○
参考人(
高橋正一君)
高橋でございます。お
手許に「
地域間の
電力融通について」というガリ版閉じの冊子をお配りいたして置きました。これを
参考にして頂きたいと思います。
只今委員長から
お話のございました
地域間の
電力の
融通の問題につきまして、私はどういう
考え方でこれを
整理して、
記録として出したかどうかということにつきまして、その
考え方の大要をこれから申上げたいと思います。
この
地域考の
電力融通という問題は、今度の
審議会で初めて問題に
なつたことでは実はございません。この前
民主化委員会がございましたときにも、この問題がしばしば討議されまして、当時の
答申書にございますように、
地帯間の
電力融通を円滑に行なわしめるというようにという
趣旨の
答申の中にはつきりとした
字旬が書いてございます。
地帯間の
電力が円滑に
融通されるか、しないかということが問題になると思いますので、それでこれはやはり
実績によ
つて検討したのが一番よろしい、こういうたうに撲は
考えた次第でございます。そこで昨年の末から
審議会に提出されておりまして、今年の一月の九日に
松永さんから発表されましたいわゆる
松永私案につきまして、これは
発電所の帰属が
九つのブロツクの現在の
配電会社に対して、どういう
発電所に帰属するかということがはつきり指示してあ
つたわけでございますが、その
資料につきまして
検討を
行なつたわけでございます。そこでやります順序は、この、今お配りしました第一頁の
おしまいの方に
ちよつと書いて置きましたのでございますが、
最初の貢の
おしまいの方に書きましたのでございます。この一
年間の
記録を先ず調べるのでございますが、どの
記録が一番新らしいかと
思つていろいろ調べましたところが、昨年度の
記録が今
日本で
検討できる、当時の
記録としては一番新らしいということがはつきりいたしましたので、その
記録をお持ちの
日本発送電へお願いいたしまして、
昭和二十三年度の全体の
記録を細かに見せて頂いたわけでございます。その要旨はそこの緒言と思します中に書いて置きました。その大部分はすでにこれは
電力局に提出されました
公表済の
資料でございます。その
資料を基にいたして
検討してお
つたわけでありますが、段々や
つて参りますうちに分らないところがあるものですから、その分らないものは毎日の
日本発送電の日誌なり或いは日報というものがございまして、それをいろいろ見せて頂きました。そうしてこれから申上げますような可成り手のかか
つた整理をいたしたのでございますが、これは私と一緒に手伝
つて呉れました人は、
日本製鉄の私の部下でございます何名かと、それから
資料をお持つの
日本発送電の方が
資料を出し方が分らないのでいろいろお手伝い下さいました。それでまとめますところは主として私
日本製鉄におりますが、
日本製鉄関係の者がまとめまして、後の
勘定の間違いがあるかどうかを一応
日本発送電の方にも何と申しますか、チエツクと申しますが、
検討して頂きまして
整理いたしたものでございます。それでその後もう少しこれより新らしい
資料もあるという
お話もありましたので、現在その方の
整理にも手をつけておりますが、まあ昨年の暮から今年の初めあたりにかけましては、この
資料が一番新らしいことなもんですかせ
実績分析をやる、こういうことで
実情を冷静に
検討して行く、こういう態度をと
つたわけでございます。そこでこの後に
図面がございますが、この
図面でお分りのように、例えば、この
地区は
関東でございますが、それが
猪苗代の
方面でありますとか、或いは梓川の
方面でありますとか、外の方へ、いろいろ
発電所を
区域外に持
つておるようなそういう案でございますので、一応おつしやるように
発電所の所属を決めて図上ではつきりいたしました。それから
発電所が決まりますというと、その次に
送電線が決まるわけでございますから、
送電線も
松永案に示された
通りに決めました。それから今度はその
送電線を通じて、どういうように
昭和二十三年度に実際の
電力が
融通されたかという、その
融通されたのを
月割りにして
統計を取りました。そして
月割りにして
統計を取りましたものを合計しましたものを
融通電力量といたしまして、
答申書の中の「
資料一」とというところに提出したわけでございます。
ところで
融通電力量は
実績でそういうふうにはつきりいたしましたが、さて
九つに分けまして果してその
融通ができるかどうかということは、これは
融通量の
検討に
なつて参ります。そこでその
検討をしますのには、どうしても或る
仮定を設けなければその
検討ができませんので、それでその
検討をいたしますのに
仮定を設けたわけであります。その
仮定等につきまして二頁に書いでございますが、「
電力不足算定の
前提條件」というところで二頁にその
考えた
前提が書いてございます。この
前提がそこに四つ書いてございますが、この中でどうしてもこれは
最後まこの
資料をまとめますのにはなければならないというような
前提は
三つでございまして、後の
一つは先ず先ずというような
前提でございます。それをこれから申上げたいと思います。
そういう
実績の
分析をいたしますのに、先ず今
日本の
電力は
不足しているのか、余
つているのか、或いは
需要供給が大体バランスしているのか、このどつちだろうということを
考えて見たわけであります。ところがこれを
考えますのにつきまして、
電力局の
担当抜官の方から
資料を頂いたわけであります。それははつきりしておる、
日本の
電力は非常に現在
不足しておる、その
不足の
程度はどういうふうな
不足であるかというと、
年間において一〇・一%それから
最大電力だと二三%
不足しておる、この
不足の
数字で
只今見返
援助資金を
貰つて、そうして
日本が
発電の建設を着々と進行しておる
状況である、この
数字を上げよう、こういう
お話なもんですから、有難うご
ざいますといつてその数字を頂きまして、そうして第一
前提としまして、
日本の
現状は
電力が足りないのである、絶対量が
不足しておるのだ、こういうことを
想定いたしました。この
想定が正しいか正しくないかということは、
一つお聞きの皆さんに御
判断して頂きたいと私は思います。それから二番目に
送電、
配電の
設備は一応
現状の
通りとする。こういうふうな
仮定をしました。これは仮に私が
九つに分割されたとして、その
一つの
ブロック会社の立場に身を置いたとして
考えますというと、今度はこうもしたい、ああもしたい、こうすればよくなる、
設備を整備したいということが沢山出て参ります。併しそれを一々や
つた後では
検討が複雑になりますので、それは後廻しにいたしまして、取りあえず現在の
状況でそのまま
九つに分けた、こういうふうな
想定をいたしました。それが第二でございます。それから第三番目の
想定といたしまして、現在は御承知の
通り東の五十
サイクル系、西の六十
サイクル系の
系統がございまして、これが全部繋が
つて、いわゆる
電気で申しますと
並列運転ということをいたしております。今度
九つに分かれたらそれがどうなるかということを
考えますのに、それはどういうふうにしようかとこれはいろいろ
迷つたのでございますが、一応九
ブロックのことを主張される方の外の
條件を見まして、例えば
発送配は
一貫だ、繋が
つておるんだ、横の方は構わない、縦に繋が
つておる。こういう御主張が強いようでありますし、又
サイクルは
責任を持
つて今度は調整されるといいますし、電圧が保持されるといいます。それから又
故障のときには非常に
責任の所在を明確にされる、こういうものですから、それでは現在や
つておるような非常に大きな
送電連繋、これはなさ
つてもいいが、併しまあ普通はなさらないだろう、こうしたのでございます。併しこのことはどちらでも後の私の
結論には余り変化して参りません。や
つておるうちに
工合が惡くなれば、
送電の
連繋を断つわけでございまして、もともと
発送配一貫というそのことを技術的の
意味にとりますと、非常に大きな横の繋りがあるということは本来の
趣旨から離れますので、一応
仮定はいたしましたが、この
仮定は今申上げました
通り、どちらでも後の
検討にはそう著るしい影響を與えて来ないことになります。そこでそれから附隨して参りますことを申しますれば、
九つに分ければ、お分けに
なつたところは
自分の
ブロックへの
供給が第一になるでございましよう。外の
ブロックは第二義的な問題になりましよう、まあ
自分の
ブロックが可愛くて、二番目に他の
ブロックが可愛いということになりましようということを
想定したわけでございます。併しこれもどちらでもよろしいかと思います。
それから次に自然に出ますことは、
自分の
火力を焚きますような場合、高い
火力を焚きます場合に、お隣りの
ブロック、
火力が遊んでお
つて、向うが
火力を焚かないのに、こちらから
火力を焚いて差上げるということはしないでしようということを
考えたわけでございますが、これもどちらでもよろしいかと思います。
その次に第四番目の
前提條件でございますが、これは絶対でございまして、これは
公益事業委員会が或る
程度そこに働きかけまして、そうして
電力の
融通は
融通契約でやるということであります。命令されてやるということはないのであります。
つまり外から強い力が働いて、統制されて
電力の
融通をするとか、或いは現
在日発でや
つておられるように、一本で
給電を
考えてやるとか、そういうことはしない、つまり何でするかというと、
電力融通契約という
契約を、これは普通の商的の
契約でございますが、その
契約を
ブロック間、当事者間でお立てに
なつて、そうして成るべく
工合のいいように両方で
話合つてなさるでしよう、こういう
仮定を置いたわけでございます。ただそれをやりますときに、なかなか話が決まらなければ、そこへ
公益事業委員会が適当な
斡旋をする、併しその
公益事業委員会の
斡旋は飽くまでも
調整機関でありまして、つまりあそこの
答申案の中にありますような性格のものでありまして、その
公益事業委員会が命令したり、それからして明日の
配電はこうやれ、明日は何処へ持
つて行けとかいうようなことは、
故障時とか特別の場合は別でございますけれども、日常の
業務に介在しないという、そういう普通の建前を取りました。
以上の四つを大きな
前提條件といたしまして、後は
電力不足を
分析して行
つたわけでございます。その
電力不足の
分析はどういう
判断をして決めたかということがその次の第三番目に書いておりますが、この
電力不足算定に
判断基準でございますけれども、これは現在の
日本発送電のや
つておられる
送電を今度の
九つの
ブロックに分けたと
考えまして、そうして
電力融通が現在ございます
本州中央部と九州まで、その間を
九つに分けて見ますと、四十一
ヶ地点の
融通点が出て参ります。この四十一の
融通点について、原則といたしまして毎日の各時間の
電力融通がどう
なつておるかという毎日の刻々の時間の
融通を調べてこれを
判断したわけでございますが、その
判断をいたしますのに、これは
電力融通契約で行くわけでございますから、その
一つは、そこに一、二、三と
三つございますが、
一つは大体その
融通点の
電力の
融通を見まして、そうして一方の
会社から他の方の
会社に常時的に流れておる
電力、これは適当な
話合で
融通が当然できるものと
判断しまして、こういうものは全部
融通ができることに入れました。それから二番目に、今度はその或る
地点の
融通を見まして、それが時間的にも、それから大きさの、量的にも非常に変
つて行くようなもの、これは
ちよつと
契約できかねる、今日はこう
思つているときに、ちつともない、それから或るときは非常に多く行
つておる。そういうような不規則であるものは、これは
ちよつと
融通の
契約ができかねる。こう
判断いたしました。第三番目に、
一つの
地点において甲の
会社から乙の
会社へ
電力が行
つておる。次の瞬間には乙の
会社から甲の
会社へ行
つておるというふうに、非常にそれはそこのところで
電力が行
つたり来たりしておるもの、そういうものは
契約が困難である、こう
考えました。それからもう
一つ非常に
一つの
会社が不利な
契約がございます。例えば片一方の
会社は、
自分の今
発電所の持
つておる
サイクルを変えて、そうして外の
発電所へ
融通してやる、
ちよつと
サイクルを変えるということになりますと、言葉は簡單でございますけれども、実際の
発電所の作業は、
操作は、それは或いは十分なり十五分なりでできると思いますけれども、一方の
発電所の全体の
系統から
一つの
発電所を外して止めまして、そうして外の方へ連絡しまして、
回転数を、周波数を変えまして、外の方に送るのでございまして、その間に機械を調整するというわけでございますから、これは現在は行われてはおりますが、
違つた会社になると、なかなか思うように行かないということで、これは
融通困難、こういうふうに
判断したわけでございます。結局大体規則的に行
つておるものは、これは
契約できるだろう。極めて不規則なものは
契約できないだろう、こういうふうにしたわけでございまして、この
判断の
基準を決めますのに、專門家にいろいろ
意見を
伺つて、こういうふうに決めた次第でございます。
それからあとの
お話は、ずつと今度は
不足電力の計算をして行くわけでございますが、これはそこに細かいものがずつと
記録してございまして、これは一々ここで
数字を申上げるということは私省きたいと思います。ただどういう
考えでや
つたかというその
考えを一、二代表的に拾
つて申上げますが、あと細かい
お話を全部ここで申上げるということは省きたいと存じます。そこで例えばどんなことをしたかというその一、二を、例を取
つて申上げたいと思います。そこで例えば一番
最初に出ていますのでございますが、三頁の真ん中頃のところにございますのですが、先ず
東北の
不足電力を
勘定しております。これは昨年の、飽くまでこれは
実績でございまして、
実績でこういうふうに
なつたということ、そこにございますように、一、
日和田というのがございまして、
日和田と申します
変電所でございますが、これはこの地図で見まして、ここのところのこの
地点でございます。
関東のこちらの方の
電力を
東北に送り、この
電力をこつちへ受ける。この
地点でございます。この
日和田と申します
変電所の
融通地点につきまして、
考えた行き道を
ちよつと申上げます。これはそこにございますように、二十三年の四月から二十四年三月までずつとここに書いてございまして、
ちよつと見ますというと、これは
東北が
関東から
貰つておる
数字でございます。
毎日ちやん
ちやん貰
つたおる。ですからその中のまあ適当な
数字をと
つて貰えるということにしようかと
最初考えたのでございますが、先ず毎日はどんなふうに
なつておるだろうという毎日を見ましたところが、これはここの
参考資料に書くつもりで、まだ実はお
手許の
資料には付いてはおりませんが、
只今ここにその
参考にいたしました
図面がございますので、この
図面をこれからお廻しいたします。これは
豊水期の七月の十九日から七月の二十七日までを取りまして、
渇水期は二月の十一日から二月の十九日という日を見てみたのであります。そうしてこの中の
最初の七月の十九日でございますが、これを見ますというと、
東北から
関東へ
相当の
電力が行
つておるのでございます。それで成る程不規則な
電力が行
つておりますねというわけで、不規則なものにびつくりしたわけでございますが、それではそのときに一体当日の
電力の
融通予想はどうでしようかというので、その当時の本当の
記録を探して見せて頂きました。ところが当時の、その前日に翌日の
予想をせられた
日発の
融通というものは反対なんでございます。これと反対に、これは
東北から
関東へ来ておるのですが、実際はその前日の
予想は
関東から
東北へ行くように
なつておるのですね。そういうふうに
なつておるのに
実情は違
つて来る。何故違うかという問題なんでございますが、これは全体を最も経済的になるように、刻々の
配電をしておられる。刻々の
送電の
電力融通をや
つておられるという
実情から生れて来たものでございますが、
専門家の
日発の
給電の方が、つまり翌日の
予想とは
違つた実情が
実績として出ておる、こういうようにもう瞬間々々の違いというものが非常に大きなものだということが段々
分析しておるうちにはつきりして参りまして、こういうような
融通は
一体日発は今どうしてそこの
融通をしていらつしやるかと聞きましたところが、現在はそういう
融通は問題にしていない。
発電をできるだけ多いところへ
融通するように
融通するようにや
つておるので、
融通点というものは現在問題にしていない。そこに皺寄せされた結果でございますよと、そういう話であ
つた。そういうことかと初めて了解したわけでございますが、とにかく
実績はこういうわけでございまして、非常に不規則に
なつて、時間的にも大きさも極めて不規則でございます。その中にいろいろの
意味がありますが、こういうふうに
なつておるという
実情を……。
ちよつとお廻しいたします、
図面を作
つて来ませんもので……まあそういうふうなわけでございまして、結局
日和田には
融通は
ちよつと
契約ではできない、こういうふうに
判断したわけでございます。そういうふうなものを沢山いたしまして……。まだもう
一つ申上げますが、その次の
ページに行きまして、五
ページに
関東の
不足電力というものがございますが、その中の六番目に
猪苗代第四番、こういう
地点がございます。この
猪苗代第四番、ここで
東北が
関東に
融通する分、これは
相当量
融通できるということにいたしたのでございますけれども、その
融通をどういうふうにして決めたかという、その決めた
考え方でございますけれども、ここは大変むずかしいので、これは
昭和二十三年の毎日の
記録を克明に取
つてグラフに描きました。これは
相当の手数でございましたが、とに角毎日のやつを書きました。そしてこれも
只今お廻しいたしますけれども、その下の方が毎日の日でございまして、上の方が
発電の
電力を取
つてございます。これはキロワット時で
電力が取
つてございます。
相当波を打
つている。その中で面白いのは
正月でございまして、一月の初めにはぐつと落ちておりますが、これは
正月には
猪苗代の
湖水の水の放流を止めまして、そうして
猪苗代に溜らなか
つたという時の水の状態が出ておりますから、こういう
地点も
参考にいたしておりますから、
猪苗代の水が溜らなくなるように
なつて参りますというと、丁度この一番下のここの
グラフの一番下の
地点に来るのである。こういうことも想像されるのでございますので、一応この計計からずつと参りました
電力の
不足の
状況では当然
猪苗代の
湖水の
貯水が困難であるというような
結論になりますので、この
貯水は仮に溜りましても
ぐつと下になるのであろうという
実情を
想定いたしまして、この適当と思われる所を
中心といたしまして線を引きまして、これを
中心として上下の
融通が行われるであろう。こういうふうに
判断をいたしました。まあこんなようなふうにいたしまして、後の細かい
地点につきまして一々そういうことを申上げるのは恐縮でございますので、それは
一つ省かして頂きます。そうして
最後にどういう
結論を得たかという、一番
最後の
ページの
結論を申上げたいと思います。
それでこういうようなふうな
調査を続けました結果を総合しますといとう、そこに
三つイ、ロ、ハと
結論が書いてございますが、
九つに分割しますというと、需給のバランスが悪くなりまして、
地帯間の
融通が若し行われない場合には、
年間で
電力不足は一五・七%になる。つまりこの一五・七%というのは
融通量の
実績でございますが、
実績が一五・七%であ
つた。こういうわけでございます。それから
不足最大電力は二〇・三%、これも
実績でございます。次にこの中で
本州の
中央部、
関東、中部、北陸、それから関西でございますが、そこでは
年間の
電力量におきまして一九・八%、それから
最大電力において二二・一%の
不足ができる。こういう
勘定になります。
それから二番目に、今度はそれを一応
九つに分割して、そうして各新らしい
ブロック地区では、
自分の所で
発送配一貫で大体いいという
お話でありますけれども、
実情はそういうふうに一五・七%にも
融通の
実績が
なつておりますので、今度はそれを普通の
電力契約で極力
融通するというような
仮定を置いて
操作して見ますというと、やはり極力
融通したものと
考えても地滞間の
電力の過
不足は著しくて、そこで
年間におきまして
不足の
電力量が一〇・九%、それから
不足の
最大電力量が一四・八%ということになります。特に
本州の
中央部だけを取
つて見ましてもその
数字は一三・六%、それから
不足の
最大電力量で一六・四%というふうに、可なり大きな
数字に
なつて参ります。そこでこの
数字から得ました
結論といたしまして、
地帯間の
電力融通が阻害されては大変でございますし、それからこの
数字というものは
相当大きな
数字でございます。例えて見れば、
一つの
配電会社がなく
なつてしまうような
数字でございます。小さい
配電会社がなく
なつてしまうようなこの
数字を、
只今うまくや
つておるのに、
電力不足の
現状で更に減らして
しまつては甚だ面白くないと、こう
考えましたので、適当な
対策がほしい。その
対策はいろいろございましよう。或いは強力な
融通措置を構じてやる方法もございますし、又私共の
考えましたような
融通会社で以てこれを現在に近くや
つて行くというやり方もございましよう。いずれにいたしましてもそこから先は
意見でございまして、
数字の
分析というものは明かに
只今私が申上げましたような
仮定の下に、
想定の下に
操作を進めて行きますというと、ここに申上げるような
数字になる。それでこの
仮定とそれからしてこういう
操作とは果してこの
仮定、
想定が現在の
実情に適しておるかどうかということが、これが御
判断して頂く問題かと私は思うわけでございます。後これにつきまして私のいろいろの
意見とか、その
審議会後の又檢討というようなことにつきましては、時間がございますれば、後程又申上げさせて頂きたいと思います。ここではただ
実績分析……
実績そのものが一五・七%の多きに
亘つて昭和二十三年度の
実績に
なつてお
つた。そういうことと、それから尚もう
一つ附け加えて申上げたいことは、もう少しこれが最近の一年だ
つたらどんなふうになるかということを
考えまして、
昭和二十三年の十月一日から
昭和二十四年の九月の三十日のその一ヶ
年間を取りまして、その後
検討を進めました。ところが
融通地域間の
電力を
融通しております総量は五十一億六千六百万キロ・ワット・アワー、こういう
数字が出て参りました。この
融通の
数字、これも
実績でございます。これらに対しまして私の所感或いは
意見と申しますようなものは、
一つ又後で時間がございましたら申上げさして頂くことにいたしまして、取敢えずどういう
考え方でや
つたかというその
考え方だけをここに御報告いたします。