○
政府委員(
野木新一君) 誠に御尤もな御
質疑であります。その点は
検察研究所を設けようとした際に一番問題に
なつた点でありまして、私共といたしましてもいろいろ
研究して見たところであります。そうして結論といたしましては、
法務府研修所と、この案にございますように
検察研究所と分けて
設置することに
なつたわけであります。
その
理由といたしましては、
法務府研修所の方は、
検察官も含んでおりますが、
検察事務官その他一般の
法務府の
職員に対して一般的の教養、普遍的と申しましようか、普通の法的知識を教授するものであります。即ち教えるという方のものでありまして、その
方法はいわゆる教官というものを設けまして、修習生を集めてそれに教えるという
方法であります。ところが
検察研究所の方は、それよりも一層高度の
研究をさせよう、対象も
検察官のみで非常に高度の併発をさせよう、そうしてその
方法も教えるとかいう
方法でなくて、そこで
研究練磨するという
方法、いわゆるゼミナール式の
方法を採
つて行きたいという
方法の差異があるわけであります。そうして
検察研究所のできましたのは新刑訴に魂を入れる、折角人権を保障する立派な刑訴ができましても、その運用の中枢に当る
検察官が尚頭が昔のままであり、その法的知識も昔のものであるとすれば、結局段段元に戻
つてしま
つて旧態依然となるという心配がありますので、この際特に重点を置いて、
検察官の頭を入れ替え新らしい知識を吹き込もうというのでありますので、今言つたように
方法も貧的も違いますから、やはりこれを分離して出発した方が、本来の目的を十分達するためにはよいのではないか。これを一緒にしてしまうと、どうもあぶはち取らずになりまして、
検察官を新刑訴のために
教育するという点が非常にぼやけてしま
つて、所期の耳的を達することができなくなるのではないかということを
考えたわけであります。併しこれが先程申上げましたように、二年程やりまして一
通り訓練を済ませて、その後のことはどうするかという問題になりますと、これは或いは
両者の統合ということも当然問題にな
つて来て、そのときにはそのときの情勢に応じて十分
考え得られるのではないかと思
つておりますが、差当
つては
検察官を新刑訴のために訓練する、そこに大きな目的を置きまして、この別個の
施設にした方がよいのではないか、そういう
考えから出発して来たわけであります。