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1950-03-01 第7回国会 参議院 大蔵委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年三月一日(水曜日) 午後二時十一分開会 ————————————— 本日の会議に付した事件 ○
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
物資
の
割当
に関する
手数料等
の
徴收
に関する
法律
を廃止する
法律案
(内 閣
提出
、
衆議院送付
) ○
失業保險険特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、衆議院送 付) —————————————
黒田英雄
1
○理事(
黒田英雄
君) これより
大蔵委員会
を開会いたします。本日は先ず
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
として御
審議
を願います。御
質疑
のおありのお方はお願いいたします。
西川甚五郎
2
○
西川甚五郎
君 株につきましては、昨年の暮から
大分増嵩
がありますが、これについて、
大蔵当局
並びに
証券取引委員会
、或いは
日銀あたり
でもいろいろ真剣にや
つて
おられますが、その
効果
が今日まで現れておらない。勿論この
株価
は、
戰後
は戰前と
違つて
、株主というものが大衆化して、
安定性
が欠けておるというのでありまするから、そう
簡單
なあやふやな
対策
では、どうしてもこの
株価
の維持というものは不可能である。こう私は考えます。それにつきまして、
大蔵当局
は今後どういうような
方針
でこの
対策
をやられるかということを一応承りたいと思います。
湯地謹爾郎
3
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) この問題は非常に大きな問題で、
大蔵大臣
が出まして御答弁された方が適当であろうと思いますが、一応我々の考えておること、或いは今までや
つて
来たことを
簡單
に申上げて御参考にいたしたいと思います。御
承知
の
通り
、現在の
株価
というものが非常に
惡い
ということは、例えば
昭和
二十一年の八月を百といたしました
指数
で見てみますと、
終戰後二
十二年、二十三年と大体これは
貨幣価値
の問題とも関連いたしていると思いますが、段々中垣的には
上つて参
つて
おりまして、
指数
的に申しますと、二十四年の五月七百という
指数
を示して、これが
最高
にな
つて
おりまして、それから幾らか
下り気味
で、又九月に少しく回復いたしましたが、九月からは段々
株価
が下
つて参
りまして、昨年中におきましては、十二月十四日というのが、これは一番低い時でありました。その十二月から更に本年の一月に入りましても平均的には更に下
つて参
りまして、一月にはその
指数
で二百八十という
指数
で、これは
最高
の時に比べて半分以下、四割位にな
つて
いる、こういうような数字に相成
つて
おります。尤も二月に入りまして、幾らか回復して参
つて
おりまするが、この
株価
が
低落
の
原因
につきまして、我我といたしましてはやはり何と
言つて
も
株式
の数が多過ぎた。株もたれが一番の
原因
であると、こういうふうに考えておるのでありまして、例えばその例といたしましても、
昭和
二十四年末で、大体
株式会社
の
資本金
が千九百幾ら、約二千億に
ちよ
つと欠ける
程度
でありまするが、この二十四年中に
発行
された
株式
が八百二十億、二十三年で四百億というふうに、それが二十二年、二十一年を入れまして
終戰後
、千三百二十億の
発行
があ
つた
わけであります。その外に御
承知
の
通り財閥解体
、或いは
閉鎖機関等
の
株式
の
売出し
、並びに
財産税等
の物納に
なつ
た株を
証券処理調整協議会
というところで出しておりまするが、これの
売出額
が百二十億に上
つて
おります。合計千四百五十億ばかりが、二十一、二十二、二十三、二十四とこう出ておりまして、二十四年末の
株式会社
の
拂込総額
、千九百億に対しまして、千四百五億もここ二—三年の間に出たということが、やはりなんとい
つて
も大きな
原因
にな
つて
おることと思うのであります。尤もこれは
経済
九原則以来、
会社
の
資本金
というものが……
資本金
と申しますか、むしろ
会社
の
資金
が、
長制資金
については、できるだけ
自己資金
で以て調達すると、短期の
運転資金等
は
借入金
でやるという
一つ
の
方針
の下に、この
証券市場
におきまする
能力
の発揮ということに
相当
期待されたような形に
経済政策
がな
つて参つたの
でありまして、これは当時は
インフレ
か増嵩しておる際でありまするからして、これ程の大きな
株式
の
消化
ができたと思うのでありまするが、これがデイス
インフレ
になり、
インフレ
が安定して参りますと、どうしてもこれらの
株式
の
消化
の中には、この
投資者
が非常に
現実
に緊急に必要な
資金
を以てこれを投資した、いわゆる
浮動株
というものが考えられるのでありまして、これが
対策
を講じなければ、この
株価
の安定ということは、同時に将来
会社
が
増資等
によ
つて自己資金
を調達するということを可能にするために、この
株価
の安定ということが、必要に
なつ
たわけでありまするが、どうしてもこの際
浮動株
の
対策
を講じなければいけないということは、我々も考えておるのでありまして、こういうふうに昨年の九月項から
株価
が
下り気味
に
なつ
た、而も当時
株式市場
或は株に
関係
のある人、或は
事業会社等
においても、毎年の例によりまして、大体秋から暮にかけて
株価
が上
つて
来るであろうという予想をいたしておりまして、
従つて
その時分に
増資
をしようという
計画
をしておる向が非常に多か
つたの
でありまして、これも同時に九月以降
株価
を圧迫した
原因
にもな
つたの
でありまするが、それで、それに対するいろいろな
対策
の問題といたしまして、先ず
金融
の面におきましては、当時そういうふうに
証券市場
が、
会社
の
自己資金
を調達する上において非常に重要な役割を持
つて
お
つたの
でありまするが、
金融
の面におきまして、
株式
に対しまする
株式担保
の
金融
というものが、昨年の初めの中は、いわゆる
融資準則
の
順位
におきましては丙という
順位
であ
つたの
でありまするが、これが八月の確か十五日だと思いますが、これを乙に
引上げ
、これが更に十二月になりまして非常に株が下がりまして、何かしなければいけないというその
対策
の
一つ
として、これを甲に
引上げ
ると、
準則
の面においては、こういう
措置
を採
つて参
つて
おります。その
外株式
の
供給
の過剰が防ぐという
意味
におきまして昨年の秋以来、
証券処理調整協議会
で
売出
す株につきまして、これは一時
売出し
を止めるという
措置
を採
つて参
りまして、この面からの
株式供給
の増加ということを防ぐ
方法
を採
つて参
りました。それから十一月、十二月頃からは、この
株価
を維持する、安定せし
むる一助
という
意味
において
生命保險会社
を中心とする
買出動
も行われたのでありまするが、これも一時
効果
があ
つたの
でありまするが、その後これが永続きいたしませんで、やはり
低落
をするという
状況
になりまして、結局去年の十一月、十二月頃からかけて、この
株式対策
を何とかしなければいけない。これは当初この
対策
の問題を一番取り上げたのは、やはり直接扱
つて
おります
証券業者
が痛切に感ずる
関係
上、
証券業者
からその
必要性
を唱え出したのでありますが、初めのうちは、これはやはり
証券業者
が自分の経営が苦しいから、この
対策
を要求しておるのだというふうに解釈されがちでありまして、
従つて
、
政府
の方におきましても、これが
対策
が必ずしも十分でなか
つた
という憾みがあ
つた
と思います。併し、これが單に
証券業者
の救済というだけではなくて、これが延いて
株価
をこういうふうな
状況
に維持しておるということになりますと、
会社
が必要な
自己資金
を調達するという
意味
において、
増資
をするということが到底できない。これは
日本
の産業全体の発展、復興ということに非常に支障がある。更にそれが延いて
金融機関
にも
影響
を及ぼすというような、非常に大きな問題として漸く取り上げられるようになりまして、当時これらの
対策
といたしまして、これは
金融機関
のこの
株式担保
の
金融
が、先程申しました
通り順位
を甲に
引上げ
たのでありまするが、それを貸付けた
銀行
に対して、
日本銀行
が更にその
株式担保
の途を開くという
措置
を採
つて
貰いたい、又採る必要があるということも考えられたのでありまするが、これは
関係方面
との
折衝等
におきましても、直ぐ
実現
はできないので、まだ今後の問題として残されておるわけであります。 それからいま
一つ
の問題として取上げられて参
つたの
は、この過剰の
株式
の中、いわゆる
浮動株式
と称せらるるものを一時棚上げをする
機関
、いわゆる
証券保有会社
を
作つて株価
を維持する必要があるということも真劍に考えられ、
政府
においても考えたのでありまするが、これはどうしても
相当
の
資金
を必要といたすのでありまして、
従つて
、
民間資金
のみでは必ずしも十分ではない、或いは見返
資金
、或いは
預金部資金
というような
政府関係
の
資金
も一緒にな
つて
やらなければ、十分な
効果
を得られないというようなことから、これらの点につきましても、
大蔵大臣等
が
関係方面
ともいろいろ交渉せられたのでありますが、これらにつきましても、いろいろ研究する点が多々ありまして、まだ早急にこれが解決を見ておらないというような
状況
であります。そうして、
差当り
今直接の問題として
実現
を見ておりますのは、これは大体各
取引所所在地
に
証券金融公社
を設立して、例えば
東京
におきましては
日本証券金融株式会社
、これは
資本金
二億五千万円、それから
大阪
におきましては
大阪証券金融株式会社
、これは
資本金
一億円、名古屋におきましては
中部証券金融株式会社
、これは
資本金
五千万円、それから京都においても二千万円、それから神戸において五千万円という
証券金融公社
を
作つて
、そうしてそれの
自己資金
と、それから
銀行等
よりの
借入金
とで以て、その金を
株式担保
の
金融
に出すと、或いは
証券業者
に貸付けると、こういう
金融
の面において
株式
の
市場
の不振を打開しようということになりまして、現に
東京
、
大阪等
はすでにその
業務
を開始しておるようなわけでありまして、この点におきましては、現在の
株式
の
不振対策
に対して、
相当
効果
があろうと考えておるのであります。その後、最近
新聞等
に出ておりまする
対策
の
一つ
として、見返
資金
、或いはそういうような
政府関係資金
を、
証券会社
の
証券
の
引受能力
を拡充するという
意味
においてこれを間接的に利用するというような考え方の案がありまして、これは
只今関係方面
と
折衝
中でありまして、まだ
最後
的には決ま
つて
おりませんが、まあ大体こういうようなこと等も考えておるのであります。毎度申上げたようないろいろな手を考えておるのでありまするが、まだはつきり
実現
していないのは非常に遺憾でありまして、先程申しました
証券金融会社
が
現実
に移されて、
効果
が発揮しておるというような
程度
でありまして、以上
簡單
でありますが……
西川甚五郎
4
○
西川甚五郎
君 そういたしますると、昨年からいろいろの手を打たれたのは先ず成功しなか
つた
と、そうして今日
対策
として考えられておるところの、
日本銀行
の
株式
の再
担保
及び
株券保有会社
の問題はOKが取れないと、こうなりますと、現状を保つ以上に、もう更に
株価
は
低落
しているように思われますが、現在、
只今
おつしや
つた
程度
の
対策
しか実際は考えておらないのですか。
湯地謹爾郎
5
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) それから先程
ちよ
つと申落しましたが、申上げました外に、
会社
の
増資等
をいたします際に、この当時の
経済状況
、或いは
株価等
を見合せて、
株式
の
発行
を自治的にまあ
調整
しようという話合いがありまして、これは
証券業者
及び
発行会社
並びに
日本銀行等
が毎月寄りまして、大きな
取引所
に上場されておりますような
株式
につきまして、
市場等
と睨み合せて
株式
の
発行
を
調整
するという
措置
を一月頃からや
つて参
つて
おりまして、これは勿論別に
強制力
はあるわけではありませんが、実際それに
関係
しておりまするものが寄り
合つて
、お互いにまあ
調整
する、とこういう
措置
をや
つて
おりまして、
従つて
一月以降最近まで、これは尤も
市場
の
惡い
という
関係
もあるわけでありまするが、
調整
されて参
つて
来ております。それで今後の
株価
の見通しという点につきましては、これは非常にむずかしいのでありまして、まあこれ以上下らない、これは
最後
だということは申し切れないと思うのでありますが、今のように
株式
の
発行
の
調整
、それから
金融会社等
による
担保金融
に対する
金融的措置
、それから今懸案にな
つて
おりますような
対策等
が実行に移されるということになれば、余程改善されて来るのではないか。こういうように私は考えております次第です。
西川甚五郎
6
○
西川甚五郎
君 それに関連しまして、昨年度から
相当
株の
暴落恐慌状態
になりまして、
証券業者
の
内容
ですね、これはどういうように現在な
つて
おりましようか。
湯地謹爾郎
7
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君)
証券業者
の
内容
につきましては、
只今
はつきりしているのは昨年九月の決算であるわけなのですが、その当時では必ずしも惡くな
つて
おらないのでありますが、その後
株価
が
低落
して参
つた
、それで
所有株式
が先程申しました
通り
、大体
最後
の時に比べまして、まあ半分以下にな
つて
おりますということになりますと、尤も
証券会社
には
相当
株については含みを持
つて
おりまするから、
株価通り
には行かないと思いますが、
内容
的には
相当
弱体化して来ておる。こういうふうに考えております。
西川甚五郎
8
○
西川甚五郎
君 そういたしますると、この
改正
の中の何條ですか、五十万円以上の
営業用
純
資本金
ですが、それが三十九%ですかね。全
業者
の五十万円以下のものが……
湯地謹爾郎
9
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) そうです。
西川甚五郎
10
○
西川甚五郎
君 そういたしますと、その外にこういう弱体化した
業者
を、この
改正
された
法案
で行かれると、殆んどこの
改正
の不良と認められる
資産
を有する場合、
即時不良資産
を償却するという命令をなすことができる。これに該当して来るのではないですか。
湯地謹爾郎
11
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) これは直ちに純
資本額
五十万円ということを強行するということになりますと、それに該当するものが
相当
……
西川甚五郎
12
○
西川甚五郎
君 五十万円以上の
会社
ですね、これに該当するものが出ておるのじやないですか。
湯地謹爾郎
13
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) その四〇%と申上げたのは去年の九月頃ですから、例えばその当時五十万円以上のものでも、これに引掛かるものが、出てくるであろう。こういう
お話
でございますね。
西川甚五郎
14
○
西川甚五郎
君 ええ。
湯地謹爾郎
15
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) そういうふうになると思います。
西川甚五郎
16
○
西川甚五郎
君 そうしますと五十万円以上のものは二ヶ年以後に適用するということにな
つて
おりますが、この五十万円以上の
弱体業者
もありますると、直ちにこれが適用されることになるわけですね。
湯地謹爾郎
17
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) 第何條でありますか。
西川甚五郎
18
○
西川甚五郎
君 何條ですか、
説明
の第二ですがね。
湯地謹爾郎
19
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) 五十
五條
の二に関連しての御質問だと思いますが、この五十
五條
の二という
改正
の
趣旨
はこれは今のこの五十
五條
の
趣旨
は、例えば「
証券業者
が
営業
又は
財産経理
の
状況
に照らし、過当な
数量
の
売買取引
、不健全な
方法
による
売買
若しくは
借入
をなし、又は不良と認められる
資産
を有する。場合において、公益又は
投資者保護
のため必要且つ適当であると認めるときは」云々とこう書いておるのでございまして、今のように
所有株式
が
時価
の
下落
によりまして、
資産内容
が惡くなるというような
関係
を予想しておるのではありませんで、例えば
空売り
、
空売買
というような投機的なる
取引
をや
つて
、そうして或いはこの「過当な
数量
の
売買取引
」というのは、
資本金
と比べて非常に大きな株を手持したりするような場合、それから「不健全な
方法
による」というのは、いわゆる先物とか或いは投機的な
空売り空売買
をする、又「若しくは
借入
」というのは例えば非常に高い
金利
で
借入
をして行く、そういうようなこと、或いは焦げついた
資産
を持ち、不良貸等を持
つて
おるというような場合に、今後そういうことをやつちやいけない、或いは不良な
資産
については償却しなければいけない。こういうことを命令するつもりでありまして、一方
所有株式
が
時価
の
下落
により
資産内容
が惡く
なつ
たということは、片一方の三十四
條等
の
関係
から、その
営業用
の
資本額
が五十万円以下に下るというような場合にこれを審問をいたしまして、その
整備計画
を立てさせて、これを回復させるという
措置
を取るというので、
時価
による
資産
が惡くなるというものは、三十四條の
関係
で、こちらの五十
五條
の方はそういうようないわゆる
投機取引
、或いは不当な
闇金利
で金を借りているというような、非常に不良な行為に対して取締る、こういう規定でございます。 —————————————
黒田英雄
20
○理事(
黒田英雄
君) この際
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
の御
質疑
は
ちよ
つと中止をお願いしまして、この場合、
物資
の
割当
に関する
手数料等
の
徴收
に関する
法律
を廃止する
法律案
を
議題
にして御
審議
を願いたいと思います。本案につきまして御
質疑
のおありの方はお願いしたいと思います。 この
法案
につきましては
木村委員
から資料の
提出
の御要求がございましたが、これは後日でよろしいという
木村委員
の
お話
でありましたから、あとで
政府
から出して頂きたいと思います。
油井賢太郎
21
○
油井賢太郎
君 この
手数料
がなく
なつ
たために、
マル公
に
影響
を及ぼすということはないのですか。
佐藤一郎
22
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) お答えいたします。これは別に
影響
ございません。
油井賢太郎
23
○
油井賢太郎
君 つまり
影響
する程の金額じやないという
意味
ですね。
佐藤一郎
24
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これは実は、この
法律
を廃止した
礎案理由
の
説明
のときに申上げたのですが、大体
印紙
で以て納めておるのです。そうしてその
実績
が実は殆んど実際問題として掴めない。非常にやり方が技術的に複雑いたしておりまして、
通産省
なら
通産省
へ
割当
を受けに
民間
の方から参ります。そうすると
割当
の
公文書
を貰うわけであります。ところが
割当
を受けましたその
業者
が更に……多く
販売業者
でありますが、今度
メーカー等
へ
行つて
、それを実際現物化するわけです。それでその現物化します際に、その
公文書
に
印紙
を貼りまして、その
公文書
を今度
メーカー
に渡すのです。そうすると
メーカー
がそこに割り印をいたしまして、そうして同時に
販売業者
に
資材
を渡して、そうして今度
メーカー
はその書類を持
つて
通産省
へ
行つて
又
割当
を貰う。こういう仕組にな
つて
おるのでありますが、実際といたしましては必ずしもその手続をしないで、
メーカー
は
資材
の入手をいたしているわけであります。そういたしますと結局
公文書
が
通産省
に戻
つて
来ないのであります
大分
……。もともとこの
手数料
というものは、
物資
の
需給事務
が
臨時物資需給調整法
によりまして急激に増加いたしました結果、一部やはり
受益者負担
の精神で以て、
物資割当
に要する
事務費
の一部を、それによ
つて利益
を蒙るであろう人々に
負担
させるというのでや
つたの
ですけれども、実際問題としては
実績
すら確実にキヤツチできない。そうして而も最近のように
調整事務
というものが殆んど解除になりましたものでありますから、そういう
関係
でいわば私共今考えて見ますと、惡法に近い
法律
であるということが分りましたので、これを廃止しよう、こういう気持で今回提案いたしておるわけであります。従いまして、実際例題といたしましては、
昭和
二十三年に三十億、
昭和
二十四年に二十億を
予算
に計上いたしたのでありますが、
予算
に対比すべき
実績
が分らないのであります。
印紙
で以て貼りまして、而もそれが元へ戻
つて参
りませんので、
通産省
の方で殆んどそれを確実にキヤツチすることができないという
状況
であります。従いまして、或いは観念的に言えば、これは当然
業者
の経費ということも言い得るわけでありますが、その中には勿論転嫁し得るものもありましようし、それから
実績
もキヤツチできないというようなことで、具体的には
従つて計算
の基礎にな
つて
おらんわけであります。そういう
意味
におきまして、結局
マル公
にはこれを廃止したことによ
つて
直接の
影響
がない、こういうふうに申上げてよろしいと思います。
油井賢太郎
25
○
油井賢太郎
君 そうしますと、今の
お話
では、
大蔵省側
では、
割当
なんというものはあ
つて
もなくても同じだというような御
説明
のように聞こえますが、
通産省
としては、やはり
割当
というものはまだ残
つて
いる分に対しては、
相当
重要視しているのじやないですか。
佐藤一郎
26
○
政府委員
(
佐藤一郎
君)
割当そのもの
につきましては、
大蔵省
も
通産省
と同様に、勿論現在でもまだ
統制
が残
つて
いるのでありますから、
十分重要視
はいたしております。ただその
割当
に要します国の費用というものを、もともとその以前の
割当
はすべて
一般
の
国費
から出してお
つたの
でありますが、非常に
統制
が数多くありましたのと、一部にそういう
負担
を
割当
を受けるものに対しても掛けたらどうだろうというので、こういういわば不確実な歳入を実は予定いたしたのであります。ところが申上げましたように、三十億、二十億と
予算
に計上いたしましても、実際問題として殆んど分らんのですから、結局それは
一般
の
税金等
によ
つて他
の財源によ
つて
実際は
負担
をしているという
実情
にな
つて
いるわけであります。私共といたしましては、勿論
割当そのもの
については
十分重要視
をしておりますが、その
負担
は、他の
一般
の
国費
と同様にこの
制度
がなか
つた
時代と同様にしたいという考であります。
油井賢太郎
27
○
油井賢太郎
君 そうしますと、
印紙
で貼りました場合は、
印紙收入
で以て、目には見えないけれども
收入
にはな
つて
来ると思うのですが、その点はどうなんですか。
佐藤一郎
28
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) そういうことにな
つて
いるわけであります。ところがこれは
印紙收入
でありますので、結局分らんのであります。つまり特殊な
印紙
を使
つて
おらなか
つたの
です、従来……。ですから
一般
の
印紙收入
に紛れ込んでいるわけでありまして、結局それは
通産省
に
公文書
が返
つて
来まして、それを具体的に押さえれば初めて
実績
がキヤツチできるのでありますけれども、それが不確実でありますので、
実績
が押さえられないという
状態
にな
つて
いるのであります。
油井賢太郎
29
○
油井賢太郎
君 大体
大蔵省
の末端の方では、例えば
印紙
が貼
つて
ないために、
印紙税法
によ
つて
処分するというようなこともや
つて
いるのですか。こういう大きな
物資
の
需給
についても、そういう点はおやりになればやれたのじやないですか。そういうことはおやりになれないのですか。
佐藤一郎
30
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これは勿論当然
監督
を
一般
的には
大蔵大臣
がいたしているわけでありますが、直接の、この
関係
につきましては、勿論
徴收
の直接の
責任者
は
通産大臣
、又は
農林大臣
がや
つて
いるわけであります。その点今申上げましたように、勿論理論上はそうでありますが、実際問題といたしまして、この凡百の
割当物資
につきまして、これがいろいろな数
段階
、或いは更に多くの
段階
を経てそうして
公文書
が戻
つて
来る。而もその
公文書
が必ずしも戻
つて
来ないという
実情
でありますので、実際問題として非常にこの
監督
も困難なわけであります。それで結局
監督
も困難であり、従いまして実際問題として納めるべきものが入
つて
来ないということにな
つて
おりまして、そういうようなことは技術的に
一つ
の無理があるという点が考えられますので、この際止めしまおうという考なのであります。
油井賢太郎
31
○
油井賢太郎
君 尤もこれは大きな
印紙
を貼付するのが見逃されてしま
つた
という、いわゆる過去の結果になるのですか、その点は……。若し貼らなくてももううやむやにな
つて
しま
つた
ということを
意味
するのですか。
佐藤一郎
32
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) 誠に遺憾でありますが、実際はおつしやる
通り
なんであります。
油井賢太郎
33
○
油井賢太郎
君 そうしたらこれを、過去のことは今
言つて
も仕方ないのですが、どういうわけでそういうものを押さえるだけの
方法
をお取りになれなか
つた
か、
ちよ
つと我々には了解に苦しむのですが。
佐藤一郎
34
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これは当初は、昨年
あたり
もむしろ
收入
を何とかして確保しようというので、いろいろ
各省集つて相談
は何回もいたしたのであります。ところがどうも実際問題としては
公文書
がなくても
物資
が確保できるというような、いわば完全なる
計画経済
というか、
統制経済
が完璧にな
つて
おらない。どうしても間隙があるという性質から私は来ていると考えておりますが、これを或る
程度
いわば
業者
の自発的な
協力
ということを前提にしてこれができておるわけでありますが、而もその
関係
する範囲が非常に広汎でありまして、なかなか自発的な
協力
ということがどうしても望めない。今まで諄く御
説明
したような
状況
なものでありますから、むしろこれは廃止した方がいいのじやないか、
却つて
はつきりするのじやないか、もともとこの
制度
を二十三年に採りました際にも、必ずしも
政府
の中にもいろいろ議論がございまして、当初は実は
通産省
、農林省というような直接
割当業務
をや
つて
いる官庁からいたしますと、非常に技術的にむずかしいというので反対の意向もあ
つた
わけでありますが、
大蔵省
といたしましては、当時財源も非常に窮屈でありまして、何とか受益するものにも
負担
させたらどうだろうかというので、
政府
に相談した結果、こういう
手数料
ができたわけでありますが、その後の
実績
に鑑みまして、結局非常に不確実である、歳入としても不確実である。それから又
只今
御指摘がありましたような
意味
においても、納めるものと納めないものとの不公平が出るし、納めないものにも完全にこれを追求するということは、技術的に非常に困難である。
相当
この
制度
は各種の欠陷を蔵しているということが分りましたものですから、これはいわば極く最近できた
制度
でありますが、こういう欠陷の多い
制度
はむしろ廃止するにしかずという結論に、いろいろ相談をしました結果
なつ
たわけであります。
油井賢太郎
35
○
油井賢太郎
君 これは
簡單
に考えますと、
割当
を受けることを非常に希望したものが、或る
程度
の
手数料
を納めても、別にこれはえらい
負担
ではなか
つた
と思うのですが、そうしましたら申請するときに、すでに許可をするような場合に
印紙
を拂わせるとか、極めて
簡單
にできるような気がするのですが、例えば
割当
表を出すときに
印紙
を取る。ただ一方におきまして、讓受けをするものが又
印紙
を拂うというのでは二重みたいになりますが、
割当
をする場合だけは取れそうな気がしますが、これはどうでしようか。
佐藤一郎
36
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) 実はこの
手数料
の中には、申請
手数料
と
割当
手数料
というのがございまして、
割当
手数料
が大部分でありますが、申請
手数料
は
只今
の
お話
のように一件五十円というふうに、平均して頭割で一通五十円というふうに取
つて
おりまして、比較的確実に入るのですが、この
割当
手数料
は純理論的に申しますと、
只今
の
統制
の現在におきまして、
割当
を仮に
公文書
で認めましても、それが現物化するという自信がないわけです。それでただ
割当
を貰
つた
というだけで、その
負担
をかけるということは適当でない。どうしてもそれが現物化されたときに真の
割当
があ
つたの
だからそのときに掛けよう。いわばそういう思想で現物化した
段階
で押さえようとしますと。どうしても
業者
と
業者
との
取引
の際でありますので、結局
印紙
でやるようになる。結局それが巡り巡
つて
、
最後
に官庁の
割当
を受けるところの
メーカー
が、結局その
公文書
を持
つて
行く、こういうときにそれが初めて確認できるという複雑な組織を止むを得ず取
つたの
であります。
油井賢太郎
37
○
油井賢太郎
君 結論においては、
統制経済
というものをや
つて
行つて
も、それを運用する官庁方面が、これは
大蔵省
は余り責任がないかも知れませんが、官庁方面のいわゆる取
つた
手段、或いは
統制
に対する熱意というものが欠けていたということを証明したわけですね。
佐藤一郎
38
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これは議論に亘るかも知れませんが、又非常に広汎に考えれば、或いはもう少しいろいろな角度から考える必要があると思うのですが、私が考えておるところでは、現在までの
統制経済
というものは、理論と実際とが完全に一致しておるということは、どうしても望めなか
つたの
じやないかと考えております。たまたまこういうむずかしい手続のものが出たために、そういう点の欠陷が出たように私は感じておるのですが、今
お話
のあ
つた
ような点が確かにあるだろうと私は考えております。併しながら勿論その衝に当
つて
おる部局の各官庁は、それぞれできるだけ
統制経済
を完璧にしようという努力をしてお
つた
ことも、又一面確かであります。こう思
つて
おります。非常にむずかしい問題でありまするので、どうしてもその点に或る
程度
の欠陷というものがありましたことは、むしろ周知の事実であります。油井さんが御指摘に
なつ
たような点は止むを得ない点があろうと私は考えております。
黒田英雄
39
○理事(
黒田英雄
君) 他に御質問ございませんでしようか。——御質問がないようでありまするから、
質疑
終了といたして直ちに討論に入ることにいたして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
40
○理事(
黒田英雄
君) 御異議ないようでありますから、それでは
質疑
終了として、討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
油井賢太郎
41
○
油井賢太郎
君 この
法律案
は私は民主党といたしまして賛成をいたします。併しながらこの廃止するに至
つた
過去の経過を見ますというと、今まで官庁方面が
統制経済
というものを立案いたしまして、
統制経済
方式というものを
作つて
、国民にそれを強いておりながら、官庁自体が無
能力
というか、或いは熱意がなか
つた
ということを、この
法律案
によ
つて
曝露したということは、甚だ遺憾に堪えないと思うのです。将来
政府
並びに官庁方面におきましては、
法律
を作
つた
ならば、飽くまでもそれを徹底的に実行するなり、或いは施行いたしまして、国民に不平等の差を與えないというようなことを、特にこの際強調いたしまして賛成いたします。
黒田英雄
42
○理事(
黒田英雄
君) 他に御発言ございませんでしようか。他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものとみなして、直ちに採決に入りたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
43
○理事(
黒田英雄
君) 御異議ないと認めます。 それでは
物資
の
割当
に関する
手数料等
の
徴收
に関する
法律
を廃止する
法律案
を、原案
通り
可決することに御賛成の方の御挙手を願います。 〔総員挙手〕
黒田英雄
44
○理事(
黒田英雄
君) 全会一致でございます。よ
つて
本案は全会一致原案
通り
可決することに決定いたしました。 尚本会議における委員長の口頭報告の
内容
は、例によ
つて
委員長にお任かせ下さることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
45
○理事(
黒田英雄
君) 御異議ないと認めます。 次に委員長が議院に
提出
する報告書に多数意見者の署名を附することにな
つて
おりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 伊藤 保平 九鬼紋十郎 玉屋 喜章
西川甚五郎
平沼彌太郎
油井賢太郎
小宮山常吉 高橋龍太郎 米倉 龍也
黒田英雄
46
○理事(
黒田英雄
君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れないものと認めます。 —————————————
黒田英雄
47
○理事(
黒田英雄
君) 次に失業保險特別会計法の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。御
質疑
のおありの方は御
質疑
を願います。
油井賢太郎
48
○
油井賢太郎
君 失業保險の
関係
については、労働省の方から見えておりますか。
黒田英雄
49
○理事(
黒田英雄
君) 見えております。龜井失業保険課長が見えております。
政府委員
ではありませんが、
説明
員として御
説明
を聽くことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
50
○理事(
黒田英雄
君) 御異議ないと認めます。
龜井光
51
○
説明
員(龜井光君) 今回の
法律
におきまして、積立金の中から、一部を
予算
に計上するという
関係
の
法律案
でございまするが、御
承知
のように、失業保險はその保險事故としまして失
業者
を対象とするのでございますが、失業の発生その他につきましては、他の社会保険におきまする健康保險、或いは厚生年金保險というものと違いまして、非常に事故の発生の蓋然性と申しますか、その可能性を推測することが非常にむずかしいのであります。時期的に或いは場所的にこれを判定することが非常にむずかしい性格を持
つて
おるのでございます。従いまして
予算
の上において一応一定の給付に要しまする経費を計上いたしましても、場合によりましてはその給付金で賄い得ず積立金からこれを支出をしなければならないというふうな、突発的な情勢が起る可能性があるのでございます。その場合に積立金から支出します手続としましては、
相当
煩瑣な手続を要するのでありまして、必要な額を必要な時期に直ちに支出することは困難な事情がございまするので、今回のこの
法律案
によりまして、予め予定の必要額だけを
予算
上予備費の中に組みまして、そういう一旦緩急の場合におきましては、
予算
両から支出するという
措置
を講じたいと考えまして、この
法律案
が提案されたような次第でございます。即ち言葉を換えて申しますると、そういう緊急の必要の際において、直ちにその積立金が支出できるという方途を、この
法律
で講じたいというのが
趣旨
でございます。
油井賢太郎
52
○
油井賢太郎
君 これに対する資料は、もうお配りにな
つたの
ですか。
黒田英雄
53
○理事(
黒田英雄
君) 資料の御要求が無か
つたの
です。
油井賢太郎
54
○
油井賢太郎
君 それでは、
一つ
資料の要求をいたしますが、最近までの月別の失業保險の支給
状況
の資料をお願いいたしたいと思います。
黒田英雄
55
○理事(
黒田英雄
君) 今
説明
できますか。
龜井光
56
○
説明
員(龜井光君) できます。 失業保険の支給
状況
を御
説明
いたしまするが、当初この
法律
を制定しました
昭和
二十二年十一月からこの
制度
が始まりまして、実際の給付はその六ヶ月先の
昭和
二十三年五月一日から始ま
つたの
でございます。当初は、
昭和
二十三年におきましては、失
業者
の数が比較的少く、
従つて
給付金もそれ程の額が出なか
つたの
でございますが、昨年の四月、五月頃から始まりましたいわゆる企業整備の進展に伴いまして、逐次保險金の支給額が増加して参
つて
おります。これを数字で申上げますると、四月におきましては一億五百万円であ
つた
ものが、五月になりますると一億六千四百万円、六月で二億五千八百万円、七月で四億、八月で六億、九月で七億八千万円、十月で八億九千万円、十一月で十億六千万円、十二月で十一億九千万円、即ち十二億になるというふうに、逐次上昇して参
つて
おりまして今私の方で分ります数字としては十二月まででございますが、一月の中間報告を各県から採
つて
おります。それによりますると、大体十二月を境としまして、一月はこれをオーバーしない
程度
、即ち十二億
程度
で一月も食い止められるようでございます。恐らく二月、三月も多少低下して行くのではないかという見込を持
つて
おります。と申しまするのは、昨年の企業整備の一番激しく行われました六、七、八という時に離職しましたものの給付日数が六ヶ月でございますので、それが逐次給付期限が切れて来るということからしまして、そう今後はこの給付金は上昇しないのではないかというふうな見通しを持
つて
おります。ただ併し先程も申しましたように、失業という現象は非常に推定或いは把握しにくい現象でございまして、いつどういうふうに増加して参りまするか、推定がつきにくい性格を持
つて
おります。
油井賢太郎
57
○
油井賢太郎
君 今の金額ですが、人数を
一つ
併せて……
龜井光
58
○
説明
員(龜井光君) 受給者数を申上げますと、先程の数字に併せる
意味
で、四月から申上げますと、四月が五万九千人、五月が八万五千人、六月が十一万一千人、七月が十五万七千人、八月が二十万八千人、九月が二十七万、十月が二十九万八千、十一月が三十二万二千、十二月が三十六万人という数字にな
つて
おります。
油井賢太郎
59
○
油井賢太郎
君 これは資料の要求ですが、大体の職業別、例えば商業とか、或いはどういう工業の失
業者
であるとか、それから地域別、各県の……これは
一つ
参考のためお出し願いたいと思います。
龜井光
60
○
説明
員(龜井光君) 地域別は分りますが、職業別の方は
ちよ
つと統計を取
つて
おりませんでございまするから……
油井賢太郎
61
○
油井賢太郎
君 分る見通しはつかないんですか。大体のところ商業は幾らとか、工業は幾らとか。
龜井光
62
○
説明
員(龜井光君)
一般
の安定所に求職の申込をしましたものの職種別は一応分ります。その中で失業保險の資格を持
つて
おるものとおらないものとは区別してないのでございます。その
意味
でしたら分ります。
油井賢太郎
63
○
油井賢太郎
君 それでは、それを……
黒田英雄
64
○理事(
黒田英雄
君) あとで資料をずつと出して頂ければ結構です。外に御質問ございませんでしようか。
平沼彌太郎
65
○平沼彌太郎君 この失業保險の特別積立金というものは、どういう規定によ
つて
現在どのくらいの額があるのですか。それと、もう
一つ
は、この一部を取崩すと言うんですが、どういう
程度
にこれを崩して消費するのですか。
龜井光
66
○
説明
員(龜井光君) 積立金に関しまする事項は、失業保險特別会計法で規定されておるのでございまして、その年度におきまして余裕金が出ました場合には、これを積立てるという規定があるわけでございます。で、現在
昭和
二十三年度の決算におきましては五十七億円の積立金があります。それで、二十五年度の
予算
におきましては、その五十七億のうちから二十四億円だけ予備費として特別会計の
予算
に計上されておるという現状でございます。
平沼彌太郎
67
○平沼彌太郎君
ちよ
つと
説明
を聽き漏しましたが、年間十万人分、四十億円を予備費として計上しているのは、この四十億円は二十四億円と数字が違いますが……
龜井光
68
○
説明
員(龜井光君) 四十億のうちで、二十四億は今申上げましたように、積立金から持
つて参
りました金でございまして、残りの十六億は、これは保險金と保險料
收入
とのバランスから生じました一応の予備金でございます。即ち保險料の、それだけの余裕金と言いますか……、と申しまするのは、給付の方では国が三分の一の
負担
をいたしたわけでございます。保險料では三分の二が、給付に要しまする費用の
負担
をするわけでございます。で、
予算
上のバランスから見まして、給付を一応百二十億円と押さえました
関係
上、そこに保險料
收入
の残りが十六億あるわけでございます。それを予備費の方に組んでおるというわけでございます。
平沼彌太郎
69
○平沼彌太郎君 そうしますると、積立金が五十七億というのに対して、二十四億使いまして、そうして今後も失
業者
が
相当
増加するという目安でありまするのに、これを使
つて
行つて
、将来のバランスはどういうふうなお考ですか。
龜井光
70
○
説明
員(龜井光君) 先程も申上げましたように、失業の情勢が来年度になりまして、どういう動きをしまするか予測はしにくいのでありますが、できるだけの資料を集めまして、我々としまして
予算
編成上の資料といたすわけでありまして、その際は本年度の
状況
を判断しながら、来年度を推測するのでございます。本年度におきましては、まだ三月まで間がございますので、はつきりした数字は出ませんが、大体実人員にいたしまして四十万か四十五万ぐらいの給付になるのじやないかと考えております。来年におきましては、
予算
で御
承知
のように、百二十億の保險金を以ちまして、毎回三十万、これを年に直しますと六十万になるわけであります。と申しますのは給付は六ケ月で切れますから、倍になりまして六十万でございます。それから予備金の方では四十億でございまして、これを給付に廻すとしますと、国庫の
負担
分がその給付の三分の一でございますから、二十億加わりまして六十億の給付金ということになるわけであります。そうしますと六十億では十三万人、年にしまして三十万人というものの給付が可能でございまして、合計
予算
上は九十万人の給付が可能であるという見通しを持
つて
おります。
従つて
今年四十万乃至四十五万の受給資格者に対しまして給付しましたこの情勢からしまして、九十万人のものを給付し得るとすれば、これは
予算
上において釣合が取れるのではないかという見通しを持
つて
おります。
平沼彌太郎
71
○平沼彌太郎君 今の御
説明
で九十万人の予定のような
お話
なんですが、実際面はこんな少しな人員の救済では、市中に失
業者
が溢れて、非常に悲惨な
状態
になるのではないかと推定されるのですが、これに対しての当局のお考は……
龜井光
72
○
説明
員(龜井光君) 九十万人では少いという御質問でございますが、この外に、御
承知
のように日傭いの労働者に対しまする失業保險
制度
が実施されているわけでございまして、この面から参りますると、十三万人の日傭い労働者に対して給付ができるだけの
予算
的
措置
ができているわけでございまして、尚この失業保險でカバーし得まする失
業者
というのは、全部の失
業者
ではございませんで、一応
法律
の規定によりまして制限を受けているわけであります。例えば五人以上の労働者を常時使用しております事業所に雇傭されている労働者の失業した場合、或いはその事業所でありましても、農林、畜産、水産というような原始産業の事業、或いは学校、教育というような、こうい
関係
の事業、或いは保健衛生というような、こういう事業は除かれておりまして、
従つて
おのずからこの保險で保護を受けまするものの枠が決められているわけでございまして、
従つて
失業保険ですべての失
業者
を救済するというのではございません。こういう
関係
でそういう数字になるわけであります。
平沼彌太郎
73
○平沼彌太郎君 そうしますと、この一部に限定されただけの救済ということで、他の農山漁村、又は五人以下の方は救済をする
方法
がないという
お話
なんですか。
龜井光
74
○
説明
員(龜井光君) 結局、この問題は失業
対策
全般の問題になると考えるのでございまするが、失業
対策
の根本は言うまでもなく、
民間
の雇傭量を増大いたしまして、そこに正常な就職の機会を與えて行くということにあることは申すまでもないのでありまして、その
関係
からいたしまして、そういう
民間
の基本産業というものの振興に努力いたさなければならんのは申すまでもないのでありまするが、更にその外に、
政府
の力によ
つて
雇傭量を
作つて
行くという
対策
も亦考えられなければならないのでありまして、例えば公共事業、本年度におきまして九百六十億の
予算
を計上されております公共事業、これは専ら農村
関係
におきまする失
業者
の吸收というものに大きな役割を果すと考えております。更に又都市中心におきまする失
業者
に対しまする
対策
としましては、来年度四十億の
予算
を計上しておりまする失業
対策
事業、これを施行することによりまして都市のものを就業させております。更に
民間
の雇傭量の増大のために見返
資金
の運用という面も考えられて参りまして、そういうあらゆる総会的な施策を講じまして、この失業
対策
を講じたいというように考えております。失業保險はそれらの積極的な施策を以てしましても救えない人を、最終的に失業保險で救
つて
行くという大体の段取りになるわけであります。
平沼彌太郎
75
○平沼彌太郎君 御
説明
でよく分りました。職を與えるという面に全力を注いでおられるということは結構なんでありますが、現在の社会情勢があらゆる産業において失
業者
が非常な勢を以て殖えつつあるのであります。現在の、今御
説明
の
計画
によ
つて
は、現在の
予算
の範囲で救い切れないということは明らかな情勢にな
つて
おると思います。その面を今後共十分見通しをつけて頂いて、最善の
方法
を講じて頂きたいということをお願いしたいと思います。
黒田英雄
76
○理事(
黒田英雄
君) 他に御質問ございませんですか。御質問ないようでありますから
質疑
終了として、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
77
○理事(
黒田英雄
君) 御異議ないものと認めます。 それでは討論に移ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。
油井賢太郎
78
○
油井賢太郎
君 この
法案
は民主党といたしましては賛成をいたします。併しながら先程民自党の平沼委員からも
お話
がありましたように、現在のところ失
業者
は非常に殖えておるという点と、これの救済の途が何かまだ目先不安に感ぜられるという点、誠に御尤もであります。どうかここにお出での
政府委員
だけでなしに、
政府委員
を通じまして現内閣の幹部、或いは当局者に対しまして、十分にこの失業問題の解決方をお図り願うように要望いたしまして賛成いたします。
黒田英雄
79
○理事(
黒田英雄
君) 他に御発言ございませんか。——他に御発言ないようでありますから討論は終局をしたものといたしまして、直ちに採決に移りたいと思います。 失業保險特別会計法の一部を
改正
する
法律案
を、現案
通り
可決することに賛成のお方のお挙手を願います。 〔総員挙手〕
黒田英雄
80
○理事(
黒田英雄
君) 全会一致でございます。よ
つて
本案は原案
通り
可決することに決定いたしました。 尚本会議における委員長の口頭報告は例によ
つて
委員長にお任せ下さいますことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
81
○理事(
黒田英雄
君) 御異議ないと認めます。 委員長が議院に報告しまする報告書に多数意見者の署名を附することにな
つて
おりまするから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 伊藤 保平 九鬼紋十郎 玉屋 喜章
西川甚五郎
平沼彌太郎
油井賢太郎
小宮山常吉 高橋龍太郎 米倉 龍也
黒田英雄
82
○理事(
黒田英雄
君) 御署名洩れはございませんか。……御署名洩れないと認めます。 —————————————
黒田英雄
83
○理事(
黒田英雄
君) それでは次は
証券取引法
を再び
議題
といたしまして御
質疑
の続行をお願いいたします。
油井賢太郎
84
○
油井賢太郎
君 二三伺いたいのでありますが、この
法案
の目的は、大体
投資者
のためにいろいろ
政府
としてお考えにな
つて
おるようであります。そうしますと、今までにおきまして、いわゆる
投資者
に対して
証券業者
は実害を與えたことがどの
程度
にあるかということがお分りでしたら、この際御発表願いたいと思います。
湯地謹爾郎
85
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) 今の御質問の
証券業者
が投資家に迷惑、損害をかけた件数という御質問ですが、実はこれはよく分らないのでありまするが、ただ
証券取引法
で、
証券
取引
に関連して、
証券業者
とお客、言い換えれば投資家との間に争いが起きた場合に、その争いに対して委員会で仲介をするという
制度
があるのであります。その仲介に持込まれた件数ということは分
つて
おりまして、その件数を申上げますと、
昭和
二十三年中、これは暦年でございますが、
昭和
二十三年中において仲介の申立があ
つて
、その仲介をいたしたのは十件、それから
昭和
二十四年で二十六件、合計三十六件ということにな
つて
おります。
油井賢太郎
86
○
油井賢太郎
君 表に現されたのは大変少いのでありますが、このうちには
証券業者
が立ち行かなくな
つて
、いわゆる事業を止めてしまうというようなものや、或いは破産したということも含まれておるのでありますか。そういう事件はどのくらいあります。
湯地謹爾郎
87
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) それはこういう数字がありますから、それを申上げたいと思いますが、
証券業者
でその
内容
が良くなくて、委員会で検査をして、それに対して審問をいたして、
営業
の取消、或いは
営業
の停止ということをやることにな
つて
おりますが、その件数を申上げますと、
昭和
二十三年、これもやはり暦年でございますが、登録を取消した
業者
の数が五件、二十四年におきましては二十七、それから
営業
の停止をした分が
昭和
二十三年で三それから
昭和
二十四年で二十一と、こういうふうにな
つて
おります。
油井賢太郎
88
○
油井賢太郎
君 それから
証券業者
の総数を
ちよ
つと発表して下さい。二十三年、二十四年と、その当時の……
湯地謹爾郎
89
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君)
証券業者
の数はまあ毎日
相当
移動がありますが、年末で申しますと、二十三年末、これは暦年ですが、八百二十、それから二十四年には千百五十二、参考までに申上げますが、二月十三日現在では千百四十七であります。
平沼彌太郎
90
○平沼彌太郎君
資本金
を五十万円に
改正
される案のようですが、今まで二十万円でしたね。
湯地謹爾郎
91
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) 今までは別に制限はないのです。
平沼彌太郎
92
○平沼彌太郎君 制限はないのですね。非常に大きな
数量
を取扱う
証券業者
の
資本金
の最低が五十万円ということは、非常に危險性があるのじやないか、資本が小さ過ぎて……。この
資本金
によ
つて
、積立とか管理をさして、そして
一般
に安全な
取引
をさせるというところの
計画
としては、五十万円というものは余りにも小さいのじやないかという感がいたします。もう
一つ
は地方には随分沢山な
証券業者
がありますが、
東京
のような大きな所の
証券業者
と地方の
証券業者
の
資本金
額を同じにして置くことが、一体
証券
普及の面から
言つて
妥当であるかどうかという面にも疑問があるのでありますが、そういう点について、
政府
のお考をお伺いいたします。
湯地謹爾郎
93
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) この
法律
に五十万円とありますのは、これは
営業用
純
資本額
が五十万円、こういう
意味
でありまして、流動
資産
から負債総額を引いた残りが五十万円、こういう
意味
でありまして、従来は
証券
業を営むのには、一応の刑法上犯罪が今まであ
つた
とか、なか
つた
とか、そういうような資格、欠格條件がなければ誰でも自由に登録をして
営業
ができたわけでありまするが、それでは
投資者保護
という点に十分でないという経験から、今回
営業用
純
資本額
五十万円は少くとも維持しなければいかん。又それだけなければ
営業
の開始はできん、こういう條件を附けたわけでありまして、
只今
お話
の
通り
、
東京
と或いは地方と同じではいかんのじやないかという
お話
も御尤もで、実は現在は
資本金
の制限はないのでありまするが、実際上の指導といたしましては、
東京
、
大阪
で三百万円、六大都市で二百万円、その他で百万円、そういう指導はしておるのでありますが、今度、制限する際もその
資本金
でやるという考え方もあり得るわけでありますが、やはり
営業
の実態から見て、
営業用
純
資本額
で押さえた方がよろしいという考で、これは最低が五十万円、
東京
等ではできるだけそれよりもつと多くなるよう実際上指導して参りたい、こういうふうに考えております。
油井賢太郎
94
○
油井賢太郎
君 ラジオなどで盛んに
株式
投資をしろとか、有価
証券
を買いなさいとかいうような放送をした時代があ
つたの
ですね。而も、それは株の最も高いような時代だ
つたの
ですが、ああいうことはいわゆる無辜の国民が、ラジオか言うのだから、大抵今買
つて
もよいだろうと思
つて
、いわゆる
政府
当局の案としてああいうことを言われたのだと思
つて
買
つて
、それから後非常に
下落
をして、損害を蒙
つて
おるというのが沢山ありますが、
証券取引委員会
としては、そういうことを宣伝させることは何か制限とか、規則はなか
つたの
ですか。
湯地謹爾郎
95
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) そういう
関係
の規定といたしまして、参考資料の「
証券取引法
及び
関係
法令要覧」の第五十八條に「何人も、左の各号の一に掲げる行為をしてはならない。」その各号の第三号に「有価
証券
の
売買
その他の
取引
を誘引する目的を以て、虚僞の相場を利用すること」とありまして、こういうふうに、お買いなさい、お買いなさいということでは引つ掛からないのですか、その際虚僞の、あの
会社
は
惡い
のによいからお買いなさいとか、或いはそういう技巧を使うとか、或いは不正の手段、
計画
等で誘引するというような場合には
取引
法に引つ掛かるわけで、單にお買いなさいということでは引つ掛かる筈はないわけであります。
油井賢太郎
96
○
油井賢太郎
君 古い時代だ
つた
から今はつきり記憶はないのですが、單に有価
証券
を買いなさいと言
つた
か、或いは有価
証券
が最も有望ですから買いなさいとかというように言
つた
かどうか、これは記憶はないのですが、苟くもラジオ
あたり
で国家にた
つた
一つ
のああいう公共
機関
が、朝となく晩となく、有価
証券
のまるで宣伝ですな、而も売れと言
つた
ことは一遍もない。お買いなさい、お買いなさいということしか言わない。あれなんか国民に対して随分実害を與えたものだと思うのですがね。それはどこからもそういう点は問題に
なつ
たことがなか
つたの
ですか。
湯地謹爾郎
97
○
政府委員
(
湯地謹爾郎
君) 去年のたしか夏頃そういう話が実は我々の耳にも入りました。そのことを放送局も單に自分の意思では
言つて
おるわけではないので、
証券処理調整協議会
というのがありまして、この
機関
はどちらかというと
政府
機関
ではありませんが、財閥の株だとか、閉鎖
機関
の株等をそれに代
つて
処分する、或いは
政府
に物納した株の処分をする
機関
でありますが、多少公約
機関
でありますが、官庁ではありませんが公的
機関
、この
機関
が
証券
民主化という
意味
もあり、又同時にそれを処分してお金に替えるという
意味
で、幾らか買いなさいと言
つた
ような面が強く現れたような宣伝があ
つた
じやないかと思われました。それでその
証券処理調整協議会
の方に対しまして、我々といたしましても注意をいたしまして、昨年の十一月頃からは大体それは止めたと思いますが、注意したことはあります。
油井賢太郎
98
○
油井賢太郎
君 この
法案
に関連して
大蔵大臣
の
説明
を聽きたいと思いますから、この次でも出席を要求して下さい。
黒田英雄
99
○理事(
黒田英雄
君)
大蔵大臣
は他からも要求されておりますから、この案について出席を要求します。 本日はこの
程度
で散会いたしたいと思いますが、如何ですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
100
○理事(
黒田英雄
君) それではこれを以て散会いたします。 午後三時四十二分散会 出席者は左の
通り
。 理事 黒田 英雄君 伊藤 保平君 九鬼紋十郎君 委員 玉屋 喜章君
西川甚五郎
君 平沼彌太郎君
油井賢太郎
君 小宮山常吉君 高橋龍太郎君 米倉 龍也君
政府委員
大蔵事務官 (主計局法規課 長) 佐藤 一郎君 大蔵事務官 (
証券
取引
委員 会事務局長)
湯地謹爾郎
君
説明
員 労働事務官 (失業保險課 長) 龜井 光君