○森下政一君 そこで、
只今の御
説明でよく了承したのですが、
一般産業が旧軍用財産の讓渡を受けるというときには割引の恩典に浴することができない。これはこの
法律が出ても割引がして貰えない。ただ確実な担保を提供して、利息を拂
つて十年以内の延納は認めて貰うことができる、こういうのですね。そういうことなんですね。そこで十年の延納が認めて貰えるということだけで
一般企業がこれらの
軍港都市に集ま
つて来るということだと、提案者の希望は達成し得ることができると私は思うのでありますが、どうもそれだけでは産業の採算が成立たんというふうなことで、多少でも割引をしてあげんことには産業融資という目的を達成できんのではないかということを私は惧れる。憂慮するのです。そうしてこの
法律の目的は非常にいいことだと思うから賛成したいんだが、これだけで一体提案者の素志を満足に具体化されることができるであろうかという点を多少私は憂慮される向きがあると思う。そこで前回の
委員会でもそのことを質したところが、提案者から、その点は甚だ不満だという話もあ
つた。そこでもう一つ中野君に私は確めますがね。今度提案されております
法律案の第四條第二項に「前項に定める外、国は、旧軍用財産を旧
軍港市転換計画の実現に寄與するように有効適切に処理しなければならない。」とある。これは国が或る意味において義務付けられておるわけですね。こういうことが一つあるということを念頭に置いておいて今度は第六條を見ると、第六條では「旧軍用財産の処理及び普通財産の讓渡に関し、その相手方、」例えば甲産業
株式会社に讓渡するか、乙産業
株式会社に讓渡するか、その相手方の決定、それから旧軍用財産の中でどれとどれをその希望者に讓渡するかという財産の
範囲、いくらの価額で讓渡するかという価額、或いは何年延納の期限を認めるかということを決定するために、決定権は
大蔵大臣が持
つておると思いますが、その諮問に応えるためにここに審議
機関というものが設けられることにな
つておる。そこで仮に讓渡価額を決定する時に、先刻局長の
説明で適正な時価というものを決めるのだというお話だが、その時期を決める時にこれらの旧
軍港都市の中に有望な産業を吸收することができるように、吸收し得せしめる目的を以て、仮に時価の……時価と考えられるものから五割くらいを引いた値段で讓渡価額を決定する、決定すべきだと、仮に大臣の諮問
機関である審議
機関が考える、そうして満場一致でさよう決定をする、そうした時に、
大蔵大臣はその決定を尊重してその讓渡価格を以て讓渡するということを決定する、それは適正な時価より遙かに安いじやないか、こういうことがあ
つても、第四條の第二項によ
つて「国は、旧軍用財産を旧
軍港市転換計画の実現に寄與するように有効適切に処理しなければならない。」という義務を負うておる場合になるのだから、これは最も有効適切なる措置方策なんだ、こう言
つて第四條第二項に引掛けてその審議
機関の決定を
大蔵大臣がそのまま採択して処分をするということがあ
つても咎められる筋合ではないというふうに解釈できるか。これはどうですか。