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1950-04-25 第7回国会 参議院 地方行政・内閣連合委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年四月二十五日(水曜日) 午前十時四十一分開会
委員氏名
地方行政委員
委員長
岡本
愛祐
君
理事
波多野 鼎君
理事
堀 末治君
理事
竹中 七郎君
吉川末次郎
君 黒川 武雄君 山田 佐一君 岩木 哲夫君
林屋亀次郎
君 柏木 庫治君 島村 軍次君
西郷吉之助
君
鈴木
直人君 米倉 龍也君 濱田
寅藏
君
内閣委員
委員長
河井
彌八君
理事
カニエ邦彦
君
理事
門屋 盛一君 藤井 新一君 梅津 錦一君
小林米三郎
君 小杉
繁安
君 城
義臣
君
鈴木
安孝君
伊達源一郎
君 竹下 豐次君
町村
敬貴君
堀
眞琴
君 三好 始君
—————————————
本日の
会議
に付した事件
地方財政委員会設置法案
(
内閣
送 付)
—————————————
〔
岡本愛祐
君
委員長席
に着く〕
岡本愛祐
1
○
委員長
(
岡本愛祐
君) それではこれより
地方行政
、
内閣連合委員会
を開会いたします。 今日の日程は
地方財政委員会設置法案
の
予備審査
でございます。先ず
政府側
から
提案理由
の
説明
を求めます。
小野哲
2
○
委員長
(
小野哲
君)
只今議題
となりました
地方財政委員会設置法案
につきまして、その
提案
の
理由
及び
内容
の
概略
につきまして簡單に御
説明
申し上げます。 申すまでもなく
地方自治
の
確立強化
は、
わが国再建
の
基本施策
として、
終戰以来
鋭意
政府
の意を用いて参つた
とこ
を亭ありまして、
地方自治法施行
以来
地方行財政制度
の
全般
に互り相次いで画期的な
制度
の
改革
が断行せられると共に、これら
地方自治
に関する諸
制度
の
改革
と歩調を一にして、
中央政府
と
地方公共団体
との
関係
も又大きい変革を挙げ先に内務省が解体廃止せられまして以来
政府部
内にあ
つて地方自治拡充
に関する
業務
を掌る
機関
についても機度か
機構
の
改革
が行われ、現在
総理府
の
外局
である
地方自治庁
が、その任に当
つて
いることは既に御承知の
通り
であります。併しながら
地方自治
の現状は、このように度重なる
制度
の
大改革
にも拘わらず、未だ必ずしも十分な成果を挙げるに
至つて
はおらず、殊に
地方財政
の困窮とその
自主性
の欠如とは、
地方自治確立
の前途に深い暗影を投じておりますとともに、国務大臣を
長官
とし、配するに
地方自治委員会議
を以てする現在の
地方自治庁
の
機構
を以てしては、とかく
地方財政
に関する
地方公共団体
の
意思
が充分
政府
の
施策
に反映されないのでありまして、畢竟するに
自主的地方財政
を
確立強化
するためには、
地方自治庁
という
機構そのもの
が誠に遺憾なことではありますが、その設立当初の意図に反して必ずしも強力な
機関
たり得ないことを認めざるを得ないのであります。 時恰も
シヤウプ税制調査団
の
勧告発表
の次第もあり、
政身
はこの
勧告
の
趣旨
を十分尊重し、永の年の懸案であつた
地方税財制度
の
全般
について、画期的な
大改革
を行いますと共に、特に
地方自治
における最弱点である
地方財政関係
の
確立
に強い客を持つ
機関設置
の必要を通感し、ここに現存の
地方自治庁
とは別個の
機関
として新たに
地方財政
に関する
地方団体
の強力な
利益擁護機関
として国、
都道府県
及び
市町村相互
の間における
財政
の
調整
を図り、
地方自治
の
本旨
の
実現
を推進する
機関
として
内閣総理大臣
の
所轄
の下に、
地方財政委員会
を
設置
することとし、本
法案
の御
審議
を願うことといたしたのであります。 次に本
法案
の
内容
につきまして
概略
御
説明
申上げます。 本
法案
は大体におきまして五つの
部分
から成立
つて
おります。先づその第一点は、本
委員会
の
任務
及び
所掌事務
の
範囲
であります。
地方自治権
の
確立強化
の過程が進んで参りますにつれ、
政府部
内におきまして、
地方自治
の事に当る
機関
の
任務
にも又変化が生じて参りますことは当然でありますが、殊に今回断行せんと致しまする
地方税財政制度
の
大改革
に伴いまして、
中央
におけるこの
種機関
の
任務
につきましても、
地方
自財の根基たるべき
自主的地方財政
の
確立強化
に重点を置かなければならなく
なつ
たことは当然であります。本
委員会
の
設置
は正しくこのような
地方自治
の現段階における要請に即応せんとするものでありまして、
政府部
内にあ
つて
、
相当程度
の
独立権限
を行使しつつ
地方財政自主権
の
確立
を推進し、
地方財政
に対する一方的な
国家意思
の支配を排除すると共に、
国家財政
と
地方財政
及び
地方公共団体
の
財政相互
間の
調整
を図らんとするものであります。換言致しますならば、本
委員会
は、形式上は
総理府
の
外局
でありますが、
相当
広範な
独立権限
を有し、
地方税法
、
地方財政平衡交付金制度等地方税財政制度
の円滑なる
運営確保
の責に
任ずる
と共に、
地方税財政制度全般
について絶えず必要な
調査
、
研究
を
行い必要事項
については、
随時
或いは
国会
及び
内閣
に
意見
を
申出
で、或いは又
関係機関
に必要な
助言
を行い、以て
地方自治
の進展に資する
とこ
ろあらんとするものであります。 その第二点は、
委員会
の
組織
であります。以上のような本
委員会
の
任務
の
重要性
と、
特殊性格
とに基き、本
委員会
は
地方自治
に関し優れた
識見
を有する者について、
内閣総理大臣
が任命する五人の
委員
を以て
組織
することとし、
委員
のうち三人は、
全国都道府県知事
の
連合組織
、
全国市長会
の
連合組織
及び
全国町村長会
の
連合組織
がそれぞれ推薦した者を含まなければならないこととし、その
利益代表機関
としての色彩を
組織
の上に強く反映せしめることとし、又
委員
の
罷免
につきましては一定の
分限規定
を設けて、
政府
の一方的措置を排除致しましてその
独立性
を強くし、
地方公共団体
の
意思
が
国家
により一方的に不当に抑圧せられることのないよう措置を講ずることといたしたのであります。 その第三点は、
委員会
の持つべき
権限
であります。本
委員会
の
権限
といたしましては、
委員会設置
の
趣旨
に鑑み、従来
内閣総理大臣
の
権限
に属しておりました
地方税財政
に関する諸
権限
のうち、
地方税財政制度
に関する
法律案
の
企画立案権
を除き他はすべて挙げてこれを本
委員会
に
委讓
することとし、その
独立性
を強化するため、
地方財政委員会規則
の
制定権
及び
委員会
の
所要経費確保
に関する
請求権
を付与し、
随時地方財政
に関する必要な
意見
を
国会
、
内閣
及び河数
機関
に
申出
る
権限
を与えると共に、
地方財政
の情況を毎年
国会
及び
内閣
に報告する
義務
を課して
国会
及び
内閣
との
連絡
の
緊密化
を図り、
聴聞
の
権限
及び
義務
を
規定
してその
業務運営
の適正を期し、以て
地方公共団体
の
利益
の正当なる
擁護者
たる地位の
確保
を図
つて
いるのであります。 その第四点は、
委員会
の
事務部局
であります。
地方財政委員会
の持つべき
性格
とその
任務
とに鑑み、
委員会
に置かれる
事務部局
としては、
官房
の
外財務部
と
税務部
の二部とし、前者は
地方財政平衡交付金法
及び
地方税関係法規
を除く
地方財政関係法令
の
施行事務
に当り、後者は
地方税関係事務
の執行に
任ずる
ことといたしております。 その第五点は、
地方自治庁設置法
の一部
改正
及びその他
関係諸法令
の一部
改正
であります。先ず
地方自治庁設置法
の一部
改正
でありますが、
地方財政委員会
の
設置
に伴い、
地方自治庁
の
任務
及び
所業事務
の
範囲
について
変更
が生じて参ります結果、本
法律案
の
附則
において
地方自治庁設置法
の一部に
所要
の
改正
を加きることと致したのであります。即ち第一に
地方財政
に関する強力な
地方公共団体
の
利益擁護機関
として本
委員会
が
設置
せられます結果、
地方自治庁
は、国と
地方公共団体相互
間の
連絡機関
たることを
主要性格
とし、
地方行財政
及び
地方公務員制度
に関する
法令案
の
立案
に当ると共に、併せて
地方自治
に関する
内閣総理大臣
の
権限行使
の補佐に当ることをその
任務
とすることとし、
地方財政委員会
と相並び長短相補いつつ
地方自治確立
の推進に過進することと致したのであります。第二に従来
地方公共団体
の
利益擁護
の
任務
を持
つて
おりました
地方自治委員会議
は、新たに強力な
地方公共団体
の
利益擁護機関
たる
地方財政委員会
を
設置
することとなりました結果、その
性格
を
地方自治庁
の
諮問機関
に改め、その
構成人員
もその
性格
に相応しいものに
改正
することと致したのであります。第三に、その
事務部局
でありますが、
財政部関係事務
の大幅な
地方財政委員会
への
委讓
に伴い、従来の
部制
はこれを廃止し、簡素且つ能率的な
構成
をとることと致したのであります。
最後
に
地方自治法
、
地方財政法等
、その他の諸
法律
の
改正
であります。他の
財政委員会
の
設置
によりまして、既存の諸
法律
中に
規定
せられております
内閣総理大臣
及び
地方自治庁長官
の
地方財政
に関する諸
権限
のうち、
相当
部分
が
地方財政委員会
に
委讓
せられます結果、本
法案
の
附則
において
必要事項
を
改正
し、字句の整備を行な
つたの
であります。 以上が、本
法案
の
提案
の
理由
及びその
内容
の
概略
でありますが、尚
最後
に、本
委員会
の
設置
の時期について一言申し述べて置きたいと存じます。本
委員会
の
設置
は、今回断行せんと致しておりまする
地方税制度
の
改正
、
地方財政平衡交付金制度
の
実施
と
一体不可分
のものでありまして、当初これら諸
改革
の
実施
と同じく本年四月一日発足を目途と致してお
つたの
でありますが、
関係方面
との折衝に意外の時を費さざるを得ないことととなりました結果、
予想外
に
提案
を遅延いたさざるを得ないこととな
つたの
であります。もとより
法案成立
の上は、直ちに発足いたすべく
準備
を怠るものではございませんが、何とぞこの間の事情を篤と御了承の上、慎重御
審議
を重ねられ速かに御議決あらんことをお願い致す次第であります。
河井彌八
3
○
河井
彌八君
只今提案
の
説明
があ
つたの
でありますが、この
設置法
の
内容
は
関係
する
とこ
が非常に多いのでありまして、
参考資料
によ
つて
も随分広汎に亘
つて
おります。つきましてはこの
法案
の
條文
につきまして、尚少しく
只今
の御
説明
よりも詳しく御
説明
願いたいと思います。
参考資料
も引用して御
説明
を願います。
岡本愛祐
4
○
委員長
(
岡本愛祐
君)
只今河井委員長
から御
意見
がありましたが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡本愛祐
5
○
委員長
(
岡本愛祐
君) それではそういうことに取計らいます、
政府委員
の詳細な
説明
を求めます。
荻田保
6
○
政府委員
(
荻田保
君) 第
一條
でございするが、この
法律
の
目的
を書いてございまして、これは
地方財政委員会
の
所掌事務
の
範囲
及び
権限
を明確に定め、その
所掌
する
行政事務
を能率的に遂行するに足る
組織
を定めることを以てこの
法律
の
目的
としたのでございます。 第
二條
は、この
地方財政委員会
を
設置
するということを書いてあるのでございまするが、この
書き方
は、他のいわゆる
総理府
の
外局
と同様に、
内閣総理大臣
の
所轄
の下にこれを置くことにしております。
総理府
の
外局
ではございまするが、以下
内容
について御
説明
申上げることによりまして、普通の
外局
とは違いまして、
相当
の
独立性
を持
つて
おるのでございます。 第三條におきまして
所掌事務
を
規定
しております。この
事務
の根本は、国、
都道府県
及び
市町村
、この三者の
相互
間におきまする
財政
の
調整
を促進する、これによ
つて地方自治
の
本旨
の
実現
に資することを以て
目的
とするのでございます。大きな項目によりまして
事務
の
範囲
を分けますと
四つ
ございまして、第一は
平衡交付金法
によりましての職務でございます。そのうち大きなのは
総額
を見積るということでございます。
総額
はいずれ国の
予算
において
決定
されるのでございますが、この
見積り
をする。それから国の
予算
に決まりました
交付金
の
総額
を
各地方体団
に分ける、
法律
及び
規則
に従いましてこれを配分する。この
権限
はこの
財政委員会
にあるのでございます。それから尚その外に
地方公共団体財政
の
運営
に関しまして
関係方面
に
助言
することができることに
なつ
ております。第二は、
税制
、
地方税法
に関しまする
権限
でございまして、例えば
法定外普通税
の
新設
や
変更
のこと、その他
地方税法
中に種々出ております
権限
を行使いたします。第三番目は、この国、
都道府県
、
市町村
間におきまする
財政
の
調整
に関しまして、以上二つのことに含まれません
財政
の
調整
に関しまして
調査
、
研究
をする。常時
調査
、
研究
をすることでございます。その結果は、
関係機関
に対しまして
意見
の
申出
をするのでございます。ここで特異な点は、いわゆる
立案権
、
法律
の
原案
を作る。作成する
立案権
がないのでございますが、ただこの
財政一般
に関しましての
調査
、
研究
をするのでございますから、おのずから
制度
につきましての
研究
も行われるわけでありまして、その結果は
関係方面
に対しまして
意見
の
申出
という恰好において伝達されることになります。それから第四番目は、これらの
仕事
をいたしますために、
資料
の
收集
、統計の作成、その他の
調査
、
研究
をいたします。 第四條にこの
委員会
の持ちまする
権限
を書いております。一号から十一号まではこれは普通の
外局
にございます例文的な
規定
でございますから
説明
を省略いたします。十二号におきまして、
地方財政平衡交付金
の
総額
を見積ること、及び各
地方公共団体
に対する
交付金
の額を
決定
してこれを交付するという
権限
でございます。これは先程御
説明
申上げた
通り
でございます。十三号は、このように
決定
いたしました根拠につきまして、
地方団体側
から
審査
の
請求
がありますときは、これを受理いたしまして、
審査
いたします。十四号におきまして、十四号以下が
地方税
に関しまする
権限
でございます。十四号は、
課税権
の
帰属等
につきまして、
関係地方公共団体
の長の
意見
が異る場合におきましての
決定
でございます。それから十五号は、
附加価値税
につきまして多数の
都道府県
に
事業所
のありまする
納税者
に対しまする
附加価値
の分割の更正、
決定
をすることでございます。第十六号は、
市町村民税
についてでありますが、
市町村田原則
としまして国税で
決定
いたしました所得を標準にして
課税
をするのでありますが、特に
地方税法
に掲げてありまする事由がありますときは、みずからこれを
決定
することができることに
なつ
ております。その場合に
地方財政委員会
が
許可
を与えるのであります。それから十七号は、
固定資産税
に関しまする
規定
でございまして、この
固定資産税
の評価の
基準等
につきまして、全国的に
調整
を図るために
技術的援助
及び
助言
を与えることができるのであります。第十八号におきまして、やはり
固定資産税
でありまするが、
農地
の
時価
につきましては、
農地
につきまして
公定価格
のあります限り、
公定価格
の何倍ということを以らまして
時価
と見るのでありまするが、初年度におきましては
法律
に
規定
された二十二・五倍に
なつ
ておりますが、それ以後におきまして
公定価格自体
が
変更
いたしますと、この二十二・五倍というのを変えなければなりませんが、その
権限
は
地方財政委員会
にあるのであります。十九号は、
地方公共団体
の
法定外普通税
の
新設
又は
変更
のことであります。以上が税であります。二十号は、
地方債
の
発行
に関しましての
許可
でございます。これは
シヤウプ勧告
で言
つて
おります
通り
早晩廃止すべきでありまするが、現在のように資金が未だ統制を加える必要のあります場合には、
許可
をいささなければなりません。その
許可
の
権限
は
地方財政委員会
にあるわけであります。二十一号は
当籤券附証票
、いわゆる宝籤であります。二十二号は、
地方競馬
。二十三号は、
自転車競技
。これらはいずれも
地方財政
に
関係
のありますことにつきまして、その開催とか
発行等
につきまして
許可
を与えたり指定をしたりするのでございます。二十四号は、国、
都道府県
、
市町村相互
の間におきまする
財政
及びこれに
影響
を及ぼす諸
関係
の
調整
につきまして
内閣
や、その他の
関係機関
或いは
内閣
を経由いたしまして
国会
に対し
意見
の
申出
をすることができる、こういう点におきましてそういう
独立性
が強い
機関
でございます。それから二十五号は、以上いろいろ申述べましたような
権限
を行使するにつきまして民主的に行ないますために、
関係地方公共団体
についていわゆる聴問をする、このことが書いてあります。二十六号は、以上の
仕事
をいたしますにつきまして、
地方公共団体
或いは国の
関係行政機関
に対しまして
資料
の提出を
求級
ることができる
権限
を与えております。二十七号は、漏れたものを救う
規定
でございまして、その外の
法律
によりましてこの
委員会
に属せしめられた
権限
を行使いたします。 第二項におきまして、この
委員会
の
独立性
をはつきりいたしますため、この
委員会
が処理する
権限
を
法律
によ
つて
与えられております
事務
につきましては、この
委員会
の
決定
、処分がこれは最終のものでございまして、外の
政府
の
機関
からこれを引繰り返される、
制肘
を受けるということはないということを明記したのであります。それにつきましてはただ
法律
問題に関します限りは、勿論裁判所におきまして裁判される、これは当然あることでありまして、これを何も除外するものではないという念のための
規定
でございます。 第
五條
は、
組織
でありまするが、
組織
は、
委員会
は
委員
五人を以て
組織
することに
なつ
ております。その
委員
は、
地方自治
に関しまして
識見
を有する者のうちから、両
議院
の
同意
を得て
内閣総理大臣
が任命します。この五人のうち三人は、それぞれそこに書いてありますように
知事
、
市長
、
町村長
の
連合組織
が推薦した者を入れなければならない。これによりまして
地方団体
の
利益代表機関
であるという
性格
を特に強調いたしたいと考えております。四項、五項は、この
任期満了
或いは欠員の場合、
国会
の開かれていない場合の
規定
であります。 第六條は、
任期
を三年とすることであります。 第七條は、
委員
の
罷免
につきましては、ここに書いてありますように、
理由
のない限りは
意思
に反して
罷免
されることはない、身分の保障をいたします。尚先程五人のうちの三人は、それぞれの
団体
の
同意
を得て推薦によりまして任命いたしますが、そういう
委員
につきまして
罷免
をしようとするときは、予めその
連合組織
の
意見
を聞かなければならない
義務
があります。 第
八條
は、
委員長
の
規定
でございまして、
委員長
は
委員
のうちから互選することに
なつ
ております。 第九條は、余務の
決定
の
規定
でございます。これは五人のうち三人の
同意
を以て
決定
することにいたします。 第十條は、
委員
の給与は、別に
法律
でこれは定めることに
なつ
ております。 それから第十
一條
、
地方委員会
は、
所掌
する
事務
につきまして
法律
、若くは
政令
の
規定
を
実施
するため、或いは又その
法律
若しくは
政令
の委任に基きまして、
地方財政委員会規則
を制定することができる
規定
を置いております。 第十
二條
は、
聴聞
の
規定
でございまして、
関係地方公共団体
につきまして
聴聞
をすることができる。尚その場合に
参考人
の出頭、
意見等
も聞くことができるということに
なつ
ております。 第十三條におきまして、
委員会
は、国、
都道府県
、
市町村相互
の間におきまする
財政
及びこれに
影響
を及ぼしまする諸
関係
の
調整
につきまして、必要がありますときは
内閣
や
関係機関
、或いは
内閣
を経由いたしまして
国会
に対しまして
意見
の
申出
をすることができるのであります。 第十四條は、
地方財政
に関しまして、必ず毎年
内閣
と
国会
に対しまして定期に報告をしなければならんことに
なつ
ております。これには
地方財政
に関しましての改善すべき方策の
意見
を申し添えることができることに
なつ
ております。 第十
五條
は、
委員会
の
予算
についての特殊の
権限
でございますが、特に
独立性
を
確保
するため、
内閣
において
調整
されます。普通の
予算
の
手続
以外に、
地方財政委員会
の提出します
予算
の
原案
を
内閣
が削減いたしました場合には、
委員会
の要求に係ります
とこ
ろの
経費
の
見積り
、又その詳細を
歳入歳出予算
に附記いたしまして、これを
国会
に提出いたしまして
国会
の御
審議
を受ける、こういう
規定
であります。 第十六條は、
事務局
の
関係
でございます。
委員会
には
事務
を処理するために
事務局
が置かれます。その
事務局
には、
官房
の
外財務部
、
税務部
の二部を置きます。
官房
はいわゆる
通常
の
官房業務
でございます。 十
八條
におきましては、
財務部
の
所掌事務
を
規定
しております。これは
平衡交付金
であるとか、
地方債
とか、税以外の
財政
についての
事務
を処理いたします。 第十九條は、
税務部
の
所掌事務
を
規定
いたしておりますが、これは税に関しまする
所掌
の一切の
事務
を行います。 第二十條におきまして、
事務局
の
職員
のことを
規定
しておりますが、その長は局長といたします。その
職員
の任免、昇任、懲戒その他
人事管理
につきましては、
国家公務員法
の定める
とこ
ろによるということを
規定
しております。 第二十
一條
においては、
定員
を
規定
しておりますが、これは別に
法律
で定める、つまり
定員法
によりましてやることになります。
附則
の第一項は、
施行
の日でございますが、これは公布の日から
施行
いたしたいと考えております。二項、三項は
委員等
に関しまする経過的な
規定
でございまして、この
委員
の任命のために必要な行為は、
施行
の日の前からずでに
準備
に着手することができる。第三項におきまして、初めに
委員
の全員が任命せられないというような場合が若しございましたら、任命された
委員
だけで会務の処理をすることができる。第四項では、これは
義務
を
地方財政委員会
に課しておるのでありますが、それは
地方税法
におきましてここに
四つ
上
つて
おりますように、主といたしまして現在の
免税規定
が適当であるかどうか、どうすべきかということ、もう一つは、この二号にありまする
固定資産税
に係わる
市町村
の債権を担保する
制度
、
固定資産税
は新らしくできたのでございますが、それの徴税につきましての
権限
を担保するために
相当
の
制度
を考えなければならない、これは
アメリカ等
にありまするリ・ーエンという
制度
、こういう
制度
について
研究
をしてそういうことができるかできないか、どうしたらよいかということを、次の
通常国会
までに
内閣
及び
国会
に対して
勧告
しなければならないという
義務
であります。第五項は、
地方自治庁設置法
の
改正
でございます。大体現在の
地方自治庁
の
事務
のうち、
地方財政委員会
に移る以外のものはそのまま
地方自治庁
に残りますので、その
規定
の整理をしたのでありますが、それにつきましてはお手許にお配りいたしました
資料
を読みまして御
説明
したいと思います。 初めの方に
地方自治庁設置法
がございます。これは
現行規定
に整理した箇所を書いてございますから、これによりまして御了承願いたいと思います。 第
一條
の
目的
及び第
二條
の
設置
これは変りございません。 第三條の
所掌事務
が変りました。
書き方
は
相当
変
つて
おりまするが、
内容
は
只今
申しました
地方財政
に関しまする
権限
、即ち
立案権
以外のものは
地方財政委員会
に移しまして、その残りをそのまま残しておるのであります。別に変りはございません。 それから第四條におきまして
地方自治庁
に附設されております
地方自治委員会議
のことを書いておりますが、
委員
の数を十二人とございましたのを八人にいたしまして、一号、二号の議員を削り、それから
最後
の九号の
学識経体者
四人を二人にいたしたのであります。それから
諮問委員会
にいたしますので、三項におきまして非常勤を建前とすることにいたしたのであります。それから前にございました両
議院
の
同意
を得て任命するというような
手続
はとらないことにいたしたのであります。 第
五條
の
自治庁
の
権限
でございますが、これも
財政
に関しまする
権限
が抜けただけでございまして後は変りございません。 第六條でございますが、
内部部局
に、従来
長官官房
と
連絡行政部
と
財政部
が置いてございましたが、
権限
の縮少に伴いましてこのような
部制
は布かんことになり、第六條、それに伴いまして、第
八條
、第九條、第十條は、それぞれそれに伴いまして全部削除いたしました。 第十
一條
におきまして
地方自治委員会議
の軽限の
変更
をしておりまするが、この初めの本文の
とこ
ろに「議決を経なければならない。」つまり議決
機関
でありましたのを「
意見
を聞かなければならない。」というふうに
諮問機関
にいたしたのであります。
内容
につきましては、
地方財政委員会
に移します
権限
を削除いたしたわけでございます。
地方自治法
第十
二條
におきまして、
地方自治委員会議
の議事のことを書いてございますが、これは
定員
の減少に伴いまして出席
委員
数の制限を書いてございます。 それから第十三條も、非常勤になりました
関係
上、
地方自治
委員
の手当の
規定
は削りまして、普通の
諮問委員会
の手当と同額のものが支給されることになります。 十四條、十
五條
、十六條は、
條文
の整理でございます。 以上が
地方自治庁
に関しまする
規定
でございますが、元の
地方財政委員会
設置法
に基きまして、
附則
の第六項におきまして
地方自治法
の一部を改めておりまするが、これは
地方財政委員会
ができましたので
地方自治法
中の
内閣総理大臣
或いは
所轄
行政庁の
権限
のうち、
財政
に関するものを
地方財政委員会
に移したのであります。 第七項におきまして、
地方財政
法の一部を
改正
しておりまするが、これも
地方自治庁
から
財政
に関する
権限
が
地方財政委員会
に移りましたので、それに関しまする整理でございます。 第八項の
国家
行政
組織
法、これは
地方財政委員会
ができましたので新らしくこれを入れたのであります。 次の九項、十項、十一項は、それぞれ
條文
の整理の
規定
でございます。それから第十二項におきまして、行政
機関
職員
定員法
を
改正
しておりまするが、これによりまして現在ございます
地方自治庁
の百五名を
地方財政委員会
に百一人と
地方自治庁
に五十七人といたしまして、従来よりも五十三人増加しております。 それから四十項にありまして、
地方自治
委員
の先程申しました手当が別に常勤の手当でなくなりましたので、この
職員
の給与に関する
法律
のことは削除しております。
地方財政委員会
の
委員長
の俸給は、
国家
公安
委員会
委員
と同様に、それから
地方財政委員会
の
委員
の方の給与は、公正取引
委員会
委員
と同様に
なつ
ております。この
関係
はお手許に配りました
資料
の十四頁に、つまり
地方財政委員会
委員長
は国務大臣とか人事官とか、それと同様でございます。それから
地方財政委員会
の
委員
は、公正取引
委員会
委員
と同様でございます。 それから十五項の警察電話等の処理に関する
規定
、これは先般の
国会
において成立いたしました警察用電話等の処理に関する
法律
によりまして
委員会
を設けることに
なつ
ておりますが、その
委員会
に出しますことになりました、かような
改正
でございます。 以上簡単でございますが
説明
を終ります。
岡本愛祐
7
○
委員長
(
岡本愛祐
君) これより質疑に入ります。質疑をお願いいたします。
河井彌八
8
○
河井
彌八君 本案につきまして、即ら
機構
に何する問題を一、二点お伺いしたいと思います。第六條でありますが、補欠
委員
の
任期
については、例えば警察法第七條第一項但書のごとき規安がないのであります。即ち補欠の場合には、
委員
は前任者の残
任期
間の
任期
を与えるというような意味の
規定
がないのですが、この点について
政府
はどう考えておられますか。
小野哲
9
○
政府委員
(
小野哲
君)
只今
の御質問でございますが、この
法律案
の建前としては、警察法と同様の建前で考えておる次第でございます。
河井彌八
10
○
河井
彌八君 然らばやはりそういう同様な
規定
を置く必要があるのじやないかと思うのでありますが、どうなさるつもりでありますか。
荻田保
11
○
政府委員
(
荻田保
君) いろいろこの外の
規定
の仕方にも例がございまするが、こういう書つ放しで、任号はやはり
委員
の前任者の
任期
と同様にするという
規定
もございますので、それと同様にや
つて
行きたいと思います。
河井彌八
12
○
河井
彌八君
只今
の
説明
はそういう解釈もあり得るかも知れませんが、他の
法律
におけると同様の場合に比較いたしますと、明確を欠くように存じられますが、できるならば、その点を
法律
上明瞭にして欲しいということを申上げて置きます。 次にもう一点、
委員会
の
事務局
には第二十條において、
事務局
長を置くということを
規定
しております。次長はこれを置くのであるかどうであるかということ、それを伺います。若し次長を置くとするならば、
国家
行政
組織
法の一部
改正
法案
、今
内閣委員
会に付託中のものでありますが、それの第二十條第二項の
規定
によりまして、
地方財政委員会設置法案
第二十條中に、これを
規定
する必要がある、こういうように考えるのでありますが、次長を置くつもりであるのかないのかという点を確かめて置きたいと思います。
小野哲
13
○
政府委員
(
小野哲
君) この
法律案
におきましては、この
委員会
に次長す置かない考えであります。
河井彌八
14
○
河井
彌八君 分かりました。更にもう一点伺います。
附則
第五項に関連しますが
地方自治庁設置法
第三條の
改正
によりまして、
地方自治庁
の
設置法
の中に、
地方公共団体
の行政及び
財政
並びに
地方公共団体
の
職員
に関する
制度
について企画し、及び
法令案
を
立案
することとあるのですが、
地方財政
に関する
事務
は
地方財政委員会
に一元化することが適当と認められるのであります。
地方財政
に関する
制度
についての企画、法令の
立案
のごときことは、
事務
はこれを
地方自治庁
から切離して
地方財政委員会
に行わしめることが適当ではないかというように考えております。かようにいたしますことによ
つて
、この二つの行政
機関
の間に無用な摩擦等がなくなるということを考えておる次第でありますが、その点について
政府
はどうお考になりますか、お伺いします。
小野哲
15
○
政府委員
(
小野哲
君)
只今
御質問のありました
地方自治庁
に
地方税財政制度
に関する
法令案
の
企画立案権
を残した
理由
はどうか、こういうことだと思いますが、この
法律案
の
附則
にもございますように、又現行
地方自治庁設置法
の中にもありますように、
地方自治庁
は、国と
地方公共団体相互
の間の
連絡
に当るということが主要な
任務
に
なつ
ております。
地方財政委員会
は、
地方公共団体
の
利益代表機関
と申しますか、
利益擁護
が主たる
任務
でありまして、自主的な
地方財政
に関する
地方団体
の至当なる
利益
を擁護するということを
主要性格
といたしております。従いまして
制度
としての
地方
財寺の在り方に関する御慮は、
地方財政委員会
は勿論その執行の衝に当るのでありますが、
地方財政
制度
に関する在り方についての考慮というものは、やはり
連絡機関
たる
地方自治庁
として
所掌
せしめた方が、不当に
地方公共団体
の
利益
本位に偏する虞れがまあ少くなるのではないか、より合理的になるのではないか、こういうふうな考え方がいたされるのであります。従いまして
地方財政
制度
につきましては、
地方自治
に関する
制度
一般と、何と申しますか表裏の
関係
を持
つて
おる。従
つて
制度
一般の企画、
立案
の任に当る
地方自治庁
をして
所掌
せしめることが適当ではないか、こういう考え方から出ておるのでございます。ただ
制度
の
立案
につきましては、現実にそこ
実施
に当
つて
おる
機関
ではないというと、現実性を欠く虞れが強いという心配がございますので、
地方自治
に関する
事務
を掌
つて
おるという
性格
を異にしておる二つの
機関
を考え合せまして、敢て
地方税財政制度
に関する企画、
立案権
を
地方自治庁
に残しまして、両者の緊密なる
連絡
を図
つて
共々に長短相補
つて
行くと、こういうようなやり方で
地方自治権
の
確立
を推進して行きたいこういう考え方から
只今
御指摘になりましたような
権限
を、
所掌事務
の
範囲
の中に入りることにした次第でございます。
河井彌八
16
○
河井
彌八君 一応の御
説明
は了承いたしました。でありますが、今後やはり
地方自治
の発達のために、
只今
申しました点は、私は非常に重大なる
関係
を持つものと考えます。従いましてこの点につきましては、
地方財政委員会
において、
委員長
にお願いいたしますが、十分検討をせられて、最も適正な措置に出でられるように御
審議
あらんことをお願いいたす次第でございます。私の質問はこれで……
岡本愛祐
17
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 外に……
波多野鼎
18
○波多野鼎君
提案理由
について若干質問したいと思うのですが、今度の
地方財政委員会
を
設置
する
理由
としまして、従来の
地方自治庁
の機能が十分でなかつたということが、ここに謳
つて
あるのですが、どういう点なんですか、どういう点がよくなかつたんですか、具体的にどんな点において今の
自治庁
がですね、
地方自治
委員会
ですか、これを以て活動してお
つて
も、どういう点が足りなかつのですか。
小野哲
19
○
政府委員
(
小野哲
君) この点につきましては、御承知のようにシヤウプ
税制
報告書の中にも指摘されておりますように、
地方財政
を
確立
いたしまして、
地方自治
制度
を強化して行くということが必要であるが、現行の
地方自治庁
の
性格
なり或いは
権限
においては十分にその
目的
を達成することは困難であろう。従いましてこの際これに対して再検討を加える必要がある、こういう意味の
勧告
も出ておるわけであります。実際問題といたしまして、現行の
地方自治庁設置法
を御覧下されば分るのでありますが、
地方自治
達が
総理府
の
外局
として
設置
されておる。その
所掌事務
が
地方税
、
財政
制度
の外に
内閣総理大臣
の補佐をいたすべき
権限
も
所掌
いたしておるのであります。これに対して
地方自治委員会議
が附属されておりまし前、
地方自治庁
の
事務
を遂行して行きます場合に、必要なものについては、
地方自治委員会議
の議決を経なければならない。こういうふうに
なつ
ております。この
地方自治庁
は
長官
が国務大臣と
なつ
ておるのでありまして、この点についていわゆる閣議において
地方税財政
並に
地方自治
全部についての発言をいたし得る立場にあるのであります。併しながら今回シヤウプ
税制
報告書の中にも指摘いたしておりますように、
地方自治
の強化を図
つて
行くためには、適正な財源を
地方自治
団体
に与えることが最も必要である、かような意味から、
地方税法
の
改正
も行われることになるのでありますが、と同時にこの
地方財政
の
運営
に当りましては、
内閣
から或る程度独立して性徹を持つた
機関
においてこれに当らしめるということが最も必要である。税の方面におきましても、国税と
地方税
とを通じた
改正
は行われるけれども、その税源につきましては、全然別箇の体系に属する
性格
を与えて、その
独立性
を維持しようといたしておるのでありますが、この
地方税
制の基本的な
改革
の根本
趣旨
から申しまして、これを掌る
機関
といたしましても、
相当
独立性
を持たたものであることが必要である。これにつきましては、現行の
地方自治庁
の
組織
並びにその
運営
については、必ずしも万全を期することができない、
地方自治委員会議
の議長は、国務大臣でありまするし、その国務大臣が同時に
地方自治庁
の
長官
である、こういうふうな建前をつと
つて
おります
とこ
ろにも、自主的な
地方財政
の
運営
を推進して行くのには、必ずしも適当とは申されない、実際の運用から申しましても、そういうことが申し得るのであります。この点につきましては、
政府
も如何なる
組織
なり
性格
を付与することが妥当であるかということに
なつ
いて、
地方財政委員会設置法案
を
研究
いたしておりまする途上においと種々検討を加えたのでありますが、シヤウプ
税制
報告書の
趣旨
をも十分に尊重し、又
地方財政
運営
の実態的な効果のある機能を発揮させるためにも、
只今提案
いたしましたような
内容
を持つたものがいいであろうという終局的な経論に到達いたしたような次第であります。甚だ大雑把な御
説明
でございますが、
地方財政委員会
を、
只今
考えておりますような、
法律案
において構想を持
つて
おりますような形で作ることが適当であろう、こういうふうに考えておる次第であります。
波多野鼎
20
○波多野鼎君 シヤウプの報告書の中には、勿論そういうことも出ておりますが、同時にその報告書の中には現在の日本の
知事
会議
ですか、例えば府県別などについての
改革
案も出おるわけです。これと睨合せなければこの問題は解決できないのじやないかという気がするのですが、その
勧告
の中の、この
部分
だけを取上げて持出して来たのはどういうわけですか。
小野哲
21
○
政府委員
(
小野哲
君)
只今
多野さんから言われました或いは
地方団体
の行政区域の
変更
と申しますか、或いは合併というか、そういうふうな問題につきましては、
調査
機関
といたしまして
地方行政委員
会議
をシヤウプ
税制
報告書の
勧告
の
趣旨
に基いて
設置
しておるのであります。で、これは言わば
調査
機関
でありまして、今回の
地方財政委員会
は
調査
機関
ではなくして、先程の次長から
説明
いたしましたような事項を
所掌
し、
権限
を行使する執行
機関
として考えなければならないのでありますので、両々相俟
つて
更に将来
地方自治
の強化、
地方
分権の
確立
に向
つて
これを推進して行くと、こういうことになると考えております。
波多野鼎
22
○波多野鼎君 そこで行政区画の
調査
だけを勿論
勧告
しておるのだけれども、
調査
するということは終局の
目的
じやないのです。勿論その
調査
した結果によ
つて
やるという、
地方行政
区画を整理するというとが眼目なんですね。それだけを作れということが眼目ではない。それはそれとしまして別の見地から同じ問題をお尋ねしますが、その
提案理由
書の中に、
地方団体
の強力な
利益
を擁護する
機関
というのは、どういうわけですか、強力な
利益
を擁護する
機関
というのは……つまり逆に言いますと、この
地方団体
の
利益
をどこか強力に侵害しておるものがあるという前提の上に立
つて
、立
つて
おるからこれを擁護しなければならんという議論が出て来ると思うのだが、その間の
関係
はどうなりますか、どういうふうに考えてられますか。
本多市郎
23
○国務大臣(本多市郎君) この
地方財政委員会
が、
地方団体
の
財政
的な立場を、
独立性
のある立場から代表し得る地位を与えるということをこれは主眼といたしておるのでありまして、従
つて
地方財政委員会
の
権限
としては、でき得る限り
独立性
という
性格
からいたしましても、その
所掌事務
の
範囲
は、
法律
上定ま
つて
いる
範囲
に止めたい、具体的に申しますと、
平衡交付金
に関する
財政
事務
、更に税法上定めております
とこ
ろの事項を処理する
権限
、こういうものに限定をして、そうして極めて
独立性
を高くしよう、そうして
政府
の意向に拘わらず、
地方団体
の
財政
的事情からの
意見
を、
独立性
の立場から代表せしめようという建前に
なつ
ておるのでございます。尤も
地方財政委員会
の
所掌事務
の中に宝くじの
発行
或いは競輪、競馬、起債というようなことがございますが、この競輪、競馬等のことも
財政
的事情から認可すべきか否かということが、今日考えなければならん点でありますので、法定外独立税を
地方財政委員会
が認可かる場合と同じような考え方で、こういうことは
地方財政委員会
に所管させた方がよかろうと考えた次第でございます。 更に又今までの
自治庁
ではどういう欠陷があつたか、この点でございますが、やはり大臣が
自治庁
長官
をやり、自治
委員会
議の
委員長
をや
つて
おりますということになりますと、閣議の意向とどうしても
調整
に努力をして行かなければならんのでありまして、そうした場合、
地方団体
の率直な
意見
は、結局閣議との
調整
のためにそこに現わすことができない、今回
独立性
のある
地方財政委員会
を作ることによりまして、仮に
政府
と
意見
が一致しません場合でも、それはその
意見
のままを
国会
に提出いたしまして、
政府
の
意見
と
地方財政委員会
との
意見
の相違しておる点は、
国会
の裁断を仰ぐ、こういうふうにして行くことが、
地方自治
体の
意見
がよくそこへ分
つて
参りますし、
地方自治
体の
自主性
を高め、今後の発達にも必要である、かように考えておる次第でありまして、これは今日までの
自治庁
の
仕事
で、具体的にどういうよくない
とこ
ろがあつたかという点につきましては、具体的な問題はすべて
調整
しと解決されておりますので、申上げかねますのでございますが、根本観念といたしまして、
只今
申上げましたような精神に立つ方がよかろうと考えております。
波多野鼎
24
○波多野鼎君 私の考えでは、こういうことかと思うのですが、
地方自治
体のいわば税というものと、国の税というものとがどこかで
調整
される必要がどうしてもあるのでありまして、その
調整
する
機関
として議会が活動するということも一つの考え方であるが、議会の方にはこの
予算
編成権がないのです。そこでこの
地方自治
体と国との
予算
或いは
財政
上の
利益
の
調整
ということは、議会によ
つて
は十分達せられないのです。むしろ
内閣
においてこれをやるのが当然じやないかと思います。そうして
内閣
において
予算
編成をや
つて
行くのが当然じやないか、
調整
をやつた上でも
予算
編成をやるのが当然じやないか。却
つて
こんな強力な
機関
を作ることによ
つて
、議会に何もかも責任を負わせようというような考え方だけれども、
予算
編成について議会に何もできないのですからね、それが、こちらに持込まれたのでは却
つて
困るのですね、これはそうお思いにならんですか。
本多市郎
25
○国務大臣(本多市郎君) 主なる
予算
に
関係
のある
仕事
は、
平衡交付金
でございますが、
平衡交付金
の額をこの
地方財政委員会
で算定をいたします。そうしてこれを
予算
に盛込むように
政府
に要請するのでありますけれども、それが国においては
財政
上の都合からどうしてもそれだけの金額を
予算
に計上することができない。併し
地方団体
としてはそれだけ計上して貰うことは切なる希望であるということで、
政府
と
地方財政委員会
が
意見
が一致しません場合、こうした場合が生ずることを予想できるのでございます。そうした場合には、その裁定は、いずれを取るべきかを
国会
で裁定して貰う。但しその
国会
にその
予算
を提出いたします場合に、
地方財政委員会
の主張が
政府
の主張よりも金額が大きい場合が多いでありましよう。その大きい支出に対する財源は、どういうふうにしてその場合賄うべきかというようなことは、
政府
が
地方財政委員会
の主張
通り
の
平衡交付金
を算定するとすれば、計上するとすれば、その財源はこういうふうになりますということまで附して
国会
にお諮りをするのでございまして、ここはやはり
地方自治
体が
中央
の
財政
的事情、これはそれから牽制を受けることは止むを得ないことではありますけれども、ときの
政府
の考え方をどうしても了解できないというような場合がありますので、そうした場合には
国会
がその財源までも示されて
審議
に附されるのでありますから、御
決定
願うというような途を開いて置くことは、これは
国会
の
調整
に任して
予算
上の不都合も生じないと考えております。
波多野鼎
26
○波多野鼎君 これは現に起きているのですね。例えば人事院の
勧告
ですね、公務員に対する給与の問題、これでも
国会
と
政府
、人事院と何とも動きがとれないような、変なことに
なつ
てしま
つて
おる。人事院の方では公務員の給与を上げよと言う。
政府
の方で
予算
がないと言う。議会の方でどうしたらよいか分からんというような恰好で、三者動きがとれないように
なつ
ておるのです。差押えをやらなければならん、こんなことに
なつ
ているのが実情でございます。同じことが又起きて来ますよ。又同じことがここに起きて来ます。
地方財政委員会
……
本多市郎
27
○国務大臣(本多市郎君) 人事院の給与ベースの
勧告
については、
政府
と人事院が一致いたしておらないのでございますが、
政府
と人事院と一致しない場合があるにしても、人事院の立場から、給与ベースを
国会
に示すということは有意義なことであると考えております。
波多野鼎
28
○波多野鼎君 それは、各方面の
意見
が出て来るのは、それはいいのですよ。それは勿論我々も大いに歓迎することなんだが、それで行政がや
つて
行けるかということなんですね。行政上非常に困難な問題が沢山出て来る。それよりも
内閣
において
調整
する、
予算
の編成権は
内閣
にあるのです。それで
調整
が出て来るのは当然じやないか。現に新聞で見る
とこ
ろによると、行政
機構
の
改革
というような
委員会
の暫定的な結論でしようが、人事院の廃止するというのが出てお
つたの
です。どうしてこんなことが出て来るかといえば、やはりその問題から出て来ておるのです。その意向が正しいかどうかということは別なんですが、行政上非常に困るような問題が起きたら動きがとれないじやないか、余りにいろいろな
機関
を作り過ぎても却
つて
動けなくなるということの反省から、ああいう議論が出て来ておると私は思う。そこに
地方財政委員会
というような強力な
機関
を作りまして、これは
政府
と全く違つた
意見
を
国会
に出して、財源の問題についてはどうにもならない、どうしたらいいかということが又新らしい問題として出て来るわけです。そういう点からい
つて
も
地方財政委員会
の
設置
そのものについては、いろいろな疑義を私は持つのですが、尚先程質問しました
地方自治
の強力な
利益擁護機関
ということの意味が分らないのですよ。
地方自治
の
利益
を非常に侵害しておる何者かがあるという前提で、
利益擁護機関
という言葉が出ておるのです。従来国がこれを侵害しておつたからこれは擁護してやらなければならん、その
機関
として
地方財政委員会
を作る、こういう考え方なんですか、その点ちよつとお伺いいたします。
本多市郎
29
○国務大臣(本多市郎君) 従事はすべて
調整
が行われて実行されておりますから、具体的に何がどうということではありませんけれども、公正なる
地方団体
の
利益
をこの
地方財政委員会
が主張するという意味でありまして、
平衡交付金
について、これが公正であるという金額をどこまでも最終
決定
をして
国会
に至るまで主張する立場を与える、これ即ち
地方財政
というものを擁護するということになると思うのであります。
波多野鼎
30
○波多野鼎君 もう少し別の見地からもう一つお尋ねしたいのは、
地方自治庁
というものからこの
地方財政
に関する
権限
を奪
つて
、こちらの
委員会
に移してしまうという考え方は、
地方自治庁
をゆくゆくは廃止するという考え方とくつ付いておりますか、この点はどうですか。
本多市郎
31
○国務大臣(本多市郎君) この
地方自治庁設置法
にありますように、今回
地方財政委員会
に移します
権限
以外、総理大臣の補助
事務
として
相当
のものが残るのでございます。そうした総理大臣の補助的な
事務
をこの
独立性
のある、又
独立性
を持たせなければならん
地方財政委員会
に全部を移すということは、この
地方財政委員会
の
性格
から考えましても妥当でないと考えております。例えば今後
地方公務員制度
等につきまして、或いは行政区画の問題につきまして、或いは国と
地方
との
事務
の再配分というようなものにつきまして、更に又それ以外の
地方自治法
に基きまする総理大臣の
地方団体
に対するいろいろな
仕事
がございます。そうしたものがやはり
地方財政委員会
のような
独立性
を持たして置かなければならん
機関
に担当せしめるよりも、総理大臣の
機関
として
地方自治庁
を残しておいた方がよかろうと考えております。
波多野鼎
32
○波多野鼎君 それからもう一つの点は、一般的に言
つて
予算
の、
地方財政
だけじやないのですが、国の
予算
についてもですが、
予算
の編成権を総理庁の方で握る、こういう考え方を持
つて
おられるようですが、これはどうなんですか。それも一つの現れですか。
本多市郎
33
○国務大臣(本多市郎君)
只今
の
予算
の編成権とおつしやいましたのは、
平衡交付金
のことでしようか、それとも
地方財政
……
波多野鼎
34
○波多野鼎君 一般の
予算
、国の
予算
も含めて……
本多市郎
35
○国務大臣(本多市郎君) これは今後
研究
すべき問題と考えております。行政
制度
審議
会におきまして、そういう意味の答申がございました。この
予算
は、やはり現業を持たない独立した立場にある官庁が、
予算
のみに
関係
あることを專管せしめた方が、
予算
の編成が公正に行くのではなかろうか、殊に国税庁との
関係
でありますが、
予算
を立て得る立場と、そうして税金を取り立てる立場というようなものは、一人の大蔵大臣という
機関
に担当せしむるよりも、独立した別々な立場で担当された方がいいのではないか。大蔵省は今日この
予算
以外の各省と同じような
性格
の
仕事
を沢山にや
つて
おるのでございますから、そうした
とこ
ろでは結局同じ大臣でありますと、そこに外の省の
予算
との間に均衡という点についても考えなければならん場合ができて来るのではないかというような、いろいろな観点から行政
制度
審議
会において答申されたのでありまして、これについては今後
政府
といたしましても
研究
をいたしたいと考えております。
西郷吉之助
36
○
西郷吉之助
君 この第三條ですね、「
地方財政平衡交付金
の
総額
を
見積り
」ということがここに書いてございますが、今まで一番、現在の
自治庁
においても、前の
財政委員会
でも、その最も欠点は、前の配付税をやはり国が決める点にあつたと思うのです。
とこ
ろが今の
提案理由
の
説明
では、非常に強力な
機関
を作る必要があるということを述べておるにも拘わらず、依然として
財政
平衡交付金
については、単に
総額
を見積
つて
、
決定
は国、即ち大蔵省が
決定
して、ただその
決定
した額を各府県に
見積り
交付するという、その
権限
だけ書いてあるのですが、その点は十
五條
と関連して、十
五條
の二項にある
規定
は、
平衡交付金
の金額について国
とこ
の
財政委員会
が違つた金額の場合に、二項を適用して
国会
に両方出すのですか。それをお伺いしたいと思います。
本多市郎
37
○国務大臣(本多市郎君) お話の
通り
でございます。両方を出しまして、大蔵大臣は
平衡交付金
を
決定
する
権限
は勿論ありません。両方を、
政府
の閣議で
決定
した
意見
と、
地方財政委員会
の
意見
と両方を
国会
に提出するということになると思います。
西郷吉之助
38
○
西郷吉之助
君 今の大臣の、大蔵大臣が一方的に決めるのではなく閣議において
決定
すると言われるけれども、それは同じことであ
つて
、国が
決定
するということは大蔵大臣がその
権限
を持
つて
いるのであ
つて
、それが非常に、私は過去において非常にまずい点であ
つて
、現に昨年の、二十四年度の配付税のうちには、単行法でその率を決めたにも拘わらず、池田大蔵大臣が一方的に、非合法的に、一つも
理由
がない、単行法で決めた率を破る何もない。
法律
を破
つて
まで、半分に削
つて
出した。そういう実例があるのであ
つて
、その最も欠点たる
とこ
ろを、なぜここに補わなかつたかと思うのです。この第三條の第一項に、単に
交付金
の
総額
を見積つただけであ
つて
、それが国のいわゆる大蔵省の、大蔵大臣と
意見
を異にした場合は、十
五條
によ
つて
両方を、
理由
を附して
国会
に出す、こういうふうなことは先程波田野
委員
も言われましたが、
国会
も甚だ迷惑であるのみならず、そういうような
総額
から、例えば
地方財政
においてはその
平衡交付金
の
総額
が決まらなければ、外の税收入や何かの額の決めようがないと思う。実際の場合を考えた場合、
国会
の
審議
によ
つて
その中心である
平衡交付金
の額を両方出して、
国会
の
審議
を仰ぐということになれば、
地方財政
の
総額
というものに、全部が、両方の金額が違うのですから、
地方財政
全般
に亘
つて
二
通り
出すということに
なつ
て、実際にはなかなか容易ならざることができると思うのです。のみならず例えば今回のように非常にこういうふうな
法案
を遅く出したような場合には、両方の金額が違
つて
おつたら、
地方税
の收入額なんか
決定
することが
最後
までできないと思うのです。そういうふうな欠点が今日まであ
つたの
ですから、この強力な、
提案理由
における
利益擁護機関
、強力なそういうふうなことを言われるならば、最も欠点であつたその
地方財政平衡交付金
の
総額
を見積るのみならず、それを例えば大蔵省の
同意
を得て
決定
する、そういうふうな文句を入れてやるならばいいけれども、これを単に第三條の一項を見ても、
総額
を見積
つて
、
決定
権のことを省いて、結果のその
決定
権に基いて交付する、
交付金
の額を
決定
するというふうな、実に最も重要な
とこ
ろが拔けておるのですね、依然として……今いろいろ大臣が
説明
されるけれども、そこは私大臣が一番よく知
つて
おられる
通り
、
財政
平衡交付金
の
決定
権はないということですよ。ですからそれをやはり国の
財政
との
調整
ということがあるから、こういう際に大蔵大臣の
同意
を得て
決定
し、そういう文句がここに入れば、非常に従事の最も欠点だつた
とこ
ろは是正されるのみならず、強力なものになると思うのです。では十
五條
の二項に、違つた場合は両方の
意見
を附して
国会
に出すというふうなことは、極めて責任を回避したやり方と思うのです。そういうふうな点、これはもう一番癌だ
つたの
ですから、単行法で配付税の率を決めても、御承知の
通り
吉田
内閣
の大蔵大臣はそいつをぶち破
つて
、何らの
法律
を、決つた額を
変更
する
理由
は、合法的な
理由
は何らなかつた。それを一方的に国の犠牲において
国家財政
の
調整
というふうなそういうふうな抽象的な
理由
からだけでですよ、あれを半分に切つたじやないですか。そういうふうなことがあるのですから、依然としてそれがここに欠けておるということは意味がないと思うのです。その点について一つ大臣の
意見
を、はつきりした
意見
を承わりたい。
本多市郎
39
○国務大臣(本多市郎君) どういうことをお考えに
なつ
て御質問に
なつ
ておりますのでありますか。お話のようなことは全く却
つて
不合理になるのではないかと私感ずるのでございます。大蔵大臣の
同意
を得れば
平衡交付金
の額が
決定
するなどということは、こういうことは誠にどういう観点から言われますか。この
平衡交付金
の金額は、総
予算
と一緒に
提案
するのであります、その時期に……そして
国会
がこれを
決定
されるのでありまして、大蔵大臣を含む
政府
といたしましては、
平衡交付金
の額について
政府
の妥当と思う
とこ
ろを
予算
に計上して
提案
するでありましよう。併しこれと
地方財政委員会
の要請額とが相違する場合、
地方財政委員会
はその要請額を
国会
に
意見
として提出することができる。
政府
も又
予算
案にその
地方財政委員会
の主張を附記して出さなければならない、こういうことにいたしまして、どこまでもこの
国会
が、
意見
の合わない場合の
調整
を
国会
によ
つて
決して貰うことにしたい。これによ
つて
初めて
地方団体
の
交付金
額に対する
意見
というものは、
国会
で最終
決定
をして頂きますまで、これを明らかにして御
審議
を願うことができる。これを仮にそういう方法によりませんで、どこまでも
予算
編成前に、この
交付金
だけを
決定
できるということになりますと、
予算
に対する
国会
の
審議
権がその
範囲
においてはなくなるということにもなりまするし、又大蔵大臣の
決定
によ
つて
、
平衡交付金
が大蔵大臣の
同意
によ
つて
決まるとかいうことにいたしますと、その大蔵大臣が果して
国会
で考えられておる程度、或いは
地方自治
体の実情から見て適当である額を考えて呉れるかどうか、
意見
の相違する場合があろうと思うのでありまして、
只今
のようなことは却
つて
従来の弊害として指摘されたその弊害を助長することになると考えております。
西郷吉之助
40
○
西郷吉之助
君 それでは今の大臣のお考えで行きますれば、やはり今後は
地方財政平衡交付金
の額は、常に両方の立場が二
通り
出て、その
決定
権は常に
国会
が持つという、実際の場合にはそうなるのですか。
本多市郎
41
○国務大臣(本多市郎君) 実際の場合には
政府
といたしましても、
地方
に対して妥当な
平衡交付金
を交付したいということで努力するのでありまするし、又
地方財政委員会
といたしましても、国の
財政
を無視して極端な主張をされるとは考えません。でありますから実際の問題といたしましては、その間の
調整
は付くのが
通常
の状態であろうと存じます。併し付かない場合も考えなければなりませんので、付かない場合にはそういうような
手続
をすることになると思います。
西郷吉之助
42
○
西郷吉之助
君 それじや今の、さつきの大臣の言われたのは一向に分らんじやないですか。付くのが普通であるというのでしよう。だからそういうふうにどつちか押されて、そうして一応の額を決めて、そうして現在の二十五年度の
予算
のごとく千五十億なら千五十億と決めてそうして出す。その
決定
は私が質問したのは、それは非常に妙な考えであるとおつしやる。
国会
には両方の……一方に決めて出せば
国会
の
審議
権を侵すようなことになるというのですが、実際には二
通り
出すのじやないですか。大蔵大臣と協議の上で
決定
してやはり各一般の
予算
の中に、
財政
交付金
という額を
決定
して出す、大体そういうふうになる。その点についてここに明確に書いてないじやありませんか。実際にはそれだけこの
財政委員会
が、実際に
財政委員会
と雖も
国家財政
を無視してそういうものを
決定
することは常識上考えられないじやないですか。実際にそういうふうな
決定
をここでする
権限
があれば一番いいのです。尚且つそれで一応
決定
して
国会
に提出して、それで
予算
の
審議
を受ける。それで不適当な場合は勿論修正するのです。実際にはそういうことに
なつ
て、先程妙な考えであると言われるけれども、一つも妙な考えではない。従来そういうような非常に欠点があつた。尚且つ強力な擁護
機関
と言うけれども、一つも強力でなく、単に
総額
を見積
つて
決定
権は外にあ
つて
、ここに書いてある
通り
じやないですか。
決定
権はどこにあるのですか。ここには明瞭じやないです。一応やはり今あなたが言われた
通り
、普通の場合には一応一本の金額を出して、そうして
国会
に提出するのが当り前です。どうもその点は大臣の言われることの方が一向に分らない。その点どうですか、もう一度言
つて
下さい。
本多市郎
43
○国務大臣(本多市郎君) これはどういう
制度
を設けた方が
地方自治
体の
財政
的の立場の擁護ができるかということに対しての
意見
の相違であると思います。我々といたしましては、従来の配付税の配付についても、自治
委員会
等の
決定
が、閣議の
決定
によ
つて
そこで全然もうそれ以上に発展できないという立場にあつたものが、更に
国会
までもその主張を明らかにいたしまして、
国会
の
決定
を待つということによりまして、従来よりもこれで自財体の主張がより強く主張され得ることと考えております。
岡本愛祐
44
○
委員長
(
岡本愛祐
君)
内閣委員
の方の御質問を願いたいと思います。
三好始
45
○三好始君
地方自治庁
との
関係
につきまして、
内閣委員
長の方からいろいろ御質疑がありましたが、念のために私の方からももう一点、もう少しはつきりお伺いいたしたいと思うのであります。それは第十
一條
によりますと、「
委員会
は、その所挙する
事務
について、
法律
若しくは
政令
の
規定
を
実施
するため、又は
法律
若しくは
政令
の特別の委任に基いて、
地方財政委員会規則
を制定することができる。」こういう
規定
がありますが、その
規定
そのものは極めて明確であります。
とこ
ろが
改正
案による
地方自治庁設置法
第三條第五号では、
地方自治庁
に
地方財政
に関する
権限
の一部を留保しておるわけであります。即ち「
地方公共団体
の行政及び
財政
並びに
地方公共団体
の
職員
に関する
制度
について企画し、及び
法令案
を
立案
すること。」こういう
規定
が
地方自治庁
の所挙
事務
の中に残されておるわけでありますが、
地方自治庁
に残されておる第三條第五号の
規定
は、その限界は必ずしも明確ではないのであります。
財政
に関する
制度
について企画し、ということは極めて包括的の表現でありまして、「及び
法令案
を
立案
すること。」という
法令案
ということも、必ずしも
法律
及び
政令
に限定されるというふうにも考えられぬのであります。そういたしますと、この両者の所挙
事務
の限界が明確であるかどうかについては、
法律
の解釈上はつきりしない点があると思うのでありますが、
政府
の方ではこの限界をどういうふうにお考えに
なつ
ておりますか。念のためにもう一度はつきり御答弁を願いたいと思うのであります。
本多市郎
46
○国務大臣(本多市郎君)
地方財政委員会
で、
規則
で定められなければならないものは大体その根拠が
法律
に現わしてございます。そうした以外のことにつきましては、
地方財政委員会
で
規則
を以て定めると、
地方財政委員会
の所挙
事務
は最前も申上げました
通り
に、この
地方税法
上の、
法律
上定められた
仕事
、
平衡交付金法
に基く
とこ
ろの
仕事
、こういうものを独立した
性格
の官庁でもございますので、そうしたものに限定して、やはり従来の総理大臣が自治法上その他やらなければなりません
とこ
ろのものは、
地方自治庁
でやらせるということが妥当であると考えておる次第でございます。法令等につきましてはこれは
地方自治庁
がやる。それで
地方財政委員会
においては、その法令及びみずから定めた
地方財政委員会規則
に基いて
仕事
をや
つて
行く、この
範囲
は極めて明確であると考えております。
三好始
47
○三好始君 それでは
地方自治庁設置法
第三條第五号の「
地方公共団体
の行政及び
財政
並びに
地方公共団体
の
職員
に関する
制度
について企画し、」ということは、
法律
及び
政令
に関する企画に限定されるものと解釈していいわけでございますか。
本多市郎
48
○国務大臣(本多市郎君)
只今
の意味は、
法律
政令
に関する企画、これは勿論含むのでありますが、その他にも
政府
として必要な
地方団体
の
調査
等もやりますので、そういうことも含むと思います。
三好始
49
○三好始君 そういたしますと、
法律
政令
の企画、
立案
の外にも、この企画という意味が考えられているとすれば、やはり
地方財政委員会
との間に所挙所務の限界がはつきりしない点が起りはしないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
本多市郎
50
○国務大臣(本多市郎君) 御疑念の
趣旨
は、
地方財政委員会
においても、
財政
状況等の
調査
、企画等もやる。それから
地方自治庁
においても、やはり
財政
関係
法令の企画等のためには同じような
仕事
をやることになりはしないかという点だろうと思います。これは確かにその点は一部重複の感があるのでございます。
地方財政
委員
において、
財政
調整
のためには常にそうした
調査
が必要だろうと思いますし、又
地方自治庁
におきましても、やはり
地方財政
委員
という独立した
機関
でなく、総理大臣の補助
事務
といたしまして、そうしたことは常に皆
調査
をしていなければならんと思います。それでは実際にこの
財政
制度
等に関する
立案
をやる場合にはどうするか、これは勿論
地方財政委員会
の
研究
調査
を、十分その
意見
を徴しましてまとめて行くということになると思います。この点において多少重複をするということは止むを得ないことではないかと思います。
三好始
51
○三好始君 それでは
地方自治庁設置法
第三條第五号で使われておる企画という表現は、
地方財政委員会
設置法
第十
一條
の
地方財政委員会規則
の制定等には全然触れないものと解釈していいのですか。
本多市郎
52
○国務大臣(本多市郎君) その
通り
でございます。
三好始
53
○三好始君 小さな問題ですが、もう一つお伺いいたしたいと思います。それは第三條で第一項第一号に「
地方公共団体
の
財政
の
運営
に関し
助言
すること。」という表現が使われておりますし、第二号でも「
地方公共団体
の
税制
の
運営
に関し
助言
すること。」こういうふうに
助言
という表現がその外にも数ケ所使われております。ここで使われておる
助言
という言葉は、どういう
法律
的な効果を持
つて
おるのかお伺いいたしたいと思います。
荻田保
54
○
政府委員
(萩田保君) これはいわゆる新らしい
地方自治
制度
ができましてから監督権というようなものが
中央政府
に非常に少くなりまして、
法律
で限られた場合だけにつきまして
法律
的効果の
決定
ができるわけでありまして、それ以外につきましては、いわゆる
助言
という言葉で、表現されておるのでございまして、このような
財政
運営
をやつたらよろしいでしようという
趣旨
で、
地方団体
なりに
勧告
するわけでございます。でそれを取ろうと取るまいと、その
地方団体
の自由
意思
であ
つて
、ただ
地方財政委員会
として、こういうことが適当でありましようということを
助言
する程度でございます。
岡本愛祐
55
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 外に
内閣委員
の方はございませんか。それでは法務総裁が見えておりますから、私から法務総裁にお尋ねをいたして置きたい。それは
地方行政委員
会におきまして、第六
国会
において
地方行政
調査
委員会
議
設置法
案を
審議
をいたしましたときに、その
会議
は
国家
行政
組織
法第
八條
第一項の
規定
に基いて、臨時に
総理府
の
機関
として
設置
するという
規定
が第
二條
に設けられてある。それでこれまでこの
総理府
のいろいろの
機関
で「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」とか、「
内閣
の
所轄
の下に」とか、「
機関
として」とか、又「
外局
として」とか、いろいろの表現がしてある。そこでこの前
国家
公安
委員会
、これは「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」と、こうあるのですが、この
内閣総理大臣
と
国家
公安
委員会
の指揮監督の問題で大きな問題が起つたことがある。そういうことからこの「
総理府
の
機関
として」というのは、どういう意味かという御質問を展開いたしました
とこ
ろが、それは日本学術
会議
が「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」と書いてあるのと同様の意味であ
つて
、いずれにしても
内閣総理大臣
とこ
の
機関
との
関係
が薄いものである。こういう御
説明
がありましたときに、
国家
行政
組織
法ができた以後は「
所轄
の下に」という言葉は使わないようにするつもりである。だからこの
地方行政
調査
委員会
議については「
総理府
の
機関
として」という言葉を用いた、こういう御答弁がありました。これは速記録にも載
つて
おります。
とこ
ろがこの
地方財政委員会設置法案
におきましては、その第
二條
に「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」という又元の字句が用いられておるのであります。これはどういう意味であるか、それを伺
つて
置きたい。
殖田俊吉
56
○国務大臣(殖田俊吉君) 誠に御尤もなお尋ねでございます。先般の議会で私がその
通り
にお答えをしたのであります。最近では、そのときにも申上げたのでありまするが、行政
機関
の
性格
を表わします言葉としましては、「
外局
」であるとか或いは「附属
機関
」という言葉を用いるのを原則に立てていたのであります。今でもそうであります。それ以外の言葉は余り使いたくないというのが方針でございます。
とこ
ろが特別の事情のあります場合には、どうも又特別な表現をしなければならん場合が生じて参りまして、今度のこの
委員会
の特別の表現は、実質は無論
外局
である。実質は
外局
でありまするけれども、総理大臣との
関係
におきまして、
独立性
が極めて強いということはもう御承知の
通り
であります。これをその
独立性
の強い
とこ
ろを表わすために、又止むを得ず元の、もう成るべくならやめたいその表現を、又用いざるを得なか
つたの
でありまして、さように御了承願います。
岡本愛祐
57
○
委員会
(
岡本愛祐
君) そこで、そういたしますと、私共が
地方行政
調査
委員会
議
設置法
案を
審議
いたしますときに、その
地方行政
調査
委員会
議のごとき、
国会
に
勧告
するような
機関
は、やはり「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」という字句を使つた方がいいじやないか。つまり「
外局
」とか、それから「附属
機関
」とか、「
機関
」とか、そういう言葉を使うことは、指揮監督の
関係
において強いようにとるのが当然であるから、だから監督
機関
のごときは、
国家
公安
委員会
と同じように、「総理大臣の
所轄
の下に」とある方が尤もじやないかという一つの
意見
を出したのでありますが、そのときは「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」とあるのと、「
総理府
の
機関
として」とうるのは同じだと、こういうことゐ御解釈があつたものですから、それはそういうことならそれでいいということでそのままにしたのでありますが、結局その
地方行政
調査
委員会
議の方も、「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」とある方がいいという結論になりそうですが、如何ですか。
殖田俊吉
58
○国務大臣(殖田俊吉君) 御尤なお考えであります。私共は成るべくならこの表現を使いたくないのでありまして、「
外局
」、「附属
機関
」、「
機関
」というような言葉で表現をしたいのであります。その方が総理大臣の責任の明らかにするゆえんであると思うのであります。併し具体的の場合に臨みまして、必ずしもそのプリンシプルが徹底できない場合が生じておるのでありまして、止むを得ずそのような表現を使
つて
おります。成る程、お話のごとく総括いたしまして、
政府
に対して
勧告
をするというような場合には、そういう
機関
については特にかような表現を用いた方がいいじやないかというお考えも成る程御尤もであります。将来その点につきましてもよく一つ考究いたしまして、適当に処置をするように取計らいたいと思います。
岡本愛祐
59
○
委員会
(
岡本愛祐
君) 外に
内閣委員
の方で御質問ございませんか。
門屋盛一
60
○門屋盛一君 これはもうこの
審査
はこれ一回きりになるのですか。もう一回あるならここらで止めて貰いたいと思います。
岡本愛祐
61
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 大体この一回にお願いしたいと思
つて
おります。
門屋盛一
62
○門屋盛一君 若しこれ一回でしたら、
内閣委員
長に私これは今朝貰つたんですから、だから
委員
外議員として一応
地方行政
の
委員会
に質問いたしたいと思います。それを今一応
地方行政
の
委員長
から確認を受けて……
吉川末次郎
63
○
吉川末次郎
君 今の
岡本
委員長
と殖田法務総裁との御答弁に関連して、多少
意見
になりますが、申上げて御参考にして頂けば大変結構だと思います。そういうことが行の
地方行政
調査
委員会
議
設置法
案が出ましたときに、私も申上げたのでありますが、
岡本
委員長
の主張の中に、
国会
に対して、或いは
政府
に対して
勧告
するような強力な
機関
については、「
所轄
」というような言辞を使うことでいいのであ
つて
、「
外局
」というような言葉は非常に不適当であることが今問題になりまして、殖田法務総裁も
研究
して見るというような言葉でありましたが、これも言つたことでありますが、「
勧告
」という言葉がアメリカのレコンメンデイーシヨンの訳語として使われておる。
とこ
ろがレコンメンデイーシヨンという言葉を「
勧告
」と日本語に訳しているために、何か強力なアドバイスとして上から下に対して何かものを言わすような感じを日本語は与えておるのでありますが、レコンメンデイーシヨンというのは、例えば誰々を使用人として使
つて
下さいというようなことを推薦するという意味なんで、その節も言つたことでありますが、昔浮田和民博士がグツドノーの行政法を翻訳せられたときにレコンメンデイーシヨンという言葉を「推告」と訳しておられる。その推告という言葉をこれはレコンメンデイーシヨンの訳語として用いますというと、非常に感じが違
つて
来るんじやないかと思うので、今「
勧告
」という言葉が人事院の
勧告
等を中心として非常に大きな政治問題に
なつ
て来ていると思いますが、そういう点を一つ
政府
の方でも御考慮になる必要があるんじやないかと思いますので、レコンメンデイーシヨンという言葉を、日本語に翻訳されておる「
勧告
」という
法律
上の用語として、その間に外面上の錯覚を来たしておるんじやないかということを感ずることを先般も言
つたの
でありますが、今の御両者との問題に関連して特にそれを痛感するような次第であります。我々も
研究
して見たいと思いますが……
殖田俊吉
64
○国務大臣(殖田俊吉君) どうもレコンメンデイーシヨンだケでございません。いろいろな言葉に随分それがあるようでございます。余程注意をしなければいかんと考えております。
三好始
65
○三好始君 先程
委員長
のお尋ねに
なつ
た問題に関連いたしまして、
内閣委員
の立場から簡単な問題ですけれども、一点だけお尋ねいたしたいと思います。それは第
二條
の
規定
の仕方の問題であります。
国家
行政
組織
法が
施行
されて以来の
設置法
は、例外なく
国家
行政
組織
法にその根拠をその
條文
の上で表わしてあるのであります。例えて申しますと
総理府
設置法
の第
二條
では「
国家
行政
組織
法第三條第二項の
規定
に基いて、
総理府
を
設置
する。」又外務省
設置法
を例に取りますと、やはり「
国家
行政
組織
の第三條第二項の
規定
に基いて、外務省を
設置
する。」、こういうふうに
国家
行政
組織
法第三條の根拠を持つことを
設置法
自信で明らかにしておるのであります。その
国家
行政
組織
法第三條第二項と申しますのは、こういう
規定
に
なつ
ております。「国の行政
機関
の
組織
は、この
法律
でこれを定めるものとする。」それで第二項に「行政
組織
のため置かれる国の行政
機関
は、府、省、
委員会
及び庁とし、」云々とあります。こういうふうに
委員会
の根拠がやはり第三條第二項に明示されておるわけであります。それにも拘わらず、他の
設置法
の
規定
の例を破
つて
、今回の
地方財政委員会
設置法
に限
つて
、
国家
行政
組織
法との関連を何ら示すことなく、単に
内閣総理大臣
の
所轄
の下に、
地方財政委員会
を
設置
する。」という表現に
なつ
ております。これはやはり他の
設置法
に倣
つて
国家
行政
組織
法との関連を明示して置くのが適当でないかと思うのでありますが、これに対する法務総裁の御
意見
を承わりたいと思うのであります。
殖田俊吉
66
○国務大臣(殖田俊吉君) その
通り
であります。成るべく外の
機関
と同じに
只今
の表現の仕方を希望したのであります。併しながら先程申上げましたように総理大臣との
関係
、
政府
との
関係
を成るべく稀薄ならしめるという、やはり考えがここへ働きまして、そうして普通の行政
機関
とは違つた表現をした方がよかろうということで出しました。実質においては変りはない筈であります。ただ表現の仕方がさように
なつ
ておりまして、これによりまして総理大臣の
所轄
とするといつたあの心持をここで表わしておる、こういうつもりであります。
三好始
67
○三好始君 これ以上は見解の相違になりますから、重ねてお尋ねはいたしませんが、
地方財政委員会
が、実質上は
国家
行政
組織
法第三條第二項にいわれておる
委員会
であるといたしますならば、
国家
行政
組織
法の
性格
は行政
機関
全般
を通ずる基本的な法規としてのものである以上、やはりその関連を第
二條
において示すべきものだと私は考えるのであります。
鈴木直人
68
○
鈴木
直人君 今の問題ですが、この場合警察法の中にも「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に
国家
公安
委員会
を置く」というふうなことがありまして、これが行政
組織
法が制定される前の
規定
であ
つたの
であります。
とこ
ろがこの「
所轄
の下に」ということが、果して何といいますか、命令系統が加味されるものであるか、或いは
国家
行政
組織
の単なる行政
組織
としてどこに附属するか、いわゆる新らしい行政
組織
法の第三條第二項の
規定
に基いてどこに
所轄
されるものであるか、どこの管轄に属するものであるという意味であるかという点については実は曖昧な点があ
つたの
であります。そこでこの「
内閣総理大臣
の
所轄
の下に」というふうに
なつ
ておるからして、
国家
公安
委員会
に対しては、どうも指揮命令権があるがごとき誤まつた考え方が漠然と起きて来たわけです。そこで我々はこれをはつきりする意味において、何回も
委員会
において質問をして、「
所轄
の下に」というのは、何も指揮命令権というようなものではなくして、
国家
行政
組織
法の第三條第二項に、
総理府
に属する
機関
であるのだ、こういうことをただ行政
組織
法として
規定
される言葉に過ぎないのだ、こういうことであつた。それならばこの曖昧な「
所轄
の下に」というような言葉はやめて、そうして第三條第二項の
規定
に基いて、「
総理府
の
外局
として」、或いは「
機関
として」、というような言葉を使う方がはつきりするということを何回を申上げてお
つたの
ですよ。今の大臣の
説明
によると、「
所轄
の下に」というのは、何だか指揮命令でもないが漠然と含まれておるような何だか少し曖昧な考え方を持
つて
おられるようですが、どこまでもこれは第三條第二項の行政
機関
に過ぎないのだということをはつきりして置く必要があるので、この「
所轄
の下に」という言葉は使わなかつた方がよかつたと私は思うものです。どこまでもこれはそういう言葉は使うべきものじやない、こういうふうに考えております。
殖田俊吉
69
○国務大臣(殖田俊吉君) 「
所轄
の下に」という言葉も使わない、全然
政府
を離れて別なものであるように見るのもこれはいけない、行政の責任は総理大臣にある、如何なる
機関
が行政を行うとも、やはり責任は総理大臣にある、こういうことであるのであります。これは
所轄
の下にという言葉があ
つて
然るべきであ
つて
、アメリカにおきましては、聞く
とこ
ろによりますれば、独立しておるとか、独立しておらんということは大した実際上の運用では問題でなくて、独立しておる筈の
委員会
でも
政府
と協調しておるそうでありまして、自然に
政府
の
意思
がその
機関
に伝達され、その
機関
は
政府
の
意思
の
通り
に動いておるそうであります。日本ではややともいたしますと、ちよつとはつきり書いてないと
政府
外の
政府
であるかのような心持になりまして、或いは
政府
に反抗し、
政府
の
意思
と反することを
決定
することがその
機関
の
任務
であるかのような誤解を与えることもあるのでありまして、私はその点を懸念いたしまして、何とか調和のとれる言葉で表現したいと、それはその一つの努力の現われであるのです。
鈴木直人
70
○
鈴木
直人君 それについて、今の答弁は私の質問とちよつと違
つて
いる答弁なんですが、私は
政府
の
機関
なり
委員会
は、総理大臣、
政府
の
意見
を酌んでやらなければならないということは、これは明らかであります。
設置
するという
設置法
に関しては、その「
所轄
の下に」というような言葉は使わない方がよい。
設置法
としては、これはやはり第三條第二項の
規定
に基いて何々に所属するというように、
設置
するという場合には、第
二條
のような
規定
の場合には、行政
組織
法の第三條第二項に基いて置くのだというふうな
規定
の方がよい。私はこういうことを申上げているのです。そうして
地方財政委員会
設置法
の他の
條文
において、総理大臣とどういう
関係
を持つか、或いは何大臣とどういう
関係
を持つか、それは明らかに
法律
の
内容
として
規定
さるべきものなんである。尤も総理大臣が直接指揮しなければならないという條項章あるならば、他の條項においてそういう條項を
規定
すればいいのであります。ただ
設置
する場合に、「
所轄
の下に」というような曖昧な言葉を使わない方がよろしいということを私は言
つて
おるのであります。
岡本愛祐
71
○
委員長
(
岡本愛祐
君) それでは今日はこれにて散会いたします。明日は午前十時より連合
委員会
を開きます。 午後零時三十五分散会 出席者は左の
通り
。
地方行政委員
委員長
岡本
愛祐
君
理事
波多野 鼎君 堀 末治君 竹中 七郎君
委員
吉川末次郎
君 黒川 武雄君 山田 佐一君 岩木 哲夫君
林屋亀次郎
君
西郷吉之助
君 島村 軍次君
鈴木
直人君 濱田
寅藏
君
内閣委員
委員長
河井
彌八君
理事
カニエ邦彦
君 門屋 盛一君
委員
梅津 錦一君 城
義臣
君
伊達源一郎
君 三好 始君 国務大臣 法 務 総 裁 殖田 俊吉君 国 務 大 臣 本多 市郎君
政府委員
地方自治
政務次 官 小野 哲君
地方自治庁
次長 荻田 保君
総理府
事務
官兼 法務府
事務
官 (
地方自治庁
連 絡行政部長法制
意見
総務室 主幹) 高辻 正己君 法務府
事務
官 (法制
意見
総務 室第二局長) 林 修二君