○
政府委員(
伊藤正義君) 私
農林省の
会計課長の
伊東でございます。二十五年度の
農林省関係の
予算について概略御
説明申上げたいと思います。
お
手許に今差上げました
資料は
確か二つでございますが、
昭和二十五年度
一般会計歳出予算要求事項別表という表と、それからもう
一つ公共事業費予算要求内訳と確かこの
二つお配りしてあります。実はこれはお詑び申上げねばならんのでありますが、少し時間がありませんで間に合わなか
つたのでありますが、この外に
一般会計公共事業関係の主な
事項についての
予算の
説明を書きましたのと、それから
只今増産関係に
予算の何%ぐらいが入
つているかというふうな
資料を今作つておるのでありますが、今日
ちよつと間に合いませんので、ここ数日中にこれは
委員長のお
手許までお届けいたします。予めその点御了承願います。
特別会計の
数字だけはこれは二十五年度
一般会計歳出予算要求事項別表の中に入れて置きましたが、これにつきましても今申上げましたような
説明は又追
つて簡單な
説明を付けましてお送りいたしたいと思つております。三十五年度の
予算の全般の問題でありますが、これにも両方に前年度との対照は一応つけてあります。
数字で申上げますと、これは
特別会計の
比較は
ちよつと大した意味がありませんので、
一般会計だけの
比較をここで申上げますと、今差上げました
資料の十九頁に出ておりますが、
所管合計というところでございます。これは前年度が四百五十五億四千三百万、第三の欄でありますが、これに
比較しまして今年度の決まりましたのが、二十五年度が二百九億三千八百万という
数字に
なつているわけなんであります。で、
一般会計だけで申上げますと、この四百五十億に対して二百億と非常に
減つたように
なつておりますが、この四百五十億の中には実は
補正予算が二百四十億ばかり入つておりますから、そういうものを差引いて
純計で
比較して見ますと、大体今年の二百九億に対して去年は二百十四億ぐらいと、そうお考え願えれば結構であります。
最初数字だけを申上げます。
それから
公共事業の方はそれではどのくらいにな
つているかと申しますと、これは別の
資料に差上げてありまして第一表に実は
農林省関係のところがありまして、これは
公共事業総額の
比較をしておるのでありますが、三番目の
山林事業、
土地改良事業、
開拓事業、
林道施設、
漁港施設と書いてありますものは、これは
農林省関係なんであります。ここでこれは
比較をして頂くわけなんでありますが、申上げて見ますと、昨年はこれが百七十億四千九百万くらいに
なつております。これを合計いたしますと、
農林省関係の二十四年度は百七十億四千九百万ばかりになります。それに
比較いたしまして二十五年度は二百十八億四千万ばかりに
なつております。今申上げました二十四年度の百七十億の中には
補正予算が二十五億五千万ばかり入つております。でありますからして今年度の二百十八億に
比較いたしまして
最初の
数字は百四十四億ぐらいであります、昨年は。百四十四億に対して二百十八億に
なつたというのが大体
農林省の
予算の前年度との
比較であります。
それで今年の
予算を
大蔵省と折衝しておりました後に御
承知の
シヤウプ勧告が出まして、
大分予算を組む上においていろいろ経緯かあ
つたのでありますが、
一般会計の方やなんかから行きますと、例えば御
承知の
平衡交付金が大分計上されましたので、
農林省の
予算の
補助金の中からも
平衡交付金の方へ相当入れて
補助金を減らすというようなことで、例えば
農業調整委員会の
経費でありますとか、或いは
民有森の
施工計画の
経費でありますとか、或いは
家畜の
伝染病予防の
経費というようなものが当初は皆零になりまして、これは
平衡交付金の中で見て行くのだというような査定を受けたりしたのでありますが、結局はそういうものは全部一応
農林省の
予算の方へ戻りまして、
シヤウプ勧告が出たために
平衡交付金の中へ外れるのだというので
補助金を削られたというようなものは
比較的極く、
金額で言いますると少い
金額になりまして、大きいものはやはり
農林省の
予算として残つております。これは確か昨年ここへお伺いいたしまして御
説明をいたしました時は、その辺のところがまだ
決つてなか
つたのでありますが、大体はやはり
農林省の
予算の大きなものは載つかつておるというようにお考え願つて結構であります。
それからその時申上げまして
ペンデイングに
なつていた
事項でありますが、これは
特別会計でありますが、
農林省の
特別会計は二十四年度は御
承知のように九つでありましたかあ
つたのでありますが、今年度は
一つ減りまして八つになりました。その時に
二つのものが
一般会計に
なつたということを申上げたのでありますが、それは
土地改良関係に例の見返
資金から金を出して
貰つて特別会会計を作ろう。それからもう
一つは
造林関係にやはり見返
資金から金を出して
貰つて特別会計を作ろうというので、
大蔵省と折衝し、
司令部と折衝したりでありますが、結局その
関係は
特別会計はできませんで、
融資で行く、必ず見返
資金から出そうとというようなことになりまして、
特別会計はできませんでしたが、大体それと同じような効果を挙げて行こうというような
話合になりましてこれは
特別会計はできませんでしたが、
融資の方で話をつけた。
林野のごときは一部
利子の
補給をしようというようなことに粗成つております。昨年参りまして
ペンデイングに
なつていた
事項は確か以上のような点たつたと思います。
これは機構の問題でございますが、例えば今問題に
なつております
資材調整事務所をどうするかというようなことが今又問題に
なつておりますが、その辺のところは一応この
予算では
農林省の機関として置いておくということで、人は大分減らしてありますが、組んであります。併しこれも行政管理庁との
話合その他でどういうことになりますか、一応のところは
農林省の中に残すというようなことでここに組んであります。
それからもう
一つ国営競馬でありますが、これも
国営で行きますとこの二十五年の三月までにはどうしても改廃せなければならんということに
なつておるのでありますが、これも一応は
国営競馬という形で
特別会計は組んでありますが、これについても実はまだ
農林省としては
最後の
決定はいたしておりません。一応ただ
国営競馬という形で組んでおるわけであります。
それから
公団の問題につきましてもこれはまだはつきりした
決定はしておらんのでありますが、大体内定と言いますかやつておりますのは、一応餌と
食料品はなくすであろう、それから
肥料につきましては、
春肥だけは必ずやるが、その
あとはなるべく早い
機会にこれをなくして、別な形でやつて行くというようにしたらどうかというような事柄を相談しておるのでありまして、これもまだ
農林省として、ぴつしやりと詰めたというところまで御
説明はいたしかねるのでありますが、大体の空気はそういうようなことに相成つております。それから
定員の
関係でありますが、
定員の
関係は、
農林省の
定員は
北海道の分や何かみんな入れまして、確か九万ばかりであ
つたのでありますが、それから来年度は九百四五十人は落ちることに
なつております。まあ千人足らず落ちるというようなことに
なつております。併し、千人と言いたしても、実は
薪炭関係にその外に七百人ばかり
予定しておるのでありますが、これが年度の途中で殆んどなくなりますので、実質的には千七八百人の者が今年の
定員法よりは落ちるというふうに我々は考えております。大体大きなところはその
程度にいたしまして、この差上げまして
資料の中で問題になりそうな
予算についてずつと御
説明いたしたいと思います。
それで
最初申上げましたように、
補助金の
比率でありますとか、或いは
増産関係の
予算の
比率とか、そういうものは近日中にお
手許に差上げたいと思います。
ここに大体、
一般会計の方でありますが、
部局別に
数字をまとめまして、これは
予算がこの外に
組織別に
なつておりますので、例えば
官房の
関係で、
資材調整事務所というものが
官房にあるのでありますが、その
場所の分は
あとの方でこの
場所を一まとめにして、これは十五頁でありますが、十五頁以下に
場所の分をまとめて出しております。でありますから、本当にこれを
組織別、
局別に見ますには前の分と後の
場所を合計せにやならんのでありますが、一応これは分けて出してあります。その点予め御了承願います。
それからこの
予算に
関連いたしまして
金融の問題が大きく
関係して来るわけなんでありますが、来年の
金融につきましては、まだはつきりいたしておりません。それで
大蔵省と
司令部等とはつきりしたものだけについて申上げますと、さつき問題になりました
特別会計の
関連、これはまあはつきりしておるわけなんであります。それで
土地改良関係に、大体
ランウド・ナンバーで申しまして、四十億のものを出そう。これは
融資であります。
見込資金から……。それで七分五厘の
利子で貸して行く。これは
司令部もはつきりいたしております。それから
林野の、
民有林の
造林関係の
融資が約十億出そう。これは七分五厘で借りて、四分五厘で貸す。三分の
利子補給を国がするというようなことに
なつております。ただ
利子補給の
予算は実はここに上つていないのでありますが、これは
大分予算ができた
あとに
話合いがつきまして、その
山林関係の
利子補給につきましては
予備費が実はこの
予算に四億五千万円ばかり入つております。その中で見て行こうということに
なつております。大体五十億というものは
融資としまして、これは
司令部と今はつきりいたしておるのでありますが、この以外の
融資を
見込資金から出るというものはまだはつきり
決つたと申上げるものは今のところありません。この
二つだけであります。
それじやこの
一般会計の方から大体申上げて置きます。
最初でありますが、
官房で問題になる
予算は大してございませんで、この番号で行きますと、
最後の十四番、それから十五番でありますが、これ
二つくらいの所であります。これはまあ
金額が
片方は非常に殖え、
片方は
減つたんでありますが、この十四番、十五番は、実は十四番に附いておりますのは、後の頁で行きますと士五頁でありますか、十五頁の後の方に、十四番に
関係ありますものは十五頁の真中頃の
輸出品検査所でありまして前年度は二千百万であつたものが一億九百万に殖えております。これがまあ十四番と
関連のある
予算であります。その下の十五番の
物資割当に
関係がありますのは、これは頁で行きますと十八頁の土の段でありますが、
資材調整事務所、これが前年度が四億二選四百万であつたものが、今年は一億四千八百万に減つております。これが
関連ある
予算であります。
農林物資の
輸出検査は、これは
クレームの問題とかいろいろ起きまして、結局これは
輸出農産物と
輸出農林水産物ですが、それから
輸出食料品の
検査所の
予算でありまして、これは実は
貿易公団から二十四年度は引継ぎまして簡単な
組織でやつたんでありますが、いろいろ
輸出品も殖えて参りますし、さつき申上げた
クレームの問題もあり、品質の向上を図ろうというので、
大分人員も増加いたしまして、
金額も一億円殖やすというような、
農林省としてはこの所に重点を置いて行こうというので、今年
予算を殖やしております。それから次の十五でありますが、これはさつき申上げました
資材調整事務所が
関連する問題でありまして、それは約九百名ばかりの
人員が減りまして、
統制物資が大分減りましたので人も大分減らしましたが、石油その他まだありますので、一応
農林省の
事務所としてやつて行こうということで
予算は計上してあります。併しこれをどういうふうに取扱うかの問題につきましては、まだ各
方面に異論もありますので、
最後の
決定はいたしておらんというようなことに
なつております。
官房で特に申上げるような
予算はその
程度のものであります。
次は
農政局の
予算でありますが、ここで問題になりますのは、第三番目の
農業調整関係の
予算であります。この
農業調整の
関係は、御
承知の
農業調整委員会と
農地委員会をどうするかという問題がありまして、結局結論として出ましたことは、
末端の
農業調整委員会、
末端というのは
市町村で、
市町村の
農業調整委員会と
市町村の
農地調整委員会は一本にして、
農業委員会という名前にしまして、
農地の
関係の
仕事と
食確法の
関係の
割当でありますとか、そういう従来
農業調整委員会がやつておりました
仕事とこれは一本の
委員会でやつて行こうというふうに
予算上は決まつております。それでこれは当然
法律の改正が今度の
国会に提案されると思うのでありますが、その中の従来
農業の
調整でやつていた
関係の金は一応
農政局の方へここへ上げておるわけなんであります。大体これは前年と同額
程度上げておるのでありますが、実は
ちよつと減つておりますのは、
農業調整委員会と
農地委員会の数が若干違いまして、これを
農地委員会の数に合せて行こうということになりましたので、この
関係で若干
金額が減つております。これは
委員会の数の
関係だけであります。それで今
ちよつと申落しましたが、
市町村の
委員会が一本になるのでありまして、やはり都道府県の
農業調整委員会、或いは
農地委員会、それから
地方農業調整委員会、
郡単位でありますが、これは
従前通り置いて行くという形に
なつております。その一本になる期間は二十五年度の八月以降というふうに一応
予算は計上いたしております。それまでに選挙をやりまして八号以降に一本にしようと考えております。それから後は大体
従前通りのず
うつと
予算であります。
十番目でありますが、
單作地帶対策、これは前年度より一億四千万ばかり殖えております。それでこれはもう御
承知と思いますが、昨年度は
北海道の
水稻温床苗代だけに一億円出したのでありますが、二十五年度からは東北、
北陸地帶の
永稻保温裏苗代、それから紫雲英の
採種用の苗圃の
設置費の
補助というようなことで一億四千万ばかり殖えまして、
單作地帶対策の
一つの
対策として取上げて行こうという考えで
金額の
増額をいたしております。
それから後に
ちよつと殖えましたのは十四番目の
農村工業振興の
関係でありますが、
農村としまして
農村工業の
実地修練施設費というものを、これは
基幹工場と称したんでありますが、ず
うつとやつておりましたが、二十四年度は実は止めたんであります。止めたんでありますが、これはやはり
一つの
恐慌対策としてやはり
農村工業を積極的に奨励して行くべきだという考え方からいたしまして、従来の
基幹工場の
制度をもう一回復活しようというので、大体百十ばかりの
工場でありますが、選びまして、そこで
実地指導に
行つて技術を覚えて来るというような
制度を復活したわけであります。この
関係で約六百万ばかりの金がここに殖えております。
農政局で
あと申上げますのは二十番ですか、二十番、
農業共済保險の
関係、これは
補正予算のときにも御
説明いたしましたが、前年度
予算が二十四億で、今年二十億に減つておりますが、この減つておりますのは、実は二十四年度には、麦の
赤字を四億四千万ばかり繰入れましたので、その
関係の
赤字が来年度はまだ
赤字の予想もありませんので四億ばかり減らしておるのでありまして、これは
補正予算に
蚕繭の
共済でありますとか、或いは
家畜の
共済の新らしい金がみんな
補正予算に入りましたものが、来年度も引続いてこれは入つておるわけであります。
金額が減りましたのは今申しました麦の
赤字の
関係でありますが、これは二十四年度当初の
予算と
比較いたしますと
相当増額に
なつております。大体
農政局で特に問題に
なつている
予算で殖えておる
関係は以上のものであります。この二十四、二十五の
肥料配給公団の
赤字の三億五千万でありまする、ところがこのものは昨年度の
最初申上げました二百十四億の中には入つておるのですが、今年度はこういうものは減りましたので、二百十四億に
比較しまして二百九億というのが、大体
減つた分は
赤字補填であるとか、こういうものであるとか、或いは
統制廃止のため
減つたものとかいうようなくらいのものが
減つただけでありまして、実質的にはそう何ともては減つておらんわけであります。
それから次の
農地局の
関係でありますが、ここで問題になりますのは、二番目であります。それでこれは先程申上げました
農業調整委員会との
関係でありますが、今まで
市町村農地委員会には
書記が二人おりましたが、今年度からは一人になり、
金額が減つておりますのはこれは
書記の
関係でございます。それで結局
農業委員会は
農業調整委員会の方の
書記一人と、
農地委員会の
書記一人でやつて行く。結局
書記二人でやつて行くというような形になります。そういう
関係でここの
金額が減つて来ております。
それから
あとは四番目でありますが、
土地改良法施行の
関係か約一億ばかり殖えております。これは二十四年度
土地改良法が
通りますときに、
予算がなくてこれは問題にな
つたのでありますが、
補正予算で一千万ばかり入れまして、来年度はそれに一億ばかり殖やしております。大体
交換分合でありますとか、或いは
換地処分をやる。或いは約十九万
町歩ばかりの
交換分合をやろうとか、或いは五万
町歩ばかりの
換地処分をやろうとか、こういう
計画で
事業費が大体一億はかり殖えております。今年の
補正予算一千万は大体
事務費だけでありましたが、これは
事業費として約一億くらい減つておるのであります。
農地局関係の
一般の方では申上げますのはその
程度であります。
それから次は
改良局でありますが、
改良局はこの三番目の
普及事業でございます。それでこれが
農業改良局の統計を除きました大体中心の
予算に
なつております。これは御
承知のように例の
指導農場の
廃止に伴いましてその
改良助長法関係で
農村に普及員を置いて技術の滲透をやつて行きたいというのがこの
予算の考え方なんであります。それで
農林省としましては、大体一ケ月町村に一人の普及員は置きたいという考えで、逐次増加しているのでありますが、今年度は二千五百人ばかり殖えまして全部では九千七百人ばかり普及員がおります。一ケ町村に一人というのにはもう一歩なんでありますが、九千七百入ばかりの普及員をこれで置き得るというような恰好に相成つたわけであります。まあこれが
改良局関係では一番大きな
予算であります。
それからその下の方では八番、十番、農作物
調査、それから農林統計
調査というのが出て来ておりますが、これは実は後の方の作報
事務所関係というのになりますが、頁で行きますと十九頁の上から三番員あたりですが、作物報告
事務所関係の
予算と一緒に見て頂きませんと、これは
金額として出て来ないのでありますが、この作報
関係で申上げますと、大体今年の事業からして減りますのは、例の世界
農業センサス
関係に取れておりました
予算関係では数億のものが減るわけなんであります。これは二十五年の二月一日を期してやりますセンサスでありまして、これは数億の金を計上して来たのでありますが、これは来年度からは減つております。来年度
事業費として殖えておりますのは、この農作物
調査の
関係の中に被害
調査を入れた、これは従来は被害
調査をやつておらなか
つたのでありますが、二十四年度は新らしく地方
調査を加え、二十五年度は新らしく被害者
調査をやろうというので、人も四、五百人入れましてやつております。被害
調査の
関係はこれは
割当の補正の問題にも常に被害の問題が出て参りますし、
農業保險の問題でもこの被害の問題がありますので、新規に作報で被害
調査をやろうというので新規の
人員を加えております。
それから農林統計
調査の中に新らしく加えましたのは漁獲高の
調査をやつて行こう、漁獲高の
調査は実は甚だどうも不備でありまして、
一つ作報の
組織を利用しましてちやんとした漁獲高の
調査をやつて、水産物の資源維持でありますとか、延いては漁区の問題とか、そういう問題も考えに入れまして、しつかりした統計を作ろうというので、新らしく漁獲高の
調査を考えております。この三つが昨年と統計局として違つておる点でございます。
それから畜産
関係でございますが、畜産
関係では、この三地目の種畜確保の金が大部殖えております。これを殖やしましたのは購買貸付の畜産の五ケ年
計画に基きまして、畜産物の増産をやつて行こうという際に、もう
一つの手段としまして、国で種畜を買つて貸すという手段と、それからもう
一つは、八番目に新らしい施設として出ておりますが、人工受精をやりまして頭数を殖やして行こうという両方の考えからいたしまして、三番目の種畜の確保の方では昨年度の大体倍にしまして、三千四百万のうち二千八百万ばかりが、貸付に要する種畜の購入費というふうに考えております。これは牛、緬羊等を中心にしまして、馬も一部やつて行こうというような考えでおります。
それから八番目の人工受精でありますが、これは初てでございまして、この八番目が後の方の十五番目と
関係があるんですが、御
承知の
家畜保健施設所というのが全国に百八十箇所ございますが、これは来年八十箇所殖やしまして、二百大十箇所にするんでありますが、従来の
家畜保健施設所では、主に衞生
関係だけでありまして、積極的に増産をしようという方の施設は、実は拔けておつたような次第であります。それで
家畜保健施設所を増加しますと共に、それで人工受精をやつて行くという考えを入れまして、一箇所当り十万ぐらいのものになりますが、それで
一つも多く施設を作りまして、人工受精で頭数を殖やして行くということを考えたわけであります。それがここに出ております三番目と八番目で、金にしますと両方で約四千万ぐらいになりますが、四千万ぐらいの金を使いまして
家畜の増加を図つて行こうというようなことで、
予算に組んでおります。大体これが畜産局で今年度と明年度の違います重要な点であります。
次は蚕糸局でございますが、蚕糸局につきましてはこの三番目の蚕糸の技術改良というこの
予算が大体中心に
なつております。これは御
承知の蚕糸の指導所を全国に二百四十箇所ぐらい作つておるのでありますが、これを数を殖やしまして二百八十箇所にしよう。これは養蚕の盛んな地方に郡單位に置いている指導所でございます。これを二百八十箇所ぐらいに殖やそうというので
金額が殖えております。それからその外に蚕糸
関係の育成保存としましては、この養蚕の指導所で終つていたのでありますが、その指導所から
末端に
関連をつけるということで、これは協同組合でありますが、養蚕協同組合の技術員にも、やはり国が
関連をつけまして、この指導所と一緒に協力して、蚕糸の育成保存、改良普及をやつて行きたいという考えからいたしまして、新たにここに専任技術員一千人ばかりを対象にしましに、それに
補助金を六百万ばかり新らしくつけて行くというようなのが昨年と違いました
予算で、これで
金額が殖えております。蚕糸局
関係で殖えたのは以上のような点であります。
それから食糧庁は、これは
一般会計で問題になるような
予算は余力ありません。この十番目の指定
農林物資の検査、これが零に
なつております。これも
法律改正が出るわけでありますが、従来藁装品でありますとか、それらは国が直接検査をしていたのであります。併しこれはその
制度をやめまして、府県の任意検査に任せようということで、従来これは食糧
事務所が中心になりまして検査をいたしておりましたか、二十五年度からはそういう
仕事をやめるということにしまして、これは府県でやつて貰うということで、
予算的には零にしてあるのであります。それで前年度の
予算と
比較しまして減つているのは食糧庁なんでありますが、昨年は二百十億であ
つたのが、二十八億に
なつております。ここで一番減りましてのは、
補正予算で入りました約百七十億ばかりの金、これが来年はありませんし、それからここに出ております食糧配給
公団に約八億ばかり交付したのでありますが、これは取止めるということで、この交付金を落しておりますので、食糧庁は非常に減つております。
それから
林野でありますが、二十四年度と非常に違つておりますのは、この二番目の
林野改良普及、これは今年五百万ばかりに
なつておりましたが、来年は六千六百万というふうに
金額を殖やしております。これは
農業の方の改良普及
関係。それから蚕糸の改善普及
関係は、従来
予算を取
つたのでありますが、林業
関係は非常におくれておりまして、そういうこともやつておりませんので、これも全国に千人以上の普及員を各地に置きまして
林野の技術改善をやつて行こうという考えから、昨年度の五百万というのは本当の普及宣伝費であ
つたのでありますが、新らしく今年から千九百人の普及員を置いて、技術の改良をやつて行こうというのでここに挙げております。
それから七番目の薪炭需給調節
特別会計の残務整理の
関係でありますが、これは今年度実は二十番に五十四億七千万の繰入として載つておりますが、これに見合うものとして、ここに五億としてあるのですが、大体支出未済の継承があるのではないかということと、残務整理の
事務費として若干挙げました。支出未済の継承、これは確定したものでありませんので、一応予想として挙げております。
それから前年度と違いますのは、十一番目の害虫防除の
関係でありますが、これは松喰虫の
対策であります。これは従来は
公共事業の中に入つている金なんでありますが、事業の性質が
公共事業費と
ちよつと違うのではないかというようなことで、ここに拔き出しまして
公共事業から落して、四千四百万というものを持つて来たわけであります。これは内容は御
承知だと思いますが、松喰虫の附いている木を伐採する費用でありますとか、そういうようなものがこの
予算の内容でありまするからして、
予算を企画いたしますときには、実はこの金は昨年は
公共事業に入つておりましたので、純粋に
比較しますと、これを
公共事業費の方に持つて行つて
比較しなければなりませんが、一応こつちに持つて来てあります。
林野で前年度と違いましたものは以上のような点であります。
それからもう
一つ林野にあるのでありますが、十八頁の一番下の林業試験場、この金も前年度は零で新らしく出て来ておりますが、これも御
承知の国有林
特別会計の中に林業試験場は入つていたのでありますが、これは性質上
ちよつとおかしいのでございまして、林業試験場は、これは
特別会計で行くべきものじやないか、特に独立採算制をやかましく言われます
関係上、これは一応
一般会計の方に拔き出そうというので、この林業試験場と、それから国有林の大規模の治山事業につきましても、これは
特別会計でやることは無理だというので、
公共事業費の方へ拔いております。ここにあります林業試験場は昨年度はここでは零でありますが、今年度は
特別会計から拔きまして
一般会計で見ていこうというふうに
なつております。大体以上が昨年度と比べまして違つておるところでございます。
それから水産庁でございますが、水産庁で殖えておりますのは二番目の水産増殖試験場の
関係で手数百万円殖えております。これは浅海で貝類の増殖をやろう、
一つのこれは
農業的な考え方なんでありますが、四千八百万ぐらいの貝類の増殖をやろうというので、ここで新規に一千数百万の
予算を計上いたしております。
それから大きく金が殖えて来ましたのは四番目の漁業権
制度の改革でございますが、これは実は内容が今年度と違いませんで、これは
法律が
通りました後の一年に引延しますと三億六千万円になるということで、内容は大体今年度と同じでございます。
次の五番は四番と同じように年度に引延すとこういうことになるというので金が殖いておるわけでございます。そういう意味で殖えておりますのはこの九番目の遠洋漁業の取締、これも昨年度六千万円が一億七千五百万円に殖えておりますが、これも例の指令が参りまして、今年から取締を嚴重にやつておるわけであります。これも来年一年度引延しますとこういうふうに六千万円が一億七千五百万円になるということであります、大体これも年度割りにしました
関係で殖えておるわけであります。まあこれが一体
一般会計で昨年度と違つた点でありますが、水産
関係でもう
一つありますのは、二十四年度までは久里浜の第一水産講習所が
農林省の
予算でありましたが、これは設置法の
関係等からいたしまして、来年度から文部省の
予算に計上するということになりましたので、
農林省の
予算からは全部落しましてあれは文部省の
予算に入つておるようなわけであります。
今申しました十三頁までがこの
場所関係を除いた
予算でありますが、十四頁以下はこれは
農林省の地方の
場所の
関係であります。特に取立てて御
説明するような
予算もございません。必要なものは先程申上げたような点でございます。
それで当初申上げました明年度四百五十五億の
予算が、二百九十一億になるというようなことになる次第なんであります。
それから序でに
特別会計の方でございますが、これは食糧管理
特別会計だけは、別に御
説明するようにいたします。
それから
共済保險は、先程申上げました
一般会計からの繰入れが変つておりますくらいで、特に今年度から変つておるところはございません。ずつと来まして森林火災保險も、漁船災保險も殆ど同じであります。自作農
関係も特に変つたといいう点ははござません。
それから開拓者
資金融通
特別会計、これも戸数幾ら入植するかということで
決つて来ますので、大体一万戸入植という計算をいたしております
関係で、そこから大体
金額が出て来るのでありますが、その中で例えば歳出で行きますと貸付金十一億八千九百万円と思いますが、これは入植者のための貸付になるわけでありまして、二十五年度に入ります者は一戸当り六万五百四十円ぐらい貸すという内訳に
なつております。入植者の直接の営農
資金といたしまして十億九千万円ばかり貸して、その外に九千四百万円ばかりが共同施設に行くという
関係に
なつております。大体これは従前と同じであります。
それから国有
林野から特に見えておりますので、
あとで御質問があれば御
説明いたしますが、これも今年度も大した変りはありませんで、先程申上げましたこの中の
関係から
一般会計に林業試験場が拔けた。それから
公共事業の方へ国有林の大きな治山事業が拔けたということに
なつております。ただここで
一つ昨年度と違うのは、見返
資金から三十億ばかりの繰入がここに新しく実は歳入として入つております。これは昨年度はありませんでしたものを見返
資金から三十億入れまして、国有林の建設
関係の事業に使つて行くという状態に
なつております。
それから
国営競馬につきましては先程申上げた
通りでありましてこれは一応国がやるということには
なつておりますが、まだ
農林省としては
最後の結論には
なつておらんのであります。一応
一般会計の繰入がここに十四億というふうに相成つております。
大体以上で
一般会計と
特別会計概略を御
説明したわけであります。
それから
あと残つておるのは
公共事業費の内訳であります。これを簡單に御
説明いたします。
公共事業費の昨年度との
比較については先程申上げた
通りでありまして、百七十億が二百十八億ということに
なつたわけでありますが、これは
比率から行きますと、ここに出ておりますように、二十四年度と二十五年度と
比較いたしますと総体の
比率からは若干落ちております。絶対額は殖えたのでありますが、中の
比率から行きますと、この表にありますように若干
比率は落ちておると思います。で三頁に
一般と災害と分けて書いてあります。災害
関係のものは一応二百十八億の中で八十億使つて行く、
農業で七十二億、林業で四億というふうに分けておりますが、これは災害と
一般と分けたわけでありまして、この災害は全額国庫
補助で行くかどうかという問題は
シヤウプ勧告との
関連があるのでありますので、まだはつきりいたしませんが、一応農林
関係の災害分として八十億取つておるわけであります。昨年度との大きな
比較だけ申上げておきまして御質問がありましたら、それぞれお答えいたすようにいたします。
公共事業費の
一般の
関係でありますが、大きく分けまして四頁にありますように
土地改良事業費では前年度の二十五億に
比較して三十一億、約八億の増加を見ております。
土地改良事業費の分け方でありますが、灌漑排水
事業費等もここに入れて考えております。大体
国営のものは
事業費と新営費と分けまして、ここで大体地区数は前年度と同じというような考えで、單価が上つたというような
関係になりますが、地区数は前年度と同じというようなことに
なつております。下はずつと
計画費等で、これは国の直接の
補助金とは
関係がありませんので
説明は省略いたします。
それから五番目に行きまして
北海道の灌漑排水事業、これも大体事業の内容は本年度と同額でありますが、これも單価等の
関係で若干殖やしておるようなことに
なつております。
それからその下が
金額は大きいのでありますが、これは
補助事業でありまして、
土地改良事業の
金額の中の相当部分を占めるわけであります。これが府県営でやりますところの大規模のもの、これは前年度と同地区なものを
予定いたしております。それから都道府県のやはり事業の小規模のもの、これは若干地区は減らしたのでありますが、大体
金額にしましては、前年度より
ちよつと大きい地区、これについては
ちよつと昨年度よりは落ちておりますが、これは大規模の方に相当力を入れて行こうというような
関係に相成つております。
それから次の小規模の
土地改良事業費
補助、これが昨年と違うところなんでありますが、これは昨年は殆んど認められませんで、大体
融資で行けということにな
つたのでありますが、やはり
融資でやつては見ましたが、なかなか
融資もうまく行かんと、事務的に一応見返
資金十九億というものが引当てに
なつておりますが、まだ全然出ておらんというような状態でありまして、これは初年度であつた
関係もありますが、とれませんような
関係で、やはり小規模のものも
融資ではむずかしいということで、来年度は今年度に比べまして
金額は少いが、一応
増額いたしております。この外に先刻申しました四十億の
融資というものを考えておるわけなんであります。これが昨年度と違つております。
それから開墾の方は殆んど変りはありませんで、これはやはり入植のベースを一万戸にするということで面積等が出て来るわけなんでありまして、昨年度も入植一万戸、今年度も一万戸ということでこれはやつております。それで殆んど前年と事業内容は変りはございません。
それから次に干拓でありますが、これは地区を殖やすとかいうことではありませんで、
金額が殖えておりますのは、干拓は一度手を着けますと相当毎年
金額が殖えて来ますので、地区を特に殖やしてやるという考えではなく、二年度三年度に
なつて来ますと相当事業量が殖えて行く
関係からしまして、
金額が殖えたのでありますが、新規の所へ手を着けるというようなことは、これは余り考えておりません。大体今年度の事業は以上であります。
それから九頁に、この災害
公共事業費としまして、これは二十四年度において五十二億に殖やし、更にここで七十二億というふうに災害のところで可なりの
金額が殖えておるようなわけであります。それから林業
関係、これは
農業関係だけで申上げますと、昨年度の二十四年は百二十億です。その
補正予算を入れまして百二十億ばかりに
なつておりますが、今年は百五十七億、約三十七億ぐらいが
農業関係の
公共事業で殖えております。
それから次に
林野でありますが、
林野は今年は大体四十九億でありますが、ここで二十四年度は四十億ぐらいに
なつております。ここで約九億殖えております。さつき申上げましたこれは純粋な計算の
比較になりますと、松喰虫がここに一億ばかり実は殖えるわけなんでありまして、
林野の
公共事業だけから言いますと、この四十九億プラス四千万円ぐらいに考えるのが妥当なんであります。その代り先程申上げました国有林の治山
関係、これが新らしく
公共事業費へ入つて来ましたので、これは差引計算をしなければならんのでありますが、まだそういう累計は出しておりませんが、昨年度はその点が若干違うように
なつております。
林野も大分
金額としては事業量も可なり殖えたのであります。
林野の五年
計画等から行きますと、まだ
農林省で考えておりますよりは、大分事業自体が
計画までは行つておりませんです。これにつきましては又後程
林野局の方から
数字等について御
説明いたすようにいたしたいと思います。
それから
最後に水産が附いておりますが、これも又局から
説明いたしますが、
金額としまして今年度は九億六千二百万円でありますが、それに
比較しまして十一億九千万円というふうに
金額が殖えております。大体これは漁港の施設の
関係で殖やしております。新規のものも若干この中に考えて、昨年度より一億ぐらい殖やしまして漁港の修築をやつて行こうというふうな考えでおります。
公共事業費につきましては概略でありますが。なお御質問によつてお答えいたしたいと考えます。