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1950-04-25 第7回国会 参議院 内閣委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十五日(火曜日)    午後二時四十五分開会   —————————————   委員の異動 四月二十五日 委員石原幹市郎君辞任 につき、その補欠として鈴木安孝君を 議長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○引揚同胞対策審議会設置法の一部を  改正する法律案衆議院送付) ○水産庁設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○労働省設置法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○農林省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これにより内閣委員会を開会いたします。  引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案、これは予備審査でありますが、これを議題といたします。昨日衆議院提案者から提案の理由の説明を聽きました。本日は委員諸君からの御要求によりまして、政府から援護局長田邊君が御出席でありますから、この際田邊君に対しまして質疑があるお方に御質疑をお願いいたします。
  3. 梅津錦一

    梅津錦一君 現在までの引揚状況がどうなつておるか、議員提出ではありますけれども、将来一年延期することに対して、当否に対する政府見解を御説明願えれば非常に結構だと思います。
  4. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) 引揚同胞対策審議会昭和二十三年の五月衆参両院において、引揚同胞対策に関する決議をなすつたのでございますが、その決議の中に、引揚問題処理することに、官民一体の合理的な解決に資する機関設置しなければならないということなのであります。これに基いて、国会におかれまして議院提出法律案として引揚同胞対策審議会設置法というのが設定せられまして、二十三年の九月一日からこれが施行せられたのであります。これは内閣総理大臣の管轄に属しておりまして、厚生大臣が会長になり、委員二十名を以て構成されております。この委員関係各省の次官、それから厚生大臣の認める引揚者団体代表者及び学識経験ある者から選定されております。この事務といたしましては、事務長厚生省の一級官吏の中から選ぶということになつておりまして、私が事務長仕事を現在担当しております。この審議会設置せられましてから随分しばしば幹事会なり或いは審議会を開催いたしまして、今日までに決議をした回数が十一回ございます。その内容引揚促進に始まりまして、定着援護或いは在外資産問題等広汎に亘つております。この決議しました事項内閣総理大臣報告せられまして、内閣総理大臣の方から関係各省に対しましてこの決議に副つて然るべく処置することを要望せられておるわけであります。この決議内容は概ね各省においてこの法律に即応してそれぞれの措置が採られております。この決議内容は大体において実現されつつある、かように存じております。引揚も段々と進捗して参りまして新聞等によつて承知のような状態でございまして、まだ中共地区からの引揚という問題等が大きな問題として……中共地区引揚が殆んどなされておらないのであります。又引揚の始末につきましては、行方不明者乃至は死亡者という問題をどうするかという問題も起つておるかように考えるのでございます。それから従来取上げておりまする問題で未解決の問題は、引揚者外地財産の問題であります。この問題につきましては審議会でも只今いろいろと研究はいたしておりますが、なかなか政府に答申するだけの結論が出ませんのでしきりと勉強いたしております。只今つておる問題といたしましては概ねそういつた問題ではないかと思います。ただ引揚者定着援護に関しましては、未だに引揚者の住宅問題が大きく残つております。この決議趣旨に副うて政府ではいろいろと努力はいたしております。この法案を改正せられまして、審議会設置をもう一年延ばされるということにつきましては、引揚援護庁としては別段異議はないのでございます。
  5. 梅津錦一

    梅津錦一君 今の御説明の中で、在外同胞はどのくらいおるか、その人員の調査上……現在国内にどのくらいの未帰還者がおつて、その未帰還者の中に死亡者を除いてどれだけの数があるか、これは各戸籍調べればはつきり分ると思います。この数字は現在の未帰還者家庭ですから、或いは市町村行つて戸籍調べれば大体分ると思います。どのくらい未帰還者があるか、こういうような調査在外の、外地のことは分らなくても、こつちで当然帰還されるべき数字は分ると思います。死亡者を除いたこの中には行方不明者があるかも知れません。この数字がどのくらいになつておるか、ちよつとお聽きしたいと思います。
  6. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) 在外残留者の問題でございまするが、実は引揚援護局といたしましては、帰つて来まして、引揚げて来る方の援護が主体でございまして、外地にどのくらい残つておるか、或いは死亡者がどのくらいあるかという問題は引揚援護局としては主管いたしておらないのであります。従つて私から答弁することをこの際差控えたいと思います。
  7. 梅津錦一

    梅津錦一君 これは引揚同胞対策審議会がありまして、各戸別調査をしらみ潰しにやつて行けば大体数字は出る筈だと思います。それを何故やらないかという問題があるのですが、これに対しては政府の方から調査すべき費用が来ておらないのじやないかと思います。この調査費がないために結局これができないのだと考えるのですが、現在は引揚同胞対策審議会の方はどのような、予算を政府に要求しておるか、その点を聽きたいと思います。
  8. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) 引揚同胞対策審議会におきまする調査費と申しますのは、引揚同胞対策決議をなすに必要な資料を集める、或いは実情を調査する、こういつた調査費でございます。費用も極めて僅かでございます。只今御不審のありましたような調査は当然これは政府の方でなすべきことでありまして、審議会といたしましてはそこまで手が延びないのであります。
  9. 梅津錦一

    梅津錦一君 その調査政府責任においてやらなければならん筈ですが、それに対する勧告は審議会でやるべきだと思います。そのことに対しては勧告しておるか、その点をお聽きしたいと思います。
  10. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) この点につきましては、引揚実態調査につきましては一遍決議をいたしましたことがあるようでございます。これは引揚者のいろいろな援護をやる上において引揚実態が掴めない以上適切な援護はできないではないかというふうな決議があつたことはあるのでありますが、未帰還者の問題につきましては一々そういう点につきましてはまだ決議をいたしておらないわけであります。
  11. 梅津錦一

    梅津錦一君 この際ですから希望して置きたいのですが、未帰還者実態調査をするように、速かに審議会政府に勧告することを希望したいのですが。
  12. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) これは私事務長でございますので、さような御要望があつたことを委員各位にお伝えして置きたいと思います。
  13. 竹下豐次

    竹下豐次君 今の御質疑に関連しましてちよつとお尋ねしたいのですが、未帰還者梅津委員も言われたように二通りに分けることができます。一つは何年か前に外国行つたのだということが、はつきりこの木籍において分つておるのだけれども、その人が帰つて来ないというのと、もう一つ外国で生まれたりして、さつぱりどういう人があるのやら、日本人でどういう人が外国におるのやら分らないというのと二通りあると思うのであります。後の分についてはなかなか調査ができないでしようけれども、先の分については相当に調査ができる筈じやないか、先程の御説明によるというと、帰還した者の調べだけをするのだと、こういうようなお話ですけれども、帰還した者の調べをなさるときには、やはり帰還すべき者としてはつきりしておる者だけを調べて行かなければ本当調べにならないじやないかと思います。そうして引揚の方の関係仕事をなさる方面では引揚げさせることに努力されるということが一つのお仕事じやないかというふうに私は考えておつたのですが、ただ帰つて来た者を世話すればそれでいいのだと、何だか私の聞いたところが間違つておるかも知れませんけれども、そういうふうに聞えたのであります。
  14. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) 只今のお尋ねでございますが、引揚援護庁といたしましては、これは設置法によりまして引揚者応急援護ということに相成つております。及び復員の手続をすることになつております。及びそれに関連して若干の定着援護と申しますか、引揚者が今後立上つて更生して行くというお手伝をするのであります。先程申しました引揚同胞対策審議会におきまして、引揚者実態調査をする必要があるということは、引揚者仕事の中で一体必要な資金はどのくらいであるか、或いは家のない者はどのくらいであるか、そういつた総体的な調査をして、戸別に一人々々の名前を調べ上げて、それに基いて戸別調べるという趣旨ではなかつたのであります。その点先程の私の説明が足りなかつたもので或いは誤解を生じたのかとも思いますが、尚未帰還者調査についてでございますが、これは外務省その他におきましても、目下届出を採つてつておるわけでございます。この費用につきましては只今非常に少いじやないかというお話もございましたが、引揚同胞対策審議会につきましても、その点につきましては将来委員各位に御希望の点をお伝えして置きたいと思います。
  15. 竹下豐次

    竹下豐次君 届出というのは何ですか。大方いつ頃までに調査を終えるかというようなことになつておるのですか。全国的にまとめて統計でも出ることになつておりますか。ただ帰つて来ない家庭の人が届助を個々別々にしてそれを政府の方では集計するとかというふうな程度のことなんですか。全国的にただ幾らあるかということを……
  16. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) これは先程申上げましたように、私の方で直接やつている仕事でございませんので、詳細只今申し伝えます。
  17. 竹下豐次

    竹下豐次君 直接あなたの方のお仕事じやない……
  18. 三好始

    三好始君 引揚同胞対策審議会設置法は、第二国会における両院決議に基いて政府提出で提出された法案が可決され、それで生まれているものと、私達了解いたしているのでありますが、先程の御説明では、議院提出で作られた法律のような御説明であつたと思うのですが、念のためにその点を質して置きたいと思うのであります。
  19. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) これは政府提出法律ではございません。
  20. 三好始

    三好始君 ちよつと速記を止めて下さい。
  21. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  22. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて。
  23. 三好始

    三好始君 それでは次にお尋ねいたしたいと思いますが、それは引揚同胞対策審議会設置法條文にもありますように引揚促進に関する事項を大きな対象として審議会が設けられているのでありますが、また未帰還者が存在するということを私達考えておりますけれども、附則七條のこの法律有効期限規定との関係もありまして、政府のこの審議会存続期間に対する見解を承つて置きたいと思うのであります。それは、引揚が完了された曉には、こういう審議会は廃止されてもいいとお考えなんでありましようか、或いは引揚促進が唯一の目的ではないから、引揚者引揚後の対策に関して、こういう審議会が当分の間どうしても必要だとお考えなんでありましようか。これは審議会のみでなく、引揚援護庁自身の問題にもなつて来るかと思いますが、そうした点に関するお考を承りたいと思うのであります。若しこの引揚終つた後も相当期間必要だといたしますと、附則七條有効期限の問題を更に検討する必要も生じて来るのじやないか、若し引揚終つたならば、引揚者に関する国内での各種対策は、厚生省において厚生省自身事務として取扱うことにして、特別の引揚同胞対策審議会であるとか、引生援護庁のごときものは必要がなくなるのではないか、こういう見方もあり得るわけでありますが、そういう点についてのお考を承りたいと思います。
  24. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) 最初に引揚援護庁存続の問題についてお話し申上げたいと思いますが、引揚援護庁は指令によつて設置されておりまして、これは引揚が終了したときには引揚援護庁は閉鎖する、あと一ケ年を限つて引揚残務処理する機構を置くと、こういうことになつております。従いまして引揚が終了いたしましたあと残務処理いたしまして、あと社会局なり厚生課事務を引渡すことになると思つております。それから引揚同胞対策審議会使命といたしまして、引揚促進ということを大きく取上げておりますが、その外に引揚者更生対策ということが大きく取上げられております。それから存外資産に関する事項を大きく、取上げてあります。従来の活動状況を見ますると、委員会重点引揚者更生対策という点に重点が置かれておるのであります。この点につきましては、従来数次に亘つて主要な項目については決議を済んでおりまして、引揚同胞対策審議会としての答申の大体の使命は済んでおるのじやないかと、かように考えております。併し先程申上げましたように、まだ在外資産に関する問題につきましては問題が残つておりますので、これを非常にむづかしい問題でありまして、目下勉強中であるという状況でございます。いつまでこの審議会を置く必要があるかどうかということにつきましては、私共の方としましては、引揚援護庁という関係から只今、今年の八月でなくしてしまつてよろしいかどうかということになりますと、これは延びた方が引揚同胞対策を今後援護庁でいろいろ推進して行く場合に便宜であろうと、かように考えております。
  25. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この案につきましては質疑は大体この程度でよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 予備審議でありますから、今日はこの程度に止めて置きます。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  28. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に水産庁設置法の一部改正案、これを議題といたします。  水産庁設置法の一部改正法律案修正意見が出ておりまして、これに対して司令部から承認が来ておる趣であります。そのことを申上げて置きます。  水産庁設置法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑は終了したものと認めまして討論に入ろうと思いますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは御意見のある方はこの際、御意見をお述べ頂きます。
  30. 三好始

    三好始君 水産庁設置法の一部を改正する法律案につきましては、水産委員会に付託されました漁港法が先日成立いたしました結果、本案漁港法に関する規定部分整理する必要があると存じます。  そこで本案に対する修正案を提出いたしたいと思うのであります。修正案文を朗読いたします。   水産庁設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第五條の改正規定中「三号」を「四号」に、第十号を次のように改める。   十 漁港の修築、維持管理及び災害復旧を行い、又はこれらを行う者に対する許可、認可指導監督及び助成に関する事務処理すること。   十一 漁港の区域における公有水面の埋立の認可に関する事務処理すること。   附則を次のように改める。  1 この法律は、公布の日から施行する。  2 漁港法昭和二十五年法律第号)の一部を次のように改正する。    附則第三項中水産庁設置法第四條を改正する部分規定を削る。  修正案は以上の通りでありますが、これは全く漁港法成立に伴う條文整理に過ぎないわけでありまして、それ以上の実質上の内容を持つておるわけではありません。当然の整理として以上の修正を必要と存ずるのでありまして、本修正案を提出いたす次第であります。
  31. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君の提出されました修正案につきまして何か御意見ありますか。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  32. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。別に御発言もないと認められまするから、水産庁設置法の一部を改正する法律案、これに三好君の出された修正を入れて修正されたものとして採決いたします。これに賛成諸君挙手を願います。    〔総員挙手
  33. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。よつてこれは修正をして可決するものと議決いたしました。  本案についての委員長報告は例によつて委員長にお委せ願いとう存じますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  尚賛成諸君の御署名を願います。   多数意見者署名     小杉 繁安  町村 敬貴     伊達源一郎  カニエ邦彦     梅津 錦一  三好  始   —————————————
  35. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に労働省設置法等の一部を改正する法律案、これを議題といたします。
  36. 三好始

    三好始君 本法律案は前回までにほぼ質疑を尽したものと考えられますので、討論採決に入られんことの動議を提出いたします。
  37. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君の本案に対しては、質疑を終了したから討論に入り採決をするという動議であります。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではさように決します。御意見のある方はお述べを願います。
  39. 梅津錦一

    梅津錦一君 二点あるのですが、労働基準監督官研究期間の問題と、これに要する費用の問題ですが、この期問を成るべく将来においては拡充するように、費用はこれに伴うだけの十分な用意をして、政府は然るべく用意して貰いたいことが一点、尚研修所研修官ですね、指導員に対する人選は、公平妥当、学識経験とも最高な者をですね、選定されんことを希望いたしまして本案賛成をいたします。
  40. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 他に御発言がありませんならば、本案採決に付します。労働省設置法等の一部を改正する法律案、これについて賛成諸君挙手を願います。    〔総員挙手
  41. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。可決すべきものと決定いたしました。  つきましては委員長報告委員長にお任せを願いとう存じます。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  尚本案賛成諸君の御署名を願います。   多数意見者署名     小杉 繁八  町村 敬貴     伊達源一郎  カニエ邦彦     梅津 錦一  三好  始     城  義臣   —————————————
  43. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて。    〔速記中止
  44. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。  農林省設置法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。昨日に引続きまして御質疑を願います。
  45. 梅津錦一

    梅津錦一君 木炭事務所残務整理の問題ですが、すでにこの残務整理期間が相当過ぎておると思うのですが、先般名古屋地方に参りましたときに、名古屋にある中部日本燃料株式会社の一例ですが、中部日本燃料株式会社としての未回收金額概算六千四百万円、このうちすでに中部日本燃料小売業者から払込済金額が四千二百万円、尚小売業者が手持としておる金額が一千万と、こういうような金額があるわけです。これが薪炭特別会計上から流れ出ておる額です。この流れ出ている金は明かに中部日本燃料株式会社が使込んでしまつた、或いは木炭を山積みにしてそれが盗難に遭つたり、或いは破れて炭が破棄された、こういうようなことはあると思うのですが、余りにも金額が多過ぎると思うのです。こういう会計を国の費用でやることが当然であるか当然でないかという問題になると思うのですが、当然この責任農林省並びにこの愛知の薪炭事務所解決すべき問題だと思うのです。こういうような問題がこれは一例ですが、諸処に私はあると思うのです。こういうような問題を国民税金から、こういうものを負担することが果して妥当であるか、妥当でないか、この点も考えて見たい、こう思うのです。これはただ一つの例ですが、外にもこうした例があるために二十数億の金がこうした形で支払われる。言い換えれば、国民から吸收されたところの税金国民のためにならずして、一部の人のものになるということが国家財政上、行政上どういうものであるか、こういう点に対して農林大臣の御見解をお聽きしたいと思います。
  46. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) これは今林野関係政府委員がおりませんので細かい数字を申上げかねますが、三月末会計が終りますときの概算といたしまして、政府債権として取上げるものは約十五億程になつておるのであります。今回会計法を廃止しましたために、この処理のために九億の証券の発行を認めて頂きまして、そうしてこの十五億の整理を今着々と進めておるのであります。これが完了いたしますと、先に御承認願つて一時繰入れました五十四億七千万円のうち約五億円程が戻るという勘定になるのでありまして、この十五億というのは御承知の十ケ年の焦げつきになつておりますので、今お話のようなものにつきましては、これは或る程度値引もし、どうしても見込がないものは見込がない、或いは帳簿上どうしても内容はつきりしないというようなものはこれを切下げるというような方針を取りまして、今この債権取立てに鋭意努力をいたしておるのであります。従つて或いは行政訴訟等関係からもいたして、こういうふうな債権取立てということにも努め、今各残つております事務所におきましては、この残務整理を懸命に急いでやつておるわけであります。
  47. 梅津錦一

    梅津錦一君 債権が……言い換えれば業者政府に対して支払うべき金があるわけで、薪炭に絡んで……若しこれが取れない場合は、財産の差押えまでも木炭業者に対してやるかどうか、その点をお聽きしたいと思うのです。
  48. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) 飽くまでも政府債権取立てには合法的な処理を選んで行きたいと思つております。
  49. 梅津錦一

    梅津錦一君 今法的ということになりますと、どういう……勿論これはもう消費されて、払う力がない。それならば責任上、この責任者の家屋なり土地なり、或いはその他の諸物件を差押えるとかして、税務署がやるごとく、ああした徹底的な方法で債務の取立てをやるかどうか、その点についてお聴きしたいと思います。
  50. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) 勿論そのつもりでやつております。
  51. 町村敬貴

    町村敬貴君 ちよつと大臣にお伺いしますが、従来農林省仕事がややもするというと農民に直接接触しないという……多分にそういうまああれがあつたのでありますが、併し今度の改良局というものは、まあいわば農林省の窓口みたないもので、これが農民に直接ぶつかつて、そうして農地の改良という方面農民と接触するという上においては、頗るこれは重要なものと思うのでありますけれども、併しこの改良局だけが如何に働いても、又これがセクシヨナリズム式に或いは改良局と外の局との間の連絡とか、すべてがうまく行かないことになりますというと、結局これが本当の妙味を発揮しないことになるように思われるので、農林省農業関係のある各局が全部一丸となつて、そうして農民にぶつかるべきものであると思いますので、将来まあ改良局というようなものは私は一個の独立した一つの大きな機関として各局がこれに殆んど参加をして、そうして指導方針を、本当農民にぶつかつて行くという行き方になるのでありませんというと、同じような立場の局で並んでいますというと、どうもその重点の持つて行き方が果してそこにその目的を達するかどうか、こういう点について一つ大臣の御意見を伺いたいのですが。
  52. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) 各局それぞれ主管しておりまする仕事は変つておりますけれども、これを実行に移す上におきましては、お話のような技術上面、或いは生活の改善方面というふうに改良局が第一線において個々の農業者と交わるわけでありますが、併しすべて農林省の全般がここに固まつてしまうというわけではないのでありまして、まあ林業方面、或いは水産方面とおのおの独特な指導の立場におりまして、又消極的に、或いは積極的の仕事もありますが、土地改良というようなことにつきましては農地局がこの責任を持つてその事業の執行をやつて行く、こういうふうにおのおのの局において特殊な使命を持つておるのでありまして、決してこれを改良局に統合するということは実際から申しましてもでき得ないことであり、又却つて複雑化しまして行政の徹底を欠くのではないかと、かように考えておるわけであります。勿論各局の間の相互の連絡ということは、その事業の上におきまして緊密になすことは勿論であります。
  53. 町村敬貴

    町村敬貴君 只今の御意見は尤もでありますけれども、結局は農林省、農林行政農業に関する方面は、やはり農民に徹底するということがこれはもう最大の主眼でありまするから、今のように各局が集まつてどうこうというようなところまでは、これはどうせなかなか行かんかと思いますけれども、私は改良局というものが本当農民に徹底するためには、現在農林省のその方面関係ある局が余程これは渾然一体となつて農民に接触するのでありませんければ、なかなか徹底しないのじやないか。ただ自分はこの改良局には非常な大きな期待を持ちますけれども、ただその点を自分は憂える者でありますから、こういう点を一つ将来大いに強調されてこれをおやりになることを私は希望する者であります。
  54. 梅津錦一

    梅津錦一君 これは大きな問題ではないと思うのでありますが、これはまあ元来から言えば、筋から言えばこれは国税庁関係だと思うのであります。今日農村における果樹或いは園芸の問題です。農業にあるところのまあ果物です。或いは例を取れば柿とか、梨とか、りんごというものが五、六本あつても課税の対象になるわけです。然るに大邸宅を持つてその中に五、六本どころじやなく、数十本の果樹を持つていたり、或いは園芸をやつておるというものは、農家でないという形から課税の対象にならない、而も農家の五、六本の柿なり梨なりはその家庭で消費されてしまう。これは決して收益が挙がつておるのじやないのです。そのために結局これは農家は課税の対象になるならば、子供にその柿やなんか食わしたつて何にもならないのだからこれは伐つてしまえというので、最近課税の対象になるのが苦しくてぼつぼつ木を伐つておる。これらは私は農村課税の対象の大きな問題だと思うのであります。特に町ばにおける子供はこうした果物や何かを買つて食べる、然るに農村の子供は、こういうものは家で買わしません。だから勢い自分の家の周りにある柿なり栗なり梨なりをビタミンCの補給源として攝つておる。然るに現在こういうふうに税務署か課税対象とするならばとても苦しいから伐つてしまえというので、ぼつぼつ伐るというような家が見えておるわけであります。まあ農林大臣としてこれに対する、税務署に対して如何なる処置を採るか。むしろこういうようなものは收益になつておらない、收益になつても売つておるものではないという点から、是非共私はそういうものは課税の対象からはずして貰いたい。税務署は日茶々々です。何でも收益があれば売れるものとして課税するわけです。雄の鶏に課税するわけです。雄の鶏は卵を生まないわけです。これは生産面に入つていないわけです。これは消費面です。それにも課税するわけです。具体的に言えば豚は売れるまではこれは生産面じやない、消費面です。牛が乳を出すまでは消費面に立つているわけです。この消費面に立つている家畜に対しても税務署は課税している。こういうことになるとこれは農村ではやつて行けない。家畜を放棄しなきやならん。言い換えれば生産面に立つ乳牛が乳を出してから課税するならば話は分ると思うのです。まだ乳を出さないうちに課税をしたり、牡牛を乳牛と考えられて乳の出ない牛に乳が出るとして課税をするということは誠に話が通らない。こういう点から農林大臣農業者の味方である以上、こういう点から国税庁に対してどういうような話合を進めておるか、進めようとしているか、或いはどういうお考があるか、その点を一つお聴したいと思うのです。
  55. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) 税法といたしましては收入のあるところに課税するということが原則になつております。併しこれは徴税の運用の面でありまして、極端な、今お話のような雄鶏一匹おるからそれでどれだけ收入があるか、これはもう常識でも分るわけであります。鶏一羽に何ぼ收入があり或いは雄鶏一羽にどれだけ收入があるというようなことは、極端な、税務管理の方においてそういう非常識なこともまま行われておるので問題を起しておるのであります。併し飽くまでも收入のあるところに課税されるということは原則でありますが、そういうふうな今お話のようなことは実に極端な事柄であり、今後そういうようなことのない徴税、いわゆる常識的な徴税をせしむるように常に大蔵当局とも話をいたしておるのであります。殊に米なんかにおきましては災害のために補正をした、その補正したものに対しては考えないというような極端な例も聞いておりますので、十分妥当な課税をするように財務当局に交渉を続けたいと考えております。
  56. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつとついでに申して置きますが、この間栃木県の太田原の税務署で、あすこでは山林の落葉或いは山林の下草、これをその山林の所有者が盛んに売つておるものに対しては課税をしても、これは止むを得ないと思いますが、そうでない、売つてもおらない、又或いは採集もしないというものに対してすらも価値あるものとして、即ち所得あるものとみなして課税しようとした例、これにつきましては参議院の林業懇話会で非常な問題といたしまして、それを太田原税務署に交渉をいたしまして、又一方国税庁に対しても交渉をいたしました。更に林野庁に対しても、林野庁からも国税庁に対して交渉することを依頼いたしました、幸いにしてこれは治まつたようであります。併し各税務署がその徴税の、つまり成績を競つて挙げるということを考えておりますと、行懸り上こういうことは一太田原だけでなしに今後各地に起り得ると思います。この点につきましてはどうぞ一つ当局として十分に考慮を加えて、常識に基いての適正な課税があるようにこれを取計らつて頂きたいということを、丁度梅津君の御要求がありましたから、ついでにそのことを申上げて置きます。  それからもう一つ、一、二ついでに伺います。農林省所管である公団等におきましても、最近随分いろいろな不正事件があるように新聞等に見えるのであります。これらに対しまして、政府としてはどういう態度を以て臨んでおられますか、一つはつきりしたことを承りたい。
  57. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) お答えいたしますが公団の問題につきましては、経済査察庁なり会計検査院が一応詳細な監査をいたしまして、その監査の結果を各省関係に分けて内示がありましたので、又公団直接にもあつた監査の結果は文書を以て報告されておるのであります。農林省におきましては、すでに廃止いたしました公団もございますが、尚肥料、食糧、油糧が残つておるのであります。これらの公団に対しましては、総裁に対して十分なる査察庁の成績について不正なことに対して対処するような注意を与えておるわけであります。たまたま廃止いたしまして飼料公団に不当な浮貸ができておりましたので、今検察庁が調査いたしておるわけでありますが、その他の公団におきましてもそういうことのないように国家に赤字によつて損害を来たさないように、十分なる注意をいたしておるわけであります。
  58. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 尚公団ばかりでなしに、例えばこれも新聞の記事でありますから当てにならんかも知れませんが、食糧事務所等において、或いは北海道とか或いは愛知でしたか等において面白くない事件が発生しておるようであります。これはやはり内閣委員会といたしましては、綱紀を粛正するということが重大な使命一つになつておる関係上、それらの点についても農林省としてどう取扱うかということについては、ただ裁判の結果を見なければ分らんということでなしに、行政取扱としてどうするか、もつと更に進んでは綱紀を粛正しておる点からどういうふうに見るかというようなことについて、大臣の御所見を伺いたい。
  59. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) お答えいたしますが、これは徳島県の食糧事務所に違反が発見されまして、その問題が各府県の食糧事務所にないかと検察庁の方面から調査を始めたのであります。これは全国の食糧事務所に対し一応調査することと存じておりますが、現在では二十三府県と報告を受けておるのでありますが、調査いたしましてその間に対しての不正事件と名付けられるものについての調査が今進行されておるのでありまして、内容については、私としての意見を申上げる時期じやないと存じますが、それは末端の出張日給の旅費というものが十円ずつ支給されておつたのであります。十円の出張旅費では到底できないというので、昨年これを大蔵省との協議の下に、六十円でありましたか、七十円でありましたか、増額いたすことにいたしたのであります。その出張日給旅費が出勤した日と合つておるか合つてないかという点を調査しております。たまたまそういうことが行われたので、末端は喜んでいる、そういうことは中央において職員組合が努力した結果であるから、中泰におる職員組合の方へ礼をしろというような組合の要求、これを地方から吸い上げたということでありますが、そういうふうにして中央の労組の方ですか、職員組合の方ですかの経理に当てたというのが吸上げという問題になつておるのであります。もう一つには、県内の米の輸送はその事務所の所長の権限に委せておりまして、県外の輸入は公団がこれをプールしておるわけであります。ところが徳島県で発見されたのは空輸送、県内における空輸送ということが通運会社との結託であつたという実例がありましたので、そういうことが外の県にもあるかないかということを、今検察庁が調査いたしておるのであります。或いは徳島県以外にもそういう問題があるのではないかということを考えておるのでありますが、この報告を受けまして、私といたしましては監督の責任上、食糧庁の長官に対しましても速かに内容調査し、又事件の経過等も具さにそれぞれ調査をさせておるわけであります。
  60. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 大臣はお急ぎのようでありますから……
  61. 梅津錦一

    梅津錦一君 一昨日だと思いますが、食糧公団の職員が……食糧公団が廃止になつて、解散したのですね。新聞では一万ということになつておりますが、実際においては二万くらい国会にデモをやつた者があるわけです。あのデモの内容は、公団が廃止になるに際して、臨時措置で前には本炭事務所の廃止の場合には、多分在職年限一ケ年に対して二・五倍の退職金が出るのだと思うのです。従つて食糧公団においては二ケ年になりますから、二・五倍ですから大体五ケ月分、この五ケ月分の退職金によつてこれを営業資金に予定しておつたところが、予算はもうすでに通つておるわけです。然るにこれが俄然一・五ケ月分になつて、五ケ月分のところが合計三ケ月分で打切られる、これではとてもやつて行けないというのがデモのゆえんだと思うのです。それで官房長官にあの組合の代表は会つていると思うのですが、その後これがどういうふうになつておるか。五ケ月分が三ケ月分といつてどうしても動かないというか、将来これに対してなんとか五ケ月の支給が可能か、この点について農林大臣の御所見をお伺いしたい。情勢の推移も重ねてお聴きしたい、こう思うのです。
  62. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) お答えいたします。政府責任といたしましては、そういう場合における予算を組めばいいのであります。そういう給与の関係は今内閣から人事院に移されておるので、人事院の責任としてこういう場合にはこういう給与をすべきだということをやるのが建前でありまして、今内閣の給与の仕事が人事院に移されてしまつたわけであります。併し今この問題を彼これ申しておる場合ではないのでありまして、昨年の行政整理におきましては、あれは或いは止むを得ないというようないろいろの事情がありまして整理したのでありますが、現在の公団につきましては、この六月、九月、十二月と季節は変りますが、その公団自体がなくなつてしまう、こういう状態でありますので、今までのような行政整理とは非常に趣を異にしておる全く何もなくなつてしまう、こういう状態でありますので、先般来この問題については各公団の総裁等も非常に心配いたしております。又政府といたしましても、現在は行政整理の例に做うことができ得ない法の建前になつておるのであります。併し何とかしてこれは整理しなければならない気の毒な事情があるので本日も閣議におきましてこの問題を一般の行政整理と切り離して公団の行政整理は特別に考うべきものであるという申合せをいたしまして……併しこれは関係方面との折衝が要るのでありまして、ポツ令で出しますか、或いは法律としてそういう給与規定を出すか、どちらかの道を選ばなければならないのでありますので、今日も本多国務大臣は閣議の情勢を持つて先方と交渉いたしておるのであります。できるだけ政府といたしましては、この公団の廃止に対しましては特別な取計らいをいたしたいと、かように助力を続けておるようなわけであります。
  63. 梅津錦一

    梅津錦一君 給与の問題に対しては、それは人事院の責任下にあると思う。併しながら政治上の問題から考えれば、すでに予算を編成している以上は、それは支給するために予算編成をやつたと思うのです。ですから責任はないと言つても、この問題には誠意を尽して関係筋に当るべきだと思う。で若し関係筋に対して了解が得られないということになれば、これは政治上の責任を負わなければならないとこう思う。これは人事院のことであるから、政府は予算を編成すればそれで責任は負つたという考ならば、これは少くとも政治上の責任を抛棄したと、こう私は考えるのですが、特に官房長官並びに総理の熱意ある関係筋との交渉をお願いしたいと思う。特に食糧公団の問題に対しては、農林大臣の当面の関係するところでありますので、このことを農林大臣として官房長官並びに総理大臣に対してどのような熱意を持つておられるか、この熱意の程を御披瀝願いたいと、こう考えます。
  64. 森幸太郎

    国務大臣森幸太郎君) 決して私は責任を回避しておるわけではない。ただ法の建前を申上げただけであります。予算はすでに編成されております。併しこの予算を執行するについては、現在の規定におきましては彼らの要求、又政府の考で支給でき得ない。それで衆議院の人事委員会においては議院提出で出したらどうかというようなことも研究されているのであります。いずれにしましても法律化しなければこれを出せないのであります。それで閣議の情勢がこういうふうに考えていりという、この強き意思を持つて今日本多国務相が先方へ交渉いたしておるのであります。これは総理初め閣議におきましては、普通の行政整理と違つて特に公団の職員に対しては特別の取計らいをしてやりたいという気持で、あらゆる方面に対して手を尽しておることを御了承願いたいと存じます。
  65. 梅津錦一

    梅津錦一君 重ねて……若しこれが遅延するということを恐れる余り、早急に法律化することに御努力を願いたいと、こう思います。
  66. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記ちよつと止めて下さい。    〔速記中止
  67. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。
  68. 梅津錦一

    梅津錦一君 農林省の資材調整事務所が地方庁に移管されると、相当数の犠牲者が出るわけですが、この犠牲者の言い換えれば整理される者の就職、完全雇傭の準備ができているか、できていないか、非常に問題だと思う。一人であつてもこの問題は等閑視することはできないと思う。数の問題ではないということなんです。この点がはつきりしないと或いは法案が延びるかもしれない、通過が延びるかもしれない。これは止むを得ないと思う。これに対する、政府のしつかりした態度をお聴きしたいこう思います。
  69. 平川守

    政府委員(平川守君) 資材事務所の職員の問題につきましては、すでに予算編成当時から相当に圧縮を見るという予定を持つておりました。これが配置転換について極力努めて参りました。大体昨年度昭和二十四年度において、二千五百名程度のものが、二十五年度においては千五百名程度に圧縮を見ましたので、これだけの人をそれぞれの適応性に応じまして、できる限り農林部内において、例えば統計の方に向く人は統計の方に向けるというようなこと、それから更に資材事務所には、元農林省関係農林省の中から出て資材事務所に勤務しているという人も相当ある。或いは県庁の方から来ている人も相当ある。そういう人々については極力配置転換の手続をやつて参りたい。勿論中にはこの際勇退したいという人もあります。これは希望によりまして、決してこちらから無理に辞めさせるというのでなしに、希望によりまして、そういう人もありますけれども、これはまあ比較的少数で、大部分は農林部内、それから特に資材事務所のようなところ、或いは食糧事務所のようなところ、それぞれの経歴なり或いは出身、その特性に応じまして配置換えを極力計画して参ります。尚今回地方庁へ事務そのものが移管になりますにつきましては、そのエキスパートである今までやつている人を或る程度つて貰うということの話も進んでおります。大体において全員、お話のような無理な、いわゆる整理と言いますか、そういうことなしに何らかの形で転換はかたがつくという見通しを持つております。
  70. 梅津錦一

    梅津錦一君 只今の御説明でよく分りました。併しながら今の発言に対して十分信頼してよろしいか、信用してよろしいかということをこの際念を押したいと思う。事実が証明いたしますから、この際はつきり承わりたい。
  71. 平川守

    政府委員(平川守君) 御信用を願つて間違いがないと思います。
  72. 梅津錦一

    梅津錦一君 そうすると大体完全雇傭の形にそれが入つて行けるということで間違いございませんか。
  73. 平川守

    政府委員(平川守君) 間違いありません。
  74. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の問題ですが、これがただ単に資材調整事務所だけでなくして、木炭事務所も、或いはこの法律案によつて廃止せられる機関の全部門に亘つてそういうような犠牲者が、数が少い多いに拘らずできはしないかということを、実は資材調整事務所に関してはそういう懸蒔はないと思いますと、又そういうことにならない自信を持つておりますというような答弁が今あつたのですが、実際は各資材調整事務所にしても、木炭事務所その他にしても、その事務所の長に責任を持たして、或いは地方庁の方に売込みに行くとか或いは地方庁の方ではどうしても採れないという人は、それぞれの関係しておるところの民間会社等に又売込みに行くか、そういうようなことをして、本省としては地方の長に責任をおつかぶせておる。そこで地方庁では、地方の責任者としては、できるだけの努力をして見た。併しながら尚そこに最後に何人かが残つてどうにもならないというものが、現実に各地方出先機関調べるとそういうものがあるというとのように聞くのですが、これが、数はいろいろ今日まで努力されて僅かの数にはなつておると思うのですが、こういうものに対して絶対責任を持つて、そういう失職者を出さないということが、ただ資材調整事務所だけではなく、この法律案によつて廃止されるところの機関によつて生ずる人々の保証ということの責任が取れるのですか、持たれるのですか。
  75. 平川守

    政府委員(平川守君) 私は今資材調整事務所お話でありましたので、実は資材調整事務所は私のところで直接所管しておりますので、今まで、資材調整事務所の職員についての配置転換の問題をずつてつて参りました関係上、そういう意味の失職者を出さないで済むという報告を受けておるわけであります。併し全体の法制の建前といたしましては、お話の通り廃庁されまするので、それだけの定員が減るわけでありまするから、それだけ減る者について絶対に一人も役所を止める者はないということは理論上申せないと思います。ただ併しこれについても実際問題としてはそれぞれの所長なり相当の責任者において、従来の慣習から見ましても、できる限りいろいろな斡旋をいたし、又配置転換に努めて、極力そういう失業者のような者をなくするという努力をいたしておることは勿論であります。そういう意味において、そういう被害者は最小限度に止めるということに努めておるということは言えると思います。資材事務所におきましては私が直接相当いたしておりまして、現在までの報告ではそういうような、つまり全く路頭に迷うというような人はないと、こういう報告を受けておるわけであります。
  76. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 尚資材調整事務所その他の、この法律案によつて廃止せられるところの機関に対して、詳細な数を、これは大きな数字じやないと思いますから直ぐに分るのじやないかと思いますが、一応今日、明日にでもまとめて資料を出して見て下さい。辞める人の数、仮にこれだけの数はこれは地方庁に引取つて貰う、これだけの数は、農林省部内で消化する、尚これらのものは民間の方に話ができた、尚現在どうにも話がつかない分がどれだけあるということですね、これは大体資材調整事務所の方はそれで分つておるだろうと思いますし、又木炭事務所の方も各委員会でそれぞれの廃止される分野も大体分つておると思います。そこで大体それがどのくらい実際にあるのかということ、これは我々は勿論、政府行政のやる方によつてそれぞれに早く法案の審議しなければならないが、併し非常に事が重要な問題でありますので、その資料を至急に、今日、明日にでも出して貰いたいと思います。
  77. 平川守

    政府委員(平川守君) 承知いたしました。
  78. 梅津錦一

    梅津錦一君 この法案はこの程度で次会に讓つて貰いたいと思います。尚研究する点があるのではないかとこう考えます。
  79. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 梅津君から本案の審議は今日はこの程度に止めておこうという御発言がありましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 城義臣

    ○城義臣君 異議はないのですが、結論は同じだけれども、まだあといろいろ質疑を続行するのですか。大体済んだのじやないですか。
  81. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  82. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を初めて。それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後四時十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            カニエ邦彦君    委員            梅津 錦一君            小杉 繁安君            城  義臣君            竹下 豐次君            伊達源一郎君            町村 敬貴君            三好  始君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    厚生事務官    (引揚援護庁援    護局長)    田邊 繁雄君    農林事務官    (大臣官房長) 平川  守君    農林事務官    (農業改良局    長)      磯邊 秀俊君    農林事務官    (水産庁次長) 山本  豐君    労働政務次官  新谷寅三郎君    労働事務官    (大臣官房総務    課長)     富樫 總一君