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尾崎行輝君
只今のも尚よく
考えて見ますが、第三番目の、この前も
お話申上げたように、どうしても
受信機の
メーカーの
保護奬励がなければこの
法案は本当に画ける餅であるということにつきましては、要するに聞えない、聞えるとしても非常に困難で普通の素人には調整できないような状態にあるということですね、そうするとどうしても
メーカーを
保護奬励して、いい
受信機を、
スーパー式以上のものを一般に普及させなければとても折角の
民間放送を許しても全く駄目であるというこのことに対してこの前は
電波庁長官から
御返事を頂きましたのでありますが、どうも誠に私にはそれが不満足であります。要するに、
アンテナを立てるとか頻りに言
つておられますが、私がそのことについて常々
考えて見るに、
自分の家が逗子にありますので、途中電車の中でずつと見てみましたが、
アンテナを立ててお
つたのはたつた一本しかない。昔は御
承知の
通り頻りに
アンテナがあ
つたのでありますが、
アンテナはもともと面倒なもので、実際に風が吹けば壊れてしまう、とても困難なものであります。それでありますから、全部に立てさせる、何万という人に立てさせようというのは随分無理な話である。又
アンテナを立てても十分に分離して聞くことはできないというのは大体の
常識にな
つておりますから、殆んどこれは
間に合せ主義としか思われないのであります。何か
大変姿をよくするために、
ちよん髷をするというようなお説のようで、時代遅れというようにしか感ぜられないのであります。これはもつと親切に、本当に
聽取者のためを
考えて、そうして
メーカーの
保護奬励のできるようになす
つて頂くことを、この点は、私は特に強く申すのであります。これなくしては、どうしてもこの
放送は画ける餅であ
つて、実際にはとても
民間放送は発達しないものだ。聽く者がないからして、
広告を
放送局の方へ、
民間放送局に出すものはない。結局潰れてしまうんだというふうにしか
考えられないのであります。何とかしてこれを
保護奬励して貰いたい。この前のこの
質問に対して、
大臣の御
返答は、
メーカーには
補助金でも與えて安くするという、特別にそのために金をやらなければならんというふうな
お答えでありましたが、私の
考えておるところは、今の
聽取料、例えば少し増して、こういう金で、今から申しますると余り具体的になり過ぎるかも知れませんが、例えば五十円にしてそれを
政府その他の適当な
機関に納める。そのうち二十円くらいを
NHKに拂う。後の三十円をも
つて補助するというふうになりますると、今の第三の
聽取料をいべて
NHKに拂うという妙なこともなくなりますし、
保護奬励をこれだけでやるということもはつきりしてよいのじやないか。この前の
お答えには、三十円やそこらではス千円の
受信機は買えないのだというような
お答えがあつたが、これは驚くべき
お答えであ
つて、かような非
常識なことは、これは誰も
考えておらない。
保護奬励に使うということで、どうか、普通の
人達の
常識で
御返事を願いたいと思うのでありますが、そういうような何か
裏付のあること、
メーカーに対する
保護奬励の是非できるということの
條項をこれに入れて頂きたいと切に思うのであります。それでなければこの
法案は全く駄目であると決定的に思うのでありまするが、如何でありますか。