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法制局参事(
寺光忠君) 御
承知のごとく
参議院の
全国選出議員につきましては、
法定得票数が
全国区は八分の一にな
つております。それから
地方選出議員については四分の一でございます。ところが
衆議院におきまして第一次の草案と異なりまして、その後の
委員会審議の経過におきまして、これを
衆議院と同じように一律の四分の一に直したことを発見いたしたのであります。それで若し万一
参議院の
全国区
選出議員と
地方選出議員の
法定得票数が共に
衆議院と同じように四分の一に
現行法に改められた場合に、どういう結果が出るかということを調べて見たのですが、お
手許にお配りしてあります表のうち、一番上の表はこの前の第一回
参議院通常選挙の際における
数字を
基本にいたしまして調べたものでございます。あのときの
有効投票総数は二千一百万余でありまして、そのときの
法定得票数は八分の一でありますから、二万六千五百八十八票ということであり、その八分の一の
法定得票数に達した方が百七十八人あ
つたのであります。その際の
当選人の最
底得票数は六万八千百二十八でありまして、念のため附加いたしますと、六年
議員の
最低は十二万三千六百七十九であ
つたのであります。若し
衆議院の
公職選挙法案のごとくに
法定得票数を四分の一といたしますれば、どういうことに
なつたかと申しますと、その
法定得票数が五万三千百七十七票でありますから、
従つてそれから申しますと、百二十九人の
法定得票者があ
つたという結果になり、従いまして僅か二十九名しか余裕と申しますか、そうい
つた方がなか
つたという結果になるのであります。それでさような二十九名くらいでは万一
投票が荒れた場合等におきましては
相当に危い、と申しますのは再び
選挙をやり直さなければならんという事態が生れて来る虞れがあるというので、若しこれを五分の一とし、六分の一とした場合にどうなるかということを
計算いたしたのがその下の数でございます。
次の頁は第二十四回
衆議院議員総
選挙における
有効投票数を
基本にいたしまして、そのときの
有効投票数は三千五十九万余でございましたので、若しこの次の六月
選挙においた第二十四回
衆議院総
選挙と同じような
投票総数があ
つたといたしますると、先ず三千万余になる。それを定数が五十人でございますので、それを割りまして、八分の一といたしたいといたしますれば七万六千四百八十一票、四分の一といたしましたならば一番下の十五万二千九百六十二票というものを必要とする。それで
現行法のごとく八分の一といたしますれば七万六千四百八十一票で足りる。それから六分の一であれば十万余、五分の一ならば十二万余ということであります。そこでこの次の六月の
選挙におきまして、若し
衆議院案のごとく四分の一といたしますと、
全国区で十五万を超える票を取らなければ
当選しないという結果が生まれて来る。これは万々一の場合には
相当危ない
数字ではないかということも
考えられねので、
現行法のごとく七万六千というような予定にいたすことが、適当かどうかということについても
議論がある。いろいろまあお
考えがあろうかと思うのでありますが、先程
委員長が仰せられましたように、六分の一ということで
衆議院の方に交渉したという
お話でございます。以下の
地方区選出議員の方は、これは八分の一に下げるということは如何かと思いましたので、四分の一と六分の一の
数字しか出しておりませんが、四分の一というのは
現行法であり、それから
衆議院案の
通りであり、
参議院案もその
通りをと
つております。六分の一というのは若し下げるとすれば、この
程度のものになるという
数字でございます。
それから一番後の二枚でございますが、これは比較にならないかと思いますけれども、併し
衆議院議員選挙法による
数字を第二十四回の総
選挙の結果によりまして、出して見たのでございます。これはただ御
参考までに並べたに過ぎない。若し
衆議院の方で六分の一ということで、同調したということでありますれば、
供託金の
沒收の率につきましても、同じく
衆議院案は五分の一にいたしておりますけれども、これを十分の一
程度に下げるという申入れをして頂かなければならんかと、かように
考えております。