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境野清雄君 今の
金融問題につきまして
質問いたしたいのですが、私から
数字を申上げても、これはもう分
つているものですから、極く簡單に申上げますが、大体
中小企業庁の
金融実態調査によりますと、
銀行へ
金融を申込んだものが四六%、全然申込まない人が非常に多い。五三、五%というような形にな
つておりますし、それを総括的に見ましても、又その
残りの人達を見ても、
銀行は三五%くらいの利用をしている。又
組合金融、いわゆる
庶民金融金庫を通じてのもの、問屋、親
工場形態のものが共に六%くらい、又親戚、質屋とか、高利貸というようなものの個人
金融的のものが一七%くらいある。そうしてやはり残されたものが、三六%からのものが残
つておるのでありまして、私共の
考えとしては、
政府が如何に金を流しましても、この
中小企業の
零細企業の方はこれに流るる途がないのじやないか。そういうものに対して、これが
数字においては一番多く含んでおるのでありまして、今の見返
資金なり、或いはその他のもので百五十億ばかりお
出し願つたという
お話は非常に結構なんでありますけれども、そのものが流れて行かな一
零細企業が非常に多いのじやないか。先程
お話の大
企業に流せば下催廻るというような
お話でありましたけれども、
大体大企業も
金融に行詰
つておるのでありまして、大
企業へ行
つたものは、大体我々が知
つておる範囲では下へ流れないというような
傾向にな
つておりますので、ますます
零細企業は行詰るのじやないか。こんなふうにも思いますので、今のパーセンてージから行きましても、大きなものが
政府の
施策の
恩惠に浴しないというような形にな
つておるのでありますが、これは
大臣どんなお
考えを持
つておるか、お聞きしたい。
それからもう
一つ、昨年
中小企業庁の方で御
計画なさいました例の二十億の
融資、これが
銀行との折衝が不円滑のために行詰
つた。これと
関連性を以て今度の月一億という、今までのまあ三億というものが出たのかどうか。若しそれが出たといたしまするなら、前の二十億は、当時の
通産省といたしましては
企業の
経営合理化資金と
謳つてお
つたのでありますけれども、それがたまたま
只今中小企業庁長官からの
お話で、百十三件で一億四千万円の金を
放出したという
お話でありますけれども、これは果して
企業の
合理化資金に廻
つておるかどうか、私共
地方の
金融状態を見ますと、大体
銀行は
多額に貸越している人にのみ偏在的にこれに貸しておるのでありまして、
金融業者の一方的の
考えから金を
貸出しておるので、この覧億円の見返
資金を折角出して頂きまして、そうして
地方の
中小企業が潤うかというようなことが、実際は
相当食違いがありまして、
銀行から自分の持
つている
担保よりも
多額に傘を僭越しているという人にのみ出ておるような
実態でありまして、この点是非
調査して頂ければと、こんなふうに思う次第であります。
それからこれは
金融問題じやないのでありますけれども、昨日の
絹人絹織物不況対策懇談会のときに
お話の出ました
滞貨の
処理の問題、これが昨晩私帰りまして
東京新聞の夕刊を見ましたところが、
滞貨処理の、
滞貨の
繊維の
放出に対して、
通産省と
安本並びに
大蔵省の見解が非常に対立しておるというようなことが書いでありまして、
通産省としては
購買力が低下して
繊維品が非常に厖大に流れており、そうして又
価格が暴落している際に
輸出向の
ストツクを
放出することは、ますます
デフレ傾向を強めるというような
趣旨の下に、
通産省側としては反対をしているような形でありまして、これは市況が一応回復するまで待つ、これは私共尤もなことだと思
つているのでありますが、たまたまそこに
安本と
大蔵省側の
言分が書いてあ
つたのでありますが、これによりますと、
繊維の
製品はいい品質の出回りは非常に殖えて来た。それで尚且つ値下りの
傾向にあるのだから、大量の
ストツクを長い間手持ちすることは
公団の
赤字を一層増大する、又
金利、倉敷料というようなものでも数十億の
赤字が出ているのじやないか、又
ストツクが長ければ長い程品物を傷めてしまう。そうして
値引の
割合が大きくなるから、これでは困るから、
繊維公団が三月一杯で廃止になるのだ。こういうような四つの
條件を出しまして、
安本側と
通産省側は反対しておる、いわゆる意見が対立しておるというような
新聞を見たのでありまして、この
滞貨繊維の
放出という問題は、
全国の
繊維業者は
相当重大視しているのでありまして、この際こういうような対立があるのかないのか、又あるといたしまするなら、
通産省の方の主張はどうなるかということを、是非この際
大臣にお伺いしたいと、こう思う次第であります。