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1950-01-26 第7回国会 参議院 農林委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年一月二十六日(木曜日)   —————————————  委員氏名    委員長     楠見 義男君    理事      羽生 三七君    理事      平沼彌太郎君    理事      石川 準吉君    理事      藤野 繁雄君            岡田 宗司君            門田 定藏君           池田宇右衞門君            柴田 政次君            國井 淳一君            高橋  啓君            星   一君            赤澤 與仁君            加賀  操君            徳川 宗敬君            山崎  恒君            板野 勝次君            池田 恒雄君            岡村文四郎君            小川 久義君   委員の異動 十二月一日 委員高橋啓辞任につ き、その補欠として前之園喜一郎君を 議長において指名した。 十二月二十三日 委員板野勝次辞任 につき、その補欠として中野重治君を 議長において指名した。 十二月二十四日 委員前之園喜一郎辞任につき、その補次として高橋啓君 を議長において指名した。 本日 委員中野重治辞任につき、そ の補欠として板野勝次君を議長におい て指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員の選任の件 ○記入喚問に関する件 ○昭和二十五年度農林関係予算の件   —————————————    午後一時三十一分閉会
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。  本日は主として昭和二十五年度における農林関係予算説明農林省の方から伺う予定にしているのでありますが、その前に二、三委員会の運営に関係した問題で御了解を得て置きたいことがございますので、その方を先に申上げます。  最初はこの委員会に設置されております小委員会委員指名の問題でございますが、御承知のようにこの委員会には前々国会から農林関係配給公団制度に関する調査のための小委員会水稻單作地帶対策に関する調査のための小委員会と、二つございまして、毎会期ごとに新らしく委員の選定、入替えがあつたわけでありますが、今回の第七国会におきましても同様の手続を採る予定にいたしておりましたが、会派によつて農林委員入替えの御予定があるような趣きでありましたので、実は今日までそれを延ばしておりましたが、もう追つかけて正式の御決定、入替り等がございますれば、その御決定があると思いますけれども、一方この二つ委員会も実質的にいろいろ動いて頂かなければならんと思いますが、そういうような委員会自体都合もございますので、一応小委員を従来通りお願いをしておいて、若しその委員方々の間で入替りがあつた場合にはその入替りをやつて頂く、こういうふうな取扱いにいたしたいと思うのでございます。従つて前例倣つて二つの小委員会委員の御指名委員長からいたしたいと存ずるのでありますが、勿論この小委員会委員は各会派の数とか、そういうものに余り拘泥せずに、大体それぞれの各会派いずれも一人の委員の方が重複されましても、それぞれの小委員会委員なつて頂くというような建前で今まで参りましたので、その方針で引続き小委員を御指名いたしたいと思うのでありますが、御異議ございませんか。  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  3. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 御異議ないようでございますから、委員長から小委員の御指名を申上げます。  最初農林関係配給公団制度の方の小委員会委員でございますが、藤野さん、山崎さん、平沼さん、池田さん、初生さん、岡田さん、國井さん、高橋さん、岡村さん、板野さん、池田さん、以上の方に小委員をお願いいたしたいと思います。  それから水稻單作地帯対策の方の小委員は、赤澤さん、加賀さん、池田さん、柴田さん、加生さん、門田さん、石川さん、國井さん、岡村さん、小川さん、板野さん、池田さん、以上の方方にお願いいたしたいと思います。
  4. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それからこれはこの前も申上げましたが、新農業政策確立に関する調査の承認を得ておりますが、この方は小委員を設けずに、この委員会委員全員方々の御審議に俟つこと、即ち全員委員会ということにいたしたいとまあ思つているわけでありますが、そこでこの調査につきまして各方面からいろいろ意見を聽取したいとまあ思つているのでありますが、経費その他の関係からいたしまして、証人喚問手続を採つた方が適当であるようでありますので、そういう手続を探ることにいたしたいと思います。一応今のところは来月の……これはまあ証人として御陳述願う人々の御都合もございましてあれでございますが、一応今のところは二月七日に第一回の証人喚問をいたしたいとまあ思つているのでありますが、差当り第一回目として予定いたしておりますのは、東畑精博士近藤康男博士、東京大学の経済学部の大内教授京都大学の農学部の大槻教授、これらの人から先ず最初に御意見を伺う予定にしております。つきましては証人喚問手続については一々この委員会でお諮りするのが適当でありますが、その喚問手続につきましては、一応委員長に御一任して頂けますれば、いろいろ交渉したり、又手続を進めて参ります上において、非常に都合が迅速に行くと思いますので、そういうふうにお願いしたいと思いますが、御了承頂けるかどうか、お諮りいたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 御了承頂きましたようでありますから、そういうふうにいたします。
  6. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それからお手許に第七通常国会提出予定法律案調として、昨年の十二月二十三日の作成で農林省関係提出法律案の件名が列記されました印刷物をお配りしているのでありますが、これはその後いろいろ変更があると思いますが、一応こういうものが問題として採上げられているようであります。いずれこの法律案一つきましては、近い機会農林当局の方から一応一通り説明を伺う機会を得たいと考えておりまするので、本日はただ御参考までにお配りいたしてございますので、御覧置き頂きたいと存じます。  大体予め御了承を得、又御報告申上げますことは以上の通りであります。  これから二十五年度の農林省関係予算について伊東会計課長から説明を伺うことにいたします。
  7. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) 私農林省会計課長伊東でございます。二十五年度の農林省関係予算について概略御説明申上げたいと思います。  お手許に今差上げました資料確か二つでございますが、昭和二十五年度一般会計歳出予算要求事項別表という表と、それからもう一つ公共事業費予算要求内訳と確かこの二つお配りしてあります。実はこれはお詑び申上げねばならんのでありますが、少し時間がありませんで間に合わなかつたのでありますが、この外に一般会計公共事業関係の主な事項についての予算説明を書きましたのと、それから只今増産関係予算の何%ぐらいが入つているかというふうな資料を今作つておるのでありますが、今日ちよつと間に合いませんので、ここ数日中にこれは委員長のお手許までお届けいたします。予めその点御了承願います。特別会計数字だけはこれは二十五年度一般会計歳出予算要求事項別表の中に入れて置きましたが、これにつきましても今申上げましたような説明は又追つて簡單説明を付けましてお送りいたしたいと思つております。三十五年度の予算の全般の問題でありますが、これにも両方に前年度との対照は一応つけてあります。数字で申上げますと、これは特別会計比較ちよつと大した意味がありませんので、一般会計だけの比較をここで申上げますと、今差上げました資料の十九頁に出ておりますが、所管合計というところでございます。これは前年度が四百五十五億四千三百万、第三の欄でありますが、これに比較しまして今年度の決まりましたのが、二十五年度が二百九億三千八百万という数字なつているわけなんであります。で、一般会計だけで申上げますと、この四百五十億に対して二百億と非常に減つたようなつておりますが、この四百五十億の中には実は補正予算が二百四十億ばかり入つておりますから、そういうものを差引いて純計比較して見ますと、大体今年の二百九億に対して去年は二百十四億ぐらいと、そうお考え願えれば結構であります。最初数字だけを申上げます。  それから公共事業の方はそれではどのくらいになつているかと申しますと、これは別の資料に差上げてありまして第一表に実は農林省関係のところがありまして、これは公共事業総額比較をしておるのでありますが、三番目の山林事業土地改良事業開拓事業林道施設漁港施設と書いてありますものは、これは農林省関係なんであります。ここでこれは比較をして頂くわけなんでありますが、申上げて見ますと、昨年はこれが百七十億四千九百万くらいになつております。これを合計いたしますと、農林省関係の二十四年度は百七十億四千九百万ばかりになります。それに比較いたしまして二十五年度は二百十八億四千万ばかりになつております。今申上げました二十四年度の百七十億の中には補正予算が二十五億五千万ばかり入つております。でありますからして今年度の二百十八億に比較いたしまして最初数字は百四十四億ぐらいであります、昨年は。百四十四億に対して二百十八億になつたというのが大体農林省予算の前年度との比較であります。  それで今年の予算大蔵省と折衝しておりました後に御承知シヤウプ勧告が出まして、大分予算を組む上においていろいろ経緯かあつたのでありますが、一般会計の方やなんかから行きますと、例えば御承知平衡交付金が大分計上されましたので、農林省予算補助金の中からも平衡交付金の方へ相当入れて補助金を減らすというようなことで、例えば農業調整委員会経費でありますとか、或いは民有森施工計画経費でありますとか、或いは家畜伝染病予防経費というようなものが当初は皆零になりまして、これは平衡交付金の中で見て行くのだというような査定を受けたりしたのでありますが、結局はそういうものは全部一応農林省予算の方へ戻りまして、シヤウプ勧告が出たために平衡交付金の中へ外れるのだというので補助金を削られたというようなものは比較的極く、金額で言いますると少い金額になりまして、大きいものはやはり農林省予算として残つております。これは確か昨年ここへお伺いいたしまして御説明をいたしました時は、その辺のところがまだ決つてなかつたのでありますが、大体はやはり農林省予算の大きなものは載つかつておるというようにお考え願つて結構であります。  それからその時申上げましてペンデイングなつていた事項でありますが、これは特別会計でありますが、農林省特別会計は二十四年度は御承知のように九つでありましたかあつたのでありますが、今年度は一つ減りまして八つになりました。その時に二つのものが一般会計なつたということを申上げたのでありますが、それは土地改良関係に例の見返資金から金を出して貰つて特別会会計を作ろう。それからもう一つ造林関係にやはり見返資金から金を出して貰つて特別会計を作ろうというので、大蔵省と折衝し、司令部と折衝したりでありますが、結局その関係特別会計はできませんで、融資で行く、必ず見返資金から出そうとというようなことになりまして、特別会計はできませんでしたが、大体それと同じような効果を挙げて行こうというような話合になりましてこれは特別会計はできませんでしたが、融資の方で話をつけた。林野のごときは一部利子補給をしようというようなことに粗成つております。昨年参りましてペンデイングなつていた事項は確か以上のような点たつたと思います。  これは機構の問題でございますが、例えば今問題になつております資材調整事務所をどうするかというようなことが今又問題になつておりますが、その辺のところは一応この予算では農林省の機関として置いておくということで、人は大分減らしてありますが、組んであります。併しこれも行政管理庁との話合その他でどういうことになりますか、一応のところは農林省の中に残すというようなことでここに組んであります。  それからもう一つ国営競馬でありますが、これも国営で行きますとこの二十五年の三月までにはどうしても改廃せなければならんということになつておるのでありますが、これも一応は国営競馬という形で特別会計は組んでありますが、これについても実はまだ農林省としては最後決定はいたしておりません。一応ただ国営競馬という形で組んでおるわけであります。  それから公団の問題につきましてもこれはまだはつきりした決定はしておらんのでありますが、大体内定と言いますかやつておりますのは、一応餌と食料品はなくすであろう、それから肥料につきましては、春肥だけは必ずやるが、そのあとはなるべく早い機会にこれをなくして、別な形でやつて行くというようにしたらどうかというような事柄を相談しておるのでありまして、これもまだ農林省として、ぴつしやりと詰めたというところまで御説明はいたしかねるのでありますが、大体の空気はそういうようなことに相成つております。それから定員関係でありますが、定員関係は、農林省定員北海道の分や何かみんな入れまして、確か九万ばかりであつたのでありますが、それから来年度は九百四五十人は落ちることになつております。まあ千人足らず落ちるというようなことになつております。併し、千人と言いたしても、実は薪炭関係にその外に七百人ばかり予定しておるのでありますが、これが年度の途中で殆んどなくなりますので、実質的には千七八百人の者が今年の定員法よりは落ちるというふうに我々は考えております。大体大きなところはその程度にいたしまして、この差上げまして資料の中で問題になりそうな予算についてずつと御説明いたしたいと思います。  それで最初申上げましたように、補助金比率でありますとか、或いは増産関係予算比率とか、そういうものは近日中にお手許に差上げたいと思います。  ここに大体、一般会計の方でありますが、部局別数字をまとめまして、これは予算がこの外に組織別なつておりますので、例えば官房関係で、資材調整事務所というものが官房にあるのでありますが、その場所の分はあとの方でこの場所を一まとめにして、これは十五頁でありますが、十五頁以下に場所の分をまとめて出しております。でありますから、本当にこれを組織別局別に見ますには前の分と後の場所を合計せにやならんのでありますが、一応これは分けて出してあります。その点予め御了承願います。  それからこの予算関連いたしまして金融の問題が大きく関係して来るわけなんでありますが、来年の金融につきましては、まだはつきりいたしておりません。それで大蔵省司令部等とはつきりしたものだけについて申上げますと、さつき問題になりました特別会計関連、これはまあはつきりしておるわけなんであります。それで土地改良関係に、大体ランウド・ナンバーで申しまして、四十億のものを出そう。これは融資であります。見込資金から……。それで七分五厘の利子で貸して行く。これは司令部もはつきりいたしております。それから林野の、民有林造林関係融資が約十億出そう。これは七分五厘で借りて、四分五厘で貸す。三分の利子補給を国がするというようなことになつております。ただ利子補給予算は実はここに上つていないのでありますが、これは大分予算ができたあと話合いがつきまして、その山林関係利子補給につきましては予備費が実はこの予算に四億五千万円ばかり入つております。その中で見て行こうということになつております。大体五十億というものは融資としまして、これは司令部と今はつきりいたしておるのでありますが、この以外の融資見込資金から出るというものはまだはつきり決つたと申上げるものは今のところありません。この二つだけであります。  それじやこの一般会計の方から大体申上げて置きます。最初でありますが、官房で問題になる予算は大してございませんで、この番号で行きますと、最後の十四番、それから十五番でありますが、これ二つくらいの所であります。これはまあ金額片方は非常に殖え、片方減つたんでありますが、この十四番、十五番は、実は十四番に附いておりますのは、後の頁で行きますと士五頁でありますか、十五頁の後の方に、十四番に関係ありますものは十五頁の真中頃の輸出品検査所でありまして前年度は二千百万であつたものが一億九百万に殖えております。これがまあ十四番と関連のある予算であります。その下の十五番の物資割当関係がありますのは、これは頁で行きますと十八頁の土の段でありますが、資材調整事務所、これが前年度が四億二選四百万であつたものが、今年は一億四千八百万に減つております。これが関連ある予算であります。農林物資輸出検査は、これはクレームの問題とかいろいろ起きまして、結局これは輸出農産物輸出農林水産物ですが、それから輸出食料品検査所予算でありまして、これは実は貿易公団から二十四年度は引継ぎまして簡単な組織でやつたんでありますが、いろいろ輸出品も殖えて参りますし、さつき申上げたクレームの問題もあり、品質の向上を図ろうというので、大分人員も増加いたしまして、金額も一億円殖やすというような、農林省としてはこの所に重点を置いて行こうというので、今年予算を殖やしております。それから次の十五でありますが、これはさつき申上げました資材調整事務所関連する問題でありまして、それは約九百名ばかりの人員が減りまして、統制物資が大分減りましたので人も大分減らしましたが、石油その他まだありますので、一応農林省事務所としてやつて行こうということで予算は計上してあります。併しこれをどういうふうに取扱うかの問題につきましては、まだ各方面に異論もありますので、最後決定はいたしておらんというようなことになつております。官房で特に申上げるような予算はその程度のものであります。  次は農政局予算でありますが、ここで問題になりますのは、第三番目の農業調整関係予算であります。この農業調整関係は、御承知農業調整委員会農地委員会をどうするかという問題がありまして、結局結論として出ましたことは、末端農業調整委員会末端というのは市町村で、市町村農業調整委員会市町村農地調整委員会は一本にして、農業委員会という名前にしまして、農地関係仕事食確法関係割当でありますとか、そういう従来農業調整委員会がやつておりました仕事とこれは一本の委員会でやつて行こうというふうに予算上は決まつております。それでこれは当然法律の改正が今度の国会に提案されると思うのでありますが、その中の従来農業調整でやつていた関係の金は一応農政局の方へここへ上げておるわけなんであります。大体これは前年と同額程度上げておるのでありますが、実はちよつと減つておりますのは、農業調整委員会農地委員会の数が若干違いまして、これを農地委員会の数に合せて行こうということになりましたので、この関係で若干金額が減つております。これは委員会の数の関係だけであります。それで今ちよつと申落しましたが、市町村委員会が一本になるのでありまして、やはり都道府県の農業調整委員会、或いは農地委員会、それから地方農業調整委員会郡単位でありますが、これは従前通り置いて行くという形になつております。その一本になる期間は二十五年度の八月以降というふうに一応予算は計上いたしております。それまでに選挙をやりまして八号以降に一本にしようと考えております。それから後は大体従前通りのずうつ予算であります。  十番目でありますが、單作地帶対策、これは前年度より一億四千万ばかり殖えております。それでこれはもう御承知と思いますが、昨年度は北海道水稻温床苗代だけに一億円出したのでありますが、二十五年度からは東北、北陸地帶永稻保温裏苗代、それから紫雲英の採種用の苗圃の設置費補助というようなことで一億四千万ばかり殖えまして、單作地帶対策一つ対策として取上げて行こうという考えで金額増額をいたしております。  それから後にちよつと殖えましたのは十四番目の農村工業振興関係でありますが、農村としまして農村工業実地修練施設費というものを、これは基幹工場と称したんでありますが、ずうつとやつておりましたが、二十四年度は実は止めたんであります。止めたんでありますが、これはやはり一つ恐慌対策としてやはり農村工業を積極的に奨励して行くべきだという考え方からいたしまして、従来の基幹工場制度をもう一回復活しようというので、大体百十ばかりの工場でありますが、選びまして、そこで実地指導行つて技術を覚えて来るというような制度を復活したわけであります。この関係で約六百万ばかりの金がここに殖えております。  農政局あと申上げますのは二十番ですか、二十番、農業共済保險関係、これは補正予算のときにも御説明いたしましたが、前年度予算が二十四億で、今年二十億に減つておりますが、この減つておりますのは、実は二十四年度には、麦の赤字を四億四千万ばかり繰入れましたので、その関係赤字が来年度はまだ赤字の予想もありませんので四億ばかり減らしておるのでありまして、これは補正予算蚕繭共済でありますとか、或いは家畜共済の新らしい金がみんな補正予算に入りましたものが、来年度も引続いてこれは入つておるわけであります。金額が減りましたのは今申しました麦の赤字関係でありますが、これは二十四年度当初の予算比較いたしますと相当増額なつております。大体農政局で特に問題になつている予算で殖えておる関係は以上のものであります。この二十四、二十五の肥料配給公団赤字の三億五千万でありまする、ところがこのものは昨年度の最初申上げました二百十四億の中には入つておるのですが、今年度はこういうものは減りましたので、二百十四億に比較しまして二百九億というのが、大体減つた分赤字補填であるとか、こういうものであるとか、或いは統制廃止のため減つたものとかいうようなくらいのものが減つただけでありまして、実質的にはそう何ともては減つておらんわけであります。  それから次の農地局関係でありますが、ここで問題になりますのは、二番目であります。それでこれは先程申上げました農業調整委員会との関係でありますが、今まで市町村農地委員会には書記が二人おりましたが、今年度からは一人になり、金額が減つておりますのはこれは書記関係でございます。それで結局農業委員会農業調整委員会の方の書記一人と、農地委員会書記一人でやつて行く。結局書記二人でやつて行くというような形になります。そういう関係でここの金額が減つて来ております。  それからあとは四番目でありますが、土地改良法施行関係か約一億ばかり殖えております。これは二十四年度土地改良法通りますときに、予算がなくてこれは問題になつたのでありますが、補正予算で一千万ばかり入れまして、来年度はそれに一億ばかり殖やしております。大体交換分合でありますとか、或いは換地処分をやる。或いは約十九万町歩ばかりの交換分合をやろうとか、或いは五万町歩ばかりの換地処分をやろうとか、こういう計画事業費が大体一億はかり殖えております。今年の補正予算一千万は大体事務費だけでありましたが、これは事業費として約一億くらい減つておるのであります。農地局関係一般の方では申上げますのはその程度であります。  それから次は改良局でありますが、改良局はこの三番目の普及事業でございます。それでこれが農業改良局の統計を除きました大体中心の予算なつております。これは御承知のように例の指導農場廃止に伴いましてその改良助長法関係農村に普及員を置いて技術の滲透をやつて行きたいというのがこの予算の考え方なんであります。それで農林省としましては、大体一ケ月町村に一人の普及員は置きたいという考えで、逐次増加しているのでありますが、今年度は二千五百人ばかり殖えまして全部では九千七百人ばかり普及員がおります。一ケ町村に一人というのにはもう一歩なんでありますが、九千七百入ばかりの普及員をこれで置き得るというような恰好に相成つたわけであります。まあこれが改良局関係では一番大きな予算であります。  それからその下の方では八番、十番、農作物調査、それから農林統計調査というのが出て来ておりますが、これは実は後の方の作報事務所関係というのになりますが、頁で行きますと十九頁の上から三番員あたりですが、作物報告事務所関係予算と一緒に見て頂きませんと、これは金額として出て来ないのでありますが、この作報関係で申上げますと、大体今年の事業からして減りますのは、例の世界農業センサス関係に取れておりました予算関係では数億のものが減るわけなんであります。これは二十五年の二月一日を期してやりますセンサスでありまして、これは数億の金を計上して来たのでありますが、これは来年度からは減つております。来年度事業費として殖えておりますのは、この農作物調査関係の中に被害調査を入れた、これは従来は被害調査をやつておらなかつたのでありますが、二十四年度は新らしく地方調査を加え、二十五年度は新らしく被害者調査をやろうというので、人も四、五百人入れましてやつております。被害調査関係はこれは割当の補正の問題にも常に被害の問題が出て参りますし、農業保險の問題でもこの被害の問題がありますので、新規に作報で被害調査をやろうというので新規の人員を加えております。  それから農林統計調査の中に新らしく加えましたのは漁獲高の調査をやつて行こう、漁獲高の調査は実は甚だどうも不備でありまして、一つ作報の組織を利用しましてちやんとした漁獲高の調査をやつて、水産物の資源維持でありますとか、延いては漁区の問題とか、そういう問題も考えに入れまして、しつかりした統計を作ろうというので、新らしく漁獲高の調査を考えております。この三つが昨年と統計局として違つておる点でございます。  それから畜産関係でございますが、畜産関係では、この三地目の種畜確保の金が大部殖えております。これを殖やしましたのは購買貸付の畜産の五ケ年計画に基きまして、畜産物の増産をやつて行こうという際に、もう一つの手段としまして、国で種畜を買つて貸すという手段と、それからもう一つは、八番目に新らしい施設として出ておりますが、人工受精をやりまして頭数を殖やして行こうという両方の考えからいたしまして、三番目の種畜の確保の方では昨年度の大体倍にしまして、三千四百万のうち二千八百万ばかりが、貸付に要する種畜の購入費というふうに考えております。これは牛、緬羊等を中心にしまして、馬も一部やつて行こうというような考えでおります。  それから八番目の人工受精でありますが、これは初てでございまして、この八番目が後の方の十五番目と関係があるんですが、御承知家畜保健施設所というのが全国に百八十箇所ございますが、これは来年八十箇所殖やしまして、二百大十箇所にするんでありますが、従来の家畜保健施設所では、主に衞生関係だけでありまして、積極的に増産をしようという方の施設は、実は拔けておつたような次第であります。それで家畜保健施設所を増加しますと共に、それで人工受精をやつて行くという考えを入れまして、一箇所当り十万ぐらいのものになりますが、それで一つも多く施設を作りまして、人工受精で頭数を殖やして行くということを考えたわけであります。それがここに出ております三番目と八番目で、金にしますと両方で約四千万ぐらいになりますが、四千万ぐらいの金を使いまして家畜の増加を図つて行こうというようなことで、予算に組んでおります。大体これが畜産局で今年度と明年度の違います重要な点であります。  次は蚕糸局でございますが、蚕糸局につきましてはこの三番目の蚕糸の技術改良というこの予算が大体中心になつております。これは御承知の蚕糸の指導所を全国に二百四十箇所ぐらい作つておるのでありますが、これを数を殖やしまして二百八十箇所にしよう。これは養蚕の盛んな地方に郡單位に置いている指導所でございます。これを二百八十箇所ぐらいに殖やそうというので金額が殖えております。それからその外に蚕糸関係の育成保存としましては、この養蚕の指導所で終つていたのでありますが、その指導所から末端関連をつけるということで、これは協同組合でありますが、養蚕協同組合の技術員にも、やはり国が関連をつけまして、この指導所と一緒に協力して、蚕糸の育成保存、改良普及をやつて行きたいという考えからいたしまして、新たにここに専任技術員一千人ばかりを対象にしましに、それに補助金を六百万ばかり新らしくつけて行くというようなのが昨年と違いました予算で、これで金額が殖えております。蚕糸局関係で殖えたのは以上のような点であります。  それから食糧庁は、これは一般会計で問題になるような予算は余力ありません。この十番目の指定農林物資の検査、これが零になつております。これも法律改正が出るわけでありますが、従来藁装品でありますとか、それらは国が直接検査をしていたのであります。併しこれはその制度をやめまして、府県の任意検査に任せようということで、従来これは食糧事務所が中心になりまして検査をいたしておりましたか、二十五年度からはそういう仕事をやめるということにしまして、これは府県でやつて貰うということで、予算的には零にしてあるのであります。それで前年度の予算比較しまして減つているのは食糧庁なんでありますが、昨年は二百十億であつたのが、二十八億になつております。ここで一番減りましてのは、補正予算で入りました約百七十億ばかりの金、これが来年はありませんし、それからここに出ております食糧配給公団に約八億ばかり交付したのでありますが、これは取止めるということで、この交付金を落しておりますので、食糧庁は非常に減つております。  それから林野でありますが、二十四年度と非常に違つておりますのは、この二番目の林野改良普及、これは今年五百万ばかりになつておりましたが、来年は六千六百万というふうに金額を殖やしております。これは農業の方の改良普及関係。それから蚕糸の改善普及関係は、従来予算を取つたのでありますが、林業関係は非常におくれておりまして、そういうこともやつておりませんので、これも全国に千人以上の普及員を各地に置きまして林野の技術改善をやつて行こうという考えから、昨年度の五百万というのは本当の普及宣伝費であつたのでありますが、新らしく今年から千九百人の普及員を置いて、技術の改良をやつて行こうというのでここに挙げております。  それから七番目の薪炭需給調節特別会計の残務整理の関係でありますが、これは今年度実は二十番に五十四億七千万の繰入として載つておりますが、これに見合うものとして、ここに五億としてあるのですが、大体支出未済の継承があるのではないかということと、残務整理の事務費として若干挙げました。支出未済の継承、これは確定したものでありませんので、一応予想として挙げております。  それから前年度と違いますのは、十一番目の害虫防除の関係でありますが、これは松喰虫の対策であります。これは従来は公共事業の中に入つている金なんでありますが、事業の性質が公共事業費とちよつと違うのではないかというようなことで、ここに拔き出しまして公共事業から落して、四千四百万というものを持つて来たわけであります。これは内容は御承知だと思いますが、松喰虫の附いている木を伐採する費用でありますとか、そういうようなものがこの予算の内容でありまするからして、予算を企画いたしますときには、実はこの金は昨年は公共事業に入つておりましたので、純粋に比較しますと、これを公共事業費の方に持つて行つて比較しなければなりませんが、一応こつちに持つて来てあります。林野で前年度と違いましたものは以上のような点であります。  それからもう一つ林野にあるのでありますが、十八頁の一番下の林業試験場、この金も前年度は零で新らしく出て来ておりますが、これも御承知の国有林特別会計の中に林業試験場は入つていたのでありますが、これは性質上ちよつとおかしいのでございまして、林業試験場は、これは特別会計で行くべきものじやないか、特に独立採算制をやかましく言われます関係上、これは一応一般会計の方に拔き出そうというので、この林業試験場と、それから国有林の大規模の治山事業につきましても、これは特別会計でやることは無理だというので、公共事業費の方へ拔いております。ここにあります林業試験場は昨年度はここでは零でありますが、今年度は特別会計から拔きまして一般会計で見ていこうというふうになつております。大体以上が昨年度と比べまして違つておるところでございます。  それから水産庁でございますが、水産庁で殖えておりますのは二番目の水産増殖試験場の関係で手数百万円殖えております。これは浅海で貝類の増殖をやろう、一つのこれは農業的な考え方なんでありますが、四千八百万ぐらいの貝類の増殖をやろうというので、ここで新規に一千数百万の予算を計上いたしております。  それから大きく金が殖えて来ましたのは四番目の漁業権制度の改革でございますが、これは実は内容が今年度と違いませんで、これは法律通りました後の一年に引延しますと三億六千万円になるということで、内容は大体今年度と同じでございます。  次の五番は四番と同じように年度に引延すとこういうことになるというので金が殖いておるわけでございます。そういう意味で殖えておりますのはこの九番目の遠洋漁業の取締、これも昨年度六千万円が一億七千五百万円に殖えておりますが、これも例の指令が参りまして、今年から取締を嚴重にやつておるわけであります。これも来年一年度引延しますとこういうふうに六千万円が一億七千五百万円になるということであります、大体これも年度割りにしました関係で殖えておるわけであります。まあこれが一体一般会計で昨年度と違つた点でありますが、水産関係でもう一つありますのは、二十四年度までは久里浜の第一水産講習所が農林省予算でありましたが、これは設置法の関係等からいたしまして、来年度から文部省の予算に計上するということになりましたので、農林省予算からは全部落しましてあれは文部省の予算に入つておるようなわけであります。  今申しました十三頁までがこの場所関係を除いた予算でありますが、十四頁以下はこれは農林省の地方の場所関係であります。特に取立てて御説明するような予算もございません。必要なものは先程申上げたような点でございます。  それで当初申上げました明年度四百五十五億の予算が、二百九十一億になるというようなことになる次第なんであります。  それから序でに特別会計の方でございますが、これは食糧管理特別会計だけは、別に御説明するようにいたします。  それから共済保險は、先程申上げました一般会計からの繰入れが変つておりますくらいで、特に今年度から変つておるところはございません。ずつと来まして森林火災保險も、漁船災保險も殆ど同じであります。自作農関係も特に変つたといいう点ははござません。  それから開拓者資金融通特別会計、これも戸数幾ら入植するかということで決つて来ますので、大体一万戸入植という計算をいたしております関係で、そこから大体金額が出て来るのでありますが、その中で例えば歳出で行きますと貸付金十一億八千九百万円と思いますが、これは入植者のための貸付になるわけでありまして、二十五年度に入ります者は一戸当り六万五百四十円ぐらい貸すという内訳になつております。入植者の直接の営農資金といたしまして十億九千万円ばかり貸して、その外に九千四百万円ばかりが共同施設に行くという関係なつております。大体これは従前と同じであります。  それから国有林野から特に見えておりますので、あとで御質問があれば御説明いたしますが、これも今年度も大した変りはありませんで、先程申上げましたこの中の関係から一般会計に林業試験場が拔けた。それから公共事業の方へ国有林の大きな治山事業が拔けたということになつております。ただここで一つ昨年度と違うのは、見返資金から三十億ばかりの繰入がここに新しく実は歳入として入つております。これは昨年度はありませんでしたものを見返資金から三十億入れまして、国有林の建設関係の事業に使つて行くという状態になつております。  それから国営競馬につきましては先程申上げた通りでありましてこれは一応国がやるということにはなつておりますが、まだ農林省としては最後の結論にはなつておらんのであります。一応一般会計の繰入がここに十四億というふうに相成つております。  大体以上で一般会計特別会計概略を御説明したわけであります。  それからあと残つておるのは公共事業費の内訳であります。これを簡單に御説明いたします。公共事業費の昨年度との比較については先程申上げた通りでありまして、百七十億が二百十八億ということになつたわけでありますが、これは比率から行きますと、ここに出ておりますように、二十四年度と二十五年度と比較いたしますと総体の比率からは若干落ちております。絶対額は殖えたのでありますが、中の比率から行きますと、この表にありますように若干比率は落ちておると思います。で三頁に一般と災害と分けて書いてあります。災害関係のものは一応二百十八億の中で八十億使つて行く、農業で七十二億、林業で四億というふうに分けておりますが、これは災害と一般と分けたわけでありまして、この災害は全額国庫補助で行くかどうかという問題はシヤウプ勧告との関連があるのでありますので、まだはつきりいたしませんが、一応農林関係の災害分として八十億取つておるわけであります。昨年度との大きな比較だけ申上げておきまして御質問がありましたら、それぞれお答えいたすようにいたします。  公共事業費の一般関係でありますが、大きく分けまして四頁にありますように土地改良事業費では前年度の二十五億に比較して三十一億、約八億の増加を見ております。土地改良事業費の分け方でありますが、灌漑排水事業費等もここに入れて考えております。大体国営のものは事業費と新営費と分けまして、ここで大体地区数は前年度と同じというような考えで、單価が上つたというような関係になりますが、地区数は前年度と同じというようなことになつております。下はずつと計画費等で、これは国の直接の補助金とは関係がありませんので説明は省略いたします。  それから五番目に行きまして北海道の灌漑排水事業、これも大体事業の内容は本年度と同額でありますが、これも單価等の関係で若干殖やしておるようなことになつております。  それからその下が金額は大きいのでありますが、これは補助事業でありまして、土地改良事業金額の中の相当部分を占めるわけであります。これが府県営でやりますところの大規模のもの、これは前年度と同地区なものを予定いたしております。それから都道府県のやはり事業の小規模のもの、これは若干地区は減らしたのでありますが、大体金額にしましては、前年度よりちよつと大きい地区、これについてはちよつと昨年度よりは落ちておりますが、これは大規模の方に相当力を入れて行こうというような関係に相成つております。  それから次の小規模の土地改良事業補助、これが昨年と違うところなんでありますが、これは昨年は殆んど認められませんで、大体融資で行けということになつたのでありますが、やはり融資でやつては見ましたが、なかなか融資もうまく行かんと、事務的に一応見返資金十九億というものが引当てになつておりますが、まだ全然出ておらんというような状態でありまして、これは初年度であつた関係もありますが、とれませんような関係で、やはり小規模のものも融資ではむずかしいということで、来年度は今年度に比べまして金額は少いが、一応増額いたしております。この外に先刻申しました四十億の融資というものを考えておるわけなんであります。これが昨年度と違つております。  それから開墾の方は殆んど変りはありませんで、これはやはり入植のベースを一万戸にするということで面積等が出て来るわけなんでありまして、昨年度も入植一万戸、今年度も一万戸ということでこれはやつております。それで殆んど前年と事業内容は変りはございません。  それから次に干拓でありますが、これは地区を殖やすとかいうことではありませんで、金額が殖えておりますのは、干拓は一度手を着けますと相当毎年金額が殖えて来ますので、地区を特に殖やしてやるという考えではなく、二年度三年度になつて来ますと相当事業量が殖えて行く関係からしまして、金額が殖えたのでありますが、新規の所へ手を着けるというようなことは、これは余り考えておりません。大体今年度の事業は以上であります。  それから九頁に、この災害公共事業費としまして、これは二十四年度において五十二億に殖やし、更にここで七十二億というふうに災害のところで可なりの金額が殖えておるようなわけであります。それから林業関係、これは農業関係だけで申上げますと、昨年度の二十四年は百二十億です。その補正予算を入れまして百二十億ばかりになつておりますが、今年は百五十七億、約三十七億ぐらいが農業関係公共事業で殖えております。  それから次に林野でありますが、林野は今年は大体四十九億でありますが、ここで二十四年度は四十億ぐらいになつております。ここで約九億殖えております。さつき申上げましたこれは純粋な計算の比較になりますと、松喰虫がここに一億ばかり実は殖えるわけなんでありまして、林野公共事業だけから言いますと、この四十九億プラス四千万円ぐらいに考えるのが妥当なんであります。その代り先程申上げました国有林の治山関係、これが新らしく公共事業費へ入つて来ましたので、これは差引計算をしなければならんのでありますが、まだそういう累計は出しておりませんが、昨年度はその点が若干違うようになつております。林野も大分金額としては事業量も可なり殖えたのであります。林野の五年計画等から行きますと、まだ農林省で考えておりますよりは、大分事業自体が計画までは行つておりませんです。これにつきましては又後程林野局の方から数字等について御説明いたすようにいたしたいと思います。  それから最後に水産が附いておりますが、これも又局から説明いたしますが、金額としまして今年度は九億六千二百万円でありますが、それに比較しまして十一億九千万円というふうに金額が殖えております。大体これは漁港の施設の関係で殖やしております。新規のものも若干この中に考えて、昨年度より一億ぐらい殖やしまして漁港の修築をやつて行こうというふうな考えでおります。公共事業費につきましては概略でありますが。なお御質問によつてお答えいたしたいと考えます。
  8. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 大体の概略御説明を伺いましたが、若し御質問がございますれば、その御質問によつて更に詳細事情を明るくしたいと思いますから、どうぞ御質問をお願いいたします。なお先程会計課長からお話のあつたような、これを別の観点から取まとめた参考資料は專門員の方へ届き次第皆さんのお手許にお配りいたしたいと思います……質問の切れの繋ぎに私よりちよつと……今一応御説明を伺つたんですが、農業関係の事情がいろいろの食糧事情の変化その他に伴つて随分変わつて来るということを皆心配し、その対策についてもいろいろ皆各方面で心配しておるんですが、予算面から見た新しい対策というものを、先程御説明をずつと伺つて見ると、直接ぴんと来るようなものは單作地帶の一億四千万円、畜産の増産について、従来に比べてやや力を入れられておるというようなこと以外には、ちよつと聞き方が惡かつたか、ないのですが、何かそういう問題……。
  9. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) 御質問の点、只今食糧事情が変つて来るということから、経営の問題等に影響があつて、何か新しい対策がないかということだと思うのですが、予算をやつておりますときに、例えば食糧事情が変つたというお話で、それでは今までの農村から主食として買つておつたもので止めるものがあるかというと、直接良種と関係しますと、芋の問題が出て来るわけなんですが、これも特別会計で買うか買わんかということをずつと後までやつておりまして、一般会計はそれがまあ併行しておらなかつたという関係があるのですが、その後御承知の若干は買うかということで、特別会計の中には芋としては載つておりませんが、若干は買い得るということで了解はつけたのです。それでは大部分の芋は買わなくなつたらどうするかというので、これも予算的に何か考える必要があるのではないかというようなことからいたしまして、今大蔵省と話をしているのですが、例えば芋の大量を極く少数にして止めたというためにどういう対策が要るかということで、我々としては、例えば転作の問題でありまするとか、或いは芋を作る農家にしましても、量の問題でなくて、質のよい種苗の世話をして行くというような関係からいたしまして、実は二億足らずの金でありますが、新しく主食の芋の買上げが減つたためにどういう一般対策を立てなければいかんかというので、現在まだやつておるのです。これは実は新しく予算を組むということは何でありまして、予備費の中で考えてくれんかというようなことで、これとは別途に、例えば芋の買入れを少くしたための予算というものは目下やつておりますが、まだ結論は出ておりません。そういう、点は一つ考えております。  それからあと御質問のありました点、單作地帶と畜産地だけじやないかというお話でありますが、これはまあ主食だけとして考えなくても、例えば養蚕の問題でありますとか、或いは技術の普及を図つて行くとか、さつきの改良普及員を数千名一度に置いたというようなことは、やはり私は対策一つとして考えてもよいのではないかというふうに考えます。併し、それではどれかと言つて、中心に、例えば農業恐慌対策といいますか、そういうような考え方でまとまつた予算と言われますと、一ヶ所にどれにまとめてあるというようなものは出ておりません。
  10. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それから公団の問題ですね。飼料と食糧品は一応廃止ということに内定したということで、この予算には出ておらんわけですか。
  11. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) この予算には出ておりません。
  12. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 外の予算にも全然出ていないのですか。
  13. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) これは政府関係機関の予算書、こつちにその関係予算は出ておるわけです。
  14. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それは廃止として載つておるわけですか。
  15. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) 公団ちよつと調べて置きます。
  16. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それから融資の点で、土地改良の、四十億が内定したと、それから災害復旧なんかの場合の融資というものは、これは又別の……。
  17. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) 今私が申上げました土地改良は、一応災害復旧というように限定したわけではなくて、だから一部は災害復旧も考えてよいと思うのです。よいと思いますが、災害復旧と限定したわけではございません。当然そういうものも対象として考えてもよいと思います。
  18. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 ちよつとお尋ねいたしますが、蚕糸問題でありまするが、蚕糸指導所二百四十を二百八十にすると、それから実演の指導人員新たに千数百名に対しまして補助を出してこれを強化するというようなふうに御説明なさいましたが、殊に蚕糸業対策につきましては、何か蚕糸業五ヶ年計画の進展というか、復興というか、復興強化の方針を採るというふうにお聞きしておりましたけれども、新たにどういう手をお打ち下さつておりますか、もう少しく詳しく知ることができれば幸いだと思いますので、この点一つあつたら御説明を承りたいと思います。
  19. 伊藤正義

    政府委員伊藤正義君) お答えいたしますが、今の蚕糸の問題は、予算的には、さつき御説明しましたぐらいが今年度と違つた点でありまして、特に顏を出しておりません。実は市価安定の施設の関係で、相当外国筋でも、非常に生糸の値段に変動があるというのは困ると、いろいろ競争繊維との関係で困るというような立場もありまして、市価安定施設として、或いは公社というものを考えるか、特別会計でやりますかは別にいたしまして、何か価格の問題に筋金を入れて行く必要があるのではないかということで、大分原局と司令部で交渉を続けたのでありますが、まだ予算に組むようには話合がついておりませんです。でありますから、予算的に二十五年度は二十四年度とどう違うか、あとそれよりないかと言われますと、ここに頭を出しておりますのは、さつき申上げたようなところが二十四年度と特に違う点だというふうに申上げるより外ないと思います。
  20. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは一応今日は概略御説明を伺つたばかりですから、尚皆さんの御手許で御検討を頂きまして、更に又御質問等がございますれば、別の機会を設けていたしたいと思いますから、本日はこの程度で散 会いたします。    午後二時四十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君            石川 準吉君    委員            岡田 宗司君           池田宇右衞門君            柴田 政次君            加賀  操君            徳川 宗敬君            板野 勝次君            岡村文四郎君            小川 久義君    政府委員    農林事務次官    (官房会計課    長)      伊藤 正義君