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1950-02-02 第7回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二日(木曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————   委員の異動 十二月十九日理事互選の結果、左の通 り決定した。    理事      大野 幸一君    理事      城  義臣君    理事      木内 四郎君    理事      鈴木 直人君    理事      羽仁 五郎君 同日委員吉川末次郎辞任につき、そ の補欠として中村正雄君を議長おい て指名した。 一月二十一日委員左藤義詮君及び柴田 政次君辞任につき、その補欠として遠 山丙市君及び藤井新一君を議長おい て指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○選挙法改正に関する調査の件   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより選挙法改正特別委員会開会いたします。  先ず以て今までの経過の御報告を申上げます。本年になりましてからは数回理事打合会を開きまして、又会議も開いたのでありますが、数が集まりませんで、理事打合会は二回程やりました。あとは流会になつて今日に至つたのであります。去る一月二十三日にホイットニー民政局長に、衆議院側委員長と私とそれから法制局の方を同道していろいろこの選挙に関する注意並びにメモランダムと示されたのでありますが、それらの御報告をいたしたいと思います。  それから今までに、私としては衆議院側選挙委員長に数回交渉をいたしまして、その交渉経過は御承知通り参議院側衆議院側意見食違つておる点を調整するために参つたのであります。まだ衆議院側の方からはつきりした回答を得ておりません。昨年こちらから示した中の四つ項目衆議院が取上げて、衆議院側のこの選挙法案の中にその通りつております。  尚こちらから七つ程示しましたものについては、衆議院側では了解を得ておりません。後程これについては又皆さんの御意見伺つて衆議院側と更に交渉するつもりであります。  それから只今申上げましたホイットニー民政局長との会談の結果はここにプリントにしてございますが、これは一応皆さん手許にお渡ししてあると思いますがどうですか。(「頂いております」と呼び者あり)一応これを朗読して検討しますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは……
  4. 木内四郎

    木内四郎君 委員長から衆議院の方に申入れられたことをもう一度念のために書いて頂いて、そのうち向うが承認したものと承認しないものとはつきりして頂きたいと思います。
  5. 小串清一

    委員長小串清一君) その通り取計います。後ほど只今報告申上げましたことをやるつもりでありますから……ホイットニー民政局長メモランダムを一応……。速記を止めて。    〔速記中止
  6. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは速記始めて。  只今申上げたような意味で、関係方面から非常に細かな注意を受けたのであります。その注意は、今衆議院で大体決定をした選挙法案にも大分改廃を要するようになるますが、今のメモヲンダムにもあつたように、国会の決議は相当に尊重するから、憲法に違反しないように国会で決めろと言つてつた言葉の中には、この法案の中でも国会の意思が両院共決定をした事項は多くは認めて呉れるつもりじやないかと、私は判断しております。ただクリヤーするけれども、尚法案決定までには、こちらと十分懇談をして貰いたい。いつでも国会の方へも出て行くし、又そちらからも来て貰うこともあるから、これだけは特に申入れて置く。こういうことでありました。今後法案の審議についてやはり関係方面とは折衝を要するものと思うのであります。  次に只今問題になつ新聞報道及び評論の自由、この問題につきまして、御承知通り参議院の案も衆議院の案も新聞報道は自由だけれども、評論については制限を加えるような今までの法案を、各新聞社反対をし、尚関係方面でも反対をし、アメリカの新聞まで反対をしたのでありました。ところが去る十二月の二十六、二十八両日、衆議院生田委員長が非公式に新聞社を訪問して、新聞社といろいろ折衝をして大体了解を得ました事項は、更に関係方面、即ち民政局の方でも大体さつきお聞きのように認めるのであります。この問題をちよつと御報告申上げて置きます。説明して下さい。
  7. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 衆議院公職選挙法案の百四十八條でございますが、それに新聞報道等の自由という見出しで、「この法律に定めるところの選挙運動制限に関する規定は、新聞おいて、選挙に関する事項報道として掲載する自由を妨げるものではない。新聞販売を業とする者が通常方法で、これを頒布し又は掲示する行為についても、また同様とする。」この百四十八條規定が、かねてからのインボーデン声明等に若干牴触の嫌いがあるのではないかというようなこともあり、又新聞協会といたしましても、百四十八條規定そのままでは甚だしく新聞報道の自由を束縛するものとして反対をしておつたのであります。参議院側で御立案になりました選挙基本法案はこの問題を予測しまして、百四十八條に該当する規定規定せられておらないのであります。従つてこの問題は專ら衆議院法案について起きたのでございますが、これにつきまして衆議院委員会とそれから新聞協会とでいろいろお話合の結果は、百四十八條を次のように修正するということになつたようでございます。読上げますと、見出しを「新聞紙雑誌報道及び評論等の自由」ということに改め、内容は、新聞紙雑誌報道及び評論の自由、第百四十八條「この法律に定めるところの選挙運動制限に関する規定は、新聞紙又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。但し、虚僞事項を記載し又は報道記事について事実を歪曲する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。」第二項といたしまして前の百四十八條の後段に当る方であります。第二項「新聞紙又は雑誌販売を業とする者が、前項規定する新聞紙又は雑誌を、通常方法で頒布し又は選挙管理委員会おいて指定する場所に掲示することができる。」であります。
  8. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今朗読されましたこの百四十八條の全文に対する罰則を御参考に申上げて置きます。これは「虚僞の事実の公表罪」という見出しで、第二百三十五條にこういうことを書入れることになつております。第二百三十五條の二項、「第百四十八條第一項但書の規定違反して新聞紙又は雑誌選挙の公正を害したときも、また前項と同様とする。」というその罰はこういう罰なんです。「二年以下の禁錮又は二万五千円以下の罰金に処する。」こういう罰があるのです。これは第一項の規定違反した場合はです。それから第二項の違反は、これは二百四十三條の第六号で、その二百四十三條というのは「二年以下の禁錮又は三千円以上五万円以下の罰金に処する。」今お書き取りになりました百四十八條の一項、二項に関する違反に対してはそういう制限が加わることになるのであります。それだけ申上げて置きます。これはいわゆる新聞社とさんざんごたごたして折衝して大体これは関係方面のアプリヘンドを得たわけでありますから、この通りに行くと思つております。
  9. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 今の二百三十五條第二項の改正規定ですね、それは罰は誰に加えるのですか。
  10. 小串清一

    委員長小串清一君) その新聞社なら新聞社編集長です。
  11. 木内四郎

    木内四郎君 今衆議院修正案伺つたのですが、若しそれ以外に伺うことがなければ、速記を止めて先程の司令部メモランダムについてちよつと懇談したいと思うのですが、どうでしよう。
  12. 小串清一

    委員長小串清一君) まだいろいろありますが、どつちにしましようか。
  13. 木内四郎

    木内四郎君 報告されるものがあれば報告されてから……
  14. 小串清一

    委員長小串清一君) 実は今までこちらから衆議院要求したのが昨年の暮に四ヶ條だけはすでに御報告申上げました通り、こつちの案向うで取り入れたのです。尚十一申入れした中の七つ向うとまだ一致しておりませんが、それを更に本年の一月になつて二回ほど衆議院是非これを相談して呉れと、そうしてこの中のどれでもよいから取るものは取つてその返事を聽きたいということを申上げて置きましたが、まだその返事はありませんが、この際皆さんと案のこの中、衆議院に同調しても一向差支えないものは整理して、これだけは是非通して貰うという案を決めて更に交渉したいと思う。その訳は本日の午後一時過ぎから衆議院選挙法委員会が行われる。それで多分二時頃には丁度いいだろうと思うから、参議院の方から来て貰つて要求を一応向う委員説明をして貰いたい、こういうことを向うから申して来ておりまして、それで本日皆さんと今まで参議院側が決めまして意見について更に再考をいたして、煩を省くためにこれだけは是非同意して貰うということだけに止め、いずれでもよかろうと思うのはこの際衆議院と煩を避けるために止めたらどうか。これは私の意見ですが、これを皆さん今日決めて頂きたいと思つております。それでは一つその説明をして頂けませんか、衆議院との食違つている点を……
  15. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 衆議院の方に申入れまして衆議院公聽選挙法案の中に織入れましたものは、開票の場合の効力決定に関するオーストラリア法類以規定と、それから選挙事務所の数の問題と、ポスター公営の問題と、それから参議院地方選出議員補欠選挙を行う場合に関する問題と以上四件であります。これは本院の申入れた衆議院側で同調したのでありますが、同調しなかつた部分が只今手許にお配りいたしました七点であります。
  16. 島村軍次

    島村軍次君 取入れる点は会場場所ポスター……
  17. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 開票の場合の効力決定に関する規定と、それから選挙事務所の数の問題、それからポスターの費用の公営、それから参議院地方選出議員補欠選挙を行う場合を衆議院では二人だけとしておりましたのを現行法通り四分の一というふうに改めて貰つたことであります。衆議院の方で同調いたしておりませんものは、第一に選挙取締公正確保に関する規定を削除することであります。これは強いてかような規定を置く必要なしというふうに本委員会で御決定なつたものであります。第二は選挙期日についてでありますが、これはただ実体的には衆議院規定と同じでありまして、規定の文言において本院の案の方に同調して貰いたいということを申入れておるのであります。第三は選挙会及び選挙分会を止めてすべて選挙管理委員会をしてやらせるというのであります。それから第四は候補者につきまして、特に公務員立候補制限一つとして都道府県知事及び市長については、六ヶ月前に辞職することを立候補の要件とするという改正であります。それから第五には供託金につきまして三万円とあるのを五万に引上げると同時に公営費分担金二万円を廃止する。こういう申入であります。第六に教育上特殊の地位を利用する選挙運動に関しまして、衆議院側で新たに設けました規定はむしろ現行法の方が傷つておるということで、現行法のように戻すということを申入れたわけであります。その次は立会演説会場秩序保持につきまして、警察官等処分請求規定を削除するということの申入れでございます。
  18. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今の御報告になりました七点でありますが、これはこの選挙改正特別委員会が昨年の夏開始以来、愼重に討議討論せられた結果の結論として、十分練り上げた上で出ておる七点でありますから、何とかして衆議院がこれに同調せられるように本委員会として委員長に御助力をお願いしたいというふうに切望するものであります。
  19. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今羽仁君の御希望は御尤もでありまして、私ももうすでに二回衆議院の方といろいろ折衝したのでありますが、衆議院の方ではまだ一回諮つただけらしいのですが、遺憾ながら前の四つだけで一つ是非承知して貰いたいというような意向を委員長が洩らしております。そこで先日参つて、それでは困る、それでは私、或いは私の方の人も一緒に行くから知れないが、君の方の選挙法改正委員会に出席して我々の希望を申上げたい。それはよろしい、それでは引受けたということで、本日向うから今日午後二時頃に来て貰いたい、そうして君らの希望を一応聽こう、こういうことになつておるのであります。私の考えでは、やはりこれを皆通すことはこれは衆議院と衝突することにもなりますが、併しこれが正式に付託された衆議院公聽選挙法案を議するに当つて、これだけのもの若しくはこれ以外のもので修正意見がこちらの皆さん討議の結果できれば、これは堂々とこちらも修正意見を出して、衆議院と食い違つた意見ができれば、更に協議を遂げるという方法もあると思うのです。だから容易に衆議院に本法を讓るということもどうかと思いますが、併しこの中で多少軽重と考えて、皆さんの方でもこれはまあどうでもいいのじやないかと思うようなものは、余り争点を多くしない方がいいのじやないか、その代りこれだけは是非というものがあれば、それをやつた方がいいのじやないか、これは私の意見であります。これは選挙期日に関する問題でありますが、開会中又は閉会の日から三十日以内とかいうことは、これは計算のことでどちらとしても大したことはないように思われます。それから供託金もこちらは五万円、衆議院は二万円を公営津として負担させ三万円を供託する、衆議院の方ではこれを公営にして国費を出して貰いながら、虫のいい話で、……皆供託して選挙終つたら持つてつてしまうというのは、参議院の人が無理だということを頻りに衆議院では言つておるらしい。それはまあこういうような問題は私は大した問題ではないと思うのです、例の年齢の制限もたやすく讓つてしまつたように、こういうものは大して争わないで、今羽仁君が要望されるような点とす、いろいろなことを向うに対して要求の数の七つを減して強く出た方がいいのじやないか、これは私の考えですが。それから尚この外にも無論御研究の結果、私はこれだけの厖大な案ですから、修正案もあろうと思うのですが、今日折衝したからといつて全部終つたというわけではないと思います。これについて更にやりますか。それとも今申すように七点を五点か何かにして、それだけは今日向う交渉をやることにしますか。その辺を今日のことですから大体皆さんで決めて頂きたい。私はこれ以外にまだ修正をするかも知れないから留保して置いた方がいいと思います。
  20. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今委員長の御説明の御趣旨と、それからできるだけ衆議院と一致を図ろうという御努力の御誠意に対しては全面的にこれを支持したいと思います。今言われました程度のことは或いは今日こちらの委員会として皆さんの多数の御意見であれば、それに従つてもいいと思うのでありますが、但しここに出ております七つの中ですでにさつき説明になりました選挙改正に関する根本方針についての関係方面意見の中にもはつきり現われているのがありますから、これらの点については我々の委員会の討論の結果が関係方面意見とも……予めすでに先に関係方面意見を示される前に、参議院委員会としてはそういう立場を取つていた。例えば第六のごときはメモランダムの中に條文を挙げて指摘しておりますし、そういう点では衆議院側もこれまでに委員長が御折衝されましたときよりももつといろいろ、又お考えも進んでいることであるように思います。それから尚これ以外に是非この委員会として考慮願いたいのは、今衆議院の方で立案されております公職選挙法案の第百四十六條の一項の規定であります。  これは「何人も、選挙運動期間中は、著述演芸等広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二條(文書図画の頒布)及び第百四十三條(文書図画の掲示)の禁止を免れる行為として、公職候補者氏名政党その他の政治団体名称又は公職候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒分し、又掲示することができない。」という規定でありますが、これはその後各方面から非常に反対論が我々の耳にも聞えて参りまして、この條文そのものを読めば、これは百四十二條、及び百四十三條の「禁止を免れる行為として、」というふうにあるのでありますが、この世間一般で理解されておるところでは、「選挙運動期間中は、著述演芸等広告」などができないというふうに理解されておる面が以外に多いことに私気が付いたのであります。これは法律條文を一々一般の人々が細かい点について解釈するというよりもそういう印象が非常に強い。それから第二には、この法律が実際施行せられます際に、地方などにおいてこの行き過ぎの取締りが行われる場合があるのではないか。そういうような一般の解釈があり、又地方おい行き過ぎの憂いがある。それらの場合には著述演芸などの行為をなすところの自由、或いはそれについての広告をなすところの自由、即ち学問上、或いは芸術上の表現の自由、又営業の自由というものが侵害される虞れがありますので、これについてどうかこの委員会でもう一遍御討議願つて、その結果をおまとめ下さいまして、ここに挙げられております七つ、或いはこの七つのうち、一、二が削られますならば、その残つた五つ乃至六つに今の問題を是非加えて頂きたいということを切に希望いたします。
  21. 木内四郎

    木内四郎君 今羽仁君が、こちらから申入れた箇條以外のことについてお話がありましたが、そうなつて来るといろいろの問題が出て来ると思う。今あなたの言われたようなことも勿論あるし、どうですか、今まで向うへ申入れて、向う承知しないようなものを一応委員長から申入れて頂いて、その外の点についてもいろいろ若し先程読まれたメモランダム従つて再考するということになれば、新聞だけではなく、我々の態度を根本的に私は考え直して行かなければならんというような点が相当あると思います。そうなつて来たらこちらの委員向う委員懇談をしたらどういうものか……
  22. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今の御意見どうですか。懇談……それはいいと思います。今日行けばそれを申込みます。皆さんがそうやれとおつしやれば……
  23. 木内四郎

    木内四郎君 その前にもさつき私が申上げたように、向うへ申入れたことはそれとして、もつと大きな問題が出て来ておるのだから、その問題について速記を止めて懇談にして……
  24. 柏木庫治

    柏木庫治君 私はこの七つのうち最も重要と思うものを二三にしてでも重点主義で行きたい。それから懇談結構でありますが、今羽仁君が言われた実際の末端地方に行きますと、非常に地方の者に分り易く今羽仁君の言うたことを私は明らかにされて行くことが最も大事なことだと思うのです。実際許されておつて條文がむずかしいというと、末端の者はとにかく日本人は選挙というものを非常に恐れているのですから、触つた違反になるというような考えがあるのですから、それをそういうことのないように簡單に分らせるようにする親切さだけを選挙法は持つておらなければならん。だからさつき羽仁君の申出は取入れて、私は懇談の際に一応交渉條文の中に入れられたいと思います。
  25. 太田敏兄

    太田敏兄君 私も先程委員長の述べられました折衝のことについては賛成いたします。それから只今柏木さんのおつしやいましたように、又この七項目の中でまあどちらになつて選挙そのものに大きな関係のないものは、場合によつて委員長折衝の場合に何してもいいのですが、そこでここでは七項目の中でどうしても容れられない、どうしても参議院側主張と合わんというのが二三あると思うのです。例えば第四項の公務員候補者制限の問題、第六項の教育者に関する問題、この二つはどうしても私共としては通したい。それからもう一つ只今羽仁さんから申された問題、これも柏木君がおつしやつたように、この文面だけから行けば大した問題はないけれども、実際末端に行きますと、御承知のように非常に選挙というものを一般に恐れる傾向があるので、実際末端に行くといういろいろなことが出て来ると思うのです。例えば私共まあ現に著述をいたしておりますが、外の府県では平気で広告を出しているようなのが、自分の手許に来ると選挙に引つかかつてはいかんというので特に引つ込めたというようなことがあるのです。そんなわけで羽仁さんが申された百四十六條の問題は是非とも附加えたいと思います。私としましては、外に御意見があるかも知れませんが、一番重点的に考えたのは第四項と第六項の問題、それから羽仁さんがおつしやつた百四十六條の問題、まあ少くもこの三項の問題は是非ともこちらの主張衆議院側に出して頂きたいというふうに御努力願いたいと思います。
  26. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと……羽仁さんのおつしやつた百四十六條の問題は全く誤解される恐れがあるが、併しこの法律は百四十六條の禁止を免かれる行為としてこういうことをしてはならないのだから、免かれる行為でなければやつても差支えない。即ち選挙運動の目的でやるのでなければいいという意味はこの中にあるのですが、さて然らば、それでは粉わしいからこれを直すとしたらどういうふうにやつて行くかということをあなたの方から一つ判断を具体的に……そうしませんとやはり向う交渉するのに困るのです。
  27. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 委員長のおつしやる通り、これは今までの現行法にも類似した規定があつたと思うのですが、それはどういうふうになつておりますか、参考のためにちよつと教えて頂きたいと思うのですが。今までは大なる支障なしに行われていた。
  28. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 臨時特例二十一條によりますと、「禁止を免れる行為として、」までは大体この案と同じでありまして、その後は「主として議員候補者氏名政党その他の政治団体名称又は議員候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し、又は掲示することができない。」こういうような行き方でございます。従つて二十一條を読みますと「何人選挙運動期間中は、著述演芸等広告その他いかなる名義を以てするを問わず、前二條の禁止を免がれる行為として、主として議員候補者氏名政党その他の政治団体名称又は議員候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し、又は掲示することができない。」こういうのであります。
  29. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 もう少し伺いたいのですが、その現行法規定で特に重大なる支障或いは問題があつたことがあるのでせうか。
  30. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 臨時特例等におきましては「主として」という言葉をしばしば使つておるのでありますが、それを今度の案は「主として」ということが粉らわしいということから削つてあります。
  31. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 現行法で今のような手数の問題があるとしても、現行法で今のような手数の問題があるとしても、現行法では一般さつき申上げましたような誤解がなく、そうして又そういう末端の行過ぎというふうなこともなかつたのですが、今度「主として」という字を取られたために、候補者氏名を出してはいけないのだというふうに、現に実際東京都の出版業者関係から私はそういう意見を聞きました。又地方おいてそういう行過ぎが憂慮されているので、或いはさつき委員長のおつしやつた意味から言えば、現行法のようにして置くことが一応の解決として一番便宜ではないか。即ち「主として」という文字を存置して置いて削らないようにしたら……
  32. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと速記を止めて。    午前十一時五十四分速記中止    ——————————    午後零時十八分速記開始
  33. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは速記を始めて。  只今懇談中にいろいろ御協議を遂げましたが、この衆議院の方に交渉する七項目の中で多少緩急がある分は、この二のような問題ですな。そんなのは委員長にお任せになつて、余り強く主張しないかも知れませんが……今御注意なつたこの百四十四條と百四十六條の問題は今までもやはり要求なつたけれども、参議院に大関係のある問題でありますから、今日相当に強く主張をいたすつもりであります。それから尚本日の交渉の結果は直ぐに明瞭にならんでしようが、これは尚次の委員会に直ちに御報告申上げますと共に、メモランダム等についての御協議もありましようが、時刻も大分経ちましたから、今日はこの程度にして、この交渉の結果如何に拘らず最近に又委員会を開いて御意見を拝聴したいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 今七項目の中で、どれとどれを委員長は強く主張なさるのか、それを承つて置きたい。はつきりしない。
  35. 小串清一

    委員長小串清一君) 大体只今皆様の御意見を見ても、選挙分会の問題はそう大した問題じやないのじやないか。それから供託金の問題その他は、やはり一番初めのこれも、これは衆議院相当強く言いましようが、選挙の公正を確保するために検察官その他云々ということも削除しているのですから、やはり削除説を一応言うつもりであります。それから後は四番、六番、七番、それから百四十四條、百四十六條、こういうような点について今日向うに申入れるわけです。
  36. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 百四十八條も百四十六條と相並んで同じような意味で問題になるように思うのですが……
  37. 小串清一

    委員長小串清一君) これを問題にするのなら、これはこちらが本当の討議をして、新聞社及び司令部にもうすでに決定されている事項ですから、今日の交渉には私はちよつとこれだけの人数でそれだけのことをするのは行過ぎと思います。
  38. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 百四十六條はどうです。
  39. 小串清一

    委員長小串清一君) これは今日申込みます。
  40. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それはそれ程じやないんですね。
  41. 小串清一

    委員長小串清一君) これはやはり羽仁君の話で全国区を何する、参議院の方には大変理解があるということで、これも一応申込むつもりです。
  42. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 百四十八條はそれに劣らず……ちよつと條文だけを読みますと当り前のように見えるが、その過用の実際を考えて見ると、なかなか大きな問題と思うのですが……
  43. 小串清一

    委員長小串清一君) 無論大きな問題ですが、再三説明を申上げますように、衆議院新聞社司令部とがもう、了解ができて、私の方だけはまだ了解しなかつただけですが、殆んど決定的のことですから、これを直せというにはやはり参議院全体の皆さん意見を確定して争わなければ、ここで簡單にあれも一つ何とかして呉れということを私が小人数の御意見で直ぐ持ち出すわけにはいかんと思います。
  44. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 だから鵜呑にするのだというのではなく、十分参議院独自の立場から検討すべきである。今日は問題にするには不十分だという意味ですね。
  45. 小串清一

    委員長小串清一君) そうです。
  46. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 光程中村君から発言があり希望のあつたポスターの数、百四十四條、これは参議院で決めた数とは地方区も違つておる、それから全国区の何千枚を超えることはできないということも違つておる。大変軽いことではなく大事なことですから、これを併せて参議院が前に決めたそれを一つ主張して頂きたい。私の方からも註文いたします。
  47. 小串清一

    委員長小串清一君) 了承いたしました。
  48. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それで大体六項目になるのですね。
  49. 小串清一

    委員長小串清一君) 全体はつまり九つばかり言うが、全部向うで押問答したりして私共の方では固執しません。これはどうしてもやつて呉れということで……  それでは今日はこの程度で散会いたします。    午後零時二十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大野 幸一君            木内 四郎君            羽仁 五郎君    委員            中村 正雄君            北村 一男君            佐々木鹿藏君            岡本 愛祐君            柏木 庫治君            來馬 琢道君            島村 軍次君            宿谷 榮一君            兼岩 傳一君            太田 敏兄君   法制局側    参     事    (第二部長)  寺光  忠君