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1950-03-14 第7回国会 参議院 電気通信委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十四日(火曜日)    午後一時二十六分開会   —————————————   委員の異動 三月十日委員藤枝昭信君氏任につき、 その補欠として中村正雄君を議長にお いて指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波法案内閣送付) ○放送法案内閣送付)   —————————————
  2. 松野喜内

    委員長松野喜内君) それでは只今から電気通信委員会を開会いたします。前回に引続きまして法案の質疑をいたしたいと存じます。どうかどなたからでも質問をお願いいたします。尚千葉議員から委員外発言を求められておりまするが、許可することに御異議ありませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松野喜内

    委員長松野喜内君) 御異議ないと認めます。
  4. 小林勝馬

    小林勝馬君 前回に引続きまして、明確にして置きたい点がありますので質問を続けたいと思います。第二條におきまして「無線設備」とは、無線電信無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。」そうして第五号におきまして、「受信のみを目的とするものを含まない」となつておりますが、これにおきまして船舶無線機器、これは無線的の操作をする船舶無線機器です、無線機器並びにレーダーなんかの受信無線設備の中に入るのかどうか、いわゆる無線局として考えられておるのかどうか。それからそれに関連してその操作する人は免許状がいるのかいらないのか。例えば甲板の人なんかが操作してもよろしいのかどうか。  それからもう一つは、その船舶無線設備操作する人は兼務者であつてもいいのかどうか、專任でなくちやならないのか、兼務者であつてもいいのか、ちよつとその点……。
  5. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今お尋ねレーダーのごときものは、これは第二條第四号にあります「電波を送り、又は受けるための電気的設備」でございまして、これは我々は無線設備考えておりまするし、従つて無線局範疇の中に入るべきものだと考えています。従いましてこれを操作する従事員につきましても一定の資格要件を備えた者でなければならないというふうに考えておりまするが、それをどの程度にするか、一級無線通信士にするか、二級にするか、或いは特殊通信士にするかということにつきましては、目下私共の方の技術課長アメリカに行つておりますので、アメリカ実情をよく調べております。それが帰りましてから規則制定のときにアメリカ実情その他を勘案いたしまして決めたいと存じております。
  6. 小林勝馬

    小林勝馬君 そうするともう一つ質問申上げました兼務でいいか、專属の者を使うかという点もその後にならなきや分らないのでありますかどうか。それからもう一つレーダー以外の、船舶において使うところの無線的の音波ですか、音波にも近いかも知れませんが、測深をやつたりするようなことがありますね。こういうような機器の場合は、これを無線従事者がやることになるのか、どうなるのか。
  7. 網島毅

    政府委員網島毅君) この兼務の問題につきましても資格要件が決まりませんが、デツキの人に若干無線的な知識を教えることによつて間に合うかどうかということも分りませんので、その後に規則制定のときに十分考えたいと思つております。従つて只今ここで兼務者でよろしいとかよろしくないとかいうことは、今まだ申上げられません。それから超音波を使いましたいわゆる測深儀というようなものは、この電波法にいうところの、無線設備範疇には入らないのでございまして、従いましてこの電波法によるいろいろな制肘を受けないと思います。但しこの測深儀によりましては、超音波を出す手段といたしまして、相当高い周波数電流を使用する場合がございます。そういうような場合にその電流による輻射が外へ出まして、他の無線通信を妨害するということになりますれば、後にありますところの高周波設備準用規定によりまして取締ることになつております。
  8. 小林勝馬

    小林勝馬君 今の取締だけではなくて、それをいわゆる十キロサイクルから三百万メガサイクルの間中であれば取締るのではなくて、むしろ無線設備として取扱うべきではないかと思いますが、どうですか。
  9. 網島毅

    政府委員網島毅君) 今お尋ねのいわゆる測深儀というものは、あれは実は波電ではないのでありまして、あれは水の分子の振動を利用した一種の縱波であります。御承知のように電波はこのエーテルの横波と普通いわれておるのでありますが、超音波の方は水の分子縱波を利用したものでありまして、丁度音波と同じ性質を持つたものであります。従いましてここで、第二條にいう「「電波」とは十キロサイクルから三百万メがサイクルまでの周波数電磁波をいう」と書いてありますが電磁波ではないであります。従つて電波法適用外になるということを申上げたのであります。
  10. 小林勝馬

    小林勝馬君 三十四條の問題につきまして、先般から大体納得の行く御説明を頂いておりますが、義務無線以外のものでも独立の電源を可及的に上甲板に置いて頂くように措置を講じて頂きたい。これは規則その他においてそういう点ができ得るかどうか、一つお伺いしたいと思います。
  11. 網島毅

    政府委員網島毅君) 規則法律に根拠がございませんとできないのでありまして、規則によつてこれを義務付けることはできませんけれども、行政的なその指導と申しますが、周知宣伝その他の方法によつて、できるだけ御趣旨に副うようにしたいと思つております。
  12. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に三十九條でありますが、「船舶が航行中であるため、無線従事者を補充することができないとき」ということがありますが、この場合には無線技師以外の者にでもこれを任せるという意味なのか。それとも次條に定める第一級がないから第二級で間に合せるという意味なのか。  乃至はいよいよないときは、三人乘つてつて三人とも工合が惡いときは、甲板乃至は機関の人でもこれに当るという意味なのか、承わりたい。
  13. 網島毅

    政府委員網島毅君) この場合はいろいろの場合があると思いまするが、先ず私共として第一義的に考えておりまするのは、第一級通信士病気なつた、或いは航海中に死亡したというような場合に、第二級通信士でこれに代えるというケースであります。  それから第二のケースはこの一級、二級、或いは三級の通信士のうちの誰かが病気になつて定員に満たなくなつたという場合でありまするが、その場合に四人のところを三人でやる、或いは二人でやつて差支ないという意味合でございます。それからその通信士が全然おらなくなつた場合の最惡のケースでございますが私共は全然モールス符号も何も知らない人がこのオペレーシヨンをやるということは余期しておりません。併しながらこの聽守員級であるとか、或いは多少SOSぐらいは知つておるというようなときに、遭難が起つたというような特殊の事情の場合は、これは船長でも、機関長でも、誰でもその操作をしていいというふうに考えております。
  14. 小林勝馬

    小林勝馬君 今の御説明から行くと、SOSが分りさえすれば無線通信士が全然いなくなつた航海中は、止むを得ないから船長でも何でも操作さしていいという御説明でありますが、そうすると勉強していない、いわゆる免許状を持つておらない人であると、いろいろな間違いが起るのじやないかと思うのですが、これに操作をさせるということはちよつと行過ぎじやないかと思うのですけれども、その点はどうですか。
  15. 網島毅

    政府委員網島毅君) 御承知のように国際電気通信條そのものにおきましても、この遭難通信の場合にはいろいろな規定を全部適用しないことになつております。如何なる電波を出してもよろしいし、如何なる電力を出してもよろしいということになつておりますし、又従事員資格云々も決つておりません。従いまして、この意味はとにかく遭難通信を出す場合は、人命の安全に関する非常に重大なときでありまするからして、何らかの方法によつてとにかく船の遭難のことが分ればそれだけ非常に助かるわけでありまして、その意味合においてそういう規定を全部脱かしておるのでありまして、私共もこの行き方に全く同感であります。従いましてこのSOS符号だけ知つてつたというような場合に、スイツチを入れて全然素人がやるということも、若しできればやつた方がいいと考えております。
  16. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に四十條の第三項の第三級無線通信士の行うことができる無線設備操作範囲外におきまして、特に「漁船に施設する空中線電力二百五十ワツト以下」というふうに相成つておりまして、又「百ワツト以下の無線電話通信操作及び技術操作」というふうに相成つております。電話級におきましては、「船舶に施設する空中線電力ワツト以下の無線電話通信操作及び技術操作というふうになつてつて、第三級におきましては無線電信の場合は異議はないのでございますけれども、無線電話の場合に、漁船の百ワツトしかできない、片一方におきましては船舶の百ワツトまでできるということになりますと、例えば瀬戸内海その他の航路の無線電話の百ワツト以下のものをつけた場合は、第三級は乘れないのか、どうなのか、いわゆる電話級通信士の方は船舶無線電信の長になり、第三級の人は長になれないのかどうか、その辺をお聞きしておきたい。
  17. 網島毅

    政府委員網島毅君) この第三級無線通信士の場合におきましては、この下の一番右側にありまするように、この第一級又は第二級の無線通信士がおりますれば、これは電信といわず、電話といわず、何をやつてもよろしいのでありまして、従つて瀬戸内海の船というような場合には、普通少くとも二級通信士乘つていますからして、三級通信士でも十分目的を達成し得るのであります。ところでこの問題はただこの電話しか持つていないところの船におきましては通信長になれるかどうかという問題かと思うのでありまするが、普通この漁船以外におきまして、電話しか持つてないという船はないのでありまして、殆んど全部その電信を持つておりますからして、今のような御質問の御懸念は起らないと思つております。
  18. 小林勝馬

    小林勝馬君 ちよつと今のおかしいじやないかと思うのでありますが、百ワツト以下の電話のみを持つておる、例えば旅客船とか何か小さな船が仮にできたとしました場合に、電話級の人はこれには長として乘れるけれども、第三級は乘れないのかどうかと聞いておるのです。
  19. 網島毅

    政府委員網島毅君) この漁船以外の船でありまして、百ワツト以上の無線電話のみを持つておる場合に、三級の無線通信士ではいけないかという御質問であると思うのでありますが……。
  20. 小林勝馬

    小林勝馬君 百ワツト以下です。
  21. 網島毅

    政府委員網島毅君) 百ワツト以下の場合には、三級の無線通信士差支ございません。
  22. 小林勝馬

    小林勝馬君 いや、ですから、電話級より上であるが、或いは電話級とこの條文からいきますと、漁船に施設する無線電信操作しか考えなかつたものでありまするが、これは船舶が百ワツト以下の場合は、漁船に施設する云々ということは船舶に施設する云々と読み替えていいかということを聞いておるのであります。
  23. 網島毅

    政府委員網島毅君) これは一般船舶ではございませんで漁船であります。
  24. 松野喜内

    委員長松野喜内君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  25. 松野喜内

    委員長松野喜内君) 速記を始めて下さい。
  26. 小林勝馬

    小林勝馬君 四十條の第三級並びに電話級の問題につきましては、当局の御説明では納得いたしかねますので別途に考慮いたしたいと思います。  次に四十五條の先般の衆議院の修正案を先ず修正するものとして考えますときに、第三項において「当該免許に係る業務の経歴」云々というものを申請者無線設備操作に関する業務というふうに仮に修正ができるといたしますと、第一号に掲げてある二年六箇月以上当該免許並びに第二号に掲げてある当該免許というものはそのままの嚴格條件を残して置かなければいけないのかどうか。これも同等に変更していいのかどうか、ちよつと御説明を願いたい。
  27. 網島毅

    政府委員網島毅君) 第三項の只今お話のような修正にいたしますれば、この第二項の第一号、第二号で外れた者をこれで救うことになりますから、今までいろいろ御議論があつたようなこれだけではかわいそうではないかと、もう少し現在すでに通信士としての資格を持つている者のことを考えた方がよいという御意見に対しては、第三項の修正だけで十分行けるのではないかと考えております。勿論この第二項につきましても二年六箇月が適当であるかどうか、或いは又この申請前一年以内六箇月という数字が適当であるかどうかということにつきましては、これは又いろいろお考えがあるかと思うのでありまするが、この方の「当該免許に係る」云々ということは私共として是非必要だと思つております。
  28. 小林勝馬

    小林勝馬君 第一号、第二号の当該免許は、例えば一級の通信士は一級の仕事であり、二級の通信士は二級の仕事を指しておられるんですか。
  29. 網島毅

    政府委員網島毅君) この法律定められた範囲内の仕事でありますから、勿論そうであります。
  30. 小林勝馬

    小林勝馬君 そうすると第三項において、さつき修正のように無線設備操作に関する業務というふうに修正することと大分違いまして、片方の方においてまだ非常に嚴格規定が第一号、第二号に残るという結果に相成るのではないか。例えば現在の海運情勢から見て、第一級の人が必ず第一級の仕事の船に乘るとは限らない、二級の方に転落して乘船しなければならない結果もあり得るので、この点は今御説明のようなふうになれば第三項で折角修正するくらいですから、一号二号もそれと同等にすべきではないかと私共はちよつと考えざるを得ないのであります。  尚又先般もこれはお聽きしたかと思いますけれども、無線設備操作に関する業務ということにつきましても、先般例えば船会社無線監督乃至は無線関係学校の教官乃至は工事会社無線修理、そういうものに従事しておる者もこの無線設備操作に関する業務とみなすというふうに解釈しておるんですが、間違いありませんか。
  31. 網島毅

    政府委員網島毅君) 最初の御質問にお答えいたしますが、先程私が申上げたのは今お話のような意味合ではないのでありまして、法律で決められた範囲内ということは、一級通信士が当然二級通信士でいいところの仕事をやることもやはり法律範囲内ですから、そういう仕事に従事しておつても当然この資格は得るのであります。  それから尚この第二項におきまして当該免許という言葉を私共は残した方がいいと考えておりますのは、この第二項にありますところのこの條件国家試験を絶対行なつちやいけない、行わないでこれは免許の更新をするのだという資格でありまして、これは非常に法律で以て嚴重に保護を與えておる資格でありますから、これはやはり相当その範囲を限定した方がいいと思つております。ところでこの第三項の申請者無線設備操作云々というふうにこれを直しますと、先程申上げましたように第二項で外れた者もこれで相当広範囲に救える。而もその範囲はどこまでかと申しますと、例えばお説にありましたように学校におきましていろいろ通信術教授をやつておるとか、或いは又この船舶会社におきまして直接船には乘らなくてもいろいろオペレーシヨン指導をやつておるとか、そういうような業務、或いは場合によりましては修理業務全部とは申しませんが、例えばそのやり方、船舶工事、そういうような特殊な工事に関係しておるというような者につきましては、これが適用できると考えております。
  32. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に五十條の二項ですが、五十條によりまして運用時間と資格だけを定め定員定めてないのでありますが、この電波の有効能率的な規律ある運用に対して非常に支障があるから、これは当然定員を決めて行かなければならんと思うのですが、この定員船舶定員法に一切委任したというような状態になつておりますが、資格については何も規定していないから電波法によるだけに止まつておる結果、二つの法律とも中途半端な恰好に相成りはしないか。電波法から資格規定を除くことができないのだから、又電波運用操作要員として十分にこの定員を必要と考えられます。電波法定員が出ていない結果、これは職員法との振合いもありますけれども、ちよつとおかしいじやないかと思うのですけれども、この点はどういうふうに考えておられますか。
  33. 網島毅

    政府委員網島毅君) この点につきまして私共も随分議論したのでありまするが、管海官庁といろいろ相談しましたときに、船舶職員法制定するときには十分電波主管庁意見を聽くとありますので、両方行政的立場から考えてそうしてこれを定めて行こうという一応の打合せになつております。従いまして私共といたしましては、電波法から要求されるところの資格定員というものも、十分職員法の中に織込んで貰えるものと考えておりまして、従いまして電波法では一応この船舶安全法或いは電気通信條約から見た資格と、それから通信執務時間というものを定めまして、定員そのものにつきましては船舶職員法讓つたのであります。併しながら若し仮に船舶職員法電波法から見たところの資格なり、或いは又その定員員数というものを十分満たし得ない状態に置かれた場合におきましては、この二項によりましては、電波監理委員会電波行政上必要な資格なり員数定めるつもりでございます。
  34. 小林勝馬

    小林勝馬君 先般海上保安庁の御意見も承わりまして、止むを得ない場合は電波法によつて資格員数別定めることもあり得るという御説明でありましたし、電波庁からの御意見としましては通信機器並びに航海用電波機器運用技術操作だけではなく、その保守並びにその他の仕事が加わりまして普通の勤務時間にアルフアを加えたものが無線通信士の時間だというふうに了解しておりますが、これに対して一種二種の甲乙各種別定員は一体どういうふうに定めればいいか、乃至は妥当だと電波庁においてはお考えになつておりますか。
  35. 網島毅

    政府委員網島毅君) この点につきましては今後船舶職員法が成案されます前に十分私共も更に研究したいと思いますが、現在のところ今までの私設無線電信電話規則定められた資格員数は適当であると考えております。
  36. 小林勝馬

    小林勝馬君 AC條約の五百十八條かに述べられておる勧告でございますが、これを通信士免状にも盛り込むことを考えておられるのかどうか、この勧告をとり入れられる方が適当だと思うのですが、通信庁以外の通信士実歴が載つてないのはちよつと理屈に合わないような感じがいたします。例えば通信庁以外の方は何ら規定されてないのですが、これはどういうふうにお考えになつておるのですか。
  37. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今AC條約をもつてつておらないので五百十八條を記憶しておらないのですが。
  38. 小林勝馬

    小林勝馬君 貸して上げます。
  39. 網島毅

    政府委員網島毅君) 私共といたしましては、このAC五百十八條の精神は規則制定のときに織込んで行きたいと考えております。
  40. 小林勝馬

    小林勝馬君 もう一つ二つ質問したいのでありますが、十分な定員というものが電波法立場から必要とするならば、電波監理委員会規則かなんかでこれは制定して行くべきだ、この第二項におきましても電波監理委員会規則定められると、定めることができるというふうになつておりますが、これの大体お定めになる御予定の表が出して頂けるものかどうか。
  41. 網島毅

    政府委員網島毅君) 船舶の乘組員以外のものにつきましてはこの第二項につきまして附則を定め予定であります。ところでこの船舶以外のものにつきましては執務時間というものを法律で以て強制しておりません。従いまして大体一日何時間執務するものにつきましてはどうだというようなことで、国内固定通信なり移動通信なりに決めて行かなければならないのでありまして、目下この数字につきましては検討中でございます。  それから船舶職員につきましては先程申上げましたように、成るべくこの両方で別々の数字が出ないように私共も今後努力する考えでおります。
  42. 小林勝馬

    小林勝馬君 五十條の後段の二種この場合においては一級の免許を持つている人は無経験者でこれの長になれるということになつておりますが、AC條約の五百五十二條趣旨には反すると思うのでありますが、二級等であつて一年ぐらいの実歴を置くべきが当然じやないかと思うのでありますが、この点どうですか。
  43. 網島毅

    政府委員網島毅君) これはAC條約、或いは海上における人命安全條約におきまして強制されておる船舶等につきましては、勿論その條約の規定に則つてやるつもりでおります。ただこの條項が條約より若干ゆるくなつておりまするのは、例えば平水区域或いは琵琶湖というような特殊な地域で以て動くところの船につきまして、條約が規定している通りの要件を強制することは無理な場合もございまするので、そういう場合を考えまして法律では一応このように若干ゆるくなつておりまするが、最初法律の第三條にもございまするように、電波に関し條約に別段の定めがあるというときはその規定によるということになつております。先程の條約の方で決められておるだけはかようにするのであります。
  44. 小林勝馬

    小林勝馬君 ちよつとおかしいですね、第三條であれしていることをこちらの方で無條件でやつておるということはおかしいと思うのでありますが、了承いたします。
  45. 網島毅

    政府委員網島毅君) それは私共はおかしくはないのでありまして、と申しますのは條約におきましてはいわゆる国際通信というようなものを考えまして、いろいろ規定がありましてそれを全部が全部国内通信に適用するわけではないのであります。従いましてこの国内通信の対策につきまして、條約で一般的にいわれているよりもゆるい点があつても、私共は差支ないと考えております。
  46. 小林勝馬

    小林勝馬君 さつき二條のときにお話なつレーダーローランこういうものは無線設備の中に入るのだというふうに了解いたします。これに対して教育の面に対しては、ローランレーダーなんかの利用も実施されておるのかどうか、今後実施されるのかどうかという、その辺も伺つておきたいと思います。
  47. 網島毅

    政府委員網島毅君) 現在我が国におきましてローランはまだ使われておりません。それから又レーダーは極く少数の船、例えば捕浮船でありますとか、海底敷設船というようなものに二、三施設されているだけでありまして、一般にまだ普及されておりませんので、学校其の他でこれが特別な教授に当つておるということは聞いておりません。併しながら最近連合軍司令部から覚書が参りまして、今後広範に日本の商船にレーダーを積み得るようになりました。従いまして私共といたしましては、今後学校其の他と連絡をとりまして、殊に電気通信大学その他とも連絡をとりまして、そういう方面の教授もして貰うように努力するつもりであります。
  48. 小林勝馬

    小林勝馬君 一応これで私の質問は打切ります。
  49. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大蔵省政府委員が見えておりますので、ちよつとお伺いいたしたいと思います。放送法案によりますと、日本放送協会放送設備建設又は改修資金に充てるため三十億を限度としまして、放送債券発行ができるという規定があるのであります。日本放送協会ではこの法律案によりますと公法人であるか、私法人であるかは別といたしまして、相当に公的色彩の強い特殊の法人であると思われるのであります。その債券発行につきましては、現在の経済界の状況から見ますると非常に困難を伴うのじやないかと考えるのでありまして、その結果は放送施設建設改修に必要とする資金もなかなか得にくいような事態が予想せられるのであります。  例えばこの放送債券発行に当りまして、預金部等がその債券を引受ける等の特別の措置を講じなければならね場合も生じてくるかと思うのであります。これに対しまして、大蔵省の方としてはどういうふうな御意向でありますか。又現在の制度では日本放送協会債券発行に対して、直ちに預金部資金を充当するということが困難な実情もあるかと思うのでありますが、近い将来に関係法律案等の改正によりまして、それが実現可能なようにされるお見込みがあるかどうか、この点についてお伺いいたしたいのであります。  それからもう一点は、第二回国会以来継続審査いたしておつたのでありますが、その際に大蔵省政府委員にもお尋ねしたことでありますが、今度の放送法案では一面において、日本放送協会の性格なり、事業の種類なり、或いはその活動の分野というものを法律で以て決めますると同時に、一方で放送を民間に解放いたしまして、免許を受けた会社には広告放送をやらせるという建前になつておるのであります。この広告放送に関する認可申請は今後正式に出て来ると思うのでありますが、只今のところ政府からの資料を拜見いたしましたところでは、大体四十何社というふうになつておりますが、その中で幾つか許されるにいたしましても、仮に今いわれておりますように一億円程度を要するといたしまして、相当資金が要るわけであります。  併しこれも只今の経済の状況から行きますと、なかなか單なる株式の公募だけでは資金は得られないのではないかということを懸念しておるのでありまして、従つて一局当り一億円程度の資金の中で例えばその半額を自己資金で以て賄い、その残りの半額は政府の特別の斡旋によつて一般の金融機関から融通させるということを考える外ないのでありまして、これに関しまして只今政府の方ではいろいろ考えておられることと思いますが、大体放送会社に出します金は長期の資金の廻るのが多いだろうと思います。  現在のところは殆んど長期の金融というものは行われておりません。従つて放送会社等に対しての貸付金は極めて短期のものになるのではないか。そうなりますと放送会社というものは実際上できにくいことになるのではないかという懸念があるのであります。この放送法案を通過させます以上は、できるだけ民間の放送会社がやはり許される範囲内において活発に活動をして貰いたいと思うのでありまして、資金面からこれが実現困難であるということは我々としても予測できるのでありますが、この点につきまして政府ではどういうふうな措置をおとりになるつもりか、この二点について大蔵省政府委員から御答弁願いたいと思います。
  50. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) 只今の金融情勢下におきまして、長期の資金の融通ということは極めて困難であるのであります。只今は証券金融のための短期融資をいたしておりまするが、昨年四月復興金融金庫の機能停止以来、長期事業資金を放出する金融機関といたしましては、事業会社の株式募集、社債発行、その他直接の資金回收によります外は、興業銀行辺りが金融債を発行して事業資金を出しておりますが、長期資金の融通の円滑を欠いておることは大きな問題となつてつたのでございます。この点につきまして或いは預金部資金の利用ということがいろいろと要望せられて、又銀行の債券発行を認めて長期金融をさせるようにという御要望も参つておるのであります。  先ずお尋ねの第一の放送債券発行につきましては、復興金融金庫の機能が停止された後におきましては、これを大口にまとめまして国策的に引受ける機関というものはないのでございますが、従つてこれが消化を図りますについては、銀行その他の金融機関については限度があるから、勢い預金部資金を以てこれを引受けるようにしたらどうかという御要望になつて来るのでありまして、御承知の通り預金部資金運用につきましては司令部からの覚書によりまして嚴重なる運用制限が加えられておるのであります。即ち国債の保有、地方債の保有、又は地方公共団体に対する貸付、或いは一部公団に対する融資ということに限られておるのでありまして、今直ちに今お話になりましたような債券を預金部から出すというようなことは不可能であります。併し目下の金融情勢に対応いたしまして、預金部資金を遊ばしておかないで、できるだけ活用するようにという趣旨から、近く銀行の発行いたしまする金融債券預金部資金でこれを引受けることができることになる見込でございます。尚私共当局者といたしましては、單に預金部資金で金融債券発行するだけでなく、これが可能になりました曉には一歩を進めまして産業債券、事業債券というものも預金部資金で引受けることがきるようになることを望んでおるのでございます。只今のところはまだ金融債の引受という問題も完全に解決はいたしておりませんから、一段先の問題になりますが、併しその中には事業債の引受もできるようにして貰いたいというのが我々の希望でございます。その段階に立ち至りますれば、各種の債券類、或いは会社社債類を持つ会社も可能かと存ぜられるのでございまして、その際におきましては放送債券のごとき公共的色彩の濃厚なものにつきましては、預金部資金で以てできるだけの御便宜が図られるのではないかと思うのであります。これは将来の目標でございまして、只今のところこの途はございませんが、私共といたしましてはその方を開拓して参りたい、こう考えておる次第でございます。  次に民間放送会社の資金調達について、何らか援助方法はないかというお尋ねでございますが、今国会に大蔵省から銀行が債券発行することができるという法案を提案いたしまして、目下御審議を願つておる次第でございます。この法案によりますれば、現在債券発行いたしております興業銀行の外に、勧業銀行その他の銀行が債券発行することができることになるのであります。尚これらの債券発行が認められます上は、預金部資金で以てこれらの銀行債を引受けて貰える見込であることは只今申上げました通りであります。そういたしますると勧業銀行その他の銀行に相当長期の貸出ができる能力が出て参るのでありまして、経済界から渇望せられております。長期金融の措置のこともこれによつて可能になるかと思うのでございます。その際にはこの民間放送会社に対する設備資金の融通というようなものも、これ又その公益的性質に鑑みまして、当局といたしましても資金の融通について御斡旋することなどもできるように相成るかとこういうふうに考えております。
  51. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体分りましたが、第一段の放送債券の問題につきましては、只今説明のように、一般の公団が貸付を受ける場合に預金部資金があるというお話でございますが、そうなりますと、日本放送協会は現在と違つて余程今度は公的な色採が強くなつて来るのであります。今度公法人に類するかといつてもいいのではないかと思います。その段階に立ち至つて来ておりますから、これは至急に御検討の上で放送債券の引受も預金部資金でやれるように是非措置を講じて頂きたい。これは私の希望になりますけれども、そうしませんと実際に全国の聽取者がどこででも放送が聞けるような設備というものが、なかなかできないことになるのではないかと思うのであります。放送法の目的から申しましても、これは一つの国家目的を持つておるといつてもいいのではないかと思うのであります。  それから次の民間の放送会社に対する長期資金の融通問題でありますが、これも多少困難があろうかと思います。併し従来のようにいろいろな融資順位を決めたりされまして、実際に資金があり、又貸付を受けるだけの力がありましても、こういう大蔵省の或いは日銀の措置によつてこれが阻まれておるというような例もないことはないのでありまして、放送事業というものに対しては、形は一般の会社になりますけれども併し事業そのものが非常に公共的なものであるという見地から、これは普通の産業の融資というよりも、もつと公共的な色彩の強いものとして、或いは金融関係の措置について、優先的に長期資金が得られるようにそれも特にお考えになる必要があるのではないかと思うのであります。この問題は将来に残されるのでありますが、今申しましたような趣旨でやつて頂くことは大体御異議なないかどうか、御結論だけでよろしうございますからもう一遍お伺いいたします。
  52. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) お尋の第一の点につきましては、現在若干の公団に預金部資金の融通が認められておりますのは、公団が政府機関或いはこれに準ずるものであるという見地でございます。預金部資金只今考えによりますと飽くまで政府又はその機関に限り使用を認めるという建前でやつております。これは私共は少し拡張して、一般経済のため或いは公益的な事業のために使えるようにして貰いたいという希望を持つておるわけでございます。従いまして只今直ちの解釈といたしましては、御質問のようなことは或いは困難と考えますが、尚研究いたしまして、その方向に向けて努力いたしたいと考えます。  次に銀行から民間放送会社に対する融資の問題でございますが、成る程銀行が債券発行することになりまして、長期資金を貸出すことになりますが、借入希望者は又非常に多いということが予想せられるところでございます。従つてどの資金借入希望者も直ちにその需要を充足するという段階には参らんことは当然でございます。従いまして、その間融資斡旋の制度もございまするので、その事業の重要度或いは公共性といつたようなものを勘案いたしまして、優先の順位を付けて行くということになると思うのでありますが、放送事業のごときは公益性の極めて濃いものでありますから、その斡旋に当りましても相当御希望にかない得るものと考えております。
  53. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 政府の御答弁は非常に我々の意見を十分了解して頂いております。それで私は大蔵省政府委員に対する質問はこれで打切ります。  序いでですから網島政府委員一つ、二つ伺つて置きたいことがあるのですが、別の機会にしてもいいですが、この機会の方が尚結構だと思いますが、時間を余り取りませんから……。
  54. 松野喜内

    委員長松野喜内君) とにかく簡單にお願いいたします。
  55. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは実に今日尾崎委員が見えておりませんが、尾崎委員からもこの点質問して置いて欲しいということであり、又私も質問しようと思つたことなんですが、先般来公聽会や或いは証人喚問でいろいろお話を伺いましたが、結局民間の放送会社を幾つか免許をされた場合に、今の一般国民の持つております何と申しまするかこれは四球程度の国民型の受信機で、幾つぐらいの電波が新らしく混線をしないで入り得るかという技術的な問題でございます。今日の新聞によりますと、大体二千円ぐらいの費用をかけなければスーパー程度になるというようなことも書いてあるのですが、現在のままの受信機で一体どれぐらいの電波が入るか、こういうことを技術的に御説明願いたいと思います。
  56. 網島毅

    政府委員網島毅君) 今のお尋ねは純技術的な立場から見てどうかというお尋ね趣旨だと思いますので、その意味合でお答えいたします。現在の我が国の放送事情或いは地勢その他いろいろなことを純技術的に考えまして、私共の今持つておりまする数字は、仮に全国的に比較的理想的な状態一般放送局が配置されるといたしまして、大体三十局ぐらいが限度だと考えております。ところで一つの都市というものを対象として考えまするときには、現在の我が国の受信機の性能が非常に惡いというところに起因いたしまして、その数字は比較的非常に少い数字でありまして、例えば東京とか大阪その他の都市を考えますると、総体として今の受信機で大した混信なしに聽き得る数字というものはせいぜい五局であります。併しそのうちすでにこういう都市は第一、第二放送が従来日本放送協会によつて行われておりまするし、又こういう都市には連合軍、占領軍が放送局を持つております。従いまして残りはせいぜい二つということになります。今後配置されるところの無線局電力、或いはその設置場所等も非常にやかましく限定いたしましても、三つは困難ではないかと、まあ無理すれば三つぐらいはいけるかも知れませんけれども、三つという数字に対しましては余り確信を持つておりません。
  57. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 一つの都市で只今日本放送協会及び進駐軍関係の放送が大体三つあるといたしまして、そうするとその残りの二つについては大体混信がなくて普通の状態では分離して聽ける、というふうに考えてよろしいですか。それは多少の混信はあるかも知れんが、どうにか二つぐらいは聽ける程度に入るというような程度でしようか。その点は非常に問題であり又むずかしい点になるかと思うのでありますが、例えば放送所の位置とか或いは電力の強さといつたものを理想的な状態にするとして、二局は新らしく完全に入り得るのか、或いはそれは非常にむずかしくて一局であるが、慾をいえば二局まではどうにかこうにか分離して聽けるという程度であるのか、その点をもう少し詳しく御説明願いたい。
  58. 網島毅

    政府委員網島毅君) これはそこまで問題を掘下げて考えるということになりますれば、これはただ單に受信機だけで論ずるわけには参りません。受信機にどういうアンテナが付いているか、或いは又受信機にどういうアースが付いているか、アンテナの張り方その他にもいろいろ影響するのでありまして、現在の第一、第二放送ですら一部では十分に分離できないという所があるのであります。これは勿論アンテナが工合惡いとか或いは機械の調整の仕方が十分でないとかいうことに起因しておるのでありまするが、とにもかくにも今の状態では第一、第二が完全に分離されていないという地域も若干ございます。従いまして先程申上げました二つという数字は、どこにおいても完全に分離できるということをはつきり申上げるわけには参りません。併しながら現在の受信機におきましても、その調整をよくするとか現在アンテナを張つてないのを更に張つて使うとか、いろいろな工夫をすることによつて混信は除き得るということを考えた上の数字でございます。ところで一つの都市に二つ或いは三つの放送局があります場合に、この放送局の極くその近くにおきましてはその局の電波が絶対的に強いのでありまして、そういう強い電波の中に入つておるところの聽取者は、これは外の電波は聞えない、これは技術的に止むを得ないのであります。従つてこの一つの放送局しか絶対聞えないという地域の聽取者を如何に少くするかということが、今後の電波行政上の非常に大きな問題であると私は考えております。現在アメリカにおきましてはこの一つの放送局しか聞えない地域、これをブランケツト、エーリヤといつておりますが、このエーリヤに入る聽取者は全聽取者の一%以下であれば、氏むを得ないという数字を出しております。我が国におきましてはこの数字をできるだけ更に少くすべきは当然でございまして、この数字を一%にするか或いは〇・五%にするか、この点につきましては現在いろいろ資料を集めまして研究中でございます。
  59. 松野喜内

    委員長松野喜内君) 速記止めて下さい。    〔速記中止
  60. 松野喜内

    委員長松野喜内君) 速記を始めて下さい。
  61. 小林勝馬

    小林勝馬君 もう一つお伺いしたいのですが、先般四十九條並びに四十五條におきまして、試験の成績によつて試験の一部を廃止、省略、乃策免除又は全部免除することができるというふうに御説明がありましたが、選考試験いわゆる上級免除を受けるための人人に対してもそういうふうに措置が何か講じられないのかどうかという点が一つと。  それからアメリカで現に学課なら学課の中で合格したものは、次回の試験はその合格したものは省略して、不合格のものだけ受験さしてやつておる制度を取つておりますが、日本の今後の国家試験に対してそういうような措置は取られないかどうか。
  62. 網島毅

    政府委員網島毅君) 上級者の試験を受ける場合の或る一部の学課をやめるということは、是非規則のうちに取入れたいと考えております。勿論規則委員会ができましてからできるのですが、私共のつもりとしてはそういうふうに考えております。  それから一度合格した課目につきまして、その次の試験のときに免除するかどうか、これはいつまでもその特権を持つということはどうかと思いますが、或る年限を限つて持たしてもいいのじやないかと私共は考えております。この点は一つ十分研究したいと思つております。
  63. 松野喜内

    委員長松野喜内君) それでは本日の委員会はこれで閉じることにいたします。    午後二時四十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     松野 喜内君    理事           橋本萬右衞門君            小林 勝馬君    委員            中村 正雄君            大島 定吉君            木檜三四郎君            新谷寅三郎君            水橋 藤作君   委員外議員            千葉  信君   政府委員    電波監理長官  網島  毅君    電気通信事務官    (経理局長)  肥爪 龜三君    大蔵事務官    (日本銀行政策    委員代表兼銀行    局長)     舟山 正吉君