○
政府委員(
宮幡靖君) 具体題な御
説明をということでありますが、御尤もだと存じますが、実際に今度の
法律が佐々木さんが今お見えになりませんが、
民有民営ということが冒頭に書かれてある
法律なのであります。従
つて国家管理の観念から生れまするものはこの中には生れて参らないわけであります。この点はどういうふうにお叱りを受けましても、
法律案に対しまして
国会側の御
意思がいずれにあろうとこれは我々の関したことではありませんけれども、国家管理と同じような命令や政令によ
つて促進されるということはできないわけであります。どうしても民営民有の
会社の
企業意欲に俟たなければならない。
ところがお尋ねの点は尤もとして、
日発の従業員が怠けているのかという
言葉がありましたが、さようには
考えません。私が
日発に参りまして
電気の事情はどうな
つておるかと、我々素人が皆さんの御
質問にお答えするためには
日発の中央指令も暫く行
つて眺めていろいろ
研究しまして、これは自己
研究で甚だお粗末でありまするけれどもや
つております。そうして総裁副総裁或いは労働組合の方々ともお眼にかかりましても、まあ一諸に置いてくれという意向が強いのでありまして、それがどうしても
分割しなければならんというので、こうなるとどうなるであろうという不安が多くて、事実において仕事は能率的でありません。
ところが民営民有に
なつたら即時切換えられて速かに秩序をも
つてやるかというとこれは問題でありまして、御指摘にように採算主義をと
つて参りますと非常にうまく参らない点もあろうと思います。併し
日発、
九州の例で、門屋さんの割合お近くの築上
火力発電所のごとき、これは特に
開発命令を出して、そうして田川
地区の低品炭を、安い
火力の
供給をするために入れておりますけれども、二月頃に漸く著手したという
程度であ
つて一向に工事が進捗しておりません。若し低品炭を買うことによりまして、非常に過剩にな
つて来ました
石炭を焚いて安い値段で民営でや
つて行くことになれば一番工事が早くなりはしないか、こう思います。これらは低品炭を処理することによ
つて田川
地区を救い、而も安い
火力の
電力を得られるのでありまして、これらが促進されないというのは大いに非能率的な実例じやないか、かように
考えております。
それからその次の問題の、
電力不足で従来
開発するのに御指摘のように一キロに対して八万から九万円の
九州と、中部では五万円乃至六万円、或いはもつと安いかも知れませんが、これと比べて誰が私
企業でやるかということは、相当
研究を要し疑問を持つのでありますが、この
法案の立案に
当りまして、例の五人
委員会の御
意見等も聽きますと、これは同じような状態に行けば誰も高い
開発はしない、併し
料金差等がついておればその
地域差をカバーして行くだけの
開発というものは早く行くであろうということが、これは
電気事業に
関係しておりました方々の古い経験から割出した議論として承
つております。これは丸呑みにはいたしておりません。併し
九州に今の
産業がありまして
電気は一応量においては
供給できる状況にな
つておりますが、
火力電気料金の負担が重くてそうして
産業の
コストに影響を及ぼすならば、これはただに
電気供給会社によ
つてのみ依存せずに、みずからの
電源の
開発と
自家発電等において大いに
開発が進むであろうと、これは期待しておる次第であります。特に宮崎県におきまして
上椎葉、大分県の県営でや
つておりますものは、これはいずれにしましても
九州地区の
電力料金というものは今度やろうとするのは高いのですから、
開発した方が利益であるという点におきましては一応高い県営は
資金の
供給さえできますならば
開発いたしまして、消費者にこれを売りまして、そうしたよその
地区とは違
つて元が高いので高く買
つて貰う。併しながら消費者の側から申しますれば、やはり高い額で買いましても現在の
料金制度の
火力負担をするよりもよいものが
供給できる、こういうような
関係が生じまして、やはり
電力の
開発が或る
程度促進されるであろうと
電気事業の経験者が
考えております方向が、私は一応正しいと、かように
考えているわけであります。これを
只今のところ具体的に申上げる
資料も持
つておりません。若し事務当局の方にありましたら
電力局長から答えさせることにいたしたいと思います。