○森下政一君 大分時間も進んで参りましたので、今日はこの
一つだけ
指摘してもう一遍御
意見をはつきり聽いておきたいのですが、今木村さんから寄附金のことが問題になりましたが、私はこの点昨日も
指摘して
大臣の御
意見を聴いたのですが、日本週報の四月一日号に河野主計局長が「画期的な新予算の解説」と題する予算説明を試みている。その中に税金は大巾に軽減されるという項目があ
つて、二十五年度は二十四年度に比較して七百億の減税になる、若し今年の一—三月の暫定的な減税
措置が行われたならば、あの
税制改革がなか
つた場合の税收見込額と比較すると、二十五年度は九百十三億の
国税の減を示す、こういうふうに言
つているのです。ところが国民の税
負担というのは
国税だけで見込んでいるわけではない。地方税と合せて見なければならんということを言われまして、今年から
地方税制も
根本的に改正されるので、その結果千五百億円の地方
税收入が千九百億円になる。差引地方税の方で四百億の増加になる。そこで
国税における九百十三億の減
税額はそれだけ割引される、こういうのです。併し従来の千五百億の地方税の外に、これまでは地方ではその施設のために四百億円程の寄附金を
徴收して賄
つてお
つた。そうしてその中の三百億円は新らしく税の形で
合理的に
負担しようというのであるから、実質的に地方税としては純
負担の増加は百億円に止まる、こういうことを言
つているわけです。そこで従来寄附で賄か
つてお
つた四百億の中で、三百億円税の形で
負担して
合理的に解決しようこういう説明が
政府側から一方ではなされているのです。昨日の本多国務
大臣の
お話を承わると、必ずしもその税を、寄附の形で取
つてお
つたものは形で吸收して行こう、そういうふうに移行させようという考えが特にあ
つたわけではないとおつしや
つたように私は思う。若し大蔵当局のさような説明を国民が皆んな喜んであれば、国民は将来……、恐らく二十四年度までは割当で申付けられてお
つたいろいろの寄附金というものは、いよいよなくな
つてしもうと
思つているのに、又ぞろ二十五年度にな
つていろいろな寄附が出て来るということは、これは
ちよつと
政府の言うことと違うじやないかという感じに多分に持つと思う。又同時に
負担の増というのは、主税局長の言ように單に百億だけに留まらんということを考えるので、今木村委員から
指摘されたが、結局
大臣は通牒か何かで各地方当局に対して、注意を換起するような
お話ですが、相当手嚴しい態度で地方自治庁としては従来地方の施設のために仰いでお
つた寄附というようなものは、地方財政が今度確立されるこの機会を契機としてまかりならんというようなくらいに相当嚴重な態度を取
つて貰いたい。若しどうしても寄附が必要ということなら、一々地方自治庁の許可を得なければならんくらいにしなければ、
政府は国民を欺いたような結果が出て来やしないか、国民から見ればいつばい
政府から欺かれたという印象を受けるのじやないということを虞れるのです。この点もう一遍念を押して
大臣のお考えをはつきり聽いておきたい。