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1950-05-02 第7回国会 参議院 大蔵委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年五月二日(火曜日)    午後一時二十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件配炭公団損失金補てんのための交  付金等に関する法律案内閣提出衆  議院送付)   —————————————
  2. 木内四郎

    ○委員長(木内四郎君) これより大蔵委員会を開きます。  配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案を議題として審議を継続いたします。
  3. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 昨日お伺いした売上代金の差額について表を頂いて、これは了解しましたが、もう一つ伺いたいのは、利息の点を頻りに政府側でも気になさつておるようですが、毎日大体百二十万で月三千五百万円ぐらいの利息がかかる、併しながら今、現在剰余金が今まであるわけですね、その剰余金政府において預かつておるわけですな、その利息というものは受入利息も相当あるわけです。まあ気になさる程のことはない、相殺すれば却つてプラスになるのじやないか、こういうように考えられるのですが、その点どうなつておりますか。
  4. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 必要に応じまして、細かく数字で以て申上げてもよいわけでありますが、大体の筋道を申上げますると、おつしやいまするように剰余金が七十数億あるわけであります。併しながらこれは油井委員御承知のようにそれだけの勿論余裕金があるというわけではございませんで、それだけの見合資産勘定がある。従いまして認証手形は現在六十億弱というような金額が残つておりまするので、おつしやいましたように剰余金がございますが、剰余金を当てにしまして、而も尚四十数億の補填をいたす必要があるという数字から申しまして、現在のところやはり認証手形利子はそれだけ補償を貰いませんければ、引続き取らなければならんという筋道でございます。
  5. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その点は了解しましたが、更に売掛金はいわゆる売上代金だけお取りになるのですか。それとも利息計算してそれも徹底的にお取りになるつもりですか。
  6. 加藤八郎

    説明員加藤八郎君) 売掛金につきましては、延滞支払期日後の分に対しまして、日歩五銭を取ることになつておりまして、これは我々といたしましては強力に回收しておるのでございますがなかなか元本も入らないようなものには、利息の方まで取るということは困難な事情がございますし、これは放棄しておるわけではございませんので、どこまでも取るつもりで努力をいたしておる次第であります。
  7. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 結局そうすると、片方は日歩五銭、相当高い利子計算しておるのですから、銀行に対する支払利子よりも受入利子の方が少くても多少は超過するのじやないか。これは利子が毎日嵩むという点については、この法案を成立させるために特に急ぐという理由にはならない。それはどういうふうに解釈しておりますか。
  8. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 今清算人から申上げましたように、延滞利息につきましては、できるだけこれを勿論取るつもりであります。併しながら清算人から申上げましたように、どこまで取り得るかということにつきましては、いろいろ疑問もございまするのでこの四十三億の交付金を払いましても払いませんでも、その未收金利息の問題は同じでありますが、我々といたしましては、この交付金を交付いたしまして、而も十分延滞利息が入るということでありますれば、交付金の額を減額いたしまして、それだけ金額を減らせるわけであります。見通しといたしましては、今油井委員のおつしやいましたような五銭と二銭六厘という点につきましても、これはお取りになりましても、金額も違いますし、取れまする可能性も非常に多いかと考えております。
  9. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今私が言つたことは、損益計算書を見ても、これははつきり現われているのですけれども、支払利息は六億九千五百万円も払つている、受入利息はたつた六千三百万円しかない、結局代金の決済というものは遅らしただけ得だということが、これを以てもはつきしている。それは受入利息六千三百万円というのは、売上代金から作つたのじやなくて、銀行や何かの利息じやないかと思いますが、こういうようないわゆる会計経理をやつているということ自体が、公団経理というものは、少しルーズ過ぎるのじやないか、そういう点についてはどんな方針で進んでおられますか。
  10. 加藤八郎

    説明員加藤八郎君) 受入利息として取るべきものは先程申上げましたように、是非取るつもりで交渉はしてございますが、尚この契約の中にはその当時延滞について利息をとるというような條件はなかつたようなものもございまして、これらのものにつきましては、延滞後直ちにとるということが法律上疑問があるのでございます。併しそういうものに対しましても、我々といたしましては、是非何とかとりたいというような考えでございますが、いずれにいたしましても非常に元本自体が入りにくいような状況の下におきましては、延滞利息を優先的にとり上げるということは非常に困難なのでございます。それでできるだけ我々としては利息をとらないのだというようなことを今いたしますと、外の利息を納めた人にまで不公平な感じを与えますので、現在といたしましては、どこまでもとるということにしてございまするが、実際の收入において少ないことは甚だ遺憾に考えておる次第でございます。
  11. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 今清算人のお答えしたところで大体十分だと思うのでございますが、一言つけ加えさして頂きますると、利息債権につきまして、この公団交付金計算をいたしますときにおきましての赤字と申しまするか、損失計算と、国これは公団を含みまして、国が債権を放棄するかしないかという問題とは少し違うのでありまして、公団といたしまして、今清算人が言いましたように、債権の取立並びに延滞利子徴收をやるわけでございますが、公団清算人は、一定期限がございますので、期限を以ちましては取り切れないというところが残るわけでございます。そういうものは時間をかけて取るということが必要でもあり、又可能な途でもございまするので、これは国にそういうものは引継ぎまして、国がそのままそういうような利息徴收に当る。両者を併せますれば少くともここにありまするところの金額よりもう少し出るんじやないかというふうに考えまするが、それには時間が若干かかるという点も御了承願います。
  12. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これからのものは、それは今のお説明で分るんですけれども、前の百九十億もの残高、そういうものに対する利子計算というものは過去において実際はなされていないのです。これは例えば利子を取る分が半分の百億なら百億、いわゆるランニング・バランスといいますか、そういうものがあつたとして、年一割に該当したとしても損益計算書あたりに載るのは、半期に少くとも四億や五億は残つて来なければならん。ところが受入利息というものはたつた六千三百万くらいしかないというふうなことは、殆んどこれは取つてないというふうにしか考えられないのです。これは民間会社としたら後の取引の点もあるからそういう場合は負けちやえとか何とかあるのですけれども、苟くも公団というものは政府機関であつて国民のいわゆる資金を運用しているというふうにも解釈されるのです。そういう点について、まあ受入利息の点から見ただけでも極めて運営が緩漫であるというにしか考えられないのです。過去のいわゆる利子に対してはどういうふうにお考えになつておられますか。
  13. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 必要がございますれば又公団の方から細かいお話を申上げてもよろしいと思いますが、私共承知いたしておりまするところでは、御指摘のように過去の分につきましては延滞利息がそう多く入つていなかつたのじやないか。入つているものがありましてもそう目立つてつてないのじやないかというふうに考えております。この点につきましては従来立団の間において延滞利息を取る規定になつておりまして、取つていないものもありますし、そういうような関係が明白になつていないのであります。そういうような点から先般来全公団に対しまして延滞利息を、はつきり一定利息を取るということにいたしまして、今後におきましては、そういう問題は残ります公団においてもない筈でありますが、従来の公団におきましては若干入金の遅延に対しまして延滞利息の分が入つていないという点は或いはあるかと思います。
  14. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 公団の方からそれについてもつと……
  15. 加藤八郎

    説明員加藤八郎君) 延滞利息取りますのは、支払期限が来て、それから払わないものでございますが、先程も申上げましたごとく契約の中にはその條項のないものがございましたのでその分につきましては改めて今後取るという交渉をしてからでないと取れないようなわけでございます。それで今までも取つてはございまするが、額がまだ沢山にならないというので、実は困つておるわけなんでございますが、従来とも始めから延滞利息を取るという條項のものについては、取つて来るようにいたしておつた次第であります。
  16. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 結局まあ取るという何か規定ができたんですか。指令を出したというのはいつ頃になつているのです。
  17. 加藤八郎

    説明員加藤八郎君) これは解散になりましてから、大蔵大臣にこの債権回收方針について伺いを立てまして、その認可を得ていわゆる回收方針というものを決めたわれでありますが、その際にこの回收期限が切れておりますものにつきましては、五銭の延滞利子を取るということにお決め頂きまして、その後嚴格にその取立てを我我といたしましてはやつてつた次第であります。日にちは多分九月の末頃であつたと思います。
  18. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その点はまあ一応そのくらいにして置きまして、次に九月の解散当時において一躍商品の手持品が百億も増加して、恐らく各山元においての石炭を掘つて、それを成るベく早く金にいたしたいというのは、これは人情でもあり、当然だと思うのですが、それが九月になつてから急に二十四年の四月あたり産高が四十三億、二十四年の九月、このときは百五十一億、百億以上も急に殖えているのは、これは一体どういうわけでこういうように急に殖えたのですか。
  19. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これは前回申上げたと思いますが、貯炭増加でございますが、これは解散の前になりまして生産状況が非常に増産になりまして、而も市場におきましての有効需要は若干減少気味つたということのために、今御指摘のようなストツクが殖えた。御指摘のように最後月あたりは相当殖えておりますが、これはこの月あたりにも相当生産増加したということ、先般申上げましたように配炭公団としましては山元坑所オンレールということでやることに相成つておりますので、その結果が出て参つております。
  20. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 九月になつて急に殖えたということは、確かこの前発表になりました売上げと、それから代金回收数字を挙げられたのですが、その売上を見るというと、大して別に変化はないのです。特に需要が急激にただ下火になつてしまつたというような程度で……その程度は減つておるのですよ。それでシエーレの方だけ結局殖えたということを現わすのだと思うのです。その増産もそんなに急に増産されたわけではないと思うのです。つまり一ヶ月分どころじやなくて、割合にして二月分の生産高に匹敵するだけの数量が殖えておるとは思われないのです。
  21. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 御指摘のように、生産の方が八月及び九月の出炭が相当高いレべルにあるわけです。今おつしやいますように、まあ何故殖えたかというお話でありますが、これは申すまでもなく明らかにないものを買つておるわけではございませんで、山元坑所オンレールに載せますと、そうすると配炭公団としては実際には一つ輸送が比較的円滑に行つたという点、生産増加しておるという点、そういうような点から需要増加が、当然出て参りますのと、それからもう一つには、これは先日申上げたと思うのでありますけれども、配炭公団のあります当時でありますれば、金の払い方とか、そういういろいろな点で便宜がございまするので山元側といたしましてはできるだけ公団時代に売つておきたい、こういうような心理的な作用が働いたということ、こういうことは否めないのです。併しながらこれはあるものを売つておるのでありますから、公団側といたしましてはこれを買うということに相成つております。
  22. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 まあ今の御説明、一応尤ものように聞えるのですが、実際においては山元公団買取るということ、これは原則なんですね。そうすると山元の方では、何も公団が、掘出して来て山元石炭があれば買つて呉れるものを一刻も早く金にしたいものを売らないでストツクしておくということは、これはあり得ないと思うのです。殊に石炭が値上りの傾向にあつたようにも窺えるのですが、そういう際においてはどんどん公団の方へ手続をして買上げられるようにするなり、何なりするのが、当然だと思うのです。それに対して九月の解散当時に急にとにかく百億以上のストツクが殖えておるというのは、これはどこから考えても納得が行かんですね。
  23. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 今申上げたように、生産状況もよろしい。それから先程申上げたように、山で生産する、それで買つたということにはなりませんので、貨車に載まして、貨車に載つたところで買うわけでございますから、従つて配炭公団が買いますためには輸送状況がどうであるかということ、輸送状況もよかつたということのために御覧のように買取金額に入つておる。ところが消費は先程油井委員がおつしやいましたように、そういう点で若干減つておるということから考え、今申上げたようなストツク状況になつておりますが、その間にさつき申上げましたように、或る程度心理的作用が働いたというふうに考えられますが、油井委員が非常に分り難いという点については、大体今の筋道で御了承願えることじやないかと思います。
  24. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それが配炭公団山元検質検量のあつた全量を買取り、みずからの責任において輸送、荷役、貯炭を行う。これははつきり書いてある。そうして今あなたがおつしやつたように、貨車に積んでから買取の形式にするということは全然違う。とにかく検質検量さえ済めば全部公団のものになつておるわけなんです。
  25. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 配炭公団法條文からのお話かと思いますが、私の記憶しております限りは配炭公団規定から申しましても、その実績から申しましても、山元貨車が入りまして、その貨車に載せて始めて、貨車の入りませんところは必ず場所を指定してありまして、トラツクなり、何なりに載せる、こういうことになつておりまして、いずれにしてもレールに乗つたらそれで済むということになつておりませんで坑所で区別いたしまして、貯炭場から貨車に落す。オンレールで買うわけで、今申上げた点は法文を御指摘願えれば分ると思います。筋道はそういうふうになつております。
  26. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますと、今公団の方の説明法律とは違うということになると、非常に公団サーヴイスしていたわけですか。
  27. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) どの点が違うのでございましようか。検質検量の点はこれは申すまでもなくやります。これは山元坑所で買うわけでございますから、乗つたところで検量いたしますし、サンプルを検炭もいたします。併しそれはすべて坑所買つた後においてでございます。
  28. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 公団の方の説明書には、公団はこういうふうにして事業をしたのだということをはつきり書いてある。そうすると法律ではこういうふうなことは規定されてないとすれば非常にサーヴイスをしていたということになるのですね。それならそれで我々は納得がつくのですよ。
  29. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 今油井委員のおつしやつたのは成立から解散に至る経過でございますが、その後で山元と書いてありますのは、これはちよつと言葉として、或いはおつしやるようにお読みになる方もあるかも知れませんが、ここに書いた意味山元オンレールという意味でありまして、今油井委員のおつしやいましたように山元オンレール以前におきます、積みます以前の買取というようなサーヴイスを特別やつてつたことはなく、この山元という、言葉が足りなかつたかも知れませんが、山元の坑のありますところで貨車に積むところから買いまして、それから後の一切の責任取ります。山元から貨車に積むまでの責任公団にございません。
  30. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは何故こういう根掘り葉掘り承つておるかというと、一体公団ができて一手買取になり、一買販売になつてからの石炭というものは闇で公然と国内に販売されていた事実は、これは隠すことのできない点なんです。そういう点が一面においてあつて、一面において公団が値下りしたような場合に、公団に対して今度は山元で全部売つて来るといつたような事実が、これは明白に物語つておることになるんです。そういう点については、これはどの内閣でやつたとか、どの時代の経済安定本部なり、何なりで調査が不十分であつたからというよりか、そういう点が或いは歴代内閣の欠点かも知らんが、公団を作り、更に統制経済を行なつている上において重大なる欠陥と、それから政府の、或いは政府機関統制経済に対するところの熱意、努力というものが全然認められなかつたとしか解釈がつかないのです。そういうことはあつたかないか、幸い政府大官もおいでになるので、そういう点について御意見一つ承わりたい。
  31. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 御指摘のような点は私はあつたと思います。これは今おつしやられたように、これは公団が廃止されるという時になると、値が下るか上るかということは業者としては考えるでしようし、貯炭が相当多くて、公団が廃止されるというときには、新たに生産した石炭を売るのに困るのであろうというようなことは、当時の石炭業者考えておつたので、従つて普通ならばそう慌てて売らなくてもいい石炭を可なり最後に来て売つたという事実は私はあるのではないかと思います。これはそういうことになると、こちらの責任ということになりますが、そういう点も若干あつたのではないかと私は認めております。でその後の公団の問題についても、外の公団についても同様の事実が見られる形勢が最近ございますので、例えば鯨の油というようなものも持つて来て、ここで全部売りつけてしまおうというような考え方があるので、政府としては、政府が一手買取という統制をやつている以上、それを買わないというのはこれは理窟に合わないのです。幾ら持つて来ても……今までないといつて隠して置いたのも沢山出て来て、これを皆買えと言われても、政府としては本当に買うべき義務がある、けれども今までの配団公団その外のいろいろな経験に鑑みまして、将来値下りして政府が又この損を持つというようなことは今から避けなければならんということで、他の公団におきましても、理窟としては政府買控えというようなことで……こういう経験から、その外嚴重に今統制してやつておる次第でございまして配炭公団にはそういうことがあつたのではないかと思います。
  32. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 外の公団解散なんかについてもこういう例が恐らく出ると思うのです。これらにつけても統制経済を布いてある間は、やはりいわゆる監督官庁としても徹底的におやりにならなければこういう問題があとからあとから出ると思うのです。今お話の中に、統制経済中に一手買取なつた以上、どんなに多量の品物を持ち込まれても買わなければならん。これは当然なんです。ところが買わなくてはならないのだが、代金支払などが遅いために心ならずよそへ売るということも今まで、善意に解釈すればそういうことがあつたと思います。こういう点についてはまあやはり政府関係方面責任ということになるのですが、今でもまだ統制を布かれている重要物資取扱公団があると思いますが、これに対しては現在どういう方針で進んでおりますか。
  33. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 只今政務次官の方から申上げましたように、従来のいろいろな経験がございまするので、政府としては今後におきまする公団取扱物資につきましては、統制を外した後で大きく値下りをいたすというような時期まで統制解除を持ちませんで、見通しをつけまして輸入の状況でありまするとか、生産状況でありまするとか、そういうものの見通しを付けまして、むしろ早目にこれを買切るという方針でやつております。    〔委員長退席理事黒田英雄委員長席に着く〕  食料品公団飼料公団その他の公団が廃止に相成りましたのもそういうような見地からでございますし、残つております公団につきましても品目を着々整理しているわけであります。尚今後も引続き市場状況を見ながら、現在は暫くやるつもりでいるものも、或いは急にこれを解除しなければならんというような状況に相成るかと思いますが、それはそのときどきに従来のようなことを繰返さないようにやるつもりでいるのであります。
  34. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 速記を止めて。    〔速記中止
  35. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 速記を始めて。
  36. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私次官がお見えになつておりますから、一二点お伺いしたいのですが、昨日の朝の読売新聞に食糧公団の又不正事件が報道されております。あなたは御覧なつたかどうか知りませんが、いわゆる架空の旅費を作つてそれを給与に充てた。或いはいろいろ交際費に充てたとか、ああいうふうなことが頻発しておつて、事実公団に対する国民の疑惑というものは実に大きくなつているのですね。これに対して一体政府当局はどういうふうな監督をなさつているのか、或いはどこに監督責任があるのか、これも明確にこの際して置いて頂きたいと思います。
  37. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 油井さんの今のお尋ねは、公団ではないと思います。農林省の中の食糧事務所の関した問題であろうと思いますが、これはまだこちらの方は細かい報告を受けておりません。   —————————————
  38. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  39. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 速記を始めて下さい。配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案につきましては、慎重に審議が行われましたようでありますから、質疑を終了いたして直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは討論に移ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  41. 波多野鼎

    波多野鼎君 私はこの法案反対いたします。大体法案審議の過程においていろいろ損失が出て来たプロセスを研究いたしましたけれども、どうもはつきりしない。これ以上続けて参りますれば、又二ヶ月も三ヶ月も掛らなければ結論が出ないくらいに複雑怪奇なんです。その複雑怪奇な原因によつて生じた負担国民の血税によつて補うということはどうしても我々は忍びない。この法案が通らなければ利子負担が又それだけ嵩んで、それが国民負担になるということもあります。その利子負担がどれだけになるか、それは清算事務にする人達がどれだけの熱心さを以て未回收分回收に当るかどうかということにかかつておりますけれどもそれは別として、とにかく利子負担によつて国民に又損害を与えるという面の勿論あると思います。でありますが私はこういうふうに考える。もう少し事態をはつきりさせる期間を与えて貰いたい。そうして恐らく二ヶ月、三ヶ月後には臨時国会が開かれると思うのですが、その時まで待つて貰いたい。その間の利子負担はこれは止むを得ないと思います。事の真相を明らかにして国民納得さして、このくらいの負担ならば止むを得ないだろうというところまで行けば、二ヶ月や三ヶ月ぐらいの利子負担は、これは敢えて辞するところではないと思います。不明確のままこれだけの負担国民に負わせることよりもその方がいいと思います。そういう意味においてこの委員会においてこれを可決することには私は絶対反対を唱えるものでございます。
  42. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 民主党はこの法案に対しまして反対をするものであります。先程波田野委員からのお話がありましたが、私はやはり二つの点から見て、この法案は法文そのものは実に簡単であるけれども国民に与える負担というものは実に四十三億にも上つておる重大な、莫大なものであると考えるのであります。而もこの損失のよつて来たるところは、僅か半年くらいの間にその大半が生じたというふうな結果になつておるのであります。言葉を換えて申しますれば、現内閣が行なつておるところの統制経済より自由経済への推移に対しての、いわゆる方法、手段の失敗である、こういう結論にならざるを得ないと思うのであります。若し一手販売一手買取という建前から、公団が順調な経営を持続するならば決して損失の出るものではなく、却つて政府に対して或る程度剰余金が生まれるというふうなことは今までの例ではつきりしておるのであります。然るに拘わらずこの最近半年間ぐらいのとことで以て急激に赤字が生じたその原因の一つは、公団自体会計経理の面において甚だルーズな措置を採つておる。而も売上先に対しましては殆んど督促らしいことも長いことしていなかつた。一面から言えば払わなくてもいいのだというふうな観念を売上先に対して与えておるという点であります。この法案自体が通つた暁において尚更、そういう事態がいわゆる売掛金を生じておるところの需要者に起るのでないかと懸念されるのであります。即ちどうせ公団のものであるから、払わなくてもいいのだというふうな誤つた観念を与えるのではないか。この点が一番懸念される点であります。又政府統制経済の撤廃の仕方のしくじりと申しますのは、もう物価が相当下つておる、炭価も下つておるというふうな事態に立ち至つたならば速かにこの統制を外して、以て順当な炭価の減というものを見なくてはならないにも拘らず相当長い期間、物価は下りつつあるけれども、炭価は下りつつあるけれども、一手買取という法律山元から持ち込まれたものは何でもかんでも買つていた。その結果九月の解散当時においては莫大な数量を急激に引取らざるを得なくなつたという形が現れておるのであります。而も或いは検質検量というものも極めてルーズなものではないかと取沙汰されておるのであります。こういう点について検討すればするほど我々はこの法案を通すことに対しては反対せざるを得なくなるのであります。先程併しこの点は波田野委員より十分お話がございましたから省略いたしますが、やはり臨時国会等まで延ばしてもこの点につきましては飽くまで追及検討をいたしまして、以て国民に対して納得の行くところまで十分この国会の審議を尽すべきだと思うのであります。こういう点よりいたしましてこの法案に対して反対の意を表します。
  43. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 外に御意見はございませんか。(「賛成論を聴きたいですな」と呼ぶ者あり)他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものといたして直ちに採決に移ります。本案は衆議院において附則が修正になつております。配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案、衆議院の修正されました送付案の通り可決することに御賛成の方の御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  44. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 多数と認めます。よつて本案は多数を以て衆議院の送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、例によつて委員長にお委せ願いますことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 御異議ないと認めます。尚御賛成の方は御署名を願います。   多数意見者署名     西川甚五郎  玉屋 喜章     九鬼紋十郎  高橋龍太郎     高瀬荘太郎  藤井 丙午
  46. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) それではこれで散会いたします。    午後二時十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            油井賢太郎君            高瀬荘太郎君            高橋龍太郎君            藤井 丙午君   政府委員    大蔵政務次官  水田三喜男君    大蔵事務官    (主計局次長) 石原 周夫君    大蔵事務官    (主計局法規課    長)      佐藤 一郎君   説明員    配炭公団清算人 加藤 八郎君