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1950-02-15 第7回国会 参議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十五日(水曜日)    午前十一時二十九分開会   —————————————   委員の異動 二月十三日委員市來乙彦君、一松政二 君、城義臣君、佐々木鹿藏君、紅露み つ君及び深川榮左エ門君辞任につき、 その補欠として淺岡信夫君藤井新一 君、小林英三君、稻垣平太郎君及び小 杉繁安君を議長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件社会保障制度審議会設置法の一部を  改正する法律案内閣送付) ○連合委員会開会に関する件   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) それでは只今から内閣委員会開会いたします。  本日の会議に付する事件といたしまして、外務省設置法の一部を改正する法律案、これは都合によりまして次回に譲ります。  只今問題といたしますのは、社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、これの予備審査を行います。先ず本案の提出の理由及び内容につきまして政府から説明を求めます。
  3. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  社会保障制度審議会は、御承知のように米国社会保障制度調査団勧告に基き、昭和二十三年法律第二百六十六号、社会保障制度審議会設置法により設けられました総理府附属機関たる審議会であります。即ち右の勧告におきましては、社会保障制度に関する事務処理機構が改善せられねばならない旨が指摘されまして、国会並びに責任ある政府行政機関に対して、社会保障に関しての企画、政策決定法律制定の面においての勧告をなすために、内閣同列諮問機関設置すべきことが勧告されているのであります。  かくて政府におきましては、法律規定に基き、国会議員方々から十名、学識経験者から十名、社会保障制度関係ある民間団体等から十名の委員を委嘱し、これに関係各庁の官吏十名を加えて、都合四十名の委員人選を完了し、審議会は、昭和二十四年五月この充実した機構を以て発足したのであります。審議会は、右の勧告の趣旨に基き、一応独自の立場からその運営を行なつているのでありますが、原則として毎月一回委員会を開催し、更に小委員会は月に数回開催され、熱心に討議が続けられている旨承つており、政府への勧告もすでに二回に亘つて発せられているのであります。併しながら過去約半歳に亘る審議会の経過に鑑み、当面の社会情勢が必要とする権威ある総合的社会保障制度の体系を確立するためには、是非とも事務局を附置し、充実した調査研究立案のスタツフを持つべきである旨が、審議会一致意見として決定され、政府に伝えられて参つたのであります。  政府といたしましては、社会保障制度充実強化は、つとに念願いたしておるところであり、審議会の活動に対しましても深い期待を寄せているものであり、特に審議会各省庁の立場に拘束されない自主的且つ総合的見地に立つて社会保障制度立案に当るため、審議会自体事務機構を必要とするに至つた経緯につきましても愼重に検討いたし、社会保障制度審議会要望を容れ、同審議会事務局を附置することを内容とする改正案をここに提案することとした次第であります。  この度の改正案におきましては、当面必要な事務局設置と、それに伴つて技術的に必要とされる最小限度改正に止める方針の下に、第十一條の書記に関する規定を廃止して、ここに事務局設置に関する規定を設け、第四條において「議事及び提案された意見を記録する」ことを職務とする常務委員制度を廃止し、これらの職務は、すべて会長の命を受けて事務局長が掌理することに統一したのであります。  何とぞ愼重審議の上、速かに可決せられんことを希望いたします。
  4. 竹下豐次

    竹下豐次君 ニ、三簡單にお尋ねいたしたいと思います。各種の審議会設置されているのでありますが、現在のところ事務局を附置しておらるる審議会というようなものはございますでしようか。
  5. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) いろいろ審議会はございますが、多くは正式にその設置法で以て事務局を持つておらないのであります。私の記憶するところでは、科学技術協議会が正式に法律によつて事務局を持つているのが一つの例であると考えております。
  6. 竹下豐次

    竹下豐次君 尚続いてお伺いいたしますが、審議会事務局を正式に法律で以て決めているのは余り多く例がないようなお答えでありまするが、実際この審議会の方の立場だけから考えますというと、事務局を正式に設けた方が事務を進捗するに都合のいいというようなことは一応考えられるだろうと思います。若しこの案がこれで通過いたしまして、事務局が正式に設置されるということになりますと、外の審議会でもやはりこの例を逐うて正式に設置したいという申出がありはしないかということが予想されます。そういう場合には、すべてやはりこの例に倣つて正式にどの審議会でも設ける、特にその必要がないというようなことが認められない限り設置するということで政府としては進むという御方針でありますか。その点……。
  7. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 審議会にもいろいろの種類がございまして、或る一定の結論を得れば、それでその使命を終るような審議会もございますし、又恒久的な研究、或いは資格審査というような常務を持つところもあるのでございますが、総理府の中の職員が多くは事務局的な仕事をしておるのを例とするわけでございます。で只今の御質問の、外の審議会事務局設置要望を持つてつて政府に要求して来た場合に、政府はどうするかという点につきましては、その審議会のやつておられる仕事なり、或いは仕事の牲質、或いは量というようなものを考えまして決めるよりいたし方ないと思いますが、今のところこの社会保障制度審議会仕事は非常に複雑尨大なものでございまして、確かにこれは独自の事務局設置する必要が非常に多いように考えられますが、外の審議会におきましては、それ程必要であるというふうに考えられるものは目下のところはないのであります。又御要望のあるところも目下のところ聞いていないのでございまして、将来この審議会事務局設置いたしまして、その例に倣うというような審議会の御要望がございましたならば、そのときに改めて必要性等について考えたい、かように存じておる次第でございます。
  8. 竹下豐次

    竹下豐次君 事務局職員定員数はどういうふうに御予定なつておりますのでしようか。尚この点に関連いたしまして、その定員行政機関職員定員法中に規定するという御予定でありますか。
  9. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 予算といたしましては、只今五名の職員予定しておるわけでございます。併しこれは常時五名は事務局におるということでございまして、仕事繁閑等の場合を考慮いたしまして、総理府或いは内閣職員がこれに手伝いをする、或いは各省のものがこれの手伝いをするということは勿論考えられますが、常時事務局に勤務する職員は今五名の予算考えております。
  10. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうすると、行政機関職員定員法中にはつきり定員規定されておることになるのですか。
  11. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) さようでございます。
  12. 竹下豐次

    竹下豐次君 尚、事務局の新設に伴いましての予算はどのくらい増加されるということになるのですか。
  13. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) ちよつと総理府事務官より御説明いたします。
  14. 仲田良夫

    説明員仲田良夫君) 二十五年度の社会保障制度審議会予算は三百八十六万二千円でございます。
  15. 藤井新一

    藤井新一君 それは二十五年度ですか、二十四年度は分りませんか。
  16. 仲田良夫

    説明員仲田良夫君) 二十四年度は百九十万五千円でございます。
  17. 藤井新一

    藤井新一君 先程説明の中に、内閣同列諮問機関と、こう書いてありますが、これはどういう意味ですか、内閣と同じような働らきをするという機関ですか、この意味をもう少し突込んでお答え願いたいと思います。
  18. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 内閣同列という意味は、内閣の干渉或いは考え如何に拘わらず、独自な考えで以て政府勧告する、こういう意味になると私は解釈しております。
  19. 藤井新一

    藤井新一君 そうすると、内閣と別個であるということになるのでありまするが、そうすると、その勧告というのはどういう力を持つておるのですか、單なる勧告であつて義務を持たないところのものですか。受入態勢においてこれは駄目だという場合にはどうなるのですか。
  20. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 勧告は勿論審議会性質政府としては尊重しなければならないと思いますが、これにはいろいろ予算等が必要でございますので、そのときの財政等と睨合せて、できるだけその実現を期する、こういう意味において相当尊重せられるものである、かように考えております。
  21. 藤井新一

    藤井新一君 そうすると、今までに政府に二回勧告してあるということがここにあるのでございますが、二回ともその勧告政府が容れて予算も組みましたか、その点はどうなつておりますか。
  22. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 今までの勧告は、国民保險その他社会保險関係経費につきましては、政府がその一部を負担するのでなければ今後の運営が非常に困難であるということで、その点について勧告があつたわけでありますが、これは主として政府財政関係と非常な関係がございまして、二十四年及び二十五年の予算その他の事情を考慮いたしまして、事務費の補助を或る程度考慮するという程度以外にはこの勧告には応じ得なかつたのでございます。それからもう一つ勧告は、現在の生活保護制度、りつま生活保護法によつております貧困者救済制度でございますが、この点につきましては、社会保障の一環といたしましての生活保護制度としては現行制度は不十分である。この点についてはこういうふうに改正すべきであるという勧告がございまして、この点につきましては、政府の方としても十分審議いたしまして、今回生活保護法改正法案として国会に提出する予定で進めておる次第でございます。
  23. 藤井新一

    藤井新一君 この勧告というのは非常に重大なことであつて、單なる申合せ政府に進言するというようなものではならないのであつて勧告する以上は、それが貫徹ができるような勧告をして頂きたいのであります。その点において政府は今後の方途において、どういう決意を持つて勧告に処したいという考でございましようか、その御意思をお聞きしたいと思います。
  24. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先程もお答え申上げましたように、審議会性質から見まして、政府は最大の敬意を持つてこの勧告を受けなければならないと、かように考えております。ただ即時実現というようなことは、或いはそのときの財政状態等からできないかも知れませんが、勧告せられたことにつきましては、できるだけ早く実現するというふうに努力すべきである。要するにこの勧告については十分なる敬意を表し、尊重しなければならない、かような決意を持つておる次第でございます。
  25. 藤井新一

    藤井新一君 昨年の予算は百九十万五千円でございましたが、本年度は三百八十六万二千円となつているが、このように額が約倍額ですが、これはあなたの方の勧告の結果においてですか、その点をはつきりお聞きしたいと思います。
  26. 仲田良夫

    説明員仲田良夫君) 順次御説明申上げます。二十四年度の予算を組みましたときは、審議会開催予定回数を大体見込んで組んだのでありますが、その後の開催状況を見ますと、その開催回数が殖えて来ておるのであります。それから二十五年度におきましては、職員を五名設置いたしましたことによりまして、これに伴う経費が相当入つておるということのため、それから審議会事務処理に伴いまして、いろいろな経費が相当に殖えて来たために、そういう予算を組みました。
  27. 藤井新一

    藤井新一君 先程竹下委員からの御質問でございますが、事務局設置するということですが、これはこの審議会にこういうものを置くというと、他の審議会にもそういうものを置くような傾向になつて来るのは、屋上屋を架するようなものができはしないかという懸念があるのですが、その点を我々は考えたのですが、どうしても事務局を置く必要があるのでありますか。
  28. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) お答えいたします。他の審議会との関係でございますが、この審議会内容につきましては、現行社会保障制度……現在でも社会保障制度はあるわけでありますが、つまり国民健康保險とか、それから健康保險その他の社会保險も現在ある程度ございますし、つまり失業保險とか、労働者災害保險、その他保險に加入しないもので保護を要するものについては、先程問題になりました生活保護制度がございます。そういう制度が現在ございますのですが、今後の十分な社会保障制度という意味におきましては甚だ不完全でございますので、現行制度を各方面から比較検討調査いたしまして、尚、将来如何にあるべきかという構想との関連におきまして、その間に相当事務的の仕事があるわけでございます。勿論現行制度に基きましても、それぞれ関係の省で事務を担当いたしておりますが、それは勿論現在の運用の点でございまして、将来の総合的な点になりますと現在の各省ではまだ全然手を着けていない仕事もあるわけでございます。そういう新らしい仕事を取上げ、又は各省でやつておりますものを総合いたす意味におきましても、これは専任の職員がおらなければできないというのが現在までの経験でもう明らかになつておるのでございます。その意味で今度設けられます事務局も、必要最小限度職員を置いておるわけでございますから、各省の協力を求める分については、勿論各省の現在の職員でやつて頂くというような意味で、屋上屋ということにならないように細心の注意をいたしておるわけでございます。尚、副長官からも御説明がありましたように、現在ございます他の審議会につきましては、まだこの社会保障制度審議会と同じような状況にありまして、事務局設置して頂きたいという要望も、現在のところはない状況でございます。
  29. 藤井新一

    藤井新一君 分りましたが、学識経験者から一名とございますが、これは一体何を標準としてこれに関する学識経験というのですか、その線はどこに引いてやつたのですか。
  30. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) この学識経験は、勿論社会保障制度についての学識経験ということでございまして、学者その他民間方々て今日までこの社会保障制度につきまして、社会保障制度の中にいろいろ社会保險制度もございますし、それからいわゆる社会事業と言われております貧困者その他の救済事業というようなものもございますが、そういう社会保障の中に含まれる事項につきましての学識経験を持つておられる方というふうに考えて参つておりまして、そこに特にそれに関する資格要件というようなものは、厳格な意味では設けていない次第でございます。
  31. 藤井新一

    藤井新一君 ここに載つている十名の学歴職歴を十分知りませんが、念のらめに聞きたいので一々説明をして頂きます。
  32. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 学識経験者委員につきまして簡單に申上げますと、初めの大内兵衛、この方は御承知のように東大の講師でおいでになります。財政学その他についての権威者でおられますが、その次の末高近藤、園、藤林、この大内さん以下藤林さんまでの五人は学者でございますが、末高さんは早稻田の教授でありますし、近藤さんは大阪商大教授でございます。それから園さんは慶応大学の教授でございます。それから藤林さんはやはり慶応の教授でございます。末高先生近藤先生等につきましては、社会保障制度を従来から相当研究しておられます。それから藤林先生は主として労働関係でございますが、労働委員会その他で従来も御活躍になつておられます。それからその次の六番目に書いてございます清水委員につきましては、従来厚生省社会保險関係仕事をやつておられまして、社会保險局長もしておられた社会保險行政の古い経験者でございます。それからその次の勝俣さんは厚生省の元衛生局長をしておられまして、医務行政保健行政関係行政を担当せられた方でございます。その次の原泰一氏は現在民生委員連盟会長をしておられる方でありまして、昔の方面委員制度、現在民生委員と言つておりますが、この制度中心にしまして社会事業関係に長い御経験を持つておられる方でございます。その次の川北委員につきましては、金融機関専門家ということで、日銀総裁時代委員に御委嘱申上げましたが、現在お変りになりましたので、その後任については選考中でございます。その次の長尾委員は、労働省関係労働者災害補償保險委員会委員をしておられる方でありますが、従来からこの社会保障制度、特にイギリスの制度等につきましては非常な研究をしておられまして、深い学識を持つておられる本当に専門家でございます。以上であります。
  33. 藤井新一

    藤井新一君 こういう学識経験者を指名する場合は、総理大臣が指名するのだと思いますが、そのときにはこの委員会勧告をするのでしようが、やはり社会保障制度に興味を持つとか、過去において経験があるのでなければ、銀行家なるが故にとか、財閥であるが故にということで、やたらに他の者を持つて来るということになれば、この制度そのもの権威がなくなると思います。それから審議会というものは権威を持つものですから、やはり社会保障関連のある人を指名しなければ意味がないように私は考えるのですが、その点はどうですか。
  34. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 政府といたしましても御意見の通りに今後やつて参りたいと考えております。
  35. 藤井新一

    藤井新一君 その場合においては審議委員会人選をするのだと思いますが、その点は如何ですか。
  36. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 委員が欠員になつたり、又何かの事情でお辞めになるようなときには、補充する場合には審議会としては人選をしておりません。内閣の方で以て適当な人を選びまして委嘱しておる次第であります。
  37. 藤井新一

    藤井新一君 その場合には、それこそ私は勧告が必要だと思うのです。その委員会はこういうものであるという、次の補欠委員もこういう者を出して呉れという勧告をすることはできませんか。
  38. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 実際には委員会会長方々とかに御相談申上げて人選するわけでありますが、ただこの設置法から見ますと、そういう点について組織なり、或いはメンバーについて勧告するというようなことはちよつと無理じやないかと思います。
  39. 竹下豐次

    竹下豐次君 先程の御説明のうちに、この川北さんの関係ですが、日銀の副総裁をしておられたときに委嘱したのだけれども、その前にお変りになりましたので、後任の方を物色中である、こういう意味に承つたのでありますが、そういうことになりますというと、学識経験者として川北さんが選ばれておるのではなくして、日銀の副総裁であるという地位を持つておられたから選ばれておつたのだ、それがお辞めになつたから外の人を選ぶというふうになると……そういうふうに聞えましたが、私の聞き違いでございましようか。若しそうとすれば、ちよつとおかしいのですが、お辞めになりましても、学識経験者としてでありましたら、そのままに続けて貰うのが本当だと思うのでありますが。
  40. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 只今の御意見私共誠に御尤もと存じます。先程お変りになつたのでと申上げたのでありますが、実は今まで委員会を開いておりますが、川北委員は非常に御多忙で、お変りなつて尚一層御多忙になつて、とても委員会の方には出られないという御意見もございました。日銀総裁時代に御委嘱申上げたのでありますが、初め早々のことでございましたので、金融機関として、殊に国家財政と最も関係の深いという意味で、尚且つ財政について、日銀におきましては相当広い調査機関も持つておられ、調査の実績も挙げておられるという意味で御委嘱申上げたというふうに私承つてつたのであります。今回もお変りなつたことについて、先程申上げたような事情もございましたので、これはまだ正式に発令になつておりませんが、後任の問題については今選考中であるという事情でございます。
  41. 三好始

    三好始君 設置法第十條の幹事と、新たに設けられることになる事務局との関係についてお伺いをいたしたいのでありますが、設置法によりますというと「幹事は、つねに委員に対し、技術的助言及び事務上の援助をしなければならない。」ということになつておるのでありますが、こういう幹事職務から申しますというと、幹事事務局機構の中に包含しても差支えない性質のものでなかろうかという感じが一応いたすのであります。改正案のままで行きますというと、審議会委員幹事事務局、この三つの区分が全体の機構の中に生ずるわけでありますが、これを委員事務局というふうにできないことはないのじやないか、こういう感じがいたすのであります。幹事事務局との関係についてどういうふうに考えておりますか、一応承わりたいと思います。
  42. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) お答えいたします。この幹事につきましては、現在の状況を申上げますと、ここに書いてございますように、第十條の二項です。幹事は、社会保險関係のある行政庁官吏及び学識経験のある者のうちから、任命又は委嘱するのでございますが、委員といたしましては、行政庁について申上げますと、大体各関係省の次官が委員なつておられます。で、幹事関係局長を今まで幹事として任命いたしております。民間も同じくそれに準じておるわけでございますが、事務局仕事と大体重複するで、事務局に入れてしまつてもいいんじやないかという御意見もございましたが、事務局の方は常時常務中心にして調査研究等をやるということでございまして、幹事は常時という考え方ではなく、委員会の下準備等について、やはり関係方々に随時お集まり願うというような建前になつておりますので、事務局ができましても、幹事仕事が全部事務局仕事の中に入つてしまうということにはならないと考えておる次第でございます。
  43. 三好始

    三好始君 私お尋ねいたしたいのは、事務局機構とは全然別個に幹事を設けるよりは、幹事を、例えば事務局参與であるとか、名称はどちらでもいいですが、そういう形で事務局機構の中に取入れた方が、設置法の上からいつて簡潔になるのじやないか。その方が運営の上から申しましても都合がいい点がありはしないか、こういう意味でお尋ねいたしたのですが、その点は如何ですか。
  44. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 今増子政府委員からもお答えいたしましたように、事務局は何と言いましても常勤の制度でございまして、しよつちゆうそこへ来て会長の命によつて必要なる調査をし、或いは機械的の仕事をして行くところでございますが、幹事各省局長とか、或いはその他民間の人達の、外に仕事を持つた人が時々お集まりになつて、審議会にかける案の不審査をしたり何かするような制度なつておりますので、事務局の組織の中にこれを取入れるということはちよつと無理ではないかというふうに考えまして、一応その幹事事務局は併置するということにいたした次第でございます。
  45. 三好始

    三好始君 ところが先程の御説明を伺いますというと、事務局は常時職員五名を予定いたしておる。必要に応じて総理府なり、関係各省から出て来て仕事をすることになつておる、こういうお話でありましたが、そういたしますと、只今の御説明ちよつと食違いがあるように思うのですが、どうですか。
  46. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 幹事はこの設置法の十條の二項にございますように「行政庁官吏及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が、これを命じ、又は委嘱する。」とこうなつておりますが、これは実際におきましては、行政庁官吏と言いましても局長級の者でございまして、責任を以て重要な仕事をやつておる者でございます。又学識経験のある方々と言いましても、大体同じような方々社会的地位の高い方々でありまして、相当責任ある仕事をなさつておる方々でございます。従いまして、こういう方々技術的助言、或いは事務上の援助ということになつておりますが、事務局は結局会長の命によりまして、命ぜられたる仕事の機械的な処理ということ以上にはできないのでありまして、審議会審議をされるところに技術的な助言をするとか、或いは意見を述べるとかいうようなこと、不審査をするというようなことはできないのであります。全くの機械的な事務仕事というふうに考えておりまして、従つて先程私が申上げました各省から必要がある場合には援助するというような場合におきましても、実際の事務を担当する職員援助に来る、こういうことになるわけでございます。具体的に申しますと、事務局援助に、手伝いに来るものは多くは二級官以下の事務の堪能者でございます。幹事は一級官で局長級が来るというのが実際の例でございます。
  47. 藤井新一

    藤井新一君 先程竹下委員からも御意見があつたのですが、学識経験者の場合ですが、これは非常に重要な一つのことでございます。即ち昭和二十三年度にできたときは、まあそれでよかつたであろうけれども、今後その欠員とか或いは改選の場合には、やはりこの委員会が決議して、この人を欲しいという決議をして、それを政府勧告して、これを容れて貰うようにしなければ、この審議会というものの権威はないと思うのであります。総理大臣が勝手によそから持つて来て、委員長と相談はするであろうけれども、そうではなく、形式的でもよいから委員会にかけて、これを代りに持つて来たらどうだろうかという相談をして、その決議を政府勧告するというようにして頂きたいのですが、今政府はできないと、こう言明されましたが、私はこの点において甚だあなたと一致しない意見であります。
  48. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先程もお答え申上げましたように、実際上におきましては御相談申上げて、その間の意見食違いというようなことは今までないわけでありますし、又今後も政府といたしましても、この審議会を尊重する意味におきまして、御意見を伺つて人選するのが当然でございますが、設置法の今の建前から行きますと、やはり形式的には内閣が委嘱申上げる、こういうことになつておりますので、十分御意見のあるところは尊重して行くつもりであります。
  49. 三好始

    三好始君 先程の私の質問でありますが、幹事が一級官であるから、事務局職員が二級官であるからというようなことは、この両者を別個に分けで置かなければいけない本質的な理由にはならぬと思うのであります。その点から申しますと、事務局機構の定め方、運用の仕方によつては、これを統合できるのではないかというのが私の感じでありますが、この問題については、更に私といたしましても研究を進めることにいたしまして、これ以上のお尋ねはいたしませんが、この際、委員長にお願いいたしたいのは、この改定案の骨子であります審議会事務局設置するということは、提案理由の御説明によりますというと、審議会自身の要望に基いて法案提出の運びになつた模様でありますから、次の機会に審議会の代表の方に出て頂きまして、審議会の御意尾を承わる機会を持ちたいと思いますが……。
  50. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 委員諸君にお諮りしますが、御異議ありませんか。さよう取計いますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) それではさようにいたします。
  52. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 三百八十六万二千円のこの二十五年度予算の大体の内容ですが、これを具体的に伺いたい。
  53. 仲田良夫

    説明員仲田良夫君) 御説明申上げます。職員の俸給が四十八万九千六百円、手当が二十五万六千円、それからその外の諸手当及び給與金、これは委員の手当であります。これが九十四万九千六百円、旅費が八十八万円、消耗品費が十六万五千八百円、役務費が四十四万二千三百円、委託調査費が五十万円、備品費が十七万八千七百円、こういうことになつております。
  54. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 そうしますると、今事務局の五名の職員を必要とするといつておられるものは、本予算の以外に五名の又予算を追加或いは補正か何かで取られることになるのですか。
  55. 仲田良夫

    説明員仲田良夫君) 只今説明いたしました職員俸給四十八万九千六百円の中に五名の俸給が入つておるわけであります。
  56. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 そこで現在までこの事務局事務処理はどういう形で、どういう人がやつておられたのですか。
  57. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 現在までの事務処理といたしましては、社会保險仕事につきましては、主として厚生省保險局でやつておりますし、そもそもこの社会保障制度を取上げましたのも厚生省保險局でございました関係上、実際の事務的な仕事につきましては、主として厚生省保險局が中心になりまして、その他社会局それから医務局等がそれぞれの事務を担任いたしそおりました。それから失業保險、労働者災害補償保險等につきましては、労働省の職業安定局及び労働基準局が受持つておりました。尚この審議会の会合の総括的な運営につきましては、内閣の官房の審議室の方で担任するということで、まあそれぞれ関係の深いところが一応仕事をそれぞれ受持つという形で参つたわけでございます。で従来の経験によりますと、これではなかなかうまく行かないという状況がございまして、その点から審議会といたしましても、専門の事務局を作つて頂きたいという要望が強く出て参つた次第でございます。
  58. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 そうしますると、今度専任の事務局に置かれる五名の職員については、それぞれ今お話になつたような、今の定員の中から五名を選んで使用されるのか、又全然そういつた関係以外のところから新らしく採用されるおつもりですか。
  59. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 今申しました五人の職員と申しますのは、二十五年度からでございますので、二十五年度になりましてから、五人の定員の中にどういう人を埋めるかということにつきましては、具体的にはまだ決定いたしておりませんが、大体五人という職員の数が決められましたのは、事務局事務局長及び課長、課長補佐、本当に中心なつている幹部級の職員ということで、五名の定員が取られたわけでございます。勿論そういう次第でありますから、この職に就く者としましては、従来各省でその事務を担当しておつた者を充てることが一番理想的であるというふうに考えておりまして、そういう運びを進めておる次第でございますが、尚五名だけでは実は不十分なのでございまして、先程も御意見があつたのでありますが、社会保障制度審議会といたしましては、もつと実は沢山の職員を欲しいという要望であつたのでございます。併しながら予算等関係及び政府職員定員関係から申しましても、この際余り大きな増加ということはできませんので、政府としましては極力精査いたしまして、最小限度の人員に止めたという突情でございます。尚それで足りないところは、先程菅野副長官からも御説明申上げましたように、現在の各省職員を、各省定員のままで事務に協力して頂くということに考えておるわけでございます。現在もすでにそういう態勢はとつておるわけでありまして、二十五年度から五人を入れます場合に、現在何と申しますか、応援と言いますか、協力ということで各省から来ておられる方を埋めるか、或いはその外に各省で専門にやつておられる方を入れるか、そういう点はまだ決まつていない次第でございますが、勿論この点につきましては、審議会会長その他委員の御意見等も十分お聞きいたしまして、決める必要があると思つておる次第であります。
  60. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 その点は先程の三好委員から言つたように、審議会委員の方も出て貰うことになりましたから、詳しく聞くといたしまして、政府としては、当然こういう事務局設置法に伴なつ定員法の改正が行われると思うのですが、定員法の何か改正法律案か何かお出しになつておるのですか。
  61. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 行政機関定員法につきましては、まだ必要な数の整理ができませんので、提出になつておりませんが、本国会には是非成るべく早く出したいと考えております。御承知のように行政機関定員は、或る一方におきましては減るものもありますし、又新らしい事務のために殖えるものもございますので、そういう数を整理いたしまして、成るべく早い機会に提出いたしたいと、かように考えて準備中でございます。
  62. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 この機会に、先程これは三好君からいろいろ質疑があつたようですが、この幹事の件ですが、ただこの幹事の任務が、「技術的助言及び事務上の援助」ということに一応謳つてはありますが、実際は局長とか或いは次官とかという方々がこの委員であつて、而もこういつたことが実際的には非常に困難ではないか。従つてこの法律案は、こういつた今出されておるところの事務局設置を予想せない、又事務局設置がなかつた場合に、こういつたものを必要としたのであつて事務局ができ得れば、こういつたものはこの際幹事というものを廃止してはどうかという考えを持つておるのですが、当局としてはそういうような修正に対しては、どういうお考えですか。
  63. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 幹事の問題につきましては、先程からいろいろ御意見を承わりましたのですが、実は政府といたしましても今お話もありましたが、全然新らしいところに作り上げました関係もございまして、その後の運用によりまして、改善しなければならんところが逐次出て来ると思うのでございます。事務局設置という点もそういう意味で今回取上げた次第でございますが、幹事の問題につきましては、まだ経験も浅く、今後運用の点で御意見のような、御指摘になつたような点がございますれば、勿論これは研究いたしまして、改めることができないわけではないと思つております。
  64. 竹下豐次

    竹下豐次君 先程の藤井委員質問関連しておるのでありますが、お尋ねでございません。私の希望を申述べたいと思いますが、藤井君の質問に対しまして、現在の法の建前としては、委員の選任は総理大臣の方でするということになつておるから止むを得ないけれども、御意見はできるだけ尊重するという御答弁でございました。どうも各種の委員会について世間で非難されておる一つの点といたしましては、政府で選ばれておる人達が、どういう人が選ばれておるかということを検討して見るというと、ややもすれば政府のお気に入りの人と言いますか、政府の案そのものを鵜呑みとまでは行かなくても、成るべくそれに順応して行こうというような人達が選ばれる弱点があるかのように世間で言う。それでは一体審議会というものが何のために作られておるのか分らないので、まるで政府機関みたいになつてしまう。これはよく考えなければならないということは、よく話題にも上ることなのであります。一番初めに選ばれるときには、誰に相談しようもありませんので、一応政府の方でお選びになるということは止むを得ないことだと思いますが、こういうふうに権威者がお揃いになりました以上は、一応案は政府の方でお作りになりましても、その提案されたものを審議会にかけて、その承認を求めるとか、何らかそういう方法で審議会人選に関する権威を與えるということがいいのではないか。或いは又心配しますれば、政党内閣が強くなればなる程、或いはこういう方面にもその手が入つて行く危險がないとも限らない。これも心配の大きな点だと考えます。各種の審議会方々でできておりますが、今どの審議会も出発した際であります。非常に大事な時期でありますから、今のうちにそういう点をお考えになりました方が、将来の発展のためにいいのじやないか。審議せられる上にも非常に効果的になるのじやないかと思うのであります。私は初めからすべての人をこの委員会人選して、そこで案を立ててやらなければいけないというところまで申上げるのではありませんが、この案を政府の方でお立てになりましても、一応ここに相談して、そうしてその審議を待つてやるということがいい。尤も国会議員である委員官吏である委員というものについては、そうも行かないかも知れませんが、その外の委員につきましては、お互いが世間を広く見ておられますから、長くそれに従事しておられる点もありますから、政府の案が出ました場合に、この決議はちよつと困る、これは立派だというような公平な判断ができる、こういうふうに思われます。政府の方から荷が軽く進展ができるじやないかと思います。そうなりますと、法律改正の点からお考え頂かなければならないことだと思います。でき得べくんばそういうことにお考え願いたい。これは御答弁を要求するわけではございません。私の希望だけを申上げて置きます。
  65. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 一つ私伺つて置きたいのですが、この法律案の第四條第一項中「会長、副会長及び常務委員各一人」云々とありまして、常務委員を削つてしまう理由はどこにあるのですか。
  66. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 常務委員は四條の三項にございますように、「議事及び提案された意見を記録する」ということが唯一の仕事でございまして、全く事務的なものでございますので、これこそ事務局職員がやるべき仕事だと思われますので、事務局設置に伴いまして、常務委員制度は当然要らないと考えまして、これを削除したのでございます。
  67. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 分りました。
  68. 三好始

    三好始君 事務局長はどの程度の人が予定されておりますか、待遇、地位など……。
  69. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 十四級の官吏でございます。大体各省局長級でございます。
  70. 三好始

    三好始君 本日はこの法案以外に予定がありますか。
  71. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) もう一つ予定しておりましたが、これは都合によりまして明日に延します。法律案としましては、これだけであります。
  72. 三好始

    三好始君 本日は第一回でもありますから、この程度で打切つたら如何でしようか。
  73. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 御異議がなければ、さようにいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  75. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) それから明日一時から電気通信省設置法の一部を改正する法律案につきまして、電気通信委員会と連合委員会を開きます。御承知願います。それから理事補欠互選というのがありますが、今日はこれはいたしません。これを以て散会いたします。    午後零時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            カニエ邦彦君    委員            小林 英三君            藤井 新一君            小杉 繁安君            竹下 豐次君            三好  始君   政府委員    内閣官房副長官 菅野 義丸君    総理府事務官    (大臣官房審議    室首席事務官) 増子 正宏君   説明員    総理府事務官    (大臣官房審議    室)      仲田 良夫君