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1949-12-06 第7回国会 参議院 地方行政委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月六月(火曜日)    午後二時十一分開会   —————————————  委員氏名    委員長     岡本 愛祐君    理事      吉川末次郎君    理事      岡田喜久治君    理事      鈴木 順一君            三木 治朗君            寺尾  豊君            藤井 新一君            栗栖 赳夫君            林屋亀次郎君            柏木 庫治君            西郷吉之助君            島村 軍次君            鈴木 直人君            太田 敏兄君            濱田 寅藏君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○東京都特別区設置に関する陳情の件 ○調査承認要求の件   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。本日東京都の特別区協議会…… 二十三特別区の区長会、それから二十三区議会議長会、二十三区自治権拡充連合委員会、それから二十三区財政委員長連合会、こういう会からなつております只今申上げました東京都特別区の協議会から、特別区の財政自主権確立に関しまして、決議書を国会に提出になりまして、議長並びに委員長提出になりました。それで丁度只今この代表の方がお見えになつており、ますから、この決議書につきまして説明を聞きたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは大田区長代田さんの発言を許します。
  4. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 私大田区長代田でございます。本日は委員会の貴重な時間を御割愛願いまして、私共陳情趣旨を申上げる機会を与えて頂きましたことを、先ず以て厚くお礼を申上げる次第でございます。かねて、より委員長さん、その他委員の方々に、いろいろ東京都の特別区の財政権のことにつきまして、再三非常なお邪魔をいたしまして、陳情を得ておるのでありますが、去る三十日の日に、二十三区議員大会を永田町の小学校で持ちまして、その大会においての宣言決議につきまして、本日重ねてお願いに参つたような次第でございます。簡単に陳情趣旨を申上げてみたいと思います。  私共特別区二十三区は、新らしい憲法の下に新しい自治法として明定せられております、いわゆる特別区は市町村と同機であるというふうにお示しを願つておるのでありまして、殊に地方公共団体としての第一条にはつきりと明定をせられておるのでありますにも拘わりませず、今日の在り方といたしましては、全く人事権もなく、又財政権もなく、起債権もない。こういうふうな誠に変態な在り方に放置されておるのでありまして、かような事態から特別区といたしましては、殆んど自主的に行政をやつて行くということが全く根柢から権限がないというふうな現状でありまして、昔ありました行政区より以上悪くなつたと言つても、良くはなつていないというのが現状であります。かような意味から、この二十三区は、どの区を取上げましても二十万から、多いのは四十万というふうな人口を包容いたしておるのでありますが、区民の輿望に応えるような行政一つもでき得ない。全く東京都に隷属した本当事務的機関であるということに置き去りをされておるというなさけない状態であるのであります。考えますのに、憲法並びに自治法に示されたいわゆる住民自治考え方というものが、一つも現れていないという現状である関係上、どうしてもこれでは我我が辛抱でき切れんというので、今回二十三区が立上りまして、どうしても法に明定せられて、いわゆる市と同等という線まで、いわゆる財政権確立一つ何とか法制的に明定をして頂きたい。ただ遺憾なことは地方自治法にははつきり公共団体であるということを明定せられてございますが、その他地方税法等に特別区という名前が全然落されておるのでありまして、尚その他関係法規にはやはり同じく特別区ということが忘れられておるという現状にあるのでありまして、こういう面が私共いわゆる地方行政についての、根本の法律である地方行政に、すべてこれをマツチするような法制的の改革を、先ず以て一つ議会お願いをするの外ない、こういうふうなことで陳情を申上げているような次第でございまして、ただ都がややともすれば、戦争中あの戦時立法として出来ました東京都政というものの在り方、いわゆる東京府と東京市というものを合併いたしまして、そうして一つのいわゆる指導監督機関とそれから事業団体である東京市とを一緒にしたという、あの当時のいわゆる戦時体制都政在り方そのものが今日の行政面には慣習的に残されておるのでありまして、東京都はややともすれば、今日の民主政治下におきます都政にも拘りませず、やはりその当時の在り方をそのまま権限を確保しておるというのが現状であります。こういう点を東京都の方とも、新らしい自治法が施行されて以来再三折衝はいたしておるのでありますが、なかなか意のごとく進行いたしませんで、いわゆる都は飽くまでも封建的に昔の強い権限を確保しておるというような頑張りを見せておるのでありまして、むしろ逆に最近におきましては衛生行政を取上げて、全部東京都の中央集権的な一つ機関にしてしまつた。尚その他税務の問題、土木の問題すらも、むしろそういつた中央集権的な在り方に持つて行こうというふうな意図すら見えるような現状でありまして、誠に私共二十三区の区民文公選区長といたしましては、このままに置きましては到底忍び難い姿にあるのであります。かような点からどうしてもこの際、殊に最近シヤウプ博士勧告の下に大きな税制改革が行われる、こういうふうなことを契機といたしまして、いわゆる二十三区特別区に対しての、財政権自主的確立をして頂きたい。これが私共の念願でございまして、むしろ東京都は、私共の聞いたところによりますれば、今度の税制改革に当りましても、ややともすれば道府県在り方と、それから市町村在り方との両方を混同されるというふうな考え方があるようであります。そのようになりますれば、全くシヤウプ博士勧告趣旨である市町村財政というものと、道府県財政というものと、国の財政というものの根本を破壊するものじやないかと思うのでありまして、我々が民主政治本当に向上せしめるためには、やはり地方分権を鞏固にして、そうして飽くまでも地方の各自治体を個々にその意欲を働かして、そうしてお互いに競争し合つて郷土を良くして行く、こういうようないわゆる自治の発達を見るにあらざれば、本当民主取消というものの完成はできないのではないか、かように痛感をいたしておる次第でございまして、こういう面から今回はどうしても議会皆様方のお力によりまして、私共の永年叫んで参りました、又永年念願して参りましたこの要望を叶えて頂くように御配慮を願いたいと思うのであります。ただ東京都がいつも言うておりますことは、二十三区に非常に財政的な凸凹がある、若しこれをそのままに自立的に財政権確立したならば、貧乏区はどうするのだ、こういうことに非常な疑念を持つておるのであります。ところがこれはむしろ私共に言わしめれば、国家がいわゆる一般平衡交付金操作するごとく、やはり東京都区内にも二十三区の一般平衡交付金制度を作りまして、そうして財政調整をやつて行くならば、決して心配のことではなくて、むしろこれに我々二十三区が加わりまして、自主的にお互いに堂々と図つて、これが又都条例の中にさような線を劃しまして、そこでやつて行けば、当然自主的にやつて行かれるものだと信じておるのであります。今日では殆んど東京都が一方的に都条例で全部この権限を縛り上げて、そうして二十三区は最初申上げましたように手も足も出ない、いわゆる半身不随の姿に放置されておる、こういうふうな現状でありますので、二十三区の議長会、又区長会、又自治権拡充委員長会、又財政委員長会と、いわゆる区会議員千有余の者が、この際絶対にこれを確保するにあらざれば、区政は治められないという覚悟で起ち上つた次第であります。どうか私共の窮状を御賢察下さいまして、この東京都の真中で、かように五百万の都民が、折角新らしい憲法の下、又新らしい自治法の下、民主自治権を与えられておるにも拘りませず、私共区民都民といたしましては、自治権を行使していない、こういうような現状にあるのでありまして、区民としては今申上げたような状況で、実際に自治権を行使するところまで行つておりませんのと、それから都民といたしましても、この五百万というような大きな二つ自治体としての在り方は、これは本当自治行政に反することでありまして、伺うところによりますれば、現在の自治法も四十万を標準として自治法ができておるのだということを伺つておりますが、若しさようであるならば、五百万というと大きな自治体としてはあり得ないことと私共は確く信ずるのであります。こういうような矛盾撞着をこの機会に一掃して頂きまして、そうして飽くまで本当の二十三区が、又昔の東京時代のいわゆる市の在り方に帰る。それから都は少くとも当時の府の在り方に帰る。いわゆる道府県在り方と、市町村在り方はつきり分離して頂きまして、そうして我々は飽くまで自治権を完全に運行して行く、こういうようなすつきりした姿に一つして頂きたい、これが私共の強い念願でございますので、この点をどうか一つ皆様方がよくお汲み取り下さいまして、私共が将来できるだけ法制に明定せられたことそのままに自治実行できますよう、格段の御配慮と御心配を願いたいと思うのであります。  本日特に貴重なる時間を頂戴いたしまして……大会決議趣旨はそこにあるのでありまして、尚財政の面については、今申上げたような調整委員会作つて、そうして行くならば、少しも矛盾撞着は起らん、かように考えておりますので、この辺の事情をお汲み取り下さつて、どうか一つ……これは今度の機会を逸しては私共永劫にその機会を掴むことはできないと信じておりますので、どうか窮状をお察し願いまして、一つ配慮の程を特にお願い申上げる次第でおります。極く簡単でございますが、御説明申上げる次第であります。どうぞ宜しくお願いいたします。
  5. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今お述べになりました陳情決議を、ちよつと専門員から朗読して頂きます。
  6. 上原六郎

    専門員上原六郎君) 朗読いたします。  特別区の財政自主権確立に関する要請決議。  特別区の自主財政権確立するため左記事項関係法令明定せられるよう要請する。  一、特別区に対して市町村同様の課税権を附与すること。  二、特別区相互間における財政調整については第四項の方法により特別区の同意を得て東京都条例を以て政府の一般平衡交付金に準ずる制度を設け特別区税の一部を東京都税として賦課徴収し得ること。  三、警察消防等の如く特別区が連合して負担に任ずべき経費については東京都は第二項同様特別区税の一部を東京都税として賦課徴収し得ること。  四、石第二項及び第三項の各東京都条例の設定については地方財政委員会に準じ都区関係者を以て構成する委員会を設けその議決を得べきこと。  議会全員一致を以て議決す。 こういうことであります。
  7. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) この陳情のために大田区長品川区長目黒区長、文京区の区会議長、千代田区会議長、それから目黒区会議長、それから東京都二十三区自治権拡充連合委員会委員長、それから品川区の自治権拡充委員会委員長目黒区会財政委員長、それから事務局長の浅井氏、それだけ見えております。御質疑がございましたらどうぞお願いいたします。
  8. 島村軍次

    島村軍次君 この問題につきましては、かねて陳情も出ておりますし、且つ今回の決議によつて大体の輪廓は了承できるのでありますが、地方自治庁考えはどうであるか、今日は御出席がないかもしれませんが……
  9. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 今日は来ておりません。
  10. 島村軍次

    島村軍次君 それから東京都の都庁の考え方はどうかという問題について、当局意見を聴きたいと思いますが、その関係の人は見えてないのですか。
  11. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 今日は見えておりませんから、いずれこの委員会に呼びまして意見を聴くことにいたします。
  12. 島村軍次

    島村軍次君 尚本日この署名を見ますると、大田区の方の決議には財政施行に関する件というのが出ております。今回の財政権市制施行との関係はどういうふうにお考えでありますか、丁度大田区長がお見えになつておりますから、簡単に一つ説明願いたいと思います。
  13. 代田朝義

    説明員代田朝義君) お尋ねの件につきまして簡単に御説明申上げたいと存じます。大田区におきましては尚一歩を進めまして、独立市制を実現したいということで、今区議会がその建議を決議いたしまして、その方向にやはり運動を続けているのでありますが、独立市制ということは、むしろ私は完全自治区ということであろうと思うのであります。名称は独立市制と申しておりますが、これは私も十七八年市会、府会、都会をやつておりまして、最後の二十二年の時の都議会に席を持つておりましたが、当時三十五区を二十二区に編成替をいたしました時に、現在の安井知事長官時代でありますが、この時にいわゆる戦災を受けた東京都の各区の荒廃し切つた区を統合しまして二十二区に編成した、と同時に近くいわゆる新らしい自治法によつてスタートすると、こういう意味で二十二区二編成することは、当時の長官言葉で、将来完全自治区になるということの第一段階であるから、将来はこの二十二区は完全自治区になるのである、こういうことは当時私共に公約をいたしているのであります。そこで完全自治区ということになりますれば、即ちいわゆる独立市と何らその内容外観実際において変るところはないと信じております。むしろ完全自治区と申上げてもよろしいのでありますが、はつきりした線からむしろ市制ということに申上げる方がいいのじやないかということで、大田区の区議会はこれをはつきり独立市制ということで進んでいるのでおりまして、その精神完全自治区、いわゆる安井長官が当時各区を行脚いたしまして、そうして公約をいたしており、私共当時の整理委員としてやはり参画をいたしたのでありますが、その時の公約にもやはり二十二区にすることは、将来完全自治区にすることの前提であるということを公約いたしておりますので、その公約に基きまして、今回できるだけ完全な自治区にしたい、これが念願でございまして、結局独立市制完全自治区であるということに考えている次第でございまして、いわゆる精神は、特別区を本当の法定せられている市なみにお扱いにたりますならば、名前はいずれであつても、別に私はそれに拘わる者でないというふうに考えているのであります。さよう一つ御了承願います。  この機会ちよつと委員長さんにお願い申上げたいのでありますが、先程の委員長さんのお言葉で、将来都の関係者自治庁関係者をお招きの上、御意見を伺われるということのお話もございましたが、その機会にできますれば、私共二十三区の者も誰か代表者をお呼出し願いまして、そうして一緒に尚意見も申上げて、御了解を得ることの方がいいのではないかと考えますので、さようにお取計らいを願いますれば、大変仕合せだと思いますので、お願い申上げます。
  14. 三木治朗

    三木治朗君 大体只今お話で、又前からいろいろの陳情書その他で、理由はあらかた分つていると思うのですが、地方自治精神から言つて、現在の東京都の在り方はよくないということもこれはよく分りますが、現在の区制で以てやつていて、実際問題として、詳しいことは必要ありませんけれども、重点的にこういう点とこういう点が甚だ不利で、区民に対して不便であるとか、財政的に困難であるとか、そういう重点的な主なものを二三挙げてみて頂きたいと思います。
  15. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 只今お尋ねに対しまして、極く一二の例を簡単に申上げたいと存じます。先ず一つの例といたしまして、現在の義務教育、いわゆる小学校、中学校は全部区立になつております。この区立になつておる小学校が、その裏付である財政といものは一銭も持つていないのであります。でありまするから、区立と称しながら、すべてこれを東京都の教育庁お願いをして、教育庁の支配を受けなければどうすることもできない。いわゆるガラス一枚欠けても、それを教育庁施設課に三拝九拝して懇請しなければ、それが解決つかない。こういうふうな頗る情ない状況に相成つておるということが、非常に教育上に大きな私は支障があると、かように考えるのであります。  尚、これは、ほんの一例でございますが、尚、土木行政におきましても、区民は殆んどこの新らしい憲法、新らしい自治法の下にできた公選区長がある区である以上に、区によつてすべてやつておるものだというふうに考えておるのであり、苦情は全部、道路と言わず、橋梁、河川、下水、すべてを区に持つて参りますが、区の方でやる分というものは殆んどないのでございます。ただ道路に砂利を敷くぐらいのものしかありませんので、殆んどそういつたものは全部東京都に、一々その所管の者が行つて三拝九拝して、そして財政貰つて来なければどうすることもできないというふうなことで、いわゆる区民要望に応えることが、一々そういうような面で阻まれておるということが、誠に何と申しますか、凶行政をやつて行く上において、殆んど、その自主的な操作をなすということは一つもできないというような姿に相成つておるような実情であります。又教員一人頼むにも、職員一人入れるのにも、これ皆やはり人事権がなくて、都の職員として、都の教育庁の指示を仰がなければ、これを採用することもできない、任免することもできない、こういうふうな自治体としては絶対必要要件であるそういうものを、何も与えられておらないのですから、どうにもこうにもならないという、最初申上げたその通りであります。  極く簡単でございますが、申上げて置きます。
  16. 三木治朗

    三木治朗君 もう一つお尋ねしますが、これだけの運動が始まる前に、東京都との交渉と言いますか、話は恐らくやつておられると思いますが、どの程度まで話合がありましたか。又都の意向はどういう意向であつたか、その点を……
  17. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 私は昨年の八月の末に区長に就任いたしましたので、これ以前のことは詳しいことを記憶いたしておりませんが、聞いた範囲によりますというと、大体二十二年に新らしい自治法が施行されて以来、区の当局と、それから都の当局と、いろいろこれの調整の面につきましては、再三の折衝をいたしまして、或る程度申合せをいたしたようであります。ところがいたしたことはいたしても、その実行が何にもできておらんということは……その実行を決めることは、要するに都の条例によつて決める、かようなことになつており、これは都が一方的に、自分の方の都議会議決によつて決めた条例でありますから、いわゆる区側意見というものは、その中へなかなか入つて行かないのであります。ですから一方的に決められた都条例によつてすべて縛り上げられておる。こういうふうな姿に相成つておるような実情であります。  尚、市郡合併が昭和七年にございましたが、昭和七年以来区会というものが全体に設けられて、そうしてやつてつておりますが、私は区議会当時の区の権限というものは行政区下にあつた関係上、自治権拡充の声というものはその当時から叫ばれておるのでありまして、都の方との折衝は強くその当時から行われておるのですが、ただ戦時中は全くいわゆる戦時体制として中央集権的に参つたものですから、余り採上げられたところが殆んどないのであります。その慣習が、今日までもまだ余韻嫋々として残つておるというのが現状だと想像するのであります。さよう御了承願いたいと思います。
  18. 柏木庫治

    柏木庫治君 区の方に申上げますが、先日お招きを受けまして、あの席上で区長の方からお話を承つた。そのお話を承つた中に、並木キテイ台風で倒れたという実例を挙げてお話なつた方があるのであります。あの中の二つ程生きた政治として区で直接やらなければ、最も愚かな損失をするというのを私深く感じまして、あの方に私は私の名刺を上げまして、私も名刺貰つてあなたの今日言われたこの点を、噂や座談ではなく、文書にして委員会にでも君にでも届けてくれ。本人も早速いたしますということで、約束して、毎日待つておるがまだ来ないのです。この件ですね。熱意がないのか、不真面目かという感じをはつきり私はまだ持つておる。一つお帰りになつたら御催促願いたいと思います。
  19. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 承知いたしました。
  20. 島村軍次

    島村軍次君 尚承つて置きたいと思いますのは、只今の御説明によりますというと、この事務調整について申合せがあるけれども、実行されない。これは私の意見ではございませんか、恐らく都の方としては、条例において委任し得る規定が、条例で決められれば決められるかと思います。そこで権限委任という問題になれば、只今お話ガラス一枚でもということは、反対理由としては、条例でそういう問題は区長なり或いは区会委任するというようなことがなし得るのじやないか。区会委任ちよつとできんかも知れませんけれども……それから只今柏木委員からお話しになつキテイ台風の際に、並木一つの倒れたものを取替える場合の進路行政は、やはり都の方に相談しなければならんことだと思うのですが、法律的に考えますというと、只今お話のような問題は条例において、或いは又執行権範囲において、議決権ではなく勤行権範囲において、委任し得る問題が沢山口あるのじやないか、そこでこの決議の大様の趣旨としておるところは、恐らく只今お話なつたような点は、つまり事務調整の問題であつて、それ以外に課税権の問題が主体だと思うのでありますが、その点についてちよつと御意見をお開かせ願います。
  21. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 御説の通り、要するに事務的のこと、又事業の分野につきましては、これはお互い協議の上で処理が付くと思うのであります。ところがそれをすべて解決して行きますのには、やはり財政裏付がなければ何も解決がつかないわけでありまして、結局現在都の方から交付金なり、又一定の方式によつて参りますのは、みな奥付のものばかりであります。でありますから、それ以外のものに勝手に充当するという操作ができ得ない。いわゆる他の自由財源というものを沢山区では持つておりませんので、その点が何と言いますか、すべて縛られた範囲でやつておるということのために、できない実情にあるのでありますから、御指摘のごとく財政の、いわゆる自主的な財政権確立をして頂くならば、これで大体のものが解決がついて行く、かように私共も信じておるのであつて、今度の連動も大体その線に沿いまして、いわゆる二十三の特別区の財政権の自主的な確立ができますことを念願いたしておる次第であります。
  22. 島村軍次

    島村軍次君 それに関連をしてもう一点お尋ねいたしたいと思いますのは、この警察消防等のごとく、連合して負担すべき経費については、都税として賦課徴収し得ることと、こうありますが、この事項は第一項の課税権関連を持つて課税権を附与するということと矛盾があるように思うのでありますが、そこで第六項の事項及びその他を通覧しまして、徴収事務という問題についての考え方はこの中にはないのですか。二つ、つまり徴収事務というものについてはどう考えておられるかということと、それから消防警察事務についての、都税でいいということと解していいと思いますが、どうなんですか。
  23. 代田朝義

    説明員代田朝義君) お尋ねの件でございますが、警察の問題は警察法にこういつた形で、二十三区が連合してやるべきだということが大体示されておるのでありますが、現在は東京都が戦争前から伝統的に警視庁という存在でやつております関係上、これは東京都の方でもう最初からその行き方を無視するということが、一方的に全部都の費用との関係で全部やつておる、こういうふうな形に相成つておるのでありますが、私共の主張といたしましては、ここに書いてあります通り、こういつたものはやはり二十三区が連合してやることを明定されておる以上は、やはり二十三区のいわゆる税源によつてこれを経営して行くという形で、そうして税源として二十三区に取るべきものははつきり線を引いて、そのうちで警察に所要の額は二十三区の方から醵出して行く、そうしてそれを醵出する形はむしろ都税という形で、都の方で取上げて貰うということも、二十三区が会議の上で、そうしてそういうふうないわゆる便法でやつて行くことがいいのじやないか、現在では二十三区の好むと好まざるとに拘らず、ただ都が一方的にやつておる、こういうふうな現状が如何にも矛盾撞着ではないか、こういうふうな点を強くやつておるのでありまして、徴収の面は勿論これは現在でも都税と言わず、国税と言わず、全部区が徴収をやつておりますので、これはその方向で、勿論将兵も区がやはり第一線のいわゆる公共団体として、そうして全部徴税は区でやつて行くということに相成るわけでございます。どうぞ御了承願いたいと思います。
  24. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に御質問、ございませんか。
  25. 三木治朗

    三木治朗君 都との話合は結局対立的になつてつて、物別れということが現在の実情ですか。
  26. 代田朝義

    説明員代田朝義君) その通りであります。
  27. 三木治朗

    三木治朗君 その間に都の方としては、何か特別の委員会でも設けて、その問題を研究しなければならんというふうな措置も取らんわけですか。
  28. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 現在のところでは何にもやつておりません。ちよつと補足して申上げます。只今お尋ねの件でございますが、前に、私就任前でございましたが、都の方の関係者と区の方の関係者委員会を作りまして、一応審議いたしまして、或いは人間の面、或いは内容をこういう点、ああいう点で大体決めたことがあるのだそうです。殊に財政の面でもこれだけは区の方へやるということの申合わせを一旦したことがあるのでございますが、それが全くの反故になりまして、何もそれを実行しておらない。こういうのが現状だそうであります。現在では殆んどそういうことが実施されておらないというのが、まあ実情であります。
  29. 三木治朗

    三木治朗君 恐らく都とすれば、国家が知事会議を開くような工合に、区長会議というようなものがあるのだと思いますが、そういう会議であなた方が相当頑張つたならば、都の方としても、或る程度聞かざるを得ないと思うのであります。その点は……。
  30. 代田朝義

    説明員代田朝義君) その点は都の方の主催としては、区長会議というものは殆んど定時的にはないのでございます。時々必要に迫られてやるというのが精一杯でありまして、そこで二十三区では自主的に毎月の定例会を決めまして、毎月定例会に区長会をやつております。そこの席にできるだけ知事、副知事、部長等に出て来て貰いたいということを言つておりますが、出て来ることは稀でありまして、殆んど所管の課長を寄越すくらいの程度で、さつぱり話が事務的に走つてしまつて、殆んど高等政策的な話は進行できない。こういうのが現状に相成つておるような実情でございます。
  31. 島村軍次

    島村軍次君 簡単に尋ねるのですが、今一番小さい区はどこで、人口は幾らですか。
  32. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 事務局長お答え下さい。
  33. 淺井幸七

    説明員(淺井幸七君) はつきりと数字は記憶いたしておりませんが、財政的には一番練馬区が小さいのでございまして、年額大体八千万円程度財政でございます。人口はちよつと記憶しておりませんが十万以下であると思います。
  34. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 他に御質問ございませんか。
  35. 柏木庫治

    柏木庫治君 反対に一番大きいのはどこですか。大きいのを三つ程、上の方から三つ程……
  36. 淺井幸七

    説明員(淺井幸七君) 世田ケ谷区が三十九万でございますが、それから大田区も大体三十八万でございます。それから杉並区が三十八万を超えております。
  37. 柏木庫治

    柏木庫治君 財政は。
  38. 淺井幸七

    説明員(淺井幸七君) 財政は大体一億二、三千万円程度でございます。大田区は二億九千万円、世田ケ谷は同額でございます。
  39. 島村軍次

    島村軍次君 今の八千万円とか一億二千万円というのは、都条例から、つまり都税として取つておる。現在の財源がそういうふうになつておるのですか。
  40. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 島村君に申上げますが、右の点につきまして、こちらで調査したこともありますし、尚二十三区の方からも、こちらに調査したものを出して頂きましよう、詳しいものを……
  41. 代田朝義

    説明員代田朝義君) それでは次回に一つ資料を以ちましてお答えをいたすことにいたします。
  42. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 成るべく早くね。
  43. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 承知いたしました。
  44. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 他に御質疑はございませんか。それでは陳情の件はこれで打切ります。
  45. 代田朝義

    説明員代田朝義君) 誠にどうも貴重な時間を有難うございました。よろしくどうぞお願い申上げます。   —————————————
  46. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次にお諮りいたしますのは、今国会の会議中におきまする地方行政委員会調査承認要求書を議長提出しなければなりません。その調査承認要求につきましてお諮りをいたします。    〔上原専門員朗読〕  地方行政に関する調査承認要求書  一、事件の名称 地方行政に関する調査。  一、調査の目的 治安の維持、地方制度の改善及び地方財政確立並びに選挙(選挙法改正に関する特別委員会所管の事項を除く)消防等についての関係法律の改正、立案等を調査研究する。  一、利益 治安の維持及び地方行政確立のため基本問題の綜合的解決に資する。  一、方法 関係者から意見を聴取し且つ必要に、応じ各地における事情を実地調査する。  一、期間 今期国会開会中。  右本委員会決議を経て、参議院規則第三十四条第二項により要求する。   昭和二十四年十二月    地方行政委員長 岡本 愛祐
  47. 濱田寅藏

    ○濱田寅藏君 これを拝見しますと、何等具体的事項が記載してないのでありますが、国会法の中に、委員会は随時問題が起れば議員を派遣することを要求することができる。これによりますと、ただ漠然とその遂行というようなことではどうもおかしいじやないですか。何等具体的事項を示してなくして、国会中に派遣するというようなことでは、どうも甚だ雲を掴むような話になつておるように思います。
  48. 上原六郎

    専門員上原六郎君) 具体的な調査事項を決めて実地に派遣するときには、改めて具体的な事項を取上げて、派遣要求をこの委員会で決定して頂きまして、議長に要求します。これはこういうことを調査するということで、二段に手続いたしました。
  49. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) この前はこれと一緒になお細かいことを出しましたが、今度はその都度するということにいたしました。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではこれによつて要求をいたします。
  51. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 この委員会を通じまして、先般画会に地方行政組織調査会議法というものが制定されたわけなんでありますが、言うまでもなくシヤウプの税制改革勧告を契機といたしまして、日本の地方行政組織を全面的に再検討をして行くということが、あの会議の目的であつたのでありますが、あれは執行部に作られるものでございますが、それに呼応いたしまして、国会におきましても同様の調査を、国会の立場からして行くということが非常に必要ではないかと考えられるのであります。聞くところによりますと、衆議院におきましてもやはり右のような目的でもつて、国会法に基く特別の委員会をばそのために組織しようというところの議が進んでおるということを、衆議院の地方行政委員会の一理事から先般来聞いておるのでありますが、私見といたしまして、私はそれを話しました衆議院議員の地方行政委員会理事の一委員に、それは形の上において余りよくない形ではないか。即ち当然にそれは地方行政委員会という常設委員会が取扱うべき仕事なのであるから、そういう特別委員会を作るという、何かこの点にその常設委員会、常任委員会が取扱うべき問題でも、大きな問題になつて来ると特利委員会を作るということは、みずからの権限を縮小することをみずから提議するところのものであり、無見識である、だからそういう形に避けるべきである、で、それに代るに調査の必要が確かにあることは事実なんであるから、丁度法務委員会が特別の法律を立法するということのための、特別の臨時の調査機関を設けて、そのために、国会から特別の予算によつて調査費を得て、それをやつて行く、或いは又、厚生委員会が社会保障制度に関するところの調査を完成するために、社会保障制度特別調査局というものを設けて、特別の予算を取つてつておる形にして行くべきものではないかということを言つてつたのであります。衆議院の方では、これも仄聞するところでありますが、やはり前に申しましたように、特別委員会の形式を以て進めて行こうという方の意見の方が有力であるように聞いておるのでありますが、その問題につきまして、そういう特別委員会地方行政委員会以外に設けることが妥当なりや否や、又その前提として、そういうことの特別の調査をすることの必要があるかどうか、現在の地方行政委員会に、厚生委員会における社会保障特別調査機関を設けておるような形で行くのがいいんじやないかどうか、というようなことにつきまして、一つ、ここで話し会つて見ることが必要ではないかということを、先般来私的に私は岡本委員長お話しておるようなわけであります。今委員長の御請求もありましたようなわけで、皆さんに御参考に供したいと存じます。
  52. 島村軍次

    島村軍次君 私も大体吉川さんの御意見に賛成で、特別委員会を設けるということは、お話しの通りで、そのために地方行政委員会というものがあるのですから、必要はないのじやないか。臨時に調査機関を設けることは、大体に賛成でありますが、その具体的の方法その他について、設けるとして、どういう程度に、どう設けて行くかということが、具体的方法が問題だと思います。一応委員長並びに専門員の方で立案して貰つて、更に進めると言いますか、研究すると言いますか、したらどうかと思います。
  53. 柏木庫治

    柏木庫治君 私は臨時にこの常任委員会の外に特別委員会を、又調査の機関を設けるということには反対であります。調査研究する必要がありますならば、この中に小委員会を作りまして、その小委員会が担当してこれをやるとか、或いはこの委員会では人員が足りないならば拡充いたしましてですね、そうしてこの中でやる、なさなければならないことは、あらゆる方法、努力を講じてなすことには賛成でありますが、同じ機関を別にこの委員会以外に設けることは、臨時であつても、私はこれを弱体化をいたしますし、実際の効果は決して挙がるものではない、こういうふうに考えますので、必要のあることは、この委員会拡充してやるということに進まれたいと私は思つております。
  54. 島村軍次

    島村軍次君 ちよつと懇談に……
  55. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  56. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて。それでは委員会はこの程度で散会いたします。   —————————————    午後三時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君    委員            三木 治朗君            林屋亀次郎君            柏木 庫治君            島村 軍次君            太田 敏兄君            濱田 寅藏君   説明員    大 田 区 長 代田 朝義君    東京都特別区設    置協議会事務局    長       淺井 幸七君   事務局側    常任委員会専門    員       上原 六郎君