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1950-05-01 第7回国会 参議院 大蔵委員会 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年五月一日(月曜日)    午前十一時十分開会   —————————————   本日の会議に付した事件相続税法の一部を改正する法律案  (参議院提出) ○つむぎ等の輸入税を免除する法律案  (衆議院提出) ○予算執行職員等責任に関する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○船主相互保險組合法案内閣提出・  衆議院送付) ○配炭公団損失金補てんのための交  付金等に関する法律案内閣提出・  衆議院送付) ○継続調査承認要求の件   —————————————
  2. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 只今より大蔵委員会開会いたします。本日は先ず相互税法の一部を改正する法案議題といたしましてご審議を願います。先ず発議者より提案理由説明を求めます。
  3. 北澤直吉

    衆議院議員北澤直吉君) 只今議題になりました、相互税法の一部を改正する法律案について提案理由説明申上げます。  「政治資金規正法第四條に規定する公職候補者選挙運動に関し贈與に因り取得した金銭で同法第二十八條規定による報告がなされたもの」は、現行相続税法にて課税価格に算入せず非課税となつているのでありますか、今回公職選挙法が施行せらるに当りまして、公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理などに関する法律により政治資金規正法中、第二十八條を含む第三章が全文削除せられ、これらの規定公職選挙法の中に吸収せられることになりましたにつきまして、このままにしておときはこの免税規定効力を失うことになるのであります。本法律案は、よつて相続税法中の関係條即ち第十二條第一項第六号の規定改めて、相続税免税規定の失効を避け、その効力を現在通りに存続せしめんとするものであります。  以上が本法律案提案理由であります。何とぞ御審議上速やかに御賛成あらんことをお願いいたします。   —————————————
  4. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 次につむぎ等の輸入税を免除する法立案議題に供します。発議者より提案理由説明を求めます。
  5. 北澤直吉

    衆議院議員北澤直吉君) 只今議題となりました、つむぎ等の輸入税を免除する法律案について提出理由を御説明いたします。  この法律案によつて輸入税を免除しようとする物品は、つむぎと上布でありましていずれも和服の生地に使用されるものであり、従来主ともて沖縄、大島等から雇せられたものでありますが、現行輸入税表によりますとこれら物品の大部分従価十割輸入税が課せられることとなつておりますので、現在ではその輸入は全然不可能な状態であると申しても過言ではないのであります。  よつて今回諸種の事情考慮いたしまして、昭和二十六年十二月三十一日まで、これら物品に対する輸入税を免除してその輸入を円滑にしたいと思うのであります。  以上が本法律案提出いたしました理由であります。何とぞ御審議上速かに御賛成あらんことを希望いたします。
  6. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を止めて下さい。    午前十一時二十分速記中止    ——————————    午前十一時四十四分速記開始
  7. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を始めて下さい。ではこれで暫時休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩    ——————————    午後二時二十一分開会
  8. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 休憩前に引続き大蔵委員会を開ます。委員外小林議員より発言を求められております。許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。小林勝馬君。
  10. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 私は現在重要雑貨輸出品製造業者保護育成に関して質問申上げたいと思います。現在喫煙用具玩具造花、こういうようなものの重要雑貨輸出品は、昭和二十四年度におきまして輸出総額が約八千万ドルを超えているような実情であります。我が国の総輸出額の十四%を占めている雑貨輸出品の中に、これらの占める割合は非常に大きな問題であると思うのでございます。而もこの主に輸出される向はドル地域向輸出されて、ドル貿易の面に重点な地位を占めている実情であります。然るこれらの製造業者は、いわゆる我が国の九十数パーセントを占めると言われているところの中小企業が最も多いのでありまして、この中小企業が現在困窮のどん底に陷ついていることは皆様御承知通りでございまして、これらの業者も非常に現在不安を来たしており、輸出事業に今後非常な影響を及ぼすのじやないかというふうにも考えられますし、これら業者国内的にも保護し輸出を育成する見地からいたしまして、かような製品の物品税に関して、これを至急に何らかの措置をとつて減税又は免税方向に持つて行くべきじやないか。一例を申しますならば、教育玩具乃至は造花、かようなものにつきましては、殆んど戰災者乃至は戰争未亡人が多数でありまして、教育見地からいたしましても、こういう未亡人の救済その他の問題からいたしましても、これに多額の物品税を課することは不適当だと考えるのであります。かような点からいたしまして政府はいかように今後方策をおとりになるか、先ず承りたいと思います。
  11. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 只今志場大蔵事務官説明員として参つておりますが、説明員から答弁を聽くことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。志場大蔵事務官
  13. 志場喜徳郎

    説明員志場喜徳郎君) 物品税につきましては、輸出されます物品に対しまして減税の手続をとつておりますことは御承知通りでございますが、昨年のシャウプ勧告におきまして、物品税体系が恒久的な税制の一環としまして合理性のあるものであるということになりまして、大体勧告の線に大筋は現状据置というようなことであつたのでありますが、今お話になりましたような極めて零細な企業から成立つている物品相当多くあります。争中に発展して来ました税金であることにも鑑みまして、政府におきましては二十四年の当初予算におきまして百億円程度減税を行いまして、二十五年の一月一日から実施している次第であります。尚納入期限の問題につきましては、現在の経済取引実情に鑑みまして一ケ年間これを延長いたしまして極力その実情に副うように努力いたしておる次第でございます。  更に将来の方向といたしましては、次第に減税の時期が参りますと同時に相当程度物品税を軽減いたしたいという考えは持つておるのでございまして、尚それまでに至る段階におきましても扱い等で行ける面におきましては、例えば花むしろ等におきまして、一定額ものを充たし得ないで実用的なものにつきましては、又輸出適格になりましたようなもので止むを得ず国内に転用しなければならないというような程度のものにつきましては、取敢ず課税の外に置くというような扱いをして参りたいというふうに存じておる次第であります。それらにおきましても物品は御承知通り種類が非常に多くございまして、物研相互間の税率のバランスということも極めて重要なことでございますけれども、一面徴税技術及び零細な企業税負担を負わせまいということを考慮いたしまして、免税点の大幅の引上げ乃至新設、或いは税收入といたしまして左程でもないような物品につきましては、極力それを合理化いたしまして、御趣旨のような点に副つて参ることが徐々にできるのじやないか、かように思う次第でございます。
  14. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 只今の御説明によりまして、大体二十五年度から百億円程度減税をする用意があるということでございました。私共非常に安心するような次第でございます。併し今お話のように零細中小企業が殆んど大部分を占めております、こういう玩具造花喫煙用具製造に当つておる実情からいたしまして、免税点引上げを早急に実施して頂きまして、かような零細な方々を何とかここで救済して頂きたいし、尚又この救済することが今後中小企業の発達に資するゆえんのものじやないか。先般池田大蔵大臣中小企業の一部の方は云々というようなことも言われておるのでありますけれども、現実におきまして我が国中小企業は殆んど零細企業が占めておるような状態でありまして、この我が国特殊性というものを特にお認め願つて、何らかの措置を適当に講じて頂きたい。今お言葉のように不適格品課税外にするというような問題もあり得ることでございますが、こういう点は現実に二十五年度から実施せられる御予定があるのかどうか承つておきたい。
  15. 志場喜徳郎

    説明員志場喜徳郎君) お答え申上げます。物品税輸出振興と申しまするか、中小企業対策と申しますか、この関係につきましては甚だ重大なる問題であると存ずるのであります。形式的には輸出されます物品に対しましては物品税を免除しておりまして、輸出の妨げは除去しているということでございますが、実際問題といたしまして、今おつしやつたような輸出適格品等国内への転用、或いは試作品等を先ず国内で消費してみる、こういうふうな点があるのでございまして、それには物品税が市場を狭める結果を招来する虞れがあるという点につきましては、正にその通りであると存じております。併しながら一面、物品税はそれ自体としましての合理性と申しまするか。論理性と申しまするようなものもありまする点と、只今中小企業対策なり輸出振興政策なりとのマツチの方法につきましては、可なり慎重に検討しなければならない問題であるかと思います。ただ申上げられますることは先程も申上げましたように、課税対象として一応の合理性に持つものでありましても、徴税技術等の点におきまして、非能率的であると考えらえまするものにつきましては、或る程度考慮が拂われるのじやないか、又実用品を課税から除外するという意味におきまする免税点については、社会生活実情なりその他いろいろの情勢を判断いたしまして、十分合理的に考える余地はあると思うのでございまするが、中小企業対策なり輸出振興のみの点で、非常に強力に物品税をその体系に持つて行くと申しますることは、言い易くてなかなか問題があると思いますが、愼重に研究をいたしたいと存じておる次第であります。  尚二十五年度におきまする実現の見通しでございまするが、何分にも予算が成立されたばかりでございまして、その他一般歳出歳入検討も必要なことでございまするので、只今直ちにどうこう乃至は将来のいつ頃からどうこうということにつきましては、目下のところ未だ確定的なものは申上げ段階至つてないことは御了承を願いたいと存ずる次第でありますが、そういう見通しが付き次第成るべく速かな機会におきまして、お説のような方向に行くべきことだけは申上げられるのじやないか、そう心得ております。
  16. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) もう一つ、私が申上げまでもなく現在の金詰りその他を打開して行くには、やはり輸出が重要な役割を占めていると思うのでございます。而もその輸出が、現在のところドル域に殆んど限られている現状であるのでございます。雑貨その他の輸出現状からいたしまして輸出振興を図ることが、いわゆる国の金詰りの打開に多少でも役立つのじやないかと私共考えられますので、この雑貨その他の物品税の減免と申しますかいろいろな措置によりまして、輸出振興を図り又この国内需要を起し、乃至は円滑にこの中小企業救済もできるのじやないか、こういうふうに考えられますので、何とか早急にこれの対策を樹てて頂いて実施せられんことをお願いする次第でございまして、その点につきましてでき得る範囲内の御答弁が願えれば仕合せと思います。
  17. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 只今の御質問に対しましては、やはり責任者から答弁して頂くことにいたしたいと思います。
  18. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 只今小林議員の御質問に対しましては、政府として十分に善処いたしたいと考えております。
  19. 木内四郎

    委員長木内四郎君) この際租税行政に関する調査承認要求書議長提出いたしたいと思うのでありますが、    租税行政に関する調査承諾要求書  事件の名称     租税行政に関する調査  調査の目的     税制改正に伴い徴税機関の運営を円滑、且つ効果的ならしむるため、必要な調査を行う。  利 益     租税行政の刷新を計るに寄與する。  方 法     関係官民から意見を聽取し、資料を蒐集し、且つ必要に応じて各地における実情調査する。  期 間     今期国会開会右委員会決議を経て、参議院規則第三十四條第二項により要求する。  この要求書提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。  尚本件に関して継続調査要求書提出いたしたいと思います。    継続調査要求書  調査事件     租税行政に関する調査  理 由     本委員会は右に関する調査を進めているが、この調査はその対象が広汎に亘り、相当長期間を必要とするのみならず、これを中断することは、調査上不利不便を来するので、閉会の場合においても継続して調査を行いたい。   右本委員会決議を経て、参議院規則第五十三條により、閉会の場合において尚右の調査を継続することを要求する。この継続調査要求書提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  22. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 尚金融政策並びに制度に関する調査は、昨年の十二月二十四日に委員会決議によつて継続せられておるのでありますけれども、調査はまだ完了しておりませんので、一応中間報告をして置きたいと思うのですが、読み上げます。    金融政策並びに制度に関する報告書  我が国経済の安定及び復興に資するため、昭和二十四年十二月二十四日委員会決議により、金融政策並びに制度に関する調査を行うこととなり、過日調査承認要求書議長提出しその承認を得た。委員会においては二月六日大蔵省銀行局長より金融行政一般について、二月十日、経済安定本部財政金融局長より昭和二十五年度総合資金計画について、それぞれ説明を聽取したが、その後税制改正法案、その他の重要法案審議に忙殺され、本件調査を実施する暇がなかつたので、引続き調査をなすこととし、取敢えず経過を報告する。  この調査報告書議長提出したいと思うのですが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。  尚本件に関しまして、更に継続調査要求書提出いたしたいと思います。    継続調査要求書  調査事件     金融政策並びに制度に関する調査  調査理由     本委員会は右に関する調査を進めているが、この調査はその対象が広汎に亘り、相当長期間を必要とするのみならず、これを中断することは、調査上不利不便を来すので、閉会の場合においても継続して調査を行いたい。  右本委員会決議を経て参議院規則第五十三條により閉会の場合において尚右の調査を継続することを要求する。  この要求書提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議なしと認めます。   —————————————
  25. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それではこの際配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案議題として審議を進めたいと思います。質疑のある方は御質疑願心たいと思います。
  26. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この配炭公団についてはいわゆる責任最終安定本部長官にあるというふうに考えられましたので、安定本部長官又は責任者出席要求をお願いしておいたのですが、今日はその点どういうふうになつておりますか。
  27. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 今すぐ参りますからそれからお願いいたします。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  28. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を取つて下さい。
  29. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 配炭公団解散については確かこの前通産委員会あたりでこの調査をした際、当時の責任者から配炭公団解散によつて生じるところの損害というものは、絶対あり得ないというようなことを言明されたという話を聞いたのです。それは速記録にも確か載つておるので今調査中なんですが、いわゆる繰越した剰余金で以て十分損害補いがつくので、将来清算に入つた場合に、国家に更に迷惑を掛けるというようなことはあり得ないと言明されたというのですが、そういう点についてその当時の事情、或いはここへ見えておる方々でもお分りの方があつたら御説明を願いたいと思います。
  30. 木内四郎

    委員長木内四郎君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  31. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を始めて下さい。油井君、安本の官房長平井君が来ておりますから。
  32. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この前から大臣を要求しておるのですが、まあそれでは大臣でなくても我々了承できるように解決がつくのなら結構ですから、どんどん質疑を続行して、若し大臣でなけれぱどうしても分らない場合には、改めて又出席方を要求する、私は外の委員分りません、そういうふうにいたしたいと思います。それでは質問を続けますけれども、先程申しましたように確か配炭公団がいわゆる解散される当時におきまして、最終滞貨というものは五百万トンか六百万トンあつたのです。その処理をするのに相当赤字が出るであろう、併しその赤字は先の繰越金か、剰余金があるのでそれで以て十分補いがつくから、改めて更にそれを補填するようなことは恐らく起きまいと、こういうようなことを通産委員会において言明されたそうなのです。それは私は通産委員会委員から聞いたのでして、速記録にも載つておるというので今調べておるのですが、今なかなか調査が捗つておりませんので、その当時の事情が若し官房長でもお分りなら、この際明確にその点をして頂きたい。
  33. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 配炭公団解散当時におきまして、その滞貨処理によつて赤字が出るかどうかということについて、通産当局から只今お述べになりましたような結論を申上げたということについては、私詳細承知心たしておりませんが、公団解散の当時におきまして、いわゆる粗物炭については売行が思はしくなかつたという事情はございましたが、当時安定計画の進行によつて石炭需給関係から現在ほど値が下るがどうか、こういうことについての見通しの問題に結局赤字の問題が帰着するのじやなかろうかというふうに考えられる次第でございます。
  34. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 併し苟くも政府側からこういうふうな赤字は後から生ずることはありえないという言明をされていて、その当時の委員会は了承しておつたのです。ところがこういうふうに赤字現実に出て来ますと、その間どうしてそういうふうな違いが出たかというと、今お話だと値下り相当きつかつたというふうに解釈できるのですが、値下りばかりではない、その外のこの赤字が生じた相当の原因があると思うのです。それについては、官房長としてはどんな工合に考えられておるか、又こういうふうな事態も起きない方法が考えられなかつたか、という点をお伺いいたします。
  35. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 当時の事情につきまして、石炭滞貨の問題或いはそれに遡りまして公団解散前におきまする石炭の買入状況、これらのことに関連して参ると思いますが、当時公団制度といたしましては生産された石炭は一手にこれを買取る、こういう性格にございましたために、生産されました石炭公団としてはこれを買取つて行くといことであつたわけであります。これが石炭状況から見ますと昨年度におきましてはその傑作が支障なく行われておつた。その後二十四年に入りまして石炭需給関係が逐次好転いたして参りまして粗物炭はけ方について公団制度の再検討が起つたわけであります。従つてこれ成るべく早く思い切つた措置を採るべきである、いつまでも公団制度を設けるということに関しましては、結局いわゆる滞貨処理ということに非常に困難を来たすのじやないかということから、当時といたしましては、産業界に取つては主食のような関係にあります石炭につきまして一部の極く例外的な銘柄炭を除いて全部価格統制配給統制を撤廃してしまう、こういう当時としては思い切つた措置を採つたわけでございまして、政府側といたしましては成るべく滞貨処理を容易ならしめるように、又引続いて帯化が増大しないまうに、昨年の七月でございましたが公団制度を外しましたようなわけでございまして、政府といたしましてはこの石炭滞貨から出る損失をできるだけ減すということにつきまして、当時といたしましては思い切つた措置を探つたと私は考えておる次第でございます。
  36. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますと思い切つた措置を採つて、結局こんなことにはならないというその当時のいわゆる予想であつたんですね。ところがまあ予想が外れたということになるんですが、予想が外れても、この公団から売つた先に対するところの代金回收がもつと早ければ、いわゆるこの赤字相当減少薄れておるんじやないかと思うんです。而もこの前の委員会で私共質問したときは、法律で以て石炭というものはクーポンを持つて来れば渡さなければならないことになつておる、たとえ代金回収が遅いような所或いは未回收相当溜つても、それは渡すのが原則だというふうな説明伺つたのです。そのためにこういう赤字が出てしまつたというようなふうにも私共聞いたんですが、あなたの解釈としては、やはりそういう所でもクーポンに対しては絶対的に渡さなくてはならないということなのですか。
  37. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) この問題は公団としての石炭配給業務というものが普通の商社が行いまする営業と違いまして、特に石炭配給を円滑にする需要者に対してのまあサービスといいますか、特に公共的な性格帶びた機関であるとかいうことから、一般商社が行いますような代金回収につきましても、やりにくかつた点が当然そこに出て参ると思うんです。これは政府の行いますいわゆる政府機関石炭配給を担当しておる、こういう点から、成るべく需要家に対して石炭配給上、政府機関その他に支障が起らんように、こういうことを公団としては第一の念願としておるわけであります。但し公団石炭配給上におきましても、代金回收ということは、公団政府機関でありましても、一つ経済事業を行なつておりますのでありますので、特に代金回收については注意をいたして行かなければならないわけでございまして、代金回收につきましては政府といたしましても、電力鉄鋼或いは肥料、そういう部門について特にその産業側における資金逼迫等について代金回收ができにくいという場合においては、或いはその産業に対する融資ということがその産業運営上必要な場合におきまして、はその斡旋をいたすとかいうような点で、代金回収がスムースになるように全般的な考慮を拂つてきたわけであります。又公団といたしましてはこれは通産省から或いはもう御説明があつたと思いまするが、公団代金徴收につきましても、配炭公団におきましても確か期限を切りまして回收を急ぎ、若し代金未拂の向きには石炭の事後の配給を差止めるというような措置も採らしめたように記憶いたしておるわけであります。ただ法律的な問題から申しますれば、物の売買でございますから、政府機関が行います場合にも代金徴收ということが第一の問題になりまするが、一般的な問題といたしまして当時の石炭需給逼迫というような面から見まして、成るべく重要産業における生産というものを維持せしめる、こういう点に政府としても公団としても相当配慮をいたしたという点はあるわけであります。一面又代金回收につきましては、重要産業におきます資金繰の逼迫の緩和であるとか、或いは個々の代金徴收につきましても今月申上げましたような措置をいたしておる、かように記憶いたしておる次第であります。
  38. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますとこの前通産省政府委員説明とあなたの説明では、そこに根本的の狂いが出ておるのですね。いわゆる通産省側としては、公団は、クーポンを持つて来たらぱ代金の未回收というようなことには関係せずに引渡さなくてはならないので、引渡してあるというような説明を受けておるんです。ところがあなたの説でいうと、クーポンを持つて来てもそれが代金が未回収の場合には渡してはならんというような指令をしたというようなお話なんでおります。大分食い違いがあるのですね。それはどういうふうになつておるのですか。
  39. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 通産省から当時の事情について御説明があつたと思いますが、五月頃公団といたしましては非常的な措置を採つたわけでございます。それにつきましても需要家としては非常な反対の空気が強かつたのでありますが、代金回收を促進いたしますためにそういう非常措置を採つたのでございまして、当時の石炭需給関係、及び切符制を布いております関係上、割当証明書の提示を受けをした場合には、これと引換に石炭配給しなければいけない、こういう規定もございましたし、当時の事情としてはそういうことで行なつて来た、かように実は考えておるのでありまして、通産省といたしましても昨年の五月程度にはそういう措置を取つておるわけでございます。
  40. 木内四郎

    委員長木内四郎君) この際お諮りいたします。配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案に対する質疑に一時保留いたしまして、相続税法の一部を改正する法律案議題として審議をいたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
  42. 木内四郎

    委員長木内四郎君) よつて相続税法一部を改正する法律案議題といたします。本案につきましてはすでに熱心な御質疑を重ねて参られましたので、質疑を終了したものと認めて直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて直ちに討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて直ちに採決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶあり〕
  44. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて相続税法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  45. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて相続税法の一部を改正する法律案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。例により御署名願います。  多数意見者署名    波多野 鼎  黒田 英雄    伊藤 保平  九鬼紋十郎    森下 政二  玉屋 喜章    西川甚五郎  平沼彌太郎    油井賢太郎  小宮山常吉   —————————————
  46. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 次につむぎ等の輸入税を免除する法律案議題といたします。本案につきましてもすでに愼重審議を重ねられたのでありまするが、すでに質疑は終了したものと認めて直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて直ちに採決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつてつむぎ等の輸入税を免除する法律案の採決を行います。本法案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  49. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 全会一致と認めます。よつてつむぎ等の輸入税を免除する法律案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。例により順次御署名願います。   多数意見者署名    波多野 鼎  黒田 英雄    伊藤 保平  九鬼紋十郎    森下 政一  玉屋 喜章    西川甚五郎  平沼彌太郎    油井賢太郎  小宮山常吉   —————————————
  50. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 次に予算執行職員等責任に関する法律案議題といたします。本案につきましてもすでに熱心な質疑を継続されたのでありますが、すでに質疑は終了したものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  52. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 討論じやありませんがね。修正が出ていましよう。
  53. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それはあとか ら言います。  別に御発言がなければ討論は終局したものと認めて直ちに採決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて予算執行職員等本案につきましては衆議院において修正議決されて本院に送付されて参りました。衆議院の送付案通り賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  55. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて予算執行職員等責任に関する法律案は全会一致を以て衆議送付案通り可決すべきものと決定いたしました。例により順次御署名願います。   多数意見者署名    波多野 鼎  黒田 英雄    伊藤 保平  九鬼紋十郎    森下 政一  玉屋 喜章    西川甚五郎  平沼彌太郎    油井賢太郎  小宮山常吉
  56. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 次に船主相互保險組合法案議題といたします。本案につきましても連日愼重審議を重ねられたのでありますがすでに質疑は終了したものと認めて直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて討論に入ります。御意見のある方に賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて直ちに採決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて船主相互保險組合法案の採決を行います。本案に賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  59. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて船主相互保險組合法案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。それでは例により順次御署名願います。   多数意見者署名    波多野 鼎  黒田 英雄    伊藤 保平  九鬼紋十郎    森下 政一  玉屋 喜章    西川甚五郎  平沼彌太郎    油井賢太郎  小宮山常吉   —————————————
  60. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 次に配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案議題といたします。質疑を御継続願います。
  61. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 質問を続行いたしますが、結局こういうような事態ができているということの最終責任というのは安本にあるのですか、それとも通産省にあるのですか。その監督機関ですね、その点一応明瞭にして頂きたいと思います。
  62. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 公団の監督につきましては御承知のように「経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続に従い、」という字句が第一條でありましたが、公団の運営に関しまして入つているわけでございます。これを具体的に安定本部及び各省という面で分けで考えてみますると、結論的に申上げますと、事業計画或いは予算決算の認可は安定本部の認可事項になつておりまする通常の業務の運営につきましてはそれぞれの省が運営しておるわけであります。尚石炭配給計画、或いは需要者に対する割当計画というような需給関係に関しまする事項は、安定本部がこれを決定いたしまして、各省が石炭の例で申しますと、石炭に関しまする産業別の割当は安定本部がこれを測定いたします。これを石炭需要する官庁に流すわけであります。通産省といたしますれば、通産省の所管の事業に対する石炭の割当を通産省に連絡します。それから農林関係需給でありますれば農林省、専売事業につきましては大蔵省というように、需要産業を所管する官庁に産業別の割当を流します。更に工場別の割当は需要産業を所管する官庁において企業別の割当をいたすわけであります。それがここに廻つて来るわけであります。第一申上げました産業別の割当計画というものが通産省に参りますればそれに基づきまして、公団におきまして石炭の供給面の計画を設定するわけであります。その計画に基きまして公団需要家の準備をいたしまして出て来ました切符と引換に行うということになるわけでありまして、需給計画の面におきましては、産業別の需給関係というものを安本が設定いたしまして、その実施の段階においては供給官庁及び需要官庁において、それぞれの計画を立てて参るわけであります。  大体監督関係を大ざつぱに申上げますとそういうことになります。
  63. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますといわゆる代金回收関係責任ということはちよつとさつき聞き漏らしましたが、もう一度あなたの方の御意見を伺いたいと思います。
  64. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 日常の代金回收に関しまする業務につきましては、公団が直接監督いたすわけであります。それが決算に現れまして、結局、決算の認可という段階に入りまして、
  65. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 五月頃に代金の拂われないものに対しては、木炭を渡さなくてもいいという指令をあなたの方でお出しになつたというのですが、そうしますとそれから後は公団においては絶対にあなたの方の指令通りに動いたかどうか。これは公団の方がおられる
  66. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) その関係につきまして、通産省なり公団側から御説明をお聽取り願いたいのでありまして、私共が公団回收につきまして承知いたしましたところを申上げたわけであります。特に代金回收については通産省公団においても非常に努力いたしたわけでございまして、当時の公団代金回收は切符制度及び公団が一手に石炭を供給しております関係上、一時的な代金の焦げ着きということが直ちに石炭の供給をストツプしてしまうことについては、これが多数の商社配給をしておる場合には勿論他の業者から買入れるということも可能でありますが、一元的な配給機関が代金の一時的な焦げ着きを理由石炭配給を差止めるということは、一面又別の意味から非常な悪例と申しますか影響を持つて参りますので、その点につきましては相当愼重に扱つて参りましたのでありますが、当時の需給状況に照しまして特に石炭代金回收措置通産省として講じた、かように承知しております。
  67. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それに関連して、四年の五月頃に安定本部で出したという指令の詳しいことを一つ本文を見せて下さい。
  68. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) これは通産省がその石炭需給から見まして、当時の資源庁から公団の方にそういう通達をいたしました。安本から指令を出しましてそういう措置をとつたという関係ではございません。従いまして安本からそれに関しまして書面の通牒というものはなかつたと、かように考えております。
  69. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今のに関連して、資源庁の人は今日来ている筈なんですが、資源庁なり並びに通産省当局から、今の件に関してはできるだけ詳細に一つ懇切丁寧に御説明を願いたいです。
  70. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 只今資源庁の炭改局長が他の委員会に参つておりますので呼んで参りますから暫くお待ちを願います。
  71. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 あの通産省当局はいるのじやないですか、資源庁の外に関係した官庁側からは。
  72. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 資源庁は通産省の資源庁です。
  73. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 関連したのは資源庁だけですが。
  74. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 石炭を取扱つているのは資源庁です。
  75. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 公団の人は今日見えておりますね。そうしますと今先程平井政府委員から言われた五月頃、代金が拂われないうちは石炭は渡さないということになつたというのですが、その前後の状況を御説明願いたいのであります。
  76. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 配炭公団生産事務所経理局次長岡野賢司君を、政府委員じやありませんが、説明員として説明させることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 木内四郎

    委員長木内四郎君) では岡野賢司君。
  78. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 只今質問になりました配炭公団では、その指示によつてつてつたかという点でございますが、その通りつて参りまして、その効果は数字の上にはつきり現われておると思うのでございます。二十四年四月頃までは一ケ月の荷渡高よりも回收高が少かつためでありますが、この措置が段々効果が挙つて来たと見られる五月の下旬からは、一ケ月の荷渡高よりもその月の回收高の方が殖えたという数字が現われておるのであります。要するに四月の下旬の指示でありますが、それを各支部に流して実行に移すという事務的の時間のずれはございますが、そういうものは効果が挙つております。
  79. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の説明で大体その当時は了承できるのですけれども、一ケ月の荷渡高の金額はどのくらいの平均になつておりますか。
  80. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 大体解散時から逆に申上げますと、二十四年八月が約六十五億、同七月六十一億、同六月七十五億、同五月約七十五億、同四月八十億、こういう数字を示しております。
  81. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうすると解散時の売掛金一覧表のバランスというものは百九十億になつておるのですね、解散時のあなたの方から出した資料でですね。そうすると大体二月半ぐらいの平均のこれは残高になつておるのですな。而もこれは全体に対して恐らくこういうふうにに売掛金が残つたのでなくて、或いはキヤツシユ・オン・デリヴアリーというような主のも相当つたと思うのですね。そうするとこれは少くとも三ケ月ぐらい延納に順々こうなつ来ておるように見えるのですが、その点はそんなことに了解していいですか。
  82. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 総額におきましては仰せのような結果になつております。併し私達が考えますのは、特に九月において回收が悪かつたのでありますが丁これは八月十六日から販売機構が変りまして、需要家の方から見ればまあ公団に少し待つて貰うよりも、今後公団から買うのじやなくて別な販売業者から買うのだから、そつちの方へ金拂をよくして安く買おうというふうな気持もあつたのじやないかというふうなことはよく言われておりますが、若干そういうふうなこともあつたと思いますし、数字の上から言いますと仰せのような結果を示しております。
  83. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 どうも今の回答では大体四月あたりが八十億で、少しずつ段々減つて、後で八月になつて六十五億なんですね、その減少というものは大した減少じやないのです。そういうのも多少はあつた程度であつて、そのために一遍に九月になつてから売掛金が増加したとはこれは解釈できないですね。それでこういうことをお聞きしているのはどういうわけかというと、果してどの程度まで熱意を以て、公団の方でも代金回收に当つてつたかという点を十分に聞いておきたいと思つております。それで見ると、これを今までのお話ではまあ荷物はどんどんやつて代金回收はあまり積極的にやつてないというふうにしか見られないのです。結局は政府機関としてこういうふうな厖大な而も重要物資を扱つていながら、ただ渡しさえすればもうあとはどうでもいいというような非常にルーズな考えで仕事をしておる関係上、こんなことになりはしいないかというふうにしか見えないのです。もつと更に掘下げて見るというと、それをよいことにして業者の側においても、公団から買つた物は金なんかどうでもよいのだ、これはあらゆる公団に通弊の事態なんです。配炭公団でもその点ははつきり現われておる。そういうようないわゆる仕事の仕振りであつて、結局今日のような赤字の原因を生じたとしか我々考えられない。これに対しては、その当時如何なる対策をお採りになつておりたのですか。それともそれは係が違うからお分りにならないと言うなら、その係りに来て貰いましてその点を明確にされたい。
  84. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 代金回收はどうでもよいのだというふうにやつてつたのではないのでありまして、いろいろ回收に苦心はいたして参つたのであります。そのためには配炭公団の機構も一部変えまして、段々売掛金が溜つて来る、これはいろいろな原因があるのでありますが、要するに売掛金の回收が悪くなつて参りますので、これではいけないということで、先程平井政府委員からお話がありましたように、全般的な需要家産業の方に金繰りをつけるというようなことにつきましては、公団としても側面的に各関係官庁にお願いしたりやつて参りましたし、その外いわゆる強行措置と申されておりますが、確認書を取り付けたり、或いは内容証明で意思を明らかにしたり、公正証書を付けたり、起訴前の和解というような専門家を多勢使いまして、一生懸命やつておりますが、一般金詰りその他で予算上では大体そういうような数字が出たのであります。
  85. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 毎月の荷渡高、この数字を聞きましたが、同じ月の回收高を……
  86. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 二十四年四月が約六十九億、五月八千億、六月八十三億、七月八十七億、八月七十八億、こういうような数字を示しております。  尚先程ちよつと申し落しましたが、九月の十五日まで公団が扱つておりますその売上が五十五億、それに対する九月中の回收が二十七億、こうなつておりまして、解散時の百九十億の額は只今の売上総額からいいますと多い数字になつておりますが、これは前々からの回收の残がここに計上されておる、こういうことになつております。
  87. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 今の荷渡高と回收高の数字を大体申しますと、百九十億という数字は昨年の四月以前にできた数字ですね。
  88. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) そうでもない、のであります。大体百九十億以上未回收の残がありました月が尻から申しますと、二十四年の六月、同じく五月、同じく四月、こういうことになつております。
  89. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 だからこの百九十億という未回收分ができたのは、もうすでに四月にも百九十億という未回收分ができておるとりことなんですね。
  90. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) そうでございます。その代り四月には荷渡しが相当殖えております。
  91. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうしますと甚だおかしいのです。五月か、四月か何かに、資源庁から石炭を渡す場合に、代金回收の困難な所に渡すなという、その成文を今見せて貰いたいと思いますが、どうも原因が分らないのですが、そういう趣旨のものを出されておるというところから見ると、もうすでにこの頃においてこれは未回收が大変なんだという予感が十分しておつたわけですね。それはそうでしよう。
  92. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) そういうことです。
  93. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 予感がしておりながらあなたの方ではどんどん又渡していつておる。五月が七十三億ですか、六月が七十五億ですか、どんどん渡していつておるところを見ると、その五月に出した指令なるものの意味が私にはよく分らない。だからその指令の成文を見せて呉れと私は言つているのです。
  94. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 資源庁でございますが、私の方からその辺の事情ちよつと申上げますと、四月以後貯炭が大分溜まりまして、而も片一方で売掛金も溜まつておる売掛金の回收をそのままにしながら渡しておるということにつきまして矛盾を感じまして、公団の方がら四月の十二日付で、これは政府資金が今要るものでありますから伺いを立てて来ております。それに対しまして配炭公団のような一手販売機関が割当証明書を持つて来た場合に、たとえ売掛金があろうとなかろうと、これを拒否するということはできるかどうかという点につきましていろいろ疑問もありましたのでありますが、この申請によりまして各方面と交渉いたしまして、研究の結果、とにかく非常措置としてこういうこともやむを得ないだろうということで、十日程あとの四月の二十二日に配炭局長の名で公団総裁の申請通り実施するというような返事を出しております。従つてこの内容はすでに公団から伺いを立てたものがそのまま呑まれたというわけでありまして、その内容を申上げますと、一ケ月未満の延滞金を持つておる……
  95. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 早くて分りません。もつとゆつくりやつて下さい。
  96. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 一ケ月薦の延滞金がある需要家に対しましては、取敢ず当分の間従来通りの荷渡しをする、それが一ケ月以上になりました場合には、その後は現金引換でなければ渡さない。第二に一ケ月以上三ケ月未満延滞金がある需要家に対しましては、その延帶金の二割以上を月初めの公団の指定する日に支拂わなければ荷渡を停止する。それから第三には二ケ月以上の延滞金のあるものに対しましての三ケ月を超える延滞金を公団の指定する期日に支拂わないと荷渡を停止する。大体こういつたような内容の申請がありましてこれをそのまま実施するように返事したのであります。その効果が特別に大きく出て参つておらないのも事実でございますが、これは御承知通り売掛金の大口な所が日発でありますとか、日鉄でありますとか、こういうふうな極めて重要なる産業であつて、これを強行的に回收するということも事実上不可能であり、而も又こういう所へ配炭を停止することが、発電を停止し或いは熔鉱炉を止めるというような結果に立至る虞れがありますものですから、そういう大口のものに対しては依然として配炭を続けざるを得ない状況にあります。これが大きな金額がこういう措置をととりましても減らなかつたというような事情になつております。
  97. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうすると一覧表を見ますと、売掛金の鉱工品貿易公団の方は十三億近くも焦げつきのままになつておるのですね。これは一体どういう意味なんですか。大分長いことですよ。つまり九月の解散当時のバランスと一月三十日のバランスで、殆んど減つていないのじやないか。同じ金額ですね、バランスが。
  98. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 鉱工品貿易公団の分につきましては、これは貿易会計と関連いたすのでありますが、これは相手が公団でもございまするし、一般政府機関以外のものとは若干趣きが……、両者の間に債権債務の関係もございますし、それを公的な性格という点から勘案いたしまして、引続いてやるということに相成つております。
  99. 森下政一

    ○森下政一君 そこで私は最後にお尋ねしたいのですが、売掛金のどうしても回收不能というものが約十六億六百万円というものを予想しておられるのですが、それは一体どれとどれとでそういう金額になるのだということを知らしてほしい。これはこの前から何遍もお尋ねしておるのだが。
  100. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 先日のこの委員会の席上で清算人からも申上げたと思いますが、お配りいたしました資料で売掛金回収見込み額算出の資料がございます。それでその表に載せましたように、回収困難な理由という理由別の内訳を一応計上いたした次第でございますが、只今これの相手先別と申しますか、相手の会社或いは個人の名前の内訳につきましては、一生懸命回収中でちよつと個人名で全部挙げるということは差支える面もありますので、先日この程度の資料で御了承願いたいというふうに精算人からお願いしたのでありますが、用意はしてございます。大体この表の内訳でありますが、この程度に分類いたしました相手先のものは公団としては用意してございますが、若し御覧になるということでありますれば、いろいろ差しさわりがありますので秘密会なり何なりでご覧願えれば甚だ結構だと思います。
  101. 森下政一

    ○森下政一君 それはこういうことなんですか、そうすると十六億六百万円というものを大体回収不能のものとして見ておられるのですが、それからまだその中に回収可能のものがあるかも知れんというお見込があるのですか。
  102. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 現在相当数の弁護士を煩わしまして、いろいろ相手によつて訴訟したりまあいろいろでやつておるわけでありますが、今或いは駄目に言なるのではないかと思つている先も若干入りて来るような点もありますし、又これならば貸倒れにならんかというようなところもいくらか出るかも知れません。そういう点が、進行中なものでありますから細かい金額まではちよつと押さえ切れないのでありますから、予算上では御覧のように二十四億の中から十六億に圧縮したい、こういう数字であります。
  103. 森下政一

    ○森下政一君 私非常に心配しますことは、この公団が廃止になるのだというふうなことなると、公団に対して債務を持つておるものが解散ということに便乗して、一緒に何とかしてくれるだろうというようなことで公団に負担をかけてしまう、非常に図太いような債務者もあるのではないかと考えます。あなた方の方ではできるだけ回收しようというわけだから、相手先の個人の名前を発表して回収ちよつと支障を来すようなにとかあつては困る、これは御尤もだとも思いますが、国民の側から見ると、そういう不心得な、回收不能だという目に会わせて公団に、そうして国民の負担において尻拭きをさそうというような図太いやつは一体誰か知りたいよいうのは当り前じやないかと思うだから若し公開を揮かるとおつしやるならば、それも御尤もと思いますから、祕密会でも何でもいい、資料をずつと回覧させて貰つて見たいものだと思う。どうですか。(「異議なし」「その通り」と呼ぶ者あり)
  104. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 森下委員のおつしやいますようにどういう口かということを申上げることには、森下委員の申さるような意味もあると思いますが、先程からずつと公団側から申上げ、先日清算人から申上げておるように、この中におきましてもできるだけ取立てを行なつて十六億の金額をできるだけ減らそうと考えておりますので、今森下委員の申しましたような、非常に不と届申しまししたが、国民の税金におけるところの負担を掛けた人間というものは、これは配炭公団の清算の方といたしまして、非常にしつかりと細目的なあれを行いますので、その結果によつて御覧を願うことができますれば大変いいと思います。
  105. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それは十六億というものを予算に突込むというのでしよう。その中でまだ取れるものが出来るかも知れない、それはよく分る。併し絶対駄目だというやつがある。十億なり十二億なり、さじを投げておるもの、それくらいは出したつていいいでしよう。
  106. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 配付申上げております資料の中に合計二十四億とあります中で絶対回収不可能な見込のものもありますが、これにつきましては或いは申上げられるかも知れませんがそれ以外につきましてはまだ可能性が残つておりますので、尚努力の余地が相当に存するということを御了承願いたいと思います。
  107. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 回収不可能という先を示すことはどうしていけないのです。金融上の信用とかいう問題じやないでしよう。ちよ速記を止めい下さい。    〔速記中止
  108. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を始めて下さいちよつと議長からの御通達で地方税法案が討論に入りましたので、各委員会休憩にして貰いたいということですから。(「今の問題が片付いてから」と呼ぶ者あり)
  109. 森下政一

    ○森下政一君 それじやもう一つ私あなたに確めておきますがこれは国会が反対したらどうなるのですか。
  110. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 四十三億円の支出が不能と相成りますので、予算の金額には、載つておりますが、実際の支出が不可能でありますので、いろいろな結果が起りますが、先ず簡単に見ますと一ケ月いたしますと約三千万円程度の利子が殖える。従いまして一ケ月遅れれば三千万円ずつこの計算に見ましたものに比べまして赤字が殖えて参ります。この四十三億につきましては何月に幾ら貰うという一定の計算がございまして、それに対しすまる債務の償還というものがございますから、それが例えば今問題になつております。十六億にいたしましても、十六億の赤字でなくて十四億とか十三億とかいう限りにおきまして、若干の計算の狂いが出るわけであります。平し全体で申上げますれば四十三億の償還が不可能であるということは、これは銀行に対しまする認証手形が落ちませんので、引続き利子を拂わなければならないという結果が出て参ります。銀行の方の認証手形は、現在確か六十億内外だつたと思います。残高が。これにつきましては従来から銀行の方にいろいろ事情を話しまして、できるだけ早く政府からの交付金を貰つて支拂うからということで延ばして貰つておるのでありますが、なかんずく先日来清算事務所から申上げておりますように、未收金の催促というような場合におきまして、市中銀行に相当働いて貰いまして、その代り認手はできるだけ落して呉れ……。そういう点でいろいろ銀行側との間に問題がある。差当つて私共財政面から考えておりますことは、この法律がこの国会において成立いたしません場合においては、損失の金額が少くともそれだけ殖えて来るということになります。
  111. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私はこの数字に非常な百億も間違つておる点を発見しているのですが、これを説明して頂きたいと思います。
  112. 木内四郎

    委員長木内四郎君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記心止〕
  113. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を始めて下さい。
  114. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 実は先程公団の方が四月から九月までの売上額を毎月述べた。その、トータルは大体四百十億になつておる。ところが二十四年度の前期の損益計算書という、まあ仮の計算書でしようが、これには売掛残高として石炭だけでも五百十六億。それでコークス亜炭を入れる五百四十九億。そうすると先程の勢お話の売上高とはここで百四十億も違つておる。こういうでたらめな資料をよこされてもこ、れはどれが本当だか分らないということになる。これは調べて、もう一遍正確に先程の売上高に対しても正確なものを出すとか、損益計算書が違うということを申上げて置いて後程明確にされたい。
  115. 岡野賢司

    説明員(岡野賢司君) 実は先程申上げましたのは二十四年四月から解散時までの販売並びに回収高、これを申上げたのであります。二十二年かずつと売掛の残というものは毎期々々繰越しておりまするから、そういう関係で違つておるのであります。
  116. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうではないでしよう。二十四年度の前期の損益計算書で売上総額というのがある。売上総額というのは別に前の売上高の掛けの分が残つておる。こういうことではないでしよう。これは売上の総額が石炭が幾ら幾らであるというようになつておる。その間にあなたのさつきの説明と大分違うところがある。
  117. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それではその点は調査の上次回に御答弁願います。本日はこの程度で散会いたします。    午後三時五十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            油井賢太郎君            小宮山常吉君   委員外議員            小林 勝馬君   衆議院議員            北澤 直吉君   政府委員    大蔵事務官    (主計局次長) 石原 周夫君    経済安定事務官    (総裁官房長) 平井富三郎君    通商産業事務官    (資源庁炭政局    長)      中島 征帆君   説明員    大蔵事務官    (主税局税制    課)      志場喜徳郎君    配炭公団清算事   務所経理局次長  岡野 賢司君