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1950-03-30 第7回国会 参議院 通商産業委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月三十日(木曜日)    午後二時三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○火薬類取締法案内閣送付) ○中小企業等協同組合法の一部を改正  する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○不正競争防止法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 高橋啓

    委員長高橋啓君) それでは通商産業委員会を開きます。  先ず火薬類取締法案予備審査提案理由説明をお願いいたします。
  3. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) 只今議題となりました火薬類取締法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  危險物としての火薬類取締りは、従来とも銃砲火薬取締法によつて行われて来たのでありまして、長く内務省の所管に属していたのであります。終戰後昭和二十二年に内務省が解体せられるに及びまして、警察法の施行と同時にこの法令に基く取締り事務商工省に移管せられまして、通商産業省の発足と共にこれに引継がれることになつたのであります。この法令の周到綿密な法律構成は、火薬類使用量飛躍的増加にも拘わらず、よくその災害の発生を防止して来たのでありまするが、時運の進展と共に漸くその改正必要性が痛感せられるに至つたのであります。本法令につきましては、すでに大正六年法律第二号、大正十一年法律第二号及び昭和十九年勅令第百十号によりまして、それぞれ部分的な改正が加えられて来たのでありまするが、全面的改正についての要望は、最近の二、三年に止まるものではなく、実に昭和九年以来の懸案でありまして、例えば昭和八年十一月設立せられました火薬類法規研究会は、同十四年において改正に対する希望意見内務大臣に提出しておりまするし、又最近では昭和二十三年に火薬類取締法規改正協議会は、その研究の結果を商工省に提出いたしまして、その希望の程を明らかにいたしておるのであります。通商産業省といたしましては、これらの情勢に鑑みまして、ここに銃砲火薬類取締法全面的改正を企図いたしまして、爾来関係行政庁、学界、業界その他と意見を交換聽取いたしまして、漸く火薬類取締法案の成文を見るに至つたのであります。従いましてこの度提出いたしまする火薬類取締法案は、銃砲火薬類取締法全面改正の性格を持つのであります。今現行法と比較いたしまして、その改正の主要点を指摘いたしますと四点あります。  第一は、銃砲取締を除きまして火薬類だけに取締を独立させたことであります。第二は新憲法下におきまして、新らしい法体系整備をいたしたことであります。第三は行政組織の変革に基きまして、取締担当機関明確化いたしたのであります。最後に第四点は、最近の技術的の進歩に対応するように法令内容の刷新を図る、この四点に集約することができるのであります。  以下これらの諸点につきまして極めて簡單に御説明を申上げますと、第一に銃砲取締との関係でありまするが、銃砲取締火薬類取締とは、本来その性質を異にすべきものでありまするが、現行法令では警察取締共通性の下に、同一法によつて規制して来たのであります。併し戰後我が国におきましては、銃砲取締につきましては、「ポツダム宣言受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基く「兵器、航空機等生産制限ニ関スル件」及び銃砲等所持禁止令によりまして、それぞれ銃砲製造及び所持が禁止せられておりますので、現行法銃砲取締に関する部分を除外いたしましても、支障を認められないのであります。若し将来この管理令との関連におきまして、その必要性を認めるに至りますならば、又別個の観点から規制する方針であります。  第二は、新たに法体系整備ということでありまするが、現行法は旧憲法下立法でありまして、特に勅令及び省令への委任が著しく多く存在するのであります。又行政裁量余地を広範に留保しており、且不当な行制処分に対する救済を認めていないのでありまするが、かかる諸点につきましては、新憲法下におきまして、新しい法体系整備する必要があるわけでございます。  第三に、取締担当機関明確化の点でございまするが、内務省による警察取締の基礎に立脚しております現行法は、内務省の解体、地方自治態勢への移行及び警察制度の変更のために、その取締機関は、現在通産省、都道府県でありまして、部分的には、運輸省及び警察が担当いたしておるのであります。これにつきましても、細部に関する実際上の取締の面から、ややもすれば解釈上の疑義を招き易い点が存するのでありまして、この問題を解決いたしまするために、現下の事態に最も適応するごとく、取締担当機関の権限、所掌事務範囲等を明かにいたした次第でございます。  最後の第四の技術的の事項に関しましては、現行法が制定せられました明治以後の火薬業界進歩は、現行法が当初の予定しなかつた新たな火薬類製造を見ておりまして、又現行法は、火薬類製造所におきまする製造作業上の細部に至るまで、悉くこれを省令によつて規制いたしておるのでありますが、現在ではむしろ適切を欠いておる点も見受けられるのでございます。一般的な技術上の基準につきましても、我が国建築物の構造、地形等特殊性から再検討の余地が沢山あるのでございます。又製造作業責任者でありまする作業主任者火薬類貯蔵消費上の取締責任者でありますところの取締主任者、これらの資格、或いは火薬消費いたしまするときの技術的な準備等につきましてそれぞれ改正し、或いは新らしく規制する必要があると思われるのでございます。  以上のような諸点を考慮いたしまして、火薬類につきましてその製造販売貯蔵、運搬、消費その他の取締を規制することによりまして、火薬類災害を防止し公共の安全を確保するために、現行銃砲火薬類取締法を全面的に改正いたしたいと存ずる次第でございます。  以上の理由によりまして、ここに火薬類取締法案を提出いたした次第でございます。何とぞ愼重御審議の上、速かに可決されんことを希望いたします。
  4. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 只今提案理由説明があつたので、法案につきましては質疑を次回に讓りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  5. 高橋啓

    委員長高橋啓君) それでは次に中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案について、質疑に入りたいと思います。発言を願います。  若し御発言がございませんでしたら、質疑は終つたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。  御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  7. 平岡市三

    平岡市三君 討論を省略して、直ちに採決するの動議を提出いたします。
  8. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 只今平岡委員動議によつて討論を省略して、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 高橋啓

    委員長高橋啓君) ちよつと速記止めて。    〔速記中止
  10. 高橋啓

    委員長高橋啓君) それでは速記始めて下さい。  それではこれより採決に入ります。  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案については、原案通り可決することに賛成の方は御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手
  11. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  尚本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四條に基き、予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、議院に提出する報告書につき多数意見者署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方方は順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    島   清   玉置吉之丞    平岡 市三   中川 以良    鎌田 逸郎   宿谷 榮一    駒井 藤平   結城 安次   深川榮左エ門
  13. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 署名洩れはございませんか……。  署名洩れはないものと認めます。   —————————————
  14. 高橋啓

    委員長高橋啓君) それでは次に不正競争防止法の一部を改正する法律案質疑に入りたいと思います。御発言をお願いいたします。
  15. 平岡市三

    平岡市三君 この法律案につきまして前回に二三質問いたしたのでありますが、よりよくこれを調べて見ますと、相当と申しましようか、或る程度疑義の点があるように認めますので、念のために更に御質問申上げたいと思うわけであります。先ず第一條でありますが、第一條には不正競争に関する具体的行為が列挙せられておりますが、この中第三号と、第四号は殆ど同様の行為を列挙してあるのであります。一体この差違がどこにあるのか。第三号で「原産地」といい、第四号で「国以外の地」といつておること、即ち国内と国外との差があり、第三号で虚僞表示といい、第四号で誤認を生ぜしむる行為といつておる。前者は虚僞であつて、後者は誤認と書いてあるわけであります。いずれも原産地に関するもので、本来一本にすべきものと思うのでありますが、これを二本にしたのはどういう理由がありますか。又この両者差違が以上述べました以外に何かあるのかどうか。この点を先ず第一にお伺いしたいと思います。
  16. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 只今の御質問一條第三号と第四号の相違でございますが、その御説明を申上げる前に、この法律が非常に字句が難解でありますので、虚僞誤認ですか、それとの差違をまず申上げた方が御了解を願うのに便宜と思います。虚僞というのは、いわゆる真実でないことでありまして、誤認と申しますと、平たい言葉で申しますと間違うとか、或いは紛わしいという意味であります。従つて一応観念としてはつきりはいたしておりますが、両者に非常に密接な関係があるということは言えると思います。一般的に申しまして、虚僞であれば誤認を起しやすいということは言えるのでありますが、虚僞であれば必ず誤認を起すとは言えませんし、又誤認を起す場合、必ずしも虚僞に原因するとは言えないというような関係で、相当の違いがあるようにも考えられるわけであります。三号と四号との違いにつきましては、第一点は只今お話がありましたように三号の方は虚僞表示をして、而もそれが誤認を生ずるという二つ要件を必要とするのでありますが、第四号の場合には、虚僞表示ということを必要としない。單に誤認を生ずるということだけが要件となるわけであります。それが一つの違い。もう一つ原産地について三号の方は、主として国内原産地を考えておりまして四号の方におきましては、範囲が広くなりまして、日本国以外の外国又は地と、こういう考えで別に規定をいたした次第であります。
  17. 平岡市三

    平岡市三君 大体虚僞誤認相違説明を承わりましたが、第五号について更に質問いたしますと、本号には「商品品質内容ハ数量ニ付誤認ヲ生ゼシムル表示」と書いてあつて、これには虚僞表示という文字が見られないのであります。この点は第三号と異つた規定のしかたでありまして、この虚僞という文字を殊更に付加えなかつた理由はどこにおありになるか。その点をお伺いしたいのであります。
  18. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) この第五号につきましては、誤認ということを起す原因として虚僞も当然入つて来るだろうということを予想いたしまして、広く書かれておるのであります。
  19. 平岡市三

    平岡市三君 どうも、その点更にお伺いしたいのですが、そのくらいにして先を急ぎまして、第五條罰則規定について質問いたします。第五條の第一号には、不正の目的を以てすると否とを問わず誤認を生ぜしむる原産地品質数量等虚僞罰則とすることが規定せられております。従つてこの種の不正競争を重く見ておるだろうと思うのであります。ところがこの第一号の中で規定されておるのは、第一條の第三号及び第五号の行為、即ち商品原産地品質内容数量につき誤認を生ぜしむる虚僞表示であるが、この場合誤認を生ぜしむることと、虚僞であるということの二つ犯罪構成要件になつておるのでありまして、この一方だけでは犯罪を構成しないのかどうか、これを先ず第一番に御質問いたしたいのであります。  次にこの場合販売輸出行為は第一号から取除かれておるのでありますが、その理由についてお伺いしたいのが第二点であります。更にここでは同じ原産地の問題でありながら、第一條第四号の行為を除いておるのであります。これは第一條第四号は誤認を生ぜしむるが虚僞ではないために、特に除かれたのであるかどうかをお伺いするのが第三点であります。最後に、第一條の第六号、即ち他人の営業上の信用を害する虚僞の事実を流布するような行為に対しては、別に罰則規定がないように見受けられるのであります。これはどういう理由でございますか。この四点をお伺いしたいと思います。
  20. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 第五條の第一号の罰則規定でありますが、この規定適用については、誤認虚僞の両方の要件を必要とするかという、こういう第一点のお尋ねでありますが、その点は誤認虚僞二つの要件を満たさない場合は罰則適用がない、こういうふうに考えております。と申しますのは、誤認を起しても必ずしもその表示虚僞でない場合があるのであります。單に誤認を生ぜしむるというだけで、虚僞表示でない場合はこの適用がないし、又虚僞表示だけで、その結果において誤認を生じないという場合にはこの一号の適用がない、かように解釈するのであります。  先日やはり平岡委員から御質問がありました靜岡お茶の点などにつきましても、靜岡産のお茶をうちへ持つて行つて入れ替えをして、宇治茶として売出した場合に、表示としては虚僞表示と思われるのでありますが、それが一つ取引上の慣例として行われる場合には、一般消費者誤認を生ぜしめる心配がない、従つてその罰則適用はない。かかるように解すべきものと思うのであります。  それから第二点でありますが、第一條の各号に販売、拡布又は輸出をする行為という規定があるにも拘わらず、この第一号においては除いてない。これはどういう理由かというお話でありますが、この誤認を生ぜしめる表示、或いは虚僞表示をした、すでにしてある品物を買つて来て売るというようなものまでこの罰則をかけることは聊さか酷でありますし、又取引の安全を却つて害する結果になるということを考えましてそれを除いたのであります。  それから第一條の第三号と第五号についてここに規定して、第四号を第五條の第一号に含めないのはどういう理由かということでありますが、これはお話にありましたように、單に誤認を生ぜしめるだけでありまして、その表示について虚僞ということを要件としていない関係上除いたのであります。次に第一條の第六号の信用を害する虚僞の事実を付した行為については罰則がないという理由は、この六号の行為につきましては、刑法信用及び業務に関する罪というのがございまして、六号の違反行為については刑法罰則適用される、こういう関係でここには掲げなかつた次第であります。
  21. 平岡市三

    平岡市三君 最後に、第六條の改正案で、特許法商標法等によつて権利行使を認められる行為については、本法規定による行為止め請求請害賠償罰則規定のうち若干のものを適用しないことになつておりますが、この改正案ではその取扱い方が一貫していないのはどういう理由に基くか、御質問いたします。
  22. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 只今の御質問の趣旨は、第三号以下の行為についてはその行為の差止めの請求ができ、又罰則適用があるのに、損害賠償請求だけができないのはどういうわけかという、こういう意味解釈してお答え申上げますが、三号以下の行為につきましては、大体第一條の第二号、第三号と異りまして、不正競争というよりは、むしろ消費者保護、或いは取締という性質が可なり強く出ておりますので、その被害者というのは一般大衆の場合が多いのであります。従つてその大衆から一つ一つ損害賠償請求があるということはちよつと考えられませんので、この六條から適用除外をいたさなかつたのでございます。もう一つ理由といたしましては、三号以下の行為、三号以下に該当する商標の出願などがあつた場合には、現在の商標法の第二條第一項第十一号に「誤認又は混同ヲ生セシムルノ虞アルモノ」については登録をしないという規定関係上、建前といたしましては、登録ができないのであります。従つてそういうものについて権利行使ということが観念上考えられないという関係で、第六條に特にその関係を謳わなかつた次第であります。  第五條関係で少し申し落したと思われまするので補足をいたしまするが、只今お茶の問題を申上げましたが、一応立法者としての解釈を申上げましたので、この法律全体の具体的なものについての適用は結局裁判所が行いますので、そういう事例を一々裁判所におきまして、詳細検討いたした結果、判定を下すのでありますので、その点を一つ御了承を願いたいと思います。尚この虚僞誤認との関係について、もう少し御理解を頂くために例を上げますれば、例えば純綿製品というようなものにつきましては、勿論現在におきまして完全な綿ばかりの製品もありますが、従来は大体九割ぐらいの綿が含まれておれば、その外に仮にスフが入つておりましても、取引上は純然たる綿として通つておりましたのでありまして、そういう取引の慣習に立脚して考える場合には、九割の綿製品について純綿表示をいたしましても、表示自体としては虚僞でありますが、取引誤認を起す心配がない、こういう点に誤認虚僞との相異と申しますか、相関関係というものが考えられるわけであります。以上大体補足的な御説明を申上げました。
  23. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 外に御発言がなければ質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 御異議ないものと認めます。それでは輸出信用保險法案に対する質疑に入りたいと思います。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  25. 高橋啓

    委員長高橋啓君) 速記を始めて下さい。それでは今日はこれにて散会いたします。    午後二時四十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     高橋  啓君    理事            島   清君            玉置吉之丞君    委員            中川 以良君            平岡 市三君           深川榮左エ門君            鎌田 逸郎君            宿谷 榮一君            結城 安次君            駒井 藤平君   政府委員    通商産業政務次    官       宮幡  靖君    通商産業事務官    (通商振興局    長)      岡部 邦生君    通商産業事務官    (通商化学局    長)      長村 貞一君    特許庁長官   久保敬二郎君    通商産業事務官    (特許庁総務部    長)      佐久  洋君    中小企業庁長官 小笠 公韶君