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1950-05-10 第7回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年五月十日(水曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————   委員の異動 五月二日委員米倉龍也君、濱田寅藏 君、議員の任期を終了した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方税法案不成立に伴う措置及び  対策に関する件、地方行政調査委員  会議に関する件及び参議院選挙の取  締費用に関する件)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。  今日は閉会中の継続調査をいたします。お知らせいたして置きましたように、地方税法案不成立に伴う措置及び対策につきまして地方自治庁の方から聴くことが一つ、それから地方行政調査委員会議、これは第六国会におきまして、本委員会に御審議を願つて成立した会議でありますが、その発足後の状況を聴くことが一つ、それから自治体警察の今度の参議院選挙の取締と申しますか、その費用一つもないということで、全国の自治体警察長連合協議会会長田中警視総監から、委員長宛陳情書が参つております。その事情を聴きますことが一つ、それからもう一つ継続調査を今後どうして行くかという御相談が一つと、これだけのことを今日御審議願いたいと思つております。  先ず最初地方行政調査委員会議発足後の状況、現況、今後の計画、そういうことについて説明を煩わしたいと思います。委員高橋誠一郎氏が見えておりますから、高橋誠一郎氏から御説明を願います。
  3. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) 高橋でございます。実は議長神戸正雄氏が出まして御説明申上げる筈でありますけれども、御承知のことと存じまするが、同氏並びに他の両委員は目下渡米中でございまして、尚議長代理を勤めておられまする渡邊銕藏委員は、参議院立候補のために数日前辞任せられましたので、只今残つておりまする者が私一人でございまするので、甚だ不適任ではございまするが、私から御説明申上げることにいたします。  お手許概況を記しましたものを印刷いたしましたものを御配付申上げて置きましたので、先ず第一に、最初組織でございますが、これは御承知のようにシヤウプ勧告に基きましたものであります。その勧告の文章もそこに記されておりまするが、御承知のことと存じまするので省略いたします。この勧告に基きまして昭和二十四年十二月二十四日法律第二百八十一号といたしまして地方行政調査委員会議設置法というものが公布せられたのであります。これは別紙第一にございます。この会議総理府設置法第十六條の二に規定されておりまするように外局と附属機関との中間にあります機関とせられまして、独自の立場から調査立案が期待せられておるのであります。従つてその任務も「地方自治を基底とする市町村都道府県及び国相互間の事務配分調整等に関する計画につき調査立案し、その結果を内閣及び内閣を経由して国会勧告するための機関」とされておるのでありまして、内閣会議勧告を尊重しなければならない旨が法律上義務付けられておるのであります。当会議勧告実現如何は挙げて国会の判断にかからしめられているということができるのであります。それで同法の第五條の規定によりまする五人の委員は昨年十二月二十四日両院の同意を経まして任命されたのであります。この別紙にその名前が出ておりまする氏名表が附けてございます。どうぞこれを御覧を頂きたいのであります。都道府県知事連合組織代表者の推薦いたしました者が渡邊銕藏君であります。それから市長の連合組織代表者の推薦いたしました者が神戸正雄君であります。それから町村長連合組織代表者の推薦いたしました者が鵜澤總明君であります。それから政府の任命いたしました者が杉村章三郎君と高橋誠一郎でございます。私は甚だ地方行政に関する知識が欠けておりまするので固く御辞退申上げたのでございまするが、いろいろな事情によりまして到頭お引受けいたすことに相成りました次第であります。それから尚この法律規定によりまする専門調査員は現在まで十四人任命せられております。その外尚数名の任命が予定せられておりまするが、これは人事院規則適用除外が認められなければ任命できない人がありまするので目下手続中であります。その氏名別紙に掲げてございまするのでどうぞ御覧頂きたいと思います。それからこの法律の第十條第一項の規定によりまする事務局定員は現在事務局長以下僅かに六人という少数でありまするが、定員法改正が認められますれば二十人に増加されまする予定であります。併しながらこれでも甚だ手不足でありまするので、目下関係各省から兼官の派遣を申請しておりまして、次の機会には更に定員の増加が望まれておるのであります。又委員の俸給初めて予算は僅かに七百万ということでありまして、誠に十分な活動がこの予算の面におきまして阻まれておるのであります。尚同法の規定によりまする連絡職員につきましては関係行政機関の分はすでに指名がなされておりまするが、地方公共団体の分につきましては目下手続中でございます。以上がこの組織についての御報告でございます。  次に現在までの経過の概略を申述べることにいたします。  本年一月七日に第一回の委員会が開かれまして、神戸正雄博士議長に就任せられたのであります。極めて少数会議のことでございまするので、特に選挙を行うというような手続を採りませんで、シヤウプ勧告に基いたものでありますので、財政学者が最も議長として適当ではないか、又最年長者挙ぐべきじやないかというような意見が出まして満場これに賛成いたしたのであります。ただここに少し間違いがございまして、最年長者鵜澤總明博士があつたのでありますが問題になりませず、神戸正雄博士議長に就任せられたのであります。次いで渡邊銕藏氏議長代理に選びましたのであります。直ちに司令汚G・Sを訪問いたしまして、最初には先ずハウギー氏、何と申しますか、スペシヤル・プロジエクト・セクシヨンのハウギー氏と面会いたしました。その際はホイツトニー将軍に会う筈であつたのでありますが、それができませんでしたのでハウギー氏だけに会いまして帰りました。それから二回目に司令部に参りましてリゾーという次長に会いました。このときもホイツトニー将軍に会うことはできませんでございました。第三回になりまして初めてホイツトニー氏に会いました。同氏から委員の使命の重大であることをこんこん聞かされまして、これに対しまして神戸議長から委員の所信を述べるところがあつて別れたのであります。その後毎週の月曜日を定例会といたしまして、委員会を開催いたしておるのでありまするが、又しばしば木曜日にも会合を開いております。一月十六日第三回の委員会におきまして、この別紙の第四と記しました所にありまする通り会議作業予定を決定いたしまして目下その予定通り作業を進めております。一月三十日には全委員神奈川県庁並びに藤澤市に赴きまして実地に地方自治問題点を視察いたしました。二月及び三月中は関係行政機関責任者から行政事務の再配分に当りまして特に問題となるべき事項につきまして説明を聽取いたしました。三月十五日以来三ヶ月の予定委員及び事務関係者八人が渡米中であります。委員中には御承知通り非常な老齢者もおられるのでありまして、最年長者明治五年生れの鵜澤總明博士でありまするが、同博士を初め敢然として出発せられました。委員会調査研究と並行いたしまして專門調査員には專門事項につきまして調査を依頼いたしておるのであります。五月十五日までにはその中間報告提出せられることになつております。又連絡職員にもそれぞれ所管事項につきまして資料提出を求めております。事務局におきましても、実態調査を実施中でありまして、これらの成果は、渡米中の委員が帰朝いたしまする六月初旬までには一応整備を完うします予定であります。  先程申上げましたように、一月の七日から三月十三日まで十三回の委員会を開催いたしております。で会議は午前午後に亘ることも多く、相当の成果を挙げることができた信じております。で関係行政機関事務説明は、このお手許に差上げましたものに盡く出ておりまするので、これを御覧頂きたいと思います。文部省に始まりまして、稻田初等中等教育局長に来て貰いまして、学校教育行政についての報告を聽いたのが最初でございます。その外三月九日には事務配分に関しまする大都会側意見について横濱市助役から聞くところがあり、又アメリカ合衆国の地方制度につきましては、專門員の弓家君から話を聽きました。三月十三日には町村立場から見ましたところの国家及び地方行政状況につきまして、千葉県の津田沼の町長から大変面白い話を伺いました。それから三月十五日には、これも先程申上げましたように神戸鵜澤杉村の三委員渡米いたしまして、アメリカ地方行政の実情を視察いたしますると共に、各方面の権威者にも会見いたしまして、行政事務の再配分考え方につきまして討議を行なつておるのであります。右の期間中渡米いたしません二人の委員中心といたしまして準備調査を行うことといたしまして、随時関係行政機関責任者から説明を聽取することにいたしておるのであります。三月二十七日には、文部省社会教育局諸君に来て貰いまして、社会教育情勢につきまして文部省社会教育局社会教育課長から、又他の課の諸君にも出て貰いましていろいろ話を聽きました。四月十日には、行政機構改革につきまして行政管理庁次長から、それから四月二十四日には都市計画につきまして建設省の都市局長からそれぞれ説明を聽取いたしたのであります。  それから尚、近いうちに教育委員会についての諸問題を聞いて見たいと考えております。先ず第一には、この全市町村教育委員会を設置することが可能であるかどうかというような点、それから義務教育費国庫負担法一條の廃止、或いは標準義務教育費の確保に関する法律案というようなものにつきまして、それから第三には県と都道府県教育委員との関係につきまして、第四には都道府県教育委員会市町村教育委員会との関係につきまして、第五には教育委員会教育庁との関係につきまして、第六には教育委員会一般に関する意見並びに見通しにつきまして、いろいろ話をして見たいと思つておるのであります。  第四に申上げますことは、專門調査員に関するものでありますが、現在までのところ專門調査員專門事項につきまして研究室等研究いたしまして、報告書提出して貰う方針で臨んでおるのであります。委嘱事項はこのお手許に差上げましたものの別紙第五に記されておる通りであります。これは五月十五日までに第一回の報告書が出揃う予定に相成つております。專門調査員の中の今井一男氏には補助金につきまして特別の研究を委嘱しておりまして、すでに各省への所要の資料提出を求めております。補助金関係資料整備は主として同氏の努力に俟つことになつております。  尚第五には連絡職員について申上げなければならんのでありますが、二月初旬各省庁所管現行法令につきまして一定の様式を定めまして報告を求め、大蔵省以外は提出せられたのでありますが、これを市町村都道府県、国に関する規定のあるものに分類整理いたしまして、地方行政関係法規のインデツクスとする予定であります。只今申しました法令の中の市町村及び都道府県に関する規定のあるものにつきまして、権限を三段階に表示しまする資料提出を求めておりまして、四月までには出揃う予定になつております。こういうふうになつて、これは厚生省の分でございますが、これは後に御覧おき願いたいと思います。大体こんなふうになつております。三段階と申しますと、ここに記されておりますように、大臣、出先機関、これが一つ、その次が都道府県知事、それから市町村長、こういう段階になつております。権限を三段階に表示する資料提出を求めておりまして、これは四月末までには出揃う予定であります。これを整理いたしまして、三段階への事務配分の現状を事務的に明らかならしめるフアイルを作成する予定であります。  それから事務配分が問題となるような重要事項につきましては、これもまだお手許に参つておりませんでしようが、こういうようなものを拵えまして、第一には関係法令、第二には制度の沿革及び基本方針、第三には都道府県及び市町村における事務処理状況及び問題点、第四には諸外国における立法例及び最近の傾向、第五には改正予定の有無及びその方針、第六には国に保留して置かなければならない事項及びその理由、第七には都道府県事務とすることが適当な事項、第八には市町村事務とすることが適当な事項、九、総司令部関係セクシヨン及び折衝の経過、十、その他特に参考となりまする事項の各項に亘りまして五月十五日までに資料提出を求めておるのであります。大体こんなふうにいたしまして、これに書込んで貰うことにしております。これも後程御覧願います。地方公共団体連絡職員につきましても近く指名を求めましてその資料提出を依頼する予定でありまして、目下検討中であります。  第六には事務局について申上げるのでございまするが、事務局長の下に調査第一課及び調査第二課を置きまして、概ね省別に分掌しておるのであります。地方自治庁と協力いたしまして、現在まで二回に亘りまして実態調査を行いまして、更に四月下旬から五月中旬にかけまして第三回の調査を行うのであります。第一回の千葉県における調査調査方法検討を主とするものでありまして、報告書を作成しておりませんが、第二回の兵庫県における調査経果につきましては目下印刷中であります。その他專門調査員連絡職員から提出される資料を整理いたしまする外、実態調査の結果を取りまとめまして、陳情意見書などを総合的に分類整理いたしまして、科学的な公正な結果がおのずから生れまするような完備した資料整備を行いたいと折角努力いたしておるのであります。  第七には、将来の計画であります。渡米中の委員が五月の末には帰つて来られることと思いまするので、その帰朝を待ちまして以上の資料を集めまして、来年度予算の編成に間に合いまするように一応の中間報告を出したいと考えておるのであります。国会地方行政委員会におかれましては、行政事務の再配分に関しまする当会議の結論が出ますまで、地方行政制度の根本に触れまするような大きな法律改正は暫く見合わせて頂くようにお願いいたす次第でございます。  以上を以ちまして概況の御報告を終ります。尚質問等がございますならばお伺いいたします。私の言葉の足りませんところは事務局長が参つておられまするので、局長から補つて頂きたいと思つております。
  4. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 高橋委員にお尋ねもし、又いろいろ私達の希望を申述べたいと思うのであります。今日地方行政調査会議から高橋さんその他の方のお出でを願つていろいろお話を伺うということは、我々国会委員との間における意見交換をするというようなことが、恐らくは委員長がこの委員会を招集された目的であるかと考えるのであります。それで質問というよりも私の意見を申述べましていろいろとるべきところがあれば御参考に願いたいし、又間違つておると思われるところがあれば御反駁を願つて意見交換をしたいというようなことの動機から申上げるのであります。  只今高橋委員お話の中で、自分は地方行政専門家でないからこの委員に就任するということを御辞退したのであるが、たつてお話であつたので就任したいということのお言葉がありましたが、実は私は委員の一人に高橋さんのような、経済学史の大家であるいわゆる高橋さんが言われる狭い意味においての地方行政専門家でないところの人がこの委員会委員になられるということをむしろ非常に歓迎して、むしろそれを喜んだ一人であります。この五名の委員の中で高橋さんが恐らく意味されたと思いまする地方行政専門家といわれる人は、教授においては東京大学杉村教授だけくらいかと思うのでありますが、そういう狭い意味地方行政専門家或いは地方行政法専門家でない人が委員になられることを私は非常に歓迎したのであります。と申しまするのは、今日におけるところの日本地方行政の見方というものが、私見を以ていたしますれば非常に間違つている、基本的に再検討しなければならないところの段階にあると実は私は不素考えているものでありまして、実は今日まで多少そういうことに興味を持ち始めまして以来約三十年程の間、専らそういう点のことを指摘して参つたのでありますが、地方行政の権力の中心である内務省官僚諸君には多く認められなかつたのであります。と申しますのは私の考えまするのに、大体において日本地方行政というものが、法律学としての行政法の一部としての地方行政、或いは地方行政機構に関する、或いは地方行政組織に関する項、例えば旧来のものでありまするならば、府県政であるとか、或いは市政、町村政であるというような、そういう地方自治体組織に関する法律の註釈をするというようなこと、それ自身が直ちに以て地方行政研究であるというように従来において考えられて来たかと思うのでありまして、例えば大学等におきましても、地方行政実体をなすところの、即ちアドミラストレーシヨンの実体をなすところのものを特に研究するのでなくして、大学行政法というところの科目がありまして、そうしてそれをばただ法律学的に註釈法学的な立場から教えて行くということが、何かそれが地方行政研究の全部であるかのように大体解釈されて、そういうような法律学的教育を受けて来た者が内務省役人になりまして、そうして或いは地方自治体首脳役人になりまして、それで以て地方行政能事畢れりとするように大体考えて、又そういうように教育されて来た傾向が非常にあつたと思うのであります。すべての政治行政というものは憲法法律的には基本でありますから、その憲法から離れて考えることができない。で而もそういうような考え方においての行政法というものは、いわゆる公法学の、或いは公法の一部として考えられているのであつて憲法基本とするところのいわゆる公法の一部をなしている。ところが日本憲法というものが、旧憲法というものは、明治初年以来その制定に際しましては、伊藤公がそのために派遣されて専ら政治的にはビスマルクを中心としたプロシヤの興隆に非常に憧れまして、そうしてヨーロッパ諸国においては極めて政治的にも経済的にも後進的であつた、即ち封建的な色彩が非常に強かつたところの国家主義的なプロシヤ憲法をそのまま模倣して日本憲法にした。従つて一般公法というものもそれと不可分のものでありますから、基本的にはドイツの絶対主義的な或いは君主専制的な或いは国家至上主義的な、更に言葉を換えて言えば神憑り的な中世紀的な思想を非常に含んだところのものが、一番多くドイツ国家考え方或いはそれから発生するところの憲法その他一般公法考え方基本なつたものが、更に輪をかけたようにドイツよりも後進国であり、より封建的であつたところの日本に輸入されて、そうして日本憲法及び行政その他一般公法考え方基本になつて今日まで来たと思われるのであります。そういう君主専制主義即ち極端なる日本における神憑り的な天皇崇拜主義、それから国家を神格化して国家を神様にまでゴッドファイしたような、国家のために生活の一切を拠つことが即ち人間の最高の理想であるというような形の馬鹿げた、いわゆる超国家主義的な見解日本人全体が教育されて来たのでありますが、その基本をなしたところのものは即ち今言うプロシヤの或いはドイツ見解を輸入し、それが又憲法基本になり又それを基本とするところのいわゆる公法、その一部としての行政法中心をなして、そうしてその見解日本政治が行われて行く。政治が民衆の間に普遍化して行きますのは、これは結局地方行政を通じてなのでありまするから、そういう見解教育されて来たところの、日本帝国大学中心とする公法学者教育によつて、そうしてその教育を受けた人間内務省その他の官庁に入り、殊に国内行政を司る、地方行政を司るところの内務省官僚中心になつて、そうして馬鹿げた超国家主義天皇崇拜主義とを国民の間に非常に普遍化して来たということが、今日の日本をこういう悲惨なる敗戦をもたらしめたところの私は最大の原因の一つであると考えるのであります。そういうような誤まつたところのプロシヤ的な超国家主義的な見解というものが、経戦後において完全に批判されて拂拭される方向に非常に積極的に順調に進んでおるかというと、私は実は十分にそのことが内省され、再批判されておらんと考えておるのであります。これが日本国民生活全般の現段階における私は大きな問題であると考えるのでありますが、特にそうした国家行政というものは地方行政を通じて行われるのでありまして、国民日常生活の中には、そういう精神は地方行政を通じて滲透化して行くのでありますから、地方行政の面においても、これは極めて重大な問題であると考えるのであります。今言うように、それが十分に再批判されておらん、相変らず昔の内務省官僚が、国民を誤まらしめたところのそういうドイツ的或いは旧プロシヤ的な見解というものが深く国民の心中に入つて、又地方行政首脳者の中にそれが滲み入つて、再批判されていないということが、私は最大日本地方行政が今日持つておるところの欠陥であると考えておるのでありまして、そういう点から一つ私は地方行政調査会議日本地方行政基本的再検討ということについて、深く思いをいたして頂きたい。そういう間違つたことを教えて来たところの、又そういう間違つたことが骨の髄まで滲み込んでおるところの、高橋さんが意味された今日までの狭い意味においての地方行政専門家ではこれはいけない、それは即ち旧来の軍人が学校教師になるのと同じようなことでありますから、そういう意味において、我々は高橋さんや、そうした狭き意味地方行政専門家委員になられないことを希望いたしたのであります。基本的にそれを再検討して、私が申上げたことに若干の真理性があるとお考え下さるならば、この研究のテーマの中にも、日本におけるところの大学における地方行政研究というものが根本的に間違つておる、そういうことから、学問的な再検討まですることが私は必要なのだろうと思うのであります。これは公法全般憲法研究についても私は同様であろうと思うのであります。即ち憲法につきましても、旧プロシヤ憲法母法としたところの憲法と全く違つた憲法ができておるのに拘わらず、各大学における憲法先生というものは、相変らず昔の旧憲法先生講義をやつておる。四十、五十にもなつて人間の頭の切替えなんということは、なかなかできるものではないのでありますから、ああいう先生大学で相変らず新憲法講義をしておるということは、ヤング・ゼネレーシヨン、これからの日本国民を誤まらしめて行くことになるのでありまして、よろしくそういう行政法或いは憲法の古いプロフエツサーは皆一掃して、そうして新らしい人に変えて行くということが必要であると思うのでありますが、そういう地方行政研究地方行政教育というようなものの問題から、先ず基本的に委員諸君が私は考えて頂くことが必要であると考えるのであります。それは詳しく申しますると長くなりますから、すべて省略いたしますが、只今申上げたことにおいて大体御了解願えると思うのでありますが、例えば日本地方行政というものは地方制度であるというように今まで考えられて来た。即ちさつき申上げた通りであります。それまでは、端的にこの委員会の名称につきましても、曾て私もこの委員会で申上げたことでありますが、それに現われておると思うのでありまして、今日我々のこの委員会地方行政委員会という名になつておりますが、その前は、私が岡本君の前に委員長をいたしておつたのでありますが、治安及び地方制度委員会という名称であつた。治安及び地方制度委員会というものを地方行政委員会という名に改めても、少しも日本人は不思議とも思わないように、そういうさつき申上げたようなプロシヤ公法学研究によつて育成されて来ておる。地方行政は即ちローカル・アドミニストレーシヨンなのでありますから、ローカル・アドミニストレーシヨンとそういう地方制度ということ、制度行政とは全然違うものである。ところが制度研究することは即ち法律を、或いはリーガル・システムを研究するということである、重要なことは行政実体研究することであるというように知らず知らずの間に日本人は考えた。その一端を申し上げますと、そんなことも現われておると思われるのであります。これはフアンダメンタリーに一つ地方行政委員会でそのことについて研究して頂きたいと思うのであります。それが非常に日本人を地方行政を誤まらしめ、日本国民地方行政を通じて敗戰の結果に陥らしめたことなのであると考えられるのであります。それが即ち今日までの内務省官僚中心とするところの、地方行政における内務省官僚中心一つ官僚主義を育成して来たと思うのであります。それはドイツ公法学研究という、ドイツのそういう国家絶対主義的な、学問的に言うならば即ちヘーゲリアンの形而上学的な国家論というようなものをば再批判して、そういうものを一掃する。そういうものを基本としたところのドイツの国法学、或いはドイツ国家学というものに対して嚴正な批判をする。ドイツチエ・スターツレヒト・レーレというようなものが、今日までの日本帝国大学中心としたところの憲法学、行政法基本見解になつておるのでありますから、そういうアナクロニズムな、国民を誤まらしめる、而して今日国民を、修憺たるところの敗北を喫して、世界の落伍国になつておるにも拘わらず、尚今日日本憲法、及び地方行政見解の上において、そうした時代錯誤的な敗戰国のドイツ式の考えが基本になつて、それが十分に掃蕩されておらんということは、これは教育の上から、学問研究の上から、地方行政調査委員会議基本的に研究して頂きたいと思うのであります。日本地方行政の見地が非常に法律学的に偏して、その行政実体研究しておらん。例えて申しますならば、日本の官吏というものは、大学において、註釈法律学行政法の一部といたしまして都市計画についての、都市計画法というものを研究して教わつて来るのであります。極めて薄つぺらな、そういう法律学的な行政法の中でそういうものを習つて来るのでありますが、都市の地方行政は……、即ち地方行政の対象は都市と農村でありますが、都市行政におきましては、都市計画というものは極めて基本的な、重大なるところのは極めて基本的な、重大なるところの具体的な行政でなければならんのでありますが、その都市行政都市計画というものは、然らばどういうような見地からその計画が樹立されなければならんか、その計画はどういうように行われなければならんかというようなことは、これは社会学的な面からも、経済学的な面からも、いろいろそうした面から考えられて樹立さるべきことであります。そうしたことは日本の官吏とというものは学校では教わつて来ないのであります。ただ都市計画に関する法律だけを習つて来るのであります。そういう非常な註釈法学的な、法律学的な偏固ね非常に偏よつた、間違つたことを教わつて来ておる。これは英米等では、このドイツ学にありますような行政法、フエルワルツングス・レヒトというものは特別にないのであります。それに日本が何でもかんでもこの敗戰国であるプロシヤの真似をしたものでありますから、そういう間違つたことが最近まで行われて来て、戰後においても憲法も変り、地方制度も変つておる、ところが尚そういう見解は少しも拂拭されておらんと思うのでありまして、そういう面についても一つ検討をして頂きたいということをお願い申上げたいのであります。尚そういうことにも関連性があるのでありますが、当面の地方行政機構の問題といたしまして、これは今高橋さんがお話になりましたところの報告の中にも、それは取上げられておるのでありますが、この委員会としては、いろいろ陳情等がありまして、研究いたしておる問題として、例えばこの東京都制をどうするか、或いは五大都市に対する特別市制の制定ということが非常に運動せられておるのであるが、これをどうするかということ、東京都における旧東京市の地域にある、いわゆる特別区であります、特別区の権限、自治権というものの拡大運動というものが起つておるのでありますが、こういう問題等も我々も陳情は聞いておりますけれども、高橋さんらによるところの地方行政調査委員会議というものが、大規模なそうした調査機関ができたのでありますから、そういうところにおいて十分研究して貰つて、それと相俟つて我々の考えも進めて行きたいと考えておるのであります。そういう問題は当然に日本地方行政機構におけるところの大きな問題として、たびたび今まで論議されて参りましたところの、いわゆる道州制の問題とも関連しておるのでありますが、これらも御研究になつておることだろうと思いますが、先程申上げましたような日本地方行政に対する研究基本的にプロシヤ主義であつて、或いは註釈法学的な面のみを見、偏つたものであつて、非常な間違いをしておつたということの上に立つて、極めて広汎なる、遠大なるところの見識に基く研究において、こういうものの解決を図るように努力して頂きたいと思われるのであります。でそれについて考えますることは、例えば特別市の問題でありますが、即ちこの五太都市が猛烈なる運動をいたしまして、一昨年、それはGHQの意思もあり、又片山内閣もその意思を体しまして、それを阻止いたしたのでありますけれども、この運動は私の考えまするところでは、私の見解の結論だけ申し上げますが、これは資本主義初期における初期的自由主義の運動であつた、都市の私はエゴイズムに即したところの運動であると考えるのであります。で当然に資本主義社会におきましては、都市は農村を、いわゆる農産物の鋏状価格差に基いて搾取するところの関係に立つておるのであります。即ち都市が農村よりもプロスペアースな富を余計集中するところの地域団体になることは当然なのでありますから、五大都市の特別市の運動の基本をなしておりますところのものは、税金その他において五大都市が收納したところの財政力が農村地帶に流れて行くということは困る、横浜市が取つたところの財政力を郡部地帶に廻されることは困るから、というところからその土台を成しておると考えるのであります。もう一つは小さな都市と同じように、この二重監督になるのが困るというようなこともありますが、経済的には今のような都市の財政力が農村地帯に流れて行くことが困るということなのでありますが、これは私今言うように、資本主義初期時代における都市的エゴイズムの見解であつて地方行政の普遍的な……、農村にも都市にもよい普遍化されたところの地方行政が行われなければならんというところの見解に立ちまするならば、殊にも私社会党の者でありまするから、社会党の見地からいたしますならば、地方行政のゴールは、都市と農村との生活を一切の意味において、即ち経済的にも、社会的にも、文化的にも平均化して行くということが私は地方行政最大の眼目でなければならんと考えておるのでありますが、そういう面からいたしまするならば、農村に都市の文化力、経済力が流れて行く。そうしてエクオーリゼーシヨンが行われて行くということが望ましいことなのであつて、私はそういう見解に即しないで、極めて旧式な自由主義初期時代の見解に即して特別市の運動が展開されておるということについては社会党の地方議員等には反省を実は私求めておるのでありますが、そういう点についての高橋さんの御見解はどうであるかというようなことも、この機会に承われれば承わりたいと思うのであります。  それから東京都内におけるところの特別区の運動というものも、それと共通点を持つておるのでありまして、例えば千代田区であるとか、或いは中央区であるというようなところは、地方税收入が非常に多いのであります。で市と同じようなものにして呉れ、こういうことを言うのであります。そうするとそういう富裕区においては非常に財政力が豊かになるのでありますが、その半面におきましては、労働者、勤労大衆、無産階級というようなものが余計住んでおりまするところでは、收入が、財政力が非常に弱くなるのでありまするから、同じ東京都内の市街的な一団のコンミユニテイーの生活をしております、即ち旧東京市の住民の間で以て、非常に行政の凸凹を来しまして、或いは学校施設その他においても富裕区は非常に立派な学校施設を持つことができる。而も貧乏区においては極めて貧弱な学校施設しか持つことができないということになるのであつて、これは非常に間違いであつて、又東京の都民というものは大都市の都住民として、いわゆる東京都一つのコンミユニテイーとして共同生活をしておるのであつて、夜は郊外の住宅、大田区であるとか、杉並区であるとか、世田ケ谷区のようなところに暮しておりましても、その人のビジネスの中心は千代田区、或いは中央区であるというような……或いは中央区には非常に商店街が多い。例えば三越、高島屋のようなものがあるというので、それから来るところの事業税收入が非常に多い、即ち今度の税制が否決されましたけれども、附加価値税とか、それが非常に多くなつて来る、附加価値税は……都税でありますが、仮に市と区が同じものになりますと固定資産税の收入が非常に多くなりますが、それは結局その区に居住しておるところの人間のお蔭だけでなくして、東京都全体に住んでおるところの人間のいろいろなお蔭を蒙むつてその富裕区の財政力は豊かになつて来るのでありますけれども、基本的にも、財政的に考えましても、社会的に見ましても、今日展開されておりますところの特別区の自治権拡大運動というものは非常な間違いを私はやつておるものであると考えるのであります。ところがそういうような誤謬に陥つて、そのような分り易い誤謬をおかしながらもそれ程不思議に思わないというのも、これ又先程申しましたような地方行政というものが註釈法学的に偏しておりますために考え方が経済的、社会的に物を見ない、経済的社会的の基の上に立つて地方行政を考えない一つの結果であると考えられるのであります。又特別区の問題のごときも、世界の、東京に匹敵するところの大都市の例を見ましても、ロンドン、ベルリン、パリー、モスクワ、ニユーヨーク等におきましても、ロンドンだけがこれはああいう旧弊な非常にコンサーバテイブな国でありますから、これは一つの特別市的な様相をなしておりますけれども、その他の大都市におきましてはいずれもこれは單なる行政区に過ぎないのであります。でありますから、今日ロンドン等におきましてもそういうような各区は独立的な自治権を持つておるということは、弊害が百出して各区の行政の結果が非常に不平等を来し凸凹も来すのでありますから、これを改革しなければならんというのはイギリスにおけるところの地方行政組織上の一つの大きな問題でありまして、殊に労働党は大改革をしなければならないということを主張しておるのでありますから、現在の自治権の拡大運動というものは全く間違つておると思うのであります。以上当面の問題といたしましての特別市の問題、道州制の問題、それから東京都制の問題、その一環としての特別区の自治権拡大運動等についての高橋さんの会議委員としての御見解を承わることができれば承わりたいと思うのであります。  尚今日終戰後におけるところの新らしい地方自治法を基本といたしましたところの地方行政見解につきまして、即ちこの委員会には事務配分というようなことを研究することが非常に対象になつておるのでありますが、これについて一つ私はお考えを願わなければならないと思つておりますことは、地方分権主義の建前を地方自治法が採つたということは非常にいいと考えるのであります。ところがこの地方分権主義というものが、その地域的な分権が即地方分権であるというように、余りに固く考えられ過ぎておるということであります。ただこま切れのように日本国内の地域というものをば細分して、こま切れのように切つてつても、そうして細かく切つたところのものが独立の自治権を持つ、そこに独立のローカル・ガバメントを、自治権を持つことが、即ちそれが地方自治分権主義の実現であつたというように考えられ過ぎておると思うのであります。これはむしろ封建時代におけるところの中世紀的の地方分権主義でありまして、資本主義の発達と共にそうした地域関係というものが横断的になつて来るのでありますから、そういう地域的な地方分権主義と相並んで、行政にも機能的な地方分権ということについて考えられなければならんと考えるのであります。例えば教育委員会制度のごときは、これは一つの機能的分権のシステムであると考えられるのでありますが、そういう地域的分権と相並んで機能的な行政のデイセントラリゼーシヨンというものが非常に考えられて行かなければならんと、このように私は考えるのでありますが、そういうことについて高橋委員はどうお考えになるかということの一つ見解を承つて置きたいと思うのであります。  それから最後に、これは私は国務大臣の本多君にも個人的に実は話をいたしておることなのでありますが、日本地方行政組織というものが一切の意味において根本的な大改革が行われなければならんわけであります。それには、地方財政の面におきましては先般シヤウプ使節団が来られまして、そうしてああいう立派な報告書を出されて、地方財政の改革の上において非常に大きな政治力となつたと思うのでありますが、その使節団のレコメンデーシヨンの中には地方財政組織の問題も掲げております。でありまするから、あなたが委員におなりになつておるところの地方行政調査会議のごときものもでき上つたのでありますが、併し何と言いましてもシヤウプ使節団の目標に專ら地方財政のことのみに主眼点が置かれておつたと考えるのであります。ところが地方財政は地方行政組織と不可分のものでありまするが、そうした行政組織の面については、別にシヤウプ使節団と同様なる政治力を持つたミツシヨンを、アメリカのそうした專門家によつて構成されて、そうして日本に派遣して貰い、そうして先程来申しましたような、明治初年以来プロシヤ主義によつて教育されたところの内務省官僚イデオロギーを中心として支配されて来たところの日本地方行政を、根本的に大改革をするということのための適切なる批判をさせ、その報告書を政府に提案し、国会にも出して貰うというような運びをせられるということが、実際の政治運営のやり方として、一つ政治技術として、極めてこの際政治的に有効的なことではないかと考えられるのであります。そういう米国の使節団の派遣を要請して、そうしてそれを政治力に利用するというようなことは、甚だ自主性を欠いたようにも考えられるという意見もあるかと思うのでありますが、併し私は、そういうことを考慮いたしましてもこの際シヤウプ使節団と対応するところの地方行政組織改革のための使節団を派遣して貰うということが、地方行政調査会議がもつと、知られておるところの目的を政治的に達成せられる上において、大きな政治力になることができるかと考えるのでありますが、そのことにつきましての高橋委員の御見解等も承わることができればこの際承わりたいと考えております。尚申上げたいことが沢山あるのでありますが、非常に長くなりますから、これで私の質問及び希望の開陳等は終ることにいたします。
  5. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) 只今いろいろ御懇切な御意見を伺いまして、誠に得るところ多大であつたのであります。最初私ごときがこの重大な委員に任命せられましたことは、むしろ学校でこれまでの古い行政法講義をいたしておりましたものなどよりも、却つて私共の方が大所高所からこの問題を検討することができるであろうというようなお話を伺いまして、いよいよ私の使命の重大さを感じましておる次第でございます。今後におきましてはますますこういうような見地に立ちまして、これまでのようなプロイセン的な、或いはドイツ的な地方行政によらないで、新らしい見地に立つて行われまするように考えをまとめて参りたいと考えておるのであります。神戸議長その外の三人の諸君は、只今アメリカに在つて、アメリカの地方行政について研究をせられておるのであります。やはり只今お話のありましたと大体同様の見地からして、この任務を遂行されることであろうと考えておるのであります。  尚特別市の問題でございまするが、実はまだこれに関しまして私の意見というものは何もまとめておらんのであります。この方面の陳情その外のものを聽きまして、自分の意見をまとめたいと思います。只今お話を伺つておりまするというと、こういう要求というものは資本主義初期における都市のエゴイズムから発したものであるというお話を伺いまして、私共聊か学問的な好奇心と申しまするかを刺戟せられたのでありまして、果して然りや否やというようなことを学問的興味からも研究して見たいと考えておる次第であります。何のまとまりました意見只今持合せませず、又申上げるべき時期でもないのでありまして、愼重に考慮いたして自分の意見をまとめたいと考えております。それからして地方行政改革のための使節団を派遣して貰うということも、これも実は甚だ迂濶でありまして、私は只今まで考えておりませんのでありましたが、この点も他の委員諸君が帰られまするのも間もないことでありまするから、委員会におきましてこの御意見をお取次申上げまして、委員諸君意見をまとめて貰いたいと考えておる次第でございます。いろいろお教えを願つたのでありまするが、簡單ながらただこれだけの点をお答え申上げて置きます。
  6. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 高橋委員に対しまして外に御質問ございませんか……。この委員会議の調査立案の一応の完成時期と言いますか、例えば国会にも勧告されるわけですが、その目安はどこらに置いておられますか、いつ頃までにできますか。
  7. 大野連治

    説明員(大野連治君) いつこの報告書を作るかというお尋ねでございますが、誠に前途、非常に問題が複雑多岐に亘つておりますし、今のところなかなか予測見当は付きかねるのでありますが、恐らく事務局としても今のところの見通しを以て言いますならば、一時に最終的なまとまつた報告書みたいなものができるというのでなく、第一次、第二次といつたふうに分れるのではないかというような気もするのでございまして、場合によつては今年内に第一の報告書みたいなものができ上るんではないか、そうして又来年に入りまして、第二、第三というように運ばれて行くのではないかといつたような気持を事務局としては持つております。何分にも委員の諸先生方が全部お帰りになりましてからでないと、詳しいことは、御報告申上げかねます。
  8. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) この委員会議の法案をこの委員会で審議いたしましたときに、政府当局、つまり自治庁の担当の国務大臣からは、大体一年又は一年半この委員会議を置いて、その間に勉強して貰つて報告書を作つて勧告して貰うのだ、こういうお話つたのです。政府との間に一年半くらいに完了をして貰いたいというような話はないのでありますか、あるのでありますか、それを伺つて置きたいと思います。
  9. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) 私共も初めからこのことは伺つておりまして、その覚悟で努力しておるのでございまするが、先程も話のございますように、三委員渡米その外でどうも十分の進捗を見ておりませんことは誠に遺憾でありまするが、私共といたしましては先程お話のありましたように、一年半くらいの間には是非これを完了したい、こう覚悟は定めておる次第でございます。どうも事務局の方などがまだ人が揃いませんのでありまして、立派な人物、有為の士を挙げたいと思つておるのでございまするが、何しろこれは臨時のものでありまして、その後のことなどにつきましていろいろ皆考えておられますようで、この人物はと思いまして話を進めましてもそういうような点その外を考慮されまして、なかなか引受けて呉れない人が多いのでありまして、どうもそういうような点からいろいろ不満足な点は多いのでありまするが、最善の努力をいたしまして、一年半くらいの間には是非仕事を完了したいと覚悟しておるのでございます。
  10. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 この調査会議予算は極めて貧弱なものなんですが、委員並びに事務局長として大体調査を約一年半の間におまとめになる考えであるならば、どのくらいの予算を必要とすると考えておられるのか、その点を伺いたい。
  11. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) この点も一つ事務局長からお答えさせて頂きたいと思います。
  12. 大野連治

    説明員(大野連治君) 予算の問題につきまして只今お尋ねがございましたが、御承知通り二十四年度は約三ケ月間で三百万円でございました。本年度は一年中の予算が計上せられておりますのは七百万円見当でございます。殆んどその予算の内容は、委員專門調査員及び事務局職員の俸給、諸給というものを差引きますというと、活動の経費、調査に必要な活動の経費というようなものは極めて微々たるものでございまして、この仕事を成るべく短期間にまとめなければならんということになりますと、私共事務局立場からいたしまして、人間ももう少し増して頂かなければなりませんし、それから活動の経費が非常に欲しいのでございます。例えて申しますると旅費のごとき、各委員、それから事務局の職員は、殆んど一年に一回乃至一回半ぐらいしか出られないといつたようなことでございます。成るべく実態を正確に把握いたし、各方面の意見を十分に取入れて行かなくてはならないという仕事であります関係上、もう少しそういつた費用が必要じやないかと考えております。尚印刷、その他そういつた調査に伴う必要な費用が誠に貧弱で、只今正確に、それでは幾ら欲しいかという、事務局として幾らぐらい欲しいのかと言われますと、即答もいたしかねるのでありますが、何とか殖やして頂かなくてはやり切れないという感じを持つております。
  13. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 今、予算のことを伺つたのですが、事務局としても、どのくらいということはまだ言えないというふうなお話つたのですが、そういうことでなく、必要な、貴重なる調査をなさるのですから、もつと積極的に自信を以て、予算の面が足りないならば足りないで、どのくらい足りないということを詳細に出されて、直接政府にそれを要求されるか、自治庁を通してなさるか、どちらの方を取りましても、自信を以て会議を設置したならば、最大の効果を挙げるべくやられることがいいのじやないか、ただ與えられた予算で足りないということは分つてつても、そのままにしてやるということには、結局いい調査ができないことだと思うのです。ですから事務局長におきましても、今の御答弁のようでなく、もつと積極的に必要な経費ならば経費を至急にまとめて、政府に直接要求なさるなり、自治庁を通してなさるなりなさるのがいい、こう思うのであります。
  14. 大野連治

    説明員(大野連治君) 只今十分に言葉が足りませんで、誠にお話通りでございます。ただ事務局といたしましても、目下のところ、與えられた予算では足りんということだけ申しましたが、実は現在この仕事を高橋委員から申されましたように、一年半に大体片付けるという目安の下に臨むのだから、事務局の活動経費につきましても、どのくらいあつたら、先ず何んとかやつて行けるかということは計算しておるのであります。人員等につきましては、大体事務局組織をどういうふうに改めたらいいか、それに対して幾人配置したらいいかといつたようなことについてほぼ実は成案を得ております。活動経費につきまして、これから又計算いたして行くわけでございますが、私、即答いたしかねると言いましたのは、今、全額幾ら幾らということを、ここで申上げることができないということを申上げました次第でございまして、誠にお話通り、ただ足りない、足りないと言つてそのままにいたしておる次第じやございません。必要な経費というものを正確に計上いたしまして、是非政府に面倒を見て頂くようにお願い申上げる考えでございます。
  15. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 更に伺いますが、細かい点はいいのですが、総額大要どのくらいを今後必要とされるか、この点をちよつとお伺いいたします。
  16. 大野連治

    説明員(大野連治君) 私共の目下の目安といたしましては、大体二十五年度は七百万円余でございます。一番多く見積りましても倍程度あつたらいいのじやないか。或いは倍ということが、現在各省とも非常に経費を節約して使つておるというふうな状況でございますので、その範囲内で、できるだけ切詰めて行つたならば、どのくらいになるかということは、只今研究はいたしております。
  17. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に地方行政調査委員会議について御質問ございませんか。
  18. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 吉川君の言われたことに関連していろいろあるのですが、よろしうございます。
  19. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは今日は地方行政調査委員会議につきましては、これで打切りにいたします。   —————————————
  20. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次に自治体警察における参議院議員選挙取締に関する臨時経費の支出の問題につきまして、四月十二日に全国の都道府県代表警察長大会で、自治体警察に対する参議院議員選挙取締経費の国庫補助について決議をいたしました。「本年六月施行予定の参議院議員選挙取締に対する臨時支出経費として国家地方警察に対してはその取締のため相当額の予算が計上されている趣である、従つて同様取締の衝に当る自治体警察に対しても国家警察が必要とする程度の所要経費支出の方途が講ぜられつつあることを信ずるのであるが、全国各地域における選挙取締の弛緩は直ちに選挙の公正を期する上に重大なる影響をもたらすものであると同時に、参議院議員選挙が重要なる国家事務の性質を持つことに鑑み、現下窮迫せる地方自治体に経費の全額を負担させることなく、速かに特別の措置を講ぜられることを切望するものである。右決議する。」という決議であります。その決議を全国自治体警察長連合協議会会長の警視総監が委員長宛に出して参りまして、「本年六月施工の標記選挙の執行費用としてすでに国庫において九億余万円の予算を計上し、更に国警におけるこれが取締費として二千五百万円を計上され、昨年施工の衆議院議員総選挙に際しては自治体警察のその取締費用として二千万円の国庫支弁があつたので、今回の選挙についても自治体警察において必要とする経費支弁の方途を講ぜられつつあるものと信ぜられるも、仄聞するに今般の右取締費は地方財政交付金中に見込まれる趣きであるが、かくては幾ばくがその選挙締費用なるか不明にして、自治体警察の取締活動に制約を受け、延いては選挙取締の不徹底となり、且つ選挙に重大なる暗影を投ずるものと思料せらるるについては従前同様これが費用として別途支弁せらるるか、平衡交付金によるとすれば特にその費目、金額を明示せられ、全国自治体警察に対し活発なる取締をなさしむるよう早急に何分の御措置賜わりたく、本月十二日全国自治体都道府県代表警察長大会の決議の次第もありますので、決議文添附お願いいたします。」こういうのを四月十九日に出しております。これにつきまして、どういう事情になつておるのか、大蔵省の主計局長の出席を求めたのでありますが、その代理に大蔵省主計局共済課長中尾博之君が見えておりますから説明を願います。
  21. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) 只今の総選挙取締のための地方自治体警察の経費に関する国庫側の見解について説明いたします。今回の参議院の総選挙の取締の経費につきましては、国警の分につきましては国警の予算の中に計上いたしてございます。これは国家警察は国費の支弁でございます関係上、毎年予算を以ちましてその費用を見積る次第であります。この国際警の経費と申しますものは非常にいろいろな仕事がございますが、一応将来は従前の軍事費のように経常的な経費のごとくに、或る程度の型もできるかと存じますが、何分にも警察の経費と申しまするのは、国の予算としてはまだ新らしいものでございますので、技術的な積算の方法がございません関係上、いろいろな事項を予想いたしまして、これに対して費用を積算いたしまして、国家警察の経費を見積つておるわけでございます。まあどういうふうに見積りましても、警察は人員が決まつておるのでありまするから、遊んでおるのはないのでございますから、結局おのずから標準的な経費というものはございますが、そういうものはもう少し出すべきじやないかということで現在のところではそういう方法を採つております。従いましてその場合に国家警察の経費を見まする際には、只今御披露がございましたように、総選挙取締の経費を見積つてあるということに相成つております。これは見積つたと申しましても予算には現われておりません。予算のいろいろな経費を見積る際に、方々に考慮いたした、こういう次第であります。  それから次に自治体警察の分でありますが、これにつきましては特別な補助金を交付する、或いは交付金を交付するという措置はとらないという考え方を持つております。この点につきましては聊か新らしい考え方でございますが、殊に先般の衆議院の総選挙におきましては、只今御披露のございました陳情書にございますように、二千万円というものを国家警察の責任者から地方に対して補助いたしたのであります。当時補助いたしました理由は、まあこれが臨時の選挙でございました関係もございますが、丁度年度末に近くもなつておりまして相当地方が苦しいという、実際問題として苦しいという事情が認められましたことと、それから地方財政の財源に対する一般的な措置が相当切詰めたものであつたということも承知いたしておりました関係で相当事情が認められましたので、むしろ財政的な意味におきましてこれを組んでそれで出したのであります。これは予備費の支出によりまして、特に出したのでございます。当時も非常に問題がございまして、勿論いろいろ意見はございましたのでありますが、これを遂いに出したのであります。今回は当然予想せられておりますところの参議院の総選挙でございますので、これについては先程申上げましたように用意いたしてございません。この趣旨といたしまするところは、自治体警察の経費は地方負担ということに相成つておりますので、その線から申しまして補助金を出すのは如何かということでございます。曾ては警察が連帯支弁金でやつておりまして、その時代にはいわゆる選挙でございますとか、外事、特高のようないわゆる国家警察の分につきましては、国費で全額見る、それからその他のいわゆる当時地方警察といつておりましたが……自治体警察につきましてはこれは自治体でやつておりまするが、やはり警察活動の全般をやつておりまするので、これに対しましての経費は自治体で負担いたすべきものであると、こういうことでございます。例えば先般の台風であるとか、総選挙の取締であるとかいう事柄は国家的なものでもございましようが、警察といたしましては自治体が責任を持つてこれをやつておりますので、従いまして従来のような陳情書にございまするような考え方は、政府といたしましてもそういう陳情のあつたこともまあ承知いたしておるのではありますが、とらなかつたのであります。勿論これによりまして地方の財政上、実際問題として無理であるという見通しでありまするというと、これは国庫としても考慮いたさなければならんのであります。これに対しまして実は今回におきましても、当初におきましては平衡交付金並びに地方税法の改正ということによりまして、地方財政に対して相当程度の余裕を見まして、而も極めて大粋で地方に交付いたしまして、地方の自主的な判断でこれを配分して使えるというような措置になつておりますので、財源につきましては心配がないという状況に相成つておる次第であります。  尚先般地方税の方は政府の原案は成立に至らなかつた次第でありますが、これに対しましては差当りの措置といたしまして、いずれ後程、別に問題になつておるようでありますが、極く簡単に申上げますと、結論といたしまして、相当程度の金額を平衡交付金の中からいわゆる先渡しをいたします。その外に極く短期の資金を預金部から融通いたしまして、地方税法の成立或いは平衡交付金といつたような問題を離れまして、丁度私共が政府の内部におきまして、地方行政に使つて頂きたいと考えておつた、そういう経費を賄う、そういうのに十分な財源を用意するということにいたしまして、これは目下関係方面と折衝中でございまして、その関係上ここのところ一両日経ちませんと最終的な決まつたものとして申上げることはできませんが、一応そういう数字になつておりますが、財源の面から申上げましても無理がないという状況に相成つておるわけであります。従いまして実際問題として支障がございませんので、一応個別的には補助金は廃止するというシヤウプ勧告の線に沿いまして従来の考え方をとらない次第であります。
  22. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
  23. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 今のは政府委員でもなく、はつきり内容が知れないのですが、もう少しこういう費用は重大な費用なんですから、政府委員の資格のある局長あたりに来て頂いてもう少し話を聞きたいと思うのですが、今の内容だと一向にはつきりしないで、一課長がこんな今言つたようなことを責任を以て言える筈がないと思うのです。
  24. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 中尾説明員にお尋ねしますが、地方財政法というものがあるのですが、御承知通りその十一條に「主として国の利害に関係のある事務を行うために要する経費については、地方公共団体は、その経費を負担する義務を負わない。前項の経費は左に掲げるようなものとする。」と、こうありまして例証しておる、その中に国会議員の選挙ということがあるのですが、選挙に関する経費、これにはこの選挙取締の費用は当らない、こういう解釈ですか。
  25. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) そこにございます選挙の経費は直接の選挙の施行経費、それからその事務的な選挙人名簿等の経費等でございます。取締の分或いはそれに関連いたします関連行政の分を含みません。
  26. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 選挙がある以上は取締があるのは当然であります。従つて選挙がなかつた場合と選挙があつた場合を考えれば選挙があつた場合の方がそれだけの費用がかかるということはこれは明らかなことになつております。それで平衡交付金の交付の方法はその法律の中にあるように一定の行政費が一定の標準で以て組まれまして、そうしてその標準によるところの標準行政費とそれから標準の收入というものとの差額を配付すると、まあこういうことになるわけですが、従つてあの標準行政費の計算の方法には特にこういうふうに選挙があつた場合において特にそれが加味ざれるようなふうにはなつていないように思う。例えば警察におきましては何か警察の人員とか人口とかというようなことによつて計算されておるのであつて、その事務、事業に応じてできるところの、特別に拡大されるところの分についての計算が行われておらないように思う。勿論それが規則の中に或いはそういうものが加味されるようなふうになるかも知れませんが、現在のところは非常にあの平衡交付金の算定の方法というものは、臨機応変的なものでなくして、いわば全く杓子定規的な計算の下に計算されてその不足分を交付されるという形になつておるところに今の自治体警察方面の陳情と平衡交付金の交付方法とに食違いが出て来るように思うのです。この点について平衡交付金というもの、或いは特別交付金というものの中にでも入れるようになつておるのであるかどうか。勿論平衡交付金の基本的な方針としては特定の用途のものに特に指定して交付するのではないということになつておりまするから、従つて内訳としては、今後の総選挙のためには特に特定の部分が必要と思われるからして、一千五十億のうちにこれだけのものは含まつているんだと、若し本年に総選挙がなかつたとするならば或いは九百億であつたかも知れないと、ただ特に総選挙というものがあるために一千五十億に殖やしたのだというような考え方は含まれておらないのではないかと思うのです。そこにいわゆる実際の実情と平衡交付金の内容との食違いが出て来るのであつて、それをどういうふうに緩和されんとするのか。国におきましては、それはもう平衡交付金の中に入れてあるのだ。これは自治体警察がやるべき性質のものであるから、平衡交付金の中でやつて貰いたい。国は何も出す必要はないのだ、こういうふうなことで一にも二にも平衡交付金の中に入れてあるのだという、まあ逃口上的な説明になつてしまう。併しながら実際はそういうふうになつておらないというのであるが、この平衡交付金のことについて大蔵省が一千五十億を算定する場合において、そういうふうな臨機的な、殊に本年は参議院の総選挙があるということがはつきりしておる。そうして一方国警の方にはその分が含まれておるというならば、平衡交付金の中にもそれは勘案さるべき性質のものであると思うのです。そういうような考え方の下に一千五十億が仕組まれておるものであるかどうか、説明員に一応説明を願いたいと思います。
  27. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) 只今の平衡交付金一千五十億の中に特に参議院選挙の取締に関する経費は見込んであるかどうかという点でございますが、この点につきましては、特に参議院選挙関係でこれこれの経費が必要である、従つてこれをプラスし、外のものと合せて千五十億になつたというような経過を以ちまして、選挙費用を作つてございませんので、そういうふうな意味から別に考慮はいたしておらないのであります。併しながら千五十億円を決めまする際には、実はこの参議院の選挙関係の取締は高々数千万円でございますが、それらの外に……相当そういうようなものもあり、それからその外に地方財政をもう少し活発にいたしまして、いろいろ新規のこともむしろ積極的にやらなければならんものもあるであろう、そういうものに対して相当財源を持たなければならんという考え方を以ちまして、余裕を見て作つてあるのでございます。  結論的に申上げますと、結局千五十億円のうちに約七十億円程がそういうような全然一応当時といたしましては予想をしておらなかつた、或いは予想いたしましてもこの選挙取締のような非常に少額の、いろいろな事情がございます、これは選挙ばかりではございませんで、一応予想されまするが、小さいものというようなものは、警察関係ではいろいろな騒擾事件等も予想されますわけでございますが、そういうものが見込んでございます。ちよつと訂正いたします。七十億円と申しましたが、七十八億三千万円というものが見込んである次第でございます。
  28. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうしますと、平衡交付金には二つがあると、まあ一般的な平衡交付金と特別の交付金とがあつて、特別の交付金というものは一応保留されておつて、特別に何らかの事情があつた場合に、その事情に応じて特別に配付されるという性質のものとなつて、そうしてそこの中に七十八億円程度枠が、必ずしも選挙というわけではないが、そういうふうなものに非常にかかつた場合には、平生にかかるべき交付金の外にそれが特別に又配付される性質のものとして留保されておる、こういうことになりますか。
  29. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) 只今ちよつと説明が足りませんでございましたので、補足いたします。今の七十八億円と申しましたのは千五十億円という総額を作りまする際に従来の配付税系統、それから従来やはり国から特別の補助金がいろいろ地方に行つておりまして、それの分の外にそれを千五十億円から取りますというと、その残りといたしまして、純然たる新規に国から地方に與える金と平衡交付金として與える金といたしまして、七十八億円を見たのでございます。結局これは税制の問題はまだ途中ではございまするが、当時といたしましては税制の方の財源の増加も見、それから平衡交付金としまして新たに国から一般に行く分を七十八億円余計に殖やすということにいたしまして、地方の財源を與えたという関係でございます。それから只今質問のございました、いわゆる特別配付税として特別の平衡交付金といたしまして、その一割程度を事情に応じて斟酌いたして配付するというのはこれとは一応別でございまして、こういう財源を地方に與えておる形になつておるということが一つ、それから平衡交付金の配付方法につきましては、千五千億を配りまする際に、先程御質問がございましたような、そういう杓子定規に近いような形で一応配りまするのでありますが、そのうち一割を先に天引きいたしまして、これを適宜に斟酌いたしまして配ります。この分は千五十億円の一割に相当する次第であります。
  30. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。
  31. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 上原専門員に伺いますが、今の大蔵省の説明がありましたが、特別交付金の七十八億三千万円、外にはないのですか。
  32. 上原六郎

    ○専門員(上原六郎君) 今西郷さんのおつしやつた問題ですが、それは七十八億円というのは従来の配付税の系統のものと、それから従来国庫補助で出しておりましたものを平衡交付金に組入れたものと、それを合せまして、尚その外に新規の配付税の増加というものは七十八億円になる、こういうことでございます。特別交付金というのはこれ又全然別でございまして、二十五、六年度の臨時の措置として約一割のものを特別交付金として交付する、こういうような平衡交付金になるのでございます。
  33. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 これに関連して、私は実は或いは皆さんと意見が違うかも知れんですけれども、平衡交付金の配付の仕方なんですが、これは府県の市町村、或いは府県知事等におけるところの考え方というものはこの原則的な平衡交付金というものを多く支持して、そうして今のような配付の方法は非常によい、その次はよくない、こういうような意向になつておるのですが、これはまあ吉川さんに又叱られると思うのですけれども、実際に今までの実際の運営から見ますと、どうも例えば今度選挙がある、従つて選挙の取締のためにこれだけの経費が必要だ、だからして国の方にはこれだけ取締費として計上する。又自治体警察においてはこれだけのものを計上して配付する、だから取締をやれ、こう言われた方がこれは活動し易いように感ずる。これは旧来のいわゆる役人のまあ墮性の考え方であつてそれはそうあるべきではないかも知れんけれども、どうもそういうようなことで、今後の取締なり、取締にそういう紐付きを以て配付されるというようなことの方が実際に効果が挙がるような感じがするのですが、これは平衡交付金の配付の形態がそうあつてはいけないのであるという原則からまあ言つたわけなんです。従つて私は特別にその際に国費として自治体警察に交付するか、それでもよろしい。或いは平衡交付金のうちとしてそれだけのものを保留して、そうして特定の紐付きを以て交付するのもよろしい。どちらでもよろしいけれども、そういうような方法を以てやはり別にやつた方が私はより効果が挙がる。こういうように考える。で今度の今の大蔵省の説明によりますというと、もう自治体警察の経費は自治体がやるのだからして国はどうでもよい。これは国家警察の方は自分がやらなければならんから一定の経費はその分として計上するけれども、自治体の方は自治体でやりなさい。こういうまあ考え方になつて、そこにまあ過渡的なやり方の変換からまだ地方自治体警察においては納得しない点があるので、これはもう永年、これは二年、三年四年五年六年と経過してしまえば慣例というものがやはり全体の客観的な考え方に影響を及ぼして来ますから、そういうような事情が起らないと思うが、やはり従来はそういう慣例にあり、一方国家警察の方面にはその分として特別に配付される、地方自治体警察においてはそういうものはない。こういうふうになるので、非常にその自治体警察国家警察との間において取締に対する警察官の気分が非常に違つて来ると思う。こういうように感ずるので、私はやはり何らかの方策が必要で若し可能であるならば必要な分は国から交付して貰うというようなことがはつきりしてよろしい。先程地方財政法の解釈におきましてもこれは選挙管理委員会の必要とする経費だけであつて、取締の方面の費用は、あれには含まないのだ、こういう解釈でもあるけれども、あの分だけから見れば、必ずしもそうは思われないようにも思われるので、勿論これは予算が決定してしまつてから今こういうことを言うのは遅い、若し予算がまだ決定されない前の審議過程においてこういうことが言われるべき筋合いであつて、我々もその点については迂濶であつたというふうに考えられるのです。今西郷君からも話された通り、これはまあ政府の説明員は単なる内容の説明に過ぎないのであつて、新らしい決定というようなことは当然これはできないと思いますけれども、何かそれに対するところの方策というものがあつて然るベきであるというふうに私は考えておる一人である。こういうことを申上げて置きたいと思う。
  34. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外にこの問題について質問ありませんか。  国家地方警察の方は取締に二千三百万円計上されておりますね。
  35. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) 計上いたしております。
  36. 溝淵増己

    説明員(溝淵増己君) 国警の方は大体二千五百万円と承知しておりますが、予算を組んでございます。
  37. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) そうすると今度の参議院のは定期的の選挙だからいいけれども、一年のうちに二年も衆議院の解散があつて選挙が行われるというようなときには、自治体警察としては非常な負担になる。そういうときには又国家として昨年の衆議院の解散による選挙のときのように、特に国の補助というものを考えるという方針になつておるのか、そこまで方針を立てて置かないのか、その点伺つて置きます。
  38. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) 御説明いたします。その点がまだ取上げていないので検討いたしたことはございませんので、その方針としてどうかということにつきましては、ちよつと今申上げるものを何も用意しておりません。ただ事実の御説明で申上げますと、むしろ経過説明でありますが、この前の衆議院の選挙の際、それから続いて昭和二十四年度地方財政に対する財政措置が非常にきついものでございまして、本当のぎりぎりのものでございます。これに対しまして今年度は一応相当余裕のある計画を持つておる次第でありまして、その間地方財政にとりまして相当の彈力性もございましようし、今までのお話で予備費、国といたしましてはそういうことになりますと予備費の使用、追加予算というようなことに相成る次第でございますが、地方自治体におきましても同じような措置を当然必要といたしますので、その際の財源の問題でありますが、一応現在の計画では三百億近くの予備的財源が一応予想されておる次第でありまして、勿論これも例の税法の関係もございまするし、教育費との関係、基準法との関係、いろいろな関係がございますから、その配分その他の問題もございましようが、一応従来からの実績から見まして、検討いたしましたものはその程度の予備的な経費が見込まれる、財源が見込まれるのでございます。それらの事情がございますことだけ御説明して置きます。
  39. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 平衡交付金の関係の方はないのですか。
  40. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 来ていたんですが、今知事会議を開いておりますので、知事会議の方へ政務次官と荻田次長と二人、司令部の方へ呼ばれて国務大臣と奧野課長が行つているので、今呼んでいるんですが、荻田次長は先程来ておつたんですが、知事会議の方で手離せない用事があるので、ちよつと帰らせて呉れと言つてつて、十二時頃に来いということを申して置いたんですが、まだ参りません。
  41. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 この問題は、理論の問題ではなくして現実の問題であつて、現実に処理しなければならん問題だと思うんです。でこれは実際に必要な場合においては、どこの自治体警察においても、必要の程度の費用はやはり計上すると思いますけれども、この実際の状態を申しますと、府県、或いは自治体におきましては、財政部がありまして、財政部というものが非常に力が強くて、そうしてなかなか金を握つて出さないというようなことが非常に多いのです。従つて現実の取締はどんどんしなければならん場合に、その財政当局との折衝によつて、そうしてまあ毎日暮しておる。そうしてその間においては取締が非常に緩慢であるというようなことがあつてもいけないと思うので、できるならば特別交付金ですね、そういうものの中から今話に聞きますと七十八億程度のものが余分に行つておるのでもありますし、そのうちのどれくらい必要でありますか、国家警察においても二千五百万円くらいの程度だそうですから、これは自治体警察全体としてもそう大した金額ではないと思う。そういうようなものは特別交付金の中から、一割の中から特別にこれは選挙取締に必要なものであるというようなことを言うて、そうして配付するというようなことも一つの方法ではないかと思つて、何らかの処置をとればその目的も達せられるのじやないか、こういうことを考えておるわけであります。この点についてはどうでしようか。
  42. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 今小野政務次官が出席にならない前に問題にしておつたのは、今度の参議院の選挙に際する自治体警察選挙締費用で、そこで政府の方から説明員が出まして、昨年の衆議院の選挙に当つて自治体警察選挙締費用を二千万円余り国家地方警察においては出した。それから自治体警察にも出した。今度の選挙に当つてはそういう措置はしない。それは平衡交付金に相当ゆとりがあるから、それでそれ程の必要もない。将来ともそれはしないつもりであると、こう言うので、で地方財政法の第十一條において、国会議員の選挙に要する経費という中には選挙取締の費用が入つていない。直接の費用だけだ。だから地方財政法から言つても必ずしも国家が負担すべき費用ではない。こういう意味のことの答弁があつたのです。それで、それでは恒久的の問題として、こういう参議院議員の選挙みたいなような定例的のものはともかくとして、一年のうちに衆議院議員の選挙が二度もある、解散による選挙が二度もあるというようなときはどうなるか。それは大体三百億程の地方財政平衡交付金で、地方財政上に余裕が見てあるからまあ差支ないだろうというような答弁があつたのですが、それに対して鈴木君から今お話があつたのです。その点について地方自治庁側の意見をお聽かせ願いたい。
  43. 小野哲

    説明員(小野哲君) 丁度知事会議がございまして先程済んだばかりで大変出席が遅れたわけでありますが、自治体警察選挙の取締に関する経費の負担の問題であると存じますが、勿論地方財政法にありますような直接の選挙費用には該当して来ないものと解するのであります。ただ平衡交付金の運用によりまして地方の所要の経費につきましては、或る程度賄い得る途は開かれるのでありますので、地方税制の改正その他によりまして財源の賦與も従来に比べますと、将来においては或る程度彈力性を持ち得るものとは考えますが、併し十分に果して自治体警察の所要の選挙取締経費を賄えるかどうかということは、必ずしも断言できないかと思うのであります。併しながら平衡交付金制度の運用の基本的な考え方から申しますと、これが地方の行政費に対しまして税收額によつて賄い得ないような場合がありました場合においては、その差額について按分をいたす途も開かれておりまするので、具体的の事情に応じて判断をいたさなければならないかと思うのであります。ただ私共の考えております交付金制度の内容といたしましては、普通交付金を原則として特別交付金は例外的な措置として当分の間これを認めることに相成りますので、経過的の時期に当りましては、財政の調整の趣旨から考えまして、予測しなかつたようなものについての歳入欠陷を補い得る途は講じ得るのではないかと思うのであります。ただ今回の参議院議員選挙のごとくすでに決まつたものにつきましては、これに対しまして何らかの方法によつて地方財源賦與の措置を講ずることが必要であろう、かように考えておるわけであります。従いまして平衡交付金による運用によりまして、これを補填して行くということも考え得るのではないか、かように考えております。
  44. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 平衡交付金の標準行政費の中の警察費については、警察吏員数に応じて各自治体警察のあるところにおいては配分する、こういうことになつておりますが、大体警察吏員の数に応じて今度の参議院選挙の取締に要するところの費用配分することは公平だと思うのですが、その際にこれは規則で決まるのですけれども、測定單位のなんですかな……数値の決め方です。その決め方でこういう選挙のないときの数値と、選挙があるときの数値というものは変つて参るということになりますが、或いは経常年度の数値というものを決めて置いて、そうして選挙があつた場合においては、その警察吏員の数に応じて数値を幾らか上げる、そうしてその上げた部分は取締の費用であるというようなことにしてそれを警察の方に出して行く、その上げた分については、特に自治体においては警察の参議院選挙の取締役に要する経費の分であるということにしてそれを明らかにして交付するということはできませんですか。
  45. 小野哲

    説明員(小野哲君) 鈴木さんの御質問は誠に妥当のようにも考えられるのでありますけれども、若し今のお話のような工合に平衡交付金の交付額を決定いたします場合に一々これは自治体警察選挙取締の費用であるということにいたしますことは平衡交付金制度自体が一般財源を目的としておりますような関係がありますので、これは一種の補助金的な性格を帶びることになるのではないかと思うのでありまして、従いまして平衡交付金の建前から申しますと、これは只今御指摘になりましたように、各行政の種類に応じた測定單位によつて数値を出しまして更に單位費用によつて額を決定するという行き方をすべきであろうと思うのであります。奬励的に国家補助金を出すという場合ならいざ知らず、平衡交付金の精神から申しますと、この分は自治体警察選挙締費用であるということのいわゆる紐付的なやり方は避けるべきではないかと思うのであります。但し選挙等が行われます場合においては、御指摘のようにそれに必要な取締の経費が殖えることは当然でありますので、この場合におきましては、平衡交付金の算定の際にその基礎として計算いたします單位費用において考えるべきではなかろうか、かように考えております。
  46. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうすると具体的に單位費用について考えるというのは、具体的の場合どういう方法でやりますか。
  47. 小野哲

    説明員(小野哲君) これは只今平衡交付金の各行政の種類によつてそれぞれの測定單位に基いて数値が出され、又單位費用によつて計算をするわけでありますが、この点につきましては選挙等が行われることによる具体的の当時の事情を勘案いたしまして單位費用を適当に資料に基いて変更を加えるという措置を講じて、この間の補正をすればいいじやないか、かように考える次第であります。
  48. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 まだはつきりしないのですが、いわゆる数値が一定に決まつでおる。これは参議院の選挙があろうがなかろうが一つの数値が決定する。そうしてその数値に基いて標準行政費というものが算定される。ところがたまたま参議院選挙の取締にそれだけの必要が生じたという場合にその必要なだけの額を更に追加するということを仮に考えた場合に、どういう具体的な方法で以てその必要な額を紐付きということはできないけれども勘案する、勘案するという場合に具体的にどうしてその額を上げるかということを技術的なことをお聞きして置きます。
  49. 小野哲

    説明員(小野哲君) 例えて申しますと警察吏員の数が測定の單位になつております場合においても、例えば給與ベースが変りました場合においては勿論算定の基礎も変つて来るわけであります。それと同じような建前から考えますというと、取締について選挙が行われます場合における取締の経費もおのずから警察吏員あたりの單位費用としても増額を来さざるを得ないことになりますので、具体的に如何なる技術的な方法によつてやるかということにつきましては関係各省から御答弁いたしたいと思いますが、大体の考え方といたしましてはさような方法によつて測定をして行きたい、算定をして参りたい、かように考えております。
  50. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 本年度は先ず地方財源の総額が決まりまして、そうしてこれを地方団体の財政需要に応じまして配分して行かなければなりませんので、只今お話になつておりますような問題が起きて参ると思うのでございます。併しながら平常年度におきましては地方財政の需要額がどれだけあるかということを先ず測定いたしまして、更に地方団体が税收入としてどれだけのものが期待できるか、その差額が地方財政平衡交付金の総額として算定されて参りますのでその場合には警察費といたしましては吏員の給與或いは選挙が行われます場合には取締の費用というふうなものがやはり地方財政需要の全体の中に算定されて参つて来るのであります。従いまして平衡交付金の配分の際にも十分臨時の財政需要というようなものも測定されて配分されるということになるわけでございます。たまたま今年は下から積み上げて参りましてその結果平衡交付金の総額が決まつたわけじやございませんで、全体の推計から平衡交付金の総額が定まつて参りましたので、これを現在予想されますところの地方財政需要の総額と睨み合わせまして、財源の不足な団体に配分しなければならないというふうな結果になつてつておるわけでございます。もとよりこの間に非常な開きがあります場合には新たな措置も必要となるかも知れませんけれども、実際問題としましては只今申上げましたようなことになると思います。その際に警察費にはどれだけ要るだろうかということにつきましては、單に給與等のみならず参議院選挙に伴いますところの取締の費用というふうなものも併せまして、その総額を吏員数で除しまして、單位費用というものを算定するわけでございます。従いまして外の財政需要と均衡を保ちながら、所要額のどの程度まで基準最低需要額の中に入れて来るかという問題がございますけれども、最低需要額の算定の基礎の中には、給與費等の外に、更にこの参議院の選挙の取締費用も加え、そうしてそれを警察員の数で割りまして、單位費用を定めます、それを更に各団体別の警察の吏員の数をこの單位費用に乘じまして、各団体別の警察費用というものを測定せられて来るというふうな結果になるわけでございますから、取締費用も各団体の財政需要の中には測定されて来るという結果になるわけでございます。
  51. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうしますと、今の計算の方法は、先ず警察吏員の数に応じて測定單位の数値を決めてそれを掛けて警察費というものは出て来るのじやなくして、先ず警察費というものは全般的な給與ベースを考えたり、或いは本年度は参議院選挙があるから、これだけの余分の取締費用が必要であろうということを先ず考えて、そうしてできた総数をその警察吏員の数で割つて見たのがいわゆる数値になつて来る、数値を先に決めるのじやなくして、大体必要な費用を先ず決めて、そうしてその後に警察の吏員の数で割つて初めて数値が出て来る、こういうやり方であるとするならば、私は先程質問した趣旨と違うので、私は先ず警察吏員の数に応じてひとりの警察については幾らだという数値ができて、そうしてこれは平常年度の数値である、こういうふうに考えておりましたから、平常年度の数値が先ず決まつてそうしてそれが警察の標準行政費であるというふうに決まつて、そうしてその数値と警察吏員の数を加えたものが結論的には警察費として、標準警察費となつて現われて来る、こういうふうに私は解釈しておつたわけなんです。ところが今の説明ではそうじやなくして、そのときの事情を勘案し、参議院の選挙があるなら参議院の選挙に必要なところの費用を先ず加味して、加えて見て、そうしてあと数値ができるのだというのならば、お聽きしたいのは、然らば本年度の参議院の警察の費用としてどの程度の費用を総括的に見ておられるか、それをお聽きしたい。
  52. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) これはまだ警察当局からも具体的な数字の連絡を受けておりませんので判明しておりませんけれども、昨年暮頃から国の方から自治体警察に対しまして選挙の取締の費用として補助金を出されました額から考えまして、数千万円で足りるものであろう、こういうふうに考えております。
  53. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうしますと、今度の平衡交付金の中には数千万円の、昨年の衆議院議員選挙程度の警察取締の費用は含まれておると、紐付きというような形ではなく、数値という形において算定をされておるのだけれども、その中には数千万円の取締の費用は含まれておるのであるということが明らかであるならば、そういうことを自治体の警察方面にそれを知らせてやる、そうして各委員から各自治体警察のあるところの地方団体にそのことを知らせて、そうしてそれぞれの地方団体においてそのつもりで警察の取締費用を出すというような方法を採れば、今の自治体警察の方面の陳情の目的は或る程度まで達せられると思うのですが、そういう処置はおとりになれますか。
  54. 小野哲

    説明員(小野哲君) 只今鈴木さんが言われましたように又奥野課長から御答弁いたしましたような考え方を以て対処したいと思つておりますので大体お考え通りに処理できるものと考えております。
  55. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 もう一つ念のために申上げますが、国家警察の場合におきましては、二千五百万円の選挙締費用としての特別の費目を取つて、そうして二千五百万円の範囲内において、この範囲内において配付して、そうしてこれは取締のために使つて貰うんだということになつている以上においてはやはり自治体警察においてもそういうような強い意味でなくても、紐付きということはできなくつても、或る程度のそういうようなことをやりませんと、国家警察と自治体警察との間において、一方ははつきり取締費用は配付されたけれども、自治体警察の方は何だか曖昧ではつきりしないというようなことで、そこに差が出て来るように思われるので、私としましては何らかの方法で平衡交付金というものの本質を疵つけない範囲内において、自治体警察の取締が完璧を期するような交付方法、或いは通知を出すとか、或いは何らかの方法を講ぜられることが必要ではないかと考えております。私は一応これで終ります。
  56. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは選挙取締の費用の問題は以上で打切ります。   —————————————
  57. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次に時間が経ちまして恐縮ですが、地方税法が不成立になりましたので、その善後措置並びに対策につきまして政府が採つておられるところを御説明願いたいと思います。尚この地方税法不成立に対処する応急措置に関する要望というものが昨日全国市長会会長代理金刺不二太郎君から出ております。外の代表の市長も見えました。その要旨は  全市を代表して本会が数次に亘り真摯な陳情をいたしたに拘わらず一方に新地方税法の成立を前提とする税法の一部改正法案を議決しながら他方基本たる改正地方税法が不成立に終つた事は誠に遺憾に堪えません。  これにより地方財政史上未だ経験せざる税制の空白状態を招来し、地方財政行詰りの窮状に陥り、殊に税源が都市に偏するの故を以て自治体警察、消防の財源とせられておつた入場税等重要税源を逸早く府県に委譲せしめられた市財政は、中小企業の窮迫失業対策復興事業等を一方に控え、真に容易ならぬ事態に立至りました。  政府及国会の責任において、当然これに対する応急措置に十分の配意を下さる事と存じます。  ついては右記の通り措置せられるよう要望いたします。     記  一、不足資金の算定について  (イ) 今後順調に推移しても現実の税収を見るは九月以降と予想せられる事  (ロ) 八月乃至九月に至つて始めて全年度分の賦課をしても現実の経済事情よりその全額の徴税を確保し得るや極めて憂惧せられ相当の歳入欠陥を予想せらるる事  二、平衡交付金の概算交付について  (イ) 直ちに少なくとも予算年額の四分の三を概算交付せらるる事  (ロ) 新税制に依り税収見込大なる自治体は平衡交付金の交付額は小額と予想せらるるに拘わらず資金不足大で平衡交付金の概算交付上矛盾面が認められ結局平衡交付金の増額を要する事。  三、融資について預金部資金の融資については無利子又は全額利子補給せられる事  という要望書が来ております。それらに対して政府の御考えを承わりたいと思います。
  58. 小野哲

    説明員(小野哲君) 地方税法改正法律案の不成立に伴いまする善後措置につきましては、目下政府におきましても急速にその結論を得ベく努力をいたしておるのであります。地方財政の上に憂慮すべき影響を與えておりますことは、只今委員長がお読み上げになりました、地方団体側の要望書に徴しましても明らかな点であります。これに対しまいて、政府といたしましては、取敢えず四月から七月までの分といたしまして、地方財政平衡交付金の繰上げ交付をいたしますと共に、尚不足を生ずる分につきましては、預金部資金から短期融資をすることによりまして処置をいたしたいという考えを持つて、目下係方面と折衝をいたしておるような次第でございます。その問題につきましては、一昨日来の知事会議におきましても、種々質問なり要望なりがございまして、特に本日は、知事会議の意向として、地方税法案の成立、並びに今回の不成立に伴う善後措置に対する急速なる措置についての強い要望があつたような次第でございます。尚これが詳細な点につきましては、財政課長から御説明をいたしたいと存じますが、只今申上げましたような基本的な考え方によりまして、善後措置を急速な実行に移して参りたい。尚又後半期における徴税の問題につきましても、地方住民にとりましては、相当深刻な問題も起つて来るのではないかとも存じまするし、又短期融資を受けます場合における利息の負担につきましては、地方団体においても、種種これに対する政府の措置を要望されておるような次第で、この点につきましては、関係方面との折衝を速かに整えまして政府としても決定をいたして参りたいという考えの下に、目下努力をいたしておるような次第でございます。
  59. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 続いて奥野財政課長。
  60. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 御承知のように、現在徴収を全部停止いたしておりますので、毎月入ります税収入といたしましては、極く僅かしかないわけであります。その結果、七月末までの間におきまして、大体六百億ぐらいの歳入欠陥が生ずるのではないかというふうな見方をいたしておるわけでございます。七月末と申しますのは、大体新税法を八月一日実施を目途に考えておりますので、一応七月末までにどのような歳入欠陥を生ずるというような測定をいたしておるわけでございます。そこでこの欠陥を、六月中にでも平衡交付金を三百億円ぐらい概算交付したい、残りの部分につきまして預金部資金の短期融通を行なつて行きたいというふうなことで、関係方面と話を進めておる最中でございます。
  61. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 この陳情を今見ましたのですが、これによりますと、この自治体の中で、税が非常に多いと、従つて平衡交付金が少く交付されるというような自治体が相当あると思うのですが、その際に税が取れないわけですから、その代りに平衡交付金を配付すると、勿論預金資金も融通することになるでしようけれども、そういう場合に、いわゆる税が取れたならば、平衡交付金がそれだけ行かないというような町村があつた場合、平衡交付金が多く行き過ぎてしまうというようなことはないでしようか。
  62. 小野哲

    説明員(小野哲君) 鈴木さんの言われる通りに、徴税の関係と平衡交付金の交付額とは、或いは逆比例をするという場合が想像され得るのでありまして、さような場合におきましては、後半期において適当に調整を図つて行かなければならないかと、かように考えております。
  63. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 次に、「預金部資金の融資については無利子又は全額利子補給せられる事。」とありますが、これは若しあの税法が通つて、そうして税を取るということになれば、その取つた税で以て賄つて行けるのに、税が取ることができないというために、預金部資金の融資を受けるということになるのであるからして、その要求は、要求する者から見れば、尤もな要求であつて、むしろその税を拂わなければならんということになるとすれば、むしろ損害賠償の請求をするような性質を持つておる程度のものと思われるのですが、この「無利子又は全額利子補給せられる事。」ということについては、どういうふうな措置をせられるお考えでしようか。
  64. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 政府がインフレ收束の政策を強力に推し進めて参つております際に、吸上げるべき資金を吸上げないで、逆に預金部資金を短期融通して行くということは、物価その他に非常に大きな影響を與えますので、地方団体の困窮しておることもよく分るわけでございますけれども、我我といたしましては、できる限り短期融資を受けます分を少くするように、いろいろな面において努力をして貰わなければならないと思うのでございます。そういう政策的なことを考えますと、個々の団体につきまして、短期融通を受けた部分については、その利子の全額を政府において負担するというふうなことは、余り適当ではないのじやないかというふうに考えられるわけであります。併しながら、地方団体としてそれだけの負担を新たに負うことについては違いはございませんので、地方財政事情全体を測定いたしまして、平衡交付金の総額を算定いたしましたり、或いは税制の改正を行なつたりいたします場合には、この新たなる財政負担というものは当然この計算の中に入れまして、各地方団体にそれだれの程度の財政收入は賦與されるというふうに措置して行きたいと、かように考えておるわけでございます。ただ個々の団体につきまして、その短期融通を受けた額について、そのまま利子を融通するということは穏当ではないと、かように考えております。
  65. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうすると、今の答弁によりますれば、預金部資金の融資を受けたのはどの府県市町村であるということがはつきりして、そうしてその利子はどの程度の額に達するかということは、その地方団体によつてはつきりしておるのであるからして、将来平衡交付金を本格的に算定をして交付するというような場合には、その分については特別に利子を国庫から補助するというようなことはできんけれども、また平衡交付金の算定の際に、実質上においては国から補給したと同じような考え方の算定の方法によつて平衡交付金を交付したいと、こういうことだと思いまするので、それでも目的は達せられるのではないかと私は考えております。次に、七月末までに六百億というのに対して、平衡交付金が三百億、預金部資金が三百億と、そういうことになるわけですか。
  66. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 大体そういう見当ですが、大雑把に申上げましたのでありますが、現在考えております数字は、預金部資金の方は二百七十億ぐらいで足りるのではないかというふうに考えております。
  67. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 次にこの要望書ですか、これによりますと、たしかにこの八月一日から新税法が仮に施行されたということに、将来の問題ですからはつきりしませんが、そうなつた場合に、そういうようなことであつても、全額の税收を確保するということは非常に困難ではないか。従つて、やはり相当の年度内におけるところの歳入欠陥というものが出て来やしないかと、これは徴税面においての相当の工夫と努力を要するものだと思うのですけれども、その点についての現在、今からの諸準備というものは、今どんなふうな方法を考えておられましようか。
  68. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 実施の時期は相当ズレたわけでありますけれども、その間やはり新税法を八月から実施するという建前の下に、各地方団体におきましては研究を進め、いろいろな準備を続けておるわけでございます。で例えば新税法に因みまして吏員の充実を図つた団体におきましても、すでにその府県に講習所を設置いたしまして、その講習所にそれらの人を收容いたしまして、教養を始めております。又一般に対する周知徹底、いわゆる納税への協力の問題にいたしましても、この間新税法の内容というものを一層分つて貰いますように、あらゆる機会を捉えまして啓蒙に努力しておるわけでございまして、実施の時期がズレました関係上、年度の後半になりましてから予算がかぶさつて行く、この点に関しましては非常な徴税に対する阻害になるわけでございますけれども、滑り出しを円滑にするという意味におきましては、準備期間がそれだけ多かつたために混乱を生ずる点が少いというふうに考えられるのでございまして、その間いろいろ長短ございますけれども、この準備の期間を有効にできる限り利用して行きたいというふうに考えておるわけでございます。
  69. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 只今の奥野課長の答弁の中に、新税法の精神をば普及徹底するために努力する云々という言葉がありましたが、政府提案の地方税法案は、国会即ち政治の最高機関である国会がこれを否決したのでありますから、即ちいわゆる新税法案は、政治的によくないものであるという断定を下されたものであつて国会がよくないものであるという断定を下したところの、葬られたる税法案の趣旨の徹底を地方自治団体に政府がせられるということは、形式的に非常に間違つておると私は考えるのでありますがどうでありますか。  尚臨時国会等を召集して新税法案、即ち葬られたるところの地方税法案の成立を期していられるようであるが、今の政府委員の答弁の内容から考えるならば、実質的にそれは一事不再理の原則に反したことを、政府は国会の意思を無視して敢行しようとしている問題であると考えられるが、この二つの点についての小野政務次官の説明を伺います。
  70. 小野哲

    説明員(小野哲君) 奥野君から御答弁申上げました中に、新税制の内容並びに趣旨を考えて講習等をするというような言葉があつたようにお聽き取りになつたことだろうと思うのでありますが、吉川さんも言われましたように、今回の地方税法案は国会において否決されたものであることは嚴然たる事実でございます。この法律案自体を政府が関係地方団体等に対してこれが周知徹底を図るという意図は持つておらないのでございます。ただ御承知のごとく、今回の地方税制に流れておる趣旨なり考え方につきましては、各党におかれましても必ずしも全面的に否定はされておらないのは事実であろうと思うのでございます。従いまして内容において尚検討を要すべき問題はあるかも存じませんけれども、シヤウプ勧告に基いた地方税制そのものの趣旨につきましては、必ずしも全面的に否定されておるものとは私共考えておらないのであります。併しお説のように国会が否決いたしましたものを、更に政府がその内容について具体的に指導した参るということは、不穏当のことであろうと存じますので、十分に注意をいたしたいと思つておるのであります。  尚この地方税法案が否決されました今日におきましては、先程来御質問がございましたような、各地方団体における財政上の極めて深刻な様相が呈せられておりますので、政府といたしましては成るべく速かに地方税制の改革をいたして参りたいという考えにつきましては変りがないのでございますから、臨時国会等が召集されました場合におきましては、改めて政府提案として御審議を願いたい、かような構想を持つておる次第でございます。
  71. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それは同一の法案を出すというお考えでございますか。
  72. 小野哲

    説明員(小野哲君) 同一の法案を出すか、或いはどうなるかということにつきましては政府といたしましても閣議において十分検討いたしました上で決定をいたしたいと存じております。
  73. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 尚一点伺つて置きますが、この概算支拂というようなことについては法律措置は要らないのですか。この前は事情は違いますが、地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法案を出した、これは平衡交付金法がまだできておりませんから平衡交付金法が出て後も……、平衡交付金法に何月何月というふうに書いておりますが、概算の支拂をやるということは法律的にできませんか、どういうふうに……。
  74. 小野哲

    説明員(小野哲君) 地方財政平衡交付金法が成立いたしましたので、新たな法律措置は概算交付については要らないと思つております。平常年度におきましても年四回に分けて交付いたします際に第一回と第二回は各団体別の交付金額を決定いたしておりませんので、前年度の額を基準にして皆交付をしなければならんわけでございます。その額等は特別な事情のありました場合においては地方財政委員会規則で変更できるというふうなことにいたしておりますので、その配分の割振り等は地方財政委員会規則で規定して行きたいというふうに考えております。大体前年度の地方配付税の配付額、これを基礎にして按分することになると思います。
  75. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) もう一つ地方財政委員会はいつ発足するのか、又人選はどうなつておりますか。
  76. 小野哲

    説明員(小野哲君) 地方財政委員会設置法が成立いたしまして、政府としては平衡交付金制度の運用その他から考えまして、成るべく速かに発足いたしたい、かような意図の下に目下所要の準備をいたしておるような次第でありまして、只今のところいつ幾日ということは申上げかねますけれども、諸般の準備の都合もありますので、又地方財政委員会委員の人選等につきましては国会の閉会中ではございまするけれども、法律規定に基きましてそれぞれ所要の手続を履むことによつてこれを任命し、且つ平衡交付金法その他によりまして與えられました権限の行使に支障のないように、できるだけ早い機会に発足をいたしますように、目下極力準備を進めているような次第でございます。
  77. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 地方財政委員会ができなくても……地方財政平衡交付金法に関する規則というものはできたかどうか知らんけれども、これを委員会ができなくても勝手にやれるということになつておりますか。
  78. 小野哲

    説明員(小野哲君) 地方財政委員会は、法律の定めるところによつて規則の制定権が與えられておりますと同時に、平衡交付金法等におきましても、規則によつて処理しなければならない建前になつておるものがあるのであります。従いまして、この規則の制定は地方財政委員会が設置されました暁においていたさなければならないことになりますので、先ず地方財政委員会発足させることに努力をいたしておるような次第であります。
  79. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 この臨時国会に再び何らかの形式で地方税法を出されるならば、その前にその内容の検討を近くできるべき地方財政委員会に諮つて出されるのか。そういうものには全然諮らんで地方自治庁だけの考えで出されるのか、その点伺つて置きます。
  80. 小野哲

    説明員(小野哲君) 御承知のごとく、今回地方財政委員会が設置せられ、又地方自治庁も内容を縮小いたしまして発足することに相成るのでございますが、いずれもが地方自治行政並びに財政の面につきましては脣歯輔車の関係に置かれておりますので、第七国会におけるこの委員会において西郷さんからもたびたび御質問がございましたように、この二つの行政機関を如何に円滑に運営して行くかということが一つの問題になるわけでありますので、従いまして、将来更に地方税法案を国会に提案いたしますような場合におきましては、これら両行政機関は緊密な連絡を取りまして齟齬を来さないように運営をして参りたいということを考えております。
  81. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 正式のあれではないのですが、新聞を見たんですが、いろいろ応急措置をされる一環として地方債を五十億程度増額するというようなことが出ておるが、又地方債も許可権限等は財政委員会にあると思うんですが、その点も財政委員会発足前には自治庁の権限にあるのか、その点伺つて置きます。
  82. 小野哲

    説明員(小野哲君) 地方債の問題につきましては、御承知のように、現在大体三百七十億見当は確保し得るものと考えておるのでございますが、諸般の地方財政の事情から鑑みまして、これを更に四百億、四百二十億程度までには持つて参りたいという考えの下に目下所要の折衝をいたしておるのでございます。従いまして、これは必ずしも地方財政委員会が設置されると否とに拘わりませず、従来の引続いての仕事でございますので、成るべく速かに決定をいたしますために、目下地方自治庁においても速かに結論を得べく努力をいたしておるのでございます。
  83. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 もう一点伺つて置きたいのは、臨時国会を開くということも聞いておるんですが、地方財政委員会発足は急を要すると思うのですが、その見通しとしていつ頃発足せしめる予定でおられるか、その点伺つて置きたい。
  84. 小野哲

    説明員(小野哲君) 先程お答えいたしましたように、いつ幾日という期日をはつきりとお答え申上げるまでに至つておりませんけれども、少くとも今月中には発足し得るように持つて参りたい。今月中と申しましても末日までございまするが、今月中において成るべく速かな時期を選んで発足いたしたい、かように考えております。
  85. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) そうするとこういうことですか、地方財政委員会を急いで作つて、それから平衡交付金法に関する委員会の規則を作つて、それから地方財政平衡交付金の概算交付とどこに幾らやる、どこに幾らやるというようなことはどういうことになりますか。
  86. 小野哲

    説明員(小野哲君) 只今委員長の言われました通りと考えております。
  87. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。それではこの問題は今日はこの程度にいたして置きます。   —————————————
  88. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 最終にお諮りいたしますが、この継続調査をどういうふうにいたしますか。参議院議員の選挙が済みますまでは一応この程度でいたさないこと、開かないことに一応決めて置きますか。突発的なことが起ればともかくでありますが、普通であれば開かないことにして、この選挙が済みますれば成るべく早く委員会を開いて、そうして地方に委員を派遣して調査をして頂くということを定めて行きたい、こういうふうに思つております。で御承知でございましようが、過般五月二日に出しましたこちらの議員派遣の件につきましては、五月四日に議院運営委員会におきまして、今閉会中における議員派遣要求については、参議院議員通常選挙終了まではこれを許可すべきでないと決定した、こういうことになつております。それで派遣は選挙中にはいたさないことになつております。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ではさようにお願いいたします。
  90. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 継続調査は決定的に、固定的に開かないというふうにお決めにならなくてもいいんじやないですか。
  91. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 皆さんのお心構えもありますから、突発的なことが起らなければというふうに……。
  92. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 継続調査、議員派遣は選挙を終るまではやらないということをはつきりして置いて……。
  93. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ただ地方税法の問題は重大問題ですから突発的事項の中に入つて来ると思いますが……。
  94. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 委員会は開く必要があるという場合には開く、議員派遣は選挙が終るまでは行わない……。
  95. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) そういう意味を含んで御賛成を願います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それからもう一点御相談いたして置きますが、この派遣地を取敢えず第一班長崎県と佐賀県、第二班は北海道、第三班大分、鹿児島、第四班宮崎県と岩手県、こう確定してございますが、どうも九州に二班出すのは工合が悪いもんですから第三班は止めまして、この大分県、鹿児島県を止めまして、石川、福井、滋賀くらいにしたいと、こういうふうに思うのですが、この点お諮りいたしますけれども、大体そんなことで如何でしよう。
  97. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 それはこの次の委員会において決定したらどうですか。今人が少ないですから……。
  98. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御希望の点は申出て頂いて、そうしてこの次決定することにいたしましよう。
  99. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 第一班は長崎だけですか。
  100. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 長崎、佐賀です。
  101. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 もう一県くらい廻つてつてもいいんじやないですか。
  102. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 對馬あたり……。
  103. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 十日以内、七日以内ということになるに違いないでしよう。  それでいは今日はこれで散会いたします。    午後一時二十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君            堀  末治君    委員            三木 治朗君            黒川 武雄君            柏木 庫治君            西郷吉之助君            鈴木 直人君   事務局側    常任委員会專門    員       上原 六郎君   説明員    国家地方警察本    部次長     溝淵 増己君    地方自治政務次    官       小野  哲君    総理府事務官    (地方自治庁財    政課長)    奧野 誠亮君    地方行政調査委    員会議委員   高橋誠一郎君    地方行政調査委    員会議事務局長 大野 連治君    大蔵事務官    (主計局共済課    長)      中尾 博之君