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1950-03-09 第7回国会 参議院 農林委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月九日(木曜日)    午後三時十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業協同組合における滯貨問題に関  する件 ○いも類統制廃止に伴う諸対策に関す  る件 ○米価の一本建に関する件   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 只今から委員会を開会いたします。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  3. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて。
  4. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 困つた問題ができまして、これは皆さんも非常に御心配になつていなさる、政府におきましてもその責任のあることでありますから、一刻も早くこれは解決しなければならん問題でありますので、通商産業省大蔵省農林省が寄りまして、この解決案を毎日々々練つておるわけであります。いろいろ農業方々又は団体からはいろいろな御要求がありますが、その御要求全部を受入れるかどうかということは、今見通しを申上げることができませんが、この報奬物資といたしまして渡しましたものが、約六割が協同組合に行つておるのであります。これは御承知と存じますが、これが一月から消費税が一割安くなりましたことと、取引高税がなくなりましたために、十二月の価格よりは二割から三割近くのものが下つて来たのであります。併し農業協同組合等におきましては、農家が非常にその現品の引替を望んでおりますために、相当引合が終つておるのであります。併しその引合が終つたものが、現金が直ちに問屋の方に返つていますならよろしいのでありますが、所によりましてはその代金が途中で道草を食つておるというような向もあるらしいのであります。いずれにいたしましても、問屋といたしましては五十億近い品物をばら撤きまして、そしてその金が入つて来ない。手形期限は切れるし、今破産になるというような状態になつておるのであります。先般も問屋の人が参りまして、若し我々がこの債権を執行いたしますと協同組合が皆潰れてしまいます。協議組合を潰すか、我々が潰れるかどつちかだというような悲惨なお話もあり、又事実そうなのであります。これは刻々を争う問題であるから、何とかして解決いたしたいと思つておるのでありますが、何分相分金額でありますので、一時は問屋の方でそう売れない、値が高くて売れないという品物は、一応問屋が引受けてしまうでありましようというようなことも考えたのであります。そうしますと、協同組合としては損は行かなつつたが、農家報奬物質が渡らなかつた。こういうことになるので、それでは当初の目的根本からなくすることになるから、一応の解決策として、農業協同組合側としては、やはり現在の価格くらいにしてその物を貰えんかというふうな要求が出て来たのであります。そうしますと約三割くらいそこに損をしなければならん。その金をどこから持つて来るかという問題で、あれやこれやいろいろ精算もありますが、約十五億くらいの金があれば何とかかんとかこの問題は解決するのではないかと思うのであります。つきましてはその金をどこから持つて来るかということで、金額は僅か十五億くらいのことでありますから、政府責任を持てば何でもないことでありますが、併したとえ一億の金でもわけの分らないことには支出できませんので、その十五億程度の金をどこから持つて行くかということを、今財務当局通商産業省、又農林省と折衝いたしておるのであります。一日も早く解決いたしまして、この報奬物資目的に副うようにいたしたいと努力いたしておるわけであります。
  5. 山崎恒

    山崎恒君 大臣の御苦労されておる点もよく分るのでありますが、この問題が解決せん場合には、これはもう次期の供出問題にも影響を及ぼす問題でありますし、先程来私申上げましたように、これはもう農村自体経営にも、又協同組合自体経営にも、これは二度と立上れないような羽目に陷る虞れもありますし、問題は只今大臣からおつしやられましたように、十五、六億円の問題というようなことでありますので、これはどの面からか、大臣の特に最大の政治力を発揮願いまして、ま之問題は農村の負担から免がれまして、一つ生産にも又供出にも喜んでできる態勢を一つ特にお骨折り願いたい、かような点を一つお願い申上げたいと思う次であります。
  6. 小川久義

    小川久義君 大臣も折角お骨折りらしいのでありますが、いつも問題が起きても処理が遅れるというのが通例でありまして、この報奬物資は御承知通り、我々農民が欲しいから呉れというたものではない。言換えると、政府反物屋を始めたようなもので、売れんものは直ちに引取ることが原則でなければならん。我々が購入申込をして来た品物とは違う、従つてこの間からの次官なり資材課長の話がありましたが、他にもそういうストツクがあるのじやないかというお話でありましたが、これは違う。報奬物資限つては国が、出して呉れとも言わんものを、それが値が税金関係で下つても、国家から出る、現在の金はある程度つて来るが、これは單協報奨物資代金を前渡ししておる。大体全国では購連が取扱つておりますが、單協で前渡ししておるそのところへ品物が来た。来たがその品物至つて不適当なものである。而も値段が高いということで農民が買取れない。一方農村金融が詰つておりまして、これはすでに大臣も御承知でしようが、農林省統計においても、一町歩未満農家は二万五千円の赤字になるという統計はつきり農林省から出ておる。そういう状態農民は、来たが買うことのできん形になつておる。その買うことのできんものを單協が前渡しをして、品物が遅れる。惡い品物の高いものを高い額で抱え込んでおる。私は十五億や十六億では治まらんと思う。少くともこれは三割下つたというが、三割下つておると又二割も下つてしまう。買わない。買えん状態になるのです。これでは農民は欲しいが買われない。金がない。この金のないものに前渡金を出しておる。そうして要らん品物を抱え込んでおる。これは大臣もよく御承知ですが、一刻もと言われますが、これはもうはつきました問題なんですが、政府が、欲しいと言わんものをあてがうておる。それが要らんと言うたらば直ちに回收をするとか、立替えておる代金を拂うとか、これははつきりし過ぎている程はつきりしておる問題なんで、これは大臣のお言葉通り一刻も早く、少くとも僕は倍額、五十億の半分くらいは出して貰わなければ、この処理ができんと思う。その点を一つ十分実情を御認識になつて一日も早く…他の公団関係を見ましても、炭だけでも五十四億七千万円、他の公団都合惡いものは一般国費から出ておる。これだけは政府がやつた仕事処置するのだから、農民のためにやるのじやない。一方では又農業協同組合が力がないからだという解釈で農林大臣がおいでになるようですが、そういうものじやない。協同組合が力がないから買い取れないのじやないので、要らんものを政府があてがうたということなんです。その点を十分御認識になつて、直ちに解決をして頂きたい。今日お見えになつておる方々は皆その責任者方々である。大臣の確たる御返答をお聽きしなければ、県へ帰れんという血の呼びでお集りになつておる方々である。幸いそのような代表者方々もお出でになるから、大臣は、こうするのだ。ああするのだという決意を御披瀝願いたいと思います。
  7. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 少し今日までの経過と違うようでありますが、政府は保証をした品物を渡したのだから、早速引取るべきたどいう御質問でありましたが、原反なんか問屋引取らせようと思つたのですが、それじや報奬物資が行かんから、安くして農家が廻せという、こういう御意見も私の方で聞いておるのであります。従つて今もう、そうすると現在の市価と同じような程度まで来るには相当の値段の値開きがある。それをどこから出して行かなければ、この問題は解決しない。こういうことになるのであります。全部問屋が一応引取ろうというようなことも考えたのでありますが、それじや報奬物資目的を達することができないから、安くしてこれを農村の方へ廻して呉れという、こういうことも聞いておるのであります。これは先程もお答えいたしました通り、速やかにやらなければならん問題であります。しかしこれは農林大臣だけでこうしましよう、ああしましようと解決のつく問題じやありません。これは先程申しました大蔵省通商産業省三省寄つて、その処置を決定しなければならんのでありますから、毎日この問題について速やかな解決に努力をいたしておるのであります。どうぞその点を御承了願いたいと思います。
  8. 小川久義

    小川久義君 大臣の御苦心は分るのですが、農民に買う金がないということを只今の御考慮の中に是非入れて貰わなければいけないので、これと同じ事態が肥料において、この次の機会に出て来ると思う。そのくらい農村が行き詰つておるのだが、農林大臣農村恐慌はまだないようなことをお考えです。私も未端の協同組合長でありまして、先日国へ帰つたときに調べて来たのですが、富山県の購連においての売れない品物都合惡いものを皆書出して、全県下に亘つて單協品物を調べて歩いたのですが、それを三割安くしても買うということは考えちや行けない。買えないのである。然るに問題は違いますが、最近農業課税に対して更正決定が来ておる。追加税、高利貸のような利息を加算して、一遍納めた分程大体来ておる。いわゆる税務署が内示をした金額従つて納税をしたが、そのとき納めた程又来ておる。かかる状態でありますから、農民が買い得ない。特に自転車のごときは新らしい自転車がなぜ空気が抜けるかとはぐつて見るとつぎがチューブに付いておる。一つや二つじやない、三つも四つも付いておる自転車が来ておる。而も市価よりも二千円ぐらいは高い。かような粗雑品。タイヤのごときは再生ゴムだ。チューブはつぎだらけである。僕のような体の重いものは乘れん、危うて、折れるような気がして……そういう品物市価よりも二千円も三千円も高く配給して、それでどうして買えるか。これは買えんということを只今心配になつておる根本考え方に加えて貰わなければいかん。三割まけてやつても買い得ない。買う金がないわい。こういうことを是再お含みを願いたい。従つて僕は先程申上げましたような、農林大臣は三割下げれば十五億だ、こういう計算でしようが、僕はその範囲内では捌けない。農民が買うことができんという実情を十分お知りを願つて、この方法をお考え願いたい。特にこの点はお願いして置きます。
  9. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) どうでしようかこの問題は、一応政府が今具体的にお考えになつておる考え方方向伺つて、それに対する質問なり、又それに対する希望なり、そういうことをして貰つた方はつきりすると思うのですがね。
  10. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 報奬物資のことで非常に御心配もかけ、前二氏の御質問通りのようであります。これは考え方の問題でありますが、大臣の御答弁をお聽きいたしますると、買えればよかつたということに聞えます。そこで高くても引取りができればよかつたが、引取れないのだからこういう問題が起きたということお考えになつておるように聞えますが、これでは当然いけないのでありまして、これは現在未配給になつておりますものと、それから配給いたしました、配給済になつておりますものを、これはそのまま置いておくわけにはいかんと思います。そこでどうにか金繰りがついて單協が引受けて、それを農家配給いたしましたものは相当あると思います。併しながら正楠に、真面目にいろいろ相談をして引取つたものは高いものを買つた。金のないものは幸いに、文句を言つてつたものは安いものを買つておる。こういうことは絶対に成立ちませんので、二様に政策を立つて、先ず今の処分になつていない品物を如何にするかという問題を先に片付けて、配給いたしておりますものが今日や明日は改まりませんから、それはその次にお考えになつた方がいいと思いますが、そのお考えでないと、金さえあれば取つたので、これで済んだということは到底考えられないと思います。それで、実は一昨日課長からいろいろお話も承りまして、大体様子が分つたのでありますが、ここまで来るまで政府自体默つてつたということは誠に残念であります。そこで輸出すべき繊維製品が帶貨をいたしております。そのときに、すでに国内に繊維品は放出されて安くなることがはつきりいたしております。自転車のごときなどは去年の十一月頃から四千五百円になることが我々に承知つたのであります。そういうことになつておりますことを政府は知つておるのに、やつと今日になつてから、俄かにそういうことが起きたようにしてやつておりますが、これは非常に遅いことで、そういうことでなく、前々からこれは分つてつたのでありますが、併し商人でありませんから、役人のする仕事商人違つて多少頭がにぶいにしても、ここまで来るまでには何か方策を講じなければならなかつたものだと考えております。そこで今御心配になつておりますが、急に即刻に願わなければならないのでありますが、大臣がおつしやるように、農林省自体がお決めになるわけにも参りませんし、大蔵、安本それぞれと協議もし、又先方もきつと早く対処しなければならんことになると思いますが、いずれにしても一刻も早く片付けられませんと……。私が前から心配して大臣と一問一答をやつておりましたあのことが眞正面に現われかけただけでありまして、これは社会の経済恐慌の第一歩が農村に先に来て、それから段々と中小企業に来るのであります。それが当然でありまして、その一歩が先ず農村から起きたのでありまして、これは何も予期せんこともありませんし、これは不思議でも何でもないのであります。当然のことである。それを今頃になつてから、まあ心配しておるということは当然であるが、それでは駄目で、一刻も早く、非常に不本意でも大臣は、これは先頭に立つて即時解決することが当然である。しなければならんと思います。我々の方では前申上げましたように、今未配給になつておるものは値引きをする。その値引きも申上げて置きますが、三割や四割ではいかんのであります。と言いますのは、段々下りつつあります。これから配給しようとしても、農家の方では金が非常にないし、段々物価が下つて来るし、今五割下げてもまだ高いということになると思います。そこで大体元の配給をしようとした価格の三分の一にすれば、大体買つて来るのではないか。新聞を見ましても、市価を調べましても、非常に値下りをしておりますから、繊維が一番打撃を受けておりますが、これが生やさしいものではない、今月一杯……四月頃に来ます繊維打撃は非常に大きいのであります。今方法を講じられても、配給する時期には下つて参りますから、又そういうことを繰返さないように、今思い切つて措置を講じなければならんのであります。そのことは止むを得ません。赤字の補填は始終なつておりますから、それを不都合とは思つておりませんから、思い切つて一つ御迷惑でも大臣の方で各省と十分に協議をして、一日も早くして、今の処置を講じて貰いますことをお願いいたしたいと思いますが、如何でございましようか、
  11. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 先程お答えいたしましたように、早急に解決いたしたいと考えております。尚今現在残つておるものだけ値引きする、すでに渡つたものは駄目ではないかというお話でありましたが、そうではないのであります。若し三割とか四割とか五割とか、とにかく割引するということになれば、農協であろうが商協であろうが、すべてに対してのものでありますから、絶対に、配給いたしました原価が四十九億二千八百九十四万九千円でありますから、ざつと十四億七千八百万円、こういうことになりますから、これは一律にバツクするわけであります。いろいろ御希望もありますが、政府といたしましてはできるだけ早く解決いたしたいと考えております。
  12. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 大臣並びに農政局長にお伺いして置きたいと思いますが、農林大臣農村の自立、又農村の振興について全精力を打込んでおられるということもよく承知いたしております。各委員から言われた通り、この問題が濃厚になれば、仰せの通りマッカーサー元帥においても日本農業はよく民主的に団結して、日本農業進展性に寄與しつつあるという、折角の農業協同組合も、これがために破壊の運命の陷るというようなことに相成るまするならば、農民の蒙る損害は甚大なことは言うまでもありません。而してこの農業協同組合育成に対しまして、一方商協においてはそれ見たことかというような考えから、報奬物資方面においては商工業者が取扱わんとしておるような経路があります。これにつきまして大臣農協育成意味から、今後も十分にこれらの問題を解決すると同時に、農協育成のためにいよいよ御強力な御方針をお取り下さるかどうかということと、それから農政局長におかれては、大臣も申されたことく三割に税その他において値下りが目前に迫りつつありとき、農政局長といたしましては農村指導の立場から、かようなことありとしたら、先ず以て先に先手を打つて、そうして予め農村並びに農協に対して損害を未然に防ぐ方法をお取りになつておるかどうか、この二点についてちよつとお伺いいたします。
  13. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 根本的な問題についての御質問でありましたが、私は新らしい農業政策一つ農業協同組合の健全なる発達を期待する外ないとかように考えまして、農政局におきましても殊更農業協同組合部というような、他人根性を起さずに農政農業協同組合であるという気持でしたかつたのでありますが、併し制度の上において農業協同組合部が置かれました。併しながら私の気持は、今申上げました通り農業政策の相手方は農業協同組合である。この気持農政を初めて行きたいと思つております。農業協同組合も、申上げるまでもなく生れましてから二年余りでありますので、まだその基礎が甚だ十分でないのはこれは止むを得ないのであります。殊に問題になりますのは、農業会からの資産引継ぎとか、或いは複雑しておりましたのと、農器具等が漸次値下りをいたしました。それを相当見通して買取つてつたというようなものの処分等、先般も農業会資産引継ぎについて五十億ばかりの金を廻して貰わなければ、農業会資産が引受けられないというような御要求もあつたのであります。これも問題が別でありますが、一日も早くその金融面考えまして、そうしてはつきりと農業協同組合が綺麗な姿で行くようにいたしたいと、その点につきましても考慮を拂つているわけであります。この報奬物資等につきましては、政府が押付けたとか、いや望まない物をやつたとかいう御批判があるようでありますが、由来農村におきましては、こういう物資農民の手に届くのが困難でありましたので、供出農業生産に御苦労になつている農家にできるだけ便宜を図ろうという意味から、この報奬物資制度が行われて来ておりました。併し市場物価の今下落等関係から、いろいろの問題が結論から考えますと起りますけれども、政府といたしましては、農業協同組合が眞に農業者みずから作つておる組合だという観念で、農業協同組合経営して頂きたい。又政府は相手がただ一つ農業協同組合であるという気持農政を行なつて行きたい。かように考えておるわけであります。今日の金詰りひとり農村だけではありませんけれども、農村金詰りは実に想像に余ることもあると承知いたしております。殊に資金の運転の少い農業経営でありますから、その資金たる長期資金でなければならない。従つて又金利が安くなければならない。こういう條件を必要といたしますので、中央農林金庫内容を充実いたしまして、現存では四十億円しか貸す枠はありませんけれども、二十五年度におきましては、これを百六十億円まで殖やしまして、そうして長期にできるだけ安い利息金融をいたしまして、そうして農業生産に不都合のないようにいたしたいと、かように考えておるわけであります。
  14. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 従来協同組合指導について、具体的にいろいろ農政局としても十分なる方針を立てていたのでありますが、只今農林大臣からお話がございましたように、農業協同組合ができましたものの、その具体的の内容についていろいろ問題を包蔵しておるわけであります。我々といたしましては、機会ある毎に農業協同組合が本当に法律に書いてございますような使命を達成するにふさわしい団体になるように考えておるわけであります。報奬物資の問題につきましても、私昨年の六月から農政局長をいたしておりますが、その当時は率直に申しますれば、報奬物資はできるだけこれを農業協同組合の手によつて配給したい。そういうふうな問題がむしろ非常に深刻に出て来ていたわけです。それがいろいろの情勢が変化をいたしまして、かような状態になつたわけであります。私共といたしましては、やはり農業協同組合根本的なこの際再建の方策を立てまして、それによつてつて参りたい。かように考えております。
  15. 石川準吉

    ○石川準吉君 この報奨物資の行き詰りの問題につきましては、別段繰返す必要がないと思いますが、只今大臣からいろいろの御答弁を承りますというと、その解決方法といたしましては、現在の価格までに値下げをするという方法が、一つお聞きしたのでありますが、その外にこの解決方法としてどういうふうな御処置を取る御方向でありますか。その点を一つお伺いたいと思います。  尚この問題は、先程お話がありましたように、農林大臣現けの問題ではなくて、通産相大蔵大臣両方の問題であると思いますので、我々はその御方向をお伺いいたしまして、御協力を申上げたいと、かように存じております。
  16. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 今の問題は具体手に言うと、問題は二点あると思うのです。三割値下げという奴は前の引渡し、それから引渡し未済のものについても同じようにバツク・ペイという問題。もう一つの問題は、引渡し未済の問題について、実は農家が欲しないという場合は、政府引取るのかどうか。或いは他の団体引取らせるのかという問題。そういう具体的な問題について一つ聽きしたらどうかと思います。
  17. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 大体さつき説明いたしましたが、当面の問題といたしましては、当場価格よりは高い物が配給されたのであるから、それを一応値を下げるということ。それから下げるについてその金をどうするか。こういう問題と、それからどうしてもいやなら返すという場合において、それは問屋の方は引受けましたといたしますと、一つ報奬物資が行かんじやないか。そうすれば報奬物資は欲しいんだという、こういう問題はあると思いますが、今急速に解決したいて思つておりますことは、とにかく値段を適正なところまで下げると、そうすると、そこに差額ができて来るが、その差額をどうするか、こういう問題であります。ところが若しここに一つ、金は拂つて置くと、金は拂つたが、品物が気に入らんから、品物を返すから、その金を返して呉れと、こういう問題が、果して問屋の方からその金を戻つて来るかということに、一つ心配があるのであります。いずれにしましても、問題が複雑になつておりますので、簡單には解決できない事情も相当あると思いますが、とにかくこの期限のある手形の発行でありますので、何とかこれを処置しなければ困る。こういう問題でありますので、今はむしろ拙速を尊ぶかとも信ずるので、早くこの金融問題をつけて解決をいたしたいと、かように考えているわけであります。
  18. 山崎恒

    山崎恒君 只今農政局長から、報奬物資は全面的に協同組合が希望しておつたというような情勢でもあつたというような御意見があつたのでありますが、無論我々は、この協同組合精神から行きまして農村配給される物は、みずから我々の手によつて購入して、生産資材或いは生活資材は、我々の手によつて一つ分配いたしたいというのが協同精神)ありまして、それとこれとは問題が異なると思うのであります。殊に今回のこの問題は、当然この貿易公団が輸出に振向くべきところの繊維製品を今まで相当抱えておつたところが、急速にそれが輸出できなかつたために、ダンピングするわけに行かんから、国内にこれを放出した。そのために値下りになつたというのが、これが根本の大きな原因でありまして、こういう経済現象にしたのは誰がしたかということになるというと、これは政府みずからがこういうところに追込んだと言つても過言でない。ために、当然物と金との面から考えまして、どうしても事ひとり農林省の問題じやなくて、これは政府全体の操作がかようなところに追い込んでしまつたと、これは通産省或いは安本或いは大蔵省というような関連性のある問題であるのであつて、これは当然供出農家が負うべきところの責任でやないと、かように思うのであります。そのために、定めし農林大臣としても、御苦労様だと思いますが、これは私再三申上げますように、これはもう食糧問題をこれまで追込んで来たのは、やはり供出した農家の純情な責任感が日本の経済を安穩にこれまで持つて来た、基礎は農民であるという考えの下に、その報奬物資のためにかような反動ができたというようなことから考えましても、これは当然農林大臣として高らかに主張して、当然国が負いべき責任であると思うのでありまして、その気持一つ解決を願いたいと思うのであります。
  19. 石川準吉

    ○石川準吉君 先程大臣からも御答弁を頂きましたのでありますが、大体緊急に解決しなければならない問題は、不渡手形の問題、それから現在値が下つております値引の問題、更に單協に行つておりますが、農民に金がないために引取らんと、或いはその品物農業生産に役立たないために引取らんというようなものがあるとすれば、それをどういうふうに処分するか、この三つが緊急な問題と思いますが、値引の問題につきましては、先程お話がありましたのでよく了解いたしましたが、不渡手形解決の問題につきましては、どういうような御方針で進んでおられますか、又單協に行つて農民の手に渡らないような品物につきましては、返還の要求がありましたような場合には、これは返還させるような御意向にお考えになつておりますかどうか、その点をはつきり伺いたいと思います。
  20. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) この手形の問題でありますが、私はそういう専門のことを余り知らんのですけれども、すでに六十日という期限があるのでありますから、これはめつちややたらに無い無いと引延ばすわけに行かないのでありますので、財務当局といたしましても承知いたして、これを延ばすということは金融界に非常な影響もあるので、まあ肚でやるという、まあできるだけ善処するというくらいは表現によつてつて行きたいというふうな肚らしく考えるのであります。  物の取戻し問題でありますが、一応まとめてこれは問屋の方に返す、受け取ろうという話もあつたのでありますが、それはすでに配給になつておるものもありますし、やはりこれは値段を安くして農村に送らなければ、配給物資精神もなくなりますから、特に受取らないというようなものがあればこれは止むを得んと思いますが、それはそういう全面的な問題ではないのでありますから、適当に処置を今後考えて行くべきであるとこう存じております。
  21. 小川久義

    小川久義君 不渡の手形の問題なんですが、何か財政的な処置で肚芸でやるというような大臣のお答えですが、これは各県の方の様子を聞いて見ましても、何もまだ政府からそういう手も打つてなし、それから手形の支拂延期は現行法は認めんというのが実情であり、従つてこれも早く不渡の分は、課長から聞くと一応ここに三千万円という話だつたんですが、商業組合の方に言わせると一億七、八千万円という話なのですが、私はこれは今の値引の問題と睨み合わせて何か手を打つて貰らわんと、現行法では延期できん、それによつて正当な手続をすると農協がぶつ倒れてしまうという現情に追込まれると思うので、不渡の手形の問題は、これはやはり政府責任を持つて国家補償をするとか、政府の手によつてその支拂いの延期なりその他の方法を講じて頂きたい。この点について大臣何か名案を一つ言つて頂きたいのと、大臣のお考えを併せて伺いたいと思います。
  22. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 不渡手形報奬物資関係で十億円程度となつておるのでありますが、併しこれは私は金融界の知識を持つておりませんけれども、どうもそういう手形を又延ばし、又延ばしということは事実上できんそうであります。そこは大蔵省においてそういう債権の失効をしないような適切な処置をつけて、そうして速やかに根本解決するということより外ないのではないかとこう思つております。
  23. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 ちよつとお願いして置きますが、不渡になるというのでなしに、なつておるのですから、これはなるというならば、今から考えればいいので、なつているのだから期限は切れております。そこで十二三億あるような話ですが、それは今にも銀行も最後的な処置をしなければならんというようなことになつておりますから、この措置だけは早急に一つつて貰いませんと、六十日も九十日もとりますと、今の金融状態では、政府がやると言つて金融界はそういうことをしないので、差当り何かの方法によつて出して貰う、こういう方法を運ぶのがいいと思いますから、その点お願いします。
  24. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 只今の岡村さんの言われたこと非改に重大なんですが、とにかく不渡手形が、すでに不渡になつているのであります。これは実際的に救済するためには別に融資をして頂く以外にはない。値下りや何かに問題の解決はこれはまだ若干の日も藉せると思うのでありますが、その方がやはり別に一定の融資をして急場を切り抜けるという措置を直ちに採つて頂きたい、こういうふうに考えます。その趣旨で一つ大蔵当局の方に折衝を願いたい、こう思うのです。
  25. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) この問題は事務的に解決すべき問題と、政治的に解決べき問題と二様あろうと思いますが、いずれも重大でありますが、事務的のが緊迫いたしておるのでありまして、今岡田さんなり岡村さんなりのお話通り、とにかく期限が切れているのですから、何とかしなければ銀行としてもぢつとしておられない、こういう急迫いたしておる状態でありますから、これは大蔵当局におきましても特に認識もいたしておりますので、この問題の解決財務当局として適当な措置を採ることと考えております。
  26. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは衣料問題は、一応本日の結論としては三つの問題について、即ち一つ値下りの補償と言いますか、何と言いますか、その問題については一刻も争つて政府の方で対策を立てるように努力しているということであります。それから第二番目の今お話に出ました不渡手形金融的措置の問題、これも第一の問題と同様に、一刻を争つて今折角努力している、こういうことであります。第三番目の問題は引取拒否と言いますか、それの措置については、これは個々の事態に即応してそのときに善処する、こういう結論でありますが、一応これは跡を引く問題でありますから、尚あればついでにやつて頂きたいと思います。
  27. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 そこで、單協で取れないというものができた場合の措置でありますが、問屋の方にこれを返還するから受取れ、こういうと受取らんとは言わんと思う。ところが渡したら最後くれんと思う。そこでうんと値切つて、そうして政府の方で肚を決めて、單協は欲しい品物だから損はないという工合に考えるが、政府が取つてどこかに保管して置くかしなければ、これはなかなか役人がごまかされて、そうして受取らんから返せというて、言われたら最後である。それきりなんです。この点も特に御注意して貰わないと、なかなか今の商人は非常に窮迫しているから、そんなものと違います。それから手形の問題は早く解決をつけるということと、少し手際よくつけてやらんと、順次出て来ますから、大した不渡手形が今度はそれが跡を引くというと銀行は心配しますから、決して政府が言うからというので、そんなやさしいことではしてくれないと思います。だからそこから渡らんぞということになりますと、今度あとからできます不渡手形は夥しいと思います。どんどん廻つて来ますから、それを銀行が心配するために、政府の方で拂うやつは綺麗に拂つて貰う、そういうふうにして頂かんといかんと思う。それだけ一つお願い申上げます。
  28. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは衣料問題は今日だけの問題じやありませんし、引続いてその経過を常に我々は見守つて行かなければなりませんし、別の問題もありますから、一応衣料問題は本日はこれで打切ることにいたします。それから……
  29. 山崎恒

    山崎恒君 これは大臣にいろいろ見通しがあると思いまするが、只今の問題は大体いつ頃、各省との折衝見通しがあるか、その辺一つ予めお聽かせ願いたいと思います。
  30. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) これは非常に急迫しておる問題でありますので、もう夜晝なしに事務当局はやつておるのでありますが、いつまで頃とはつきり申上げることはできません。これは一時も放つて置けない問題なので、急いでやりますから、最少限度幾日からということを申上げかねるのです。できるだけ急いでやります。
  31. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 尚衣料問題はこれだけにして置きましよう。小川さんから、單作地帶の米に対する供出割当の補正の問題について、かねて農林大臣質問をしたいということでしたが留保されておつたので、この機会にやつて頂きたい。それから後、芋の問題をやつて頂きます。
  32. 小川久義

    小川久義君 昭和二十五年産米の割当を表を見ますと、減つたところの最高は二一%二減つておる。殖えたところの割合を見ると一〇%五殖えておる。そこでずつと各県のやつを見ると、十三県、北海道を入れて、北海道外十三県が殖えておる。後は全部減つておる。この数字の根拠を先ずお聽きしたいと思います。
  33. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 昭和二十五年産の米、雑穀の割でございますが、この割当方針生産高をはじきます基礎といたしまして、面積の取り方、それから反收の取り方、これが昭和二十四年と若干変つておりますわけであります。面積の取り方につきましては、これは全国共通の原則でやつたのでありますが、反收につきましても勿論一律には考えたのでありますが、昭和二十五年産米の割当につきましては、昭和二十一年乃至二十四年の上位三ケ年、上位三ケ年の平均というふうに取りまして、最近の作柄の事情を割案いたしまして、これを決定いたしたのであります。昭和二十四年度の米のときは、御承知の昭和十七年乃至二十二年の六ケ年中、上位四ケ年というふうなものを取り、支もそれに対しまして、肥料の増嵩による反收の増加ということを見込んで計算いたしました。そういうふうな計算をいたしました結果、最近に大体何と申しますか、比較的災害の少かつた、いわば東北地帶、或いは北陸地帶、こういうふうなものの生産数量が、従来より較べまして、西に較べまして若干上つて来た、こういうふうな結果になつたと思います。
  34. 小川久義

    小川久義君 どうもそれは分らん方で、そういじり廻すものだから実態と反するので、そういうふうに見根んでやつたとか、見込まずとやつたとかいうことは根本から誤つておる。農地の実態を知らないで、そうして見込んだとか……、東京の農林省の二階においてそんなことが分る筈がない。そういういじくり方が間違うので、特にこれは政治的な考え方が十分含まれていると思う。これは昨年の補正割当のときは、一定の率でずらつと日本中やつた。ところが知事が結束してなかなかうんと言わない。これじや困るということが因になつたのではないかと思う。そうでなかつたらこういう数字は出やしない。北海道外十三県だけを八十万石殖やして、全部の頭で一万四千石しか殖えていない。全供出量が一万四千石しか殖えておらんものを、北海道外十三県で八十万石も殖やす。あとの三十何県に対してそれだけ減らしておる。これは必ずそこに何かの魂胆があると見られても仕方ない。特に單作地帶は、先程も申上げました通り、一町未満の百姓は二万五千円赤字になるという数字が農林省からはつきり出ている。あらゆる機関が單作地帶救済のために、いろんな団体を作つて政府にお願い、陳情しておる。それと相反して逆になつておる。生産割当を或る程度に現在よりも下げて置かなければならない。そうして超過供出をさして單作地帶救済に当てることも一つ方法なければならない。然るに我々血の叫びも聞かずと、單作地帶、惠まれん地帶だけを八十万石も割当を殖やして、他の裏作、二毛作地帶を悉く下げておる。それは先程局長が答弁しましたが、何も見込んだとか、肥料が全国一律に行つておる、全国一律に行つておるものを殊更農地の実態も把握しないで、そうして殖やす、この根拠が、僕はそういう意味を含んでおると思うが、大臣かどうお考えになりますか。
  35. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 決して政治的意味を含んでいるというようなことは、行政の上において採らないところであります。事務当局は農林省の手によつて調査いたしました資料を根拠といたしまして、農地改良局ができるだけ周到に集めました資料等を十分検討を加えて出た数字でありまして、決して政治的意味も何もないのでありまするから、どうかその点だけは御了承願いたいと存じます。
  36. 小川久義

    小川久義君 どうも了承できかねるのですが、まあ大臣はそう言うておられるのなら、このことは水掛論をしておつても止むを得ませんが、僕はそう信ぜざるを得ないし、かかることは将来もつと愼重にやつて貰わんならん。この間富山県の農業調整委員連中がやつて来たときの話では、泊り込みでその根拠をお聽きしたが、明確なる御答弁もなし、又殖やしたところの内容からしますと、富山県には耕作反別を殖やしておる。隣りの石川県は反收を上げてあるということになつている。ゴム製品か何かならとにかく、田圃が三千町歩だの、五千町歩だの、伸びたり縮んだりする筈がない。而も過去ずつと採つて来た方法によつて、大体全国歩調を揃えて完納をして来た筈なんです。然るにその過去の実績を無視して見込を加えたところに根本の誤りがあると思うが、やがてこれは最高收量を示したのだというお話つたそうですが、最高の收量が收穫できなかつたときはどうされるお考えですか。最高を示したのですから、この陽気から見て、最高の数字に達しないと僕は予測しておる。そのときはどういう措置をお採りになりますか。お伺いしたいと思います。
  37. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 実收の成績如何によりましては、事前割当に対して適切なる補正をすることは、これは法律に規定しているところであります。
  38. 小川久義

    小川久義君 大臣一つお伺いしますが、この十三県と北海道の代表者方との懇談でありますか、僕は富山県の農業調整委員が帰つて来て憤慨して泣いておつたことなんですが、大臣はもう割当を呑まれなきやいい、呑まれなきやおけ、輸入食糧を入れて見せるということで大威張りだつたというお話ですが、それが僕は真実とすれば重大な問題だと思う。私がほかへ演説に廻るときに追駈けて来て、こういうことだつたと泣いておる。これが、それで私一人だけ聞いたのかと思いますと、今日も衣料の問題で、衆議院の第一会議室において、どこかの県の代表の方が言つておられた。そうするとあつちにもこつちにも聞いたというものがいる以上は、僕は嘘でないと信ずる。一人聞いたというのじや別問題ですが、うちの県から来た代表者は、口を揃えてそう言つている。今日は他の県の方が午前中衆議院の会館の第一会議室において、大衆の前で言つておられる。こういう点は僕は重大な問題だと思うが、大臣にはそうことがあつたかなかつたか、明確に御答弁を願いたい。うちの県から来た代表者は、口を揃え
  39. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  40. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて。  それじや今の割当の問題はその程度にしまして、次に芋の問題についてお質疑を願います。尚農林大臣は、衆議院の予算委員会の討論採決に四時半から入るそうでありますから、それまでおらけます。
  41. 山崎恒

    山崎恒君 芋の問題は、先程管理局長官から、今度の買入れは四億だということをお聞きしたのですが、一億三千万貫が馬鈴薯、二億七千万貫が甘藷だというような数字的の説明はされたのですが、この割当方法に対して、どういう方法でおろすか、恐らくこれは全国四億貫とすると、非常な希望があると思うのですが、これをどういう工合に取拾選択するか、その買入れ方法の点について、これは事務的な問題になりましようが、一つお聽きいたしたいと思います。それと雑穀の問題ですが、雑穀はこれはまあ先刻大臣方針を持つておられたようですが、急に最近情勢が変つたようですが、この点も併せてお聽きしたいと思うのですが。
  42. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 芋の四億万貫の買入れの基礎数字は、これは関係方面から許容された限度であります。これをどういうふうに各府県に割るかと申しますと、各府県の今日までの何年間から生産状況、そうして供出状況、そうしてその県にこれを消費する状況ということを勘案して決めたいと思つているものであります。一応各府県にどれだけ芋が一等、二等で買う場合において受けられるかという調査をいたします。ところが、こちらでは、そんなに買うて貰わなくてもいいという県もありますし、又こちにの予定いたしております数よりは余計予約いたしたいという府県もあります。こちらの考え方とまちまちでありますが、そこを按排いたしまして、過去の供出の実績、その生産状況、消費の状況等を考えて決めて行きたい、かように考えております。勿論これは一応決めまして知事に指示するまでに、中央委員会やなんかの参考に供したいと考えております。  尚雑穀の問題は、これは今のお話の言葉の足らんために誤解を招いた一つでありますが、私はグリンピースとか、そばとか、小豆、こんなものは外ずしてしまうべきだと、こう思つております。今でもそう思つております。併し今日アメリカの二十四年米穀年度の食糧事情を、いろいろ向うの予算等に関係から考えられたときに、雑穀も併せて生産計画を立てろ、こういうことでありますので、現在生産計画を立てて、雑穀もそれぞれ各府県に額を示しておるのであります。併し二十五年度、会計年度でありません。米穀の予算が七月に決るわけでありますが、来米穀年度の事情がどういうふうに変つて来るかは、七月になるとはつきりして参るのであります。その場合に、現在の手持食糧の事情、そうして米国における食糧の、日本に対する食糧の計画等を勘案いたしまして、できるならば、私の理想としておる、そういう雑穀の中の、確か十四五種類あつたと思いますが、その中の数種は止むを得んが、他のものは外ずしてもいいのではないか、かような気持を持つておるのでございます。グリンピースや落花生やら、そばだなんといつたようなものは、主要食糧としての代用にもなつておりますけれども、これは配給できませんので、味噌の原料とか、醤油の原料に廻つておるという現状でありますから、そういう統制の不必要なものは雑穀の中から外ずしたいという気持は今でも持つておりますが、その時期は、今年の七月になれば、アメリカの日本に対する態度がはつきりいたしまして、日本の食糧事情の見通しが付いた場合において行うことができれば、その時期だ、こういうようなのが私の申上げたことであります。
  43. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 本年度のですの買上げ四億貫を限度として、こういうことでありますが、これは四億貫を限度とするということは、四億貫を割当をして買うということでありますが、それ以内に或いは食糧事情によつて買上げは止める。例えば一千万貫でも四億貫以内、食糧事情によつて四億貫以内において買上げを止めるというようなことも、或いは起るとも考えられるのですが、これははつきり四億貫買われることになるのかどうか。
  44. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) これは、その当時政府の定めます価格と市場価格との関係、又地理的関係等いろいろあると存じますが、四億貫を大体標準として買う。でそれ以上買つてくれということになりました場合においては、特別会計の予算が四億貫を、本年の米基準によりましての買い方が考えられておりますので、それ以上買うことは困難だと存じますが、それじや売つてくれない、四億貫政府に売らないという場合には、これは止むを得ないと存じます。これは、必ず四億貫はどうでもこうでも買わなければならないということではなくして、予算の有する四億貫だけは、成るべくなら買いたい、こういう予定をいたしておるのであります。
  45. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 岡田さん、今の問題は、参考までに申上げますが、食糧管理法の一部を改正する法律が出ております。芋の買上げる方式が良いか惡いかは別にしまして、一応そういうものについては、政府は事前に約束しますね。それに対してはこれは買わなければならないという規定が、実は法律の中に書いてありますが、買上げの問題は一応、食糧管理法の一部を改正する法律案を審議する際にお願いして、作付転換とか、その他の問題をお願いいたします。もう時間もありませんが……
  46. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 食管特別会計も、本年度の食糧買入が三千百十七億、昨年度は三千百六十八億、昨年度は芋の買入の予算として、その中に四百九十三億、ところが、本年の食管特別会計の食糧買入費の中には、芋類については一文も計上しておらん。そうしてこれは但書で、そのです類は食糧代金の総額の範囲内で何とか流用してやるようなことになつておると思いますから、その四億貫のですを買上げるに当りまして、これを貫二十円とすると、約八十億の予算が必要なんであります。一体、このですの買上げは政府は計上していないのですが、これをどこから捻出するか、又流用するとすればどこから流用するのか、その点を明らかにして頂きたい。
  47. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) これは、この問題を決定する過程を申上げると分るのでありますが、当初昨年の九月、主要食糧から芋類は外ずしたらいいではないか。こういう覚書が出まして、とんでもない覚書がた出というので、非常に政府は困りまして、是非とも芋というものを、ここまで奬励して、又農業経営の比重も高いのであるから、この際、芋を主要食糧から外ずすことは困る。是非芋を一定量買うことにいたしたいというので、この特別余計の編成替について相当努力いたしたのであります。併し、一応これが関係方面の了解の下に、特別会計ができ上つてしまつておるのであります。それでありますので、このですの四十万トン分だけを買うということについては相当難色がありまして、一ヶ月ばかり交渉がかかつたのであります。従つて、漸く政府考えている、芋に対する事情が了解を得たのでありますが、すでに特別会計は、芋を買わないということに一応の組立ができておりましたので、特にこの会計の範囲内において、而も四十万トン、いわゆる四億貫を限つて、余計の中で買つてもいいという承認を得たのであります。それで、会計の面から御覧下されば、この買入費目の中に芋というのが入つておりませんが、その後指令を貰いましたときに、特別会計の中から四億貫だけは買つてもいい、こういう承認を受けたのでありますから、この会計の範囲内においてこの数量を買うことを経理して行きたいと、かように考えておるわけであります。
  48. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 どこから流用するのですか。どの費用から……
  49. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 会計の費目を詳しく私存じておりませんが、来を買入れるその経費の中と御了承願いたいと思います。
  50. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 羽生さんは質問を留保されておりましたが、大臣がおられますからどうぞ……
  51. 羽生三七

    ○羽生三七君 私は只今問題になつたことと違つた問題ですが、この機会にお尋ねしたいと思います。  或る機会に、プライベートの意見として大蔵大臣が言われたという問題でありますけれども、それは大臣大臣意見か、或いは他人の意見をお取次しただけか知りませんが、要するに輸入食糧の価格を、今の配給食糧でありますが、その価格を引下げて、同時に生産者の買入価格を引上げて、適当なところで一本建にする、つまり今の生産価格を四十二円五十銭のものでありますならば、これを五十五円くらいにする。それから配給価格も六十何円かのものを五十五円くらいに下げて一本建の販売価格をするということが、極めて理想的だということを言われたそうでありますが、そういうことを現にお考えになつたことがあるのか、全く農林大臣は関知されないのか、その点をちよつと伺いたい。
  52. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) その問題については、別に大蔵大臣方針を承つたことはないのでありますから、今日の消費者の立場、又生産に必要な購入物資価格等の点からああいう形勢になつておるのでありますが、将来これが統制……いわゆる援助物資として日本が受けなくなりまして、これが自由の立場になりますと、そこに自由な価格も出ると思いますが、これが現在のように外国の食糧の高い場合におきましては、自然内地の農産物がこれが高くなつて来る。そうした場合において、これが消費者にどういう影響を及ぼすかという問題もおのずからそこに考えなくちやならんと思いますが、現在は輸入食糧は割高になつております。併し将来若しも安くなつてつて来るということがありましては、先程申上げましたような関税政策によりまして内地の農産物の価格を保持して行かなければならんと思いますが、いずれにしましても今日の場合は、補給金によりまして、内地の米の適正な価格を見付けまして、その価格と外国の食糧の価格とを比較いたしまして、その差額だけを補給金でやつてつたわけでありますので、今後どの程度日本の食糧があつたら補給金を廃止していいかというようなことは、各国々の食糧の輸入先によつて違つて来ますので、これは将来におきましても、やはり管理統制の下にいろいろの価格の外米、そうして日本の食糧というものを一つにして価格操作を行つて行かなければならない、かように考えております。
  53. 羽生三七

    ○羽生三七君 希望を申上げて置きます。今申上げたことは非常にいい考えだと思うのであります。とにかく輸入食糧の配給価格を、消費者に今売つている価格よりもずつと安くして、生産者の価格は引上げて一本建にする、これは補給金の関係があつて非常に予算上困難だと思います。非常に案としていい案だと思いますので、一つ御研究を願いたいと思います。
  54. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 芋の問題はこれから本論に入るところでありますが、時間が参りましたので、これは又引続いて最近の委員会に讓ることにいたします。大臣は衆議院の方へ参りますから、外の問題をお取扱い願いたいと思います。それでは只今から配給制度調査に関する小委員会の報告を伺うことにいたします。大分時間が経ちましたけれども(「この程度で散会々々」と呼ぶ者あり)……それでは本日はこの程度で散会して、只今の案合は後日いたすことにいたします。    午後四時三十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君            柴田 政次君            石川 準吉君            藤野 繁雄君    委員            岡田 宗司君            門田 定藏君           池田宇右衞門君            北村 一男君            深水 六郎君            國井 淳一君            赤澤 與仁君            加賀  操君            徳川 宗敬君            山崎  恒君            岡村文四郎君            小川 久義君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    農林事務官    (大臣官房長) 平川  守君    農林事務官    (農政局長)  藤田  巖君    食糧庁長官   安孫子藤吉君