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1950-07-11 第7回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月十一日(火曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (派遣議員報告)  (治安問題に関する件)  (公職選挙違反対策に関する件)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。継続審査は今日で終りといたします。  今日は先ず過般地方税法案否決に関する調査その他に御出張下さつた委員報告を求めます。
  3. 鈴木直人

    鈴木直人君 私共三木治朗鈴木直人の両議員は、法貴調査員を同行いたしまして、六月十五日から六月二十六日まで十二日間に亘り、地方税及び地方財政中心として北海道現地調査をいたしました。懇談或いは公聽会形式で、関係者から意見を聽取いたしました場所を、日程順序によつて申しますと、十六日は札幌市の北海道庁において北海道全般に亘る事情調査し、十七日には札幌市役所において札幌市の関係を、十八日には石狩支庁及び量平町、十九日は美唄市及び空知支庁、二十日は旭川市及び上川支庁、二十一日は網走市及び網走支庁、二十二日は釧路市及び釧路国支庁、二十三日は帯広市及び十勝支庁、二十四日は幌別村及び胆振支庁、二十三日は室蘭市、二十六日に帰京という順序であります。  以上のごとく北海道全区域に亘る視察相当無理な日程でありましたが、私達といたしましては、同一の場所に長く滞在して深く掘り下げて研究する方法をとるというよりは、できるだけ多くの土地と、多くの人々に会つて広く意見を聽く方法をとることといたしまして、道内の、主要な各地を広く訪れたのであります。普通では最小限二週間を要するといわれる予定地の訪問を無事に果すことのできましたのは、全く北海道庁が極めて好意を以て我々の視察に対する援助をしてくれたこと、及び道内の各支庁及び市役所が、いずれも我々の行く以前に、予め我々の調査せんとする項目について相当研究を遂げておりまして、意見もまとめてありまして、立派な資料として印刷して準備してくれて置いたことによるのであります。我々としては極めてそれがために愉快に、能率的に、順調に全日程を終ることができたのであります。この機会に北海道庁初め関係支庁及び市役所に対し深く感謝いたす次第であります。  調査詳細につきましては、委員長宛文書報告に譲り、この席においては特に考慮すべき点について御報告をいたすことといたします。  先ず第一に、北海戸の道庁初め道内各地において異口同音に強調されておりましたものは、北海道特殊事情ということであつたのであります。北海道が他の都道府県と異つているという、いわゆる特殊事情というものについては、行く先々において到るところで聞かされて、私達といたしましては、成る程北海度というところは、現地に来て見ないというと、東京等においては本当実情が分らない、現地に行つて見て初めて北海道の実際というものが実感的に分ることができるというようなことを発見したのであります。北海道に対してはまだまだ他の都道府県趣きを異にした点が、ございまして、都道府県ということにすべてを画一的に地方自治制度規定するというようなことについては、まだ北海道については早いのではないかというような感を抱かされて来ているのであります。  その特殊事情なるものについて二、三申上げますというと、北海道はその面積は非常に広いということであります。即ち東北六県と新潟県を合した広さであるという程度の広さであるということであります。普通内地等における人は、北海道というものを一枚の他の県と同じような大きさの紙のところ北海道地図がありまする関係からして、例えば香川県を見ましても、一枚の大きさになつているし、北海道地図も一枚の大きさになつているという関係からして、北海道は如何に面積が大きいかということの実感が分らない。ところがそれを本当の大きさに比例して拡大して見ますというと、新潟県と東北六県、或いは九州全体と四国を加えた程度の広さである、こういう点であります。根室支庁別海村の例をよく引いて説明されておりましたが、別海村のごときは大体において香川程度の大きさである、一つ町村の大きさが一つの県、香川県に匹敵する程度の大きさなのである、こういうようなことでございます。それに反しまして非常に人口が稀薄である、非常に人口密度というものが稀薄であるというところに、この特殊的な事情がある。従つて行政方面におきましても、非常に経費がかかる。一つ町村を観察するにいたしましても、香川県内視察するような広さであるし、而もそこは交通が余りない、ところどころに部落のようなものがあつて、そうしてそういうところに山を越えて、そうして廻らなければならんというようなことからして、旅費も相当かかる。又学校等におきましても、十八も二十も一つ町村にある、而も他の府県のごとく一つ学校の生徒が千人とか二千人なんというような大きなところ学校ではなくして、百戸とか百五十戸とかいうような部落一つずつの学校を必要とする、そうしてそれが一つの村に二十一も十七、八もあるというのが、北海道のごとき村の特殊性である。従つて六・三制の建築などにつきましても、いわゆる小さいところ学校というものを沢山作らなければならない。そこには校長も必要であるし、小使さんも必要である。そういうようなことで東京とか、或いは他の大きい県において一つ学校を作れば何千人も入れるととができるというようなところ人口密度の多いところ町村とは非情に趣きを異にしておるのである。従つて行政費というものは非常に多くかかる、こういうようなことを案じられて説明をしておるのであります。  尚次に、北海道は気象的に非常にに不利な條件にある。これは大体十一月以降になるというと建築等はもうできない。コンクリート工事なんかできなくなる。要するに一年のうちの半年というものは、実際においては土木工事その他の工事については実施不可能というようなことになるのである。従つて三百六十五日のうちの約半年というものが実際において仕事をするところの、北海道のまあ仕事をする期間である。ところが従来の国の補助とか、或いは地方配付税とかいうようなのにおいては、やはり画一的に年度或いは四半期ごとにまあ配付される。そうしますと冬になつて幾ら金貰つて工事をすることができない。その冬の間に金を貰うことになると、結局それはいろいろな、方面に使わなければならないということになる。従つて北海道については財政的には、大体もう十月頃まですべての国の費用というものを貰わなければならない。そうしてその間において必要なところの一年間の諸般施設工事というものを終つてしまわなければなら、ないというような事情がある。だからして北海道については他の府県と別個に、例えば九州地方などの一年中仕事ができるものとは違うのであつて、結局仕事ができるという、春から夏にかけての間においての財政措置というものを考えなければ実情に合わない、ということになるのである。こういうようなことで中央において北海道等に対するところ財政措置については、特にそういう点を考えなければならないというようなことがいわれていたのであります。  尚次には、北海道は何といつても、北海道というものはできましてから数十年きり、北海道開発されて数十年しか経つていない、その間において現在のように非常に発達はいたしましたけれども、まだまだ開発の余裕があるのであつて開発途上にあるところの未完成の府県である、府県市町村である。交通、通信その他のものがまだ遅れておるし、道路等におきましてもまだ内地のごとくよくできていない、これからやらなければならんというところのものである。これから資本をどんどん入れて開発しなければならんというようなところである。殆んどもう開発され経つてしまつたというような交通の多い文化の発達したところの既成の、曽てのすでにでき上つておるところ町村とは全く趣きを異にしておるというような関係からして、そういう点については非常な将来に対する、将来よくするところ開発予算というものは又非常に必要になつて来ておるというようなことも特色として言われておるわけでございます。  又次には、電力開発がまだ遅れておる。従つて電力料金なんかもまだ高いし、将来相当電力に対するところのいろいろな考え方もしなければならんというような段階にあるということとか、又北海道樺太方面からの引揚げ、或いは満洲方面からの引揚げというものが非常に地理の関係で多いために、引揚者が非常に多い。こういうようなことのために、それに対するところ対策なんかも特に北海道においては必要であるとか、その他北海道は冬になるとどうしても暖房が必要である。そうすると人件費等においてむその暖房費というものがどうしても必要になつて来る。従つてそういうような人件費等においても暖かい地方とは、より以上に人件費が必要になつて来る。而もそれは暖かい地方においては冬中も働いていることができるけれども、北海道においては人件費はかかるけれども、比較的働くということもできない。雪に埋もれていなければならんというようなことで誠に不生産的な所である。従つてこういう点についてはまだ完全な自治体として取扱うことが、果してどうであろうかというようなことすら、現地北海道の方々は言われていたのであります。そういうようなことでありまして、財政的にはそういう特殊的な條件というようなものを、相当加味されてやつてつて貰わなければならんということで、地方財政平衡交付金というようなものが、現在法律はできておりまするけれども、地方財政委員会において目下各行政費数字について政令を作ろうとしているが、そういう場合においてはこの北海道の特殊的な事情をよく頭に入れて、そうして計算して貰わなければならん。要するに相当の他の地方よりも多いところ経費がかかるという点を、よく数字の上に表して貰いたいというようなことが、どこの市町村に行きましても同じように言われたのであります。尚平衡交付金を配付する場合においても、先程のように時期的な考慮をもつてそうしてやつて貰わなければならないということと、それが実際においては、北海道においては死物になつてしもうというようなことであるからして、そういう特殊事情というものも、平衡交付金の配分時期についてもよく研究して貰いたいというようなこともございました。  尚次に北海道の税制でありますが、今度の地方税は、所得税相当減るけれども固定資産税、或いは住民税において相当の増税になる。従つて町村においては従来よりも相当税の收入が多くなる。こういうようなことになつておりまするが北海道においては逆でありまして、今まで住民税というものは相当超過課税をしておる、そういうような関係からして、今度の地方税法によつてむしろ減收になるくらいになつておるということが事実であります。従いまして北海道におきましては今度の住民税の税率を引上げたことによつては決してそのために税源が多くなるということはないので、むしろ超過課税というものが制限されております関係上、それ以上取れないというようなことで、むしろ税收入が減らされる。それから脱税も取ることができないというようなことで、町村においてはむしろ今度の地方税法においては税收入が弱化されることになるから、それを平衡交付金というような方面においてやつて貰いたいというようなことであつたのであります。  法務総裁が見えておられるようでありますから、あとのことは一つ調査書によりましてお許しを願いたいと思います。私の報告を終ります。
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 鈴木君からの御報告は尚報告書を出して頂きまして、それを速記録に載せたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ではそういうふうに取計います。  大橋法務総裁が見えましたから外の方の御報告はお待ち願いまして、大橋総裁から、過般マッカーサー元帥から吉田総理大臣翼対しまして書簡が出まして、七万五千人の国家警察予備隊創設を許可し、又海上保安庁職員八千名を増員するというような点について、その経過並びに政府がどういうようにこれを実行して行かれるか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
  6. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 七月の八日の日にマッカーサー元帥より吉田総理宛警察力強化に関しまする書簡があつたのでございます。この内容只今委員長からお話しになりましたどとく、新たに七万五千名より成る国家警察隊創設すること並びに現在の海上保安庁職員を八千名増員すること、これによりまして国内における警察力を強化して行くという趣旨でございます。  内閣といたしましては、この書簡を受取りましてその内容を検討いたしますると同時に、これが実施の面について急速に取運ぶように努力をいたしておる次第でございます。ただ現在御承知の通り三万の国家地方警察並びに九万五千の自治体警察があるのでございまして、この現在の十二万五千の警察力と、この新らしい七五五千の警察力とが機構的に如何なる関係になるべきものであるか、又如何なる関係に扱うのが適当であるかというような根本的な問題もございます。又この新らしい七万五千の警察力を現在の国家警察と同様に国家公安委員会をして運用せしむべきであるか、或いは又政府直属警察として運用すべきであるかといつたような、これ又根本的な問題もあるわけでございます。殊にこの七万三千の新らしい大量の人員を如何にして急速に獲得し、又これを教養し、現実の警察力として活用できるように運んで行くかというような、実施上におきまするいろいろな点もあるわけでございます。殊に装備配置等につきましても問題が残つておるのでございまするが、これらは書面におきましても、司令部関係当局におきましてこの実現については日本政府に対して引続き援助を與えるということを言つておられまするので、私共は関係当局援助を期待いたしつつ目下諸般の点について折衝をいたしておるような次第でございまして、未だ具体的な点について御説明する段階に立ち至つておらないということを御報告いたします。
  7. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 只今法務総裁お話内容は、新聞紙の報道しておりまするマッカーサー元帥書簡に基くところでありますが、その書簡はもとより新聞紙上を通じて一応了承しておるのでありますが、併し仔細なことについて一々今ここに記憶いたしておりませんから、的確なるところ書簡記載事項に基いての微細な点に至つてまでの質問をすることがちよつと私には只今できかねるのでありますが、我々として今それを中心にしてお尋ねいたしたいと思いますことは沢山あります。  第一に、そうした警察制度改正を大体やらなければならないと思うのでありますが、あの書蘭の私の今漠然と記憶いたしておりますみところからすると、政令によつてやるということが書いてあつたと記憶いたしておるのでありますが、あの政令というのは、憲法規定しておるところの……政府憲法及び法律実施するに際して必要なる捕置を請ずるための憲法規定上の政令であるのか、ポツダム政令なのであるか、それを先ずお伺いしたいのでありますが、尚それがいずれでありましても、これは我々がこの委員会を通じ国会を通じて先に議定いたしましたところの新警察制度に対する非常に大きな改正であります。そうした警察制度につきましては、それに関するところ法律があり、又海上保安庁につきましてもそれぞれ法律があるわけでありまするから、議会議決を通じての法律立法形式を通じて、そうした法律改正或いは新しい法律の制定が行われなければならない。それは今日まで当局日本議会に対してサジェストして来られたところの新しい憲法の基本的な議会中心主義精神でなければならないのでありますが、私たちはそういう観点からいたしまして、あくまでも新憲法精神に基いて国民の代表である議員による国会の、議決を通じて、国家警察官増員或いは海上保安庁職員増員というようなことの問題が議決さるべき問題であると考えておるのでありますが、それに対する政府見解はどうであるか。  第二には、それに関するところ費用の問題でありますが、これ又私の今手許に持たずして、漠然たる新聞紙を読了しました記憶からいたしまするというと、予算上におけるところ国債償還基金というものをそれに流用するというようなことが書かれておつたように記憶いたしておるのでありますが、果してそういうことが法規的に如何なる形式においてできるものであるか。即ち予算費目をそういう警察費支弁費用に振替えるということはどういう形において行われるのであるか。我々はやはり先に申しましたところ国会至上主義、新憲法精神があくまでも議会中心主義憲法であるという建前からいたしまして、これに対しても又補正予算提出その他の予算措置国会議決を巡じて行われるのでなければ、憲法精神を蹂躙するところの非立憲的な行動であると言わなければならん結果を来すと思うのであります。その意味におきまして、もとより私たちはそれに関する法案が急遽政府からこの臨時国会に出されること、それに対するところ予算が急遽この臨時国会提出さるべきものであると考えているのでありますが、確実な石それに対する見解政府側から先ず承わりたいと思います。
  8. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 只今吉川さんから二つの点について御質問がございましたが、第一は制度改正についての政令によるか或いは法律によるか、政令によるとすれば普通の政令であるか、或いはいわゆるポツダム政令であるかという点でございます。この点につきましては、法律の現在制定せられておりまする新警察法に対する改正というような性質のものであるなら、原則として国会議決を経たところ法律によるべきであるという御意見でございます。この点はこの度の取扱いについては如何なる措置が適当であるかということは只今政府といたしましては研究中に属しております。  次に費用の点につきまして、マッカーサー元帥書簡中に国債償還金を以てこの新たなる経費に充当するようにという記述が見られるのでありまするが、これが法規的には如何なる方式によつて行われるかという御質問でございます。この点につきましては国債償還金支出そのものが直ちに警察費支出として処理されるものとは私共考えておりません。勿論この国債償還金支出を取止めることによりまして生じたる財源によつて、他の支出科目にあるところのこの新らしい警察に要する諸経費、こういうものに充当すると、こういう趣旨を示されたものと思うのであります。これはいわゆる予算に対する補正として行われる場合、即ち補正予算として行われる場合もありましようし、或いは又既定予算費目流用、又は移用によつて行い得る場合もあると存じますが、この点につきましては政府部内において尚研究中に属しております。
  9. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 然らば後の方の費用の問題についてでありますが、私が申しましたように、この臨時国会にそうした補正予算を御提出になるのであるかどうかということについて重ねて御答弁を願いたいと思うのであります。  それから第二にはその前半でありまするところ立法形式の問題でありますが、政府政令によるか或いは法律によるかということについて研究中であるといわれておりますが、私は法律によるべきものであるということを申し上げたのでありますが、仮りに政府法律によらずして政令によつてこれを行おうとせられるのであれば、その政令によつて行わんとするところ理由が那辺にあるかということについては、今回御調査中でありましても十分御見解があるだろうと思いますので、その二点について重ねてお伺いいたします。
  10. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 補正予算がこの国会提出されるかどうかという問題はまだ決定いたしておりません。  それから第二の問題如何なる理由によつてポツダム政令として出されるのであるか、その根拠を言え、こういう点でありまするが、政府といたしましてはその点をも含めまして研究中であります。
  11. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ポツダム政令で出すことに決定したわけではないのですね。
  12. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) その点をも含めまして研究中であるという趣旨に御了承願いたいと思います。
  13. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 甚だ不満足でありますがこのくらいにいたして置きましよう。
  14. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私からもちよつと重ねてお尋ねいたしたいのは、目下政府は御研究中であると只今お聞きしたのでありますが、今回の国家警察休と称せられるものと従来の国家地方警察というものとの性格は同じでありますか、違うのでありますか。従つて機構問題にも関連することだと思うのでありますが、違うならはどういう点が違うのであるかどうかという点をお尋ねいたしたいこと。  又これに関連して運用問題も関連することだと思うのでありますが、そこでこれらの警察体正員なる者の身分公務員か、官吏か、又はそれ以外の職種に属するのか、現在の法律に制定されておる範囲内の身分であるのか、或いはそれ以外の身分に属するのであるかということをお聞きしたいのが第二点。  第三点は前段にお聞きしたことにももとより関連いたしましようが、装備等につきましても目下御研究中と承つておるのでありますが、将来これは準警察的な行動を越える場合には、例えば事事的な活動を若し展開されるという場合には、これらの指揮者日本人以外の者、いわゆる国連であるとかといつたような場合が起り得るのであるかどうか。飽くまでも公安委員会とか、或いは政府がやられるのであるかどうか。それから予算問題につきましても、只今古川委員からお尋ねがありましたが、マッカーサー元帥書簡新聞紙上で拝見いたしますれば、当然予算法律に関連せし事項を指摘されておるのであります。旧債務償還費のうちからこれを支弁すべきことを妥当とされる御指示があるようでありますが、これは他の費目流用とかいう点も法務総裁から今お話がございましたが、当然現在の旧債務償還による命というものは政府財政金融政策のうちにそれぞれあてがあつて枠の中に嵌められておるということであります。従つてマッカーサー元帥がこれらの予算のうちからやれということは即ち予算補正修正措置をやらなければならん決定的な指示であると私は了承しておりますが、この点を重ねてお聞きいたしたいのであります。  それからもう一点は、多少重複の虞れもありますが、この警察体活動の規準と申しますか、動機と申しますかというものは、どういう場合を予想してであろうかという点をお聞きしたいのでありますが、新憲法並びに法律に準備する、いわゆる違反事項に対する以外の行動にも、法律だとか憲法だとかいつたようなことに関連せる以外の行動をもなし得る場合があるのかどうか。ここにマッカーサー元帥書簡意味合が非常に多元的に含まれておるように想像いたしますが、こういう場合があり得るかどうか。かような点をお聞きしたいと思います。
  15. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 岩木さんの御質問にお答えいたします。第一にこのたびの書簡によつて創設指示されておりまする国家警察体なるものが、従来の国家地方警察と同じであるか違うものであるか。違うとすればどういう点が違うか。又その運用がどうなのかという点であります。この点につきましては政府といたしましては、従来の警察を頭に置きまして、如何なる形に新らしい警察を持つて行けばいいかということを研究いたしておりまして、未だ的確なるお答えを申上げる段階に立ち至つておらないのであります。  第二に、この新警察隊に属する人員身分公務員であるか、官吏であるか、或いはそれ以外であるかということでございまするが、これは公務員であることは間違いなかろうと思います。ただ諸般関係上、この公務員に対して現在の国家公務員法規定を適用すべきかどうかということは、今後の研究に構する問題になると思つております。  それから第三は、装備の問題でありますが、これ又今後決定さるべき問題でありますが、その結果として、この警察隊が、従来の警察に通常行われておるところ活動を超えた軍事行動的な活動をする場合がありとすれば、その場合において日本人に非ざるものが指揮権をとるかどうかということの御質問でございます。私共はこの際この新警察隊は飽く迄も従来から考えられておりまする警察をやるところのものでありまして、警察以外の軍事行動というようなことを予想したものでは全然ないと、こういうふうに考えておりますから、従つてこれに対して外国人が直接指揮をとつて軍事行動に持つて行くというような事態は全然予想すべからざるものである。こう考えております。  それから債務償還費を停止して、この費目にこの費用を充当する場合においては、当然予算の修正が必要になるではないかという御質問でございましたが、この点は今政府として研究をいたしておるのでございます。  それから最後の活動基準の問題でございますが、これ又今少し研究をさして頂きたいと思います。
  16. 鈴木直人

    鈴木直人君 今度の警察隊は、警察予備隊であるというように言われておるようでありまするが、そうしますというと、而もその機能は管区本部を置いて各県に又組織を作るということになりますると、今までにあるところ国家警察と機構的には大体同じようないわゆる範囲を管轄して行くということになるわけですか。予備隊という意味は、平素は第一線には全然立たないものであるか。各管区或いは各県毎に、いわゆる駐屯的な予備隊として平素訓練をしておる。今各管区学校とかいろいろありますが、そういうふうに平素何か訓練している。従つて平素は第一線には立たない。併しながら自治体警察或いは国家警察等から非常時の場合において応援があつた場合においては、常に直ぐ繰り出すのであるか。いわゆる応援隊、こういうような体質のものであり、そういうふうにして組織されるものであるのか。それをお聽きしたいと思います。
  17. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 鈴木さんにお答えいたします。政府といたしましては、元帥の書簡に示されました警察隊は、平素第一線に立たず、必要な場合に応援に行くというような意味で、予備隊的なものであるとは考えておりません。それから全国に数ケ所の管区本部を置くというようなことも、まだ具体的には決定いたしておりません。
  18. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうなりまするというと、勿論目的がどこにあるかということになりますし、活動する場合の活動範囲がどうなるかということになりますが、今すでに国家警察において一定の組織がありまするから、それを全然別個の同じようなものを置くということになりますと、今までの国家警察というものとの活動の関連、組織上の関連がはつきりしないと思うのですが、そういう点はどういうふうに関連をつけられますか。
  19. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 新らしい国家警察隊は、現在の警察制度の欠陥を補償するという目的を持つておると思うのでございます。特に時局下、治安上種々困難なる問題が生じつつあるのでございますが、この事態に即応いたしまして、できるだけ国の治安を確実に守るという趣旨におきまして、この新らしい警察隊を運用して行かなければならん。従いましてそういう趣旨を達成するには、現在の警察制度と新らしい警察隊関係をどういうふうに持つて行くのが一番いいかということを、只今研究いたしておるわけであります。
  20. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 何ごとも御研究中のようでありまするが、法律によるか或いは政令によるかは研究中であるということでありますが、この新らしい警察制度規定されるその規定は、法律たると政令たるとを問わず、その中に罰則規定を包含することになりますか、ならない予定でありますか。
  21. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 只今ところ、まだその点についてお答えいたす程度まで参つておりません。
  22. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 先従来、法務総裁のいろいろ説明を聴いておるのだが、どうも調査研究中で、よく分らん。今までの御説明の中に、新らしい国家警察豫は、新らしい事態に即応して治安維持に任ずるというふうなことがあつたのですが、そうして尚且つ、これは従来の警察と同じ性質のものである、予備隊というようなものではないという説明でしたが、こうして来ると、さつきいろいろ他の委員から質問があつたように、そうであるならば同じ性質のものを……、それから又現在の国家警察と同じように管区本部を置くというようなことになつて見れば、甚だ了解に苦しむのであつて、それならば、あなたが言うようなものであるならば、單に国家警察増員ということになるが、そうじやないと思うのです。法務総裁は、新らしい事態に即応すると言う。新らしい事態に即応するというのは、国内的な問題だけに限つて言われるのじやないと思う。新らしい国際情勢について言われるのだろうと思うのです。であるから、そうすれば従来の国家警察とは性質が違うのである、組織も違うのであるということにならなければならんと思うのですが、そういう点を、單に調査研究ということでなく、新聞でもいろいろ可なり詳しく出ておつたのですから、もう少し内容の説明をして貰いたいと思う。というのは、従来樋貝国務大臣がいろいろ警察の問題を言われた。この問題は、委員会質問すると、これは非常に関係方面のこともあるので言えないから、も場う少し待つて呉れ、決まつたら自分の方から説明するというお話で今日まで来たわけです。ところがこの間樋貝国務大臣が失言したのかどうか、内容はよく分りませんが、それで首を切られた。そういうふうなこともあつたもんですから、こつち積極的になかなか聽けない。それで今度マッカーサー元帥書簡がああいうふうになつた。而も国際情勢も非常に激変しておる今日、尚且つ政府のみが、発表するまでは国会にも知らさんというようなことであつては、こういうふうな問題を單に政府に委しておつて国会の方は知らん顔していいものではないと思います。軍に今までの調査研究であるというようなことでなく、新らしい事態にもなつおるのですから、法務総裁は必要とあらば、この委員会に秘密会でも要求して、もう少し説明を加えられるのが至当であり、又我々委員としても、今のような説明だけで、そうですがといつているのは甚だおかしいと思うのです。ですから事実を、秘密を要求されるならば秘密会でもいい。そして委員会にもう少し詳細に説明を願いたい。
  23. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  24. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。外に御質疑ございませんか……。一つお聞きして置きますが、これは吉川委員がこれまでこの委員会でも言つておられたのですが、自治体警察というのは都市警察である。今までの国家地方警察というのは、農村、山村警察である。今度の新たにできたのは、地方自治体警察国家地方警察に対して、問題が大きくなつたときには、そこで出て行く後援隊といいますか、それじやないかと、こういうふうに我々はあの書翰を見て考えたのであります。その点はどうなのでしようか。
  25. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 只今委員長の御質問でございますが、恐らくそういうふうな考え方が当嵌まるようなことになるのではないか、こう私共としても考えております。
  26. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 法務総裁は衆議院の地方行政委員会にも呼ばれておりますから……
  27. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 まあいろいろと言い前はあるだろうと思うのですが、自主的に考えれば、やはり国際情勢の変化、殊に最近におけるところの朝鮮問題等と関連しての治安問題というようなことを中心として起つて来た問題と思われるのですが、單なる治安問題でなくして、そこに何といいますか、よく今までとも警官というものを軍隊の変質したものとしていろいろ考えて来たのであります。特に第一次欧州大戰後における軍備の制限に関連して、ドイツではそれを補充するために、警察官に対する軍事的訓練をしたということがいわれて来たのでありますが、そうした軍事的意味というものを、実際に私は含んでいるのだろうと思うのですが、そういうことについての見解は如何ですか。
  28. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 軍事的な意味はないと考えます。
  29. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に御質疑ございませんか……。それでは治安の問題、国家警察予備隊の問題は、以上で打ち切りまして、調査のため出張された方の御報告を求めることにいたします。
  30. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 去る六月十八日より八日間に亘りまして、岡本委員長、黒川委員、私と、三人におきましてシャウプ勧告の趣旨に関連する地方行政改革、特に地方税改正案による影響を地方税財政の実績と関連せしめまして調査し、併せて行政費の浪費の有無、地方財政平衡交付金に関する事項の外、治安の状況、選挙、消防等、広く地方行政関係の諸問題についての現地調査のため、滋賀、福井、石川三県下に出向いたしまして、左記各地におきまして地方自治体の理事者側、議会側、産業団体代表者、その他民間人等、広く地元の関係者に面接いたしまして、地方事情並びにこれに関連いたしまする意見要望等につきまして、隔意ない意見の交換をしたのであります。視察箇所におきましては、滋賀県におきまして滋賀県庁、大津市、八幡町、長浜市、福井県におきましては、福井県庁、福井市、敦賀市、小浜町、石川県におきましては石川県庁、金沢市、七尾市、輪島町を視察し、その間大体公聽会を開催したのであります。今回の実地調査に当りましては、各府県市町村視察いたしました自治団体の方々の非常なる好意によりまして、我々の実地調査につきまして非常なる御便宜を與えて頂きましたことに対しまして深く敬意を表する次第であります。今回の実施調査におきましては視察箇所中九箇所におきまして公聽会を開催いたしまして、地方税財政を中心とする地方行政各般に亘り、まず諸問題につきまして、地方側の率直なる意見要望を聽取したのでありますが、就中地方税財政に関しましては、積極的な意見要望の開陳がありまして、又財政と関連いたしまして、治安の面より現行警察制度についても強い要望がありました。  シャウプ勧告の趣旨に基きまして、公正且つ合理的な租税負担の実施と、地方財政の確立とを目途といたしまして、提出されました地方税改正案については、我が国地方財政史上画期的な改革をもたらすものでありまして、国税改革よりもはるかに根本的、全面的、且つ恒久的な改革でありますので、国民の関心の度合も従来に比しまして最も強く且つ、真剣でありました。更に第七国会におきまして、各方面からの陳情請願が山積いたしておりますが、これは国税が減税となるのに反しまして、地方税が大幅に増税となり、且つその内容におきまして学問的、技術的に幾多の重要課題が包蔵されておることが、その要因と言つてもよいのであります。従つて、同法案否決の反響が相当大きなもののあることは予期していたところであるのでありますが、現地に出向いたしまして忌憚のない国民の声に接しまして、ますますその感を深くいたしたのであります。今次の否決措置が業界及び一般国民に歓迎されている反面におきまして、地方自治体の理事者議会側といたしましては、相当強硬な反対意見の表示をしたものもあります。それは、改正税法の成立を前提といたしました、昭和二十五年法律第五十号、地方税法の一部を改正する等の法律がすでに実施されている関係上、地方税收入の空白状態を招来いたしまして、地方財政の運営に非常な苦慮を生ずる結果となつているのであります。その内容におきましては、問題は存するといたしましても、地方財政上及び今後の徴税上の困難等を勘案いたしまして、一応その成立を要望していたからであります。併しながらこの問題も来る臨時国会において、この状態が解消されるといたしますれば、四ヶ月間の暫定措置で一応切抜けられるのでありまして、仮に、前国会で成立いたしましても施行されるのは六月一月程度となりまして、すでに二ヶ月間の税收空白は免れなかつたのであつたから、地方税法案の再検討と修正可能の見通しのついた現在におきましては、前回の否決の結果が大局におきまして、国民負担の均衡と軽減の上にプラスにたるのであろうことを懇談の結論といたしまして、多数の者は一応認めるに至つたのであります。その他地方税改正案否決の影響、同改正案の税目個々に亘る問題、地方財政平衡交付金法、公職選挙法及び今回の参議院議員通常選挙の施行状況、治安問題及び警察制度、消防制度その他の事項については、地方の理事者側及び民間側の意見要望の主要なものがあります。非常に広汎なものでありますのでここで一々申上げることはいかがかと思いますので、これは報告書によりまして委員長の方へ提出するととにいたしたいと思います。この問題につきましても、三県下におきましては特に立地條件を特に強調せられまして、我々は積雪地方であり、非常に湿潤地方である。そうして、非常に不便のところであるから、地方税方面におきまして、特に平衡交付金の問題につきましては、温暖地方よりも、その取扱いにおいて優遇をしてくれるよう、又今後この税法によりまして後半期に非常に收税が多くなる。その問題につきまして現在の状態におきましては、事務費だけでありまして、事業費というものはやれない状態にある。事業費も積雪地方でありますから、なるべく国の方から何とかして貰いたい。優先的に寒冷地帶の方であるところの石川、福井の方は取扱つて頂きたい。こういう要望があつたのであります。くわしいことは報告書において申上げたいと思います。  それから、公職選挙法の問題でございますが、これは自由な選挙を要望する世論に応えまして、今回公職選挙法が新しく制定されましたことは、我が国の選挙制度、及び行政史の上において画期的なものであり、民主政治の下におきます選挙制度の意義と、その行政の地位とを簡明に且つ国民にその理解を容易ならしめた点において重大な意義を有するということができます。改正後初めて施行されました、今回の参議院議員通常選挙の実施状況につきまして、広く世論を調査し、これを批判検討することは、次の立法措置に資する重要な意義があるものと信じます、今回の調査におきまして要望された意見の主なるものを少し申上げて見たいと思います。従来の選挙法は、各種の選挙法令と関連いたしまして、その態様が極めて複雑多岐に亘つていたために、その運用は判例と行政解釈に依存するところが多く、従つて取締り面におきましても非常に困難であつたが、今回の改正によりまして、一元化されまして、法の適用が極めて容易で取締りも公平、且つ適正に行われまして、選挙に対する国民の認識も高まり、投票率も向上し、非常にいい成績を得たのであります。問題の点といたしましては、法第四十九條によりまして、不在者等に用います医師の証明書は、市町村長、又は同係員等の証明に替え、選挙人の便宜と負担の軽減を図られたいというような問題であります。不在者投票につきましても、いろいろこの問題が問題になつてつたのであります。又交通至難の島等に渡島中の者につきましても、何とか考えて貰いたい、というような問題がありました、又その外、地方公共団体の議会議員が欠員になつた場合、その後の期間の少ない、或いは半年以内というようなときにおきましては、これは選挙を止めて貰いたい、地方財政の状態におきまして、そういう点を申しておつたのであります、又個々面接の問題につきましても、いろいろ要望があつたのであります。又政党の関係におきまして、個人でなくて、なるべく政党によつて、いろいろな選挙運動をして貰いたい、無料郵便につきましても、消印を押して貰いたいとか、いろいろ又投票所の問題につきまして、一町以内の区域におきまして、ポスターを撤去するのは、選挙管理委員会では困る、何とか外の候補者にして貰うとか、何とかして貰いたい。  それから立会演説の問題につきましては、これは代理者はやめて貰うとか、最少限度にして貰いたい。又立会演説が開催されている時間中に限りまして、会場から三町以内の区域におきまして、他の演説会が開催できぬように改正されたい。これらいろいろの問題の要望があつたのであります。  結局この改正選挙法によりまして、非常にこの三県下におきましてはいい成績を収めております。特に福井県におきましては、一〇〇%状態であつた村があるのであります。こういうのでありまして、この改正選挙法に対しましては、三県下はいい成績を收めておる。こういう結果になつておるのであります。  次に治安問題及び警察制度の問題につきまして簡單に申上げたいと思います。滋賀県につきましては、労働運動といたしまして、県下の労働組合はその殆んどが総同盟系に属しまして、極めて穏健にして目下のところ闘争中のものはありません。農民運動といたしましては、県下日農系組合員は本年の初め反税闘争をやり連日税務署地方事務所に押しかけまして、団体交渉をしましたが、本年早々公安條例違反で首謀者検挙後は一応平穏を保つておりますが、ますます峻烈化する傾向があるようであります。  失業者闘争状態でありまするが、県下におきまして、自由労働者組合は大津その他五組合でありますが、中でも彦根自由労働組合約四百名は、市当局に対しまして住居侵入不退去問題を惹起いたしまして、主謀者は検挙されましたので、その後平穏になつておりますが、まだこれは憂慮される点があります。税金闘争におきましては、これは相当各県下現在平穏であります。  次に朝鮮人問題でございますが、この問題は滋賀県が最も熾烈であると我々は感じましたので、ちよつと詳しく申上げたいと思います。県下在住の朝鮮人は約八千八百名でありまして、その殆んどが旧朝連系に属しております。朝鮮人団体は女性同盟、解放救援会、朝鮮人団体協議会等がありまして、いずれも表面的には別々のごとくでありますが、その裏面は同一のものでありまして、旧朝連系幹部の共産党員がその指導力を担つておるようであります。これを構成する朝鮮人は総数の約八割を占めておりまするが、外の二割の一般朝鮮人は盲目的に追従しておるようであります。朝鮮解放、並びに学校閉鎖後における旧朝速幹部は公立学校における朝鮮語等の取扱いにつきまして、文部省から取扱いの「公立学校における朝鮮語等の取扱いについて」という指令が出ておるのでありますが、非常に消極的な態度でありましたのにつけ込みまして、朝鮮語の正科編入、朝鮮教師の給料の値上問題を取上げまして、学童を使用いたしまして、集団的に県下各地市町村長に対しまして執拗なる団体交渉の挙に出て、言語に絶する狼藉をした。警察におきましても、学童の取締りでありますので、学童の問題でありますので非常に困つていたのであります。この旧朝連系団体に対抗いたしまして、居留民団が非常に力が弱いためにどうにもならない状態にあつたのであります。本年の六月六日のマ司令部の書簡によります共産党中央委員等の追放指令発表後におきまする共産党は、県下各所にビラ、壁新聞等を掲出、配布して果敢なる日常闘争を展開したのであります。こういうような状態でありまして、現在非常に困つております。滋賀県におきましては割にこの問題は簡單でひどくありません。警察制度につきましてはいろいろの問題が残つておりますが、これはまあ時間の関係で省略いたします。消防の関係報告書提出いたしまして速記に入れて頂きたいとかように考えます。以上で私の報告を終ります。
  31. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 先に院議に基きまして、私及び岩木委員の二人が福永專門員を随伴いたしまして、長崎県並びに佐賀県に專ら地方税法改正問題に関しましての地元の状況を調査いたしますために派遣せられたのであります。六月十六日から二十六日まで十一月間に亘りまして地方税法案の不成立に伴う地方財政実情及び地方財政平衡交付金に関する諸事項調査いたしまして、併せて行政費の浪費の有無治安の状況等につきまして現地調査を行つたのであります。これらの問題につきましては、長崎県の対馬と長崎県庁、長崎市、大村市、長崎県の千綿村、同じく川棚町、佐世保市、佐賀県におきましては佐賀県庁、佐賀市役所、東川副村、巌木村と武雄町にそれぞれ公聽会様のものを開きまして、県知事、市町村長その他地方公共団体の理事者側の意見並に議員側の代表者の意見、商工会議所等の、関係団体の代表者等からの意見をそれぞれ聽取するところがあつたのでございます。  又治安の問題につきましては、專ら当該地の公安委員警察官、海上保史庁の地方関係官等から所管事項につきまして説明を聽取いたしたところがございました。  この我々の調査の結果につきましては詳細なる報告書を作成いたしておりますので、それを提出いたしますから、ここでは口述して報告申上げることを省略することをお計上を願いまして、この報告書をできるならば速記録に御記載が願いたいと思うのであります。  税制の問題につきましては、大体におきましてこうした法案か不成立になつたということにつきましては、いろいろ地方公共団体としての財政上の困難なことにつきましての意見が理事者側から述べられたのでありますが、これに対しましては私共の方から、参議院において同法案が否決されるに至りましたところの諸種の事情を説明いたしまして、でき得る限りその事情を理解せしめることに努力いたしたのであります。  尚御報告申上げたいことはすべてその書額に譲りますが、地方市町村へ参りますというと、殊に農村側におきましては、現在の金詰りの世相を反映いたしまして、納税者側の納税の意欲が非常に低下しておるために、小さな市町村のおけるところの徴税吏員が人情に負けて徴税能力が鈍化することもありまして、いろいろな困難があり、又ああした地方税の増徴殊に市町村税の増徴ということは、この不景気な、経済的の下向期において実際上その実績を上げるということは極めて困難であるという意見相当に有力に識者から述べられたということを特に御報告申上げて置きたいと思うのであります。重ねて申上げますが、詳細は報告書によつて御覧願うようにお願いします。尚対馬の治安の問題につきましては、先般の委員会におきまして若干調査いたしましたことに関連いたしまして、私より発言するところがあつたのでありますが、これ亦特に福永專門員が、私が船酔のために厳原以外の地方視察することができなかつたのでありますが、同君は熱心に二十トンの小船に乗りまして海上保安庁地方官と共に仔細に各地調査して呉れたのであります。福永君から更に必要があれば、更に口頭を以てこの機会に御報告申上げるかとも思いますが、大体におきましてこの調査の結果は、これ又この報告書の中に十分に詳細に記載いたしておりますから、併せて右申上げる次第であります。
  32. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 尚秋田、宮城に出張して頂きました堀君の方の御用意ができますまでに、竹中君の御報告をちよつと補足いたして置きたいと思います。この滋賀県における朝鮮人問題は甚だ憂慮すべき状態でございまして、朝鮮人が自分の朝鮮人の学童をけしかけまして村役場、町役場に押し寄せて来る、毎日のように押し寄せて来る。多いときには五十名、少ないときは二十名、それで歌を歌い乱暴をいたしまして、村長の机の上へ子供が上つて小便をする。それを引きずりおろせば手に噛みつく、足に絡みつく、どうすることもできないので甚だ困るという状況を今続けておるのであります。この問題につきましては、いずれ又第八臨時国会におきまして、地方行政委員会におきまして文部省当局などを呼びまして、皆様と共に御審議を願いたいと、こういうふうに思つております。尚側の福井県下における武生市に起つた公安委員並びに市政の紊乱問題、ボスと委託していろいろ武生事件という事件が新聞紙上に大きく報道された、それに対して衆議院の法務委員会から調査に行かれまして、それが新聞紙の記事に大きく出た。これの後始末を武生市当局から聽いて見ました。これは武生市の当局のみならず、福井県の県庁の者、又福井市の市長等から開いて見ますと、あれほど新聞に謳われたほどの事件じやない。あれは衆議院の法務委員会から調査に来られた方が甚だどうも宣伝的であつた、こういう調査は困るという抗議がありました。この問題につきましても又席を改めて御相談をいたしたいと、こういうふうに考えております。  尚全国選挙管理委員会の金丸選挙課長が見えておりますが、今度の調査におきましてこのポスター文書図画のうち、ポスターの取締りが非常に緩慢であつたので、ポスターはもう滅茶苦茶な状帳であつたということで、取締るにも取締れないような状況であつて、甚だ囲つたということが一つと、それから消防団員を公務員と、こういうふうに見られたので、消防団員であつて立候補するときには消防団員を辞めなければならんという問題が起つておる。この常備的の消防については、これは消防署員の外、消防団員であつて常備的なもの、そういうものは仕方がないとして、義勇的に消防団員になつてつて、年次手当が僅かに二百円くらいの人を公務員だとすることがおかしいが、公務員とされることは仕方がないとしても、辞めて立候補しなければならんということは困る。それで立候補制限から解いて欲しいという要望がありました。これらの点につきまして金丸課長から今の問題についで御意見を伺つて置きたいと思います。
  33. 堀末治

    ○堀末治君 ちよつと折角のことでございますが、この間の地方税察の報告を済ませたいが……実は私は下で一つ相談したいことがありますから……
  34. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは御報告を願います。
  35. 堀末治

    ○堀末治君 簡單に申上げます。今般私に院議に基いて秋田県及び宮城県について第七国会提出された地方税法案その他これに関する事項及び公職選挙法、治安問題、警察制度並びに消防制度敷革に関する七項目について現地調査を行なつたのであります。その詳細につきましてはいずれ参考資料を添えて文書を以て御報告いたしますが、特に極く簡単にその概略を御報告申上げたいと思います。尚西郷委員が一緒にか行かれることになつてつたのでありますが、止むを得ない支障によりまして同行が願えませず、私一人であつたことは誠に遺憾に存じますると共に、地方の方々に対し非常に気の毒をいたしました。日程は六月二十一日夜行出発、二十八日帰京いたしました。  先ず秋田県におきましては秋田県庁、河辺郡仁井田村役場及び平鹿郡橘手町役場に参り、宮城県におきましては宮城県庁、塩釜市役所、宮城郡多賀城村及び利府村の両役場に参りたのであります。それぞれの所で県、市町村の理事者を初め、議会関係者、協同組合、林業、水産業等の関係者、商、工会議所並びに消費者代表者、選挙管理委員、公安委員警察及び消防関係者等、広く各界各層の方々にお集まりを願い、意見を聽取いたしたのでありますが、各地共極めて熱心に意見の開陳があり、裨益するところ頗る甚大でありましたことは感謝に堪えなかつたところであります。それぞれの県、市町村においてはおのおの特殊の事情があつて種々参考になる点が多かつたのであります。特に感じたことを二、三申述べて見たいと思つております。  先ず第一にこの度の地方税法案に対する一般の理解が非常に不十分であつて、これに対する研究も又十分でないということであります。従つて冒頭において法案の概要を説明し、これに対する質疑応答が盛んに繰り返され、然る後に意見の開陳が行われたということであります。概して地方公共団体理事者は一通り法案研究もし、従つてこれが全面的成立を希望しておつたことは御承知の翻りでありますが、実地についてその意見を聽くに及んで一層その感を深くいたしました。殊に秋田県仁井田村及び宮城県利府村のごときは、注案に対する研究も頗る緻密で、その成立を熱心に希望しておつたので、若し今回反対せられた議員が来県せらるるならば、先ずその反対理由を詳細に承つて、然る後自分らの意見を開陳したいという意気込みであつたが、賛成議員の私だけだというので非常に張り合い抜けをしたような光景も呈しましたことも一言附言して置きたいと存じます。問題点は総じて附加価値税、固定資産税、並びに市町村民税に論議が集中されたことは申すまでもありません。中でも農村関係は附加価値税については余り問題がありませんが、農業協同組合関係者がその税の本質から、反対はせないが、税率の特別扱いを希望するという意見のあつたことは国会の論議と大分趣が異なるので、私としては仰か奇異の感を抱きました。  次に同税については商工会議所関係、中小企業者の現在の経営難の状態から相当強い反対意見が述べられ、又漁業者関係等よりも、その徴税手続その他について灘る困難を予想して、苛斂誅求の結果を招くのではないかとの意見が述べられたことは、本税の仮扱いについて十分研究を要するものと思います。尚この点については、宮城県において作成した各業種別附加価値税試算表は、頗る貴重な資料であると存じます。これは非常に丁寧なもので後で御覧に入れますが、非常に丁寧に作つてつて見せて呉れました。  次に固定資産税についてはその倍率が問題になつたことは申すまでもありません、特に両県は積雪寒冷地帯で、且つ單作地帶の関係上、農産物処理のため温暖地に見られない倉庫、納屋等の大きい坪数の起物を必要とする、その点を考慮してその倍率若しくは税率に適当の差異を設けられたいとの希望が各地共異口同音に述べられたことは、立法上考慮すべきものであると痛感いたしました。  市町村民税は今次立法の精神の説明によつていずれも理解を深め、余り問題のなかつたことを欣快に存ずる次第であります。最後に最も注目すべき意見としては東北地方の單作地帯の農村においては現金收入のあるのは下期後半であつて、上半期は資金の投下期であるという現状に鑑みて、納税時期を法律でもつて全国画一的に定めることなく、その地方の状況に即応して徴税期を定めるよう或る程度の弾力性を持たせるようにしたたらば、徴税上容易且つ効果的であるとの意見が資料を添えて強力に開陳せられた、これも研究すべき課題であると思いました。これもずつと一年中の税の収入を書いたのがございます。なかなかこれも参考になると思いましてこういうことを申上げるのであります。更に農村については殆ど問題にならなかつたのでありますが、市及び相当の大きな町においでは、入場税及び遊興飲食税の附加税の廃止によつて、要するに月税収入の減少を来たし、それぞれの財政收入に非常な困難をもたらした故に、その配分についての再検討を要する。これも横手町あたりは特にそうでありましたが、同じ町ではございまするけれども、いわゆる電気、ガス税などは非常に少いのでありますから、殊にいわゆる日金が入らないということになつて月々の金操りが非常に都合が悪い、これは殊に農村地帶は後で申しますが、成るべくならば十日以前に平衡交付金をみな入れてくれないか、こういう意見があつてああいう村の表を見て見ますと、尤もな要求だと思つております。  次に地方税法不成立に伴うその他の三四項目について一括して申上げますが、前に申した通り、各市町村地方税法不成立に伴つで財政收入の非常な違算を来たし、專ら平衡交付金の概算拂い、及び預金部などからの借入金によつてその財政空白事態を辛うじて切り抜けておる次第で、各種の継続事業は繰延の止むを得ない情況にあるのであつて、これらも地方の金詰りに一層の拍車をかけておることは見逃せない事実であります。殊に各地における預金部資金の借入金、これは預金部資金ばかりでなく、地方銀行から借りておるのもあります。それから利子の負担も計算がはつきりついそおるのもございますが、それぞれ莫大な額になつておる、その利子の負担は国家補償をして欲しいという要望は各地共共通且つ熾烈なものがございました。これは今国会において政府を鞭撻して飽くまでもその要望に副うようにすべきであるということを痛感して参つたのでございます。只今委員長の代理で町村長会の大会へ行つて祝辞を述べて参つたのでありますが、その挨拶を附いて見ますとこの利子が大凡七億にたるという説明をしております。さようなことで是非これは一つ政府に処置を取つて貰いたいという決定がされたようでございます。  尚臨時国会において法案通過の暁には国税、地方税共徴税時期が八月以降に集中するという関係上、果して円滑なろ徴税が行い得ろか非常に懸念に堪えない。殊に皆さん御承知の通り地方へ行くと、相変らず要するに国税優先、国家優先という観念が田舎へ行けば行く程強いのですから、これはどこの村でも国税優先になつて、いわゆる市町村税の方が取残されるのじやないかということを非常に懸念しておりまして、できろことならばその徴税について何らか立法措置が望ましいということで、これも又当委員会としては相当に考究すべき問題ではなかろうかと思つてつてつたのであります。  又地方財政平衡交付金については、財政需要度測定單位につきいろいろ議論があつたのですが、その特殊のファクターとして、積雪寒冷度を認められたことに対しては、一般に非常な好感を持つて迎えられましたが、前申しましたごとく、單作地帶並びに頻発する冷害等に鑑みて、東北地方特殊性を考慮に入れてその配分率を決定せられ、特別な考慮を入れて頂きたいという強い要望もございました。尚決定した交付金及び公共事業費等の配分については、できるだけ速やかに末端まで交付されるように政府を鞭撻して欲しいという要望もなかなかに強いものがございました。  第五の公職選挙法並びに今回の参議院選挙の施行状況でありますが、選挙当日は農繁期であり、且つ天候不良であつたにも拘らず、関係者一同の多大の努力によつて比較的投票率が良好であつたように思われます。ただ改正選挙法が選挙間近に成立になつ関係から、この度の選挙には十分その趣旨が徹底しないで、実際の運営の上に種々困難を感じ、殊に農村等では全国区候補者の氏名、閲歴、政見等が全く不徹底で、誰に投票すべきか分らないという有様で、可なりの白票を投じた者があつたのは頗る遺憾である。その上全国区の選挙事務が複雑を極め、多大の手数を要する等の理由で、全国区を廃すか乃至は数個のブロックに分けてはどうかというようなこと、その点で特にこれは選挙関係の方で御注意を願いたいのは、舶乗りの関係でありましたが、これが塩釜で、神戸かどこかの船籍のある船が塩釜へ来てあすこで投票する。ところが船に乗つてずつと歩いておるので新聞も何も見ない。それだから自分の選挙区に誰が立つておるか分らない。塩釜の役場へ来て聞いたけれども、全国区は分つておるけれども、地方区のことは一向分らないので返事のしようがないので、し方がない、それでは止めて置こうかということで帰つたという事情もあるので、何かこれらについて適当の方法を講じて欲しいというような要求もありましたけれども、些細なことでございますけれども、折角投票しようというのに、名前も分らない、開いて分らないということは、選挙としては非常に由々しい問題だと思つて聞いて参つたので申上げる次第であります。  尚同時選挙、全国区候補者の氏名掲示、選挙当日投票所から一町以内にあるポスターの撤去、代理投票についても、種々意見の開陳がありましたが、これは後で文書に譲ることにいたします。ただ今回の選挙の結果に基き、各地意見を総合して公職選挙法の完璧を期することは、恐らく本委員会に課せられた重要な案件だと、かように思つています。  次に第六の治安状況でございますが、秋田県能代市では「職よこせデモ」「減税デモ」等はあすこが一番盛んなところでございますけれども、余り大事にはらないで平穏の状況でございました。宮城県ではいわゆる塩釜事件等があつたのですが、これも警察の努力と市民の理解ある協力によつて事なきを得たということであります。一般に治安状況はよろしうございました。  それから又宮城県におきましては県條令として公安條令が制定せられておるが、集票会示威運動等未だ禁止した例もなく、極めて良好であるとのこどでありました。又殊に宮城県は、ここに資料がございますが、恐らくどこの警察にも見られないような非常に立派な報告……、特にその資料を纏めたいからというので半日私らを休ませて、私の方も予定があるが、それじやよろしいから、どうか完全な資料を收細めるために一日の余裕を欲しいというようなことでございましたので、折角向うさんが熱心にやつて頂くことですから、まかろうというので我々も平日のびのびと待つてつて次の日に参つたら、ここにございますが、それは非常に立派な資料で、こんな立派な資料をまとめて、いろいろな表等をのせて警察問題ではなかなか立派に行き届いておる感を深くいたしました。又共幹部の追放の影響等も、あの県では余り顕著な動きはなく東北大学のイールズ事件、あすこに私共が行つたときはあれに対する措置が講ぜられていない、さようなところから只今は公式の席上では言いませんでしたが、散会になつた後に私的なときに東北大学の方も北大のとつたような少し強硬な措置をとつて貰つなければ、ああいうことは将来の治安上よろしくないと思うから、若しなんだからそういうことを一つ私共の方からお話願うと大変いいというようなこともございましたが、併し我々が入つて言うべきものでもないので、そうですか、又いずれということで、まあ新聞で見るような、そういうようなことで大変結構だと恐らく喜んでおられることと察するのであります。  又警察制度につきましては、警察法施行後三年余を経過して、これは随分問題でございました。いわゆるあの当時の人口を基礎として算定しておるのですが、戰後非常に引揚げその他で又都市の回復、そういうところから非常に人口の移動があつた。その移動によつてなかなか是正されておらないというので、あらゆる警察行政事務の執行上支障を来たしておる場合が多いという現場状に鑑みて、人口を基準として自治体警察吏員の増減、配置変更等を要望する声が、これは各地共この問題は相当に言われたのであります。その他国家警察及び地方自治体警察相互間の人事交流の道を開いて貰いたい。さもなければ、警察界に常に清新の気風を注ぐことも出来ないし、又情実関係が多いので、殆んどいわゆるボスの取締りなどということは全然できなくなるであろうから、この点については十分にお考えを願いたい、こういうのがありました。それから又もう一つには、今の地方自治体警察の相互間の応擾規定が明記をされておらない、そんなようなところからこれも非常に不便を来たしておるから是非これはお願いしたい、こういうことでございました。それからその経費の負担については、平衡交付金中、その重要度を高めると同時に、自治体警察等の講施設その他に対しては、国家の補助を必要とする旨の意見もなかなか強力でございました。特に塩釜市で問題になつたのは、あそこは海の関係もございますので、いわゆる海上保安庁警察との権限が港内において競合して区分が明瞭でない、どつちについていいか分らないというようなことで、非常な支障を来たしておるから、この点についても是非一つ至急に権限の明確化をして貰いたい。これはもう実例は純かいことを聞くいとまもございませんが、いずれ海上保安庁あたりで聞けばお分りのことであろうと思いますが、できれば近い機会において早く権限を明確にすることを一つ考えて頂きたい。かように存じます。  第七には、消防制度改革の意見としては秋田県において特に多かつたのですが、去年の能代、本年の鷹ノ巣の大火等の生々しい経験から、要するに今日の地方自治体の財政貧困の現状からして、到底その完全な消防設備ができないのであるから、政府が、大火があつてしまつてからそれ復旧の、補助だとか、やれたんだとか多額な国費を使うよりも、むしろ燒けた跡の後始末に金を出すよりも、燒けない先にそういう方面に少しく国費を投じて自治体警察等を完備させて置くことが本当にいいのではないか、こういう意見があつて、これは非常に私傾聽すべき意見だと思つて、いずれこれは当委員会でも研究して政府の方に申出るか、或いはなんか委員会の発議で適当な方法を講ずることが必要ではないか、実はかように考えるのであります。  それからもう一つございましたのは、いわゆる非常時における都道府県知事の権限の拡張、これもここでたしかどつかから陳情があつたことでございますが、この点についても大分意見がございました。  それからもう一つ、これは聞くべき意見だと思いましたのは、隣村、或いは交通の状況を勘案して、数ヶ町一村を一ブロツクにして、そうして消防署を設置する、これも何か法的な措置を考えたらどうか。これも、数ヶ町村が一ブロックになつてやるといううことも、なかなか今の日本としては悪くないことだから、かようなことで、大体これであらかた骨子を申上げた次第であります。いずれ、資料はこれだけ貰つて参りました。なかなかよく各地共資料をまとめてくれて、非分に熱心に意見を開陳して噴きまして、ありがたく感謝して帰つた次第であります。  簡單でありますか、以上を以て御報告といたします。
  36. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 竹中、吉川、堀の三委員からそれぞれ御報告がございましたが、その報告書速記録にとどめたいと思いますが、御異論ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ではそういうふうに決定いたします。尚選挙の問題について先程の件を……
  38. 金丸三郎

    ○説明員(金丸三郎君) それではごくあらましお答えをいたしたいと思います。  第一の文書図画の取締りでございますが、内容を分けて私共の感じておりまず点を申上げますというと、第一はポスターでございます。これはやはり相当数違反があつたようであります。違反ポスターは選挙管理委員会が撤去の命令を出す建前になつておりまして、撤去の命令がありましたものについてだけ警察の方で手をつけるというような方針をとつておりましたために、選挙管理委員会は違反文書を発見いたしましたり、或いはその注意を受けたりいたしますというと、撤去命令を出すためだけにでも大変に忙殺をされております。候補者に注意を喚起いたしますと、それは私は知らない。外の地区の運動員がやつたのだからそちらの責任者へ連絡してくれ、そちらへ連結いたしますと、いやこつちではない。向うの事務所の関係でやつておる筈だからそつちへ連絡してくれ。お互いに責任を回避いたしますので、委員会ではなかなか撤去命令すら出せない。こういうのが実情であつたようであります。それから無検印のポスターも事実出ておつたようでありますし、殊に東京では私共も現実に目撃いたしたのであります。その他葉書につきましては私共も現に立候補いたされた方から買いに来たというようなことを聞いております。このようなことにつきましては、候補者の成るべく選挙運動に便宜なようにいたしますというと、只今のような問題が起つて参りますし、そのような弊害がないように、例えは候補者にナンバーを打つて無料葉書は差し上げるというようなことにいたしますと、そのような弊は相当程度防ぎ得ると考えられます。尚こういう点はどちらの方を重く見るかによつて研究をすべき問題であろうかと思います。その外何と申しましても一番多かつた違反文書は新聞とか雑誌とか、いろいろの名目をつけました違反文書の頒布であります。或いは組合だり講演会なり、いろいろな団体の名義を使いまして文書を頒布する。或いは新聞や雑誌の広告で、いろいろな挨拶と称して候補者の写真を載せましたり、経歴を刷り込んだりした文書であります。これがいわゆる新聞雑誌の報道として自由に許されておりますものに該当するか、違反文書であるか実に紙一重のすれすれのところで行われているものが多いために、この取締りは事実非常に困難でございます。併し私共の方では警察、法務府、最高検と選挙前数次に亘りまして詳細な打合せ会をとげておりましたので、お互いに問題の文書は連絡をとりまして、確実なものでない限り必らず相談をし合つて回答する。取締りに当りましても相談を行いまして、齟齬のないようにいたしたつもりであります。取締りが困難な点は以上申上げた通りでありますけれども、警察その他の方面におきます取締りの態度は、昨年の衆議院に比べまして非常に厳正であつたと言うことができようと思います。現在でも尚文書に関します違反とか、選挙事務所の届出に関する違反とか、或いは選挙運動の費用の届出の事項等につきまして、各地区の警察署長、こういうことは初めてでありますけれども非常に沢山私共の方に紹介が参つておりまして、警察の方で今回の選挙について相当に熱意を持つて、厳正な法令の執行に当つたということは言えるかと思います。にも拘わらず違反文書が相当にありましたということは、以上申上げました制度上の問題、或いは中には全国区の制度として三百数十名の人が立候補され且つなかなかなじみが薄い。又取締上責任者がどこにいるのか分らない。という盲点をついたと申しましようか、そういうふうのこともありまして、選挙区の問題とも開通をいたすと考えるのであります。  今後の措置につきましては、まだ各関係方面とも整理の段階にありまして、結果を持寄つてお互いに検討するというところまで行つておらないのであります。  次に消防団員の問題でございますが、これは現在の消防組織法の規定の解釈からいたしまして、消防は市町村の自治団体としての任務になつております。而して消防団の外種々の消防の機関を市町村が設置するように法律上なつておりますために、消防団というものもやはり市町村の機関であり、従つて団員は市町村公務員、かように解する外はいたし方ないと考えておるのであります。これは昨年の衆議院の選挙の際にも同じような問題が起きておりまして、昨年以来自治庁の公務員課とも連絡をし、本年は尚念のために消防庁とも連絡をいたしまして、そのような正式の解釈を決定として再確認いたしまして、地方にも通達をいたしたのであります。ただ実情委員長の仰せの極りと我々も感ずるのでありまして、この点は将来立法的な措置によりまして、なんとか是正をいたすことが適当ではなかろうか、私共はかように考えておる次第でございます。
  39. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは今日はこれで散会をいたします。    午後三時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君            堀  末治君    委員            三木 治朗君            岩木 哲夫君            竹中 七郎君            西郷吉之助君            鈴木 直人君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   説明員    国家地方警察本    部次長     溝淵 増己君    全国選挙管理委    員会選挙課長  金丸 三郎君