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説明員(秋山武夫君) 纖維局の纖政課長の秋山です。纖維
産業関係につきまして概略の御
説明を申上げたいと思います。纖維
産業は御承知のように終戰後逐年
生産量を上げておりまして、従
つてそれに所要の
電力量も
需要としては伸びる一方でございます。本年は、本年と申しますのは
昭和二十四年度でございますが、二十四年度と比較いたしましても、例えば第四
四半期におきちしては、第三半期から或る
業種は約五割、少い
業種でも一割以上の増産ということにな
つております。最近いろいろ統制が撤廃せられました
関係から、いわゆる
計画生産ということは殆んど綿以外には余り行われていないわけでございますが、全体の
需要といたしましては、他の原材料その他の
見込から出しましたまあ
生産計画と言えないかも知れませんが、
生産見込量から見ますると、第四
四半期におきましての所要
電力量は二億五千五百万キロということで
安定本部の方へお願をいたしたようなわけであります。それに対しまして、
割当を受けましたものは一億七千五百万キロでございました。これはいずれも
大口産業、先程の五百キロ以上の工場のみであります。
大口産業のみにつきまして
割当量一億七千五百万キロの
割当でございます。
需要量に対しましては非常に低いことになりまして、従来大体まあ不足の場合も八割前後までは
割当を受けてお
つたのでありますが、
平均いたしますと六割何分かになるわけであります。纖維
関係の中で然らばそれをどう分けたかと申しますと、御承知のように纖維にはいろいろの種類がありまして、まあ我我の立場から申しまして最もやはり重点を置きますものは綿
関係殊に
輸出品の綿でございます。最近の
実績から申上げますと、金額におきましては総
輸出額の約七割が綿糸及び綿布の
割当を
輸出によ
つて得られておるというような
関係もございまして、最も綿
関係に重点を置いておるところでございます。併しながらその他の
業種におきましてもそうひどい差をつむるというわけにも参りませんので、結果におきまして綿
関係が
所要量の八四・五%、それからこれらに関連いたしまする染色
事業、染色
部門の中のやはり綿に使いまするこれが同一で八四・五%、その他の
産業は
平均五七%コンマ以下では多少の変動がございますが、概ね五七%ということで
割当をいたしましたわけであります。尤もこの中には化学纖維即ちスフ、人絹を含んでおるわけであります。私共の方といたしましては、スフ、人絹につきましても
平均五七%ということで
割当をしたわけでありますが、その中には実は千二百八十万キロ程の自家発電量を
計算しておるわけであります。従いまして若しその自家発電量を除いて配電分だけで
割当率を
計算いたしますと四八%ぐらいになるかと思います。この点につきましては化纖業界の不満も
相当あるのでありまして、現に
安定本部等に対しましても、自家発電分についてできるならばこれは総
割当量の中から除外をして
割当を願いたいということをお願いをしておるわけでありますが、これは纖維
関係だけでなく、
一般の自家発電に共通の問題にもなります
関係から、必ずしもまだ御賛成を得ていないという状況であります。纖維は御承知のようの
電力の全体に対する全
生産品に対する比率という点から見ますると実はそう大きなものにならないのでありまして、これは
化学工業と重工業というものとは非常に
相異いたしております。併しながら今回の
料金改訂なり或いは定率
料金の
割当比率というものから見ました場合、私共のこれは推算が可なり入
つておりますが、全
生産コストから見ますると大体一%前後の増加ということで行
つております。これは
大口だけの話でありますが、調査をいたしました結論では全
生産コストに対しては一%前後ということにな
つております。併しながらその中の約一割を占めております加工賃、これは主に綿で申上げておるわけでありますが、六万六千円の中の加工賃が約七千円を占めておりますが、それに対する比率から申しますと、やはり今日の改訂による値上率が加工賃だけで見ますと約一割位値上りになるという結論にな
つております。すでにいろいろ運賃の問題、或いはこの
電力の問題、その他原材料、例えば染料のような問題ということでそれぞれの比率は僅か零コンマ
幾らかの値上りでありますが、最近の半年ばかりの間に纖維
関係でいろいろコストの値上りを見ました要素が重
つておりまして、現在
輸出関係の
製品で、例えば一千トン上るということになりますと、これはもう世界の市場で太刀打ならん結果になるわけであります。実はその比率そのものは零コンマ
幾らありましてもぎりぎりに詰めておる現在の業者の採算上から申しますと、今回の
電力料金の問題というものは非常に深刻な影響を與えておるということが言えるわけであります。殊に実は私共はつきりデーターを掴んでおりませんですが、
大口でない、即ち
小口の
部門織布染色或いは紡績につきましても絹紡等のようなものにつきましては
小口が非常に多いのであります。これらにおきましては少くとも三倍、私共の聞きました実例は最高十一倍半ということでございましたですが、これは
料金の額でありまして、少なくとも三倍以上の
料金という状態であります。従
つてたださえ非常に苦しんでいる中小纖維
産業にとりましては、今回の
電力問題というのは到底永続性を持たないと言わざるを得ないと思います。尚これは御参考までに次の第一
四半期に対する私共の希望を極めて概略申上げて見たいと思います。
最初に申上げましたように、纖維の
生産実績は毎期増加する傾向にあります。殊にまあ一——三月と申しますのは例年やや落ちる時期であります。これは季節の
関係等もありまして落ちる時期であります。いよいよ四月——六月ということになりますと、又
生産が
相当急カーブに上
つて来る時でありまして、
所要量といたしまして今概算いたしておりますところでは三億五千万、
計算のいたし方によ
つて三億五千五百万という
数字も出ております。或いは三億四千三百万という
数字も出ております。大体三億四千万——五千万というものを頂きたいということで今
安定本部の方にお願いをいたしているわけであります。約三割弱の増加になる
見込でございます。尚御
質問によりましてお答えをいたしたいと思います。