれと、それから当初計画が大体半分近くに減つてるのだという二点から、昨年度は実現に至らなかつたという事情かと存じております。
  21. 西村久之

    政府委員西村久之君) 田中君の説明一言附計いたして置きますが、先程申述べました土地改良事業費に対する日本政府考え方を、向うの方で御採択にならない理由の点は、向うの方ではつきり明示はされない模様のよでございまするから、ただ私が申上げました通り土地改良事業に対する見返資金運用は好ましくないという意見一点張りであつたそうでございまして、他の係官を呼びましても、恐らくその関係ははつきりならないであろうと存ずるのであります。向うがどういう考え方をしておるか、そういうふうな意見で突つ張つておるわけでありますから、さよう御了承置きを願います。
  22. 北村一男

    北村一男君 日本政府としましては、いろいろ御努力なさつたのでありますが、今御証明になりましたように、融資割当額が減つて来たというので、書類提出が遅れて間に合わなかつたということはよく分りました。そこで今後政府としては、関係筋の意向が余り土地改良に対する融資は好ましくないという一応のお見通しをお付けなつたわけでなんですが、そのままそれを了承されまして、土地改良に対する融資は、やつてもどうも見込がないということで、手をお放しになるのですか。それとも、これは日本農業から見て、非常に必要なことであるという見地から、関係筋了解を得ることに努力されて、でき得る限り早く融資の実現するように御努力下さいますか。
  23. 西村久之

    政府委員西村久之君) 御意見通り土地改良事業に対しましても見返資金運用を願うというこことが適切であるということを政府考えておりまするので、四百億の配分の中にも先程申します通り数字金額そのもの少額になつて参るのでありますけれども、少額範囲内において、許される限りの金額を枠内に嵌めまして、その数字折衝する心構えであることを御了承願いたいと思います。
  24. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 二十五年度の援助資金によつて土地改良費には、私の知つて範囲内においては十七億円ぐらいの資金運用するというような話であるのでありますが、只今までの話によると、困難だということでありますが、十七億万円ぐらいの金額運用するということはできないような状態であるかどうか、この点を重ねてお尋ねしたいと思うのであります。
  25. 西村久之

    政府委員西村久之君) 先程から度度申上げた通り、十七億が二十億でも、枠の範囲が、許されまする最高限度の枠を関係方面折衝しまして、御希望に副うように政府としては努力する所存であるのであります。ただ金額はここで未決定状態にありまするので、何程を計上して先方と歩き合いができるかということを申上げる段階に入つておらないのであります。惡しからず御了承置きを願いたいと思います。
  26. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 昭和二十五年度の政府予算拜見して見ますというと、土地改良事業費として八十五億円、耕地災害復旧の経費として七十二億、合計百五十七億円を計上してあるのであります。併しこれに対しては、地元負担金が七十七億円あるのでありますが、この七十七億円は資金の融通をしなくちやできないのであります。予算委員会において大蔵大臣質問したところによれば、七十七億円の融資については考究中であるから是非出すような方法採りたい、こういうふうな答弁であつたのでありますが。如何なる資金から七十七億円の地元負担金を出される考であるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  27. 西村久之

    政府委員西村久之君) 藤野委員お尋ねは、公共事業費関係に及びまする関係お尋ねでないだろうかと思うのであります。これは見返資金関係を異にいたすものであります。公共事業費関係予算を、今お述べになりました八十五億何がし云々の費用関係の仕事はやつて行くのであります。その地方負担関係は、地方起債の三百七十億程度予定しておりまする起債の枠の中から、地方起債を認めまして事業計画の遂行を図つて行く所存なのであります。
  28. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 昭和二十五年度の最初見返資金農業方面に融通される予定計画金額の十九億の金が、昭和二十四年度で全く融資ができなかつたということは、これはいろいろの事情もあると考えますが、事務手続が余りにも煩雑である結果じやないかと思うのであります。従つて将来において何とか融資方面については事務簡素化を図らなければならないとこう考えるのでありますが、事務簡素化について考究中であつたなれば如何なる方法によつて事務簡潔化を図るか、この事務簡素化について御説明をお聽きしたいのであります。
  29. 西村久之

    政府委員西村久之君) 藤野さんにお答え申上げます。  事務簡素化ということよりも、向こうさんから示されておりまする雛形書類或いは資料等が非常に複雑に相成つておるのであります。それを完備するのに日時を要するわけでございます。事務が遅れて行くわけというのは、向うさんから示される提出書類雛形が複雑であるのであります。向うさんの方を成るべく簡素化にして頂くことは、御意見に従いまして御相談はいたすつもりでありますけれども、これは日本政府でその通りやるという確約はここで申されんわけであります。この点もそういうふうな実情になつておることを御了承を願いたいのであります。
  30. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 政務次官お話を承つて大体要旨は分るわけでありますが、過日大蔵省融資課長に来て貰いまして、いろいろ話を承つたのでありますが、今日始めて聞きましたことは申込の書類が非常に遅れて、そのためか随分あるように承りますが、それは過ぎたことで今申上げてもいかんことで、今後そういうことのないようにすればよいと思いますが、今お二人のお尋ねは、土地改良を主にしてお尋ねになつたのでありますが、その外に小水力電気漁田開発キュアリングの方は融資は認められておりまして、それはよいとしましても、実は農村に対する、農業方面に対する見返資金融資ができるということは承りまいたが、いろいろ事情を承つて見ましてもどうもはつきりしないで、今の次官のお話では土地改良事業資金がどうも思わしくないということでありますが、これには農業方面に対する、又漁業方面に対します見返資金融資に対しましては思わしくないのでなしに、もう少し何かあると思うのであります。私共に考えさせますと、誠に残念ではあるが、日本政府方面のこれに対する努力が足らんのじやないかということも考えられます。そこで肝心の食糧が段々緩んで参りますと、まあどうでもよいとは決して考えますまいが、二年前のような気持政府交渉しますし先方もそれまで関心を持つておられんのも大分影響があると思いますが、このままでは方法がつかんのであります。今日承りますと中央金庫融資引受をさして、二十億出して大体それを債券を振り出して、それによつて賄うことが当然のようなお話でありますが、それも実は初めて聞くのであります。あれは相当使い途があつて、その要求をし、それが出て来るようになつたようでありまして、こういう金をあれに振向けるということは困難である。まだ貸付けはせんのでありまして、それは困ると思いますが、今要求いたしておりまするものを、どうしても融資して貰うように、小水力にせよ漁田開発にせよ、努力をしつつあるという話でありますが、非常に大蔵省の話を承りましても、今安本の話を承りましても、我々は遺憾ながら、本当にどうしてもこれを認めて貰わなければならんという、誠意の籠つた交渉があつたかないかということを疑わざるを得ないのであります。それは僻みかも存じませんが、事実今までそういう融資の受けられないということによつて僻みじやないと思う。これは努力したのだと言えば、私はしないと思うと言つてもそれで済むことでありますが、何とか如何に事情が分らんにしても、こう長く続けて占領政策をやつで貰つておりますれば、大体様子は分るので、しなければならんということにはなると思うのであります。これは交渉の仕様である。もう少し熱のある、そうして統一したような気持交渉して貰いますと、この筋道は通ると思いますが、如何でございますかお尋ね申上げます。
  31. 西村久之

    政府委員西村久之君) 御意見の御趣旨御尤もであるのであります。三木政府として先程から申上げました通り農業水利事業にいたしましても努力をいたしておるのであります。又申読書も実は書類の整えただけの分は出してあるのであります。ところが残念ながら、二十四年度はお認めを願わない。御意見通りキュアリングに七千万円より運用金を許可を願つていない実情にあるのであります。二十五年度も同様私共は四百億の枠の中に、御意見のような関係を組み入れまして折衝を重ねて、要するに是非聞き届けを願うように努力する所存でありますから、その通り了承置きを願いたいのであります。
  32. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 それでは官房長にお伺をいをいたして見たいと思いますが、こういう書類の取りまとめは、恐らく農林省でやつて、その筋に提出するのだと考えておりますが、そうであるかないか私は一応承りたい。
  33. 平川守

    政府委員平川守君) 先程手続が遅れたというお話でございましたが、補足して申上げますと、当初先方に示します書類がなかなかやかましい外に、実は農業関係につきましては特に金利等の問題もございまして、殊に細かい個々の中小の組合に貸すことになりますので、大きな企業と違いまして、その方法自身についてもいろいろ議論があつたわけであります。結局農林中金を通して各組合に貸すのがよいではないかということになりましたが、そうなりますと、中金から末端に流れるまでの間に、又若干の利子負担を加算しなければならんというようなことからいたしまして、地方の方ではそういう高い利子では負担に堪えないという声が非常に強くありまして、そのために地方からの提出も大分遅れたようであります。それから更に今一つ実情を申上げますと、実は昨年初めてのことでありまして、本制度の金を借りるというと、そのために補助金が貰えなくなる。実はその補助事業については出さないという建前でありました関係上、逆にこれを借りると補助が貰えなくなるのではないかといつたような気持地方にもありましたようであります。そういつたような関係から多少地方で躊躇をしておつた向もあるのであります。それがいろいろ交渉の結果中金を通して金を貸すけれども、中金に対してはその取扱量を別に見返資金の会計から出す。従つて末端の組合に到達するのが約七分五厘で到達する。こういうことに話が決まりましたのが大分後であつたのであります。そういつたような交渉に可なり時間を取つたような関係もありました。七分五厘ということが明かになりまして急速に書類が集まつて参りました。これが取扱は農林中金の方でいたしておるのでありまして、中金の方で集まり次第逐次大蔵省の方に差出しておるような状況であります。
  34. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 見返資金のことは大体分つたようで、これ以上お尋ねしても分からんかと思いまするが、幸い安本西村政務次官がお見えになつておるので、この際是非御答弁を願い、お聽きをして置きたいと思いますことは、大体御承知だと思いまするが、農村が非常に金詰りになり、協同組合が非常に経営に困難をいたしておりますが、我々は声を枯らして各方面に呼びかけておりますが、どうもそれが融資を受ける場所がありそうに見えないので、これから先は一体どうなつて行くかというその見当を今から付けて、確固たる信念で以でどうしてもこの目的を達成するのに邁進になければならん立場になつたのでありますが、安本としてこの農村の金詰りをどうして打開して行くかということの御心配があると思いまするから、次官のお考を、安本の御方針をお聽きして置きたいと思います。
  35. 西村久之

    政府委員西村久之君) 農村が金詰りになり、農業協同組合が赤字を出しておるということは承知をいたしておるのであります。従いましてこのままこれを放置いたしますれば農村農業協同組合等は潰滅に瀕する虞れが多分にあることも政府としては了承いたしております。併しながら農業協同組合に赤字があるからと申しまして、全農業協同組合の赤字を解消すべき途を政府考えるということは、協同組合自体の赤字も実直なものであるかないかを検討いたさなければ、徒らに赤字があるからというて全部を全部同様な扱い方で救済するという考え方は好ましくないと実は考えて、赤字が出ました農業協同組合であり、資金の途を必要とする農業協同組合につきましては、個々に調査を進めさせておるのでありまして、その調査の如何によりまして、どの程度のものをどの方法で処置をするかということを速かに政府としても態度を決したいということで資料を蒐集中でありますから、さよう御了承置きを願います。
  36. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  37. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
  38. 北村一男

    北村一男君 造林臨時措置法案が通過いたしますと、造林に関する補助金の交付の外に資金融資もするということになつておりますが、これは十億と聞いておりますが、見返資金を当てにしていると思います。これはやはり土地改良と同様に見込がないうちに入るのですか。或いはこれは林業ですから見込があるのですか。
  39. 西村久之

    政府委員西村久之君) 御意見の点は見込があると申上げてよかろうと思うのであります。御承知通り企業の四百億の枠の中に、三十億の造林計画資金が出るというふうに公表されておりますから、その点は可能性があると了承つて結構かと思います。
  40. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 見返資金関係はこれでよろしゆうございます。じやどうも有難うございました。   —————————————
  41. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは協同組合法の関係についての御質疑をお願いいたします。
  42. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今回の提案理由の説明によつて見ますというと、戰時中に政府が権力を以て無理に統合して来たところの農業関係の諸団体を元の形に還そうとするように私は考えられるのであります。考えて見ますというと、農業協同組合を今日の苦境に追いつめたのはどうも惡かつたということを政府自身が自覚いたしまして、政府の責任で何とか対策を講じなくちやできない、これが今回の法律改正の主なる点であると考えるのでありますが、政府ではそういうふうな過去におけるところのやり方が惡かつたということを自覚して本法律案提出されたのであるかどうか、この点お伺いしたいと思うのであります。
  43. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 農業協同組会法は御承知通り、戰時にできました農業会とは本質的に異つたものがあるのでありまして、組合員の全く自主的な考え方で組合員の総意に基いて自分らの手で自分らの組合を作るとこういう考え方で作らせることになつておるわけであります。従つて行政官庁というものはこれに対して徒らなる干渉は全然しないというふうな建前でやつておるのでありますが、今回提案をいたしましたのは、その後できました協同組合の現情から考えまして、本来のその性格をますます強く発揮せしめ、そして又一方組合の対外的な信用を高あるというふうな意味合からいたしまして、やはり例えば財務に関するところの一応の基準を設けまして、これをやる、或いは検査ということをやるということによつて健全な経営と、それから対外的な信用を高めるとこういうようなことを狙いといたしまして今回の法案を提出いたしました。
  44. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今説明されたようなことは戰前の産業組合であるのであります。言葉は別でありますけれども、結論から言えば戰前の形に直そうということであると考えるのであります。又極東委員会決定しているところの農民組織の十六原則に基いて今回の改正はされたのじやなかろうかとも想像されるのであります。果して然りといたしましたならば、今回の改正は尚不十分の点が多々あると考えるのでありますが、この点について伺いたいと思うのであります。
  45. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 極東委員会から示されました農民組織に関する十六原則を今後ますます徹底いたしますためには、尚不十分な点も多々あろうと考えておりますが、私共として一番痛感をいたしておりますのは、たびたび本委員会でも申上げておりますように、一般の経済情勢の変化と最近における変化が農村に強く反映をいたしまして、従つてその結果農業経営の行詰りが延いては組合の運堂上にもいろいろと惡い影響を及ぼしておるわけでありますが、一面又役職員が非常に経験に不足をいたしておりますとか、或いは又その運営をいたしますのに注意が足りませんとか、自覚が足りませんとか、そういうふうな点も多々あろうと考えるのであります。従つて今回の立法的な措置は、一方こういうふうな事態に、対しまして組合員の利益を保護し、併せて協同組合全般の信用を高めるというために、かような措置採りますと同時に、更に組合内部の責任には属しないところの一般の農村対策と申しますか、農政政策によつてこれを救済して行かなきやならんところの面につきましては、別途の措置を講じまして、両々相俟つて協同組合の健全な発展を図りたい、かような趣旨を考えております。
  46. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第九十三條ですね、これではいろいろの報告を徹し、又提出させられるお考えのようでありますが、現在どんな報告書を、取つておられるか、又将来は如何なる報告書を取ろうというお考えであるか、如何なるものを提出させるお考えであるか、現行法は報告を徴するのみであるのでありますが、必要なるものの提出を命ずる、こういうふうなことを書いてありますが、命ぜられる場合にはどういうふうな理由で命ぜられるのであるか、この点伺いたいと思うのであります。
  47. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) これは打越組合部長から説明をさせます。
  48. 打越顯太郎

    説明員(打越顯太郎君) 九十三條によりまして行政庁が取りまする報告の事項につきましては、この條文の中にも規定しておりまするように、組合の一般的な状況につきまして、協同組合行政の健全な育成を図ります上におきまして、必要であるというふうな資料につきまして当該組合から資料を提出して頂く、かように考えておる次第であります。これは勿論提出して頂きまする書類につきましては、成るべく組合の事務の方に煩雑を加えないような配慮を講じますると共に、将来協同組合の育成に対する一般的な指導に資する面におきまして、どうしても必要であるという書類につきまして提出して貰う、かように考えております次第であります。
  49. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 法第五十二條の二の政令案であります。政令案の主務大臣の指定する社債と五條の第一項の第二号に規定してあります主務大臣の指定する社債というものはどういうふうなものであるかということを先ずお伺いしたいと思うのであります。
  50. 打越顯太郎

    説明員(打越顯太郎君) この令案は最初に申上げましたごとく未定稿でございますので、その点を予め御了承をお願い申上げて置きます。そこで只今質問のございましたこの政令案の第五條に規定しておりまするところの主務大臣の指定いたしまする社債と申しまするのは、大体のところ地方債等について考えておるわけであります。さよう御了承を願います。
  51. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 同條の附則第二項に、一年に限るところ書いてあるのでありますが、現在の農村苦境の実況から考えて、一年以内にこれができるとお考えであるかどうか、私の各方面から徴したものによつて見まするというと、一年以内には実行不可能なりという吉が強いのでありますが、一年以内と決せられておるところの理由を承りたいと思うのであります。
  52. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 御意見通り新しくこの債務処理の基準を定める政令の内容は、現状から見ますと相当事態を変えなければならん点もあろうかと思つております。或る種のものにつきましては、現在すでに定款その他でみずから規定しておるものもあるわけでありますが、又そうでないところもあるわけでありまして、私共といたしましては、必要な点についてはそれぞれ特別の例外的措置考慮をいたしておりますので、期間といたしましては、これは我々の心組といたしましては、やはり一年というようなことでやつて参りたいと思つております。ただこれの実施後の状況等については愼重に注意をいたし若しもこれによつてこのままで進むというふうなことが非常に困るという事態に立至ります場合は、又それぞれ関係方面ともよく相談をいたしまして、そのときこれに応ずるところの措置考慮して参りたい。現在の心組といたしましては、一応一年ということで指導をして参りたい、かように思つております。
  53. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと藤野さんはじめ各委員の方にもお願い申上げますが、協同組合法については大体農林大臣に対する質疑は本日くらいで終了して頂いて、荷逐條的の問題その他がございますれば、本日時間があればやつて頂くし、本日時間が切れますれば、引続いて明日やつて頂く、こういうふうな手順にいたしたいと思いますので、質問の途中で誠に恐縮でありますが、農林大臣に対する質問を先にまとめ工やつて頂ければ議事進行上都合がいいと思いますので、端折つたようで大変恐縮でありますけれども、そういうふうにお取計らい願いたいと思いますから、どうぞお願い申上げます。
  54. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 これはいろいろ問題があつて、総理大臣及び大蔵大臣に来て貰つて最後は話をした方がいいと思う事項がありますが……
  55. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ああそうですか。それはその通りに……では農林大臣に対する質問を……
  56. 羽生三七

    ○羽生三七君 農林大臣にお伺いします。先日この委員会委員長から御指摘になつた、総司令部のしばしば寄せられた指令との関係で、我々が考えなければならんと思う点が随分あるのでありますが、それは協同組合に関してはこの支持育成ということが強く謳われておるにも拘らず、先程来西村政務次官との応答の中にあつた、例えば金融問題一つを取つて見ましても、全く喰い違つた状況ができておるわけであります。つまり関係方面では日本の協同組合の発展が農村の将来の発展に大きな役割を果すであろうということを大体大掴みとしては謳つておるわけであります。ところが実際には先程議員各位から指摘されましたように、土地改良費にいたしましても、或いはその他農村関係の諸経費にいたしましても、必ずしも十分に予算を計上することができない。逆に政府の予定したよりも実際の面においては極めて少い額しか獲得できない。これは関係方面のお考えの中にも私は指令と矛盾する点があると思うし、一体政府がそういうことについてどういうお考えを持つておるか、私はこれは極めて重要だと思うのであります。つまりそういうことについて何らかの御努力をなさつたことがあるかどうかということが一点と、それからもう一つは、そういう例えば農村の問題の決定的な解決、或いは農村の将来の発展のために、協同組合を育成して行くというような場合を総司令部が明かに謳われておるのでありますから、その線に基いて強く関係方面に要請されておるか、どうかこの努力がなされなかつたならば法案の逐條審議をいろいろやつて、僅かの事務運営費を数千万円多くしたとかどうかというようなことで解決されるような、そういう生易しい事態ではないと私は考えております。私個人のことを申しては変ですが、発言を細かいことについてしなかつたのは、そういう細かいことを言つてももう駄めだ、根本的な問題を解決しなければ日本の農業協同組合はこれ以上伸びないし、また伸びなければ農村の今後の運営についても十分な期待が懸けられない。そういう根本問題にぶつかつておるという感じがするのであります。この点について農林大臣どういうふうにお考えになつておるのか、更めて見解を伺いたいと思います。
  57. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 御満足な答弁ができるかどうか存じませんが、協同組合の性質につきましては、その観点が独自な立場で日本の農地改良をやついて、そうしてここに耕地の再分配をいたした。而もこれらの小農がばらばらになつては、而も土地の担保力もないような状態においては農業の発達は期待できない。そこで協同組合の組織によりて企業化せしめる。併しそれは過去における農業会のごときに、逸脱したような状態になつてはよくない。協同組織も必要であるが、それがその本来の使命を誤つて逸脱ずるようなことのないように組織化するということが協同組合の組織に対する司令部の方針でもあり、又それが妥当と政府としても考えるわけであります。併しこの農業全般に亘つての改良助長ということにつきましては、この協同組合というものを目当てとしてすべては行なつて行くのでありますが、協同組合は協同組合としての本来の使命に、完全な団結の下に達成するような組織をなさしめると同時に、農業政策は又これは別途の立場におきまして日本の農業を再建するような政策を採るべきである。この観点から農業政策を進めておるわけであります。これは先日もここで申上げました通り農業政策におきまして今までは主要食糧ということに没頭いたしまして、あらゆる経営の面においての不合理化も敢てこれを辞せな、というような方面に進められて来たのでありますが、今後におきましては農業の地区的な立地條件に即応するような政策を選択せしめまして、そうして農業経営が合理化せしめるような方向に指導して行きたい。それにつきましては現在採つておりまする土地改良なり、或いは耕種の面におきまして或いは技術の改良の面におきまして、文間接的には土地の改良、災害防止というような方面に施策を講じて、農業の全般的な政策を立てて行く、併しその相手方といたしましては先程申しました零細化されたるところの農業者が組合の力によつてこの政府の政策を受け入れて、そうして農業の成果を挙げるような努力を行わしめる、こういう考え方で進めておるようなわけであります。
  58. 羽生三七

    ○羽生三七君 大分私の考えと喰い違つておるのでありまして、私共は先程農林大臣から御指摘がありましたように、農業協同組合が昔の農業会と違つた形で発展しなければならないということは、これは当然の事実として認めるわけであります。そうして行く場合に、農業協同組合が行うベき事業はいろいろあるのでありましようが、例えば協同組合自体が仕事をする場合の主体になり得るかどうかは疑問でありますけれども、今問題になりました土地改良問題一つを取つて見ましても、そういうことをやらなければ本来農業協同組合の成果は挙らないのであります。例えば今大臣から御指摘になつたような零細化された農家の力を結集して協同組合の力で将来農村を発展さして行く、或いは土地改良事業等を通じてその改革の基礎を確立して行く、これは新しい農業協同組合の発展でもあり、又農家の発展にも寄與するところであると思いますが、先程来この委員会で議員の各位が御指摘になつた問題は、その土地改良費すらも当初の計画と全く相反してほんの嘆かしか計上されない。そういたしますると、昔の農業会を改めて協同組合に改編の趣旨というものは、つまり生産面において真に農業協同組合の力を発揮するというところが狙いであるのであります。その生産面の裏付けになるものは、先程申上げました、例えば土地改良事業というような裏付けがなければその成果は挙らない。ところがその経費は殆んど、計上されても微々たるもので、むしろ国営事業或いは県営事業等の継続事業を除けば殆んど小さいものは打切られてしまうというような條件では、本来の協同組合の成果を挙げることは期待すべくもない、こういうふうに私達は解釈せざるを得ないのであります。関係方面との折衝で種々御苦心もあるということはよく分りますけれども、全く矛盾しておるのでありますから、つまり日本の農業の発展をさせるために農業会、まあ一つはあれもあると思います。独禁法との関係もあると思いますが、大体においては従来の農業会と違つて、意味で農業協同組合を育成させるというのが、狙いであつたにも拘らず、実際の具体的な施業、或いは予算面においては少しもこの裏付けがない、これは非常な矛盾だと思うのであります。従つて先程農林大臣から縷々お話がありましたけれども、どうしても私達はこの矛盾というものは納得ができない。だからこの問題を解決をしなければ法律を幾ら一部改正案を作つてあれこれいじつて見ましても少しも成果は挙らないし、まあ大体農業協同組合は漸次衰退の運命を迫るのではないかと思つております。尚私はこの際附加えて申上げて置きますがすべて政府の施策に頼つて協同組合自体が自ら積極的に何もなさなくていいとは申しません。私は協同組合の今の指導者の中で能力を欠いている人もあると思います。この点ははつきり認識しないというと、政府が全部惡くて協同組合には何も欠点はないのだということを私は考えておりません。経営の能力のある人がやはり立つて行かなければ今後発展できないと思います。これは別途の問題で、農民月俸の問題ですから、ここでとやかく言う筋のことではないと思いますけれども、そういう意味から考えまし、政府が、少くとも農業協同組合を設立した精神に副い得る程度にまで予算の裏付けをざれなければ、本法律案一部改正案を審議しても私は意味がない、こう考えております。農林大臣はこの予算の裏付けをされるために、更に一層の御努力をなされたい、こう考ておるわけであります。まあこれは御答弁の方はどつちでも構いません。
  59. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣もなかなかお忙しいのと、どうもいい話をしで聽いて貰うものだからあんまり心よしとしないので、どうも面倒臭いという考もしておられるが、これは大変なことで、我々は大事はとりたくないのだが、農林委員会農林大臣に問い質さなければ、そこは誰にも聽きようがないのだから、それは一つ気長くやつて貰わなければいかんと思う。そこで私は協同組合法のことではないのですが、これに附随したことで、どうしても今国会会期中に目鼻をつけて貰わなければならんと思いますことは、農村の金詰り、協同組合の経営が困難になつておりますことを、どうにか動けるだけの資金の準備でありますが、実は先程安本事務次官に、赤字組合と言われたので、それを逆にしようと思つて聽きしようと思つたところが、大臣室にちよつと行つたのでその間に来なくなつた。決して我々は赤字組合とかどうとかいうことを言つておるのではない。随分長いこと叫んでおりますが、一向目も鼻もつかないで恐らくこの会期を終るのではないかということを心配しております。若し会期が終りますと、面倒臭くても、取り騒ぐと言つてもなかなか面倒だし、捗らんと思いますが、実に昨日民自党の政調会の副会長がお出でになり、あと四、五人お出でになつて、十日間の間に全部でつち上げようじやないかということを約束して帰つてつてはおりますが、私はこつちの方の準備は十日でもできますが、どこから一体そういう金が出るかということが一体分らんじやないか。恐らく僕の考では、出口が分らないのに、幾ら調書を集めて見てもこれはどうにもならん。葬式の花ばかり作つても、坊主が来んければ葬式にならないと同じで、これはいかんと思つておりますが、一体大臣はどうお考えになつておりますか、実は二月の十八日に第三号室で、農村に恐慌が来るか来んかの問題をお聴きしましたが、お前等脅かすから駄目だ、脅かしてはいけないと申されたのですが、私共は脅かすのではなくて、こういうことが来るぞということを知らしめて、そういうことに対して準備をさすことが最も親切であると考えておりましたが、到頭ここまでやつて来て、これは今までの世の中だからこれでいいのですが、一般経済界も昔の戰争前の経済界でありましても、日本の経済は大破綻であります。手形が一日に東京市場でも百件も不渡になりますと、これは日本の経済の大破綻で、これより以上のことはないと思います。若し今度の国会で農村を救う資金の出品が分らないで終りますと、私は恐らく今年の六、七月頃の、本当に農業の大事な時期において、一頓挫を来たすと思います。それで所得税を取られて困つておりますが、これからも参ります市町村税等は、一向に拂うことができなくて、行政機関の機能も止まりやせんかということを心配いたしておりますが、大臣はどうお考えになつておられるか、どこからか金が出るというお見通しをつけておられるか、一応伺つて置きたいと思います。
  60. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 決して私は農村金融に楽観をいたしておるのではないのであります。併し農業協同組合が金融の問題において行詰つておるのは、これは事実であります。併しこれを大袈裟に行詰つていると騒ぎますと、取付まで起すようなことになりますので、これは銀行でも一つの銀行に取付がありますと、隣りの銀行もどうかというので、取付があるというのは、群衆心理の有様でありますが、私は農業協同組合が危い危ないというと、何も知らない組合員までが、うちの組合は危いという心配を起すことを心から私は、心配するのでありまして、いろいろ惡いことは随分惡い、併しいい而もあるのでありますから、余り赤裸々に言い出すことはどうかと思つて、成るべく私は何も知らしめず、よらしめずという昔の古い考は持つておりません、持つておりませんけれども、農村恐慌農村恐慌と脅かしつけると、恐慌でないのに恐慌のような気持になる。私は農業協同組合がいけんいけんとおつしやらない方がいいのではないか、そうして善後措置を取るべきであると、かように考えておるのであります。私じつくり考えて見ますと、協同組合は、私が申すまでもなく、私の知つている範囲内におきまして今の農業会の引受の金、それから現在の行詰つた金、そうして手持ちの滯貨の処分に必要な金、それでいろいろ教えて来ますと、午前中もお答いたしましたのでありますが、容易やそつとの金では綺麗に尻を拭うことができないと思います。併しできないといつて手をつけなければ段々惡くなるのでありますから、一何としても早く堰止めるような方法考えなければならんと存じます。それにしましては金の準備はいたしましたが、貸していいのか惡いのかというような、素性の知れない者に貸すことはできないので、今御審議を願つております改正法案によりまして、これは一時的に、申しますれば、本来はなすべきことではないかも知れません。ないかも知れませんけれども、監査制度を設けまして、そうして組合の惡い点を直し、指導しまして一そうして立ち行くような一応の目度を立てまして、そうして起死回生の薬を注ぐというようにしなければならんと考えて、今手をつけて御審議を願つておるわけであります。金融の面につきましては、今のように特に御承知通り中金だけでありますが、中金も四億のしみつたれた收支でありましては、何とも動きがないのでありまして、今回これを皆さんの御心配によりまして、八億にして貰い、そうして従来のやつを二十倍の割合まで進めますと、その固定資産の増加によりまして、見返資金から今回二十億の増資をいたしまして、その発行限度によりまして二十八億になるわけでありまするから、相当の金融の途が開かれて来る、その金額百七、八十億になりますけれども、それではとても今の全部救済することには到底できませんから、中央の農林中央金庫といたしまして、そういう方面農業協同組合の資金の面を引受けて、そうして協同組合の基礎が確立いたしたいということになりますれば、それに従つておのずから各方面からの信用も高まつて来まして、そうして手形の融通の面におきまして、勿論金融の面におきましても今のような不信用、ふしだらくな有様から脱却して借用を獲得し得る、こういう面も開かれて、何れにいたしましても、農業協同組合の基礎を強固にいたしまして、そうして中金はこれによつて金融をして行くということにいたしたいと思つておるのであります。まだ中金の自己資産が増加いたしておりませんので実現ができないのであります。できるだけ早く中金の自己資産の増資を願いまして、そうして、その実現を図りたいと、かように考えでいるわけであります。
  61. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣のお話は本員も同感でありますけれども、決してずるずるべつたりどの協同組合に対しても考えてはおりません。そこで農林省の方でもいろいろ心配をして頂き、それから下部の方でも随分診察ができて、そうして処方箋ができて、実は待つておるのであります。そこで処分箋ができたが、なかかなこの薬を飲むのに、治るまでは困難だが、この病気が今より以上進まないようにして置くのには今急にそう多額でなくてもいいが、金がなければ私はこれはしようがないと思います。それで、金庫のことはよく大臣のお話のように知つておりますが、これとてもなかなかそう急にそれが間に合わんのでありますが、何とか政府で心配をしてそう多くなくてもいいから病が膏肓に入らん先に応急の手当をすることが最も急務であります。それで組合も、相当ある組合を全部ぴんからきりまでこれを救うことは困難でありまして、必ず蘇生をする十分機能は持つておるが、この点で行詰つておるから、これだけは、この二割なり三割を今見てやつて、あとは金庫の機能もでき、融資の道が十分開けてからやつても間に合うということになつておりまするが、差当りのストレプトマイシンを買つて、そうして結核が昂進しないように止めて置かなければ死んでしまうのですから、それが大臣のお話にもありましたけれども、どこから出るというお話がなくて、私の聽いたことはそれを聴いておるのでなくして、どこから一体金が出るようになるのか。大蔵省預金部の金もどうもまかりならんというようなふうであるようだし、非常に困つております。そこで、金庫の債券を振出して貸りるようにいたしましても、その引受場所がはつきりしないと困るのでありまするが、最初のうちは預金部で引受けて貰うと聞いておりましたが、又何だかそれもいけないということを言われていることも聞いておりました。そうなりますと、それこそ又行詰つて来るのでありまして、段々と道が開けて来るのではなくして、パイプが詰まりつつあるならば、このパイプを多少でも開けて置かなければいかんと思うのですが、その出口を今国会中に目鼻をつけて貰いたい。私はいろいろな処理に対する準備、誰が見ても九州の果から北海道の果までの間の書類を見れば分りますから、その書類によつて審議して行けば結構なんで、先ず一応の差し水をすることを待つておるのでありまして、その出道が大臣で大体目当てがつくかつかないか、この国会中につかんとすれば今度は方法を変えて一層一つ大臣も協力して貰い、我々も働いて休会になるまでに目鼻をつけたいと思います。その点どうお考えになつておるか、お聽きしたいと思います。
  62. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 組織している組合員から信用がないというような協同組合に対しましては、余程まあいわゆる赤字組合と言われても仕方がないような組合と存じますが、そういう組合が自分らの作つている、組織している中金以外から金融を求めて来ることは、私は無理だと思う。中金の組織ができるまでに何とか呼び水でも何とかしたらどうかというお話でありますが、やはりこれは適当な筋道によりて組織された金融機関によらなければならんと、私はかように考えます。それで国会開会中というお話もありましたが、中金の問題も近く中金組合自体においても相当お考えになるようでありますが、これは速かにそういう準備さえできますれば、こちらの方法は立つているのでありまするから、その組織ができますれば、これは急速に御期待に副うようなことができると存じます。何とかしてくれるだろうというので、みずからぼやつとしておられちや、こちらが如何に二十億の準備金を持ちましても組織ができないので、然らば仮に認めようといたしましても、もうどこからも見放されておる状態としては救護の道がない。大体この一筋でありますので、この一筋を早く活用するような道がないかと、かように考えて、取急ぎたいと思います。
  63. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私の申上げますことが言葉が足りなかつたと思いますが、言葉は足る足らんは別にいたしまして、我々は金融を受けるのにはもう全部中金を通して、中金によつて金融を受ける、政府が例えばどこからか金を出して貰つても、それは中央金庫に出すのであつて中央金庫が大体診察が終つておると思いますから、そこから出して貰おうという考で、他の一般金融業者、外のところから借ろうとは毛頭考えておりません。そこで大臣も見解の相違だと思いますが、この協同組合を組織して二年にしかならない今日で、農業会から資産の引継ぎを受けて、そうして新しい役員は大部出られる。場合によつては職員も替えられてその機能を発揮するまでに行かない中に、一般の経済界の不振にぶつかつて、そうして惡いもいいもないしそれに引張り取られて行つているのが非情に多いのであります。こういうものは地方にあります。恐らく私は日本の協同組合の中にも全く駄目て、如何にも方法もないというのは、恐らく三分の一か、四分の一かぐらいしかないと思いまするから、これは必ず蘇生をするし、立派な協同組合になつてつて貰わなければ、農村が救われないことは明かでありますから、我々も努力いたしますが、今お聽きしますと、中央金庫に今融資をされる二十億を目度にして、四億の増資をして八億にし、それによつて融資をするというお話でありますが、問題は債券を振出して引受けてくれるところがはつきり見通しがついておるかおらんか、その点が問題でありますから、その点をお聽きしたいと思います。
  64. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) これは先程も申しましたように、中金以外にはないと存じます。中金はその準備を整えるべく、政府といたしましては準備を進めておるのでありまして、ただ中金自体がその態度に一日も早く出で貰いますれば、少くとも百六、七十億万円の金が融通し得られるような道が開いて来るのであります。それ以外に外から金融をするということはこれはでき得ないのでありますので、ただ先程申しました通り、中金の活用以外にないのでありまするから、中金のみづからなる組織の強化を望んでおるわけであります。
  65. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 債券発行する場合、その債券を何処が引受けるかということを聽いておられる。
  66. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) それは中金がその手続を整備いたします場合におきましては、金融面においてはその割引をなし得る目度は大蔵省をしても責任を持つて付けさすことができると、かように考えております。
  67. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実は差迫つておりますので、よくそれをお聽きして置きたいと思いますが、前に十九億二千万円出しましたときには、これは復興金庫がありまして、復興金庫が引受けてくれたので何の面倒がなかつた。今度は大蔵省の預金部が引受けて貰わなければならんと思うのでありますが、これは関係方面で、とやこう言うておるということを聞いておりますがために、自分も心配になつております。二十億貰いますならば、それの二十倍でありますから、これは相当の金になりますが、但しここに出ております政令を出しますと、預金の平均、トータル、バランス、三百八十億というものはそれから引き去つて、あとのものなければならんことになりますれば、それはそれで結構でありますが、引受場所がはつきりいたしますと、どんどん進めて行けると思います。これがどうもはつきりしておらんように聞いておりますから、その点をお聽きしておるわけであります。
  68. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) これは預金部の引受が簡單にできますれば、これは問題はないと存じておりますが、預金部の資金運用につきましては、いろいろ公団関係以外にはこれを利用しておらないわけであります。併し復興金融金庫も今ないのでありますので、中金が債券発行いたします場合におきましては、日銀等も勿論責任を持つて私はこれは引受けることと考えております。
  69. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 專門ですから、大臣は……。こつちが迂滑なものと見えて、それについては分らないが、思つておるのじや非常に困るのでして、そこで私は債券引受場所を政府の方で御面倒でもはつきりやつて貰いませんと、生の見返資金の二十億や、まして増資の四億ではどうにもならん。預金部が駄目だといえば日本銀行でも結構であります。私は実は法律の中に農林中央金庫発行する農業債券を日本銀行が引受ける、こういう法律を作ることをお願いしたわけですが、それができないものですから、どこかに頼んでやらなければならんということでありますから、非常に因るのであります。是非大臣もよく協議されて、その発行した農業債券は、発行した時分に引受けて貰います場所を早急に話し合つて御決議願いたいと思います。その点宜しくお願い申上げて置きます。
  70. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私も大臣にお尋ねしたいと思うのであります。本法律案が通過したならば、私などは農業協同組合の経理の合理化、経営の刷新を図るためには、どうしたつて農林省に検査に專従するところの課を設けて行かなければ、徒らに法律は改正したけれども、その目的を達成することはできないこう考えるのでありますが、本法律案が成立した後に農林省に検査課というようなものを新たに設けられる意思があるかどうかお尋ねしたいと思うのであります。
  71. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 課の設置は別段設置法によらずしてもでき得ますのでうその必要を感じました場合においでは、課の設置も考えて行きたいと存じております。併し今検査課というようなものを作るがどうかどいうことよりも、むしろどういうふうな組織によつてこの事務を行うかという問題に検討を加えておるわけであります。従つてこれは予算措置が必要でありますので、補正予算が時期がなければ他の方法によりましても、経費の案出に努力いたしまして、そうして一日も早くこの法案の決議されました場合においての執行に着手いたしたい、かように考えておるわけであります。
  72. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 昨日も大臣にこの法律が成立したならば、これに要するところの人間及び経費はどうであるか、又今後育成指導に関する経費は幾らあるかというようなお尋ねをいたしましたところ、その点については事務当局から答弁させるということであつたのでありますが、私は更にこの際事務当局から御答弁は承つておるのでありますが、大臣にお尋ねしたいと思うのであります。私の計算によつて見ますというと、この法律を実施するためには少くも三億一千万円ぐらいの経費が必要であると考えるのであります。それは農協同組合の検査をするために一億四千四百万円、検査の結果新組合の指導に要するところの費用が一億四千五百万円、政令基準達成についての趣旨徹底のために要するところの経費が……これは取消し。行政庁の検査の結果を一層拡大するために時々監査を助長するために百八十万円、農業協同組合の幹部養成その他の教育施設に約一千六百万円、こういうふうな経費を要すると考えるのでありますが、大臣はこの法律が通過していよいよ実施する場合において、どのくらいの経費を要するとお考えであるか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
  73. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 予算の立て方によりましては、その内容の立て方によつていろいろと数字が現れて来ると存じます。今お述べになりました数字もうその内容を決して無理とも不合理とも考えませんし、又そういう計画によりましては、更に今の金額でも少いかも分りませんが、農林省といたしましては事務当局が先にお答えいたしたようでありますが、いろいろ予算の全般的な関係もありますし、できるだけと考えましても、予算範囲で最小限度予算を申上げたこと、と存じます。併し予算の経費だけでは仕事ができないこともありますけれども、できるだけ少い経費でその結果を挙げるように努力いたしたいと考えております。
  74. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は農業協同組合に対する法的見解の是正であります。農業協同組合は営利を目的としない法人で、組合員に対して最高のサーヴイスをする使命を有しておるのでありますが、労働基準法、諸税法、殊に経済統制に関する諸法令におきましては。一般営利を目的とする法人と同一の取扱を受けて、協調組合の機能を著しく阻害しておるのであります。ために協同組合の活動はできないのであります。この不振の状態に陷つているところの協同組合を拡充強化するためには、協同組合に対する取扱を是正して行かなければできない、こう考えるのでありますが、この点について大臣はどう考えておられるか、お伺いしたいと思うのであります。
  75. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) ちよつと御質問の御趣旨がはつきりいたしませんので、或いは誤解、間違いまして御答弁するかと思いますが、勿論協同組合はその法律の規定にございますように、組合員に対する最大の奉仕をすることが目的でありまして、営利を目的にすることではないのでございます。そういうふうな考え方から言いまして、一般の商業的機構とは全然趣を異にしたものであると考えております。ただこれが他の産業関係法規或いは経済関係法規においてこれをどう扱つて行くというふうな場合でございますときには、我々といたしましては、それぞれの法規の性質によつてこれはやはり判断をしなければならぬと思いますが、やはり社会通念上から考えまして、これが他のものと同じ行為であるというふうな場合にね、これはやはり同一の取扱をして行くことも止むを得ないというふうに考えております。御質問の御趣旨がちよつと分りかねましたので、或いは見当違いの御答弁をしたかも知れませんが、間違つておりましたらもう一度御答弁申上げます。
  76. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 例えば諸税に関係しましてでも、戰争前までは産業組合に対しては所得税、営業税を課税するという規定があつたのであります。戰時中になつても協同組合は特別法人として課税をしておつたのであります。然るに最近におけるところのすべての法律が、協同組合を一般のものと同様にして、戰前及び戦時中よりも協同組合に対していろいろの條件が惡いようになつておるのであります。又政府の公務員でできておるところのいろいろの組合その他を考えて見ましても、これらについてはいろいろ特典があるのでありますか、協同組合に対しては特典がない、こういうふうなことは、協同組合というのは農民が自分などの單独の力においてはできないのを協同の力によつて増産して行こう、或いは土地の改善を図つて行こうというような公的性質を没却したところの立法的に考えられるのじやなかろうかと思うのであります。又いろいろの統制規定においても同様であるのであります。又労働基準法はどうであるかと申しますというと、これは前々国会に、第五国会で農業協同組合は労働基準法から除外して貰いたいというような請願があつて、参議院が満場一致を以てこれを採択して政府に邊つたのでありますが、その取扱がそのままになつておるのであります。農業協同組合は農業者を相手にじ、農業者は労働基準法の適用を受けていないのであります。その労働基準決の適用を受けていないところのものであから、随時に協同組合に参りまして、いろいろの仕事を要求するのでありますが、一方の方は労働基準法によつていろいろの制限を受けておるから、農民に最大のサーヴイスをせなくちやならない農業協同組合は、労働基準法の制裁を受けて最大のサーヴイスができないというような現在の状態にあるのでありますから、労働基準法であるとか、地方税法であるとか、各種の徴税規定であるとかいうようなものを、農業協同組合が或る程度公的の性質を持つているものであると解して、特別な取扱をすべきものであると考えるのでありますが、現在においてそういうふうな取扱が段々と薄らいで来ておるから、元のように戻される考はないか。さつきも申上げたように農業協同組合になる前の、農業会になる前の産業組合時代と同様な取扱にされるようになつたらば、こういうふうなものはすべて除外されるということになつて来るのでありますが、そういうふうな考はないかどうかこういうふうなことなのであります。
  77. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) この問題は予算委員会等でたびたび論議された問題であります。今回の地方税法によりまして、特別法人としての取扱をしないという建前になりましたのは、税制改革の根本の方針に基いて行われたのであります。農業会は過去におきまして、産業組合におきましても一つの強力な設立の條件がありまして、いやが応でも農業会のごときは三分の二以上の発起者があればこれを設立しなければならない。又設立も解散も組合員の自由意思によるということにつきましても相当の制約があつたのであります。加入脱退につきましても相当の制約があつたのでありますが、従つて農業会のごときは国家の代行機関ともいうような国家の為すべき事業を行わしめるというようなこともいたしておつたわけでありまして、助成もし、又指導もし、監督もし、又農業会を通じての国策の遂行も行なつて来たのでありまして、見方によりましては一つの国家機関の一部をなしておつたようにも考えられるのであります。併し今回できました協同組合は全然自主的に民主的な組織でありますから、地方におきましてその数のごときも制限をいたておりませんし、又本年作つて本年に解散も自由でありまして、こういうふうに自主的な立場に置き、而もそれは組織せんとする組合員の自由意思につて行うという自由な立場に置いております関係上、国家といたしましてもこれに対して農業会のごとき干渉もできず、又極端な指導もできず、又代行的な事業もなすことを得ない、こういう建前にあるのであります。従つて法人税課税の考え方といたしましても普通の農業者が集つてつているというだけであるので、特別な法人として取扱うことは不合理である、こういう観点から法人税において特殊の段階を設け得ないのであります。これにつきましてはいろいろの御議論もあります。又予算委員会等においても相当議論されたのでありますが、今回法人税を決定いたしました政府といたしましては、以上の考え方から特殊の扱いをすべきものにあらざるという観点に立つておることを御了承願いたいと存じます。
  78. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次に全農の清算問題があります。これは先程も申上げたのであります。全農もできるだけ早く清算を結了しなくちやならないのでありますが、いろいろな事情で清算が結了になつていないのであります。一方金融機関の再建整備法によつて見まするというと、中金には私の想像するところによれば、大体調整資金が二億円ぐらいあると考えられます。而してこの金融機関再建整備法による調整資金というものは、私の想像するところによれば農業会の解体に当つて欠損金があつたらば、不足金があつたらば、この金から調整することができるということだろうと信ずるのであります。而して全農は、私の推算によつて見ますというと、今一億五千万円ばかりの金が必要であるのでありますから、若しも金融機関再建整備法の調整資金の二億円から一億五千万円を出して頂いたらば、直ちに全農の清算は結了する、こういうふうなことになろうと思うのであります。若しこの金を支出することができないということだつたらば、全農の資産として、現在農林省が使つているところの建物があるのでありますから、その建物も或る程度価格面、或いは使用の価格というような亡とから考えて来るというと、直ちにさつき申上げたように清算が結了すると思うのでありますが、金融機関再建整備法によつて中央金庫が持つている調整資金は支出される考であるか、又あの建物及び使用料は今後どうして行こうというお考であるか、或いは政府においては、使用料は或る程度増して差支ないというような考のようでもありますが、いろいろの規則の制限によつて支出ができない、こういうふうなことであるようであります。そうしたならばいつまでも清算はできない、いつまでも清算ができなかつたら、清算の方はますます困難な状態に陷る、今日の場合は一日も早く調整資金から出し、建物及び建物の使用料を何とか考えるというようなことで、成るたけ早く決済をし、清算を結了した方がいいと考えますが、この点大臣の御意見を承りたいと思うのであります。
  79. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) これは具体的な問題でありますので、私からお答え申上げたいと思いますが、お話のように現在全農のこの清算が非常に遅れておりますのは、例の清算の結果、不足金と申しますか、債権債務を較べ合せますと、債務の方が超過するというふうな関係が出ているわけでありますが、それはお話のように金融機関の再建整備法によりまして、全農の清算の場合でも、政府は中金がいわゆるクツション・リザーブといたしまして、確か……金額は或いは間違つておるかも知れませんが、約一億二千万円程度のものであれば、この調整ができるということに相成つております。大体バランスを見合いますと、その程度の不足金が生ずるというわけでありまして、それについて先ず大蔵当局の了解を得たいということで、たびたび会議をしたわけであります。大蔵当局といたしましても、確実に資産の評価をし、それから又資産の方も極力切下げまして、止むを得ず出て来るものについては、これは調整金の許す限り見て差支ない、併しながら尚その計算については、資産の評価について尚もつと多額に見積れないだろうか、支出の面についても尚もつと経費の切下げができないか、極力その不足額は少くすべきであるということで、いろいろと御註文がありましてやつておるわけであります。大体の意向といたしましては、もとより全農を破産に導くというようなことは大蔵当局も考えておらないのでありまして、円満に清算をいたしたいということは、政府としては全部一致した見解であります。そこで一番問題になつておりますのが、全農の方の資産の中、現在農林省で借りております元の産業組合中央会館、これの問題でありますが、これを全農といたしましてはできるだけ、何と申しますか、有利に政府において買上げて貰いたいう農林省の建物として早く予算を取つてこれを買上げて貰いたい、そういたしますれば清算ができるということで、ところが現在農林省の財政その他の関係から申しますと、あの建物を予算を取つて買うということも非常に困難であるという事情一つあるわけです。それからもう一つ、どうしても困難であるならば、現在の農林省の借り賃について、これが非常に一般のものと比へて見ますると安くなつているから、もう少し有利に借り賃を決定して貰いたいということが再三のお話であるのであります。これは官房長その他いろいろ会計課長にも御折衝を頂いたのであります。これは家賃、地代等の統制令の関係で、そんなには上げるわけには行かない、どうしても上げるわけには行かないということに相成りまして、非常に行き悩んでおるわけです。その結果その解決ができませんために、全農の清算が遅れておるという事情になつておる。私共といたしましても、これにやはりその問題を解決することは政府側としての責任でもあると思つております。一つ方法とじて、どうしてもこれは政府において予算を取つて買うことができなければ、場合によりますれば、中金自体においてこれを買つて頂く。それから又それについての資金、買うことによりましての中金の資金が不足いたしますような問題については、これは又別途或いは食糧管理特別会計の方からの問題もございましようし、その他の融資の問題、預託の問題等もあると思いますが、そういうふうなことで解決することが、やはり一番手取早い方法じやないだろうかというふうにも考えておりまして、寄り寄り協議をいたしておるわけであります。我々といたしましては、各関係方面が、できるだけ早くこの問題を何らかの方法で解決いたしまして、全農の清算が急速に結了することのできまするように努力いたしておりますが、尚今後共至急に解決するようにやつて参りたいと思つております。
  80. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 大臣から若し答弁がなくても、局長、部長で結構でありますが、この際下部の問題について一つ聽いて置きたいと思うのです。  大臣は、しばしば委員会或いは本会議、予算委員会で答弁され、農村の近代化、農村の堅実なる育成は農業協同組合の育成にあると、かように申されており、又その方針であろうと私共も思つておりますが、実際今日の只今のお言葉の中にもありました通り農業協同組合は組合自体の協同によつて組織される関係上、組合再編成の際においてその中心人物に信用のない人が当つた場合には、預金する者もなければ、運営においても指導上においても非常な欠陷を来たしておることはお知りの通りであります。従つて今後下部の町村運営においては、何と申しても中心人物に相当の方を得るような方法を講じなければならない、ここに一つの大きな欠陷があるが、局長、部長においては、これらの要請に対してどういう方針をお探りになるか、この点を先ず一つお聴きしたいと思います。  次に、今日の農村不況に対しまして預金の排出、或いは資本の固定した関係上、経費において非常に運営上支障を来たしておることはお知りの通りでありますが、この組合員から、以前の農業会なり産業組合でございましたならば、徴收ができたのでございますけれども、現在においては組合員に組合費の捻出をいたさせても、利益の挙る仕事でなかつたならば、組合員はそう捻出するものでもなければ、又負担に応ずるものではないのであります。従つて組合に相当利益を生じさせる方法がなければ、組合費の徴收は困難であろうと思いますが、これらの方法に対しまして、どういう方法を以て組合費の捻出に支障を来たさないような方法考えておるかどうか、この点を第二にお聴きいたしたと思います。三において、今後果樹とか或いは特殊作物に対しましては、自治検査をして、一は品質のよきものを生産させ、又これを搬出する等において、非常な農業経営の適正化ございますけれども、検査手数料を自治検査をいたしまして取ることが許されておるかどうかということについて、三としてお聴きいたします。  更に、以前大変本委員会におきまして、農村加工業に対しまして相当に助成政策を採られておりますが、現在はこの方法がないと思いますが、農村におきまするところの農村工業は、他の商工業者と比較いたしますときに、助成政策がなかつたならば、相当経常に困難を来たす実情からいたしまして、殆んど農村工業の経営はいわゆる将棋の倒れるごとく、共倒れの実情にあるのであります。これらの農村工業に対しまして、これが健全に育成されるの方法を、今後どういう方法を以てお探りになるかどうか、これが次の問題でございます。  更に、先程大臣のお話にもあつた通り、今まで、農村におきまするところのあらゆる政策は指導陣の充実化にある、いわゆる指導陣の強化にあるというお言葉であります。都道府県においても市町村においても、殆んど指導陣たるところの技術方面の技術員は、その町村の補助費、助成によりまして、農業会なり農業協同組合なり或いは産業組合と雖も、これによりましてその堅実な発達を続けて来たのでございます。現在は農業改良助長法において、市町村に一名の指導員は配置されつつありますが、全市町村にまだ徹底しないという実情に際しまして、市町村にも現在入用のある際において、これらの強化策に対して、何か市町村及び都道府県に格別な手をお打ちになつておるかどうか、以上につきましてお答え願いたい。いわゆる農業協同組合は下部の市町村の健実な発展、強力なる組合組織でなかつたらば、如何に農業協同組合で今後法律を改正しても、健実な発展を望むことはできないのでございます。  次に今回の改正によりまして、いわゆる指導方針を指導連或いは経営上の事業連、信連、この三本建は必ず国及び都道府県に統合するだけの決意ありや否やということをお尋ねいたします。
  81. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) お答えを申上げます。第一点の役職員の素質と申しますか、その中心人物の育成の問題でございますが、これは極めて重要な仕事であると私共は見ております。率直に申しましてやはり組合の経営に適当であるかどうか、或いは又うまく行つておるかどうかということは、やはり中心人物がしつかりしておるか、或いはそうでないということによつて分れておるように考えております。従つて今後共我々といたしましてはこの役職員の指導、或いは技術的な問題、或いは又経営上の指導というようなことにつきましては、現在の若干の予算を以ちましてその短期講習をいたしておるわけでありますが、そのようなことにつきましては今後共一層積極的にこれを行うように予算措置、その他適当な措置を採つて進めて参りたいと思つております。  それから組合費が集まらない、これについて何か考えるところはないかということでございますが、本来やはり協同組合というものは、組合員の自由意思によつて成り立つというような建前でございますが、これに対する補助というものも非常に現在の財政的な関係から、又ドッジ政策の建前からいたしまして困難になつて来ておると存じます。根本問題は農家の経営が安定する、農家において余裕が出て来るというようなことが、やはりその基礎であろうと思うのであります。やはりそのためには農産物価格の問題でございますとかということも大きな問題になつて来ると思うのであります。我々といたしましては、さような点についてもできるだけの農家経営の安定の措置を講じて行くということも必要であろうと思いますし、又農家経営の安定のために、組合自身が協同の力によつて経済事業を営み、そうしてそれをできるだけ有利に経営することによりまして極力その組合経費を少くし、その経済事業によつて得たところの收益によつてこれを賄つて行くというようなことも、極めて必要であろうと存じます。それから又やはり組合員の側においても、協同組合を自分らの組合として更に積極的に盛り立てる、できるだけ組合の事業に関心を持ち、必要な経費はこれを出させる、そうしてもつと積極的な関心を持たせ、組合の運営にも組合員が出て発言をして、そうしていろいろとよりよくするというような努力をさせることも極めて必要ではないかというふうに考えておりますわけであります。それから団体が自治検査をいたします場合に、自治的に自分らが有利に販売するために、又販売物の信用を確保する、又価格を有利に取引するというような意味合の自治的なものとして、さような亡とも必要であろうと思います。従つてこういうふうな問題については国といたしましては、何らこれに制限をしたり干渉をすることはないのでありますから、当然組合員の決議によつて組合員が宜しかろうというような決議によりまして手数料を取つて行くというようなことも当然許されて然るべきものと思つております。  それから次に農村工業育成に対する根本的な方針であります。農村工業が農家の農業收入をできるだけ農家の手に確保する、農産物を加工いたしまして、それによる利潤をできるだけ農家の方に還元するというような考え方からいたしまして、農村工業は極めて必要であろうと思つております。ただ最近の情勢で考えて見ますると、ただ單に物を作つただけで売れるということはないのでもつと農村工業の指導者というものは他の一般の商品と対抗して売れるところの品物を作る、それから又物を作る場合には坂路というものを先ず考えて作るということが極めて必要であろうと思います。それと又農村工業と申しましても非常に範囲が広いわけでありますが、我々といたしましては、現在資金等につきましても非常に窮窟の際でありますから、極力農業経営と直接結びつけた農村工業というものに重点を置きまして、そういつた方面農村工業を発展させる、尚又技術の向上でありますとか、或いは品質の向上というふうな両について考究をして行く。そのために必要な或いは講習というようなものも積極的にいたすことにいたしまして、極力この農村工業が健全に育つように私共としてはやつて参りたいと思つております。  それから市町村における指導技術員の問題でございますが、これは御承知通り現在農業改良局に技術普及員という制度を設けて偽りまして、いわゆるエキステンションの仕事はこの改良局の技術普及員によつてつて行くということに相成つております。現状におきましては、まだこれが非常に不足をいたしておりまして、一町村に一人というものが完成をしておりませんので、それは本年においても二千五百人の予算が取れ、来年におきましても亦二千五百人ということになつております。来年と申しますか、来年、再来年においてやつと一町村において一人づつの技術普及員が置かれる、こういうことに相成ると思うのであります。我我といたしましては、この技術普及員と相呼応いたしまして、その足らざる部分を補うために、やはり指導單位農協、又指導団体におきましても、持つておられますところの技術員がよくそれと協力をいたしまして、お互に唇歯輔車の関係でうその技術が農家に完全に普及徹底するように強力に進めるというような態勢を、今後共一層採つて行かなければならん、こういうように思つておるわけであります。  それから尚本改正によつて連合会が三本立に相成るわけでありますが、この三本立の統合を徹底的なものとして、これを強力に推し進めるのかどうかというお話でございますが、これはそうではございませんで、法律的にこの範囲まではこの統合を認めるというわけでありますが、中央、地方において具体的な実情でこういうふうに統合して行くかどうかということは、すべてこれを結成するところの構成員、或いは農民諸君の自由な意思決定に委せたいと思います。従つて農家の自由意思によつて自分らの作つておる連合会が、この際合理化のために統合することが適当だということがすべての意見としてまとまり、その意見に基いて統合が促進されるならば、非常に結構なことであろうと思います。上から徒らに干渉がましく統合せよとかどうとかいうような行政官庁の干渉的な態度は取らないで飽くまで自主的な判断にこれを委せるというような行き方で進みたいと思います。
  82. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 私はまだ二つの疑問があるのであります。  一つは私の最後の、町村における技術指導の助成には、まあ改良助長法によつておるのは大臣その他からしばしば答弁があつて聞いておりますが、曾て農村の更生をし、農村の経済の安定のために技術員の足らないとぎにはり農学校出を技術員の補助員といたしまして、少くも百戸或いは百五十戸に一人一づつ配置いたしまして、徹底的の指導をいたしまして、それが芽を伸ばし、或いは強力なる賛成を得まして、農村の経済上の更生を……勿論生産上の非常なコストを高めたのであります。今月において、農村が不況の一歩前に順次入るこの際におきましては、一人くらいの村の指導員が、如何に、どれ程飛んで歩いてもなかなかとの大きな態勢を。不況の波は乘切れるものではない。少くとも町村に協同組合が設置されましたら、協同組合は指導陣におけるところの補助員のような者を相当作りまして、そうして如何に不況の次に来る大嵐の波を乘切るかという態勢を今こそ整えるときである。政府の要路にある者は少くとも一人や二人の者でその村がどうでもなるものではないという二とをよく認識いたしまして、先ず以て嵐の前に二つの手を打たなければならない。あの大きなキテイ台風のときにでも、三浦三崎の或る県会議員が、船と船との間に蓆を置いたり、古い俵を入れましたので、あの何十艘の船が一つも破損を来たさんで済んだというような一つの例もありますが、農村に今こそそうした強力なる態勢を農村自身の意思によつて築き上げるように御指導頂きたいというのが一つであります。  それから周東さんが農林大臣のときに曾て私がこう言つたのであります。九頭龍さんのごとく、頭ばかりの農業協同組合に都道府県は勿論、全国をしてしまつて、どうして農村が立つのか例えば長野県で申しますならば、会長専務、常務で五人、それから十六郡ありますが、各郡に支部長一人ずつで、後は次長で結構あらゆる農業政策が徹底し、又充実されておつたのでありますが、八連合会もできてしまつて、六人ずつ、全体で四十八人、その次の郡において一組合に五人ずつといたしましても三十人、十六郡ですから四百八十人に、本部を加えて五百何人という役員ができてしまつた、僅か二十三人で済んだ役員が五百人も役員ができてしまつたから、指導どころではなく、福助のように頭ばかりでつかくなつてしまつて、無駄な経費が沢山そこに消費されてしまつた結果、いずれの協同組合連合会も御覧の通りであります。只今御言葉の中に民主的であるから、政府は三つと決めたが自主的に解決するといつても、これは捕えるときに強力に分割さしておいて、今度統合するときには自主的に統合しろなんと言つても、一度人間の惡い僻みと申しますか、或いはこれが感情の上に立つと申しますかどうか知りませんけれども、役員になつた方々がみずから農村の大事に際しまして、又現在の実情に即して、自分では辞退して、そうして統合して真に農村の強力なる自営自活の堅実性を発揮させろというような方は少いのであります。これは農業会を解散さして直ちに再編成さして、こうしたふうに沢山に分割し、分割した結果非常な惡影響を来たしたというふうなことを是正させるには、政治の力以外に何ものもないのであります。今こそ政治力を発揮いたしまして、農村の団体再編成に更に強力なる統合方法を、農村自体の自覚を促さなかつたならば、到底この問題は解決されません。早急に政治力を発揮して、眞に農村のために政治力で統合方法を促がすだけの決意ありや否やということを私はお聴きしたいのであります。どうか自主的に解決するなんて手ぬるいことを言わないで、現在の日本の全農村を安定させるという強い決意があつたならば、こうした方法を、決心をこの際要望する次第であります。
  83. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 大体農業協同組合法に関しまして、農林大臣に対する質疑は一応この程度にして置きます。  それから農林省設置法の一部を改正する法律案が内閣委員会にかかつておりますが、恐らくこれはこの前の例に倣つて、内閣委員会では、この委員会の意向によつて態度を決めるということになろうと思いますから、藤野委員から逐條質疑が済みましたら、この方は五分か十分あつたらいいと思いますから、合せてお聽取り頂くように予めお願いして置きます。
  84. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 改正法第十條の第六項であります。主務大臣の指定する金融機関ということは日銀である、こういうふうに説明されたのでありますが、そういうふうに解釈していいかどうか確認したいと思います。
  85. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) その通りであります。
  86. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 若し日銀であるといたしましたならば、信連は日銀の代理業務ができることになるのでありますから、いろいろな税金の徴收或いは更に進んで現在その勧銀にのみ委されておる農地証券の取扱というようなものも、信連ができるようにされる考であるかどうか、この点お伺いしたいと思うのであります。
  87. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 私共としてこの規定を入れましたのも、御趣旨のように、例えば日銀の代理業務といたしまして、国税の徴收の事務でございますとか、さようなことをやらす、或いは又県の金庫というような役割をやらせたいというような意味合を以ちましてかようなことを考えておりますわけであります。
  88. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 若し県信連が代理業務ができるということであつたならば、県信連の更に代理たる町村の農協ができる、こう解して差支ないと思うのでありますが、そういたしましたならば、この法律の改正の結果、全国の信用事業を営んでおる農業協同組合は、日銀の代理業務ができると解釈して差支ないかどうか、お尋ねいたしたいのであります。
  89. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) これは古く昔からの問題でございますが、現在のところではまださようなところまで單位の農協がそういうふうに代理業務をいたすところまでは、関係方面との話合いはつかない状態です。
  90. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は総会の前に往々にして加入者があつて、そのために役員選挙に非常な混乱を来たす例が過去において多いのであります。加入脱退が自由であるから、総会の日までに加入した者に対しても権利を與えなくちやできないということになつて来るのでありますが、過去の実例から言つて、さつき申上げたように非常に役員選挙その他で問題が起つておるとこういたしましたならば、これに対する制限を考えておられるかどうか。私の考といたしましたならば、総会の招集状を発した時までに加入したものに対しては選挙権、被選挙権を與えるけれども、その後に加入したものに対しては選挙権、被選挙権を與えないというのが適当であろうと考えるのでありますが、この点どういうふうにお考えになつておられるか、お伺いしたいと思うのであります。
  91. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 協同組合の本来持つております加入脱退の自由の原則、これはやはり守つて行かなければならんと考えますが、只今お話のように総会が開かれる面前加入いたしまして、総会の審議が非常に混乱されるというような問題の予想せられるような組合につきましては、定款を以ちまして、只今お話のございましたように、一定の場合については議決権の制限をするとこういうふうなことは、定款の規定によつてやることは可能であるというふうに思つております。
  92. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今局長のお話通りであるといたしましたならば、私は局長にお願いしたいと思うのであります。加入脱退は自由であるけれども、総会前の加入脱退はいろいろと問題を起す虞れがあるから、そういうふうな地方においては選挙権及び被選挙権を定款で制限することができる。その定款例はこういうふうなものであるということを各地方長官に通達を、知事に通達をして頂きたいと思うのであります。  次に委任状による代理投票ができるかできないか、こういうふうなことであります。農協の役員選挙規程第十一條によつて見まするというと、「左に掲ぐる投票は無効とする。」その第五号に、「選挙された人の氏名を自書しないもの、」こういうふうなことで、総会は委任状によつて成立するが、投票権は委任状によつてはないとこういうふうに各地方で解しておるようでありますが、どういうふうにこの点を解釈すればいいのであるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  93. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) ちよつとそれにお答えいたします前に、前のことを補足して置きたいと思いますが、私定款と申しましたが、或いはこの定款及び只今お話のございました役員選挙規定というのがございます。この中に先程申しましたような制限規定、それを置くことがいいだろうこう考えております。それから只今お話のございました十一條をもう一度ちよつとおつしやつて下さい。
  94. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 農協役員選挙規定の第十一條には「左に掲ぐる投票は無効とする。」その第五号に「選挙された人の氏名を自書しないもの」とこういうふうに書いてありますから、総会は委任状によつて成立するが、その成立したところの総会に出て来て委任を受けたところのものは委任状による投票ができないとこういうふうに現在書いてあるのであります。私は委任状を持つて来たならば委任状によつて投票ができると、若し投票ができないような者が来て総会を成立させるということは、これは解釈の間違いであるとこう考えるのであります。この点お伺いしておるのであります。
  95. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) これは協同組合法の第十六條というのがございまして、この議決権及び選挙権の規定があるのでありますが、議決権及び選挙権について書き分けておるのであります。そしてこの議決権においては委任状でやることができるわけでありますが、選挙権についてはこれは委任することができないとかように法律で書いてあります。従つて只今の問題については、これはやはり役員の選挙権については委任によつては行い得ないとかように思つております。
  96. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いよいよそういうふうになれば、法律問題になつて来るのでありますが、一方の方においては委任状によつて総会を成立させ、その成立に参加したところの委任状が役員選挙に対して選挙権がないということは片手落じやないかとこう考えるのでありますが、それであつても現在政府は現在の解釈が正当であるとこう考えておられるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  97. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) これはやはり議決権には総会の出席者というふうに、これは委任状を持つておる者もこれは認めるわけでありますが、役員の選挙権というものについては、この協同組合法の全体を通じまして非常に重要視しておるわけであります。みずから出席いたしまして投票すると、こういうことでなければ、極端に申しますとそこにいろいろの不正と申しますか、買收のようなことも起るというふうなことも予想されるわけであります。従つてさような意味からいたしまして、役員の選挙権というものについてはみずからこれを行うというふうな建前をまきます関係上、さようなことに相成つております。
  98. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は……
  99. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 藤野さん、今の問題で、これ徹底しなければ……。委員長、これは関連して……
  100. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 池田さん。
  101. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 これは実際に行われておるので、こういうことだつたのです。例えば委任状で総会を招集して……。ところが或る一つの村が、千戸の一村が委任状を皆出して、百人なら百人場。その一村の中の一つの部落が五十人来た。あとの九部落が集まつてやはり五十人しか来なかつた。そのときに総会で以て役員選挙を行う。連記でいいかと言うて連記でいいと言えば、その五十人が打つて一丸となればあとの者はばらばらに入れるからして心五十人きりで役員を選挙してしまうことができる。或いは又委任状を出して置いて来なかつた部落が委任状を出していると言つて置いて来ないときに、今のような集まつた千戸において百人来ればいいが、五十人来たとして、五十人来た部落の五人ずつが投票してしまえば、役員が偏つたものができる。これが実際実情で、私の信濃の農村でも去年の次官時代にこちらにいたときに、そういう偏頗な役員選出の方法を講ぜられてしまつた結果、村にふさわしくない人が出てしまうんです、惡利用して。それが今日の、さつき私が中心人物の欠陷だと指摘した大きな原因もここにあるのであります。これを藤野さんが委任状で総会ができるんなら、やつぱりその総会に委任状を持つて来た人に選挙権も賦與して、適当なるところの役員を出して、役員の中心人物を選出する方法をやると、ここに狙いどころがあるのでございまして、若し今のような総会の招集は委任状でできる。あとは出席者でなければ役員の選挙ができないとなれば、今のような申合せの人物きり、もう真面目な、委任状を出した人は出席しないが、一定の出席者によつてかような惡結果が今日続出して、その選出された人が、いわゆる人心人物となつた人が信用がないからそこに預金が集まらない、又信用がないから指導も徹底しない、大きな農業協同組合の欠陷がここに曝露されているということを藤野さんが指摘して、委任状によつて総会が開かれたら、やはりその委任状によつて役員選挙もできるという方法を採れないかというのが問題でありまして、これは大きな問題であるから、研究の余地があると思うから、十分に研究して頂きたいと思います。
  102. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) お話のように、この役員が本当にいい人が選べるかどうかが、協同組合がうまく行くかどうかという岐れ目と思つております。従つて現在の法律の文理解釈としては、さようなことに相成ると思います。尚この役員の任期の問題にいたしましても、その他の選挙等の問題につきましても、研究の余地があるように思いますので、只今のような御意見もよく承つて置きまして、一つ愼重に研究をいたしまして、実情に即したように、協同組合のうまく行くように、必要があればこれを改正して参りたい、かように思つております。
  103. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は協同組合法第十六條第四項の、さつき局長が言われた代理権の問題であります。代理人は二人以上の組合員を代理することができない、こうなつておるのであります。農業会及び産業組合時代には二人以上というようなことでなかつたのであります。大きいところの市町村の農業協同組合だつたならば一人の代理権では総会が成立せず、運営上に非常に支障を来たすことが多いのでありますから、昔の総代会制度のような例によつて、何人以上の農業協同組合だつたら何人までを代理することができる、こういうふうに第十六條の第四項に二人以上というものを組合員の数に応じて取捨選択するというように、規定がなくちやできないのじやなかろうかと思うのであります。二人以上が現状であります。将来もこれは進められるお考であるか。或いは組合員が多いところのものに対して何とか考えられる余地があるか。例えて見れば、全県区域の組合とか、一郡区域の組合とかいうものになつて来ると、この規定を実行しようとしたならば、殆んど総会はできないということになつて来るのです。不可能のことを強いるような法律はこの際改むべきものではないか。例えて見ましたならば、私は自分の県の或る一例でありますが、郡を区域として数千人の組合員があつたのでありますが、その者を総会に招集しようとしてでも、設立後は加入脱退が自由であるから、いよいよ総会を招集しようとしたらば総会は成立しない、こういう実情であると考えられて、組合員の数に応じて代理権を或る程度緩和される意思があるかどうか。これは緩和されないとするならば、大区域の單位組合というものは結局総会はすることができないという結論になつて来るのでありますが、この点お伺いしたいと思うのであります。
  104. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) この協同組合法は御承知通り飽くまでも農家の自主的な意思を尊重する、農家に自分らの作つた協同組合に積極的に関心を持たせて出させるというふうな趣旨が非常に強く出ておるのであります。従つてこの意味において余り沢山の者を代理するようなやり方を認めますと、何と申しますか、やはり少数の者で然るべく議事を進める、一般の者は分らんうちに決まつて行くというふうなことを予想してこの規定が置かれてあると考えるのでありますが、只今お話のございましたように、組合の中には事実上無理であるというふうなこともあろうかと存じます。かような点はその後の実施の経過も研究を進めて参りまして、若し甚だしく不合理である、不可能であるというふうな点がございますれば、よく研究をいたしまして適当にこれを直したい、かように思つております。
  105. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は三十一條でありますが、これは岡村委員からも一度質問があつたのでありますが、産業組合、農業会の場合であつても理事の任期は三ケ年、監事の任期は二ケ年とする、こういうふうな規定があつたのであります。現在衆議院の任期が四ケ年、県会議員、市町村会議員の任期が四ケ年、知事、市町村長の任期が四ケ年、こういうふうになつておるのであります。又諸外国の協同組合の調査をやつて見ましてでも、役員の任期が一ケ年というのは私の知る範囲においては我が国一つであります。而もこの農業協同組合の役員の任期が一ケ年と決められた結果、すべての後でできたところの協同組合が役員の任期が一ケ年、こうなつております。ただ定款で定めれば二ケ年まではいいとなつておりますが、一ケ年となつておるのであります。これが各委員からもたびたび申上げておるように、農業協同組合の拡充強化を図られるとしたならば、一旦理事、監事に当選したならば専心組合の経営に従事することができるようなことでなかつたならば、農業協同組合の強化はできないのであります。私に言わせれば、役員の任期を一ケ年とするということを、三ケ年に、或いは四ケ年というようなことにしなかつたならば、この改正法によつて政府農業協同組合の強化を図ろうとしておるけれど、強化はできないのだ、結論は役員の任期を延ばすごとであると固く信ずるのでありますが、過去約三ケ年間の体験によつて政府はやはり法律では一ケ年とせなくちやできないという考を持ておられるのであるか、或いは近き将来において任期を改めようとする意思があるかどうかお尋ねしたいと思うのであります。
  106. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 今回の改正法律案は、非常に時期が切迫をいたしておりましたので、緊急なものだけを拾いまして提案をいたしたのであります。役員の任期なり、先程お話のございました選挙の問題等も、当然私共といたしましても一応考慮はいたした点であります。従つてこの点については速かに考究をいたしまして、次の来るべき適当な時期には、これを実情に即するように修正をいたしたいとかよう私共は考えております。
  107. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君           池田宇右衞門君            藤野 繁雄君    委員            門田 定藏君            北村 一男君            深水 六郎君            柴田 政次君            加賀  操君            徳川 宗敬君            岡村文四郎君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    経済安定政務次    官       西村 久之君    農林事務官    (大臣官房長) 平川  守君    農林事務官    (農政局長)  藤田  巖君    農林事務官    (農地局長)  山添 利作君   説明員    経済安定事務官    (産業資金課) 田中 卓也君    農 林 技 官    (農業協同組合    部長)     打越顯太郎君