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1950-02-27 第7回国会 参議院 大蔵委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十七日(月曜日)    牛後二時五十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○物資割当に関する手数料等の徴収  に関する法律を廃止する法律案(内  閣提出衆議院送付) ○一般会計国立病院特別会計との間  における国有財産の所属替又は所管  換の無償整理に関する法律案内閣  提出衆議院送付) ○証券取引法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○公聽会開会に関する件   —————————————
  2. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) これより大蔵委員会を開会いたします。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  3. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 速記を始めて。  物資割当に関する手数料等徴收に関する法律を廃止する法律案議題にいたします。  先ず政府から提案理由説明求払ます。
  4. 河野一之

    政府委員河野一之君) 只今議題となりました物資割当に関する手数料等徴收に関する法律を廃止する法律案提出理由を御説明申上げます。  今回この法律を制定しようといたします趣旨は、従来、臨時物資需給調整法に基き指定生産資材割当申請した考及び割当により当該物資を譲受けた者に対しましては、物資割当に閲する手数料等徴收に関する法律に事り、それぞれ申請手数料及び割当料徴收していたのでありますが、最近指定生産資材割当の統制が大部分品目について解除され、これ等の手数料等徴收することが適当でなくなりましたので、この際、物資割当に関する手数料等徴收に関する法律を廃止致そうとするものであります。  以上の理由によりまして、この法律案提出致しました次第であります。  何とぞ御審議上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
  5. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 本法案についての御質疑はございますか。
  6. 天田勝正

    天田勝正君 現在まだ申請並びに割当の残つておりますのはどのくらいございますか。
  7. 河野一之

    政府委員河野一之君) これは指定生産資材というものが非常に減つておりまして、当時の大部分品目につきましてそういう割当手続がありましたものでありますから、この割当を受けました者は相当な受益をいたすというつもり、それから割当申請書を出しますについて、官庁側におきましては二十四年度で申しますと、一万九千人からの人を持つておりますので、そういう実費を弁償するというような趣旨でやつたわけでございます。これは一面アロケーション・タツクスというように民間で言われまして、やはり一種の税であるというようなことで、非常な非難が多かつたこともあります。併し存在の理由は決してなくはなかつたのでありまして、大体二十億円程度の年額の手当料を持つております。最近非常にこの関係は緩和せられまして、只今残つておりますのは、石炭はなくなりまして、鉄、それから石油、それから綿関係というようなものが主なものでありますが、この大宗をなしておりました石炭等はなくなりました関係上、殆んどまあ意味はない。それから物資割当につきまして、もとありましたような割当そのものによる受益というような点もなくなりましたので、傍々二十五年度早々から廃止したらということに相成つた次第でございます。
  8. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) それではこの御質疑はこの程度にいたします。   —————————————
  9. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 次に一般会計国立病院特別会計間における国有財産の所属替又は所管換無償整理に関する法律案、これを議題といたします。まず政府より提案理由説明を聽くことにいたします。
  10. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 只今議題となりました一般会計国立病院特別会計間における国有財産の所属替又け所管換無償整理に関する法律案提出理由を御説明申上げます。  この法律案を立案いたしました趣旨は、一般会計国立病院特別会計間におきまして、国有財産の所属替又は所管換無償をもつて整理できるようにする特例を開こうとするものであります。  即ち国有財産法におきましては、異なる会計間の国有財産の所属替又は所管換につきましては、原則として有償をもつて整理しなければならないのでありますが、医療施設の用に供する目的で取得いたしました国有財産又は現に医療施設の用に供しておりますところの国有財産を、医療の用に供するために一般会計国立病院特別会計相互の間で所属替又は所管換をいたします場合につきましては、国立病院特別会計経理実情に鑑み、国有財産法特例として、昭和二十五年度限り無償をもつて整理いたしたいのであります。  以上の理由によりましてこの法律案提出いたしました次第であります。  何とぞ御審議上速かに御賛成あらんことを御願い申上げます。
  11. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 本案について何か御質疑ございますか。
  12. 天田勝正

    天田勝正君 この法律昭和二十五年度に限つている点からいたしまして、昭和二十五年度に所要の所属替をしようという意図だと思いますが、現在予定されておりまする所属替の財産はどのようなものでありますか。
  13. 河野一之

    政府委員河野一之君) 御承知通り、現在国立病院の方は特別会計になつております。それから療養所の方は一般会計所属ということになつておりますが、これを病院療養所の間におきまして、位置の関係その他人つておられるその病院施設関係から、療養所国立病院に持つて行く、或いは国立病院療養所にするというような関係で、こういう法律が要るわけであります。国立療養所国立病院の方に所属替をいたしますものといたしましては、主として温泉療養所でございますが、塩原、伊東、白濱、別府というような所であります。台帳価格で申しますと、非常に低くなりますが、六十万円程度、それから国立病院から国立療養所の方に所属替されるものが察谷病院、佐倉の病院、神野、津、東京第一病院小諸分院別府分院石靖原分院、こういうような所でありまして、現に或る程度そういうふうな転換しておる所もございます。台帳価格で言いますと二百十五万円程でございます。そういうような関係でこの関係をお互いの金銭の取合いでやるというようなことも国立病院実態、現在の收支及び経理状況から考えまして適当でないと考えましてこういうふうにした次第でございます。
  14. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 本案についての質疑はこの程度にいたします。   —————————————
  15. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 次に証券取引法の一部を改正する法律案、これを議題にいたしまして、政府より提案理由説明を願います。
  16. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  現行証券取引法は、昭和二十三年四月公布以来、すでに二ヶ年近くを経過し、その間証券行政執行上種々不備の点も発見され、又、経済情勢の進展に照し取引の公正の確保及び投資者保護のために更に積極的な施策を織り込む必要も生じて参つたのでありまして、ここに同法律の一部を改正するため本法律案提出することとなつた次第であります。  今回の改正案の主眼とするところは、証券業健全化を図ること、シヤウプ勧告の線に沿つて証券取引法規定により提出される財務諸表の基準を定める権限証券取引委員会に與えること等でありまして、以下改正の主要なる事項につきまして、逐次その大要を御説明いたします。  その第一点は、証券業者及び証券取引所健全化に関する諸規定を設けたことであります。この点を更に細説致しますと、その一は、証券業者は、営業用資本として最低顧五十万円を常に維持しなければならないこととし、この額にみたない登録申請者は、登録を拒否され又証券業者にしてその営業用資本額が五十万円を下つた場合には営業停止を命ぜられ、更には登録取消を受けることとして、証券業者資産内容健実化を図り、以て投資者保護を全からしめんとしたのであります。現行法におきましては証券業者資本金額には別段の制限はないのでありまして、ために弱体証券業者の濫立を来たし、投資者保護にも欠ける慮れがありますので、銀行、信託、保険、無毒等に関する法律と歩調を合わせ、証券業者たるには常に五十万円以上の営業用資本額を有するを要することとしたのであります。但し現在の証券業者に対しては、直ちにこの制限規定適用することは困難でありますので、二年後より適用することになつております。  その二は、証券業者が、営業又は財産経理状況に照し過当な数量の売買取引、不健全な方法による売買若しくは借入をなし、又は不良と認められる資産を有する場合においては、証券取引委員会当該行為制限し、不良資産を償却する等の命令をなすことができることとして、証券業者健全化を図ることとしたのであります。  その三は、盛衰の激しい証券業特殊性に鑑み、損益平準化を図るため証券業者営業年度を六ヶ月より一年に改正することにしたことであります。  その四は、登録取消の処分を受けた証券会社役員は、五年間証券会社役員に就任できないこととする等現在の登録拒否又は登録取消條文不備を整備したことであります。その他、証券取引所に関することでありますがへ証券取引委員会は、証券取引所が上場しようとする証券が公益又は投資者保護のために不適当と認めるときは上場を拒否すべき旨を命ずることができることとし、又証券取引所登録拒否條項を整備するなど、証券取引所健全化を図る規定を設けることといたしました。  第二点と致しましては、シャウプ勧告に謳われている線に沿いまして、証券取引法規定により提出される貸借対照表損益計算書等財務書類の用語、様式及び作成方法証券取引委員会規則を以て定める権限証券取引委員会に與え、企業経理内容を明確にし、投資者の理解を容易ならしめ、証券投資の普及に役立たしめることとするとともに、延いては不統一を極める我が国企業会計制度の整備したことであります。又これらの財務書類は、それを提出する会社と特別の利害関係のない公認会計士監査証明を受けなければならないとととし、財務書類信頼性又は利用性を高める措置を講じ、更にこの監査証明は、証券取引委員会規則で定める基準及び手続によつて行わなければならないこととして、わが国で始めての経験である外部監査制度を実効的ならしめることとしたことであります。ただその実施に当つては、公認会計士の現状に照し、監査証明を受けなければならない会社等証券取引委員会規則で逐次漸進的に指定していくこととし、これに必要な法的措置を講じた次第であります。  第三点は有価証券募集又は売出に際しで証券取引委員会規則届出を免除することができる範囲を、現行募集又は九十券面総額五百万円より千万円に引き上げ、経済実情の変化に即応しうることとしたことであります。  第四点は、投資についての判断を提供すべき新聞、雑誌等記事に関する取締規定を設けたことであります。これはアメリカ証券法規定に則り、このような記事を公表することについて、有価証券発行会社又は証券業者等から対価の提供を受けているときは、その旨を併せて表示しなければならないこととして、投資者判断に誤りなきを期せしめることとしたことであります。  第五点は、証券取引法規定に基いて設立された証券業協会について、その活動に実効性を與えるため、事業者団体法適用をしないこととしたことであります。  第六点は、証券取引委員会委員長及び委員は、その職務の特殊性に鑑み、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するものとし、特別職とすることであります。  以上が大体改正案の要点であります。この改正整備により証券取引目的たる有価証券取引の公正とその流通の円滑を図り、又投資者保護に一段と厚きを加えることとなる次第でありまして、政府としてはこの法律案が一日も速かに成立することを希望する次第であります。何卒速かに御審議の上御賛成あらんことを切望致します。
  17. 天田勝正

    天田勝正君 第三十四條の改正というのですが、これは御説明を聽いておりますと、資産内容がしつかりしておることによつて投資者保護する、こういうことであります。ところがこれも程度問題でありまして、若しそういう意図があるとするならば、到底五十万円でも実際足らんのじやないか。もう一つは、これに関連いたしまして、今日の証券業事態からいたしまして、これを何とか改善いたさなければ証券価格確保ができないという観点に立つて法律改正であろうと思いますが、そうした証券業者信用を高めるということもその一つなんであつて、そうしてみるというと、現在適用せしむべきものを、一体二年後に適用するということになつたんでは、余りに今日の事態に即応しないのではなかろうか、こう考えるわけでありますが、なぜにこの二年後としたか。二年後になればどうしてこれをやらなければならないか。現在五十万円位のものなれはすぐさま適用ができるのではないかと思うのですが、この二点についてどうお考えになつておられるか質したいと思います。
  18. 湯池謹爾郎

    政府委員湯池謹爾郎君) 今の御質問にお答えいたします。この三十四條の証券業者営業用資本額が五十万円を下つてはいけないと、こう規定いたしましたのは、これは証券業者資産内容を充実せしめるということから、間接的に今日のお客さんでありまする投資者保護することになるという考で改正いたしたのであります。御承知通り現在の証券取引法では、証券業を営むに当りまして、これは前は政府免許営業であつたのでありまするが、現在の証券取引法で、これが免許は要らない、登録さえすれば営業ができる建前になつてお力ます。そうして登録のときの資格といたしまして、例えばその会社役員が刑法上の犯罪が今まであつたとか、或いは破産とか、何かそういう形式的の資格だけでありまして、資産に関する資格一つもないのであります。従つて仮に十万円の資本金でやる者でも、そういう法的の欠格條件さえなければ、届出をすれば自由に営業ができるという建前になつておりまして、従つて或る程度営業を始めまして、相当お客さんの株を預り、或いは金を預つて商売をしておる間に、その証券業者資産内容が悪くなる。尤も現在の証券取引法ではそういうふうにして営業した証券会社資産のうち、営業用のこの純資本額というものが外部負債に対して……外部負債がこの営業用資本額の二十倍を超えてはならないという規定がありまして、二十倍を超えれば営業停止若しくは営業取消をするという規定があるのでありまするが、そうしまして或る余りよくない証券業者が今までのように自由に営業を始めて、まあ客に迷惑をかけるというような事実がありました場合に、証券取引委員会でこの証券業者を検査をして、そうしてその業者を呼んで審問して、そうして今のような営業用資本額に対して外部負債が二十倍を超えるという事実等がありますれば、或いは法令違反等がありますれば、それの理由取消をするということになるのであります。そうしますともうすでにその間にお客さんに、まあ投資家と申しますか、それに迷惑をかけるということに相成るので、この法律改正におきましては、我々はむしろ免許営業までにいたしたいという考えもあつたのでありまするが、この際は登録一つ資格の中に、営業用資本額が少くとも五十万円以上なければ、証券業者を営もうという登録をした場合に、それを取消すことができるのです。或いは現在の証が業者に対しても、この営業用資本額五十万円を割るような場合には、これも登録取消をするというような規定を設けたので、これは実は二つの面があります。先程申しました通り、今の証券業者の始めて開業する場合の一つ資格要件にしたことと、それから証券業者資産内容をよくしようというこの二つ意味があるのであります。それでこの既存の証券業者忙対して二ヵ年間の間にこれを適用するという点についてはそれは長過ぎるじやないかというお話であります。これは御尤もで、我々といたしましてもできるだけ早く資産内容が、少くとも純資本額五十万円をできるだけ早く実施させようということを考えておるのであります。尤も、ちよつと申上げますと、現在の証券業者で、この営業用資本額を五十万円で直ちにこれを実施して見ますと、現在の証券業者で大体三九%程度が引掛かるという状況なのでありまして、これを直ぐ実施してしまうということは、営業取消しする、そうすると延いては投資家に迷惑を掛けるということも考えられますので、まあ最大限二ケ年間、その間には資本内容をよくしなければいけない、こういう趣旨で二年間の猶予を認めたのでありまして、それから、尤も営業用資本額というのは單に資本金資本額という意味ではありませんで、資本額の中から固定した資本を差引いたその残りとこういう意味であります。
  19. 天田勝正

    天田勝正君 これはお説明を聞いておりましても、なぜ五十万円に止めるかという説明が、私共にはよく了解ができないのであります。間接投資者保護するというならば、又関連してこれをずつと後の年度において実施するというならば、五十万円は愚か百万円、二百万円にしてもいいのではないか、勿論説明されるまでもなく、純資本額というのは資産合計額から負債合計額を差引いたものということは私も承知しております。併し今まで危険と思われております証券業者でありまするか乃、信用を高めるためにはやはりその基準の額、この際は五十万円でありますが、これをむしろ高めた方がいいのじやないか。それを五十万円あれば沢山であるということの根拠をお聴きしておるわけであります。こういうことを申上げるのは、この五十万円の限定に対しては二年後でもよろしいと言つております。一方には、第四條第二項の但し書きを五百万円から一千万円とこう改めておる。これは貨幣価値が含下つておるからいろいろとこうした改正があるわけでありますが、併しこの第四條第三項の改正というものはむしろ企業会社の、株券を発行すべき会社届出方式を緩める、こういうことなんだろうと思うのです。こういつた面をですね、一切証券取引委員会規則に委せ、この証券取引委員会の許可を受けなければ募集又は売出しができない。こういうことにでもすれば、逆に投資者保護とこういうことになると思うのです。ところが当然証券業者義務たるへき方は現在直ぐには実行しない。今度は証券を発行する会社の方はこの附則を見ても分りまする通り公布の日から施行するとこういうのでありまするから、政府がこれを公布したならば直ぐこの五百万円から一千万円という、私共から見れば投資者の不利になる方が直々に施行される、こういうことになる、この矛盾です。こういうことに関連して私は五十万円の問題をお聽きしておるのでありまするから、そういう意味一つお答え願いたいと思います。
  20. 湯池謹爾郎

    政府委員湯池謹爾郎君) 私の或いはお答えが言葉が足りなかつたかと思いますが、現在証券業者については資本金制限というのは全然ないのです。それを全然資本金制限なしではやはり投資者保護のためにはよろしくないという観点で、これは資本金いくらという制限をしてもよかつたわけでありまするが、むしろ営業実態から見て営業用の純資本額をこの際制限的にこれ以上なければできないと、こういうような制限投資者保護という意味合で付けたのであります。今までは別に資本金関係義務とか、或いは制限というのはなかつたのでありまするが、今度のこの改正で新しくそういう制限を設けたわけであります。
  21. 天田勝正

    天田勝正君 どうも私の言う意味がよく、説明が下手なのか、通らんと思つておりますが、今までこうした規定がないことを私も承知しておるのです。併し現在の証券の動きを見ておりますと、今度の改正のようなものをいたさなければ証券に対する不信用投資者証券業者に対する不信用ということになつておるので、私はこの改正が出で来たのだろうと思うので、そうした信用を高めるためだは純資本額であるけれども、これも五十万円程度でなしに、もつと高くする必要がありはせんかとこう私は思うけれども、政府は五十万円でよろしいというのにはなんらか根拠がありますかと、こういうことを聽いておるのです。同時に第四條の改正点にも関連して参りまして、尚この三十四條の改正の方は、二年後であつても一応間接的に投資者保護と、こういうことを規定しておるけれども、その方の施行は二年後になつておる。ところが第四條の改正の五百万円から一千万円と、このことは緩めることであるから、結局間接にこれ又投資者には不利ということになりはしませんか。ここに要するに実際は投資者保護という説明をされながら、少くとも今後二年間の間というものは投資者の法的な不利の材料があつて、有利の材料はないのではないかということをお聽きしておるのです。
  22. 湯池謹爾郎

    政府委員湯池謹爾郎君) この資本増加等の場合に証券取引委員会規則届出を免除できる限度は、現在は五百万円。それを一千万円に引上げる。これはまあ貨幣価値等関係で引し上げて、これは増資等が容易にできるという意味合で、或る意味から行けば、厳格な届出制度から通知制度になるということは、その意味において投資家に不利じやないかというお話。これはその面から見ればそういうことにいくらかなろうと思います。それからこの三十四條の営業用資本額五十万円の実施、これは施行は勿論直ぐにいたすのでありまして、ただ現在の証券業者については二ヶ年の間にこれまで達しなければいけないとこういう猶予規定を置いただけで、新しく証券業者を始める人は初めから五十万円を保持しなければ営業ができない。こういうことでありまして、この施行自体は、直ぐこの法律実施するわけであります。
  23. 天田勝正

    天田勝正君 これは議論を非常に節約して言つておるのですが、結論的には、法律施行は確かに公布の日にせられるのは常識なんです。けれども猶予規定によつて実際に適用されるのは五十万円の方は二年後、五百万円を一千万円に変える第四條の改正の方は公布されたら直ぐ施行される。だから少くとも片方の二年後ということを一杯に利用した場合には、何も二年間というものは全然投資者というものは間接であつて保護されることにならんではないか。こういうことになると思う。片方は不安なる材料、といえば極端でありますが、実際に規則によつて届出主義という形になるのだ。即ち投資者に対しては不利なる材料公布なつたら直く適用される。その間二年間というものがただ投資に不利な材料だけが法律的に効用を持つ。こういうことになるので、それでは矛盾ではありませんか。こういうことを申上げたわけであります。
  24. 湯池謹爾郎

    政府委員湯池謹爾郎君) 今の営業用資本額の問題は、先程申しました通り二つありまして、一つは新しく証券業者を開業しようという者については従来資本金制限がなかつたが、今度新しく投資者保護という意味で、営業用資本を少くとも五十万円を保持しなければ営業ができないということにいたしたのが一点。それから現在営業をすでに営んでおりまする証券業者について、これは直ぐやるべきじやないかというお話のようにも伺つたのであります。これは実は直ぐ実施できればよいわけでありますが、これは先程もちよつと御説明申上げたかと思いますが、現在証券業者が千百四十七ばかりありますが、このうちこの営業用資本が五十万ということを直ちに実施しますと、結局営業停止し、或いは、営業登録取消をしなければならない業者が大体四割近くが引掛かり、取消さなければいけない。そういたしますと、これを直ぐ取消してしまいますと、委員会の方でこれを監督して業者に債務を支那わせるというような十分な監督を欠くということにもなるので、中にはもう取消された以上は捨鉢になつて自分勝手な支拂をするというようなこと等で、投資者に迷惑を掛けるというようなことも考えられたのでありまして、少くともできるだけ早く五十万円になるように指導監督するつもりでありますが、どんなに遅くても二ケ年後までに充実しなければ、そういう証券業者営業停止取消をする。こういう建前にしております。
  25. 天田勝正

    天田勝正君 どうも、証券業者にいきなりこれを適用すれば自暴自棄になる、こういう話でなしに、我々は立法するのであるから、要するに矛盾の点を突いて行く、こういう点で質問しておるのであつて、私の質問とは別な答をされておるわけなのですが、それじや私は質問を変えます。政府委員がお考えになりましても、この第三十四條の改正点は、これは間接的であつて投資者保護ということが狙いでありましよう。同時に第四條の点は逆に投資者に不利である、こういうことはお認めになりましよう。先ずこの点をお聽きします。
  26. 湯池謹爾郎

    政府委員湯池謹爾郎君) やはり厳密に言えばそういうことになると思います。
  27. 天田勝正

    天田勝正君 でありますから、片方は、間接的でも有利な條件、片方には不利な條件、こういうことが、二つ出た場合に、一方においては実際的には二年後まで適用されずに済む。片方はこれが公布された以上は、この不利の方は適用される。こういう点で矛盾しておりはせんかというので、あなたのように適用したならば三九%の証券業者が落第点を付けられるというような話でなしに、その点で片方が六箇月の猶予期間を置けば、不利の條件の方も六箇月の猶予期間を置くというなら話が分ります。だから片方が二年間というならば平等の原則に立つて片方の五百万円を一千万円にする方もこれ亦二年後にするならば、これで矛盾がなくなる。不利の條件はすぐ適用するが、有利の條件の方は二年後に棚上げする。こういうことはやはり立法上矛盾がありやせんか、こういうことなのです。
  28. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  29. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 速記を始めて下さい。
  30. 湯池謹爾郎

    政府委員湯池謹爾郎君) この第四條を改正いたしました趣旨は、この法律施行されまして二年近くになつておりまして、この届出制というものは、これはもと資本金を増加したり会社を作つたりする場合に、資金調整法というのがありまして、一々その許可に掛けておつたのでありますが、その法律廃止後資本増加をする場合、会社内容をありのままに記載した届出書を委員会提出して、そしてこれが事実であるかどうかという審査を受けて、そして一定の期間を経てから資本増加とか募集、売出しが、できるという建前になつておるのでありまして、もう二年近くも実施され、この制度の内容も大体了解されて参つた。ところが一方五百万円以上の会社増資等をする場合に、一々全国から東京まで来ていろいろ説明をしたりするという、言い換えれば、発行会社の方の工場、これは同時に貨幣価値の低落という問題も同時にあるのでありますが、一々厳格な届出制度では、現在の五百万円では、発行会社の方に迷惑が多い或いは資本投下をする場合に不便も多いだろうという意味もありまして、これをこの際一千万円に引上げるというので、当事者の面から厳格に申上げます。と、届出に代えて通知になるという意味で、必ずしも正確な報告を出さないから、その意味において幾らか欠けるという点があるとすればあると申上げるわけでありますが、これは一面発行会社、需要会社資本増加等を容易ならしめるという意味合でこの限度を引上げたわけであります。
  31. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) それでは証券取引法の一部を改正する法律案に対する御質疑は本日はこの程度にいたします。   —————————————
  32. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 次に国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案に移りまして、これは提案理由はもう説明は済んでおりますから、本案について御質疑のある方は御質疑を願います。  ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  33. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 速記を始めて。それでは本日はこの程度にして散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 散会前にちよつと申上げますが、先程お諮りしたのですが、税法が予備審査になつておりますので、公聽会を開きたいと思います。よつて、来月の七日に公聽会を開きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 御異議ないと認めます。  それで来て頂く人は選定を委員長にお任せを願いたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 御異議ないと認めます。さようにいたします。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十一分散会  出席者は左の通り。    理事            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            天田 勝正君            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            油井賢太郎君            小宮山常吉君            川上  嘉君            木村禧八郎君            米倉 龍也君   政府委員    大蔵政務次官  水田三喜男君    大蔵事務次官    (主計局長)  河野 一之君    大蔵事務次官    (主計局法規課    長)      佐藤 一郎君    大蔵事務官    (証券取引委員    会事務局長)  湯池謹爾郎