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1950-04-27 第7回国会 参議院 内閣委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十七日(木曜日)    午前十一時十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○経済調査庁法の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○農林省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 只今より内閣委員会を開会いたします。  先ず経済調査庁法の一部を改正する法律案議題といたします。昨日に引続きまして御質疑のおありの方はどうぞ。
  3. 竹下豐次

    竹下豐次君 昨日者政府委員から公団監査について御説明がありましたが、尚この際経済調査庁が昨年十一月以来実施された公団監査の実情について、御説明を願たいと思います。尚その監査の結果、経済調査庁として如何なる対策を考えられておられるかを併せて御説明願います。
  4. 木村武

    政府委員木村武君) ここに書類がございますから書類によつて御覧願いたいと思ます。尚詳細については附加えて申述べたいと存じます。
  5. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて下さい。    午前十一時二十分速記中止    ——————————    午後零時五十四分速記開始
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 先程木村政府委員より御提示になつた昨年十一月以来引続き経済調査庁をして実成させている公団監査についての説明書会議録に掲載することにいたしたいと存じますがさよう取計ろうことといたして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさよう取計ろうことに決定いたしました。経済調査庁法の一部を改正する法律案の審査はこの程度に止め、午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十五分休憩    ——————————    午後二時五十八分再開
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 休憩前に引続いて委員会を続行いたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。
  9. 三好始

    三好始君 補足的に一ケ所お尋ねいたしたいと思います。試験研究機関の統合に関して前回までの委員会でいろいろお尋ねいたしたのでありますが、この際もう一度明確に政府方針はつきりお聞きいたして置きたいのであります。それは今回の改正案によつて全国七つ農業試験場が設けられるわけでありますが、そのうち現在存在する農林省農事試験場中国支場四国支場とを統合して中国四国農業試験場兵庫県に置くという案になつております。これは試験場の位置の点、或いは区域などの点から言つて適切であるかどうかということについて疑問があるのでありますが、これに関して政府試験場運営方針なり予定なりにつきまして明確なお答えを頂きたいのであります。
  10. 磯邊秀俊

    政府委員磯邊秀俊君) お答えいたします。中国四国農業試験場の問題でございますが、これは全国農業研究上の立場から十一の農業地域に分けましたことと、それに交通的な関係行政上の便宜考えまして、結局七つ地域に区別いたしまして、中国四国一つ農業地域考えまして、中国四国農業試験場を設置することにいたした次第であります。そこで中国四国試験場の実際の研究に当りますのは兵庫県の姫路にありまする現在の農業試験場中国支場と、それから香川県の善通寺にあります現在の農事試験場四国支場、それから山陰にあります開拓研究所中国支所、それから畜産試験場中国支場、この四つでありますが、問題になりますのは姫路善通寺両方試験場でありますが、姫路の方は水田を主とした試験場でございまして、それから善通寺の方は畑地を主といたしておりますが、この新らしい計画に従いますと、姫路の方では主として水田に関する試験研究をいたすのであります。それから善通寺の方は畑作の問題、殊に瀬戸内地帶におきまする非常に雨の少い、旱魃の起り易い地帶のいろいろな技術的な研究、それからそういう乾燥地帶利用いたしました果樹の試験研究、更にその地帶に起ります傾斜地のいろいろの試験研究をやることになつております。その結果姫路の方は裁培第一部だけを設置いたしまして、善通寺の方には裁培第二部及び土地利用に関する試験研究をいたします。両方相俟つて現在の計画では瀬戸内地方試験研究をやりたい、かような計画でございます。それで将来は日本全体の試験場配置からいたしまして水稲に関する、水田に関する試験研究場所は非常に多くなりますが、畑作に関する試験研究場所は従来もこの姫路支場、それから青森県の三本木にあります営農支場だけであつたのであります。今回若干は考慮いたしましたが尚少いようであります。そういう点から見ましても善通寺試験場は将来ますます拡充されなければならんと考えております。又現在、先程申上げた農業地域という点を考えまして研究上の便宜からかように中国四国を一体とした農業試験場を一応設けた次第であります。将来又いろいろ研究いたしまして、又情勢の変化もありましてその結果中国四国を分けた方がよろしいという結論に致達いたしますれば、これを中国農業試験場及び四国農業試験場ということに分けることも考えられるのでございます。簡單でございますが御答弁いたす次第であります。
  11. 梅津錦一

    梅津錦一君 この際ちよつとお尋ねしたいのですが、種畜場はつきりした記憶をいたしておりませんが、幾つ幾つ減つたのですか。
  12. 平川守

    政府委員平川守君) ちよつと正確な数今直ぐ調べましてお答え申上げます。
  13. 梅津錦一

    梅津錦一君 関東地区ですね、関東地区と言いますとどういうことになりますか、赤城種畜場があつたと思うのですが、赤城山麓ですね。
  14. 磯邊秀俊

    政府委員磯邊秀俊君) あれは県営ですね。
  15. 梅津錦一

    梅津錦一君 県営ですか、それなら関係ありませんね。
  16. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 前回委員会のときにお尋ねをして置いたのですが、この資材調整事務所木炭事務所、或いは種畜牧場等の廃止に伴つて生じるところの退職者ですね、これがそれぞれの或いは地方庁委讓される者、或いは民間就職される者等についての内容ですが、これを詳しく説明願いたいということでお願いをして置いたのですが、只今それの資料を頂きましたが、この資料に基いて一応の御説明を願いたいと思います。
  17. 平川守

    政府委員平川守君) 資材事務所の方について申上げますと、二千四百二十四名という実数があるわけであります。これに対しまして農林省の例えば作物報告事務所でありますとか、その他食糧事務所でありますとか、或いは場合によりましては本省、或いは営林局署そういう方面配置転換予定いたしております者が六百九十五名あります。これは大体もうすつかり人名も決まりまして、五月一日に、すでに転換できるように手配いたしております。それから他官庁への転換といたしましては例えば人によりましては学校の教授に転出するとか、その他いろいろあるわけでございます。これが十五名程ございます。それから府県庁への委讓、これは今回の資材事務所事務そつくり府県移管するという関係上大体において現在その事務に従事しております人で引続きこの事務を担当するべき人は府県の方で引取つて呉れることに大体約束ができております。これが合計千五百二十名でございます。その他百九十四名程残るのでありますが、これにつきましては場合によりましては適当なる民間に転出をするという斡旋をいたしたこともございまするし、又自分で適当なる知る辺を辿つて転出いたしたという人もございます。その他この際退職したいと、殊に女子の職員等でお嫁に行く関係とか、その他で退職するというような人もございまして、この百九十四名はそれぞれ役所の方から退職を強いるということでなしに自発的に退職を申出ておるわけでございます。木炭事務所につきましては千六百九十五名でございますが、農林省内におきまして、これはまあ主として営林局署関係が主になりまするが、八百二十三名という転換予定しております。それから府県林務課等に百名程予定いたしております。その他民間就職を斡旋し、或いはみずから就職を求めて参りました者が二百五十名程ございます。尚五百二十二名程ございまするが、これにつきましては現在まで清算事務が進行いたしておりますので、本年十二月まで残務が残るわけでありまして、これは逐次人数を減らして行くわけでございまするが、この五百二十二名のうちすでに三百名程度は三月までにすでに退職をいたしまして、その残りの二百名程度は、その外の農林省への配置転換予定しております者の一部と共に、清算事務に従事いたしております。これは十二月までの間に、逐次自発的に退職する者もありましようし、又そういう機会のない者のうちでは農林省内において配置転換考えるという予定にいたしておるのであります。それから種畜牧場の方におきましては二百三名程ございますが、省内において配置転換をいたします者が十五名、府県に百八十名を予定いたしております。それを民間就職、殊に牧場職員については、その場で帰農するという者もございます。そういう者が十二名、希望的に退職いたす者が六名ございます。そういうことで、いずれにいたしましても、本人の希望退職以外に、無理に役所の方で退職せしめるという場合はなしで済むのであります。
  18. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで資材調整事務所の千五百二十人、府県委讓というものは、これは話合が各県庁の間にできたと言うが、事務所の方も何でありますが、種畜牧場の方も百八十名というものは現在まだ百八十名府県委讓するということについては確定はしていないのですか、どういうふうになつておりますか。
  19. 平川守

    政府委員平川守君) 現在具体的に氏名を挙げて確定しておるかどうかまで確かめて参りませんでしたのでありますが、大体この予定であるということで聽いて参りました。
  20. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういたしますと、総括いたしまして、今回のこの法律案によつて廃止されるところから生ずるところの退職者というものは、殆んど食うに困るというような人は出ないのだという御見解でございますか。
  21. 平川守

    政府委員平川守君) 失業して路頭に迷うという者はないというふうに考えております。
  22. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこでこの府県委讓される者が、こう三つの役所で、大体今の御報告によると千八百名あるのですが、この千八百名に対しましては完全に府県委讓ということになつて、身分も、覆給與予算等措置府縣庁で持つのであるか、或いは給與予算は国が持つのか、その点はどういうことになつておりますか。
  23. 平川守

    政府委員平川守君) これはいずれも完全に府県委讓いたしますのでありまして、府県費用府県職員として育つて参るわけでございますが、ただ物資調整事務所につきましては、勲有事務移管する関係上、府県に人も移管する、実際上採用して貰うということでありますから、その事務移管の建前からいたしまして、これに対する費用については現在農林省職員としての組んでおります予算を、補助費に組替えまして、府県の方に補助してやるという工合に考えております。
  24. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういたしますと、これに伴う人件費というものは本年度予算にすでに予算として組まれておつて、その組まれている予算をその分だけ委讓する、仮に千百八名であれば、千八百名の人件予算というものは、これは形を変えて府県につけてやると、こういうことになるのですか。
  25. 平川守

    政府委員平川守君) 補助金に組替えまして府県の方へ補助する。従いましてこれだけの事務移管を受けました府県といたしましては、その事務補助金によつて賄い得ると、こういうことになるわけであります。
  26. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうしますと形の上では別としまして、実質的にはこういつたことによつて国財政の面がそれだけ助かるということには何らならなかつたという結果になるさいうことのように思うのですが……。
  27. 平川守

    政府委員平川守君) この資材事務所地方移管ということにつきましては、かねていわゆる財政面だけの問題でなしに、地方庁に担当せしめる方がよろしいという議論が相当あつたわけでありまして、政府といたしましては、資材事情が今日のようになりました場合におきましては、必ずしもこれを国で直接担当せんでもよろしい事情であるというふうに考えまして、事務移管をいたすということにいたしたわけであります。  ただ急に地方移管いたすのでありまするから、この際政府として中央で直接に担当すべき予算を組んでおつたわけでありますし、これは補助として地方に與えるということにいたしたのであります。従いまして本年度の問題といたしましては、すでに予算として計上せられておりますので、これがこれによつて別節約になるというわけでもないのです。
  28. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこでこの行政機構簡素化、それから出先機関豊方委讓ということは、勿論今言つたような意味も含まれてはおりますが、併し大体地方委讓することにおいて、国の経費を減少する、こうして仕事簡素化するということが大体主たる狙いでありまして、その目的達傾のためにかような措置をとるということが政府方針であつたかのように思うのですが、結局今言われているようなことになれば、何らそれは実質的にはそういつた所期の目的が達成されないというような結果になるのですが、その点がもう一つ当初の地方委讓目的と、或いは出先機関整理ということに副わないという感を受けるのですが……。
  29. 平川守

    政府委員平川守君) 本年の問題といたしましては、この程度予算を用い、この程度の人を使うだけの事務があるということで予算が算上せられております。年度の途中におきまして事務移管する、別の理由から移管することになりましたので、予算としては著しい節約にはならないと存ずるのでありますが、中央の問題としては、それだけ事務簡素化して、そうして地方の自治にこれを移して行くという目的の方が、形においては大きいと考えるのであります。今のお話の、いわゆる支出経費節約というような行政整理的の面においては必ずしもお話しの通りこれだけの、百パーセントの効果があるとは考えないのであります。
  30. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この点は一応又改めて定員法のときに行政管理庁の責任者から飼うということにして一応これで保留して置きます。
  31. 門屋盛一

    門屋盛一君 簡單なことですが、こうしますと人件費予算は二十五年度は元のままで組んであるのですが、二十四年度と同じように組んであるのですか。これは減る見通しで人件費が少くしてあるのですか。
  32. 平川守

    政府委員平川守君) つまり二十四年度に比べますと著しく減少になつておるわけです。二十四年度におきましては、約二千五百名の定員を持ちまして、仕事をやつてつたわけであります。事務簡素化伴つて二十五年度においては約これを千五百円に圧縮するということになつたのでありまして、その意味においては二十五年度は二十四年度よりも非常な整理になつておるわけであります。ただ二十五年度のそういう整理された数字の二十五年度予算年度途中において事務府県移管されるということになるわけであります。
  33. 門屋盛一

    門屋盛一君 ですから現在はまだ農林省の人間ですから、二十五年度予算では農林省人件費の中に入つている。ところが、これが通過しまして、定員法が通過して、これと定員法両方通過して、そして府県委讓されると、この人件費の方が余つて来るからこれに組替えるという、そういうふうに了承していいわけですか。
  34. 平川守

    政府委員平川守君) その二十五年度において整理されました範囲内においてその事務地方移管いたしますので、それを補助金に組替えまして、地方補助する、こういうことに考えております。
  35. 門屋盛一

    門屋盛一君 それはまあ、財政法の方ではどうなるか知らんけれども、補助に組替えるということは誰がやるのですか。
  36. 平川守

    政府委員平川守君) これは大蔵大臣の方でやつて頂くわけです。
  37. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうすると大蔵大臣ですね。今は現在定員予算が組まれてある。これが通ると大蔵大臣だけで勝手に大きな費目流用をやるわけですね。
  38. 平川守

    政府委員平川守君) この費目流用は認められておるように聞いております。
  39. 門屋盛一

    門屋盛一君 いや、そうじやないですよ。費目流用は認められておるけれども、府県補助を出すということが勝手に政府が大体国務大臣の、それは財政法違反にはならんけれども、政治的に考えれば今あなたがここでそこまでこの人件費補助に組替えて出すということが農林省政府委員としての答弁としては、ちよつと私は受取れないわけですがね。そんなに国の財政というものが勝手にはできないわけです。それは閣議決定事項ですか、何になつておりますか。農林省だけではこれはいかんわけです。組替は農林大臣の権限ではないのだから、それだけの人件費が余つて地方補助に組替えて地方へやるということはそう簡單には決められないことなんです。それが簡單にできるようだつたら、今問題になつているところの国鉄裁定のような、あんなのは問題じやない直ぐできる。人件費は飽くまで人件費として出すのであつて人件費補助に組替えることはこれは大体項目が変つて来るのです。これは閣議決定はどうなつておるのですか。
  40. 平川守

    政府委員平川守君) 閣議でこういう方針を決めまして、そしてこれが通過を見ますれば、そういうことで大蔵省の方で手続するということになります。
  41. 門屋盛一

    門屋盛一君 そういうふうに説明の折に附加えて行かないと、農林省の持つている標準、又は財政法というものが一本ある以上は、それをも無視して、その方で決めれば、農林省の方で補助に組替えて簡單にやるということは、しかくそう簡單には行かない。その項になれば時間を取つて定員法でやりますよ。今日は留保して置きます。そういう行き方、政府委員考え方官僚万能の何から脱していない。それをやつて置けば必然的に動く、何か詰将棋のようなやり方、それがいけない。それだつたならば予算説明の折にそれはそのことを言わなくちやならん筈だ。
  42. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 その問題はただ單に今農林省のやつを特にやつておるが、農林省のみならず、各省にあるのであつて、額の大小は別として基本的なやはり大きな問題になるので、改めてこれは国務大臣の出席を求め、主管大臣説明を聞く方がよいと思うが、その点はその程度一つ留保して置きます。
  43. 平川守

    政府委員平川守君) 先程の御質問の種畜場のことでございますが、元二十五ございましたものが、二十四年に十九になりました。本年更に四減じて十五になるわけでございます。
  44. 梅津錦一

    梅津錦一君 ちよつとそのことでお尋ねします。この前この減つた理由は大体お聞きしたのですが、その理由の主なるものは日本政府方針ではない、関係筋の要望があつたから、それでそうしたのだ、という御答弁のように聞いておりますが、それに間違いありませんか。念を押して置きます。
  45. 平川守

    政府委員平川守君) 畜産局長説明いたしました通り考えております。
  46. 梅津錦一

    梅津錦一君 昨日の畜産の問題は非常に重要である。政府がこの畜産に対する特に種畜場の問題は将来の日本畜産に対する影響が非常にあると思うのです。特に現在種の改良考えておる矢先殖やすことは当然であつて、減らすことは非常に間違いである。政府は殊に関係筋が如何なる理由を以て勧告して来ておるか、その内容を知ることができません。日本のこの有畜農業特に政府が奬励し、而も種の改良日捷に迫つておる。特に畜産場の種の改良が非常に遅れていると私は考える。こういうときに政府日本国情関係筋に披瀝しないで、そのまま受入れて種畜場を而も相当数減らしたということは了解に苦しむ。政府一段努力拂つて、この設備のある廃止された旧種畜場を復活させるように一段努力ができますか、できませんか。覚悟の程をお聞きいたしたいと思います。
  47. 平川守

    政府委員平川守君) 畜産の振興が極めて重要であり、且つそのために種畜場が極めて重要であることもよく了解頂いておるところであります。ただこの種畜場運営なりにおいてでき得る限り能率的に或る土地利用の面におきましても、或いは経費の面におきましてもでき得る限り合理的に経営をやつて参るということが必要であろうとは思うのでありまして、関係方面の申しますのもその点を強調しておるわけでありますから、その線におきまして決してその畜産の進行上差支になるようなことについてはこれは飽くまでも主張して参りたい、かように考えております。
  48. 梅津錦一

    梅津錦一君 十九個所あるのを十五個所に今年減るわけですが、四個所減ることになりますね、その個所ちよつと念のためお聽かせ下さい。
  49. 平川守

    政府委員平川守君) この四個所と申しますのは、本場が二個所でございましてこれは靜岡鹿兒島でございます。それからその外に釧路の支場青森支場を廃止するということで合計個所になります。
  50. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 私からも一言政府に伺つて置きたいのですが、大臣がおるとよいと思うのですが伝えて欲しいです。只今の問題に関連していますが、つまり官営の種畜牧場を減らしてできるだけ民営のものを充実しようという意見のようでありますが、ところが我々非常に遺憾に思うのは、ここにおられるのですが、町村君の町村牧場のごときは日本有数牧場であつて、あそこから出ていた品種がどんなに日本の乳牛の改善になつておるかということはもう申すまでもない、天下周知の事実である。ところがこれは農地関係などが主と思いますが、それを無理に縮小されてしまつたというようなことは政府方針として最も私共は遺憾に思つておる。もう一つの例を挙げますと、小岩井の牧場も又そうであります。これは岩崎の経営でありますが、決してこれは資本家自分の富を増成するためにやつたものでもなく、国家的にやつたことで六、七十年の歴史を持つておる、それは大変な金を注込んだ完全な牧場であります。これもやはり農地関係か何かで以て非常な縮小をしてしまつたというようなことから見まして甚だこれは不都合な取扱であると、かように考えるのですが、大臣がいませんからそれは一体どうしたのかということも聽かれません、又これをどういうふうに盛返して行くかというような点も聽かれないのでありますが、これは非常に重要なことであつて、殊に日本有畜農業でなければ立ち行かない今日非常に重要な国家的の問題を持つておるのですからこれについて実は今でなくてもよろしいが、政府が本当に強い反省を以てこれを直して貰わなければならんという考えを持つておる。従つてこれに対して或る機会において当局にはつきりした説明を請いたいと思うのです。問題を提供して置きます。
  51. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 併しその問題については現在おられる政府委員で、何故農林省方針としてさようなことをやつたかのかということと、それから今後そういう方針で進むのか、でなければ一体どういう確乎たる方針を持つておるのかということを、今おられる政府委員で明確に御答弁願えませんか。
  52. 平川守

    政府委員平川守君) 私は詳しい事情は存じませんけれども、この牧場の問題につきましては、農地と絡みましてできる限り土地を高度に利用しようという考え方から出ておるのでありまして、できる限り土地農地にできるものは農地にする。併し畜産の方に使う方が適当であるというところについては、これは勿論牧場として使う。それを全面的に否定しておるわけではありません。全体としての土地利用の効率を高めるようにしたい。こういう考えから出ておるようでありまして、従いまして牧場としてこれを使うよりも農地として利用した方が高能率であろうというものについては、その方に利用する。併し牧場として必要であり、又牧場として使うことがより有効であるというものについてはこれを牧場として確保する。その具体的の数字は覚えておりませんが、各場所において、いろいろ檢討いたしまして、そのようにいたしたものと考えております。
  53. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今問題になつておるのは、牧場として完全な施設をし、又多大な資金を投じて、当然国がやらねばならない程重大な仕事について民間がそれぞれの犠牲を拂つて施設した個所殊即に、こういうような思想の下にやるというようなことが行われておるから問題になつておるのであつて、それがただ單に比較的遊んでおるに等しいような場所農地にしたというならかかる問題は起らないのであるが、そういうことが農林省として間違いであつたというのか、或いは間違いであつたとすれば元の形に復活するように努力するというのか、その点を一つ明確にして貰いたいというのが、我々の伺つておる要点なのです。今政府が言われたような遊んでおるような場所農地にしたというなら別に敢て問題はないのです。その点の農林省方針をこの際明らかにされたい。こういうことなのです。
  54. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 委員諸君に申上げます。今直ぐ農林大臣が来るそうですから、この問題は一応これで止めて置きまして、他の問題に移ろうと思いますが、どうですか。
  55. 三好始

    三好始君 本委員会において経済調査庁法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、公団経理の監査の問題を数日檢討して参つたのであります。その一つの結論と申しますか、問題といたしまして、関係省の公団に対する監督は極めて不十分な点が考えられたのであります。今日いろいろ問題になつておる公団の経理に関する各種の事件は、関係者の監督に遺憾の点があることが、一つの原因になつておりはしないか、これは運用の面で遺憾の点があるというだけじやなくて、機構的に農林省関係の公団に対する農林省の監督が如何なる機構に基いて行われておるかと、こういう機構の面においても反省すべき点がありはしないかという問題もあるわけでありますが、農林省当局のこの問題に対する考えを承わりたいのであります。
  56. 平川守

    政府委員平川守君) 公団というものが、政府機関として置かれております関係上、一般の民間団体に対する監督というものと、非常に性質を異にいたしておりまして、最近いろいろ問題となつておりますような事柄が、容易に発見できなかつたということについては、機構上も欠陥があるのではなかろうか、何らかの形において、速かに事業の内容についての檢討ができるような機構も必要とするのではなかろうかというふうに考えておりますが、まだ具体的の案を持合せないのであります。
  57. 三好始

    三好始君 何らかの有効なる監督の行われる機構の必要を感じておられるというお話でありますが、又その具体的な点については結論が出ておらないようなお話なのでありますが、御承知のように、公団はそう長い運命を持つておるわけでありませんので、やがて近い機会に廃止される予定になつておるわけでありますが、そういう廃止が近いだけに、問題が起る可能性も多いわけなのであります。それを今から機構をぽつぽつ研究するというのであつては到底間に合わんわけでありまして、若しそういう必要があるとすれば急速に、具体的に手を打たなければいけないと思うのですが、それを実現に移すような御意思はないのでしようか。
  58. 平川守

    政府委員平川守君) そういう意味におきましては、事実上公団と緊密な連絡を取りまして、各それぞれの部局において、公団の責任者と事実上の緊密な連絡を取りまして、内情を明らかにするということに努めておるわけであります。
  59. 三好始

    三好始君 公団の監督のために特別に置かれておる職というようなのは、あるのかないのかはつきり分りませんが、若しそういう專門の職員ないとすれば、本来の職務に忙殺されて、公何関係には手が廻りかねるという事情があるのではないかという気持もするんですが、その辺はどうなつておりますか。
  60. 平川守

    政府委員平川守君) 現在公団のための特殊の係というものを置いておりませんで、それぞれの業務に応じまして、各部局において担当いたしておるわけであります。差当りの問題といたしましては、その係の中からそういう連絡を取らせるということで参りたいと思います。
  61. 梅津錦一

    梅津錦一君 それに連関しているんですが、この公団の問題は、これは国民齊しくまあ奇異の目を以て見ていると思うのです、恐らく信用しておつたのですから。而もこれを配給を受けた者は、そのまま非常に正直に、まさか公団がそういようなことをやつてはおるまいと、非常に信頼しておつたわけです。特に食糧の主食配給なんかは、非常にデリケートさを持つていたから、国民監視の中にあつたわけです。ですからこれは惡いことをしようと思つてもできなかつたわけです。その他の公団も一つの監視下にあつたわけです。国民全体の監視の下に配給されておつたと思うのです。それが、この公団の内容に対してそうした不明朗なものがあつたということは、非常にもう国民がより以上の臆測を持つておると思うのです。真相を明らかにすることによつてその臆測が誤りであつたと、或いはそれ以上だつたと、いずれにしても赤裸々にすることによつて、納得できると思うのです。これをうやけやにすることは、政治上の責任からも、例えば立法機関としてもこうしたものを明らかにすることは、立法府の責任だと思うのです。政府にでき得ないことを立法府がやるということが立法網の責任であり、重要な任務だと思うのです。農林省関係からいつても、味噌、醤油或いは主食、それから薪炭、油脂、肥料、配炭、まあいろいろあると思うのですが、こういう只今お話によると、各担当の者がなくても、あずかる者があると、こういうことでありますから、速かにこの部類分けをして、各担当者方から、こうした内容を、目下のところ詳細といつても無理だと思うのです、併しながら新聞に現われておつたり、現在調査済のものがあると思うのです。こういうものを一括というより、一つ一つに分けて資料を出して貰うことは、非常に分りいい、それに対して経済調査庁とも連関を取つて行きたい、こう思いますので、経済調査庁に方にも要求はいたしてありますけれども、農林省関係は特に経済調査庁との関係はありませんから、フリーな立場で持つて来られると思うのです。そういう点から農林省の立場を明らかにするためにも、特にこうした将来の不正を防止する農林省の責任上から、こうした調査物を速かに御提出願いたい、こう思います。
  62. 三好始

    三好始君 議事進行について……農林省設置法の一部を改正する法律案は、五月一日に発足する予定のものもありますので、只今の梅津委員の要求の資料の問題は、それを待つて、更に質疑を続行するということになりますと、相当遅れることにもなるのですが、その点は梅津委員の方ではどういうふうにお考えになるのでしようか。
  63. 梅津錦一

    梅津錦一君 この問題は派生的にはそういう問題になると思いますが、これは全般に関する問題ですから、経済調査庁の問題に絡む点が多いと思うのです。ですから私はそれには大した連関を持つておりませんから、それに御心配なく御処理願いたいと思います。
  64. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君に申上げます。只今の御発言もありましたから、その問題は切離して、この法案について審議を進行したいと思います。
  65. 竹下豐次

    竹下豐次君 ちよつと今の問題に関連して、方々にいわゆる公団が沢山あるわけなんですから、その監督については、或いは農林省の同局の何課とか直接監督の権限を持つておるところがあるわけなんですが、関係しておる部局なんかがおられるので、どこの課が中心になつて責任を持つて監督するか、それがはつきりしないという意味なんでしようか、先程の御説明は。
  66. 平川守

    政府委員平川守君) つまり各部局で、例えば食糧公団でありますれば食糧庁、肥料配給公団でありますれば農政局というふうに分担はいたしておりますけれども、公団の監査といいますか、それについての特別の課とか、係とかいうものを設けておらないという意味でございます。
  67. 竹下豐次

    竹下豐次君 監査課というものはない……。
  68. 平川守

    政府委員平川守君) そういうものはない。
  69. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうするとそれぞれ関係のある部局で以てまちまちに監査はしておられた……。
  70. 平川守

    政府委員平川守君) そういう意味でございます。
  71. 竹下豐次

    竹下豐次君 そういうことですな。
  72. 平川守

    政府委員平川守君) そういう意味でございます。
  73. 梅津錦一

    梅津錦一君 そういう意味農林省資料收集には非常にフリーな立場に、或る程度引掛りはなく資料の收集ができると私はこう考えておる。そういう意味から資料の收集を成るべく御提出願いたい、こういうわけです。これは経済調査庁の方の問題になりますから、特に農林省のそうした点を明らかにして貰いたい、こういうわけです。
  74. 三好始

    三好始君 農林大臣が来られましたので、只今問題になつております公団の経理の問題につきまして所信を伺つて置きたいのですが、御承知のように公団が、廃止が近くなりまして、各種の問題があることが明らかにされつつあるわけでありますが、農林省関係の公団におきましても、いろいろな問題が講ぜられております。公団の廃止が近付くにつれて、どうしても今後においても問題の起る可能性があるわけでありますから、監督の立場にある農林大臣といたしましては、一段の注意を拂つて、遺憾のないようにしなければいけないと思うのであります。先程来伺つておりますと、農林省の機構自体としては特別に公団の監督のための職が置かれておるというわけではなく、それぞれの任務を持つておるものにおいて傍ら公団の方面も見ておるというような模様でありますが、今申しますような際でもありますので、十分の決意を持つて遺憾なきを期せられたいのでありますが、これに対する農林大臣の所信をはつきりつて置きたいのであります。
  75. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 公団の監督の機構につきましては、官房長よりお答えしたと存じますが、私も公団の経理につきましては非常に、常に気になつておりまして、殊に昨年肥料公団が解散を予期したと申しますか、御承知の通り会計は三月で切れるのでありますが、肥料の配給は、七月が春肥の切換えになつておりますので、事業年度と会計年度と非常に違つておるのであります。併し会計年度は三月で整理をしなければならんのでありまするから、この肥料価格、運賃等のプールの関係上、前年度の実績を見通しまして、公団が廃止になつても後からこういう支拂もあつた、ああいう支拂もあつたということのないようにというので、選送経費の中の見込の金を予め準備して整理をしたのであります。これが不正である、不当であるという問題が当時起りまして、農林委員会でも衆議院で盛んに論議されたのでありますが、これは決して惡意を持つてつたのではなくして、ただ経理の方法においてはこれは不当な経理のやり方であります。これは普通の会社でありますとそういうことがよくやられるそうであります。私、会社のことはよく知りませんが、安本の方へ決算報告をいたしまして、その決算を修正いたしまして、問題は解決いたしたのでありますが、その事故がありましてから非常に私は公団の経理が農林省直接の監督はいたしておりませんけれども、どうも不安であるということも想像されますので、これは会計検査院も検査され、行政査察庁も検査され、又大蔵大臣も公団の監査を嚴重にやりますと言うておりますから是非嚴重にやつて下さい、農林省としてはそういう專門的な事務官も少いのであるから、そういう監査は大蔵省等は専門的な人がおりますから、是非やつて頂きたいということもお願いしておつたのであります。その後行政調査庁によりまして全部の公団について調査されたのであります。そうして調査の結果につきまして巨細な点まで注意すべきこと、不正と認めるべきこと、将来不安に考えるような事項についてそれぞれ文書を以て報告がありまして、その報告書を各公団に渡しまして、こういう調査の結果がある、で、速かに整理されるようにという注意をそれぞれ局長から申し伝えておつたのでありますが、今回問題になりました食糧公団の関係から、延いて食糧庁の地方事務所の問題が出まして、これは徳島県に初めて問題が起つたのであります。その徳島県に起つたというのは、一つの事例は県内における米の、食糧の輸送は県の所長に委任しておりまして、小さい区域でありますから一般の公団のプール計算とは離して経理をしておるのだそうであります。それがいわゆる空輸送でありますが、通運会社が一手に引受けてやつておるのでありますが、その間に不正な輸送をやつてつたというような問題から、事が調査にかかられましたのであります。もう一つは今まで外勤いたしておりますときに、外勤手当が日額十円であつたそうであります。この十円は二十二年頃でありますか、大分前からでありますが、十円で、余りそれは下級の職員として氣の毒だから尚大蔵省の例があるそうでありますが、七十円にこれを引上げたのであります。これを上げるについては中央におります職員組合が相当活動したのだそうでありますが、そういう結果、これが実現しましたらそんな末端の者ばかりうまいことしてはなんだし、中央も非常に骨折つたのだから、そのうち幾らか、どれだけ取つたか知りませんが、幾らかこつちにも分配しろというようなことで、この中央職員組合でありますか、職員の方へつまり吸上げた。これが今の吸上げ、吸上げということだそうでありますが、それがいわゆる一応渡して又吸上げるのであるから、初めから吸上げて、吸上げの残りを送るという経理のやり方をやつたのだそうであります。で、そういうことは、事の良し惡しは別問題といたしまして、ただその一日七十円ずつ渡すという出勤した日と、支拂した金とが合うか合わんか、こういう問題がそこに起つたのだそうであります。それで徳島の食糧事務所にその二つの問題が起りまして、検察庁としてはこれを調査して、こういうことを徳島県でやつておるのだが、全国食糧事務所がやつてやせんか、一応それは調べよう、こういうので、近畿を中心にし、四国は全県でありますが、北海道の一ケ所、東北に一、二ケ所ですか、十四、五ケ所と聞いておりますが、調査をいたしたのであります。それがどういう結果になつておりますか、調査の結果はまだ聞いておりませんが、そういうために、本省における職員組合の者、或いは本省食糧庁の会計をやつております経理課長ですかを一応調べたというような段階に入つておるのであります。その後どういうふうな調査が進行されておりますか、内容については発表されておりませんで分りませんが、そういうことができておるのでありまして、誠に申訳のない次第と考えておるのであります。非常に食糧庁長官といたしましても恐縮をいたしておりますので、部下の監督甚だ、それが事実といたしますれば不行届である。現に徳島といたしましてはまだ結論に達しておりませんから、どういうことが各府県に実際行われておりましたか分りませんけれども、いずれにいたしましてもそういう疑惑を受けた、公務員としてそういう疑惑を持たれるように至つたということに対しましては、誠に責任を痛感いたしておるようなわけであります。公団の経理問題と引絡みまして食糧事務所における現在問題になつておりますことは、あらかた以上のような情勢であります。
  76. 梅津錦一

    梅津錦一君 先程政府委員に申上げて置いたのでありますが、農林大臣は非常に几帳面であれますから何でも几帳面に事をして行くということには非常に敬意を表します。そこで農林省関係の公団に対する現在のいろいろの事件があるわけです。この事件は、政府委員にも申上げて置きましたが速かに経済調査庁との何に絡まして特に調査を速かにして欲しいと思うのです。これができましたら経済調査庁の方の責任下にあると思いますが、経済調査庁の方をこの点から一つ強硬な反省を促したいとこう思いますので、直接農林大臣としては責任はあると思いますが、主務官庁としては経済調査庁でありますからそういう点を御協力願いたい。こういう点をお願いするわけであります。
  77. 三好始

    三好始君 統計調査事務所の問題に関連してでございますが、農林統計の充実に関する所信を承つて置きたいのですが、作物報告事務所が統計調査事務所というふうに名称が変つて来ることは、これは今日の事務の実情にマツチするように名称を変更するという、そういう意味だけでなくして、恐らく農林省関係の統計調査事務を新たな農業の情勢に即応して充実して行くという意味も背後に含まれておる、こういうように私達感ずるのであります。政府委員答弁によりますと、統計調査事務所は供出制度がなくなつたら廃止するという一時的なものではなくして、やはり恒久的な機関として考えて行くといつたような答弁つたかと思うのでありますが、私達も正確な統計的な根拠に立つ合理的な政策を進めて行くということの必要を感ずるのでありますが、農林大臣としてこういつた問題に対して将来十分な注意を拂つて行くお気持がおありになるかどうか。その辺の所信を簡單で結構でありますから承つて置きたいと思います。
  78. 森幸太郎

    国務大臣(森幸太郎君) 日本の統計がルーズであつたということはお認め下さると思いますが、このルーズな統計を基礎に何事を計画いたしましても齟齬を来しますので、できるだけ正確な実態を掴みたいというのがこの統計の施設を行なつたことと、そうして日本が戰後世界的な環境に支配される立場にある以上、世界の統計の上から申しましても、日本の統計をはつきりせねばならんという観点から、特に司令部からも強く要請されて作物報告事務所というものを作つたのであります。これは当初食糧問題が第一の問題とされておりましたので、如何にして生産を計画するか、生産物を如何にして集荷するかというような目的だけが主としてあつたのでありますが、併し先程も申しました通り日本の統計がルーズであり、何事を計画するにしても不確実な基礎ではいけませんので、できるだけこの統計を一層正確にいたしたいという気持で、この統計の内容の充実を図つてつたのであります。而も本年度からは漁業、漁獲の統計もすることになつたのであります。この漁業の統計のごときは実に滑稽でありまして、今日通商産業省に現われております、或いは農林省にも現われております罐詰、漁族の罐詰を元の生の魚に換算いたしますと全生産額よりは多いのであります。実に滑稽な、どこから原料を獲つて来たか分らんような漁獲高が出ておりますので、これは課税の標準になる結果もありましようが、実に馬鹿げた数字が今日統計に現われておるのであります。それで今後の漁業がどういうふうに発展するとか、或いは漁区の拡張等の関係から申しましても正確なものを調査しなければならないというので漁業調査計画も立ててあります。又年々歳々起りまする被害調査が実に空漠でありまして、各府県が勝手気儘な調査の統計を出して参りますので、被害の程度はつきりしないために災害復旧費等の見積等につきましても甚だ基礎を掴むのに困難であるという関係から、この災害の調査もこの統計事務でやるということになりましたので、殊に作物報告事務所というのが非常に農民に嫌われまして何か鬼みたいな扱いをされており、今日まで供出制度がありましたためにそう見られておりますから、これでは本体を現わす名前でもないというので今回この作物報告事務所というものを変えて、実体に副うようにいたしたのでありますが、今後は農業政策を実行する上におきまして、農業がどういう経営の実態にあるか、日本の農産物がどういうふうに生産をされているかという詳しいことを知るということは農業改良局としまして、農業改良を推進する上におきましても重大な基礎になるのでありますから、将来この統計につきましては一段の重みを加えて行きたいとかように考えておるわけであります。
  79. 竹下豐次

    竹下豐次君 この公団の不正事件と申しまするかについては、何も農林省だけの問題じやありませんので、方々可なり沢山の事件が新聞紙などにも現われておるようでありまするが、只今大臣からお話のように農林省関係の公団を監督するに十分な技術、知識を持つておられる役人が現在少いということは或いは事実だろうと思つております。恐らく公団のできました当時、これ程まで公団が腐敗して惡いことをするということは予想されなかつた筈でありますから、初めからその監督のために人を備えて置くというようなことがあつた筈はないと思います。併し事実起つておるとすればその監督は十分になされなければならない責任のあることはこれは申すまでもない。ところが今の大臣のお話ではなかなか自分の方には專門家もいないので経済調査庁あたりにすつかり査察して貰うように、監督して貰うように連絡を取つてお願いをしておるという、これもまあ御尤もなことだと思つております。併し大臣のお立場としましては余りにそちらの方に頼り過ぎておられるということは、自分の子供の監督を隣の親父に頼むというような形にも考えられるのでありまして、農林大臣としては非常な恥辱だろうと私は思う。併しお互い役所の中のことも、これを連絡をお取りになるのが惡いというようなことを申上げるのじやありません。十分取つて協客をしてやつて頂きたいのでありますが、自分の方にはその力がないから人に頼んでおるというような、そこまでのお話でもなかつたろうと思いますけれども、ちよつとそういうふうにとれましたので、若しそうだとすれば途方もない考え違いだと思いますので、経済調査庁監査監督は、それはそれとして事実やつて貰う、そうして一方農林省ではやはり特にこの際公団が解散でもして行こうというような際には重ね重ね又今まで起つておる不正以上の、惡い智慧が働らく機会も起り得るものだというふうに私なども想像されますので一段一つ努力をお願いしたい、かように考えておる次第であります。
  80. 森幸太郎

    国務大臣(森幸太郎君) 誠に御注意有難うございました。これは公団監督の上におきましては、御承知の監事というものがありますので、監事が自治的に帳簿その他の経理を監督いたしておるのであります。この監査農林省報告を受けまして、農林省事務官、不得手とは申しましても、一応こういう数字に目を通す知識を持つておる事務官もそれぞれおるのでありますから、関係の課よりは事務官が出まして、この監査内容について一応調査はすることといたしておるのであります。ただその調査という面から何か不正なことはないかという、この監察の立場において、裏を探し探しするということまではなし得ないと存じますが、一応各公団からときどき資産表を提出せしめまして、その資産表に基いて、この資務表の数字と帳簿の数字が合うか、或いは現物がその通りあるかというような監査は農政局、農地局、食糧庁等において、その事務官がやつて来ておるわけであります。併し今現われておりますのは、実に巧妙な手段で埋合せしたりやつておりますために、先般も会計検査院さえも発見せられなかつたような惡いことをやつてつたようでありますが、随分惡いことをしようと思えば、巧妙なことができておりますので、誠にそういう点をはつきりし得なかつたことは申訳ないと存じますが、一応正式な監査は随時やつておるわけであります。
  81. 竹下豐次

    竹下豐次君 お話の通りに初めから人を惡者扱にして、妙なところに探りを入れるなどということは惡いことでありまして、それはなさらない方が当り前のことだと思つておりますが、すでに今日のところどのくらいのところが本当か嘘は私などには分りませんけれども、問題になつておることがあるといたしますれば、それはどこまでも、やはり細かく一応の疑いを持つてお調べになるということも決して行過きじやないと思います。ただ特に御留意願いたいのは、よくあることでありまするが、監査官庁の立場におる者が、自分の監督しておる者に失敗について、つまり臭いものに蓋をするという態度をとることがよく繰返されるものであります。で、それには私いろいろの考え方があると思つております。つまりまあ可愛想だからそうやかましく言うなという私情に流れるのと、もう一つは、これが少し火の手が上つて来ると自分達も又監督の責任を問われて、自分達の身が、犯罪まで行きませんけれども危くなつて来る、つまり自己保護のために蓋をするというような心理も働いて来ることがあるのであります。よく役所方面、監督方面の責任ある人が繰返される一つの失敗の方法であると私は思つております。ところが臭いものに蓋をしたつもりであつても、世間には臭いがぷんぷんとしておるということは争われない事実で、自分達は蓋をしたつもりでも世間では却つて、何だあれで蓋をしたつもりかなどど笑われるぐらいのことが多いのであります。そういう情弊に流れないように、特に大臣の御留意を願いたいと存じておる次第であります。
  82. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 先程委員長からも質問があつて大臣がおられなんだが、この際先程問題になつておりました種畜場の件に関して農林省としての今後の考え方ですね、これを一つお聽かせ願いたいと思います。
  83. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて……。    〔速記中止
  84. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。  種畜牧場整理して段々減らして来たのでありまするが、その理由は、これは官業よりもむしろ民業に重きを置いて行くようにという御趣意を承つております。然るに民業の種畜牧場が如何なる状態に置かれてあるかということを見ますると、例えば小岩井の牧場の岩崎家で以て数十年間巨額の資産を投じて熱心にあそこを作り上げた。恐らく世界にも有名な牧場であると考える。ただこれは馬に重きを置いておりますが、併し牛においても相当骨折つていることは事実である。これは馬を、牛に重点を転換することは何でもないことであるが、とにかくそういうことをやつている。これをどうかといいうと、農地関係であろうと思いますが、非常に縮小して、そうしてこれまでの功績をすつかり壞してしまうし、又日本の今後の有畜農業における大切な仕事を破壞するというような形になつております。一方において国立のものも縮小し、一方においてこんなに立派な模範的なものも農地関係等において会釈なく縮小して行くというようなことは甚だ国策に反するものである。  それからもう一つ、これは町村君がおられるからこれも何だか言いにくいのでありますが、町村牧場のごときも日本農地改良、又乳牛の改良においては非常な功績を挙げているものも、やはり農地関係においていい加減に縮小してしまつたということがあるが、こういうものこそ本当に保護しなければならんのに、どれだけ農産の増進に役立つかは知りませんけれども、かようなことをしたことは非常に遺憾だと思います。これは国策に反するものだと私は考えるのでありますが、これらについて農林大臣の意見を伺いたいと思います。  もう一つついでに申しますが、若しそういう場所農地に提供するがいいということになれば、試験場の試験地のごときだつて同じ取扱になつてつて構わないじやないかということになる。それは話は少し違いますが、例えば北海道の札幌の郊外にある野幌の林業試験場のごとき、これは実に貴重なものだと思う。ところがあれもすつかり切換えてしまつて農地転換しつつあるというようなことなども、これは実際大事な点を沒却して、ただ農地に拓けばいいというような浅薄な取扱と言つて失礼でありますが、そんなふうに考えられるのであります。  どうかそういう取扱を改めて、将来やはりこれがもつて十分に発達し得るような政策を採つて頂きたい、こういうふうに私は考えるのであります。そしてそれが国策に合するゆえんだと思うのですが、これについて農林大臣の御所見を伺いたいのであります。
  85. 森幸太郎

    国務大臣(森幸太郎君) 小岩井牧場等、実際の問題は私よく存じておりませんが、概括的に申上げますと、日本牧場が軍馬中心であつたという関係方面考え方、印象が深かつたのであります。この気持から牧場の縮小ということが考えられたと思います。特にその当時耕地の拡張ということがやかましく問題にされておりますので、適当な場所考える場合においては、牧場であろうが何であろうが耕地にしろというようなことで、たまたま農地拡張ということと相俟つまして、そういう不適当な開墾ができたんだろうと思います。成る程軍馬の時代におきましては、牧場も相当広範囲に必要だつたと思いますけれども、今回牧野法を改正して貰いまして、本当の畜産増産のため牧理に切換えて行きたいと考えておるのですが、過渡期におきましてはそういう適当ならざる処置がとられたことも決してこれは否定できないのでありまして、今例示されました牧場等においても多分そういう例だろうと思います。今後におきましては、その牧場につきましては今回の牧野法との関係もありますし、又牧野維持が畜産の振興の上において重大な役割を持つておることは勿論申上げるまでもないのでありますので、今後はそういう行過ぎたことのないようにいたしたいと存じます。小岩井等の実情については詳しく存じておりませんので甚だ答弁が不徹底でありますが、総括的に申上げまして、今後そういう適作適地という観念から適当なものはやはりその現状において維持することが増産のために適当であるものは、決してそれを変更させないという方針で参りたいと思います。
  86. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の大臣答弁でまあ馬の方はそういうようなことも考えられるのですが、ところが牛の方はそうは行かないと思うのです。ところが実際は牛の方の牧場もそういつたような農地の行過ぎでそういう結果になつているんで、現にそのために大きなそういう犠牲を、国が犠牲を受けているんではなく、個人が大きな犠牲を受けて、今日殆んど破壞の状態にある。こういうものに対してまあ今大臣はそれは行過ぎもあつただろう、併しその行過ぎは今後ないように努力するとおつしやいますが、もう行過ぎじやないんです。とにかくもうやつてしまつたんです。現状は。だからこれに対してはやはりそういう農林省としてはやはりそういうことを勘案して、そうしてできるだけ今後それが元に復帰するように、あらゆる援助をしてやるとか、或いは他のものよりは優先して何とかその国策の上から処置してやるという考えでないと、ただ今言われたように今後まあそういう行過ぎがあつたが、今後その行過ぎをなくするといつてもそれ以上なくならないんですから、その点を一つ何とかやはり農林大臣としてはやはり自分の子供ですから、やはり何とかしてやつて頂く考えはないかと、こういうことをお尋ねしているんです。
  87. 森幸太郎

    国務大臣(森幸太郎君) 実情等を深く調査いたしまして、適当に処置をとりたいと存じております。
  88. 三好始

    三好始君 農林省設置法の一部を改正すり法律案に関しましては、後程審査することになります定員法に関連する部分或いはまだ審議中の経済調査庁法の一部を改正する法律案、こういうものが多少あるかと思いますが、それらの法律案を審査する際に更に触れることにいたしまして、本法律案の質疑はこの程度で打切つて討論採決に入ることの動議を提出いたします。
  89. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  それでは本案につきまして討論に入ります。御意見のある方はお述べを願います。
  91. 町村敬貴

    町村敬貴君 この農林省設置法案につきましてはいろいろ重要な事項が多多ありますが、私は今回設置されました改良局の問題が非常に大きな問題だと思うのであります。それはこれは外国におきましても長い年数かかつて、皆これはかかつておる仕事であるますが、今回これを実施することになりましたのは、これは農林省としましても非常に重大な責任があるものと思われます。これを言い換えまするというと、農林省が結局農家に対する一つの窓口を開いたというようなことにこれはなるのでありまして、ただ單にこれは改良局だけの問題ではなく、関係ある農林省の各局及び大学あたりが全面的にこれに協力してやるんでありませんければなかなか農民の満足を得るような結果に行くことが相当むずかしいと思われるのであります。私はこの方面におきまして大いにこれを強調いたしまして本案に賛成いたします。
  92. 三好始

    三好始君 私は本案に対して数点の希望を申述べたいのであります。それは先ず第一といたしまして質疑の際に私の意見も述べて政府の見解を求めた点でありまして、農業政策なり農林行政の重点が戰時中に引続く最近までの物資不足の状態においては、どうしても不足する物資の問題を中心にして物本位の農業政策、或いは農林行政ということになつてつたかと思うのでありますが、それが最近認められますように次第に農民経済が窮迫を告げるような状態になつて参りますというと、おのずから農業政策にしましても農林行政にいたしましても重点が移行して来ると思います。重点が農民経済の方面に移行して来なければいけないというふうに感ずるのでありますが、そういう情勢の変化に即応いたしますように、将来農林省の機構におきましても十分の御留意を願いたい、これが一つの点であります。  もう一つは先程改良局長より一応の方針が明示されましたので了解いたすのでありますが、中国四国農業試験場兵庫県に設けるという原案に関しましては、その適切であるかどうかについて一応の疑問もあるかと存じますので、殊に畑作の試験を重点的に行なう予定になつておる四国関係試験場の充実なり、将来の情勢に即して中国四国農業試験場の問題を合理的に解決するだけの熱意を是非持つて頂きたいということを第一に希望いたす次第であります。  第三の問題といたしまして、先程農林大臣にも所信を伺つたわけでありますが、今後の農業政策乃至農林行政を正しく進めて参ります上に正確なる農林統計の必要を痛感いたしますので、本省機構なり或いは統計調査事務所等につきましてその充実に御留意を頂きたいと思うのであります。  最後に公団の問題が種々論議せられたのでありますが、公団廃止が遠くないことを予想される今日の段階では公団の監督には一層の注意を拂うべきことを私達痛感いたすのでありますが、この点に関しましては農林省関係の公団について農林大臣の十分なる注意を喚起いたして置きたいのであります。  以上数点に関しまして希望を述べ、これらの点が十分に実施されることを期待いたしまして本案に賛成いたします。
  93. 梅津錦一

    梅津錦一君 この農林省関係職員定員の問題ですが、物資調整事務所木炭事務所種畜牧場それぞれ政府から調査書を頂きましたが、尚この調査書に基いて政府の御説明によればそれぞれ配置転換なり、その他、諸官庁への斡旋、府県委讓或いは民間就職それに合せて希望退職等も含めて、失職者はないという完全雇傭の形がここに出ておりますが、現実十分な責任を持つてこの通りお運びになることを強く要望すると共に、尚府県委讓されるところの職員に対しては、これに対する補助金という形で本年は生活保障をやつて行くということであれば来年はどうなる、こういう問題になると思います。来年度のことは約束されておりませんが、政府は将来地方委讓された職員の処置に対して万全の策を講じて、これらの人が来年度において地方の権限内において勝手に整理されるということのないように十分の御努力を拂われることを希望條件として本案に賛成いたします。又先程言つた農林省関係の公団問題に対する十分な監査なり検査をして、そうした不正事件を将来なくする努力を拂われることを附則といたしまして希望いたしまして本案に賛成いたします。
  94. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは御意見もこれで盡きたいと思いますから、本案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  95. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。  委員長報告委員長にお委せ願いとうございますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。賛成の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名    城  義臣   カニエ邦彦    小杉 繁安   梅津 錦一    伊達源一郎   竹下 豐次    三好  始   町村 敬貴
  97. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記を止めて下さい。    午後四時三十五分速記中止    ——————————    午後五時五十三分速記開始
  98. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            カニエ邦彦君            門屋 盛一君    委員            梅津 錦一君            小杉 繁安君            城  義臣君            竹下 豐次君            伊達源一郎君            町村 敬貴君            三好  始君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    農林事務官    (大臣官房長) 平川  守君    農 林 技 官    (農業改良局    長)      磯邊 秀俊君    経済調査官    (中央経済調査    庁監査部長)  木村  武君